奈良の産科医の件で、より詳細な情報が入りましたので、お伝えしますね。
ネタの提供者は、前回の記事と同じ方です。
なんか、同じ様な記事が続いて、すいません。
2007.5.1 一部記事を改編削除しました。
削除した経緯に関しては、こちらの記事をご覧ください。
→ 「大淀病院事件、ネットで詳細に2」
妊娠中
削除しました。
入院以後
(1)妊娠41週超で誘発目的にて入院。
誘発開始(09:40)よりPGE服用終了(14:45)まで産科病棟師長で
助産師である経験31年近い助産師がベッドサイドに付き添い
経時的に内診、バイタルチェック、CTGのチェックを行い看護記録に記載あり。
(2)(17:00)準夜勤務の助産師(経験20年)に交代。
陣痛は2分おきと患者応答あり。子宮口3cm開大。
(3)(17:20)入院以来最初の嘔吐あり。(胃液様)show(+)
陣痛間歇2分、発作20~30秒。
助産師より呼吸法を指導す。fetal wellbeing 良好。
患者「痛い、痛い」と声を出している。
(4)陣痛と悪心、嘔吐あるため夕食摂取せず。
かわりにポカリスエットを十分摂取している。(18:00) CTG で異常所見なし。
あいかわらず「痛い、痛い」と訴えあり。
(5)(21:30)胃液様嘔吐あり。
ポカリスエットを摂取してはいるが、嘔吐が何回もあるので、
ルート確保も兼ねて、5% glucose 500ml 点滴開始。
(21:40) 子宮口4cm開大。児心音良好。
(6)(22:00)胃液様嘔吐あり。(23:00) 発汗多い。
「もういや、家に帰りたい」との訴えあり。血性帯下を認める。
児心音良好。
(7)(0:00)こめかみが痛いとの訴えあり。発汗を認める。
脱水気味。BP 155/84 HR74/min.。
産婦人科医師に報告。点滴をnormal saline 500ml に変更指示あり。
(8)(0:10)胃液嘔吐あり。産婦人科医師に報告。
プリンペラン1A 側管より投与の指示あり。
よびかけに応答があり、開眼する。
(9)(0:14)突然の意識消失、応答に返事なし。SPO2 97%,
産婦人科医師に報告、すぐ来室。BP147/73 HR73/min.
産婦人科医師の診察。瞳孔、左右差なし。
対光反射もあり偏心も認めない。血圧も安定し呼吸も安定。
痛覚刺激に顔をしかめて反応。
念のため内科当直医(経験6年の循環器内科医)に診察を依頼。
(10)内科医師すぐに来室、患者の概略を説明のうえ、
ヒステリー発作の可能性も含めての診察依頼。
内科医師は一通りの診察を行い、「失神発作でしょう」と答えた。
ここで産婦人科医師は内科医に「頭は大丈夫?」と質問した。
内科医は肯定も否定もしなかった。
(おそらく頷くか何かのジ ェスチャーをしたのではないか。これは推測)
バイタルサインもよいので経過観察ということで意見一致。
(11)産婦人科医師はここで陣痛と家族の期待に対する
精神的負担による失神かと考えたので、
主人に「今までこんな失神のような事なかったか」と質問すると、
「なかった」と 主人答える。
尿失禁を認めるも、全身状態安定。
産婦人科医師が主人に「全身状態が良いのでこのまま様子を見ます」と伝えた。
(0:25)BP148/69mmHg,sPO2 97% ここで一旦、
産婦人科医師と内科医が分娩室をでて、当直室に帰る。
(0:30)BP156/71mmHg,顔色は良い。
(0:40)CTG 再装着。児心音良好。バイタルサイン良好。
(1:00)BP152/84mmHg,SPO2 97-98% 呼びかけに対し、
眠っているのか、返事がない。呼吸は平静でイビキも認められない。
陣痛発作時は四肢を動かしたり、顔をしかめたりする。
(1:30)CTG 異常所見なし。呼びかけに対し応答なし。
よく眠っている様。顔色良好。
(1:37)突然の痙攣発作出現。当直室の産婦人科医師を呼ぶ。
BP175/89mmHgと上昇、水銀血圧計でBP200/100mmHg。
SPO2 97%、いびきをかき始める。強直性の様な痙攣を認める。
産婦人科医師は強直性の様な痙攣と血圧の上昇から子癇発作と診断、
すぐにマグネゾール20ml 1A 側管より静注すると痙攣はおさまった。
引き続き微量注入装置を使用し、
マグネゾールを 20ml/hr. のスピードで点滴を始めた。
(1:50)産婦人科医師は内科医を呼び出し、
循環器系の管理を依頼するとともに、
バイトブロックを咬ませ、口腔内と鼻孔を吸引した。
バルーンカテーテルも挿入した。
この時点で、母体搬送を決断し、奈良医大付属病院に連絡し、
当直医を呼び出して搬送を依頼した。
(2:00)BP148/75,HR76/min.
SPO2 97%,R26/min.痙攣発作は認めない。
二回目のBP144/71,HR96/min. 瞳孔散大。
搬送用紙、紹介状を作成。奈良医大当直医より満床の返事あり。
こちらに人手がないため、奈良医大の方で
引き続き奈良医大での再検討もふくめ、他の受け入れ施設を
探してくれるように依頼。
また奈良医大よりのパート医師で、当患者をずっと外来で
診察していた医師を電話で呼び出したが連絡がつかない。
(2:15)患者に痛覚反応を認める。
ここで内科医と産婦人科医師が話し合い、
頭部CTスキャンを検討したが、今の時間では
もし奈良医大が引き受けてくれたなら、ここから1 5分程度で
奈良医大着くだろう、(距離にして15kmで一般道だが一部四車線区間もあり、
奈良にしては比較的整備されている区間)
いつ母体搬送受け入れの返事がくるかもわ からないし、
いま移動する事による母体、胎児への悪影響を考えると、
高次病院での検査、診断、処置が最善と判断した。
その後内科医は、母体搬送を送り出すまで全身管理を手伝ってくれた。
(2:30)産婦人科医師が患者家族への説明を行う。
「削除しました。」
マグネゾールを25ml/hr.に増量指示。
産婦人科医師は、とりあえず内科医当直医に患者のベッドサイドに
ついてくれるように頼み、当直室で電話をかけ、電話を待ちつづけた。
その後(時間不詳)内科医と交代で患者ベッドサイドへ。
主人をふくむ家族が患者を触るたびに血圧上昇を認めるので、
触らないように指示。
時間が流れるうち、国立循環器病センターが受け入れ可との連絡あり。
(4:30)呼吸困難状態発生。気管内挿管。
(4:50)救急車へ移送。大阪へ。
2:30 以後は「奈良の産科医 詳細1」
の記事を読んで下さいね!
前回の記載で、子癇の治療であるマグネゾールを点滴したのは、
午前0時過ぎ、最初に失神した時のような記載をしてしまいましたが、
正しくは1:37の後だったようです。
すいません。
これをご覧になってわかるように、何時に何の治療をしたのか、
詳細に書いてあります。
これは、カルテの記載を元に書いたからです。
本来であれば、個人情報なので、公開してはいけないと思うのですが。
このカルテのコピーは、記者会見などで、公開され
マスコミも入手済みの物なので、個人情報の流出にはあたらないと
判断し、詳細な経過を掲載させて頂きました。
マスコミは、これと同じ物を持っているんですよ。
確かに、カルテは医療の専門用語が多いですから、
一般の人が見ても、わからない事も多いと思いますよ。
でも、新聞やテレビで、主治医を悪者にする前に、
他の産科医等、医療の専門家にこれを読んでもらって、
正しいかどうかの判断くらいすれば良いんじゃないですか。
患者の家族の話を元に、都合の良い部分だけを記事にして、
個人攻撃をするのが、マスコミなんでしょうか?
医療の現場の詳細がわからない事も多いので、
それに関しては推測で書かざるをえない事もあるかもしれないので、
やむを得ない面もあるとは思いますけどね。
今回の場合は、マスコミはカルテのコピーを入手しているんですよ。
それなのに、最初に報道した記事は、明らかに誤報です。
最近、この件に関して個人攻撃が減りつつあり、
医療システムの問題や、残された親族の悲劇を強調するような
論調になっていますけどね。
時間が経てば忘れると思っているのかどうか知りませんが。
マスコミは、正式にこの産科医の先生に謝罪すべきだと思います。
前回の記事で、私の私見は次の記事でって書きましたが。
また長くなっちゃったんで、その次に書きますね!
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ネタの提供者は、前回の記事と同じ方です。
なんか、同じ様な記事が続いて、すいません。
2007.5.1 一部記事を改編削除しました。
削除した経緯に関しては、こちらの記事をご覧ください。
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妊娠中
削除しました。
入院以後
(1)妊娠41週超で誘発目的にて入院。
誘発開始(09:40)よりPGE服用終了(14:45)まで産科病棟師長で
助産師である経験31年近い助産師がベッドサイドに付き添い
経時的に内診、バイタルチェック、CTGのチェックを行い看護記録に記載あり。
(2)(17:00)準夜勤務の助産師(経験20年)に交代。
陣痛は2分おきと患者応答あり。子宮口3cm開大。
(3)(17:20)入院以来最初の嘔吐あり。(胃液様)show(+)
陣痛間歇2分、発作20~30秒。
助産師より呼吸法を指導す。fetal wellbeing 良好。
患者「痛い、痛い」と声を出している。
(4)陣痛と悪心、嘔吐あるため夕食摂取せず。
かわりにポカリスエットを十分摂取している。(18:00) CTG で異常所見なし。
あいかわらず「痛い、痛い」と訴えあり。
(5)(21:30)胃液様嘔吐あり。
ポカリスエットを摂取してはいるが、嘔吐が何回もあるので、
ルート確保も兼ねて、5% glucose 500ml 点滴開始。
(21:40) 子宮口4cm開大。児心音良好。
(6)(22:00)胃液様嘔吐あり。(23:00) 発汗多い。
「もういや、家に帰りたい」との訴えあり。血性帯下を認める。
児心音良好。
(7)(0:00)こめかみが痛いとの訴えあり。発汗を認める。
脱水気味。BP 155/84 HR74/min.。
産婦人科医師に報告。点滴をnormal saline 500ml に変更指示あり。
(8)(0:10)胃液嘔吐あり。産婦人科医師に報告。
プリンペラン1A 側管より投与の指示あり。
よびかけに応答があり、開眼する。
(9)(0:14)突然の意識消失、応答に返事なし。SPO2 97%,
産婦人科医師に報告、すぐ来室。BP147/73 HR73/min.
産婦人科医師の診察。瞳孔、左右差なし。
対光反射もあり偏心も認めない。血圧も安定し呼吸も安定。
痛覚刺激に顔をしかめて反応。
念のため内科当直医(経験6年の循環器内科医)に診察を依頼。
(10)内科医師すぐに来室、患者の概略を説明のうえ、
ヒステリー発作の可能性も含めての診察依頼。
内科医師は一通りの診察を行い、「失神発作でしょう」と答えた。
ここで産婦人科医師は内科医に「頭は大丈夫?」と質問した。
内科医は肯定も否定もしなかった。
(おそらく頷くか何かのジ ェスチャーをしたのではないか。これは推測)
バイタルサインもよいので経過観察ということで意見一致。
(11)産婦人科医師はここで陣痛と家族の期待に対する
精神的負担による失神かと考えたので、
主人に「今までこんな失神のような事なかったか」と質問すると、
「なかった」と 主人答える。
尿失禁を認めるも、全身状態安定。
産婦人科医師が主人に「全身状態が良いのでこのまま様子を見ます」と伝えた。
(0:25)BP148/69mmHg,sPO2 97% ここで一旦、
産婦人科医師と内科医が分娩室をでて、当直室に帰る。
(0:30)BP156/71mmHg,顔色は良い。
(0:40)CTG 再装着。児心音良好。バイタルサイン良好。
(1:00)BP152/84mmHg,SPO2 97-98% 呼びかけに対し、
眠っているのか、返事がない。呼吸は平静でイビキも認められない。
陣痛発作時は四肢を動かしたり、顔をしかめたりする。
(1:30)CTG 異常所見なし。呼びかけに対し応答なし。
よく眠っている様。顔色良好。
(1:37)突然の痙攣発作出現。当直室の産婦人科医師を呼ぶ。
BP175/89mmHgと上昇、水銀血圧計でBP200/100mmHg。
SPO2 97%、いびきをかき始める。強直性の様な痙攣を認める。
産婦人科医師は強直性の様な痙攣と血圧の上昇から子癇発作と診断、
すぐにマグネゾール20ml 1A 側管より静注すると痙攣はおさまった。
引き続き微量注入装置を使用し、
マグネゾールを 20ml/hr. のスピードで点滴を始めた。
(1:50)産婦人科医師は内科医を呼び出し、
循環器系の管理を依頼するとともに、
バイトブロックを咬ませ、口腔内と鼻孔を吸引した。
バルーンカテーテルも挿入した。
この時点で、母体搬送を決断し、奈良医大付属病院に連絡し、
当直医を呼び出して搬送を依頼した。
(2:00)BP148/75,HR76/min.
SPO2 97%,R26/min.痙攣発作は認めない。
二回目のBP144/71,HR96/min. 瞳孔散大。
搬送用紙、紹介状を作成。奈良医大当直医より満床の返事あり。
こちらに人手がないため、奈良医大の方で
引き続き奈良医大での再検討もふくめ、他の受け入れ施設を
探してくれるように依頼。
また奈良医大よりのパート医師で、当患者をずっと外来で
診察していた医師を電話で呼び出したが連絡がつかない。
(2:15)患者に痛覚反応を認める。
ここで内科医と産婦人科医師が話し合い、
頭部CTスキャンを検討したが、今の時間では
もし奈良医大が引き受けてくれたなら、ここから1 5分程度で
奈良医大着くだろう、(距離にして15kmで一般道だが一部四車線区間もあり、
奈良にしては比較的整備されている区間)
いつ母体搬送受け入れの返事がくるかもわ からないし、
いま移動する事による母体、胎児への悪影響を考えると、
高次病院での検査、診断、処置が最善と判断した。
その後内科医は、母体搬送を送り出すまで全身管理を手伝ってくれた。
(2:30)産婦人科医師が患者家族への説明を行う。
「削除しました。」
マグネゾールを25ml/hr.に増量指示。
産婦人科医師は、とりあえず内科医当直医に患者のベッドサイドに
ついてくれるように頼み、当直室で電話をかけ、電話を待ちつづけた。
その後(時間不詳)内科医と交代で患者ベッドサイドへ。
主人をふくむ家族が患者を触るたびに血圧上昇を認めるので、
触らないように指示。
時間が流れるうち、国立循環器病センターが受け入れ可との連絡あり。
(4:30)呼吸困難状態発生。気管内挿管。
(4:50)救急車へ移送。大阪へ。
2:30 以後は「奈良の産科医 詳細1」
の記事を読んで下さいね!
前回の記載で、子癇の治療であるマグネゾールを点滴したのは、
午前0時過ぎ、最初に失神した時のような記載をしてしまいましたが、
正しくは1:37の後だったようです。
すいません。
これをご覧になってわかるように、何時に何の治療をしたのか、
詳細に書いてあります。
これは、カルテの記載を元に書いたからです。
本来であれば、個人情報なので、公開してはいけないと思うのですが。
このカルテのコピーは、記者会見などで、公開され
マスコミも入手済みの物なので、個人情報の流出にはあたらないと
判断し、詳細な経過を掲載させて頂きました。
マスコミは、これと同じ物を持っているんですよ。
確かに、カルテは医療の専門用語が多いですから、
一般の人が見ても、わからない事も多いと思いますよ。
でも、新聞やテレビで、主治医を悪者にする前に、
他の産科医等、医療の専門家にこれを読んでもらって、
正しいかどうかの判断くらいすれば良いんじゃないですか。
患者の家族の話を元に、都合の良い部分だけを記事にして、
個人攻撃をするのが、マスコミなんでしょうか?
