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現役医師、循環器内科医(Dr. I)が医療について、詳しくわかりやすく解説するブログ。 引用、転載は自由ですが、その際は必ず引用元を明記して下さいね!
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救急車でも非常識な要請
日本の医療崩壊の原因に、コンビニ救急や、
モンスターペイシェントなどの、患者側の問題もある。
っていう事は、医師ブログだけでなく、
最近は既存のマスコミでも書かれるようになりましたが。

救急車の要請でも、やっぱり問題のある患者
多かったようですねー。
この話は、yahooのトップページも出ていましたね。


足代わり119番救急車「予約」
…非常識な要請広がる
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080622-00000027-yom-soci

救急車病院までのタクシー代わりに利用しようとする
119番が、全国各地で相次いでいることが、
主要51都市の消防本部を対象にした
読売新聞の調査で明らかになった。

急病でないにもかかわらず、
病院での診察の順番を早めたい」という理由で、
救急車を呼ぶケースも目立つ。
昨年1年間の救急出動件数の5割は軽症者の搬送で、
110番に続き119番でも、非常識な要請が広がっている
傾向が裏付けられた形だ。

都道府県庁所在地と政令市にある計51の消防本部
(東京は東京消防庁)を対象に、最近の119番
内容を尋ねたところ、37消防本部が
タクシー代わりの利用など、
明らかに緊急性のない要請があると回答。
大都市、地方都市とも同じ傾向がみられた。

例えば、「119番でかけつけると、
入院用の荷物を持った女性が自ら乗り込んできた」
(甲信越地方)ケースや、
119番で『○月○日の○時に来てほしい』
救急車を予約しようとする」(関西地方)事例が多い。
症状を偽る人もおり、甲信越地方の60歳代の男性は
「具合が悪くて動けない」と救急車を呼びながら、
実際は緊急の症状はなく、
あらかじめ病院に診察の予約を入れていた。

風邪程度なのに、「救急車で行けば、早く診てもらえる」
と思って119番する事例も、28消防本部で確認された。

病院では救急外来の患者の重症度を
まず看護師が判断する場合が多い。
しかし、山陽地方では、切り傷で搬送された
患者と家族が、診察の順番を待つよう告げられ、
救急車で来たのだから、優先的に診察するのが当然だろう」
と詰め寄った。

診察待ちをしている人が、病院を抜け出して
119番するケースも7消防本部であった。

関東地方では、50歳の男性を病院に搬送すると、
先ほどまで待合室にいたことが判明。
男性は「順番が来ずにイライラし、
救急車で運ばれれば早まると思った」と語った。

51消防本部で昨年1年間に救急車が出動した
約232万件のうち、安易な要請も含めた
軽症者の搬送は約117万件。
厳しい財政事情から救急隊の増員が進まず、
重症者への対応が遅れるなど支障も出ている。


『2008年6月23日:読売新聞』


実は、6/23の読売新聞の33面にも関連記事があって。
そっちの方にも非常に大事な事が書いてあったんで。
本当は、それを紹介しようと思っていたのですが。

どうやら、ネット上にはアップされていなかったようなので。
他のブログなんかでも引用されている、
同じ文章を引用しちゃいましたわ。

救急車の利用で問題になっているのは、
軽症患者救急車を使ってしまうと、重症患者が使えなくなる。
っていう事なんですよ。

当たり前すぎて、この記事では最後にわずかに
触れている程度なんですけど。

33面には、具体例が出ていました。

町に2台しか救急車がない町で。
どっちの救急車軽症患者の為に出払っていて。
その為、心肺停止だったかな、
重症患者の命を助けられなかった。


という例です。


金も無限にあって、人も無限で、救急車の数も無限。
時間に制限もない。


こういう状況であれば、軽症患者
救急車を使ったって良いんですよ。
はっきり言って。

でも、実際には違うでしょ。
救急車の数には限りがある。
救急の数も限られている。
だから、軽症患者のところにばかり
救急車が行く事になると、
重症患者のところに救急車が行くのが遅れる。
そしたら、重症患者の命が救えないかもしれない

そこが、一番の問題なんですよ。

もちろん、医療費の問題もありますけどね。


今のやり方では、
一部のわがままな人間が貴重な救急車
救急隊という資源を無料で独占して。
その結果、本当に助けなければいけない、
重症患者の所に救急車が行くのが遅れて、
助けられない命がある。


