FC2ブログ
現役医師、循環器内科医(Dr. I)が医療について、詳しくわかりやすく解説するブログ。 引用、転載は自由ですが、その際は必ず引用元を明記して下さいね!
  • 01«
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 13
  • 14
  • 15
  • 16
  • 17
  • 18
  • 19
  • 20
  • 21
  • 22
  • 23
  • 24
  • 25
  • 26
  • 27
  • 28
  • 29
  • »03
病院は赤字が良い
あけましておめでとうございまーす。
今年もよろしくお願いいたします。

昨年くらいから、忙しいのもあって。
なかなか、ブログが更新出来なかったのですが。
多分、今年から急に楽になる、
って事はないと思うので。
更新頻度自体は、あまり変わらないと
思うんですけど。
昨年までと同様、今年も
このブログをよろしくお願いしますね。


そいで、今年最初の記事は。
病院赤字の方が良い」
ってネタですわ。

医療崩壊の原因が、医療費不足
医師不足にある、っていう主張を
以前からしているくせに。
病院赤字の方が良いとは何事だ。
って思う人もいるかもしれませんけど。

赤字の方が良い、っていうのは
何も病院だけじゃないんですよ。

具体的に言うと、病院以外にも、
警察消防、あと自衛隊なんかもですね。

ここまで言ったら、意味わかりますよね。

警察や消防、自衛隊なんかの組織は、
国や自治体、国民を守るためにある訳で。
全く仕事がないから存在価値がない
っていうもんではないんですよ。

警察は赤字だから潰せ、とか。
消防は赤字だから潰せ。
とか言う主張をする人は、誰もいません。

まあ、自衛隊はなくても良い、
って主張をする人はいますけど。
それって、本来は警察がなくても良い、
って発想と同じなので。
私には賛成出来ません。

まあ、自衛隊の話はおいといて。

警察が暇だ、っていう事は、
犯罪の数が少ないって事ですから。
誰がどう考えても、良い事ですよね。

消防が暇だ、っていう事は、
火事が少ないっていう事ですから。
これも良い事だっていうのも
反対する人はいませんよね。

犯罪や火事は多い方が良い、
って人なんか誰もいませんよね。

それと同じで、病院が暇だって事は、
病人が少ないっていう事ですから。
本来は、良い事なんですよ。

なんか、病院赤字でけしからん、とか。
事業仕分けとか、財務省とか、
そういう所から文句言われているけど。
本来、病院っていうのは、
赤字の方が良いものなんですよ。

病院を黒字にするために、
特に地方自治体なんかが苦労してますけど。
病院赤字で何が悪いんですかね。

病院が赤字っていう事は、
病人が少ない、病気になって
病院に行く人が少ない。
入院する人が少ない、って事ですから。

それのどこが悪いんでしょうか。

病院を黒字にしろ、っていう事は
国民や市民にもっと病気になれ、
もっと病院にかかれ、
っていう事なんでしょうかねー。


まあ、実際のところは、
人口10万人位の都市であれば、
大きな病院が一つ位が適正だ。
と言われているんですけど。

こういう都市に、民間病院が2つもあって、
公立の病院が潰れそうだ。
っていうのに、この公立病院
赤字なのはけしからん。
もっと立派な病院に建て直して、
公立病院を黒字にしろ。
とか、無茶な事を言うのが悪いんですよ。

病院は3つもいらないんですから。
この赤字の公立病院を潰せば良い
っていうだけの話ですからね。

まあ、例えばの話ですけど。
こういう所で、新しい病院
豪華に建てるから、町や市の赤字
大きくなるから悪い。
っていうだけの話で。

病院自体が赤字だ、っていうのは
むしろ病人が少ない、病気の人が少ない
っていう事ですから。
むしろ、喜ばしい事なんですよ。

実は、すごく当たり前のような事で、
こういう主張をしている人っていうのは、
以外と少なかったんですけど。

ちょっと似たような意見を見つけたので、
ここで紹介させていただきますね。

夕張」に行かれて、今や全国でも
超有名になった、村上智彦先生の話です。

いつもお世話になっております。



時代を駆ける:村上智彦/5止 
北海道から地域医療モデル、発信したい

 ◇TOMOHIKO MURAKAMI

<生まれたのは北海道北部にある歌登
(うたのぼり)村(現枝幸(えさし)町)。
06年に合併し、歌登は
市町村名としては消えた。

典型的な医療過疎の町で、
母親は村上さんを自宅の長いすで産んだ>
 
僕は子どものころ、へき地の
みじめさを味わった。
それでも当時の住民には
モラルがあったように思うんだ。

だけど、今は違うね。
住民や自治体は医者を使い捨てにし、
国も医師を増やそうとしないのに、
「命にかかわることだから」
と過労死するレベルまで平気で
時間外勤務を強いる。
地域医療を立て直すには、まず
医師を疲弊から救うことが必要だよ。

そのために、僕は夕張の住民に、
かかりつけ医を持つように言っている。
いつ病気になるか分からないから、
定期検診を受けてもらい、
異常が見つかれば治療する。

そうすれば、診療所へ慌てて
飛び込んでくることもない。
病状が悪化してしまった場合には
専門医を紹介するし、専門医も
同業者に言われれば
「責任を持って診なければ」
という気になるものだ。

「どこの病院にかかろうが、患者の自由」
というのは間違いなんだよ。
 
もう一つ、119番とは別の
電話相談窓口を確保できないか考えている。
病状が心配な時に電話をかけてもらい、
アドバイスを受けてもらう。
一方、救急車は本当に
必要な人のためだけに使おうよ。
そうすれば医師の負担は軽くなる。

 
<夕張市に来て4度目の冬を迎えた。
村上さんは新たに「支える医療
を提唱し、高齢化社会における
あるべき医療の姿を模索する>

「支える医療」は、
地域の高齢者だけでなく、
福祉事業などを含めて医療が支える
という意味で名付けたんだ。

やっていることは地域医療と同じだけど、
地域医療という言葉だと、都会からは
「田舎の特殊な医療
とみられる傾向がある。

都市部の医師でも受け入れやすいように
違う言葉で表現した。

今、日本全体で高齢化が進んでいる。
高齢者医療が必要なのは都市部も同じ。
どこでも通用する仕組みを作り、
夕張から発信したいと思っている。

具体的には、市立診療所では
歯科医師が自宅に出向いている。
高齢者に食事の喜びを
味わってもらえるようにね。

また、高齢になると家で何が起きるか
分からないから、自宅で倒れた場合に備え、
緊急医療に必要な情報をまとめた
「命のバトン」の設置を進めている。

その人の基礎疾患や薬などの情報を
書いた紙をリレーのバトン形の
容器に収めたもので、
(戸棚などではなく)自宅の冷蔵庫に
入れておくと決めておく。

そうすれば、救急搬送が必要になった時、
救急隊員は冷蔵庫を開ければいい。
そして搬送先の医師に活用してもらう。
こうしたやり方は、
都会でもできるはずだ。

 
<患者はみんな自宅で老衰で死んでほしい>

母方のじいちゃんは戦争で片足を失い、
戦後を障害者として生きた。
でも不自由な体で僕を競馬に連れていったり、
鉄道に乗って駅弁を
食べさせたりしてくれた。

僕は「障害があっても、
その人らしく生きていける」
っていうことを学んだ。

じいちゃんは80歳近くまで生き、
最後は認知症と胃がんを患って
病院で亡くなった。

大学受験のさなかだった僕は
死に目に会えなかったけど、
今なら家で死なせてあげられたのに、
と残念に思っている。

高齢者には死ぬまで
尊厳を失ってほしくない。
だから患者には
「若い人に迷惑かけてもいい。
死ぬまで生きて」
と言っている。
僕の患者はみんな老衰で
死んでほしいんだ。


<北海道が好きでたまらない
“北海道バカ”を自称する。
夢は「日本一長生きな北海道」
をつくること>

北海道の自治体は補助金依存が強いし、
住民は健康意識が低い。
でも本州に出たら北海道の良さが分かった。

この豊かな自然を伸ばせば
北海道のアイデンティティーになるし、
医療に生かせば日本一長生きになれる
と思ってね。

「北海道は老後を過ごすにはいい場所だ」
って言われるのはうれしいじゃない。
地域医療を充実させ、
都市で疲れた高齢者が来て老後を過ごす
モデルができるなら、そこに
お金をつぎ込む価値はあると思う。


<地域医療はまちづくり>

地域医療の面から見て、
良いまちのシンボルは
「国保黒字で病院赤字」。

自治体が運営する国民健康保険は、
住民が健康意識を高めて病気予防に
励むと医療費を安く抑えられるから
黒字になる。

健康な住民は医者にかからないから、
そのまちの病院は収入が減る。
それでいい。
都会の医師
「住民の健康意識が高く、働いてみたい」
と思えるような地方をつくりたい。

僕が理想とする地域医療は、
まちづくりと似ている。

医師と行政が連携し、限られた
社会資源を上手に使うシステム作り。
瀬棚町でやったようにね。

だから、お金はかからない。
社会保障がしっかりすると、
住民は将来への不安がなくなる。

すると貯金をしないでお金を使うから、
まちが元気になる。

長生きできるようになれば、
孫の面倒をみられるから
少子化対策にもなる。
それはまちづくりと同じでしょう?

