現役医師、循環器内科医(Dr. I)が医療について、詳しくわかりやすく解説するブログ。 引用、転載は自由ですが、その際は必ず引用元を明記して下さいね!
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奈良、たらい回し!の問題点
奈良で、妊婦がまた「たらい回し」にされた、
って毎日新聞が騒いでいるようですね。


病院たらい回し
妊婦衝突事故後に流産 救急搬送中 大阪

29日午前5時10分ごろ、妊娠3カ月の女性を
搬送中の救急車と、軽乗用車が接触した。
女性は「下腹部が痛い」ために119番通報したが、
約1時間半も受け入れ先の病院が決まらず、
搬送中の救急車内で破水を起し、
その10分後に胎児が死亡した。
妊婦の搬送では、昨年8月に奈良県大淀町の病院を巡る
問題をきっかけに、周産期医療の救急体制の
不備が浮き彫りになった。
調べによると救急隊員は同県立医科大に受け入れを
要請したが、「手術中のため不可能」と回答された。
結局、延べ12件目の病院に決まった。
同消防組合は流産との関連は警察の捜査に委ねたい」
と話している。


Web魚拓:skyteam先生より拝借
『毎日新聞 2007年8月29日 11時48分』


>昨年8月に奈良県大淀町の病院を巡る問題をきっかけに、
 周産期医療の救急体制の不備が浮き彫りになった。


>昨年8月に奈良県大淀町の病院を巡る
 毎日新聞の偏見報道をきっかけに、
 奈良の産科医が大量離脱した。


って事ですよね、事実は。
そこら辺は、何故書かないのでしょうかねー。


ちなみに、これは「たらい回し」ではありませんね。
大淀病院の件でもそうですけど。
毎日新聞は、日本語間違っていませんか?

参照:『大辞泉』

○たらい‐まわし〔たらひまはし〕【×盥回し】
[名]スル

1 あおむけに寝て、足でたらいを回す曲芸。

2 人や物、また権利・地位などを、
 ある限られた範囲内で、順送りにすること。
 「病院を転々と―にされる」「権力の座を―する」


救急車の中で、搬送病院が決まるまで、
待ちぼうけ」をくらってしまったかもしれませんけどね。
実際に病院に行って、そこで断られて、
いろんな病院を転々としたわけではないので。
たらい回し」ではないと思います。


そして、破水に関して。
参照:『goo、ヘルスケア』

前期破水

破水は普通は分娩の途中で起こることが多いのですが、
正期産(妊娠37週~41週末まで)の場合でも
陣痛が始まる前に破水してしまうことが約30%の例でみられます。
したがって前期破水自体はそれほど病的なこととはいえません。


って事ですから。
妊娠3ヶ月じゃあ、破水しないですよねー、普通。
こんなの、医者じゃなくても、出産した事のある人とか、
ちょっと医学に詳しい人だったら、知っている知識なんですが。
最終的に、妊娠7ヶ月だったんですよ、この妊婦

あまりに、いい加減すぎませんかねー、毎日新聞の記事。
読者にインパクトを与えさえすれば、
内容はどうでも良い、って事なんでしょうかねー。


マスコミの偏見報道への意見は、
いろんなブログで書かれているので。
私は、ちょっとそれは置いておいて。
あ、もう書いてるか(笑)

今回の件、ちょっと別な視点で、
もう一つの重要な点を、指摘しておきしましょうかね。


受け入れ難航、妊婦搬送の救急車事故で流産
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070829-00000915-san-soci
『2007年8月29日:産経新聞』

29日午前5時10分ごろ、大阪府高槻市富田丘町の
国道171号交差点で、奈良県橿原市の妊娠3カ月の女性(36)
を搬送中だった中和広域消防組合(橿原市)の救急車と、
大阪府茨木市の宅配業の男性(51)運転の軽ワゴン車が衝突。
女性は高槻市消防本部の救急車で約40分後、
約4キロ離れた同市内の高槻病院に到着したが、
流産が確認された。女性らにけがはなかった。
事故と流産の因果関係は不明だという。

女性は事故の約2時間半前の同日午前2時40分ごろに
橿原市内で腹痛と出血を訴えて119番通報したが、
受け入れ可能な病院が見つからず、そのまま救急車内で待機。
10病院、延べ12番目に問い合わせに応じた
高槻病院へ向けて出発するまで約1時間半かかっていた。
通報現場から病院までは直線距離で約40キロ離れていた。

奈良県では昨年8月、分娩(ぶんべん)中に
意識不明になったTさん=当時(32)=が
19病院から転院を断られた末に死亡しており、
産科医療のあり方が改めて問われそうだ。

高槻署や中和広域消防組合などによると、
女性は知人男性とともに近所のスーパーで
買い物をしている最中に突然、腹痛を訴え出血。
同日午前2時44分、知人男性が
「過去に流産している。今も妊娠しているが、
切迫流産しているかもしれない」と119番した。


女性にかかりつけの医師はなく通報を受けた
同組合が県内の空きベッド情報を確認したところ、
県立医大病院(橿原市)にベッドがあったものの
「手術中で対応できない」と断られたという。

消防組合は大阪府内の病院
受け入れ要請を続けたが、難航。
10病院、延べ12番目に問い合わせに答えた
高槻病院に搬送することが決まった。
その間、救急車はスーパーで待機。
出発できたのは午前4時19分だった。

高槻署によると、救急車は赤色灯をつけて直進、
青信号で進入した軽ワゴン車と接触したという。
救急隊員3人と軽ワゴン車の運転手にけがはなかった。

妊婦の救急搬送をめぐっては、近畿2府4県と福井、
三重、徳島の知事でつくる近畿ブロック知事会議が、
各府県が協力して出産前後の妊婦の搬送や
受け入れ体制を確保することで合意している。



ベッドがあっても、医者がいないと治療できません。
医者手術で手が空かないのですから。
県立医大病院が対応できない、
っていうのはしょうがないです。

ただ、ベッドに横になったら、治る魔法のベッド
ではないんですよ、病院ベッドって。

大淀病院の事件でも、頭のCTを撮ったら助けられた。
とか、って言っている人もいるみたいですけど。
頭のCTって、単なる検査ですから。
撮っただけで治る魔法がかかるわけじゃないんですよ。


まあ、それは今回は置いておいて。
問題なのは、ここ。

>女性にかかりつけの医師はなく

かかりつけ医がいなかった理由は、
よくわかりませんけどね、この記事からは。
経済的な理由なのか。
それとも、それ以外に何か理由があるのか。

妊娠7ヶ月だったら、誰がどう考えても
お腹が大きくなって、妊娠した、ってわかるので。
それでも、病院や診療所にかかっていない
理由はわかりませんけどね。

理由はどうでも良いんですけど。
ここで問題になるのは、
この妊婦には、かかりつけ医がいなかった。
って事なんですよ。

私、奈良の詳しい医療事情は知りませんけど。
今、日本全国で、お産が出来る病院が減っていますよね。
ここ10年ちょっとで、10%以上、1000以上病院で、
お産を中止しています。

福島、大野病院で産婦人科医が刑事事件で
逮捕された後や、大淀病院で産科医がマスコミに
不当に悪者扱いされた後は、
更にお産ができない病院は減っています。

で、お産はできないけど、産婦人科医はいる病院とか、
診療所っていうのは、結構あるんですよ。

そういう所は何をやっているか、っていうと。
お産以外の、不妊症とか、産婦人科系の病気を診たり。
それ以外に、妊婦検診なんかもやっているんですよ。

そういった、自分の所ではお産はできない病院
診療所にかかっている妊婦の場合。
何か緊急事態があったら、この病院に行って。
っていう、提携病院、みたいなのがあるんですよ、普通。


だから、この妊婦の場合。
もし、かかりつけ医がいたら。

元々、お産が出来る病院かかりつけ医だったら、
すぐにその病院に搬送されたでしょうし。
もし、お産ができない病院診療所かかりつけ医でも、
そんなに時間がかからないで、
提携する病院に搬送された可能性があります。

胎児助かったかどうかは、また別の問題ですけどね。


たられば、を言ってもしょうがないので。
ここでは、この「かかりつけ医」に関して。

最近、別の話で「かかりつけ医」って名前を
聞いた事のある人も多いんじゃないですか?


そうです。

後期高齢者医療制度」ってところですね。

この記事が、わかりやすく書いてあったので、
ちょっと引用させてもらいますね。


負担と保険料
「後期高齢者(七十五歳以上)」は「上位所得者」が三割、
「一般」は一割と現行と変わりはないものの、
自己負担限度額が引き上げられることになる。

かかりつけ医構想
かかりつけ医に係る報酬体系の新設では、
①登録された後期高齢者の人数に応じた
定額払い報酬の導入
②後期高齢者におけるかかりつけ医の報酬は
出来高払いと定額払いを併用する。
これは、「心身の特性に相応しい診療報酬体系」
を名目に、診療報酬を引き下げ、
受けられる医療が制限される心配がある。

また、かかりつけ医の体制を強化すると謳っており、
医療機関に対するフリーアクセス
(いつでも、誰でも、どこへでも)の中の
「どこへでも」をある程度制限することにより
病診機能が明確になり、効率的な
医療が提供され、真に医療を必要とする人に
必要な医療が提供されるようになるとしている。

しかし、後期高齢者があらかじめ
かかりつけ医を選択し登録する方式は、
かかりつけ医以外の医療機関への
受診行動を制限することにつながり、
医療内容の劣悪化と医療差別を招く恐れがある。


「後期高齢者医療制度の問題点 その1」


要は、75歳以上の高齢者は、
最初に受診するのは、かかりつけ医だ。
それ以外の病院は駄目だ。
っていう、アクセス制限をかける、って話ですね。

これ、もうすぐ導入されますよ、この制度。
〇八年四月からですから。

そいで、今の日本は、医療費削減政策を行っていますから。
医療費減らすのに、一番手っ取り早いのは、
患者のアクセス制限ですから。

まずは、75歳以上の後期高齢者で、導入して。
どんどん年齢を下げていって、日本国民全員に
アクセス制限
をかけようとしているんですよ。
政府のお偉方は。

かかりつけ医とか、総合医って言葉、
やたら聞きますよね、最近。
患者のアクセス制限をして、医療費を削減
しようと思っているからですよ。

ついこの間までは、専門医、専門医
って言っていたのに、突然変わりましたよね、最近。
こういう理由なんですよ。

政府から出た情報を、マスコミは鵜呑みにして、
そのまま報道していますから。
騙されちゃ駄目ですよ。

お偉方は、金と権力を持っているから、
全く困らないのでしょうけどね。


この制度が導入されたら。
経済的な理由とかで、かかりつけ医がいない
患者が急変したら、どうなりますか?

今回と同じ様な事が起きるかもしれないんですよ。
良いんですか、それで。


奈良総合周産期母子医療センターとか、
そんな小さな問題ではないと思いますよ。
この問題の本質は。


この記事も参照にして下さいね!
「断ったつもりない」=病院と救急隊、
意思疎通不十分-妊婦死産・奈良

→ 『8月30日20時35分配信 時事通信』
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070830-00000174-jij-soci

他の医者のブログが読みたい人は、これを参考にしてね!
→ 『医者のホンネが丸わかり!』

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医学部定員増、最大245人?
私は以前から、このブログで、
日本は世界標準から見たら、
医者の数が圧倒的に少ないんだから。
医師不足なんだから、医学部定員を増員しろ。
って事を言ってきたのですが。
ほんのわずかですけど、医学部定員
増員される事になりましたね。

まあ、以前に書いた記事と、ほぼ同じ内容なので。
新たに決まった、ってわけではないんですけど。


全都道府県で医学部定員増 
年に最大計245人

深刻化する医師不足に歯止めをかけるため、
政府は、来年4月から大学医学部の入学定員
各都府県で最大5人、北海道で最大15人
増やすことを認める方針を固めた。
増員分の学生の入学金や授業料は
自治体が全額肩代わりし、卒業後は僻地(へきち)などの
病院や診療科を指定して9年間の勤務を義務付ける。

期間は10年間で、1年に
最大計245人の増員となる。
政府・与党が5月に発表した緊急医師確保対策の
一環で、国は都道府県に地方交付税を
増額する形で財政援助する方針。

医師不足が深刻な山間部や離島などの
医療圏や、産科、小児科などでの
医師確保が狙い。
ただ卒業までに最低6年間かかるため、
効果が表れるのはしばらく先になりそうだ。

計画によると、増員対象とする大学の
選定や人数、卒業後の勤務先については、
自治体の担当者や大学、医療関係者
でつくる都道府県ごとの協議会が決める。
学生には入学金と授業料の全額に加え、
生活費の一部を奨学金として支給。
卒業後に指定した医療機関で勤務できなくなった
場合は、全額を返還させる。

北海道の増員枠が多いのは医師
不足している医療圏を数多く抱えているため。

政府は、自治体別の増員計画とは別に
小規模な大学の増員枠も設定。
入学定員が80人に満たない大学について、
20人まで増員を認める。
現時点で対象となるのは、
横浜市立大と和歌山県立医大の2校。

同様の取り組みは自治医大(栃木県)が既に実施。
毎年2、3人が都道府県から奨学金を得て入学し、
卒業後に指定された病院に赴任しており、
今回の新たな増員について、厚生労働省は
「都道府県版の自治医大構想」
(医政局)と位置付けている。

