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現役医師、循環器内科医(Dr. I)が医療について、詳しくわかりやすく解説するブログ。 引用、転載は自由ですが、その際は必ず引用元を明記して下さいね!
医療裁判のカンファレンス鑑定
私が前から思っていた事なんですけどね。
最近、医療事故、合併症、医療に関係して
不幸な結果が起きたり、って事があると、
患者がすぐに訴える事が多くなってしまって、
医療裁判が増えていますが。
医療裁判の中で、問題になっている点があります。

そのうちの一つが、訴える患者は当然として、
検察、弁護士、そしてそれらを裁く立場の
裁判官も、「みんな医療に関して素人」。
って事があげられます。

そいで当然、素人同士で、専門的な話をいくらやっても
全く進まないので、お互いが医療鑑定人を立てるんです。
で、その鑑定書を元に裁判が行われるんですよね、普通。

それの何が問題なのか、っていうと。
例えば、100人医者がいたら99人は、YESだ。
という行為があるとしますよね。
でも、100人いれば1人くらいは変な奴がいるので、
そいつだけNOだっていう治療とか、
医療行為なんかがあるとします。

原告、検察側は被告を有罪にする為に、
必死でNOって言う鑑定人を全国各地から探すんですよ。
で、こういういっつも変な事言う医療鑑定人って
やっぱ決まってるんですよね。
特定の医師が、いつも変な事を言ってるんですよ。
裁判官でも、いっつも変な判決を出す人いますよね。
それと同じです。
なので、患者、原告側は、そういう特定の鑑定人に、
鑑定書を依頼するんです。

で、訴えられた医者の弁護人は、まともというか、
99人YESって言うわけだから。
まあ、適切な鑑定人を捜して、鑑定書を書いて貰うんですよ。

まあ、例えばの話ですよ。
お互い、裁判に勝つのが目的だから、
当然と言えば当然でしょうし。
明らかに医療ミスで、医師側が悪いって場合。
逆の事も起こるでしょうからね、もちろん。

で、それぞれの立場で鑑定人が鑑定書を出して。
そいで、それを素人の裁判官が判定する。
そういう感じなんですよね、今の医療裁判のシステム

片方は、これが正しい。
もう片方は、いや、間違っている。
って、いろいろ専門用語でぐちゃぐちゃ言われて。
なんか、良くわかんないけど、裁判官は、
どっちか、って結論を出さなきゃいけないんですよ

かわいそう、と言えばかわいそうですよね。
素人に、こういう判断を求めるのって。


で、こういう問題を解決するために、どうすれば良いか。
って考えた時に。
私、思ったんですよ。

複数医療鑑定人ディスカッションして、
それを元に結論を出すというか。
いろいろお互いの立場で、専門家である医者同士が、
これはおかしいとか、理屈から言ったら、明らかに違うとか。
細かい議論ができて、その過程を全て見る事ができる。
そして、できれば複数の医者が議論して、
その場で結論を出す、っていうのが良いんじゃないかな。
って思ったんですよね。

弁護側、検察側、双方の医療が出るわけだから、
最終的な結論はそこで出ないとしても。
そこでの議論の過程を全てオープンにして、
それを裁判官が見る事ができれば、
今よりももっと良い結論が出せるんじゃないかな。
って思っていました。

そしたら、もう既に東京地裁の医療集中部では
それと似たような事が行われているようなんですよ。

その名も、「カンファレンス鑑定

まあ、名前の通りなんですけどね。
非常にわかりやすい説明があったので、
弁護士のBKRさんの解説を、許可を頂いたので、
そのまま引用させて頂きますね!


カンファレンス鑑定

東京地裁の医療集中部では、現在、
鑑定方法としてカンファレンス鑑定という方式を採用しています。

カンファレンス鑑定について、
私の知る限りでの簡単な説明をします。

医師が複数(通常は3人)鑑定人として選任され、
事前に資料・鑑定事項を送付して、
書面での簡単な回答)を作成してもらう。
期日では、ラウンドテーブル法廷
(そのまんま丸いテーブルで全員が向かい合って
座ることができる)で、書面による回答を前提に、
裁判所が主体となって質問をする。
(当事者代理人は裁判所の後から質問する)。

もちろん、シャーカステンも使える。
カンファレンスと言っても、裁判所からの質問に
鑑定人医師が答える方式で、医師同士が
直接議論するということではない。
法廷なので、一般の傍聴もできる(ただし、傍聴席は少ない)。