究極の地域医療とは、自分が骨をうずめたい
と思える地域をつくることじゃないかな。
僕にとってそれは夕張じゃない。

将来は生まれ故郷の歌登か
その周辺に戻りたい。
いずれ、そこの住民たちと地域を愛する
気持ちを共有できたら幸せだな。

=村上さんの項おわり


『毎日新聞:2009/12/29』


村上先生は毎日新聞で
>地域医療の面から見て、
良いまちのシンボルは
「国保黒字で病院赤字」。


と主張されていますけど。
おっしゃる通りだと思います。

実は私、2年程前から、
あまり誰も言っていない地域医療の理想
について、一部の人間には
話しているんですけど。
ちょうど良い機会なんで、
ちょっとブログに書いてみますね。
多分、ブログとかに書いて
公にするのは初めてだと思います。

上に書いた通り、私の理想とする
地域医療病院赤字
っていうのもあるんですけど。
実際問題として、赤字になったら
困ってしまいますよね。

でも、冷静に考えてみて、
病院赤字だろうが何だろうが、
医療には金がかかるし。
国も医療を出さなければならないし。
国民は保険料も出している。
という状態なんですから。

病院赤字って事は病人が少ない、
病気になる人が少ない、って事ですから。
そうなったら得をする、っていう
システムを作れば良いんですよね。

村上先生が言うように、シンプルに
「国保黒字で病院赤字」。
って事でも良いんでしょうけど。

私が言うのは、理想論なので、
ちょっと実現は難しいかもしれませんけど。

私の理想は、道州制にして、
医療費を一括して国が地方に渡す。

そして、残った金は自由に使ってよい。
というやり方です。

細かいやり方は、いろいろあるんでしょうが。
一言で言うと、そういう事です。

例えば、記事にも出てきた北海道。
これを例に出しますけど。
今、北海道の医療がいくらかかってるか、
全く知りませんけど。

例えば、国が北海道に医療として、
一兆円を渡します。
まあ、この額は去年の実際の医療
そのまま渡すって事で良いかと思いますが。
それが、例えば一兆円だとして。

今年、北海道の医療9000億円ですんだ、
という事になれば、今年は1000億円の黒字
っていう事になりますから。
余った1000億円で、公共事業を
行っても良いし。
定額給付金みたいにばら撒いても良いし。
更に病院を造るとか、保育所を造る、とか。
思っていた以上の黒字に関しては、
地域の自由にして良い。

っていう仕組みが理想だと思います。

そしたら、医療を少なくするために。
例えば、インフルエンザワクチンを無料にする。
とか、健康診断は無料にする、とか。
そういう工夫をしていきますからね。

病気の人を作らない、病院にかかる人を
なるべく減らそう、という工夫

すなわち、「予防医療」に
もっとお金をかける事になります。

そいで、医療だけでなく。
私が思っている道州制っていうのは、
アメリカの州のようなものなので。
北海道はタバコ税が高くてタバコ1000円。
とか、東北は医療は無料だけど、
消費税は10%とか。
そういう、税金に関しても、
州が自由に出来る、っていうやり方なんですよ。

タバコ税を上げて、医療が減ったら、
自由に使えるお金も増えますからね。

まあ、あくまで理想ですけどね。


民主党になって「地域主権
とか、訳のわからない造語が出来てますけど。
そういう、意味がわからないけど、
実際は主権が地域にない、
っていうのとは、全く別の「道州制」。
そういうのが良いなー、
って個人的には思います。

まあ、道州制でなくても良いんだけど、
病院赤字になって病人が減れば
得をするような「システム
というのが出来れば良いな、
って思っています。

今のシステムだと、全く逆なんで。
意味のない競争をする事によって、
逆に医療が高騰している。
という事になっていますからね。
その悪い典型が「アメリカ」です。

アメリカの悪い面ばかりを真似しないで、
日本独自の良いシステムを
作っていってもらいたいものですね。













診療報酬ほんのわずかにアップ
10年ぶりに、ほんのわずかとはいえ、
診療報酬が増額になりましたね。
まあ、たったの0.19%
額にすると、国費ベースで160億円なので、
全然足りないですけどね。

だって、小泉政権以降、診療報酬
マイナス改定が繰り返されて、
合計マイナス7.73%ですから。


ここ数年、医療崩壊の話が
毎日のようにメディアでも報道され。
多くの人たちが、今までは他人事だったのに、
やっと自分達の周りでも医療崩壊
起こっている、って事に気づいて。
その大きな要因が医療費抑制政策のせいだ、
って事も理解されてきましたから。
さすがに、財務省も医療費を減らす、
って事は出来なかったんでしょうね。


医師不足じゃなくて、医師の偏在だ。
とか、医療費不足ではなく、配分の問題だ。
っていうレベルでは、医療崩壊の問題は
絶対に解決できない。
という事は、もうほとんどの人が
気づいているのに
最後の最後まで、くだらん言い訳ばかりして、
医療費を抑制しようとしていた財務省。


この状況で更に診療報酬を減らして、
医療崩壊がこれ以上進んだら、
さすがの財務省でも言い訳できませんから。
アリバイ的に、診療報酬を増やしましたよ、
って事なんですよね、これ。


はっきり言って、予想通りですけど。
まあ、マイナスじゃなかっただけ
良しとしますか。



0.19%、10年ぶりプラス改定で合意  
来年度診療報酬改定
日刊薬業 2009/12/24

政府は23日、2010年度
診療報酬改定について、
医師の技術料に当たる本体部分と
薬剤費を合わせたネットで0.19%の
プラス改定とすることで合意した。

ネットでのプラス改定は2000年度以来
10年ぶりとなるが、上げ幅はわずかで、
政権公約で医療崩壊からの脱却を打ち出した
民主党が辛うじて体面を守った格好となる。

プラス改定に必要な財源は約700億円
(国費ベース160億円)に相当し、
この分は診療報酬全体の中でやりくり
するのではなく、財務省が純増の
財源として手当てする。

本体部分の改定率はプラス1.55%で、
薬価はマイナス1.23%
(薬価ベースでマイナス5.75%)、
医療材料はマイナス0.13%となった。

ネットでのプラス分、薬価や医療材料の
引き下げ分(約5000億円)を合わせた
約5700億円が本体部分のプラス改定に
そっくり充てられることになる。

救急など急性期の入院医療
4000億円程度を振り分ける方針だ。

診療科ごとの改定率は医科1.74%、
歯科2.09%、調剤0.52%で、比率に直すと
1対1.2対0.3となる。

これまでの改定は医科と歯科は同じ配分に
なるケースが目立っていたが、
歯科を手厚くした。
厚生労働省は過去の配分で
評価しきれていなかった分を
戻すためと説明している。

診療報酬改定をめぐっては、財政状況の
厳しさから財務省がネットでのマイナス改定を
要求していたが、長妻昭厚生労働相は
同日の会見で、
医療崩壊の声、地域医療立て直しの
声が届いており、その意味で
理解いただけたのではないかと考えている」
と述べ、厚労省の主張が認められたことに
安堵感をにじませた。

一方、プラス改定はあくまで勤務医と開業医、
診療科の間の格差是正が前提であると強調し、
具体的な点数配分を決める中医協でも
この方針に沿って議論が進むよう念を押した。
救急や産科、小児科、外科などを中心に
財源を配分することを想定している。

野田佳彦財務副大臣は会見で、事業仕分けで
決まった長期収載品の薬価の引き下げや
診療報酬の配分見直しに触れ、
「この線に沿って厚労省には
私どもの主張をしてきたつもり。
十分かどうかということは何とも言えないが、
一応合意はしたので配分の見直しは
しっかりやっていただく」
と述べた。




民主党のマニュフェストに
「日本の医療費をGDP費で、
OECD平均まで増やす。」

っていうのがありますから。
ここで診療報酬を減らしたら、
完全に公約違反になっちゃいますからね。

公約違反で、かつ医療崩壊を更に進めた。
という事になれば、次の選挙も厳しいし。
実際問題として、国の支出で増えるのは、
160億円だけですから。
建前だけでも増やしますよね、当然。
金額的には屁でもないでしょ、この程度。

まあ、それ以外にもマニュフェスト違反を
たくさんやっていますから。
今さら、後一つ増えてもたいした事ない、
っていう考えもできますけどね。

医療だけでなく、民主党政権というか、
鳩山首相というか。
一言で言うと、
「プランがない」
ですよね。

戦略がない、という言い方も、
出来るかもしれませんけど。
国だけでなく、企業でも集団でも、
トップのやる事で一番大事な事は。
「方向性を出す」
って事だと思うんですよね、私。

「コンクリートから人へ」
とか
「友愛」
とか。
言葉はいろいろ出ているみたいですけど。
はっきり「予算」という具体的な形で
出してもらわないと。
ただ、行き当たりばったりにしか見えませんよ。

国民も、そろそろ気づいてきたようですけどね。
来年の参議院選、民主党の圧勝で、
3党連立なんか必要なくなる、
って見方をしていた人の方が
少し前ならほとんどだったと思いますが。

ちょっと、来年の参議院選も楽しみですね。
こんなに失点ばかりなのに、
それを攻めきれない自民党も、
だらしないですけどね、あまりにも。


私だけじゃなくって、私があまり好きでない
日本医師も同じような事を
言っているようです。
まあ医師とか関係なく、
ほとんどの医師はそう思っているでしょう。



「160億円が地域医療の崩壊に対する
新政権の手当か」
日本医師会が診療報酬改定について会見

12月24日,日本医師会は前日政府が
診療報酬を10年ぶりに引き上げる
と発表したのを受け,会見を行った。

プラス改定そのものは評価したものの,
全体の改定幅が0.19%増と
なった点について,日医常任理事の
中川俊男氏は,これは国庫財源で
換算すると,160億円に過ぎないとし
「これが日本の地域医療の崩壊を防ぐ
新政権の手当かと思うと,全国の
医療関係者は本当に失望していると思う」
と非難した。


「小幅過ぎる改定」に対し,
中医協がどう動くかにも注目
 
会見を行った中川氏はまず
唐沢祥人会長名の見解を読み上げた。

それによると,10年ぶりに診療報酬
プラス改定となったことについては
「厚生労働省政務三役が医療再生のために
ご尽力された成果である」
と評価の姿勢を示した。

しかし,これまで民主党が
マニフェストで国内総生産(GDP)に占める
医療費の割合を経済協力開発機構
(OECD)加盟国平均まで引き上げる
としていたことを挙げ,診療報酬全体で
0.19%,本体で1.55%という改定幅に
関して苦言を呈さずにはいられないと批判。