医療の現場の詳細がわからない事も多いので、
それに関しては推測で書かざるをえない事もあるかもしれないので、
やむを得ない面もあるとは思いますけどね。
今回の場合は、マスコミはカルテのコピーを入手しているんですよ。
それなのに、最初に報道した記事は、明らかに誤報です。
最近、この件に関して個人攻撃が減りつつあり、
医療システムの問題や、残された親族の悲劇を強調するような
論調になっていますけどね。
時間が経てば忘れると思っているのかどうか知りませんが。
マスコミは、正式にこの産科医の先生に謝罪すべきだと思います。
前回の記事で、私の私見は次の記事でって書きましたが。
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奈良で残念ながら妊婦さんが脳出血で亡くなった件で、
現場の詳細がわかったので、ここに書いていきますね。
2007.5.1 一部記事を改編削除しました。
削除した経緯に関しては、こちらの記事をご覧ください。
→ 「大淀病院事件、ネットで詳細に2」
一人医長のこの産婦人科の先生(60歳以上)は、
当日は朝8時ぐらいに出勤され、
夜に食事のため、病院近くの自宅に一度帰宅したそうです。
食事を済ましたのち、夜11時前には分娩に備えるため産科病棟に
帰ってきて、助産婦に当直室にいると連絡をいれた。
その間は患者に特筆すべき異常はなく、助産婦からの連絡もなかった。
深夜0時すぎ、分娩室に分娩進行の様子を見に行った時、
患者が頭痛を訴えたのち失神したので、
自分自身でも簡単な内科的チェックを行い、
念のため内科の当直医(循環器内科医)を呼び、
その間に内診をして、子宮口が約4センチか医大している事を確認した。
内科当直医がきて内科的診察を行い、
「陣痛による失神でしょう、経過を見ましょう」
(CTが必要などと言うアドバイスは決してしていない)
と言ったので産科医も一応安心して、
付き添っている助産婦に10分おきの内診と、
パルトグラムとCTG(分娩監視装置)の装着と記録を指示し、
いったん分娩室横の待機室か一階下の当直室(どちらか不明だが)
に帰って待機していた。
その後強直性の痙攣発作が出現し、
血圧も収縮期が200mmHgになったので、子癇発作と判断し、
マグネゾールを投与。
マグネゾールで痙攣はおさまり、以後投与中は痙攣の再発はなかった。
しかし、午前1時30分頃分娩室の助産婦より痙攣が始まったと言う
連絡が入り、あわてて分娩室に引き返した。
以後二人で治療にあたったが、状態が改善みられないため、午前1時50分、
母体搬送の決断を下し、奈良医大へ電話連絡を始めた。
午前2時、瞳孔散大を認めるも痛覚反応あり。
血圧は148/70と安定してきた。
この時点で頭部CTも考慮したが、放射線技師は当直していないし、
CT室が分娩室よりかな り離れたところにあること、
患者の移動の刺激による子癇の重積発作を恐れ、
それよりも早く高次医療機関をさがして搬送するほうがよいと判断。
電話をかけ続けたが、なかなか 搬送先がみつからない。
午前2時30分、産婦人科部長が家族に状況を説明、
そのあいだにも大淀病院の当直医や奈良医大の当直医は大阪府をふくめて
心当たりの病院に受け入れ依頼の電話をかけつづけた。
家族はここで
「削除しました」
と言ったので、NICUを持たない病院にまで搬送先の候補をひろげ、
電話連絡をとろうとした。
家族も消防署の知り合いを通じ、
大阪府下の心当たりの病院に連絡をとって、
受け入れを依頼した。
この頃には産科病棟婦長(助産師)も来院、 手伝いはじめてくれた。
大淀病院看護師OGで患者さんの親戚も来院し、多くの人が集まり始めた。
けれども受け入れてくれる施設が見つからない。
担当医は当直室(仮眠室)か ら絶望的な気分になりながら
電話をかけ続けたし、大学の当直医は大学の救命救急部門にまで
交渉に行ったが子癇は産婦人科の担当で、
我々は対処できないと言うことで受け入れ 拒否された。
午前4時30分、呼吸困難となり、内科医が挿管したが、
その後自発呼吸ももどり、
サチュレーションは98%と回復した。
その後すぐに国立循環器病センターが受 け入れOKと連絡してきたので、
直ちに救急車で搬送した。
患者さんは循セン到着後CT検査等で脳内出血と診断され、
直ちに帝王切開術と開頭術をうけたが、
生児は得られたものの脳出血部位が深く、
結局意識が戻らないまま術後8日目の8月16日死亡された。
死亡原因の診断は右脳混合型基底核出血。
手術としては脳室ドレナージが行われたようですが、
かなり大きな出血だったため、回復され なかったそうです。
この文章は、元大淀病院勤務の医療関係者および
その友人達から話を聞いた、隣接する府県の産婦人科医が
m3.comの医師専用掲示板に投稿した文章を、
掲載許可を頂いてほぼそのままブログに載せたものです。
ご協力ありがとうございました。
いくつかの投稿を私が勝手に組み合わせたので、
時間経過等が若干異なるかもしれませんので。
もし、訂正等があればご指摘いただければありがたいです。
ちなみに、毎日新聞の記事は、こちら。
一応、妊婦さんの名前は伏せてあります。
2006.10.17:毎日新聞社
病院受け入れ拒否:意識不明、6時間“放置”
妊婦転送で奈良18病院、脳内出血死亡
◇手術は60キロ先の大阪
奈良県大淀町立大淀病院で今年8月、
分娩(ぶんべん)中に意識不明に陥った妊婦に対し、
受け入れを打診された18病院が拒否し、
妊婦は6時間後にようやく約60キロ離れた
国立循環器病センター(大阪府吹田市)
に収容されたことが分かった。
妊婦は、脳内出血と帝王切開の手術をほぼ同時に受け
元気な男児を出産したが、約1週間後に死亡した。
遺族は
「意識不明になってから長時間放置され、母体の死亡につながった」
と態勢の不備や病院の対応を批判。
大淀病院側は「できるだけのことはやった」としている。
過疎地の産科医療体制が社会問題化する中、
奈良県や大淀町は対応を迫られそうだ。
(31面に関連記事)
◇県外搬送常態化
遺族や病院関係者によると、妊婦は同県五條市に住んでいた32歳の女性。
出産予定日を過ぎた妊娠41週の8月7日午前、大淀病院に入院した。
8日午前0時ごろ、頭痛を訴えて約15分後に意識不明に陥った。
産科担当医は急変から約1時間45分後、同県内で危険度の高い母子の
治療や搬送先を照会する拠点の同県立医科大学付属病院(橿原市)に受け入れを打診したが、
同病院は「母体治療のベッドが満床」と断った。
同病院産科当直医が午前2時半ごろ、もう一つの拠点施設である
県立奈良病院(奈良市)に受け入れを要請。
しかし奈良病院も満床を理由に、応じなかった。
医大病院は、当直医4人のうち2人が通常勤務をしながら
大阪府を中心に電話で搬送先を探したが決まらず、
午前4時半ごろ19カ所目の国立循環器病センターに決まったという。
この妊婦さんは約1時間かけて救急車で運ばれ、
同センターに午前6時ごろ到着。
脳内出血と診断され、緊急手術と帝王切開を実施、男児を出産した。
この妊婦さんは同月16日に死亡した。
大淀病院はこれまでに2度、遺族に状況を説明した。
それによると、産科担当医は入院後に陣痛促進剤を投与。
容体急変の後、妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)の妊婦が
分娩中にけいれんを起こす「子癇(しかん)発作」と判断し、
けいれんを和らげる薬を投与した。
当直の内科医が脳に異状が起きた疑いを指摘し、
CT(コンピューター断層撮影)の必要性を主張したが、
産科医は受け入れなかったという。
緊急、高度な治療が必要な母子について、厚生労働省は来年度中に
都道府県単位で総合周産期母子医療センターを指定するよう通知したが、
奈良など8県が未整備で、母体の県外搬送が常態化している。
大淀病院の原育史院長は
「担当医が子癇発作と判断して処置した。
脳内出血の疑いも検討したが、判明しても対応しようがなく、
診断と治療を対応可能な病院に依頼して、連絡を待っていた。
ご遺族とは誠意を持って対応させていただいている」
と話した。
一方、遺族は
「大淀病院は、脳外科を備えながら専門医に連絡すら取っていない。
長時間ほったらかしで適切な処置ができていれば母体は助かったはずだ」
と話している。
【林由紀子、青木絵美】
◇「確認可能なはず」
妊婦が意識を失った場合、子癇発作と脳内出血の差はどう判別されるのか。
県立医大の小林浩・産科婦人科教授によると
「いずれもけいれんを起こし、普通どちらなのかは判断できない」
という。
一方、別の産科医は「頭痛があり、妊娠高血圧症候群がないなら、
脳内出血を疑うべきだ。病院内にCTがあるなら、確認は可能だったはず」
と話す。
遺族は「脳内出血を疑う情報が、転院依頼先の病院に伝わっていれば、
次々と断られることはなかったのでは」と訴える。
一部始終を見て、医学の専門家である医師側から得た情報と、
経過の一部しか見ておらず、医学に関する知識のない遺族の情報を元に、
医学的な知識の乏しい記者が伝聞のみで書いた記事。
どちらの言い分が正しいのでしょうか。
両方の内容を並べて見て、客観的に見てどちらが正しいと思われるか。
まずは、自分で考えてみて下さい。
更に詳細がわかれば、また書いていきたいと思います。
医学的見地からと、私の私見は次の記事に書いていきますね。
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現場の詳細がわかったので、ここに書いていきますね。
2007.5.1 一部記事を改編削除しました。
削除した経緯に関しては、こちらの記事をご覧ください。
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一人医長のこの産婦人科の先生(60歳以上)は、
当日は朝8時ぐらいに出勤され、
夜に食事のため、病院近くの自宅に一度帰宅したそうです。
食事を済ましたのち、夜11時前には分娩に備えるため産科病棟に
帰ってきて、助産婦に当直室にいると連絡をいれた。
その間は患者に特筆すべき異常はなく、助産婦からの連絡もなかった。
深夜0時すぎ、分娩室に分娩進行の様子を見に行った時、
患者が頭痛を訴えたのち失神したので、
自分自身でも簡単な内科的チェックを行い、
念のため内科の当直医(循環器内科医)を呼び、
その間に内診をして、子宮口が約4センチか医大している事を確認した。
内科当直医がきて内科的診察を行い、
「陣痛による失神でしょう、経過を見ましょう」
(CTが必要などと言うアドバイスは決してしていない)
と言ったので産科医も一応安心して、
付き添っている助産婦に10分おきの内診と、
パルトグラムとCTG(分娩監視装置)の装着と記録を指示し、
いったん分娩室横の待機室か一階下の当直室(どちらか不明だが)
に帰って待機していた。
その後強直性の痙攣発作が出現し、
血圧も収縮期が200mmHgになったので、子癇発作と判断し、
マグネゾールを投与。
マグネゾールで痙攣はおさまり、以後投与中は痙攣の再発はなかった。
しかし、午前1時30分頃分娩室の助産婦より痙攣が始まったと言う
連絡が入り、あわてて分娩室に引き返した。
以後二人で治療にあたったが、状態が改善みられないため、午前1時50分、
母体搬送の決断を下し、奈良医大へ電話連絡を始めた。
午前2時、瞳孔散大を認めるも痛覚反応あり。
血圧は148/70と安定してきた。
この時点で頭部CTも考慮したが、放射線技師は当直していないし、
CT室が分娩室よりかな り離れたところにあること、
患者の移動の刺激による子癇の重積発作を恐れ、
それよりも早く高次医療機関をさがして搬送するほうがよいと判断。
電話をかけ続けたが、なかなか 搬送先がみつからない。
午前2時30分、産婦人科部長が家族に状況を説明、
そのあいだにも大淀病院の当直医や奈良医大の当直医は大阪府をふくめて
心当たりの病院に受け入れ依頼の電話をかけつづけた。
家族はここで
「削除しました」
と言ったので、NICUを持たない病院にまで搬送先の候補をひろげ、
電話連絡をとろうとした。
家族も消防署の知り合いを通じ、
大阪府下の心当たりの病院に連絡をとって、
受け入れを依頼した。
この頃には産科病棟婦長(助産師)も来院、 手伝いはじめてくれた。
大淀病院看護師OGで患者さんの親戚も来院し、多くの人が集まり始めた。
けれども受け入れてくれる施設が見つからない。
担当医は当直室(仮眠室)か ら絶望的な気分になりながら
電話をかけ続けたし、大学の当直医は大学の救命救急部門にまで
交渉に行ったが子癇は産婦人科の担当で、
我々は対処できないと言うことで受け入れ 拒否された。
午前4時30分、呼吸困難となり、内科医が挿管したが、
その後自発呼吸ももどり、
サチュレーションは98%と回復した。
その後すぐに国立循環器病センターが受 け入れOKと連絡してきたので、
直ちに救急車で搬送した。
患者さんは循セン到着後CT検査等で脳内出血と診断され、
直ちに帝王切開術と開頭術をうけたが、
生児は得られたものの脳出血部位が深く、
結局意識が戻らないまま術後8日目の8月16日死亡された。
死亡原因の診断は右脳混合型基底核出血。
手術としては脳室ドレナージが行われたようですが、
かなり大きな出血だったため、回復され なかったそうです。
この文章は、元大淀病院勤務の医療関係者および
その友人達から話を聞いた、隣接する府県の産婦人科医が
m3.comの医師専用掲示板に投稿した文章を、
掲載許可を頂いてほぼそのままブログに載せたものです。
ご協力ありがとうございました。
いくつかの投稿を私が勝手に組み合わせたので、
時間経過等が若干異なるかもしれませんので。
もし、訂正等があればご指摘いただければありがたいです。
ちなみに、毎日新聞の記事は、こちら。
一応、妊婦さんの名前は伏せてあります。
2006.10.17:毎日新聞社
病院受け入れ拒否:意識不明、6時間“放置”
妊婦転送で奈良18病院、脳内出血死亡
◇手術は60キロ先の大阪
奈良県大淀町立大淀病院で今年8月、
分娩(ぶんべん)中に意識不明に陥った妊婦に対し、
受け入れを打診された18病院が拒否し、
妊婦は6時間後にようやく約60キロ離れた
国立循環器病センター(大阪府吹田市)
に収容されたことが分かった。
妊婦は、脳内出血と帝王切開の手術をほぼ同時に受け
元気な男児を出産したが、約1週間後に死亡した。
遺族は
「意識不明になってから長時間放置され、母体の死亡につながった」
と態勢の不備や病院の対応を批判。
大淀病院側は「できるだけのことはやった」としている。
過疎地の産科医療体制が社会問題化する中、
奈良県や大淀町は対応を迫られそうだ。
(31面に関連記事)
◇県外搬送常態化
遺族や病院関係者によると、妊婦は同県五條市に住んでいた32歳の女性。
出産予定日を過ぎた妊娠41週の8月7日午前、大淀病院に入院した。
8日午前0時ごろ、頭痛を訴えて約15分後に意識不明に陥った。
産科担当医は急変から約1時間45分後、同県内で危険度の高い母子の
治療や搬送先を照会する拠点の同県立医科大学付属病院(橿原市)に受け入れを打診したが、
同病院は「母体治療のベッドが満床」と断った。
同病院産科当直医が午前2時半ごろ、もう一つの拠点施設である
県立奈良病院(奈良市)に受け入れを要請。
しかし奈良病院も満床を理由に、応じなかった。
医大病院は、当直医4人のうち2人が通常勤務をしながら
大阪府を中心に電話で搬送先を探したが決まらず、
午前4時半ごろ19カ所目の国立循環器病センターに決まったという。
この妊婦さんは約1時間かけて救急車で運ばれ、
同センターに午前6時ごろ到着。
脳内出血と診断され、緊急手術と帝王切開を実施、男児を出産した。
この妊婦さんは同月16日に死亡した。
大淀病院はこれまでに2度、遺族に状況を説明した。
それによると、産科担当医は入院後に陣痛促進剤を投与。
容体急変の後、妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)の妊婦が
分娩中にけいれんを起こす「子癇(しかん)発作」と判断し、
けいれんを和らげる薬を投与した。
当直の内科医が脳に異状が起きた疑いを指摘し、
CT(コンピューター断層撮影)の必要性を主張したが、
産科医は受け入れなかったという。
緊急、高度な治療が必要な母子について、厚生労働省は来年度中に
都道府県単位で総合周産期母子医療センターを指定するよう通知したが、
奈良など8県が未整備で、母体の県外搬送が常態化している。
大淀病院の原育史院長は
「担当医が子癇発作と判断して処置した。
脳内出血の疑いも検討したが、判明しても対応しようがなく、
診断と治療を対応可能な病院に依頼して、連絡を待っていた。
ご遺族とは誠意を持って対応させていただいている」
と話した。
一方、遺族は
「大淀病院は、脳外科を備えながら専門医に連絡すら取っていない。
長時間ほったらかしで適切な処置ができていれば母体は助かったはずだ」
と話している。
【林由紀子、青木絵美】
◇「確認可能なはず」
妊婦が意識を失った場合、子癇発作と脳内出血の差はどう判別されるのか。
県立医大の小林浩・産科婦人科教授によると
「いずれもけいれんを起こし、普通どちらなのかは判断できない」
という。
一方、別の産科医は「頭痛があり、妊娠高血圧症候群がないなら、
脳内出血を疑うべきだ。病院内にCTがあるなら、確認は可能だったはず」
と話す。
遺族は「脳内出血を疑う情報が、転院依頼先の病院に伝わっていれば、
次々と断られることはなかったのでは」と訴える。
一部始終を見て、医学の専門家である医師側から得た情報と、
経過の一部しか見ておらず、医学に関する知識のない遺族の情報を元に、
医学的な知識の乏しい記者が伝聞のみで書いた記事。
どちらの言い分が正しいのでしょうか。
両方の内容を並べて見て、客観的に見てどちらが正しいと思われるか。
まずは、自分で考えてみて下さい。
更に詳細がわかれば、また書いていきたいと思います。
医学的見地からと、私の私見は次の記事に書いていきますね。
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奈良で、不幸にも妊婦さんが亡くなった件があって。
ブログの記事がその事ばっかりになってしまったんで。
他の記事にしようかと思ったら、たまたまこれも奈良の事件でした。
「過酷な当直」、産科医5人が超勤手当1億円要求 奈良
奈良県立奈良病院(奈良市)の産婦人科医5人が
04、05年の超過勤務手当の未払い分として計約1億円の支払いと、
医療設備の改善を求める申入書を県に提出したことがわかった。
医師らは「報酬に見合わない過酷な勤務を強いられている」
と訴えており、要求が拒否された場合は、提訴も検討する方針。
県によると、同病院の年間分娩(ぶんべん)数は05年度で572件。
産婦人科関連の救急患者は年間約1300人にのぼる。
産婦人科医が当直をした場合、1回2万円の当直料が支払われるが、
当直の時間帯に手術や分娩を担当することも多いという。
申入書によると、当直について労働基準法は「ほとんど労働する必要がない状態」
と規定しており、実態とかけ離れていると指摘。当直料ではなく、
超過勤務手当として支給されるべきで、
04、05年の当直日数(131~158日)から算出すると、
計約1億700万円の不足分があるとした。
現在9床の新生児集中治療室(NICU)の増床や、
超音波検査のための機材の充実なども要求している。
医師の一人は「1カ月の超過勤務は100時間超で、
医師の体力は限界に近い。更新期限を過ぎた医療機器も少なくなく、
これでは患者の命を救えない」と訴える。
県は、産科医を1人増員するなどの改善策に乗り出すとともに、
医療設備の改善を検討しているが、超過勤務手当の支払いは拒否した。
担当者は「財政難のため、すべての要求に一度に応えるのは難しい」と説明する。
朝日新聞、2006年10月21日
そして、もう一つ奈良の記事。
<奈良>奈良市 同僚4人も不正休暇か
病気を理由に5年間で8日しか出勤せず、給与を受け取っていた奈良市職員が、
休暇中に公共工事の受注業者や同和団体の幹部の立場で
しばしば市役所に来ていたことがわかりました。
この問題は奈良市環境清美部の42歳の男性職員が、
5年間に8日しか出勤していないのに、およそ50もの病気の診断書を
市に提出して病気休暇を取り、満額に近い給与を受け取っていたものです。
問題となった職員は、休暇中であるにも関わらず、
入札控え室に出入りする姿が度々目撃されていました。
この職員は、親族の経営する建設会社に公共工事を受注させようと、
病気休暇中にもかかわらず、市の工事担当者に働きかけ、
去年、36件、5000万円以上の受注していました。
さらに、この職員だけでなく、他にも4人が不自然な病気休暇を取っていたことが
新たにわかりました。
いずれも市環境清美部の職員4人で、現在までの5年半の間に、
51通から186通の診断書を提出して、病気休暇を繰り返し、
給与の支払いを受けていました。
藤原昭市長は、会見で、42歳の職員を早期に懲戒免職処分にした上で
他の職員についても調査するとしています。
朝日新聞、2006年10月23日
へー。
奈良っていうのは、一生懸命働いた産科医に、
正規の残業代は払う金はないけど。
5年間で8日しか、出勤しない人に払うお金はあるんですかー。
しかも、同じ様な人が他にも4人もいるみたいだすし。
この人の親族の会社に払うお金も、5000万円もあるんですかー。
医療設備には金かけても良いけど、人には出せん、と。
じゃ、産科医はいなくても良いけど、機械だけあればよいんですね。
ふーん。
産科医がいなくなったら、お産ができなくなるんですけどねー。
機械がお産してくれるわけないですからね。
この産婦人科医の人達、きっと正規の残業代を貰えなかったら、
奈良県立奈良病院辞めちゃうかもしれませんよ。
大淀病院の産科医の先生。
60歳すぎているので、普通の職業だったら退職する年齢なんですけどね。
この地区で1人しかいない産科医なので、
1人で、年間200例くらいのお産を取り上げて。
毎日産婦人科の病気で何かあったら、24時間365日頑張ってきたんだけど。
今回マスコミに、医学的には悪くもないのに責められて、
ほぼ間違いなく辞めまちゃいますね、大淀病院。
奈良の産科医は、何人になりますかね。
奈良ではお産ができなくなってしまうかもしれませんよ。
これも、医者を不当に安く使ってきた行政と、
罪もない医師を叩いてきた、マスコミのせいなんですけどね。
これで、お産ができなくなったら、誰か責任とるんですかね。
「医者の当直2」の記事でも書いたし、この新聞記事にも載っていますが。
本来医師の当直というのは、労働基準法上は
「ほとんど労働する必要がない状態」ってなっているんですよ。
だから実際に働いた場合は、超過勤務手当として支給されるべきなんですよ。
この流れが、全国に広がってくれると良いですねー。
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ブログの記事がその事ばっかりになってしまったんで。
他の記事にしようかと思ったら、たまたまこれも奈良の事件でした。
「過酷な当直」、産科医5人が超勤手当1億円要求 奈良
奈良県立奈良病院(奈良市)の産婦人科医5人が
04、05年の超過勤務手当の未払い分として計約1億円の支払いと、
医療設備の改善を求める申入書を県に提出したことがわかった。
医師らは「報酬に見合わない過酷な勤務を強いられている」
