新聞や、ネット、他のお医者さんのブログでもたくさん取り上げられたから、
知っている方も多いとは思いますが。
江別市立病院の内科医七人全員が総辞職することになりましたね。
マスコミの記事を見ると、理由は医者の勤務の過酷さって言っているみたいですが。
ホントでしょうかねー。
まずは、北海道新聞の記事を見てみましょうか。
江別市立病院の内科系の常勤医師七人全員が、
勤務の過酷さなどを理由に九月末までに総辞職することが
八月二十五日、明らかになった。
市と医師派遣元の北大医学部との間に、
医師の待遇や院長人事をめぐる確執があったともされ、
患者を無視した市や病院側の対応に市民から批判が出ている。
同市立病院は同市の唯一の総合病院。
六病棟二百七十八床で、診療は内科、呼吸器科など十六科。
年間の入院、外来患者は全科で四十万五千七百人余り(昨年度実績)。
同市立病院では循環器、呼吸器などの入院患者の受け入れが
困難になることから八月、六つある病棟の内科の一病棟(四十六床)を休止。
十月からもう一つの病棟(四十八床)をさらに休止する。
同病院の常勤の内科医は昨年八月は十二人在籍していた。
今春、前院長が退任。後任が発令されず院長空席のまま
内科医の流出が相次ぎ、残っていた七人も相次いで辞表を出していた。
同病院関係者によると、院長後任は同じ北大医学部の内科から
後継者含みで派遣されていた医師が昇格するとの見方があったが、
市側が別の医師を院長に充てようとしたことから、
両者に行き違いが生じたという。
二十五日の市議会厚生委で小川市長は、院長人事について
「経緯を話しても、誤解と憶測を招くだけ」として説明を避けた。
派遣の窓口となっている北大医学部第一内科の西村正治教授は、
「過酷な勤務負担に、現場の医師が耐えられなかった」と説明。
同病院には夜間急病診療所が併設され当直医が対応しているが、
西村教授は「別な大学から派遣されていた消化器内科医もやめ、
残る医師の負担は限界だった」と指摘する。
これに対して市は、医師の負担解消のため
同診療所を病院から分離移転することを決めている。
「2006.8.26 北海道新聞抜粋」
別の新聞とかでも読んだけど。
理由には医師の過酷な勤務と書いてありますが。
医師の過酷な勤務が理由っていうのを言っているのは、
市長、事務長サイドや、教授で、
当事者ではないみたいに見えるのは気のせいでしょうか。
なんかいつものパターン、医者個人の責任にしようとしてませんかね。
客観的に病院の規模と医師の数を見てみると。
二百七十八床で、診療は内科、呼吸器科など十六科。
内科病棟の数は46+48=94床
内科医の数は7人
「江別市立病院のHP」 によれば、
常勤医は精神科4人、小児科4人外科4人、整形外科5人(常勤医3人)、
泌尿器科2人、産婦人科3人、眼科3人(常勤医2人)、耳鼻科2人、
麻酔科3人、病理医1人で、内科の7人を合わせると、
合計35人になるようです。
常勤、非常勤は、ちょっとHPだけでは判断しにくかったんですが、
外来をやっている先生は常勤医だと勝手に判断すると、この数になります。
病院の規模からすると、ベッド数の割には、医者は少ないという事はなく、
標準くらいか、むしろ多い方くらい。
普通の病院は、科に関係なく病院の当直をしますから。
35人で割ると、月一回平均。
ま、実際は年齢等の問題で、当直をやらない医者もいるので。
若い医者は月二回、他でも月一回くらいになります。
内科7人で、94床だと、1人当たり平均すると13人。
実際は、一番上の先生は入院患者ゼロか、それに近いでしょうから、
6人で割ったとしても、平均15人くらい。
でも、これはあくまで満床になった時の話ですから。
普段は、10~13人位でしょう。
この数は、はっきり言って、普通です。
ということは、普通の勤務をしているだけなら、
過酷な勤務にはならないだろうと思われます。
では、なぜ医者の過酷な勤務っていうのが理由になるのか。
問題は、こっちみたいです。
同病院には夜間急病診療所が併設され当直医が対応している
よくわかんないんですが。
内科医の当直は、月5,6回って他の記事に書いてありましたので。
おそらく、こっちの夜間診療所の当直に、毎日内科医が
必ず1人は出る事になっていたんじゃないかなー、と思います。
すると、一ヶ月を6人で割ると、月5,6回になりますから。
ま、あくまでも推測ですけどね。
夜間救急センターの当直は、私もやった事ありますが、すごい大変。
1次救急だから、軽症の風邪や酔っぱらいからなにから、
