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現役医師、循環器内科医(Dr. I)が医療について、詳しくわかりやすく解説するブログ。 引用、転載は自由ですが、その際は必ず引用元を明記して下さいね!
混合診療に関する私見
『混合診療、解禁するとどうなる?』
の記事で、混合診療について書いたのですけど。
予想通りというか、混合診療に関して、
質問が来ましたね。

「健康、病気なし、医者いらず」
「やぶ医師のつぶやき」、
両方のブログでコメントが来ました。


>いまいち解禁のデメリットがわからないのですが。
保険診療は今までどおり保険適用、
自由診療は自己負担で行うのは何が問題なのでしょうか?

使える人が少なくて医療の発展が遅れるというのは
厚生労働省が有効性を確認して順次保険適応可に
変えていけばいいのではないでしょうか。

自由診療の割合が増えてもそちらに保険を使わさなければ、
保険料だけ徴収して保険診療に回せばそちらが潤うのでは?

医療の平等はいまでもすべての病人に
最先端の医療を格安で提供できていない以上
建前だけになっていると思います。

裕福でない人は保険適用されている一般の治療を、
裕福な人は+αを自己負担で
受けてもらうのでいいのではないでしょうか?

頑張って稼いだ人も遊んで働かずにいた人も
同じレベルの医療を受けらされることこそ
平等ではないと思います。

この場合受けられる治療は高レベルで
最先端のものではなく低~中レベルの
一般的のものでしょうから。
どうも間違っているのは厚生労働省の
新規医療に対する保険適応可の無責任であって
混合診療解禁ではないと思います。



>とはいってもやはり、そのガンの方は
困っているんですよね?
でもおっしゃるとおり混合治療
私達にとって必ずしもプラスじゃない。
何処か大きめな病院一箇所を犠牲にして
特区か何かにしてくれれば解決
てことにならないかな?



実は、前回の記事では、敢えて自分の意見を
書かなかったんですよ、私。

混合診療に関しては、医師の間でも
いろいろ意見が分かれる所なんです。

で、今回は混合診療に関しての私見と、
この方達への回答をしていこうと思います。


混合診療の問題点は、
混合診療が解禁されると、保険診療の枠が狭くなる。
この一点です。

その理由は、混合診療を導入しようとしている人達は、
 ・民間保険市場を手に入れる保険屋
 ・公的支出を無限に減らせる財務省
 ・保険屋から税収が増える財務省
 ・米国の年次要求を果たした政府
 ・保険屋からの政治献金が増える政治屋
 ・新たな市場ができて天下り先が増える役人

等ですけど。

こういう人達が、規制改革・民間開放推進会議とか、
財政諮問会議とか、政治に影響を与える会議に入っていて。
そういう方向に進めようとしているからです。

今回訴訟を起こした方のように、
保険診療の既存のガン治療を行って、
かつそれ以上の保険外診療(自由診療
行っている人を救う、
という意味では、混合診療はむしろ好ましいとも言えます。

じゃあ、どうしたら良いかっていうと。
混合診療解禁しちゃえばよいんですよ。
ただし、条件付きですけどね

どういう条件かっていうと。
混合診療が解禁されて、保険診療の分が少なくなって、
自由診療の分が多くなるのが困る
のですから。

その枠組みを決めてしまえば良いんですよ、法律で。

詳しくは知らないんですけどね。
例えば、今の日本の医療。
保険診療自由診療(保険外診療)の比が
98だとします。

そしたら、混合診療を解禁した後も、
絶対にこの比を変えない。
保険診療自由診療(保険外診療)98
というのを維持しながら、混合診療解禁する。
って事にすれば良いんですよ。

財務省や財界は、最終的には保険診療30兆円
自由診療30兆円くらいにして。
新しい大きな市場を作りたい、って事で
混合診療解禁を唱えているんですけどね。
医療の合計が60兆円になっても、
保険診療自由診療(保険外診療)98
だから、保険診療59兆円
自由診療1兆円くらいの市場です。
って事になれば、財界もあんまりおいしくないから。
今みたいに、強引に混合診療解禁
唱える事はないと思います。

そうなれば、
>とはいってもやはり、そのガンの方は
困っているんですよね?


