福島大野病院で、産科医が不当逮捕された事件以来、
日本では「お産」が出来る病院が、劇的に減少しています。
中間管理職先生のブログ、「勤務医 開業つれづれ日記」、
『【産科 休止一覧 7】 日本全国 今後の崩壊予定』
によると、平成18年から平成20年01月20日の時点までで、
日本全国で220の病院でお産が中止、制限されているようですが。
(手で数えたので、間違っていたらごめんなさい)
今年に入ってから、更にそのペースが加速しているようですね。
なんと、ほぼ1日に1件のペースで、
お産ができる病院(医療機関)が減っているようですよ。
77カ所でお産中止や制限
24都府県、医師不足が主因
全国の産科医療機関のうち24都府県の
77カ所で今年1月以降、お産を休止したり、
お産取り扱い件数を制限したりすることを
決めたことが25日、厚生労働省の緊急調査で分かった。
開業医の高齢化や、勤務医の異動、
退職に伴う人手不足が主な原因という。
厚労省はこのうち福島、群馬、長野、静岡、沖縄の
5県にある計7カ所について
「それぞれの地域でのお産継続は困難」と判断、
近隣の大学病院などから緊急の医師派遣を検討している。
身近な「お産の場」が深刻な危機に直面している
実態があらためて浮き彫りになった。
厚労省はこの調査結果を同日、厚労、文部科学、総務の
3省による「地域医療に関する関係省庁連絡会議」に報告。
厚労省は1月24日、各都道府県に対し、
1月以降にお産休止や制限を実施したり、
計画したりしている医療機関を報告するよう指示。
3月24日までの報告を集計した。
参照:『中日新聞:2008年3月25日』
勤務医 開業つれづれ日記のデーターは、
一部に2008年4月からお産中止(制限)っていう
病院も入っていますから。
実際は、もうちょっと少ないのかもしれませんが。
だいたい、2年で220のペースですよ。
お産が中止、もしくは制限された病院のペースは。
今回明らかになったのは、
>77カ所で今年1月以降、お産を休止したり、
お産取り扱い件数を制限
って事ですから。
3ヶ月弱で、77カ所です。
1月は31日。
2月は29日。
3月24日までの統計ですから。
84日ですね。
84日で77件って。
ほぼ1日に1件ペースですよ。
お産が中止もしくは制限された病院(医療機関)。
これ、ものすごいペースですよー。
2006.2.18に福島の大野病院で、
産科医が困難な症例に立ち向かって患者を救えなかった。
って事だけで、逮捕された事件以降。
日本全国で産科医が1人の病院では、
どんどんお産ができなくなっていましたから。
平成18年(2006年)からの2年っていうのは、
それ以前と比べて相当早いペースで、
お産ができる病院が減っていましたけど。
それでも、2年で220件です。
お産が中止、もしくは休止、制限された病院は。
ちなみに、それ以前のデーターを比べてみると、
分娩施設数及び出生数
年度 総施設数 病院数 診療所数 出生数
1996 3991 1720 2271 1206555
1999 3697 1625 2072 1177669
2002 3306 1503 1803 1153855
2005 2933 1321 1612 1114643
前回調査比減少数
年度 総施設数 病院数 診療所数 出生数
1999 294 95 199 28886
2000 391 122 269 23814
2005 373 182 191 39221
参照:「新小児科医のつぶやき」、
『厚労官僚の超強力電波』
より、
『第27回社会保障審議会医療保険部会の配布資料』
お産ができなくなった医療機関は
1996-1999年
病院 : 約30件/年
病院、診療所: 約100/年
1999-2002年
病院 : 約40件/年
病院、診療所: 約130/年
2002-2005年
病院 : 約60件/年
病院、診療所: 約120/年
と、年々増えている傾向にあるのがわかります。
2006-2007年は
病院 : 110件/年
ですから、その前の3年と比べると、約2倍。
10年前と比べると、約4倍のペースですか。
まあ、制限っていうのが、何件あるかわかんないし。
ここ2年に関しては、診療所はわかんないんで。
単純に比較はできないのかもしれませんがね。
そいで、2008年の3月途中までの経過では。
病院、診療所: 300件/年
くらいですからね。
今までのペースだと。
どんだけ、多いんじゃー。
病院だけ、っていうのはわかりませんけど。
これ、その前までの年の約3倍ペースですね。
すごいわ、やっぱ。
昨年まででも、お産ができる病院の
崩壊ペースは、それ以前の約2-4倍です。
それを、大幅に上回るペースで、
お産ができる病院(診療所)が減っています。
医療崩壊が最も進んでいるのは、産科、小児科、救急だ、
って事は何回も書いていますけど。
これは、思っていた以上のペースですねー。
かなりの衝撃です。
どっかの新聞記事で、お産ができる病院、診療所は
日本で約3000件。
って書いてありましたけど。
なんか、大昔のデーターになっちゃいましたね。
多分、今だと2500位だと思いますけど。
2年後くらいには、2000件くらいになるでしょうねー。
このペースで、産科崩壊が続けば。
そいで、この結果を踏まえて、
厚労省が産科医不足の7医療機関に緊急派遣を
しようとしているみたいなんですが。
なんか、すごい事になりそうな気配ですねー。
これも、Yosyan先生のブログからの情報なんですが、
→ 『舞台裏』
厚生労働省は3月25日、「産科医療機関調査」の
結果を踏まえ、今年1月以降、分娩の休止・制限が
実施または予定されている7医療機関に対して、
産科医の派遣などを実施したり、
何らかの対策を講じることを明らかにした。
対象となるのは、以下の7施設で、
地元大学のほか、防衛省などからの派遣を予定している。
【対応した医療機関】
●福島県:県立南会津病院
4月から近隣医療機関の協力で妊婦健診を継続
さらに防衛省と愛育病院より後期研修医の派遣を実施予定
参照:『m3.com:医療維新』
防衛省などからの派遣って記事には書いてありますが。
要は、防衛医科大学の医師(産科医)を派遣する。
って事ですよ。
埼玉県っていうのは、産科医の1人当たりの出産取り扱い数が、
ダントツで日本で一番多い県です。
『厚労官僚の超強力電波』
にも書いてありますが。
産科医には、一人あたりの年間適正分娩数というのがあって。
これは、一年で120件って言われています。
これが150件を越えると明らかな過剰労働になるんですが。
なんと、埼玉県の場合。
医師1人当たりの出産数が、338件。
これ、適正分娩数の約3倍。
過剰労働って言われている150件と比べても、
2倍も多いんですよ。
全国2位の千葉県で、221件ですから。
いかに多いかがわかると思います。
しかーも。
これ、2005.12.1のデーターですから。
そこから、2年半も経っていますからね。
産科医の数も、当然減っていますから。
おそらく、もっと大変な事になっていると思います。
埼玉県でも、防衛医大だけものすごいたくさん、
産科医の数がいるのか、っていうと。
現在、防衛医大は教授を含んでも、スタッフ4人!!
専門研修医官4人だけ。
だから600弱の分娩と550件の手術を
まかないきれなくって大学院生まで動員して
なんとかしている状況だそうですよ。
防衛医大っていっても、要はただの大学病院だから。
他の大学病院と同じ様に、医師不足に悩んでいるんですよ。
そこから、国の緊急医師派遣、
っていう点数稼ぎの為だけに。
無理矢理、防衛医大から他の病院に産科医を送って。
その結果、
日常業務に支障が出るようなら診療制限を行なう。
って。
防衛医大でのお産を制限したら。
ただでさえ、日本一1人当たりの出産件数の多い、
他の埼玉県の産科医の先生に迷惑かけて、
もっとお産をとってもらう、って事っすからね。
それ、やっぱおかしいんじゃないですかねー。
Yosyan先生が言っているように、
「タコが自分の足を食う」って言われる事あると思いますけど。
今回の場合は、それ以下っすね。
餓死寸前のタコが他の腹ペコのタコに
「自分の足を食わせる」状況と言っても良いと思いますよ。
しかも、正規の命令じゃないから、
自主的に行ったって形になるそうだから。
めちゃくちゃ忙しい中に半強制的に放り出されて、
何か医療事故があったら、自己責任。
逮捕だー、って事になりかねませんよ。
なにせ、福島には大野病院の産科医の先生を逮捕した、
福島県警がありますから。
医者のホンネが知りたい人は、こちらから!
→ 『医者のホンネが丸わかり!(改)』
ブログランキングの応援もよろしくね!
↓ ↓ ↓

日本では「お産」が出来る病院が、劇的に減少しています。
中間管理職先生のブログ、「勤務医 開業つれづれ日記」、
『【産科 休止一覧 7】 日本全国 今後の崩壊予定』
によると、平成18年から平成20年01月20日の時点までで、
日本全国で220の病院でお産が中止、制限されているようですが。
(手で数えたので、間違っていたらごめんなさい)
今年に入ってから、更にそのペースが加速しているようですね。
なんと、ほぼ1日に1件のペースで、
お産ができる病院(医療機関)が減っているようですよ。
77カ所でお産中止や制限
24都府県、医師不足が主因
全国の産科医療機関のうち24都府県の
77カ所で今年1月以降、お産を休止したり、
お産取り扱い件数を制限したりすることを
決めたことが25日、厚生労働省の緊急調査で分かった。
開業医の高齢化や、勤務医の異動、
退職に伴う人手不足が主な原因という。
厚労省はこのうち福島、群馬、長野、静岡、沖縄の
5県にある計7カ所について
「それぞれの地域でのお産継続は困難」と判断、
近隣の大学病院などから緊急の医師派遣を検討している。
身近な「お産の場」が深刻な危機に直面している
実態があらためて浮き彫りになった。
厚労省はこの調査結果を同日、厚労、文部科学、総務の
3省による「地域医療に関する関係省庁連絡会議」に報告。
厚労省は1月24日、各都道府県に対し、
1月以降にお産休止や制限を実施したり、
計画したりしている医療機関を報告するよう指示。
3月24日までの報告を集計した。
参照:『中日新聞:2008年3月25日』
勤務医 開業つれづれ日記のデーターは、
一部に2008年4月からお産中止(制限)っていう
病院も入っていますから。
実際は、もうちょっと少ないのかもしれませんが。
だいたい、2年で220のペースですよ。
お産が中止、もしくは制限された病院のペースは。
今回明らかになったのは、
>77カ所で今年1月以降、お産を休止したり、
お産取り扱い件数を制限
って事ですから。
3ヶ月弱で、77カ所です。
1月は31日。
2月は29日。
3月24日までの統計ですから。
84日ですね。
84日で77件って。
ほぼ1日に1件ペースですよ。
お産が中止もしくは制限された病院(医療機関)。
これ、ものすごいペースですよー。
2006.2.18に福島の大野病院で、
産科医が困難な症例に立ち向かって患者を救えなかった。
って事だけで、逮捕された事件以降。
日本全国で産科医が1人の病院では、
どんどんお産ができなくなっていましたから。
平成18年(2006年)からの2年っていうのは、
それ以前と比べて相当早いペースで、
お産ができる病院が減っていましたけど。
それでも、2年で220件です。
お産が中止、もしくは休止、制限された病院は。
ちなみに、それ以前のデーターを比べてみると、
分娩施設数及び出生数
年度 総施設数 病院数 診療所数 出生数
1996 3991 1720 2271 1206555
1999 3697 1625 2072 1177669
2002 3306 1503 1803 1153855
2005 2933 1321 1612 1114643
前回調査比減少数
年度 総施設数 病院数 診療所数 出生数
1999 294 95 199 28886
2000 391 122 269 23814
2005 373 182 191 39221
参照:「新小児科医のつぶやき」、
『厚労官僚の超強力電波』
より、
『第27回社会保障審議会医療保険部会の配布資料』
お産ができなくなった医療機関は
1996-1999年
病院 : 約30件/年
病院、診療所: 約100/年
1999-2002年
病院 : 約40件/年
病院、診療所: 約130/年
2002-2005年
病院 : 約60件/年
病院、診療所: 約120/年
と、年々増えている傾向にあるのがわかります。
2006-2007年は
病院 : 110件/年
ですから、その前の3年と比べると、約2倍。
10年前と比べると、約4倍のペースですか。
まあ、制限っていうのが、何件あるかわかんないし。
ここ2年に関しては、診療所はわかんないんで。
単純に比較はできないのかもしれませんがね。
そいで、2008年の3月途中までの経過では。
病院、診療所: 300件/年
くらいですからね。
今までのペースだと。
どんだけ、多いんじゃー。
病院だけ、っていうのはわかりませんけど。
これ、その前までの年の約3倍ペースですね。
すごいわ、やっぱ。
昨年まででも、お産ができる病院の
崩壊ペースは、それ以前の約2-4倍です。
それを、大幅に上回るペースで、
お産ができる病院(診療所)が減っています。
医療崩壊が最も進んでいるのは、産科、小児科、救急だ、
って事は何回も書いていますけど。
これは、思っていた以上のペースですねー。
かなりの衝撃です。
どっかの新聞記事で、お産ができる病院、診療所は
日本で約3000件。
って書いてありましたけど。
なんか、大昔のデーターになっちゃいましたね。
多分、今だと2500位だと思いますけど。
2年後くらいには、2000件くらいになるでしょうねー。
このペースで、産科崩壊が続けば。
そいで、この結果を踏まえて、
厚労省が産科医不足の7医療機関に緊急派遣を
しようとしているみたいなんですが。
なんか、すごい事になりそうな気配ですねー。
これも、Yosyan先生のブログからの情報なんですが、
→ 『舞台裏』
厚生労働省は3月25日、「産科医療機関調査」の
結果を踏まえ、今年1月以降、分娩の休止・制限が
実施または予定されている7医療機関に対して、
産科医の派遣などを実施したり、
何らかの対策を講じることを明らかにした。
対象となるのは、以下の7施設で、
地元大学のほか、防衛省などからの派遣を予定している。
【対応した医療機関】
●福島県:県立南会津病院
4月から近隣医療機関の協力で妊婦健診を継続
さらに防衛省と愛育病院より後期研修医の派遣を実施予定
参照:『m3.com:医療維新』
防衛省などからの派遣って記事には書いてありますが。
要は、防衛医科大学の医師(産科医)を派遣する。
って事ですよ。
埼玉県っていうのは、産科医の1人当たりの出産取り扱い数が、
ダントツで日本で一番多い県です。
『厚労官僚の超強力電波』
にも書いてありますが。
産科医には、一人あたりの年間適正分娩数というのがあって。
これは、一年で120件って言われています。
これが150件を越えると明らかな過剰労働になるんですが。
なんと、埼玉県の場合。
医師1人当たりの出産数が、338件。
これ、適正分娩数の約3倍。
過剰労働って言われている150件と比べても、
2倍も多いんですよ。
全国2位の千葉県で、221件ですから。
いかに多いかがわかると思います。
しかーも。
これ、2005.12.1のデーターですから。
そこから、2年半も経っていますからね。
産科医の数も、当然減っていますから。
おそらく、もっと大変な事になっていると思います。
埼玉県でも、防衛医大だけものすごいたくさん、
産科医の数がいるのか、っていうと。
現在、防衛医大は教授を含んでも、スタッフ4人!!
