8月20日は、福島大野病院事件の裁判判決の日です。
今日は7月20日なので、ちょうどあと一ヶ月ですね。
福島大野病院事件というのは、
福島県立大野病院で、産科の先生が
難しい症例の患者さんを救おうとして、
一生懸命に努力したけれど、命を救えなかった。
でも、患者さんが亡くなったという、結果が悪いというだけで、
故意でも医療ミスでもないのに、産科医のK先生が
2006.2.18に逮捕されてしまった、という事件です。
そして、逮捕という衝撃的な事だけでなく、
その後のマスコミの報道の仕方も酷くて。
その為に、日本の医療崩壊、特に産科の
医療崩壊が加速的に進みました。
原子力爆弾が、その威力に加えて、
放射能で周りの人間を死に至らしめるように。
福島大野病院事件も、日本中の産科医、
そして医師に対して、大きな影響を与えました。
広島、長崎の原子力爆弾と同じくらい、
日本の医療に大きな影響を与えた為、
No more Hiroshima
No more Nagasaki
を文字った
No more Fukushima
という言葉が、今でも医療従事者の中では使われています。
その8/20,福島大野病院事件裁判の判決の日に、
福島でシンポジウムが行われます。
原子力爆弾と同じくらいの、メガトン級の威力。
福島大野事件が地域産科医療にもたらした影響を
考える為のシンポジウムです。
8月20日、大野事件の裁判判決の日です!
福島の地にてシンポジウムを行いましょう!
シンポジウム
「福島大野事件が地域産科医療にもたらした影響を考える」
開催の趣旨
8月20日、福島大野病院裁判の判決が言い渡されます。
2年半にわたった刑事裁判によって、
誰が、何を得ることができたのでしょうか?
ご遺族にとっても、かかわった医療関係者にも、
いいことはなかったのではないでしょうか。
そして市民も、地域医療の崩壊に苦しんできたはずです。
逮捕に始まる一連の騒動によって、
かろうじて保たれていた地域産科医療は
すでに全国的に崩壊のまっただ中にいます。
大野事件とはなんだったのか。
あの逮捕劇はなんだったのか。
あなたの街でもすぐに起こることかもしれません。
医療関係者の方々も忙しい日々の
医療から手を離して、いま一度福島の地で、
医療事故刑事裁判とはなにか、
いま地域の医療崩壊はどうなっているのか、
行政や市民の方々とともに真剣に考えてみませんか?
ご参加をお待ちしております。
参加のお申込
お名前とご所属を、oono.obs@gmail.comまで
メールでお送りください
HP: http://oono-obs.umin.jp/
会場は福島グリーンパレス
http://www.fukushimagp.com/
〒960-8068 福島市大田町13番53号
(福島駅西口より徒歩2分)
TEL 024-533-1171
FAX 024-533-1198
福島大野病院事件に関しては、医師限定の掲示板、
医師ブログが最初に取り上げて、
一気に日本中に広がったんですが。
その中心的な役割を果たしたブログが、
『ある産婦人科医のひとりごと』
というブログです。
その中でも、発端となったのは、この記事です。
『癒着胎盤で母体死亡となった事例
現役産科医が語る大野病院事件の解説』
その他、医師ブログだけでなく、
女性自身でも詳しく取り上げられていますし。
『“大野事件”この裁判に何の意味があるのか 女性自身』
医師ブログでも、子供にもわかるように、
非常にわかりやすく書かれているものもあるし。
医師ブログ以外でも、広く取り上げられています。
むしろ、医師以外のブログの方が、
わかりやすく書いてありますので。
これらのブログも、是非読んでみて下さいね!
『やんばる病理医ブログ
(子供向け:わかりやすい大野病院事件の解説)』
『☆医療問題を注視しる!その3 大野病院事件☆』
マスコミの報道の仕方に問題があった、という事は、
このブログでも記事でまとめたので。
まだ読んでいない人は、是非これらも読んで下さいね!
『大野病院事件、メディアの功罪』
『大野病院事件、メディアの功罪2』
『大野病院事件、メディアの功罪3』
医療崩壊に興味がある人は、これも読んでね!
→ 医療崩壊―「立ち去り型サボタージュ」とは何か
小松 秀樹 (著)
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今日は7月20日なので、ちょうどあと一ヶ月ですね。
福島大野病院事件というのは、
福島県立大野病院で、産科の先生が
難しい症例の患者さんを救おうとして、
一生懸命に努力したけれど、命を救えなかった。
でも、患者さんが亡くなったという、結果が悪いというだけで、
故意でも医療ミスでもないのに、産科医のK先生が
2006.2.18に逮捕されてしまった、という事件です。
そして、逮捕という衝撃的な事だけでなく、
その後のマスコミの報道の仕方も酷くて。
その為に、日本の医療崩壊、特に産科の
医療崩壊が加速的に進みました。
原子力爆弾が、その威力に加えて、
放射能で周りの人間を死に至らしめるように。
福島大野病院事件も、日本中の産科医、
そして医師に対して、大きな影響を与えました。
広島、長崎の原子力爆弾と同じくらい、
日本の医療に大きな影響を与えた為、
No more Hiroshima
No more Nagasaki
を文字った
No more Fukushima
という言葉が、今でも医療従事者の中では使われています。
その8/20,福島大野病院事件裁判の判決の日に、
福島でシンポジウムが行われます。
原子力爆弾と同じくらいの、メガトン級の威力。
福島大野事件が地域産科医療にもたらした影響を
考える為のシンポジウムです。
8月20日、大野事件の裁判判決の日です!
福島の地にてシンポジウムを行いましょう!
シンポジウム
「福島大野事件が地域産科医療にもたらした影響を考える」
開催の趣旨
8月20日、福島大野病院裁判の判決が言い渡されます。
2年半にわたった刑事裁判によって、
誰が、何を得ることができたのでしょうか?
ご遺族にとっても、かかわった医療関係者にも、
いいことはなかったのではないでしょうか。
そして市民も、地域医療の崩壊に苦しんできたはずです。
逮捕に始まる一連の騒動によって、
かろうじて保たれていた地域産科医療は
すでに全国的に崩壊のまっただ中にいます。
大野事件とはなんだったのか。
あの逮捕劇はなんだったのか。
あなたの街でもすぐに起こることかもしれません。
医療関係者の方々も忙しい日々の
医療から手を離して、いま一度福島の地で、
医療事故刑事裁判とはなにか、
いま地域の医療崩壊はどうなっているのか、
行政や市民の方々とともに真剣に考えてみませんか?
ご参加をお待ちしております。
参加のお申込
お名前とご所属を、oono.obs@gmail.comまで
メールでお送りください
HP: http://oono-obs.umin.jp/
会場は福島グリーンパレス
http://www.fukushimagp.com/
〒960-8068 福島市大田町13番53号
(福島駅西口より徒歩2分)
TEL 024-533-1171
FAX 024-533-1198
福島大野病院事件に関しては、医師限定の掲示板、
医師ブログが最初に取り上げて、
一気に日本中に広がったんですが。
その中心的な役割を果たしたブログが、
『ある産婦人科医のひとりごと』
というブログです。
その中でも、発端となったのは、この記事です。
『癒着胎盤で母体死亡となった事例
現役産科医が語る大野病院事件の解説』
その他、医師ブログだけでなく、
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『“大野事件”この裁判に何の意味があるのか 女性自身』
医師ブログでも、子供にもわかるように、
非常にわかりやすく書かれているものもあるし。
医師ブログ以外でも、広く取り上げられています。
むしろ、医師以外のブログの方が、
わかりやすく書いてありますので。
これらのブログも、是非読んでみて下さいね!
『やんばる病理医ブログ
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『☆医療問題を注視しる!その3 大野病院事件☆』
マスコミの報道の仕方に問題があった、という事は、
このブログでも記事でまとめたので。
まだ読んでいない人は、是非これらも読んで下さいね!
『大野病院事件、メディアの功罪』
『大野病院事件、メディアの功罪2』
『大野病院事件、メディアの功罪3』
医療崩壊に興味がある人は、これも読んでね!
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小松 秀樹 (著)
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『大野病院事件、メディアの功罪』
『大野病院事件、メディアの功罪2(追記あり)』
の記事の続きです。
まだ見ていない人は、最初にこっちから読んでね!
福島県立大野病院で起きた、妊婦の死亡事故で。
警察が産科医の逮捕に踏み切った事から、
メディアが一斉に、殺人医師事件として取り上げて。
その結果、マスコミの報道で萎縮した
産科医の立ち去りが各地で起こって、
産科の閉院が相次ぎました。
その大野病院事件に関しての、
メディアの報道のあり方を検証する番組の続きです。
前回は、警察や刑法の話が中心でしたね。
医療っていうのは、不確実なもので、
多様な見解が出てくるものです。
その場の状況によって、いろんな判断をしなきゃいけなくて、
それには専門的な知識や経験が必要だし。
常に、100%完璧な治療っていうのが、
できるはずもないんですよ。
それなのに日本では、結果が悪かったからって、
先に結論ありきで素人集団の警察が逮捕に踏み切る。
っていう事が現実問題としてある。
それは、業務上過失質罪という法的な問題と、
警察の運用上の問題で。
そんな国は、世界では日本しかない。
という話でした。
今回は、そこから発展して、
いよいよ本題のマスメディアの話です。
黒岩祐治のメディカルリポート #49
「検証!医療報道の光と影2
〜大野病院妊婦事件 、メディアの功罪1〜 3
医療福祉チャンネル774
森まどか
ゲスト
福島県立医科大学医学部産科婦人科学講座
佐藤章 教授
東京大学医科学研究所探索医療
ヒューマンネットワーク部門
上昌弘 准教授(医師)
参議院議員(民主党)
鈴木寛議員
コメンテーター
医師・作家
和田秀樹医師
黒岩
「ただね、鈴木さんね。
有罪か無罪か、わからない段階で、
殺人者だという決めつけ方で、どーっと行くっていうね。
佐藤さんVTRの中でも指摘されていましたけどね。
これはですね、医療だけの話ではないですよね。」
鈴木
「そうですね。」
黒岩祐治
「普通の殺人事件でも。
誰がどう見ても、こいつが犯人だろう、という。
もう、みんなが思っている、そういうものであっても、
有罪か無罪か、本当はわからないですよね。
しかしだからといって、そこで距離感を置いて伝える、
という事は、なかなかメディアの現場では、
できないですよね、それは。
それが現実だと思いますけど、どうですか?」
鈴木寛議員
「特に日本の場合はですね。
有罪率。
要するにきちっと検察庁が、
送検をした場合ですけどね。
99%ですよね。
まあ、他の、例えばアメリカなんかでは、
いろいろな裁判員、まあ、陪審員制度などで、
無罪になったり、有罪になったりする場合ありますけど。
そこは、ホントに日本の裁判制度とか、
あるいは司法制度全体の話としてね。
ただやっぱり、話戻りますけど。
故意犯と、過失犯というのを、やっぱり
きちっと分けていかなければいけないと思うんですよね。
その中で、業務上過失致死というのは、
かなり特殊な症例にありますから。
そのところは、メディアも慎重にやった方が良い、
というのは教訓とすべきだと思いますよね。
黒岩
「今回の特徴としてね。
先ほどVTRにもありましたけどね。
要するに、既存のメディアがばーっと伝えた、
という事で、これは大変な事が起きた、という。
その流れを変えていった、大きなうねりを起こしたのは、
実はインターネットによる専門家同士の
意見の交換だった、というところですねー。
上さん、このあたりどうですか?」
上昌弘准教授
「まさに仰るとおりなんですね。
実は、私自身も最初はテレビ報道、メディア報道を
信じてたんですが。
いろんなところから、e-mailやウェブ上の情報で、
だんだん実態がわかってくるんですね。
マスメディアと違うのは、双方向コミュニケーションを
じわりじわりじわりやっていくんですよ。
ばっと流すだけじゃないんです。
やがて、医師コミュニティーの中に、
どうやら実態はこういうとこなんだろう、
というコンセンサスが形成されていったんですね。
割合早く形成されました。
じゃ、次に何をしなきゃいけないか、って議論になった時に、
コンセンサスが形成されているもんですから、
割と早い動きになっていったわけです。
それが署名活動なんかにつながっていったわけですね。」
黒岩
「鈴木さん、これ新しい動きですね。」
鈴木
「あのですね。
私もですね、新聞読んだ時は、
恥ずかしながらそれを信じた訳ですね。
報道見た時は。
しかし、私は、佐藤先生、あるいは
医師の仲間の皆さんから、ご要請を受けて、
ご説明を頂いて、川崎厚生労働大臣に
佐藤先生をお連れしたりしたんですけども。
私も、これはやはり問題だ、と確信を持った理由はですね。
ネットで議論されているご意見の、特に専門家のご意見の。
最初は1人2人の方から、こういう事件が起こってます、と。
しかしまあ、メディアで報道してて、1人2人がおっしゃっても、
まあ、それはどっちもどっちかなー、と思っていたんです。
しかし、ネットの世界は逆に言うと、
メディアは一方的に有罪だと決めつけましたけが。
ネットの中の議論の、おそらく96,7%はですね、
これは無罪だ、という事が、
数千名の方がですね、仰っているんで。
これはやはり私はですね、その6000名の方の
90数%の方がこれはやっぱり無罪だ、と。
あるいはこういう事をやった場合には、
産科医療は崩壊してしまう、萎縮医療になってしまう、と。
やっぱ、その声は相当な信頼に足る状況だったですよね。」
黒岩
「佐藤さん、やっぱり流れは、
その後で変わってきましたか?」
佐藤章教授
「はい、変わりましたね。
その以前からですね、産婦人科医が少ないという事で、
大きな病院で集約化をしなければいけない、
という事になったんですけど。
まず1つは、1人で産科医をやっていくことは、
もうやめよう、できない。
一生懸命やっても、1人だけで責任を取られると困る。
という事で、もう1人で、勤務医の病院がなくなってきた。
で、なおかつ、若いこれから産婦人科になっても良い。
っていう人達も、こういう事件をきっかけに、
産科になったらば逮捕される可能性が強い。
じゃあ、やめよう。
こんな忙しい、それでなおかつ訴訟が多い。
それだったら、やめよう。
それから、今はどういう事が起こっているかというと。
その若いお医者さんの中でも、
いや、産婦人科やってやろうじゃないか。
頑張りましょう、っていう人がいるわけですよ。
そういう人達の中の、お父さんお母さんが、
そんな無理してそういうところにいくなよ。
やんなくても良いじゃないか。
っていう風に、負の方向に行っている、
っていうのが現実なんです。」
黒岩
「そうすると、真相を明らかにしていくために
