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現役医師、循環器内科医(Dr. I)が医療について、詳しくわかりやすく解説するブログ。 引用、転載は自由ですが、その際は必ず引用元を明記して下さいね!
エコーでわいせつ?
いやー、なんか嫌な世の中になっちゃいましたねー。
私は循環器内科医なので、心臓のエコー(心エコー)っていう
検査は、よくやるんですけどね。
診断治療をする上で、絶対に必要な検査ですから。

心エコーではないけど、お腹のエコーをやっただけで、
わいせつ」って訴えられた、臨床検査技師がいるんですねー。

もちろん詳しいことは知らないんですけどね。
元になったのは、毎日新聞のこの記事です。

わいせつ検査:元臨床技師に無罪判決 京都地裁

検査と称して女性(当時39歳)にわいせつな行為をしたとして、
準強制わいせつ罪に問われた京都第二赤十字病院
(京都市上京区)の元臨床検査技師(55)に対し、
京都地裁(東尾龍一裁判長)は18日、
無罪(求刑・懲役3年)を言い渡した。

「患者への配慮に欠けた点はあったが、
わいせつ行為と認定するには合理的疑いが残る」と判断した。

被告は05年7月、腹痛で受診した主婦の腹部の超音波検査時に、
わいせつ目的で検査器具を下腹部の不要な部分に
押し当てたとして起訴された。

判決は「女性の触れられた感覚は明らかでなく、
供述も変遷して表現の誇張や記憶の変容の疑いが濃厚」
などとし、器具が触れた部分は検査の必要範囲だったと認定。

検察側は▽露出した胸や尻にタオルを掛けなかった
▽強引に下着を下げた行為などを
わいせつ性推認の根拠としたが、
「配慮を欠いたと言えるが、
わいせつ目的を推測するには無理がある」とした。


「毎日新聞:2006年12月18日」


CTの検査は、放射線を患者の体に当てて、
体の中を輪切りにする検査なので。
体に触れる必要のない検査なんですけどね。

エコーっていうのは、患者の体にゼリーを塗って、
その上に検査器具を置いて、体に直接当てないと、
できない
検査なんですよ。

心エコーなら、
腹部エコーなら、お腹に「直接」です。
下着とか、服の上から検査する事はできません。

そして、部屋を暗くしないとエコーの画像が見にくいんですよ。
ま、映画を見る時に、映画館の中が暗くなりますよね。
あんな感じで、暗くないと画像が見にくいんですよ。
正確な診断ができないので、検査をするときは、
部屋の中を暗くしてやります。


で、今回の場合は、腹部の超音波検査
って書いてありますから。
お腹のエコーなんですね。
腹痛」って言っているようですから。
胆嚢炎とか、膵炎とか、腸炎とかを疑って、
腹部エコーをやったんですね、多分。

で、下着の上からでは検査はできませんから。
下着のない部分は、そのまま機械を当てて検査したけど、
下着にかぶさっている部分に検査が必要になったから、
下着をちょっとずらして、検査したんですよね、きっと。

で、それが「わいせつ」に当たるそうですわ。

>わいせつ目的で検査器具を下腹部の不要な部分に押し当てた

って、本当にわいせつなら、検査器具を当てるんじゃなくて。
手で触るとか、下着を脱がすとか。
そうしませんかね、普通。

わいせつで検査器具を押し当てる、って。
わざわざそんな事する人いるんですかね?

他の新聞記事とかを見ると。
たまたま、「検査後に患者が話したメモ」が見つかって、
それが患者の供述と違ったから、今回の判決は、
原告側の意見は信憑性がない」って認定されたようですが。

もし、このメモがなかったら、有罪になった可能性が
あるんですよね、これ。

臨床技師(55)に無罪判決

ってわざわざって書いていますから。
この技師さん、わいせつ罪で訴えられて、
この病院を辞めさせられたんですよね、多分。
55歳だから、検査歴30年以上のベテラン技師さん
だったと思うんですよ。
55歳だから、30年以上勤めて定年間近だったと思うんですが。
多分、今回訴えられて、病院を辞めざるを得なくなった
んじゃないですかね。

年金貰うまでに、あと10年くらいあるんですが。
えん罪で訴えられて、病院を辞めさせられて、
それまで暮らすお金がなくなったら、逆に訴える
事はできないんですよね、きっと。

あと5年勤めていたら、退職金も満額貰えて、
悠々自適の老後生活が待っていたかもしれないんですが。
全てパーになっちゃったんでしょうねー、
このおばちゃんに難癖つけられたせいで