というのが事実です。

だったら、今のやり方、システムを変えるしか、
方法はないんじゃないかなー。


簡単に言うと、今のシステムっていうのは、
「いつでもどこでも誰でも、救急車は無料」。
こういうシステムです。

いつでもどこでも誰でも無料、だから。
重症患者でも、軽症患者でも無料だし。
どんなに遠くまで乗っても、何回乗っても無料。
っていう事ですよ。

『「こどもの医療費無料」の問題点』
の記事には、子供の医療費の事を書いたんだけど。


「無料なら、病院に来よう」
っていう人が多くなるからです。

薬屋で、薬とポカリスエットを買ったら2000円。
でも、病院に行って専門家である医者に診てもらって。
それで薬までもらっても、0円。
だったら、時間外でも、病院に来よう。
って思う親が多いのは、当たり前です。

時間外に軽症なのに病院救急外来に来るのって、
「コンビニ救急」とかって呼ばれているのですけど。

これって、患者(こども)とか、その親が
いわゆる「モンスターペイシェント」だから起こる、
っていうよりは、「こどもの医療費無料」
っていう制度がおかしいから起こっているのですよ。



これは、救急車が無料っていう場合にも、
全く同じ事が当てはまります。

「タクシーを使うより、救急車の方が安い。
だったら、救急車病院に来よう。」

という人がいるのは、
救急車が無料」という制度のせいです。

だったら、これを手っ取り早く解決するには、
救急車を有料にすれば良いんですよ。


日本では、全国どこでも、いつでも誰でも、
軽症でも重症でも救急車は無料
ですけど。
世界の中では、救急車が無料という国は、
むしろ少ない
んですよ。


諸外国の救急運営状況
国別     都市名       金 額(円)
 
アメリカ
ニューヨーク     有料 \47,000~\72,000 
ロサンゼルス    有料 \47,000~\72,000
サンフランシスコ  有料 \47,000~\72,000
ホノルル       有料 \47,000~\72,000
サイパン       有料 \17,000
カナダ バンクーバー 無料
ブラジル サンパウロ 無料
グアム グアム      無料
オーストラリア シドニー 有料 \13,000~\25,000
ニュージーランド クライストチャーチ 
             有料 \3,000~\5,000
イギリス ロンドン   有料 \25,000
フランス パリ     有料 \34,000~
ドイツ フランクフルト 有料 \54,000
イタリア ローマ    無料
スイス ジュネーブ  有料 \61,000
スペイン マドリッド  有料 \4,000
オーストリア ウィーン 有料 \20,000
オランダ アムステルダム 有料 \9,400、
ベルギー ブリュッセル 有料 \6,700
中国
北京           有料 1km毎 \48~\68
上海           有料 \1,000~\3,000
香港           無料
台湾 台北       無料
韓国 ソウル 無料、官営は無料だが、最短の病院への緊急搬送のみ
シンガポール シンガポール  有料 \4,000~\7,000
マレーシア クアラルンプール 無料
ベトナム ホーチミン  有料
         走行距離1kmにつき \70、民営は \5,300~\15,800
タイ バンコク      有料 \1,600~\3,400
インドネシア バリ島  有料 \17,000
フィリピン マニラ    有料 \4,900

24ヶ国30都市  有料22都市、無料8都市

平成18年1月発行 「海外医療事情ハンドブック 2006」
(AIU保険会社)より抜粋


という訳で、24ヶ国30都市のうちで、
有料22都市、無料8都市ですから。

世界的には、救急車は有料の方が多いんですよ。
無料っていう国でも、ここには書いていませんけど。
緊急時にしか使えませんからね、救急車は。

軽症患者でも誰でも使えて、しかも無料
という国は、日本しかないんですよ。

軽症患者でも、どんなにわがまま言っても無料。
というシステムのせいで、実際に重症患者の所に
救急車が行くのが遅れて、命を落とす人がいる

というのが、今の現実ですから。

これを無くす為には、軽症患者のアクセスを制限する
という方法しかないと思いますよ。

救急車の出動回数を単純に減らすには、
最も効果があるのは、有料化です。

でも、これをやると、
本当に重症の患者まで
お金を取るっていう事になるので。
お金を取るなら、救急車呼ぶのをやめよう。
っていう人ができて、その結果、
助けられない人が出る、