ネットで意見が飛び交った、っていう事もあるだろうし。
やっぱりその、どうですか。
こんな危ない事はやめとこうじゃないか、みたいな、
逆のネガティブな世論も広がっていったんじゃないですか。
どうですか、上さん。」
上
「そういうご父兄の話もあります。
実は私の友人の産科の教授から聞いたんですけど。
『君たちはどうして産科医を選ばないんだ。』
って言った時に。
『せっかくここまで医師にしてもらったのに、
こういう刑事罰や、あるいは行政処分、
あるいは民事訴訟になると、家族に迷惑をかける。』
って言うんですね。
せっかくやって貰った家族に悪い。
今までサポートしてくれた、家族に悪い。
だから、私は産科をしたいけど、
こういうリスクが低い生殖医療であるだとか、
あるいは婦人科の腫瘍の治療なんかをやるんだ。
それを聞くと、わかりますよね。
我々も家族を持つものとして、
そりゃそうだろうな、とわかります。
いろんな意味合いで、親御さんであったり
当事者達がいろんな意味合いで、産科から
だんだんだんだん手を引くようになっているんですね。」
鈴木
「今、1000人のうちですね14人の産婦人科医。
産婦人科医が1000人いるとしますとね、
14人の方がなんらかの形で、
訴訟、訴追リスクに巻き込まれているんです。
ということは、100人に1人越えてる訳ですから。
1大学の1つの学年に1人いる、
って事になっちゃう訳ですね。
そこはやっぱり、相当深刻な状況じゃないですかね。」
黒岩
「和田さんね、ネットがそういう新しい動きを作ってきた。
という、新しい傾向をどうご覧になりますか。」
和田秀樹医師
「もちろん、それが、やはり今は過渡期だと思うんですよ。
というのは、やはりマスメディアとネットで。
ネットで随分救われて、おそらく裁判に関して言えば、
裁判であるだとか、政治の動きであるだとか。
いろんなものに対して、ネットは大きな影響を
与えてくれるとは思うんですけど。
先ほどの家族に迷惑がかかる、って事に関しては
やっぱり、マスコミで袋だたきにあってる。
例えば、子供がいじめられるかもしれない。
父親が肩身の狭い、人殺しの親だ、
って言われるかもしれない。
そういう事はやっぱり、
まだまだマスメディアの影響が大きいもんですから。
ネットがそれを食い止めるくらいの、ものすごいパワーを
持つまでの間は、ネットがフォローしてくれる部分で。
多少裁判だとか、そういうものに対して有利になったとしても、
家族に迷惑をかけたくない、だとか。
産婦人科になるのを踏みとどまろう、
という事に関しては、まだまだマスメディアの影響
っていうのは大きいんではないか、と思いますね。」
森まどか
「ネットで話題になったっていうのは、
医療者の間では話題になったけど。
なかなか一般の方には影響力というのは、
まだ少ないような気がしますねー。」
上
「過渡期の状況なんですが。
これ、おもしろい減少が起きていまして。
ネットのそういう議論が起きたのは、
医療界、特に医師系のオンラインメディアなんです。
で、オンラインメディアっていうのは、
一般紙と比べてボリューム書けるんですね。
正確に丹念に書けるんです。
更に、プロのジャーナリストが書くんです。
その結果、それをまあ、黒岩さんであったり、
マスメディア、新聞記者さんなんかが、それを今度読んで、
なるほどー、ってこう理解していった訳なんですね。
ネットでオンラインメディアが、実は一番最初に
マスメディアとか業界記者達から、一般記者につないだ。
って、今、そこまで来てるとこだと思います。」
黒岩
「これね、ネットっていうのは。
僕らなんかからすればですね、ある種危なさもあってね。
逆のとこもたくさんある。
つまり、既存のメディアだったらですね、
人権に配慮したりだとかしながら。
いろんな事で、ホントは知っていても言えない事とか、
出さない事とか、いっぱいありますよね。
しかし、ネットになるとですね、
それこそ子供の顔から、実の名前から
もっと個人的な情報から、全部出されてしまうという。
その危険性も、実は同時にはらんでいますよね。」
鈴木
「そうです、そうです。
私は、ずっとネットの事やってきたんですけどもですね。
今回の事で、いわゆるネットと決定的に違うのはですね。
医師の方が、ちゃんと、どこそこ病院の何科で勤めている、
実名をきちっと出して議論されているんです。
やっぱここが、いわゆるネットの問題とは違うし、
そういう事が信頼性を増したと思います。
ただ、一方でですね。
やっぱり、私は立法府にいますけどもね。
裁判所とか、国会、あるいは官庁、ではですね。
ネットだけの情報では、それはなかなか、
それを参照する、という事には、ならない。
やはり大きなマスメディアでオーソライズをされる、
っていうのが重要なので。
まあ、まさにその辺の、この。」
黒岩
「上さん、どうですかね。
この大野病院事件があってですね、
そしてそれによって、産科医が危なくなってきたという事。
かなりみんな知るようになってきましたよね。
マスコミの対応もちょっと変わってきましたかね。」
上
「変わってきましたね。
マスコミは、我々の研究室で調査したんです。
最初の数ヶ月は、医療事故、過失なんです。
まあ、犯罪として扱ったのが、
最近は医療体制の問題、ってなってきたんですね。
まあ、そのまさにおかげなんですが。
2008年度の予算の中では、
産科の対策費や、たらい回しに対する対策として、
国家としての取り組みになったんです。
これもう、明らかにマスメディアの功罪の、
功の部分が出てきてますね。
マスメディアがなければ、なってないですね。」
黒岩
「そういう、ネットでのやりとり等々も、
マスメディアに関わっている人間も見てますからね。
そこで学習していって、少しずつあるべき姿を
模索している、という状況なんでしょうけどね。
しかし、この問題から、もっともっと幅広い大きな問題を
垣間見れた気がしますからね。
これは課題として、次取り組んで行きたいと思います。
今日はどうもありがとうございました。」
『医療報道の光と影〜大野病院妊婦事件3』
という事で、最後にマスメディアの功罪の、
功の部分も出て、うまくまとまりましたね。
このブログでも何回も書いているように。
日本の医療崩壊の原因の1つに、
「マスコミ報道」というのがあると思います。
ただ、ここ最近。
具体的には、2007年の冬くらいからでしょうかね。
「医療過誤」、「医療ミス」という言葉が
2006年には多かったのですけど。
2007年頃からは減って、
むしろ「医療崩壊」という言葉が増えたし。
参照:『医療破壊に抗議する』
2008年からはテレビでも、
「医療崩壊」系の番組も多いですよね。
テレビ局やプロデューサーによって、
非常に質の高い番組もあるし。
単に流行を追っただけの、たいした事ない番組と
両方あるけどね、実際は。
でも、一時期のように単なる医師叩きの番組、
っていうのは少なくなったように思いますね。
上先生も言っていたように、
ネットでいろいろ議論された事が、
オンラインメディアを通して、報道されて。
それを見て、既存のマスメディアが報道する、という形。
このおかげで、一般の人達にも、医療現場の実態が、
やっとわかってもらえるようになって来てますよね、最近は。
医師ブログなんかが以前に書いた事を、結果的に
テレビでやっている、っていう形も非常に多いですけどね。
でも、医師ブログっていうのは、
最近でこそ、少しはメジャーになりつつあるけど。
既存のマスメディアに比べたら、はるかに影響力は小さいですから。
少し、時期が遅れるとはいえ、医師ブログでの主張が、
マスメディアを通して、世間に報道される。
という事は、非常に良い事だと思いますよ。
上先生も言っているけど、
>2008年度の予算の中では、
産科の対策費や、たらい回しに対する対策として、
国家としての取り組みになったんです。
これもう、明らかにマスメディアの功罪の、
功の部分が出てきてますね。
マスメディアがなければ、なってないですね。
まさに、その通りだと思います。
日本の医療崩壊を勧めたのは、マスコミ。
だからけしからん。
って言って、マスコミと敵対する。
という方法もあると思いますけど。
私は、日本の医療を崩壊から救うには、
絶対にマスメディアの力が必要だと思います。
マスコミ関係者には、自分たちのせいで、
日本の医療崩壊は進んだんだ、
っていう自覚をまず持ってもらって。
その後に、でも日本の医療を崩壊から救えるのは、
マスメディアの力なしにはできないんだ。
って思って、頑張って貰いたいものですね。
全部一気に見たいって人は、本家の方で見てね!
『『医療福祉eチャンネル』』
期間限定っすよ。
医者のホンネが知りたい人は、こちらから!
→ 『医者のホンネが丸わかり!(改)』
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『大野病院事件、メディアの功罪2(追記あり)』
の記事の続きです。
まだ見ていない人は、最初にこっちから読んでね!
福島県立大野病院で起きた、妊婦の死亡事故で。
警察が産科医の逮捕に踏み切った事から、
メディアが一斉に、殺人医師事件として取り上げて。
その結果、マスコミの報道で萎縮した
産科医の立ち去りが各地で起こって、
産科の閉院が相次ぎました。
その大野病院事件に関しての、
メディアの報道のあり方を検証する番組の続きです。
前回は、警察や刑法の話が中心でしたね。
医療っていうのは、不確実なもので、
多様な見解が出てくるものです。
その場の状況によって、いろんな判断をしなきゃいけなくて、
それには専門的な知識や経験が必要だし。
常に、100%完璧な治療っていうのが、
できるはずもないんですよ。
それなのに日本では、結果が悪かったからって、
先に結論ありきで素人集団の警察が逮捕に踏み切る。
っていう事が現実問題としてある。
それは、業務上過失質罪という法的な問題と、
警察の運用上の問題で。
そんな国は、世界では日本しかない。
という話でした。
今回は、そこから発展して、
いよいよ本題のマスメディアの話です。
黒岩祐治のメディカルリポート #49
「検証!医療報道の光と影2
〜大野病院妊婦事件 、メディアの功罪1〜 3
医療福祉チャンネル774
森まどか
ゲスト
福島県立医科大学医学部産科婦人科学講座
佐藤章 教授
東京大学医科学研究所探索医療
ヒューマンネットワーク部門
上昌弘 准教授(医師)
参議院議員(民主党)
鈴木寛議員
コメンテーター
医師・作家
和田秀樹医師
黒岩
「ただね、鈴木さんね。
有罪か無罪か、わからない段階で、
殺人者だという決めつけ方で、どーっと行くっていうね。
佐藤さんVTRの中でも指摘されていましたけどね。
これはですね、医療だけの話ではないですよね。」
鈴木
「そうですね。」
黒岩祐治
「普通の殺人事件でも。
誰がどう見ても、こいつが犯人だろう、という。
もう、みんなが思っている、そういうものであっても、
有罪か無罪か、本当はわからないですよね。
しかしだからといって、そこで距離感を置いて伝える、
という事は、なかなかメディアの現場では、
できないですよね、それは。
それが現実だと思いますけど、どうですか?」
鈴木寛議員
「特に日本の場合はですね。
有罪率。
要するにきちっと検察庁が、
送検をした場合ですけどね。
99%ですよね。
まあ、他の、例えばアメリカなんかでは、
いろいろな裁判員、まあ、陪審員制度などで、
無罪になったり、有罪になったりする場合ありますけど。
そこは、ホントに日本の裁判制度とか、
あるいは司法制度全体の話としてね。
ただやっぱり、話戻りますけど。
故意犯と、過失犯というのを、やっぱり
きちっと分けていかなければいけないと思うんですよね。
その中で、業務上過失致死というのは、
かなり特殊な症例にありますから。
そのところは、メディアも慎重にやった方が良い、
というのは教訓とすべきだと思いますよね。
黒岩
「今回の特徴としてね。
先ほどVTRにもありましたけどね。
要するに、既存のメディアがばーっと伝えた、
という事で、これは大変な事が起きた、という。
その流れを変えていった、大きなうねりを起こしたのは、
実はインターネットによる専門家同士の
意見の交換だった、というところですねー。
上さん、このあたりどうですか?」
上昌弘准教授
「まさに仰るとおりなんですね。
実は、私自身も最初はテレビ報道、メディア報道を
信じてたんですが。
いろんなところから、e-mailやウェブ上の情報で、
だんだん実態がわかってくるんですね。
マスメディアと違うのは、双方向コミュニケーションを
じわりじわりじわりやっていくんですよ。
ばっと流すだけじゃないんです。
やがて、医師コミュニティーの中に、
どうやら実態はこういうとこなんだろう、
というコンセンサスが形成されていったんですね。
割合早く形成されました。
じゃ、次に何をしなきゃいけないか、って議論になった時に、
コンセンサスが形成されているもんですから、
割と早い動きになっていったわけです。
それが署名活動なんかにつながっていったわけですね。」
黒岩
「鈴木さん、これ新しい動きですね。」
鈴木
「あのですね。
私もですね、新聞読んだ時は、
恥ずかしながらそれを信じた訳ですね。
報道見た時は。
しかし、私は、佐藤先生、あるいは
医師の仲間の皆さんから、ご要請を受けて、
ご説明を頂いて、川崎厚生労働大臣に
佐藤先生をお連れしたりしたんですけども。
私も、これはやはり問題だ、と確信を持った理由はですね。
ネットで議論されているご意見の、特に専門家のご意見の。
最初は1人2人の方から、こういう事件が起こってます、と。
しかしまあ、メディアで報道してて、1人2人がおっしゃっても、
まあ、それはどっちもどっちかなー、と思っていたんです。
しかし、ネットの世界は逆に言うと、
メディアは一方的に有罪だと決めつけましたけが。
ネットの中の議論の、おそらく96,7%はですね、
これは無罪だ、という事が、
数千名の方がですね、仰っているんで。
これはやはり私はですね、その6000名の方の
90数%の方がこれはやっぱり無罪だ、と。
あるいはこういう事をやった場合には、
産科医療は崩壊してしまう、萎縮医療になってしまう、と。
やっぱ、その声は相当な信頼に足る状況だったですよね。」
黒岩
「佐藤さん、やっぱり流れは、
その後で変わってきましたか?」
佐藤章教授
「はい、変わりましたね。
その以前からですね、産婦人科医が少ないという事で、
大きな病院で集約化をしなければいけない、
という事になったんですけど。
まず1つは、1人で産科医をやっていくことは、
もうやめよう、できない。
一生懸命やっても、1人だけで責任を取られると困る。
という事で、もう1人で、勤務医の病院がなくなってきた。
で、なおかつ、若いこれから産婦人科になっても良い。
っていう人達も、こういう事件をきっかけに、
産科になったらば逮捕される可能性が強い。
じゃあ、やめよう。
こんな忙しい、それでなおかつ訴訟が多い。
それだったら、やめよう。
それから、今はどういう事が起こっているかというと。
その若いお医者さんの中でも、
いや、産婦人科やってやろうじゃないか。
頑張りましょう、っていう人がいるわけですよ。
そういう人達の中の、お父さんお母さんが、
そんな無理してそういうところにいくなよ。
やんなくても良いじゃないか。
っていう風に、負の方向に行っている、
っていうのが現実なんです。」
黒岩
「そうすると、真相を明らかにしていくために