専門研修医官4人だけ。
だから600弱の分娩と550件の手術を
まかないきれなくって大学院生まで動員して
なんとかしている状況だそうですよ。
防衛医大っていっても、要はただの大学病院だから。
他の大学病院と同じ様に、医師不足に悩んでいるんですよ。
そこから、国の緊急医師派遣、
っていう点数稼ぎの為だけに。
無理矢理、防衛医大から他の病院に産科医を送って。
その結果、
日常業務に支障が出るようなら診療制限を行なう。
って。
防衛医大でのお産を制限したら。
ただでさえ、日本一1人当たりの出産件数の多い、
他の埼玉県の産科医の先生に迷惑かけて、
もっとお産をとってもらう、って事っすからね。
それ、やっぱおかしいんじゃないですかねー。
Yosyan先生が言っているように、
「タコが自分の足を食う」って言われる事あると思いますけど。
今回の場合は、それ以下っすね。
餓死寸前のタコが他の腹ペコのタコに
「自分の足を食わせる」状況と言っても良いと思いますよ。
しかも、正規の命令じゃないから、
自主的に行ったって形になるそうだから。
めちゃくちゃ忙しい中に半強制的に放り出されて、
何か医療事故があったら、自己責任。
逮捕だー、って事になりかねませんよ。
なにせ、福島には大野病院の産科医の先生を逮捕した、
福島県警がありますから。
医者のホンネが知りたい人は、こちらから!
→ 『医者のホンネが丸わかり!(改)』
ブログランキングの応援もよろしくね!
↓ ↓ ↓

スポンサーサイト
事故で病院に運ばれて、心臓に傷がついて、
「心タンポナーデ」になって亡くなった方がいたんですよ。
その患者が亡くなったのは、事故のせいじゃなくて、
助けられなかった病院(センターを運営する
国立病院機構)のせいだ。
だから、慰謝料1100万円払え。
って判決が、京都地裁でH20.2.29に出ましたわ。
その時の新聞記事は、これです。
事故負傷男性死亡、病院に1100万円賠償命令
交通事故で負傷した京都市の男性(当時57歳)が
搬送先の京都医療センター(京都市伏見区)で
死亡したのはセンターが適切な処置を怠ったため
として、妻ら遺族3人が、センターを運営する
国立病院機構(東京都)に約7600万円の
損害賠償を求めた訴訟の判決が29日、
京都地裁であった。
井戸謙一裁判 長は「手術が遅れていなければ、
生存できる可能性があった」として
同機構に1100万円の支払いを命じた。
判決によると、男性は2005年2月21日、
上り坂でトラックと別の車に挟まれ、
同センターに搬送された。
翌日朝、外傷による心臓の異常が見つかり、
手術を受けたが、10日後に死亡した。
井戸裁判長は判決で、異常が判明した約1時間後に
男性がショック状態になったのに、
人工呼吸などに手間取って手術開始まで
約30分かかったと指摘し、
「ショック状態になった際、
何よりも優先して手術するべきだった」と述べた。
2008年3月1日【読売新聞】
この記事が出たときに、更に今の救急医療の崩壊に
追い打ちをかける最悪の判決だ。
って事で、医師ブログや医師以外の方のブログでも、
この事について書かれていました。
参照:『すべての救急病院に
24時間態勢でスーパー救急医を求める判決』
『救急医療へのトドメ』
『トラックと勝負したら…』
その詳細な判決文が出たので、
ちょっと解説していきますね。
結論から言っちゃうと、「とんでも判決」ですわ。
医師の側はガイドライン通りに、診察や検査をした。
そして、次の日の朝に「心タンポナーデ」
っていう状態になっているから。
心臓血管外科の専門家に相談して、
今すぐじゃなくて一時間後に心臓の手術をしましょう。
っていう話になったんです。
でも、手術の説明をしようと家族を待っている間、
患者が急変して、心臓も呼吸も止まった。
だから、心臓マッサージとか、人工呼吸とか、
心臓を動かす薬を使って、30分頑張った。
そして、30分後に心臓の手術をして、
一瞬心臓は動いたけど、残念ながら救命できなかった。
朝までの処置、検査には全く問題はないけど、
心臓が止まった後は、心臓マッサージも、
人工呼吸もいらないから、早く手術しなさい。
10分以内に手術を始めたら、
もう少し生き延びる可能性があったんだから。
かわいそうだから、慰謝料払ってあげなさいよ。
って判決です。
ちなみに、「心タンポナーデ」っていうのは、
心臓の周りには心膜っていう膜があって。
心臓のまわりをとりかこむ袋の事を
心嚢(しんのう)っていいます。
心嚢(しんのう)に水や血が貯まって
心臓が広がらなくなる状態の事です。
場合によっては、これで亡くなる事もあります。
「心タンポナーデ」に関しては、以前に詳しく書いたので、
こちらを読んで下さいね!
『救急医療も崩壊2』
ほんと、ばかばかしい判決ですよ。
「福島大野病院事件」でも、ついこの間、
検察側は禁固1年を求刑したようですが。
医療訴訟も、医療崩壊を招いた原因の一つです。
民事の医療訴訟を起こす事ができるのは、
国民の権利ですから。
それを止める事自体はできないのですが。
こういうところがおかしい、っていう事を
具体的に指摘していくしか、医療訴訟を抑制する方法は
今のところはないようなので。
ただ、バカみたい、って言ってもしょうがないので。
どこがおかしいか、具体的に検証していきましょう。
引用元は、「新小児科医のつぶやき」の
『京都心タンポナーゼ訴訟』からです。
いつもお世話になっております。
判決文は33ページあって、専門的ですが。
ここにありますので、興味ある人は読んで下さい。
『京都地方裁判所 第1民事部』
細かい事故の経過に関しては良いとして。
病院に運ばれた後の経過について書いていきます。
結構、専門用語が出てきますので。
それを全部やると長くなるので。
初めは経過と専門用語の解説をして。
その後にまとめますか。
Yosyan先生のとこがまとまっていますので、
引用させて貰いますね。
亡D(患者)は,被告病院救命救急科外来で,
「左足関節開放性脱臼骨折」と診断された。
亡Dは,被告病院搬入時,意識清明であり,
頭頸部に異常なく,胸部に圧痛なく,
呼吸音は左右差なく清であり,上肢の可動性は良好で,
腹壁は平坦で軟らかく,腸管の蠕動音は正常で,
骨盤の動揺はなく,直腸,前立腺,
肛門括約筋,右下肢等に異常はなかった。
亡Dに対しては,胸腹部のFAST
(心嚢,腹腔及び胸腔の液体貯留の検索を
目的とした迅速簡易超音波検査法,
以下「搬入時FAST」という。),
胸部正面仰臥位X線単純撮影
(以下「搬入時胸部X線撮影」という。),
腹部臥位,骨盤,足,膝関節等のX線単純撮影,
12誘導心電図検査(以下
「第1回12誘導心電図検査」という。)
等が実施され,上記の胸部正面仰臥位単純撮影によって,
左第6肋骨側胸部に骨折が認められた。
被告病院救急救命科医師は,速やかに
左足関節の脱臼観血的整復術を
実施する必要があると判断した。
救急科外来で行われた検査として、
1.搬入時FAST
2.腹部臥位,骨盤,足,膝関節等のX線単純撮影
3.12誘導心電図検査
これらが行われ、
左足関節開放性脱臼骨折
左第6肋骨側胸部に骨折
この二つが発見されています。
他の所見は診察所見も含めて異常がなく、
左足関節開放性脱臼骨折の治療が必要だ、
って判断をされたようです。
そいで、すぐに手術は行なわれます。
異常なしだから、当然「心タンポナーデ」も、
この時にはありません。
最初に医学用語の解説をしていきましょうか。
「FAST」そして「JATEC」
「JATEC」っていうのは、まだ出てこないのだけど。
判決文には何回か出てくるし、これを知らないと
「FAST」もわかんないので、最初にこれから解説。
「JATEC」っていうのは、
Japan Advanced Trauma Evaluation and Care
の略で、「外傷初期診療ガイドライン」の事です。
事故とか外傷で、救命救急センターに搬送された
傷病者を迅速に検査・治療するための
ガイドラインですわ。
判決文に何回も出てくるけど。
京都医療センターの救急の医師は、
JATEC(外傷初期診療ガイドライン)に
沿って診察や検査をしていますから。
それに関しては、過失は認められない。
という判決になっています。
そして、もう既に出ているけど。
この後にも何回も出てくる「FAST」。
「FAST」
Focused assessment with sonography for trauma
の略語で、心のう、腹腔および
胸腔の液体貯留の検索を目的とした
迅速簡易超音波検査の事です。
事故が起こって亡くなる方の多くは、「出血性ショック」です。
事故でどっか血管とか内臓が傷ついて、
そいでたくさん出血して亡くなるんですよ、ほとんどは。
体の外側で出血していれば、
見ればわかるんですけど。
体の中で出血していたら、わかんないですよね。
だから、体の中の検査をします。
ゆっくり時間をかけて検査していたら、
大量に出血していたら間に合わないでしょ。
だから、短時間で大出血がないか
簡易超音波(エコー)で確認しましょう。
っていうのが「FAST」ってやつですわ。
体の中で出血すると、血は下の方に貯まりますよね。
重力があるから当たり前です。
で、体の中で出血すると、「血が貯まりやすい場所」
っていうのが、いくつかあるんですよ。
簡単に言うと、体の下の方。
まあ、単純にそれだけではないんですけどね。
心臓の場合は、心膜っていう膜に包まれているから。
心臓に傷がついて出血した場合、
下の方に血が貯まるんじゃなくて、
心臓の「周り(心のう)」に血が貯まります。
人間の体の中って、いくつかの「膜」で」仕切られていて。
胸と腹、とか「胸膜」とか「腹膜」っていう「膜」で
区切られているんですよ。
そいで、大量に出血した場合、血液が貯まりやすい所、
っていうのは、だいたい決まっています。
そこに、エコーを当てて、血が貯まっていないか確認します。
具体的には、心のう(心臓の周り)、
モリソン窩(肝臓と腎臓の間の辺り)、左胸腔、
脾臓の周り、膀胱直腸窩(横になった時、腰の下の方)です。
出血性ショックになる場合の多くは、血胸、腹腔内出血、
心タンポナーデなので、外傷、事故の人が来たら、
すぐに診察をして、その後にFASTをやります。
そして単純X線なんかの検査と組み合わせて
血胸、腹腔内出血、心タンポナーデがないかを、
確認します。
今回の場合、胸やお腹を診察して、それは正常です。
そいで、その後「FAST」と、レントゲンを組み合わせた
検査をしています。
JATECってガイドライン通りです。
JATECには、心臓が疑われる場合は、心電図も撮りなさい。
って書いてありますが、これもやってるし、全く問題ありません。
そして、
>左足関節開放性脱臼骨折
左第6肋骨側胸部に骨折
と診断します。
はい、ここでも医学用語の解説。
「開放骨折」
別名「複雑骨折」とも言われますけど。
わかりにくくなるので、医者は「複雑骨折」っていう
言葉はあんまり使わないですね。
「開放骨折」っていうのは簡単に言うと、
「ホネが皮膚の外に飛び出した骨折」のことです。
「開放骨折」って、名前そのまんまっすね。
ホネが皮膚の外に飛び出ているわけですから。
そっから、ばい菌が中まで入ってしまって、
感染を起こす可能性が高いので。
治療が難しくなります。
基本的には、手術が必要な場合が多いです。
今回の場合も、内臓とかに出血はなさそうだから。
まずは、開放骨折の手術が必要だ、って判断して。
すぐにこの手術をしています。
本題の「心タンポナーデ」とか、心臓の手術に入る前に、
医学用語の解説だけで長くなってしまったので。
今回は、ここまでにしましょうか。
今回のところは、事故で患者が病院に運ばれたけど、
医師が最初に行った検査や診察には問題がない。
そいで、最初の時は、「心タンポナーデ」にはなってなくて、
左足関節開放性脱臼骨折と左第6肋骨側胸部に骨折があって、
開放骨折の方はすぐに手術が必要だ。
ってとこまででした。
私は循環器内科医なので、「心タンポナーデ」
っていうのは、一応専門なんですが。
「外傷性心タンポナーデ」っていうのは、
事故、けがだから、「外科」というか「救急」なんですよね。
専門は。
だから、専門分野以外の事も多いので、
足りない点も多いとは思いますので。
間違っている点や不足している点があれば、
専門家の先生にご指摘いただけるとありがたいです。
よろしくお願いします。
「心タンポナーデ」の事件で有名な別の裁判に関しては、
以前に書いたことがありますので。
興味あったら、こっちもみて下さいね!
『救急医療も崩壊1』
『救急医療も崩壊2』
『救急医療も崩壊3』
ブログランキングの応援もよろしくね!
↓ ↓ ↓

「心タンポナーデ」になって亡くなった方がいたんですよ。
その患者が亡くなったのは、事故のせいじゃなくて、
助けられなかった病院(センターを運営する
国立病院機構)のせいだ。
だから、慰謝料1100万円払え。
って判決が、京都地裁でH20.2.29に出ましたわ。
その時の新聞記事は、これです。
事故負傷男性死亡、病院に1100万円賠償命令
交通事故で負傷した京都市の男性(当時57歳)が
搬送先の京都医療センター(京都市伏見区)で
死亡したのはセンターが適切な処置を怠ったため
として、妻ら遺族3人が、センターを運営する
国立病院機構(東京都)に約7600万円の
損害賠償を求めた訴訟の判決が29日、
京都地裁であった。
井戸謙一裁判 長は「手術が遅れていなければ、
生存できる可能性があった」として
同機構に1100万円の支払いを命じた。
判決によると、男性は2005年2月21日、
上り坂でトラックと別の車に挟まれ、
同センターに搬送された。
翌日朝、外傷による心臓の異常が見つかり、
手術を受けたが、10日後に死亡した。
井戸裁判長は判決で、異常が判明した約1時間後に
男性がショック状態になったのに、
人工呼吸などに手間取って手術開始まで
約30分かかったと指摘し、
「ショック状態になった際、
何よりも優先して手術するべきだった」と述べた。
2008年3月1日【読売新聞】
この記事が出たときに、更に今の救急医療の崩壊に
追い打ちをかける最悪の判決だ。
って事で、医師ブログや医師以外の方のブログでも、
この事について書かれていました。
参照:『すべての救急病院に
24時間態勢でスーパー救急医を求める判決』
『救急医療へのトドメ』
『トラックと勝負したら…』
その詳細な判決文が出たので、
ちょっと解説していきますね。
結論から言っちゃうと、「とんでも判決」ですわ。
医師の側はガイドライン通りに、診察や検査をした。
そして、次の日の朝に「心タンポナーデ」
っていう状態になっているから。
心臓血管外科の専門家に相談して、
今すぐじゃなくて一時間後に心臓の手術をしましょう。
っていう話になったんです。
でも、手術の説明をしようと家族を待っている間、
患者が急変して、心臓も呼吸も止まった。
だから、心臓マッサージとか、人工呼吸とか、
心臓を動かす薬を使って、30分頑張った。
そして、30分後に心臓の手術をして、
一瞬心臓は動いたけど、残念ながら救命できなかった。
朝までの処置、検査には全く問題はないけど、
心臓が止まった後は、心臓マッサージも、
人工呼吸もいらないから、早く手術しなさい。
10分以内に手術を始めたら、
もう少し生き延びる可能性があったんだから。
かわいそうだから、慰謝料払ってあげなさいよ。
って判決です。
ちなみに、「心タンポナーデ」っていうのは、
心臓の周りには心膜っていう膜があって。
心臓のまわりをとりかこむ袋の事を
心嚢(しんのう)っていいます。
心嚢(しんのう)に水や血が貯まって
心臓が広がらなくなる状態の事です。
場合によっては、これで亡くなる事もあります。
「心タンポナーデ」に関しては、以前に詳しく書いたので、
こちらを読んで下さいね!