っていうのが問題ですから。

救急車を呼んでも、重症の患者からは
料金を取らない、もしくは割り引く。

っていう方法が良いかな。
という風に、個人的には思います。

単純にいくなら、
入院した患者さんからは、救急車の料金を取らない。
という方法があるし。

その他には、私が以前に提唱した、
『時間外重症患者割引制度』
の記事にも書いたような制度。
重症の患者(医療費がたくさんかかった患者
からは、いくらか料金を割り引きしますよ。

という制度です。

具体的には、こんな感じ。
モトケンブログで、欄外さんがまとめてくれたので、
そのまま引用しますと。
『救急車の非常識な搬送要請』


「時間外診療および救急車利用について(割引制度あり)」
(手数料・利用料は仮です)
 
時間外診療手数料(A):5,000円
救急車利用料(B):5,000円
を、頂戴いたします。
 
ただし、
医療費自己負担額(C)が10,000円を超えた場合、
その超えた金額の半額(D)を、上記(A)(B)を限度に割引します。

ex.1
自己負担額2,000円の場合
時間内外来:\2,000(C)のみ = \2,000
時間外外来:\2,000(C)+ \5,000(A)= \7,000
時間外救急:\2,000(C)+ \5,000(A)+ \5,000(B)= \12,000

ex.2
自己負担額15,000円の場合
時間内外来:\15,000(C)のみ = \15,000
時間外外来:\15,000(C)+ \5,000(A)- \2,500(D)= \17,500
時間外救急:\15,000(C)+ \5,000(A)
        + \5,000(B)- \2,500(D)= \22,500

ex.3
自己負担額25,000円の場合
時間内外来:\25,000(C)のみ = \25,000
時間外外来:\25,000(C)+ \5,000(A)
       - \5,000(D)= \25,000((A)の限度額)
時間外救急:\25,000(C)+ \5,000(A)
       + \5,000(B)- \7,500(D)= \27,500

ex.4
自己負担額30,000円の場合
時間内外来:\30,000(C)のみ = \25,000
時間外外来:\30,000(C)+ \5,000(A)
       - \5,000(D)= \30,000((A)の限度額)
時間外救急:\30,000(C)+ \5,000(A)
       + \5,000(B)- \10,000(D)= \30,000

※時間内救急は、時間外外来と同じ


これ、以前に私がまとめた例よりもわかりやすいですね(笑)

時間外の患者だけでなく、救急車患者にも
この制度を応用すれば、
軽症患者が安易に救急車を呼ぶ、
っていう事が少なくなるんじゃないかなー、

と思います。



ちなみに

>110番に続き119番でも、
非常識な要請が広がっている傾向が裏付けられた形だ。


っていうのは、
『110番も、モラル低下』
の記事に書いた、読売新聞の調査の事っすよ。


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この記事へのコメント
メッセージありがとうございました
こちらに伺い驚くほど精密に検討されている内容を見て感心してしまいました。やはり実データに基づく理論というのは説得力が違います。
しかし本当にみんなで何とかしなくてはならない時期に来ていることを痛感してしまいますね。
雷人[URL] 2008/06/23(月) 22:48 [EDIT]
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
[] 2008/06/24(火) 00:04 [EDIT]
 モトケンブログの方にも書きましたが、有料化では救急搬送の抑制にはならない、という基礎データが10年前からすでにあります。

 ですから、有料化するとした場合の目的は救急行政に対する財政的支援になりますね。救急はほんとに財政難です。収入源が町財政しかないのですから当たり前と言えば当たり前なんですけどね。
僻地外科医[URL] 2008/06/24(火) 05:57 [EDIT]
難しい問題ですね……
Dr.I様>
 モラルの問題難しいですね。
 おっしゃるとおり、一番手っ取り早いのは有料化……なのでうが、ごみ処理問題でもそうですが、有料化したら「有料なんだからどんどん使ってサービスも良くして!」になって、かえって救急隊が疲弊しそうな気もしますし(上記僻地外科医様のおっしゃるとおり「利用抑制にならない」可能性も高いですね)なかなか一筋縄ではいかないかもしれませんね。
 ともあれ、Dr.I様のご意見も有望だろうとは思いますんで、いろいろと検討する時期に入っているのだと思います。
Lich[URL] 2008/06/24(火) 08:20 [EDIT]
確かにそうですね
前に子供の医療費無料はいかがなものか?なるブログでも