ネットで意見が飛び交った、っていう事もあるだろうし。
やっぱりその、どうですか。
こんな危ない事はやめとこうじゃないか、みたいな、
逆のネガティブな世論も広がっていったんじゃないですか。
どうですか、上さん。」
上
「そういうご父兄の話もあります。
実は私の友人の産科の教授から聞いたんですけど。
『君たちはどうして産科医を選ばないんだ。』
って言った時に。
『せっかくここまで医師にしてもらったのに、
こういう刑事罰や、あるいは行政処分、
あるいは民事訴訟になると、家族に迷惑をかける。』
って言うんですね。
せっかくやって貰った家族に悪い。
今までサポートしてくれた、家族に悪い。
だから、私は産科をしたいけど、
こういうリスクが低い生殖医療であるだとか、
あるいは婦人科の腫瘍の治療なんかをやるんだ。
それを聞くと、わかりますよね。
我々も家族を持つものとして、
そりゃそうだろうな、とわかります。
いろんな意味合いで、親御さんであったり
当事者達がいろんな意味合いで、産科から
だんだんだんだん手を引くようになっているんですね。」
鈴木
「今、1000人のうちですね14人の産婦人科医。
産婦人科医が1000人いるとしますとね、
14人の方がなんらかの形で、
訴訟、訴追リスクに巻き込まれているんです。
ということは、100人に1人越えてる訳ですから。
1大学の1つの学年に1人いる、
って事になっちゃう訳ですね。
そこはやっぱり、相当深刻な状況じゃないですかね。」
黒岩
「和田さんね、ネットがそういう新しい動きを作ってきた。
という、新しい傾向をどうご覧になりますか。」
和田秀樹医師
「もちろん、それが、やはり今は過渡期だと思うんですよ。
というのは、やはりマスメディアとネットで。
ネットで随分救われて、おそらく裁判に関して言えば、
裁判であるだとか、政治の動きであるだとか。
いろんなものに対して、ネットは大きな影響を
与えてくれるとは思うんですけど。
先ほどの家族に迷惑がかかる、って事に関しては
やっぱり、マスコミで袋だたきにあってる。
例えば、子供がいじめられるかもしれない。
父親が肩身の狭い、人殺しの親だ、
って言われるかもしれない。
そういう事はやっぱり、
まだまだマスメディアの影響が大きいもんですから。
ネットがそれを食い止めるくらいの、ものすごいパワーを
持つまでの間は、ネットがフォローしてくれる部分で。
多少裁判だとか、そういうものに対して有利になったとしても、
家族に迷惑をかけたくない、だとか。
産婦人科になるのを踏みとどまろう、
という事に関しては、まだまだマスメディアの影響
っていうのは大きいんではないか、と思いますね。」
森まどか
「ネットで話題になったっていうのは、
医療者の間では話題になったけど。
なかなか一般の方には影響力というのは、
まだ少ないような気がしますねー。」
上
「過渡期の状況なんですが。
これ、おもしろい減少が起きていまして。
ネットのそういう議論が起きたのは、
医療界、特に医師系のオンラインメディアなんです。
で、オンラインメディアっていうのは、
一般紙と比べてボリューム書けるんですね。
正確に丹念に書けるんです。
更に、プロのジャーナリストが書くんです。
その結果、それをまあ、黒岩さんであったり、
マスメディア、新聞記者さんなんかが、それを今度読んで、
なるほどー、ってこう理解していった訳なんですね。
ネットでオンラインメディアが、実は一番最初に
マスメディアとか業界記者達から、一般記者につないだ。
って、今、そこまで来てるとこだと思います。」
黒岩
「これね、ネットっていうのは。
僕らなんかからすればですね、ある種危なさもあってね。
逆のとこもたくさんある。
つまり、既存のメディアだったらですね、
人権に配慮したりだとかしながら。
いろんな事で、ホントは知っていても言えない事とか、
出さない事とか、いっぱいありますよね。
しかし、ネットになるとですね、
それこそ子供の顔から、実の名前から
もっと個人的な情報から、全部出されてしまうという。
その危険性も、実は同時にはらんでいますよね。」
鈴木
「そうです、そうです。
私は、ずっとネットの事やってきたんですけどもですね。
今回の事で、いわゆるネットと決定的に違うのはですね。
医師の方が、ちゃんと、どこそこ病院の何科で勤めている、
実名をきちっと出して議論されているんです。
やっぱここが、いわゆるネットの問題とは違うし、
そういう事が信頼性を増したと思います。
ただ、一方でですね。
やっぱり、私は立法府にいますけどもね。
裁判所とか、国会、あるいは官庁、ではですね。
ネットだけの情報では、それはなかなか、
それを参照する、という事には、ならない。
やはり大きなマスメディアでオーソライズをされる、
っていうのが重要なので。
まあ、まさにその辺の、この。」
黒岩
「上さん、どうですかね。
この大野病院事件があってですね、
そしてそれによって、産科医が危なくなってきたという事。
かなりみんな知るようになってきましたよね。
マスコミの対応もちょっと変わってきましたかね。」
上
「変わってきましたね。
マスコミは、我々の研究室で調査したんです。
最初の数ヶ月は、医療事故、過失なんです。
まあ、犯罪として扱ったのが、
最近は医療体制の問題、ってなってきたんですね。
まあ、そのまさにおかげなんですが。
2008年度の予算の中では、
産科の対策費や、たらい回しに対する対策として、
国家としての取り組みになったんです。
これもう、明らかにマスメディアの功罪の、
功の部分が出てきてますね。
マスメディアがなければ、なってないですね。」
黒岩
「そういう、ネットでのやりとり等々も、
マスメディアに関わっている人間も見てますからね。
そこで学習していって、少しずつあるべき姿を
模索している、という状況なんでしょうけどね。
しかし、この問題から、もっともっと幅広い大きな問題を
垣間見れた気がしますからね。
これは課題として、次取り組んで行きたいと思います。
今日はどうもありがとうございました。」
『医療報道の光と影〜大野病院妊婦事件3』
という事で、最後にマスメディアの功罪の、
功の部分も出て、うまくまとまりましたね。
このブログでも何回も書いているように。
日本の医療崩壊の原因の1つに、
「マスコミ報道」というのがあると思います。
ただ、ここ最近。
具体的には、2007年の冬くらいからでしょうかね。
「医療過誤」、「医療ミス」という言葉が
2006年には多かったのですけど。
2007年頃からは減って、
むしろ「医療崩壊」という言葉が増えたし。
参照:『医療破壊に抗議する』
2008年からはテレビでも、
「医療崩壊」系の番組も多いですよね。
テレビ局やプロデューサーによって、
非常に質の高い番組もあるし。
単に流行を追っただけの、たいした事ない番組と
両方あるけどね、実際は。
でも、一時期のように単なる医師叩きの番組、
っていうのは少なくなったように思いますね。
上先生も言っていたように、
ネットでいろいろ議論された事が、
オンラインメディアを通して、報道されて。
それを見て、既存のマスメディアが報道する、という形。
このおかげで、一般の人達にも、医療現場の実態が、
やっとわかってもらえるようになって来てますよね、最近は。
医師ブログなんかが以前に書いた事を、結果的に
テレビでやっている、っていう形も非常に多いですけどね。
でも、医師ブログっていうのは、
最近でこそ、少しはメジャーになりつつあるけど。
既存のマスメディアに比べたら、はるかに影響力は小さいですから。
少し、時期が遅れるとはいえ、医師ブログでの主張が、
マスメディアを通して、世間に報道される。
という事は、非常に良い事だと思いますよ。
上先生も言っているけど、
>2008年度の予算の中では、
産科の対策費や、たらい回しに対する対策として、
国家としての取り組みになったんです。
これもう、明らかにマスメディアの功罪の、
功の部分が出てきてますね。
マスメディアがなければ、なってないですね。
まさに、その通りだと思います。
日本の医療崩壊を勧めたのは、マスコミ。
だからけしからん。
って言って、マスコミと敵対する。
という方法もあると思いますけど。
私は、日本の医療を崩壊から救うには、
絶対にマスメディアの力が必要だと思います。
マスコミ関係者には、自分たちのせいで、
日本の医療崩壊は進んだんだ、
っていう自覚をまず持ってもらって。
その後に、でも日本の医療を崩壊から救えるのは、
マスメディアの力なしにはできないんだ。
って思って、頑張って貰いたいものですね。
全部一気に見たいって人は、本家の方で見てね!
『『医療福祉eチャンネル』』
期間限定っすよ。
医者のホンネが知りたい人は、こちらから!
→ 『医者のホンネが丸わかり!(改)』
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医療崩壊の最前線である、産科医療に関しては、
ほとんど毎日のようにテレビや新聞などの
マスコミでも報道されていますよね。
「福島大野病院事件」に関しては、
このブログでもかなり力を入れて報道してきました。
日本の医療崩壊をなんとかしよう。
特に、産科医療の崩壊を止めよう。
という事で、医師ブロガーのカリスマ、
「新小児科医のつぶやき」のYosyan先生が中心になって、
ボールペン作戦が始まりましたよ!
その名も
「産科医サポータープロジェクト
〜ボールペンで福島大野事件を支援します」
『福島事件支援プロジェクト』
の記事が元になって、「新小児科医のつぶやき」の
常連コメンテーターでもある、moto-tclinic 先生が
もう実際にボールペンを作っているようですね。
しかも、実名でキャリアブレインの記事になってるし(汗)
ボールペン作戦で「医師の刑事免責確立を」
「医師として善意で患者のために一生懸命やったのに、
手錠を掛けられるようになっては委縮医療が進む。
加藤医師は無罪と信じる。
この事件をきっかけに、
医師の刑事免責確立を呼び掛けたい」―。
福島県立大野病院事件で現在公判中(5月16日に結審)の
加藤克彦被告への支援の輪を広げて
医師の刑事免責確立を実現しようと、
インターネット上に集まった医師らを中心にした活動
「ボールペン作戦」が展開されている。
活動に携わる医師の一人、深谷元継さんは
「ボールペンという日常的に使うものを通して、
自分たちがお互いにつながっているという意識を
共有でき、皆が頑張っているという励ましになる。
善意や思いを共有していきたい」と話し、
運動の輪が医師の刑事免責確立につながってほしい
と願っている。
ボールペン作戦は、5月10日にネット上で
趣旨に賛同した医師らが準備を始め、
5月18日に開始された。
趣旨に賛同した人が「我々は福島大野病院事件で
逮捕された産婦人科医の無罪を信じ支援します」
との文言が書かれたボールペンを使用し、
周りの人たちと事件などの話題を共有することで、
医師の刑事免責についての理解を深めていく活動だ。
現時点で100本のボールペンが用意されている。
1本目は無料で配布するが、2本目以降は
製作費用として一本につき90円以上の
寄付金を納めてもらう。
100本の配布が終わったら、集まった寄付金で
さらに100本を製作して活動を広げていく。
既に4万円の寄付が集まっているが、
次の100本を製作する費用がなくなった場合は、
残金を福島県産婦人科医会内の
「加藤克彦先生を支える会」に寄付する。
深谷さんは「8月20日の判決がタイムリミットなので、
それまでになるべく多くの人に支援の輪を広げたい。
医師が善意でやったことが刑事事件として
逮捕されては委縮医療を招く。
『刑事免責』と言っても、言葉が抽象的で
心に訴え掛けないが、加藤先生の
具体的な話があればなじみやすいのでは」と語る。
福島県立大野病院事件は、2004年12月、
帝王切開手術中の女性を、子宮に癒着した胎盤の
剥離(はくり)による大量出血で失血死させたとして、
当時の産婦人科医長、加藤克彦被告が
業務上過失致死などの罪に問われて
06年に逮捕・起訴された事件。
今年8月20日に判決が言い渡される。
公判では、剥離を続けた判断の妥当性などが争点となり、
弁護側は加藤被告の無罪を主張している。
現場の医師からは、「産婦人科医が一生に一度、
遭遇するかしないかと言われるまれな症例で、
医学的にみても治療に誤りはなかった」
との声が上がっているが、訴訟リスクを懸念する
医師らが臨床現場を離れ、重症患者を
引き受けなくなる委縮医療を招いている。
『2008/05/19:キャリアブレイン 』
とりあえず最初は100本って事だったので。
あんまりたくさん買ったら迷惑かな、
と思って、数本注文しようとしたら。
記事では4万円、ってなっていたのに。
昨日見たら34万円になってるし。
ちょっと前に見たら、もう45万円も
寄付が集まっているようですね。
100本とか、500本とかって
言ってる人もいるようですし。
滑り出しは好調のようですね。
はじめは、インターネットから派生していますけど。
これを、リアルの世界に広げる、っていう事が
非常に大事な事だと思いますよ。
このブログを以前から読んで頂いている読者の方は、
もう既に「福島大野病院事件」って言ったら、
どんな事件か、とか。
だいたい理解されているとは思いますが。
はっきり言って、世間では少数派ですからね。
医師ならば、そこそこ知っているかもしれませんが。
医療従事者と言っても、看護師とか薬剤師であれば、
知らない人もかなり多いですよ。
この間、研修医に聞いたけど、
あんまりよくわかっていなかったみたいだし。
日頃から、インターネットや医師ブログを読んで、
医療の情報を収集している人は、もう良い。
って言ったら失礼だけど。
そういう人は当然として。
それ以外の、あんまり今まで興味なかった人にも、
「このボールペン、何?」
「福島大野病院事件って何?」
というように、興味を持っていただいて、
その後に、こういう事件があったんだ。
その結果、日本では産科医1人の病院では、
お産ができなくなりつつあって、
産科医療が崩壊しつつある、とか。
萎縮医療が進んで、「患者受け入れ不可能」なのに、
「患者受け入れ拒否」とか「たらい回し」だって、
現場の医師がマスコミに叩かれたりしているんだ。
とか、っていう話を周りの人達にしてもらって。
1人でも多くの人達に「福島大野病院事件」とか、
産科医療についてとか、医療訴訟、医療崩壊について、
知って貰えれば良いな、って思っています。
それにしても。
Yosyan先生は、すごいねー。
尊敬しちゃいますわ。
実際にボールペンを申し込みたい人は。
ボールペンの申し込みは、120円切手を張った
返信用封筒(住所、氏名記載)に赤字で
「ボールペン希望」と明記の上、
「〒460−0012 名古屋市中区千代田5-20-6
フクヤビル1F 鶴舞公園クリニック 深谷元継」まで。
ボールペンを複数希望する場合は、
振込予定日と額、振込者名を書いた紙も同封し、
返信用封筒に切手を張る
(2本=120円、3−5本=140円、6−7本=200円、
8−12本=240円、13−25本=390円)。
宅配便希望の場合はその旨も記載する。
寄付金の送り先は、銀行振り込みの場合は
「三菱東京UFJ銀行 鶴舞(つるまい)支店
普通1203866(ふかや もとつぐ)」まで。
インターネット決済の「Paypal」の場合は
pen@tclinic.jpに送金する。
詳細については、
→『ボールペン作戦メインサイト』
医療を崩壊させないためには、これも読んでね!