医学部の入学定員をめぐり、政府は既に
今回の計画とは別に来春以降の10年間で、
10県の大学と自治医大の計11大学について
年間で最大10人ずつの増員を認めている。

自治医大以外はいずれも医師不足
深刻な地域にある大学で、卒業後は県内などでの
勤務を条件に奨学金を支給するが、
勤務先まで指定できないため、県庁所在地などの
都市部に卒業生が集中してしまうとの懸念があった。

医学部定員 
国は1970年代に大学医学部の新設や定員増を進め、
83年に「最小限必要な医師数」とする
人口10万人当たり150人の目標を達成。
その後は医療費拡大を抑えるため
定員削減に方針転換した。
しかし近年、過疎地や産科、小児科など
特定の診療科で医師不足が深刻化。
政府・与党は今年5月に6項目の
緊急医師確保対策を発表し、奨学金による
医師養成の推進などを重点項目に盛り込んだ。


「2007年8月24日:産経新聞」


でも、この記事にも書いてあるように。
医学部っていうのは、6年制ですから。
医学部定員が増えて、そいで医者になるまでに
最低でも6年
2年間研修医として働いて。
一人前までいかなくても、半人前になるまでに
後3年くらいはかかりますから。

最短でも、10年以上先の話なんですよ。
医学部定員が増えて、その人達が
医者として、戦力になるのって。

まあ、それでも、このまま医学部定員が減らされたまま、
医者の数が少ないよりはましなんですけどね。

後、10年持つか、って事はわかんないですけどね。
日本の医療が崩壊するまで。
とりあえずは、増えないよりは、まし。
ってとこでしょうかねー。


>1983年に「最小限必要な医師数」とする
人口10万人当たり150人


ってこれ、20年以上前の基準ですから。
今は、世界標準って言ったら、
人口10万人当たり300人ですから。
OECD平均では。

世界の人口当たりの医師数は、およそ2倍になっているけど、
日本の医師数は、3割くらいしか増えてない
って事っすよね。
そいで、2020年には、このまま行ったら
トルコや韓国、メキシコにも抜かれて、
OECDの国の中では、最下位になる、と。

参考:「医師人口比。日本、20年に最下位へ」

20年以上前の基準を、無理矢理今に当てはめて、
医者の数は足りている、としているんですけどね、
政府や、厚労省は。

医師不足自体を認めないで、ほんの少しだけ
医学部定員を増やして、お茶を濁す、と。

まあ、今まで自民党がやってきた、得意の先送りですね。

医者が足りないのは、特定の診療科
だけではないんですけどねー。

10年間、ほんの少しだけ医学部定員を増やしたら、
全てが解決するとでも思っているんでしょうか。
この人達は。


ところで、この新聞記事を書いたのが
誰なのかしりませんけど。

この数字、合っていますか?
私が素直にこの数字を読むと。

>来年4月から大学医学部の入学定員
各都府県で最大5人、北海道で最大15人


これで、46x5+15x1=245人
まあ、これは良いですけど。


>政府は、自治体別の増員計画とは別に
小規模な大学の増員枠も設定。
入学定員が80人に満たない大学について、
20人まで増員を認める。
現時点で対象となるのは、
横浜市立大と和歌山県立医大の2校。


だから、20x2=40人


今回の計画とは別に来春以降の10年間で、
10県の大学と自治医大の計11大学について
年間で最大10人ずつの増員を認めている。


今回の計画とは別に、って言ってるんですから。
10x11=110人

で、合計
245+40+110=395人

395人のような気がするんですけどねー。
今の医学部定員から比べると。

まあ、今回の増員で増える人数245人
って事は事実だから、これでも間違いではない、
とは思いますけどね。

でも、この記事の内容って。
2007.5.13に私が書いた記事、
「医学部に、へき地勤務枠」
と、ほぼ同じ内容なので。
今更、って感じも、しないでもないですけどね。


この時の自民党の丹羽総務会長のコメント。

>自民党の丹羽総務会長は12日、新潟市内での講演で、
「自治医大の制度を全国47都道府県の
国公立大などに拡大したらどうか。5人ずつ増やせば、
へき地での医師不足は間違いなく解消する」


って、何を根拠に、一都道府県に対して、
たった5人増やした程度で、全てが解消する。
みたいな、バカな事を、この記事では書いていない、
って事が救いでしょうかねー。

毎年、1000人増やしたって、
あと100年以上かかるんですけどね。
人口当たりの医師が、今のOECD平均まで到達するのに。
100年経ったら、OECD平均の医師は、
もっと増えているんでしょうけど。


大学病院の事情を知りたい人は、これ読んでね!
→ 
『「大学病院のうそ」 ~現役医師(Dr. I)が暴露する、大学病院の秘密』

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新厚生労働大臣は舛添要一氏
本日、8月27日。
安倍改造内閣の顔ぶれが決まりましたね。
一番の注目は、失言、弱者切り捨てで
物議をかもしだした、柳沢厚生労働大臣の後釜ですね。

さー、どうなったかなー。


<改造内閣>安倍内閣の顔ぶれ
「8月27日16時31分配信 毎日新聞」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070827-00000052-mai-pol

安倍改造内閣の新閣僚が27日、決まった。
官房長官に元通産相の与謝野馨氏(無派閥)を起用。
外相には元外相の町村信孝氏(町村派)、
財務相には元防衛庁長官の
額賀福志郎氏(津島派)が起用された。
新官房長官の与謝野氏が同日夕、
首相官邸で発表した第2次安倍内閣の
新閣僚は次の通り。

 ◇首相 安倍晋三
 ◇総務相 増田寛也(民間)
 ◇法相 鳩山邦夫
 ◇外相 町村信孝
 ◇財務相 額賀福志郎
 ◇文部科学相 伊吹文明(留任)
 ◇厚生労働相 舛添要一
 ◇農相 遠藤武彦
 ◇経済産業相 甘利明(留任)
 ◇国土交通相 冬柴鉄三(留任)
 ◇環境相 鴨下一郎
 ◇防衛相 高村正彦
 ◇官房長官 与謝野馨
 ◇国家公安委員長 泉信也
 ◇沖縄・北方担当相 岸田文雄
 ◇金融・行政改革担当相 渡辺喜美(留任)
 ◇経済財政担当相 大田弘子(民間、留任)
 ◇少子化担当相 上川陽子


ほーっ。
舛添要一厚生労働大臣ですかー。

安倍仲良し内閣って言われていた前回の反省を踏まえて。
安倍首相に批判的な事を言う人も、
閣僚に入れるかな、とは思っていたので。
何大臣になるかはわからないけど、
舛添要一は、閣僚に入るかな、
とは思っていましたが。
厚生労働大臣になりましたか。

まあ、今回の選挙。
年金問題が、一番の争点だったので。
厚生労働大臣が、世間でも注目されてるし。
知名度もある、舛添要一を器用したのは、
無難って言えば、無難なところでしょうかね。

昔から自民党にいるわけではないので。
官僚とのしがらみがない、っていう意味では良いので。
天下り先の問題とか。
そういうのは、期待できると思うんですけど。

基本的には、小泉前首相の弱者切り捨て、
改革路線
の人間ですからねー、彼。
医療費削減政策が変更される可能性は、
低いでしょうかねー。


一応、母親の介護がきっかけで政界入りした。
って本人は言っていますから。
介護とか、医療とかの事を良く知って貰って。
医療費削減政策が変更されることを
期待しましょうか。

東大の助教授まで行ったエリートには無理かなー。
弱者の気持ちをわかるのは。

まあ、でも。
厚生労働大臣、柳沢氏よりは、ましでしょう。


しっかし、この内閣の顔ぶれ。
なんというか。
昔の自民党チックと言うか。

各派閥のトップを集めて。
ベテラン揃いだから、
失言とかは少ないかもしれないけど。

これじゃあ、安倍傀儡内閣って言うか。
元々安倍首相の存在感、あんまりなかったけど。
ますます、存在感なくなっちゃいましたねー。


ついに復活。
期間限定でダウンロードできた、
あの大好評だった無料レポートが再登場!!!
医者のホンネを知りたいって人は、これを読んでね!


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モンスターペイシェント3
モンスターペイシェント」に関して、
いろんな方達から、たくさんの意見を頂きました。
貴重なご意見ありがとうございました。

「モンスターペイシェント2」の記事に関して。
コメントが長くなったから、記事にした。
って事もあるんですけどね。
口調はともかく、多かれ少なかれ、彼と同じ様な
事を考えている一般の人達もいるだろうな。
って思って、敢えて記事にしたんですよ。

少し、コメント欄が荒れてしまいましたけど。
もっと建設的な意見が交換出来れば良いな。
って思っています。

そいで、本文やコメント欄で書いていた、
8/20読売新聞の記事。
これも、「モンスターペイシェント」関係なんですけどね。
これについて、私の意見を書いていきますね。


モラルを問う
暴力封じへ 病院一計
入院時に誓約書/警察OB配置

一部の患者からの暴力や暴言が増えている問題で、
全国各地の病院が、医師や看護師を守るための
対策に取り組み始めた。
非常警報ベルの設置などハード面の整備に加え、
暴力に及んだ場合には退院を約束する
誓約を患者側と交わしたり、
警察OBに危機管理を委ねたりする所も。
一方で、職員が不適切な言葉遣いを
していないかどうか、点検する病院もあり、

識者は「病院側も患者側の不満を受け止め、
信頼関係を築く努力が必要」と指摘している。

医療問題に詳しい飯田英男弁護士(68)の話 
「暴力に対し、ただちに警察に通報するような
対策はもちろん必要だが、
それだけでは問題は解決しない。
医療過誤や病院の不十分な説明に対する不信が
患者側に蓄積し、暴力や暴言を引き起こしている。
病院側は、患者本位の医療は何なのかを
見つめ直し、情報公開を進めて誠実な
医療を行うことで、患者側のモラル向上を
促すことができるのではないか」


読売新聞、2007年8月20日から抜粋


以前の記事にも書いたように。
モンスターペイシェント」って言葉は、
まだ一般には認知されていませんけど。
理不尽なクレームをつけたり、暴言、暴行
行ったりする患者患者の家族の事です。


ここで問題になるのは。
モンスターペイシェント」が出るのは、
病院医者が悪いからだ。
って論調です。

この読売新聞の記事でも、
識者とか、医療問題に詳しい弁護士とかを出して。
モンスターペイシェントのモラル低下は、
病院の責任だ。
みたいな論調で書いていますけど。

医療問題に詳しいんだかなんだか知りませんけど。
少なくとも、医療現場の事は全然知らないであろう、
弁護士が、知った風な事を言って。

医療過誤や病院の不十分な説明に対する不信が
患者側に蓄積し、暴力や暴言を引き起こしている。


って言っていますけどね。
本当に、これ、病院が悪いんでしょうか。

マスコミ医療ミスじゃない、合併症とかを、
医療ミスだ、医者が悪い、って偏見
新聞記事を書いたり、テレビで報道したりして。
そいで、患者病院医者に対する不信感を
持っているのではないですか。

もちろん、病院の説明不足や医療過誤も、
ないわけではないですから。
全部が間違っている、って訳ではないのですけど。
でも、もっと大きいのは、明らかに
マスコミの偏見報道の影響だと思いますけど。


それと、今回の記事では出ませんでしたけど。
その前の読売新聞には、こう書いてありましたね。

待ち時間が長いから、患者も怒る。
みたいな事を。

待ち時間が長いのは、本当に病院のせいですか?

日本の人口当たりの医師は、先進国中最下位
そいで、患者の数約5倍いるんですから。
日本の医者は、他の先進国の
7~10倍くらいの患者を診ているんですよ。

そんなに患者診たら、少し待ったっとしても
やむを得ない面はありませんかね。

待ち時間が長い、って言ったって。
予約も何もせず、軽症の患者でも。
1~2時間位ですよね。

イギリスとか、他の国でも。
何日も、何週間も。
下手したら、何ヶ月待ち、って事だってあるんですよ。
先進国で、医者の数も日本より多くって。
患者の数も少ない国でさえ。

それでも、病院が悪いんですか?

医者の数が少ないのは、
政府医師数削減政策をとっているからですが。
それは、病院が悪いんですか。
それとも、医者のせいですか?