今回の改定が医療現場に希望を与える
水準にはなく,「新政権に期待を寄せてきた
全国の医師医療現場はいま
大きく失望し,憤りすら覚えている」
と遺憾の意を示した。

見解発表後,日医が診療報酬改定を
評価したのか,あるいは評価しなかったのか,
具体的な点に質問が集まった。


中川氏は
「合格ラインが60点とすれば
50点くらいですかね。
簡単に言えば不合格」とばっさり。

さらに,
「そもそも医療費を上げて医療崩壊
阻止するということは,民主党の
マニフェストなどにおいて,子ども手当と
同じに一丁目一番地だった。

その政策をこのように例えば
改定率全体で0.19%,この国庫の財源は
160億円に過ぎない。

これが日本の地域医療の崩壊を防ぐ
新政権の手当かと思うと,全国の
医療関係者は本当に失望していると思う」
と強調した。

 
ではどのくらいの改定幅が必要か,
との質問に対しては,小泉政権以降の
診療報酬のマイナス改定の繰り返しが
-7.73%の累計に及ぶとの日医の
これまでの主張を示した。

そのうえで,少なくとも
「3,4,5%とか,そういうレベルの
引き上げが必要だったと私は思っている」
とした。

また,現在,中央社会保険医療協議会
(中医協)が進めている勤務医,産科,
小児科,救急医療に関する立て直しの議論も,
診療報酬の大幅引き上げを前提と
したものであり
「今回の小幅過ぎる改定において,
いったい中医協はこれからどういう
議論をするのか」
とし,優先順位をつけた冷静な
議論を求めるとともに,日医としても
必要に応じてアドバイスをしていきたい
と述べた。

さらに,昨日の会見で長妻昭厚生労働大臣が
「小幅であるが,平均的に上げる
のではなくメリハリをつける改定を行う」
として再診料や診療科間の配分の見直しを
示唆したことについて,中川氏は
「恣意的かつ誤ったデータによって出された
事業仕分けの際の結論を踏まえた
ものになっている」
と大臣発言が財務省の影響を
色濃く反映していることにも警戒感を示した。
(坂口恵)


『2009年12月24日:MTpro』

(会員のみの記事です)



医療崩壊の真犯人は医療費抑制政策
医療崩壊の真犯人」っていう本を、
元財務官僚村上正泰氏が書かれましたね。

元財務官僚も、『医療崩壊の真犯人』で、
医療崩壊の一番の原因は「医療費抑制策
と思っているようですね。

医療費を上げろ、って言ったって、
「医者の給料をもっと上げろ」
って言っているわけではないんですよ。
我々医者も含め、医療費を上げろって
主張している人間は。

病院にたくさん患者が押し寄せてきて、
患者を診る医師や看護師の数が足りない。
それに、医師や看護師以外の人も足りないから、
医師達の仕事が増えて、医師が疲弊して
どんどん病院からいなくなる。
でも、患者は増えつづけている。

という負の循環で医療崩壊は起こっています。

医療というのは、「人材集約型産業」ですから、
人を雇わないとできない仕事なんですよ。

でも、人を雇うだけの金がないから、
医師や看護師の仕事がどんどん増えている。
年々医療は高度化して、人手がもっと必要なのに
病院の人は増えない。

それは、人を雇うだけのお金が病院にないからです。
んで、人を雇うお金っていうのは、
基本的には「診療報酬」になりますから。
診療報酬を上げろ、っていう主張になります。

日本の診療報酬、とくに「技術料」
と言われる手術とか手技の値段は
他の先進国の数分の一とか、
下手したら、十分の一くらいですからね。
それらを適正な値段にしなさい。
というのが、私の主張です。

もちろん、診療報酬だけでは難しい面もあるから、
地域医療に貢献している病院とか、
診療所なんかには、それに応じた補助金を出す。
という政策も必要だと思います。

もちろん、金だけで全て解決するとも思っていません。
患者の数が多くて医師が少ない、
というのが原因ですから。
患者の数を減らす、アクセス制限予防医療
といったものも、もちろん必要だと思うし。
医師の数を増やす事も必要だと思います。

民主党は医師数を1.5倍に増やす。
医療費もOECD平均まで増やす。
とマニュフェストには書いてありましたが。
いつまでに、って事は書いていないんですよ。
残念ながら。

それでも、民主党が政権を握るまでは、
期待はしていたんですけど。

なんか、官から民へ、とか言っておきながら
財務省の言いなりで、医療費は抑制する
っていう方向にしか見えないんですけどねー。
今のところ。

元財務官僚で「医療崩壊の真犯人」って本を
最近書かれた村上正泰さんも、
私と同じように考えられているみたいですね。
m3.comにインタビューが出ていたので、
ちょっと引用させていただきますね。
いつもお世話になっております。



医療費亡国論」からの脱却が不可欠
-元財務官僚・村上正泰氏に聞く◆Vol.1

「国民負担率の抑制が、あらゆる政策の出発点だった」
2009年11月25日 聞き手・橋本佳子(m3.com編集長)


「わが国の医療制度の危機的状況の最大の原因は、
これまでの低医療費政策」。

今年10月に上梓した『医療崩壊の真犯人』(PHP新書)で、
こう指摘した村上正泰氏。村上氏は財務省に入省、
2004年から2年間は厚生労働省に出向し、
2006年の医療制度改革に携わった。

現在は退職し、財団法人日本国際フォーラム所長
として活動すると同時に、財務・厚労の
両省での経験を踏まえ、医療分野での評論活動を展開する。

医療の現状認識や、事業仕分けをはじめ
民主党政権下の政策決定プロセスなどについて、
村上氏に聞いた。
(2009年11月21日にインタビュー。計5回の連載)



村上正泰氏 1974年生まれ。
東京大学経済学部卒業後、大蔵省(現財務省)入省。
在ニューヨーク総領事館副領事などを経て、
2004年7月から2年間、
厚労省保険局総務課課長補佐。
2006年7月退職。

 
――『医療崩壊の真犯人』では、様々な要因があるとしながらも、
医療費抑制策が一番の医療崩壊の原因であるとしています。



社会保障費の適正な水準は、各国の状況によって
違ってくるため、一概には言えません。

ただ、日本は既に世界で最も人口の高齢化が進んでおり、
対GDP比の医療費がOECD加盟国の中で
長年下位である状況は、明らかに異常でしょう。

高齢化が進めば、医療費は当然増えざるを得ない。
医療費の中でも効率化すべき部分は確かにあると思いますが、
過度に抑制されすぎていた。

その結果、現場にひずみが生じ、医師不足、
救急搬送、医療事故など様々な問題に
つながっているのだと捉えています。



 ――なぜ政府、あるいは財政当局は医療費
抑制してきたのか、どんな政策決定プロセスのために、
それが継続してきたのでしょうか。



1980年代から、『医療費亡国論』に代表されるように、
医療費の抑制が政策の前提条件になるような
雰囲気が非常に強かった。

税や保険料負担を抑えないと、経済の活力が失われ、
国民の生活が苦しくなるという認識が、政府だけでなく、
国民の間にあったと思います。

さらに、1990年代に入り、バルブ経済が崩壊し、
経済成長率は低下した。
税収も、保険料収入も落ち込む。
医療費を取り巻く財政状況が厳しくなってくる。

こうした中で、ますます「医療費を抑制しないと、ダメだ」
という雰囲気が強まった。

自民党政権時代の経済財政諮問会議でも、
「中長期的に医療費を抑制していく」という
大きな文脈の中で、医療費の伸び率管理
という議論が出てきました。

こうした点を踏まえると、20数年来、
医療費抑制という基本は変わらず、
そこに大きな問題があると考えています。



 ――2004年7月、財務省から厚労省に出向され、
経済財政諮問会議にもかかわっています。
医療費抑制」という目的の是非自体は、
議論にならなかったということですか。



当時も、厚労省はそれに対する反論を
細々とはやっていました。
国際比較でも、日本の医療費をはじめとする
社会保障費の水準は低い。

一方、ヨーロッパ諸国を見るとGDP比の
国民負担率が50%を超えていても、
経済成長率が低いわけではありません。

英国のオックスフォード大学の公共経済学の大家である、
アンソニー・アトキンソン教授は、詳細な国際比較を行い、
「国民負担率と経済成長率との間に、
統計的に有意な関係はない」という結論を出しています。

厚労省がこうした視点で反論しても、
経済財政諮問会議では、全く聞き入れられませんでした。

もっとも、厚労省が財務省に財源確保を要請しても、
他方で厚労省は他の役所とは異なり、
財政当局の役割を果たしている点にも着目すべきでしょう。



 ――それはどのような意味でしょうか。


国土交通省が「公共事業費亡国論」、
文部科学省が「教育費亡国論」などと言い出すでしょうか。

彼らは予算を上げろと言い、財務省との
つばぜり合いを展開するわけです。

これに対し、厚労省も医療費の引き上げを主張しますが、
医療費が増えれば保険料に跳ね返ってくる。
保険財政を預かっている立場からすると、
「保険料の上昇を抑えるためには医療費
抑えなければいけない」と厚労省は考える。

実は財務省の中にも、「厚労省、特に保険局は、
自分たちと近い考え方をする」との見方があります。

私は厚労省出向時、財務省の先輩から、
「保険局はなぜ医療費の伸び率管理に抵抗しているのか。
保険局は我々の味方、近い存在だと思っていたのに」
といった内容のメールを受け取ったことがあります。



 ――厚労省でも、保険局と、医政局をはじめ
他局との間では考え方が違うと思われますか。



医療制度改革の議論は保険局中心のところがあり、
医政局の主張、意見はプラスアルファで付いてくる程度。

私は2006年の医療制度改革に関わったのですが、
その前の2002年の小泉内閣最初の制度改革時も、
保険局マターが中心で、医政局関連の事項が
大きく取り上げられることはなかった。

私は保険局総務課で、「医療費適正化計画」の
枠組み作りに携わったのですが、平均在院日数の短縮、
療養病床削減の議論において、医政局の存在は薄かった。

これらは医療提供体制の話ですから、
医政局の観点からの議論が本来的には重要。

しかし、保険局で決めて、医政局に「こうしたい」と言っても、
医政局から積極的に意見が返ってくることはありませんでした。



 ――療養病床を削減するのであれば、
急性期から慢性期、在宅への流れを踏まえ、
医療提供体制の枠組みを考える議論があるべきです。



保険局から数値目標を提示しても、
医政局は無反応に近い状況でしたね。
その時に限らず、医療制度改革の時には、
保険局の声が強い。
「最後は、カネに行き着く」という面があります。