→ 医療崩壊―「立ち去り型サボタージュ」とは何か
小松 秀樹 (著)
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マスコミでも報道されていますよね。
「福島大野病院事件」に関しては、
このブログでもかなり力を入れて報道してきました。
日本の医療崩壊をなんとかしよう。
特に、産科医療の崩壊を止めよう。
という事で、医師ブロガーのカリスマ、
「新小児科医のつぶやき」のYosyan先生が中心になって、
ボールペン作戦が始まりましたよ!
その名も
「産科医サポータープロジェクト
〜ボールペンで福島大野事件を支援します」
『福島事件支援プロジェクト』
の記事が元になって、「新小児科医のつぶやき」の
常連コメンテーターでもある、moto-tclinic 先生が
もう実際にボールペンを作っているようですね。
しかも、実名でキャリアブレインの記事になってるし(汗)
ボールペン作戦で「医師の刑事免責確立を」
「医師として善意で患者のために一生懸命やったのに、
手錠を掛けられるようになっては委縮医療が進む。
加藤医師は無罪と信じる。
この事件をきっかけに、
医師の刑事免責確立を呼び掛けたい」―。
福島県立大野病院事件で現在公判中(5月16日に結審)の
加藤克彦被告への支援の輪を広げて
医師の刑事免責確立を実現しようと、
インターネット上に集まった医師らを中心にした活動
「ボールペン作戦」が展開されている。
活動に携わる医師の一人、深谷元継さんは
「ボールペンという日常的に使うものを通して、
自分たちがお互いにつながっているという意識を
共有でき、皆が頑張っているという励ましになる。
善意や思いを共有していきたい」と話し、
運動の輪が医師の刑事免責確立につながってほしい
と願っている。
ボールペン作戦は、5月10日にネット上で
趣旨に賛同した医師らが準備を始め、
5月18日に開始された。
趣旨に賛同した人が「我々は福島大野病院事件で
逮捕された産婦人科医の無罪を信じ支援します」
との文言が書かれたボールペンを使用し、
周りの人たちと事件などの話題を共有することで、
医師の刑事免責についての理解を深めていく活動だ。
現時点で100本のボールペンが用意されている。
1本目は無料で配布するが、2本目以降は
製作費用として一本につき90円以上の
寄付金を納めてもらう。
100本の配布が終わったら、集まった寄付金で
さらに100本を製作して活動を広げていく。
既に4万円の寄付が集まっているが、
次の100本を製作する費用がなくなった場合は、
残金を福島県産婦人科医会内の
「加藤克彦先生を支える会」に寄付する。
深谷さんは「8月20日の判決がタイムリミットなので、
それまでになるべく多くの人に支援の輪を広げたい。
医師が善意でやったことが刑事事件として
逮捕されては委縮医療を招く。
『刑事免責』と言っても、言葉が抽象的で
心に訴え掛けないが、加藤先生の
具体的な話があればなじみやすいのでは」と語る。
福島県立大野病院事件は、2004年12月、
帝王切開手術中の女性を、子宮に癒着した胎盤の
剥離(はくり)による大量出血で失血死させたとして、
当時の産婦人科医長、加藤克彦被告が
業務上過失致死などの罪に問われて
06年に逮捕・起訴された事件。
今年8月20日に判決が言い渡される。
公判では、剥離を続けた判断の妥当性などが争点となり、
弁護側は加藤被告の無罪を主張している。
現場の医師からは、「産婦人科医が一生に一度、
遭遇するかしないかと言われるまれな症例で、
医学的にみても治療に誤りはなかった」
との声が上がっているが、訴訟リスクを懸念する
医師らが臨床現場を離れ、重症患者を
引き受けなくなる委縮医療を招いている。
『2008/05/19:キャリアブレイン 』
とりあえず最初は100本って事だったので。
あんまりたくさん買ったら迷惑かな、
と思って、数本注文しようとしたら。
記事では4万円、ってなっていたのに。
昨日見たら34万円になってるし。
ちょっと前に見たら、もう45万円も
寄付が集まっているようですね。
100本とか、500本とかって
言ってる人もいるようですし。
滑り出しは好調のようですね。
はじめは、インターネットから派生していますけど。
これを、リアルの世界に広げる、っていう事が
非常に大事な事だと思いますよ。
このブログを以前から読んで頂いている読者の方は、
もう既に「福島大野病院事件」って言ったら、
どんな事件か、とか。
だいたい理解されているとは思いますが。
はっきり言って、世間では少数派ですからね。
医師ならば、そこそこ知っているかもしれませんが。
医療従事者と言っても、看護師とか薬剤師であれば、
知らない人もかなり多いですよ。
この間、研修医に聞いたけど、
あんまりよくわかっていなかったみたいだし。
日頃から、インターネットや医師ブログを読んで、
医療の情報を収集している人は、もう良い。
って言ったら失礼だけど。
そういう人は当然として。
それ以外の、あんまり今まで興味なかった人にも、
「このボールペン、何?」
「福島大野病院事件って何?」
というように、興味を持っていただいて、
その後に、こういう事件があったんだ。
その結果、日本では産科医1人の病院では、
お産ができなくなりつつあって、
産科医療が崩壊しつつある、とか。
萎縮医療が進んで、「患者受け入れ不可能」なのに、
「患者受け入れ拒否」とか「たらい回し」だって、
現場の医師がマスコミに叩かれたりしているんだ。
とか、っていう話を周りの人達にしてもらって。
1人でも多くの人達に「福島大野病院事件」とか、
産科医療についてとか、医療訴訟、医療崩壊について、
知って貰えれば良いな、って思っています。
それにしても。
Yosyan先生は、すごいねー。
尊敬しちゃいますわ。
実際にボールペンを申し込みたい人は。
ボールペンの申し込みは、120円切手を張った
返信用封筒(住所、氏名記載)に赤字で
「ボールペン希望」と明記の上、
「〒460−0012 名古屋市中区千代田5-20-6
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ボールペンを複数希望する場合は、
振込予定日と額、振込者名を書いた紙も同封し、
返信用封筒に切手を張る
(2本=120円、3−5本=140円、6−7本=200円、
8−12本=240円、13−25本=390円)。
宅配便希望の場合はその旨も記載する。
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『医療崩壊と医師ブログ』
の記事で紹介した、
「農家こうめのワイン」
を書かれているkoumeさんが。
また、新しいコンテンツを作ってくれましたよ!
もう既に、第4弾。
→ 『☆医療問題を注視しる!その4 加古川事件とJBM☆』
いやー、医者でもないのに、
これだけ医療の事を理解をしてくれて。
しかも、すごくわかりやーすく、
医療訴訟に関して説明してくれていますよ。
ホント、こういう人がいてくれて、助かります。
私だけでなく、医師でもファンは多いと思いますよ。
もちろん、一般の方でも多いと思いますが。
今回は、「加古川心筋梗塞事件」に代表される、
医療訴訟についてです。
「加古川心筋梗塞事件」っていうのは、
このブログでも何回も書いていますけど。
心筋梗塞の患者が、病院に来て。
心筋梗塞って診断して、内科的な治療をして。
すぐに転送先の病院を探そうと思って、
いろんな病院を探していたら、70分かかっちゃって。
結局、心筋梗塞で患者が亡くなったんだけど。
すぐに、もっと高度な治療(心臓カテーテル治療;PCI)
が出来る病院に搬送したら助かったはずだから。
3900万円払え、っていう事件です。
すぐに転送先の病院を見つけようと思って、
いろんな病院に電話をかけまくって。
でも、なかなか転送先の病院が決まらなくって。
結局、70分かかった。
心筋梗塞という診断も、すぐに行って。
その間にできる内科的な治療も、
ほとんど完璧に行った。
相手の病院が、満床とか処置中とかで、
搬送先の病院が決まるのに時間がかかっただけなのに。
すぐに搬送できなかったのは、病院の責任だ。
って事で、3900万円払え。
っていう事件です。
テレパシーか魔法を使える医者以外は、
民事訴訟で負けちゃうっていう事かな。
この判決。
これは、非常に有名なトンデモ判決の一例です。
私、循環器内科医なんで、心筋梗塞は専門なので。
「加古川心筋梗塞事件」に関しては、
このブログでも相当詳しく書いています。
おそらく、日本で一、二を争う位だと思っています。
私が、自分のブログを売り込んだ、
っていうのもあるんですけど(笑)
紹介して頂きましたよ。
加古川心筋梗塞事件に関しての細かい話は、
「加古川、心筋梗塞事件」
「加古川、心筋梗塞事件2」
「加古川、心筋梗塞事件。衝撃の事実」
「加古川心筋梗塞事件、判決文」
「加古川心筋梗塞事件、判決文2」
「加古川心筋梗塞事件、判決文3」
「加古川心筋梗塞事件、判決文4」
に書いてあるので、そちらも参考にしてね!
☆医療問題を注視しる!その4
加古川事件とJBM☆
「ま、だからこそトンデモ訴訟
とか言われるわけだがな。
もともと理不尽でない、合理的な判断で
訴訟が行われているなら
JBMって言葉が出来るわけも無いしな。」
「えっ、JBMって何?」
「トンデモ訴訟は医療者の
モチベーションを大いに損ないます。
けど、医療訴訟にはそれとは別にもう一つ、
大きな問題点があるんです。」
「それがJBMの確立だ。
こちらは医学そのものに影響を与えている。」
「JBMとはJudgement Based Medicineの略で、
判例に基づいた医療のことです。
EBM・・・Evidence Based Medicine
(医学的根拠に基づいた医療)のもじりで、
2ちゃんねるで作られた造語だそうです。」
「判例に基づいた医療?何それ?」
「判例主義って知ってるか?」
「訴訟で、過去の判例や裁判例を
根拠にして判断するって事でしょ?」
「過去の判例と違う判決を出すと、
過去に判決を受け取った原告・被告に対して
不公平が出る可能性がありますからね。」
「俺は以前あれだけ賠償したのに、
同じような事をしたこいつは何故これだけなんだ?
ってことになるのね。」
「このあたり、英米法がどうとか大陸法が
どうとかの議論もあるようだが、
作者はよく分からないし関係もないから避けておくぞ。
で、JBMの話に戻るんだが、
ある医療訴訟で医師側敗訴確定となって、
その判決事由に
「○○の症例に△△の治療法を選んだから」
なんて出たら、
今後○○の治療に△△は出来なくなる。」
「あそうか、もし今後同じことをやって
不幸な結果になったら、裁判されたら
ほとんど負けちゃうのね。」
「もちろん判例が覆ることも無くは無いんだが、
よほどのことをしない限り覆らないからな。
それだったら最初から裁判の火種になりそうな
治療法は避けるんだ。」
「なので、判例に基づいた医療
なんていわれるわけですね。」
「・・・てことは事実上、裁判官が
治療の方法を決めちゃうって事?」
「そうだ。医療の素人の裁判官が
法的な拘束力のある
ケーススタディ集を作るようなもんだ。
その中でも医学の常識から外れたものや
守ることが現実的に非常に困難なもの、
守ろうとすると患者に不利益を
及ぼすようなものが特にJBMと呼ばれている。」
「つまりこの加古川訴訟の場合、
PCIの出来ない病院で心筋梗塞疑いの患者を
受けてはならない・・・
突き詰めると最高度の設備が整っていない
施設で患者を受けてはならない、
というJBMが出来たわけです。」
「ひぇ〜。じゃあ例えば加古川訴訟以外の
JBMにはどういうのがあるの?」
「一般的なのは・・・そうですね。
以前、医師や病院を批判する
医療バラエティ番組がよくありましたが、
「病院は金儲けのために、無駄な検査をいっぱいやる」
とか
「どんな手術であっても書類をたくさん渡されて
契約書みたいにサインさせられ、不快だ」
なんての、見たことありますか?」
「ああ、そういうのあったわね。」
「ほかの超ド級といわれるJBMと比べれば
軽いかもしれないし、必ずしも先に挙げた
定義どおりとはいえませんが、
あれが典型的なJBMじゃないでしょうか。」
「えっ、そうなの?」
「過去にこんなやりとりがあったんだよ。」
遺族 「ハラボジ(じいちゃん)が死んだのは、医者のせいニダ!」
医師 「通常必要な検査はしましたよ?
けど1000人に一人の稀な病気だったんです。」
裁判官 「ふむ。しかしそれ向けの検査をすれば
診断は可能だったんだろう。
ミスだな。原告の請求を認める。
被告は原告にアタマ下げろ。」
医師 「えっ!?」
「・・・なんで私がこんな役になってるニダ・・・」
「や、こういう役が似合うのはやはりリューシーかなと。
・・・というわけで一見無駄な検査も
行われるようになった。
批判もあるが、実は患者側の要望なんだ。」
「いや、これってつまり訴訟対策でしょ?
病院の都合を患者に押し付けてるんじゃないの?」
「実際、検査の網を細かくすれば
稀な疾患も見つけられる可能性が
高くなるって効果もあるんだがな。」
「けど、なんだか納得しにくいわ〜。」
「じゃあ、どうしたら納得してくれるんだ?
と思うんだが・・・。
現在は、無駄な検査をするリスクを背負って、
そのぶん精度の高い医療を提供しているわけだ。
無駄な検査はするな!