説明不足に関してもそうです。

内科外来って、患者50人とか来るんですよ。
朝9時から午後1時までの、午前の枠で。
30分に6人で、4時間で48人ですよ。
そしたら、1人当たり平均5分です。
それも、患者が入ってきて、服を脱いで。
今度の予約を取ったりとか。
診察と関係ない時間を合わせて5分です。

待合室に呼びに行って、いない患者とか
そういうのがいたら、もっと時間かかるんですよ。
実質3分って所ですよ。
外来の診察時間。

これで、説明不足、って。
それは、医者の責任ですか。
30分かければ、できますけど。
そしたら、他の患者5、6時間待ち
とかになりますけど。
それでも良いのですか。

アメリカみたいに、一時間で4人とか。
そういう予約制にしますか?
医者は、大歓迎ですよ。
そしたら、1~2時間待ちじゃなくって。
何日何週間か待ちますけどね、患者は。


患者の待ち時間が長いとか。
医者の説明不足とか。
全部とはいわないけど。
ほとんど医者病院のせいにする論調は、
おかしくないですか。


はっきり言って。
モンスターペイシェント問題で。
一番の原因は、患者モラル低下です。
患者の要因です。
その原因で大きいのは、教育の問題
それと、マスコミの偏見報道による
患者の勘違いですよ。

待ち時間に関しては。
一番大きいのは、政府医師数削減政策
そして、医療費削減政策をする事によって、
病院の数も減らそうとしていますから。
ベッド数は、実際、減っていますし。

政府が悪いんですよ。
患者の待ち時間が長かったり、
医者が説明する時間が短いのは。

病院が出来る対策も、
全くないわけではないですので。
できる範囲ではやるべきなので。
もちろん、多少は病院にも問題ありますけど。
割合としては、かなり小さいと思いますよ。


それと、もう一つ。

金払っているんだから、患者は客だ。
医療サービス業なんだから、
客の言うことを聞くのは当然だろ。
って態度ですよね。
モンスターペイシェントは。

モンスターペイシェントまではいかなくても、
ちょっとしたクレームとか言う患者や。
クレームはつけないけど、
そう思っている人も多いですよね。
マスコミの論調もそうですけど。

でも、これ間違っています。


マスコミや患者が勘違いしている事として。
医療サービス業だ。
って事に関してなんですけど。

これは、間違いだと思いますよ。

Q、病院は、どちらに近いですか。

A,警察、消防
B,映画館、デパート

って答えるでしょ、皆さん。

病院っていうのは、警察消防なんかと同じ。
国民が生活する上で、
なくてはならないものなんですよ。


医者看護師の愛想が悪い。
とかって、言う人いますけど。
確かに、他のサービス業の、デパートの定員とか、
そういう人達に比べたら、愛想悪いかもしれませんけど。
警察官消防隊員より、愛想悪いですか?
私には、そうは思えないんですけど。

総務省のHPにも書いてありますけど。
参照:「総務省HP,日本標準産業分類」

日本標準産業分類(平成14年3月改訂)
日本標準産業分類の変遷と第11回改訂の概要

2) 「医療,福祉」及び「教育,学習支援業」
L-サービス業は,全産業の事業所数,
従業者数の約4分の1を占め,
各種経済活動が混在していることから,
産業の実態をより明確にするため,
医療,福祉に関する分野は,
介護福祉に係る新産業の出現・多様化等に伴い,
産業規模が拡大していることから,
L-サービス業から分離して,大分類を新設。



総務省医療福祉に関する分野
要は、病院はサービス業じゃない
って言っているんですよ。

残念ながら、平成14年の改訂でそうなったので。
その前までは、医療サービス業
って言っていたのですけどね。
政府、及び総務省は。

だから、国民やマスコミが今でも勘違いしている
一番の原因は、政府なんですけどね。

でも、病院医療サービス業じゃありません
今は、政府、総務省もそれを認めていますから。
もし、知らなかったのであれば、
これからは、きちんと認識するべきですよ。


そんな訳で。
モンスターペイシェントに関して。
病院医者看護師側にも全く責任がない。
とは、言いませんよ、私は。
だから、できる範囲で改善すべき点は、改善すべきです

しかし、割合としては多くないですから。
全部改善されたとしても、おそらくモンスターペイシェント
問題は解決しないでしょう。

でも、それをほとんど病院医者の責任だ。
って言うマスコミの論調は、
間違っていると思います


前回のコメントにも頂きましたけど。

>信頼関係が増せば、クレームも減るのではないでしょうか。

これは、全くその通りです。
しかし、1人の患者に対して3分しかなければ、
それは非常に難しくないですか?
3分でも信頼関係が築ける人もいますけど。
多くは、時間がかかると思いますよ。


学校でのモンスターペアレント問題では。
学校や教師のせいにする論調は少ないのに。
モンスターペイシェント問題で、
患者のモラル低下は、医者病院のせい。
って論調は、偏見が入っていませんかね。

それよりも、マスコミが間違った報道を
した事によって、患者が勘違いしている

って事の方が、大きいと思います。

マスコミは、それを自覚して報道すべきです。


医者のホンネを知りたい人は、これを読んでね!
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モンスターペイシェント2
「モンスターペイシェント」のコメント欄に、
貴重なご意見を頂きました。

モンスターペイシェント」って言葉は、
まだ一般には認知されていませんけど。
理不尽なクレームをつけたり、暴言暴行
行ったりする患者患者の家族の事です。

何か、勘違いをされておられるようで。
ちょっと返答が長くなるし、他にも言いたい事があったので、
コメントの返信を兼ねて、記事にさせていただきます。


―――コメント、ここから。

お前ら、影に回って愚痴愚痴カッコワルイぜ

新潟のダガシというもんだ。
お前らの言うこと聞いてると、ツカレルぜ。
陰にまわってグチグチと。…怒らせるな!

クレーム言われるのが、そんなに嫌なのか?
それは我儘ってもんなんだよ。
商売にはクレームがあるのは当たり前だし、
クレーム受けることで客も業者も、
ある意味で成長してゆくんだよ。
そういうこと分からないみたいだなあ。
馬鹿どもが!

医者だ看護婦だと、何様のつもりだ?
そんなに仕事するのが嫌だったら辞めろ。
グズグズ言ってないですぐ辞めろ! 
迷惑だ。潔くないぜ。

お前らはもしかして、医療は商売じゃない
って思ってるのなら、それはゴウマンな考え方だからな。

じゃあ、何をやってるんだ? 
結局、金だろ? 
タダでやるわけじゃあ、ないだろう? 
少なくとも、自分の給料下げられる話になると、
お前らはギャアギャアわめくだろ?

今までのお前らの言い草聞いてれば、
こういう所に書き込んでる医者と看護婦の
奴らの仕事ってのは、…金と、ちっぽけなプライドと、
ヒマ潰しで、医者や看護婦やってるんじゃないのか?
自覚しろよ!

無神経な患者も大勢いるらしいが、
俺から見れば、自分を振り返ろうとしない
無反省なお前らは、馬鹿で無神経な患者
同類に見えるぜ。
わきまえろ!

じゃあ、どうすればいいか、一つ教えてやる。
理不尽な要求されたら、陰にまわって
グチグチ言ってないで、馬鹿な患者
立ち向かえばいいんだよ。
 
理不尽なこと言う奴に、
一人の人間として、怒れよ。
怒りを表明しろよ。
それが、スジミチってもんだよ。

そしてそれが、馬鹿なお前らにとっても、
馬鹿な患者にとっても、
目を開かせるキッカケになるんだよ。

ただなあ、それをするためには、自分自身が、
一人の人間として、立ってなけりゃならないぜ。
少なくとも立とうとし続けなけりゃならないぜ。
その自覚が、お前らにあるかなあ。

でも、いいか、やれよ。やってみろよ。
じゃあな。


しつこいようで失礼。
言い足りない事があって。
私は、内輪ウケと楽屋ウケってのが、
いっとうカッコワルくて醜いと思ってる人間です
(ちょっと興奮冷めたから普通の社会人の
言葉遣いになってしまってるけど)。

あなた達も、自分の知り合い以外の、
外に向けて、そして理不尽な要求してくる
相手自身に向って、立ち向かってほしいのですよ。
以上。


―――コメント、ここまで。


新潟のダガシさん。
まず、根本的に間違っておられるのは。
これは、インターネットに載って、
世界中に発信しているブログ
ですから。

このブログは、毎日何千人もの人間が読んでいますし。
今までのアクセス数は、百数十万アクセスです。
新聞にも、4回載っています。

内輪のものではないし、影に回っているつもりもありません。


クレーム言われるのが、そんなに嫌なのか?

ここで問題にしているのは、「単なるクレーム」ではなく、
理不尽なクレーム」や暴言、暴力を行う
モンスターペイシェント」に関してです。


>商売にはクレームがあるのは当たり前だし、
クレーム受けることで客も業者も、
ある意味で成長してゆくんだよ。


あなたがおっしゃっている通り、
クレームというのは、こちら側に否がある場合もあるし、
それを改善するために、為になる事もあるので。
そういうクレームを聞いて、成長していく事があることはわかります。
しかし、今回は、「理不尽なクレーム」や暴言、暴行ですから。
それと、今回の件とは全く別の物です。


医療は商売じゃない

これに関しては、意見が分かれる所です。
確かに患者からお金を貰っていますけど。
クレームを何回もつける客を出入り禁止にするとか。
お金を払わない、(自称)客を店(病院)に入れない、
診察しない、って事は、医者はできないんですよ。
法律で。
これを、「医師の応召義務」って言います。

自由診療で、お金を自由に設定しても良く。
都合の悪い客(患者)は診なくて良い、自由診療ではなく。
我々が行っているのは、ほとんど保険診療ですから。

あなたが言っているような、完全な商売とは異なります。


>じゃあ、どうすればいいか、一つ教えてやる。
理不尽な要求されたら、陰にまわって
グチグチ言ってないで、馬鹿な患者
立ち向かえばいいんだよ。


これは、その通りですね。
前回の記事に、結論として書くのを忘れていました。
私も、患者暴力を振るわれた事がありますが。
その時も、あまり問題にしない方が良いかな、
って思って警察沙汰にしませんでしたけど。

やはり、こういう時は、警察を呼ぶべきでしょうね。
あなたが言うように、立ち向かったら、
単にけんかになるだけですから。


>怒りを表明しろよ。
そしてそれが、馬鹿なお前らにとっても、
馬鹿な患者にとっても、


あなたは怒ると、目を開かせるキッカケになるんだよ。
とおっしゃっておりますが。
それは、ありませんね、ほとんどの場合。

患者が怒って、それに医者も怒る場面を
何度も見ていますけど。
それで、患者医者も目を開くきっかけになる
事はありません。
単に、お互いの怒りがもっと増すだけですので。


>私は、内輪ウケと楽屋ウケってのが、
いっとうカッコワルくて醜いと思ってる人間です
あなた達も、自分の知り合い以外の、
外に向けて、そして理不尽な要求してくる
相手自身に向って、立ち向かってほしいのですよ。


私も内輪で言ったりするのがあまり好きではないので。
こうやって、ブログで世界中の皆さんに公開して
何千人、何万人の方に読んでもらっているのですよ。
このブログ医療関係者もたくさん見ていますけど。
あなたのように、医療関係者以外の一般人も
たくさん読んでおられます。

ですから、あなたの言うように、
外に向けてブログを発信しているんですよ、私は。

私のブログが一般の人向けって事は、
以前の記事を見ればわかりますので。
是非、そちらもご参照下さい。


今日は、ホントは8/20の読売新聞の記事に関して。
これも、「モンスターペイシェント」、患者暴言、暴力
関しての記事なんですけどね。
ちょっと偏向報道があったので、それに関して
書くつもりだったんですけどね。
長くなったので、また今度の機会にしますか。


医者のホンネを知りたい人は、これ読んでね!
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モンスターペイシェント
患者からの医療従事者への暴力について、
8/19の読売新聞に記事が載っていましたね。

最近、学校の先生に不当なクレームを言う親の事が、
モンスターペアレント」って言われていて。
マスコミなんかでも報道されて、問題になっていますけど。

まだ、モンスターペアレントほど認知されていませんけど。
病院などで不当なクレームや要求をしたり、
暴力をふるったりする人の事を
モンスターペイシェント」って言います。
直訳すると、Monster patient(怪物患者)
って事になりますかね。

病院の場合は、患者本人がクレームをつける場合と、
患者の家族がクレームをつける場合と、
半々くらいあるので。
厳密に言うと、モンスターペイシェント
って言う言葉は当てはまらない場合もあるんですけどね。

両方含めて、最近ネット上では、
モンスターペイシェント」って呼び方で呼ばれています。
モンスターペアレントのように、マスコミで
認知されるかどうかはわかりませんけどね、
モンスターペイシェント」って言葉が。

そいで、そのモンスターペイシェントに関しての
8/19、読売新聞の記事がこちらです。


横暴患者に大学病院苦悩、
昨年は暴力430件暴言990件
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070819-00000001-yom-soci

全国の大学病院で、昨年1年間に医師、看護師が
患者や家族から暴力を受けたケースは、
少なくとも約430件あることが、
読売新聞の調査で明らかになった。

理不尽なクレームや暴言も約990件確認された。
病気によるストレスや不安が引き金となった
ケースも含まれているが、待ち時間に
不満を募らせて暴力に及ぶなど、
患者側のモラルが問われる事例が多い。

回答した病院の約7割が警察OBの配置などの
対策に乗り出しており、「院内暴力」の
深刻さが浮かび上がった。

調査は、先月から今月にかけ、47都道府県にある
79の大学病院を対象に行い、
59病院から回答があった。
このうち、何らかの暴力あるいは暴言があった
と回答した病院は54にのぼる。

暴力の件数は約430件、
暴言・クレームは約990件。
暴力が10件以上確認されたのは6病院
暴言・クレームが50件以上あったのは5病院だった。


「2007年8月19日:読売新聞」


やっぱ、「モンスターペイシェント」って言葉は、
新聞ではまだ使われていないようですねー。

患者患者の家族からの暴力の数については、
正直言って何とも言えないのですが。
暴言、クレーム数については、明らかに少なすぎますね、これ。
モンスターペイシェントなんて、
どこの病院にもたくさんいますから。

