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現役医師、循環器内科医(Dr. I)が医療について、詳しくわかりやすく解説するブログ。 引用、転載は自由ですが、その際は必ず引用元を明記して下さいね!
奈良の産科医、詳細1
奈良で残念ながら妊婦さんが脳出血で亡くなった件で、
現場の詳細がわかったので、ここに書いていきますね。

2007.5.1 一部記事を改編削除しました。
削除した経緯に関しては、こちらの記事をご覧ください。
→ 「大淀病院事件、ネットで詳細に2」


一人医長のこの産婦人科の先生(60歳以上)は、
当日は朝8時ぐらいに出勤され、
夜に食事のため、病院近くの自宅に一度帰宅したそうです。

食事を済ましたのち、夜11時前には分娩に備えるため産科病棟に
帰ってきて、助産婦に当直室にいると連絡をいれた。
その間は患者に特筆すべき異常はなく、助産婦からの連絡もなかった。

深夜0時すぎ、分娩室に分娩進行の様子を見に行った時、
患者が頭痛を訴えたのち失神したので、
自分自身でも簡単な内科的チェックを行い、
念のため内科当直医(循環器内科医)を呼び、
その間に内診をして、子宮口が約4センチか医大している事を確認した。

内科当直医がきて内科的診察を行い、
陣痛による失神でしょう、経過を見ましょう
(CTが必要などと言うアドバイスは決してしていない)
と言ったので産科医も一応安心して、
付き添っている助産婦に10分おきの内診と、
パルトグラムとCTG(分娩監視装置)の装着と記録を指示し、
いったん分娩室横の待機室か一階下の当直室(どちらか不明だが)
に帰って待機していた。
その後強直性の痙攣発作が出現し、
血圧も収縮期が200mmHgになったので、子癇発作と判断し、
マグネゾールを投与。

マグネゾールで痙攣はおさまり、以後投与中は痙攣の再発はなかった。
しかし、午前1時30分頃分娩室の助産婦より痙攣が始まったと言う
連絡が入り、あわてて分娩室に引き返した。

以後二人で治療にあたったが、状態が改善みられないため、午前1時50分
母体搬送の決断を下し、奈良医大へ電話連絡を始めた。

午前2時瞳孔散大を認めるも痛覚反応あり。
血圧は148/70と安定してきた。
この時点で頭部CTも考慮したが、放射線技師は当直していないし
CT室が分娩室よりかな り離れたところにあること、
患者の移動の刺激による子癇の重積発作を恐れ、
それよりも早く高次医療機関をさがして搬送するほうがよいと判断。

電話をかけ続けたが、なかなか 搬送先がみつからない。
午前2時30分、産婦人科部長が家族に状況を説明、
そのあいだにも大淀病院の当直医や奈良医大の当直医は大阪府をふくめて
心当たりの病院に受け入れ依頼の電話をかけつづけた。

家族はここで
削除しました
と言ったので、NICUを持たない病院にまで搬送先の候補をひろげ、
電話連絡をとろうとした。

家族も消防署の知り合いを通じ、
大阪府下の心当たりの病院に連絡をとって、
受け入れを依頼した。
この頃には産科病棟婦長(助産師)も来院、 手伝いはじめてくれた。
大淀病院看護師OGで患者さんの親戚も来院し、多くの人が集まり始めた。
けれども受け入れてくれる施設が見つからない。

担当医は当直室(仮眠室)か ら絶望的な気分になりながら
電話をかけ続けたし、大学の当直医は大学の救命救急部門にまで
交渉に行ったが子癇産婦人科の担当で、
我々は対処できないと言うことで受け入れ 拒否された。

午前4時30分、呼吸困難となり、内科医が挿管したが、
その後自発呼吸ももどり、
サチュレーションは98%と回復した。
その後すぐに国立循環器病センターが受 け入れOKと連絡してきたので、
直ちに救急車で搬送した。
患者さんは循セン到着後CT検査等で脳内出血と診断され、
直ちに帝王切開術開頭術をうけたが、
生児は得られたものの脳出血部位が深く、
結局意識が戻らないまま術後8日目の8月16日死亡された。

死亡原因の診断は右脳混合型基底核出血
手術としては脳室ドレナージが行われたようですが、
かなり大きな出血だったため、回復され なかったそうです。


この文章は、元大淀病院勤務の医療関係者および
その友人達から話を聞いた、隣接する府県の産婦人科医
m3.comの医師専用掲示板に投稿した文章を、
掲載許可を頂いてほぼそのままブログに載せたものです。