『救急医療も崩壊2』
ほんと、ばかばかしい判決ですよ。
「福島大野病院事件」でも、ついこの間、
検察側は禁固1年を求刑したようですが。
医療訴訟も、医療崩壊を招いた原因の一つです。
民事の医療訴訟を起こす事ができるのは、
国民の権利ですから。
それを止める事自体はできないのですが。
こういうところがおかしい、っていう事を
具体的に指摘していくしか、医療訴訟を抑制する方法は
今のところはないようなので。
ただ、バカみたい、って言ってもしょうがないので。
どこがおかしいか、具体的に検証していきましょう。
引用元は、「新小児科医のつぶやき」の
『京都心タンポナーゼ訴訟』からです。
いつもお世話になっております。
判決文は33ページあって、専門的ですが。
ここにありますので、興味ある人は読んで下さい。
『京都地方裁判所 第1民事部』
細かい事故の経過に関しては良いとして。
病院に運ばれた後の経過について書いていきます。
結構、専門用語が出てきますので。
それを全部やると長くなるので。
初めは経過と専門用語の解説をして。
その後にまとめますか。
Yosyan先生のとこがまとまっていますので、
引用させて貰いますね。
亡D(患者)は,被告病院救命救急科外来で,
「左足関節開放性脱臼骨折」と診断された。
亡Dは,被告病院搬入時,意識清明であり,
頭頸部に異常なく,胸部に圧痛なく,
呼吸音は左右差なく清であり,上肢の可動性は良好で,
腹壁は平坦で軟らかく,腸管の蠕動音は正常で,
骨盤の動揺はなく,直腸,前立腺,
肛門括約筋,右下肢等に異常はなかった。
亡Dに対しては,胸腹部のFAST
(心嚢,腹腔及び胸腔の液体貯留の検索を
目的とした迅速簡易超音波検査法,
以下「搬入時FAST」という。),
胸部正面仰臥位X線単純撮影
(以下「搬入時胸部X線撮影」という。),
腹部臥位,骨盤,足,膝関節等のX線単純撮影,
12誘導心電図検査(以下
「第1回12誘導心電図検査」という。)
等が実施され,上記の胸部正面仰臥位単純撮影によって,
左第6肋骨側胸部に骨折が認められた。
被告病院救急救命科医師は,速やかに
左足関節の脱臼観血的整復術を
実施する必要があると判断した。
救急科外来で行われた検査として、
1.搬入時FAST
2.腹部臥位,骨盤,足,膝関節等のX線単純撮影
3.12誘導心電図検査
これらが行われ、
左足関節開放性脱臼骨折
左第6肋骨側胸部に骨折
この二つが発見されています。
他の所見は診察所見も含めて異常がなく、
左足関節開放性脱臼骨折の治療が必要だ、
って判断をされたようです。
そいで、すぐに手術は行なわれます。
異常なしだから、当然「心タンポナーデ」も、
この時にはありません。
最初に医学用語の解説をしていきましょうか。
「FAST」そして「JATEC」
「JATEC」っていうのは、まだ出てこないのだけど。
判決文には何回か出てくるし、これを知らないと
「FAST」もわかんないので、最初にこれから解説。
「JATEC」っていうのは、
Japan Advanced Trauma Evaluation and Care
の略で、「外傷初期診療ガイドライン」の事です。
事故とか外傷で、救命救急センターに搬送された
傷病者を迅速に検査・治療するための
ガイドラインですわ。
判決文に何回も出てくるけど。
京都医療センターの救急の医師は、
JATEC(外傷初期診療ガイドライン)に
沿って診察や検査をしていますから。
それに関しては、過失は認められない。
という判決になっています。
そして、もう既に出ているけど。
この後にも何回も出てくる「FAST」。
「FAST」
Focused assessment with sonography for trauma
の略語で、心のう、腹腔および
胸腔の液体貯留の検索を目的とした
迅速簡易超音波検査の事です。
事故が起こって亡くなる方の多くは、「出血性ショック」です。
事故でどっか血管とか内臓が傷ついて、
そいでたくさん出血して亡くなるんですよ、ほとんどは。
体の外側で出血していれば、
見ればわかるんですけど。
体の中で出血していたら、わかんないですよね。
だから、体の中の検査をします。
ゆっくり時間をかけて検査していたら、
大量に出血していたら間に合わないでしょ。
だから、短時間で大出血がないか
簡易超音波(エコー)で確認しましょう。
っていうのが「FAST」ってやつですわ。
体の中で出血すると、血は下の方に貯まりますよね。
重力があるから当たり前です。
で、体の中で出血すると、「血が貯まりやすい場所」
っていうのが、いくつかあるんですよ。
簡単に言うと、体の下の方。
まあ、単純にそれだけではないんですけどね。
心臓の場合は、心膜っていう膜に包まれているから。
心臓に傷がついて出血した場合、
下の方に血が貯まるんじゃなくて、
心臓の「周り(心のう)」に血が貯まります。
人間の体の中って、いくつかの「膜」で」仕切られていて。
胸と腹、とか「胸膜」とか「腹膜」っていう「膜」で
区切られているんですよ。
そいで、大量に出血した場合、血液が貯まりやすい所、
っていうのは、だいたい決まっています。
そこに、エコーを当てて、血が貯まっていないか確認します。
具体的には、心のう(心臓の周り)、
モリソン窩(肝臓と腎臓の間の辺り)、左胸腔、
脾臓の周り、膀胱直腸窩(横になった時、腰の下の方)です。
出血性ショックになる場合の多くは、血胸、腹腔内出血、
心タンポナーデなので、外傷、事故の人が来たら、
すぐに診察をして、その後にFASTをやります。
そして単純X線なんかの検査と組み合わせて
血胸、腹腔内出血、心タンポナーデがないかを、
確認します。
今回の場合、胸やお腹を診察して、それは正常です。
そいで、その後「FAST」と、レントゲンを組み合わせた
検査をしています。
JATECってガイドライン通りです。
JATECには、心臓が疑われる場合は、心電図も撮りなさい。
って書いてありますが、これもやってるし、全く問題ありません。
そして、
>左足関節開放性脱臼骨折
左第6肋骨側胸部に骨折
と診断します。
はい、ここでも医学用語の解説。
「開放骨折」
別名「複雑骨折」とも言われますけど。
わかりにくくなるので、医者は「複雑骨折」っていう
言葉はあんまり使わないですね。
「開放骨折」っていうのは簡単に言うと、
「ホネが皮膚の外に飛び出した骨折」のことです。
「開放骨折」って、名前そのまんまっすね。
ホネが皮膚の外に飛び出ているわけですから。
そっから、ばい菌が中まで入ってしまって、
感染を起こす可能性が高いので。
治療が難しくなります。
基本的には、手術が必要な場合が多いです。
今回の場合も、内臓とかに出血はなさそうだから。
まずは、開放骨折の手術が必要だ、って判断して。
すぐにこの手術をしています。
本題の「心タンポナーデ」とか、心臓の手術に入る前に、
医学用語の解説だけで長くなってしまったので。
今回は、ここまでにしましょうか。
今回のところは、事故で患者が病院に運ばれたけど、
医師が最初に行った検査や診察には問題がない。
そいで、最初の時は、「心タンポナーデ」にはなってなくて、
左足関節開放性脱臼骨折と左第6肋骨側胸部に骨折があって、
開放骨折の方はすぐに手術が必要だ。
ってとこまででした。
私は循環器内科医なので、「心タンポナーデ」
っていうのは、一応専門なんですが。
「外傷性心タンポナーデ」っていうのは、
事故、けがだから、「外科」というか「救急」なんですよね。
専門は。
だから、専門分野以外の事も多いので、
足りない点も多いとは思いますので。
間違っている点や不足している点があれば、
専門家の先生にご指摘いただけるとありがたいです。
よろしくお願いします。
「心タンポナーデ」の事件で有名な別の裁判に関しては、
以前に書いたことがありますので。
興味あったら、こっちもみて下さいね!
『救急医療も崩壊1』
『救急医療も崩壊2』
『救急医療も崩壊3』
ブログランキングの応援もよろしくね!
↓ ↓ ↓

やっと国会でも「医療」が争点になりそうですね。
「後期高齢者医療制度」は、別名「うば捨て山制度」
とも言われている最悪の制度で。
このブログでも、かなり力を入れて
取り上げてきたつもりです。
参照: 『後期高齢者医療制度(うば捨て山制度)1』
『主治医が見つかる診療所3』
今更って気もしますが。
ここにきて、ようやく国会でも争点になりそうですね。
日銀…道路の後は「医療制度」が火種ね
福田内閣正念場
「日銀総裁人事」「道路特定財源」に続く
新たな与野党争点に、医療制度改革法案が
急浮上してきた。
民主党が反対姿勢をみせるのは、
4月から始まる後期高齢者医療制度と、
政府管掌健康保険(政管健保)の
国庫負担の一部を健康保険組合などに
肩代わりさせる健康保険特例措置法案。
もともと社会保障費を毎年2200億円削減する
政府方針には与党内にも反対論があり、
社会保障財源をめぐる路線対立も根深い。
民主党は、論戦が与党分裂を誘うとみて攻勢を強める。
■高齢者医療制度
「『道路より命』との考えで、
この制度をぜひ廃止にしたい」。
18日の民主党厚労部門会議で、山田正彦
「次の内閣」厚労担当は気勢を上げた。
4月の運用開始直前になって、民主党が
後期高齢者医療制度の廃止を主張し始めたのは、
全国からの後押しを受けたためだ。
全国地方議会の4分の1、約500議会
が厚生労働省に意見書を提出。
うち約150議会は制度自体の廃止や
凍結を求める強硬意見だ。
岐阜県大垣市議会では、廃止意見書に
自民会派も加わった。
平成20年度分は凍結されるが、
70-74歳の窓口負担率が引き上げられるため、
世論の逆風は強いと、民主党は読む。
これに年金が絡み、事態を複雑にする。
4月15日から後期高齢者医療制度の
保険料が年金から天引きされるためだ。
「正しい年金額を払わないのに、取るものだけ取るのか」
との批判が予想され、民主党の長妻昭政調会長代理は
「4・15ショックが起こる」と話す。
■与党内対立煽る
高齢者医療と並んで民主党が問題視するのが、
政府が20年度予算の関連法案として提出した
健康保険特例措置法案だ。
政府の社会保障費抑制方針達成のため、
政管健保の国庫負担の一部を
健保組合などに肩代わりさせる。
ただ、サラリーマンには保険料負担増となるため
世論の批判は強く、民主党は
「特別会計の無駄遣いを減らせば
財源は確保できる」(幹部)と、
道路に続き、無駄遣い批判で攻め込む。
法案不成立は予算修正につながるため、
政府・与党は衆院再議決を視野に入れる。
ただ「道路で税金の無駄遣いが次々発覚する中、
負担増を求める法案の再議決はやりづらい」
(自民党中堅)との本音も漏れる。
民主党が本丸として狙うのは、
政府が掲げる社会保障費の年2200億円削減方針だ。
医師不足や療養病床削減による
“介護難民”懸念もあり、与党内ですら
「骨太の方針」の転換を求める動きが顕在化した。
財務省は一歩も引かないが、法案の国会審議と、
「骨太の方針」のとりまとめ時期は重なりそうで、
民主党は「与党内の路線対立激化で
混乱を引き出せる」(幹部)と狙う。
与党内からは「法案を次期国会に先送りし、
補正予算で帳尻を合わせるしかない」
(自民党中堅)と悲観論も出始めた。
福田政権の先行きに明るい材料は見当たらないようだ。
参照:『産経新聞 2008年3月20日』
たしかに、道路も大事かもしれませんよ。
日銀の総裁も、イージス艦も、
どうでも良いとは言いませんよ。
でも、医療とどっちが大事ですか?
今、「医療崩壊」って、マスコミでも騒いでいるし。
世間でも、相当困っている人が多いんですよ。
道路を造れなくて困っているのは、
土建会社とかそれに群がる政治家とか。
ほんの一部の人じゃないんですか。
そんな一部の人だけの利益よりも、
国民全員に関係があって、命にも関係がある
「医療」の方が大事なんじゃないですかねー。
日銀の総裁が決まらなかったら、福田総理の
リーダーシップがない、って事で日本売りが始まる。
って。
まあ、確かにそうかもしれませんが。
そんなの、もうとっくにわかってるから、みんな。
今に始まった事じゃないからね、それ。
時間も無限で、金も無限だったら良いんですけど。
そうではないんでしょ。
だったら、優先順位を考えて欲しいですねー。
それって、医療にも言える事なんですよ、実は。
最近、このブログでも、時間外の軽症患者が多くて、
医師が疲弊して、救急医療を中心に医療崩壊が進んでいる。
っていう話を、何回かしていますけど。
これも、同じです。
無限に医療費があって、医者も無限にいて。
時間も無限にあれば、そんな心配はいらないんですよ。
時間も金もかけて、最高の医療をすれば良いんです。
でも、違うでしょ、現実は。
医師の数も少ない。
医療費も少ない。
そして、患者も多い。
時間も限られているから、医師が1人の患者に
かけられる時間が限られている。
だから、軽症患者は遠慮してね。
特に時間外は。
って話ですよ。
どうしても病院に来るのであれば、
それは相応の料金を取る必要がありますよ。
っていうのは、優先順位をつけているからです。
そうじゃないと、重症の患者を助けられないから。
この場合は、重症の患者の優先度が高い、って事です。
当たり前ですけどね。
政治家や財務省も、金は有限だ。
って事はわかっているんですよ。
だから、国の支出を減らしたい。
って思っています。
でも、国が出す金を減らす為に、
国民の命とか健康をおろそかにして良い。
って訳はないでしょ。
使う金を減らすなら、まずは優先順位をつけないと。
日本だけですよ、世界中で。
公共事業の額が、医療費よりも多い国は。
最近は、公共事業費も減ってきているけど。
やっぱり、まだまだ多いですよ。
無駄な道路も、まだまだ造るって言ってるし。
金も時間も有限なんだから。
どうやって使うか、何に使うか。
もっときちんと考えて欲しいです。
政治家の人達にも。
もちろん、国民全員に言えるのですがね。
医療費削減、医師数削減政策のせいで、
日本の医療崩壊は進んだ、というか、
もう破壊されかけているんですから。
結論は明らかだと思いますよ。
医者のホンネが知りたい人は、これ読んでね!