と言うのはいいが、だったら稀な疾患は
見逃してもしょうがないと言う
コンセンサスが無いとな。」
「検査などせず、しかしごく稀な疾患も見つける、
ってそんなの神様でもなければ
両立できませんね。
もっとも疾患を100%確定できる検査
と言うのも存在しませんし、
そういう意味でも神業レベルですけど。」
「実際、無駄と言うなら
病院側にとっても無駄だ。
特に検査で儲かってるわけでもないし、
激務に拍車をかけてるだけだからな。
それでもやはり、少しでも多くの
患者を助けられるなら、と言う思いで
こちらを選択してるんだろう。」
「手術前に患者の同意を得るために
ムンテラ(治療法やリスクについてなどの説明)を
長々とやってサインをもらう、
というのも同じですね。」
遺族 「ハルモニ(ばあちゃん)が死んだのは、
医者の説明が足りなかったせいニダ!」
医師 「ちゃんと治療前に説明はしました!」
裁判官 「ふむ、当時のカルテには
ちゃんと説明したなんて記録はないな。
原告の請求を認める。
被告は原告にカネ払え。」
医師 「そんなっ!?」
〜その後〜
遺族 「アボジ(父ちゃん)が死んだのは、
医者の説明が足りなかったせいニダ!」
医師 「ちゃんと治療前に説明はしたし、
カルテにも記載しました!」
裁判官 「ふむ、確かにカルテには記載があるようだが・・・
患者が理解できるまで説明すべきだったろう。
説明不足、請求認容。
とっとと賠償しろ。」
医師 「ええっ!?」
〜その後〜
遺族 「オモニ(母ちゃん)が死んだのは、医者のせいニダ!」
医師 「ちゃんと治療前に説明して、
カルテに記載して、しかもわかりやすく
丁寧に納得いくまで説明したんです!」
遺族 「あの場では納得したような気がしましたが、
やっぱり説明不足だったんですよ。」
裁判官 「そうだな。
患者が納得したと言う証拠が無い。
原告の言い分を認めるから
被告はカネを出せ。」
医師 「くぁwせdrftgyふじこlp」
「また私がクレーマー役に・・・」
「ほんとにこんな事あったの?」
「日常茶飯事だ。
そしてこんな事例でも慰謝料は
数千万円になることもある。
病院側が神経質になるのも理解できるだろう。」
「しかも・・・一部ですが、医療ミスは
医師の責任であるとして、慰謝料は
医師個人に払わせ、病院としては関知しない、
と言った病院幹部までいたそうです。」
「そ、それはやる気なくなるわね。」
「もちろん、そんな病院から医師は
蜘蛛の子を散らすように逃げ出した。」
「おい、まだ裁判ネタは続きがあるぞ。」
遺族 「ナムドンセン(弟)が死んだのは、医者のせいニダ!」
医師 「ちゃんと治療前に説明して、
カルテに記載して、しかもわかりやすく丁寧に
納得いくまで説明したのに、
治療を患者さんが断ったんです!」
裁判官 「断られても、それでも治療を
受けてもらえるように治療の重要性を
もっともっと説明すべきだったんだ。
やはり請求認容だな。」
医師 「・・・。」
〜その後〜
遺族 「ヨドンセン(妹)が死んだのは、医者のせいニダ!」
医師 「ちゃんと治療前に説明して、
カルテに記載して、しかもわかりやすく
丁寧に納得いくまで、薬の副作用も
何もかも全部伝えたのに
患者さんが勝手に病院に来なくなって、
薬を中止したおかげで
副作用が出て亡くなったんです!」
裁判官 「なんで、患者が来なくなった時点で
連絡を取らなかったんだ?
努力不足だ。謝罪と賠償をしる。」
医師 「・・・もう殺す・・・」
「なんでこんな訴訟が起きちゃうのかしらね?」
「ま、クレーマーに関しては元々の人柄が
影響してる部分も大いにあると思うが・・・
個人的な考えだが、
医師には患者を治す義務がある、
と広く誤解されている点が
大きく悪影響があると思う。
こういう思い込みがあるから、
治らなかったときは訴訟に走っちゃうんだろうな。」
「・・・ちょっと待って。
医師には患者を治す義務があると誤解されてる、
ってそういう義務はほんとにあるんじゃなかった?」
「ん?もしかして応召義務のことか?
だとしたら誤解だぞ。」
医師法第19条
診療に従事する医師は、診察治療の求があつた場合には
正当な事由がなければ、これを拒んではならない。
「この19条のことを応召義務と言うが、
ここにある通り
治療する義務はあるが
治す義務は無い。」
「ってちょっと待ってよ!
治療するって事は治すんじゃないの?」
「治療しても治るとは限らないだろう。
どんな病気でも治せるとしたら神様だけだ。
末期ガンの患者を治せなければ義務違反だ、
なんて言われたら全ての医師が逃げ出すぞ。」
「もちろん、いい加減な治療をしてもいい
という意味ではありませんよ。」
「そ、それはそうよね。」
「患者は医師に対して疾患の治療を
任せるわけですが、このときは
準委任契約と言う形になります。
これは、最善の治療を行うよう努力する
義務はありますが、
結果についてまでは責任を求められません。」
後半の、遺族、医師、裁判官のやりとり。
これが、非常にわかりやすかったですね。
細かい例を挙げたら、きりがないのですが。
全部これ、実例あるんですよ。
非常に良く勉強してると思いました。
それと、医師の応召義務に関しても良いですね。
医師法19条、応召義務っていうのは、
医師には患者を治療する義務はあるが、
治す義務は無い。
って事っすよ。
そりゃあ、そうですよ。
病気が治った方が、患者さんだけでなく、
医者も嬉しいんですけど。
最高の治療をしたって、
治らない病気だってあるんですから。
医師と患者の契約も、
「準委任契約」っていうものなんですが。
なぜか、医師にだけは、
それ以上の義務を果たさないといけない。
っていう様な判決が多いような気がします。
こういう、いわゆる「トンデモ判決」が続くと、
医師の側は萎縮医療を行わざるを得ないし。
加古川心筋梗塞事件の例を見たら、
心筋梗塞が疑われる患者は、
最初から高度の治療(心臓カテーテル治療:PCI)が
出来る病院に行ってもらう。
って事しかできませんからね。
医療崩壊の原因として、医療訴訟が占める割合、
っていうのも、かなり大きいと思いますので。
これも、なんとかして欲しいなー、って思います。
訴訟大国のアメリカでさえ、
加古川心筋梗塞事件のような例で、
医師、病院側が負ける、って事はないんですけどねー。
日本も、医療訴訟の問題をなんとかしないと、
更に医療崩壊が進む事になると思いますよ。
医者のホンネが知りたい人は、こちらから!
→ 『医者のホンネが丸わかり!(改)』
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の記事で紹介した、
「農家こうめのワイン」
を書かれているkoumeさんが。
また、新しいコンテンツを作ってくれましたよ!
もう既に、第4弾。
→ 『☆医療問題を注視しる!その4 加古川事件とJBM☆』
いやー、医者でもないのに、
これだけ医療の事を理解をしてくれて。
しかも、すごくわかりやーすく、
医療訴訟に関して説明してくれていますよ。
ホント、こういう人がいてくれて、助かります。
私だけでなく、医師でもファンは多いと思いますよ。
もちろん、一般の方でも多いと思いますが。
今回は、「加古川心筋梗塞事件」に代表される、
医療訴訟についてです。
「加古川心筋梗塞事件」っていうのは、
このブログでも何回も書いていますけど。
心筋梗塞の患者が、病院に来て。
心筋梗塞って診断して、内科的な治療をして。
すぐに転送先の病院を探そうと思って、
いろんな病院を探していたら、70分かかっちゃって。
結局、心筋梗塞で患者が亡くなったんだけど。
すぐに、もっと高度な治療(心臓カテーテル治療;PCI)
が出来る病院に搬送したら助かったはずだから。
3900万円払え、っていう事件です。
すぐに転送先の病院を見つけようと思って、
いろんな病院に電話をかけまくって。
でも、なかなか転送先の病院が決まらなくって。
結局、70分かかった。
心筋梗塞という診断も、すぐに行って。
その間にできる内科的な治療も、
ほとんど完璧に行った。
相手の病院が、満床とか処置中とかで、
搬送先の病院が決まるのに時間がかかっただけなのに。
すぐに搬送できなかったのは、病院の責任だ。
って事で、3900万円払え。
っていう事件です。
テレパシーか魔法を使える医者以外は、
民事訴訟で負けちゃうっていう事かな。
この判決。
これは、非常に有名なトンデモ判決の一例です。
私、循環器内科医なんで、心筋梗塞は専門なので。
「加古川心筋梗塞事件」に関しては、
このブログでも相当詳しく書いています。
おそらく、日本で一、二を争う位だと思っています。
私が、自分のブログを売り込んだ、
っていうのもあるんですけど(笑)
紹介して頂きましたよ。
加古川心筋梗塞事件に関しての細かい話は、
「加古川、心筋梗塞事件」
「加古川、心筋梗塞事件2」
「加古川、心筋梗塞事件。衝撃の事実」
「加古川心筋梗塞事件、判決文」
「加古川心筋梗塞事件、判決文2」
「加古川心筋梗塞事件、判決文3」
「加古川心筋梗塞事件、判決文4」
に書いてあるので、そちらも参考にしてね!
☆医療問題を注視しる!その4
加古川事件とJBM☆
「ま、だからこそトンデモ訴訟
とか言われるわけだがな。
もともと理不尽でない、合理的な判断で
訴訟が行われているなら
JBMって言葉が出来るわけも無いしな。」
「えっ、JBMって何?」
「トンデモ訴訟は医療者の
モチベーションを大いに損ないます。
けど、医療訴訟にはそれとは別にもう一つ、
大きな問題点があるんです。」
「それがJBMの確立だ。
こちらは医学そのものに影響を与えている。」
「JBMとはJudgement Based Medicineの略で、
判例に基づいた医療のことです。
EBM・・・Evidence Based Medicine
(医学的根拠に基づいた医療)のもじりで、
2ちゃんねるで作られた造語だそうです。」
「判例に基づいた医療?何それ?」
「判例主義って知ってるか?」
「訴訟で、過去の判例や裁判例を
根拠にして判断するって事でしょ?」
「過去の判例と違う判決を出すと、
過去に判決を受け取った原告・被告に対して
不公平が出る可能性がありますからね。」
「俺は以前あれだけ賠償したのに、
同じような事をしたこいつは何故これだけなんだ?
ってことになるのね。」
「このあたり、英米法がどうとか大陸法が
どうとかの議論もあるようだが、
作者はよく分からないし関係もないから避けておくぞ。
で、JBMの話に戻るんだが、
ある医療訴訟で医師側敗訴確定となって、
その判決事由に
「○○の症例に△△の治療法を選んだから」
なんて出たら、
今後○○の治療に△△は出来なくなる。」
「あそうか、もし今後同じことをやって
不幸な結果になったら、裁判されたら
ほとんど負けちゃうのね。」
「もちろん判例が覆ることも無くは無いんだが、
よほどのことをしない限り覆らないからな。
それだったら最初から裁判の火種になりそうな
治療法は避けるんだ。」
「なので、判例に基づいた医療
なんていわれるわけですね。」
「・・・てことは事実上、裁判官が
治療の方法を決めちゃうって事?」
「そうだ。医療の素人の裁判官が
法的な拘束力のある
ケーススタディ集を作るようなもんだ。
その中でも医学の常識から外れたものや
守ることが現実的に非常に困難なもの、
守ろうとすると患者に不利益を
及ぼすようなものが特にJBMと呼ばれている。」
「つまりこの加古川訴訟の場合、
PCIの出来ない病院で心筋梗塞疑いの患者を
受けてはならない・・・
突き詰めると最高度の設備が整っていない
施設で患者を受けてはならない、
というJBMが出来たわけです。」
「ひぇ〜。じゃあ例えば加古川訴訟以外の
JBMにはどういうのがあるの?」
「一般的なのは・・・そうですね。
以前、医師や病院を批判する
医療バラエティ番組がよくありましたが、
「病院は金儲けのために、無駄な検査をいっぱいやる」
とか
「どんな手術であっても書類をたくさん渡されて
契約書みたいにサインさせられ、不快だ」
なんての、見たことありますか?」
「ああ、そういうのあったわね。」
「ほかの超ド級といわれるJBMと比べれば
軽いかもしれないし、必ずしも先に挙げた
定義どおりとはいえませんが、
あれが典型的なJBMじゃないでしょうか。」
「えっ、そうなの?」
「過去にこんなやりとりがあったんだよ。」
遺族 「ハラボジ(じいちゃん)が死んだのは、医者のせいニダ!」
医師 「通常必要な検査はしましたよ?
けど1000人に一人の稀な病気だったんです。」
裁判官 「ふむ。しかしそれ向けの検査をすれば
診断は可能だったんだろう。
ミスだな。原告の請求を認める。
被告は原告にアタマ下げろ。」
医師 「えっ!?」
「・・・なんで私がこんな役になってるニダ・・・」
「や、こういう役が似合うのはやはりリューシーかなと。
・・・というわけで一見無駄な検査も
行われるようになった。
批判もあるが、実は患者側の要望なんだ。」
「いや、これってつまり訴訟対策でしょ?
病院の都合を患者に押し付けてるんじゃないの?」
「実際、検査の網を細かくすれば
稀な疾患も見つけられる可能性が
高くなるって効果もあるんだがな。」
「けど、なんだか納得しにくいわ〜。」
「じゃあ、どうしたら納得してくれるんだ?
と思うんだが・・・。
現在は、無駄な検査をするリスクを背負って、
そのぶん精度の高い医療を提供しているわけだ。
無駄な検査はするな!
