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現役医師、循環器内科医(Dr. I)が医療について、詳しくわかりやすく解説するブログ。 引用、転載は自由ですが、その際は必ず引用元を明記して下さいね!
医療事故で「遺憾の意を表する」
前回の記事『医療事故、謝罪マニュアル』に関して。
思ったより反響が大きかったようなので。
もう少し考えた事があったので、
それをについても書いていきましょうか。

医療事故」っていうのは、マスコミではよく
医療ミス」と混同して使われていますけど。

単純な医療ミスも中にはあるけど。
それ以外にも、合併症もあるし。
最初から、うまくいく確率が半々って説明して、
結果的にうまくいかなかっただけで。
別に失敗ではない事まで、医療ミス
って言われる場合もありますからね、下手したら。

しかも、医療ミスの中でも。
例えば、手術や検査で使っている器具が損傷した、とか。
医者の指示は的確だったけど、看護師や薬剤師、技師が
間違えた、って事もありますけど。
そういうのまで、何でも医者の責任にされる事もありますよね。

そういう事もあるので、
役人政治家企業の不祥事なんかとは、
一緒にできないのですけどね。
このマニュアルにあるように、

>隠さない、ごまかさない、逃げない姿勢が正しい

というのは、正しいと思います。


医療とは関係ないですけど。
つい最近も、「白い恋人」の石屋製菓が、
賞味期限の改ざんとか、
大腸菌がいる、ってわかっている食品を出荷したとか、
って問題になっていますよね。

これ、最初の記者会見で。
悪いのは、現場の部長で、単独犯だ。
他には、こういう事はない。

って社長は言っておいて。

また、後になってから。
10年以上前から常習犯だ。
社長も知っていた。

って、変わっていますよね、言動が。

これ、典型的な潰れる会社の社長のいい訳です。
個人的には「白い恋人」は、おいしいお菓子だと思いますが。
今の時代。
危機管理能力もなく、しかも言い分も変わる人間は。
客から信用されませんから。

雪印や不二家、ミートホープに続いて、
石屋製菓も潰れる事になるでしょうね。


医療事故の場合。
故意に体を傷つける、って事はないでしょうけど。
間違ってしまった、医療ミスが起こってしまった。
といった場合。
隠したり、ごまかしたり、言っている内容が変わったり、
という事をしたら、信用を失うって事は同じだと思いますよ。


そいで、やっと本題に入るんですけどね。
日本の医療崩壊が進んでいる原因の一つとして。
以前からこのブログで言っているように、
医療の方向性を決めているのが、
現場の事を知らない人間だ。
って事があげられると思います。

いわゆる、官僚とか役人ですね。
有識者会議とか言ったって。
政治家官僚達が、自分たちに都合の良い結論を
出そうと思って集めた人たちですからね、所詮。
そんなもの、何の役にも立ちませんよ。

医者の僻地義務化、とか言う前に。
まずは、そういう役人官僚が僻地に行って。
実際に現場で何年も働いて。
それから決めれば、変わるのだと思いますけどね。

もちろん、エリートコースに乗って、
地方に行って、ただ偉そうにしてるだけじゃなくて。
末端の現場の人間と同じように、
待遇も同じ様な状況で働いて、って事が前提ですけどね。

そいで、官僚とか役人は、現場の事を知らないで物事を決めて。
しかも、それが間違っていたとしても、
一切責任を取りませんから。
こういう弊害が起きているのですが。
そんな彼らにも、得意分野があります。

それは、「言い訳」や「すり替え」と、
自分たちの利権を守ること」です。


官僚役人政治家の不祥事とか。
そういうの、最近しょっちゅう
テレビなんかでも出ていますけど。
その時に、必ず彼らが言う言葉を思い出して下さい。

遺憾の意を表する

こう言ってませんか、彼ら。

なんか、堅苦しい言葉だけど、
これって一応、謝っているんだな。
って思っていませんか、皆さん。

それ、大間違いですから、残念!

何が違うか、って。
具体的に、辞書を引いてみましょうか。

●遺憾(いかん)の意(い)を表(ひよう)・する

残念であるという気持ちを表す。
〔補説〕 自分の行動を釈明してわびる場合にも、
相手の行動に対して非難の気持ちを表す場合にも用いる


参照:[ 大辞林 提供:三省堂 ]


補説では、釈明してわびる場合にも用いるって書いてあるから。
謝罪している、ってのも間違いではないかもしれませんが。

基本的に
「~をしてごめんなさい。」

って、謝っているのではなく。

「~をして、~になって残念だ。」

って事を言ってるんですよ、彼らは。
決して、謝ってはいないんですよ

自分たちが悪いことをした場合でも、
まるで他人事のように、「残念だ
って言ってるんですよ、彼らは。

正直、こんな事言ってるやつらの事を
信用したくないのですが。
でも、かれらは「言い訳」に関しては一流ですから。
医者も、これを真似しても良いのかな、って思います。


いわゆる不祥事とか、そういうのって。
原因は本人とかにあって、明らかに悪い事をして。
それでも謝っていない、という立場ですけどね。

医療事故の場合は、医療ミスではなくて、
合併症が起きて。
結果が残念な事になった。
という事もよくあるんですよ。

そういう時こそ、謝るのではなく
遺憾の意を表する
というのが、適切なんじゃないかな、って思います。


マニュアルをよく読むと、なんでも謝れ。
って書いてあるのではなく。

〈1〉過失の有無が不明な段階でも、分かる範囲で状況を説明し、
  責任があることを表明する
〈2〉遺憾の意を表する
〈3〉過誤が判明した時は謝罪する
〈4〉再発防止策を示す


って書いてありますもんね。
だから、これ。
医療事故、謝罪マニュアルってタイトルは不適切で。
医療事故での対応マニュアル、とか。
そんな感じの方が良いと思うんですけどね。

医療事故の多くは、医療ミスではなく、
単なる合併症とか、結果的に患者の思ったとおりに
行かなかっただけ、って事なので。
〈1〉、〈2〉の段階。
遺憾の意を表する段階までで、謝罪をする前の段階で、
ほとんどは終わりますから。


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