と訴えており、要求が拒否された場合は、提訴も検討する方針。
県によると、同病院の年間分娩(ぶんべん)数は05年度で572件。
産婦人科関連の救急患者は年間約1300人にのぼる。
産婦人科医が当直をした場合、1回2万円の当直料が支払われるが、
当直の時間帯に手術や分娩を担当することも多いという。
申入書によると、当直について労働基準法は「ほとんど労働する必要がない状態」
と規定しており、実態とかけ離れていると指摘。当直料ではなく、
超過勤務手当として支給されるべきで、
04、05年の当直日数(131~158日)から算出すると、
計約1億700万円の不足分があるとした。
現在9床の新生児集中治療室(NICU)の増床や、
超音波検査のための機材の充実なども要求している。
医師の一人は「1カ月の超過勤務は100時間超で、
医師の体力は限界に近い。更新期限を過ぎた医療機器も少なくなく、
これでは患者の命を救えない」と訴える。
県は、産科医を1人増員するなどの改善策に乗り出すとともに、
医療設備の改善を検討しているが、超過勤務手当の支払いは拒否した。
担当者は「財政難のため、すべての要求に一度に応えるのは難しい」と説明する。
朝日新聞、2006年10月21日
そして、もう一つ奈良の記事。
<奈良>奈良市 同僚4人も不正休暇か
病気を理由に5年間で8日しか出勤せず、給与を受け取っていた奈良市職員が、
休暇中に公共工事の受注業者や同和団体の幹部の立場で
しばしば市役所に来ていたことがわかりました。
この問題は奈良市環境清美部の42歳の男性職員が、
5年間に8日しか出勤していないのに、およそ50もの病気の診断書を
市に提出して病気休暇を取り、満額に近い給与を受け取っていたものです。
問題となった職員は、休暇中であるにも関わらず、
入札控え室に出入りする姿が度々目撃されていました。
この職員は、親族の経営する建設会社に公共工事を受注させようと、
病気休暇中にもかかわらず、市の工事担当者に働きかけ、
去年、36件、5000万円以上の受注していました。
さらに、この職員だけでなく、他にも4人が不自然な病気休暇を取っていたことが
新たにわかりました。
いずれも市環境清美部の職員4人で、現在までの5年半の間に、
51通から186通の診断書を提出して、病気休暇を繰り返し、
給与の支払いを受けていました。
藤原昭市長は、会見で、42歳の職員を早期に懲戒免職処分にした上で
他の職員についても調査するとしています。
朝日新聞、2006年10月23日
へー。
奈良っていうのは、一生懸命働いた産科医に、
正規の残業代は払う金はないけど。
5年間で8日しか、出勤しない人に払うお金はあるんですかー。
しかも、同じ様な人が他にも4人もいるみたいだすし。
この人の親族の会社に払うお金も、5000万円もあるんですかー。
医療設備には金かけても良いけど、人には出せん、と。
じゃ、産科医はいなくても良いけど、機械だけあればよいんですね。
ふーん。
産科医がいなくなったら、お産ができなくなるんですけどねー。
機械がお産してくれるわけないですからね。
この産婦人科医の人達、きっと正規の残業代を貰えなかったら、
奈良県立奈良病院辞めちゃうかもしれませんよ。
大淀病院の産科医の先生。
60歳すぎているので、普通の職業だったら退職する年齢なんですけどね。
この地区で1人しかいない産科医なので、
1人で、年間200例くらいのお産を取り上げて。
毎日産婦人科の病気で何かあったら、24時間365日頑張ってきたんだけど。
今回マスコミに、医学的には悪くもないのに責められて、
ほぼ間違いなく辞めまちゃいますね、大淀病院。
奈良の産科医は、何人になりますかね。
奈良ではお産ができなくなってしまうかもしれませんよ。
これも、医者を不当に安く使ってきた行政と、
罪もない医師を叩いてきた、マスコミのせいなんですけどね。
これで、お産ができなくなったら、誰か責任とるんですかね。
「医者の当直2」の記事でも書いたし、この新聞記事にも載っていますが。
本来医師の当直というのは、労働基準法上は
「ほとんど労働する必要がない状態」ってなっているんですよ。
だから実際に働いた場合は、超過勤務手当として支給されるべきなんですよ。
この流れが、全国に広がってくれると良いですねー。
勤務医の方達は続きへ。
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奈良県の産婦人科学会から、今回の件に関して、声明がでましたね。
産婦人科医会「主治医にミスなし」 奈良・妊婦死亡
奈良県大淀町の町立大淀病院で8月、
分娩(ぶんべん)中に重体となった妊婦(当時32)が
県内外の19病院に搬送を断られ、
出産後に死亡した問題について、同県医師会の産婦人科医会
(約150人)は19日、同県橿原市内で臨時理事会を開き、
「主治医の判断や処置にミスはなかった」と結論づけた。
妊婦は脳内出血を起こし、意識不明となったが、
主治医らは妊娠中毒症の妊婦が分娩中にけいれんを起こす
「子癇(しかん)」と診断し、CT(コンピューター断層撮影)
検査をしなかったとされる。
理事会後、記者会見した同医会の平野貞治会長は
「失神とけいれんは、子癇でも脳内出血でも起こる症状で、
見分けるのは困難。
妊婦の最高血圧が高かったこともあり、子癇と考えるのが普通だ」
と説明。「CTを撮らなかったのは妊婦の搬送を優先したためで、
出席した理事らは『自分も同じ診断をする』と話している」とも述べた。
県警が業務上過失致死容疑で捜査を始めた点については、
「このようなケースで警察に呼ばれるのなら、
重症の妊婦の引き受け手がなくなってしまう」と懸念を示した。
参考:ある産婦人科医のひとりごと:産婦人科医会「主治医にミスなし」 奈良・妊婦死亡で県産婦人科医会 (朝日新聞)
素早い対応だったと思います。
前回の記事「奈良の産婦人科医」で書いた、私の推測が、
医学的にもほぼ正しいという事になりますかね。
専門でないので、自信はなかったんですけどね。
と、すると今回の件は、搬送先が決まるまでに時間がかかった、
という事が問題になりますね。
前回も書きましたが、出産間近の妊婦で、意識消失があり、
重症の子癇もしくは脳出血が疑われる症例ですから。
受け入れ先の病院の条件として、
ICU(集中治療室)+NICU(小児の救急治療室)
+産婦人科医2人+小児科医+麻酔科医
+手術室の看護師3,4人 +脳外科医2人
この条件を夜中の2時、3時に満たす病院という事になります。
そして、こういう条件を満たす病院は数少ないので、
「受け入れ拒絶、拒否」ではなくて、「受け入れ不可能」であるんですね。
では、なぜそうなったかという原因ですが。
1,医師の人数の問題
産婦人科医2人+小児科医+麻酔科医 +脳外科医2人の医師が必要なんですから。
最低6人の医師が、夜中に緊急で来ることができる病院です。
という事は、それぞれの科の医師が1人、2人であれば、24時間365日、
これだけの人員を確保できる訳がありませんから。
最低でも、それぞれの科で、この2倍、3倍以上の医師が必要という事になります。
これに関しては、さんざんこのブログでも書いてきた、
「医師不足」の問題になります。
さんざん医師不足って言っているのに、厚生労働省が医師の偏在と言って、
過去の政策の間違いを認めず、医師数を削減する政策を取ってきたから、
こういう事が起こったと言っても、過言ではないでしょう。
2,施設の問題
ICU+NICUがある病院って事になりますね。
しかも、それぞれに空きがなければ受けられません。
普通の病院では、看護師の数は10:1看護といって、
ベッド数10に対して、看護師1人が必要になります。
今回、改正になって7:1看護だと診療報酬が上乗せされるようになりましたが。
で、集中治療室の場合は、これが2:1看護になります。
要はベッド数2に対して看護師1人が必要って事です。
ベッド数10なら3交代制として、5x3人。
もちろん15人しかいなかったら、交代交代とはいえ、
全員365日休みなしですから。
最低でも25~30人位看護師は必要って事になります。
ICUとNICUそれぞれって事には、必ずしもならないとは思いますがね。
看護師不足の問題にもなってきます。
そして、満床だと、新規の患者は受け入れられないんですよね。
ベッドが空いてないのに、患者を受け入れられるわけないですから。
ちょっと前は、満床でもなんとかやりくりして、患者の命を救うために
無理して受け入れていた病院もあるんですがね。
今、厚生労働省は、病床数を減らそうとしているので。
満床を超える入院患者を抱えた病院には罰(減額)措置があるんですよ。
一時的にでも、満床を越えると、厳しーく厚生労働省から指導が入ります。
それなら、「じゃ、ベッドを空けていたら良いんじゃないか」
って話になりますが。
それも、なかなか難しくなっています。
厚生労働省の医療費削減の方針で、診療報酬が徐々に下げられていますから。
各病院とも、常に満床に近い状態でないと、赤字になってしまうんですよ。
だから、いつも満床に近い状態でも、病院側から見たら、
やむを得ないって事になると思います。
これも、行政、厚労省が悪いって事になりますかね。
3,医療訴訟の問題
これは昨今のマスコミによる医者叩きが関係していますかね。
最近、専門じゃないから助けられなかった。
もっと早く専門の病院に送ったら、助けられたかもしれないのに。
という事で、医師が叩かれているので。
病院も患者を受け入れにくくなっている、という面もあると思います。
自分の病院では
ICU(集中治療室)+NICU(小児の救急治療室)
+産婦人科医2人+小児科医+麻酔科医
+手術室の看護師3,4人 +脳外科医2人
までの設備、人員はないがベッドは空いているので、
なんとか受け入れることは可能かもしれない。
でも、助かる見込みは少ない。
となると、昔は患者を助ける為になんとか受け入れていたかもしれませんが。
今は、能力がないのに受け入れたから助けられなかった。
とマスコミに責められる時代ですから。
受け入れに躊躇するのも当然だと思います。
しかし、病院としては必要な設備が整っていなくて、
他の施設に送った方が助かる可能性は高い、
と判断したのですから。
それが間違いではないと思いますし、責められるべきでもないと思います。
受け入れられるのに受け入れなかった、「受け入れ拒否」ではなく、
受け入れる人材、施設がなかったので、
「受け入れる能力がなかった」という事ですから。
4,システムの問題
病院同士の連携の問題と言っても良いかもしれませんね。
個々の病院が、どういう患者がいたら、まずどこに送るとか。
ルールを決めるとか、そういう事もできなくはないんですが。
これを、個々の病院の問題にすり替えるのは、どうかと思います。
それぞれの地域全体で、もしくは国でそういうシステムを作らないと、
また同じ事が起こると思います。
例えば、インターネットで、どこの病院のベッドが空いているか、
どの病院に医者が何人いて、ICU,NICU等の設備があるのか。
そういうのを、リアルタイムで全ての病院で見る事ができるシステムとかですかね。
実現には時間がかかると思いますが。
こんなシステムがあれば、素敵ですね。
是非このシステムを導入する時は、厚労省の天下り先からではなく、
競争入札を行って、民間企業に作ってもらいたいですね。
結局、今回の件で悪者は主治医の産科医個人ではなく、
厚労省の医療行政って事になると思うんですがね。
それを、医者個人の責任にしようとしてますよね、明らかに。
行政の責任にしてしまうと、その原因をなくすために、
また医療費がかかるから、医者個人の責任にしよう。
そういう圧力が政府からマスコミにでもかかっているんですかね。
そう考えでもしないとおかしいくらい、各マスコミが
間違った方向で一致していますよね。
医師不足に関しては、厚労省が「医療費亡国論」って、
20年以上前の間違った理論に固執して、医師削減を勧めているので。
厚労省は政策の間違いを認めて、OECD平均になる位までは、
医師の数を増やす政策に方針転換する。
施設に関しては、空きベッドがないと急患を受け入れられない訳ですから。
3次救急をやっている大きな病院は、急患受け入れの為に、
いくつかベッドを敢えて空けて貰う。
その為に、空きベッドを作った病院には、それに応じて補助金を出すとか。
急患の命を助ける為に、一時的に患者を受け入れて満床を越えても
罰則を与えるのではなく、むしろそうした場合には、報奨金を出すとか。
そういった、行政側の対応。
医療訴訟を増やさない為に、萎縮医療をなくすために、
マスコミは仮説だけで、悪くもない医師の個人攻撃を止めるとか。
病院間の連携を取るために、地域毎にネットワークを作るとか。
そういった、根本的な解決策をとらなければ、
間違いなく、また同じ様な事は起きると思います。
大事なのは、1人の医者をいじめることではなくて、
今後似たような事を起こさないようにする事のはずです。
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産婦人科医会「主治医にミスなし」 奈良・妊婦死亡
奈良県大淀町の町立大淀病院で8月、
分娩(ぶんべん)中に重体となった妊婦(当時32)が
県内外の19病院に搬送を断られ、
出産後に死亡した問題について、同県医師会の産婦人科医会
(約150人)は19日、同県橿原市内で臨時理事会を開き、
「主治医の判断や処置にミスはなかった」と結論づけた。
妊婦は脳内出血を起こし、意識不明となったが、
主治医らは妊娠中毒症の妊婦が分娩中にけいれんを起こす
「子癇(しかん)」と診断し、CT(コンピューター断層撮影)
検査をしなかったとされる。
理事会後、記者会見した同医会の平野貞治会長は
「失神とけいれんは、子癇でも脳内出血でも起こる症状で、
見分けるのは困難。
妊婦の最高血圧が高かったこともあり、子癇と考えるのが普通だ」
と説明。「CTを撮らなかったのは妊婦の搬送を優先したためで、
出席した理事らは『自分も同じ診断をする』と話している」とも述べた。
県警が業務上過失致死容疑で捜査を始めた点については、
「このようなケースで警察に呼ばれるのなら、
重症の妊婦の引き受け手がなくなってしまう」と懸念を示した。
参考:ある産婦人科医のひとりごと:産婦人科医会「主治医にミスなし」 奈良・妊婦死亡で県産婦人科医会 (朝日新聞)
素早い対応だったと思います。
前回の記事「奈良の産婦人科医」で書いた、私の推測が、
医学的にもほぼ正しいという事になりますかね。
専門でないので、自信はなかったんですけどね。
と、すると今回の件は、搬送先が決まるまでに時間がかかった、
という事が問題になりますね。
前回も書きましたが、出産間近の妊婦で、意識消失があり、
重症の子癇もしくは脳出血が疑われる症例ですから。
受け入れ先の病院の条件として、
ICU(集中治療室)+NICU(小児の救急治療室)
+産婦人科医2人+小児科医+麻酔科医
+手術室の看護師3,4人 +脳外科医2人
この条件を夜中の2時、3時に満たす病院という事になります。
そして、こういう条件を満たす病院は数少ないので、
「受け入れ拒絶、拒否」ではなくて、「受け入れ不可能」であるんですね。
では、なぜそうなったかという原因ですが。
1,医師の人数の問題
産婦人科医2人+小児科医+麻酔科医 +脳外科医2人の医師が必要なんですから。
最低6人の医師が、夜中に緊急で来ることができる病院です。
という事は、それぞれの科の医師が1人、2人であれば、24時間365日、
これだけの人員を確保できる訳がありませんから。
最低でも、それぞれの科で、この2倍、3倍以上の医師が必要という事になります。
これに関しては、さんざんこのブログでも書いてきた、
「医師不足」の問題になります。
さんざん医師不足って言っているのに、厚生労働省が医師の偏在と言って、
過去の政策の間違いを認めず、医師数を削減する政策を取ってきたから、
こういう事が起こったと言っても、過言ではないでしょう。
2,施設の問題
ICU+NICUがある病院って事になりますね。
しかも、それぞれに空きがなければ受けられません。
普通の病院では、看護師の数は10:1看護といって、
ベッド数10に対して、看護師1人が必要になります。
今回、改正になって7:1看護だと診療報酬が上乗せされるようになりましたが。
で、集中治療室の場合は、これが2:1看護になります。
要はベッド数2に対して看護師1人が必要って事です。
ベッド数10なら3交代制として、5x3人。
もちろん15人しかいなかったら、交代交代とはいえ、
全員365日休みなしですから。
最低でも25~30人位看護師は必要って事になります。
ICUとNICUそれぞれって事には、必ずしもならないとは思いますがね。
看護師不足の問題にもなってきます。
そして、満床だと、新規の患者は受け入れられないんですよね。
ベッドが空いてないのに、患者を受け入れられるわけないですから。
ちょっと前は、満床でもなんとかやりくりして、患者の命を救うために
無理して受け入れていた病院もあるんですがね。
今、厚生労働省は、病床数を減らそうとしているので。
満床を超える入院患者を抱えた病院には罰(減額)措置があるんですよ。
一時的にでも、満床を越えると、厳しーく厚生労働省から指導が入ります。
それなら、「じゃ、ベッドを空けていたら良いんじゃないか」
って話になりますが。
それも、なかなか難しくなっています。
厚生労働省の医療費削減の方針で、診療報酬が徐々に下げられていますから。
各病院とも、常に満床に近い状態でないと、赤字になってしまうんですよ。
だから、いつも満床に近い状態でも、病院側から見たら、
やむを得ないって事になると思います。
これも、行政、厚労省が悪いって事になりますかね。
3,医療訴訟の問題
これは昨今のマスコミによる医者叩きが関係していますかね。
最近、専門じゃないから助けられなかった。
もっと早く専門の病院に送ったら、助けられたかもしれないのに。
という事で、医師が叩かれているので。
病院も患者を受け入れにくくなっている、という面もあると思います。
自分の病院では
ICU(集中治療室)+NICU(小児の救急治療室)
+産婦人科医2人+小児科医+麻酔科医
+手術室の看護師3,4人 +脳外科医2人
までの設備、人員はないがベッドは空いているので、
なんとか受け入れることは可能かもしれない。
でも、助かる見込みは少ない。
となると、昔は患者を助ける為になんとか受け入れていたかもしれませんが。
今は、能力がないのに受け入れたから助けられなかった。
とマスコミに責められる時代ですから。
受け入れに躊躇するのも当然だと思います。
しかし、病院としては必要な設備が整っていなくて、
他の施設に送った方が助かる可能性は高い、
と判断したのですから。
それが間違いではないと思いますし、責められるべきでもないと思います。
受け入れられるのに受け入れなかった、「受け入れ拒否」ではなく、
受け入れる人材、施設がなかったので、
「受け入れる能力がなかった」という事ですから。
4,システムの問題
病院同士の連携の問題と言っても良いかもしれませんね。
個々の病院が、どういう患者がいたら、まずどこに送るとか。
ルールを決めるとか、そういう事もできなくはないんですが。
これを、個々の病院の問題にすり替えるのは、どうかと思います。
それぞれの地域全体で、もしくは国でそういうシステムを作らないと、
また同じ事が起こると思います。
例えば、インターネットで、どこの病院のベッドが空いているか、
どの病院に医者が何人いて、ICU,NICU等の設備があるのか。
そういうのを、リアルタイムで全ての病院で見る事ができるシステムとかですかね。
実現には時間がかかると思いますが。
こんなシステムがあれば、素敵ですね。
是非このシステムを導入する時は、厚労省の天下り先からではなく、
競争入札を行って、民間企業に作ってもらいたいですね。
結局、今回の件で悪者は主治医の産科医個人ではなく、
厚労省の医療行政って事になると思うんですがね。
それを、医者個人の責任にしようとしてますよね、明らかに。
行政の責任にしてしまうと、その原因をなくすために、
また医療費がかかるから、医者個人の責任にしよう。
そういう圧力が政府からマスコミにでもかかっているんですかね。
そう考えでもしないとおかしいくらい、各マスコミが
間違った方向で一致していますよね。
医師不足に関しては、厚労省が「医療費亡国論」って、
20年以上前の間違った理論に固執して、医師削減を勧めているので。
厚労省は政策の間違いを認めて、OECD平均になる位までは、
医師の数を増やす政策に方針転換する。
施設に関しては、空きベッドがないと急患を受け入れられない訳ですから。
3次救急をやっている大きな病院は、急患受け入れの為に、
いくつかベッドを敢えて空けて貰う。
その為に、空きベッドを作った病院には、それに応じて補助金を出すとか。
急患の命を助ける為に、一時的に患者を受け入れて満床を越えても
罰則を与えるのではなく、むしろそうした場合には、報奨金を出すとか。
そういった、行政側の対応。
医療訴訟を増やさない為に、萎縮医療をなくすために、
マスコミは仮説だけで、悪くもない医師の個人攻撃を止めるとか。
病院間の連携を取るために、地域毎にネットワークを作るとか。
そういった、根本的な解決策をとらなければ、
間違いなく、また同じ様な事は起きると思います。
大事なのは、1人の医者をいじめることではなくて、
今後似たような事を起こさないようにする事のはずです。
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妊婦受け入れ拒絶で調査=業過致死の疑いも−奈良県警
奈良県の大淀町立大淀病院で8月、
分娩(ぶんべん)中に意識不明となった妊婦(32)が
約20病院から受け入れを断られた末、搬送された大阪府内の医療施設で
脳内出血で死亡した問題で、同県警は18日までに、
業務上過失致死の疑いもあるとみて、事実関係を確認する調査を始めた。
県警は大淀病院にミスがあったかどうかなどについて調べる。
参考:(時事通信) 10月18日
まず、残念ながら亡くなった、この女性の
ご冥福をお祈り致します。
一時に比べて、医者叩きの風潮が和らいできたかとも思ったんですが。
また、医者叩きが始まってしまいましたか。
今回はメディアによって、医療ミスを全面に出すものと、
受け入れ拒否を全面に出すものと分かれましたけどね。
ちなみに、今回のケースを流れにすると、こんな感じ
○8/7分娩の為、32歳の女性が奈良県大淀町立大淀病院に入院
○8/8午前0時過ぎ、意識を失ってけいれんを起こした。
○子癇が疑われ、点滴を投与
○内科医を呼んで頭部CT撮影が必要か協議
○産科医は点滴を打って様子を見る間仮眠
○2時頃、点滴が奏功しないので県立医大病院に受け入れを打診するも
満床で不可能
○県立医大病院の医師が受け入れ先を探す
○大淀病院でも独自に受け入れ先を捜す
○4時半頃、19ヵ所目で大阪の国立循環器病センターへの受け入れが決定
○6時頃、国循へ患者転送
○脳出血と診断され帝王切開の手術を受け、男児を出産
○意識不明のまま、8/16患者死亡
こんな感じです。
で、マスコミが問題にしている点は、この辺ですかね。
1,脳出血のため患者が死亡したが、産婦人科医は、
最初は子癇の可能性が高いと考え治療した。
2,内科医と頭部CTを撮るか協議したが、撮らなかった。
3,産科医は点滴を打って様子を見る間、仮眠していた。
4,最終的に患者を受け入れて貰う病院が決まるまでに、
