数年前から「医療崩壊」が叫ばれて。
多くの地域では、医療崩壊が
どんどん進んでいっています。
でも、一部の地域では
医療が崩壊しなくて済んでいます。
医療が崩壊していない地域は、例外なく、
住民が協力している所ですね。
例えば、「小児科を守る会」で有名な
柏原病院のある丹波地区。
ここは、平成19年4月20日、
『県立柏原病院の小児科を守る会』
が発足して、柏原病院のある丹波地区は
小児科が崩壊の危機から救われました。
小児科以外は、今でもかなり
厳しい状況ではあるようですけどね。
医療崩壊っていうのは、おおざっぱに言うと、
患者がたくさん来るんだけど。
医師や医療従事者の数が足りない、
ベッドが足りないという状況があるため、
患者を診る事が出来ない。
そういう状況が続いている状態ですよ。
その解決方法としては、2つ。
患者の数を減らすか、医者の数を増やす。
まあ、医者の数自体はそんなに増やさなくても、
医師の仕事を医者以外がやるようにすれば、
同じような効果があるんですけどね。
患者っていうのは、基本的には
自分(家族)の足で病院(診療所)に来るか、
救急車で病院(診療所)に来るか。
この2つですよ。
軽症なのに救急車を呼ぶ、
けしからん患者もいますけど。
数としては、さほど多くないですから。
圧倒的に多いのは、自分(家族)
の足で病院(診療所)に来る患者ですから。
患者である住民が自分の意思で
病院(診療所)に来る頻度を減らせば。
当然、患者の数は減りますから。
医療崩壊から遠ざかる事が出来ます。
そのためには、住民の協力が必須なんですよ。
柏原をはじめ、全国各地で、
いろんな地域の住民が理解してくれているようですが。
「医療資源を地域全体で守る」
っていう条例が出来たとこもあるようですね。
ブログ「医療審査の独り言」
に、その記事が出ていたので、
ここで引用させていただきますね。
いつもお世話になっております。
医療資源を地域全体で守る
宮崎・延岡市が地域医療を守る条例可決
株じほう
宮崎県北部に位置する延岡市は
人口130787人(2009年10月現在)。
旭化成の創業地で、いわゆる
企業城下町として知られる。
しかし、すでに1980年代から人口は
減少傾向を示し、時代の流れが
大きく変化する中、他の地方都市と
同様の悩みを抱えることになった。
その1つが地域医療の崩壊だ。
延岡市では深刻化したこの問題に
立ち向かうため、市民、医療機関と
総力を結集し、それぞれの役割のもとで
地域医療を守ることが不可欠と判断。
首藤正治市長が9月1日、
「延岡市の地域医療を守る条例」
案を市議会に提出し、18日に
可決、成立した。
●市、市民、医療機関が一体となる
同条例は地域医療を
「市民が安心して生活していく上で
欠かすことのできないもの」
と位置づけ、持続可能な地域医療体制の
構築をめざし、市、市民、医療機関が
一体となって守るとした基本理念を提示。
その上で、それぞれの責務も定めた。
さらに市民自身の健康維持・増進に
向けた努力に基づき、医療・保健・福祉の
連携で生涯を健康に全うする
「健康長寿」を推進するとの
方針を打ち出した。
医療機関に対しては
「基本理念に基づき、良質で適切な医療を行う」
との方向性を示し、そのための責務として、
<1>患者との信頼関係の醸成
<2>機能の分担と業務の連携
<3>医師などの確保と良好な
勤務環境の保持
<4>市が実施する検診、
健康診査などへの協力
−を努力目標に位置づけた。
市民の責務には、
<1>かかりつけ医を持つこと
<2>安易な夜間・休日の受診を控えること
<3>医師ら医療の担い手の立場を理解し、
信頼と感謝の気持ちをもって受診すること
−などを掲げた。
市の責務には、県の医療計画を基本に
地域医療を守るための施策を
推進することなどを盛り込んだ。
●背景に地域医療崩壊の深刻化
延岡市によると、こうした条例を
市町村が制定することは初めて。
同市では市内の県立延岡病院が
医師不足により、眼科、精神科、消化器内科、
神経内科が断続的に休診に
追い込まれたほか、延岡市医師会病院でも
内科医に2人の欠員が出るなど、
地域医療の崩壊が深刻化していた。
ただ市民団体が、安易な時間外受診を
控えることを呼びかけるキャンペーンを
実施したところ、県立延岡病院の
時間外受診が2008年度は前年度に比べて
27%減少するなど、一定の成果も見えてきた。
同市は、こうした成果を一過性で
終わらせないためにも、行政と市民、
医療機関が相互に協働して
地域医療を守る考えを明確に
示すことが有効と判断し、同条例案を
9月の定例議会に提出することにした。
同市健康福祉部の甲斐研二
地域医療対策室長は条例成立を踏まえ、
「この条例をどう生かしていくかが大事。
今後これまで以上に、医師らが
使命感を持ち、安心して働ける地域となる
きっかけとしたい」と述べている。
一方、延岡市医師会の岡村公子会長は
「条例の制定は限りある医療資源を
地域全体で守らなければならない
という意識が芽生えた結果」
と評価した。
●条例制定に先立つ
地域医療体制整備への施策
延岡市では同条例制定以外にも、
地域医療体制整備に向けて
積極的な施策を実施してきた。
今年6月には、新たに市内で開業する
診療所に500万円の補助金を交付する
取り組みが始まった。
市内での新規開業を促進し、
地域医療体制を強化する目的で、
開業で必要となる資金として
500万円を補助するほか、診療時間帯を
延長したり、看護師などを5人以上
雇用する場合、さらに夜間急病センターの
深夜時間帯に一定以上の協力がある
場合にも、それぞれ奨励金が加算される。
甲斐室長によると、補助金交付の
対象となった新規開業診療所は
「6月早々に適用第1号事例があった」。
同室長は「今後、実績を一つ一つ積み上げ、
延岡市の取り組みについて
広く医療関係者の理解を浸透させていきたい」
としている。
このほか、夜間救急センターにおける
深夜帯(午後11時から翌日午前7時まで)
診療の拡充、安易な休日・夜間救急受診の
自粛の啓発、消化管出血・脳梗塞患者の
受け入れのための輪番体制の維持、
小児救急医療電話相談、
「子ども救急医療ガイド」発行、
延岡市医師会への支援、
市外の医師や医学生の情報収集と
開業などに向けた情報発信
などに取り組んでいる。
地方自治体にとって、今後も厳しい
財政状況が続くだろう。
さまざまな施策を打ち出す一方、
市民や医療機関と一体化して
問題解決を図ろうとする延岡市の取り組みは、
他の地域にとって刺激的であり、
大きな示唆を与えていると思われる。
(那須 庸仁)
私、夏休みを利用して柏原に行ってきて、
そこで病院見学をさせていただいたり。
「小児科を守る会」の方達とか、
「丹波医療再生ネットワーク」の
方達とお話をさせていただきました。
やっぱり、住民の意識が高い所は良いですよね。
と言っても、昔から高かった訳ではなく、
ここ1、2年で皆さん勉強されたようですから。
柏原が特殊だ、っていう訳ではないんですよ。
こういう地域が、全国に広がってくれれば、
医者も働きやすいですから。
自然と、医師も集まって、医療も崩壊せずに
済む可能性が高いのですが。
医者がいなくなるなんてけしからん。
住民には医者にかかる権利がある。
とか言って、権利ばっかり主張したり、
署名運動とか、勝手な事ばかりやる所には
医師は来なくて当たり前だと思います。
医師が来ない地域は、医療が崩壊しますよ。
多くの地域では、医療崩壊が
どんどん進んでいっています。
でも、一部の地域では
医療が崩壊しなくて済んでいます。
医療が崩壊していない地域は、例外なく、
住民が協力している所ですね。
例えば、「小児科を守る会」で有名な
柏原病院のある丹波地区。
ここは、平成19年4月20日、
『県立柏原病院の小児科を守る会』
が発足して、柏原病院のある丹波地区は
小児科が崩壊の危機から救われました。
小児科以外は、今でもかなり
厳しい状況ではあるようですけどね。
医療崩壊っていうのは、おおざっぱに言うと、
患者がたくさん来るんだけど。
医師や医療従事者の数が足りない、
ベッドが足りないという状況があるため、
患者を診る事が出来ない。
そういう状況が続いている状態ですよ。
その解決方法としては、2つ。
患者の数を減らすか、医者の数を増やす。
まあ、医者の数自体はそんなに増やさなくても、
医師の仕事を医者以外がやるようにすれば、
同じような効果があるんですけどね。
患者っていうのは、基本的には
自分(家族)の足で病院(診療所)に来るか、
救急車で病院(診療所)に来るか。
この2つですよ。
軽症なのに救急車を呼ぶ、
けしからん患者もいますけど。
数としては、さほど多くないですから。
圧倒的に多いのは、自分(家族)
の足で病院(診療所)に来る患者ですから。
患者である住民が自分の意思で
病院(診療所)に来る頻度を減らせば。
当然、患者の数は減りますから。
医療崩壊から遠ざかる事が出来ます。
そのためには、住民の協力が必須なんですよ。
柏原をはじめ、全国各地で、
いろんな地域の住民が理解してくれているようですが。
「医療資源を地域全体で守る」
っていう条例が出来たとこもあるようですね。
ブログ「医療審査の独り言」
に、その記事が出ていたので、
ここで引用させていただきますね。
いつもお世話になっております。
医療資源を地域全体で守る
宮崎・延岡市が地域医療を守る条例可決
株じほう
宮崎県北部に位置する延岡市は
人口130787人(2009年10月現在)。
旭化成の創業地で、いわゆる
企業城下町として知られる。
しかし、すでに1980年代から人口は
減少傾向を示し、時代の流れが
大きく変化する中、他の地方都市と
同様の悩みを抱えることになった。
その1つが地域医療の崩壊だ。
延岡市では深刻化したこの問題に
立ち向かうため、市民、医療機関と
総力を結集し、それぞれの役割のもとで
地域医療を守ることが不可欠と判断。
首藤正治市長が9月1日、
「延岡市の地域医療を守る条例」
案を市議会に提出し、18日に
可決、成立した。
●市、市民、医療機関が一体となる
同条例は地域医療を
「市民が安心して生活していく上で
欠かすことのできないもの」
と位置づけ、持続可能な地域医療体制の
構築をめざし、市、市民、医療機関が
一体となって守るとした基本理念を提示。
その上で、それぞれの責務も定めた。
さらに市民自身の健康維持・増進に
向けた努力に基づき、医療・保健・福祉の
連携で生涯を健康に全うする
「健康長寿」を推進するとの
方針を打ち出した。
医療機関に対しては
「基本理念に基づき、良質で適切な医療を行う」
との方向性を示し、そのための責務として、
<1>患者との信頼関係の醸成
<2>機能の分担と業務の連携
<3>医師などの確保と良好な
勤務環境の保持
<4>市が実施する検診、
健康診査などへの協力
−を努力目標に位置づけた。
市民の責務には、
<1>かかりつけ医を持つこと
<2>安易な夜間・休日の受診を控えること
<3>医師ら医療の担い手の立場を理解し、
信頼と感謝の気持ちをもって受診すること
−などを掲げた。
市の責務には、県の医療計画を基本に
地域医療を守るための施策を
推進することなどを盛り込んだ。
●背景に地域医療崩壊の深刻化
延岡市によると、こうした条例を
市町村が制定することは初めて。
同市では市内の県立延岡病院が
医師不足により、眼科、精神科、消化器内科、
神経内科が断続的に休診に
追い込まれたほか、延岡市医師会病院でも
内科医に2人の欠員が出るなど、
地域医療の崩壊が深刻化していた。
ただ市民団体が、安易な時間外受診を
控えることを呼びかけるキャンペーンを
実施したところ、県立延岡病院の
時間外受診が2008年度は前年度に比べて
27%減少するなど、一定の成果も見えてきた。
同市は、こうした成果を一過性で
終わらせないためにも、行政と市民、
医療機関が相互に協働して
地域医療を守る考えを明確に
示すことが有効と判断し、同条例案を
9月の定例議会に提出することにした。
同市健康福祉部の甲斐研二
地域医療対策室長は条例成立を踏まえ、
「この条例をどう生かしていくかが大事。
今後これまで以上に、医師らが
使命感を持ち、安心して働ける地域となる
きっかけとしたい」と述べている。
一方、延岡市医師会の岡村公子会長は
「条例の制定は限りある医療資源を
地域全体で守らなければならない
という意識が芽生えた結果」
と評価した。
●条例制定に先立つ
地域医療体制整備への施策
延岡市では同条例制定以外にも、
地域医療体制整備に向けて
積極的な施策を実施してきた。
今年6月には、新たに市内で開業する
診療所に500万円の補助金を交付する
取り組みが始まった。
市内での新規開業を促進し、
地域医療体制を強化する目的で、
開業で必要となる資金として
500万円を補助するほか、診療時間帯を
延長したり、看護師などを5人以上
雇用する場合、さらに夜間急病センターの
深夜時間帯に一定以上の協力がある
場合にも、それぞれ奨励金が加算される。
甲斐室長によると、補助金交付の
対象となった新規開業診療所は
「6月早々に適用第1号事例があった」。
同室長は「今後、実績を一つ一つ積み上げ、
延岡市の取り組みについて
広く医療関係者の理解を浸透させていきたい」
としている。
このほか、夜間救急センターにおける
深夜帯(午後11時から翌日午前7時まで)
診療の拡充、安易な休日・夜間救急受診の
自粛の啓発、消化管出血・脳梗塞患者の
受け入れのための輪番体制の維持、
小児救急医療電話相談、
「子ども救急医療ガイド」発行、
延岡市医師会への支援、
市外の医師や医学生の情報収集と
開業などに向けた情報発信
などに取り組んでいる。
地方自治体にとって、今後も厳しい
財政状況が続くだろう。
さまざまな施策を打ち出す一方、
市民や医療機関と一体化して
問題解決を図ろうとする延岡市の取り組みは、
他の地域にとって刺激的であり、
大きな示唆を与えていると思われる。
(那須 庸仁)
私、夏休みを利用して柏原に行ってきて、
そこで病院見学をさせていただいたり。
「小児科を守る会」の方達とか、
「丹波医療再生ネットワーク」の
方達とお話をさせていただきました。
やっぱり、住民の意識が高い所は良いですよね。
と言っても、昔から高かった訳ではなく、
ここ1、2年で皆さん勉強されたようですから。
柏原が特殊だ、っていう訳ではないんですよ。
こういう地域が、全国に広がってくれれば、
医者も働きやすいですから。
自然と、医師も集まって、医療も崩壊せずに
済む可能性が高いのですが。
医者がいなくなるなんてけしからん。
住民には医者にかかる権利がある。
とか言って、権利ばっかり主張したり、
署名運動とか、勝手な事ばかりやる所には
医師は来なくて当たり前だと思います。
医師が来ない地域は、医療が崩壊しますよ。
なんか、ものすごいドタバタで、
新型インフルエンザのワクチンが、
医療従事者とか優先患者に
打たれる事が決まったけど。
直前に決まったから、我々医療従事者にも
全然情報が入っていないんですよ。
残念ながら。
なんだか良くわかんないけど、
適当に人数決めて、それに合わせて
ワクチンも輸入した、とか。
感染の危険性もすごーく高まるのに、
10ml入りのワクチンを作ったとか。
もう、めちゃくちゃですね。
「輸入もの」っていうだけで、
「危険」、「信用できない」っていうのは、
「天然物」だから安心、おいしい。
「養殖」だから、心配、まずい。
って言っているのと同レベルです。
「おいしい」のか「まずい」のかは、
「自分の舌」で先入観をもたず決める事です。
そもそも「和牛」って、ものすごーく高くて、
おいしい、っていう評判でしょうけど。
あれって、言い方を変えたら「養殖の牛」
なんですよ。
魚の場合「養殖」っていうと、なんだか
ワンランクも2ランクもダウンする、
とかって話になるようですけど。
今は技術も進歩していますからね。
必ずしも「養殖」だから、レベルが下がるとか。
国産なら大丈夫、おいしい、とか。
そういう事はないんですよね。
ワクチンも「国産」なら安心。
「輸入もの」なら心配だ、とか
そういう訳ではないんですよ。
そもそも、現在、日本で使われている薬の
ほとんどは、外国で作られた物ですし。
医療機器なんかも、ほとんどは外国製ですよ。
くだらん「規制」とかのせいでね。
それなのに、突然ワクチンだけ、
輸入ワクチンは危険だ、
っていうのが何の根拠もないんですよ。
一見、根拠ありそうな理由が羅列されていますけど。
その程度の危険性は、「国産ワクチン」でも
同じくらいありますからね。
きちんとした理由を書くべきだと思います。
ちょっと前のMRICに載っていた記事と、