59病院で一年間に990件ですから。
病院当たり、一年間で17件
一ヶ月に1~2件って事ですよね。
暴言や理不尽なクレームが。

病院にもよるのですけれど。
大学病院って、おおざっぱに
ベッド数1000床位あって。
そいで、20位ありますよ、普通。

外来は、20の科が、それぞれ数人、
担当の先生がいます。
だから、毎日50人とか、もっと多くの
医師が外来を担当しているんです。
1人の医者20人診たとしても、
1日当たり、1000人患者になりますかね。

土日、祝日は休みだから、一年365日のうち、
250日くらいですか、診療する日は。
毎日1000人患者を、250日診たら。
延べ人数は25万人ですか。

そいで、入院患者1000人x365日ですか。
各科で、毎年入院患者は1000人ちょっと、とか。
その位だったと思うので。
入院患者2万人位ですか、20科で。
入院患者の場合は、家族がたくさん来るので。
患者以外にも家族からのクレームも入れたら、
その何倍の人数にもなりますけど。

あくまで、ざっと計算した人数だし。
病院などにもよって、全然違うんでしょうけど。
ざっと計算して、一年間で数十万人患者
家族を入れたら、下手したら100万人とかいく
病院もあるんでしょうけどね。

病院当たり、延べ数十万人患者で、
一年間で理不尽なクレームや暴言17件
1万人に1人以下しか、理不尽なクレームや暴言
言う人がいない、って事ですか。

はっきり言って、そんな訳ありません。
少なく見積もっても、その数倍~10倍以上はあるでしょう。

何十万人もの患者や、その家族がいて。
一年間で、一回もクレームや暴言暴力がなかった。
とか、そんな病院が59の大学病院のうち、
5つもあったとは、ちょっと考えにくいです。
おそらく、きちんとカウントしていなかっただけでしょう。

モンスターペイシェント1万人に1人しかいないなら、
こういう事が問題になるはずありませんから。


この新聞記事では、990件ってたくさんあるんだよ。
って事を、言いたかったのだとは思いますが。
患者の延べ人数当たりで言ったら、
理不尽なクレームや暴言を言った人数が
990件というのは、非常に少ない数字になってしまいます。


もっと、身近な例を出しましょうかね。
私の個人的な見解ですけどね。

私と同じ科(同門)で働いている医者とか。
同じ病院で働いたことがあって、
年齢なんかも近くて、比較的仲がよい医者
合わせると、まあ、100人位いますかね。
単に計算しやすい、って人数でもあるんですが(笑)

その100人の中で、患者患者の家族から、
直接暴力を振るわれた事のある人間は、
私を含めて、2人しかいません。

まあ、100人全員の過去を全部知っている訳ではないので。
必ずしもそれで全部、って訳ではないんでしょうけど。
患者から暴力を振るわれたら、ある程度話題にはなりますから。
それなりに親しい医者だったら、一応知っていると思うので。
今までに、患者患者の家族から暴力を振るわれた
医者の数は2人としましょうか。

一方、患者患者の家族から理不尽なクレームや暴言
を吐かれた人数は、といえば。
ほとんど全員になりますね、きっと。

医者を半年しかやっていない、研修医とか。
キャリア3年位の医者だったら、
まだない、って人もいるかもしれませんけど。
医者を5年、10年とか、それ以上やっていたら。
理不尽なクレームや暴言を一度も吐かれた事のない医者
なんてのは、ほとんどいないんじゃないですかね。

でも、今までに理不尽なクレームや暴言を、
何回も吐かれた医者ってのは、かなりの数がいると思います。
多分、一回だけじゃなく、何回も言われた事の
ある医者の方が多いのではないでしょうか。

今までに、一回でも患者患者の家族に
暴力を振るわれた事のある医者
 2人/100人

今までに理不尽なクレームや
暴言
を吐かれた事のある医者
 100/100人

って所ではないでしょうか。
下手したら、理不尽なクレームや暴言を言われた事、
に関しては、1人平均2回とかになるかもしれないので。
延べ人数だと。
 200人/100人

って事になるかもしれませんね。
10回や20回、理不尽なクレームや暴言
吐かれた医者も多いでしょうから。
平均したら、その位かもしれません。

まあ、甘く見つもっても

 暴力暴言100

くらいですよ、きっと。
まあ、あくまで私の個人的な例なんですけどね。

この読売新聞の記事だと。

 暴力暴言430990

うーん。
2倍ちょっとですか。
50倍とまではいかなくても。
どんなに少なくても10倍か、数十倍くらいでしょう、普通。

暴力、って言うのは。
誰がどう見ても暴力なので。
あまり間違える事はないのでしょうけど。

理不尽なクレームや暴言というのは。
あんまり、細かく数を数えていませんからねー、きっと。
どの程度のクレームが理不尽か、
っていう判定も難しいですしね。

今の時代、モンスターペイシェントは、
どこの病院でもいますから。
59病院で、理不尽なクレームや暴言990件
なんて、多い数字じゃないですよ、決して。

暴力430件は正しいとして、
最低でも、その10倍4000件以上
50倍だと、2万件
まあ、数千件~1万件以上理不尽なクレームや暴言
あると考えた方が良いのではないでしょうかね。


ちなみに。
大学病院というのは、一応、どんな患者でもかかれるのですが。
やはり、少し敷居が高いというか。
やっぱり、クレームを言う患者は、
大学病院民間や公立病院とを比べると。
大学病院の方が少ないですから。

暴言暴力を振るわれる可能性が少ない、
大学病院で、最低でもこの数字。
って事も、知っておいて下さいね!


モンスターペイシェント
今年の流行語大賞になるか?


大学病院について知りたい人は、この無料レポートを読んでね!

→ 『「大学病院のうそ」 ~現役医師(Dr. I)が暴露する、大学病院の秘密』

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医療事故で「遺憾の意を表する」
前回の記事『医療事故、謝罪マニュアル』に関して。
思ったより反響が大きかったようなので。
もう少し考えた事があったので、
それをについても書いていきましょうか。

医療事故」っていうのは、マスコミではよく
医療ミス」と混同して使われていますけど。

単純な医療ミスも中にはあるけど。
それ以外にも、合併症もあるし。
最初から、うまくいく確率が半々って説明して、
結果的にうまくいかなかっただけで。
別に失敗ではない事まで、医療ミス
って言われる場合もありますからね、下手したら。

しかも、医療ミスの中でも。
例えば、手術や検査で使っている器具が損傷した、とか。
医者の指示は的確だったけど、看護師や薬剤師、技師が
間違えた、って事もありますけど。
そういうのまで、何でも医者の責任にされる事もありますよね。

そういう事もあるので、
役人政治家企業の不祥事なんかとは、
一緒にできないのですけどね。
このマニュアルにあるように、

>隠さない、ごまかさない、逃げない姿勢が正しい

というのは、正しいと思います。


医療とは関係ないですけど。
つい最近も、「白い恋人」の石屋製菓が、
賞味期限の改ざんとか、
大腸菌がいる、ってわかっている食品を出荷したとか、
って問題になっていますよね。

これ、最初の記者会見で。
悪いのは、現場の部長で、単独犯だ。
他には、こういう事はない。

って社長は言っておいて。

また、後になってから。
10年以上前から常習犯だ。
社長も知っていた。

って、変わっていますよね、言動が。

これ、典型的な潰れる会社の社長のいい訳です。
個人的には「白い恋人」は、おいしいお菓子だと思いますが。
今の時代。
危機管理能力もなく、しかも言い分も変わる人間は。
客から信用されませんから。

雪印や不二家、ミートホープに続いて、
石屋製菓も潰れる事になるでしょうね。


医療事故の場合。
故意に体を傷つける、って事はないでしょうけど。
間違ってしまった、医療ミスが起こってしまった。
といった場合。
隠したり、ごまかしたり、言っている内容が変わったり、
という事をしたら、信用を失うって事は同じだと思いますよ。


そいで、やっと本題に入るんですけどね。
日本の医療崩壊が進んでいる原因の一つとして。
以前からこのブログで言っているように、
医療の方向性を決めているのが、
現場の事を知らない人間だ。
って事があげられると思います。

いわゆる、官僚とか役人ですね。
有識者会議とか言ったって。
政治家官僚達が、自分たちに都合の良い結論を
出そうと思って集めた人たちですからね、所詮。
そんなもの、何の役にも立ちませんよ。

医者の僻地義務化、とか言う前に。
まずは、そういう役人官僚が僻地に行って。
実際に現場で何年も働いて。
それから決めれば、変わるのだと思いますけどね。

もちろん、エリートコースに乗って、
地方に行って、ただ偉そうにしてるだけじゃなくて。
末端の現場の人間と同じように、
待遇も同じ様な状況で働いて、って事が前提ですけどね。

そいで、官僚とか役人は、現場の事を知らないで物事を決めて。
しかも、それが間違っていたとしても、
一切責任を取りませんから。
こういう弊害が起きているのですが。
そんな彼らにも、得意分野があります。

それは、「言い訳」や「すり替え」と、
自分たちの利権を守ること」です。


官僚役人政治家の不祥事とか。
そういうの、最近しょっちゅう
テレビなんかでも出ていますけど。
その時に、必ず彼らが言う言葉を思い出して下さい。

遺憾の意を表する

こう言ってませんか、彼ら。

なんか、堅苦しい言葉だけど、
これって一応、謝っているんだな。
って思っていませんか、皆さん。

それ、大間違いですから、残念!

何が違うか、って。
具体的に、辞書を引いてみましょうか。

●遺憾(いかん)の意(い)を表(ひよう)・する

残念であるという気持ちを表す。
〔補説〕 自分の行動を釈明してわびる場合にも、
相手の行動に対して非難の気持ちを表す場合にも用いる


参照:[ 大辞林 提供:三省堂 ]


補説では、釈明してわびる場合にも用いるって書いてあるから。
謝罪している、ってのも間違いではないかもしれませんが。

基本的に
「~をしてごめんなさい。」

って、謝っているのではなく。

「~をして、~になって残念だ。」

って事を言ってるんですよ、彼らは。
決して、謝ってはいないんですよ

自分たちが悪いことをした場合でも、
まるで他人事のように、「残念だ
って言ってるんですよ、彼らは。

正直、こんな事言ってるやつらの事を
信用したくないのですが。
でも、かれらは「言い訳」に関しては一流ですから。
医者も、これを真似しても良いのかな、って思います。


いわゆる不祥事とか、そういうのって。
原因は本人とかにあって、明らかに悪い事をして。
それでも謝っていない、という立場ですけどね。

医療事故の場合は、医療ミスではなくて、
合併症が起きて。
結果が残念な事になった。
という事もよくあるんですよ。

そういう時こそ、謝るのではなく
遺憾の意を表する
というのが、適切なんじゃないかな、って思います。


マニュアルをよく読むと、なんでも謝れ。
って書いてあるのではなく。

〈1〉過失の有無が不明な段階でも、分かる範囲で状況を説明し、
  責任があることを表明する
〈2〉遺憾の意を表する
〈3〉過誤が判明した時は謝罪する
〈4〉再発防止策を示す


って書いてありますもんね。
だから、これ。
医療事故、謝罪マニュアルってタイトルは不適切で。
医療事故での対応マニュアル、とか。
そんな感じの方が良いと思うんですけどね。

医療事故の多くは、医療ミスではなく、
単なる合併症とか、結果的に患者の思ったとおりに
行かなかっただけ、って事なので。
〈1〉、〈2〉の段階。
遺憾の意を表する段階までで、謝罪をする前の段階で、
ほとんどは終わりますから。


医療や医療訴訟について知りたい人はこれを読んでね!
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→ 医療の限界
小松 秀樹 (著)

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医療事故、謝罪マニュアル
他の方達も、ブログで取り上げられていますけど。
医療事故謝罪マニュアルを、社会保険連系列
病院で使う、って事になったみたいですね。


医療事故謝罪マニュアル」、社会保険連系列病院に導入へ

全国で52の社会保険病院を運営する
「全国社会保険協会連合会」(全社連、伊藤雅治理事長)は、
医療事故が起きた際、患者本位の姿勢で対応する方法を
示した米国の「医療事故・真実説明・謝罪マニュアル」を
グループ病院で実施することを決めた。

医療事故の際、患者側に十分な説明をしない病院
少なくない中、大手病院グループが
謝罪マニュアルの実施に踏み切るのは初めて。
謝罪マニュアル」は米国のハーバード大医学部の
関連16施設で用いられており、昨年3月に発刊された。
日本では同11月に翻訳されている。

同マニュアルは、医療事故が発生した際は、
隠さない、ごまかさない、逃げない姿勢が正しいと強調。
〈1〉過失の有無が不明な段階でも、分かる範囲で状況を説明し、
  責任があることを表明する
〈2〉遺憾の意を表す
〈3〉過誤が判明した時は謝罪する
〈4〉再発防止策を示す
――などの対応方法を具体的に示している。


「2007.8.14:読売新聞」

日本では、交通事故なんかの時でも。
「謝ったら、こっちが悪いって認める事になるから、
謝ったら駄目だ。」

って言う人もいるみたいですけどね。

基本的には、事故を起こしてしまったら、
まず謝るって事は大事な事だと思いますよ。
人間として。

感情のこじれから訴訟になる、って事は
交通事故だけでなく、医療事故でもある事だしね。

ただし、医療に関しては。
マスコミが、「医療ミス」だ、って報道するけど。
それは、「医療ミス」ではなく、「単なる合併症
って事も多いですから。
そこら辺の所は、難しいところですかね。