と言うのはいいが、だったら稀な疾患は
見逃してもしょうがないと言う
コンセンサスが無いとな。」
「検査などせず、しかしごく稀な疾患も見つける、
ってそんなの神様でもなければ
両立できませんね。
もっとも疾患を100%確定できる検査
と言うのも存在しませんし、
そういう意味でも神業レベルですけど。」
「実際、無駄と言うなら
病院側にとっても無駄だ。
特に検査で儲かってるわけでもないし、
激務に拍車をかけてるだけだからな。
それでもやはり、少しでも多くの
患者を助けられるなら、と言う思いで
こちらを選択してるんだろう。」
「手術前に患者の同意を得るために
ムンテラ(治療法やリスクについてなどの説明)を
長々とやってサインをもらう、
というのも同じですね。」
遺族 「ハルモニ(ばあちゃん)が死んだのは、
医者の説明が足りなかったせいニダ!」
医師 「ちゃんと治療前に説明はしました!」
裁判官 「ふむ、当時のカルテには
ちゃんと説明したなんて記録はないな。
原告の請求を認める。
被告は原告にカネ払え。」
医師 「そんなっ!?」
〜その後〜
遺族 「アボジ(父ちゃん)が死んだのは、
医者の説明が足りなかったせいニダ!」
医師 「ちゃんと治療前に説明はしたし、
カルテにも記載しました!」
裁判官 「ふむ、確かにカルテには記載があるようだが・・・
患者が理解できるまで説明すべきだったろう。
説明不足、請求認容。
とっとと賠償しろ。」
医師 「ええっ!?」
〜その後〜
遺族 「オモニ(母ちゃん)が死んだのは、医者のせいニダ!」
医師 「ちゃんと治療前に説明して、
カルテに記載して、しかもわかりやすく
丁寧に納得いくまで説明したんです!」
遺族 「あの場では納得したような気がしましたが、
やっぱり説明不足だったんですよ。」
裁判官 「そうだな。
患者が納得したと言う証拠が無い。
原告の言い分を認めるから
被告はカネを出せ。」
医師 「くぁwせdrftgyふじこlp」
「また私がクレーマー役に・・・」
「ほんとにこんな事あったの?」
「日常茶飯事だ。
そしてこんな事例でも慰謝料は
数千万円になることもある。
病院側が神経質になるのも理解できるだろう。」
「しかも・・・一部ですが、医療ミスは
医師の責任であるとして、慰謝料は
医師個人に払わせ、病院としては関知しない、
と言った病院幹部までいたそうです。」
「そ、それはやる気なくなるわね。」
「もちろん、そんな病院から医師は
蜘蛛の子を散らすように逃げ出した。」
「おい、まだ裁判ネタは続きがあるぞ。」
遺族 「ナムドンセン(弟)が死んだのは、医者のせいニダ!」
医師 「ちゃんと治療前に説明して、
カルテに記載して、しかもわかりやすく丁寧に
納得いくまで説明したのに、
治療を患者さんが断ったんです!」
裁判官 「断られても、それでも治療を
受けてもらえるように治療の重要性を
もっともっと説明すべきだったんだ。
やはり請求認容だな。」
医師 「・・・。」
〜その後〜
遺族 「ヨドンセン(妹)が死んだのは、医者のせいニダ!」
医師 「ちゃんと治療前に説明して、
カルテに記載して、しかもわかりやすく
丁寧に納得いくまで、薬の副作用も
何もかも全部伝えたのに
患者さんが勝手に病院に来なくなって、
薬を中止したおかげで
副作用が出て亡くなったんです!」
裁判官 「なんで、患者が来なくなった時点で
連絡を取らなかったんだ?
努力不足だ。謝罪と賠償をしる。」
医師 「・・・もう殺す・・・」
「なんでこんな訴訟が起きちゃうのかしらね?」
「ま、クレーマーに関しては元々の人柄が
影響してる部分も大いにあると思うが・・・
個人的な考えだが、
医師には患者を治す義務がある、
と広く誤解されている点が
大きく悪影響があると思う。
こういう思い込みがあるから、
治らなかったときは訴訟に走っちゃうんだろうな。」
「・・・ちょっと待って。
医師には患者を治す義務があると誤解されてる、
ってそういう義務はほんとにあるんじゃなかった?」
「ん?もしかして応召義務のことか?
だとしたら誤解だぞ。」
医師法第19条
診療に従事する医師は、診察治療の求があつた場合には
正当な事由がなければ、これを拒んではならない。
「この19条のことを応召義務と言うが、
ここにある通り
治療する義務はあるが
治す義務は無い。」
「ってちょっと待ってよ!
治療するって事は治すんじゃないの?」
「治療しても治るとは限らないだろう。
どんな病気でも治せるとしたら神様だけだ。
末期ガンの患者を治せなければ義務違反だ、
なんて言われたら全ての医師が逃げ出すぞ。」
「もちろん、いい加減な治療をしてもいい
という意味ではありませんよ。」
「そ、それはそうよね。」
「患者は医師に対して疾患の治療を
任せるわけですが、このときは
準委任契約と言う形になります。
これは、最善の治療を行うよう努力する
義務はありますが、
結果についてまでは責任を求められません。」
後半の、遺族、医師、裁判官のやりとり。
これが、非常にわかりやすかったですね。
細かい例を挙げたら、きりがないのですが。
全部これ、実例あるんですよ。
非常に良く勉強してると思いました。
それと、医師の応召義務に関しても良いですね。
医師法19条、応召義務っていうのは、
医師には患者を治療する義務はあるが、
治す義務は無い。
って事っすよ。
そりゃあ、そうですよ。
病気が治った方が、患者さんだけでなく、
医者も嬉しいんですけど。
最高の治療をしたって、
治らない病気だってあるんですから。
医師と患者の契約も、
「準委任契約」っていうものなんですが。
なぜか、医師にだけは、
それ以上の義務を果たさないといけない。
っていう様な判決が多いような気がします。
こういう、いわゆる「トンデモ判決」が続くと、
医師の側は萎縮医療を行わざるを得ないし。
加古川心筋梗塞事件の例を見たら、
心筋梗塞が疑われる患者は、
最初から高度の治療(心臓カテーテル治療:PCI)が
出来る病院に行ってもらう。
って事しかできませんからね。
医療崩壊の原因として、医療訴訟が占める割合、
っていうのも、かなり大きいと思いますので。
これも、なんとかして欲しいなー、って思います。
訴訟大国のアメリカでさえ、
加古川心筋梗塞事件のような例で、
医師、病院側が負ける、って事はないんですけどねー。
日本も、医療訴訟の問題をなんとかしないと、
更に医療崩壊が進む事になると思いますよ。
医者のホンネが知りたい人は、こちらから!
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静岡の病院で、胎盤早期剥離で母子ともに死亡した。
という事で、新聞にも載りましたが。
これも、かなりの医師ブログで取り上げられているようですね。
ちょっと、出遅れてしまいました。
産科領域の話なので、これに関しては、
僻地の産科医先生の
「産科医療のこれから」
が一番詳しいようですかね、今のところ。
どんどん新しい情報もあがってきているようなので。
チェックしてみてね!
産科の専門的な話は、産科の先生のブログにお任せして。
私の方は、専門的な話以外の問題点について。
ちょっと書いてきますかね。
まずは、読売新聞の記事から。
病院 「急変予測できず」
妊婦・胎児死亡 遺族は提訴検討
静岡厚生病院(静岡市葵区北番町、265床)は2日、
同病院で4月27日に手術を受けた
静岡市駿河区の妊婦(24)と10か月の胎児が
死亡する医療事故があったと発表した。
玉内登志雄院長は
「典型症状ではなく、急激な悪化を予測できなかった」
と述べ、想定外の事態だったことを強調したが、
遺族は病院の対応に不信感を募らせている。
同病院によると、妊婦は初めての妊娠で、
昨年9月から同病院に通院。
妊婦は、死亡する約14時間前の27日未明、
陣痛が出たため同病院に電話したが、
応対した看護師や助産師が「痛みは強くない」と判断、
いったん自宅待機となった。
同日早朝、再び陣痛が強くなり入院。
胎児の心音が確認できず、呼び出された産婦人科医が、
分娩前に胎盤が子宮内ではがれる
「胎盤早期剥離(はくり)」と診断、帝王切開したが、
胎児は死亡していた。
手術後、妊婦も血圧が急激に低下し、
大量出血を起こして死亡した。
胎盤早期剥離は妊婦の1%程度にみられ、
胎児に酸素が供給されないため、
胎児死亡率は30〜50%と極めて高い。
妊婦も出血を起こすことが多いが、
死亡率は一般に10%未満で、
妊婦、胎児とも死亡するのは
「妊娠5000〜1万例中に1例」
(玉内院長)とまれだという。
玉内院長は「胎盤早期剥離は予防できず、
早期発見するしかない」と言うが、
「死亡2日前の診察では異常は見られなかった」
ともしている。
妊婦の父親(55)は読売新聞の取材に、
「事故当日、病院は
『出血はさほどなく、(死亡の)理由はわからない』
と言っていたのに。
今の時代に、母子ともに死亡するなんて信じられない。
提訴も検討したい」と話した。
参照:『2008.5.3:読売新聞』
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080502-00000023-yom-soci
「常位胎盤早期剥離」って。
私も医学部の学生時代は聞いたことあるけど。
詳しい内容は、医者でも産科の先生以外は知らないから。
おおざっぱにまとめると。
1.通常出産後に剥がれる胎盤が
妊娠継続中に剥がれてしまう病気
2.胎盤が剥がれたところに胎盤後血腫が形成されDICを起す
3.胎盤が剥がれると胎児への酸素の供給が断たれ死亡する
4.時期はいつでも起こりえる
5.発生時期の予測は不可能
6.発生頻度は全妊娠の0.44〜1.33%
7.母体死亡率は4〜10%、児死亡率は30〜50%
参照:『常位胎盤早期剥離について』
「ある産婦人科医のひとりごと」より
こういう病気です。
症状の進行は比較的ユックリ進むものから
急激に進行するものまで様々である、ともされています。
静岡新聞の経過で、死亡2日前には
異常なかったなんて事、はごく普通の事です。
常位胎盤早期剥離は、予測不能で、突然起こり、
母子ともに死亡率が高い病気なんですよ。
参照:『常位胎盤早期剥離』
「新小児科医のつぶやき」
今回の件について、もっと詳しく書いてある新聞が、
静岡新聞なんですけど。
僻地の産科医先生がまとめてくれた経過によると。
静岡新聞の記事での事実経過は、
・4月25日(40w1d)の診察では母児ともに異常なし
・4月27日(40w3d)午前0時ごろ、
陣痛開始と同病院に電話連絡
・対応した看護師、助産師は問題がないと判断し、
自宅待機を伝え
・妊婦は約6時間後に再度電話、来院
・同日午前8時すぎに医師が診察したところ、
既に胎児心拍(−)
・胎盤早期剥離が確認された(おそらくエコーにて)
・緊急帝王切開
・子宮内から死亡した胎児を娩出
・母体は3リットルを超える大量の出血
・輸血を含む5リットル以上の輸液で対処
・けいれんや意識レベルの低下
・妊婦は同日午後1時40分ごろ死亡
参照:『 早剥での母児死亡 刑事介入!!』
という事だそうです。
医療関係者からは、これは「胎盤早期剥離」という
死亡率も高い病気で亡くなったのだから。
医療事故ではない。
ましてや、医療ミスなんかではない。
という事で、ほぼ全員が一致した意見なのですが。
遺族が納得していなくって、提訴を考えている、
っていうのには、いくつか問題が
あるからだと思います。
問題点1
緊急帝王切開の前に、「胎盤早期剥離」というのは、
死亡率も非常に高い、という事の説明が
十分ではなかったかもしれない。
上にも書いたけど。
「常位胎盤早期剥離」っていうのは
>母体死亡率は4〜10%、児死亡率は30〜50%
ですから。
ものすごい死亡率が高いんですよ。
子供に関しては
児死亡率は30〜50%ですから。
半分から1/3は亡くなるって事です。
母体死亡率が4〜10%っていうのは、
良くても25人に1人。
重症の場合は10人に1人は死ぬって事ですからね。
お母さんの方も、10人〜25人に1人は死んでしまう、
大変な病気なんですよ。
「常位胎盤早期剥離」ってのは。
だから、「常位胎盤早期剥離」になってしまったら、
残念ながら、母子共に亡くなるって事も、
十分あり得る、という事なんです。
・胎盤早期剥離が確認された(おそらくエコーにて)
・緊急帝王切開
新聞記事の経過からはこう書いてあって。
家族にどういう説明がいったのかは、
私にはわかりませんけど。
「胎盤早期剥離」という診断がついたら、
母親や子供が亡くなる可能性がある。
というか、その可能性が結構高い。
という事を、帝王切開する前に、
もっと十分に家族に説明しても良かったのかなー、
とは思います。
ただ、緊急に手術が必要なわけですから。
長い時間をかけて説明すれば、それだけ命が
危険にさらされるわけですよ。
手術するのは早ければ早い方が、命が助かる
可能性も高いのですから。
だから、緊急の手術をする前に、
家族への説明が十分ではなかったかもしれない。
っていう事を、私には責める事はできません。
私は循環器内科医ですから。
お産とか帝王切開の手術は、もちろんしないんですけど。