その続編がおもしろかったんで。
ここでも紹介させていただきますね。
*************************************
東京大学医学部医学科 4年
篠田 将
2009年9月26日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行
http://medg.jp
「危険」らしい輸入ワクチン
東京大学医学部医学科
4年
篠田 将
〜イントロ〜
突然ですが、最近聞いた「話」を紹介します
(既にご存知な方は、すみません)
〜〜〜〜
「DHMO」と呼ばれる化学物質があり、
その化合物の主な性質は次の通り。
・重篤な熱傷の原因となりうる。
・多くの素材の腐食を進行させる。
・末期がん患者の悪性腫瘍から検出される。
しかし、その危険性に反してDHMOは
身の回りで用いられている。一例として
・工業用の溶媒、冷却材として用いられる
・原子力発電所で用いられる
・発泡スチロールの製造に用いられる
・防虫剤に用いられる。洗浄した後も
DHMOは農作物に残留している。
・各種のジャンク・フードや、
その他の食品に添加されている。
このDHMOという化合物の、家庭内での使用を
禁止する法的規制を実施すべきか。
Yes / No
〜〜〜〜
ここまでお読みになり、この話の
「結末」が見えた方は
いらっしゃいますでしょうか。
殆どの方は「結末」に気づかれないと思います。
私も気づきませんでした。
結末:
DHMOは、Dihydrogen Monoxideの略。
すなわち、「一酸化二水素」のことでした。
要するに水(H2O)のことですね。
実はこれ、米国の有名なジョークで、
90年に考案され、97年に中学生による
調査によって米国で
有名になったそうです(wikipediaより)。
極端な環境保護運動などを
揶揄するときなどに使われるそうです。
このジョークが示している教訓は、
「事実だけを述べたとしても、表現方法によっては
聞き手を誤ったほうに誘導することが出来る」
ということでしょうか。
〜世間の関心を集める、
新型インフルエンザとワクチン〜
さて、ここからが本題です。
最近、新型インフルエンザに対する
世間の注目が高まっています。
特に、ワクチンに関する事柄(たとえば、
いつから接種できるのか、費用はどれくらいか、
ワクチンの副作用は、ワクチンの効果は、など)
が9月中の関心事であったように感じます。
確かに、ワクチンは予防の手段の1つですので、
私もワクチン接種に関心があります。
〜厚労省による、ワクチン接種へのパブコメ募集〜
さて、そのような中、対策に取り組んでいる
厚生労働省がワクチンに関しての
「パブリックコメント」を募集していました。
パブリックコメント(以下、パブコメ)とは、
「行政が何らかの規則を制定し、
または事業を行う際に、国民から広く
意見を募り、集まった意見を規制や
事業に反映させ、より良い行政サービスを
実施する仕組み」
のことです。
大まかな手順としては、
1. まず行政が実施しようとしていることに関して、
行政自らが素案を提示します。
2. 提示された素案を読み、素案に対して
意見がある国民は、意見をパブコメとして
行政に送ります(送付する期間や送付方法は
行政から事前に提示されます)。
3. 締め切り後、集まったパブコメを行政が読み、
素案の修正などを行います。
つまり、パブコメを送る際には、
素案が極めて重要なものとなってきます。当然
ですが、素案とまったく関係のないことを
書いても意味がありません
(たとえば、ワクチン接種に関するパブコメで
「年金記録問題に不満がある」
「ダム工事凍結に賛成」などと書く、など)。
素案を読んで、素案に対して意見を書くのが
パブコメの目的・方法と言えるでしょう。
〜提示された「不可解な」素案〜
さて、その重要な素案を読んでみました。
「新型インフルエンザワクチンの接種について」
すると、気になる点を見つけました。
6ページ
4.留意事項
(1)安全性の確認について
イ.輸入ワクチンの承認時の安全性、
有効性の確保について
には以下のように書かれています(一部を抜粋)。
(前略)
輸入ワクチンについては、
1 現時点では国内外での使用経験・
実績(臨床試験を除く。)がないこと
2 国内では使用経験のないアジュバント
(免疫補助剤)(*)が使用されていること
3 国内では使用経験のない細胞株を用いた
細胞培養(*)による製造法が
用いられているものがあること
4 投与経路が筋肉内であること
5 小児に対しては容量が異なること
など、国内ワクチンとは異なる。
有効性については、
ある程度期待されると判断される。
一方、わが国で大規模に接種した場合の
安全性に関しては、
国内製品よりも未知の要素が大きく、
その使用等に当たっては、より慎重を期すべき
との懸念も専門家から示されている。
* アジュバント(免疫補助剤):
ワクチンと混合して投与することにより、
目的とする免疫応答を増強する物質。
これにより、同じワクチン量でもより
多くの者への接種が可能となる。
一般的に、副反応の発生する確率が
高いことが指摘されている
* 細胞培養:ワクチンの製造方法の一種。
鶏卵による培養よりも、
生産効率は高いとされるが、
インフルエンザワクチンではこれまで
世界で広く使用されるには至っていない。
また、一部の海外のワクチンについては、
製造に使用される細胞に、がん原性は
認められないものの、
腫瘍原性があるとされており、
使用等にあたっては、特に慎重を期すべき
との懸念も専門家から示されている。
(以下略)
この部分を読むと、「輸入ワクチンは
極めて危険で、おまけに
効くかどうかも分からない。」
という印象を受けます。
しかし、立ち止まって一文ずつよく読んで
みると、不思議な点がいくつか見当たります。
>1 現時点では国内外での使用経験・
実績(臨床試験を除く。)がないこと
これは輸入ワクチンに限ったことではなく、
国産ワクチンも同様に現時点では
使用経験・実績がありません
(何せ「新型」インフルエンザのワクチンですので
「使用経験・実績」が存在するはずがありません)。
しかし、同素案の国産ワクチンに
関する部分には
同様の記述は出てきません。
つまり「国内ワクチンとは異なる」
わけではないので記述自体は
誤りであると考えられます。
>2 国内では使用経験のないアジュバント
(免疫補助剤)(*)が使用されていること
なお、ご丁寧にアジュバントに
注まで付いていて、注では
>一般的に、副反応の発生する確率が
高いことが指摘されている
と言っています。
さて、立ち止まってじっくり読んでみましょう。
>2 国内では使用経験のないアジュバント
(免疫補助剤)(*)が使用されていること
この文は、「輸入する特定の
ワクチンに添加されている、
特定のアジュバントに対しての安全面での懸念」、
と解釈されます。
それに対して
>一般的に、副反応の発生する確率が
高いことが指摘されている
こっちは、「一般的に」とあるように、
アジュバントという添加物の
一般的な性質に関して、
「誰か」が指摘した、と解釈できます。
しかし、「一般的に」に注意して読まないと、
この注が「今回輸入するワクチンに入っている
アジュバントは副作用が出やすい」という風に
読めてしまう恐れがあります。
斜め読みは危険ですね。
例)
Aさんはドイツ人(*)です。
* ドイツ人:ドイツ人は一般的にまじめで
職人気質の人が多い。
質問:Aさんはまじめで職人気質な人ですか?
さて、ここからは記載内容に関して見ていきます。
確かに国産ワクチンには
アジュバントが使われていません。
その意味では記述自体は「正しい」でしょう。
しかし、国内で使用されていないからといって
安全性に問題がある、と言えるのでしょうか。
なお諸外国では同じアジュバントが添加された
ワクチンの大規模な治験が既に行われていて、
安全性が確認されています。
「国内で使われていない」添加物だから危険、
と言いたいのならば危険性の
根拠を提示すべきであり、
もし提示できないのであれば、単なる
非関税障壁ではないでしょうか。
根拠を提示せず「国内にないものは危険だから
輸入しない」、という主張が通るのであれば、
コカコーラやハーゲンダッツ(これらの食べ物は
日本には元々なかったものです)を外国から
最初に輸入した会社は
「テロリスト」と言えるでしょう。
私はよく食べていますが、
現在これらの食品による
健康被害は(私に限れば)発生していません。
>3 国内では使用経験のない細胞株を用いた
細胞培養(*)による製造法が
用いられているものがあること
こちらにも、丁寧に注が付いていて
>また、一部の海外のワクチンについては、
製造に使用される細胞に、がん原性は
認められないものの、
腫瘍原性があるとされており、
使用等にあたっては、特に慎重を期すべき
との懸念も専門家から示されている。
これだけ見ると、細胞培養で作られたワクチンは
非常に恐ろしいものに感じられます。
しかし、先ほどの例と同じく、注の
「腫瘍原性」は「一部のワクチン」で
確認されたものです。
これも斜め読みすると間違えやすいですね。
例)
Bさんはお医者さん(*)です。
* お医者さん:今日の新聞に、
ある医者の犯罪が記事に載っていました。
質問:Bさんは犯罪者ですか?
ここからは内容を見ていきます。
文中に出てきた、「細胞培養」とは何でしょうか。
グーグル先生で調べてみましたところ、
細胞培養によるワクチンとは
遺伝子組換え(簡単に言うと、設計図の「改造」)
を行った動物由来の細胞により、
抗原(たとえて言うなら「練習用の標的」)を
作る製法により製造されたワクチン
を指すそうです。
もし、この製法が「危険」と言うのであれば、
同様の製法を用いて製造されるインシュリン
(現在では、インシュリンは遺伝子を組み替えた
大腸菌に作ってもらっています)も
危険であると言えるでしょう。
この記述にも根拠の提示が
必要なのではないでしょうか。
懸念を示した「専門家」に根拠を聞きに行けば
教えてもらえるのでしょうか。
〜素案をもとにしたパブコメの結果〜
さて、このように不可思議な点が
素案中にはいくつか出てきました。
このような「不思議」な素案を元に
パブコメを募集しているわけです。
さて、どのような意見が寄せられたか
気になるところですが、厚労省による
集計結果が出ていました
(新型インフルエンザワクチンに
関する意見交換会で資料配布)。
それを見てみますと
・輸入ワクチンの安全が不明確
・子どもには国産ワクチンを接種してほしい
・ワクチン輸入に反対
という意見があったそうです。
これらの意見が寄せられたのは当然です。
なぜなら素案に「輸入ワクチンは怖いですよ」
と書いてあるのですから。
〜要望〜
その1:意見を言うときは根拠を出す
私は、「輸入ワクチンは安全ですよ」
と言うつもりは全くありません。
また、輸入ワクチンが安全か危険か
私には分かりません。
ただ、「危険ですよ」と言うのであれば
根拠を示すべきである、と考えます
(もちろん?安全ですよ?と言う際にも
同様に根拠が必要だと考えます)。
その2:判断材料ください
国産・輸入問わず、ワクチンには副作用が
一定の確率で発生してしまいます。
つまりワクチンはノーリスクな
予防法ではないわけです。
リスクが少しでもあるのであれば、
ワクチンによるリスクとベネフィットを
比較考量するために、
・ワクチンによる予防効果
・ワクチンの副作用とその頻度
・新型インフルエンザ自体の危険性
これらの情報が提示されなければ、
ワクチンを打つべきか打たざるべきか
考えることは出来ません
(たとえば、仮に新型インフルエンザ自体の
致死率が極めて低いのであれば、
ワクチン接種は不要で、感染したら
ただ家で寝てれば良いわけです)。
それらの情報を素案中に提示することなく、
根拠を示さず「輸入ワクチンは危険ですよ」
と書いて国民から意見を求める。
これでは、悪徳商法となんら変わらない
のではないでしょうか。
その3:厚生労働省の任務
厚生労働省は、「国民生活の保障」に
寄与するため「公衆衛生の向上及び増進」
を図ることを任務とする
(厚生労働省設置法より引用)そうです。
そうであれば、考える際に必要な情報を
素案中で開示した上でパブコメを求めたほうが、
任務をより円滑に遂行できると私は思いますが、
如何でしょうか。
その4:医系技官の役割
医系技官(医師免許をもつ、医学・医療に
関する専門的能力を背景とした技術系行政官。
医系技官の募集ページより引用)の
募集ページには以下のように書かれています
(前略)
私たち医系技官も、そのような臨床医と同様に、
皆様の人生すなわち我が国の未来に対峙し、
科学的根拠に基づき長期的かつ
総合的な観点から、より良い未来を創ろうと
様々な施策立案等に力を注いでいます。
(後略)
このワクチン接種の素案を書いたのが
医系技官の職員の方なのか、それ以外の職種の
職員の方なのかは不明ですが、医学教育を受けた
専門職の行政官として科学的根拠に基づいた
素案を書くべき、もしくは別の職種の方が
書いたのであれば、専門職の職員として
素案の文面の訂正を行うべき
だったのではないでしょうか。
〜おまけ〜
最後に、おまけとして、1つのジョークを紹介します。
DHMOと似た話で、
「パンは危険な食べ物」という話があるそうです。
米国での統計調査の結果により、
以下の事実が判明した。
・犯罪者の98%はパンを食べている。
・パンを日常的に食べて育った
子供の約半数は、テストが平均点以下である。
・暴力的犯罪の90%は、パンを食べてから
24時間以内に起きている。
・パンは中毒症状を引き起こす。
被験者に最初はパンと水を与え、
後に水だけを与える実験をすると、
2日もしないうちにパンを異常にほしがる。
・新生児にパンを与えると、
のどをつまらせて苦しがる。
・18世紀、どの家も各自でパンを焼いていた頃、
平均寿命は50歳だった。
・パンを食べるアメリカ人のほとんどは、
重大な科学的事実と無意味な
統計の区別がつかない。
MRIC by 医療ガバナンス学会
http://medg.jp
『臨時 vol 264 「危険」らしい輸入ワクチン』
そいで、その続編がこれっすね。
書いたのは別の人ですけど。
***********************
▽ 「情報」と言う「魔術」 ▽
高知医療センター
救命救急センター (21年11月から)
村田 厚夫
2009年10月14日
MRIC by 医療ガバナンス学会 発行
http://medg.jp
----------------------------------------
DHMOについての話がこのMRICメーリングリストに
紹介され、筆者もオリジナルを探しだした。
表現方法や、書き方、知らせる情報を限定するなど、
あることに関する「情報」を「プラス」にも
「マイナス」にも出来るいわゆる
「トリック」あるいは「魔術」であろう。
そこで、実際に、現在勤務している
民間病院の検査技師や薬剤師
(ある程度、科学的知識がある)や、
ER看護師、さらに付属の看護学校の学生
(専門学校なので、1年生から3年生までいる)
とそこの教員を対象に、次の項目を挙げて、
質問してみた。
配布したプリントをそのまま提示する。
★
「DHMO」というある化合物に関する情報として、
次のようなことが言われています。
それを読んで、「率直な」回答をして下さい。
ただし、質問することや、ネットで検索すること、
相談することは禁止します。
【この物質の特徴】
1. 重篤な熱傷の原因となる
2. 多くの素材の腐食を進行させる。
3. 末期ガン患者の悪性腫瘍から検出される。
4. しかし、その危険性に反して、
「身の回り」で用いられている。
たとえば、以下の5つのように。
5. 工業用の溶媒、冷却剤として用いられる。
6. 原子力発電所で用いられる。
7. 発泡スチロールの製造に用いられる。
8. 防虫剤に用いられる。
洗浄した後もDHMOは農作物に残留している。
9. 各種のジャンクフードや、
その他の食品に添加されている。
【質問】
A. このDHMOという化合物は、家庭内での
使用を禁止する法的規制を実施すべきか否か?
B. あなたはこのDHMOを飲めますか?
どちらも、YESかNOで答えて貰いました。
【追加質問】として、
a. Aを回答するときに、最も影響した項目は
この9つの中のどれですか?
b. Bを回答するときに、最も影響した項目は
この9つの中のどれですか?
さらに、もしこの物質について、
次の情報が加わったとしたら、あなたの回答は
A、BそれぞれYES、NOが変わりますか?
