現役医師、循環器内科医(Dr. I)が医療について、詳しくわかりやすく解説! 引用、転載は自由ですが、その際は必ず引用元を明記して下さいね!
『とくダネ!』6/6、ハイリスク出産難民
本日もとくダネ!』を見てみました。

6/6放送分、『とくダネ!』の放送内容と感想です。
今日は、「ハイリスク出産難民」についてでした。

(2)【赤ちゃんを安全に産みたい“ハイリスク出産難民”】
 6月5日(火)放送予定

参照:「こちらフジテレビ」

放送の内容は。

最初、大淀病院で亡くなった妊婦の
旦那と子どもが出ていて。
どうなることやら、って思っていたのですが。
意外や意外。
今日も、放送の内容はかなりまともでした

日本に産婦人科のある病院約6000あるけど、
お産を扱っているのは約3000と半分以下。
お産を取り扱っている医者の数は8000人くらい
って話しがあって。

司会の小倉氏が、
産婦人科なのに、なんでお産やんねーんだ。」
みたいな、相変わらず、
とんちんかんな発言とかもしてましたが。
それは置いておいて。

番組の後半で、日本で一番周産期死亡率が低い、
宮崎県」の取り組みを紹介していました。
1993年は、周産期死亡率が1000人当たり7.5人だったのが、
池之上先生って、日本で最初に五つ子を産ませた先生が来て、
2004年には、周産期死亡率3.1人になったって事で。
その具体的な取り組みについて、やっていました。

宮崎には、国が推進する「周産期センター」はないのですが。
1次→2次→3次病院連携が非常に良い、って話でしたね。

具体的には

1,バックトランスファー
 1次,2次病院で取り扱えなかったハイリスク出産
3次病院大学病院一つしかない)に送って、
そこでお産を扱うのですが。
赤ちゃんを産んで、リスクが減ったら元の1,2次病院
転院してもらって、今度来るかもしれない
ハイリスクな人の為にベッドを空ける

ってシステムだそうです。

こんなシステム初めて知りましたが、
非常に画期的だと思いました。
でも、都会でこれをやろうとすると、
患者はほとんど拒否する、って話も
自称医療ジャーナリストの伊藤氏がしていました。

2,新生児治療
 産科の先生新生児の治療もできるように、
人をトレーニングした、とかって言っていましたね。
そういう人材を作るのに10年かかった
とか言っていましたが。
産科の先生で、新生児をきちんと診れるのは、
かなり難しいと思うのですが。
どうやら、それに成功したらしいです。
あんまり、細かくはわかりませんけど。

3,テレビカンファレンス
 毎週一回1次、2次、3次病院
テレビカンファレンスを行っているそうです。
それで、「この病院でこういう症例がいるから、
やばくなったら頼むわ
。」
みたいな、連携がスムーズに行っているようですね。


単純に、番組の後半で紹介されていた
宮崎県の取り組みはすごいなー、って思いました。

テレビ番組全体としても、大淀病院での
産科医バッシング」のような事はなく、
医療システムの問題に焦点を当てた、
比較的良い番組に思えました。

自称医療ジャーナリストの伊藤氏は、
今日も良い発言していましたね。
「重症患者を受け入れる為に、
ベッドを空けていてもそこに収入は発生しないから。
そういう時に、補償をする為のシステムも必要だ。」

という、まっとうな意見も述べていました。

宮崎の場合は、比較的地方で、
病院医者患者ともに、物わかりが良いというか。
トップダウンで、物事が決まってそれに従ったのが、
結果的に良い方向に向かったようですが。
都会になると、患者も自分の事しか考えない人が多いし。
病院も、自分たちの利益がメインになるでしょうから。
なかなか難しいのかな、とも思いました。

救急車のトリアージの話で、
「救急車、軽症患者お断り」の記事にも書きましたけど。
重症患者を救う為に、軽症患者には我慢してもらう、とか。
そういう事が必要になるかな、って思います。

患者善意に頼るだけでは、
特に都会では不十分なので、その為にシステムを作るとか。
3次救急重症患者の為に、
ベッドを空けたらその費用は補償するとか。
医者も待機している時間は、手当を出すとか。
目に見えない所にも補償が必要だと思います。

でも、結局方針を決めているのが役人なので。
目先の事しか考えず、そんな事に金なんか出せない、
ってのが現状なんですよね。
地域でできる取り組みとかもあるけど。
やっぱり、システムとして国が方向性を出さないと
いけないな、って思います。


それにしても、司会者の小倉氏。
「大きな病院作って、
そこで全部できるようにすれば良いのに。」

みたいな事、言っていたけど。

産科医病院重症患者用のベッド医療費
限りある資源、人材だから。
それを有効に利用する為の良いシステムの見本
みたいな話をしているのに。
全然、話の内容を理解していないようでしたね。

だから、そういうの「箱物行政」って言うんだけど。
それ批判してるくせに、自分で言ってるもんねー。
大きな箱だけあっても、そこで働く医者
たくさんいないと、成り立たないんだけど。
思いつきで、もの言わないで欲しいですね。


「限りある資源(人材)を有用に使う為には、
アクセス制限(現実的なのは、軽症患者)は必要。」

と私は思います。

その為の一つの方法が、
救急車でのトリアージ救急車有料化
そして、以前から私が提唱している、
軽症患者時間外加算
のようなシステムなんだと思います。

現在の日本の医療の問題点っていうのは。
まず、医療費削減ありき
その為には、アクセス制限が必要。
でも、その方針を作っているのが、
現場を知らない厚労省の役人なので。
結局、具体的にどういうアクセスの制限を
したら良いのかわからない。

で、結局、一律にアクセス制限をかけると。
コネのある人間やごねた人間が得をする。
もしくは、金のある人間が得をする。
ってシステムになっていて。
結局、本当に医療が必要な重症患者
医療を受けるのを制限される

って事だと思います。

私は医療費削減政策そのものには反対なのですが。
限りある資源、人材を有効に利用するためには、
一定のアクセス制限はやむを得ないかな。

って思います。
医学部の定員を増やしたとしても、
彼らが戦力になるまでに10年以上はかかりますから。
このままいったら、確実に日本の医療は
崩壊してしまいますから。

それを改善する為には、医療政策を作る
人達が現場の人間の意見を素直に聞く

って事が大事だと思います。


医療現場で働く医者の意見を聞きたい。
医者のホンネを知りたいって人は、これを読んでね!

→ 『医者のホンネが丸わかり!』


ブログランキングの応援もよろしくね!
 ↓ ↓ ↓

Copyright © 2005 健康、病気なし、医者いらず. all rights reserved.
Add to Google My Yahoo!に追加 健康、病気なし、医者いらず