ちなみに、2007年7月のJAMIC JOURNAL
にも書いてあった事なんですけどね。

「謝るとまずいんじゃないか。」
って考える人もいると思うんですけど。
日本の裁判所の判例を遡ってみても、
謝罪によって判決が医療者側に厳しくなった、
っていうケースは限りなくゼロに近いです。


裁判所は過失があったかどうかを精密に
判断するので、むしろ、医療機関の誠実な
初期対応が評価されて、プラスに働く
事の方が多いそうですよ。


ところで、翻訳はこれなんですけどね ↓
「(ハーバード大学病院使用)医療事故:真実説明・謝罪マニュアル」

ちょっと、この記事の文章で「責任」っていう言葉が、
あいまいかな、って思いますね。
これに関して、「なんちゃって救急医先生
のブログが非常に良い事を書いてあったので。
それも引用してみましょうかね。


参照:「謝罪マニュアル中の「責任」とは」

「責任」という言葉の独り歩きが、
最も懸念されます。
一般に、医療事故で、「責任」という言葉を使う場合は、
それは、「過失を認めて賠償を行い、謝罪をする」
という意味に解釈されるのが、一般社会の中での
平均的な解釈だと私は思っています。

つまり、この平均的解釈の中で、〈1〉を読んだ場合は、
医療の中で起きた悪しき結果は、すべて、
医療者側が賠償をおこうなうべきだ」
と解釈する人も出てくると思われます。
 
〈1〉について原文をもとに補足解説をしておきたいと思います。 
以下は、原文の該当箇所の引用です
少し考えてみると、医師が有害事象に関して
まったくなすすべがないような状況において、
その事故に責任を負わなければならない
というのは変なことに思われるかもしれません。
このような場合、責任をとるということは
単に罪過を負うということを
意味しているわけではありません。

おそらく多くの要因が医療事故に関わっており、
その要因の多くはだれにも統制できないものです。
しかしながら、医療チームのリーダーとして、
医師は当該の患者さんに医療を提供する
医療システムになくてはならない部分です。

患者さんやご家族が、医師医療行為に
責任がある人物であると考えることは理解できます。
患者さんは、主治医に気遣いや慰めを当てにしており、
物事を自分たちのためにうまく動かしてくれる
と期待しています。
患者さんは、だれかが責任を持って
状況を統制していることを知りたいと考えているのです。

医師病院幹部が医療事故の責任を負うときには、
将来の行動に対する責任を受け入れているのです。
すなわち、医療事故の原因を見つけ出そうと試みたり、
患者さんやご家族に情報を伝えたり更新したり、
そして有害事象の合併症を監視したり管理したりします。
彼らは、将来に同様な医療事故が他の患者さんに
起きるのを予防するために、可能なことは
何でも行なうという病院の責任について知らせます。

もし医師が有害事象に直接関わっていたならば、
その医師は自分自身の役割に対して
責任をとらなければなりません。
しかし、また、有害事象が起きるのを助長した
システム上の要因についても説明するでしょう。
しかしながら、「システム」を非難すべきではありませんし、
「システム思考」のような専門用語を責任の回避を
するための言い訳に用いてはなりません。

いかがでしょうか?このマニュアルの中で述べられている
病院の「責任」とは、一般社会の中で普通に使われている
「責任」とは、ちょっと違うと思えませんか?
私には、「患者や家族から逃げずに、
病院として真摯に話し合っていきますよ」
という意思表示のことを「責任」と表現しているように思えます。



私も全くその通りだと思いますね。
最初に謝る事自体は、悪い事ではないと思いますが。
謝罪=「全部、医者のせい」、って訳ではありません。

冷静にこの文章を読めばわかる事なんですけどね、
〈1〉過失の有無が不明な段階でも、分かる範囲で状況を説明し、
  責任があることを表明する


って書いてあるんですから。
過失がない場合もあるんですから、もちろん。


ネット上には書いていませんけど。
読売新聞の本物には、こうも書いています。

マニュアルに従って行動したことで、
米国ミシガン大学と関連施設では、4年間に
訴訟やクレームの件数が56%減少し、
訴訟費用も1/3に削減されたという。
訴訟になった場合でも、謝罪した事を法廷で
医師に不利にしないよう州法で定めた州もある。



ここ、結構大事です。
>訴訟になった場合でも、謝罪した事を法廷で
医師に不利にしないよう州法で定めた州もある。


これ、「Sorry Low」って言います。
最初は2000年頃に、アメリカのつの州で採用されたんですが。
事故発生時の謝罪を過失の証拠として採用しない、って法律です。
現在は29の州で立法されているんですけど。

日本でも、こういう法制度が整備される事が必要だと思いますね。


医者のホンネが知りたい人は、これを読んでね!
→ 『医者のホンネが丸わかり!』

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加古川心筋梗塞事件、判決文4
「加古川心筋梗塞事件、判決文3」の続きです。
さんざん引っ張っちゃったけど。
ここが、加古川心筋梗塞事件の裁判での
一番の問題点だと思います。

○問題点1

致死的不整脈(心室細動)がいつ発生するか

「加古川心筋梗塞事件、判決文」によると、

>認定の医学的知見及び調査嘱託の
結果によれば,急性心筋梗塞患者を受け入れた
専門病院としては,PCIが実施されるまでの間,
CCUにおいて効果的な不整脈管理がされ,
致死的不整脈が発生すれば,
速やかに除細動などの救急措置が
行われたであろうということができる。
すなわち,本件注意義務が尽くされていれば,
14時25分心室細動が発生したのに
電気的除細動さえもされないという
最悪の事態を避けることができたはずである。


この裁判官は、14時25分心室細動が発生した
って断定していますけど。
モニターがついていたのか、ついていなかったのか
はっきりしないので、この点はなんとも言えませんが。

100歩譲って、この裁判官の言う通り、
モニターがついていなくって、
この段階で心室細動になったとしますか。

でも、裁判所が認定した時間経過を見ても、

>14時25分,救急車到着。本件患者は,
内科処置室の被告病院のストレッチャーの上で
点滴を受けており,意識は清明。

14時30分,救急車のストレッチャーに移す際に
意識喪失,呼吸不安定。
ストレッチャーに移された直後に徐脳硬直が見られた。


って書いてあるんだから。
普通に考えたら、14時25分には意識清明って
書いてあるんだから。
心室細動になったのはここじゃなくて。

>14時30分,救急車のストレッチャーに移す際に
意識喪失,呼吸不安定。
ストレッチャーに移された直後に徐脳硬直が見られた。


のところでしょ。

これが心室細動の症状だとしたら、
心室細動になったのは、この裁判官が言っている
14時25分ではなくて、14時30分です。
これだけで、この裁判官が文章をちゃんと読んでいないか、
心室細動ってどんなものかわかっていないか、
のどちらか、って事が推察されます。

でも、これ。
例えば、この裁判官が言っているように、
12時40分頃患者が病院に来て心電図撮って。
すぐに搬送を依頼して、他の病院に送ったとしても。
「必ず、14時30分に心室細動になった。」
って、証明できるんですか?

むしろ、それより。
>救急車のストレッチャーに移す際に 意識喪失,呼吸不安定。
ストレッチャーに移された直後に徐脳硬直が見られた。


って言っているんだから。
もっと前に、救急車での搬送を依頼して。
そいで、ストレッチャーに移して救急車に乗せようとしたら、
心室細動になった
、とかって事はないんですか、絶対に。

患者の体を移そうと思って、その時に
ストレスがかかって心室細動になった。
もしくは、心筋梗塞とは全く別の、
大動脈解離があって、大動脈が破裂した、とか。
脳出血がその時に起こったとか。
心臓にあった血栓が飛んで脳梗塞になった。
下肢の静脈にあった血栓が飛んで肺梗塞になった。

そういった可能性は、全くないんですか?

何があったとしても、どんな事があったとしても、
14時30分(25分)に心室細動が起きる、
って断定できるんでしょうか、この裁判官。

そんな事を証明できる人間は、世界中探したって、
どこにもいないんですが。

「加古川心筋梗塞事件、判決文3」でも書いた通り、
心室細動になったとしても、助からない可能性も
あるんですけどねー。


○問題点2

生存確率

更に、あと500歩くらい譲って。
当直医(看護師)はモニターもつけていてないし。
搬送が遅れたのも、当直医の責任だったとしますか。

それでも、この患者が生存できた可能性は
90%なんでしょうか、本当に。

私は、この裁判官の論理はおかしい、と思います。

森功って医師が、この裁判では鑑定していて。
その医師は、なんか問題のある鑑定医らしいのですが。
少なくとも、この裁判に関しては、
基本的には、問題ないと思います。
ですから、この内容を使って、説明していきましょうか。

>再灌流療法導入以前の院内死亡率は
20パーセントであったのに対し,導入後は
10パーセント又は5パーセント前後へと減少しているとされる。


再灌流療法っていうのは、何度も出ている
PCI(経皮的冠動脈形成術)って事と同じです。
再灌流療法導入以前の治療っていうのは、
内科的治療を行った場合って事です。

医学用語の解説なんかについては、
「加古川、心筋梗塞事件」
「加古川、心筋梗塞事件2」
なんかも読んで、参考にして下さいね!


前にも書いた事ですけど。
最近の心筋梗塞では、病院に運ばれた後
PCIを行えば、生存率は90%位
逆に言うと、死亡率約10%って事になります。
心筋梗塞で亡くなる方は、病院に来る前に
亡くなっている方が比較的多いので。
病院に来る前に亡くなる方が10%弱ってとこです。

で、この鑑定にも書いてありますけど。
PCIをしなかった場合。
内科的治療の場合、院内死亡率は約20%です。

この当直の先生。
心筋梗塞って診断して、内科的治療である点滴の治療をして。
いろいろな病院に電話して、結局時間がかかって
70分経っていますけど。
70分の間、裁判では認定されていませんけど、
いろんな病院に電話をかけて。
そして、内科的治療も行っているんですよ。

ここ、ポイントです。

心筋梗塞内科的治療を行った場合。
現在の医療では、院内死亡率20%
PCIを行えば、院内死亡率10%

だから、裁判では認定されていませんけど。
他の病院に電話をかけたりして70分の時間が
経ったのではないとしても。
内科的治療を行って、結果的に残念ながら
患者が亡くなっているわけですから。

死亡率10%が20%になっただけですよ。
この裁判官の理論で言えば、
20-10=10%ですよ。
助かった可能性は。

この患者は死亡したのだから、死亡率100%
だから、
100-10=90%
なんて数字はどこにも出てきませんよ。


この理屈が通るんだったら。
心筋梗塞患者PCIを行って、
患者が不幸にも亡くなりました。
って事ありますよね。
10人に1人位は。
死亡率10%なんですから。

その時に、内科的治療だったら死亡率20%なんだから。
100-20=80%
の確率で助かったはず。
とか、わけのわからない理屈が通用する、って事ですよ。

心筋梗塞の治療はPCIだ、ってほざいておきながら、
こんな理屈が通ってしまうんですよ。
この裁判官の理屈が通るなら。
明らかにおかしいでしょ、それ。

何やったって、結局患者が亡くなったら。
それが、病気で亡くなったとしたって、
死亡率は結果的に100%なんだから。
どんな事したって、医者が負けるって事になりますが。


裁判官は、医師の鑑定書がなければ判断できない。
って確かにそうですけどね。
鑑定書の意見を、自分の理屈でめちゃくちゃに
都合の良いように変えちゃって良いんですか?