→ 『医者のホンネが丸わかり!(改)』
ブログランキングの応援もよろしくね!
↓ ↓ ↓

「後期高齢者医療制度」は、別名「うば捨て山制度」
とも言われている最悪の制度で。
このブログでも、かなり力を入れて
取り上げてきたつもりです。
参照: 『後期高齢者医療制度(うば捨て山制度)1』
『主治医が見つかる診療所3』
今更って気もしますが。
ここにきて、ようやく国会でも争点になりそうですね。
日銀…道路の後は「医療制度」が火種ね
福田内閣正念場
「日銀総裁人事」「道路特定財源」に続く
新たな与野党争点に、医療制度改革法案が
急浮上してきた。
民主党が反対姿勢をみせるのは、
4月から始まる後期高齢者医療制度と、
政府管掌健康保険(政管健保)の
国庫負担の一部を健康保険組合などに
肩代わりさせる健康保険特例措置法案。
もともと社会保障費を毎年2200億円削減する
政府方針には与党内にも反対論があり、
社会保障財源をめぐる路線対立も根深い。
民主党は、論戦が与党分裂を誘うとみて攻勢を強める。
■高齢者医療制度
「『道路より命』との考えで、
この制度をぜひ廃止にしたい」。
18日の民主党厚労部門会議で、山田正彦
「次の内閣」厚労担当は気勢を上げた。
4月の運用開始直前になって、民主党が
後期高齢者医療制度の廃止を主張し始めたのは、
全国からの後押しを受けたためだ。
全国地方議会の4分の1、約500議会
が厚生労働省に意見書を提出。
うち約150議会は制度自体の廃止や
凍結を求める強硬意見だ。
岐阜県大垣市議会では、廃止意見書に
自民会派も加わった。
平成20年度分は凍結されるが、
70-74歳の窓口負担率が引き上げられるため、
世論の逆風は強いと、民主党は読む。
これに年金が絡み、事態を複雑にする。
4月15日から後期高齢者医療制度の
保険料が年金から天引きされるためだ。
「正しい年金額を払わないのに、取るものだけ取るのか」
との批判が予想され、民主党の長妻昭政調会長代理は
「4・15ショックが起こる」と話す。
■与党内対立煽る
高齢者医療と並んで民主党が問題視するのが、
政府が20年度予算の関連法案として提出した
健康保険特例措置法案だ。
政府の社会保障費抑制方針達成のため、
政管健保の国庫負担の一部を
健保組合などに肩代わりさせる。
ただ、サラリーマンには保険料負担増となるため
世論の批判は強く、民主党は
「特別会計の無駄遣いを減らせば
財源は確保できる」(幹部)と、
道路に続き、無駄遣い批判で攻め込む。
法案不成立は予算修正につながるため、
政府・与党は衆院再議決を視野に入れる。
ただ「道路で税金の無駄遣いが次々発覚する中、
負担増を求める法案の再議決はやりづらい」
(自民党中堅)との本音も漏れる。
民主党が本丸として狙うのは、
政府が掲げる社会保障費の年2200億円削減方針だ。
医師不足や療養病床削減による
“介護難民”懸念もあり、与党内ですら
「骨太の方針」の転換を求める動きが顕在化した。
財務省は一歩も引かないが、法案の国会審議と、
「骨太の方針」のとりまとめ時期は重なりそうで、
民主党は「与党内の路線対立激化で
混乱を引き出せる」(幹部)と狙う。
与党内からは「法案を次期国会に先送りし、
補正予算で帳尻を合わせるしかない」
(自民党中堅)と悲観論も出始めた。
福田政権の先行きに明るい材料は見当たらないようだ。
参照:『産経新聞 2008年3月20日』
たしかに、道路も大事かもしれませんよ。
日銀の総裁も、イージス艦も、
どうでも良いとは言いませんよ。
でも、医療とどっちが大事ですか?
今、「医療崩壊」って、マスコミでも騒いでいるし。
世間でも、相当困っている人が多いんですよ。
道路を造れなくて困っているのは、
土建会社とかそれに群がる政治家とか。
ほんの一部の人じゃないんですか。
そんな一部の人だけの利益よりも、
国民全員に関係があって、命にも関係がある
「医療」の方が大事なんじゃないですかねー。
日銀の総裁が決まらなかったら、福田総理の
リーダーシップがない、って事で日本売りが始まる。
って。
まあ、確かにそうかもしれませんが。
そんなの、もうとっくにわかってるから、みんな。
今に始まった事じゃないからね、それ。
時間も無限で、金も無限だったら良いんですけど。
そうではないんでしょ。
だったら、優先順位を考えて欲しいですねー。
それって、医療にも言える事なんですよ、実は。
最近、このブログでも、時間外の軽症患者が多くて、
医師が疲弊して、救急医療を中心に医療崩壊が進んでいる。
っていう話を、何回かしていますけど。
これも、同じです。
無限に医療費があって、医者も無限にいて。
時間も無限にあれば、そんな心配はいらないんですよ。
時間も金もかけて、最高の医療をすれば良いんです。
でも、違うでしょ、現実は。
医師の数も少ない。
医療費も少ない。
そして、患者も多い。
時間も限られているから、医師が1人の患者に
かけられる時間が限られている。
だから、軽症患者は遠慮してね。
特に時間外は。
って話ですよ。
どうしても病院に来るのであれば、
それは相応の料金を取る必要がありますよ。
っていうのは、優先順位をつけているからです。
そうじゃないと、重症の患者を助けられないから。
この場合は、重症の患者の優先度が高い、って事です。
当たり前ですけどね。
政治家や財務省も、金は有限だ。
って事はわかっているんですよ。
だから、国の支出を減らしたい。
って思っています。
でも、国が出す金を減らす為に、
国民の命とか健康をおろそかにして良い。
って訳はないでしょ。
使う金を減らすなら、まずは優先順位をつけないと。
日本だけですよ、世界中で。
公共事業の額が、医療費よりも多い国は。
最近は、公共事業費も減ってきているけど。
やっぱり、まだまだ多いですよ。
無駄な道路も、まだまだ造るって言ってるし。
金も時間も有限なんだから。
どうやって使うか、何に使うか。
もっときちんと考えて欲しいです。
政治家の人達にも。
もちろん、国民全員に言えるのですがね。
医療費削減、医師数削減政策のせいで、
日本の医療崩壊は進んだ、というか、
もう破壊されかけているんですから。
結論は明らかだと思いますよ。
医者のホンネが知りたい人は、これ読んでね!
→ 『医者のホンネが丸わかり!(改)』
ブログランキングの応援もよろしくね!
↓ ↓ ↓

リハビリの日数制限や
後期高齢者医療制度など。
弱者、高齢者切り捨てが、
国や厚労省によって行われておりますが。
この国の暴挙に対して勇気ある医師が、
国を相手に行政訴訟を起こしましたよ!
その医師の名は、澤田石順先生です。
澤田石先生は、鶴巻温泉病院の
回復期リハビリテーション病棟専従医師ですから。
毎日患者さんのリハビリテーションを行って、
実際に診ていますからね。
長期間経ってから良くなる人もいるし。
長い間、リハビリをやっているから、機能が落ちない。
維持できているんだ、って人もたくさんいるでしょう。
そういう人達を、
「効果がないから切り捨てる」
って言っているのが、国とか厚労省です。
80歳越えて、100メートル走のベストタイムを
更新できる人なんていないでしょ。
でも、効果がない、良くならない。
って言っているのは、100メートル走で、
自己記録を更新できない。
だったら練習しても意味がない。
って言っているのと同じじゃないですかね。
自己最高記録を出せなくても、速く走る事ができるのは
練習してるからでしょ。
100メートル走の場合。
練習しなくなったら、すぐにタイムが落ちるでしょ。
でも、国や厚労省は、
「効果がないからリハビリ(練習)はやめろ」
って言っているんですよ。
なんか、それ違いませんかねー。
なんか違うな、っていうのは医者も患者も、
将来患者になるかもしれない国民も。
みんな思っていたと思うけど。
リハビリが必要な患者さん達の為に、
澤田石先生が実際に行政訴訟を起こされましたよ。
m3で記事になっていたので、
ちょっと引用させて貰いますね!
医師が国を訴える、「改定に異議あり」
今改定のリハビリ算定要件を問題視、
通知の差し止めを求める
橋本佳子(m3.com編集長)
鶴巻温泉病院(神奈川県秦野市)に勤務する医師、
澤田石順氏が3月18日、国を相手取り、
行政訴訟を起した。
この4月の診療報酬改定で、
リハビリテーションの点数に算定制限が設けられたため、
それを定めた通知の差し止めを求める内容だ。
提訴の理由を澤田石氏は、
「今改定前も一定日数を経た後は
点数が下がるなどの問題があったものの、
医学的な必要性が認められれば、
リハビリの実施は可能だった。
しかし、今改定により医学的必要性があっても
リハビリの点数が算定できなくなった。
これはリハビリを必要とする重症患者の切り捨てだ」
と説明する。
その上で、「前回の2006年改定でも
リハビリを問題視する方が署名活動を行ったが、
それでもあまり効果はなかった。
改定実施の4月1日までには時間がないこと、
また厚生労働省に一市民が
問題提起しても影響はないことから、
提訴するのが一番有効な方法だと判断した」
と澤田氏はつけ加える。
リハビリの算定日数の制限は、
重症のリハビリ患者を受け入れる病院への影響が大きいが、
こうした患者を多く抱える病院は少ない。
提訴に踏み切ったのは、
病院団体を通じた活動が期待できないことも一因だ。
代理人を務める弁護士の井上清成氏は、
「療養担当規則には、
『リハビリテーションは、
必要があると認められる場合に行う』
と記載してある。
療担規則は省令であり、通知よりも上位の法令に当たる。
通知でリハビリの日数制限を行うのは、
違法であり無効。
憲法25条で定める生存権にも違反している」
と法的な問題を指摘する。
患者から自費徴収で可能だが、非現実的
今改定では、リハビリテーションの点数が再編され、
4種類の疾患別(心大血管、脳血管疾患等、運動器、呼吸器)、
かつ重症度別(I~IIの2ランク、
脳血管疾患等はI~IIIの3ランク)に設定された。
その上で、「標準的リハビリテーション実施日数」が設けられ、
「実施日数」よりも前までは1日6単位
(一部の患者は9単位)まで算定が可能だが、
この基準を超えれば1カ月13単位までしか、
算定できなくなる。
【標準的リハビリテーション実施日数】
心大血管疾患リハビリテーション:150日超
脳血管疾患等リハビリテーション:180日超
運動器リハビリテーション:150日超
呼吸器リハビリテーション:150日超
従来も、一定期間を超えれば、点数が下がる仕組みがあった。
しかし、医療上の必要性をレセプトに記載すれば、
低い点数ながらも算定が認められた。
「土日曜日を除くと、1カ月に
約132単位から207単位は実施している。
しかし、今改定以降は、1カ月当たり、
わずか13単位しか算定できない」と澤田石氏。
それを超える部分は、保険外併用療法
(選定療養)の扱いになり、
診療報酬の代わりに患者から自費を求める形であれば、
リハビリを実施できる。
今回、特に問題になるのは、
リハビリニーズが高い入院の患者だ。
鶴巻温泉病院の回復期リハビリ病棟の約75%は
脳卒中の患者が占める。
そのうち180日超までリハビリが必要な
患者が数%存在するという。
「当院の患者の平均年齢は76歳と高い上、
重症患者が6~7割にも上る。
とても患者から自費を徴収できる状況ではない。
一方で、当院としても、改定前もわずかに
黒字を計上していた程度であり、
今改定でリハビリの点数そのものも下がったので、
病院の持ち出しで実施することもできない」
と澤田石氏。
「勝ち負けは関係ない、火を付けるのが狙い」
もっとも、この訴訟自体、却下される可能性が高い。
井上氏によると、「処分性」が一番問題になるという。
今回における処分性とは、簡単に言えば、
「厚労省の通知によって、不利益を被ったか」ということ。
「リハビリが必要であるにもかかわらず、受けられなかった」
という患者は、今改定が実施される4月以降でないと生じない。
つまり、現時点では不利益を被った患者がいないため、
通知の差し止め請求は認められにくいというわけだ。
「今回の提訴は、改定前のあくまで予防的な措置。
ただし、一審で差し止め請求が認められなくても、
最高裁まで争う予定」(井上氏)。
その間に、必要なリハビリが受けられず、
実際に「不利益」を被った患者が出れば、
損害賠償請求も可能になる。
こうした訴訟が起きれば、今回の訴訟の役割は終わる。
3月18日の未明に、澤田石氏は、提訴に先立ち、
訴状を自身のホームページに掲載した。
既に、支援する声などが多数寄せられているという。
「リハビリに限らず、医療問題への関心が低い医師もいる。
こうした医師に関心を高め、行動してもらうために提訴した。
まず火を付けることが重要。
勝ち負けは関係ない」と澤田石氏は語っている。
参照:『m3.com医療維新:2008.3.18』
澤田石先生は、後期高齢者医療制度にも非常に詳しい方で。
私も、ちょっと前から注目していたんですよ。
ちなみに、澤田石先生のHPは、こちら!
→ 『厚労省が推進する棄民政策』
後期高齢者医療制度に関して、こっから引用しようかな。
とか考えていたのですが。
3/18に行政訴訟を起こされる。
って事を聞いていたので。
当日まで待っていたら、ちょうどm3に記事が載ったので、
そのまま引用してみましたよ。
きっと厚労省は
「患者から実費で請求すれば良いのだから、
患者切り捨てではない。」
とかって、くだらないいい訳をするんでしょうけど。
リハビリしてる人っていうのは、
高齢者が多いですから。
ただでさえ収入のない患者から、実費で徴収しろ。
って、そりゃあ、無理でしょ。
弱者から、更に搾り取れってんですか。
金がないやつは死ね。
って言っているんですよねー、国は。
それだったら、「金のないやつは死ね」
「高齢者に使う医療費なんてないんだ」
って、はっきり言えば良いのに。
リハビリやんないのは、病院のせいだ。
とか、地方自治体のせいにしたりとか。
いつもいい訳ばっかですよね。
国や厚労省は。
正直言うと、かなり勝ち目は薄いですよ。
万が一、くらいでしょうかね、多分。
それでも、「本人が勝ち負けは関係ない」
って言うのはどうかとは思いますが。
これをきっかけに、議論に火がついて、
弱者切り捨てが改善されると良いですね!
