他の方達も、ブログで取り上げられていますけど。
医療事故・謝罪マニュアルを、社会保険連系列の
病院で使う、って事になったみたいですね。
医療事故「謝罪マニュアル」、社会保険連系列病院に導入へ
全国で52の社会保険病院を運営する
「全国社会保険協会連合会」(全社連、伊藤雅治理事長)は、
医療事故が起きた際、患者本位の姿勢で対応する方法を
示した米国の「医療事故・真実説明・謝罪マニュアル」を
グループ病院で実施することを決めた。
医療事故の際、患者側に十分な説明をしない病院が
少なくない中、大手病院グループが
謝罪マニュアルの実施に踏み切るのは初めて。
「謝罪マニュアル」は米国のハーバード大医学部の
関連16施設で用いられており、昨年3月に発刊された。
日本では同11月に翻訳されている。
同マニュアルは、医療事故が発生した際は、
隠さない、ごまかさない、逃げない姿勢が正しいと強調。
〈1〉過失の有無が不明な段階でも、分かる範囲で状況を説明し、
責任があることを表明する
〈2〉遺憾の意を表す
〈3〉過誤が判明した時は謝罪する
〈4〉再発防止策を示す
――などの対応方法を具体的に示している。
「2007.8.14:読売新聞」
日本では、交通事故なんかの時でも。
「謝ったら、こっちが悪いって認める事になるから、
謝ったら駄目だ。」
って言う人もいるみたいですけどね。
基本的には、事故を起こしてしまったら、
まず謝るって事は大事な事だと思いますよ。
人間として。
感情のこじれから訴訟になる、って事は
交通事故だけでなく、医療事故でもある事だしね。
ただし、医療に関しては。
マスコミが、「医療ミス」だ、って報道するけど。
それは、「医療ミス」ではなく、「単なる合併症」
って事も多いですから。
そこら辺の所は、難しいところですかね。
ちなみに、2007年7月のJAMIC JOURNAL
にも書いてあった事なんですけどね。
「謝るとまずいんじゃないか。」
って考える人もいると思うんですけど。
日本の裁判所の判例を遡ってみても、
謝罪によって判決が医療者側に厳しくなった、
っていうケースは限りなくゼロに近いです。
裁判所は過失があったかどうかを精密に
判断するので、むしろ、医療機関の誠実な
初期対応が評価されて、プラスに働く
事の方が多いそうですよ。
ところで、翻訳はこれなんですけどね ↓
「(ハーバード大学病院使用)医療事故:真実説明・謝罪マニュアル」
ちょっと、この記事の文章で「責任」っていう言葉が、
あいまいかな、って思いますね。
これに関して、「なんちゃって救急医先生」
のブログが非常に良い事を書いてあったので。
それも引用してみましょうかね。
参照:「謝罪マニュアル中の「責任」とは」
「責任」という言葉の独り歩きが、
最も懸念されます。
一般に、医療事故で、「責任」という言葉を使う場合は、
それは、「過失を認めて賠償を行い、謝罪をする」
という意味に解釈されるのが、一般社会の中での
平均的な解釈だと私は思っています。
つまり、この平均的解釈の中で、〈1〉を読んだ場合は、
「医療の中で起きた悪しき結果は、すべて、
医療者側が賠償をおこうなうべきだ」
と解釈する人も出てくると思われます。
〈1〉について原文をもとに補足解説をしておきたいと思います。
以下は、原文の該当箇所の引用です
少し考えてみると、医師が有害事象に関して
まったくなすすべがないような状況において、
その事故に責任を負わなければならない
というのは変なことに思われるかもしれません。
このような場合、責任をとるということは
単に罪過を負うということを
意味しているわけではありません。
おそらく多くの要因が医療事故に関わっており、
その要因の多くはだれにも統制できないものです。
しかしながら、医療チームのリーダーとして、
医師は当該の患者さんに医療を提供する
医療システムになくてはならない部分です。
患者さんやご家族が、医師が医療行為に
責任がある人物であると考えることは理解できます。
患者さんは、主治医に気遣いや慰めを当てにしており、
物事を自分たちのためにうまく動かしてくれる
と期待しています。
患者さんは、だれかが責任を持って
状況を統制していることを知りたいと考えているのです。
医師や病院幹部が医療事故の責任を負うときには、
将来の行動に対する責任を受け入れているのです。
すなわち、医療事故の原因を見つけ出そうと試みたり、
患者さんやご家族に情報を伝えたり更新したり、
そして有害事象の合併症を監視したり管理したりします。
彼らは、将来に同様な医療事故が他の患者さんに
起きるのを予防するために、可能なことは
何でも行なうという病院の責任について知らせます。
もし医師が有害事象に直接関わっていたならば、
その医師は自分自身の役割に対して
責任をとらなければなりません。
しかし、また、有害事象が起きるのを助長した
システム上の要因についても説明するでしょう。
しかしながら、「システム」を非難すべきではありませんし、
「システム思考」のような専門用語を責任の回避を
するための言い訳に用いてはなりません。
いかがでしょうか?このマニュアルの中で述べられている
病院の「責任」とは、一般社会の中で普通に使われている
「責任」とは、ちょっと違うと思えませんか?