 ――その辺りを変えないと、「財政当局としての厚労省」
という側面が強く出てしまう。
「国民負担率を50%以内に抑える」という
前提条件を変える議論にもならない。



そうですね。
最終な部分は、政策の価値判断の話になると思います。

「国民負担率を50%以内に抑えなければいけない」
と考えるのか、ヨーロッパ諸国のように、
国民の合意形成を経ながら、社会保障費を徐々に増やし、
充実していくのがいいのか。

少なくてもこの10年間くらいは、
小さな政府志向が非常に強かったので、
「国民負担率は抑制しなければならない」
という考えが、あらゆる政策を考える上での
出発点になっていた。
この辺りはもっときちんと議論されるべきだと思います。




社会保障国民会議で抑制論から転換の兆し
- 元財務官僚・村上正泰氏に聞く◆Vol.2

医療者だけでなく、患者・国民にも医療への危機感



――麻生政権時代の社会保障国民会議は、
2008年11月に報告書をまとめています。

医療・介護費用についてシミュレーションし、
複数の改革シナリオを提示して、
負担増にも言及しています。
この会議では、原点に立ち戻った議論が
行われたとお考えですか。



今までの議論と方向性は変わってきたと思います。
従来の医療制度改革は、「2025年の医療費
これくらいですが、改革を実施すれば、
この程度に削減できます」という議論ばかりやっていた。

これに対し、社会保障国民会議では、
「こういう改革を実施したら、このくらい
医療費が増える」という議論だった。

ただ、その際の議論の中身は、
「急性期医療の部分はマンパワーを充実して、
在宅医療も整備し、平均在院日数は短縮する」
といった内容にとどまっています。

ではこうした改革を実施した時にどんな医療が実現するか、
もう少しビジョンがほしかった。
また、幾つかの改革シナリオを提示していますが、
結局、医師数や平均在院日数を変数としている程度で、
シナリオの中で、「どれを選びますか」と聞かれても、
大差がなければ選びにくい。

とはいえ、不満もありますが、
議論が変化してきたことは確かです。



 ――なぜ長年続いてきた医療費抑制という
議論の方向性が変わってきたのでしょうか。



やはり小泉改革で、ここ数年、相当荒っぽく
改革をやりすぎて、医療崩壊を招いた。
「このままでは安心して医療が受けられない」という声が、
医療者だけでなく、患者、国民からも
強くなってきたことが大きいと思います。



 ――しかし、社会保障国民会議では、
平均在院日数など以外の新しい指標が打ち出せなかった。



「在宅医療、介護なども含めて、
退院後も安心して生活できる体制作り」は、
長年指摘されてきた話。

これは正しい方向性ですが、社会保障国民会議の
ビジョンはこれだけなのか。
またこのビジョンを掲げるとしても、これまで遅々として
実現できなかったのはなぜか、
本当にこれを進めていくには何が必要なのか、
という議論が少なかった。

在宅医療は、診療報酬上で重点評価する
程度ではなかなか進みません。
在宅医療を推進するのであれば、
様々な側面から条件整備を行う必要があります。
 


 ――ビジョンに新しさや具体性がないとのことですが、
例えばどんなビジョンをお考えですか。



結局、同じような方向になるとは思うのですが、
在宅シフトを進めるという政策の根底にも、
医療費抑制の発想があります。

この考え方で組み立てていくと、絶対にうまくいかない。
そうではなく、「在宅医療がいい」のであれば、
在宅へのシフトが進んだ結果、医療費
増えても構わないという発想でスタートしないと、
急性期から慢性期、さらには在宅への流れは
永遠に「絵に描いた餅」でしょう。

医療費抑制を出発点にすると、政策自体も
非常に荒っぽいものになる。
療養病床の再編がその典型。

本来であれば、療養病床を削減するのであれば、
慢性期の医療の在り方、医療と介護の関係、
さらには受け皿の整備の議論から進めるべき。

しかし、実際には「医療費抑制」から議論がスタートした。
だから「病床を減らす」という数値目標をまず掲げる。
その後のことはそれから考えるという、
厚労省の政策の荒っぽさにつながる。

後期高齢者医療制度にしても、荒っぽく映っている部分は
この辺りが原因ではないでしょうか。

こうした思考であれば、厚労省の役人が
じっくりと物事を考えて決めるという雰囲気も失われる。
また実際に時間的な余裕もないのが事実でしょう。



 ――厚労省は、他省庁と比べて多忙なのでしょうか。


省内で余裕がある部署があれば、
そこから多忙な部署に職員を配置できます。

しかし、今はどの部署も忙しい。
また各部署にはそれなりに職員はいますが、
各部署が抱えている業務の多さ、責任の重さ、
重要性は相当なものだと思います。

日々の業務をこなしながら、次の政策を
考えていくだけの物理的な余裕があまりない。



 ――財務省との比較ではどうなのでしょうか。


例えば、財務省主計局は、各省庁との間で
予算の交渉はしますが、主計局が矢面に立って
国民と接することはほとんどありません。

国民、あるいは利害関係者と直接接して、
時には対峙するのは各省庁です。

特に厚労省の仕事は国民生活に
密接につながっているだけに、政策的な問題、
失敗があった時にそれだけ批判もダイレクトに受ける。

それに向き合うのは、大変だと思います。
もっとも、政策の失敗は自分が招いている
という自己責任はありますが。




次期診療報酬改定は民主党の医療政策の試金石
- 元財務官僚・村上正泰氏に聞く◆Vol.3

「今の議論を見ると、政権交代した意味があるのかと思う」



 ――社会保障国民会議で「医療費抑制政策」の
方向性が変わってきた。
そうした中で、民主党政権が誕生しました。
まず民主党のマニフェストに対する評価をお聞かせください。



最初にマニフェストを見た時は、
医療費をOECD平均並みに増やす」ことを
打ち出していたので、方向性としては期待していました。

ただ、いつまでに増やすのかなどの具体性に欠ける上、
医療についての理念が見えてこない。

医療以外でも「子ども手当て」の創設を打ち出すなど、
社会政策を重視する方向性は伺えますが、
一方で、“ムダを排除する”など、構造改革的、
小泉改革的な路線も見える。
両方の要素が混在しており、両者の整理が理念上、
あまりなされていない印象を持ちました。



 ――「期待していた」とは、過去形なのでしょうか。


医療の今後の方向性を占う上でも、
今回の診療報酬改定が重要だと思うのです。

医療政策をどうするか、民主党の姿勢が一番、
はっきり現れる。

現時点は、まだ議論の過程であり、
結論が出ているわけではないのですが、
野田財務副大臣などが、財務省主計局と
ほとんど同じことを言っているわけです。

政治家としての発言なのか、主計局に
言われたことを言っているだけなのか。
診療報酬の配分を見直し、開業医から勤務医に回し、
全体としては上げない」という発言は、
主計局に踊らされているとしか思えない。

長妻厚労大臣も、発言が揺れており、以前は
診療報酬を増やさなければいけない」と言っていた。

しかし、最近、「上げ幅をなるべく抑えて」
と発言しており、厚労大臣の発言としては
きわめて不適切だと思います。

このように今は「診療報酬全体は押さえ、
配分の見直しで改定」という議論が非常に強い。
それはおかしいのではないでしょうか。

従来から「開業医は儲けすぎ」という議論があります。
財務省が昔から言っていたことで、
今回の行政刷新会議の
「事業仕分け」でも議論になりました。

しかし、それが果たして本当なのか、
実態を反映しているのか、という点は実は
明確になっていません。

多くの方が指摘していますが、個人開業医の収入には、
将来の設備投資のための積立や、
退職金引当金に相当する部分などが含まれており、
勤務医との単純な収入比較はできません。

さらに「事業仕分け」では、診療報酬への
「公務員人件費・デフレの反映」なども言われていますが、
これも一方的な議論です。

こうした議論を続けているのだったら、
政権交代の意味がない。
政権交代はいったい何だったのかと。
主計局が「医療費抑制」を主張していた
時代と変わりません。



 ――そもそも主計局はなぜ、「医療費抑制」
を掲げ続けるのでしょうか。
仕事だから抑制政策を訴えるのか、財務官僚の
個人的な見解としてはどうお考えなのか。



それは個人にもよるでしょう。
ただ財務省は最初は厳しい玉を投げるものです。

診療報酬本体でプラスマイナスゼロ」は、
最終的には無理だと分かっていても、
財務省からは最初から緩やかなことは言えない。

しかし、今のやり方を見ていると、財務省の
厳しい玉を受けて、落とし所を探っていく
という従来の手法と変わらない。

「政治主導」と言うのであれば、
まず医療政策のビジョンがどうあるべきか、
その議論から入っていく必要があるのでは。



 ――今回の診療報酬改定は、今後の民主党の
医療政策を占う上で重要とのことですが、
長年の政策決定プロセスや方針を変えるのは
容易ではありません。
今、この時点で何をすべきでしょうか。



財務省も、勤務医対策の必要性は認めており、
急性期、救急、産科、小児医療なども
評価しなければならないと言っています。

その財源を開業医の側から持ってこようとしている。
しかし、診療報酬はマイナス改定が続き、
様々な部分が痛んでいる。

全体的な底上げをやらなければいけない時に、
配分の議論で全体としてプラスマイナスゼロにしたら、
解決にならない。

例えば、診療所は外来で重要な機能を
担っているわけです。
そこを削り、診療所が窮地に陥り、診療所の患者が
病院に押しかけたら、ますます勤務医は疲弊します。

道路や橋などの公共事業は、
「これは不要」と思えば、その部分だけを
中止することが可能です。
道路に当てる予定の予算は浮きます。

しかし、医療費に効率化の余地があるとは思うのですが、
医療の場合、「ここにムダがある」と言って、
すぐにその部分を削減・廃止することはできません。
効率化するにしても、徐々に時間をかけながら、
進めていくことになると思うのです。

