「将来医者の数は足りるの? 1」の続きです。
前の記事を読んでいない方は、こっちを先に読んで下さいね!
「将来医者の数は足りるの? 1」では現在の医者の労働時間に関する調査の信憑性と、労働基準法に違反した労働時間を基準にして、医者の不足分を計算をしているのがおかしい。
しかも医者の偏在、年齢、科による仕事量の偏りも全く考慮していない、という話でした。
今回は将来の医者の数についての、見通しの甘さについてです。
>同省の04年調査によると、病院や診療所で働く医師の数は約26万8000人。
医師の全体数は毎年約4000人ずつ増えている。
>将来推計では、病院や診療所で働く医師数は、2015年に約28万5000人、25年に約31万人、35年に約32万1000人と順調に増加すると推定され、同省は「全体では必要な医師数は供給される」と結論づけた。
問題点1,医学部に入る学生の数
ご存じの方も多いと思いますが。
日本の人口は減っています。
子供の出生数がここ十数年位で、大幅に減少しているからですね。
合計特殊出生率が1.2台でしたっけ。
当然、大学生の数も減るって事ですね。
そいで、国公立大学が独立行政法人になるんでしたね。
と、言うことは、国や地方自治体からの補助金が減るって事ですね。
私が学生だった頃、医者1人育てるのに大学6年間で1億数千万円かかるって言われていました。
今は、数千万円って言われていますけどね。
おそらく、その金額は増える事はあっても、減る事はないでしょう。
ほとんどの大学の医学部の人数は各学年100人です。
って事は百数十億円のお金がかかるっていう事ですね。
総合大学ならともかく、○○医科大学とかそういう大学が、学生の数が減って、独立行政法人になっても生き残っていけるんですかね。
学生の数がそのままで。
多分、医学部の学生の数を減らすか、下手したら経営が成り立たなくなって、つぶれてしまう大学も出てくるのではないですかね。
単科大学で、確実に赤字の学部ですからね。
そうなったときに、替わりに他の大学の医学部の定員だけ増やすって事があり得ますかね。
国公立大学の今でさえ、国が個別の大学に対して、医学部の定員を増やしなさいって命令する事は、非常に難しいと思うんですが。
独立行政法人になって、確実に赤字になる医学部の定員を、他の大学が増やすって事があり得ますかね。
問題点2、女医さんの数
日本の医者の中で、女性の占める割合は年々増えています。
参照:「もしも医者が100人の村だったら」
現在だと、医学部に入る学生のうち、1/3位は女性ですかね。
北欧の国の中には、女性が半分以上を占める国もありますけどね。
男が、医者は割に合わないって他の職業に就くからです。
日本でも、その傾向があるのかもしれませんね。
女性の場合は、結婚、妊娠を機に、医者を辞めてしまう人もいます。
今の日本の医療のシステムでは、ある程度やむを得ないと思いますが。
という事は、女医さんが増えたら、医者を辞める人も多くなるって事ですね。
こういう事は、考慮されているんでしょうかね。
問題点3、医療訴訟の問題
新聞やテレビなんかで、よく騒がれているから、皆さんご存じでしょうが。
医療訴訟の数というのは、年々増えています。
開業医というのは、自営業みたいもんですから、定年っていうのはありません。
本人が辞めたい時に辞められるんですね。
で、今、日本に70歳とか80歳以上の医者はたくさんいます。
その人達のほとんどは、これ以上お金を儲けたくてやっているわけではなくって、患者さんが待っているから、この地域に自分がいなくなったら、患者さんが困るから、って理由で医者を続けているんです。
中にはその地域に1人とか2人しか医者がいない、って所で開業している先生もいるでしょうし。
でも、「善意」で患者を助けようと思って、結果助けられなくって、訴訟沙汰になって、賠償金1億円とか取られる。
そういう世の中になってくれば、「善意」だけではやっていられなくなりますよね。
人生あと数年か十年くらいで、余生を過ごせるお金はあるのに、患者の為と思って医者を続けていたら、訴えられて一文無しになった。
なんて事になったら、やってられませんからね。
若いうちは、自分が食べる為に医師として働いても、余生を過ごす為に十分なお金が蓄え得られたら、医者を辞めよう。
と思う人が、このままいけば増えるでしょうね。
ざっと思いついただけで、この3点。
いずれも、今後医者の数が減るだろうという要素があります。
おそらくこういう要素は考慮せずに、今は医者の数(医師免許を取得する人の数)が年間4000人増えているから、20年後、30年後も、そのまま増え続けるだろう。
という、甘ーい見通しですね。
20年前は、20年後には医師過剰の時代が来るって言っていた、厚生労働省(当時は厚生省)の試算ですよ。
省は違うけど、無駄な道路や空港を作る為に、どう考えてもあり得ない人数が使用する、とか言って自分たちの都合の良い試算をする役人の試算ですよ。
20年前の見通しを、今比較したら、殆どはずれているんじゃないですか。
にも関わらず、何の責任も取らず、同じ様な試算を続けている役人の見通しですよ。
これ、誰か本当に信じている人いるんですか?