全く意味がわかりません。

仮に、この当直医に過失があったとしても。
この裁判官の言う通り、モニターも最初からつけていなくって。
他の病院に電話をかけて、搬送が遅れたのでもなく。
死因は、大動脈解離、大動脈破裂、脳出血、脳梗塞、
肺梗塞など、他の病気ではなくって。
房室ブロック、心破裂、心原性ショックでもなく。
心筋梗塞による、心室細動で。
心室細動は、電気ショック(DC)をかければ、
100%救命できる、としても。

この当直医の過失割合は、10%なんじゃないでしょうか。


>原告の請求額がすべて認められている


っていのうは、やはり問題だと思いますが。


それ以外にも、モニターの装着に関しての判断でも。

>「Z医師は,問診後,継続的なモニタリングを
していたと主張し,Z医師の証言,
診療録の記録および診療報酬請求書にも,
その主張に沿う部分がある。

しかしながら,診療報酬請求書の記録によると,
これは本件患者来院時間から死亡時間までの
時間すべてに相当するものであって,
実際に装着していた時間を記録したものとは考えにくく,
後になって来院した時刻と死亡した時刻をもとに算定した
時間を記録したものとみられ,
その間に継続的なモニタ装着がなされていた
との事実を裏付ける証拠としての
証明力は低いものといわざるを得ない。


モニターをつけた、って証拠は。

>「Z医師は,問診後,継続的なモニタリングを
していたと主張し,Z医師の証言,
診療録の記録および診療報酬請求書にも,
その主張に沿う部分がある。


であるんですよね、しっかり。

>診療報酬請求書の記録によると,
これは本件患者来院時間から死亡時間までの
時間すべてに相当するものであって


そりゃ、そうですよ。
心筋梗塞が疑わしい患者が来る、って
最初からわかっているんですから。
患者が病院に来たら、すぐにモニターをつけますよ、
ほとんどの病院では。

仮にその時点ではつけなかったとしても、
心電図をつけて心筋梗塞って診断して、
内科的治療を行っているんですよ。
それなのに、モニターをつけない病院なんてあるんですか?
救急患者を受け入れる病院で、そんな病院があったら、
是非教えて貰いたいですね、この裁判官に。

モニターをつけた、って証拠がいくつかあって。
状況からも、日本全国、99%以上の病院で、
こういう状況だったら、モニターをつけるだろう、
って事が疑われて。
モニターをつけていない、って証拠は一つもなくて。
それでも、

>実際に装着していた時間を記録したものとは考えにくく

>継続的なモニタ装着がなされていた
との事実を裏付ける証拠としての
証明力は低いものといわざるを得ない。


だ、そうです。

正直言うと、今回の場合。
最初はモニターをつけていて。
ストレッチャーに乗せる時に、
一時的にモニターをはずしてしまった。
という可能性が、一番高いかな、
と、個人的には思いますけどね。

それにしたって、この裁判官の認定は、
最初から結論ありきとしか思えませんがねー。


医療現場の事も全くわかっていないし。
論理構成もできず、医師の鑑定の意見を
素人判断で、都合の良いように変更して。
最初から医者が悪い、って結論ありきで
出した判決としか思えないのですが。



それにしても、この裁判の結果、
控訴しない病院、弁護士も。
一体、何を考えているんだか。

もしこれから、こういう事例で病院側が負けるなら。
最初に電話で、
心筋梗塞が疑われるから、すぐ来てください。」
って看護師が言っていますけど。
それを、
心筋梗塞が疑われますが、当院ではPCIできません。
自己責任でPCIができる病院を探して行って下さい。」

って言うしかないですねー。

胸痛の患者を受け入れたら、病院、医師が負けますから。



心筋梗塞になりたくなかったら、
生活習慣病を予防しなきゃ駄目だよ。


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加古川心筋梗塞事件、判決文3
「加古川心筋梗塞事件、判決文2」の続きです。

私の専門は、一応循環器内科なので。
心筋梗塞とか心臓については専門なんですよ。
ちょっと、投稿まで日が空いちゃいましたけど。
専門的な事について書いていきましょうか。

判決文の詳細は、こちらを読んで下さいね!
→ 「加古川心筋梗塞事件、判決文」

医学用語の解説なんかについては、
「加古川、心筋梗塞事件」
「加古川、心筋梗塞事件2」
なんかも読んで、参考にしてね!


この事件の一番のポイントは、
「加古川、心筋梗塞事件。衝撃の事実」
でも書いたように、心筋梗塞と診断してから、
心臓カテーテル検査、治療ができる病院に搬送する
のを決めるために、70分かかった。
って事なんだけど。
それは、いろんな病院に電話して、いくつか断られて、
70分かかってしまったけど、裁判で負けた。
って事なんですけどね。

今回は、それとは関係ない、医学的な事。
心臓心筋梗塞について書いていきますね。


まずは、この事件の前提となる。
この患者は心筋梗塞だったか。
って事なんですけど。

まあ、これは病院側も裁判所も両方認めているし。
診断としては、良いのかな、って思います。

心筋梗塞って言う病気は、いわゆる生活習慣病とか、
タバコを吸っていたりして、加齢と共に、心臓の表面の血管
冠動脈)が細くなって、詰まって。
心臓の筋肉(心筋)が死んで、
胸が痛くなる病気なんですけど。

この患者の場合は、

>64才男性。
軽度の肝機能障害,痛風,高脂血症,糖尿病


って事ですからね。
まあ、生活習慣病のオンパレードなわけですよ。
そして、64歳と、比較的高齢でもありますから。

そして、胸が痛い、って本人が言っていて、心電図
II,III,aVfにST上昇が見られた。
わけですから。

個人的見解でいくと、95~98%位の確率で
心筋梗塞かな、って思います。
100%の診断をするためには、解剖をするか。
心臓カテーテル検査をしなきゃ、わかりませんけどね。
この患者の心電図、本物を見たら99%位に
なるかもしれませんかねー。
いずれにせよ、100%にはなりませんが。
相当程度、確からしい。
という事は間違いないと思います。

心電図でST上昇って言っても、別の誘導で上昇していたら、
心筋炎とか、心膜炎とか、たこつぼ型心筋症とか、
別の病気の可能性もあるんですけどね。

まあ、ここでは、この患者は心筋梗塞だ、
って事で、話を進めましょうか。


裁判所の認定では、この患者の死因は、
心筋梗塞による心室細動
そして、それは早く転院させていれば、
モニターをつけていれば防げたはず、

って理論なのですが。

それは、必ずしも正しくない、って事について
説明していきましょうか。


心筋梗塞、って言うのは、心臓に血液(酸素)を
送っている血管(冠動脈)が詰まって、
心臓の筋肉(心筋)が死んでしまう病気なんですが。
ただそれだけじゃなくって、合併症っていうのを併発して
死んでしまう事もあるおそろしい病気です。

合併症っていうのは、その病気がもとになって起こる
別の病気の事なんですけどね。

心筋梗塞の場合は、
不整脈、心不全、心原性ショック、右室梗塞、
心室中隔穿孔、心破裂、梗塞後狭心症、
急性僧帽弁閉鎖不全症(乳頭筋不全症候群)

なんかがあります。

不整脈って言っても、いろいろあるんですけどね。
致死的な不整脈としては、
心室細動(Vf)、心室頻拍(VT)、
洞性徐脈・房室ブロック
なんかがあります。

これらの合併症のうちで、心筋梗塞になって
24時間以内に起こる可能性が高く、起こってしまったら
すぐに死んでしまう可能性があるものとしては。

心室細動、房室ブロック、心破裂、心原性ショック

教科書的には、この辺でしょうか。
詳しくは、これなんかも参考にしてね!
→ 「急性心筋梗塞」

ちょっと、それぞれについて、書いていってみましょうか。

1)心室細動(VF)

心臓の心室が小刻みに震えて、
全身に血液を送ることができない状態です。
心臓が完全に止まっているわけではないのですが、
全身に血液を送る事ができないので、
ほとんど心臓が止まっているのと同じような状態です。

心室細動を止めるためには、電気ショック(DC)
をかけなければなりません。
最近普及しているのは、AEDですけどね。
まあ、これも同じ様なものです。

ただし、心筋梗塞心室細動は、
一回電気ショックをかければ、止まって全部助かる。
ってものではないんですよ、残念ながら。

「集中治療室での一場面」
でも、昔書きましたけどね。

最初は200Jで電気ショックをかけて、
その後300J,360Jって電圧を上げて。
それでも止まらない、また再発する。
って事になったら、更に抗不整脈薬を注射して、
また電気ショックをかけるんですけどね。

心筋梗塞が原因で心室細動になっているわけですから。
元の原因である「心筋梗塞」の治療をしないと、
心室細動が止まらない事もあるんですよ。

ま、多くの場合は、一回数回電気ショックをかければ
止まるんですけどね。
循環器内科が、何回もやっても駄目、
って事もあるんですよ。

だから、この裁判官が、
「モニターをつけていれば、助かったはず」
って言うのは、間違いです

ただし、本当に心室細動であれば、
モニターをつけていて、ただちに電気ショックをかけて
除細動をすれば、助かった可能性もありますけどね、
もちろん。
でも、「助かったはず」、って
断定する事は絶対にできません。


2)房室ブロック

心臓冠動脈が詰まる病気の事を心筋梗塞
って言うのですけどね。
冠動脈っていうのは、前下行枝、
回旋枝、右冠動脈と3本あります。

ちょっと専門的な話になりますけど。
この患者の場合、心電図II,III,aVFで
STが上昇
していますから。
おそらく、冠動脈か、回旋枝
心筋梗塞だと思われます。

冠動脈心筋梗塞の場合。
合併症として、房室ブロックが起こる事があります。


心臓が動くために、心臓に動けって命令している
洞結節っていうのがあって。
そこが命令して、房室結節っていう、
電線みたいのを通って、心臓が拍動
しているわけなんですが。

心筋梗塞冠動脈)になって、房室結節
やられちゃうと、房室ブロックになります。

イメージとしては、こんな感じ。
→ 「ハート先生の心電図教室、3度房室ブロック」

電線が切れるから。
突然、心臓が止まる、って事もあるんですが。

人間の体、ってうまくできているので。
電線が切れても、下の方(心室)だけで頑張って、
突然心臓が止まらないように、心拍数40とかで、
拍動する事が多いんですよ。

ま、すぐに止まる事もありますけどね。

そうなっちゃったら、すぐに体外式のペースメーカー
をいれなければなりません。
その前に、一時的に脈を早くする薬(硫酸アトロピン、
プロタノール)なんかも注射しますけどね。
でも、その後すぐに、ペースメーカーを入れなければ
非常にまずいです。
いつ、心臓止まるかわかんないですからね。

この患者の場合。
冠動脈が詰まった可能性がありますから。
房室ブロックって可能性もあると思います。

ただし、普通は房室ブロックになって、
突然心臓が止まるって事よりは、
少し心室が頑張って、除脈になって、
って事が多いので。
ものすごく可能性が高い、って事ではないと思います。


3)心破裂

心筋梗塞は、心臓の血管が詰まって、
心臓の筋肉(心筋)が死んでしまう病気ですから。
心筋が死んでもろくなったら、心臓が破裂する(破れる)
事もあるんですよ。
これを、心破裂って言います。

心臓、って血液が貯まっていて、それを送り出す
臓器なわけですから。
はっきり言って、こうなったら、ほとんど助かりません。

治療は手術するしかないのですが。
手術をしても、ほとんどの場合、助かりません。
ましてや、他の病院に連れて行って、
いろいろ検査して、心破裂、って診断して。
その後、手術室に入って、手術をするわけですから。
もし、この患者の死因が心破裂であったら、
助かった可能性は非常に低いです。


4)心原性ショック

心筋梗塞になって、大量心臓の筋肉(心筋)が死ぬと、
心臓の機能が非常に低下して。
その結果、ショックになって、血圧が維持できなく
なる事があります。

冠動脈根元が詰まった場合や、
冠動脈が一本ではなくて、2本同時に詰まるか、
一本が詰まって、一本は非常に細い、とか
そういう場合に起こる事が多いです。

普通は、心不全になって、心原性ショック
なる事が多いので。
その前に、息がすごく苦しいとか
そういった症状が出る場合が多いです。

この患者の死因として、考えられない事はないのですが。
呼吸苦とか、そういう症状が出ていないようなので、
確率としては、そんなに高くないかな。
って個人的には思います。


急性期に起こる、心筋梗塞の致死的な合併症
について、説明してきたわけですけど。

この患者の死因として考えられるとしたら。
あくまで、単なる主観ですけどね。

1,心室細動    80%
2,心破裂     15%
3,房室ブロック   3%
4,心原性ショック  2%


ってところでしょうかねー。
無理矢理、合計100%にしたので。
かなり適当ですけどね。

まあ、心室細動の可能性が非常に高く。
心破裂の可能性もあるかなー。
それ以外は、ないとは言えないけど。
ま、可能性は低いかな。
ってところですかね。

じゃあ、死因は、心筋梗塞に伴う心室細動
で良いのか、って事になるんですけどね。

残念ながら、それは言えないと思います。
なぜなら、心筋梗塞の合併症以外にも
死因として考えられる病気があるからです。


なんか、本題に入る前に、また長くなっちゃったので。
続きは次回にしますか。



心筋梗塞になりたくなかったら、
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加古川心筋梗塞事件、判決文2
「加古川心筋梗塞事件、判決文」の続きです。

前回は長くなっちゃったので。
本論に入る事ができなかったのですが。
いくつか問題点があると思うので、
それについて説明していきましょうかね。

Yosyan先生のブログでも、似たような事書いてますけど、
「加古川心筋梗塞訴訟・延長戦」
とりあえず、まずは、医学的な事以外。
循環器な事以外について、書いてきましょうかね。


「加古川、心筋梗塞事件2」
でも書いた事なんですけどね。
胸痛の患者が、休日病院に来て。
循環器内科医以外の医者が、心筋梗塞だ、
って診断して、他の病院に転送を依頼するまでの時間。
この平均値、っていうのがどの位か、
はっきりとしたことはわからいないんですけどね。
もちろん、見てすぐにわかる心筋梗塞もあるし、
循環器内科医でも、診断にすごく時間のかかるのもあるので。

でも、だいたいおおざっぱにですけど。
休日に胸痛の患者が救急外来に来て、
循環器内科医以外の医師心筋梗塞、って診断して、
別の病院に転送を決めるまでの平均時間って、
多分、一時間くらいだと思いますよ、正直。

極端な話、心電図を見てもわからない医者
たくさんいますし。
なんか良くわかんないけど、入院させて。
次の日の朝、循環器にコンサルトしたら、
心筋梗塞だった、って事もありますし。