10. この物質は、無色・透明・無味・無臭である。
★
看護学生さん達には、追加質問はなく、
結果だけを下に示します。
配布はそれぞれの学年担当の
教官にしていただきました。
質問Aについて
1年生
YES:42人、NO:9人
2年生
YES:33人、NO:14人
3年生
YES:30人、NO:18人
教員
YES:9人、NO:10人
質問Bについて
1年生
YES:0人、NO:51人
2年生
YES:1人、NO:46人
3年生
YES:0人、NO:48人
教員
YES:0人、NO:19人
これから分かることは、まず教員は
主婦など比較的年齢層が高く、この物質を
「必要悪」、生活していく上で必要であるが、
あえて「飲みたくはない」と考えたのだろう。
一方、看護学生さんは、1年生と言えば、
殆どが高校を卒業したばかりで、
まだ医学的知識も殆どないし、
社会的な知識も少ないため、
3年生になるにつれて、教員同様、
「この物質は確かにあまり体に良くなさそうだが、
なくては困るなあ」と考えているのだろう。
「飲めるか」という質問に関しては、
一人を除いて、全員が「飲めない」と答えている。
下の医療従事者とは、少し異なる反応であった。
次に、上のすべての質問を、病院の薬剤師14人、
検査技師16人、ER看護師6人(外来勤務中)に、
今度はボクが直接手渡して周り、
質問に答えて貰った。
その結果、
質問Aについて
YES:24人、NO:12人
質問Bについて
YES:12人、NO:24人
情報が一つ増えたら、
質問Aについて
YES:17人、NO:17人
質問Bについて
YES:11人、NO:23人
と言う結果になった。
この評価には、もう一つバイアスがかかっている。
筆者はERで、急性中毒症例なども専門にしているし、
NBCテロ対策も経験している医師であり、
その医師が配る物質だから、
「聞いたこともないが、多分危ない物質だろう」
という先入観を持たせたかも知れない。
逆に、「きっと何か普通の物質を難しく
言っているだけかも」と、
さらに深く考えたかも知れない。
政府やマスコミの発表や報道でも、
その情報を誰が発表するかで、それを聞く
(読む)人間の判断に影響を与えることが多々ある。
結果であるが、「法的規制」に反対するのが
1/3、さらに10.の情報が加わると、
賛成・反対がほぼ同数になった。
また「飲めるか」に関しては、逆に10.の
情報があってもなくても、
2/3は「飲めない」と答えている。
質問A、Bともに、影響を強く与えた情報は
9.が一番多かったが、これはYES、NO
どちらにも影響している。
「ジャンクフードや様々な食品に
添加されているのだから、仕方がない」
と考えたヒトも多い。
質問Bの「飲めますか?」に関しては、
9.の次いで8.が影響を与えていた。
やはり、食べることが人間の基本であり、
「防虫剤」→「農薬」と考えてしまい、
医療従事者であるから、農薬中毒症例も
知っているため、この物質だけを
がぶ飲みするには抵抗があるのだろう。
ただ、「仕方がないから、飲む」
と答えたヒトも数人いる。
今の「新型インフルエンザ」に関する様々な情報、
ワクチンに関する情報なども、
「表現方法」「情報源」「情報量」「不適切な情報」
など、もし「偏った情報」を、政府やマスコミが
提供すると、もともと「伝染病は怖い」
という文化を持った日本人の多くが
混乱してしまうだろう。
実際、全数把握は出来ていないから、
新型インフルエンザ患者がいったい
どれくらいいるか分からない時点で、
死亡した症例だけを発表したり、
基礎疾患があることを強調したり
しているのが、現在の日本である。
「タミフルは出来るだけ早期に予防投与しろ」
とかの情報も、WHOなどの勧告とはまるで逆である。
先日も、ある若い母親が「娘の通っている
幼稚園で新型インフルエンザが流行していて、
閉鎖になった。
私は妊娠しているかも知れないから、
症状はないけれど、タミフルを処方して欲しい」
と受診してきた。
ある妊婦さん(まだ6週目)も、風邪症状が出て、
かかりつけの産科医に電話したら
「内科で診て貰いなさい」と言われたので、
わざわざERに来て、インフルエンザ疑い
患者さん専用の待合いゾーンで待っていた。
それも2歳くらいの子どもを連れてである。
これでは、一家で感染しに
来ているようなものである。
日本人は、いや、すべての人間は、
ある特殊な状況下では、
「情報」に振り回されやすい。
欧米では、すぐに権威のある組織が、
データを持って(なければ、まだ
「正式ではない」と断って)、
その時点での最善策を公開する。
必要な場合は、患者の症状や徴候、
レントゲン写真なども公開して、
一般医療機関の医者にも
「確実な(に近い)」情報を提供する。
今の日本では、キーワードとして、
「新型インフルエンザ」→「基礎疾患」→
「死亡することがある」→「早期のタミフル」
となっているのではないだろうか?
そして、「ワクチン」→「接種のプライオリティ」
が報道されていて、これもまた先日の話だが、
昨年重症多発外傷で一命を取り留めた
ご高齢の患者さんが、
「私の場合は、肺にも穴が開いたことだし、
肋骨は何本も折れていたし、
肝臓にも傷が付いていた。
ワクチンは当然先に打って貰えるのでしょうね」
と、筆者の外来を受診された。
「申し訳ありません。今のところ、
どのようなヒトに優先権があるのか、
ハッキリはしていませんし、
ワクチンそのものの副作用についても
明らかではありません」
としか答えようがなかった。
とにかく、「恐ろしい伝染病かも知れない」
と一度思われてしまった以上、今後は
科学的根拠に基づく「情報」を
流して貰うことを切に願うものである。
それが「情報」の「魔術」なのである。
MRIC by 医療ガバナンス学会
http://medg.jp
*********************************
新型インフルエンザのワクチンが、
医療従事者とか優先患者に
打たれる事が決まったけど。
直前に決まったから、我々医療従事者にも
全然情報が入っていないんですよ。
残念ながら。
なんだか良くわかんないけど、
適当に人数決めて、それに合わせて
ワクチンも輸入した、とか。
感染の危険性もすごーく高まるのに、
10ml入りのワクチンを作ったとか。
もう、めちゃくちゃですね。
「輸入もの」っていうだけで、
「危険」、「信用できない」っていうのは、
「天然物」だから安心、おいしい。
「養殖」だから、心配、まずい。
って言っているのと同レベルです。
「おいしい」のか「まずい」のかは、
「自分の舌」で先入観をもたず決める事です。
そもそも「和牛」って、ものすごーく高くて、
おいしい、っていう評判でしょうけど。
あれって、言い方を変えたら「養殖の牛」
なんですよ。
魚の場合「養殖」っていうと、なんだか
ワンランクも2ランクもダウンする、
とかって話になるようですけど。
今は技術も進歩していますからね。
必ずしも「養殖」だから、レベルが下がるとか。
国産なら大丈夫、おいしい、とか。
そういう事はないんですよね。
ワクチンも「国産」なら安心。
「輸入もの」なら心配だ、とか
そういう訳ではないんですよ。
そもそも、現在、日本で使われている薬の
ほとんどは、外国で作られた物ですし。
医療機器なんかも、ほとんどは外国製ですよ。
くだらん「規制」とかのせいでね。
それなのに、突然ワクチンだけ、
輸入ワクチンは危険だ、
っていうのが何の根拠もないんですよ。
一見、根拠ありそうな理由が羅列されていますけど。
その程度の危険性は、「国産ワクチン」でも
同じくらいありますからね。
きちんとした理由を書くべきだと思います。
ちょっと前のMRICに載っていた記事と、
その続編がおもしろかったんで。
ここでも紹介させていただきますね。
*************************************
東京大学医学部医学科 4年
篠田 将
2009年9月26日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行
http://medg.jp
「危険」らしい輸入ワクチン
東京大学医学部医学科
4年
篠田 将
〜イントロ〜
突然ですが、最近聞いた「話」を紹介します
(既にご存知な方は、すみません)
〜〜〜〜
「DHMO」と呼ばれる化学物質があり、
その化合物の主な性質は次の通り。
・重篤な熱傷の原因となりうる。
・多くの素材の腐食を進行させる。
・末期がん患者の悪性腫瘍から検出される。
しかし、その危険性に反してDHMOは
身の回りで用いられている。一例として
・工業用の溶媒、冷却材として用いられる
・原子力発電所で用いられる
・発泡スチロールの製造に用いられる
・防虫剤に用いられる。洗浄した後も
DHMOは農作物に残留している。
・各種のジャンク・フードや、
その他の食品に添加されている。
このDHMOという化合物の、家庭内での使用を
禁止する法的規制を実施すべきか。
Yes / No
〜〜〜〜
ここまでお読みになり、この話の
「結末」が見えた方は
いらっしゃいますでしょうか。
殆どの方は「結末」に気づかれないと思います。
私も気づきませんでした。
結末:
DHMOは、Dihydrogen Monoxideの略。
すなわち、「一酸化二水素」のことでした。
要するに水(H2O)のことですね。
実はこれ、米国の有名なジョークで、
90年に考案され、97年に中学生による
調査によって米国で
有名になったそうです(wikipediaより)。
極端な環境保護運動などを
揶揄するときなどに使われるそうです。
このジョークが示している教訓は、
「事実だけを述べたとしても、表現方法によっては
聞き手を誤ったほうに誘導することが出来る」
ということでしょうか。
〜世間の関心を集める、
新型インフルエンザとワクチン〜
さて、ここからが本題です。
最近、新型インフルエンザに対する
世間の注目が高まっています。
特に、ワクチンに関する事柄(たとえば、
いつから接種できるのか、費用はどれくらいか、
ワクチンの副作用は、ワクチンの効果は、など)
が9月中の関心事であったように感じます。
確かに、ワクチンは予防の手段の1つですので、
私もワクチン接種に関心があります。
〜厚労省による、ワクチン接種へのパブコメ募集〜
さて、そのような中、対策に取り組んでいる
厚生労働省がワクチンに関しての
「パブリックコメント」を募集していました。
パブリックコメント(以下、パブコメ)とは、
「行政が何らかの規則を制定し、
または事業を行う際に、国民から広く
意見を募り、集まった意見を規制や
事業に反映させ、より良い行政サービスを
実施する仕組み」
のことです。
大まかな手順としては、
1. まず行政が実施しようとしていることに関して、
行政自らが素案を提示します。
2. 提示された素案を読み、素案に対して
意見がある国民は、意見をパブコメとして
行政に送ります(送付する期間や送付方法は
行政から事前に提示されます)。
3. 締め切り後、集まったパブコメを行政が読み、
素案の修正などを行います。
つまり、パブコメを送る際には、
素案が極めて重要なものとなってきます。当然
ですが、素案とまったく関係のないことを
書いても意味がありません
(たとえば、ワクチン接種に関するパブコメで
「年金記録問題に不満がある」
「ダム工事凍結に賛成」などと書く、など)。
素案を読んで、素案に対して意見を書くのが
パブコメの目的・方法と言えるでしょう。
〜提示された「不可解な」素案〜
さて、その重要な素案を読んでみました。
「新型インフルエンザワクチンの接種について」
すると、気になる点を見つけました。
6ページ
4.留意事項
(1)安全性の確認について
イ.輸入ワクチンの承認時の安全性、
有効性の確保について
には以下のように書かれています(一部を抜粋)。
(前略)
輸入ワクチンについては、
1 現時点では国内外での使用経験・
実績(臨床試験を除く。)がないこと
2 国内では使用経験のないアジュバント
(免疫補助剤)(*)が使用されていること
3 国内では使用経験のない細胞株を用いた
細胞培養(*)による製造法が
用いられているものがあること
4 投与経路が筋肉内であること
5 小児に対しては容量が異なること
など、国内ワクチンとは異なる。
有効性については、
ある程度期待されると判断される。
一方、わが国で大規模に接種した場合の
安全性に関しては、
国内製品よりも未知の要素が大きく、
その使用等に当たっては、より慎重を期すべき
との懸念も専門家から示されている。
* アジュバント(免疫補助剤):
ワクチンと混合して投与することにより、
目的とする免疫応答を増強する物質。
これにより、同じワクチン量でもより
多くの者への接種が可能となる。
一般的に、副反応の発生する確率が
高いことが指摘されている
* 細胞培養:ワクチンの製造方法の一種。
鶏卵による培養よりも、
生産効率は高いとされるが、
インフルエンザワクチンではこれまで
世界で広く使用されるには至っていない。
また、一部の海外のワクチンについては、
製造に使用される細胞に、がん原性は
認められないものの、
腫瘍原性があるとされており、
使用等にあたっては、特に慎重を期すべき
との懸念も専門家から示されている。
(以下略)
この部分を読むと、「輸入ワクチンは
極めて危険で、おまけに
効くかどうかも分からない。」
という印象を受けます。
しかし、立ち止まって一文ずつよく読んで
みると、不思議な点がいくつか見当たります。
>1 現時点では国内外での使用経験・
実績(臨床試験を除く。)がないこと
これは輸入ワクチンに限ったことではなく、
国産ワクチンも同様に現時点では
使用経験・実績がありません
(何せ「新型」インフルエンザのワクチンですので
「使用経験・実績」が存在するはずがありません)。
しかし、同素案の国産ワクチンに
関する部分には
同様の記述は出てきません。
つまり「国内ワクチンとは異なる」
わけではないので記述自体は
誤りであると考えられます。
>2 国内では使用経験のないアジュバント
(免疫補助剤)(*)が使用されていること
なお、ご丁寧にアジュバントに
注まで付いていて、注では
>一般的に、副反応の発生する確率が
高いことが指摘されている
と言っています。
さて、立ち止まってじっくり読んでみましょう。
>2 国内では使用経験のないアジュバント
(免疫補助剤)(*)が使用されていること
この文は、「輸入する特定の
ワクチンに添加されている、
特定のアジュバントに対しての安全面での懸念」、
と解釈されます。
それに対して
>一般的に、副反応の発生する確率が
高いことが指摘されている
こっちは、「一般的に」とあるように、
アジュバントという添加物の
一般的な性質に関して、
「誰か」が指摘した、と解釈できます。
しかし、「一般的に」に注意して読まないと、
この注が「今回輸入するワクチンに入っている
アジュバントは副作用が出やすい」という風に
読めてしまう恐れがあります。
斜め読みは危険ですね。
例)
Aさんはドイツ人(*)です。
* ドイツ人:ドイツ人は一般的にまじめで
職人気質の人が多い。
質問:Aさんはまじめで職人気質な人ですか?
さて、ここからは記載内容に関して見ていきます。
確かに国産ワクチンには
アジュバントが使われていません。
その意味では記述自体は「正しい」でしょう。
しかし、国内で使用されていないからといって
安全性に問題がある、と言えるのでしょうか。
なお諸外国では同じアジュバントが添加された
ワクチンの大規模な治験が既に行われていて、
安全性が確認されています。
「国内で使われていない」添加物だから危険、
と言いたいのならば危険性の
根拠を提示すべきであり、
もし提示できないのであれば、単なる
非関税障壁ではないでしょうか。
根拠を提示せず「国内にないものは危険だから
輸入しない」、という主張が通るのであれば、
コカコーラやハーゲンダッツ(これらの食べ物は
日本には元々なかったものです)を外国から
最初に輸入した会社は
「テロリスト」と言えるでしょう。
私はよく食べていますが、
現在これらの食品による
健康被害は(私に限れば)発生していません。
>3 国内では使用経験のない細胞株を用いた
細胞培養(*)による製造法が
用いられているものがあること
こちらにも、丁寧に注が付いていて
>また、一部の海外のワクチンについては、
製造に使用される細胞に、がん原性は
認められないものの、
腫瘍原性があるとされており、
使用等にあたっては、特に慎重を期すべき
との懸念も専門家から示されている。
これだけ見ると、細胞培養で作られたワクチンは
非常に恐ろしいものに感じられます。
しかし、先ほどの例と同じく、注の
「腫瘍原性」は「一部のワクチン」で
確認されたものです。
これも斜め読みすると間違えやすいですね。
例)
Bさんはお医者さん(*)です。
* お医者さん:今日の新聞に、
ある医者の犯罪が記事に載っていました。
質問:Bさんは犯罪者ですか?