ちなみに、澤田石先生の訴状は、これっすよ。
→ 『重症リハビリ医療日数等制限差止請求事件、訴状』
ブログランキングの応援もよろしくね!
↓ ↓ ↓

後期高齢者医療制度など。
弱者、高齢者切り捨てが、
国や厚労省によって行われておりますが。
この国の暴挙に対して勇気ある医師が、
国を相手に行政訴訟を起こしましたよ!
その医師の名は、澤田石順先生です。
澤田石先生は、鶴巻温泉病院の
回復期リハビリテーション病棟専従医師ですから。
毎日患者さんのリハビリテーションを行って、
実際に診ていますからね。
長期間経ってから良くなる人もいるし。
長い間、リハビリをやっているから、機能が落ちない。
維持できているんだ、って人もたくさんいるでしょう。
そういう人達を、
「効果がないから切り捨てる」
って言っているのが、国とか厚労省です。
80歳越えて、100メートル走のベストタイムを
更新できる人なんていないでしょ。
でも、効果がない、良くならない。
って言っているのは、100メートル走で、
自己記録を更新できない。
だったら練習しても意味がない。
って言っているのと同じじゃないですかね。
自己最高記録を出せなくても、速く走る事ができるのは
練習してるからでしょ。
100メートル走の場合。
練習しなくなったら、すぐにタイムが落ちるでしょ。
でも、国や厚労省は、
「効果がないからリハビリ(練習)はやめろ」
って言っているんですよ。
なんか、それ違いませんかねー。
なんか違うな、っていうのは医者も患者も、
将来患者になるかもしれない国民も。
みんな思っていたと思うけど。
リハビリが必要な患者さん達の為に、
澤田石先生が実際に行政訴訟を起こされましたよ。
m3で記事になっていたので、
ちょっと引用させて貰いますね!
医師が国を訴える、「改定に異議あり」
今改定のリハビリ算定要件を問題視、
通知の差し止めを求める
橋本佳子(m3.com編集長)
鶴巻温泉病院(神奈川県秦野市)に勤務する医師、
澤田石順氏が3月18日、国を相手取り、
行政訴訟を起した。
この4月の診療報酬改定で、
リハビリテーションの点数に算定制限が設けられたため、
それを定めた通知の差し止めを求める内容だ。
提訴の理由を澤田石氏は、
「今改定前も一定日数を経た後は
点数が下がるなどの問題があったものの、
医学的な必要性が認められれば、
リハビリの実施は可能だった。
しかし、今改定により医学的必要性があっても
リハビリの点数が算定できなくなった。
これはリハビリを必要とする重症患者の切り捨てだ」
と説明する。
その上で、「前回の2006年改定でも
リハビリを問題視する方が署名活動を行ったが、
それでもあまり効果はなかった。
改定実施の4月1日までには時間がないこと、
また厚生労働省に一市民が
問題提起しても影響はないことから、
提訴するのが一番有効な方法だと判断した」
と澤田氏はつけ加える。
リハビリの算定日数の制限は、
重症のリハビリ患者を受け入れる病院への影響が大きいが、
こうした患者を多く抱える病院は少ない。
提訴に踏み切ったのは、
病院団体を通じた活動が期待できないことも一因だ。
代理人を務める弁護士の井上清成氏は、
「療養担当規則には、
『リハビリテーションは、
必要があると認められる場合に行う』
と記載してある。
療担規則は省令であり、通知よりも上位の法令に当たる。
通知でリハビリの日数制限を行うのは、
違法であり無効。
憲法25条で定める生存権にも違反している」
と法的な問題を指摘する。
患者から自費徴収で可能だが、非現実的
今改定では、リハビリテーションの点数が再編され、
4種類の疾患別(心大血管、脳血管疾患等、運動器、呼吸器)、
かつ重症度別(I~IIの2ランク、
脳血管疾患等はI~IIIの3ランク)に設定された。
その上で、「標準的リハビリテーション実施日数」が設けられ、
「実施日数」よりも前までは1日6単位
(一部の患者は9単位)まで算定が可能だが、
この基準を超えれば1カ月13単位までしか、
算定できなくなる。
【標準的リハビリテーション実施日数】
心大血管疾患リハビリテーション:150日超
脳血管疾患等リハビリテーション:180日超
運動器リハビリテーション:150日超
呼吸器リハビリテーション:150日超
従来も、一定期間を超えれば、点数が下がる仕組みがあった。
しかし、医療上の必要性をレセプトに記載すれば、
低い点数ながらも算定が認められた。
「土日曜日を除くと、1カ月に
約132単位から207単位は実施している。
しかし、今改定以降は、1カ月当たり、
わずか13単位しか算定できない」と澤田石氏。
それを超える部分は、保険外併用療法
(選定療養)の扱いになり、
診療報酬の代わりに患者から自費を求める形であれば、
リハビリを実施できる。
今回、特に問題になるのは、
リハビリニーズが高い入院の患者だ。
鶴巻温泉病院の回復期リハビリ病棟の約75%は
脳卒中の患者が占める。
そのうち180日超までリハビリが必要な
患者が数%存在するという。
「当院の患者の平均年齢は76歳と高い上、
重症患者が6~7割にも上る。
とても患者から自費を徴収できる状況ではない。
一方で、当院としても、改定前もわずかに
黒字を計上していた程度であり、
今改定でリハビリの点数そのものも下がったので、
病院の持ち出しで実施することもできない」
と澤田石氏。
「勝ち負けは関係ない、火を付けるのが狙い」
もっとも、この訴訟自体、却下される可能性が高い。
井上氏によると、「処分性」が一番問題になるという。
今回における処分性とは、簡単に言えば、
「厚労省の通知によって、不利益を被ったか」ということ。
「リハビリが必要であるにもかかわらず、受けられなかった」
という患者は、今改定が実施される4月以降でないと生じない。
つまり、現時点では不利益を被った患者がいないため、
通知の差し止め請求は認められにくいというわけだ。
「今回の提訴は、改定前のあくまで予防的な措置。
ただし、一審で差し止め請求が認められなくても、
最高裁まで争う予定」(井上氏)。
その間に、必要なリハビリが受けられず、
実際に「不利益」を被った患者が出れば、
損害賠償請求も可能になる。
こうした訴訟が起きれば、今回の訴訟の役割は終わる。
3月18日の未明に、澤田石氏は、提訴に先立ち、
訴状を自身のホームページに掲載した。
既に、支援する声などが多数寄せられているという。
「リハビリに限らず、医療問題への関心が低い医師もいる。
こうした医師に関心を高め、行動してもらうために提訴した。
まず火を付けることが重要。
勝ち負けは関係ない」と澤田石氏は語っている。
参照:『m3.com医療維新:2008.3.18』
澤田石先生は、後期高齢者医療制度にも非常に詳しい方で。
私も、ちょっと前から注目していたんですよ。
ちなみに、澤田石先生のHPは、こちら!
→ 『厚労省が推進する棄民政策』
後期高齢者医療制度に関して、こっから引用しようかな。
とか考えていたのですが。
3/18に行政訴訟を起こされる。
って事を聞いていたので。
当日まで待っていたら、ちょうどm3に記事が載ったので、
そのまま引用してみましたよ。
きっと厚労省は
「患者から実費で請求すれば良いのだから、
患者切り捨てではない。」
とかって、くだらないいい訳をするんでしょうけど。
リハビリしてる人っていうのは、
高齢者が多いですから。
ただでさえ収入のない患者から、実費で徴収しろ。
って、そりゃあ、無理でしょ。
弱者から、更に搾り取れってんですか。
金がないやつは死ね。
って言っているんですよねー、国は。
それだったら、「金のないやつは死ね」
「高齢者に使う医療費なんてないんだ」
って、はっきり言えば良いのに。
リハビリやんないのは、病院のせいだ。
とか、地方自治体のせいにしたりとか。
いつもいい訳ばっかですよね。
国や厚労省は。
正直言うと、かなり勝ち目は薄いですよ。
万が一、くらいでしょうかね、多分。
それでも、「本人が勝ち負けは関係ない」
って言うのはどうかとは思いますが。
これをきっかけに、議論に火がついて、
弱者切り捨てが改善されると良いですね!
ちなみに、澤田石先生の訴状は、これっすよ。
→ 『重症リハビリ医療日数等制限差止請求事件、訴状』
ブログランキングの応援もよろしくね!
↓ ↓ ↓

多分テレビ至上初めて、「たらい回し」ではなく、
「受け入れ不能」だ、って事が放送されましたよ。
日本テレビ系列で夜中にやっているテレビ番組
「NEWS ZERO」で、医療に関して
非常に良い番組が連夜続いていました。
ネット上でも、医師からも非常に評価が高いようです。
この番組を作った人は、ちょっとした知り合いなんですが。
我々とやりとりした事が、かなり反映されているようで、
非常に嬉しい限りです。
マスコミの医療報道も変わってきている。
って事は、数ヶ月位前から、私も言っていますけど。
その中でも、ピカイチの内容だったので。
ちょっと、番組の内容を紹介しますね!
NEWS ZERO「救急崩壊」1日目
患者を断らざるを得ない「受け入れ不能」の実態。
「たらい回し」と呼ばれる事態が相次ぎ、国民の多くは
受け入れる病院がないのかと不安を抱いている。
しかし、現場の医師からは受け入れたくても、
受け入れる事ができない、という悲鳴が上がっている。
受け入れ不能とは、どういう状態なのか。
受け入れる事ができないのは、どういう時か。
救急医療の現場で医者が急患を
断らざるを得ない場面に目撃しました。
という感じで、番組は始まります。
赤字は字幕です。
「たらい回し」
急を要する患者の受け入れ病院がない
「受け入れ不能」
受け入れたくても、受け入れることができない
大阪、東大阪市の中河内救命救急センター
という病院の、実際の救急現場の一場面が放送されます。
救急医療の「最後の砦」と言われる、
救命救急センターに、今危機が迫っている!
最初の例。
2008年1月2日、交通事故で49歳の男性が負傷し、
救命救急センターに受け入れを要請するが、
5つの病院で、受け入れを断られた。
6つめの病院でようやく受け入れる事ができたが、
結局1時間後になくなった。
現場で搬送に携わった、消防隊の証言。
「病院を選定するのに、現場到着から27分所要した。」
救急隊は事故現場に留まったまま、
電話で受け入れを探し続けた。
受け入れを断った5つの病院のうち4つは、
緊急度を高い患者を受け入れるはずの
救命救急センターであった。
しかし、どの病院も処置中、手術などの最中で、
断らざるを得なかった。
そのうちの一つ、「中河内救命救急センター」の
センター所長の医師の証言。
「その日はその患者の依頼の直前に、
2人の重症患者の搬入があって、
とても受け入れられる状況ではなかった。」
なぜ命を担うための、救命救急センターが、
患者を受け入れる事ができなかったのか。
ZEROはその理由を探るため、
中河内救命救急センターの、ある一夜に密着した。
午後9時45分
大量に出血した60代男性が搬送
「初療室」
救急患者を受け入れ、外科手術にも対応する部屋
診療に当たるのは、二名の救急医で、
更に二名の研修医がサポートする。
「救急医」
内科・外科・麻酔科の技術を持ち、
あらゆる事態に対応できる医師
救急隊と、別の業務を行っていた
医師二名も呼んで、検査にとりかかる。
その直後の午後9時55分また救急隊から電話が鳴る。
別の救急隊からの患者受け入れ要請。
患者は、けいれんを起こした五歳の男の子。
即座に受け入れを決め、準備をする。
んで、看護師も医師も、急いでベッドを準備して。
ものすごーく、誰がみても忙しそうな時。
その5分後の午後10時00分。
また、別の救急隊から電話が鳴ります。
しかし、「二件同時収容だから、受け入れは無理」
って事で、患者の受け入れ要請を断ります。
心肺停止の九〇歳の女性でしたけどね。
残念ですけど、誰がどう見ても受け入れる事が
できる状況ではありませんので。
患者の受け入れ要請を断っています。
「たらい回し」ではなく、「受け入れ不能」が実態だ。
という字幕が、大きく載ります。
そして、準備がまだ出来ていないうちに、午後10時5分。
けいれんの子供が、搬送されて来ます。
9時45分~10時5分
わずか20分の間に、3件の要請と2件の受け入れ。
その後、別の仕事についていた医師を呼び出し、
60代の男性の患部を内視鏡で止血。
患者は2人とも、一命を取り留めた。
こうした状況は、決して珍しくない。
救命救急センターには、更にもう一つの悩みがある。
初療室で処置を終えた患者はICU(集中治療室)や
病棟に入院する。
しかし、救急患者が激増しているため、
入院のためのベッドがすぐに埋まってしまう。
この日も、朝までベッドは満床。
午前6時25分
初寮室に新たな患者が運ばれて来る。
激しい胸の痛みを訴える40代男性が搬送。
心臓疾患のおそれあり。
幸い命に別状はなかったが、ベッドが満床のため、
初寮室で一時待機する事になった。
救命救急センターが救急患者を
受け入れられない危機的な状況。
救急医療の崩壊が近づいている。
って事で、VTRは終わります。
相次ぐ「たらい回し」実は「受け入れられない」
この字幕が、ずーっと続いて、
コメンテーターが話します。
その後のコメンテーターの話も良かったですよ。
現場の医師の意見で「たらい回し」ではなく、
「受け入れ不能なんだ」っていう事を、
わかってくれたみたいだし。
こういう受け入れたくても、受け入れられない状況に
何故なってしまったのか。
明日以降の番組で、その背景に迫ります。
って事で、終了します。
参照:『NEWS ZERO「救急崩壊」1日目:you tube』
私も含め、医師ブログで
「たらい回し」ではなく「受け入れ不能」だ。
って事は、以前から言ってきましたけど。
テレビの番組で
「たらい回し」ではなく「受け入れ不能」だ。
ってきちんと言ってくれたのは、初めてだと思います。
はっきり言って、ブログでいくら「字」で書いても。
なんか、よくわかんないけど、そーかなー。
とか、いい訳ばっかしてんじゃねーよ。
とかって、思う人もいるかもしれませんが。
誰がどう考えても、このテレビで放送された状況で、
重症患者を受け入れる事はできませんからね。
逆に、他の病院に行ったら助かったかもしれないのに、
そんな状況で患者を受け入れる事は「無責任」
だと思いますよ、私は。
そういう、誰がどう考えても、
この状況では「患者を受け入れられない」っていう
「絵」がテレビで放送された事は、
非常に良かったと思います。
「百聞は一見に如かず」って言いますけど。
はっきり言って、医師ブログで書いたりとか、
医者が雑誌や新聞に100回投稿しても、
この一回の映像には敵わないと思います。
そういう意味では、やっぱりテレビの力ってすごいな、
って思いますね。
次の日以降の番組でも、かなり良い内容が続きますが。
初日の、「患者を受け入れられない」という「絵」
これが、ダントツで良かったですね。
マスコミの中でも、新聞の方が先に
「たらい回し」という言葉をやめて。
テレビでは、まだ使っている人達も多かったのですが。
テレビでも、「たらい回し」ではなく
「受け入れ不能」「受け入れできない」
っていう言葉を使うようになれば良いですねー。
you tubeのURLを貼っておきますので。
まだ見ていない人は、是非みて下さいね!