心筋梗塞で、緊急の血管内手術(カテーテル治療)
をする、っていう事はあります。
心筋梗塞っていうのは、心臓の表面の血管(冠動脈)
が詰まって、心臓の筋肉が死んでしまう病気なのですが。
血管が詰まってすぐであれば、心臓の筋肉(心筋)
が完全には死なないので、すぐに血管の詰まりを解消する。
要は、血管を広げる治療(心臓カテーテル治療)をすれば、
少しでも、死んでしまう心筋を助けてあげられるので。
一刻も早く、それこそ一分でも一秒でも早く、
検査、治療をしたいんですよ。
待機的な心臓カテーテル検査、手術の説明なら、
20分、30分かけてする説明でも。
緊急の場合は、5分くらいでおおざっぱに行って、
少しでも早く血管内手術(心臓カテーテル治療)をする。
っていう事を、いつも行っていますから。
緊急帝王切開前の家族への説明が十分ではなかった、
としてもやむを得ない面はあると思います。
問題点2
死亡する約14時間前に、一回病院に電話したが、
看護師や助産師の判断で、自宅待機となった事。
新聞記事によると
妊婦は、死亡する約14時間前の27日未明、
陣痛が出たため同病院に電話したが、
応対した看護師や助産師が「痛みは強くない」と判断、
いったん自宅待機となった。
という事ですから。
半日前からお腹が痛かったから病院に電話したのに。
その時は「なんともない」って言っていたのに。
なんでこうなったんだ。
って、納得いかないのじゃないかな、って思います。
でも、これは残念ですけど。
やむを得ない事かな、って思います。
妊婦さんが、出産前に陣痛が出てお腹が痛くなるのは、
当たり前の事なんですよ。
一時、「たらい回し」って言葉が、
新聞記事をにぎわしましたよね。
最近はまともな新聞は、この言葉を使わなくなったけど。
「たらい回し」、「受け入れ拒否」っていうのは、
本当は「受け入れ不能」、「受け入れ不可能」
って事なんだけど。
これで一番問題になったのは、「妊婦」です。
どこの病院も、妊婦を受け入れる能力が少ないんですよ。
だから、妊婦でお腹が痛い、というだけで、
全員を入院させるわけにはいかないのですよ。
今回の場合も、14時間前の段階では、
看護師や助産師が、正常の範囲だろう。
という事で、いったん自宅での待機をお願いしたけど。
やっぱり、次の日の朝、すごく痛みが強くなったから
入院という事になったんですけど。
「常位胎盤早期剥離」っていうのは、
>時期はいつでも起こりえる
発生時期の予測は不可能
発生頻度は全妊娠の0.44〜1.33%
っていう事ですし。
正常の妊娠、お産でもお腹は痛くなるものですから。
その前の段階で、診断する事は無理だと思います。
ただ、電話で聞いた時は「大丈夫」って言ったのに、
なんでこんな結果になったんだ。
って思う、遺族の気持ちもわかります。
問題点3
死因、出血量、輸血に関して、
病院側の説明と、主治医の説明が違う。
私の知り合いの、ある医師のブログに、
関係者からのコメントが載って。
それは、10分くらいでブログ主が削除したんですが。
関係者がオープンなところに書いたということで、
そのコメントのコピーが「産科医療のこれから」の
『静岡「早剥」事件 関係者さまのコメントを検証!』
に載っていました。
私は「大淀病院」関係で、「遺族の情報がネット上に流出」。
って事で、読○新聞とか、某スポーツ新聞に、
名指しで叩かれて。
m3.comから、直接職場に電話がかかってきて
えらい迷惑だった。
っていう、痛い思いをしていますので。
参照:『医師の秘密漏示』
『大淀病院事件、ネットで詳細に2』
あえて、遺族のコメントのコピーはここには載せません。
これによると、遺族の話では、
「主治医からの説明では、大量の出血、輸血はなかった」
と言われているようですね。
新聞記事にも書いてある通り。
>母体は3リットルを超える大量の出血
輸血を含む5リットル以上の輸液で対処
という事ですから。
お母さんの方は、3リットル出血したようですが。
妊婦さんですからね。
この3リットルというのは、羊水込みです。
『早剥での母児死亡 刑事介入!!』
のコメント欄で、産婦人科医の「子持ちししゃも」先生が
コメントしていますから。
これを見て下さい。
妊婦さんは出血に強く、分娩後や帝王切開後の
出血3000ml(羊水込み)による重度の貧血だけでは
死亡にいたりません。
正常の女性のヘモグロビン濃度12g/dlの
半分の5-6g/dl程度まで重症の貧血も珍しくなく
死亡しない例もたくさん経験しています。
私自身もつい最近帝王切開後ヘモグロビン4.3g/dl
の方を経験しましたが、輸血が届くまで
冷や冷やしましたが救命できました。
この状態(ヘモグロビンが正常の1/2)の解剖所見では、
当然重症の貧血という診断となるでしょう。
組織内の血液成分の量が少ないのは
間違いないですから。
さらに、救命のために輸液という水分もたくさん
投与されていますからさらに薄まっているでしょう。
しかしそれだからといって死因が出血多量とは
ならないと思いますし、現役の産婦人科医師としても
この経過で出血多量のための死亡
と説明されても納得がいきません。
(5/2の病院の記者会見の方が、
不誠実であったと思います。
ご不快に感じられたのは当然でしょう。)
>なぜまだ病気の可能性が否定されていないのに
病院側が出血多量死と発表したのでしょうか
私もこの時点での病院の発表は軽率だと感じました。
(まだ死因が判明していない時点であるため)
産婦人科医としては、この出血量のみで
死亡の原因といわれても納得いきません。
投稿: 子持ちししゃも | 2008年5月 4日 (日) 02:08
妊婦さんが、3リットルの出血だけで、
出血多量で亡くなる、という事は考えられないんですよ。
きちんと輸液、輸血もしていますし。
これは、産科の先生だけでなくって、
私のような内科医でもわかる、基本的な医学知識です。
それなのに、病院側の説明では、死因が今の所
わかってもいないし、産科の先生から考えたら
ありえないような、「死因は出血多量」
という説明をした。
主治医の先生は、妊婦にとって3リットルの出血
というだけでは、致死的にはならないから。
出血量としては少なくはないけど、
死因としては考えられない。
という事で、そういう説明をしたのだと思います。
しかし、病院側は、死因がはっきりしてもいないのに、
死因は出血多量だった、と言っている。
そこで、話が食い違って、
遺族の不信感が生じているのだと思います。
輸血したかどうかっていうのも。
急変した後、循環器内科医の先生とかも来ていますから。
もしかしたら、循環器の先生が、先頭になって、
どんどん輸血とか輸液をして、主治医の産科医の先生が、
輸血について把握していなかっただけかもしれないし。
言葉の問題とかもあるかな。
「輸血」っていっても、いろいろあるんですよ。
一般的に輸血っていったら「濃厚赤血球」という、
いわゆる「赤血球」の製剤の事を言います。
我々、医師や医療関係者は、輸血といえば、
「濃厚赤血球」の事だと思います。
ただ、厳密に言えば、肝炎問題で話題になった、
「血液製剤」というのも、血液から造られるものですから。
これを入れたら、「輸血」という言葉を使っても、
間違いではないかな、と思います。
血圧が下がったら、血圧を上げるために
「アルブミン」っていう製剤を使いますからね、普通。
もしかしたら、こういう「血液製剤を使った」、
っていうのを「輸血」と表現しているのかもしれませんし。
そこらへんは、何とも言えません。
主治医の産科の先生は、わざと輸血に関しては隠した。
って事ではないような気がします。
そんな事しても、なんにも意味ないですからね。
まとめると。
問題になっているのは、
問題点1
緊急帝王切開の前に、「胎盤早期剥離」というのは、
死亡率も非常に高い、という事の説明が
十分ではなかったかもしれない。
問題点2
死亡する約14時間前に、一回病院に電話したが、
看護師や助産師の判断で、自宅待機となった事。
問題点3
死因、出血量、輸血に関して。
病院側の説明と、主治医の説明が違う。
問題点1に関しては、「緊急の帝王切開」ですから。
一刻を争う手術ですから。
その前に、説明が十分ではなかったとしても、
やむを得ない面はあると思います。
問題点2に関しても、妊婦でお腹が痛い、
っていう人を、全員入院させることは不可能なので。
その段階での電話対応自体には、
問題はなかったんじゃないかなー、って思います。
一番問題になるのは、問題点3でしょうかね。
これって、「福島大野病院」とか、「大淀病院」とか。
医療訴訟では結構問題になる事も多いんですけど。
「院長、病院側の対応」です。
静岡厚生病院の玉内登志雄院長っていうのは。
これを見ると、外科医のようですね。
→ 『第2回日本乳癌学会中部地方会 一般演題』
主治医の産科医の先生が、現段階では、
死因はわからない。
出血量も、妊婦で3リットルだけでは、
出血多量で死ぬほどの出血ではない。
って判断しているにもかかわらず。
産科に関しては素人の外科医である院長が、
「後日の発表では大量の出血により死亡」
という事を言ったのが問題なんだと思います。
確かに地位とか、役職とか、そういう事に関しては、
院長 > ただの産科医
という事なんですけどね。
こと、医学の専門分野の「産科」って事に関しては、
ただの産科医 >>>> 外科の院長
ですから。
産科の話でどっちが正しいか、って言ったら、
平の産科医の先生の話の方が正しい。
という事も、多いと思いますよ。
輸血に関しては、主治医の先生が知らなかったとか、
血液製剤は使ったけど、濃厚赤血球は使っていないとか。
そういう事だと思います。
新聞やブログに書いてある事からしかわかりませんけど。
私がわかる範囲では、この件に関しては、
医療ミスはなく、「常位胎盤早期剥離」という
重症の病気の為に母子が亡くなった。
という事だと思います。
ただ、産科の事をわかっていない外科の
院長(病院側)の説明と
主治医の産科医の先生の説明に食い違いがあった。
という事ですから。
主治医の産科医の先生に、もっと詳しく説明を聞く。
できれば院長も一緒に入って貰って。
もしくは、この病院には主治医の先生以外にも
産科の先生はいるようですから。
主治医以外の産科医の先生に、
客観的にお話しをしてもらう。
っていうのが良いんじゃないかなー、
って、個人的には思います。
遺族の方は、
>「今の時代に、母子ともに死亡するなんて
信じられない。
提訴も検討したい」
と、言っておられますけど。
「常位胎盤早期剥離」というのは、今の時代でも、
子供は2〜3人に1人は亡くなる。
母親の方も、10〜25人に1人は亡くなる、
重症の病気ですから。
医療ミスがなくても、亡くなる場合もある。
っていう事を理解してもらいたいです。
あくまで病院側、院長の主張というのは、
マスコミと言うフィルターを通して見ているので。
本当にそう言ったのか確かではないので、
厳密にはなんとも言えませんがね。
院長、病院側の対応に問題があったという事なら、
不信感を持つ事自体は仕方がないかもしれません。
ちょっと話は変わるけど。
この院長のせいなのか。
読売新聞の記者のせいなのかわかんないけど。
この記事の書き方は、ちょっとおかしいですよね。
胎盤早期剥離は妊婦の1%程度にみられ、
胎児に酸素が供給されないため、
胎児死亡率は30〜50%と極めて高い。
妊婦も出血を起こすことが多いが、
死亡率は一般に10%未満で、
妊婦、胎児とも死亡するのは
「妊娠5000〜1万例中に1例」
書いている事は間違ってはいないけど。
よーく見てみると。
胎盤早期剥離は妊婦の1%程度
胎児死亡率は30〜50%
妊婦の死亡率は一般に10%未満
って、分母は全部「胎盤早期剥離」なのに、
妊婦、胎児とも死亡するのは
「妊娠5000〜1万例中に1例」
っていきなり分母が「全妊婦」になっていますからね。
正常の妊婦さんを分母にしたら、
死亡率だって減るに決まってるでしょ。
妊婦の死亡率は一般に10%未満
っていう事は、上にも書きましたけど。
10人ちょっといれば、1人は亡くなる。
って事ですから、すごく重症の病気なんですよ。
でも、
妊婦、胎児とも死亡するのは
「妊娠5000〜1万例中に1例」
って書き方になったら、ものすごーく珍しい。
っていうようにしか見えないですからねー。
なんで、こういう書き方をするのか、
ちょっとわからないですわ。
せっかく良い記事も増えてきたのですけどね。
読売新聞。
やっぱ、医療情報部は、駄目かなー。
医者のホンネが知りたい人は、こちらから!
→ 『医者のホンネが丸わかり!(改)』
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という事で、新聞にも載りましたが。
これも、かなりの医師ブログで取り上げられているようですね。
ちょっと、出遅れてしまいました。
産科領域の話なので、これに関しては、
僻地の産科医先生の
「産科医療のこれから」
が一番詳しいようですかね、今のところ。
どんどん新しい情報もあがってきているようなので。
チェックしてみてね!
