医師の不足や偏在ってあくまで、厚生労働省の立場は、
医師不足でなくて、偏在が問題という立場のようですが。
アンフェタミン先生のブログを見て、m3.comのメールも
見たら、変な事を言っている偉―い先生がいたので、
どこが変なのかを具体的に検証していきたいと思います。
本物はかなり長いので、全部みたい人はアンフェタミン先生の
ブログの『何だろう?この京大教授は?』の記事を見て下さいね!
「偏在」こそが問題 病院経営改革も必要----京大教授・西村周三氏
医師の需給を考える際、最も注目すべき問題は「偏在」だ。
東京、大阪などの大都市には十分な医師がいるが、
地方の公立病院は必要数を確保できない。
産婦人科や小児科など特定の科の医師の不足も目立つ。
日本の人口当たりの医師数は、OECD(経済協力開発機構)加盟国の
平均より少ないが、医師と看護師など他の医療職との仕事の分担は
国によって異なり、この比較だけで日本の医師が足りないとは言えない。
日本の医師総数は年約1・6%の割合で増えているが、
どう増やすかには科学的根拠が必要だ。
英米では、どんな病気が増えているかや医療技術の進歩に伴う
各診療科の勤務時間の変化などを、かなり詳しく分析し、
医師の需給予測をしている。
一方、日本は旧厚生省の検討委員会が76年、
「2025年には医師が1割程度過剰になる」と予測。
医学部の定員削減などが始まった。
しかし、推計は粗いものだった。
高齢化社会の到来や患者ニーズの変化を考慮していなかった。
勤務が過酷な病院や診療科を若手医師が避けたり、
結婚や育児との両立に悩む女性医師が増えたことも想定外で、
現在の偏在につながった。
いまこそ、国は地域性や医療技術の進歩も踏まえた
緻密(ちみつ)な予測をし、偏在を解消しなければならない。
医学教育では、「どこで働くどんな医師を育成するか」という視点が不可欠だ。
政府は、医師不足が深刻な10県の大学医学部の定員増を認めたが、
定数だけ増やしても根本的解決にならない。
地方の大学の医学生が、必ずしも地方にとどまるわけではないからだ。
まず、国・自治体と大学が十分に協議し、地域の医療ニーズを分析して、
育成すべき医師像や数、診療科の配置を検討すべきだ。
病院経営の改革も欠かせない。
勤務医は、忙しい診療科でも、そうでなくても給料があまり変わらない。
こうした不合理な報酬体系を見直し、
忙しい診療科の医師には勤務に応じた給料を支払い、
不公平感をなくしていけば、忙しい科への医師の誘導も可能になる。
医師不足が深刻な全国の公立病院では、
報酬体系や医師間の役割分担を抜本的に見直すため、
条例で病院長に一定の裁量権を与えることも、解決の一手になる。
毎日新聞社:2006年9月25日
このブログを前から読んでいる人達であれば。
なんとなく言っている事がおかしいという事はわかると思いますが。
どこがおかしいか、個別の事柄について、検討していきますか。
>医師の需給を考える際、最も注目すべき問題は「偏在」だ。
東京、大阪などの大都市には十分な医師がいる
これ、本当でしょうか。
確かに、大きな都市には診療所なんかは多いのかもしれませんが。
しかし、今一番問題になっている、「勤務医」が余っている
都市というのは、大都市を含め、聞いたことがありません。
大病院指向が患者にも強く、たいしたことのない病気でも、
大きな病院に来ようとしたり。
緊急性もないのに、夜中や休日に大病院に患者が多く来る。
その結果、多くの医者が勤務医を辞めて開業して、勤務医が減って、
医師不足という事が言われているのではないでしょうか。
ちなみに、大学病院神話の話は、こちらから!
