「病気の腎臓を移植」の記事で書いたんですが。
もしかしたら、言葉が足りず誤解を与えてしまったかもしれませんので、
もう少し詳しく私の考えを述べさせて頂きますね。
まずは、こちらの記事をご覧ください。
<病気腎移植>万波誠医師 前任病院での移植認める
愛媛県宇和島市の宇和島徳洲会病院で病気で
摘出された腎臓が移植に使われた問題で、
同病院の泌尿器科部長、万波誠医師(66)が7日未明、
毎日新聞の取材に対し、
「市立宇和島病院に勤務していた90年ごろから
病気で摘出した腎臓の移植を始めた」
と前任地でも疾患腎移植を行っていたことを明らかにした。
回数は「少なくとも5、6件で10件に満たない数。
徳洲会に来てからの方が多くなった」と話した。
動機については「患者さんを透析(の苦しみ)から
解放したいという思いからだった」とし、
実弟の万波廉介医師(60)らとともに
「自らが提案し、若手医師たちと一緒にやった」
と長年主導してきたことを認めた。
ドナー(臓器提供者)やレシピエント(移植を受けた患者)への
説明については「十分納得してもらっていた」とした。
これまで公にしていなかったことについては
「自分は正しいことをしていると思うが、
(世間が)理解してくれないと考え、公表しなかった」と話した。
また、「捨てられる病気の腎臓を生かすというこの方法は、
生体腎、死体腎に続く第3の道になりうる」とする思いを語った。
疾患腎移植が明らかになったことを受け行われた4日の会見では
「04年に徳洲会病院で始めた」と話していた。
「世話になった市立宇和島病院に迷惑がかかると思ったから
(そう言った)」と釈明した。
「2006.11.7 yahooニュース」
この記事で万波誠医師が話しているように、
元はと言えば、「目の前の患者を救いたい。」
という医師であれば、当然の考えから来ているんですよね、
今回の病気腎移植は。
もちろん、万波医師の、この考え自体を否定するつもりはありません。
病気で、腎臓を摘出する人がいて、それを廃棄してしまう。
その腎臓を欲しがっている人がいて、腎臓が移植に耐え得る
のであれば、それを有効利用しよう。
そういう考え方は、あって当然だと思います。
マスコミは、まず「この医者が悪い」って結論があって。
その後で、とってつけたように理由をつけて、
「病気の腎臓を移植してけしからん。」
「同意書がない。」などと言って、論点がぼやけてしまっていますが。
「病気の腎臓を移植」の記事でも書いたように、
今回の件で最も問題になる点は、
「腎臓を取る必要のなかった人から、腎臓を取ったのではないか?」
という事だと思います。
そして、その次に
「腎臓を摘出する方の患者に、その腎臓を他の人に
移植するという事を説明していなかったのではないか。」
「腎臓を移植される側の患者に、病気の腎臓(特にガン、ネフローゼ)
という事をきちんと説明していなかったのではないか。」
「ガンの腎臓を移植したら、ガンが移るのではないか。」
という事が挙げられると思います。
ま、あくまでも一番、二番っていうのは、私の考えですけどね。
結果として、マスコミも私も万波医師を批判していますが、
考え方もスタンスも全然違います。
私は病気の腎臓を移植する事に関して、
やみくもに反対しているわけではありません。
肝臓ではFAP(家族性アミロイドポリニューロパチー)の患者に対して、
ドミノ移植が現に行われていますし。
「病気だから」っていう事と、「移植してはいけない、できない。」
という事は、医学的にイコールではないからです。
万波医師が言うように、「捨てられる病気の腎臓を生かすという
この方法は、生体腎、死体腎に続く第3の道になりうる」
という可能性もありますから。
しかし、だからこそ、「きちんとした手順を踏むべきだった」と思います。
一番最初の病気腎移植の例は、本当に腎臓を摘出せざるを得ない症例で、
その説明もしていたのかもしれませんが。
だんだん数を重ねていくうちに、徐々に腎摘出の適応が甘くなって、
「最初から移植をする為に、取る必要のない腎臓を取ったのではないか。」
そう言われない為にも、病気腎移植をするのであれば、
移植とは関係のない第三者的立場の医師にも
腎摘出の適応を調べてもらったり、倫理委員会を通すなど、
慎重にやるべきだったのではないか、と私は思います。
「十分に患者に説明した」、と、この医師は言っていますが、
現に「そんな話は聞いていない」と言う患者がいる。
文書もないから、結局水掛け論で、どっちの言い分が正しいかわからない。
慎重に事を運んでいれば、将来的には生体腎、死体腎に続く
第3の道になり得たかもしれませんが、
この医師の軽率な行動によって、その道が閉ざされたかもしれません。
日本で最初の心臓移植(和田移植)は、心移植の適応に
問題があったのと、結局この患者が亡くなってしまったので、
日本の移植は世界から数十年遅れていまいましたが。
今回の件も、患者を救いたいという考え自体も、
アイディアも良いとは思うのですが。
行動が軽率だったと思います。
そういう意味で、この医師に同情はできない、と私は言っています。
結局迷惑するのは、本当に移植が必要で待っている患者ですから。
もし勘違いをされた方がいらっしゃったら、ここで訂正させて頂きます。
ちなみに、ドミノ移植に関しては、こちらをどうぞ
→ → 「ドミノ移植とは」