私には、「患者や家族から逃げずに、
病院として真摯に話し合っていきますよ」
という意思表示のことを「責任」と表現しているように思えます。
私も全くその通りだと思いますね。
最初に謝る事自体は、悪い事ではないと思いますが。
謝罪=「全部、医者のせい」、って訳ではありません。
冷静にこの文章を読めばわかる事なんですけどね、
〈1〉過失の有無が不明な段階でも、分かる範囲で状況を説明し、
責任があることを表明する
って書いてあるんですから。
過失がない場合もあるんですから、もちろん。
ネット上には書いていませんけど。
読売新聞の本物には、こうも書いています。
マニュアルに従って行動したことで、
米国ミシガン大学と関連施設では、4年間に
訴訟やクレームの件数が56%減少し、
訴訟費用も1/3に削減されたという。
訴訟になった場合でも、謝罪した事を法廷で
医師に不利にしないよう州法で定めた州もある。
ここ、結構大事です。
>訴訟になった場合でも、謝罪した事を法廷で
医師に不利にしないよう州法で定めた州もある。
これ、「Sorry Low」って言います。
最初は2000年頃に、アメリカの3つの州で採用されたんですが。
事故発生時の謝罪を過失の証拠として採用しない、って法律です。
現在は29の州で立法されているんですけど。
日本でも、こういう法制度が整備される事が必要だと思いますね。
医者のホンネが知りたい人は、これを読んでね!
→ 『医者のホンネが丸わかり!』
ブログランキングの応援もよろしくね!
↓ ↓ ↓

医療事故・謝罪マニュアルを、社会保険連系列の
病院で使う、って事になったみたいですね。
医療事故「謝罪マニュアル」、社会保険連系列病院に導入へ
全国で52の社会保険病院を運営する
「全国社会保険協会連合会」(全社連、伊藤雅治理事長)は、
医療事故が起きた際、患者本位の姿勢で対応する方法を
示した米国の「医療事故・真実説明・謝罪マニュアル」を
グループ病院で実施することを決めた。
医療事故の際、患者側に十分な説明をしない病院が
少なくない中、大手病院グループが
謝罪マニュアルの実施に踏み切るのは初めて。
「謝罪マニュアル」は米国のハーバード大医学部の
関連16施設で用いられており、昨年3月に発刊された。
日本では同11月に翻訳されている。
同マニュアルは、医療事故が発生した際は、
隠さない、ごまかさない、逃げない姿勢が正しいと強調。
〈1〉過失の有無が不明な段階でも、分かる範囲で状況を説明し、
責任があることを表明する
〈2〉遺憾の意を表す
〈3〉過誤が判明した時は謝罪する
〈4〉再発防止策を示す
――などの対応方法を具体的に示している。
「2007.8.14:読売新聞」
日本では、交通事故なんかの時でも。
「謝ったら、こっちが悪いって認める事になるから、
謝ったら駄目だ。」
って言う人もいるみたいですけどね。
基本的には、事故を起こしてしまったら、
まず謝るって事は大事な事だと思いますよ。
人間として。
感情のこじれから訴訟になる、って事は
交通事故だけでなく、医療事故でもある事だしね。
ただし、医療に関しては。
マスコミが、「医療ミス」だ、って報道するけど。
それは、「医療ミス」ではなく、「単なる合併症」
って事も多いですから。
そこら辺の所は、難しいところですかね。
ちなみに、2007年7月のJAMIC JOURNAL
にも書いてあった事なんですけどね。
「謝るとまずいんじゃないか。」
って考える人もいると思うんですけど。
日本の裁判所の判例を遡ってみても、
謝罪によって判決が医療者側に厳しくなった、
っていうケースは限りなくゼロに近いです。
裁判所は過失があったかどうかを精密に
判断するので、むしろ、医療機関の誠実な
初期対応が評価されて、プラスに働く
事の方が多いそうですよ。
ところで、翻訳はこれなんですけどね ↓
「(ハーバード大学病院使用)医療事故:真実説明・謝罪マニュアル」
ちょっと、この記事の文章で「責任」っていう言葉が、
あいまいかな、って思いますね。
これに関して、「なんちゃって救急医先生」
のブログが非常に良い事を書いてあったので。
それも引用してみましょうかね。