私も調査をさせていただきました。

実際に我が地域においての。小児科のコンビニ化はまだ顕著には現れていないのが現状でした。

この10月から入院が小学校卒業の3月31日まで3割本人負担から1割負担に公費加算になって入院の本人負担は軽減されます。
これはコンビニとは違うから良いですよね。

また、3歳未満時までの外来の完全無料化にも自治体として取り組みます。
これによって地域の小児科の影響がどのように出るのかが若干の不安もあります。

おかげさまで、我が町においての救急車のタクシー利用は殆んど無いのが現実です。

人口12500人で年間の救急車の出動回数は450回ですから(北海道の比較的有名な観光地でありながら、更に隊員2000名を抱え莉駐屯地もあります)比較的少ない方だと自負します。

しかし年々、高齢化が増えて救急車の需要も高まる中、本当に必要な重症患者のために貴重な救命救急士と高規格救急車の確保をしっかりとする為にも

住民代表の我々議員の活動は益々大切になってきますね。

民度をあげることが如何に重要で如何に難しいか良くわかります。
青年部長[URL] 2008/06/24(火) 11:33 [EDIT]
>雷人さん
このままではいけない。
っていう事は、ほぼ間違いないので。
救急車の有料化、っていうのは1つの選択肢だと思います。
Dr.I[URL] 2008/06/24(火) 21:17 [EDIT]
>名無しさん
ブログ紹介、ありがとうございました。
軽症の患者からは、きちんとお金を頂く。
っていうのは、むしろ当たり前の事で、今がおかしいっていう事だと思いますよ、私は。
Dr.I[URL] 2008/06/24(火) 21:19 [EDIT]
>僻地外科医先生
アブストラクトだけは読みました。

こういう言い方するのって、あんまり好きではないのですが。
アメリカと日本では、病院に対する考え方が違うというか。
病院にかかるハードルの高さが、全然違うんじゃないかな、って思います。

アメリカの場合は、そもそも風邪くらいで病院にかかる人はいないし。
タクシー替わりに救急車を呼ぶなんて人もいないんじゃないですかね。
アメリカだけでなく、欧米や日本以外の国は、多くの国民が病院っていうのは、重い病気の人がいくとこだ。
ましてや、救急車なんて。
って思っているような気がするんですよ。

既にハードルが高いところに、救急車を有料化するという、更にハードルを上げても、あんまり効果がなかったのかな、と。
日本では、時間外に病院にかかるとか、救急車のハードルが低いですから。
そこに、救急車有料化というハードルを上げれば、それなりに効果があるんじゃないかな、って思います。

ただ、救急車の有料化に効果がない、っていうのがアメリカで小規模とはいえ、結果が出ていますから。
それは尊重すべき事だとは思いますが。
日本の今の現状に当てはまるかどうか、っていうのはまた別なんじゃないかなー、って思います。

おもしろい内容なんで、今度ブログの本文でも考察して見たい内容ですね。
Dr.I[URL] 2008/06/24(火) 21:25 [EDIT]
>Lichさん
ゴミの有料化でも、一時的なもの、っていうのもありますしね。
効果に関してはなんとも言えないのですが。
値段にもよると思いますよ、私は。

ある程度の値段にすれば、抑制効果はあると思います。
もし効果がなければ、更に値段を上げるって事を繰り返して。
それでも効果がない、って事で初めて効果がなかったと言えると思います。

Dr.I[URL] 2008/06/24(火) 21:27 [EDIT]
>青年部長さん
あまりコンビニ救急が行われていない所では、救急車有料化の効果は薄いと思いますね。
青年部長さんのとことか。

具体例を挙げれば、柏原のように、すでに時間外に病院に来る患者のかずが1/3になった。
という所で、更に救急車の有料化を行っても、それ以上の効果は大きくは期待できないと思います。

僻地外科医先生のコメントに書いた、もう既にハードルが高いですから。
そうでなくって、救急車を呼ぶって事のハードルが低い、言い方悪いけど民意の低い地域では、効果が期待できると思いますよ、私は。