産科の専門的な話は、産科の先生のブログにお任せして。
私の方は、専門的な話以外の問題点について。
ちょっと書いてきますかね。
まずは、読売新聞の記事から。
病院 「急変予測できず」
妊婦・胎児死亡 遺族は提訴検討
静岡厚生病院(静岡市葵区北番町、265床)は2日、
同病院で4月27日に手術を受けた
静岡市駿河区の妊婦(24)と10か月の胎児が
死亡する医療事故があったと発表した。
玉内登志雄院長は
「典型症状ではなく、急激な悪化を予測できなかった」
と述べ、想定外の事態だったことを強調したが、
遺族は病院の対応に不信感を募らせている。
同病院によると、妊婦は初めての妊娠で、
昨年9月から同病院に通院。
妊婦は、死亡する約14時間前の27日未明、
陣痛が出たため同病院に電話したが、
応対した看護師や助産師が「痛みは強くない」と判断、
いったん自宅待機となった。
同日早朝、再び陣痛が強くなり入院。
胎児の心音が確認できず、呼び出された産婦人科医が、
分娩前に胎盤が子宮内ではがれる
「胎盤早期剥離(はくり)」と診断、帝王切開したが、
胎児は死亡していた。
手術後、妊婦も血圧が急激に低下し、
大量出血を起こして死亡した。
胎盤早期剥離は妊婦の1%程度にみられ、
胎児に酸素が供給されないため、
胎児死亡率は30〜50%と極めて高い。
妊婦も出血を起こすことが多いが、
死亡率は一般に10%未満で、
妊婦、胎児とも死亡するのは
「妊娠5000〜1万例中に1例」
(玉内院長)とまれだという。
玉内院長は「胎盤早期剥離は予防できず、
早期発見するしかない」と言うが、
「死亡2日前の診察では異常は見られなかった」
ともしている。
妊婦の父親(55)は読売新聞の取材に、
「事故当日、病院は
『出血はさほどなく、(死亡の)理由はわからない』
と言っていたのに。
今の時代に、母子ともに死亡するなんて信じられない。
提訴も検討したい」と話した。
参照:『2008.5.3:読売新聞』
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080502-00000023-yom-soci
「常位胎盤早期剥離」って。
私も医学部の学生時代は聞いたことあるけど。
詳しい内容は、医者でも産科の先生以外は知らないから。
おおざっぱにまとめると。
1.通常出産後に剥がれる胎盤が
妊娠継続中に剥がれてしまう病気
2.胎盤が剥がれたところに胎盤後血腫が形成されDICを起す
3.胎盤が剥がれると胎児への酸素の供給が断たれ死亡する
4.時期はいつでも起こりえる
5.発生時期の予測は不可能
6.発生頻度は全妊娠の0.44〜1.33%
7.母体死亡率は4〜10%、児死亡率は30〜50%
参照:『常位胎盤早期剥離について』
「ある産婦人科医のひとりごと」より
こういう病気です。
症状の進行は比較的ユックリ進むものから
急激に進行するものまで様々である、ともされています。
静岡新聞の経過で、死亡2日前には
異常なかったなんて事、はごく普通の事です。
常位胎盤早期剥離は、予測不能で、突然起こり、
母子ともに死亡率が高い病気なんですよ。
参照:『常位胎盤早期剥離』
「新小児科医のつぶやき」
今回の件について、もっと詳しく書いてある新聞が、
静岡新聞なんですけど。
僻地の産科医先生がまとめてくれた経過によると。
静岡新聞の記事での事実経過は、
・4月25日(40w1d)の診察では母児ともに異常なし
・4月27日(40w3d)午前0時ごろ、
陣痛開始と同病院に電話連絡
・対応した看護師、助産師は問題がないと判断し、
自宅待機を伝え
・妊婦は約6時間後に再度電話、来院
・同日午前8時すぎに医師が診察したところ、
既に胎児心拍(−)
・胎盤早期剥離が確認された(おそらくエコーにて)
・緊急帝王切開
・子宮内から死亡した胎児を娩出
・母体は3リットルを超える大量の出血
・輸血を含む5リットル以上の輸液で対処
・けいれんや意識レベルの低下
・妊婦は同日午後1時40分ごろ死亡
参照:『 早剥での母児死亡 刑事介入!!』
という事だそうです。
医療関係者からは、これは「胎盤早期剥離」という
死亡率も高い病気で亡くなったのだから。
医療事故ではない。
ましてや、医療ミスなんかではない。
という事で、ほぼ全員が一致した意見なのですが。
遺族が納得していなくって、提訴を考えている、
っていうのには、いくつか問題が
あるからだと思います。
問題点1
緊急帝王切開の前に、「胎盤早期剥離」というのは、
死亡率も非常に高い、という事の説明が
十分ではなかったかもしれない。
上にも書いたけど。
「常位胎盤早期剥離」っていうのは
>母体死亡率は4〜10%、児死亡率は30〜50%
ですから。
ものすごい死亡率が高いんですよ。
子供に関しては
児死亡率は30〜50%ですから。
半分から1/3は亡くなるって事です。
母体死亡率が4〜10%っていうのは、
良くても25人に1人。
重症の場合は10人に1人は死ぬって事ですからね。
お母さんの方も、10人〜25人に1人は死んでしまう、
大変な病気なんですよ。
「常位胎盤早期剥離」ってのは。
だから、「常位胎盤早期剥離」になってしまったら、
残念ながら、母子共に亡くなるって事も、
十分あり得る、という事なんです。
・胎盤早期剥離が確認された(おそらくエコーにて)
・緊急帝王切開
新聞記事の経過からはこう書いてあって。
家族にどういう説明がいったのかは、
私にはわかりませんけど。
「胎盤早期剥離」という診断がついたら、
母親や子供が亡くなる可能性がある。
というか、その可能性が結構高い。
という事を、帝王切開する前に、
もっと十分に家族に説明しても良かったのかなー、
とは思います。
ただ、緊急に手術が必要なわけですから。
長い時間をかけて説明すれば、それだけ命が
危険にさらされるわけですよ。
手術するのは早ければ早い方が、命が助かる
可能性も高いのですから。
だから、緊急の手術をする前に、
家族への説明が十分ではなかったかもしれない。
っていう事を、私には責める事はできません。
私は循環器内科医ですから。
お産とか帝王切開の手術は、もちろんしないんですけど。
心筋梗塞で、緊急の血管内手術(カテーテル治療)
をする、っていう事はあります。
心筋梗塞っていうのは、心臓の表面の血管(冠動脈)
が詰まって、心臓の筋肉が死んでしまう病気なのですが。
血管が詰まってすぐであれば、心臓の筋肉(心筋)
が完全には死なないので、すぐに血管の詰まりを解消する。
要は、血管を広げる治療(心臓カテーテル治療)をすれば、
少しでも、死んでしまう心筋を助けてあげられるので。
一刻も早く、それこそ一分でも一秒でも早く、
検査、治療をしたいんですよ。
待機的な心臓カテーテル検査、手術の説明なら、
20分、30分かけてする説明でも。
緊急の場合は、5分くらいでおおざっぱに行って、
少しでも早く血管内手術(心臓カテーテル治療)をする。
っていう事を、いつも行っていますから。
緊急帝王切開前の家族への説明が十分ではなかった、
としてもやむを得ない面はあると思います。
問題点2
死亡する約14時間前に、一回病院に電話したが、
看護師や助産師の判断で、自宅待機となった事。
新聞記事によると
妊婦は、死亡する約14時間前の27日未明、
陣痛が出たため同病院に電話したが、
応対した看護師や助産師が「痛みは強くない」と判断、
いったん自宅待機となった。
という事ですから。
半日前からお腹が痛かったから病院に電話したのに。
その時は「なんともない」って言っていたのに。
なんでこうなったんだ。
って、納得いかないのじゃないかな、って思います。
でも、これは残念ですけど。
やむを得ない事かな、って思います。
妊婦さんが、出産前に陣痛が出てお腹が痛くなるのは、
当たり前の事なんですよ。
一時、「たらい回し」って言葉が、
新聞記事をにぎわしましたよね。
最近はまともな新聞は、この言葉を使わなくなったけど。
「たらい回し」、「受け入れ拒否」っていうのは、
本当は「受け入れ不能」、「受け入れ不可能」
って事なんだけど。
これで一番問題になったのは、「妊婦」です。
どこの病院も、妊婦を受け入れる能力が少ないんですよ。
だから、妊婦でお腹が痛い、というだけで、
全員を入院させるわけにはいかないのですよ。
今回の場合も、14時間前の段階では、
看護師や助産師が、正常の範囲だろう。
という事で、いったん自宅での待機をお願いしたけど。
やっぱり、次の日の朝、すごく痛みが強くなったから
入院という事になったんですけど。
「常位胎盤早期剥離」っていうのは、
>時期はいつでも起こりえる
発生時期の予測は不可能
発生頻度は全妊娠の0.44〜1.33%
っていう事ですし。
正常の妊娠、お産でもお腹は痛くなるものですから。
その前の段階で、診断する事は無理だと思います。
ただ、電話で聞いた時は「大丈夫」って言ったのに、
なんでこんな結果になったんだ。
って思う、遺族の気持ちもわかります。
問題点3
死因、出血量、輸血に関して、
病院側の説明と、主治医の説明が違う。
私の知り合いの、ある医師のブログに、
関係者からのコメントが載って。
それは、10分くらいでブログ主が削除したんですが。
関係者がオープンなところに書いたということで、
そのコメントのコピーが「産科医療のこれから」の
『静岡「早剥」事件 関係者さまのコメントを検証!』
に載っていました。
私は「大淀病院」関係で、「遺族の情報がネット上に流出」。
って事で、読○新聞とか、某スポーツ新聞に、
名指しで叩かれて。
m3.comから、直接職場に電話がかかってきて
えらい迷惑だった。
っていう、痛い思いをしていますので。
参照:『医師の秘密漏示』
『大淀病院事件、ネットで詳細に2』
あえて、遺族のコメントのコピーはここには載せません。
これによると、遺族の話では、
「主治医からの説明では、大量の出血、輸血はなかった」
と言われているようですね。
新聞記事にも書いてある通り。
>母体は3リットルを超える大量の出血
輸血を含む5リットル以上の輸液で対処
という事ですから。
お母さんの方は、3リットル出血したようですが。
妊婦さんですからね。
この3リットルというのは、羊水込みです。
『早剥での母児死亡 刑事介入!!』
のコメント欄で、産婦人科医の「子持ちししゃも」先生が
コメントしていますから。
これを見て下さい。
妊婦さんは出血に強く、分娩後や帝王切開後の
出血3000ml(羊水込み)による重度の貧血だけでは
死亡にいたりません。
正常の女性のヘモグロビン濃度12g/dlの
半分の5-6g/dl程度まで重症の貧血も珍しくなく
死亡しない例もたくさん経験しています。
私自身もつい最近帝王切開後ヘモグロビン4.3g/dl
の方を経験しましたが、輸血が届くまで
冷や冷やしましたが救命できました。
この状態(ヘモグロビンが正常の1/2)の解剖所見では、
当然重症の貧血という診断となるでしょう。
組織内の血液成分の量が少ないのは
間違いないですから。
さらに、救命のために輸液という水分もたくさん
投与されていますからさらに薄まっているでしょう。
しかしそれだからといって死因が出血多量とは
ならないと思いますし、現役の産婦人科医師としても
この経過で出血多量のための死亡
と説明されても納得がいきません。
(5/2の病院の記者会見の方が、
不誠実であったと思います。
ご不快に感じられたのは当然でしょう。)
>なぜまだ病気の可能性が否定されていないのに
病院側が出血多量死と発表したのでしょうか
私もこの時点での病院の発表は軽率だと感じました。
(まだ死因が判明していない時点であるため)
産婦人科医としては、この出血量のみで
死亡の原因といわれても納得いきません。
投稿: 子持ちししゃも | 2008年5月 4日 (日) 02:08
妊婦さんが、3リットルの出血だけで、
出血多量で亡くなる、という事は考えられないんですよ。
きちんと輸液、輸血もしていますし。
これは、産科の先生だけでなくって、
私のような内科医でもわかる、基本的な医学知識です。
それなのに、病院側の説明では、死因が今の所
わかってもいないし、産科の先生から考えたら
ありえないような、「死因は出血多量」
という説明をした。
主治医の先生は、妊婦にとって3リットルの出血
というだけでは、致死的にはならないから。
出血量としては少なくはないけど、
死因としては考えられない。
という事で、そういう説明をしたのだと思います。
しかし、病院側は、死因がはっきりしてもいないのに、
死因は出血多量だった、と言っている。
そこで、話が食い違って、
遺族の不信感が生じているのだと思います。
輸血したかどうかっていうのも。
急変した後、循環器内科医の先生とかも来ていますから。
もしかしたら、循環器の先生が、先頭になって、
どんどん輸血とか輸液をして、主治医の産科医の先生が、
輸血について把握していなかっただけかもしれないし。
言葉の問題とかもあるかな。
「輸血」っていっても、いろいろあるんですよ。
一般的に輸血っていったら「濃厚赤血球」という、
いわゆる「赤血球」の製剤の事を言います。
我々、医師や医療関係者は、輸血といえば、
「濃厚赤血球」の事だと思います。
ただ、厳密に言えば、肝炎問題で話題になった、
「血液製剤」というのも、血液から造られるものですから。
これを入れたら、「輸血」という言葉を使っても、
間違いではないかな、と思います。
血圧が下がったら、血圧を上げるために
「アルブミン」っていう製剤を使いますからね、普通。
もしかしたら、こういう「血液製剤を使った」、
っていうのを「輸血」と表現しているのかもしれませんし。
そこらへんは、何とも言えません。
主治医の産科の先生は、わざと輸血に関しては隠した。
って事ではないような気がします。
そんな事しても、なんにも意味ないですからね。
まとめると。
問題になっているのは、
問題点1
緊急帝王切開の前に、「胎盤早期剥離」というのは、
死亡率も非常に高い、という事の説明が
十分ではなかったかもしれない。
問題点2
死亡する約14時間前に、一回病院に電話したが、
看護師や助産師の判断で、自宅待機となった事。
問題点3
死因、出血量、輸血に関して。
病院側の説明と、主治医の説明が違う。
問題点1に関しては、「緊急の帝王切開」ですから。
一刻を争う手術ですから。
その前に、説明が十分ではなかったとしても、
やむを得ない面はあると思います。
問題点2に関しても、妊婦でお腹が痛い、
っていう人を、全員入院させることは不可能なので。
その段階での電話対応自体には、
問題はなかったんじゃないかなー、って思います。
一番問題になるのは、問題点3でしょうかね。
これって、「福島大野病院」とか、「大淀病院」とか。
医療訴訟では結構問題になる事も多いんですけど。
「院長、病院側の対応」です。
静岡厚生病院の玉内登志雄院長っていうのは。
これを見ると、外科医のようですね。
→ 『第2回日本乳癌学会中部地方会 一般演題』
主治医の産科医の先生が、現段階では、
死因はわからない。
出血量も、妊婦で3リットルだけでは、
出血多量で死ぬほどの出血ではない。
って判断しているにもかかわらず。
産科に関しては素人の外科医である院長が、
「後日の発表では大量の出血により死亡」
という事を言ったのが問題なんだと思います。
確かに地位とか、役職とか、そういう事に関しては、
院長 > ただの産科医
という事なんですけどね。
こと、医学の専門分野の「産科」って事に関しては、
ただの産科医 >>>> 外科の院長
ですから。
産科の話でどっちが正しいか、って言ったら、
平の産科医の先生の話の方が正しい。
という事も、多いと思いますよ。
輸血に関しては、主治医の先生が知らなかったとか、
血液製剤は使ったけど、濃厚赤血球は使っていないとか。
そういう事だと思います。
新聞やブログに書いてある事からしかわかりませんけど。
私がわかる範囲では、この件に関しては、
医療ミスはなく、「常位胎盤早期剥離」という
重症の病気の為に母子が亡くなった。
という事だと思います。
ただ、産科の事をわかっていない外科の
院長(病院側)の説明と
主治医の産科医の先生の説明に食い違いがあった。
という事ですから。
主治医の産科医の先生に、もっと詳しく説明を聞く。
できれば院長も一緒に入って貰って。
もしくは、この病院には主治医の先生以外にも
産科の先生はいるようですから。
主治医以外の産科医の先生に、
客観的にお話しをしてもらう。
っていうのが良いんじゃないかなー、
って、個人的には思います。
遺族の方は、
>「今の時代に、母子ともに死亡するなんて
信じられない。
提訴も検討したい」
と、言っておられますけど。
「常位胎盤早期剥離」というのは、今の時代でも、
子供は2〜3人に1人は亡くなる。
母親の方も、10〜25人に1人は亡くなる、
重症の病気ですから。
医療ミスがなくても、亡くなる場合もある。
っていう事を理解してもらいたいです。
あくまで病院側、院長の主張というのは、
マスコミと言うフィルターを通して見ているので。
本当にそう言ったのか確かではないので、
厳密にはなんとも言えませんがね。
院長、病院側の対応に問題があったという事なら、
不信感を持つ事自体は仕方がないかもしれません。
ちょっと話は変わるけど。
この院長のせいなのか。
読売新聞の記者のせいなのかわかんないけど。
この記事の書き方は、ちょっとおかしいですよね。
胎盤早期剥離は妊婦の1%程度にみられ、
胎児に酸素が供給されないため、
胎児死亡率は30〜50%と極めて高い。
妊婦も出血を起こすことが多いが、
死亡率は一般に10%未満で、
妊婦、胎児とも死亡するのは
「妊娠5000〜1万例中に1例」
書いている事は間違ってはいないけど。
よーく見てみると。
胎盤早期剥離は妊婦の1%程度
胎児死亡率は30〜50%
妊婦の死亡率は一般に10%未満
って、分母は全部「胎盤早期剥離」なのに、
妊婦、胎児とも死亡するのは
「妊娠5000〜1万例中に1例」
っていきなり分母が「全妊婦」になっていますからね。
正常の妊婦さんを分母にしたら、
死亡率だって減るに決まってるでしょ。
妊婦の死亡率は一般に10%未満
っていう事は、上にも書きましたけど。
10人ちょっといれば、1人は亡くなる。
って事ですから、すごく重症の病気なんですよ。
でも、
妊婦、胎児とも死亡するのは
「妊娠5000〜1万例中に1例」
って書き方になったら、ものすごーく珍しい。
っていうようにしか見えないですからねー。
なんで、こういう書き方をするのか、
ちょっとわからないですわ。
せっかく良い記事も増えてきたのですけどね。
読売新聞。
やっぱ、医療情報部は、駄目かなー。
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