→ 「大学病院のうそ」 ~現役医師(Dr. I)が暴露する、大学病院の秘密
>日本の人口当たりの医師数は、OECD(経済協力開発機構)加盟国の
平均より少ないが、医師と看護師など他の医療職との仕事の分担は
国によって異なり、この比較だけで日本の医師が足りないとは言えない。
日本の人口当たりの医師はOECDの中で「一番」少ないです。
これに関してはその通りです。
本文では、この次に出てくる本田先生も言っているように、
日本の医師1人当たりの年間外来対応数は8000件以上、
OECD平均は約2500件です。
日本の病院のベッド数は、アメリカなんかと比べると、
2~5倍くらいあります。
要は入院患者も外来患者も、他の国の約3倍いるって事です。
人口当たりの医師数は同じでも、同じ患者が3回(3倍)受診して、
入院患者も3倍いれば、医者の仕事は3倍多くなる。
ま、当たり前の事ですね。
どっかの偉い教授じゃなくても、わかることです。
>医師と看護師など他の医療職との仕事の分担は国によって異なり、
日本は人口当たりの医師数も少ないですが。
看護師の数も同様に少ないです。
しかも、医者の仕事は、純粋に医療行為だけでなく、
事務仕事や会議、書類書き。
病院によっては、患者のルート取りや、点滴の注射を
看護師ではなくて、医者の仕事にしている所もあります。
他の国では、看護師や事務職員、ヘルパーさんがやっている仕事を
医者がやっている事も多いです。
確かに
看護師など他の医療職との仕事の分担は国によって異なるんですが、
日本の場合は、医者のやる仕事の割合が他の国よりも多いんです。
だから、人数だけで単純に比較するんではなく、
医師不足って言って、必要な医師の人数を見積もるのであれば、
それよりも、足りない人数をもっと多めに見積もる必要があります。
>どう増やすかには科学的根拠が必要だ。
そうです。
単純に比較したり、この方が言っているように、
単純には比較できないってごまかすだけでなく、
多めに見積もる医師数が何人なのかを、
きちんと計算しなければいけません。
>いまこそ、国は地域性や医療技術の進歩も踏まえた
緻密(ちみつ)な予測をし、偏在を解消しなければならない。
ま、緻密な予測をしなければならないのは確かですが。
そしたら、医師の偏在ではなくて、不足って事が明らかになるでしょうね。
>政府は、医師不足が深刻な10県の大学医学部の定員増を認めたが、
定数だけ増やしても根本的解決にならない。
全くおっしゃる通りですね。
所詮、全国で100人位でしたっけ、医学部の定員が増えたのは。
で、医学部で6年間勉強して、研修が2年。
8年後に約100人の医者が増えるだけですからね。
全く根本的解決にはなっていませんよね。
>まず、国・自治体と大学が十分に協議し、地域の医療ニーズを分析して、
育成すべき医師像や数、診療科の配置を検討すべきだ。
こういう協議はどんどんすべきだと思いますよ。
でも、例えば眼科はニーズがないって事になって、
小児科はもっと必要だってニーズがあったとします。
で、小児科になりたくないって医者が多かったらどうするんでしょうか?
眼科には人数制限をかけて、小児科になりたくない医者を
無理矢理、小児科医にするって事でしょうかね。
あ、小児科や眼科の悪口を言っているわけではないので、あしからず。
>忙しい診療科の医師には勤務に応じた給料を支払い、
不公平感をなくしていけば、忙しい科への医師の誘導も可能になる。
これに関しては、私は基本的には賛成です。
年功序列で、ろくに仕事もしない医者が、
一生懸命たくさん働いて、病院に利益をもたらす医師よりも
給料が良いってのは、おかしいと思います。
本当は、科によって給料を変えるのではなく、
個別の医師の働きや能力によって給料を変えるのが
良いと思うんですけど。
そうなると、評価っていうのが難しいので。
まだまだ先の話になるのかもしれませんが。
科によって変えるっていうのも、悪くはないかもしれませんね。
ま、同じ様な事、私も前に言っていますし。
>医師不足が深刻な全国の公立病院では、
報酬体系や医師間の役割分担を抜本的に見直すため、
条例で病院長に一定の裁量権を与えることも、解決の一手になる。
これもその通りだと思います。
誰がたくさん働いているとかは、一緒に働いていれば
わかる事ですからね。
そういう人は病院にとっても、戦力だし
いて欲しい人材だと思うので。
そういう医者の給料やボーナスを増やすってのは、
良いんじゃないですかね。
最後の方の個別の医者の給料の話とかは、
私も賛成する部分もありますが。
根本的に、医師不足なのに、医師偏在が問題
って言っているところが、全く現場をわかっていませんね。
患者の数が約3倍。
そして、事務や書類書き等の医療業務以外の業務も多い。
医師の数はOECDの中で、人口当たりで最も少ない。
この事実があって、「医師不足」ではなくて、「医師偏在」が問題。
そう言っている、根拠を示して欲しいですね。
仮に医療現場の事をわからないとしても、
このように論理的に検証していけば、
間違いに気づくと思うんですが。
あ、この人、京大の副学長らしいですよ。
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アンフェタミン先生のブログを見て、m3.comのメールも
見たら、変な事を言っている偉―い先生がいたので、
どこが変なのかを具体的に検証していきたいと思います。
本物はかなり長いので、全部みたい人はアンフェタミン先生の
ブログの『何だろう?この京大教授は?』の記事を見て下さいね!