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もしかしたら、言葉が足りず誤解を与えてしまったかもしれませんので、
もう少し詳しく私の考えを述べさせて頂きますね。
まずは、こちらの記事をご覧ください。
<病気腎移植>万波誠医師 前任病院での移植認める
愛媛県宇和島市の宇和島徳洲会病院で病気で
摘出された腎臓が移植に使われた問題で、
同病院の泌尿器科部長、万波誠医師(66)が7日未明、
毎日新聞の取材に対し、
「市立宇和島病院に勤務していた90年ごろから
病気で摘出した腎臓の移植を始めた」
と前任地でも疾患腎移植を行っていたことを明らかにした。
回数は「少なくとも5、6件で10件に満たない数。
徳洲会に来てからの方が多くなった」と話した。
動機については「患者さんを透析(の苦しみ)から
解放したいという思いからだった」とし、
実弟の万波廉介医師(60)らとともに
「自らが提案し、若手医師たちと一緒にやった」
と長年主導してきたことを認めた。
ドナー(臓器提供者)やレシピエント(移植を受けた患者)への
説明については「十分納得してもらっていた」とした。
これまで公にしていなかったことについては
「自分は正しいことをしていると思うが、
(世間が)理解してくれないと考え、公表しなかった」と話した。
また、「捨てられる病気の腎臓を生かすというこの方法は、
生体腎、死体腎に続く第3の道になりうる」とする思いを語った。
疾患腎移植が明らかになったことを受け行われた4日の会見では
「04年に徳洲会病院で始めた」と話していた。
「世話になった市立宇和島病院に迷惑がかかると思ったから
(そう言った)」と釈明した。
「2006.11.7 yahooニュース」
この記事で万波誠医師が話しているように、
元はと言えば、「目の前の患者を救いたい。」
という医師であれば、当然の考えから来ているんですよね、
今回の病気腎移植は。
もちろん、万波医師の、この考え自体を否定するつもりはありません。
病気で、腎臓を摘出する人がいて、それを廃棄してしまう。
その腎臓を欲しがっている人がいて、腎臓が移植に耐え得る
のであれば、それを有効利用しよう。
そういう考え方は、あって当然だと思います。
マスコミは、まず「この医者が悪い」って結論があって。
その後で、とってつけたように理由をつけて、
「病気の腎臓を移植してけしからん。」
「同意書がない。」などと言って、論点がぼやけてしまっていますが。
「病気の腎臓を移植」の記事でも書いたように、
今回の件で最も問題になる点は、
「腎臓を取る必要のなかった人から、腎臓を取ったのではないか?」
という事だと思います。
そして、その次に
「腎臓を摘出する方の患者に、その腎臓を他の人に
移植するという事を説明していなかったのではないか。」
「腎臓を移植される側の患者に、病気の腎臓(特にガン、ネフローゼ)
という事をきちんと説明していなかったのではないか。」
「ガンの腎臓を移植したら、ガンが移るのではないか。」
という事が挙げられると思います。
ま、あくまでも一番、二番っていうのは、私の考えですけどね。
結果として、マスコミも私も万波医師を批判していますが、
考え方もスタンスも全然違います。
私は病気の腎臓を移植する事に関して、
やみくもに反対しているわけではありません。
肝臓ではFAP(家族性アミロイドポリニューロパチー)の患者に対して、
ドミノ移植が現に行われていますし。
「病気だから」っていう事と、「移植してはいけない、できない。」
という事は、医学的にイコールではないからです。
万波医師が言うように、「捨てられる病気の腎臓を生かすという
この方法は、生体腎、死体腎に続く第3の道になりうる」
という可能性もありますから。
しかし、だからこそ、「きちんとした手順を踏むべきだった」と思います。
一番最初の病気腎移植の例は、本当に腎臓を摘出せざるを得ない症例で、
その説明もしていたのかもしれませんが。
だんだん数を重ねていくうちに、徐々に腎摘出の適応が甘くなって、
「最初から移植をする為に、取る必要のない腎臓を取ったのではないか。」
そう言われない為にも、病気腎移植をするのであれば、
移植とは関係のない第三者的立場の医師にも
腎摘出の適応を調べてもらったり、倫理委員会を通すなど、
慎重にやるべきだったのではないか、と私は思います。
「十分に患者に説明した」、と、この医師は言っていますが、
現に「そんな話は聞いていない」と言う患者がいる。
文書もないから、結局水掛け論で、どっちの言い分が正しいかわからない。
慎重に事を運んでいれば、将来的には生体腎、死体腎に続く
第3の道になり得たかもしれませんが、
この医師の軽率な行動によって、その道が閉ざされたかもしれません。
日本で最初の心臓移植(和田移植)は、心移植の適応に
問題があったのと、結局この患者が亡くなってしまったので、
日本の移植は世界から数十年遅れていまいましたが。
今回の件も、患者を救いたいという考え自体も、
アイディアも良いとは思うのですが。
行動が軽率だったと思います。
そういう意味で、この医師に同情はできない、と私は言っています。
結局迷惑するのは、本当に移植が必要で待っている患者ですから。
もし勘違いをされた方がいらっしゃったら、ここで訂正させて頂きます。
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