役人や新聞が言っているんだから、正しい。
なーんて、思っているんですか。
例えば、男子100m走の世界記録。
100年で13秒から10秒に3秒縮まった。
だから、300年後には100m走の世界記録は1秒になる。
そういう試算ぐらい、見通しは大甘だと思いますよ、私は。
最初から、結論ありき。
今これだけ医師不足って騒がれているのに、医者が足りているって言っても誰も信用してくれない。
だから、とりあえず今はちょっと足りないけど、近い将来は足りますよ。
だから、国の政策は何も変えませんよ。
って結論を出したくて、労働時間週48時間とか、今後医者を辞める人間の数を一切考慮しないで、都合の良い数字だけを計算した、見通しだと思いますよ。
今回の調査でわかったことは、どんなに大甘で、自分たちに都合の良いように労働時間の解釈をして、都合の悪い医師の地域による偏在性とか、科や年齢による仕事量の偏りに関する部分を無視しても、現時点では医者の数は最低でも5万6千人以上は足りないっていう事実だけです。
厚生労働省だけでなく、大学病院にも興味がある。
大学病院の内部事情について知りたいって人は、こちらから。
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「大学病院のうそ」 〜現役医師(Dr. I)が暴露する、大学病院の秘密
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「将来医者の数は足りるの? 1」では現在の医者の労働時間に関する調査の信憑性と、労働基準法に違反した労働時間を基準にして、医者の不足分を計算をしているのがおかしい。
しかも医者の偏在、年齢、科による仕事量の偏りも全く考慮していない、という話でした。
今回は将来の医者の数についての、見通しの甘さについてです。
>同省の04年調査によると、病院や診療所で働く医師の数は約26万8000人。
医師の全体数は毎年約4000人ずつ増えている。
>将来推計では、病院や診療所で働く医師数は、2015年に約28万5000人、25年に約31万人、35年に約32万1000人と順調に増加すると推定され、同省は「全体では必要な医師数は供給される」と結論づけた。
問題点1,医学部に入る学生の数
ご存じの方も多いと思いますが。
日本の人口は減っています。
子供の出生数がここ十数年位で、大幅に減少しているからですね。
合計特殊出生率が1.2台でしたっけ。
当然、大学生の数も減るって事ですね。
そいで、国公立大学が独立行政法人になるんでしたね。
と、言うことは、国や地方自治体からの補助金が減るって事ですね。
私が学生だった頃、医者1人育てるのに大学6年間で1億数千万円かかるって言われていました。
今は、数千万円って言われていますけどね。
おそらく、その金額は増える事はあっても、減る事はないでしょう。
ほとんどの大学の医学部の人数は各学年100人です。
って事は百数十億円のお金がかかるっていう事ですね。
総合大学ならともかく、○○医科大学とかそういう大学が、学生の数が減って、独立行政法人になっても生き残っていけるんですかね。
学生の数がそのままで。
多分、医学部の学生の数を減らすか、下手したら経営が成り立たなくなって、つぶれてしまう大学も出てくるのではないですかね。
単科大学で、確実に赤字の学部ですからね。
そうなったときに、替わりに他の大学の医学部の定員だけ増やすって事があり得ますかね。
国公立大学の今でさえ、国が個別の大学に対して、医学部の定員を増やしなさいって命令する事は、非常に難しいと思うんですが。
独立行政法人になって、確実に赤字になる医学部の定員を、他の大学が増やすって事があり得ますかね。
問題点2、女医さんの数
日本の医者の中で、女性の占める割合は年々増えています。
参照:「もしも医者が100人の村だったら」
