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延命処置の実態 2
延命処置の実態の記事の反響が非常に大きかったので。
もうちょっと書いてみます。
まだ読んでいない人は、先にこちらを読んで下さい。


概略)

全国の病院に行った、「延命処置の実態」に関するアンケートの話です。
56%の病院が「延命処置中止・差し控えを行った」と回答した。
と書いてあるんですが。

延命処置中止」と
延命処置差し控え
は全く別のものだと思うんです。
それなのに一緒にして、あるかないかって質問は、不適切なんじゃないか。

延命処置差し控え」っていうのは、人によってとらえ方が違うから。
具体的にはどのように質問したのか。
そういった点を、詳細の書いてある8/4の朝刊を見て。
って思っていたんですが。


8/4の読売新聞に、書いてあった内容の要旨です。

差し控えた延命処置の内容は(%)

薬剤(昇圧剤、抗生剤等)の中止、減量            70.1%
人工呼吸器の不装着、取り外し                 70.9%
血液循環の中止(輸血、ペースメーカー等)          35.1%
人工透析の中止                           34.3%
栄養補給(中心静脈栄養や経管栄養)の中止、差し控え  51.5%
水分補給(末梢静脈からの点滴)の中止、差し控え     35.1%
全部中止                                3.0%
その他                                  6.7%


延命処置の中止、差し控えのきっかけは(%)

患者の希望       50.7%
家族の希望       88.8%
医学的判断       70.1%
その他           6.7%


これを見ると。
設問の内容は、やはりというか、
中止」と「差し控え」を一緒にしていますねー。
不適切と言わざるを得ませんねー、残念ながら。


別の事柄を一緒にした設問では、
正しい統計をとる事はできないと思います。


ちなみに、私がこれを見て「えっ」って思ったのは。

水分補給(末梢静脈からの点滴)の中止、差し控え     35.1%

水分も全くいかないっていうのは、
私は聞いた事がなかったんですが。
1/3もいるんですか。

老人の場合は、点滴のルートが取れない事があるので。
そういう時に、「水分くらいはいきたいけど、残念ながらいけない。」
という場合と、「点滴はできるけど、敢えていかない。」
というのでは、全く意味が違うと思うんですけどね。

水分くらいはいきたいけど、残念ながらいけなかった。」
というのも含めれば、1/3くらいはあるのかもしれませんが。
私は、それは中止とか差し控えではないと思うんですけどねー。
やはり、人によってとらえ方が違う質問が、多すぎると思います。


せっかく全国的なアンケートをやったんだから、
設問をもう少し多くして、細かく聞いて欲しかったですねー。


その他に書いてあった事としては、

延命処置の中止、差し控えの基準などを定めた、終末期医療
に関する全国統一のルールが必要だと思いますか。

思う         72.1%
思わない      22.5%
その他、無回答   5.4%


でした。

個人がどう思っても構わないんですけどね。
私は、そういうルールは必要だと思う人間です。

言い方は悪いですけど、一番の理由は自分(医者)を守る為です。


患者のため、家族のためにって思って治療したのに、
最悪の場合は、犯罪者になりかねない世の中になっていますから。


例えば、家族人工呼吸器をはずしてくれって言っている。
で、家族の意志を尊重して、はずしたら殺人だって訴えられるとか。

ルールで決まっていれば、それはできませんからって、断れますけど。
殺人訴えられる可能性があるから、できない。
って言っても、家族

「なんで、できないんだ、こんな医者、信用できない。
訴えてやる。」

って言う家族もいるでしょうからね、きっと。

そういう場合、困りますよね。
人工呼吸器をはずしたら、殺人罪訴えられるかも。
はずさなかったら、家族になんくせつけられて、訴えられるかも。


実際に、患者人工呼吸器をつけるなっていっているのに、
人工呼吸器をつけなかったら訴える
って家族に半分脅されて、やむを得ずつけたって
例もあるみたいですしね。

参考:読売新聞 2006.8.4,連載、届かぬ本人の意志


そういうルールがあった方が、家族も楽だと思いますよ。

だって、家族人工呼吸器をはずすとか、
つけないって選択をしたら、「私のせいで患者が亡くなった」
って、一生ずーっと思っていきていかなきゃならないんですよ。
これって、かなりつらいと思いますよ。



ちなみにこういうアンケート(匿名可)をするんなら、
私が一番知りたい事は、

「家族の希望も本人の希望もないのに、
医学的判断だけで延命処置の中止をしたことがあるか」


って事ですかね。

さすがに、それはないか。

でも、「文書で同意をとらないで延命処置の中止を行った」
って例は、多少はあるでしょうから。

それがどの位の割合かって事は、知りたいですね。


医学の事に興味ありませんか?
これらを見れば全て「ただ」で、いろんな事がわかりますよ。

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