例えば、ジェネリックを普及させ、
医療費を削減するという議論があります。
しかし、一気に普及して、医療費が一気に
下がるようなことにはなりません。

ジェネリックの有効性や安全性について
関係者が共有するなどの条件整備が必要で、
普及には時間がかかります。



 ――医療費を効率化できる余地があると思うのは、
どんな部分でしょうか。



明確に「ここにムダがあり、これだけ減らせる」とは、
なかなか言えないのではないでしょうか。

例えば、複数の医療機関を受診して、
多くの薬をもらう。結局、ほとんど服用せず、
患者の自宅に残っているケースがあります。
しかし、一気にこの問題を解決することは難しい。

あるいは軽症の患者でも、大病院を受診する。
その分の医療費は効率化できるとは思いますが、
一気には難しい。

厚労省も今まで診療報酬で、
例えば診療所の外来機能、病院の入院機能を
重点的に評価するなどしてきましたが、
なかなかうまくいかない。

そこで、かかりつけ医的な機能を制度化する
という話になります。
方向性はいいでしょうが、それを進めるためには、
信頼できるかかりつけ医を養成し、
患者が適切なかかりつけ医を選べる仕組みを
作っていかなければいけない。

その上で、病診連携を進めていく。
医療の効率化は、相当長い目で
考えていく必要があります。
それを道路や橋のように、不要だからスパッと
廃止して効率化できる、医療費を浮かす
と考えるのは「幻想」で、危険な議論です。



 ――療養病床の削減も同様です。
先ほども話がありましたが、まず「削減目標ありき」で、
医療提供体制の話は二の次になった。



結局、最初に削減目標を立て、その受け皿は
各都道府県が計画して整えますとしているだけです。

医療提供体制は、急性期の入院医療
慢性期医療、診療所の外来医療、在宅医療
それぞれ別個に存在するわけではなく、
密接につながっている中で医療が成り立っているわけです。

「ここにムダがある」「ここを手厚くするために、
こちらには痛みを」という構図は、どこかに
過度の負担がかかり、ひずみが生じる。
システム全体を壊しかねません。

財務省が昔ながらの主張をするのは、
「またか」という感じ。
しかし、事業仕分けの議論の影響を受けて、
長妻大臣まで「上げ幅なるべく抑えて、
配分を見直してやる」という話をするのは、おかしい。

長妻大臣の場合、社会保障、特に医療には
あまりかかわってこなかった。
どちらかと言えば、「ムダの排除」が
得意なのではないでしょうか。

だから、「ここにムダがある。
ムダは減らさなければいけない」といった
財務省的な議論に、親和性を
覚えているのかもしれません。



『元財務官僚・村上正泰氏に聞く◆Vol.1』
『元財務官僚・村上正泰氏に聞く◆Vol.2』
『元財務官僚・村上正泰氏に聞く◆Vol.3』



長妻厚生労働大臣。
野田財務副大臣とは違って、
官僚にコントロールされていないのは良いんですが。
予想通り、医療に関しては素人だから。
最初は診療報酬上げる、って言っていたのに、
なんかだんだん弱気になってますもんねー。

そもそも、診療報酬を上げるか、
医療費を上げるかっていうのは、
政治が決める事ですからね。
そういうのに口出して来る事も
おかしいような気はしますが。

財務省も、支出を減らすのが仕事だから
言ってくるのはしょうがないんでしょうけど。
それを、そのまま受け取るようじゃ、
とても「政治主導」とは言えないでしょー。


たしかに、医療にもたくさん無駄ありますよ。
病院評価機構」って、厚労省の役人の
天下り先の機関
ですけど。
これのせいで、大きな病院は「病院機能評価
に受かるため、それこそ何千項目もある
評価をクリアしようと、数年っていう年月と
膨大な手間をかけているんですよ。

まあ、100%無駄とは言わないけど。
メリット1としたら、デメリット10位ですね。

このせいで、無駄な書類が増えたり、
決まりが増えたりして、医師や看護師、
その他の医療従事者の仕事が大幅に増えて、
医療崩壊が進んでいる
、っていう側面もあります。

こういうのこそ、「行政刷新会議」で取り上げられて
「必要ない」って結論になれば良かったんですけどねー。

まあ、それは置いておいて。
財務省の官僚も、厚労省に来れば、
きちんとわかるんですから。

現場を知りもしないくせに、ただ「削減しろ」
って言うだけじゃなくて、いろんな所で
現場を見て欲しいですねー。




元財務官僚村上正泰さんが書いた
医療崩壊の真犯人」を読みたい人はこちら↓


療養病棟、救急受け入れ必要?
時間外に大量の患者総合病院
特に「救命救急センター」と呼ばれる病院
殺到して、医師が疲弊している。
それが医療崩壊の原因の一つである。
というのは、厚生労働省の役人も
さすがにわかっているようですね。

急性期病院の勤務医の負担を減らす為に、
療養病棟でも救急を受け入れろ。
っていう話が、中央社会保険医療協議会
(中医協)でも話し合われているみたいです。


日本の病院っていうのは、重症の患者とか
緊急の患者を受け入れる「急性期病院」。
それと、慢性期でリハビリ中心の患者などを
中心に受け入れる「療養型病院」っていうのに
分ける事ができるんです。

まあ、厳密に言えば同じ病院の中で、
急性期(一般)病棟と療養病棟
2種類の病棟(ベッド)を持っている病院もあるし。
亜急性期病棟、っていうちょうど中間の病棟
っていうのもあるんですけどね。

でも、基本的には「機能によって病院が分かれる
という事になっているんですよ。

療養型の病院、病棟っていうのは、
医学的には安定して、あまり人手もかからない
患者を診るっていう前提になっていますから。
病院には医師の数も看護師の数も少ないんですよ。

だから、緊急の患者とか重症の患者
24時間365日診る、っていうのは
物理的に無理なんです。

全ての病院24時間365日患者を診る
って事になったら医師も看護師も分散して、
結局はみんな人手不足になっちゃいます。

だから、急性期の病院には人手を多くして、
そこに重症患者や緊急の患者を集めて。
慢性期の患者は、人手の少ない病院で見てもらう。
という事で、メリハリつけて病院
全部は潰れないようにしている、
っていう面もあるんですが。

その療養型病院に、救急もやらせる、
という事になったら、下手したら全滅。
って事になりかねないと思うんですけどねー。
私は。

「ロハスメディカルブログ」に、
そこら辺の話が詳しく出ていましたので。
一部省略しながら、紹介させていただきますね。
いつもお世話になっております。



療養病棟救急受け入れ、反対続出
─ 11月20日の中医協

新井裕充 (2009年11月22日 )


重症患者を受け入れる「救命救急センター」に
軽症・中等症の患者が流れ込む
"三次救急の疲弊"を改善するため、
厚生労働省は療養病棟救急受け入れを
診療報酬で評価する方針を打ち出したが、
病院団体などから反対意見が続出している。
(新井裕充)

2010年度の診療報酬改定に向け、
厚労省は11月20日の中央社会保険医療協議会
(中医協)で、療養病棟の評価として、
「後方病床機能」「救急支援機能」を提示した。

このうち療養病棟の後方病床機能については、
「在宅医療や介護施設においては、
患者や入居者の病状の急変の際、
速やかに医療を提供できる後方病床の
確保が重要である」と指摘。

救急支援機能については、
「円滑な救急医療体制の構築が喫緊の課題」
とした上で次のように問題提起した。

「高齢者の軽症・中等症患者
救急搬送件数の増加が顕著であり、
救急医療機関において重症救急患者
受入れられなくなるケースが生じている。

実際に、療養病床において救急搬送患者
受け入れている実態がある。
また、こうした地域のニーズを踏まえて、
救急医療機関と連携して療養病床
救急患者を受け入れる取組みが始まっている」

その上で、療養病棟の診療報酬上の「論点」として、
▽急性期医療、在宅医療及び介護施設の
 後方病床としての機能 
▽軽症・中等症の救急患者を受け入れている
 療養病棟に対する評価
─などを示し、意見を求めた。

療養病棟救急受け入れ機能について、
診療側の鈴木邦彦委員(茨城県医師会理事、
日本医療法人協会副会長)は
「地域の一般病床で受け入れるのが良い」と否定。

西澤寛俊委員(全日本病院協会会長)も、
療養病床は役割が違う」と退けた。

さらに、支払側の勝村久司委員
(連合「患者本位の医療を確立する連絡会」委員)も、
「機能が違う。積極的に評価することに違和感を感じる」
などと反対した。

これに対して、日本看護協会副会長の坂本委員が
専門委員は次のように述べ、療養病棟
救急機能を評価する方向性を支持した。

「軽症・中等症の救急患者を受け入れるのは、
本当にこういう所(療養病棟)でいいのか、
機能的には大変難しいと思うが、
あまり病院がない所を見ると、今回の
新型インフルもそうだが、若干、
療養型でもやってくださっている所があって、
大変ありがたかった。

だから、開業医の先生たちがいらっしゃらないときは
そういう所でやってくれているのは
大変住民にとって良かったと思っている。
機能的にはちょっと違うかもしれないが、
何らかの形でやっていらっしゃることについては
少し考えてもいい」

三次救急をめぐっては、"最後の砦"
であるはずの救命救急センターが
"最初の防波堤"になっているとの指摘もある。

勤務医の負担軽減という観点から、
三次救急を疲弊させている原因を
取り除こうとする今回の厚労省案は
妥当な方向と考えられるが、全日本病院協会会長の
西澤委員は次のように否定した。

療養病棟で論じるのではなくて、救急体制で、
どうして三次救急にミスマッチがいるかということ。
要するに二次救急、あるいは一次救急
そういう所がどんどんやめていっているので、
そこ(三次)に行ってしまう。

そこのシステムを直すほうが大事であって、
そこが直ればこういうミスマッチがなくなるから、
『直接、療養病棟へ』はあり得ないんじゃないか」

高度急性期への拠点化・集約化を進め、
その後方病床として「地域一般病棟」を
位置付けるべきとの主張にも聞こえるが、
果たして地方病院の実情を
踏まえたものといえるだろうか。


~~~~~~~~~


▼ 1997年から2007までの10年間で、
軽症、中等症、重症の伸びを比較。
軽症、中等症の増加が目立つのは高齢者。

○療養病床における救急患者の受入状況
 → 「救急受入れ患者ではない」のが86.9%。
救急車による救急受入れ患者」は3.4%と少ない。

▼佐藤課長は、「救急車で来た救急患者
(療養病床で)受け入れている割合はそう多くはないが、
これだけ救急車の出動回数が増えていて
後方病床が足りない中で、(療養病床が)
一定の役割を果たせるのではないかというのが
関係者の意見のようです」とコメントした。