一晩で数十人くらい患者が来る事が多いです。
当然、そうなるとほとんど睡眠は取れません。
しかも、市で唯一の総合病院だから、
2次3次救急もやっているのでしょうから。
軽症の患者から、重症の患者まで、
全部見なきゃいけないって事です。
それで、次の日は普通に勤務を続けるってのを、
毎週やっていたら、それは辞めたくなります。
でもね、これって普通は他の病院とか、大学のアルバイトの医者が
当直をする事が多いんですよね。
江別市の夜間急病センターだから。
江別市の医師会に所属する、他の開業医の医師とか。
北大の第一内科の研究生とかね。
実際、他の市ではそういう所が多いと思います。
でも、江別市の場合は、江別市立病院の医者が、
普通の勤務に加えてやっていたみたいです。
どうやら、民間病院よりも給料は安いらしいですから。
簡単に言うと、人の倍働かされて、給料は安いって事ですね。
ここからは、あくまでも推測ですけどね。
12人いても、月2,3回はやらなきゃいけないので、大変。
それで、急病センターは別にしてくれって、現場の医師は
事務サイドや、市に陳情していた。
でも、結局取り合ってくれなくて、5人は辞めた。
残された医者は、7人でもっと大変になって、
やむを得ずに、辞めた。
で、慌てて、
市は、医師の負担解消のため
同診療所を病院から分離移転することを決めている。
って事にした。
でも、もう手遅れ。
医者は過酷な労働を理由に辞めた。
って医者のせいにしているようですが。
原因を作っているのは、市や行政。
結局、損をするのは、患者さん。
これって、今の日本の医療の現状と似ていませんかね。
私や他のブログを書いている医師もたくさんいて。
医者の数は足りていない、って現場は言っている。
他にも医療現場の声を伝えている。
でも、行政は全く取り合ってくれない。
で、勤務医はどんどん辞めて。
その結果は、どうなるんでしょうか。
急にたくさんの勤務医が辞めない限り、行政は動かないようですが。
これを教訓に、今の内になんらかの対策を練るって事は、
しないんでしょうかねー。
お知らせ!
私、昨日から夏休みに入りました。
国内なので、ちょっと旅行にいくので、しばらくコメント
返せないかもしれませんが、その時は週末まで待っててね!
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知っている方も多いとは思いますが。
江別市立病院の内科医七人全員が総辞職することになりましたね。
マスコミの記事を見ると、理由は医者の勤務の過酷さって言っているみたいですが。
ホントでしょうかねー。
まずは、北海道新聞の記事を見てみましょうか。
江別市立病院の内科系の常勤医師七人全員が、
勤務の過酷さなどを理由に九月末までに総辞職することが
八月二十五日、明らかになった。
市と医師派遣元の北大医学部との間に、
医師の待遇や院長人事をめぐる確執があったともされ、
患者を無視した市や病院側の対応に市民から批判が出ている。
同市立病院は同市の唯一の総合病院。
六病棟二百七十八床で、診療は内科、呼吸器科など十六科。
年間の入院、外来患者は全科で四十万五千七百人余り(昨年度実績)。
同市立病院では循環器、呼吸器などの入院患者の受け入れが
困難になることから八月、六つある病棟の内科の一病棟(四十六床)を休止。
十月からもう一つの病棟(四十八床)をさらに休止する。
同病院の常勤の内科医は昨年八月は十二人在籍していた。
今春、前院長が退任。後任が発令されず院長空席のまま
内科医の流出が相次ぎ、残っていた七人も相次いで辞表を出していた。
同病院関係者によると、院長後任は同じ北大医学部の内科から
後継者含みで派遣されていた医師が昇格するとの見方があったが、
市側が別の医師を院長に充てようとしたことから、
両者に行き違いが生じたという。
二十五日の市議会厚生委で小川市長は、院長人事について
「経緯を話しても、誤解と憶測を招くだけ」として説明を避けた。
派遣の窓口となっている北大医学部第一内科の西村正治教授は、
「過酷な勤務負担に、現場の医師が耐えられなかった」と説明。
同病院には夜間急病診療所が併設され当直医が対応しているが、
西村教授は「別な大学から派遣されていた消化器内科医もやめ、
残る医師の負担は限界だった」と指摘する。
これに対して市は、医師の負担解消のため
同診療所を病院から分離移転することを決めている。
「2006.8.26 北海道新聞抜粋」
別の新聞とかでも読んだけど。