18件(以上)の病院に電話をかけたが、受け入れが不可能であった。
私は循環器内科医なので、脳外科も産婦人科も
専門ではないし、現場の詳しい状況もわからないので、
あくまで推測になりますけどね。
まず、1,2に関して
例えば、私が意識が無くなってけいれんしている患者を診たら、
まず脳出血か脳梗塞、てんかん等の頭の病気を疑って、
まず身体所見をとって、それから頭のCTを撮ろうとしますよ。
私は子癇を見た事がないですし、この内科医も
ない可能性が高いと思いますしね。
内科医を呼んで、対光反射や一部の神経学的所見を診て、
意識レベルが低い(痛み刺激には反応あり)ものの他の異常所見が無い。
陣痛発作時には産婦が声を上げて痛がるなどしたので、
産科医と内科医で「陣痛発作に伴う失神だろう」と判断したそうです。
参照:東京日和 @元勤務医の日々:「マスコミの魔女狩り報道が正しいのか?」
片側だけの麻痺とか。
瞳孔が片方だけ大きいとか。
対抗反射が片側だけないとか。
病的反射があるとか。
もしそういうのがなかったとしたら。
子癇とも脳出血とも、診断のしようがないと思うんですよね。
で、頻度からいったら32歳の女性が脳出血を起こす確率は
10万人に1人とかそれ以下ですかね。
詳しくは知りませんけど。
私は専門でないのですが、ざっと調べた範囲では。
子癇の対処は、薬剤投与後に刺激を遮断して、
暗い部屋で静かに経過観察。
そして、子癇の後に脳出血を起こす事もあるようです。
そしたら、まず子癇を第一に考える。
そして子癇の治療をしてまず様子を見る。
で、その後一般的な子癇の治療をしても治らない。
やっぱりおかしい。
重症の子癇か、脳出血や脳梗塞などの病気かもしれない。
って事になって、この病院では診れないと判断して、
搬送先を探した。
という事で、妥当な判断だと思うんですが。
3,産科医は点滴を打って様子を見る間仮眠していた。
最近医師不足が非常に問題となっておりますが。
この主治医も、産科医だったんですよね、当然。
最も医師不足が著明で、過労って事でも問題になっている
産科医の先生ですね。
で、夜中の12時まで働かされて、しかも重症だから、
長期戦を覚悟したんですね。
そして、子癇が疑われて、それに対する適切な治療をして、
看護師に何かあったらすぐ報告するように言って、
更なる長期戦を覚悟して、少し仮眠したんですね、この先生。
これのどこがいけないんでしょうか。
私には全く理解できません。
医者は夜中でもいつでも、不眠不休で働いて、
仮眠すらとる事は許されない、とでも言いたいんでしょうか。
この件に関しては、この医師が責められる筋合いは
全くない、と私は思います。
4,最終的に患者を受け入れて貰う病院が決まるまでに、
18件(以上)の病院に電話をかけたが、受け入れが不可能であった。
出産直前で、けいれんして意識が無くなって、
町立病院では手に負えない程の重症患者です。
緊急の帝王切開をして、もしかしたら脳外科の手術もして、
更に子供も重症であることが予測されます。
ということは、搬送される方の病院の用件として、
ICU(集中治療室)+NICU(小児の救急集中治療室)
+産婦人科医2人+小児科医+麻酔科医
+手術室の看護師3,4人
+(もしかしたら脳外科医2人)
この用件を全て満たす病院を夜中の2時、3時に
見つけようと頑張ったんですよ。
で、必死になって19件か、それ以上の病院に
電話をかけまくったんです。
そして、やっとの事で国立循環器病センターが
引き受けてくれたんです。
“受け入れ拒絶”って見出しに書いていますが。
これは明らかに間違いです。
夜中にこれだけの人員を緊急で集められる病院は、
本当に数が少ないんですよ。
日本でいくつあるんでしょうかね。
だから
“受け入れ拒絶”
じゃなくて
“受け入れ不可能”
なんですよ。
受け入れ拒絶っていうのは、患者を受け入れられるのに、
わざと受け入れない事です。
受け入れる事ができないのとは違います。
この見出しの付け方は、悪意があるとしか思えません。
むしろ、奈良だったから、大阪が近くて受け入れて貰えた。
もっと他の場所だったら、受け入れられる病院もないし、
あったとしても、もっと時間がかかった可能性もあります。
しかも、今回に限っては、母子ともに危ない状態だったのに、
子供は助かったんですよ。
むしろ、さすが国循と賞賛するべき所ではないかと思います。
100歩譲って、マスコミの言う通り、
0時ちょっと過ぎに頭のCTを撮ったとしましょうか。
私はこの病院がどの位の田舎にあるか知りませんけどね。
町立病院ってくらいだから、そこそこ田舎だと思うんですよ。
で、CTを撮るにはまず放射線技師を呼ばなければなりません。
それに30分位ですか。
そして、機械に電源を入れて立ち上がるまでに、
結構時間がかかる機械も多いんですよね、こういう田舎の病院って。
どのくらいか分からないけど、数十分かかるんじゃないですかね。
そして、CTを撮るのに患者を動かして連れて行って。
そいで、頭のCTを撮ると。
ま、1時間かそれ以上はかかるんじゃないですかね。
そしたら、
・2時頃、点滴が奏功しないので県立医大病院に
受け入れを打診するも満床で不可能
ってところが、1時頃に1時間位早まるかもしれませんが。
結局その後、搬送先を探さなければなりません。
そして、その病院の条件は、
ICU(集中治療室)+NICU(小児の救急治療室)
+産婦人科医2人+小児科医+麻酔科医
+手術室の看護師3,4人
+脳外科医2人
になって、確実に脳外科医が2人増えるだけなんで。
もっと条件が厳しくなるって事です。
この条件なら、19件目じゃなくって、1件目で
病院が決まった。
なんてことは、絶対にあり得なくって。
同じくらい時間はかかるでしょうね。
CTを撮るにも時間がかかる。
しかも自分の病院には常勤の麻酔科医がいなくて、
脳外科医も1人しかいないので、夜中の緊急手術は不可能。
参考:『町立大淀病院HP』
であれば、搬送して手術ができる病院で頭のCTを撮ればよい。
そう主治医が考えても良いと思うんですが。
マスコミは、CTを撮らなかったから悪い。
脳外科医を呼ばなかったから悪いって。
CTを撮れば、脳外科医を呼べば全てが解決するような事を
無責任に言ってていますが。
100歩譲って、マスコミの言う通り、
子癇の治療である、安静を保たないで、
けいれんしている頭を無理矢理押さえて、
胎児の放射線被曝のリスクも無視して、
自分の所では手術をできないにも関わらず
頭のCTを撮ったとしましょうか。
国循に到着するのが1時間早まって、
AM6時が5時になるだけですよね。
脳外科医に電話したら、「頭のCT撮って」と
言われるでしょうから。
頭のCTを撮って、更に脳外科医が来るまで時間がかかるので、
1時間じゃなくて、数十分早く到着出来ますかね。
私は残念ながら、この方が1時間早く国循に到着しても、
母体は助けられなかったと思います。
多分、ほとんどの医師がそう思っていると思います。
「1時間到着が早まったら、この女性の命は助かったはず」
それが医学的に証明できますか。。
この産婦人科医は内科医と頭部CTについて協議しているので、
当然脳出血の可能性も考慮しているはずです。
でも、神経学的所見も全くない状態で、
子癇の治療は安静でその患者を動かすリスクとか。
若年女性の脳出血の頻度とか。
けいれんは、この時点で治まったのかどうかとかはわかりませんけど。
けいれんしている人を無理矢理押さえて頭のCTを撮った場合に、
ここの町立病院のCTで正確な診断ができるのか、とか。
もし鎮静してCTをとったら、胎児に影響が出るかもとか。
仮に脳出血だとしても、町立病院では対処できないし、
技師さんが来るのに時間がかかったら、
もしかしたら撮ってから搬送したら、
送るのがもっと遅くなるかもしれないとか。
そういった事を、全部か一部かわかんないですけど、
考えて判断したわけですよね。
残念な結果だったからといって、
医療ミス、医療ミスって、ミスかどうかもわからないうちに、
ミスと決めつけたような報道をしていますが。
少なくとも、マスコミは医者を犯罪者扱いして報道する前に、
この位の事は考慮して報道しているんでしょうね、当然。
だって、犯罪者扱いされて、全国で報道されまくったら、
その後の人生変わるんですよ、その人の。
今回の件。
瞳孔が開いていたって書いてある新聞もありましたし。
それが本当なのか、本当ならそれがいつからなのか等、
不明な点がありますしね。
確かに、0時の段階で子癇の治療の点滴をして、2,30分後に
もう一回確認しに行った方が良かったかもなー、とか。
それで、搬送依頼の電話を掛けている時に、
同時並行してCTを撮りに行っても良かったのかなー、とか。
後から考えれば、した方が良かったかなー、と思う事もありますが。
あくまでも結果論で、後から考えればの事ですし。
しても良かったかなー程度で、しなかったからと言って、
責められるべきものではないと思います。
この産婦人科医の処置全てが完璧で、全く非の打ち所が
ない処置だとは言いきれませんよ。
でも、私にはこの産婦人科医を責める事はできません。
今回は県立医大に断られちゃいましたが。
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「大学病院のうそ」 ~現役医師(Dr. I)が暴露する、大学病院の秘密
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奈良県の大淀町立大淀病院で8月、
分娩(ぶんべん)中に意識不明となった妊婦(32)が
約20病院から受け入れを断られた末、搬送された大阪府内の医療施設で
脳内出血で死亡した問題で、同県警は18日までに、
業務上過失致死の疑いもあるとみて、事実関係を確認する調査を始めた。
県警は大淀病院にミスがあったかどうかなどについて調べる。
参考:(時事通信) 10月18日
まず、残念ながら亡くなった、この女性の
ご冥福をお祈り致します。
一時に比べて、医者叩きの風潮が和らいできたかとも思ったんですが。
また、医者叩きが始まってしまいましたか。
今回はメディアによって、医療ミスを全面に出すものと、
受け入れ拒否を全面に出すものと分かれましたけどね。
ちなみに、今回のケースを流れにすると、こんな感じ
○8/7分娩の為、32歳の女性が奈良県大淀町立大淀病院に入院
○8/8午前0時過ぎ、意識を失ってけいれんを起こした。
○子癇が疑われ、点滴を投与
○内科医を呼んで頭部CT撮影が必要か協議
○産科医は点滴を打って様子を見る間仮眠
○2時頃、点滴が奏功しないので県立医大病院に受け入れを打診するも
満床で不可能
○県立医大病院の医師が受け入れ先を探す
○大淀病院でも独自に受け入れ先を捜す
○4時半頃、19ヵ所目で大阪の国立循環器病センターへの受け入れが決定
○6時頃、国循へ患者転送
○脳出血と診断され帝王切開の手術を受け、男児を出産
○意識不明のまま、8/16患者死亡
こんな感じです。
で、マスコミが問題にしている点は、この辺ですかね。
1,脳出血のため患者が死亡したが、産婦人科医は、
最初は子癇の可能性が高いと考え治療した。
2,内科医と頭部CTを撮るか協議したが、撮らなかった。
3,産科医は点滴を打って様子を見る間、仮眠していた。
4,最終的に患者を受け入れて貰う病院が決まるまでに、
18件(以上)の病院に電話をかけたが、受け入れが不可能であった。
私は循環器内科医なので、脳外科も産婦人科も
専門ではないし、現場の詳しい状況もわからないので、
あくまで推測になりますけどね。
まず、1,2に関して
例えば、私が意識が無くなってけいれんしている患者を診たら、
まず脳出血か脳梗塞、てんかん等の頭の病気を疑って、
まず身体所見をとって、それから頭のCTを撮ろうとしますよ。
私は子癇を見た事がないですし、この内科医も
ない可能性が高いと思いますしね。
内科医を呼んで、対光反射や一部の神経学的所見を診て、
意識レベルが低い(痛み刺激には反応あり)ものの他の異常所見が無い。
陣痛発作時には産婦が声を上げて痛がるなどしたので、
産科医と内科医で「陣痛発作に伴う失神だろう」と判断したそうです。
参照:東京日和 @元勤務医の日々:「マスコミの魔女狩り報道が正しいのか?」
片側だけの麻痺とか。
瞳孔が片方だけ大きいとか。
対抗反射が片側だけないとか。
病的反射があるとか。
もしそういうのがなかったとしたら。
子癇とも脳出血とも、診断のしようがないと思うんですよね。
で、頻度からいったら32歳の女性が脳出血を起こす確率は
10万人に1人とかそれ以下ですかね。
詳しくは知りませんけど。
私は専門でないのですが、ざっと調べた範囲では。
子癇の対処は、薬剤投与後に刺激を遮断して、
暗い部屋で静かに経過観察。
そして、子癇の後に脳出血を起こす事もあるようです。
そしたら、まず子癇を第一に考える。
そして子癇の治療をしてまず様子を見る。
で、その後一般的な子癇の治療をしても治らない。
やっぱりおかしい。
重症の子癇か、脳出血や脳梗塞などの病気かもしれない。
って事になって、この病院では診れないと判断して、
搬送先を探した。
という事で、妥当な判断だと思うんですが。
3,産科医は点滴を打って様子を見る間仮眠していた。
最近医師不足が非常に問題となっておりますが。
この主治医も、産科医だったんですよね、当然。
最も医師不足が著明で、過労って事でも問題になっている
産科医の先生ですね。
で、夜中の12時まで働かされて、しかも重症だから、
長期戦を覚悟したんですね。
そして、子癇が疑われて、それに対する適切な治療をして、
看護師に何かあったらすぐ報告するように言って、
更なる長期戦を覚悟して、少し仮眠したんですね、この先生。
これのどこがいけないんでしょうか。
私には全く理解できません。
医者は夜中でもいつでも、不眠不休で働いて、
仮眠すらとる事は許されない、とでも言いたいんでしょうか。
この件に関しては、この医師が責められる筋合いは
全くない、と私は思います。
4,最終的に患者を受け入れて貰う病院が決まるまでに、
18件(以上)の病院に電話をかけたが、受け入れが不可能であった。
出産直前で、けいれんして意識が無くなって、
町立病院では手に負えない程の重症患者です。
緊急の帝王切開をして、もしかしたら脳外科の手術もして、
更に子供も重症であることが予測されます。
ということは、搬送される方の病院の用件として、
ICU(集中治療室)+NICU(小児の救急集中治療室)
+産婦人科医2人+小児科医+麻酔科医
+手術室の看護師3,4人
+(もしかしたら脳外科医2人)
この用件を全て満たす病院を夜中の2時、3時に
見つけようと頑張ったんですよ。
で、必死になって19件か、それ以上の病院に
電話をかけまくったんです。
そして、やっとの事で国立循環器病センターが
引き受けてくれたんです。
“受け入れ拒絶”って見出しに書いていますが。
これは明らかに間違いです。
夜中にこれだけの人員を緊急で集められる病院は、
本当に数が少ないんですよ。
日本でいくつあるんでしょうかね。
だから
“受け入れ拒絶”
じゃなくて
“受け入れ不可能”
なんですよ。
受け入れ拒絶っていうのは、患者を受け入れられるのに、
わざと受け入れない事です。
受け入れる事ができないのとは違います。
この見出しの付け方は、悪意があるとしか思えません。
むしろ、奈良だったから、大阪が近くて受け入れて貰えた。
もっと他の場所だったら、受け入れられる病院もないし、
あったとしても、もっと時間がかかった可能性もあります。
しかも、今回に限っては、母子ともに危ない状態だったのに、
子供は助かったんですよ。
むしろ、さすが国循と賞賛するべき所ではないかと思います。
100歩譲って、マスコミの言う通り、
0時ちょっと過ぎに頭のCTを撮ったとしましょうか。
私はこの病院がどの位の田舎にあるか知りませんけどね。
町立病院ってくらいだから、そこそこ田舎だと思うんですよ。
で、CTを撮るにはまず放射線技師を呼ばなければなりません。
それに30分位ですか。
そして、機械に電源を入れて立ち上がるまでに、
結構時間がかかる機械も多いんですよね、こういう田舎の病院って。
どのくらいか分からないけど、数十分かかるんじゃないですかね。
そして、CTを撮るのに患者を動かして連れて行って。
そいで、頭のCTを撮ると。
ま、1時間かそれ以上はかかるんじゃないですかね。
そしたら、
・2時頃、点滴が奏功しないので県立医大病院に
受け入れを打診するも満床で不可能
ってところが、1時頃に1時間位早まるかもしれませんが。
結局その後、搬送先を探さなければなりません。
そして、その病院の条件は、
ICU(集中治療室)+NICU(小児の救急治療室)
+産婦人科医2人+小児科医+麻酔科医
+手術室の看護師3,4人
+脳外科医2人
になって、確実に脳外科医が2人増えるだけなんで。
もっと条件が厳しくなるって事です。
この条件なら、19件目じゃなくって、1件目で
病院が決まった。
なんてことは、絶対にあり得なくって。
同じくらい時間はかかるでしょうね。
CTを撮るにも時間がかかる。
しかも自分の病院には常勤の麻酔科医がいなくて、
脳外科医も1人しかいないので、夜中の緊急手術は不可能。
参考:『町立大淀病院HP』
であれば、搬送して手術ができる病院で頭のCTを撮ればよい。
そう主治医が考えても良いと思うんですが。
マスコミは、CTを撮らなかったから悪い。
脳外科医を呼ばなかったから悪いって。
CTを撮れば、脳外科医を呼べば全てが解決するような事を
無責任に言ってていますが。
100歩譲って、マスコミの言う通り、
子癇の治療である、安静を保たないで、
けいれんしている頭を無理矢理押さえて、
胎児の放射線被曝のリスクも無視して、
自分の所では手術をできないにも関わらず
頭のCTを撮ったとしましょうか。
国循に到着するのが1時間早まって、
AM6時が5時になるだけですよね。
脳外科医に電話したら、「頭のCT撮って」と
言われるでしょうから。
頭のCTを撮って、更に脳外科医が来るまで時間がかかるので、
1時間じゃなくて、数十分早く到着出来ますかね。
私は残念ながら、この方が1時間早く国循に到着しても、
母体は助けられなかったと思います。
多分、ほとんどの医師がそう思っていると思います。
「1時間到着が早まったら、この女性の命は助かったはず」
それが医学的に証明できますか。。
この産婦人科医は内科医と頭部CTについて協議しているので、
当然脳出血の可能性も考慮しているはずです。
でも、神経学的所見も全くない状態で、
子癇の治療は安静でその患者を動かすリスクとか。
若年女性の脳出血の頻度とか。
けいれんは、この時点で治まったのかどうかとかはわかりませんけど。
けいれんしている人を無理矢理押さえて頭のCTを撮った場合に、
ここの町立病院のCTで正確な診断ができるのか、とか。
もし鎮静してCTをとったら、胎児に影響が出るかもとか。
仮に脳出血だとしても、町立病院では対処できないし、
技師さんが来るのに時間がかかったら、
もしかしたら撮ってから搬送したら、
送るのがもっと遅くなるかもしれないとか。
そういった事を、全部か一部かわかんないですけど、
考えて判断したわけですよね。
残念な結果だったからといって、
医療ミス、医療ミスって、ミスかどうかもわからないうちに、
ミスと決めつけたような報道をしていますが。
少なくとも、マスコミは医者を犯罪者扱いして報道する前に、
この位の事は考慮して報道しているんでしょうね、当然。
だって、犯罪者扱いされて、全国で報道されまくったら、
その後の人生変わるんですよ、その人の。
今回の件。
瞳孔が開いていたって書いてある新聞もありましたし。
それが本当なのか、本当ならそれがいつからなのか等、
不明な点がありますしね。
確かに、0時の段階で子癇の治療の点滴をして、2,30分後に
もう一回確認しに行った方が良かったかもなー、とか。
それで、搬送依頼の電話を掛けている時に、
同時並行してCTを撮りに行っても良かったのかなー、とか。
後から考えれば、した方が良かったかなー、と思う事もありますが。
あくまでも結果論で、後から考えればの事ですし。
しても良かったかなー程度で、しなかったからと言って、
責められるべきものではないと思います。
この産婦人科医の処置全てが完璧で、全く非の打ち所が
ない処置だとは言いきれませんよ。
でも、私にはこの産婦人科医を責める事はできません。
今回は県立医大に断られちゃいましたが。
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『医療に安心できますか1』の記事の続きです。
10/14にNHKで放送された
日本の、これから 「医療に安心できますか?」の感想なんですが。
前半は、勤務医の現状の話が一つ。
そして、医師数が増えると医療費が増えるって、
20年以上前の「間違ってる」って事が証明された理論を元に、
厚生労働省は医師数を減らそうとしてる話でした。
Q2,医療費をおさえるために、医師の数を抑制する
賛成、605
反対、6619
どちらともいえない、1082
厚労省の事務次官は医師数を抑制するのではなくて、
今のペースで増やすって、いい訳ばっかしてましたけどね。
医師数が増えると医療費が増えるって間違った理論の直後に
アンケートを採ったにもかかわらず、医師の数を抑制する
今の厚生労働省の方針に賛成って人が、1割もいなかったので。
思ったよりも、視聴者は賢いのかもしれませんね。
マスコミの間違った報道に流される人達ばっかではないんですね。
で、その後
ジャーナリストの伊藤氏と、八代氏が美容整形や眼科などを
他の科に回せば医師は足りる、というような、
医師は足りている、偏在だ、という話が出て。
本田先生が、医師不足だ。
美容整形は保険診療じゃないし、医者の数を増やさないと
問題は解決しないって話が出て。
伊藤氏が、医者でもないのに私はいろんな勤務医と話を
しているから、医者の気持ちもわかる。
医者の事は医者しかわからないというのは、傲慢。
って発言をして、本田先生と激しいバトル。
ここら辺の話は某掲示板でも話題になっていましたね。
そして、医療費の問題が第2部から始まります。
医療費、2004年 32兆円
何もしないと、3%台の伸び
厚労省の試算だと、2025年 65兆円
うち高齢者 30兆円
社会的入院をなくすと、4000億円の医療費削減が可能。
これを実現させるため、今年の7月から診療報酬の仕組みを変えて、
医療の必要性の最も低い区分1だと、一律49万円→36万円に
大きく削減されました。
その結果、区分1の患者を無理矢理退院させないと、
病院の経営が成り立たなくなった。
というVTRが流れます。
貴重な医者を介護病棟に縛り付けるのはおかしい。
医療と福祉が分断されて、縦割り行政が問題。
って話も伊藤氏、八代氏から出ていて。
その事自体は正しいです。
だとしたら、まず介護施設や老健施設など、
病人ではないが、自宅には帰れない人達の受け皿を作る。
ヘルパーをたくさん養成したり、介護保険のシステムを
もっと充実させる。
そして、十分だという判断ができたら、
病院から施設に患者を移す。
という事をやれば良いんですけどね。
いきなり、診療報酬削減をして。
病院は潰れ、老人は行き場を失ってるんですよ、実際。
サラ金の上限金利を下げるのまでに移行措置で、9年とか。
国民から大反発をくらって、5年位にするとか。
そういう事をサラ金じゃなくって医療でもやらなきゃ駄目でしょ。
Q3,あなたは高齢者医療費を抑制することを、どう思うか?
