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現役医師、循環器内科医(Dr. I)が医療について、詳しくわかりやすく解説するブログ。 引用、転載は自由ですが、その際は必ず引用元を明記して下さいね!
メタボリック症候群、中年男性の25%
昨日、今日と新聞やテレビで取り上げまくっていたメタボリック症候群(内臓脂肪症候群)について、今日は便乗して書いていきますね。

ここに来る人達はメタボリックシンドローム(症候群)について知っている方も多いとは思いますが。
診断基準を書きますね。

メタボリックシンドロームの診断基準(日本内科学会雑誌2005;94:188-203)


1,内臓脂肪蓄積(内臓脂肪面積100平方cm以上)
  腹囲径が男性で85cm、女性で90cm以上
  

      かつ

2、血清脂質異常(トリグリセリド値150mg/dL以上、またはHDLコレステロール値40mg/dL未満)

3、血圧高値(最高血圧130mmHg以上、または最低血圧85mmHg以上)

4,高血糖(空腹時血糖値110mg/dL以上)


1は必須でそれに加えて、2,3,4の3項目のうち2つ以上を有する場合をメタボリックシンドロームと診断する。
と規定しています。



50年位前から、高血圧糖尿病高脂血症等の病気があったり、タバコを吸っていると、心筋梗塞や狭心症等の虚血性心疾患になる確率が高いって事はわかっていたんです。


で、何年か経って太っている人は血圧も高いし、血糖も高い。
コレステロールや中性脂肪も高い人が多くって、心筋梗塞になる確率も高いなー、って思う人がたくさん出てきたんですよ。


その後、単に太っているから血圧が上がったり血糖値が上がったりするんじゃなくって、お腹に脂肪が蓄積する上半身肥満の方が下半身肥満より、虚血性心疾患になりやすいって事がわかってきたんです。


で、内臓脂肪が蓄積すると、インスリン抵抗性ってのになる事もわかってきました。



インスリンってのは血糖を下げるホルモンなんですけど、それは膵臓から分泌されます。

血糖値が高いと、血糖値を下げようとして膵臓が頑張ってインスリンを出します。

で、徐々にインスリンの効きが悪くなってインスリンがいっぱい出ちゃいます。
この事をインスリン抵抗性っていうんです。

そいで、インスリン抵抗性があると、糖尿病になったり、高血圧高脂血症にもなる。

そうなると動脈硬化が進むって事もわかってきました。



わかりやすく、イメージ図にすると

いっぱい食べて、運動しない
    ↓
お腹に内臓脂肪が貯まる
    ↓
 インスリン抵抗性
    ↓
高血圧、高脂血症、糖尿病
    ↓
  動脈硬化進む
    ↓
心筋梗塞、狭心症、脳梗塞等になる

って感じですかね。


で、いろいろ世界中で研究が進んで、「お腹に内臓脂肪が貯まる」ってのはどの位かってのがわかってきて、それはCTで内臓脂肪面積が100平方cm以上だと虚血性心疾患になる確率が高いってわかってきました。

日本の場合は、日本肥満学会がいろいろ調べて、腹囲径が男性で85cm、女性で90cm以上だとこれに該当するって事がわかっています。

ちなみにこれは国によって違います。
欧米(NCEP)の基準では男性102cm、女性88cmとなってます。
まあ、体つきが違うから当たり前なんですけどね。




そしてなんと、イメージ図の

 インスリン抵抗性
    ↓
高血圧、高脂血症、糖尿病

の所。

高血圧糖尿病の診断基準を満たさない、その一歩手前の予備軍の人達でも虚血性心疾患になる確率が高いってわかっちゃったんですよー。



具体的に言うと

 ●高脂血症の診断基準

1,総コレステロール 220mg/dl以上
2,中性脂肪 150mg/dl以上
3,LDLコレステロール 140mg/dl以上
4,HDLコレステロール 40mg/dl以下

ですから、これの中性脂肪、HDLコレステロールが当てはまれば立派な高脂血症なんですけど。


 ●高血圧の診断基準

病院での血圧  140/90mmHg以上

ですから、

血圧高値(最高血圧130mmHg以上、または最低血圧85mmHg以上)

高血圧ではないですよね。
まあ、高血圧予備軍ですね。


同じく糖尿病でも

 ●糖尿病の診断基準

1,空腹時血糖   126 mg/dl以上
2,75gOGTT(糖負荷試験)  200 mg/dl以上
3,随時血糖   200 mg/dl以上

ですから、

高血糖(空腹時血糖値110mg/dL以上)

は、糖尿尿ではなくって、糖尿病の一歩手前、糖尿病予備軍なんです。
まっ、以上だから糖尿病も入りますけどね。



一つ一つの病態は重症じゃなくっても、いくつかが重なると動脈硬化が進んで、心筋梗塞や脳梗塞などになりやすくなるって事ですわ。

どの位なりやすいかっていうと、心筋梗塞や脳梗塞、そしてそれらによる死亡率は約3倍にもなります。



そいでやっと本題に入るんですけど、5月8日、厚生労働省の2004年国民健康・栄養調査で成人のメタボリックシンドロームは約1300万人と推計されることがわかりました。

 有病者一歩手前の「予備軍」も約1400万人で、両方合わせると約2700万人。40ー74歳では有病者が約940万人、予備軍が約1020万人。

 割合は中高年になるほど増加傾向を示し、40ー74歳に限ると男性では2人に1人、女性では5人に1人がメタボリックシンドローム予備軍

男性では4人に1人が、女性は10人に1人メメタボリックシンドロームでした。



そこのあなた。

人ごとじゃないんですよー。



あ、ちなみにお腹の径っていってもいわゆるお腹のくびれのウエスト径ではなくって、ちょうどお臍の位置で測った時の値を腹囲径って呼びます。


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