ここからは内容を見ていきます。
文中に出てきた、「細胞培養」とは何でしょうか。
グーグル先生で調べてみましたところ、
細胞培養によるワクチンとは
遺伝子組換え(簡単に言うと、設計図の「改造」)
を行った動物由来の細胞により、
抗原(たとえて言うなら「練習用の標的」)を
作る製法により製造されたワクチン
を指すそうです。
もし、この製法が「危険」と言うのであれば、
同様の製法を用いて製造されるインシュリン
(現在では、インシュリンは遺伝子を組み替えた
大腸菌に作ってもらっています)も
危険であると言えるでしょう。
この記述にも根拠の提示が
必要なのではないでしょうか。
懸念を示した「専門家」に根拠を聞きに行けば
教えてもらえるのでしょうか。
〜素案をもとにしたパブコメの結果〜
さて、このように不可思議な点が
素案中にはいくつか出てきました。
このような「不思議」な素案を元に
パブコメを募集しているわけです。
さて、どのような意見が寄せられたか
気になるところですが、厚労省による
集計結果が出ていました
(新型インフルエンザワクチンに
関する意見交換会で資料配布)。
それを見てみますと
・輸入ワクチンの安全が不明確
・子どもには国産ワクチンを接種してほしい
・ワクチン輸入に反対
という意見があったそうです。
これらの意見が寄せられたのは当然です。
なぜなら素案に「輸入ワクチンは怖いですよ」
と書いてあるのですから。
〜要望〜
その1:意見を言うときは根拠を出す
私は、「輸入ワクチンは安全ですよ」
と言うつもりは全くありません。
また、輸入ワクチンが安全か危険か
私には分かりません。
ただ、「危険ですよ」と言うのであれば
根拠を示すべきである、と考えます
(もちろん?安全ですよ?と言う際にも
同様に根拠が必要だと考えます)。
その2:判断材料ください
国産・輸入問わず、ワクチンには副作用が
一定の確率で発生してしまいます。
つまりワクチンはノーリスクな
予防法ではないわけです。
リスクが少しでもあるのであれば、
ワクチンによるリスクとベネフィットを
比較考量するために、
・ワクチンによる予防効果
・ワクチンの副作用とその頻度
・新型インフルエンザ自体の危険性
これらの情報が提示されなければ、
ワクチンを打つべきか打たざるべきか
考えることは出来ません
(たとえば、仮に新型インフルエンザ自体の
致死率が極めて低いのであれば、
ワクチン接種は不要で、感染したら
ただ家で寝てれば良いわけです)。
それらの情報を素案中に提示することなく、
根拠を示さず「輸入ワクチンは危険ですよ」
と書いて国民から意見を求める。
これでは、悪徳商法となんら変わらない
のではないでしょうか。
その3:厚生労働省の任務
厚生労働省は、「国民生活の保障」に
寄与するため「公衆衛生の向上及び増進」
を図ることを任務とする
(厚生労働省設置法より引用)そうです。
そうであれば、考える際に必要な情報を
素案中で開示した上でパブコメを求めたほうが、
任務をより円滑に遂行できると私は思いますが、
如何でしょうか。
その4:医系技官の役割
医系技官(医師免許をもつ、医学・医療に
関する専門的能力を背景とした技術系行政官。
医系技官の募集ページより引用)の
募集ページには以下のように書かれています
(前略)
私たち医系技官も、そのような臨床医と同様に、
皆様の人生すなわち我が国の未来に対峙し、
科学的根拠に基づき長期的かつ
総合的な観点から、より良い未来を創ろうと
様々な施策立案等に力を注いでいます。
(後略)
このワクチン接種の素案を書いたのが
医系技官の職員の方なのか、それ以外の職種の
職員の方なのかは不明ですが、医学教育を受けた
専門職の行政官として科学的根拠に基づいた
素案を書くべき、もしくは別の職種の方が
書いたのであれば、専門職の職員として
素案の文面の訂正を行うべき
だったのではないでしょうか。
〜おまけ〜
最後に、おまけとして、1つのジョークを紹介します。
DHMOと似た話で、
「パンは危険な食べ物」という話があるそうです。
米国での統計調査の結果により、
以下の事実が判明した。
・犯罪者の98%はパンを食べている。
・パンを日常的に食べて育った
子供の約半数は、テストが平均点以下である。
・暴力的犯罪の90%は、パンを食べてから
24時間以内に起きている。
・パンは中毒症状を引き起こす。
被験者に最初はパンと水を与え、
後に水だけを与える実験をすると、
2日もしないうちにパンを異常にほしがる。
・新生児にパンを与えると、
のどをつまらせて苦しがる。
・18世紀、どの家も各自でパンを焼いていた頃、
平均寿命は50歳だった。
・パンを食べるアメリカ人のほとんどは、
重大な科学的事実と無意味な
統計の区別がつかない。
MRIC by 医療ガバナンス学会
http://medg.jp
『臨時 vol 264 「危険」らしい輸入ワクチン』
そいで、その続編がこれっすね。
書いたのは別の人ですけど。
***********************
▽ 「情報」と言う「魔術」 ▽
高知医療センター
救命救急センター (21年11月から)
村田 厚夫
2009年10月14日
MRIC by 医療ガバナンス学会 発行
http://medg.jp
----------------------------------------
DHMOについての話がこのMRICメーリングリストに
紹介され、筆者もオリジナルを探しだした。
表現方法や、書き方、知らせる情報を限定するなど、
あることに関する「情報」を「プラス」にも
「マイナス」にも出来るいわゆる
「トリック」あるいは「魔術」であろう。
そこで、実際に、現在勤務している
民間病院の検査技師や薬剤師
(ある程度、科学的知識がある)や、
ER看護師、さらに付属の看護学校の学生
(専門学校なので、1年生から3年生までいる)
とそこの教員を対象に、次の項目を挙げて、
質問してみた。
配布したプリントをそのまま提示する。
★
「DHMO」というある化合物に関する情報として、
次のようなことが言われています。
それを読んで、「率直な」回答をして下さい。
ただし、質問することや、ネットで検索すること、
相談することは禁止します。
【この物質の特徴】
1. 重篤な熱傷の原因となる
2. 多くの素材の腐食を進行させる。
3. 末期ガン患者の悪性腫瘍から検出される。
4. しかし、その危険性に反して、
「身の回り」で用いられている。
たとえば、以下の5つのように。
5. 工業用の溶媒、冷却剤として用いられる。
6. 原子力発電所で用いられる。
7. 発泡スチロールの製造に用いられる。
8. 防虫剤に用いられる。
洗浄した後もDHMOは農作物に残留している。
9. 各種のジャンクフードや、
その他の食品に添加されている。
【質問】
A. このDHMOという化合物は、家庭内での
使用を禁止する法的規制を実施すべきか否か?
B. あなたはこのDHMOを飲めますか?
どちらも、YESかNOで答えて貰いました。
【追加質問】として、
a. Aを回答するときに、最も影響した項目は
この9つの中のどれですか?
b. Bを回答するときに、最も影響した項目は
この9つの中のどれですか?
さらに、もしこの物質について、
次の情報が加わったとしたら、あなたの回答は
A、BそれぞれYES、NOが変わりますか?
10. この物質は、無色・透明・無味・無臭である。
★
看護学生さん達には、追加質問はなく、
結果だけを下に示します。
配布はそれぞれの学年担当の
教官にしていただきました。
質問Aについて
1年生
YES:42人、NO:9人
2年生
YES:33人、NO:14人
3年生
YES:30人、NO:18人
教員
YES:9人、NO:10人
質問Bについて
1年生
YES:0人、NO:51人
2年生
YES:1人、NO:46人
3年生
YES:0人、NO:48人
教員
YES:0人、NO:19人
これから分かることは、まず教員は
主婦など比較的年齢層が高く、この物質を
「必要悪」、生活していく上で必要であるが、
あえて「飲みたくはない」と考えたのだろう。
一方、看護学生さんは、1年生と言えば、
殆どが高校を卒業したばかりで、
まだ医学的知識も殆どないし、
社会的な知識も少ないため、
3年生になるにつれて、教員同様、
「この物質は確かにあまり体に良くなさそうだが、
なくては困るなあ」と考えているのだろう。
「飲めるか」という質問に関しては、
一人を除いて、全員が「飲めない」と答えている。
下の医療従事者とは、少し異なる反応であった。
次に、上のすべての質問を、病院の薬剤師14人、
検査技師16人、ER看護師6人(外来勤務中)に、
今度はボクが直接手渡して周り、
質問に答えて貰った。
その結果、
質問Aについて
YES:24人、NO:12人
質問Bについて
YES:12人、NO:24人
情報が一つ増えたら、
質問Aについて
YES:17人、NO:17人
質問Bについて
YES:11人、NO:23人
と言う結果になった。
この評価には、もう一つバイアスがかかっている。
筆者はERで、急性中毒症例なども専門にしているし、
NBCテロ対策も経験している医師であり、
その医師が配る物質だから、
「聞いたこともないが、多分危ない物質だろう」
という先入観を持たせたかも知れない。
逆に、「きっと何か普通の物質を難しく
言っているだけかも」と、
さらに深く考えたかも知れない。
政府やマスコミの発表や報道でも、
その情報を誰が発表するかで、それを聞く
(読む)人間の判断に影響を与えることが多々ある。
結果であるが、「法的規制」に反対するのが
1/3、さらに10.の情報が加わると、
賛成・反対がほぼ同数になった。
また「飲めるか」に関しては、逆に10.の
情報があってもなくても、
2/3は「飲めない」と答えている。
質問A、Bともに、影響を強く与えた情報は
9.が一番多かったが、これはYES、NO
どちらにも影響している。
「ジャンクフードや様々な食品に
添加されているのだから、仕方がない」
と考えたヒトも多い。
質問Bの「飲めますか?」に関しては、
9.の次いで8.が影響を与えていた。
やはり、食べることが人間の基本であり、
「防虫剤」→「農薬」と考えてしまい、
医療従事者であるから、農薬中毒症例も
知っているため、この物質だけを
がぶ飲みするには抵抗があるのだろう。
ただ、「仕方がないから、飲む」
と答えたヒトも数人いる。
今の「新型インフルエンザ」に関する様々な情報、
ワクチンに関する情報なども、
「表現方法」「情報源」「情報量」「不適切な情報」
など、もし「偏った情報」を、政府やマスコミが
提供すると、もともと「伝染病は怖い」
という文化を持った日本人の多くが
混乱してしまうだろう。
実際、全数把握は出来ていないから、
新型インフルエンザ患者がいったい
どれくらいいるか分からない時点で、
死亡した症例だけを発表したり、
基礎疾患があることを強調したり
しているのが、現在の日本である。
「タミフルは出来るだけ早期に予防投与しろ」
とかの情報も、WHOなどの勧告とはまるで逆である。
先日も、ある若い母親が「娘の通っている
幼稚園で新型インフルエンザが流行していて、
閉鎖になった。
私は妊娠しているかも知れないから、
症状はないけれど、タミフルを処方して欲しい」
と受診してきた。
ある妊婦さん(まだ6週目)も、風邪症状が出て、
かかりつけの産科医に電話したら
「内科で診て貰いなさい」と言われたので、
わざわざERに来て、インフルエンザ疑い
患者さん専用の待合いゾーンで待っていた。
それも2歳くらいの子どもを連れてである。
これでは、一家で感染しに
来ているようなものである。
日本人は、いや、すべての人間は、
ある特殊な状況下では、
「情報」に振り回されやすい。
欧米では、すぐに権威のある組織が、
データを持って(なければ、まだ
「正式ではない」と断って)、
その時点での最善策を公開する。
必要な場合は、患者の症状や徴候、
レントゲン写真なども公開して、
一般医療機関の医者にも
「確実な(に近い)」情報を提供する。
今の日本では、キーワードとして、
「新型インフルエンザ」→「基礎疾患」→
「死亡することがある」→「早期のタミフル」
となっているのではないだろうか?
そして、「ワクチン」→「接種のプライオリティ」
が報道されていて、これもまた先日の話だが、
昨年重症多発外傷で一命を取り留めた
ご高齢の患者さんが、
「私の場合は、肺にも穴が開いたことだし、
肋骨は何本も折れていたし、
肝臓にも傷が付いていた。
ワクチンは当然先に打って貰えるのでしょうね」
と、筆者の外来を受診された。
「申し訳ありません。今のところ、
どのようなヒトに優先権があるのか、
ハッキリはしていませんし、
ワクチンそのものの副作用についても
明らかではありません」
としか答えようがなかった。
とにかく、「恐ろしい伝染病かも知れない」
と一度思われてしまった以上、今後は
科学的根拠に基づく「情報」を
流して貰うことを切に願うものである。
それが「情報」の「魔術」なのである。
MRIC by 医療ガバナンス学会
http://medg.jp
*********************************
新型インフルエンザで死者も増えているんで、
夏になってもまだ、いろいろ報道されていますね。
新型インフルエンザの話題。
もちろん、正しい知識を報道するのは良いんですが。
間違った知識、勘違いもあるんですよ。
季節性インフルエンザでも、新型インフルエンザでも。
一番大事なのは、「インフルエンザにかからない事」
です。
インフルエンザは、季節性でも新型でも、
人から人に感染しますからね、基本的には。
まあ、豚とか鳥から人に感染する事もあるんですが。
基本的には、人から人への感染です。
だから、一番基本的で効果があるインフルエンザ対策は、
「インフルエンザにかかっている人の近くに行かない」
という事です。
これが、単純ですけど、最も効果があります。
ウイルスが手についても、手を洗えば
落とすことができる場合もありますけど。
でも、手を介さないでウイルスに
感染する事もありますから。
手洗いはもちろん、万能ではありません。
まだ、手洗いに関しては、世界中で行われていて、
効果もある、と言われているから、ましですけど。
「うがい」と「マスク」に関しては、
効果があるかどうかもはっきりしません。
「うがい」とか「マスク」している国って、
日本くらいのもんです。
口の中にウイルスが入ってから、
10分くらいで体の中に入っちゃいますからね。
インフルエンザのウイルスって。
だから、駅とか街中とか、人ごみの中に行った時。
駅から5分の場所に、自分の会社とか学校とか
家があるんだったら、着いたらすぐにうがいをすれば、
もしかしたら効果あるかもしれませんけどね。
街中に行って、一時間かかって帰ってきてから
うがいをしたって、もう遅いんですよ。
マスクに関しても、ウイルスなんて、
ほとんどのマスクを素通りしますからね。
多くの場合は、意味ないんですよ。
ただ、口の中を加湿する効果はあるし。
もしインフルエンザになった場合に、
他人に移すのを減らすかもしれない。
という事はありえるので。
うがいもマスクも、しないよりはまし。
だと思います。
繰り返しますけど、インフルエンザ対策として
最も効果があるのは、
「インフルエンザにかかっている人の近くに行かない」
です。
インフルエンザにかかっている人が、
多い場所ってどこでしょうかね。
街中とか、どっかの会場とか。
人がたくさん集まる場所では、
インフルエンザにかかっている人がいる
確率も高くなりますから。
人がたくさん集まる場所にはなるべく行かない、
というのは、インフルエンザ対策として正しいです。
んで、もう一つ。
あまり報道されていませんけど。
インフルエンザの人がたくさん集まる場所、
っていうのがありますよ。
インフルエンザの患者さんが。
わかりますよね。
そうです、「病院」や「診療所」です。
「病院」や「診療所」って、インフルエンザとか
熱がある人が集まる所ですから。
当然、そういう所に行くと、
インフルエンザにかかる可能性が高くなります。
基本的にインフルエンザにかかったら、
「高熱」が出ますから。
そして、多くの場合は、咳とか痰とか。
そういう症状が出ます。
あと、関節が痛いとか、そういった症状もあるけどね。
そういう「明らかにインフルエンザの症状」で、
家にいたら苦しくてしょうがない。
という場合は、病院や診療所に行っても
良いと思いますけどね。
でも、37度とか、たいした事のない微熱とか。
ちょっと咳、痰が出た。
とか、その位の症状で「病院」や「診療所」に行ったら、
逆にインフルエンザを移される可能性があるんですよ。
だから、「軽症の場合は病院や診療所に行かない」
というのも非常に大事なインフルエンザ対策なんですが。
残念ですけど「早く病院や診療所に行きなさい」
という「むしろ反対のインフルエンザ対策」
の方が一般的に行われているようですね。
具体的に、こんな事が現場で起こっている、
という話がMRICメルマガで載っていたので。
ちょっと紹介させていただきますね。
▽ 『新型インフルエンザ対策』が爆発的流行を引き起こす ▽
有限会社T&Jメディカル・ソリューションズ代表取締役
木村 知
2009年9月8日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行
http://medg.jp
夏休みが終わった。
厚労省は夏休みが終わる一週間ほど前に
再び改正省令を出し、「新型インフルエンザ」の
感染症法に基づく医師の届け出を不要とした。
これでようやく「新型インフルエンザ」は
われわれ現場の臨床医にとって
「いつものインフルエンザ」になった。
正直そう思いたかったが、夏休みを終え、
むしろ現場の状況はますます深刻に
なってきているということを、
先日痛感させられる事態に遭遇してしまった。
そして、このような現状では
「新型インフルエンザ」のいっそうの感染拡大は、
もはや避けられないと考え、今回緊急記事として
現場の実情を報告させていただくことにした。
夏休みも明けて2〜3日経ったある日、
いつもの診療所に行くと、そこは真冬の
ピーク時とはいかないまでも、
いつものこのシーズンとは
明らかに違う混雑となっていた。
特に午前中は、1時間あたり約40人の
受診者がおり、その約半数は「カゼ症状」や
「発熱」といった「急性の患者さん」であった。
もちろんいわゆる「インフルエンザ様症状」を
呈する患者さんも若干名おられ、1時間に
1〜2人ペースで「A型陽性」患者さんが
発生したのであるが、
これはこの診療所の真冬の状況からすれば、
まだほんの少数であり、これら
「急性の患者さん」のほとんどは、
むしろ軽微なカゼ症状での受診者であった。
小児など、もともとコンビニ受診をする
患者さんは多いのだが、あまりに例年の
雰囲気と違うため、「37度の発熱のみ」で
小学生を連れてきたある母親に、
今回の受診理由を問うてみた。
すると、まさに耳を疑う意外な教育現場の
現状を知ることになったのである。
「毎朝登校前に検温をして、
体温37度以上なら学校を休んですぐ病院に行き、
新型インフルエンザでないことを
確認してもらってから登校するように」
その子の通う小学校では、
このように指導されているのだという。
また昼過ぎにやって来た、いかにも
元気そうな別の中学生は、
「授業中咳をしていたら、保健室に
行くようにいわれてしまい、そこで検温をしたところ
37度と出たのですぐ早退させられ、
その足でここに来ました。
でも1時間以上も待って疲れちゃいましたよ」
と当の本人も、なぜ元気なのに
ここにいるのか腑に落ちない様子であった。
そのほか、授業中の急な発熱の小中学生や、
仕事中の咳を指摘されてあわてて
退社してきた一流企業のサラリーマンなど、
受診者の多くは典型的なインフルエンザ様症状を
呈していないか、もしくは
症状発現ごく早期の状態であった。
そこで、近隣3市の教育委員会に
問い合わせをしてみた。
教育現場にこのような対応を指示しているのは、
国なのか自治体なのか保健所なのか?