~~~


○論点

1 急性期医療、在宅医療及び介護施設の
 後方病床としての療養病棟の機能に対する
 評価について、どう考えるか。

2 軽症・中等症の救急患者を受け入れている
 療養病棟に対する評価について、どう考えるか。

3 医療サービスの質的向上に取り組む
 療養病棟に対する評価について、どう考えるか。


多くの病院療養病床を持っています。
私も会員になっていますが、日本慢性期医療協会
(武久洋三会長)の話を聴きますと、
療養病床の役割として、
(論点)1にあるような、急性期医療、在宅医療
そのほか緩和ケア、認知症、維持期リハ、
難病などを挙げています。

論点2、「軽症・中等症の救急患者を受け入れている
療養病棟に対する評価について、
どう考えるか」とあります。
私も会員なのでいろいろな情報が入ってきますが、
療養病床でどうしてそういうことが可能なのか、
私は非常に疑問に思いまして、実際にやっている
病院に研修で行って聴いてまいりました。

資料25番にあるように、(救急医療機関と
療養病床のモデル連携を)東京と大阪でやられた
とのことですが、東京では(三次救急病院が)
1施設でわずかですが、大阪では
(三次救急病院)10施設、
慢性期病院33施設ということです。
大阪の2病院の研修で話を聴いてきました。
(中略)

2病院のうち1病院は、確かに療養病床
受け入れているのですが、院長の考え方は
急性期病床の考え方と同じで、私が見るところでは、
「ちょっと無理をしてやっているのかな」
という感じがいたしました。

療養病床が多い所では、療養病床の中で
機能分化が起こってくるのかなという気がしました。

もう1つの病院は、療養病床もありますが、
病院の中の一般病床でいったん受け入れて、
それから療養病床に行くということでした。
私も現実的には、日本中にそういうものを
適用することを考えますと、地域の「一般病床」で
受け入れるのが良いのではないか。
療養病床にはそれ以外の部分の役割のほうが
より多くあるのではないかという気がいたします。

ただ、療養病床の機能として、例えば、
高度急性期の病院に24時間体制で
どんどんどんどん患者が送られてきて、
その中に民間中小病院の一般病棟で診られるような
患者さんもかなりいますので、そういった患者さんを
早期に地域の中小病院に、あるいは
療養病床でも受けられる所も
一部あるかもしれませんが、
そういった所でトリアージ的な感じで
いったん受け入れていただいて、
早期に転出していくような
システムができますと、確かに高度急性期を
担う病院の負担軽減になると思います。

▼ここをもっと強調すべき。

それからもう1つは、「在宅療養支援病院」のような役割は、
療養病床を持っている病院
非常に向いていると思いますので、
そういう方向で話が進む分には良いと思いますが、
救急の評価というのは......。

確かこれ、点数を要望していると思います。
1日200点など。「今のままでやる」
と言っているわけではないと思います。

実際には看護基準などが充実している病棟、病床で
救急患者を)受けたほうがいいと思います。
やっぱりメーンは一般病床、あるいは急性期、
そういった所かなと思います。

また、論点3については、これはもう、質的向上に
取り組むということは非常に重要でございますので、
ぜひ療養病床でも評価していただければと考えています。


~~~~~


■「システムを直せば三次救急のミスマッチはなくなる」
─ 西澤委員
 
[西澤寛俊委員(全日本病院協会会長)]

論点の1(後方病床としての機能)ですが、
鈴木先生とほとんど同じです。(論点)3のQI(質の評価)は
当然のことなので、これは進めていただきたいと思っています。

まず、その前に資料の24(療養病床救急受入)と
25(救急医療機関と療養病棟の連携)ですが、例えば、
療養病床の救急受入状況」(の資料)で、
「医療区分1」で救急受け入れというのは
どうしてもイメージが分からないので、
もうちょっと詳しいデータを出していただきたいと思います。

本当の意味での救急患者を受け入れているのか、
救急車で来たから「救急患者」とは限りませんので、
そこら辺の資料を出していただきたい。


▼厚労省は11月18日のDPC評価分科会で、
「新たな機能評価係数の具体案(たたき台)」を示した。

この中で、救急受け入れを評価する指標として
2つの案を提示。
案1は「救急患者割合をもとに連続的評価」、
案2は「一定の基準(患者数や人員配置等)を
満たす場合に一律の評価」としている。

案1の「救急患者割合」は、「救急車あり又は
入院初日の初診料において時間外・休日・
深夜加算ありのDPC対象患者
/DPC対象患者数」という複雑な計算式で、
小児や産科の救急患者の場合には数倍してカウントする。
同分科会では、まだ意見集約できていない。

それから、(資料25「救急医療機関と療養病棟の連携」で、
「3次救急にミスマッチな患者が搬送(されたときに、
速やかに治療可能な慢性期病床を持つ病床が受託する)」
とあるが、すなわちこれはどういう問題かと言うと、
療養病棟で論じるのではなくて、救急体制で、
どうして三次救急にミスマッチがいるかということです。

要するに二次救急、あるいは一次救急、
そういう所がどんどんやめていっているので、
そこ(三次)に行ってしまう。

そこの「システム」を直すことのほうが大事であって、
そこが直ればこういうミスマッチがなくなるんですから、
「直接、療養病棟へ」はあり得ないんじゃないかな
と思っています。


ミスマッチの患者、本来であれば
三次救急に行かなくていい患者、
療養病棟でいい患者が(三次救急に)行くのであるから、
それは療養病棟で受け入れるのは
当たり前だと思っております。

ということで、それともう1つ。
療養病床ではなく、「慢性期病床を持つ病床が受託」
という辺りはちょっと(表現が)いい加減なので、
先ほど鈴木先生の言い方では、(療養病床を)
持っている病院の一般病床で受け入れている例も
あるんじゃないか。
その辺りのデータも出していただかないと
私たちは議論できないと思います。

▼資料25「救急医療機関と療養病棟の連携」で、
大阪府緊急連携ネットワークの目的として、
「3次救急にミスマッチな患者が搬送されたときに、
速やかに治療可能な慢性期病床を持つ病床が
受託することにより、3次救急の病床回転数を改善」とある。
ところで、「(療養病床を)持っている病院
一般病床で受け入れている例もある」と言うが、
むしろこれがメーンではないか。


~~~~~~


[保険局医療課・佐藤敏信課長]
 
療養病棟入院基本料2」を算定している、
要するに慢性に経過するような病棟、病床に
入院している方については、「退院支援計画作成加算」
として100点、ただし入院中1回に限る
ということにしております。
(小声で)退院加算で100点ということになります。

[坂本すが専門委員(日本看護協会副会長)]
 
私は恐らくここにもう少し力を、
ポイントを置くべきだと思います。
恐らくケアマネージャーさんとか、
いろいろな方たちが入り込んでやっている
というのを身内で経験しましたが、それがうまく効果を、
やっているかということと、それからケアに対して
ポイントを置いていくべきだと思います。

それからもう1点、軽症・中等症の救急患者
受け入れるのは、本当にこういう所(療養病棟)でいいのか、
機能的には大変難しいと思いますが、
実はあまり病院がない所を見ますと、
今回の新型インフルもそうでしたが、若干、
療養型でもやってくださっている所があって、
大変ありがたかったと思っております。

だから、「大きな病院に行きたくないな」
と思っていても、開業医の先生たちがいらっしゃらないときは
そういう所でやってくれているのは
大変住民にとって良かったと思っています。

機能的にはちょっと違うかもしれませんが、
何らかの形でやっていらっしゃることについては
少し考えてもいいのかなと思います。

▼実態に即した意見。「機能分化」という
医療費抑制策を重視する病院団体と異なる。


[遠藤久夫委員長(学習院大経済学部教授、
中医協会長)]