って、おっしゃる通り。
ガンで困っている人も助ける事ができますから。

>特区か何かにしてくれれば解決
てことにならないかな?


特区も良いんですけど。
法律で保険診療の枠というか、比を決めてしまう、
っていうのも一つの手だと思います。


今回の判例は、混合診療を推進するものではなく、
混合診療禁止っていうなら、きちんと法律を作りなさい
って事だと思うんですよね、私。

だから、これを機にきちんとした法律を作る
もしくは、混合診療解禁って事にするなら、
保険診療自由診療(保険外診療)の比を変えない。
って事を、法律で決めてしまえば良いんですよ。

そういう事なら、私は混合診療には賛成します。

保険診療は今までどおり保険適用、
自由診療は自己負担で行うのは何が問題なのでしょうか?


きちんと法律で決めて、
保険診療の範囲を狭くしない、って事であれば
私も問題ないと思いますよ。

自由診療の割合が増えてもそちらに保険を使わさなければ、
保険料だけ徴収して保険診療に回せばそちらが潤うのでは?


保険診療の範囲が狭くなって、自由診療の分が
大きくなってしまったら。
国民皆保険は崩れます。

例えば、財界が期待しているような、
保険診療自由診療(保険外診療)5050
位になっちゃったとしても。
国民が保険で払い込む額は変わらないと思います。

で、結局自由診療の分で、医療がたくさんかかるから。
結局新しい保険にも入らなきゃならなくなって、
保険屋は儲かります


そして、今までの半分くらいしか価値がない保険に、
今と同じ金額を払う
、って事になるかもしれませんよ。


混合診療の問題点は、保険診療の範囲が狭くなる
って事なので。
そうならないように、保険診療自由診療(保険外診療)
の比を法律で決めてしまう
って事であれば、私は混合診療に、むしろ賛成の立場です。

現時点で混合診療が解禁されたら、
保険診療の枠とかの制限は、「裁量行政」になってしまいます。
厚労省は、財務省に財布を握られているので、
財務省の意向には逆らえないでしょう。

だから、今のままで混合診療が解禁されたら、
財務省や財界の思惑通り、保険診療の枠が
狭くなる事が予想されます。



>どうも間違っているのは厚生労働省の
新規医療に対する保険適応可の無責任であって
混合診療解禁ではないと思います。


仰るとおりです。
そうならない為に、もし混合診療が解禁されるとしたら、
何らかの法規制が必要だと思いますよ、私は。


ただし、そんな事になったら、財界は全然おいしくないので。
きっとそうはならないと思いますよ。


それと、もう一つ。

>開業医を守る医師会の立場としては仕方がない。
しかし医療技術、医療設備で差別化が図れる
勤務医まで混合医療に反対なのはなぜか?


きれい事って言われるかもしれませんけど。
一言で言えば「患者のため」です。

例えば、土建屋が「公共事業削減反対」とか。
農家の人が「農家への補助金削減反対」とか。
そういう事を言っているのは「自分たちの利益が減るから
ですよ、はっきり言って。
だから、他の人達にとっては、説得力がありません

開業医(医師会)混合診療に反対しているのも、
自分たちの利益を守る」、って側面が強いので。
あまり説得力がありません。

この質問で言われているように、勤務医にとっては、
混合診療デメリットっていうのは、あまりないんですよ。
むしろ、混合診療が解禁されたら、をするかもしれない。
そういう人間が、「混合診療反対。」
って唱える事に意義があると思いますよ。

私が言うような条件なし混合診療が解禁されれば、
困るのは国民ですから。
自分の利益を守るために反対って言っているわけではなく、
国民というか患者の為に反対しているんですからね。

最初に書いた通り、勤務医全員が混合診療解禁
反対しているわけではないです。

私はあくまで、一勤務医ですけど、
患者のため、国民のために良くないと思って、
条件なし混合診療解禁には反対の立場です。


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