やむを得ない、2838
抑制すべきではない、4885
その後、医療費の無駄を省くって話が出たんですが。
医療費の無駄っていうと、医者が余計な検査をしたり、
無駄な薬をもらって、家に貯まって飲んでないって話が
患者や視聴者から出たんですが。
たしかに、開業医の中には過剰な検査をする人もいますけどね。
勤務医はたくさん検査したからって給料増えるわけじゃないし。
多くは、患者が心配だから検査してくれって言われて、
こっちは検査するんですけどねー。
薬を貰っても飲まないから無駄って。
必要だから薬を出しているんですが。
悪いのはその薬を飲まない患者なんですが。
その結果、悪くなってまた病院に来て治療したら、
それを医療費の無駄って言うんで。
薬の内容もわからず、飲んでない薬が無駄って事はないんですよ。
そして、医療費無料だからって受診して、貴重な医療資源を浪費している。
不要な受診を抑制するって方向からも見直さなければ。
って、まっとうな視聴者(医者?)からの意見も出ていたんですが。
完全にスルーされていましたね。
何が無駄かって、それを判断できるのも現場の医者とか、
医療の事を本当にわかっている人しかいないと思うんですけどね。
それは置いといて、この事務次官、次に
今度の厚労省の改革で生活習慣病、予防を重視。
血管の病気は徹底予防できる。
内臓脂肪が多くなければ予防できる、って断定してましたけど。
残念ながら、それは嘘です。
私のメルマガ「やぶ医師のひとりごと」でも、
予防医学に重点を置いていますしね。
予防に重点を置くって、厚労省の姿勢は良いんですよ。
確かに、カロリーが高かったり、体重が大きければ
糖尿病や高脂血症になりやすいですし。
塩分を摂りすぎれば、高血圧になりやすいし。
運動をすれば、それらの病気になる確率が減るのは事実ですよ。
でも、確率が減るだけで、完全に予防できるわけではないんですよ。
内臓脂肪が全ての諸悪の根元、みたいな言い方をしてましたけど。
それも原因の一つだけど、それ以外にも原因はあるんですよ。
そして、もう一つ。
その後に本田先生も言っているんですけどね。
医療経済学の面からいうと、予防医学をしても、
長い目で見たら、医療費抑制の効果はないんですよ。
なぜかって言うと、人間誰でも年を取りますよね。
年を取れば、病気になりますよね。
いくら気をつけても、残念ながら年齢には勝てないんですよ。
長生きすれば、それだけ病院にもかかりますしね。
簡単に言うと、予防医学は医療費を先延ばしにする効果はあるけど、
結局、何年か後になって払うので、トータルは同じって事です。
個人が長生きできて、同じお金なら、私は良いと思いますけどね。
でも国全体として、医療費削減って効果自体は、ないんですよ。
そいで、本田先生の発言。
厚労省の予測が当たった事はない。
H9年の時も高く予測し、12年の予測が8兆円下がっている
医療費は世界ではGDP比12%くらい、日本は8%弱。
日本は医療費の抑制に世界で唯一成功している。
そこから、更に抑制するのが問題だ。
って発言があり、事務次官がまた言い訳して、
VTRに入ります。
この10年での健康保険の主な負担増
H9年 サラリーマン 1割→2割
H13 70歳以上(一部を除く) 定額→1割
H14 70歳以上(全ての医療機関) 定額→1割
70(現役並所得) 1割→2割
H15 サラリーマン 2割→3割
扶養家族の入院 2割→3割
H18 70歳以上(現役並所得) 2割→3割
高額医療費 上限引き上げ
H20 70-74歳 1割→2割
うーん、これだけ国民の負担が増えているんですねー。
で、その後に混合診療、自由診療のVTRです。
患者さんが入院します。
梅コース、
六人部屋、一ヶ月待って、新人医師が従来の方法で手術。
入院期間は一ヶ月
保険が効くので、費用は10万円。
松コース、
明日から即、個室に入院。
専門の看護師がつきっきりで看護。
執刀医はカリスマ医師。
最先端の技術で、3日で退院。
10万円+1000万円
儲かる病院ほど患者が来て、医師も一生懸命
勉強するから、医療の質も上がるって話でした。
明らかに、NHKは自由診療、混合診療を推進するってVTRでしたね。
その後にもかかわらず、患者、医者はまっとうな事を言っていましたが。
オリックスの宮内会長の後釜で経済財政諮問会議に入った八代氏は、
混合診療賛成って、はっきり言っていました。
そして、後半出番が少なくなった本田先生が、アメリカは
混合診療になって医療費が上がったって話をしてるのに、スルー。
ある勤務医が、
お金はそんなにいらない。
患者に感謝されればそれで良いんだ。
でも、今は感謝されなくなっている。
それが医者が減っている一番の原因だ。
って本質をついた発言をしているにもかかわらず、司会者スルー。
この後ある患者が、私と同じ様な事を発言してましたね。
「生活習慣病の場合は、
保険の自己負担割合を上げたら良いんじゃないか?」
これ、結構大事良いこと言ったなーと思います。
私の考えは、生活習慣病の人全員の自己負担を上げるんじゃなくて。
例えば、
毎年健診で異常を指摘されてるのに、病院に行かない人。
タバコを吸っている人。
検査値で異常があって痩せなさいと言われているのに、肥満のままの人。
こういう、このままいったら生活習慣病になる可能性が高いって
わかっていて、それを治すチャンスがあったのに、
自分の責任でそれを放棄した人。
こういう人が生活習慣病になった場合、
私は自己負担額を上げれば良いと考えています。
多分ブログのどっかで書いたんですが、どこか忘れました(笑)
Q4,これからの日本の医療費のありかたはどちらが良いと思いますか?
公的負担が大きくても国が十分な保証をする、3230
市場原理を導入し、公的負担を小さくする、993
視聴者からの意見で、
患者を減らす対策が全くなされてない。
必要のない診療を求める患者、過剰診療を抑える工夫、
予防医療など患者数を減らす工夫が必要ではないか。
一年間一度も医療費を使わなかったら、国が祝い金を出す。
って意見も出てましたが、これも良いですねー。
最後、厚労省、八代氏、伊藤氏と芸能人、NHKは混合診療賛成で、
患者、医者、視聴者は反対って感じで終わりました。
全体的に見たら、結構良い内容だったと思います。
しかし、それはこの番組に出ていた、本田先生や医者、
そして医療現場の事をわかっている患者が良い発言をしたからで。
司会者は明らかに違う方向に持っていきたがっていたし。
問題の本質に入ろうとすると、それには触れないで
って感じもありましたしね。
でも、たいていこういうのは
患者v.s.医者
で、医者が悪者になる事が多いのに、
今回は、
患者、医者v.s.厚生労働省、医療ジャーナリスト
のような構図になっていました。
そいで、行政が悪いって感じで、事務次官も明らかに悪役。
10/7の番組でもそうだったんですけどね。
今回は、結果的に患者が医師サイドについたからって事なので、
結果オーライなんですけどね。
今後、こういう流れが全てのマスコミでなってくれれば良いんですが。
でも、やはり医療訴訟や必要のない患者の受診、救急外来の事。
そういった事を抜きに、議論はできないので。
今後NHKに関わらず、どこかのマスコミがこれらの事を
取り上げてくれれば良いなーって思っています。
ちょっと面白いブログがあるので、続きをどうぞ!
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10/14にNHKで放送された
日本の、これから 「医療に安心できますか?」の感想なんですが。
前半は、勤務医の現状の話が一つ。
そして、医師数が増えると医療費が増えるって、
20年以上前の「間違ってる」って事が証明された理論を元に、
厚生労働省は医師数を減らそうとしてる話でした。
Q2,医療費をおさえるために、医師の数を抑制する
賛成、605
反対、6619
どちらともいえない、1082
厚労省の事務次官は医師数を抑制するのではなくて、
今のペースで増やすって、いい訳ばっかしてましたけどね。
医師数が増えると医療費が増えるって間違った理論の直後に
アンケートを採ったにもかかわらず、医師の数を抑制する
今の厚生労働省の方針に賛成って人が、1割もいなかったので。
思ったよりも、視聴者は賢いのかもしれませんね。
マスコミの間違った報道に流される人達ばっかではないんですね。
で、その後
ジャーナリストの伊藤氏と、八代氏が美容整形や眼科などを
他の科に回せば医師は足りる、というような、
医師は足りている、偏在だ、という話が出て。
本田先生が、医師不足だ。
美容整形は保険診療じゃないし、医者の数を増やさないと
問題は解決しないって話が出て。
伊藤氏が、医者でもないのに私はいろんな勤務医と話を
しているから、医者の気持ちもわかる。
医者の事は医者しかわからないというのは、傲慢。
って発言をして、本田先生と激しいバトル。
ここら辺の話は某掲示板でも話題になっていましたね。
そして、医療費の問題が第2部から始まります。
医療費、2004年 32兆円
何もしないと、3%台の伸び
厚労省の試算だと、2025年 65兆円
うち高齢者 30兆円
社会的入院をなくすと、4000億円の医療費削減が可能。
これを実現させるため、今年の7月から診療報酬の仕組みを変えて、
医療の必要性の最も低い区分1だと、一律49万円→36万円に
大きく削減されました。
その結果、区分1の患者を無理矢理退院させないと、
病院の経営が成り立たなくなった。
というVTRが流れます。
貴重な医者を介護病棟に縛り付けるのはおかしい。
医療と福祉が分断されて、縦割り行政が問題。
って話も伊藤氏、八代氏から出ていて。
その事自体は正しいです。
だとしたら、まず介護施設や老健施設など、
病人ではないが、自宅には帰れない人達の受け皿を作る。
ヘルパーをたくさん養成したり、介護保険のシステムを
もっと充実させる。
そして、十分だという判断ができたら、
病院から施設に患者を移す。
という事をやれば良いんですけどね。
いきなり、診療報酬削減をして。
病院は潰れ、老人は行き場を失ってるんですよ、実際。
サラ金の上限金利を下げるのまでに移行措置で、9年とか。
国民から大反発をくらって、5年位にするとか。
そういう事をサラ金じゃなくって医療でもやらなきゃ駄目でしょ。
Q3,あなたは高齢者医療費を抑制することを、どう思うか?
やむを得ない、2838
抑制すべきではない、4885
その後、医療費の無駄を省くって話が出たんですが。
医療費の無駄っていうと、医者が余計な検査をしたり、
無駄な薬をもらって、家に貯まって飲んでないって話が
患者や視聴者から出たんですが。
たしかに、開業医の中には過剰な検査をする人もいますけどね。
勤務医はたくさん検査したからって給料増えるわけじゃないし。
多くは、患者が心配だから検査してくれって言われて、
こっちは検査するんですけどねー。
薬を貰っても飲まないから無駄って。
必要だから薬を出しているんですが。
悪いのはその薬を飲まない患者なんですが。
その結果、悪くなってまた病院に来て治療したら、
それを医療費の無駄って言うんで。
薬の内容もわからず、飲んでない薬が無駄って事はないんですよ。
そして、医療費無料だからって受診して、貴重な医療資源を浪費している。
不要な受診を抑制するって方向からも見直さなければ。
って、まっとうな視聴者(医者?)からの意見も出ていたんですが。
完全にスルーされていましたね。
何が無駄かって、それを判断できるのも現場の医者とか、
医療の事を本当にわかっている人しかいないと思うんですけどね。
それは置いといて、この事務次官、次に
今度の厚労省の改革で生活習慣病、予防を重視。
血管の病気は徹底予防できる。
内臓脂肪が多くなければ予防できる、って断定してましたけど。
残念ながら、それは嘘です。
私のメルマガ「やぶ医師のひとりごと」でも、
予防医学に重点を置いていますしね。
予防に重点を置くって、厚労省の姿勢は良いんですよ。
確かに、カロリーが高かったり、体重が大きければ
糖尿病や高脂血症になりやすいですし。
塩分を摂りすぎれば、高血圧になりやすいし。
運動をすれば、それらの病気になる確率が減るのは事実ですよ。
でも、確率が減るだけで、完全に予防できるわけではないんですよ。
内臓脂肪が全ての諸悪の根元、みたいな言い方をしてましたけど。
それも原因の一つだけど、それ以外にも原因はあるんですよ。
そして、もう一つ。
その後に本田先生も言っているんですけどね。
医療経済学の面からいうと、予防医学をしても、
長い目で見たら、医療費抑制の効果はないんですよ。
なぜかって言うと、人間誰でも年を取りますよね。
年を取れば、病気になりますよね。
いくら気をつけても、残念ながら年齢には勝てないんですよ。
長生きすれば、それだけ病院にもかかりますしね。
簡単に言うと、予防医学は医療費を先延ばしにする効果はあるけど、
結局、何年か後になって払うので、トータルは同じって事です。
個人が長生きできて、同じお金なら、私は良いと思いますけどね。
でも国全体として、医療費削減って効果自体は、ないんですよ。
そいで、本田先生の発言。
厚労省の予測が当たった事はない。
H9年の時も高く予測し、12年の予測が8兆円下がっている
医療費は世界ではGDP比12%くらい、日本は8%弱。
日本は医療費の抑制に世界で唯一成功している。
そこから、更に抑制するのが問題だ。
って発言があり、事務次官がまた言い訳して、
VTRに入ります。
この10年での健康保険の主な負担増
H9年 サラリーマン 1割→2割
H13 70歳以上(一部を除く) 定額→1割
H14 70歳以上(全ての医療機関) 定額→1割
70(現役並所得) 1割→2割
H15 サラリーマン 2割→3割
扶養家族の入院 2割→3割
H18 70歳以上(現役並所得) 2割→3割
高額医療費 上限引き上げ
H20 70-74歳 1割→2割
うーん、これだけ国民の負担が増えているんですねー。
で、その後に混合診療、自由診療のVTRです。
患者さんが入院します。
梅コース、
六人部屋、一ヶ月待って、新人医師が従来の方法で手術。
入院期間は一ヶ月
保険が効くので、費用は10万円。
松コース、
明日から即、個室に入院。
専門の看護師がつきっきりで看護。
執刀医はカリスマ医師。
最先端の技術で、3日で退院。
10万円+1000万円
儲かる病院ほど患者が来て、医師も一生懸命
勉強するから、医療の質も上がるって話でした。
明らかに、NHKは自由診療、混合診療を推進するってVTRでしたね。
その後にもかかわらず、患者、医者はまっとうな事を言っていましたが。
オリックスの宮内会長の後釜で経済財政諮問会議に入った八代氏は、
混合診療賛成って、はっきり言っていました。
そして、後半出番が少なくなった本田先生が、アメリカは
混合診療になって医療費が上がったって話をしてるのに、スルー。
ある勤務医が、
お金はそんなにいらない。
患者に感謝されればそれで良いんだ。
でも、今は感謝されなくなっている。
それが医者が減っている一番の原因だ。
って本質をついた発言をしているにもかかわらず、司会者スルー。
この後ある患者が、私と同じ様な事を発言してましたね。
「生活習慣病の場合は、
保険の自己負担割合を上げたら良いんじゃないか?」
これ、結構大事良いこと言ったなーと思います。
私の考えは、生活習慣病の人全員の自己負担を上げるんじゃなくて。
例えば、
毎年健診で異常を指摘されてるのに、病院に行かない人。
タバコを吸っている人。
検査値で異常があって痩せなさいと言われているのに、肥満のままの人。
こういう、このままいったら生活習慣病になる可能性が高いって
わかっていて、それを治すチャンスがあったのに、
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こういう人が生活習慣病になった場合、
私は自己負担額を上げれば良いと考えています。
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Q4,これからの日本の医療費のありかたはどちらが良いと思いますか?
公的負担が大きくても国が十分な保証をする、3230
市場原理を導入し、公的負担を小さくする、993
視聴者からの意見で、
患者を減らす対策が全くなされてない。
必要のない診療を求める患者、過剰診療を抑える工夫、
予防医療など患者数を減らす工夫が必要ではないか。
一年間一度も医療費を使わなかったら、国が祝い金を出す。
って意見も出てましたが、これも良いですねー。
最後、厚労省、八代氏、伊藤氏と芸能人、NHKは混合診療賛成で、
患者、医者、視聴者は反対って感じで終わりました。
全体的に見たら、結構良い内容だったと思います。
しかし、それはこの番組に出ていた、本田先生や医者、
そして医療現場の事をわかっている患者が良い発言をしたからで。
司会者は明らかに違う方向に持っていきたがっていたし。
問題の本質に入ろうとすると、それには触れないで
って感じもありましたしね。
でも、たいていこういうのは
患者v.s.医者
で、医者が悪者になる事が多いのに、
今回は、
患者、医者v.s.厚生労働省、医療ジャーナリスト
のような構図になっていました。
そいで、行政が悪いって感じで、事務次官も明らかに悪役。
10/7の番組でもそうだったんですけどね。
今回は、結果的に患者が医師サイドについたからって事なので、
結果オーライなんですけどね。
今後、こういう流れが全てのマスコミでなってくれれば良いんですが。
でも、やはり医療訴訟や必要のない患者の受診、救急外来の事。
そういった事を抜きに、議論はできないので。
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10/14にNHKで放送された
日本の、これから「医療に安心できますか?」
を見ました。
10/14 NHK午後7:30~10:29
「救急車でたらいまわし」「お産できる病院がない」「3時間待ちの3分診療」
いつでも、どこでも、誰でもサービスを受けることができた
日本の医療に今、異変が起きている。
地方では次々に診療科が閉鎖。
都市部でも過酷な長時間勤務に耐えかねた医師が病院を去り、
残った者の負担が更に重くなる。
その結果「ヒヤリハット」や「医療事故」の件数が増加するという
「負の連鎖」がまん延している。
こうした「医師不足」がもたらす問題の背景には、
国による医療費抑制策がある。
日本の医師数は、人口10万人当たり206人と、OECD平均の2/3。
医師を増やせば、過剰診療につながり医療費が増大。
財政を圧迫するとの考えだ。
安心できる医療サービスを受けるには医療費の増大も止むを得ないのか。
現在、日本の医療費はGDP比の8%と先進7カ国の中で最低。
その一方で、患者の窓口負担の割合は最大。
国民健康保険の保険料が払えず、受診できない人も増える中、
医療費をどうまかなったらよいのか。
更に国は、高齢化によって膨らむ医療費に歯止めをかけようと
「終末期医療」の是非にも言及を始めている。
患者が求める医療の姿とは何か。そのための負担はどうあるべきなのか。
番組では、私たちの健康、そして命を守る日本の医療の
「これから」を徹底討論する。
(主な論点)
▼今の医療に安心できるか?