→ 『NEWS ZERO「救急崩壊」1日目:you tube』
まあ、まだ森本某とか、訳のわからない事を
言ってる人もいるようなので。
相変わらずって気もしますが(汗)
見たらがっかりするかもしれませんが。
一応参考までに。
→ 『研修医の研修医による研修医のための:森本毅郎という人間』
医者のホンネが知りたい人は、こちらから!
→ 『医者のホンネが丸わかり!(改)』
ブログランキングの応援もよろしくね!
↓ ↓ ↓

「受け入れ不能」だ、って事が放送されましたよ。
日本テレビ系列で夜中にやっているテレビ番組
「NEWS ZERO」で、医療に関して
非常に良い番組が連夜続いていました。
ネット上でも、医師からも非常に評価が高いようです。
この番組を作った人は、ちょっとした知り合いなんですが。
我々とやりとりした事が、かなり反映されているようで、
非常に嬉しい限りです。
マスコミの医療報道も変わってきている。
って事は、数ヶ月位前から、私も言っていますけど。
その中でも、ピカイチの内容だったので。
ちょっと、番組の内容を紹介しますね!
NEWS ZERO「救急崩壊」1日目
患者を断らざるを得ない「受け入れ不能」の実態。
「たらい回し」と呼ばれる事態が相次ぎ、国民の多くは
受け入れる病院がないのかと不安を抱いている。
しかし、現場の医師からは受け入れたくても、
受け入れる事ができない、という悲鳴が上がっている。
受け入れ不能とは、どういう状態なのか。
受け入れる事ができないのは、どういう時か。
救急医療の現場で医者が急患を
断らざるを得ない場面に目撃しました。
という感じで、番組は始まります。
赤字は字幕です。
「たらい回し」
急を要する患者の受け入れ病院がない
「受け入れ不能」
受け入れたくても、受け入れることができない
大阪、東大阪市の中河内救命救急センター
という病院の、実際の救急現場の一場面が放送されます。
救急医療の「最後の砦」と言われる、
救命救急センターに、今危機が迫っている!
最初の例。
2008年1月2日、交通事故で49歳の男性が負傷し、
救命救急センターに受け入れを要請するが、
5つの病院で、受け入れを断られた。
6つめの病院でようやく受け入れる事ができたが、
結局1時間後になくなった。
現場で搬送に携わった、消防隊の証言。
「病院を選定するのに、現場到着から27分所要した。」
救急隊は事故現場に留まったまま、
電話で受け入れを探し続けた。
受け入れを断った5つの病院のうち4つは、
緊急度を高い患者を受け入れるはずの
救命救急センターであった。
しかし、どの病院も処置中、手術などの最中で、
断らざるを得なかった。
そのうちの一つ、「中河内救命救急センター」の
センター所長の医師の証言。
「その日はその患者の依頼の直前に、
2人の重症患者の搬入があって、
とても受け入れられる状況ではなかった。」
なぜ命を担うための、救命救急センターが、
患者を受け入れる事ができなかったのか。
ZEROはその理由を探るため、
中河内救命救急センターの、ある一夜に密着した。
午後9時45分
大量に出血した60代男性が搬送
「初療室」
救急患者を受け入れ、外科手術にも対応する部屋
診療に当たるのは、二名の救急医で、
更に二名の研修医がサポートする。
「救急医」
内科・外科・麻酔科の技術を持ち、
あらゆる事態に対応できる医師
救急隊と、別の業務を行っていた
医師二名も呼んで、検査にとりかかる。
その直後の午後9時55分また救急隊から電話が鳴る。
別の救急隊からの患者受け入れ要請。
患者は、けいれんを起こした五歳の男の子。
即座に受け入れを決め、準備をする。
んで、看護師も医師も、急いでベッドを準備して。
ものすごーく、誰がみても忙しそうな時。
その5分後の午後10時00分。
また、別の救急隊から電話が鳴ります。
しかし、「二件同時収容だから、受け入れは無理」
って事で、患者の受け入れ要請を断ります。
心肺停止の九〇歳の女性でしたけどね。
残念ですけど、誰がどう見ても受け入れる事が
できる状況ではありませんので。
患者の受け入れ要請を断っています。
「たらい回し」ではなく、「受け入れ不能」が実態だ。
という字幕が、大きく載ります。
そして、準備がまだ出来ていないうちに、午後10時5分。
けいれんの子供が、搬送されて来ます。
9時45分~10時5分
わずか20分の間に、3件の要請と2件の受け入れ。
その後、別の仕事についていた医師を呼び出し、
60代の男性の患部を内視鏡で止血。
患者は2人とも、一命を取り留めた。
こうした状況は、決して珍しくない。
救命救急センターには、更にもう一つの悩みがある。
初療室で処置を終えた患者はICU(集中治療室)や
病棟に入院する。
しかし、救急患者が激増しているため、
入院のためのベッドがすぐに埋まってしまう。
この日も、朝までベッドは満床。
午前6時25分
初寮室に新たな患者が運ばれて来る。
激しい胸の痛みを訴える40代男性が搬送。
心臓疾患のおそれあり。
幸い命に別状はなかったが、ベッドが満床のため、
初寮室で一時待機する事になった。
救命救急センターが救急患者を
受け入れられない危機的な状況。
救急医療の崩壊が近づいている。
って事で、VTRは終わります。
相次ぐ「たらい回し」実は「受け入れられない」
この字幕が、ずーっと続いて、
コメンテーターが話します。
その後のコメンテーターの話も良かったですよ。
現場の医師の意見で「たらい回し」ではなく、
「受け入れ不能なんだ」っていう事を、
わかってくれたみたいだし。
こういう受け入れたくても、受け入れられない状況に
何故なってしまったのか。
明日以降の番組で、その背景に迫ります。
って事で、終了します。
参照:『NEWS ZERO「救急崩壊」1日目:you tube』
私も含め、医師ブログで
「たらい回し」ではなく「受け入れ不能」だ。
って事は、以前から言ってきましたけど。
テレビの番組で
「たらい回し」ではなく「受け入れ不能」だ。
ってきちんと言ってくれたのは、初めてだと思います。
はっきり言って、ブログでいくら「字」で書いても。
なんか、よくわかんないけど、そーかなー。
とか、いい訳ばっかしてんじゃねーよ。
とかって、思う人もいるかもしれませんが。
誰がどう考えても、このテレビで放送された状況で、
重症患者を受け入れる事はできませんからね。
逆に、他の病院に行ったら助かったかもしれないのに、
そんな状況で患者を受け入れる事は「無責任」
だと思いますよ、私は。
そういう、誰がどう考えても、
この状況では「患者を受け入れられない」っていう
「絵」がテレビで放送された事は、
非常に良かったと思います。
「百聞は一見に如かず」って言いますけど。
はっきり言って、医師ブログで書いたりとか、
医者が雑誌や新聞に100回投稿しても、
この一回の映像には敵わないと思います。
そういう意味では、やっぱりテレビの力ってすごいな、
って思いますね。
次の日以降の番組でも、かなり良い内容が続きますが。
初日の、「患者を受け入れられない」という「絵」
これが、ダントツで良かったですね。
マスコミの中でも、新聞の方が先に
「たらい回し」という言葉をやめて。
テレビでは、まだ使っている人達も多かったのですが。
テレビでも、「たらい回し」ではなく
「受け入れ不能」「受け入れできない」
っていう言葉を使うようになれば良いですねー。
you tubeのURLを貼っておきますので。
まだ見ていない人は、是非みて下さいね!
→ 『NEWS ZERO「救急崩壊」1日目:you tube』
まあ、まだ森本某とか、訳のわからない事を
言ってる人もいるようなので。
相変わらずって気もしますが(汗)
見たらがっかりするかもしれませんが。
一応参考までに。
→ 『研修医の研修医による研修医のための:森本毅郎という人間』
医者のホンネが知りたい人は、こちらから!
→ 『医者のホンネが丸わかり!(改)』
ブログランキングの応援もよろしくね!
↓ ↓ ↓

日本の医療のなかでも、産科、小児科、救急の分野が、
最も医療崩壊(医療破壊)が進んでいますが。
総務省消防庁の「救急搬送に関する実態調査」で、
救急患者の受け入れ困難な状況が、
3/11明らかになりましたね。
救命センターへの受入照会、最大63回
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080311-00000005-cbn-soci
2007年に救命救急センターに搬送された
約13万人のうち、救急隊が受け入れ先の
センターを探す際に最も多いケースで
63回の問い合わせをしていたことが、
消防庁が3月11日に発表した調査で分かった。
11回以上の照会が802件、6~10回が2、108件に加え、
救急隊の現場滞在時間が150分を超えたケースも
31件あるなど、3次救急レベルの受け入れ先を
探すのに困難を極めている実態がうかがえる。
調査は、消防庁が救急搬送時の受け入れ状況を
調べるために国内807の消防本部に対し、
07年中の救急搬送について
▽救命救急センターへの搬送
▽小児
▽産科・周産期
▽重症(3週間以上の入院加療が必要な傷病程度)以上
―のカテゴリーに分けて調査した(転院搬送除く)。
消防庁は同日、救急受け入れ困難の
問題を解決するために設置している消防機関と
医療機関の連携に関する作業部会に報告した。
07年に救命救急センターや大学病院の救急部など
地域で基幹となる救命センターに搬送された
13万4、042人のうち、1回の照会で受け入れ先が
決まっていたケースが80.1%と多数を占めたものの、
4回以上かかっていたケースが5.8%(6、990件)あった。
紹介件数が多かった消防本部があるのは大阪府で、
最大照会件数は63回。次に東京都で47回、
埼玉県で33回などがあった。
救急隊の現場滞在時間は、
「30分未満」が93.0%を占めたが、
長くかかったケースでは「150分以上」31件、
「120~149分」42件、「90~119分」150件があった。
150分以上かかっていたのは、
東京都で12件、神奈川県で7件、大阪府で4件あった。
受け入れられなかった理由には、
「(症状に対処できる設備やスタッフの不足による)処置困難」
が24.7%と最も多かった。
ほかには、「手術中、ほかの患者に対応中」21.2%、
「ベッド満床」21.0%などがあった。
■1回の照会で8割が受け入れ先確保
重症以上(搬送人数41万1、625人)と
産科・周産期(同2万4、173人)、
小児(同35万4、046人)のすべてのカテゴリーについて、
「1回」の照会で80%、「2、3回」も含めると、
95%が受け入れ先を確保していた。
11回以上の照会があったのは、重症以上は0.3%、
産科・周産期は0.2%、小児は0.1%で、
最大照会回数はそれぞれ50回、43回、35回だった。
現場滞在時間もすべてのカテゴリーで
「30分未満」が約95%を占めた。
都道府県別では、重症以上で
11回以上の照会があったのは、
東京が最多で614件、埼玉県129件、大阪府71件、
千葉66件と続く。
産科・周産期でも6回以上の照会があったのは
大阪113件、東京112件、神奈川30件などが多かった。
消防庁は「首都圏、近畿圏の大都市周辺部で
照会回数が多く、選定困難事案が一定の地域に
集中する傾向がある」としているが、
有賀徹座長(昭和大学病院副院長)は
「都市部は地方と比べて医療機関も多いため、
救急隊が受け入れ先を探すために当たる
医療機関も多いのは当然」と、
単純に照会回数だけで比較しないで
現場滞在時間や年次推移による分析も重視し、
数字が独り歩きしないように注意を促した。
受け入れられなかった理由は、重症以上では、
「処置困難」22.9%、「ベッド満床」22.2%、
「手術中、ほかの患者に対応中」21.0%だった。
産科・周産期では「処置困難」21.5%に、
「手術中、ほかの患者に対応中」19.0%が続き、
「専門外」が13.5%だった。
小児では「専門外」が25.2%と最多で、
「手術中、ほかの患者に対応中」21.8%、
「処置困難」16.1%が続いた。
■産科の照会回数、年々上昇
産科・周産期の搬送について、照会回数が
4回以上だったケースの推移を見ると、
04年には225件と全体の搬送件数の1.9%だったが、
毎年増加している。
今回は1084件と、昨年から
0.7ポイント上昇して全体の4.8%を占めた。
参照:『医療介護情報CBニュース:2008年3月11日』
たしかに、11回以上の照会が802件とか、
最大で63回も問い合わせをしたとか。
救急患者を受け入れるのが困難な状況が、
明らかになりましたね。
実際、「救急患者を受け入れるのが困難な場合がある」、
というのは事実です。
しかし、こういうのは、ただ件数が多い。
とかっていう、数字だけを見て、
ヒステリックに騒いでも、何の解決にもなりません。
今回の記事を見てもそうですけど。
キャリアブレイン(CB)の記事は、比較的冷静に
分析をして、客観的に書いていますけど。
正直言うと、時事通信の記事は、ちょっとどうかな。
って思います。
試しに、比較してみましょうか。
重症拒否10回以上が年1000件超
=救急搬送実態調査-総務省消防庁
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080311-00000044-jij-pol
総務省消防庁は11日、昨年1年間の
救急搬送に関する実態調査の結果をまとめた。
重症患者の搬送で医療機関に10回以上、
受け入れを断られたケースが1074件に上った。
救命救急センターに搬送されるまで
62回受け入れを拒否されたケースもあり、
「予想を上回る厳しい実態」(同庁救急企画室)が
改めて浮き彫りになった。
救急搬送をめぐっては、患者の受け入れ病院が
素早く決まらないケースが全国的に多発。
同庁は昨年、全国の消防本部を通じて
2004-06年の妊産婦の救急搬送に関する
実態を調査したが、今回さらに
(1)重症患者
(2)妊産婦
(3)15歳未満の小児
(4)救命救急センターへの搬送
-の4区分で再調査した。
参照:『時事通信:2008年3月11日』
時事通信の記事は、詳細を検討する事なしに、
>重症拒否10回以上が年1000件超
ってヒステリックに騒いでいますけど。
そもそも、1000件っていうのが多いのか
少ないのか、わかんないですよね。
1億件のうち1000件だったら、少ないでしょうし。
1万件のうち1000件なら、多いでしょ。
やっぱり、ただ数字を出すだけで、
詳細に関しては何の検討もしない。
というのは、ちょっとどうかと思います。
総務省消防庁のHPを見たのですが。
残念ながら、まだ生データーは見られなかったので。
キャリアブレインの記事の方で、詳細を検討すると。
>重症以上(搬送人数41万1、625人)と
産科・周産期(同2万4、173人)、
小児(同35万4、046人)のすべてのカテゴリーについて、
「1回」の照会で80%、「2、3回」も含めると、
95%が受け入れ先を確保していた。
という事ですよ。
医師数削減政策と、医療費抑制政策のせいで。
日本の医療は崩壊しつつある。
というか、破壊されかけていますけど。
医療現場では何とか頑張って、
医療崩壊の最先端、救急でも
95%は、2,3回以内で受け入れ先を
確保しているんですよ。
最近では「たらい回し」って言葉は使われなく
なりつつありますけど。
一時「たらい回し」の定義として、
「10回以上病院への依頼をする事」。
みたいな、わけのわかんない定義をされていますけど。
ホントかどうかわかんないけど、
この定義に当てはまるのがどの位か、
って見てみると。
>11回以上の照会があったのは、重症以上は0.3%、
産科・周産期は0.2%、小児は0.1%。
現場滞在時間もすべてのカテゴリーで
「30分未満」が約95%を占めた。
って事ですから。
0.1%とか、せいぜい0.3%ですよ。
割合としては。
「1000件超」ってヒステリックに騒いでいますけど。
割合としたら、0.1%~0.3%ですよ。
そりゃあ、ゼロになれば良いに決まってるけど。
そんなの無理に決まってますから。
だって、救急のシステムの問題もあるけど。
根本的には、医師が不足しているとか、
医療費が足りないとか。
救急だけの問題ではなく、もっと根本的な
医療システムとか、政策の問題が原因ですから。
それを、病院や医師のせい、とか。
救急のシステムだけのせいにしても、
何の解決にもなりません。
今回調査の対象になった「救命救急センター」。
これって、要は3次救急って事です。
救急には、1次から3次まであって。
1次救急: 外来で対応できる程度の軽い病気やケガ
2次救急: 入院治療を必要とする場合
3次救急: より専門的治療を必要とする場合
って分かれているのですけどね。
3次救急っていうのは、最も重い患者。
2次救急病院でも、どうしようもなくって、
2次救急の病院から、転送されるような、
超重症の患者って事です。
救急救命センターは、「最後の砦」
とかって言い方されるけど。
安易に、救急救命センターに軽症の患者が来たら。
すぐにベッドが埋まってしまって、
本当に必要な重症の患者が
受け入れられなくなっちゃうんですよ。
それなのに、安易に患者も救急隊も、
救急救命センターに来たり、依頼して。
結局、患者を入院させて、満床になって
本当に必要な重症患者を受け入れられない。
っていう現実があります。
「救急救命センターなのに、
患者を受け入れないなんてけしからん。」
っていう論調もあるかもしれませんが。
医者もベッドも、無限じゃないんですから。
そりゃあ、無理ですよ。
医療費もたくさん増やして、ベッドも増やして。
診療報酬も上げて、ベッドに余裕を空けて、
受け入れられる状態を作ったら、
その分国や都道府県が補助する、とか。
もっとたくさん医師を増やすとか。
そういう状況になれば、もう少し
状況は改善すると思いますけどね。
残念ながら、医師の数も足りないし。
診療報酬もどんどん削減されて、
ベッドを満床にしないと、赤字になるような
そういうシステムになっていますから。
どんな患者も、全部受け入れる。
っていう状態には、なっていません。
そういう根本的な問題に触れずに、
患者受け入れ拒否が1000件もあるとか。
救急救命センターなのに、
患者を受け入れないなんてけしからん。
とか、って言っても、何の解決にもなりません。
医師数削減政策、医療費抑制政策の現状で、
救急の現場は精一杯頑張って。
救急救命センターでも、0.1~0.3%は、
患者を受け入れる事ができない事もある。
っていうのが、今の日本の現状です。
最近、何回かyahooのトップページにも載っている
良い記事は、キャリアブレインの記事が多いですかねー。
私が今、一番期待しているメディアです。
時事通信には、もうちょっと勉強してもらいたいですね。
3次救急の代表的な病院、「大学病院」に関して、
本当の事が知りたい人は、これを読んでね!