理由には医師の過酷な勤務と書いてありますが。
医師の過酷な勤務が理由っていうのを言っているのは、
市長、事務長サイドや、教授で、
当事者ではないみたいに見えるのは気のせいでしょうか。
なんかいつものパターン、医者個人の責任にしようとしてませんかね。
客観的に病院の規模と医師の数を見てみると。
二百七十八床で、診療は内科、呼吸器科など十六科。
内科病棟の数は46+48=94床
内科医の数は7人
「江別市立病院のHP」 によれば、
常勤医は精神科4人、小児科4人外科4人、整形外科5人(常勤医3人)、
泌尿器科2人、産婦人科3人、眼科3人(常勤医2人)、耳鼻科2人、
麻酔科3人、病理医1人で、内科の7人を合わせると、
合計35人になるようです。
常勤、非常勤は、ちょっとHPだけでは判断しにくかったんですが、
外来をやっている先生は常勤医だと勝手に判断すると、この数になります。
病院の規模からすると、ベッド数の割には、医者は少ないという事はなく、
標準くらいか、むしろ多い方くらい。
普通の病院は、科に関係なく病院の当直をしますから。
35人で割ると、月一回平均。
ま、実際は年齢等の問題で、当直をやらない医者もいるので。
若い医者は月二回、他でも月一回くらいになります。
内科7人で、94床だと、1人当たり平均すると13人。
実際は、一番上の先生は入院患者ゼロか、それに近いでしょうから、
6人で割ったとしても、平均15人くらい。
でも、これはあくまで満床になった時の話ですから。
普段は、10~13人位でしょう。
この数は、はっきり言って、普通です。
ということは、普通の勤務をしているだけなら、
過酷な勤務にはならないだろうと思われます。
では、なぜ医者の過酷な勤務っていうのが理由になるのか。
問題は、こっちみたいです。
同病院には夜間急病診療所が併設され当直医が対応している
よくわかんないんですが。
内科医の当直は、月5,6回って他の記事に書いてありましたので。
おそらく、こっちの夜間診療所の当直に、毎日内科医が
必ず1人は出る事になっていたんじゃないかなー、と思います。
すると、一ヶ月を6人で割ると、月5,6回になりますから。
ま、あくまでも推測ですけどね。
夜間救急センターの当直は、私もやった事ありますが、すごい大変。
1次救急だから、軽症の風邪や酔っぱらいからなにから、
一晩で数十人くらい患者が来る事が多いです。
当然、そうなるとほとんど睡眠は取れません。
しかも、市で唯一の総合病院だから、
2次3次救急もやっているのでしょうから。
軽症の患者から、重症の患者まで、
全部見なきゃいけないって事です。
それで、次の日は普通に勤務を続けるってのを、
毎週やっていたら、それは辞めたくなります。
でもね、これって普通は他の病院とか、大学のアルバイトの医者が
当直をする事が多いんですよね。
江別市の夜間急病センターだから。
江別市の医師会に所属する、他の開業医の医師とか。
北大の第一内科の研究生とかね。
実際、他の市ではそういう所が多いと思います。
でも、江別市の場合は、江別市立病院の医者が、
普通の勤務に加えてやっていたみたいです。
どうやら、民間病院よりも給料は安いらしいですから。
簡単に言うと、人の倍働かされて、給料は安いって事ですね。
ここからは、あくまでも推測ですけどね。
12人いても、月2,3回はやらなきゃいけないので、大変。
それで、急病センターは別にしてくれって、現場の医師は
事務サイドや、市に陳情していた。
でも、結局取り合ってくれなくて、5人は辞めた。
残された医者は、7人でもっと大変になって、
やむを得ずに、辞めた。
で、慌てて、
市は、医師の負担解消のため
同診療所を病院から分離移転することを決めている。
って事にした。
でも、もう手遅れ。
医者は過酷な労働を理由に辞めた。
って医者のせいにしているようですが。
原因を作っているのは、市や行政。
結局、損をするのは、患者さん。
これって、今の日本の医療の現状と似ていませんかね。
私や他のブログを書いている医師もたくさんいて。
医者の数は足りていない、って現場は言っている。
他にも医療現場の声を伝えている。
でも、行政は全く取り合ってくれない。
で、勤務医はどんどん辞めて。
その結果は、どうなるんでしょうか。
急にたくさんの勤務医が辞めない限り、行政は動かないようですが。
これを教訓に、今の内になんらかの対策を練るって事は、
しないんでしょうかねー。
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