現役医師、循環器内科医(Dr. I)が医療について、詳しくわかりやすく解説! 引用、転載は自由ですが、その際は必ず引用元を明記して下さいね!
医療ミスの確率2
「医療ミスの確率」の記事の続きです。

前回は、

世界一の天才野球選手イチローですら、
エラーの確率はゼロではない。


という例を使って、医療ミス確率は、
どんな医者でもゼロという事はありえない。

という話をしました。
まだ読んでいないって人は、
できれば先にこちらを読んで下さいね!


今回は、より医療現場に近い例を使って、
医療ミスを減らす方法について書いていきます。


医療ミスとかヒヤリハットの事例って言っても、
いろんなパターンがあるんですが。

ほとんどの病院で、多いのは、
「誤薬」、「転倒」、「患者の取り違え」。
この3つだと思います。

その中でも、最も多いと思われる「誤薬」の確率
について、今回は例を出して説明していきます。


誤薬というのは、読んで字の如く、薬を間違えるって事です。

誤薬の確率がどの位なのか、
本当は私、全く知らないんですが(汗)


医者が薬の処方を間違える確率を、
とりあえず1%としましょうか。


医者というのは職業柄、何をやるにしても、
必ず確認作業をする人が多いと思います。

私だけでなく、薬の処方をする時も、一度薬の名前を書いて、
その後必ずもう一回見直す、という人も多いと思います。

多分、このもう一回見直すって作業で、
誤薬の確率を半分位にしていると思います。


外来の場合、医者処方箋を書いたら、
まずそれを看護師確認します。

そいで、院内の薬剤師確認して処方箋を
患者に渡します。

そして、院外薬局に持っていって、院外薬局
薬剤師がもう一回確認して、患者に薬を渡す。

そういうシステムになっている場合が多いです。


看護師院内薬局、院外薬局再確認をする事によって、
誤薬確率を、それぞれ半分位にする事が
できるんではないかと思います。

便宜的に誤薬確率

看護師の確認によって、1/2に、
院内の薬剤師の確認によって、1/2.5
院外の薬剤師の確認によって、1/2

減るとします。

そうすると、医者が一回見直して処方して、
看護師、院内の薬剤師、院外の薬剤師確認して
誤薬が起こる確率

1/100x1/2x1/2.5x1/2=1/1000

になりますね。

ま、あくまでも例ですけどね。

「医療ミスの確率」の記事で、イチローの例では、

(エラーの確率

超一流のプロ野球選手イチロー   1%
若手プロ野球選手           2%
高校野球の選手            4%
として。

イチローのエラーの確率は、若手プロ野球選手の
半分、高校球児の1/4って事になりましたが。


医者の場合は、超一流の医者誤薬とかミスが少ないか、
っていうと何とも言えないと言うか。

超一流の医者っていうのは普通「技術が超一流」。
という事を意味していますので。
必ずしも、誤薬ミス確率が、他の医者と比べて極端に
少ないって事はないような気がします。

それよりも、すごく神経質で確認もしっかりする
ミスの非常に少ない医師っていうのが、
一番誤薬確率が少ない医者のような気がします。


医療ミス誤薬に関しても、このイチローの例のように、
医者個人では、すごく神経質で確認もしっかりする
ミスの非常に少ない医師でも、誤薬確率
普通の医師のせいぜい1/2位だと思います。

例に出すとこんな感じでしょうか

誤薬確率

しっかり確認するミスの少ない医師   0.5%
普通の医師                  1%
処方を書いて再確認しない医師      2%

これを大幅に上回るくらいミス確率を少なくするって事は、
個人のレベルでは、事実上不可能です。

個人の能力には限界があるって事ですね。

もちろん、ミスの確率ゼロという事は絶対にありえません


じゃあ誤薬の確率を減らす為にはどうすれば良いかって。

それは、「確認する人を増やせば良いんです。」

さっき便宜的に計算した誤薬確率で、

1/100x1/2x1/2.5x1/2=1/1000

となっていましたが。

もう1人追加して、確認する作業を挟むことで、
その確率を更に約1/2にする事が出来ますからね。

すると、誤薬の確率

1/100x1/2x1/2.5x1/2x1/2=1/2000

と、更に半分になりますよね。


ミスの確率1/10スーパー医師を育成する事は、
ほとんど不可能だと思いますが。

確認作業する人3人挟む事によって、
ミスの確率1/10に減るんです。


アメリカかどっかの事例でも、医療ミス確率を減らすには、
人を増やすしか、有効な方法はない
って話が出ていたと思いますが、こういう事ですね。


前回も言いましたが、医療ミス確率
絶対にゼロにはならないんですよ

まず、それが前提にあって。

じゃあ、医療ミスを減らす為にはどうすればよいか。
って考えるんです。

そして、その為には、確認の回数を増やすって事です。

で、具体的には、確認する人を増やす
その為には人件費がかかります。

と言うことは、医療費を抑制しちゃ駄目だって事です。


医療ミス、医療過誤だって騒ぐんであれば、
ます人件費にお金をかけなきゃ駄目って思うんですが。


医療ミスが増える要因として、他に
過労」というのがあるんですが。

国は「医者の数は足りている」として、
医師の数を増やすつもりはないそうです。


国の方針として、医療費削減、医師の増員をしない
という事を決めたのですが。

そのせいで医療ミスが増えたとしたら、
それは国の責任とも言えると思うんですが。

その時も国は責任を取らず、また医師個人
責任を押しつけるのでしょうか。


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