→ 「大学病院のうそ」 ~現役医師(Dr. I)が暴露する、大学病院の秘密
ブログランキングの応援もよろしくね!
↓ ↓ ↓

最も医療崩壊(医療破壊)が進んでいますが。
総務省消防庁の「救急搬送に関する実態調査」で、
救急患者の受け入れ困難な状況が、
3/11明らかになりましたね。
救命センターへの受入照会、最大63回
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080311-00000005-cbn-soci
2007年に救命救急センターに搬送された
約13万人のうち、救急隊が受け入れ先の
センターを探す際に最も多いケースで
63回の問い合わせをしていたことが、
消防庁が3月11日に発表した調査で分かった。
11回以上の照会が802件、6~10回が2、108件に加え、
救急隊の現場滞在時間が150分を超えたケースも
31件あるなど、3次救急レベルの受け入れ先を
探すのに困難を極めている実態がうかがえる。
調査は、消防庁が救急搬送時の受け入れ状況を
調べるために国内807の消防本部に対し、
07年中の救急搬送について
▽救命救急センターへの搬送
▽小児
▽産科・周産期
▽重症(3週間以上の入院加療が必要な傷病程度)以上
―のカテゴリーに分けて調査した(転院搬送除く)。
消防庁は同日、救急受け入れ困難の
問題を解決するために設置している消防機関と
医療機関の連携に関する作業部会に報告した。
07年に救命救急センターや大学病院の救急部など
地域で基幹となる救命センターに搬送された
13万4、042人のうち、1回の照会で受け入れ先が
決まっていたケースが80.1%と多数を占めたものの、
4回以上かかっていたケースが5.8%(6、990件)あった。
紹介件数が多かった消防本部があるのは大阪府で、
最大照会件数は63回。次に東京都で47回、
埼玉県で33回などがあった。
救急隊の現場滞在時間は、
「30分未満」が93.0%を占めたが、
長くかかったケースでは「150分以上」31件、
「120~149分」42件、「90~119分」150件があった。
150分以上かかっていたのは、
東京都で12件、神奈川県で7件、大阪府で4件あった。
受け入れられなかった理由には、
「(症状に対処できる設備やスタッフの不足による)処置困難」
が24.7%と最も多かった。
ほかには、「手術中、ほかの患者に対応中」21.2%、
「ベッド満床」21.0%などがあった。
■1回の照会で8割が受け入れ先確保
重症以上(搬送人数41万1、625人)と
産科・周産期(同2万4、173人)、
小児(同35万4、046人)のすべてのカテゴリーについて、
「1回」の照会で80%、「2、3回」も含めると、
95%が受け入れ先を確保していた。
11回以上の照会があったのは、重症以上は0.3%、
産科・周産期は0.2%、小児は0.1%で、
最大照会回数はそれぞれ50回、43回、35回だった。
現場滞在時間もすべてのカテゴリーで
「30分未満」が約95%を占めた。
都道府県別では、重症以上で
11回以上の照会があったのは、
東京が最多で614件、埼玉県129件、大阪府71件、
千葉66件と続く。
産科・周産期でも6回以上の照会があったのは
大阪113件、東京112件、神奈川30件などが多かった。
消防庁は「首都圏、近畿圏の大都市周辺部で
照会回数が多く、選定困難事案が一定の地域に
集中する傾向がある」としているが、
有賀徹座長(昭和大学病院副院長)は
「都市部は地方と比べて医療機関も多いため、
救急隊が受け入れ先を探すために当たる
医療機関も多いのは当然」と、
単純に照会回数だけで比較しないで
現場滞在時間や年次推移による分析も重視し、
数字が独り歩きしないように注意を促した。
受け入れられなかった理由は、重症以上では、
「処置困難」22.9%、「ベッド満床」22.2%、
「手術中、ほかの患者に対応中」21.0%だった。
産科・周産期では「処置困難」21.5%に、
「手術中、ほかの患者に対応中」19.0%が続き、
「専門外」が13.5%だった。
小児では「専門外」が25.2%と最多で、
「手術中、ほかの患者に対応中」21.8%、
「処置困難」16.1%が続いた。
■産科の照会回数、年々上昇
産科・周産期の搬送について、照会回数が
4回以上だったケースの推移を見ると、
04年には225件と全体の搬送件数の1.9%だったが、
毎年増加している。
今回は1084件と、昨年から
0.7ポイント上昇して全体の4.8%を占めた。
参照:『医療介護情報CBニュース:2008年3月11日』
たしかに、11回以上の照会が802件とか、
最大で63回も問い合わせをしたとか。
救急患者を受け入れるのが困難な状況が、
明らかになりましたね。
実際、「救急患者を受け入れるのが困難な場合がある」、
というのは事実です。
しかし、こういうのは、ただ件数が多い。
とかっていう、数字だけを見て、
ヒステリックに騒いでも、何の解決にもなりません。
今回の記事を見てもそうですけど。
キャリアブレイン(CB)の記事は、比較的冷静に
分析をして、客観的に書いていますけど。
正直言うと、時事通信の記事は、ちょっとどうかな。
って思います。
試しに、比較してみましょうか。
重症拒否10回以上が年1000件超
=救急搬送実態調査-総務省消防庁
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080311-00000044-jij-pol
総務省消防庁は11日、昨年1年間の
救急搬送に関する実態調査の結果をまとめた。
重症患者の搬送で医療機関に10回以上、
受け入れを断られたケースが1074件に上った。
救命救急センターに搬送されるまで
62回受け入れを拒否されたケースもあり、
「予想を上回る厳しい実態」(同庁救急企画室)が
改めて浮き彫りになった。
救急搬送をめぐっては、患者の受け入れ病院が
素早く決まらないケースが全国的に多発。
同庁は昨年、全国の消防本部を通じて
2004-06年の妊産婦の救急搬送に関する
実態を調査したが、今回さらに
(1)重症患者
(2)妊産婦
(3)15歳未満の小児
(4)救命救急センターへの搬送
-の4区分で再調査した。
参照:『時事通信:2008年3月11日』
時事通信の記事は、詳細を検討する事なしに、
>重症拒否10回以上が年1000件超
ってヒステリックに騒いでいますけど。
そもそも、1000件っていうのが多いのか
少ないのか、わかんないですよね。
1億件のうち1000件だったら、少ないでしょうし。
1万件のうち1000件なら、多いでしょ。
やっぱり、ただ数字を出すだけで、
詳細に関しては何の検討もしない。
というのは、ちょっとどうかと思います。
総務省消防庁のHPを見たのですが。
残念ながら、まだ生データーは見られなかったので。
キャリアブレインの記事の方で、詳細を検討すると。
>重症以上(搬送人数41万1、625人)と
産科・周産期(同2万4、173人)、
小児(同35万4、046人)のすべてのカテゴリーについて、
「1回」の照会で80%、「2、3回」も含めると、
95%が受け入れ先を確保していた。
という事ですよ。
医師数削減政策と、医療費抑制政策のせいで。
日本の医療は崩壊しつつある。
というか、破壊されかけていますけど。
医療現場では何とか頑張って、
医療崩壊の最先端、救急でも
95%は、2,3回以内で受け入れ先を
確保しているんですよ。
最近では「たらい回し」って言葉は使われなく
なりつつありますけど。
一時「たらい回し」の定義として、
「10回以上病院への依頼をする事」。
みたいな、わけのわかんない定義をされていますけど。
ホントかどうかわかんないけど、
この定義に当てはまるのがどの位か、
って見てみると。
>11回以上の照会があったのは、重症以上は0.3%、
産科・周産期は0.2%、小児は0.1%。
現場滞在時間もすべてのカテゴリーで
「30分未満」が約95%を占めた。
って事ですから。
0.1%とか、せいぜい0.3%ですよ。
割合としては。
「1000件超」ってヒステリックに騒いでいますけど。
割合としたら、0.1%~0.3%ですよ。
そりゃあ、ゼロになれば良いに決まってるけど。
そんなの無理に決まってますから。
だって、救急のシステムの問題もあるけど。
根本的には、医師が不足しているとか、
医療費が足りないとか。
救急だけの問題ではなく、もっと根本的な
医療システムとか、政策の問題が原因ですから。
それを、病院や医師のせい、とか。
救急のシステムだけのせいにしても、
何の解決にもなりません。
今回調査の対象になった「救命救急センター」。
これって、要は3次救急って事です。
救急には、1次から3次まであって。
1次救急: 外来で対応できる程度の軽い病気やケガ
2次救急: 入院治療を必要とする場合
3次救急: より専門的治療を必要とする場合
って分かれているのですけどね。
3次救急っていうのは、最も重い患者。
2次救急病院でも、どうしようもなくって、
2次救急の病院から、転送されるような、
超重症の患者って事です。
救急救命センターは、「最後の砦」
とかって言い方されるけど。
安易に、救急救命センターに軽症の患者が来たら。
すぐにベッドが埋まってしまって、
本当に必要な重症の患者が
受け入れられなくなっちゃうんですよ。
それなのに、安易に患者も救急隊も、
救急救命センターに来たり、依頼して。
結局、患者を入院させて、満床になって
本当に必要な重症患者を受け入れられない。
っていう現実があります。
「救急救命センターなのに、
患者を受け入れないなんてけしからん。」
っていう論調もあるかもしれませんが。
医者もベッドも、無限じゃないんですから。
そりゃあ、無理ですよ。
医療費もたくさん増やして、ベッドも増やして。
診療報酬も上げて、ベッドに余裕を空けて、
受け入れられる状態を作ったら、
その分国や都道府県が補助する、とか。
もっとたくさん医師を増やすとか。
そういう状況になれば、もう少し
状況は改善すると思いますけどね。
残念ながら、医師の数も足りないし。
診療報酬もどんどん削減されて、
ベッドを満床にしないと、赤字になるような
そういうシステムになっていますから。
どんな患者も、全部受け入れる。
っていう状態には、なっていません。
そういう根本的な問題に触れずに、
患者受け入れ拒否が1000件もあるとか。
救急救命センターなのに、
患者を受け入れないなんてけしからん。
とか、って言っても、何の解決にもなりません。
医師数削減政策、医療費抑制政策の現状で、
救急の現場は精一杯頑張って。
救急救命センターでも、0.1~0.3%は、
患者を受け入れる事ができない事もある。
っていうのが、今の日本の現状です。
最近、何回かyahooのトップページにも載っている
良い記事は、キャリアブレインの記事が多いですかねー。
私が今、一番期待しているメディアです。
時事通信には、もうちょっと勉強してもらいたいですね。
3次救急の代表的な病院、「大学病院」に関して、
本当の事が知りたい人は、これを読んでね!
