現役医師、循環器内科医(Dr. I)が医療について、詳しくわかりやすく解説! 引用、転載は自由ですが、その際は必ず引用元を明記して下さいね!
集中治療室での一場面
映画やドラマで良くある場面。

病院の手術場や集中治療室での1シーン。
患者がベッドに横になっていて、周りに看護師と医者が数人いる場面。


Ns「心室細動です。」
Dr. A「200にチャージ、下がって」
電気ショック、 ドーン  患者浮き上がる
Ns「駄目です」
Dr. A「300にチャージ、下がって」
電気ショック、 、 ドーン  患者浮き上がる
Ns「先生、戻りません」
Dr. A「360」
電気ショック、 、 ドーン  患者浮き上がる





Dr.B「もう無理だ、Dr. A」
Dr. A「いや、そんなことないはずです。諦めなければまだ可能性はあります。」
Dr. B「諦めろ、終わったんだよ」
Dr. A「、、、、、」
Dr. A「何時何分、死亡」


こんな感じの場面を見たことありませんか。
あれって、何やってるかわかりますか?

まず言葉の説明ですね。
心室細動」というのは、別名「心臓けいれん」

心臓というのは、心筋という筋肉で出来ています。
そして、それが規則正しく拍動する事によって、血液を体に送り出しています。
で、その心臓が規則正しく動かないで、ただけいれんしている状態。
こういうようになると、心臓は動いてはいますが、血液は送り出せませんね。
こういう状態の事を心室細動と言います。

一応心臓は動いているので、治療としては、
規則正しく動くようにしてあげれば良いんですね。
それで、電気ショックを与えてあげるんです。
そうすると、心臓は規則正しく拍動するようになります。

逆にいくら心臓マッサージをしても、元に戻ることはまずありません。

電気ショックを与える機械の事を電気的除細動器(DC)と言います。
これの一般人でも使えるやつがAEDと言います。

参考までに、こんな感じのやつです。

http://www.secom.co.jp/service/medical/aed.html


200,300,360にチャージというのは、
DCに電力をためているんですね。

本当はチャージしてから、電気が貯まるのに数秒かかります。
その後、電気パッドを心臓にはさむようにして、電気ショックを与えます。

電気ショックなので、患者さんに「どーん」とかけると、
本当に患者さんはちょっと浮き上がります。

危ないので、周りの人に「下がって」とか言う場合もありますが、
「下がって」って言葉は使うんですかね。

テレビやドラマだと、何となく緊迫感があって良いかな、とは思いますが。

普通はだいたい周りの人は状況考えて、DCを構えたら、
何も言わないでも下がります。

まあ、「はい、あぶないですよー」とか、「いくよー」とかだと、
さすがに映画やドラマでは使えないんでしょうがね。

やり方は、まずは200J(ジュール)で試して駄目なら、
300J,360Jとだんだん上げていきます。
最大が360Jで、400とか500とかいうのはありません。

それで駄目なら、薬を注射してもう一回360JでDCかけます。
まあ、たいていはそうこうしているうちに、心室細動ではなく、
心臓が完全に止まって心停止になってしまいます。

心停止になって、また注射しても駄目なら、本当にアウトです。

ちなみにこういう処置のことを心肺蘇生術(CPR)と言いますが、
普通は30分やって戻らなければ、そこで死亡宣告をする事になります。

今度映画やテレビなんかで見たら、これ思い出せば、
何やってんだか少しはわかるようになると思いますよ。

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