胸痛心電図で、心筋梗塞、って診断できて、
そして、70分で転送を決めた、って事自体は、
はっきり言って、普通だと思いますよ。

採血の結果は、違ったのですから。
70分という比較的短い時間で、心電図一枚で
心筋梗塞と診断しているのですから。
むしろ、循環器内科医以外の医者としては、上出来。
くらいの感じではないでしょうか。

この考えは、今でも変わっていません。


そして、ちょっと問題になるな、って点がまず一つ。

「加古川、心筋梗塞事件。衝撃の事実」
では、5つの病院に転送を依頼して。
そいで、なかなか決まらなくって、結局最終的に
受け入れてくれる病院が決まったのが70分
って事だったのですが。

裁判の判決では、全くこの事について、
触れられていません

これが、何故なのか、正直言ってよくわかりません。


ちょっと弁護士の方とも話した事なんですが。
裁判官が、争点になった事を、判決文に
全く書かない、という事は実際問題としてはない、

と思うんですよね。

Yosuyan先生のところでは、

>搬送先探し騒動は「なかったもの」と裁判所に
事実認定されてしまい、訴訟の争点にする事を
完全に封じ込められたと考えます。


って書いていますけどね。
ちょっと、わからないんですけど。
私、個人の意見としては。

証拠がないから、駄目だろう、って
被告側の弁護士が諦めて、被告はそれを鵜呑みにした。


だから、被告側もそこを争点としないで、
ローカルルール」っていう苦肉の策を出した。
って事ではないでしょうかねー。

まあ、わかりませんけどね。
実際に裁判見たわけではないし。


私とYosyan先生の情報ソースは、おそらく違うし。
それで、両者とも、
実際はいろんな病院に電話をかけて、
搬送先を探した所は、あったようだ。

って判断していますから。
多分、そういう事があったのだとは思いますけどね。

でも、証拠がない
そいで、なかった事にされた。
というよりは、被告側が諦めてしまった。

という事はないでしょうかねー。

証拠がなくても、電話をかけた医者や、
周りにいた看護師の証言。
通話記録はないのでしょうけど。
相手の病院では、対応した人がいるはずですから。
私のように、部外者が電話しても答えてもらえなくても、
弁護士が教えてくれ、って言ったら、
教えてくれる所もあると思うんですけどねー。

仮に、一カ所でも認められたら、少なくとも
最初に電話をかけたのは13時50分よりは早い、
って証拠になりますからね。

被告はローカルルールなんてものは出さずに、
物的な証拠がなくても、そこを争点とすべきだったと思います。


それと、裁判官に対する、文句が一つ。
この裁判官、本気でこんな事を考えているのでしょうか。

>上記両病院とも調査嘱託(※注 訴訟当事者からの
申し出により,裁判所から両病院に対して質問を送り,
病院がそれに対して回答したもの)に対する回答書で
血液検査の実施を要求していないと回答しているが,
これを不可解な地域医療の実情を隠ぺいするための
嘘と考える必要は何もなく,医学的見地から
当然に導き出される取扱いを
素直に述べたまでと受けとめるべきである。
以上要するに,被告の上記主張は理由がない。」



わかりやすくする為に、他の例を出してみましょうか。

例えば、学校の先生が体罰を行うか、について。

今の時代、どんな事があっても、生徒に体罰を行うことは
許されてはいませんよね。
まあ、それは皆さん、同じ考えだと思いますが。

でも、じゃあ
日本中で、1人も体罰を行っている
先生がいないと思いますか?

具体的には知りませんけど、私。
絶対にそんな事はないですよね。

誰かはいますよ、絶対。
今でも生徒を殴っている学校の先生

じゃあ、裁判官から、
「生徒が悪い事をしたとき、あなたは体罰をしますか?」
って文書が来たら、どういう返事を学校の先生はしますかね。

間違いなく
「生徒が悪い事をしても、体罰はしません。」
って答えますよね、当然。

じゃあ、裁判官は、こういう回答が来たら、
「この先生は体罰をしない先生だ。」
って認める、って事ですか。

要はそういう判決ですよね、この判決。
違うんですか?

過去数年間の生徒から聞き取り調査をして。
それで、誰も体罰をされていないし、
体罰をされた生徒も見たこともない。
という事であれば、その先生は体罰をしない先生だろう。
という事が、相当程度の確率で認められると思いますが。

今までどうだった、とか。
そういう事を一切考慮しないで、紙切れ一枚で認定する。
って。
それは、いくらなんでも、おかしくないですかね。

殺人犯で捕まった、犯人がいて。
「あなたは、人を殺しましたか?」
って文書で質問したら
「いいえ、殺していません。」って言ったら、
無罪って事ですか、この裁判官なら。


まあ、殺人犯の事は極端な例としても。
文書を出して、その回答だけを根拠に、っていうのは。
正直言うと、世の中知らないんだな、この人。
って感じですよね、この裁判官。

世の中には、「建前」って事がありますからね。

医学的には、採血では発症して数時間の心筋梗塞はわからないし。
病院としても、わからないから、ってそれをしないから、
って断る、って回答は当然できませんけど。

今までに、それで一回も断ったことがない。
とか、何回もそういう事があって、相手の病院の看護師が
そう思っている、って事の証明にはならないですよね、それ。

所詮、当直医はアルバイトの消化器内科医なんだから。
ずーっとそこで働いている看護師がいて。
心筋梗塞の時は、採血をしないと受けてくれないから。
って言われたら、アルバイトの医師は、
普通それに従いますよね、当然。

そう言っちゃうと、看護師に責任が来ちゃうから。
看護師にも味方をしてもらえなくて、こんな事に
なったのかもしれませんけどね、この先生。

でも、いずれにしても、紙切れ一枚で認定。
っていうのは、おかしいかな、って思います。


いよいよ、次回は本題。
循環器内科医が、心筋梗塞や不整脈(心室細動疑い)、死因等、
ちょっと専門的な事について書いていきますよ!



心筋梗塞になりたくなかったら、
生活習慣病を予防しなきゃ駄目だよ。


→ 「日本一わかりやすい!「糖尿病」

→ 日本一わかりやすい!「高血圧」

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加古川心筋梗塞事件、判決文
「加古川、心筋梗塞事件。衝撃の事実」
でも取り上げた、加古川心筋梗塞事件の判決文の要約が、
ネット上で見られるようになりましたね。
引用元は、Yosyan先生のところからです。
「加古川心筋梗塞訴訟・法廷の実相」
いつも「お世話になっております」

「加古川、心筋梗塞事件。衝撃の事実」
では、当直医は、循環器内科医、って事を書いていたのですが。
判決文では、5年目の消化器内科医のようですね。
裁判で、こんなことを間違うはずがないので、
これは、循環器内科医でなくて、消化器内科医なのでしょう。

で、時間経過については、以前のものと判決文が
ほとんど一緒ですね。


12時ごろ  自宅で発作。家族がY病院に電話し,
   Y病院看護師が「心筋梗塞と思われるので
   すぐに来院するように」と指示。
12:15  病院に到着
12:30  この時間までに心電図検査がなされ,
   心電図上,II,III,aVfにST上昇が見られた。
   さらに医師は,本件患者を問診し,11時30分ころから
   胸痛が持続していることを聞いた。
12:39  医師は,心筋梗塞を強く疑い,採血オーダーを出した。 
   医師は,本件患者が急性心筋梗塞である
   と判断したが,直ちに上記三病院の一つに
   転送するための行動はとらなかった。
12:45  ソリタT3 500mlを点滴してルート確保
13:03  ミリスロールを点滴開始。
   本件患者の血圧は150/96で,
   胸部圧迫痛は持続していた。
13:10  血液検査オーダーとは別途,
   Z医師自らトロポニン検査を実施したところ,
   心筋梗塞陰性との結果を得た。

13:40  血液検査の結果が出て,心筋梗塞陰性だった。

13:50  医師は,転送を決定し,高砂市民病院
   転院の受入れを要請した。

14:15  高砂市民病院から受入了承の連絡を受けた。

14:21  救急車の出動を要請した。

14:25  救急車到着。本件患者は,内科処置室の
   被告病院のストレッチャーの上で点滴を
   受けており,意識は清明。

14:30  救急車のストレッチャーに移す際に意識喪失,
   呼吸不安定。ストレッチャーに移された
   直後に徐脳硬直が見られた。
   それまでモニターは装着されていなかったし,
   容態急変の直後にもモニターは装着されていなかった。

   医師は,これをみて,脳梗塞を合併したと疑い,
   救急隊にCT室に運ぶように指示したが,
   CT室に着く前に自発呼吸まで消失したので,
   蘇生のため処置室に戻した。

14:47  エピネフリン投与。援助を求められた医師が気管挿管。

15:36  死亡確認。なお電気的除細動は一度も行われていない。

この事からも、以前の情報ソースの正しさがうかがわれます。
しかし、この時に一番問題になった、
「5つの病院に搬送しようとして、
電話をしたけど、断られて70分かかった」

という事には、一切触れられていないようですね、
この判決文には。

そこらへんが、なぜなのか。
一番気になるところですね。

実は、以前に転送先候補だった病院
電話をかけて、通話記録や看護記録等の
記録が残っていないか、教えていただけないか。
と、尋ねたのですが。

皆さん、好意的にこちらのお話は聞いてくれたのですが。
なにせ、今の時代、個人情報とかにはうるさいですから。
残念ながら、個人情報の壁にぶつかってしまって。
この被告の先生のお役に立つことは出来ませんでした。

通話記録なら、数ヶ月はとってあるはずなのですが。
今回、裁判になりそうだ、ってなった時に、
そういうのは記録しておかなかったのでしょうかね。

控訴しない、という決定をした病院や弁護士の判断にしても、
通話記録を取っておかなかった、という点とかも。
なんか、病院の対応が、甘いかな。
と、思うのは気のせいでしょうか。

これが、悪しき前例にならなければ良いのですが。


かなり長いのですが、とりあえずYosyan先生のところにおいてあった、
判決文の要旨をそのままコピーして載せますね。
長いですけど。

この後のブログの記事で、この裁判官がいかに論理的でないか。
医学的に、ちょっとおかしい、という点について書いていきますね。

引用:「加古川心筋梗塞事件、判決文要約」から

医学用語の解説なんかについては、
「加古川、心筋梗塞事件」
「加古川、心筋梗塞事件2」
なんかも読んで、参考にしてね!


■■判決主文
 「主文」と「請求の趣旨(原告が求めた主文)」は同一。
(原告の請求額がすべて認められている)。

----------------------------------------------------------------
■■前提認定事実

被告病院(以下,「Y病院」という)には,
PCI(経皮的冠動脈再建術)
をするための医療設備及び医療スタッフが存在せず,
PCIをすることができない。

病院からPCIをすることができる近医
(T市民病院等,SK病院)まではは20分程度。
このほかHJ病院もあった(以下,「三病院」という)。

----------------------------
医師は,非常勤医の日直で,消化器内科が専門。
医師資格取得から約5年目。
当日の日直医は4名。内科はZ医師のみ。
内科の外来担当看護師は2名。Z医師は,同日,
内科における約100名の入院患者と
緊急外来患者の診療をしており,多忙であった。


本件患者は64才男性。
軽度の肝機能障害,痛風,高脂血症,糖尿病のため,
病院を掛かり付け医として利用していた。

平成15年3月30日(日曜日)昼12時ころ,自宅で発作。
家族がY病院に電話し,Y病院看護師が
心筋梗塞と思われるのですぐに来院するように」と指示。
ただちに家人はY病院に連れて行き,
12時15分,Y病院に到着。

12時30分ころまでの間に,心電図検査がなされ,
心電図上,II,III,aVfにST上昇が見られた。
医師は,本件患者を問診し,
11時30分ころから胸痛が持続していることを聞いた。

12時39分,Z医師は,心筋梗塞を強く疑い,
採血オーダーを出した。
医師は,本件患者が急性心筋梗塞であると判断したが,
直ちに上記三病院の一つに転送するための行動はとらなかった。

12時45分,ソリタT3500mlを点滴してルート確保,
13時3分ミリスロールを点滴開始。
本件患者の血圧は150/96で,胸部圧迫痛は持続していた。

13時10分過ぎから,12時39分の血液検査オーダーとは別途,
医師自らトロポニン検査を実施したところ,
心筋梗塞陰性との結果を得た。

13時40分,12時39分の血液検査の結果が出て,
心筋梗塞陰性だった。

13時50分,Z医師は,転送を決定し,
T市民病院に転院の受入れを要請した。

14時15分ころ,T市民病院から受入了承の連絡を受けた。

14時21分,救急車の出動を要請した。

14時25分,救急車到着。本件患者は,
内科処置室の被告病院のストレッチャーの上で
点滴を受けており,意識は清明。

14時30分,救急車のストレッチャーに移す際に
意識喪失,呼吸不安定。
ストレッチャーに移された直後に徐脳硬直が見られた。
それまでモニターは装着されていなかったし
(裁判所の認定。この点については,
被告側はモニターは装着していたと主張 *後述),
容態急変の直後にもモニターは装着されていなかった。

医師は,これをみて,脳梗塞を合併したと疑い,
救急隊にCT室に運ぶように指示したが
(裁判所から「理由は不明である」,
「不可解な行動」と評されている),
CT室に着く前に自発呼吸まで消失したので,
蘇生のため処置室に戻した。