▼医師は増やすべきか? 国民医療費は増えても良いか?
▼税金と保険料、そして窓口負担。医療費をどうまかなう?
▼高齢者医療費の抑制をどう考える?
▼私たちにとって本当に必要な医療とは
『日本の、これから 、「医療に安心できますか?」』
主な出演者
済生会栗橋病院、副院長:本田宏
厚生労働省事務次官:辻哲夫
医療ジャーナリスト:伊藤準也
国際基督強大学教授:八代尚宏
タレント:遙洋子
日本医師会、会長:唐澤詳人
最近、NHKの放送の感想ばっかなんですが。
テレビを見ていない人の方が多いと思うんで。
ちょっと今回は、テレビでやった内容を詳しく書いて、
それを解説するって形にしようと思います。
長くなるんで、シリーズで書いていきますね。
基本的には、この番組では医師や看護師、医学部の学生等
医療関係者20人位。
病気で通院している患者20人位と、主な出演者で、
それぞれがコメントをしていく、という形で進みます。
そいでアンケートを視聴者から採っていくって事もやっていました。
Q1,今の日本の医療に安心できる?
はい、 1174人
いいえ、6527人
番組では、ある当直医の一日の映像が流れて。
事務仕事も多いし、夜もほとんど眠れない。
月6回当直で、36時間以上の労働をしていました。
過労で薬の量を間違えそうになった、
って話も出てました。
その後に某勤務医が、今は週4回の当直で済んでる、とか。
今はこれが月に1,2回って。
さすがに、他の医者もひいてましたねー、この発言。
この医師、身も心もすり減らして、
今年開業するって言ってましたけどね。
2人とも、労働基準法違反なんですが、
結局最後までその事を指摘する声は上がりませんでしたね。
生放送だからこそ、誰かに言って貰いたかったんですが。
きっとNHKから、口止めされていたんでしょうねー。
司会者が、医療制度に関しては後で。
医療費に関しては後で、とか。
話の途中でさえぎりまくって、結局話が続かなくって。
この司会者は、かなり問題がありましたね、正直。
勤務医の実態。
外科医の当直明け勤務。
勤務医は決定的に少ない等。
医療法で必要な医師数は
東北、北海道は50~60%って、
10/13でやっていた内容と同じ事もありました。
「国の責任なのに、医師の良心に丸投げしてる」
って芸能人の遙さんも、良いこと言ってました。
そいで、その後、厚生労働省事務次官の発言
なぜ医師が忙しいのかの理由として、
ヨーロッパでは外来が 6,7回/年
日本は14回/年、老人は41回/年
だから、外来が忙しい。
外来の頻度が多い、外来は開業医も病院もやってるから、
開業医と病院の役割分担が必要。
って話をしていました。
医者が忙しいのは、外来のせいだけではないんですが。
ま、これに関しては大病院と診療所の棲み分けって事で、
私も賛成する部分もあるんですけどね。
でも、
医療標準に足りる割合は、年々増えている。
3500-4000人・年、医師は増えている。
地域で需給を見直す。
って話には賛成出来ません。
前にも書きましたけどね。
日本の医師数は26万人
OECD平均並だと38万人
で、全然足りていないんですよ。
勤務医が足りないって、話がたくさん出てましたけど。
開業医も含めた人数でも、12万人足りていないんで。
偏在じゃなくって、不足なんです。
で、その後。
一番問題な、医師不足が始まった政府の政策に関しての話です。
これ、大事なので、詳しく書きますね。
s30年、健康保険が国民全体に普及
s48年、一県一医大構想
s50年代、毎年8000人の医師が生まれる
って流れできて、
s57 医師数16.8万人、医療費14兆円
この流れが、オイルショック後の経済不況で変わります。
s58,医療雑誌に当時の厚生省保険局長が書いた論文
医療費が財政再建で問題、
このままいったら、国家が潰れる「医療費亡国論」
ってのが出たんです。
医師数の増加は、過剰診療につながる
勤務医1人につき、8000万円、
開業医1人につき、6000万円
医療費が増える
って事で、医師10%削減の政策
s59,医学部の定員の見直し
医学部の定員、最大でs59年 8280人、
段階的に削減され、今は7625人です。
人口1000人当たりの医師数
ギリシャ 4.4人
イタリア 4.1人
ベルギー 3.9人
スイス 3.6人
日本 2.0人
とOECD30ヶ国中、27位
s45年にはOECD平均で1000人当たり医師数1.4人、
それに対して日本は1.1人と差は1000人当たり、0.3人。
今はOECD平均で1000人当たり医師3.0人。
日本は2.0人と差は1.0人で、
OECD平均との差は広がり続けている。
ま、これが放送されていた内容なんですけどね。
ちょっと気になった点が2点。
第一に、s58年に既に財政再建の話が出ています。
財政再建っていうのには、当然無駄な公共事業とか、
そういう話が出てくると思うんですがね。
この頃から、全く公共事業の金は減らず、
むしろ景気対策の名目で増えています。
ここ数年、公共事業費削減って話が出ていますが。
これも一般会計のみの話で。
実は、特別会計では公共事業費は減っていないんですよ、今だに。
それなのに、国民の命に直結する医療費削減の話ってのは、
順序が違うような気がするんですが。
次にもう一点。
s58年という、20年以上前の古くさい論文を元に、
厚生労働省は医師削減をしているんですが。
「医師数が増えると、医療費が増える」
って言って、医師数を減らしていますよね。
でも、
「最近医療費の伸びが増えて困ってる」
って言ってるんですよね。
医師は増えていないのに、医療費はすごい伸びで増えてるって。
そしたら、この論文の前提の
「医師数が増えると、医療費が増える」
って、これが間違いって事でしょ。
医療費がすごく増えた原因は、高齢化社会とか、
医師数が増えた事以外に、他に原因があるって事でしょ。
それにも関わらず、医師数が増えるのが、
医療費が増える諸悪の根元みたいな事言ってますが。
20年以上経って、「間違ってる」って事が証明された理論を
今だに使って、医師数を減らそうとしてるんですよ。
そして、番組ではグラフで出ていたOECD平均との医師数との比
s45年にはOECD平均で1000人当たり医師数1.4人、
それに対して日本は1.1人と差は1000人当たり、0.3人。
今はOECD平均で1000人当たり医師3.0人。
日本は2.0人と差は1.0人で、
OECD平均との差は広がり続けている。
って、だんだん差は広がっているんですよ。
それなのに、この事務次官は、医師は増えているって。
ま確かに医師免許を持っている人の数は増えてますけどね。
実際に働いているかは別として。
でも差は広がってるんですが。
国が医療費抑制のため、医師数を抑制。
この方針は変わらないって。
前から、厚労省の言ってる発言そのままなんですけどね。
こうやって、データーと比較したら、明らかに間違っているって
わかるのに、ただ同じ主張を繰り返す厚労省の事務次官の姿。
典型的な役人って感じでしたね。
この番組に出ていた、患者の方がよっぽどしっかりしてますね、ホント。
国の政策に関しては、老人医療費がただになった、
ってのがあったはずなんですが。
それで、その後に医療費がどの位増えたのかってのが
一番見たかったんですけど、それは出なかったのが残念でした。
長くなったんで、Q2以降は次回で。
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ただいま健康部門第3位です。
1位を目指しているので、応援よろしくお願いします。
↓ ↓ ↓

日本の、これから「医療に安心できますか?」
を見ました。
10/14 NHK午後7:30~10:29
「救急車でたらいまわし」「お産できる病院がない」「3時間待ちの3分診療」
いつでも、どこでも、誰でもサービスを受けることができた
日本の医療に今、異変が起きている。
地方では次々に診療科が閉鎖。
都市部でも過酷な長時間勤務に耐えかねた医師が病院を去り、
残った者の負担が更に重くなる。
その結果「ヒヤリハット」や「医療事故」の件数が増加するという
「負の連鎖」がまん延している。
こうした「医師不足」がもたらす問題の背景には、
国による医療費抑制策がある。
日本の医師数は、人口10万人当たり206人と、OECD平均の2/3。
医師を増やせば、過剰診療につながり医療費が増大。
財政を圧迫するとの考えだ。
安心できる医療サービスを受けるには医療費の増大も止むを得ないのか。
現在、日本の医療費はGDP比の8%と先進7カ国の中で最低。
その一方で、患者の窓口負担の割合は最大。
国民健康保険の保険料が払えず、受診できない人も増える中、
医療費をどうまかなったらよいのか。
更に国は、高齢化によって膨らむ医療費に歯止めをかけようと
「終末期医療」の是非にも言及を始めている。
患者が求める医療の姿とは何か。そのための負担はどうあるべきなのか。
番組では、私たちの健康、そして命を守る日本の医療の
「これから」を徹底討論する。
(主な論点)
▼今の医療に安心できるか?
▼医師は増やすべきか? 国民医療費は増えても良いか?
▼税金と保険料、そして窓口負担。医療費をどうまかなう?
▼高齢者医療費の抑制をどう考える?
▼私たちにとって本当に必要な医療とは
『日本の、これから 、「医療に安心できますか?」』
主な出演者
済生会栗橋病院、副院長:本田宏
厚生労働省事務次官:辻哲夫
医療ジャーナリスト:伊藤準也
国際基督強大学教授:八代尚宏
タレント:遙洋子
日本医師会、会長:唐澤詳人
最近、NHKの放送の感想ばっかなんですが。
テレビを見ていない人の方が多いと思うんで。
ちょっと今回は、テレビでやった内容を詳しく書いて、
それを解説するって形にしようと思います。
長くなるんで、シリーズで書いていきますね。
基本的には、この番組では医師や看護師、医学部の学生等
医療関係者20人位。
病気で通院している患者20人位と、主な出演者で、
それぞれがコメントをしていく、という形で進みます。
そいでアンケートを視聴者から採っていくって事もやっていました。
Q1,今の日本の医療に安心できる?
はい、 1174人
いいえ、6527人
番組では、ある当直医の一日の映像が流れて。
事務仕事も多いし、夜もほとんど眠れない。
月6回当直で、36時間以上の労働をしていました。
過労で薬の量を間違えそうになった、
って話も出てました。
その後に某勤務医が、今は週4回の当直で済んでる、とか。
今はこれが月に1,2回って。
さすがに、他の医者もひいてましたねー、この発言。
この医師、身も心もすり減らして、
今年開業するって言ってましたけどね。
2人とも、労働基準法違反なんですが、
結局最後までその事を指摘する声は上がりませんでしたね。
生放送だからこそ、誰かに言って貰いたかったんですが。
きっとNHKから、口止めされていたんでしょうねー。
司会者が、医療制度に関しては後で。
医療費に関しては後で、とか。
話の途中でさえぎりまくって、結局話が続かなくって。
この司会者は、かなり問題がありましたね、正直。
勤務医の実態。
外科医の当直明け勤務。
勤務医は決定的に少ない等。
医療法で必要な医師数は
東北、北海道は50~60%って、
10/13でやっていた内容と同じ事もありました。
「国の責任なのに、医師の良心に丸投げしてる」
って芸能人の遙さんも、良いこと言ってました。
そいで、その後、厚生労働省事務次官の発言
なぜ医師が忙しいのかの理由として、
ヨーロッパでは外来が 6,7回/年
日本は14回/年、老人は41回/年
だから、外来が忙しい。
外来の頻度が多い、外来は開業医も病院もやってるから、
開業医と病院の役割分担が必要。
って話をしていました。
医者が忙しいのは、外来のせいだけではないんですが。
ま、これに関しては大病院と診療所の棲み分けって事で、
私も賛成する部分もあるんですけどね。
でも、
医療標準に足りる割合は、年々増えている。
3500-4000人・年、医師は増えている。
地域で需給を見直す。
って話には賛成出来ません。
前にも書きましたけどね。
日本の医師数は26万人
OECD平均並だと38万人
で、全然足りていないんですよ。
勤務医が足りないって、話がたくさん出てましたけど。
開業医も含めた人数でも、12万人足りていないんで。
偏在じゃなくって、不足なんです。
で、その後。
一番問題な、医師不足が始まった政府の政策に関しての話です。
これ、大事なので、詳しく書きますね。
s30年、健康保険が国民全体に普及
s48年、一県一医大構想
s50年代、毎年8000人の医師が生まれる
って流れできて、
s57 医師数16.8万人、医療費14兆円
この流れが、オイルショック後の経済不況で変わります。
s58,医療雑誌に当時の厚生省保険局長が書いた論文
医療費が財政再建で問題、
このままいったら、国家が潰れる「医療費亡国論」
ってのが出たんです。
医師数の増加は、過剰診療につながる
勤務医1人につき、8000万円、
開業医1人につき、6000万円
医療費が増える
って事で、医師10%削減の政策
s59,医学部の定員の見直し
医学部の定員、最大でs59年 8280人、
段階的に削減され、今は7625人です。
人口1000人当たりの医師数
ギリシャ 4.4人
イタリア 4.1人
ベルギー 3.9人
スイス 3.6人
日本 2.0人
とOECD30ヶ国中、27位
s45年にはOECD平均で1000人当たり医師数1.4人、
それに対して日本は1.1人と差は1000人当たり、0.3人。
今はOECD平均で1000人当たり医師3.0人。
日本は2.0人と差は1.0人で、
OECD平均との差は広がり続けている。
ま、これが放送されていた内容なんですけどね。
ちょっと気になった点が2点。
第一に、s58年に既に財政再建の話が出ています。
財政再建っていうのには、当然無駄な公共事業とか、
そういう話が出てくると思うんですがね。
この頃から、全く公共事業の金は減らず、
むしろ景気対策の名目で増えています。
ここ数年、公共事業費削減って話が出ていますが。
これも一般会計のみの話で。
実は、特別会計では公共事業費は減っていないんですよ、今だに。
それなのに、国民の命に直結する医療費削減の話ってのは、
順序が違うような気がするんですが。
次にもう一点。
s58年という、20年以上前の古くさい論文を元に、
厚生労働省は医師削減をしているんですが。
「医師数が増えると、医療費が増える」
って言って、医師数を減らしていますよね。
でも、
「最近医療費の伸びが増えて困ってる」
って言ってるんですよね。
医師は増えていないのに、医療費はすごい伸びで増えてるって。
そしたら、この論文の前提の
「医師数が増えると、医療費が増える」
って、これが間違いって事でしょ。
医療費がすごく増えた原因は、高齢化社会とか、
医師数が増えた事以外に、他に原因があるって事でしょ。
それにも関わらず、医師数が増えるのが、
医療費が増える諸悪の根元みたいな事言ってますが。
20年以上経って、「間違ってる」って事が証明された理論を
今だに使って、医師数を減らそうとしてるんですよ。
そして、番組ではグラフで出ていたOECD平均との医師数との比
s45年にはOECD平均で1000人当たり医師数1.4人、
それに対して日本は1.1人と差は1000人当たり、0.3人。
今はOECD平均で1000人当たり医師3.0人。
日本は2.0人と差は1.0人で、
OECD平均との差は広がり続けている。
って、だんだん差は広がっているんですよ。
それなのに、この事務次官は、医師は増えているって。
ま確かに医師免許を持っている人の数は増えてますけどね。
実際に働いているかは別として。
でも差は広がってるんですが。
国が医療費抑制のため、医師数を抑制。
この方針は変わらないって。
前から、厚労省の言ってる発言そのままなんですけどね。
こうやって、データーと比較したら、明らかに間違っているって
わかるのに、ただ同じ主張を繰り返す厚労省の事務次官の姿。
典型的な役人って感じでしたね。
この番組に出ていた、患者の方がよっぽどしっかりしてますね、ホント。
国の政策に関しては、老人医療費がただになった、
ってのがあったはずなんですが。
それで、その後に医療費がどの位増えたのかってのが
一番見たかったんですけど、それは出なかったのが残念でした。
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昨日(10/13)NHKでやっていた、
地域発 金曜特集 「医師が足りない~崩壊する地域医療体制~」
を見ました。
なんか、番組の感想の記事ばっかで、すいません。
『地域発 金曜特集 「医師が足りない~崩壊する地域医療体制~』
全国各地で深刻化する「医師不足」。
一部の地域では病院の診療科が次々に閉鎖に追い込まれ、
地域医療崩壊の危機に直面している。
この問題についてNHKは今回、全国の放送局のネットワークを結集して
大型番組を放送する。
番組では、47都道府県を対象に行ったアンケートをもとに
医師不足の実態をデータで徹底分析。
「崩壊した救急医療」や「子供が産めない地域の現場」
それに「大都市でも起きた医師不足による病院のドミノ倒し」など、
各放送局から「崩れ行く地域医療」の現状を報告する。
さらにスタジオと全国各地を中継で結び、自治体の責任者、
大学病院の医師、市民など地域の声を届ける。
番組後半では医師不足解消に向けた各地の先進的な取り組みを
報告するとともに厚生労働省の担当者をスタジオに招いて、
国の医師不足対策が十分なのか検証してゆく。
聞き手は飯野奈津子解説委員。
なんか、このNHKの番組の宣伝を見るとたいそう
立派な事を言っているんですが。
ま、正直言うと物足りない内容でしたねー。
「医師偏在、不足」じゃなくて、「医師不足」って言ってる
タイトルは良いんですけどね。
前半やっていた部分。
救急外来に来る患者が増える
↓
医者の負担が増える
↓
医者が病院を辞める
↓
その病院の救急外来が中止
↓
その地域の他の病院にしわ寄せが来る
↓
で、また他の病院の医者の負担が増える
↓
他の病院の医者も辞める
↓
更に他の病院の救急外来も中止
↓
また別の病院の負担がもっと増える
という悪循環がある、という事は良いんですよ。
それが事実だし、現状を伝えるって事は大事なんでね。
で、この番組で出ていた小児科医の先生は、
深夜だけで70人の患者を診ているとかね。
ま、これだけ患者を診ても、労働基準法上は、
「労働じゃない」って事なんですけどね、ちなみに。
で、どうするって対策の話が後半にあったんですけど。
この番組の中で、厚生労働省の役人ってのが、
スタジオに来て話をしていたんです。
そいで結局、金に関係する事は、国で。
医者を集めるとか、そういう実務に関する事は、
地方自治体に丸投げ。
っていう国の姿勢はわかりました。
結局、国の医師不足対策って。
地方に丸投げしか、してないじゃん。
都道府県が医者を集めて、それを効率的に病院に配置する、
医師、病院の集約化。
って話も出ていましたけどね。
現時点では、都道府県には医者を集める権限はないんですよ。
きっと、そんな事はわかっていて、
でも、国にもできないから、地方に任せたって事なんでしょうけど。
今の地方自治体にできる事は、大学の医局に頭下げて、
医師を派遣してくれって言う事くらいなんですよ、
正直言うと。
大学の医局も、今は人で不足だから、
言われても期待に応える事は出来ないんですけどね。
それにも関わらず、大変な事は地方に任せる、
そいで、金は渡さん。
っていう国の姿勢はわかりました。
病院の集約化自体は、悪くないと私は思うんですが。
実際にやるとなると、元あった病院がなくなる所も出てきますから。
そしたら、そこの住民は反対って言うでしょうしね。
実際にやるのは、医者の確保と、住民の説得が難しいですけどね。
そして、必ず出てくる、「医師の地域医療の義務化」の話。
地方自治体の首長にアンケートをとって、
こう答えた人も多かったんですけどね。
はっきり言って、これをやると、
医者になる人が減りますからね、確実に。
より医師不足が深刻化しますよ。
わかっているんでしょうかねー。
人ごとだから、言っているようにしか思えないんですけど。
日本全国で対策の話が出ていて、有効な結論がないから、
これだけ医師不足が深刻な問題になっているわけで。
この番組だけで、結論を出せって言うつもりはないし、
結論が出なかったって事自体に文句言うつもりはないんですがね。
結論を出さないまでも、例えばこの悪循環の最初
救急外来に来る患者が増える
これって、緊急性のない患者も夜中に来るとか。
そういうのが多いって話なんですよね、実は。
次の日に来たら良いのに、昼は仕事してるから、とか。
タクシー代わりに救急車を利用する患者とか。
そういう人がいる、って事なんですよ。
はっきり言うと、時間外に来る患者の2/3位は、
緊急性がないんです。
だから、この2/3位の緊急性のない患者を減らすことができれば、
医師の負担は軽くなるんですよ。
救急車を完全に受け入れない事にしてしまうと、
本当に重症で、必要な患者も受け入れられなくなるから。
だから、軽症患者は時間外に来ないように。
時間外の軽症患者の負担をもっと上げる、とか。
軽症患者が救急車を呼んだら有料にするとか。
時間内にいつも来ないで、時間外にばかり来る患者は、
病院の裁量で、初診料みたいに、
もっと料金を上乗せできるシステムを作るとか。
そしたら、悪循環の最初の部分。
医師の負担が増えて、医者が病院を辞める。
って所で断ち切れるから、悪循環が止まる可能性がある。
そういう事を、NHKでも言って欲しかったですねー。
医者をどうやって集めるか、とかばかりでなく、
患者サイドでできる事もあるんだよ、って事を、
少しでも取り上げて欲しかったんですけど。
残念ながら、そういうのは一つも出てきませんでしたねー。
今日(10/14)もPM7:30からNHKでまた放送があるみたいなんですが。
夜から、今月でいなくなる同僚と飲みに行くので、
録画して後で見る事にします。
見たら、また感想書きますね。
また感想ばっかに、なっちゃいますね(笑)。
医者のホンネが知りたいって人はこちらから!