ご協力ありがとうございました。

いくつかの投稿を私が勝手に組み合わせたので、
時間経過等が若干異なるかもしれませんので。
もし、訂正等があればご指摘いただければありがたいです。


ちなみに、毎日新聞の記事は、こちら。
一応、妊婦さんの名前は伏せてあります。

2006.10.17:毎日新聞社

病院受け入れ拒否:意識不明、6時間“放置” 
妊婦転送で奈良18病院脳内出血死亡

 ◇手術は60キロ先の大阪

奈良県大淀町立大淀病院で今年8月、
分娩(ぶんべん)中に意識不明に陥った妊婦に対し、
受け入れを打診された18病院が拒否し、
妊婦は6時間後にようやく約60キロ離れた
国立循環器病センター(大阪府吹田市)
に収容されたことが分かった。

妊婦は、脳内出血と帝王切開の手術をほぼ同時に受け
元気な男児を出産したが、約1週間後に死亡した。
遺族は
「意識不明になってから長時間放置され、母体の死亡につながった」
と態勢の不備や病院の対応を批判。
大淀病院側は「できるだけのことはやった」としている。
過疎地の産科医療体制が社会問題化する中、
奈良県や大淀町は対応を迫られそうだ。
(31面に関連記事)

 ◇県外搬送常態化

遺族や病院関係者によると、妊婦は同県五條市に住んでいた32歳の女性。
出産予定日を過ぎた妊娠41週の8月7日午前、大淀病院に入院した。
8日午前0時ごろ、頭痛を訴えて約15分後に意識不明に陥った。
産科担当医は急変から約1時間45分後、同県内で危険度の高い母子の
治療や搬送先を照会する拠点の同県立医科大学付属病院(橿原市)に受け入れを打診したが、
同病院は「母体治療のベッドが満床」と断った。
同病院産科当直医が午前2時半ごろ、もう一つの拠点施設である
県立奈良病院(奈良市)に受け入れを要請。
しかし奈良病院も満床を理由に、応じなかった。
医大病院は、当直医4人のうち2人が通常勤務をしながら
大阪府を中心に電話で搬送先を探したが決まらず、
午前4時半ごろ19カ所目の国立循環器病センターに決まったという。

この妊婦さんは約1時間かけて救急車で運ばれ、
同センターに午前6時ごろ到着。
脳内出血と診断され、緊急手術と帝王切開を実施、男児を出産した。
この妊婦さんは同月16日に死亡した。

大淀病院はこれまでに2度、遺族に状況を説明した。
それによると、産科担当医は入院後に陣痛促進剤を投与。
容体急変の後、妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)の妊婦が
分娩中にけいれんを起こす「子癇(しかん)発作」と判断し、
けいれんを和らげる薬を投与した。
当直の内科医が脳に異状が起きた疑いを指摘し、
CT(コンピューター断層撮影)の必要性を主張したが、
産科医は受け入れなかったという。

緊急、高度な治療が必要な母子について、厚生労働省は来年度中に
都道府県単位で総合周産期母子医療センターを指定するよう通知したが、
奈良など8県が未整備で、母体の県外搬送が常態化している。

大淀病院の原育史院長は
担当医子癇発作と判断して処置した。
脳内出血の疑いも検討したが、判明しても対応しようがなく、
診断と治療を対応可能な病院に依頼して、連絡を待っていた。
ご遺族とは誠意を持って対応させていただいている」
と話した。

一方、遺族は
「大淀病院は、脳外科を備えながら専門医に連絡すら取っていない。
長時間ほったらかしで適切な処置ができていれば母体は助かったはずだ」
と話している。

【林由紀子、青木絵美】

 ◇「確認可能なはず」

妊婦が意識を失った場合、子癇発作と脳内出血の差はどう判別されるのか。
県立医大の小林浩・産科婦人科教授によると
「いずれもけいれんを起こし、普通どちらなのかは判断できない」
という。

一方、別の産科医は「頭痛があり、妊娠高血圧症候群がないなら、
脳内出血を疑うべきだ。病院内にCTがあるなら、確認は可能だったはず」
と話す。

遺族は「脳内出血を疑う情報が、転院依頼先の病院に伝わっていれば、
次々と断られることはなかったのでは」と訴える。



一部始終を見て、医学の専門家である医師側から得た情報と、
経過の一部しか見ておらず、医学に関する知識のない遺族の情報を元に、
医学的な知識の乏しい記者が伝聞のみで書いた記事。

どちらの言い分が正しいのでしょうか。
両方の内容を並べて見て、客観的に見てどちらが正しいと思われるか。
まずは、自分で考えてみて下さい。

更に詳細がわかれば、また書いていきたいと思います。

医学的見地からと、私の私見は次の記事に書いていきますね。

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