14時47分,エピネフリン投与。
援助を求められた別医師が気管挿管。

15時36分,死亡確認。
なお電気的除細動は一度も行われていない。

死亡原因は,急性心筋梗塞の合併症として
発症した心室細動(裁判所による認定。
被告側は,心破裂,脳梗塞,
急性大動脈解離等の可能性もあると主張)。


----------------------------
* モニタ装着についての裁判所の認定

「Z医師は,問診後,継続的なモニタリングを
していたと主張し,Z医師の証言,
診療録の記録および診療報酬請求書にも,
その主張に沿う部分がある。

しかしながら,診療報酬請求書の記録によると,
これは本件患者来院時間から死亡時間までの
時間すべてに相当するものであって,
実際に装着していた時間を記録したものとは考えにくく,
後になって来院した時刻と死亡した時刻をもとに算定した
時間を記録したものとみられ,
その間に継続的なモニタ装着がなされていた
との事実を裏付ける証拠としての
証明力は低いものといわざるを得ない。

また,診療録の記録を見ても,
医師が行った処置や本件患者の容態を
記載した部分には,モニタを装着したことや
モニタから得られた結果は記載されていない。
診療録には,Z医師が本件患者の死亡後,
家族に対し,モニタを装着していたが
安定状態であった旨の説明をしたとの記載があるだけで,
モニタ装着の有無及び時間を直接示す書証は見当たらない。

さらに,本当に継続的にモニタリングがされていたなら,
容態急変時にモニタを再装着することは
極めて簡単な作業であったと思われるし,
急性心筋梗塞の患者が突然意識を失う場合,
心室細動がもっとも疑われるのであるから,
心室細動の有無を確かめるためにも
モニター再装着は不可欠であったと思われる。

ところが本件では,モニターの再装着は
一度も行われていないのであって,
この点からも継続的なモニタリングが
なされていたという点には疑問が生じるところである。

こうしてみると,証拠によって,いつからいつまで
モニタ装着がされていたかを認定することは困難であって,
前記認定の事実経過では,その点の事実を認定していない。」

----------------------------------------------------------------
■■原告の主張する,Y病院の過失

(1)転送義務違反
急性心筋梗塞の最善の治療法はPCIである。
医師心電図検査の結果を得たのは
12時35分ころであり,直ちに近隣の専門病院である
T市民病院,SK病院に転送すべき義務があった。
しかしZ医師が転送受け入れを要請したのは
13時50分で,その後の転送手配も緩慢であったため,
14時25分に救急車が到着した。

(2)不整脈管理義務の懈怠
心電図モニタによる持続的な不整脈関し,
またはCCUに準じた看護師による
持続的な血行動態の監視をし,期外収縮が発生すれば,
抗不整脈薬リドカインを静注しなければならず,
心室細動が生じるに至った場合は,
直ちに電気的除細動をしなければならない。
 → これについては裁判所は判断せず。

----------------------------------------------------------------
■■ 転送義務違反について
■ 被告の主張(1)
SK病院,T市民病院に転送要請するためには,
心電図検査のほか,血液検査の結果を備えることが
事実上求められていた。
医師が血液検査の結果が出るまで
転送措置を開始しなかったことはやむを得ない。

「原告らは,Z医師心電図検査の実施直後に
転送義務を負っていたと主張する。

しかしながら,当日は日曜日であり,
被告病院近隣の専門病院はいずれも休診日で,
転送を受け入れるためには,休息中の多数のスタッフを
緊急に呼び出さなければならない事情があったから,
被告病院としては,それら病院に配慮し,
自己の施設で可能な基本的検査を実施すること,
すなわち心電図検査及び血液検査の結果を
添えた上で転送要請することが事実上求められていた。
そして,同地域において病院間の
協力態勢は確立されていなかった。

そこでZ医師は,血液検査の結果を
得てからでないと転送要請することはできなかったのであり,
心電図検査実施直後に近隣の
専門病院に転送要請することは困難であった。」

----------------------------
■ 裁判所の認定
「SK病院,T市民病院から,転送要請するため
血液検査が要求されていた」との事実を認めるための証拠がない。

なお,平成15年3月30日午前1時30分(本件前夜),
病院に来院した患者(本件患者とは違う患者)がおり,
病院の当直医は心筋梗塞を疑ってSK病院
転送要請したが,SK病院は,知らされた所見・症状から
心筋梗塞と認めず,これを断ったことがある
(この患者は,当直医によってミリスロール点滴が
続けられたが症状は改善せず,
同日4時30分ころHJ病院に救急搬送された)。
しかし,この患者は,ST上昇があったが,
心筋梗塞に典型的な症状ではなかったのであって,
血液検査の未了を理由として転送が断られたものではない。

また,本件でも,Z医師は13時50分ころ,
血液検査において陽性の結果を得ることなく
T市民病院に転送の受け入れを要請し,
その承諾を得ていることからみても,
血液検査の実施が必須であったと考えることは困難である。

(以下,判決文のまま)
「そもそも急性心筋梗塞の治療において最重要なことは,
できるだけ早期にPCIを実施することであり,
SK病院やT市民病院が24時間の
急性心筋梗塞患者の救急受入れを
実施しているのもそのためである。
そして,心筋梗塞の急性期における血液検査が
無意味であることくらい,そのような専門病院
よく理解しているはずであって,そのような専門病院が,
心筋梗塞に典型的な心電図所見や
臨床症状がみられる患者について,
さらに血液検査の実施を要求するとはにわかに考えられないし,
そのような要求が常態化しているとの
不可解な地域医療の実情があるとも考えられない。
上記両病院とも調査嘱託(※注 訴訟当事者からの
申し出により,裁判所から両病院に対して質問を送り,
両病院がそれに対して回答したもの)に対する回答書で
血液検査の実施を要求していないと回答しているが,
これを不可解な地域医療の実情を隠ぺいするための
嘘と考える必要は何もなく,医学的見地から
当然に導き出される取扱いを
素直に述べたまでと受けとめるべきである。
以上要するに,被告の上記主張は理由がない。」



----------------------------------------------------------------
■ 被告の主張(2)
臨床の現場では急性心筋梗塞の疑いのある
患者に対して全例において血液検査を
実施している実情があるから,
医師が血液検査の結果も添えて,
近隣の専門病院に転送要請しようとしたことは
自然であり,非難することはできない。

----------------------------
■ 裁判所の判断
心筋梗塞発症2,3時間内においては
血液検査の診断は無意味。
「仮に,そのような臨床現場の実情があったとしても,
患者の救命を第一に考えなければならない立場にある
医師の転送義務を検討するに当たって,
そのような実情を考慮することは相当でない。」


----------------------------------------------------------------
■ そのほかの被告の主張に対する裁判所の判断

「なお,(被告側が依頼した専門医の意見書)によれば,
医師は,転送要請に着手するまでの時間,
漫然と経過観察していたわけではなく,
転送を決める前に,本人及び家族に対し,
PCIの得失について説明し,その承諾を得なければならず,
そのための時間が必要であったし,
同日の被告病院の配置人員に関する態勢や
被告病院と専門病院との関係からみた
医師の立場に立ってみれば,可及的速やかに
転送することは現実の医療現場とはかけ離れた
理想論に過ぎない旨の意見が述べれられている。

しかしながら,そもそも本件証拠上,Z医師
本人及び家族に対し,PCIの得失について
説明しようとしたために,転送が遅れたとの
事情は認められない。

また,確かに・・・・認定の事実経過によれば,
医師が極めて多忙であったことは認められるが,
そのことが原因で本件注意義務を果たすこと
(12時39分の時点で専門病院に電話をかけ,
・・・・(本件患者)の症状と心電図所見を知らせ,
転送受け入れを要請すること)ができなかったとも
考えられないから,可及的速やかに転送義務を
果たすことが理想論にすぎないともいうことはできない。」


----------------------------------------------------------------
■ このほかの被告の主張
「Z医師は,13時50分ころにはT市民病院
転送要請しているのであって,平日であれば,
本件患者は14時過ぎにはT市民病院に到着し,
14時30分前にCCUに入室することが可能であったはずである。
本件において転送の実行が14時30分ころになり,
その途中で本件患者に異常が発生したのは,
T市民病院における休診日の人的設備の
限界によるものであって,これをZ医師の責めに帰すことはできない」

→ これに対する直接の裁判所の答えはない。

----------------------------------------------------------------
■■転送義務違反と死亡との因果関係(裁判所の判断)

病院からT市民病院に転送要請の電話がされた後,
受入れ了承の連絡がされ,実際に救急車が到着するまでの
時間が35分であったと認められるところ,
仮にZ医師が本件注意義務を果たし,
12時39分ころに,転送措置に着手したならば,
救急車が13時15分ころ,Y病院に到着していた
と推認することができる。

そして,前記第2の1に認定したとおり,
病院からT市民病院又はSK病院まで
患者を救急車で搬送し,処置室に運び込まれるまでの時間は,
約20分であると認められるから,
本件患者が処置室に運び込まれるのは
13時35分ころであると認められる。

前記・・・・認定の医学的知見及び調査嘱託の
結果によれば,急性心筋梗塞患者を受け入れた
専門病院としては,PCIが実施されるまでの間,
CCUにおいて効果的な不整脈管理がされ,
致死的不整脈が発生すれば,
速やかに除細動などの救急措置が
行われたであろうということができる。
すなわち,本件注意義務が尽くされていれば,
14時25分に心室細動が発生したのに
電気的除細動さえもされないという
最悪の事態を避けることができたはずである。

次に,・・・・認定の事実によれば,SK病院
平成15年2月から4月までの間の休日に
他院から急性心筋梗塞の転送を受け入れ,
PCIを実施した症例(4例)のうち,
緊急MRI検査を実施し退室するまで
もっとも長く要したのは3時間10分であったことが認められ,
これら事実によれば,専門病院において,
他院から転送を受け入れた場合,患者が来院してから,
PCIの処置を完了するまでの時間は,
特段の事情がなければ,長くても3時間程度である
と推認することができる。

これらから,本件患者が13時35分ころに
T市民病院又はSK病院の処置室に運び込まれていれば,
PCIの処置を終えるのは,遅くとも
16時35分ころであったとみるのが相当であり,
仮にZ医師が本件注意義務を果たしたならば,
本件患者は,11時30分に心筋梗塞発症後,
約5時間後である16時35分ころには,
PCIの治療を完了していたと推認することができる。


前記・・・・認定の医学的知見(※後述)によれば,
再灌流療法は,発症から再疎通までの時間が
短いほど効果が大きく,特に,発症12時間以内の
ST波上昇型の心筋梗塞であれば,
再灌流療法のよい適応であるとされるから,
医師が本件注意義務を果たしていたならば,
本件患者は有効な再灌流療法を受けることができたといえる。

そして,前記・・・・認定の医学的知見(※後述)を総合すれば,
急性期再灌流療法が積極的に施行されるようになってからは,
病院に到着した急性期心筋梗塞患者の死亡率は
10パーセント以下であるとみるのが相当である。

このようにしてみると,本件注意義務が果たされていたならば,
本件患者は,併発する心室細動で死亡することはなく,
無事,再灌流療法(PCI)を受けることができ,
90パーセント程度の確率で生存していた
と推認することができるから,
医師の本件注意義務の懈怠と本件患者との
死亡との間には因果関係が肯定される。」

----------------------------
※ 判断の元となった,認定の医学的所見

 原告から提出された文献。
判決上は証拠番号のみ記載されており
,具体的文献名は不明(平成14年4月発行。
45~57頁,122~139頁等)

「急性期再灌流療法が積極的に実施されるようになり,
急性心筋梗塞の死亡率は10パーセントを切るまでに
低下したと報告されるようになった。
しかし,多くの報告では,来院できた患者を
母集団として計算しており,
病院到着以前に死亡した例は含まれていない。

再灌流療法導入以前の院内死亡率は
20パーセントであったのに対し,導入後は
10パーセント又は5パーセント前後へと減少しているとされる)。

再灌流療法は,発症後12時間以内に達成される時に
有効とされ,発症から再疎通までの時間が
短いほど効果が大きいとされ,発症から
治療開始までの時間の短縮が救命率の上昇と
予後の改善に結びつくのである。

急性心筋梗塞治療の基本は虚血心筋の救済であり,
早期診断・早期治療開始がポイントとなる。
薬理学的な血栓溶解療法より,PCI
治療成績において勝り,ステント留置術が加わったことにより
治療成績は一段と向上して広く普及している。

心筋梗塞発症直後に発症する一次性心室細動
(最初の1時間に発症する心室細動)
から救命するためには,可及的速やかに
電気的除細動を行うことが重要である。

また,CCIにおいて急性心筋梗塞の死亡率を
著明に減少させることができあのは,
モニタリングや除細動器によって心室細動を
コントロールすることができるようになったことが大きい。」

----------------------------
 なお,原告側からは,森功医師の意見書が提出されている。



ちなみに、この鑑定書を書いた「森功医師」。
なんか、鑑定医の中では有名らしいですけど。
少なくとも、ここに書いてある事に関しては、嘘はありませんし。
妥当な内容だと思いますよ、ほとんど。

ただし、これを使った、裁判官の論理が
間違っていると思います。

それに関しては、次回かその次で。


ちょっといろいろあって。
最近、忙しくって、ブログの更新ができなかったのですが。
やっと一息ついたので、これからは通常通り更新していきますからね!




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