→ 「医者のホンネが丸わかり!」
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地域発 金曜特集 「医師が足りない~崩壊する地域医療体制~」
を見ました。
なんか、番組の感想の記事ばっかで、すいません。
『地域発 金曜特集 「医師が足りない~崩壊する地域医療体制~』
全国各地で深刻化する「医師不足」。
一部の地域では病院の診療科が次々に閉鎖に追い込まれ、
地域医療崩壊の危機に直面している。
この問題についてNHKは今回、全国の放送局のネットワークを結集して
大型番組を放送する。
番組では、47都道府県を対象に行ったアンケートをもとに
医師不足の実態をデータで徹底分析。
「崩壊した救急医療」や「子供が産めない地域の現場」
それに「大都市でも起きた医師不足による病院のドミノ倒し」など、
各放送局から「崩れ行く地域医療」の現状を報告する。
さらにスタジオと全国各地を中継で結び、自治体の責任者、
大学病院の医師、市民など地域の声を届ける。
番組後半では医師不足解消に向けた各地の先進的な取り組みを
報告するとともに厚生労働省の担当者をスタジオに招いて、
国の医師不足対策が十分なのか検証してゆく。
聞き手は飯野奈津子解説委員。
なんか、このNHKの番組の宣伝を見るとたいそう
立派な事を言っているんですが。
ま、正直言うと物足りない内容でしたねー。
「医師偏在、不足」じゃなくて、「医師不足」って言ってる
タイトルは良いんですけどね。
前半やっていた部分。
救急外来に来る患者が増える
↓
医者の負担が増える
↓
医者が病院を辞める
↓
その病院の救急外来が中止
↓
その地域の他の病院にしわ寄せが来る
↓
で、また他の病院の医者の負担が増える
↓
他の病院の医者も辞める
↓
更に他の病院の救急外来も中止
↓
また別の病院の負担がもっと増える
という悪循環がある、という事は良いんですよ。
それが事実だし、現状を伝えるって事は大事なんでね。
で、この番組で出ていた小児科医の先生は、
深夜だけで70人の患者を診ているとかね。
ま、これだけ患者を診ても、労働基準法上は、
「労働じゃない」って事なんですけどね、ちなみに。
で、どうするって対策の話が後半にあったんですけど。
この番組の中で、厚生労働省の役人ってのが、
スタジオに来て話をしていたんです。
そいで結局、金に関係する事は、国で。
医者を集めるとか、そういう実務に関する事は、
地方自治体に丸投げ。
っていう国の姿勢はわかりました。
結局、国の医師不足対策って。
地方に丸投げしか、してないじゃん。
都道府県が医者を集めて、それを効率的に病院に配置する、
医師、病院の集約化。
って話も出ていましたけどね。
現時点では、都道府県には医者を集める権限はないんですよ。
きっと、そんな事はわかっていて、
でも、国にもできないから、地方に任せたって事なんでしょうけど。
今の地方自治体にできる事は、大学の医局に頭下げて、
医師を派遣してくれって言う事くらいなんですよ、
正直言うと。
大学の医局も、今は人で不足だから、
言われても期待に応える事は出来ないんですけどね。
それにも関わらず、大変な事は地方に任せる、
そいで、金は渡さん。
っていう国の姿勢はわかりました。
病院の集約化自体は、悪くないと私は思うんですが。
実際にやるとなると、元あった病院がなくなる所も出てきますから。
そしたら、そこの住民は反対って言うでしょうしね。
実際にやるのは、医者の確保と、住民の説得が難しいですけどね。
そして、必ず出てくる、「医師の地域医療の義務化」の話。
地方自治体の首長にアンケートをとって、
こう答えた人も多かったんですけどね。
はっきり言って、これをやると、
医者になる人が減りますからね、確実に。
より医師不足が深刻化しますよ。
わかっているんでしょうかねー。
人ごとだから、言っているようにしか思えないんですけど。
日本全国で対策の話が出ていて、有効な結論がないから、
これだけ医師不足が深刻な問題になっているわけで。
この番組だけで、結論を出せって言うつもりはないし、
結論が出なかったって事自体に文句言うつもりはないんですがね。
結論を出さないまでも、例えばこの悪循環の最初
救急外来に来る患者が増える
これって、緊急性のない患者も夜中に来るとか。
そういうのが多いって話なんですよね、実は。
次の日に来たら良いのに、昼は仕事してるから、とか。
タクシー代わりに救急車を利用する患者とか。
そういう人がいる、って事なんですよ。
はっきり言うと、時間外に来る患者の2/3位は、
緊急性がないんです。
だから、この2/3位の緊急性のない患者を減らすことができれば、
医師の負担は軽くなるんですよ。
救急車を完全に受け入れない事にしてしまうと、
本当に重症で、必要な患者も受け入れられなくなるから。
だから、軽症患者は時間外に来ないように。
時間外の軽症患者の負担をもっと上げる、とか。
軽症患者が救急車を呼んだら有料にするとか。
時間内にいつも来ないで、時間外にばかり来る患者は、
病院の裁量で、初診料みたいに、
もっと料金を上乗せできるシステムを作るとか。
そしたら、悪循環の最初の部分。
医師の負担が増えて、医者が病院を辞める。
って所で断ち切れるから、悪循環が止まる可能性がある。
そういう事を、NHKでも言って欲しかったですねー。
医者をどうやって集めるか、とかばかりでなく、
患者サイドでできる事もあるんだよ、って事を、
少しでも取り上げて欲しかったんですけど。
残念ながら、そういうのは一つも出てきませんでしたねー。
今日(10/14)もPM7:30からNHKでまた放送があるみたいなんですが。
夜から、今月でいなくなる同僚と飲みに行くので、
録画して後で見る事にします。
見たら、また感想書きますね。
また感想ばっかに、なっちゃいますね(笑)。
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10/7にNHKでやっていたETV特集
「何故医師は立ち去るのか~地域医療・崩壊の序曲~」を見ました。
リアルタイムで見たから、一昨日ブログに書いても良かったんですが。
NHKに関しては、前に私のブログがクローズアップ現代で
放送されるって事になっていたのに、前の日にプロデューサーから
突然、「やっぱやーめた」って言われて中止になった前科があって。
しかも、その番組の内容が、私を含め他の医師達からも、
かなりのクレームが来る、超いまいちな内容だったので。
ちなみに、その時の詳細は、こちら!
『医療事故にどう向き合うか1』
『医療事故にどう向き合うか2』
『医療事故にどう向き合うか3』
ちょっと感情的になって、冷静に見られないかもしれないと
思ったので、録画してもう一回今日見て、記事を書きました。
番組の内容を簡単に要約すると、夕張市立病院、
せたな町立病院、南谷診療所等の例を挙げて。
その現場にいた医師が辞めた経緯を放送するって
ものだったんですがね。
まー、簡単に言うと
医療現場をわからないで、金の事ばっかり言っている市長、町長
v.s.地方の田舎で頑張るなんでも診れる医者
って構図があって。
現場の医者は、こうすれば良くなるって、提案をして、
実践しているのに、行政は全くそれを評価せず。
目先の数字ばっかりみて、医療の現場を見ようともしないから、
医者が現場から立ち去るって感じだったんですよ。
ま、それは事実だし、そういう話のわからない役人や政治家も
多いでしょうから。
そういう構図で医者が立ち去る事もあるんだよ、
っていう事を一般の人達に広く知らせるって意味では
良い番組だったんじゃないですかね。
ちなみに、この番組で言っていた、市長、町長の発言。
「2つしか診察室がないんだから、医者は2人で良い。」
って、検査や往診、入院患者は診なくて良いって事なのね。
しかも、予算がないって言ってる割には、自分の地元の
病院の規模を削減したりしないで、
予防医療で医療費削減の実績を上げている方法をとらないのね。
「医者が辞めるのが意外。
なんでそんなんなるの。
患者を置いて出ていくの。
それが医術なの。」
って。
全部あんたのせいなんだけど。
病院の先生はやる気のある、若い研修医を安く雇って、
全国的にも有名になって、患者も来ていたんですが。
病院や、患者の為を思って、
それなりに少額の赤字で抑えていたのに。
話のわからん市長が、横から口出しして。
で、話がわからんって言って、内科医が全員辞めて。
病院は大赤字になったんですわ、舞鶴市立病院。
「民間病院なら、赤字なら手を打つでしょ。」
ってこの市長は言っていたんですけど。
民間企業なら、大赤字にした張本人は、当然辞めるんですから。
当然辞職してるんですよね、この人。
自分の退職金は辞退して。
あれ、まだ辞めていないんですか、この市長。
よくある政治家の都合の良い理論ですかー。
みたいな感じですかね。
時代劇で言えば、いかにも悪代官というか。
「おぬしも悪よのー」って言っているような。
全く話のわからない市長や町長が、医療現場の事を全くわからないで、
金だけ減らせって、難癖つけてるから。
わかりやすい悪者がいたから、それを悪物にして。
現場で頑張る医者をヒーローにして番組が成り立ったって感じです。
現場の事をわかってないやつが口出して、
医者に総すかんくらって、病院が実質潰れる。
箱物ばっかり求めて、中身を考えない行政。
大きい箱を作れば、医者も集まると思っている行政。
こういう医療をやりたいって、コンセプトがない。
今の行政はどこもこんな感じでしょうし、
それを取り上げていたのは良いと思うんですよ。
話のわからない行政が無理を言っても、
今までは医者が文句も言わないで頑張って来たので、
地域医療はもっていたんですが。
それは、もう限界って事を、一般の人に問題提起した。
そういう意味では、この番組は良かったと思います。
しかし、夕張市立病院の副院長の松山先生が言っていた、
「本当にこの町に病院が必要なのか。
そこから再検討するべきだ。」
これが、今の日本の医療の問題点でもあるんですが。
こういう事について、問題を掘り下げていなかったのは、
ちょっと残念でしたね。
ま、時間の問題とかもあるんでしょうけどね。
そして、この番組を見て多くの医者が共感したと思われる、
井関友伸さんの「心の僻地」発言
心が僻地だから医者は来ない。
住民は医療者の立場になる事も必要だ。
ちょっと体が心配だからって、夜中でもなんでも、
医者が叩き起こされるような病院では、
医者は黙っていても立ち去る時代。
僻地は都市から遠い所にあるんじゃない。
そこに住む人の心にあるんだ。
心が僻地じゃなければ、地理的にどんなに遠い所でも医者は来る。
これは、感動しましたねー。
ちなみに井関友伸さんのブログはこちら!
『井関友伸のブログ』
ま、こういうわかりやすい構図ばかりじゃないので。
例えば、表面上は被害者面して、マスコミの前では涙流して、
この医者はひどい、私は被害者って事を言ってるけど。
実は、一回も面会に来た事もない、遠い親戚とかで。
患者の介護もしているわけでもなし、金を
出しているわけでもない。
説明するから、病院に来てっていっても、
自分には関係ない、仕事が忙しいからって言って、
病院には来ないくせに。
医療ミスでもないのに、結果が良くなかったからって、
それを医者のせいにして。
マスコミにも自分で連絡して、記者会見までして、
会見場では涙流している、自称被害者の家族。
こういう人が出てきた時に、全うな事を言っている医者の
意見をちゃんと聞いてくれるんでしょうかねー。
外見上は、この被害者面してる人が、いかにも悲劇のヒロイン
って感じで、画像上は良いからねー。
わかりやすい構図だから、結果的に正しい事を伝えた
ってだけではなく、内容重視で伝えて欲しいですね、これからも。
そしたら、俺もNHKに対する評価が少しは上がるんですけどね。
心の僻地発言の真相は?
知りたい人は、続きをどうぞ!
医者のホンネが知りたいって人はこちらから!
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「何故医師は立ち去るのか~地域医療・崩壊の序曲~」を見ました。
リアルタイムで見たから、一昨日ブログに書いても良かったんですが。
NHKに関しては、前に私のブログがクローズアップ現代で
放送されるって事になっていたのに、前の日にプロデューサーから
突然、「やっぱやーめた」って言われて中止になった前科があって。
しかも、その番組の内容が、私を含め他の医師達からも、
かなりのクレームが来る、超いまいちな内容だったので。
ちなみに、その時の詳細は、こちら!
『医療事故にどう向き合うか1』
『医療事故にどう向き合うか2』
『医療事故にどう向き合うか3』
ちょっと感情的になって、冷静に見られないかもしれないと
思ったので、録画してもう一回今日見て、記事を書きました。
番組の内容を簡単に要約すると、夕張市立病院、
せたな町立病院、南谷診療所等の例を挙げて。
その現場にいた医師が辞めた経緯を放送するって
ものだったんですがね。
まー、簡単に言うと
医療現場をわからないで、金の事ばっかり言っている市長、町長
v.s.地方の田舎で頑張るなんでも診れる医者
って構図があって。
現場の医者は、こうすれば良くなるって、提案をして、
実践しているのに、行政は全くそれを評価せず。
目先の数字ばっかりみて、医療の現場を見ようともしないから、
医者が現場から立ち去るって感じだったんですよ。
ま、それは事実だし、そういう話のわからない役人や政治家も
多いでしょうから。
そういう構図で医者が立ち去る事もあるんだよ、
っていう事を一般の人達に広く知らせるって意味では
良い番組だったんじゃないですかね。
ちなみに、この番組で言っていた、市長、町長の発言。
「2つしか診察室がないんだから、医者は2人で良い。」
って、検査や往診、入院患者は診なくて良いって事なのね。
しかも、予算がないって言ってる割には、自分の地元の
病院の規模を削減したりしないで、
予防医療で医療費削減の実績を上げている方法をとらないのね。
「医者が辞めるのが意外。
なんでそんなんなるの。
患者を置いて出ていくの。
それが医術なの。」
って。
全部あんたのせいなんだけど。
病院の先生はやる気のある、若い研修医を安く雇って、
全国的にも有名になって、患者も来ていたんですが。
病院や、患者の為を思って、
それなりに少額の赤字で抑えていたのに。
話のわからん市長が、横から口出しして。
で、話がわからんって言って、内科医が全員辞めて。
病院は大赤字になったんですわ、舞鶴市立病院。
「民間病院なら、赤字なら手を打つでしょ。」
ってこの市長は言っていたんですけど。
民間企業なら、大赤字にした張本人は、当然辞めるんですから。
当然辞職してるんですよね、この人。
自分の退職金は辞退して。
あれ、まだ辞めていないんですか、この市長。
よくある政治家の都合の良い理論ですかー。
みたいな感じですかね。
時代劇で言えば、いかにも悪代官というか。
「おぬしも悪よのー」って言っているような。
全く話のわからない市長や町長が、医療現場の事を全くわからないで、
金だけ減らせって、難癖つけてるから。
わかりやすい悪者がいたから、それを悪物にして。
現場で頑張る医者をヒーローにして番組が成り立ったって感じです。
現場の事をわかってないやつが口出して、
医者に総すかんくらって、病院が実質潰れる。
箱物ばっかり求めて、中身を考えない行政。
大きい箱を作れば、医者も集まると思っている行政。
こういう医療をやりたいって、コンセプトがない。
今の行政はどこもこんな感じでしょうし、
それを取り上げていたのは良いと思うんですよ。
話のわからない行政が無理を言っても、
今までは医者が文句も言わないで頑張って来たので、
地域医療はもっていたんですが。
それは、もう限界って事を、一般の人に問題提起した。
そういう意味では、この番組は良かったと思います。
しかし、夕張市立病院の副院長の松山先生が言っていた、
「本当にこの町に病院が必要なのか。
そこから再検討するべきだ。」
これが、今の日本の医療の問題点でもあるんですが。
こういう事について、問題を掘り下げていなかったのは、
ちょっと残念でしたね。
ま、時間の問題とかもあるんでしょうけどね。
そして、この番組を見て多くの医者が共感したと思われる、
井関友伸さんの「心の僻地」発言
心が僻地だから医者は来ない。
住民は医療者の立場になる事も必要だ。
ちょっと体が心配だからって、夜中でもなんでも、
医者が叩き起こされるような病院では、
医者は黙っていても立ち去る時代。
僻地は都市から遠い所にあるんじゃない。
そこに住む人の心にあるんだ。
心が僻地じゃなければ、地理的にどんなに遠い所でも医者は来る。
これは、感動しましたねー。
ちなみに井関友伸さんのブログはこちら!
『井関友伸のブログ』
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例えば、表面上は被害者面して、マスコミの前では涙流して、
この医者はひどい、私は被害者って事を言ってるけど。
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こういう人が出てきた時に、全うな事を言っている医者の
意見をちゃんと聞いてくれるんでしょうかねー。
外見上は、この被害者面してる人が、いかにも悲劇のヒロイン
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わかりやすい構図だから、結果的に正しい事を伝えた
ってだけではなく、内容重視で伝えて欲しいですね、これからも。
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宇和島徳洲会病院の生体腎移植で、臓器売買があった件で、
医者個人が叩かれていますねー。
万波誠先生(65)って医師なんですが。
正直言って、この先生を全面的に擁護する気はないんですけどね、私。
脇の甘さとか、そういうのがあったのは明らかですし。
だから、他の先生がブログに書いてもスルーしようかと
思っていたんですが。
でも、なんかマスコミの書き方は医師個人に責任を押しつけるようで、
賛成できないんで、経過と問題点を整理してみましょうか。
1,宇和島徳洲会病院で生体腎移植が行われたが、その際、
レシピエントからドナーへ金銭の提供があった(臓器売買)。
2,手術をする際、「保険証」で本人確認を行ったが、
戸籍謄本や免許証、HLAやDNA鑑定による本人確認は行わなかった。
3,手術をする時に、万波医師は口頭では説明をしたが、
文書を発行しなかった。
4,万波医師は任意加入の、日本移植学会に所属していなかった。
参考:sky Team先生の「同意文書や学会加入は必須なのかな?」の記事と、
そのコメント(kitty先生)
1,宇和島徳洲会病院で生体腎移植が行われたが、その際、
レシピエントからドナーへ金銭の提供があった(臓器売買)。
確かに臓器売買はいけない事ですね、当然。
でも、臓器売買が行われている事を知っていて、それでも手術をした。
とか、医者個人もお金を貰ったとかれあれば問題ですが。
現時点ではそういう事はないようですし。
こっそり患者間で行われていた事を、病院や医師が知るはずもありません。
法律で言う善意の第三者って事になりますね。
質屋が盗品を泥棒から買っても、それが盗品ってわかっていて
買ったのでなければこの質屋を罰する事はできません。
元の持ち主が、返せってこの質屋を訴えても、裁判では勝てません。
これは、法律で決まっています。
だから、これに関しては医師個人や病院が攻められる筋合いはありません。
もちろん今後の調査で、医者が金を貰っていたとか、
臓器売買であることを知っていて、敢えて目をつぶったとか、
そういう事があれば、全く別の話になりますけどね。
何か医者から車の提供を求められたとか、そういう記事が
どっかに出ていましたけど。
現段階では、この件に関しては、万波医師は悪くありません。
2,手術をする際、「保険証」で本人確認を行ったが、
戸籍謄本や免許証、HLAやDNA鑑定による本人確認は行わなかった。
全く本人確認をしていないんじゃなくって、「保険証」で確認を
しているわけですよね、これって。
銀行や証券会社なんかで口座を作る時なんかでも、
免許証または、保険証で本人確認をするわけで。
一般的に世間で行われている、きちっとした方法で
本人確認を行っているにもかかわらず。
今回の件では、医師個人が攻められていますよね。
これに関しては、本来はあまり問題にならないはずなんですけどね。
生体腎移植って、いうくらいだから、まあ臓器移植なんですが。
ある意味、「血液」っていうのも「臓器」に入るんですよね。
輸血の合併症にGVHDって、拒絶反応の一種があるくらいですから。
そういう意味では、献血をするのに、必ず戸籍謄本か
写真付きの免許証がないと、献血できないって言っているのと
同じですよね。
献血するときに、戸籍謄本を求められた人いますか?
