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現役医師、循環器内科医(Dr. I)が医療について、詳しくわかりやすく解説するブログ。 引用、転載は自由ですが、その際は必ず引用元を明記して下さいね!
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小児救命
小児救命」っていう医療ドラマが、

毎週木曜 21:00 - 21:54に、テレビ朝日
放送されているんですよ。

参照:『小児救命公式HP』
(音が出ますから、注意して下さい。)


ある医師の方から、日本の医療ドラマにしては良い。
って教えてもらって、何回か前から見ているんですけど。
12/11の番組は、特に良かったですね。

小西真奈美(コニタン)先生が、
24時間断らない小児科の診療所
っていうのを作って、
スタッフ達が奴隷のように働いて。
でも、診療所は大赤字

っていう、日本の医療崩壊具合を
正しく報道している
所が良いです。

コニタン先生が、全然経営の事がわからずに、
理想論ばっか言って。
社会常識がない医者」っぷりも、
なんとなくそれっぽくて良いし。

コンビニ受診する患者とか、
そういうとこも、今の日本医療の現実
現しているようだしね。

本当の救命処置に関しては、
医学的に若干の疑問がある点もありますけど。
全体的には、かなり良いと思いますよ。


来週、12/18で最終回なのが、ちょっと残念です。

「フリー百科事典『ウィキペディア』:小児救命
を見ると、視聴率は良くないみたいですが。
まあ、しょうがないんじゃないですかね。

12/11分の放送内容が、非常に良かったので。
ブログのコメンテーターであるKei☆さん
ブログから引用させていただきます。



今夜の「小児救命」のセリフよかった!
なんだか、ホロリときちゃいました。
前半は、コニタン先生(小西真奈美)の、
ぐだぐだ経営者ぶりで、ハラハラしたけれど。

今夜は、元上司(啓翠会総合病院小児科部長)の息子が、
心肺停止で、父親の病院には搬送不能で、
コニタン先生の青空クリニックへ搬送され、息を吹き返す。

その後、父親の病院のベッドが空き再度搬送された後、
報道陣が、青空クリニックへ押しかけて、
たらい回し」の報道を繰り広げる中、
コニタン先生が報道陣に囲まれてのセリフ。

 記者
「今回のたらい回しについてどう思われますか!」

 コニタン先生
「みなさんは、どうしてそういう質問しかできないんですか!
何を根拠にたらい回しとおっしゃるんですか。
私の知ってる病院は、医者医療スタッフは、
みんなギリギリまで頑張って、
一人でも多くの命を救いたいと頑張って、
それでも、どうしようもなくて、
苦渋の決断で受け入れを断るんです。
それなのに、みなさんは、どこかの病院を責めて、
医者を責めて、それで、何が解決するって言うんですか?」

 記者
「あなたは医者だから、そうやって医者の立場で言うけれど、
我々は一番立場の弱い患者のために、
たらい回しって言葉を使ってるんですよ。
受け入れを拒否したのは事実じゃないですか。」

 コニタン先生
「じゃぁ、お願いします。もっと、医療現場の実情も知ってください。
医者個人の力ではどうすることもできない、現状を伝えてください。
たらい回しという言葉を産む、
医療の悪循環を断ち切る方法を、
一緒に考えてください。

病院にいながら、自分の息子の受け入れを
断らないといけなかった医者の苦しみ。

30分間の心臓マッサージに支払われる診療報酬は2500円。

命の値段に釈然としないものを感じながら、
命の重さを知っているから、必死に立ち向かう医者達。

かけがえのない命と、それを守ろうとする命。
すべての人の、すべての命のために、
お願いですから、一緒に考えてください!」


「今夜の小児救命のセリフ「一緒に考えてください!」



マスコミが夜中に近所迷惑も考えずに、
クリニックの前に押しかけて。
そいで、自転車とか倒してるのに無視して、
コニタン先生を取り囲んで詰問する。

っていう状況も、なんとなく今の日本の
マスコミ現場を象徴するようで。
個人的には、結構うけました(笑)


>今夜は、元上司(啓翠会総合病院小児科部長)の息子が、
 心肺停止で、父親の病院には搬送不能で、
 コニタン先生の青空クリニックへ搬送され、息を吹き返す。


この場面。
元上司の(陣内孝則 )先生が、
別の子供の心臓マッサージをしていて、
手が離せない状況なんです。

極端な話、
自分の子供を救うためには、今心臓マッサージをしている
他人の子供の心臓マッサージを止めなければならないから、
他人の子供は救う事ができない。


という、究極の選択ですよ。

結局、元上司の(陣内孝則 )先生は、
目の前の心臓マッサージを続けて、
自分の子供はコニタン先生のところに運んでもらった。
という設定になって。

それが「たらい回し」という事で、
マスコミに責められる、という図式です。


小児科医の数が足りなくて、
自分の息子すら救う事が出来ない事もあるという事実。


これが、日本の医療崩壊の現実です。

マスコミというのは、「第4の権力」と言われる位、
大きな力を持つんですから。

目先の視聴率とかにとらわれず、
一生懸命に考えてもらいたいものですね。


目先の視聴率にとらわれず(?)、「小児救命
というドラマの放映を続け、日本の医療の現状
放送してくれている、テレビ朝日さん。
今回に限っては、私は拍手を送りたいです。