参照:「謝罪マニュアル中の「責任」とは」
「責任」という言葉の独り歩きが、
最も懸念されます。
一般に、医療事故で、「責任」という言葉を使う場合は、
それは、「過失を認めて賠償を行い、謝罪をする」
という意味に解釈されるのが、一般社会の中での
平均的な解釈だと私は思っています。
つまり、この平均的解釈の中で、〈1〉を読んだ場合は、
「医療の中で起きた悪しき結果は、すべて、
医療者側が賠償をおこうなうべきだ」
と解釈する人も出てくると思われます。
〈1〉について原文をもとに補足解説をしておきたいと思います。
以下は、原文の該当箇所の引用です
少し考えてみると、医師が有害事象に関して
まったくなすすべがないような状況において、
その事故に責任を負わなければならない
というのは変なことに思われるかもしれません。
このような場合、責任をとるということは
単に罪過を負うということを
意味しているわけではありません。
おそらく多くの要因が医療事故に関わっており、
その要因の多くはだれにも統制できないものです。
しかしながら、医療チームのリーダーとして、
医師は当該の患者さんに医療を提供する
医療システムになくてはならない部分です。
患者さんやご家族が、医師が医療行為に
責任がある人物であると考えることは理解できます。
患者さんは、主治医に気遣いや慰めを当てにしており、
物事を自分たちのためにうまく動かしてくれる
と期待しています。
患者さんは、だれかが責任を持って
状況を統制していることを知りたいと考えているのです。
医師や病院幹部が医療事故の責任を負うときには、
将来の行動に対する責任を受け入れているのです。
すなわち、医療事故の原因を見つけ出そうと試みたり、
患者さんやご家族に情報を伝えたり更新したり、
そして有害事象の合併症を監視したり管理したりします。
彼らは、将来に同様な医療事故が他の患者さんに
起きるのを予防するために、可能なことは
何でも行なうという病院の責任について知らせます。
もし医師が有害事象に直接関わっていたならば、
その医師は自分自身の役割に対して
責任をとらなければなりません。
しかし、また、有害事象が起きるのを助長した
システム上の要因についても説明するでしょう。
しかしながら、「システム」を非難すべきではありませんし、
「システム思考」のような専門用語を責任の回避を
するための言い訳に用いてはなりません。
いかがでしょうか?このマニュアルの中で述べられている
病院の「責任」とは、一般社会の中で普通に使われている
「責任」とは、ちょっと違うと思えませんか?
私には、「患者や家族から逃げずに、
病院として真摯に話し合っていきますよ」
という意思表示のことを「責任」と表現しているように思えます。
私も全くその通りだと思いますね。
最初に謝る事自体は、悪い事ではないと思いますが。
謝罪=「全部、医者のせい」、って訳ではありません。
冷静にこの文章を読めばわかる事なんですけどね、
〈1〉過失の有無が不明な段階でも、分かる範囲で状況を説明し、
責任があることを表明する
って書いてあるんですから。
過失がない場合もあるんですから、もちろん。
ネット上には書いていませんけど。
読売新聞の本物には、こうも書いています。
マニュアルに従って行動したことで、
米国ミシガン大学と関連施設では、4年間に
訴訟やクレームの件数が56%減少し、
訴訟費用も1/3に削減されたという。
訴訟になった場合でも、謝罪した事を法廷で
医師に不利にしないよう州法で定めた州もある。
ここ、結構大事です。
>訴訟になった場合でも、謝罪した事を法廷で
医師に不利にしないよう州法で定めた州もある。
これ、「Sorry Low」って言います。
最初は2000年頃に、アメリカの3つの州で採用されたんですが。
事故発生時の謝罪を過失の証拠として採用しない、って法律です。
現在は29の州で立法されているんですけど。
日本でも、こういう法制度が整備される事が必要だと思いますね。
医者のホンネが知りたい人は、これを読んでね!
→ 『医者のホンネが丸わかり!』
ブログランキングの応援もよろしくね!
↓ ↓ ↓

スポンサーサイト