聞くと、そんな通達など一切していないと、
どの教育委員会も口を揃えた。
毎朝の検温の実施は指導しているが、
体温の数値で強制受診させることなど、
一切していないとのことだった。
おそらく教育現場の末端で、
自主的に行われている対策でしょう、
との見解であった。
このような教育現場での
「新型インフルエンザ対策」を妥当と判断する人は
いったいどのくらいいるのであろうか?
厚労省は、各医療機関に
「新型インフルエンザ対策」として
引き続き院内感染の防止に努めるように、
との通達を出している。
医師会も待合室を分離したり、
発熱者の受診時間を別枠に設けたりなど、
時間的空間的隔離をなるべく行うように、
各医療機関に呼びかけている。
しかし、ほとんど発熱者が来院しないような
診療科ならまだしも、小児科や内科などを
標榜している多くの診療所では、
今後本格的なシーズンが到来すれば
外来患者さんの半数以上の主訴は
「発熱」や「カゼ症状」になるであろう。
空間的隔離として、これらの多数の人たちを
別室に隔離することは物理的に不可能であるし、
待合室でのついたて(仕切り)や
全員のマスク着用などは、少し考えれば
院内感染予防策というより気休めに近いもの
であることがわかるであろう。
また、診察時間が来るまで自宅待機させ、
携帯メールで呼び出すなどというシステムを
導入している施設もあるかと思うが、
すべての患者さんが扱えるシステムとは
とても言えない。
時間的隔離として「発熱外来時間枠」を
設けたとしても、来院する発熱者がすべて
インフルエンザ感染者であるわけがないし、
そもそも患者さんは素人である。
インフルエンザの症状とはまったく異なるのに
「発熱外来時間枠」に来院したり、逆に典型的な
インフルエンザ症状であるのに、無予告で
「時間枠外」に来院することも十分あり得ることだ。
さらに発症前の潜伏期の患者さんなども考慮すると、
同一診療所内で「感染者」と「非感染者」を
事前に分別して、100%接触させないなど、
どう考えても不可能なのである。
これは、空港検疫が無益であったこととよく似ている。
機内でも空港でも待合室でも、空中を漂う
ウイルスやそれを何食わぬ顔で保持している人たちを
それらと一切無関係な人から確実に
隔離することなど不可能なのである。
つまり一般的な医療機関の待合室での
院内感染を防ぐことは、不可能と考えるべきである。
しかし、現場の医師でこのようなことを
言う人はあまりいない。
「新型」を報告した、神戸の先生が、
その後とんでもない風評被害を受けられた
という事実にもあるように、世間は「院内感染」
という言葉にかなり神経質になっている。
「新型インフルエンザの院内感染」となれば、
なおさらだ。
下手をすると新聞や週刊誌に
自分の診療所名が載ってしまうかもしれない。
「うちの待合室にはインフルエンザの患者さんが
たくさんいるので、危険です」
などと言う医師などいるはずがない。
何も対策を講じないというのは論外、実際無理
と思っていても、精一杯院内感染防止策を講じている
という態度を示しておかねばならないと
考えている医師がほとんどであろう。
しかし一方で、「院内感染」は100%防止できない
ということを、患者さんに十分示すということも
医師の責任として行わなければならないと、
私は考えている。
一方、世間もこのような現場の状況を
十分に知っておかなければならない。
インフルエンザに感染するには、
感染者との接触が必要だ。
逆に感染したくなければ(インフルエンザに罹るのが
心配であれば)できるだけ感染者のいるところには
近づかないことが重要だ。
これは敢えて言うまでもなく当たり前のことだ。
しかし、このような当たり前のことが、
「新型インフルエンザ対策」が各所で過剰に行われるにつれ、
世間ではわからなくなってきているようなのだ。
テレビCMで「カゼには早めの〜〜」
などと宣伝するためか、早めに薬を飲めば
カゼが早く治ると考える人がものすごく多い。
また、医療機関にかかれば診察付きで薬も処方され、
負担も3割だから、市販薬を購入するより、
かえって安くて安心という考えから、
「カゼをひいたかな」と思ったら、まずすぐ医療機関にかかる
と決めている人も多い。
そして今は「新型インフルエンザ騒動」の真っ最中だ。
インフルエンザ感染の有無も医療機関ですぐ
チェックできるとあらば、これらの患者さんの
受診動機はさらに増えることとなる。
さらに、学校、職場では、「新型インフルエンザ対策」
の名の下に、早めに感染者を把握しようと、
少しでも異変のある人を徹底的にピックアップし
早期の医療機関受診を促している。
しかし、このような「新型インフルエンザ対策」を
すればするほど、電車の中や、コンサート会場以上に
インフルエンザ感染者が多く集っている場所
ーつまり診療所の待合室に多くの「非感染者」が
誘導されていく事態となる。
インフルエンザ感染が一番心配なはずなのに、
一番危険な場所にマスク一枚で乗り込むことの
恐ろしさを、もはや気付かなくなっている人が
あまりにも多すぎる。
9月1日付けで文部科学大臣より、子供たち、
保護者、学校関係者に宛てて、メッセージが発信された。
それには、「せき や熱(ねつ)が出(で)るなど、
かぜやインフルエンザにかかったかなと思(おも)ったら、
すぐにお医者(いしゃ)さんに行(い)ってください」
とある。
一見もっともなメッセージだが、このような安易な
医療機関の受診勧奨は、「カゼ」の子供たちに
インフルエンザ感染の機会を増やすだけだ。
「すぐに」医療機関に行っても、検査キットも
無尽蔵にあるわけではない。
1〜2時間ほど、本物のインフルエンザ患者さんの
隣で待たされた挙げ句に、
「症状がもう少し典型的になってから検査しましょうね」
と何もされずに帰されることも十分あり得ることだ。
そんなお子さんが、4〜5日後にインフルエンザ様症状で
来院したなら、それは明らかに診療所から
持ち帰ったウイルスだと言えるだろう。
「新型インフルエンザ対策」として今も多くのメディアが
「手洗い、うがい、咳エチケット、そして
『おかしいな』と思ったらすぐ受診」と喧伝しているが、
インフルエンザ感染拡大の防止策は、
「『おかしいな』と思ったらまず自宅安静」、
そして不要不急の安易な受診をしない
ということに尽きる。
そして受診をする際には、各人が本当に
「今」受診しなければならないかを、
一旦冷静に、あわてずゆっくり考えることが必要だ。
先日、本格的なシーズンを迎えるにあたり、
よく雑誌に載っている性格判断に用いられるような
「インフルエンザ簡易診断フローチャート」を作り、
事前にできるだけ多くの患者さんに配布することにした。
典型的なインフルエンザ症状をわかってもらうとともに、
どのような症状でどのようなタイミングで
受診するのがよいかをわかりやすく案内したものである。
そして、定期的通院が必要な患者さん用の
時間枠をある程度設定し、その時間帯は、
インフルエンザ様症状の来院者に少しご遠慮いただく
などのアナウンスを始めている。
そして、そのパンフレットには、このような対策をとっても、
院内でのインフルエンザ感染を100%防止できない
旨を明示している。
今回、「新型インフルエンザ対策」が
過剰に講じられることによって、かえって不要な感染者を
増加させてしまうという危機的状況を実感した。
5月から、この「新型インフルエンザ」がスティグマとして
継続的に全国民に浸透してきたことにより、
個人の事情や企業、教育現場の諸事情をも巻き込み、
あらゆる思惑や行動が複雑に入り乱れることになってしまった。
「新型インフルエンザ」が心配で過剰検査を
希望する人がいる一方で、「新型インフルエンザ」とわかると
仕事に影響するため検査を拒否する人さえ出てきている。
今行われている対策が、「インフルエンザ対策」でな
く「新型インフルエンザ対策」であるがゆえに
感染爆発を引き起こしつつあるというこの皮肉に、
多くの人が一刻も早く気づく必要がある。
このままいくと未曾有の流行になってしまうかもしれない。
もしそうなってしまったら、それは
「新型インフルエンザ」の「感染力」によるものではなく
「新型インフルエンザ対策」という「人災」によるものだ。
木村 知(きむら とも)
有限会社T&Jメディカル・ソリューションズ代表取締役
AFP(日本FP協会認定)、医学博士
1968年カナダ国オタワ生まれ。
大学病院で一般消化器外科医として診療しつつ
クリニカルパスなど医療現場での
クオリティマネージメントにつき研究中、
2004年大学側の意向を受け退職。
以後、「総合臨床医」として「年中無休クリニック」を
中心に地域医療に携わるかたわら、
看護師向け書籍の監修など執筆活動を行う。
AFP認定者として医療現場でのミクロな
視点から医療経済についても研究中。
著書に「医者とラーメン屋−
『本当に満足できる病院』の新常識」
(文芸社)。
「『新型インフルエンザ対策』が爆発的流行を引き起こす」
インフルエンザっていうのは「ウイルス」ですから。
抗生物質も効かないので。
ちょっと前までは、インフルエンザにかかったら、
家で安静にして水分摂って静かに寝ている。
しか方法がなかったんですよ。
というか、日本以外の国では、
今でもその方法が行われています。
「タミフル」って薬が出たばかりの頃、
「インフルエンザの特効薬」って事で、
マスコミでも大々的に報道されて。
そいで、「タミフルの異常行動」の話で、
ぼろくそに叩かれて。
また、「タミフルが新型インフルエンザの特効薬」
みたいな話で、マスコミで話題になっていますよね。
でも、インフルエンザ対策で一番大事な事は、
「タミフル」でも「病院に行く」でもなくて、
「インフルエンザにかからない」って事なんですよ。
元気な人が、インフルエンザの患者がたくさんいる、
病院や診療所に行ったら、そこで
インフルエンザを移される事もあるんだ。
だから、軽症の場合は病院に行くな。
っていう事を、もっと報道してもらいたいものですねー。
「新型インフルエンザ対策」
インフルエンザ感染拡大の防止策は、
「『おかしいな』と思ったらまず自宅安静」、
そして不要不急の安易な受診をしない。
ですよ。
夏になってもまだ、いろいろ報道されていますね。
新型インフルエンザの話題。
もちろん、正しい知識を報道するのは良いんですが。
間違った知識、勘違いもあるんですよ。
季節性インフルエンザでも、新型インフルエンザでも。
一番大事なのは、「インフルエンザにかからない事」
です。
インフルエンザは、季節性でも新型でも、
人から人に感染しますからね、基本的には。
まあ、豚とか鳥から人に感染する事もあるんですが。
基本的には、人から人への感染です。
だから、一番基本的で効果があるインフルエンザ対策は、
「インフルエンザにかかっている人の近くに行かない」
という事です。
これが、単純ですけど、最も効果があります。
ウイルスが手についても、手を洗えば
落とすことができる場合もありますけど。
でも、手を介さないでウイルスに
感染する事もありますから。
手洗いはもちろん、万能ではありません。
まだ、手洗いに関しては、世界中で行われていて、
効果もある、と言われているから、ましですけど。
「うがい」と「マスク」に関しては、
効果があるかどうかもはっきりしません。
「うがい」とか「マスク」している国って、
日本くらいのもんです。
口の中にウイルスが入ってから、
10分くらいで体の中に入っちゃいますからね。
インフルエンザのウイルスって。
だから、駅とか街中とか、人ごみの中に行った時。
駅から5分の場所に、自分の会社とか学校とか
家があるんだったら、着いたらすぐにうがいをすれば、
もしかしたら効果あるかもしれませんけどね。
街中に行って、一時間かかって帰ってきてから
うがいをしたって、もう遅いんですよ。
マスクに関しても、ウイルスなんて、
ほとんどのマスクを素通りしますからね。
多くの場合は、意味ないんですよ。
ただ、口の中を加湿する効果はあるし。
もしインフルエンザになった場合に、
他人に移すのを減らすかもしれない。
という事はありえるので。
うがいもマスクも、しないよりはまし。
だと思います。
繰り返しますけど、インフルエンザ対策として
最も効果があるのは、
「インフルエンザにかかっている人の近くに行かない」
です。
インフルエンザにかかっている人が、
多い場所ってどこでしょうかね。
街中とか、どっかの会場とか。
人がたくさん集まる場所では、
インフルエンザにかかっている人がいる
確率も高くなりますから。
人がたくさん集まる場所にはなるべく行かない、
というのは、インフルエンザ対策として正しいです。
んで、もう一つ。
あまり報道されていませんけど。
インフルエンザの人がたくさん集まる場所、
っていうのがありますよ。
インフルエンザの患者さんが。
わかりますよね。
そうです、「病院」や「診療所」です。
「病院」や「診療所」って、インフルエンザとか
熱がある人が集まる所ですから。
当然、そういう所に行くと、
インフルエンザにかかる可能性が高くなります。
基本的にインフルエンザにかかったら、
「高熱」が出ますから。
そして、多くの場合は、咳とか痰とか。
そういう症状が出ます。
あと、関節が痛いとか、そういった症状もあるけどね。
そういう「明らかにインフルエンザの症状」で、
家にいたら苦しくてしょうがない。
という場合は、病院や診療所に行っても
良いと思いますけどね。
でも、37度とか、たいした事のない微熱とか。
ちょっと咳、痰が出た。
とか、その位の症状で「病院」や「診療所」に行ったら、
逆にインフルエンザを移される可能性があるんですよ。
だから、「軽症の場合は病院や診療所に行かない」
というのも非常に大事なインフルエンザ対策なんですが。
残念ですけど「早く病院や診療所に行きなさい」
という「むしろ反対のインフルエンザ対策」
の方が一般的に行われているようですね。
具体的に、こんな事が現場で起こっている、
という話がMRICメルマガで載っていたので。
ちょっと紹介させていただきますね。
▽ 『新型インフルエンザ対策』が爆発的流行を引き起こす ▽
有限会社T&Jメディカル・ソリューションズ代表取締役
木村 知
2009年9月8日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行
http://medg.jp
夏休みが終わった。
厚労省は夏休みが終わる一週間ほど前に
再び改正省令を出し、「新型インフルエンザ」の
感染症法に基づく医師の届け出を不要とした。
これでようやく「新型インフルエンザ」は
われわれ現場の臨床医にとって
「いつものインフルエンザ」になった。
正直そう思いたかったが、夏休みを終え、
むしろ現場の状況はますます深刻に
なってきているということを、
先日痛感させられる事態に遭遇してしまった。
そして、このような現状では
「新型インフルエンザ」のいっそうの感染拡大は、
もはや避けられないと考え、今回緊急記事として
現場の実情を報告させていただくことにした。
夏休みも明けて2〜3日経ったある日、
いつもの診療所に行くと、そこは真冬の
ピーク時とはいかないまでも、
いつものこのシーズンとは
明らかに違う混雑となっていた。
特に午前中は、1時間あたり約40人の
受診者がおり、その約半数は「カゼ症状」や
「発熱」といった「急性の患者さん」であった。
もちろんいわゆる「インフルエンザ様症状」を
呈する患者さんも若干名おられ、1時間に
1〜2人ペースで「A型陽性」患者さんが
発生したのであるが、
これはこの診療所の真冬の状況からすれば、
まだほんの少数であり、これら
「急性の患者さん」のほとんどは、
むしろ軽微なカゼ症状での受診者であった。
小児など、もともとコンビニ受診をする
患者さんは多いのだが、あまりに例年の
雰囲気と違うため、「37度の発熱のみ」で
小学生を連れてきたある母親に、
今回の受診理由を問うてみた。
すると、まさに耳を疑う意外な教育現場の
現状を知ることになったのである。
「毎朝登校前に検温をして、
体温37度以上なら学校を休んですぐ病院に行き、
新型インフルエンザでないことを
確認してもらってから登校するように」
その子の通う小学校では、
このように指導されているのだという。
また昼過ぎにやって来た、いかにも
元気そうな別の中学生は、
「授業中咳をしていたら、保健室に
行くようにいわれてしまい、そこで検温をしたところ
37度と出たのですぐ早退させられ、
その足でここに来ました。
でも1時間以上も待って疲れちゃいましたよ」
と当の本人も、なぜ元気なのに
ここにいるのか腑に落ちない様子であった。
そのほか、授業中の急な発熱の小中学生や、
仕事中の咳を指摘されてあわてて
退社してきた一流企業のサラリーマンなど、
受診者の多くは典型的なインフルエンザ様症状を
呈していないか、もしくは
症状発現ごく早期の状態であった。
そこで、近隣3市の教育委員会に
問い合わせをしてみた。
教育現場にこのような対応を指示しているのは、
国なのか自治体なのか保健所なのか?