病院なんかで、患者の取り違えとかって問題になったことがあって。
それに対処するために、患者のIDとかが入った腕輪を
手術する患者にしてもらって、バーコードで確認するとか。
そういう作業をしている病院も、最近は多いですけどね。
それも、元になるのは全て患者の「保険証」なんですが。
もし別人の保険証を患者が持ってきたら、防ぎようがないんですけど。
それでも、入院するときとか、手術をする時に
患者から戸籍謄本を持ってきて貰わなかったから、
医者や病院が悪いって訴えられるんですかね。
心臓止まったり、呼吸が止まっている人に、
戸籍謄本がないと、心臓マッサージなどの処置はできません。
って言って断らないと駄目ですかね。
それとも、HLAやDNA鑑定をしなきゃ駄目ですか?
結果が出るのに何日もかかるんですけど。
「戸籍謄本も免許証も持っていないなら、HLAまたは
DNAによる確認を行います。
結果が出るでは、心臓が止まっていても呼吸が止まっていても
当院では治療はできません。」
って病院なら、マスコミに叩かれないんですかね?
百歩譲っても、本人確認は病院の事務の役目でしょ。
そんな事まで、全て医者個人がやらされるんですか。
医師不足って中には、医者がやる必要もないことを
医者がやらされているから、って面もあるって。
さんざん私は書いてきましたが。
やっぱり、こういう事務的な仕事も
医者個人にやらせようとするんですか?
ちなみに、偽装結婚とかもあるようですけど。
そんなのがあったら、戸籍謄本をわざわざ取り寄せても
わからないんですが。
それでも、きっと難癖つけて、医者個人の責任にするんですかね。
3,手術をする時に、万波医師は口頭では説明をしたが、
文書を発行しなかった。
今の時代、何かあったら医者が訴えられる事もあるので。
文書で同意をとったから何をしても許されるって訳ではないんですが。
でも、小さい手術や手技でも同意書を取るのが当たり前の時代に、
文書で同意書を取らないってのは、どうかと思いますね。
65歳の医師ですから。
何十年も前はそれでも良かったのかもしれませんけどね。
しかし、口頭では説明しているので、一応説明責任は
果たしているって事にはなると思いますけどね。
ま、賛成はできませんけど。
どっかの保険会社の説明書みたいに、
ものすごーく小さい、虫眼鏡を使わないと読めないくらいの字で
書いた書類を渡すだけより、口頭できちんと説明した方が
丁寧なような気はするんですけどね。
ま、これに関しては攻められる余地はあるとは思います。
4,万波医師は任意加入の、日本移植学会に所属していなかった。
これって、あくまで任意加入ですし。
いくらかかるかしりませんが。
絶対会費とかも取られますよね。
加入するメリットがあれば入っても良いとは思いますが。
金払ってまで加入するメリットがない、って判断したから、
この学会に万波医師が入らなかっただけの事でしょ。
どっか、攻められる余地があるんですかね。
親族からしか生体腎移植は認められないっていうのも、
この学会のガイドラインで決めただけで。
別に法律で決まっているわけではないんですよ。
だから、結果的に本人確認ができなくって、
親戚以外から生体腎移植をしても、法的には
全く問題もないんですけどね。
一部のメディアで、医師が車を要求したとか、
なんかちょっと怪しい感じもする医師ですが。
口頭で説明しても、文書を渡すって事をしないだけで、
ここまで医師個人が攻められる世の中になってしまいましたね。
ここで腎移植を受けた患者は糖尿病で、透析になったらしいんです。
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医者個人が叩かれていますねー。
万波誠先生(65)って医師なんですが。
正直言って、この先生を全面的に擁護する気はないんですけどね、私。
脇の甘さとか、そういうのがあったのは明らかですし。
だから、他の先生がブログに書いてもスルーしようかと
思っていたんですが。
でも、なんかマスコミの書き方は医師個人に責任を押しつけるようで、
賛成できないんで、経過と問題点を整理してみましょうか。
1,宇和島徳洲会病院で生体腎移植が行われたが、その際、
レシピエントからドナーへ金銭の提供があった(臓器売買)。
2,手術をする際、「保険証」で本人確認を行ったが、
戸籍謄本や免許証、HLAやDNA鑑定による本人確認は行わなかった。
3,手術をする時に、万波医師は口頭では説明をしたが、
文書を発行しなかった。
4,万波医師は任意加入の、日本移植学会に所属していなかった。
参考:sky Team先生の「同意文書や学会加入は必須なのかな?」の記事と、
そのコメント(kitty先生)
1,宇和島徳洲会病院で生体腎移植が行われたが、その際、
レシピエントからドナーへ金銭の提供があった(臓器売買)。
確かに臓器売買はいけない事ですね、当然。
でも、臓器売買が行われている事を知っていて、それでも手術をした。
とか、医者個人もお金を貰ったとかれあれば問題ですが。
現時点ではそういう事はないようですし。
こっそり患者間で行われていた事を、病院や医師が知るはずもありません。
法律で言う善意の第三者って事になりますね。
質屋が盗品を泥棒から買っても、それが盗品ってわかっていて
買ったのでなければこの質屋を罰する事はできません。
元の持ち主が、返せってこの質屋を訴えても、裁判では勝てません。
これは、法律で決まっています。
だから、これに関しては医師個人や病院が攻められる筋合いはありません。
もちろん今後の調査で、医者が金を貰っていたとか、
臓器売買であることを知っていて、敢えて目をつぶったとか、
そういう事があれば、全く別の話になりますけどね。
何か医者から車の提供を求められたとか、そういう記事が
どっかに出ていましたけど。
現段階では、この件に関しては、万波医師は悪くありません。
2,手術をする際、「保険証」で本人確認を行ったが、
戸籍謄本や免許証、HLAやDNA鑑定による本人確認は行わなかった。
全く本人確認をしていないんじゃなくって、「保険証」で確認を
しているわけですよね、これって。
銀行や証券会社なんかで口座を作る時なんかでも、
免許証または、保険証で本人確認をするわけで。
一般的に世間で行われている、きちっとした方法で
本人確認を行っているにもかかわらず。
今回の件では、医師個人が攻められていますよね。
これに関しては、本来はあまり問題にならないはずなんですけどね。
生体腎移植って、いうくらいだから、まあ臓器移植なんですが。
ある意味、「血液」っていうのも「臓器」に入るんですよね。
輸血の合併症にGVHDって、拒絶反応の一種があるくらいですから。
そういう意味では、献血をするのに、必ず戸籍謄本か
写真付きの免許証がないと、献血できないって言っているのと
同じですよね。
献血するときに、戸籍謄本を求められた人いますか?
病院なんかで、患者の取り違えとかって問題になったことがあって。
それに対処するために、患者のIDとかが入った腕輪を
手術する患者にしてもらって、バーコードで確認するとか。
そういう作業をしている病院も、最近は多いですけどね。
それも、元になるのは全て患者の「保険証」なんですが。
もし別人の保険証を患者が持ってきたら、防ぎようがないんですけど。
それでも、入院するときとか、手術をする時に
患者から戸籍謄本を持ってきて貰わなかったから、
医者や病院が悪いって訴えられるんですかね。
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そんなのがあったら、戸籍謄本をわざわざ取り寄せても
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文書を発行しなかった。
今の時代、何かあったら医者が訴えられる事もあるので。
文書で同意をとったから何をしても許されるって訳ではないんですが。
でも、小さい手術や手技でも同意書を取るのが当たり前の時代に、
文書で同意書を取らないってのは、どうかと思いますね。
65歳の医師ですから。
何十年も前はそれでも良かったのかもしれませんけどね。
しかし、口頭では説明しているので、一応説明責任は
果たしているって事にはなると思いますけどね。
ま、賛成はできませんけど。
どっかの保険会社の説明書みたいに、
ものすごーく小さい、虫眼鏡を使わないと読めないくらいの字で
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ま、これに関しては攻められる余地はあるとは思います。
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これって、あくまで任意加入ですし。
いくらかかるかしりませんが。
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どっか、攻められる余地があるんですかね。
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全く問題もないんですけどね。
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口頭で説明しても、文書を渡すって事をしないだけで、
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医者の当直とか労働基準法について調べていたんですが。
いろいろ知らなかった事がわかりましたよー。
前に『将来医者の数は足りるの? 1』の記事で労働基準法違反とか、
いろいろ言っていましたけどね、私。
週40時間労働とか基本的な事は知っていましたが、
細かい事は知らなかったんですよ。
今回調べていて、すごく勉強になったんで、ちょっと書いてみますね。
ま、今回は当直に関しての記事が特に参考になったんで、
それを載せてみますか。
長くなるんで、必要な所だけ抜粋。
資料:勤務医と労働基準法
1労働基準法の適用
労働基準法は、民間病院、公立病院(県立病院、市立病院等)、
独立行政法人にも適用される。
3.宿日直勤務に従事する者
(1)一概要
宿日直勤務は、夜間や休日に勤務させるものであるから、
本来は、通常の場合、時間外労働、休日労働であるが、
勤務の態様が断続的労働の一種と認められうることから、
労働基準監督署長の許可を受けた場合には、
36協定の締結、届出の手続きや、割増賃金の支払い等を行わなくとも、
時間外や休日に勤務を命ずることができるとされている
(労働基準法施行規則第23条)。
病院、社会福祉施設なんかでは、よく日勤のことを日直勤務、
夜勤のことを宿直勤務や宿直勤務と呼んでいるところがありますが。
労働基準法でいう宿日直勤務っていうのは、
単に夜間に勤務するとか、日中に勤務するという区分じゃなくって、
通常の勤務とは全く違う勤務を意味するものなんですよ。
例えば、病院における看護師の通常の業務といえば、
患者の受付、診療の補助業務、看護業務なんかですけど。
労働基準法でいう宿日直勤務は、所定の勤務時間外における火災、
盗難防止のための巡回、緊急の文書や電話の収受、
又は非常事態に備えて待機しているもので、
通常の業務はほとんど行われない勤務を想定しているんです。
こういう勤務は、通常の業務と比べて労働密度が低いので、
労働基準監督署長の許可を受ければ、所定労働時間外に、
あるいは休日に勤務させても、いわゆる時間外労働、
休日労働とはならないんです。
(2)許可基準
一般的な許可基準は、次のとおりです。
・常態として、ほとんど労働する必要のない勤務で、
原則として定時的巡視、緊急め文書文は電話の収受、
非常事態に備えての待機等を目的とするものに限ること
・宿日直手当は、職種毎に、宿日直勤務に就く労働者の賃金の
1人1日平均額の3分の1を下回らないこと
・宿日直の回数は、原則として、日直については月1回、
宿直については週1回を限度とすること
・宿直については、相当の睡眠設備を設けること
医師,看護師の宿日直勤務については、
許可基準の細目が次のとおり定められている。
・通常の勤務時間の拘束から完全に解放された後のものであること。
すなわち通常の勤務態様が継続している場合は
勤務から解放されたとはいえないから、
その間は時間外労働として取り扱わなければならないこと。
・夜間に従事する業務は、一般の宿直業務以外には、
病室の定時巡回、異常患者の医師への報告、
あるいは少数の要注意患者の定時検脈、
検温等特殊の措置を必要としない軽度の、又は短時問の業務に限ること
・夜間に十分睡眠がとれること
・このほか上記の一般的な許可基準を満たしていること
宿直勤務の許可が与え.られている場合であっても、
宿直中に突発的な事故による応急患者の診療又は入院、
患者の死亡、出産等の昼間と同態様の労働に従事する場合には、
時間外労働となるので、労基法33条又は36条の手続きをとるとともに、
37、条の割増賃金を支払わなければならない。
また、このような労働が常態的に行われるような場合には
宿直勤務の許可がなされないことになり、
労基法でいう宿直勤務として取り扱うことはできないこととなる。
参考:『医師に関する労働基準法』
医者にも労働基準法を当てはめるってのは、
まー、当たり前なんですがね、建前上は。
宿直中に突発的な事故による応急患者の診療又は入院、
患者の死亡、出産等の昼間と同態様の労働が
常態的に行われるような場合には
宿直勤務の許可がなされないことになり、
労基法でいう宿直勤務として取り扱うことはできないこととなる。
これを厳密に適用したら、
日本の病院の半分位は当直できなくなるんじゃないですかね。
特に大病院は、ほとんど無理でしょう。
これは知りませんでしたねー。
でも、宿直勤務として取り扱う事はできない、って言われても。
じゃ、どうしたら良いんでしょうかね。
夜中に来た患者は診るな。
入院患者が急変しても、夜は診るなって事なんですかね。
ちょっと厚生労働省の偉い役人に聞いてみたいですね。
ま、許可した後の事は知らん、とでも言って逃げるんでしょうけどね。
許可した責任問題とかにはならないんでしょうね、きっと。
それと、私も含めて今回初めて知った人も多いとは思いますが。
通常の勤務態様が継続している場合は
勤務から解放されたとはいえないから、
その間は時間外労働として取り扱わなければならないこと。
宿直勤務の許可が与え.られている場合であっても、
宿直中に突発的な事故による応急患者の診療又は入院、
患者の死亡、出産等の昼間と同態様の労働に従事する場合には、
時間外労働となるので、労基法33条又は36条の手続きをとるとともに、
37、条の割増賃金を支払わなければならない。
医者の当直の多くは、昼間勤務して、そのまま当直に入るんですが。
こういう場合は、当直料の他に残業手当を貰えるって事ですよね、要は。
それに、応急患者の診療、入院とかそういう処置をすると、
時間外労働になるから、当直料の他に時間外手当を貰えって事ですよね。
へー、これは全く知りませんでした。
当直の時は、患者を診たりするのが当直の業務だから、
当たり前って思っていたんですが。
まさか、それ以外に時間外手当が貰えるのが当たり前とは。
うーん、今度こっそり書いてみようかなー。
でも、やっぱりお金貰えないんだろーなー、きっと。
ちなみに、
宿日直の回数は、原則として、日直については月1回、
宿直については週1回を限度とすること
って事も書いてありますが。
これも今回初めて知りました。
私、研修医の時に、最高で日当直、月22回ってのが
あったんですがねー。
ま、原則ですから。
お役所とか、そういうのは原則天下り禁止とか言っても。
それは天下りオーケーって事みたいですからね。
これも、オーケーって事なんですかね。
医者の当直の現状について知りたいって人は、
『医者の当直』の記事も見てみて下さいね!
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いろいろ知らなかった事がわかりましたよー。
前に『将来医者の数は足りるの? 1』の記事で労働基準法違反とか、
いろいろ言っていましたけどね、私。
週40時間労働とか基本的な事は知っていましたが、
細かい事は知らなかったんですよ。
今回調べていて、すごく勉強になったんで、ちょっと書いてみますね。
ま、今回は当直に関しての記事が特に参考になったんで、
それを載せてみますか。
長くなるんで、必要な所だけ抜粋。
資料:勤務医と労働基準法
1労働基準法の適用
労働基準法は、民間病院、公立病院(県立病院、市立病院等)、
独立行政法人にも適用される。
3.宿日直勤務に従事する者
(1)一概要
宿日直勤務は、夜間や休日に勤務させるものであるから、
本来は、通常の場合、時間外労働、休日労働であるが、
勤務の態様が断続的労働の一種と認められうることから、
労働基準監督署長の許可を受けた場合には、
36協定の締結、届出の手続きや、割増賃金の支払い等を行わなくとも、
時間外や休日に勤務を命ずることができるとされている
(労働基準法施行規則第23条)。
病院、社会福祉施設なんかでは、よく日勤のことを日直勤務、
夜勤のことを宿直勤務や宿直勤務と呼んでいるところがありますが。
労働基準法でいう宿日直勤務っていうのは、
単に夜間に勤務するとか、日中に勤務するという区分じゃなくって、
通常の勤務とは全く違う勤務を意味するものなんですよ。
例えば、病院における看護師の通常の業務といえば、
患者の受付、診療の補助業務、看護業務なんかですけど。
労働基準法でいう宿日直勤務は、所定の勤務時間外における火災、
盗難防止のための巡回、緊急の文書や電話の収受、
又は非常事態に備えて待機しているもので、
通常の業務はほとんど行われない勤務を想定しているんです。
こういう勤務は、通常の業務と比べて労働密度が低いので、
労働基準監督署長の許可を受ければ、所定労働時間外に、
あるいは休日に勤務させても、いわゆる時間外労働、
休日労働とはならないんです。
(2)許可基準
一般的な許可基準は、次のとおりです。
・常態として、ほとんど労働する必要のない勤務で、
原則として定時的巡視、緊急め文書文は電話の収受、
非常事態に備えての待機等を目的とするものに限ること
・宿日直手当は、職種毎に、宿日直勤務に就く労働者の賃金の
1人1日平均額の3分の1を下回らないこと
・宿日直の回数は、原則として、日直については月1回、
宿直については週1回を限度とすること
・宿直については、相当の睡眠設備を設けること
医師,看護師の宿日直勤務については、
許可基準の細目が次のとおり定められている。
・通常の勤務時間の拘束から完全に解放された後のものであること。
すなわち通常の勤務態様が継続している場合は
勤務から解放されたとはいえないから、
その間は時間外労働として取り扱わなければならないこと。
・夜間に従事する業務は、一般の宿直業務以外には、
病室の定時巡回、異常患者の医師への報告、
あるいは少数の要注意患者の定時検脈、
検温等特殊の措置を必要としない軽度の、又は短時問の業務に限ること
・夜間に十分睡眠がとれること
・このほか上記の一般的な許可基準を満たしていること
宿直勤務の許可が与え.られている場合であっても、
宿直中に突発的な事故による応急患者の診療又は入院、
患者の死亡、出産等の昼間と同態様の労働に従事する場合には、
時間外労働となるので、労基法33条又は36条の手続きをとるとともに、
37、条の割増賃金を支払わなければならない。
また、このような労働が常態的に行われるような場合には
宿直勤務の許可がなされないことになり、
労基法でいう宿直勤務として取り扱うことはできないこととなる。
参考:『医師に関する労働基準法』
医者にも労働基準法を当てはめるってのは、
まー、当たり前なんですがね、建前上は。
宿直中に突発的な事故による応急患者の診療又は入院、
患者の死亡、出産等の昼間と同態様の労働が
常態的に行われるような場合には
宿直勤務の許可がなされないことになり、
労基法でいう宿直勤務として取り扱うことはできないこととなる。
これを厳密に適用したら、
日本の病院の半分位は当直できなくなるんじゃないですかね。
特に大病院は、ほとんど無理でしょう。
これは知りませんでしたねー。
でも、宿直勤務として取り扱う事はできない、って言われても。
じゃ、どうしたら良いんでしょうかね。
夜中に来た患者は診るな。
入院患者が急変しても、夜は診るなって事なんですかね。
ちょっと厚生労働省の偉い役人に聞いてみたいですね。
ま、許可した後の事は知らん、とでも言って逃げるんでしょうけどね。
許可した責任問題とかにはならないんでしょうね、きっと。
それと、私も含めて今回初めて知った人も多いとは思いますが。
通常の勤務態様が継続している場合は
勤務から解放されたとはいえないから、
その間は時間外労働として取り扱わなければならないこと。
宿直勤務の許可が与え.られている場合であっても、
宿直中に突発的な事故による応急患者の診療又は入院、
患者の死亡、出産等の昼間と同態様の労働に従事する場合には、
時間外労働となるので、労基法33条又は36条の手続きをとるとともに、
37、条の割増賃金を支払わなければならない。
医者の当直の多くは、昼間勤務して、そのまま当直に入るんですが。
こういう場合は、当直料の他に残業手当を貰えるって事ですよね、要は。
それに、応急患者の診療、入院とかそういう処置をすると、
時間外労働になるから、当直料の他に時間外手当を貰えって事ですよね。
へー、これは全く知りませんでした。
当直の時は、患者を診たりするのが当直の業務だから、
当たり前って思っていたんですが。
まさか、それ以外に時間外手当が貰えるのが当たり前とは。
うーん、今度こっそり書いてみようかなー。
でも、やっぱりお金貰えないんだろーなー、きっと。
ちなみに、
宿日直の回数は、原則として、日直については月1回、
宿直については週1回を限度とすること
って事も書いてありますが。
これも今回初めて知りました。
私、研修医の時に、最高で日当直、月22回ってのが
あったんですがねー。
ま、原則ですから。
お役所とか、そういうのは原則天下り禁止とか言っても。
それは天下りオーケーって事みたいですからね。
これも、オーケーって事なんですかね。
医者の当直の現状について知りたいって人は、
『医者の当直』の記事も見てみて下さいね!
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