(ちょっと困惑した様子で)はい、あの......、
「積極的に進める」ということではなくて、
事実上やっている所に対しては、
「コストに見合うような評価をしてもいいのではないか」、
こういうご意見ですね。
はい、ありがとうございます。


~~~~~~~



『療養病棟の救急受け入れ、反対続出』
『P2 → 療養病棟の現状 ─ 資料のポイント』
『P3 → 療養病棟の課題 ─ 資料のポイント』
『P4 → 救急のメーンは一般病床あるいは急性期』
『P5 → システムを直せば三次救急のミスマッチはなくなる』
『P6 → 軽症・中等症の救急受け入れは『亜急性期』で』
『P7 → 赤字の区分は診療報酬体系として大変おかしな形』
『P8 → 新型インフルで療養型が大変ありがたかった』
『P9 → 区分1を上げないと機能しない』



最後の砦とも言われる「救命救急センター」に
軽症・中等症の患者が流れ込む
"三次救急の疲弊"を改善する。

という方向性は正しいと思います。
でも、開業医に時間外に診てもらうとか、
療養型の病院にも時間外や救急をやってもらう。
というのは、現実問題としては
難しい
んじゃないですかねー。

だって、開業医ってほとんどの場合は、
医者1人だし。
療養型の病院でも医者が数人とかが多いし。
そういう病院は、高齢の医師が多い
んですよ。
実際のとこは。

1人しかいない医師に、夜中や朝まで働かせる。
とか、60代、70代の医師に夜中まで働かせる、
っていうのは、やっぱり無理でしょ。
普通は。


でも、だからって何もしなかったら、
勤務医は疲弊して、医療崩壊は進む、

っていう悪循環は続きますから。
何かやった方が良いんですが。

出来る範囲でやりましょうよ。


例えば、今でもちゃんとした医師会が
ある地域なんかではやっている事ですけど。
輪番制」を、もっときちんとする。
とかね。

「輪番制」っていうのは、地域の医師会や開業医が
中心になって、時間外の軽症患者を「輪番」で
受け持つっていう制度
です。

その地域に診療所が15あれば、月2回は、
17時から23時までは軽症の患者
病院に行かないで、「輪番の診療所」で診る

という形ですね。

今でも、雀の涙ほどの補助金は出ているのですが、
基本的には「ボランティア」に近いもんですよ。
地域の医療を崩壊から守るために、
ちゃんとした医師会があるとこではやってる、
って感じです。

こういうのは、もっと補助金を出してやる
という事が大事だと思います。
建前だけの補助金、ではなくて、
救急をやれば黒字になります。
これは、商売としてメリットがある、
という位
に出さないと。
民間病院、公立病院関係なく。

大変だけど赤字になります。
メリットは「救急やっている診療所」
っていう「看板」だけ
です。
では、やらないとこが多いのは当然ですよ。


それと、一応、月二回輪番制でやっているんだけど、
名前は出してるけど、実際は患者を診ていない、
というようなとこも、残念ながらあるので。
実際に診た患者の数に比例して補助金を出す。
という事にすれば、もっと本気で
診療所も救急やると思いますよ。

その輪番制に「療養型病院」なんかも入れて、
患者の数そのものに比例して補助金を出す。
という事にすれば良いと思うんですけどねー。

療養型病院」っていっても、比較的医師や
看護師、スタッフの数に余力のある病院は、
月2回と言わず、4回でも8回でもやれば良いし。
その分、患者をたくさん診たら、売り上げも上がって
収益も増える、っていうシステム
にすれば良いんですよ。


それが、本文の中で出てきた、


▼厚労省は11月18日のDPC評価分科会で、
「新たな機能評価係数の具体案(たたき台)」を示した。

この中で、救急受け入れを評価する指標として
2つの案を提示。
案1は「救急患者割合をもとに連続的評価」、



というのに相当するのかもしれませんが。
本当に、単純に患者の数に比例して補助金の額を増やす
というのが良いと思いますけどねー。


個人的には療養型病院には、
救急患者の受け入れを期待していません


それよりは、いわゆる「たらい回し
とも言われる、「患者受け入れ不能」問題。
この原因の1/3くらいは、「ベッドが満床」ですから。
これを解決する方が手っ取り早いかな、
と思います。

本文では「後方病院」という言い方をされていますけど。
急性期病院が満床近くなった時に、
療養型の病院で安定している患者
受け入れてくれれば、ベッドが空くんですから。

急性期病院から転院してきた患者数が
多い病院には加算をつける。

というようなやり方をすれば
良いんじゃないでしょうかね。

出来れば、転院の依頼があって、
その日か次の日位までに転院できれば、
より加算点数をつける。

という事にすれば、出来るだけ早く
転院の患者を受け入れようと努力しますから。

療養型の病院も利益が増えるし。
急性期病院も、すぐに患者を転院
させてくれるんだったら、ベッドが満床近く
なったら療養型病院にお願いして
少し安定している患者をすぐに受け入れてもらって。
その空いたベッドに救急患者を入院させる
という事ができますからね。

そうなれば、「ベッドが満床で受け入れ不能
という事も少なくなりますから。
患者も得をする、って事になると思うので。
良い案だとおもいますけどねー。

ちなみに、点数っていうのは簡単に言うと、
「料金」の事ですから。
加算点数っていうのは、料金が加算される、
っていう事ですよ。


あと、勤務医の負担を減らす、っていう意味では。
平日の時間内の病院の受診料の値段を上げる
っていうのが簡単な方法です。

外来患者で、初診料、とか再診料。
っていう料金、今も取っていますよね。
再診料っていうのは、同じ医療をしても
病院よりも開業医の方が高いのはけしからん。
って事で、前回の改定でも、今回も
問題になっています。

方向としては、病院の再診料を上げるか、
診療所の再診料を下げて同じ値段にする

っていう事になりそうですけど。

思い切って、病院の初診料、再診料を
開業医の2倍くらいにしたら良い
と思います。

そうすれば、病院の方が値段が高いから
開業医に行きます、っていう患者
特に、軽症の患者は増えますから。

勤務医の仕事って、時間内に外来も診て、
入院も診て、検査もやって。
それ以外に当直とか救急とか、
もちろん事務仕事とか勉強とか。
そういうのも全部やらなきゃいけないんですよ。

時間内の外来患者の数を減らすだけでも、
勤務医の負担は減らす事ができますから


開業医や療養型の病院に、無理に
時間外や救急患者を手伝ってもらって、
開業医も療養型病院も潰れる。
っていうよりは、診療報酬の配分などで、
出来る範囲で患者を分散させる、

って事の方が良いと思うんですけどねー。


民主党は何が何でも、公立病院や公的病院
(日赤や厚生病院)は潰さない

という方向のようなんですけど。

半径30キロの中で、病院が一つしかなくて、
しかも療養型の病院
って地域は、赤字だろうが何だろうが、
それは潰しちゃダメだと思いますよ。
そういうとこは、どうせ救急とかもやって、
時間外の患者も受け入れているんですから。
患者の数に比例して、補助金の額も上げて、
潰さないようにする、というのは大事だと思います。

でも、半径30キロ以内に、病院が10もある。
そんな地域で、公的な病院、いりますか?
なくなっても、他の病院がカバーしますよ。

その病院を維持するために、すごい額の
税金を使っているんですから。
そういうとこの病院は、公的病院といえども、
無理して守る必要はないんじゃないですかね。

歩いて5分で行けたのに、車で5分になって
不便になった、っていう人もいるんでしょうけど。
そのくらい、しょうがないじゃないですか。

少しでも不便になったら許さない。
でも、医療や税金が上がるのはイヤだ。
っていうのは、たんなる「わがまま」ですよ。


いろんなやり方があるとは思いますが。
とりあえず、「何でもやってもらう」
っていうのはかなり効率が悪い事なんで。
そういう方向に行かないで欲しいですね。
民主党は、「えせ小泉改革」?
構想日本の「事業仕分け」を真似して、
国による事業仕分け」っていうのを
民主党がやっているんですけど。
これって、どうなんでしょう?

議論を公開する、っていう事自体は
良いとは思うんですけど。

明らかに「財務省主導」で、
削減っていう結論ありきでやってますよね。

民主党は、「官僚主導から政治主導へ
って言っていますけど。
完全に「政治主導ではなく、財務省主導
になちゃってますよ、これ。

私は医者で、現場でばりばり働いていますから。
医療に関しては専門ですから。
医療以外の事に関しては、
さほど詳しくはないんですけど。

はっきり言って、素人が診療報酬とか
無駄がどうだとか言ってるだけでしょ。

他の分野でもそうなんでしょうね、きっと。
民主党のマニュフェストでは、

『民主党:Manifesto2009』

「マニフェストの工程」ってとこの、

医療・介護の再生」
医師不足の解消、
新型インフルエンザ対策等、
介護労働者の待遇改


ここでは

平成25年度までに、1.6兆円

って書いてありますけど。
これが全部医療っていう訳ではないんでしょうけど。
医療費を増やす、って事じゃないんですか、要は。

もっと細かく見ていくと、

22.医療崩壊を食い止め、
 国民に質の高い医療サービスを提供する

【政策目的】
医療従事者等を増員し、質を高めることで、
 国民に質の高い医療サービスを安定的に提供する。

○特に救急、産科、小児、外科等の
 医療提供体制を再建し、国民の不安を軽減する。

【具体策】
○自公政権が続けてきた社会保障費
 2200億円の削減方針は撤回する。
 医師・看護師・その他の医療従事者の増員に努める
 医療機関の診療報酬(入院)を増額する。

○OECD平均の人口当たり医師数を目指し、
 医師養成数を1.5倍にする。


とも書いてありますよ。
補助金は減らす方向って事なんですから。
誰がどう見ても、診療報酬は増やす
という事だと思いますが。


医療崩壊の原因は医療費抑制政策のせいだ。
って事は、民主党の議員の皆さんも
選挙前にたくさん言っていたと思いますけど。

どうやら、診療報酬には無駄が多いから、
診療報酬は削減しろ。

っていう結論になったようですけどねー。

「財務省」主導の事業仕分けでは。

「官僚主導から政治主導へ」というのであれば、
事業仕分けで出た結論と
実際にはどうなるのか。
政治の力っていうのを、見てみたいですね。

経済財政諮問会議」が諸悪の根源だ。
って言っていた民主党の議員も多いですけど。
これだけ見ると、「行政刷新会議の事業仕分け
よりはまし、って感じでしょうか。

伊関先生は「ネオ小泉政権(改革)」
と呼んでいるみたいですけど。

『民主党政権=ネオ小泉政権か?』

「えせ小泉改革」とか「劣化小泉改革」
っていう方が適切かもしれませんね。

政権担当能力に関しては、正直言って、
民主党よりは自民党の方がはるかに上。
という事は百も承知なんですが。

自民党独裁が続いたから、非自民政権になれば、
癒着とかが離れて良くなる可能性がある。
政権交代があれば、前の政権でやっていた時の
腐敗が明るみにでるから、変な事は出来ないぞ。
と考える人たちが出たりすれば、
それで日本が良い方向に行くかもしれないなー。

という意味で、少しは民主党政権というか、
政権交代に期待はしていたのですが。