55歳だから、きっと新しい就職先を見つけるのも
難しいでしょうねー、当然。
かわいそー。


記事のタイトルが、

>わいせつ検査

っていうのも、明らかに医療従事者に敵対していますよね。
無罪なんだから、「わいせつ」じゃないんですがね。
むしろ、このおばちゃんに難癖をつけられて、
この技師さんは被害者なんですが。


別の新聞記事では、たしか原告側の弁護士のコメントで

検査器具を押し当てて、下腹部を往復させており、
あきらかにわいせつ目的である。


みたいな事が書いてありましたが。

いや、そういう検査なんですけど、エコーって。
どういう「わいせつ目的」か、全然意味わかんないんっすけど。

エコーの検査っていうのは、CTと違って。
エコーをする術者の「腕」がものを言う検査なんですよ。
どこの部分にどの角度で、検査器具を当てるかで、
同じ人でも、臓器が見えたり見えなかったりしますから。

一番良く見える部分に当たるまで、いろいろな角度、部位
検査器具を当てる検査なんですよ。
エコーっていう検査は。

だから、むしろこの弁護士の言っている

検査器具を押し当てて、下腹部を往復させて

っていうのは、真面目に検査をした証拠として
採用しても良いくらいなんですよ。
わいせつ目的じゃなくって。


いやー、ホント人ごとじゃないですよ、私。

エコーをやる場合は、エコーで、暗い中で
1対1で検査しますから。

本当は、女性相手の場合は、女性看護師とかに
隣についていてもらいたいんですけどね。
こういう風に、「なんくせ」つけられる可能性があるので。

でも、看護師も忙しいですから。
エコー検査って20分くらい時間かかるんですが。
看護師もその間、じーっとただ黙って待っている位なら、
その時間で、他の仕事もしたいでしょうから。
結局、「検査終わったら、連絡下さい。」
って言って、すぐ戻ってしまうんですよ。

看護師も不足していますからね、どこの病院でも。


私の場合は、エコーを行う際の、自己防衛策として。

できるだけ、部屋の中を真っ暗じゃなくて、
少しだけでも明かりをつけておく。


とか。

検査をする時にゼリーを胸(正確には器具の先にゼリーをつけて、
それを胸につけるんですが)につけるんですが。
胸についたゼリーを拭くのは、自分でやってもらう。


とか。

胸に検査器具を当てるのは、仕方ないんですが。
自分の指や手が、胸に当たらないように注意する。


とか。

そういう事に気をつけています。

本当は、検査器具を手で持って、小指と薬指を患者の体につけて、
その器具が動かないように固定した方が、
きれいな画像が撮れるんですけどね。

昔そうやって、検査しなさいって
先輩に心エコーの当て方を教わりましたけど。
今の時代、そんな事やって、間違って訴えられでもしたら、
誰も恨めない
ですからねー。
実際、その可能性もありますし。

残念ながら、検査の正確性よりも、自分の身を守る事
優先しなければならない時代になってきましたね。

もちろん、これやったからって、訴えられないって補償はないですし。
訴えられたら、今回のようにたまたま、
メモが見つかって無罪になったけど、
そうでなければ有罪になってしまう可能性もありますけどね。

できるだけ難癖をつけられる可能性のある事を、
減らさなきゃなんないですからね。

嫌な世の中になっちゃいましたねー。


ちなみに、私の診察時の自己防衛策として、他には、

若い女性を診察する時は、必ず看護師に同席してもらう。

とか、

女性のお腹の触診をする時に、下着をずらす必要があったら、
必ず患者本人にやってもらうか、看護師にやってもらい、
私はタッチしない。


とか。
あと、「わいせつ」や「セクハラ」とは関係ないんですが。

患者に説明をする時は、看護師に同席を求める。

とか、ですかねー。
訴えられた時に、何を説明したのか証人になってもらえますから。
できれば、看護記録に記録してもらいます。


このブログ医師の方もたくさんみていらっしゃるようなので。
細かい事ですけど、もし、まだやっていない方がおられたら、
自己防衛の為に、今からでもやった方が良いと思いますよ。

はーっ。
もっと患者の命を救うとか、病気を治すとか、
有意義な事に神経をつかいたいんですけどねー、どうせなら。

一時、なぜかコメントできないようになっていたみたいですが。
もう大丈夫みたいですよ!
なんでコメントできなかったのか、よくわかんないんですけど。
また、コメントよろしくね!

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