「偏在」こそが問題 病院経営改革も必要----京大教授・西村周三氏
医師の需給を考える際、最も注目すべき問題は「偏在」だ。
東京、大阪などの大都市には十分な医師がいるが、
地方の公立病院は必要数を確保できない。
産婦人科や小児科など特定の科の医師の不足も目立つ。
日本の人口当たりの医師数は、OECD(経済協力開発機構)加盟国の
平均より少ないが、医師と看護師など他の医療職との仕事の分担は
国によって異なり、この比較だけで日本の医師が足りないとは言えない。
日本の医師総数は年約1・6%の割合で増えているが、
どう増やすかには科学的根拠が必要だ。
英米では、どんな病気が増えているかや医療技術の進歩に伴う
各診療科の勤務時間の変化などを、かなり詳しく分析し、
医師の需給予測をしている。
一方、日本は旧厚生省の検討委員会が76年、
「2025年には医師が1割程度過剰になる」と予測。
医学部の定員削減などが始まった。
しかし、推計は粗いものだった。
高齢化社会の到来や患者ニーズの変化を考慮していなかった。
勤務が過酷な病院や診療科を若手医師が避けたり、
結婚や育児との両立に悩む女性医師が増えたことも想定外で、
現在の偏在につながった。
いまこそ、国は地域性や医療技術の進歩も踏まえた
緻密(ちみつ)な予測をし、偏在を解消しなければならない。
医学教育では、「どこで働くどんな医師を育成するか」という視点が不可欠だ。
政府は、医師不足が深刻な10県の大学医学部の定員増を認めたが、
定数だけ増やしても根本的解決にならない。
地方の大学の医学生が、必ずしも地方にとどまるわけではないからだ。
まず、国・自治体と大学が十分に協議し、地域の医療ニーズを分析して、
育成すべき医師像や数、診療科の配置を検討すべきだ。
病院経営の改革も欠かせない。
勤務医は、忙しい診療科でも、そうでなくても給料があまり変わらない。
こうした不合理な報酬体系を見直し、
忙しい診療科の医師には勤務に応じた給料を支払い、
不公平感をなくしていけば、忙しい科への医師の誘導も可能になる。
医師不足が深刻な全国の公立病院では、
報酬体系や医師間の役割分担を抜本的に見直すため、
条例で病院長に一定の裁量権を与えることも、解決の一手になる。
毎日新聞社:2006年9月25日
このブログを前から読んでいる人達であれば。
なんとなく言っている事がおかしいという事はわかると思いますが。
どこがおかしいか、個別の事柄について、検討していきますか。
>医師の需給を考える際、最も注目すべき問題は「偏在」だ。
東京、大阪などの大都市には十分な医師がいる
これ、本当でしょうか。
確かに、大きな都市には診療所なんかは多いのかもしれませんが。
しかし、今一番問題になっている、「勤務医」が余っている
都市というのは、大都市を含め、聞いたことがありません。
大病院指向が患者にも強く、たいしたことのない病気でも、
大きな病院に来ようとしたり。
緊急性もないのに、夜中や休日に大病院に患者が多く来る。
その結果、多くの医者が勤務医を辞めて開業して、勤務医が減って、
医師不足という事が言われているのではないでしょうか。
ちなみに、大学病院神話の話は、こちらから!