住民の教育と、救急車の有料化。
これは、どっちもやるべき事だと思います。

Dr.I[URL] 2008/06/24(火) 21:31 [EDIT]
結構、病院to病院の搬送でも気軽にタクシー呼ぶ医師多いよね。
院内救急車があるにもかかわらず。
それもどうにかしないとね。

昔、学生実習で行った道南の病院で交通事故にて運ばれた町のお偉いさんが’(左腕のみ大きな怪我でしたが)近隣の大都市の病院に移りたいって言って入院翌日町の救急車で搬送すれとごねてたのを思い出しました。確か一台しか救急車がないと当時は言ってましたが。
優駿[URL] 2008/06/26(木) 14:37 [EDIT]
>優駿先生
まだまだ、そういう人いるんですよねー。
医者でも。
なんか、身近にもそんな人がいるような気がしました(笑)
Dr.I[URL] 2008/06/27(金) 01:02 [EDIT]
はじめてコメントさせて頂きます。私はNY、妹はLondon在住です。私は経験がないのですが、妹は2度、ロンドンで救急車にお世話になりました。(2度とも無料でした。)アメリカでは、救急車を呼ぶ時は、よほどの時、覚悟を決めて・・・、でしょうね。だって、高いですから・・・。

日本での、不適切な救急車利用。一律有料化、タクシーで病院に行くより高い(タクシー代わりの利用抑制)が、アメリカみたく、べらぼうには高くない、5千円から1万円が妥当だと思います。必要のあるなし、重症軽症、などで有料無料を線引きするのは、まず基準を作るのが難しく、また現場の医療スタッフに、医療活動以外の必要のないプレッシャー(患者からの、救急車が無料になるように認定して欲しいという)を与えてしまいかねないですから。

ある救急隊のサイトで、こんな話がありました。80代の老夫婦から、救助依頼。妻が浴槽から、出てくることができなくなってしまった。高齢の夫は、これまた高齢の妻を、浴槽から引きずり上げることができないということで、救急隊は現場に向かいました、こんなこともしなくちゃいけないのかな~、と思いながら。現場に到着して、高齢ながらも、お風呂に入ったままの裸の女性を気を使いながら救出しようとすると、何かヘンです。力がまったく入らないその女性にピンっときた隊員。よく観察し、よく話を聞いてみると・・・・。そのまま病院搬送です。病名は忘れましたが、脳の出血によるものでした。

長いので続く
sallymama[URL] 2008/06/27(金) 14:31 [EDIT]
続きです

それよりも、今できること。それは、ブログにあるような、明らかに悪質なもの。それらには、警察に介入してもらい、逮捕なりなんなりしてもらえばいいのです。悪質な110番通報は犯罪です。悪質な119番依頼も、これまた犯罪にすればいいのです。

どうみてもおかしい救急車利用、ちょっと風邪をひいた程度(高熱、脱水、嘔吐等で、自力での通院が不可能な場合には別)、おなかが痛い程度(転げまわるほどの腹痛で、立っても、座っても、寝てもいられない場合には別ですよ)で、タクシー利用が可能な人たちの救急車利用についても、搬送後、これまた警察なり、行政からの制裁(罰金等)で対応してもらえたらと思います。転んで頭を打って、なんだか変。これは救急です。一刻を争います。即救急車を。風邪をひいて苦しい。熱は39度を超える。はい、医師の診察を受けに、病院に行ってください。電車じゃ大変でしょう。タクシーでどうぞ。でも、痙攣だ、ひどい脱水で起き上がれないなど、ヘルプが必要な場合には、救急車が必要になる時があるかも知れませんね。

要は、救急時には、救急車を(文字通り)。そうでない時には、どうか、自力で。救急車も、品格(最近、私の大好きな言葉です)を持って利用したいものです。でも、みんながみんが品格をもって利用してくれなかったら・・・、悪い人にはお上が・・・、じゃなくて、警察にでもしょっ引いてもらいましょう。いかかでしょうか?
sallymama[URL] 2008/06/27(金) 14:46 [EDIT]
なんでもかんでも警察ってのは…
多いに賛成ですw。
彼らはプロですから、どんなDQNでも懇切丁寧に、しかも有無を言わさず対応して下さいます。救急車に限らず、警察呼べば済む事でぐだぐだ言ってるへたれ病院が多すぎです。