聞くと、そんな通達など一切していないと、
どの教育委員会も口を揃えた。
毎朝の検温の実施は指導しているが、
体温の数値で強制受診させることなど、
一切していないとのことだった。
おそらく教育現場の末端で、
自主的に行われている対策でしょう、
との見解であった。
このような教育現場での
「新型インフルエンザ対策」を妥当と判断する人は
いったいどのくらいいるのであろうか?
厚労省は、各医療機関に
「新型インフルエンザ対策」として
引き続き院内感染の防止に努めるように、
との通達を出している。
医師会も待合室を分離したり、
発熱者の受診時間を別枠に設けたりなど、
時間的空間的隔離をなるべく行うように、
各医療機関に呼びかけている。
しかし、ほとんど発熱者が来院しないような
診療科ならまだしも、小児科や内科などを
標榜している多くの診療所では、
今後本格的なシーズンが到来すれば
外来患者さんの半数以上の主訴は
「発熱」や「カゼ症状」になるであろう。
空間的隔離として、これらの多数の人たちを
別室に隔離することは物理的に不可能であるし、
待合室でのついたて(仕切り)や
全員のマスク着用などは、少し考えれば
院内感染予防策というより気休めに近いもの
であることがわかるであろう。
また、診察時間が来るまで自宅待機させ、
携帯メールで呼び出すなどというシステムを
導入している施設もあるかと思うが、
すべての患者さんが扱えるシステムとは
とても言えない。
時間的隔離として「発熱外来時間枠」を
設けたとしても、来院する発熱者がすべて
インフルエンザ感染者であるわけがないし、
そもそも患者さんは素人である。
インフルエンザの症状とはまったく異なるのに
「発熱外来時間枠」に来院したり、逆に典型的な
インフルエンザ症状であるのに、無予告で
「時間枠外」に来院することも十分あり得ることだ。
さらに発症前の潜伏期の患者さんなども考慮すると、
同一診療所内で「感染者」と「非感染者」を
事前に分別して、100%接触させないなど、
どう考えても不可能なのである。
これは、空港検疫が無益であったこととよく似ている。
機内でも空港でも待合室でも、空中を漂う
ウイルスやそれを何食わぬ顔で保持している人たちを
それらと一切無関係な人から確実に
隔離することなど不可能なのである。
つまり一般的な医療機関の待合室での
院内感染を防ぐことは、不可能と考えるべきである。
しかし、現場の医師でこのようなことを
言う人はあまりいない。
「新型」を報告した、神戸の先生が、
その後とんでもない風評被害を受けられた
という事実にもあるように、世間は「院内感染」
という言葉にかなり神経質になっている。
「新型インフルエンザの院内感染」となれば、
なおさらだ。
下手をすると新聞や週刊誌に
自分の診療所名が載ってしまうかもしれない。
「うちの待合室にはインフルエンザの患者さんが
たくさんいるので、危険です」
などと言う医師などいるはずがない。
何も対策を講じないというのは論外、実際無理
と思っていても、精一杯院内感染防止策を講じている
という態度を示しておかねばならないと
考えている医師がほとんどであろう。
しかし一方で、「院内感染」は100%防止できない
ということを、患者さんに十分示すということも
医師の責任として行わなければならないと、
私は考えている。
一方、世間もこのような現場の状況を
十分に知っておかなければならない。
インフルエンザに感染するには、
感染者との接触が必要だ。
逆に感染したくなければ(インフルエンザに罹るのが
心配であれば)できるだけ感染者のいるところには
近づかないことが重要だ。
これは敢えて言うまでもなく当たり前のことだ。
しかし、このような当たり前のことが、
「新型インフルエンザ対策」が各所で過剰に行われるにつれ、
世間ではわからなくなってきているようなのだ。
テレビCMで「カゼには早めの〜〜」
などと宣伝するためか、早めに薬を飲めば
カゼが早く治ると考える人がものすごく多い。
また、医療機関にかかれば診察付きで薬も処方され、
負担も3割だから、市販薬を購入するより、
かえって安くて安心という考えから、
「カゼをひいたかな」と思ったら、まずすぐ医療機関にかかる
と決めている人も多い。
そして今は「新型インフルエンザ騒動」の真っ最中だ。
インフルエンザ感染の有無も医療機関ですぐ
チェックできるとあらば、これらの患者さんの
受診動機はさらに増えることとなる。
さらに、学校、職場では、「新型インフルエンザ対策」
の名の下に、早めに感染者を把握しようと、
少しでも異変のある人を徹底的にピックアップし
早期の医療機関受診を促している。
しかし、このような「新型インフルエンザ対策」を
すればするほど、電車の中や、コンサート会場以上に
インフルエンザ感染者が多く集っている場所
ーつまり診療所の待合室に多くの「非感染者」が
誘導されていく事態となる。
インフルエンザ感染が一番心配なはずなのに、
一番危険な場所にマスク一枚で乗り込むことの
恐ろしさを、もはや気付かなくなっている人が
あまりにも多すぎる。
9月1日付けで文部科学大臣より、子供たち、
保護者、学校関係者に宛てて、メッセージが発信された。
それには、「せき や熱(ねつ)が出(で)るなど、
かぜやインフルエンザにかかったかなと思(おも)ったら、
すぐにお医者(いしゃ)さんに行(い)ってください」
とある。
一見もっともなメッセージだが、このような安易な
医療機関の受診勧奨は、「カゼ」の子供たちに
インフルエンザ感染の機会を増やすだけだ。
「すぐに」医療機関に行っても、検査キットも
無尽蔵にあるわけではない。
1〜2時間ほど、本物のインフルエンザ患者さんの
隣で待たされた挙げ句に、
「症状がもう少し典型的になってから検査しましょうね」
と何もされずに帰されることも十分あり得ることだ。
そんなお子さんが、4〜5日後にインフルエンザ様症状で
来院したなら、それは明らかに診療所から
持ち帰ったウイルスだと言えるだろう。
「新型インフルエンザ対策」として今も多くのメディアが
「手洗い、うがい、咳エチケット、そして
『おかしいな』と思ったらすぐ受診」と喧伝しているが、
インフルエンザ感染拡大の防止策は、
「『おかしいな』と思ったらまず自宅安静」、
そして不要不急の安易な受診をしない
ということに尽きる。
そして受診をする際には、各人が本当に
「今」受診しなければならないかを、
一旦冷静に、あわてずゆっくり考えることが必要だ。
先日、本格的なシーズンを迎えるにあたり、
よく雑誌に載っている性格判断に用いられるような
「インフルエンザ簡易診断フローチャート」を作り、
事前にできるだけ多くの患者さんに配布することにした。
典型的なインフルエンザ症状をわかってもらうとともに、
どのような症状でどのようなタイミングで
受診するのがよいかをわかりやすく案内したものである。
そして、定期的通院が必要な患者さん用の
時間枠をある程度設定し、その時間帯は、
インフルエンザ様症状の来院者に少しご遠慮いただく
などのアナウンスを始めている。
そして、そのパンフレットには、このような対策をとっても、
院内でのインフルエンザ感染を100%防止できない
旨を明示している。
今回、「新型インフルエンザ対策」が
過剰に講じられることによって、かえって不要な感染者を
増加させてしまうという危機的状況を実感した。
5月から、この「新型インフルエンザ」がスティグマとして
継続的に全国民に浸透してきたことにより、
個人の事情や企業、教育現場の諸事情をも巻き込み、
あらゆる思惑や行動が複雑に入り乱れることになってしまった。
「新型インフルエンザ」が心配で過剰検査を
希望する人がいる一方で、「新型インフルエンザ」とわかると
仕事に影響するため検査を拒否する人さえ出てきている。
今行われている対策が、「インフルエンザ対策」でな
く「新型インフルエンザ対策」であるがゆえに
感染爆発を引き起こしつつあるというこの皮肉に、
多くの人が一刻も早く気づく必要がある。
このままいくと未曾有の流行になってしまうかもしれない。
もしそうなってしまったら、それは
「新型インフルエンザ」の「感染力」によるものではなく
「新型インフルエンザ対策」という「人災」によるものだ。
木村 知(きむら とも)
有限会社T&Jメディカル・ソリューションズ代表取締役
AFP(日本FP協会認定)、医学博士
1968年カナダ国オタワ生まれ。
大学病院で一般消化器外科医として診療しつつ
クリニカルパスなど医療現場での
クオリティマネージメントにつき研究中、
2004年大学側の意向を受け退職。
以後、「総合臨床医」として「年中無休クリニック」を
中心に地域医療に携わるかたわら、
看護師向け書籍の監修など執筆活動を行う。
AFP認定者として医療現場でのミクロな
視点から医療経済についても研究中。
著書に「医者とラーメン屋−
『本当に満足できる病院』の新常識」
(文芸社)。
「『新型インフルエンザ対策』が爆発的流行を引き起こす」
インフルエンザっていうのは「ウイルス」ですから。
抗生物質も効かないので。
ちょっと前までは、インフルエンザにかかったら、
家で安静にして水分摂って静かに寝ている。
しか方法がなかったんですよ。
というか、日本以外の国では、
今でもその方法が行われています。
「タミフル」って薬が出たばかりの頃、
「インフルエンザの特効薬」って事で、
マスコミでも大々的に報道されて。
そいで、「タミフルの異常行動」の話で、
ぼろくそに叩かれて。
また、「タミフルが新型インフルエンザの特効薬」
みたいな話で、マスコミで話題になっていますよね。
でも、インフルエンザ対策で一番大事な事は、
「タミフル」でも「病院に行く」でもなくて、
「インフルエンザにかからない」って事なんですよ。
元気な人が、インフルエンザの患者がたくさんいる、
病院や診療所に行ったら、そこで
インフルエンザを移される事もあるんだ。
だから、軽症の場合は病院に行くな。
っていう事を、もっと報道してもらいたいものですねー。
「新型インフルエンザ対策」
インフルエンザ感染拡大の防止策は、
「『おかしいな』と思ったらまず自宅安静」、
そして不要不急の安易な受診をしない。
ですよ。
医療崩壊、医療危機っていうのは、
遠い世界の事じゃなくて身近な事なんですよ。
東京でも、妊婦さんの受け入れが難しい、
っていう事もマスコミで報道されて、
やっとそう思う人も増えてきたけど。
まだまだ、みんな他人事ですけどね。
私は、ブログやメールマガジンでは、
基本的に自分の事は書かない主義なんですが。
最近、ちょっと疲れてきてしまいました。
医療現場で働いていれば、
医師はみんな疲弊しているんだと思いますがね。
救命の現場にいる、っていう「本業」の方で、
患者がたくさんいて忙しい、疲れる。
っていうのは、もちろんあるんですけど。
『医師過労の原因は医療界自身』
『医師は病院経営者に物申せ』
にも書いたように、それだけではないんですよ。
こういう事やるのって、すごく力がいるんだけど。
個人的なメリットっていうのは、
ほとんどないんですよね、正直。
なんか、どうでも良くなってきましたわ。
似たような心境の人が、他にもいるようなので。
せっかくだから、引用させてもらいますね。
ネタ元は、
中間管理職先生の
『■開業つれづれ:「医療危機 疲弊する救命の現場」』
からです。
いつもお世話になっております。
医療危機 疲弊する救命の現場
午後6時過ぎに容体が急変した60代男性は、
救急医ら8人の医師の治療で
ひとまず落ち着いた=横浜市鶴見区
午後6時過ぎ、60代の男性の容体が急変した。
横浜市鶴見区の済生会横浜
市東部病院救命救急センター。
8人の医師が男性を取り囲み、
懸命の治療が続いた。
救急医と専門医、8人のチームワークで
男性はひとまず落ち着き、守屋志保医師(28)は
胸をなで下ろした。
この日は夜勤。
そのまま翌朝まで、運び込まれる救急患者の
手当てをしながら、男性の容体を気にかけて過ごした。
5年目の守屋さんは月に平均5回の夜勤をこなす。
手術が重なって一睡もできない夜も多い。
夜勤の翌日は明け休みだが、結局、
担当する患者が気になって病院に足が向くことが多い。
1日ゆっくり休めるのは月に一度あるかないかだ。
「救急は志望だったし、やりがいはある。
でもQOL(生活の質)を重視する人には
向かないかもしれません」
■ ■
東部病院救命救急センターには、
救急車で運ばれる人と、比較的症状が軽く
自分で来る人を合わせて、
一晩平均約70人の患者が訪れる。
夜間は、研修医を含め5人の医師で
対応するのが基本だ。
清水正幸医師(36)は「東部病院は研修医が多く、
恵まれている方では」という。
ただ不安もつきまとう。
「救急に医療の原点を感じて志望した。
でもいつまで今のペースでやっていけるか。
40代後半になったらきついんじゃないかな」
と清水さん。
救急の現場を離れる同期は多い。
医師の労働環境を分析した
日本医科大の長谷川敏彦教授は06年の論文で
「急性期病院の医師の負担が急増している」
と指摘。
「急性期病院の若年医師(40代前半)の
離職が加速している可能性がある。
将来は危うい」と警鐘を鳴らした。
こうした現状を受け、厚生労働省は08年、
従来の医師数抑制方針を転換し、中長期的に
医師を増やす方針を打ち出した。
だが、東部病院の長島敦外科部長(50)は
「問題は医師不足でなく勤務医不足。
医学生を増やしても開業医が増えるだけ」
と指摘する。
救急や外科、産科、小児科といった
リスクが大きく拘束時間の長い
診療科は人気がない。
特に外科志望の研修医は激減しているという。
「このままでは、手術が必要な時でも、
すぐに受けられない国になるのでは」。
長島部長は心配する。
■ ■
横浜市立みなと赤十字病院の
八木啓一救命救急センター長(55)は、
疲弊する地方の現場を見てきた。
3月まで鳥取大医学部付属病院の
救命救急センター長だった。
同センターの救急医は4人。
うち若手の2人が「体がもたない」
と辞職を申し出た。
後任もなく、他科の応援も得られない。
結局、教授だった八木さんと准教授を含め
4人全員が「救急現場の窮状を知ってほしい」
と一斉に辞職した。
今の病院は研修医も多く恵まれた環境だが
「国に救急医療の現状が十分に
理解されているとは思えない」と話す。
「政治家はとにかく医療の現場をみてほしい。
何が大事か、どこにお金を出したらいいかを
きちんと把握したうえで、配分してほしい」
医療が今抱えるさまざまな問題を解決するには、
まずそこからだと思っている。
《メモ》小泉政権で年2200億円の
社会保障費抑制策が打ち出された。
医療費も削減方針で、診療報酬は
マイナス改定が続く。
04年からは新卒医師の新臨床研修制度が始まった。
自分が選んだ病院で研修できるようになったため、
大都市の民間病院などに人気が集中、