→ 「大学病院のうそ」 ~現役医師(Dr. I)が暴露する、大学病院の秘密
>日本の人口当たりの医師数は、OECD(経済協力開発機構)加盟国の
平均より少ないが、医師と看護師など他の医療職との仕事の分担は
国によって異なり、この比較だけで日本の医師が足りないとは言えない。
日本の人口当たりの医師はOECDの中で「一番」少ないです。
これに関してはその通りです。
本文では、この次に出てくる本田先生も言っているように、
日本の医師1人当たりの年間外来対応数は8000件以上、
OECD平均は約2500件です。
日本の病院のベッド数は、アメリカなんかと比べると、
2~5倍くらいあります。
要は入院患者も外来患者も、他の国の約3倍いるって事です。
人口当たりの医師数は同じでも、同じ患者が3回(3倍)受診して、
入院患者も3倍いれば、医者の仕事は3倍多くなる。
ま、当たり前の事ですね。
どっかの偉い教授じゃなくても、わかることです。
>医師と看護師など他の医療職との仕事の分担は国によって異なり、
日本は人口当たりの医師数も少ないですが。
看護師の数も同様に少ないです。
しかも、医者の仕事は、純粋に医療行為だけでなく、
事務仕事や会議、書類書き。
病院によっては、患者のルート取りや、点滴の注射を
看護師ではなくて、医者の仕事にしている所もあります。
他の国では、看護師や事務職員、ヘルパーさんがやっている仕事を
医者がやっている事も多いです。
確かに
看護師など他の医療職との仕事の分担は国によって異なるんですが、
日本の場合は、医者のやる仕事の割合が他の国よりも多いんです。
だから、人数だけで単純に比較するんではなく、
医師不足って言って、必要な医師の人数を見積もるのであれば、
それよりも、足りない人数をもっと多めに見積もる必要があります。
>どう増やすかには科学的根拠が必要だ。
そうです。
単純に比較したり、この方が言っているように、
単純には比較できないってごまかすだけでなく、
多めに見積もる医師数が何人なのかを、
きちんと計算しなければいけません。
>いまこそ、国は地域性や医療技術の進歩も踏まえた
緻密(ちみつ)な予測をし、偏在を解消しなければならない。
ま、緻密な予測をしなければならないのは確かですが。
そしたら、医師の偏在ではなくて、不足って事が明らかになるでしょうね。
>政府は、医師不足が深刻な10県の大学医学部の定員増を認めたが、
定数だけ増やしても根本的解決にならない。
全くおっしゃる通りですね。
所詮、全国で100人位でしたっけ、医学部の定員が増えたのは。
で、医学部で6年間勉強して、研修が2年。
8年後に約100人の医者が増えるだけですからね。
全く根本的解決にはなっていませんよね。
>まず、国・自治体と大学が十分に協議し、地域の医療ニーズを分析して、
育成すべき医師像や数、診療科の配置を検討すべきだ。
こういう協議はどんどんすべきだと思いますよ。
でも、例えば眼科はニーズがないって事になって、
小児科はもっと必要だってニーズがあったとします。
で、小児科になりたくないって医者が多かったらどうするんでしょうか?
眼科には人数制限をかけて、小児科になりたくない医者を
無理矢理、小児科医にするって事でしょうかね。
あ、小児科や眼科の悪口を言っているわけではないので、あしからず。
>忙しい診療科の医師には勤務に応じた給料を支払い、
不公平感をなくしていけば、忙しい科への医師の誘導も可能になる。
これに関しては、私は基本的には賛成です。
年功序列で、ろくに仕事もしない医者が、
一生懸命たくさん働いて、病院に利益をもたらす医師よりも
給料が良いってのは、おかしいと思います。
本当は、科によって給料を変えるのではなく、
個別の医師の働きや能力によって給料を変えるのが
良いと思うんですけど。
そうなると、評価っていうのが難しいので。
まだまだ先の話になるのかもしれませんが。
科によって変えるっていうのも、悪くはないかもしれませんね。
ま、同じ様な事、私も前に言っていますし。
>医師不足が深刻な全国の公立病院では、
報酬体系や医師間の役割分担を抜本的に見直すため、
条例で病院長に一定の裁量権を与えることも、解決の一手になる。
これもその通りだと思います。
誰がたくさん働いているとかは、一緒に働いていれば
わかる事ですからね。
そういう人は病院にとっても、戦力だし
いて欲しい人材だと思うので。
そういう医者の給料やボーナスを増やすってのは、
良いんじゃないですかね。
最後の方の個別の医者の給料の話とかは、
私も賛成する部分もありますが。
根本的に、医師不足なのに、医師偏在が問題
って言っているところが、全く現場をわかっていませんね。
患者の数が約3倍。
そして、事務や書類書き等の医療業務以外の業務も多い。
医師の数はOECDの中で、人口当たりで最も少ない。
この事実があって、「医師不足」ではなくて、「医師偏在」が問題。
そう言っている、根拠を示して欲しいですね。
仮に医療現場の事をわからないとしても、
このように論理的に検証していけば、
間違いに気づくと思うんですが。
あ、この人、京大の副学長らしいですよ。
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