と、川に落としたタモ網を、「盗まれた」とカンチガイして通報しちまったオレ様が言ってみるてすつ。
10年前にドロッポしました。[URL] 2008/06/27(金) 17:29 [EDIT]
>sallymamaさん
ロンドンは無料でしたか。
なんか、最近診たテレビでそう言っていた人がいたので。
どっちなんだろ、って記事を書いている時には思ったのですが。
自信がなかったので、そのまま引用しました。
でも、緊急時のみですよね、確か。

なんでもかんでも警察っていうのは、私はそこまではどうかな、って思いますけど。
お金は取って、当たり前だと思いますね。
そういう人からは。
Dr.I[URL] 2008/06/27(金) 19:49 [EDIT]
コンビに受診を防ぐには
アメリカ住まいです。
当地のERは別名トリアージとも言って、患者にわかるように表示してあります。すなわち、緊急度の順に治療しますよと予め宣言しているわけです。例えば、手首の骨折など、生命に関らない怪我で治療を受けると、2~3時間待ちなど当たり前。ERを訪れる患者もそれを了解の上で治療を受けます。日本でもコンビにで受診する人は、明け方まで、または、夜が明けて正規の診療開始まで待たせておけばよろしい。
通りがかり[URL] 2008/06/28(土) 02:02 [EDIT]
>通りがかりさん
その手はありますよね。
でも、それをやると、クレームが来て、結局大変なのは医療従事者って事になっちゃうんで。
微妙っすかねー。
Dr.I[URL] 2008/06/29(日) 00:44 [EDIT]
通りがかりさん、そうですよね。アメリカでは、ERは時間のかかる所っていう事が、皆理解していますよね。私自身、幸いにして、10数年在住中、ERのお世話になったことはありませんが、友人でERに行って、案の定、疲れただけで帰ってきた人がいました。本人は、熱が高くフーフーいって苦しいのですが、若く体力もあるため、一刻を争う生命の危機、とは判断されず、次々運ばれてくる危機一髪の患者さんにどんどん先を越され、ろくに診察もしてもらえず、何しに行ったんだか、と帰ってきたそうです。ERって、本来そういうものですよね。お医者さんだって人間だから、普通にPrivate Lifeを楽しむ権利があるし、そうするべき(そうすれば、仕事の質や効率もあがります)だし、でも病気は昼間だけとは限らない、昼間以外で我慢できない、一刻を争う時のために、ERがあると思います。そして、救急車もまたしかりでしょう。ERも、救急車も、生命の危機に瀕している人、またはそれが疑われる、それに順ずる人が利用すべきです。自力で病院に行ける人は、使用を控える、いえいえ、使用禁止です。

ERのトリアージも、救急車の承認制(病状の度合いによって、医師が無料か有料かを判断する)も、Dr.Iがおっしゃる通り、クレームがきて、医療スタッフが、大変な思いをしてしまうでしょう。また、あそこの病院は、トリアージや認証制が厳しいとか、ヘンなうわさが流れたり、有力者等から、おれの家族が救急に行ったが、低いランクにトリアージされた、救急車が無料にならなかった・・・、などの圧力という名のクレームがきたりで、公平なEvaluationができなくなる事も考えられます。いろいろ難しいですね。

また、長くなりました。皆が皆、節度をもって救急車の利用、ERの利用ができない今の世の中、理不尽な要求(タクシー代わりの救急車利用や、ERでの順番のクレームなど)に対し、医療スタッフ(病院スタッフや救急隊員)を守るためにも、ここは警察に、公共資源の不正利用として、とりしまってもらえたらなあ、と思ったまでです。

それに、医療(特に医師)は、最近、警察にいろいろと意地悪されているのですから、これくらいしてもらってもいいんじゃあないですか?(笑)
sallymama[URL] 2008/06/29(日) 09:20 [EDIT]
>sallymamaさん
警察を使うかどうかは別としても。
何らかのアクセスを制限する方法。
そして、現場には負担をかけない方法を作っていかないと駄目だと思いますね。
Dr.I[URL] 2008/06/29(日) 13:30 [EDIT]

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