地方の医師不足が顕著になったといわれている。
『朝日新聞:2009年08月21日』
________________________________________
>医療が今抱えるさまざまな問題を解決するには、
まずそこからだと思っている。
日本の医療問題は
そんなに簡単な問題ではありませんし
そもそもマスコミによる医療叩きの
総力戦の結果でこうなっていると
多くの医師は考えています。
さんざん誤報を並べて、
「日本医療は非効率だ」
「日本の医療は金を食いすぎている」
(上記はすべて国際的には間違っています)
「大学は白い巨塔だ。ぶっつぶせ」
(つぶしたら地方医療は崩壊しました)
なんて
自分たちのやったことを
振り返らず、
「医療の問題はここです」
なんて言うのは正直、
卑怯だと思います。
タイトルの
>医療危機 疲弊する救命の現場
は、
まるでジャイアンがぶん殴って
ぼこぼこにしたのび太クンのことを
「だれがそんなひどいことを?」
なんてジャイアン自身がいうような、
あるいは
横であおってたスネ夫くんが
「ジャイアンはひどいね」、なんて
笑いながらいうような、
そんな印象を受けます。
だれが
疲弊させたのか、
胸に手を当てて
よく考えてみてほしいものです。
『■開業つれづれ:「医療危機 疲弊する救命の現場」』
マスコミだけでなく、病院の中にも、
医者の中にも、全然わかっていない人もいるし。
もちろん、国民の多くは、
医療現場の事なんか知らないですよね。
でも、そんな医療現場の事を
みんなに知ってもらいたい。
そしたら、日本の医療も、少しはよくなるかも。
って思って、医師ブログとしては初期から活動して。
最近は頻度こそ減ってきましたけど、
今までブログを書いてきましたが。
これからどうなるか、ちょっと自分でもわかりません。
遠い世界の事じゃなくて身近な事なんですよ。
東京でも、妊婦さんの受け入れが難しい、
っていう事もマスコミで報道されて、
やっとそう思う人も増えてきたけど。
まだまだ、みんな他人事ですけどね。
私は、ブログやメールマガジンでは、
基本的に自分の事は書かない主義なんですが。
最近、ちょっと疲れてきてしまいました。
医療現場で働いていれば、
医師はみんな疲弊しているんだと思いますがね。
救命の現場にいる、っていう「本業」の方で、
患者がたくさんいて忙しい、疲れる。
っていうのは、もちろんあるんですけど。
『医師過労の原因は医療界自身』
『医師は病院経営者に物申せ』
にも書いたように、それだけではないんですよ。
こういう事やるのって、すごく力がいるんだけど。
個人的なメリットっていうのは、
ほとんどないんですよね、正直。
なんか、どうでも良くなってきましたわ。
似たような心境の人が、他にもいるようなので。
せっかくだから、引用させてもらいますね。
ネタ元は、
中間管理職先生の
『■開業つれづれ:「医療危機 疲弊する救命の現場」』
からです。
いつもお世話になっております。
医療危機 疲弊する救命の現場
午後6時過ぎに容体が急変した60代男性は、
救急医ら8人の医師の治療で
ひとまず落ち着いた=横浜市鶴見区
午後6時過ぎ、60代の男性の容体が急変した。
横浜市鶴見区の済生会横浜
市東部病院救命救急センター。
8人の医師が男性を取り囲み、
懸命の治療が続いた。
救急医と専門医、8人のチームワークで
男性はひとまず落ち着き、守屋志保医師(28)は
胸をなで下ろした。
この日は夜勤。
そのまま翌朝まで、運び込まれる救急患者の
手当てをしながら、男性の容体を気にかけて過ごした。
5年目の守屋さんは月に平均5回の夜勤をこなす。
手術が重なって一睡もできない夜も多い。
夜勤の翌日は明け休みだが、結局、
担当する患者が気になって病院に足が向くことが多い。
1日ゆっくり休めるのは月に一度あるかないかだ。
「救急は志望だったし、やりがいはある。
でもQOL(生活の質)を重視する人には
向かないかもしれません」
■ ■
東部病院救命救急センターには、
救急車で運ばれる人と、比較的症状が軽く
自分で来る人を合わせて、
一晩平均約70人の患者が訪れる。
夜間は、研修医を含め5人の医師で
対応するのが基本だ。
清水正幸医師(36)は「東部病院は研修医が多く、
恵まれている方では」という。
ただ不安もつきまとう。
「救急に医療の原点を感じて志望した。
でもいつまで今のペースでやっていけるか。
40代後半になったらきついんじゃないかな」
と清水さん。
救急の現場を離れる同期は多い。
医師の労働環境を分析した
日本医科大の長谷川敏彦教授は06年の論文で
「急性期病院の医師の負担が急増している」
と指摘。
「急性期病院の若年医師(40代前半)の
離職が加速している可能性がある。
将来は危うい」と警鐘を鳴らした。
こうした現状を受け、厚生労働省は08年、
従来の医師数抑制方針を転換し、中長期的に
医師を増やす方針を打ち出した。
だが、東部病院の長島敦外科部長(50)は
「問題は医師不足でなく勤務医不足。
医学生を増やしても開業医が増えるだけ」
と指摘する。
救急や外科、産科、小児科といった
リスクが大きく拘束時間の長い
診療科は人気がない。
特に外科志望の研修医は激減しているという。
「このままでは、手術が必要な時でも、
すぐに受けられない国になるのでは」。
長島部長は心配する。
■ ■
横浜市立みなと赤十字病院の
八木啓一救命救急センター長(55)は、
疲弊する地方の現場を見てきた。
3月まで鳥取大医学部付属病院の
救命救急センター長だった。
同センターの救急医は4人。
うち若手の2人が「体がもたない」
と辞職を申し出た。
後任もなく、他科の応援も得られない。
結局、教授だった八木さんと准教授を含め
4人全員が「救急現場の窮状を知ってほしい」
と一斉に辞職した。
今の病院は研修医も多く恵まれた環境だが
「国に救急医療の現状が十分に
理解されているとは思えない」と話す。
「政治家はとにかく医療の現場をみてほしい。
何が大事か、どこにお金を出したらいいかを
きちんと把握したうえで、配分してほしい」
医療が今抱えるさまざまな問題を解決するには、
まずそこからだと思っている。
《メモ》小泉政権で年2200億円の
社会保障費抑制策が打ち出された。
医療費も削減方針で、診療報酬は
マイナス改定が続く。
04年からは新卒医師の新臨床研修制度が始まった。
自分が選んだ病院で研修できるようになったため、
大都市の民間病院などに人気が集中、
地方の医師不足が顕著になったといわれている。
『朝日新聞:2009年08月21日』
________________________________________
>医療が今抱えるさまざまな問題を解決するには、
まずそこからだと思っている。
日本の医療問題は
そんなに簡単な問題ではありませんし
そもそもマスコミによる医療叩きの
総力戦の結果でこうなっていると
多くの医師は考えています。
さんざん誤報を並べて、
「日本医療は非効率だ」
「日本の医療は金を食いすぎている」
(上記はすべて国際的には間違っています)
「大学は白い巨塔だ。ぶっつぶせ」
(つぶしたら地方医療は崩壊しました)
なんて
自分たちのやったことを
振り返らず、
「医療の問題はここです」
なんて言うのは正直、
卑怯だと思います。
タイトルの
>医療危機 疲弊する救命の現場
は、
まるでジャイアンがぶん殴って
ぼこぼこにしたのび太クンのことを
「だれがそんなひどいことを?」
なんてジャイアン自身がいうような、
あるいは
横であおってたスネ夫くんが
「ジャイアンはひどいね」、なんて
笑いながらいうような、
そんな印象を受けます。
だれが
疲弊させたのか、
胸に手を当てて
よく考えてみてほしいものです。
『■開業つれづれ:「医療危機 疲弊する救命の現場」』
マスコミだけでなく、病院の中にも、
医者の中にも、全然わかっていない人もいるし。
もちろん、国民の多くは、
医療現場の事なんか知らないですよね。
でも、そんな医療現場の事を
みんなに知ってもらいたい。
そしたら、日本の医療も、少しはよくなるかも。
って思って、医師ブログとしては初期から活動して。
最近は頻度こそ減ってきましたけど、
今までブログを書いてきましたが。
これからどうなるか、ちょっと自分でもわかりません。
「医師の過労死」とか、「医師の労働は
労働基準法違反だ」、とか。
そういう話は、このブログでも何年か前から
結構書いているつもりです。
2007年に、読売新聞が大手マスコミでは初めて
医師の当直のほとんどは、労働基準法違反だ。
という事を取り上げましたけど。
「医師の当直は労働基準法違反」
これは、この記事を書いた
読売新聞の小林篤子記者が、
私のブログを読んで、私にコンタクトを
取ったのがきっかけ、と言っても良いでしょう。
ついこの間、書いた記事なんかを
見てもわかるように。
「医師過労の原因は医療界自身」
私は医者ですけど。
医者にとっても厳しい事を言う。
患者にとっても厳しい事を言う。
というのを、このブログのスタンスにしています。
もちろん、医療崩壊の大きな原因は、
医療政策だ、っていう面はありますから。
医療制度、政策の批判をしたり。
マスコミ報道によって医療崩壊が進んだ、
っていう面もかなり大きいので。
マスコミ批判もしますけどね。
でも、単純に批判するだけでなく、
どうすればもっと良くなるのか、
っていう対案を出来るだけ出す。
という事をやっているつもりです。
シュールな文章とオチで有名な、
ssd先生のブログ
「ssd’s Diary」
で、労働基準監督署とか現場で労働する
医師の方にも問題がある。
という話があって、私の考えとも重なったので、
ちょっと紹介させてもらいますね。
労鬼
中国人実習生過労死:労災申請 悲劇、
二度と起こさぬ 福岡の留学生、遺族を支援
「同じ悲劇を二度と起こしたくない」。
茨城県潮来市で外国人実習生として
働いていた中国人男性、
蒋暁東さん(当時31歳)の遺族が7日、
過労死を訴えて労災申請した問題。
福岡市に住む親類の馬可さん(29)が、
遺族と日本の弁護士の橋渡し役を担い、
死亡から約1年後の申請にこぎ着けた。
【河津啓介】
◇タイムカードに「350時間」
「若くて元気だったのにおかしい」。
昨年6月上旬、九州大大学院(福岡市)の留学生、
馬さんに突然中国の親類から電話があった。
蒋さんの急死に驚いた遺族が
親類を通じて助けを求めたのだ。
馬さんは蒋さんの母方の遠縁。
面識さえなく、数日前に亡くなったことも知らなかった。
蒋さんの家族は、中国に残した妻(32)と一人娘(7)、
50代後半の両親。父親は病気で仕事ができず、
母親が細々と農業を営み、一家の収入は
蒋さんにかかっていた。
生前、家族に電話で「残業がきつい」
などともらしていたという。
「何とかしたい」と思った馬さんの
頭に浮かんだ言葉は「過労死」。
すぐに実習先の会社に電話したが
「こちらに責任はない」。
遺族の訴えと会社の説明に差があり、
疑問が膨らんだ。納得できず、
この問題に詳しい
指宿昭一弁護士(東京都)に相談した。
だが、日中の文化の壁を
乗り越えるのは容易ではなかった。
「解剖は絶対必要です」と馬さんは
両親に訴えたが、抵抗は強かった。
幸い、蒋さんの妹が説得してくれた。
馬さんは「中国の農村では遺体を
傷つけるのは受け入れがたい。
法知識が乏しいならなおさらです」と推察する。
「遺品からタイムカードの写しが出てきた」。
亡くなって約3カ月後、遺族が馬さんに電話してきた。
家族からの手紙や娘らと写った写真の束に、
07年11月分のカードの写しが紛れ込んでいた。
1カ月の総労働時間は約350時間、
19日間連続の勤務も。
「決定的な証拠」(馬さん)となり、
申請に弾みをつけたという。
蒋さんの妻は7日、弁護団を通じ
「家族もいない場所で
死んでいった夫がかわいそう。
過酷な仕事のために
亡くなったことをはっきりさせたい」
とコメントを寄せた。
馬さんは「外国人は不当な待遇でも
我慢するしかない。
留学では気づかなかった
日本の側面が見えました」と語った。
■解説
◇研修制度の暗部解明を
今回の過労死申請は、
外国人研修・実習生制度の
暗部に光を当てるものになった。
同制度を巡っては労組や市民グループが、
パスポートを取り上げたり
強制貯金をさせるなどの
人権侵害があると問題点を告発。
残業代が300円など最低賃金以下の賃金で
仕事をさせている例があるなどと、
過酷な労働状況を指摘してきた。
異常な長時間労働の強制は、
過労死・過労自殺が
起きていてもおかしくない状況にあった。
ところが、過労死や過労自殺した場合、
被害を訴える当事者が亡くなっていることや
家族がそばにいないため実態が分かりづらい。
一緒に研修を受けた仲間がいても、
強制帰国など不利に扱われることを恐れ、
証言を控える状況にある。
過労死の疑いがあっても、
証拠を得て証明するのは容易ではない。
今回はタイムカードの写しがあったことを
きっかけに申請にこぎ着けた。
労災と認められるかは今後の
労基署の判断を待たねばならないが、
国際研修協力機構の調べでさえ、
08年度に過労死の可能性がある
脳・心疾患が16件もあった。
労基署による調査が入る意味は大きい。
研修制度で来日した外国人が過労死する
という悲劇があるとしたら、
国際的にも大きな問題だ。
徹底した調査で実態を明らかにすべきだ。
【東海林智】
まあ、外国人労働者を搾取するのは
先進国の嗜みですが、世界標準でないのは、
その搾取した分本国人労働者が甘い汁を
啜るのではなくて更に本国人労働者の労働条件を
絞り上げるのに使うところが日本とか
韓国の資本主義のアレなところですね。
ところで、昨今、各地域の目立った
ブラック病院を擁する自治体に宿直許可証や
36協定文書の開示請求したり、労働基準監督署に
告発する運動を熱心にされている方がいます。
当ブログ的にはいいぞどんどんやれー、
というところですが、本来、これは当事者の
労働者自身がやらねばならないことなのですよ。
権利の上に胡座をかくものは保護されない
というのは近代法思想の原則です。
この煮詰まった医療崩壊を打開するには、
scrap&buildするしかありません。
そのキーパーソンは、労働基準監督署であろう
という狙いは、なかなか鋭いと唸らざるを得ません。
まずもって、医療問題に関して、
しがらみのない第三者であること。
権限の源泉たる法律が整備されており、
厳格な運用をすれば相当の強権を持っていること。
ただ、こうしたお役所の常として、持っている
権限に対して、人手が猛烈に足りない
という宿痾があるそうで、
「小さい政府」を目指した橋本政権以降の
流れのなか形骸化が著しいようです。
だったら労基署が動きやすいように、
資料を揃えてあげた上で、タレ込むというのは
善良な市民としてすばらしい志
というほかはありません。
ところで、まあ、この運動、どこまでやるの?