やっぱ、政権担当能力がない民主党には
無理だったんでしょうかねー。

政党支持率も、最初は70%だったのが、
2ヶ月で60%に落ちていますね。
多分、このペースであと4ヶ月くらいで、
40%くらいまで落ちると思いますよ。

鳩山首相の言動もぶれまくりだけど。
麻生前首相の時はぼろくそ言われていたけど、
まだ全然マスコミで叩かれていないけど。
支持率落ちたら、マスコミなんか
手のひら返しますからね、すぐに。

そうなった時、どうなるか見ものですね。

と、話は少しそれてしまいましたが。
今回は、久しぶりに伊関友伸先生
民主党政権の「事業仕分けに関して
気合の入った記事を書かれていて、
私も同感だったので、紹介させていただきますね。

『伊関友伸のブログ』

からです。
いつもお世話になっております。



民主党政権の「事業仕分け」への疑問

11月13日(金)の自治体病院学会の
臨床医学分科会での講演で懸念を示したが、
民主党政権の地域医療に関する姿勢に、
危機感を覚えている。

現在、行政刷新会議行われている事業仕分けは、
マスコミの一部で懸念が示されているが、
財務省主導の、先に予算削減の結論ありきの
非常に乱暴な政治ショー
と感じた。

伊関は、地域医療を研究する以前は、
行政評価を研究していた。

外部の人間が入って、行政の活動を評価して、
行政の質を高めることは必要だ。

しかし、外部の人間は、
行政の活動についての情報は少ない。

そのような中で、コストによる判断は、
事業を廃止し、「予算削減」すべきという
結論を下すだけでよく、比較的しやすい。

しかし、単に「予算削減」をするだけでは、
問題の本質的な解決につながらないことも多い。


担当者と第3者の議論の中で、
問題が起きている本質を深く掘り下げることが必要だ。


今回の事業仕分けの場合、資料が財務省から出され、
少ない時間で、悪者=官僚
正義の味方=仕分け人という、舞台設定の中で、
一方的に仕分け人が、官僚を叩く
という構図になっている。

これでは、官僚から、根本的な問題解決の
情報が出ることはなく、議論が深まることはない。


実際、「診療報酬の配分」では、勤務医と開業医、
あるいは診療科間の給与格差を平準化すべきで、
見直しをすべきとされた。

この結果を踏まえ、財務省は、
今回の診療報酬改定でマイナス改定を求めるようだ。



(以下引用)

診療報酬改定、攻防が本格化 
財務省、2~3%下げ要求へ
日本経済新聞 2009年11月15日


 財務省は2010年度予算編成で、
公的保険や患者が医療機関に支払う
診療報酬を2~3%引き下げるよう求める方針だ。

 行政刷新会議の事業仕分けで、眼科など
収入が高い診療科への配分や薬価の引き下げを
求める判断が出たことを重視。

 同報酬を下げても、医師不足などの
課題に対応できると判断した。
ただ、引き上げを求めている厚生労働省が
反発するのは必至。
年内決着に向けた攻防は難航が避けられない。

『日本経済新聞 2009年11月15日』

(引用終わり)



事業仕分けでは、「医師確保、救急・
周産期医療対策の補助金等
」についても
予算要求の縮減が多数を占め、2010年度
予算要求額が半額に縮減された。

医療崩壊が進む中で、本当に、
このようなやり方で政策が決定されて良いのか疑問に思う。


公開は必要であろう。

しかし、その場合、十分な資料の提供と、
対立を全面に出さない、落ち着いた
議論が必要であると考える


問題解決には、議論する関係者の
信頼関係と問題の本質を探る
深い議論が必要と考える。

今回の国の事業仕分けは、
そのようなものから一番遠いところにある。


筆者は、かつて神奈川県の綾瀬市の
外部評価委員の委員長をつとめたことがある。

「広域救急医療確保対策事業」について、
予算削減を求める事務局に対し、
担当課との議論の中で、問題の本質が別な点にある
(休日夜間診療所の周知不足による利用低迷)
ことが判明した例である。

休日夜間診療所の利用者増対策については、
拙著「まちの病院がなくなる!?」
77頁以下で議論をしているので、ご覧いただきたい。

綾瀬市の外部評価についてのブログ
(行政経営フォーラム時代のブログで、
現在は削除している)を再掲する。



旧伊関友伸のブログ

綾瀬市外部評価(2006年4月3日~5日)

伊関が委員長をしている綾瀬市の
外部評価の結果が公開された。

「綾瀬市外部評価(2006年4月3日~5日)」


最近、評価を行う場合、外部の委員を入れた
評価を行う自治体が増えている。
市民が委員に入るケースも多い。

綾瀬市における行政評価は、平成16年度から
事務事業レベルで実施されてきた。

今回の外部評価は、笠間城治郎市長の
選挙公約に基づき、
平成17年度から導入がなされた。

評価は公募の市民2名を含めた5名の
外部委員により、延べ3日に渡って行われた。

既に外部評価を行っている自治体の例を見ると、
外部評価者と事務の担当課との間に、
考え方に大きな隔たりがあり、「見解の相違」を
埋めることができないという例も多い。

綾瀬市の外部評価の実施に当たっては、
担当課と外部評価者が対立するのではなく、
ともに綾瀬市の行政の
仕事の質を向上していくためには
何が必要なのかを議論することに重点を置いた。


外部委員も全く事業の情報を知らずに
ヒアリングを行うのではなく、事前に時間を取って
議論をし、担当課とのヒアリングに臨んだ。


担当課や評価委員の間でも、
単に担当者を批判するのではなく、
「そもそもその仕事は何のために行うのか?」
「現在の担当課の仕事の課題は何か?」
について、担当課と委員が共通の土台で
意見を交わすことを目指している。


外部評価の具体例を一つ紹介したい。

小児救急医療に関しての行政の担当の
考え方がよく分かる実例だ。

『広域救急医療確保対策事業』
の6頁にある


図は、外部評価を行って委員会でまとめた報告書
(広域救急医療確保対策事業)の一部である。

外部評価に当たって、綾瀬市役所内の
庁内評価委員会が問題としたのは、
「休日急患センターの内科の利用状況が、
負担金の支出状況に比べて低い。
共同運営をする他市に対して、
負担金の金額を減らせ」
というものであった。


しかし、担当課と議論をしているうちに、
問題はもっと別の点にあることが分かってきた。
すなわち、この事業の最大の問題は、
小児救急の利用が少ない(2次輪番病院の
負担が減っていない)ということであった。

このブログでも再三議論しているように、現在、
全国の病院で、医師不足により、
小児科や産科などの診療の中止が相次いでいる。

綾瀬市周辺の県央地区は、私立の
海老名総合病院と相模台病院が
2次輪番病院として小児救急医療を担っている。

しかし、2次輪番の中核的な病院である
海老名総合病院でも、小児科常勤医が7人から
6人に減員された上に、患者は急増し、
パンク寸前にあるという。
相模台病院でも厳しい事情は同じだ。

周辺市では、2次輪番病院の負担を軽減するために
共同し、座間市内に
小児救急患者センターを設置している。

しかし、親の大病院指向は強く、利用者である
委員の方の話しでは、海老名総合病院の
混雑は変わっていないそうだ。

その一方、小児救急患者センターは、
未だ比較的すいていて、
余裕があるということであった。

(後で海老名総合病院の小児科のHPを見ると、
パンク状態なので、小児救急患者センターへの
受診を訴えていた)

委員の議論の中で、「親は座間市
小児救急患者センターを知らないのではないか」
「綾瀬からの案内看板なども分かりにくい」
「親への働きかけも少ない」
「そもそも親の意識調査をしていない
親へのマーケッティングが必要だ」
という意見が出された。

2次輪番病院の努力だけに甘えていると、
地域の小児救急が崩壊する危険性が高い。
評価担当課は、全くそのような
危機感は少ないように感じた。
事業担当課もどのようにして
良いか分からないのであろう。

外部評価委員会では、
「2次救急医療機関の医療資源に
余裕を持たすためにも、
更なる1次医療機関への患者の
誘導は重要な課題であり、
本事業の小児救急患者センターへの
患者の誘導が必要」
という意見を示すこととした。


綾瀬市役所だけの事業評価では、
本質的な問題の発見ができない
典型的な例であった。


事務職員は、小手先のコストにしか目が向かない。
そのこと自体が問題である。


外部評価者は、評価を公表することによって、
市民や議会の方々、
そして実際に仕事を行う担当課の
方々から評価を受けることになる。
自分を絶対正義の高みに置いて、
批判するのでは、
相手も納得できないであろう。

外部評価において、ヒアリングを
一方的なものとしないために、
各担当者から意見をいただいた。
ただ、記名アンケートのため、担当者の
「本音」かというと限界がある。


担当者の意見の一部

○市とサービス利用者との話合いは、
ややもするとサービス利用者の感情に左右される
意見により、議論が平行線と
なってしまう傾向があります。

しかし、今回は、福祉サービスのあるべき姿
について、客観的に幅広く論議でき、
また、評価委員についても、
大変豊かな人間性が感じられ、
忌憚のない意見の交換ができたと思います。

○一方的に外部評価委員の意見
(講評)を聞くのではなく、
担当課の意見(事業を進めていく上での
メリット、デメリット)も十分聞きながら、
ヒアリングを行っていただいたので、
有意義であった。

○外部評価委員会の設置の趣旨は
十分承知しているつもりです。
しかし、私が障害担当であるから
言うのかもしれませんが、
市の事業は全て健康な人で
行われているものではありません。

また、障害者の方でも、全てに係ることが
基本的にあると思われます。
そうした中で、ハンディの分、どうしても制約を
受けてしまうものについて補う事業が、
障害者制度であると思います。

今回の委員については、健康な人であり、
障害者制度の評価をするのに、
少し不公平な部分を感じました。
委員の構成としては、障害者の方を
委員として取り入れた中で
評価を受ける形であれば理解できる。


『民主党政権の「事業仕分け」への疑問』


医療崩壊の原因は、
医療費と医師数を減らしたこと。
そして、医療の現場を知らない人が
医療政策を作ったこと。


これだと思うんですが。
民主党も、全く同じ事をやろうとしていますね。

マニュフェストに書いてある、
医療崩壊を食い止め、
国民に質の高い医療サービスを提供する」

ってのは、完全に綺麗ごとになりそうですね。

国民が民主党に期待した
「天下り根絶」に関しても、
最初からぶれまくりだし。

医療年金に関しても、
期待できませんかねー、残念ながら。
外交に関しては、最初から
誰も期待していないとして。

10月の段階から、民主党政権は
財務省の言いなりだ
っていう内部の話は聞いていたのですが。
完全に表に出てきちゃいましたね。

さーて、どうなりますかね。
今後の民主党政権。

参議院選は一年後だから、その位までは
民主党の勢いは続くかなー。
とか思っていたのですが。
今のペースだと、民主党の勢い
それまでに完全に落ちちゃいますよね。

来年も、選挙おもしろくなるかもね。
Copyright © 2005 健康、病気なし、医者いらず. all rights reserved.
Add to Google My Yahoo!に追加 健康、病気なし、医者いらず