鑑定人は、都内の13大学の中から推薦を受ける方式。
(裁判所、原被告代理人弁護士、各大学で
継続的に協議を行っている)
鑑定人の診療科は、争点によって異なるが、
全員が異なる科になることは少ない。
鑑定人となる医師は、教授だけとか助教授までとかの
制限はないと思われる。
むしろ、年齢構成もばらけさせているようにも
思われる(よく分かりません)。

沿革(私なりの理解):
もともと、鑑定人の確保は困難であった。
その理由の一つが、鑑定人尋問
(いわゆる証人尋問と同じ形式)のときに、
患者側代理人からときに失礼な発言がなされ、
もう二度とやりたくないという鑑定人が続出したことにある。
また、他の医師の意見を聞いて、
意見交換しながら判断した方が妥当な判断ができ、
負担も軽減するとの医師側からの要望もあった。

裁判所、当事者からも、一人の鑑定人の判断に
全てを委ねざるをえないことに不安があり、
鑑定意見がでるまでに長期化する事件も多いことを憂慮していた。

そこで、東京地裁では、平成15年から
カンファレンス鑑定を行うこととした。
裁判所では、カンファレンス鑑定のメリットとして、
和解率の高さ(当事者の納得)を挙げている。

私なりの印象:
3人の医師の目で判断してもらうので、
ばくちの要素が減り、安心できる。
現時点ではベストの方法であると思われる。

もっとも、代理人としては、鑑定の前に、
文献提出、私的鑑定意見書提出、担当医師尋問などを行い、
裁判所に当方勝訴の心証を得させることが目標であり、
鑑定までいくことはできるだけ避けるようにしている。



という事ですね。

やはり、ネックになるのは、複数(3人)医師
同時に集めなければならないって事ですかね。
人数も、1人2人よりは良いですけど。
やっぱり、3人はちょっと少ないと思います。

私が考える理想の形、というのは。
チャット、掲示板」のようなものです。

医者複数、同時に集めて、何回もカンファレンスを
開催
するのは、実際問題として、非常に難しいです

しかし、今の時代、インターネットが発達していますから。
別に、「全員同時に集まる」必要はないんですよ

そこで、私が考えたのは、「チャット」というか、
掲示板」方式です。

具体的に言うと。
まず、医者5人とか、できれば10人くらい
その道の専門家をお願いします。

福島の大野病院の件なら、産科医ですね。
もちろん、教授とか助教授とか、そういう制限は一切なし。
年齢制限も一切なしです。
場合によっては看護師や薬剤師、技師なんかが
入っても良いと思います。
そして、インターネット上で、ログインに制限をかけた
掲示板のような物を用意します。
そこで、全ての証拠を掲示して、おのおのが自分の
意見を言っていく
、という形です。

できれば、最初から弁護側、検察側の論点が
整理されていた方が良いとは思いますがね。

それで、この患者が亡くなったとか、不幸な結果になったのは、
医療ミスのせいだ、とか、いやそれは合併症だとか。
その中で、こういう文献があって、これではこうだ、とか。
こういう道具の使い方をすれば、危険度が高いとか。
そういった具体的な事が議論されるわけですよ。

これ、一番良い点は、「時間や場所に制限がない。」
って事なんですよ。
インターネットが繋がる所なら、いつでも、どこでも
可能だって点なんです。
後から、コメント追加したって良いんですから。
熱い議論が進んでいる中で、タイムリーな議論には
取り残される、って事もあるでしょうけど。
後からコメントすれば、良いんですから。

時間と場所を決めて医者を何回も集めるのは、
非常に大変でしょうし。
自分の鑑定で、相手を有罪にする、って思ったら、
なかなか医療鑑定人を引き受ける人って少ないとは思うんですが。
これであれば、議論をするだけだし。
時間もそんなにかからないので。
3人といわず、5人、10人医者に議論してもらう
事も可能だと思うんですよね。

時間があって、たくさん書き込みをする医者
意見に流される、って事もあるかもしれませんが。
でも、その意見に対して、論理的な反論とかが、
きちんとされていれば、それで結論が出るって事は。
専門的な知識のある医者同士であれば、
少ないかな、って思いますし。

どうでしょうかねー、こういう方法。
やっぱ、日本じゃ無理かなー。


でも、医療鑑定人を引き受けるって言ったら、
今は普通、大学教授とかですよね。
大学病院について知りたい人は、こちらから!

→ 「大学病院のうそ」 ~現役医師(Dr. I)が暴露する、大学病院の秘密


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