というところ。
こんだけふつうの日本人の労働者の権利が
小コンボ・大コンボで縮小しまくっている現代に、
医療労働者だけが労基法全部守れという訴えは
妬み嫉みを生むことでしょう。
いやま別に気にせんでもいいかもしれないですけどね。
しかし、とりあえず、人手の多い監督署のある
管轄のところででも、ブラック病院の二つや三つを
スケープゴートとして、徹底的にやっつける
というのはいいことだと思います。
つ愛育病院・日赤。
日赤は交替制勤務の導入という戦果を
上げたようですが、愛育の方は
どーだったんでしょうねえ。
根っからの奴隷根性はいかんとも
し難かった感じが拭えません。
やっぱり私立の病院というのはだめですね。
公立病院が生け贄になる必要があるでしょう。
大都市の日赤病院なら
交替制勤務にすることは可能でしょう。
しかし、大多数の公立病院で、
できるかというと相当疑問。
せいぜいが、宿直で救急患者を診る
違法状態でも翌朝からの
勤務日は公休にするから
勘弁してつかーさいと土下座して靴を舐めて
お願いするくらいが関の山でないですかねえ。
さもなければ、救急を診る病院は、
本当に交替制勤務を実現できる
大病院に限る、というのも一つの手です。
もちろん、宿直医は書類上置いて、
実際に救急を診る医者は36時間勤務させるなんて
悪質な病院は血祭りに上げてやるべきです。
「労鬼」
ssd先生も言っている通り、
医療崩壊を打開するためのキーパーソンは、
労働基準監督署であろうというとは、
私もその通りだと思います。
ただ、労働基準監督署に行ったからといって、
全てが解決するわけでもない、
というのも事実だと思います。
これだけインターネットが発達した時代。
自分の労働環境が、労働基準法違反だ、とか。
このまま行ったら、自分や仲間が
過労死するかもしれない。
という状況であれば、労働者である医師が、
自分で声を上げる必要があると思います。
それを今までやってきて来なかった、
医師自身にも問題があると思います。
ただ、いきなり労働基準監督署に行ったり、
自分だけ休みを取ったりしても、
患者や、同じ病院の他の医師に迷惑をかける。
と思って、なかなか踏ん切りがつかない
医師も多いんだとは思いますがね。
でも、そんなに労働環境が悪いのであれば、
全く手を打たない、というのは問題だと思います。
労働基準法という「法律」があって、
それを守っていないのは「違法」ですから。
しかも、場合によっては刑事罰までありますから。
医師を劣悪な労働環境で
こき使っている病院があれば、
そこで働いている医師は、病院側に対して、
「労働環境を是正しなければ、
労働基準監督署に訴えるぞ」
という「姿勢」で、交渉すべきではないでしょうか。
そうでないと、結局言い訳ばかりして、
病院側の利益を守る、という所も多いと思うので。
そんな病院と、下っ端の医師が個人で交渉しても、
問題が解決する訳ないんですよね。
医師というのは他のサラリーマンと違って、
「医師免許」というものを持った「技術職」ですから。
普通の会社であれば、よっぽど優秀で、
他の会社から引き抜きがかかる人以外は、
会社の方針に逆らったら、クビになる。
と思ったら、言いたい事も言えなくなる。
というのはわかりますけど。
医者の場合は、その病院で働けなくなったとしても、
医師免許があって、技術があれば、
別の病院で働けますからね。
全然、びくびくする必要なんてないんですよ。
普通の会社であれば、経営者と労働者であれば、
圧倒的に労働者の方が力が弱い立場なので。
だから、「労働組合」とかがあるんですよ。
医師でも、労働組合があるとこもありますけど。
医者って、そういうとこに入るの嫌いな人が
多いですからねー。
まあ、別に労働組合自体に
入る必要はないと思いますが。
医者の場合は、労働組合に入らなくても、
医師免許があって手に職もっているんですから。
経営者(病院)側と対等に
話が出来る立場なんですから。
クビになる、なんて心配しないで、堂々と
「医師の労働環境を改善しないなら、
労働基準監督署に訴えますよ」
という姿勢で、病院側と交渉すべきだと思います。
医者以外の他の職種の人達も、
このままだったら過労死する、っていうような
過酷な労働環境であれば、
もちろん声を上げるべきだと思います。
大きな会社には、労働組合があるので、
そこを通してでも良いですし。
派遣とか、非常勤の人で労働組合に入っていない、
という人であれば、個人単位で入る事が出来る
労働組合もあるわけですから。
立場が弱い人は、そういう方法を使ってでも、
「経営者に対してきちんと声を上げる」
という事が重要だと思います。
単に飲み屋で、仲間内でグチを言っているだけでは、
問題は何も解決しませんからね。
ちなみに、
>各地域の目立った
ブラック病院を擁する自治体に宿直許可証や
36協定文書の開示請求したり、労働基準監督署に
告発する運動を熱心にされている方
これは、小児科医の
江原 朗(えはら あきら)先生ですね。
まあ、厳密に言うと開示請求はしてるけど、
告発はしていないんですけどね。
1987年北海道大学医学部卒。
91年北海道大学大学院医学研究科
生理系専攻博士課程(生化学)修了、
同年北大小児科入局。
現在、北海道大学大学院医学研究科予防医学講座
公衆衛生学分野客員研究員。
ホームページはこれです。
「小児科医と労働基準
小児科勤務医の労働基準と医療安全に科学的な討論を」
HPもすごい勉強になるし。
とても良い仕事をしている先生だと思います。
労働基準法違反だ」、とか。
そういう話は、このブログでも何年か前から
結構書いているつもりです。
2007年に、読売新聞が大手マスコミでは初めて
医師の当直のほとんどは、労働基準法違反だ。
という事を取り上げましたけど。
「医師の当直は労働基準法違反」
これは、この記事を書いた
読売新聞の小林篤子記者が、
私のブログを読んで、私にコンタクトを
取ったのがきっかけ、と言っても良いでしょう。
ついこの間、書いた記事なんかを
見てもわかるように。
「医師過労の原因は医療界自身」
私は医者ですけど。
医者にとっても厳しい事を言う。
患者にとっても厳しい事を言う。
というのを、このブログのスタンスにしています。
もちろん、医療崩壊の大きな原因は、
医療政策だ、っていう面はありますから。
医療制度、政策の批判をしたり。
マスコミ報道によって医療崩壊が進んだ、
っていう面もかなり大きいので。
マスコミ批判もしますけどね。
でも、単純に批判するだけでなく、
どうすればもっと良くなるのか、
っていう対案を出来るだけ出す。
という事をやっているつもりです。
シュールな文章とオチで有名な、
ssd先生のブログ
「ssd’s Diary」
で、労働基準監督署とか現場で労働する
医師の方にも問題がある。
という話があって、私の考えとも重なったので、
ちょっと紹介させてもらいますね。
労鬼
中国人実習生過労死:労災申請 悲劇、
二度と起こさぬ 福岡の留学生、遺族を支援
「同じ悲劇を二度と起こしたくない」。
茨城県潮来市で外国人実習生として
働いていた中国人男性、
蒋暁東さん(当時31歳)の遺族が7日、
過労死を訴えて労災申請した問題。
福岡市に住む親類の馬可さん(29)が、
遺族と日本の弁護士の橋渡し役を担い、
死亡から約1年後の申請にこぎ着けた。
【河津啓介】
◇タイムカードに「350時間」
「若くて元気だったのにおかしい」。
昨年6月上旬、九州大大学院(福岡市)の留学生、
馬さんに突然中国の親類から電話があった。
蒋さんの急死に驚いた遺族が
親類を通じて助けを求めたのだ。
馬さんは蒋さんの母方の遠縁。
面識さえなく、数日前に亡くなったことも知らなかった。
蒋さんの家族は、中国に残した妻(32)と一人娘(7)、
50代後半の両親。父親は病気で仕事ができず、
母親が細々と農業を営み、一家の収入は
蒋さんにかかっていた。
生前、家族に電話で「残業がきつい」
などともらしていたという。
「何とかしたい」と思った馬さんの
頭に浮かんだ言葉は「過労死」。
すぐに実習先の会社に電話したが
「こちらに責任はない」。
遺族の訴えと会社の説明に差があり、
疑問が膨らんだ。納得できず、
この問題に詳しい
指宿昭一弁護士(東京都)に相談した。
だが、日中の文化の壁を
乗り越えるのは容易ではなかった。
「解剖は絶対必要です」と馬さんは
両親に訴えたが、抵抗は強かった。
幸い、蒋さんの妹が説得してくれた。
馬さんは「中国の農村では遺体を
傷つけるのは受け入れがたい。
法知識が乏しいならなおさらです」と推察する。
「遺品からタイムカードの写しが出てきた」。
亡くなって約3カ月後、遺族が馬さんに電話してきた。
家族からの手紙や娘らと写った写真の束に、
07年11月分のカードの写しが紛れ込んでいた。
1カ月の総労働時間は約350時間、
19日間連続の勤務も。
「決定的な証拠」(馬さん)となり、
申請に弾みをつけたという。
蒋さんの妻は7日、弁護団を通じ
「家族もいない場所で
死んでいった夫がかわいそう。
過酷な仕事のために
亡くなったことをはっきりさせたい」
とコメントを寄せた。
馬さんは「外国人は不当な待遇でも
我慢するしかない。
留学では気づかなかった
日本の側面が見えました」と語った。
■解説
◇研修制度の暗部解明を
今回の過労死申請は、
外国人研修・実習生制度の
暗部に光を当てるものになった。
同制度を巡っては労組や市民グループが、
パスポートを取り上げたり
強制貯金をさせるなどの
人権侵害があると問題点を告発。
残業代が300円など最低賃金以下の賃金で
仕事をさせている例があるなどと、
過酷な労働状況を指摘してきた。
異常な長時間労働の強制は、
過労死・過労自殺が
起きていてもおかしくない状況にあった。
ところが、過労死や過労自殺した場合、
被害を訴える当事者が亡くなっていることや
家族がそばにいないため実態が分かりづらい。
一緒に研修を受けた仲間がいても、
強制帰国など不利に扱われることを恐れ、
証言を控える状況にある。
過労死の疑いがあっても、
証拠を得て証明するのは容易ではない。
今回はタイムカードの写しがあったことを
きっかけに申請にこぎ着けた。
労災と認められるかは今後の
労基署の判断を待たねばならないが、
国際研修協力機構の調べでさえ、
08年度に過労死の可能性がある
脳・心疾患が16件もあった。
労基署による調査が入る意味は大きい。
研修制度で来日した外国人が過労死する
という悲劇があるとしたら、
国際的にも大きな問題だ。
徹底した調査で実態を明らかにすべきだ。
【東海林智】
まあ、外国人労働者を搾取するのは
先進国の嗜みですが、世界標準でないのは、
その搾取した分本国人労働者が甘い汁を
啜るのではなくて更に本国人労働者の労働条件を
絞り上げるのに使うところが日本とか
韓国の資本主義のアレなところですね。
ところで、昨今、各地域の目立った
ブラック病院を擁する自治体に宿直許可証や
36協定文書の開示請求したり、労働基準監督署に
告発する運動を熱心にされている方がいます。
当ブログ的にはいいぞどんどんやれー、
というところですが、本来、これは当事者の
労働者自身がやらねばならないことなのですよ。
権利の上に胡座をかくものは保護されない
というのは近代法思想の原則です。
この煮詰まった医療崩壊を打開するには、
scrap&buildするしかありません。
そのキーパーソンは、労働基準監督署であろう
という狙いは、なかなか鋭いと唸らざるを得ません。
まずもって、医療問題に関して、
しがらみのない第三者であること。
権限の源泉たる法律が整備されており、
厳格な運用をすれば相当の強権を持っていること。
ただ、こうしたお役所の常として、持っている
権限に対して、人手が猛烈に足りない
という宿痾があるそうで、
「小さい政府」を目指した橋本政権以降の
流れのなか形骸化が著しいようです。
だったら労基署が動きやすいように、
資料を揃えてあげた上で、タレ込むというのは
善良な市民としてすばらしい志
というほかはありません。
ところで、まあ、この運動、どこまでやるの?
というところ。
こんだけふつうの日本人の労働者の権利が
小コンボ・大コンボで縮小しまくっている現代に、
医療労働者だけが労基法全部守れという訴えは
妬み嫉みを生むことでしょう。
いやま別に気にせんでもいいかもしれないですけどね。
しかし、とりあえず、人手の多い監督署のある
管轄のところででも、ブラック病院の二つや三つを
スケープゴートとして、徹底的にやっつける
というのはいいことだと思います。
つ愛育病院・日赤。
日赤は交替制勤務の導入という戦果を
上げたようですが、愛育の方は
どーだったんでしょうねえ。
根っからの奴隷根性はいかんとも
し難かった感じが拭えません。
やっぱり私立の病院というのはだめですね。
公立病院が生け贄になる必要があるでしょう。
大都市の日赤病院なら
交替制勤務にすることは可能でしょう。
しかし、大多数の公立病院で、
できるかというと相当疑問。
せいぜいが、宿直で救急患者を診る
違法状態でも翌朝からの
勤務日は公休にするから
勘弁してつかーさいと土下座して靴を舐めて
お願いするくらいが関の山でないですかねえ。
さもなければ、救急を診る病院は、
本当に交替制勤務を実現できる
大病院に限る、というのも一つの手です。
もちろん、宿直医は書類上置いて、
実際に救急を診る医者は36時間勤務させるなんて
悪質な病院は血祭りに上げてやるべきです。
「労鬼」
ssd先生も言っている通り、
医療崩壊を打開するためのキーパーソンは、
労働基準監督署であろうというとは、
私もその通りだと思います。
ただ、労働基準監督署に行ったからといって、
全てが解決するわけでもない、
というのも事実だと思います。
これだけインターネットが発達した時代。
自分の労働環境が、労働基準法違反だ、とか。
このまま行ったら、自分や仲間が
過労死するかもしれない。
という状況であれば、労働者である医師が、
自分で声を上げる必要があると思います。
それを今までやってきて来なかった、
医師自身にも問題があると思います。
ただ、いきなり労働基準監督署に行ったり、
自分だけ休みを取ったりしても、
患者や、同じ病院の他の医師に迷惑をかける。
と思って、なかなか踏ん切りがつかない
医師も多いんだとは思いますがね。
でも、そんなに労働環境が悪いのであれば、
全く手を打たない、というのは問題だと思います。
労働基準法という「法律」があって、
それを守っていないのは「違法」ですから。
しかも、場合によっては刑事罰までありますから。
医師を劣悪な労働環境で
こき使っている病院があれば、
そこで働いている医師は、病院側に対して、
「労働環境を是正しなければ、
労働基準監督署に訴えるぞ」
という「姿勢」で、交渉すべきではないでしょうか。
そうでないと、結局言い訳ばかりして、
病院側の利益を守る、という所も多いと思うので。
そんな病院と、下っ端の医師が個人で交渉しても、
問題が解決する訳ないんですよね。
医師というのは他のサラリーマンと違って、
「医師免許」というものを持った「技術職」ですから。
普通の会社であれば、よっぽど優秀で、
他の会社から引き抜きがかかる人以外は、
会社の方針に逆らったら、クビになる。
と思ったら、言いたい事も言えなくなる。
というのはわかりますけど。
医者の場合は、その病院で働けなくなったとしても、
医師免許があって、技術があれば、
別の病院で働けますからね。
全然、びくびくする必要なんてないんですよ。
普通の会社であれば、経営者と労働者であれば、
圧倒的に労働者の方が力が弱い立場なので。
だから、「労働組合」とかがあるんですよ。
医師でも、労働組合があるとこもありますけど。
医者って、そういうとこに入るの嫌いな人が
多いですからねー。
まあ、別に労働組合自体に
入る必要はないと思いますが。
医者の場合は、労働組合に入らなくても、
医師免許があって手に職もっているんですから。
経営者(病院)側と対等に
話が出来る立場なんですから。
クビになる、なんて心配しないで、堂々と
「医師の労働環境を改善しないなら、
労働基準監督署に訴えますよ」
という姿勢で、病院側と交渉すべきだと思います。
医者以外の他の職種の人達も、
このままだったら過労死する、っていうような
過酷な労働環境であれば、
もちろん声を上げるべきだと思います。
大きな会社には、労働組合があるので、
そこを通してでも良いですし。
派遣とか、非常勤の人で労働組合に入っていない、
という人であれば、個人単位で入る事が出来る
労働組合もあるわけですから。
立場が弱い人は、そういう方法を使ってでも、
「経営者に対してきちんと声を上げる」
という事が重要だと思います。
単に飲み屋で、仲間内でグチを言っているだけでは、
問題は何も解決しませんからね。
ちなみに、
>各地域の目立った
ブラック病院を擁する自治体に宿直許可証や
36協定文書の開示請求したり、労働基準監督署に
告発する運動を熱心にされている方
これは、小児科医の
江原 朗(えはら あきら)先生ですね。
まあ、厳密に言うと開示請求はしてるけど、
告発はしていないんですけどね。
1987年北海道大学医学部卒。
91年北海道大学大学院医学研究科
生理系専攻博士課程(生化学)修了、
同年北大小児科入局。
現在、北海道大学大学院医学研究科予防医学講座
公衆衛生学分野客員研究員。
ホームページはこれです。
「小児科医と労働基準
小児科勤務医の労働基準と医療安全に科学的な討論を」
HPもすごい勉強になるし。
とても良い仕事をしている先生だと思います。