左側にある、「医療ワード解説」もそこそこ良いですよ。

『医療ワード解説』

一例

満床
病院のベッドがすべて患者で埋まっているという
状態だけを指す言葉だと思われがちだけど、
実はそれだけじゃない。
たとえベッドが空いていても、病院のスタッフが
手一杯で新しい患者を受け入れられない
状態ならば「満床」と言うんだよ。





ところで、今回の場面で元上司の(陣内孝則 )先生が、
自分の子供を救うために、他人の子供の心臓マッサージを
中止
したら、マスコミはどういう報道するんだろうかねー。

親としては当たり前の事でも、
医者として失格」とでも放送するんでしょうかね。


大学病院の話が知りたい人は、これを読んでね!
→ 『「大学病院のうそ」 ~
現役医師(Dr. I)が暴露する、大学病院の秘密』



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この記事へのコメント
まともなドラマも……
Dr.I様>
 まともな医療ドラマって、あるんですね。私はテレビをほとんど見ないですが、たまには見てもいいかも、と思いました。
 しかし、マスコムも政治も「資源制約に直面している対象について、無理難題を言ってもいいと思っている」という点で共通してますね。どうにかして欲しいものですが……。
Lich[URL] 2008/12/13(土) 23:27 [EDIT]
>Lichさん
私もほとんどテレビは見ないんですけど。
これと、あといくつかの番組は録画して見ているんですよ。
もう終わっちゃうのが残念ですけどね。

Dr. I[URL] 2008/12/14(日) 21:20 [EDIT]
いつもブログを楽しく拝見しています。この番組は初めのころは見ていたのですが、突然手術室に乗り込んで手術をしようとしたコニタン先生の暴走ぶりにあまりにありえないと思って以後見るのをやめました。その後はまあまあの展開なのですね。怖いのは視聴者が番組の意図をちゃんとくんでくれるかどうかですね。たらい回しがあってもコニタン先生のように働いてくれる先生がいれば助かるんだ!やっぱりこういう医者がいないとだめだ!これが理想のクリニックだ!というような勘違いをしないことを願っています。最後にコニタン先生のクリニックが医師不在となり、崩壊するとかまでいけば皆さん気づくかもしれませんが…。
ノア[URL] 2008/12/16(火) 12:36 [EDIT]
>ノア先生
私、最初の方は見ていないのですが。
最近に関しては、そこそこ良い番組だと思いますよ。
ホントに崩壊したら、おもしろいんだけど。
そんなエンディングには、さすがにしないでしょうねー。

Dr. I[URL] 2008/12/16(火) 23:02 [EDIT]
エンディング見るまでは油断しないほうがよろしいかと
REX[URL] 2008/12/17(水) 21:56 [EDIT]
>REXさん
いよいよ、明日ですねー。
さあ、どうなりますか。
Dr. I[URL] 2008/12/17(水) 23:06 [EDIT]
コニタン先生が、髪をまとめもせず、白衣の上にバサバサかかりながら、歩いてる場面をみるたびに「あー、いるいる、こういう、感染予防もできない女医が」と思ってしまいます。
小児科なんて、ウ●コや、●ロと格闘してなんぼなのに。

あれも、社会常識のない医師のリアリティを追求した演出なんでしょうか?
くろーばー[URL] 2008/12/18(木) 23:56 [EDIT]
>くろーばーさん
実は、そこまで考えていたりして。
そしたら、すごいですねー。
Dr. I[URL] 2008/12/19(金) 21:57 [EDIT]
最終回見ました。行方不明だったお母さんが帰ってきた場面はよかったですね。泣けました。
最終的には経営が成り立たず、アルバイトでしのぐしかない状態になりましたが、クリニックの灯は消えませんでした。現実的に24時間対応のクリニックなんて無理だということをいいたいのか、それとも皆でボランティアで立ち上げるべきだといいたいのか、作者の意図はどうだったのでしょうか。それでもコンビニ受診が悪いことであるということやお母さん方が受診目安のチャートを作ったりとかという部分もありよかったです。青空クリニックの時間外が減ったのは「待たされるといううわさが広がった」からではなく、先生を休ませてあげようという住民運動が広がったからとか、受診目安のチャートが広がったからかもしれませんね。
ノア[URL] 2008/12/21(日) 09:04 [EDIT]
>ノア先生
私も、やっと先ほど録画を見ました。
なんか、よくわかんないけど、大学と連携して、人件費削減とボランティアでしのぐ。
って感じになったんでしょうかねー。
これも、根本的な解決ではないと思うので、若干の不満は残りますが。

でも、行方不明のお母さんが帰ってきた場面は、感動しましたね。
全体的にも良かったと思います。

Dr. I[URL] 2008/12/21(日) 17:00 [EDIT]

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