現在だと、医学部に入る学生のうち、1/3位は女性ですかね。
北欧の国の中には、女性が半分以上を占める国もありますけどね。
男が、医者は割に合わないって他の職業に就くからです。
日本でも、その傾向があるのかもしれませんね。
女性の場合は、結婚、妊娠を機に、医者を辞めてしまう人もいます。
今の日本の医療のシステムでは、ある程度やむを得ないと思いますが。
という事は、女医さんが増えたら、医者を辞める人も多くなるって事ですね。
こういう事は、考慮されているんでしょうかね。
問題点3、医療訴訟の問題
新聞やテレビなんかで、よく騒がれているから、皆さんご存じでしょうが。
医療訴訟の数というのは、年々増えています。
開業医というのは、自営業みたいもんですから、定年っていうのはありません。
本人が辞めたい時に辞められるんですね。
で、今、日本に70歳とか80歳以上の医者はたくさんいます。
その人達のほとんどは、これ以上お金を儲けたくてやっているわけではなくって、患者さんが待っているから、この地域に自分がいなくなったら、患者さんが困るから、って理由で医者を続けているんです。
中にはその地域に1人とか2人しか医者がいない、って所で開業している先生もいるでしょうし。
でも、「善意」で患者を助けようと思って、結果助けられなくって、訴訟沙汰になって、賠償金1億円とか取られる。
そういう世の中になってくれば、「善意」だけではやっていられなくなりますよね。
人生あと数年か十年くらいで、余生を過ごせるお金はあるのに、患者の為と思って医者を続けていたら、訴えられて一文無しになった。
なんて事になったら、やってられませんからね。
若いうちは、自分が食べる為に医師として働いても、余生を過ごす為に十分なお金が蓄え得られたら、医者を辞めよう。
と思う人が、このままいけば増えるでしょうね。
ざっと思いついただけで、この3点。
いずれも、今後医者の数が減るだろうという要素があります。
おそらくこういう要素は考慮せずに、今は医者の数(医師免許を取得する人の数)が年間4000人増えているから、20年後、30年後も、そのまま増え続けるだろう。
という、甘ーい見通しですね。
20年前は、20年後には医師過剰の時代が来るって言っていた、厚生労働省(当時は厚生省)の試算ですよ。
省は違うけど、無駄な道路や空港を作る為に、どう考えてもあり得ない人数が使用する、とか言って自分たちの都合の良い試算をする役人の試算ですよ。
20年前の見通しを、今比較したら、殆どはずれているんじゃないですか。
にも関わらず、何の責任も取らず、同じ様な試算を続けている役人の見通しですよ。
これ、誰か本当に信じている人いるんですか?
役人や新聞が言っているんだから、正しい。
なーんて、思っているんですか。
例えば、男子100m走の世界記録。
100年で13秒から10秒に3秒縮まった。
だから、300年後には100m走の世界記録は1秒になる。
そういう試算ぐらい、見通しは大甘だと思いますよ、私は。
最初から、結論ありき。
今これだけ医師不足って騒がれているのに、医者が足りているって言っても誰も信用してくれない。
だから、とりあえず今はちょっと足りないけど、近い将来は足りますよ。
だから、国の政策は何も変えませんよ。
って結論を出したくて、労働時間週48時間とか、今後医者を辞める人間の数を一切考慮しないで、都合の良い数字だけを計算した、見通しだと思いますよ。
今回の調査でわかったことは、どんなに大甘で、自分たちに都合の良いように労働時間の解釈をして、都合の悪い医師の地域による偏在性とか、科や年齢による仕事量の偏りに関する部分を無視しても、現時点では医者の数は最低でも5万6千人以上は足りないっていう事実だけです。
厚生労働省だけでなく、大学病院にも興味がある。
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