→ 「大学病院のうそ」 ~現役医師(Dr. I)が暴露する、大学病院の秘密
ブログランキングの応援もよろしくね!
↓ ↓ ↓

「医療破壊」って言葉を、私以外の人も
使っているのを発見しましたよ!
医療崩壊という言葉が最近マスコミなんかでも、
よく出ていますけど。
日本の医療が崩壊しかけている最も大きな原因は、
医師不足と医療費不足のせい。
そしてそれは、医師数抑制政策と医療費削減政策、
という政策のせいなので。
「医療崩壊」というよりは、「医療破壊」だ。
っていう話は、このブログでも以前からしていますけど。
「医療破壊」という言葉が、ネット上だけでなく、
立派な誌面にも載りましたよ!
「医療生協だより」っていう、
約6000人に配布されるものです。
書かれたのは、みなみうら生協診療所の
元岡和彦先生です。
(題名)医療破壊に抗議する!
最近でこそ、「医療崩壊」という言葉が
少しは一般的になってきたかと思いますが、
日本の医療は崩壊しつつあるのではなく
破壊されつつあるのです。
2年前、福島県の、とても優秀で
献身的で患者さんにやさしい先生が
不当逮捕されました。
平成の治安維持法が、昭和の時代よりも
ひどく国会を通さずに始まりました。
ある妊婦さんの御主人の発言です。
「逮捕当日入院していた妻も驚いています。
逮捕される前日にも回診に来てくださり
優しい言葉を掛けてくださいました。
先生は、患者にも優しく昼夜、
休日も出勤され患者のために
一生懸命に仕事をされていました。
切迫流産だった妻も先生のおかげで
安心して入院しておりました。
しかし今回の逮捕で病院から
転院してくれと言われました。
残念でなりません。
先生の1日も早い復帰を願っています。」
大阪保険医協会理事会の抗議声明の抜粋です。
「福島県立大野病院の産婦人科医師の逮捕に抗議する
まず、はじめに今回の産科手術で
亡くなられた患者さま並びに
ご遺族の方々には心からお悔やみ申し上げます。
平成18年2月18日に福島県立大野病院の
産婦人科医師が業務上過失致死と
医師法違反容疑で逮捕されました。
我々大阪府保険医協会は、検察および
福島県警の不当逮捕に強く抗議するとともに、
直ちに産婦人科医師を釈放することを求めます。
大阪府保険医協会では30年前より
産婦人科医療の問題点を列挙し、
社会保障を充実させるべき責任を負っている
政府が早急に改善すべきであると指摘してきました。
地域医療を担ってきた医師個人の
崇高な精神に甘え、産科医療を軽視した福島県、
また行政改革の名で推し進められている
政府の財政優先の国民医療軽視政策が
招いた不幸な結果であると考えています。
今回の逮捕は、既に我々大阪府保険医協会や
医師会、日本産婦人科学会、産婦人科医会、
周産期医療の崩壊をくい止める会など
全国の多くの医師団体からの抗議声明で
指摘されたごとく、現代医科学の
学問的水準においても日本の産科医療水準においても
不当なものであり、多くの関係有識者が
疑問を表明しているとおり極めて不透明なものです。」
キーワードは「医科学の学問的水準」です。
「科学的根拠」と言ってもいいでしょう。
それから2年。
4月からは「平成の姥捨て山」と言われる
後期高齢者制度が始まろうとしています。
インターネットを見ればわかると思いますが、
ほとんどの医師が反対しています。
思想・信条・支持政党に関係無くです。
皆さん。皆さんは本当に
医療が必要だと思っていますか?
日本の医療を破壊しようとする攻撃に
本当に反対しますか?
そのためには政府に抗議することも
もちろん大事ですが、それだけではだめなんです。
この国のあり方を考え直す、
建て直すことが必要なんです。
皆さんひとりひとりの考え方と行動も含めて。
この国が医療にどれだけお金をかけるか、
そのためにこの国のかたちをどうするか、
医療を国民が理解するために
どういう教育が必要か...。
医療生活協同組合には
「この国の医療のかたちを変える」
可能性があると信じています。
医療生協は患者の「自己決定権」を尊重します。
この国の医療をどうするか、
皆さんがよく考えて決定してください。
私は私で、この国のかたちがどうなろうと、
自分が最もよかれと思う医療を実践していきます。
北多摩中央医療生活協同組合
医療生協だより No.128 2008年3月
(組合員数約6000人)
私が言いたい事はだいたい書いていますから。
あんまり、コメントする事はないのですが。
「医療破壊」という言葉が、世間でももっと
広く使われると良いですね。
そいで、「医療崩壊」っていう言葉が、
実際に新聞でどのくらい使われているのか。
って事を、m3.comの橋本佳子さんが調べてくれましたので。
そこから抜粋しますね。
日経テレコン21という会員制の情報サービスで、
2006年と、2007年に医療系のキーワードが
どのくらい使われたのか、って事を検索しています。
2007年 2006年
医療崩壊↑ 120件 20件
医師不足↑ 2899件 1382件
たらい回し+救急↑ 88件 23件
医療事故↓ 1182件 1303件
医療過誤↓ 357件 460件
日経テレコン21で、日経、朝日、読売、毎日の4紙を
これらのキーワードで検索したところ、
ヒットした件数は上記の通りになりました。
(2007年は12月28日までのデータです)。
「医療崩壊」っていう言葉は、2006年と比べて、
2007年では20件から120件になっていますから。
約6倍ですか。
2007年の秋以降から2008年には、
もっとたくさん出ている印象がありますね。
それ以外でも「医師不足」って言葉も増えています。
逆に、「医療事故」、「医療過誤」という言葉が
使われる頻度は減っていますね。
これも、私の印象と同様です。
「たらい回し」っていう言葉は増えているようですが。
多分、2007年の秋以降は、大手の新聞では、
少なくとも見出しに載ることはほぼなくなったようなので。
橋本さんに、2007年の秋までと、それ以降で
具体的に「たらい回し」という言葉がどうなっているか
調べていただくよう、お願いのメールを送ったところ。
快く了解していただきました。
マスコミ、特に新聞は、
日本の医療が崩壊しかけているのは、
病院や医師だけの問題ではない。
むしろ、政策のせいだ。
っていう事を、少しずつですけど理解している人も
いるようなので。
もっと、どんどんこういう記事を書いて貰いたいですねー。
それと、やっぱり「政策」のせいで、
日本の医療が崩壊に向かっているので。
「医療崩壊」ではなく、「医療破壊」
っていう言葉も、是非使って貰いたいものです。
最近はこのブログでも、患者側の問題とか。
患者に対する医師の数が日本は少ないから。
軽症の患者は、アクセスを制限した方が良い。
っていう話も多いのですが。
OECD平均とかと比べても、人口当たりの医師数は
少ないですからね、日本は。
患者当たりの医師数も少ないけど、
医師の絶対数も少ないわけで。
やっぱり、一番の問題は、医師不足と医療費不足。
だからやっぱり医師数削減政策と
医療費削減政策を変更してもらいたいです。
選挙対策とかじゃなくてね。
「医療崩壊」の本も、まだ読んでない人はどうぞ!
→ 医療崩壊―「立ち去り型サボタージュ」とは何か
小松 秀樹 (著)
ブログランキングの応援もよろしくね!
↓ ↓ ↓

使っているのを発見しましたよ!
医療崩壊という言葉が最近マスコミなんかでも、
よく出ていますけど。
日本の医療が崩壊しかけている最も大きな原因は、
医師不足と医療費不足のせい。
そしてそれは、医師数抑制政策と医療費削減政策、
という政策のせいなので。
「医療崩壊」というよりは、「医療破壊」だ。
っていう話は、このブログでも以前からしていますけど。
「医療破壊」という言葉が、ネット上だけでなく、
立派な誌面にも載りましたよ!
「医療生協だより」っていう、
約6000人に配布されるものです。
書かれたのは、みなみうら生協診療所の
元岡和彦先生です。
(題名)医療破壊に抗議する!
最近でこそ、「医療崩壊」という言葉が
少しは一般的になってきたかと思いますが、
日本の医療は崩壊しつつあるのではなく
破壊されつつあるのです。
2年前、福島県の、とても優秀で
献身的で患者さんにやさしい先生が
不当逮捕されました。
平成の治安維持法が、昭和の時代よりも
ひどく国会を通さずに始まりました。
ある妊婦さんの御主人の発言です。
「逮捕当日入院していた妻も驚いています。
逮捕される前日にも回診に来てくださり
優しい言葉を掛けてくださいました。
先生は、患者にも優しく昼夜、
休日も出勤され患者のために
一生懸命に仕事をされていました。
切迫流産だった妻も先生のおかげで
安心して入院しておりました。
しかし今回の逮捕で病院から
転院してくれと言われました。
残念でなりません。
先生の1日も早い復帰を願っています。」
大阪保険医協会理事会の抗議声明の抜粋です。
「福島県立大野病院の産婦人科医師の逮捕に抗議する
まず、はじめに今回の産科手術で
亡くなられた患者さま並びに
ご遺族の方々には心からお悔やみ申し上げます。
平成18年2月18日に福島県立大野病院の
産婦人科医師が業務上過失致死と
医師法違反容疑で逮捕されました。
我々大阪府保険医協会は、検察および
福島県警の不当逮捕に強く抗議するとともに、
直ちに産婦人科医師を釈放することを求めます。
大阪府保険医協会では30年前より
産婦人科医療の問題点を列挙し、
社会保障を充実させるべき責任を負っている
政府が早急に改善すべきであると指摘してきました。
地域医療を担ってきた医師個人の
崇高な精神に甘え、産科医療を軽視した福島県、
また行政改革の名で推し進められている
政府の財政優先の国民医療軽視政策が
招いた不幸な結果であると考えています。
今回の逮捕は、既に我々大阪府保険医協会や
医師会、日本産婦人科学会、産婦人科医会、
周産期医療の崩壊をくい止める会など
全国の多くの医師団体からの抗議声明で
指摘されたごとく、現代医科学の
学問的水準においても日本の産科医療水準においても
不当なものであり、多くの関係有識者が
疑問を表明しているとおり極めて不透明なものです。」
キーワードは「医科学の学問的水準」です。
「科学的根拠」と言ってもいいでしょう。
それから2年。
4月からは「平成の姥捨て山」と言われる
後期高齢者制度が始まろうとしています。
インターネットを見ればわかると思いますが、
ほとんどの医師が反対しています。
思想・信条・支持政党に関係無くです。
皆さん。皆さんは本当に
医療が必要だと思っていますか?
日本の医療を破壊しようとする攻撃に
本当に反対しますか?
そのためには政府に抗議することも
もちろん大事ですが、それだけではだめなんです。
この国のあり方を考え直す、
建て直すことが必要なんです。
皆さんひとりひとりの考え方と行動も含めて。
この国が医療にどれだけお金をかけるか、
そのためにこの国のかたちをどうするか、
医療を国民が理解するために
どういう教育が必要か...。
医療生活協同組合には
「この国の医療のかたちを変える」
可能性があると信じています。
医療生協は患者の「自己決定権」を尊重します。
この国の医療をどうするか、
皆さんがよく考えて決定してください。
私は私で、この国のかたちがどうなろうと、
自分が最もよかれと思う医療を実践していきます。
北多摩中央医療生活協同組合
医療生協だより No.128 2008年3月
(組合員数約6000人)
私が言いたい事はだいたい書いていますから。
あんまり、コメントする事はないのですが。
「医療破壊」という言葉が、世間でももっと
広く使われると良いですね。
そいで、「医療崩壊」っていう言葉が、
実際に新聞でどのくらい使われているのか。
って事を、m3.comの橋本佳子さんが調べてくれましたので。
そこから抜粋しますね。
日経テレコン21という会員制の情報サービスで、
2006年と、2007年に医療系のキーワードが
どのくらい使われたのか、って事を検索しています。
2007年 2006年
医療崩壊↑ 120件 20件
医師不足↑ 2899件 1382件
たらい回し+救急↑ 88件 23件
医療事故↓ 1182件 1303件
医療過誤↓ 357件 460件
日経テレコン21で、日経、朝日、読売、毎日の4紙を
これらのキーワードで検索したところ、
ヒットした件数は上記の通りになりました。
(2007年は12月28日までのデータです)。
「医療崩壊」っていう言葉は、2006年と比べて、
2007年では20件から120件になっていますから。
約6倍ですか。
2007年の秋以降から2008年には、
もっとたくさん出ている印象がありますね。
それ以外でも「医師不足」って言葉も増えています。
逆に、「医療事故」、「医療過誤」という言葉が
使われる頻度は減っていますね。
これも、私の印象と同様です。
「たらい回し」っていう言葉は増えているようですが。
多分、2007年の秋以降は、大手の新聞では、
少なくとも見出しに載ることはほぼなくなったようなので。
橋本さんに、2007年の秋までと、それ以降で
具体的に「たらい回し」という言葉がどうなっているか
調べていただくよう、お願いのメールを送ったところ。
快く了解していただきました。
マスコミ、特に新聞は、
日本の医療が崩壊しかけているのは、
病院や医師だけの問題ではない。
むしろ、政策のせいだ。
っていう事を、少しずつですけど理解している人も
いるようなので。
もっと、どんどんこういう記事を書いて貰いたいですねー。
それと、やっぱり「政策」のせいで、
日本の医療が崩壊に向かっているので。
「医療崩壊」ではなく、「医療破壊」
っていう言葉も、是非使って貰いたいものです。
最近はこのブログでも、患者側の問題とか。
患者に対する医師の数が日本は少ないから。
軽症の患者は、アクセスを制限した方が良い。
っていう話も多いのですが。
OECD平均とかと比べても、人口当たりの医師数は
少ないですからね、日本は。
患者当たりの医師数も少ないけど、
医師の絶対数も少ないわけで。
やっぱり、一番の問題は、医師不足と医療費不足。
だからやっぱり医師数削減政策と
医療費削減政策を変更してもらいたいです。
選挙対策とかじゃなくてね。
「医療崩壊」の本も、まだ読んでない人はどうぞ!
→ 医療崩壊―「立ち去り型サボタージュ」とは何か
小松 秀樹 (著)
ブログランキングの応援もよろしくね!
↓ ↓ ↓

医師ブログが、またやってくれましたよー!
日本一有名な医師ブロガー、
Bermuda先生のブログ、『産婦人科残酷物語 Ⅱ』が、
ジャパンブログアワード(JBA)2008の
「趣味・暮らし部門」のグランプリを受賞しましたよー!
これ、すごい事ですよー。
医師ブログって、まだ世間ではマイナーですけど。
日本で1000万近くあるブログの中で、
グランプリですからねー。
Bermuda先生のコメントも、謙虚で素敵です。
趣味・暮らし部門
ニックネーム Bermuda さん
ブログタイトル 産婦人科残酷物語 II
あなたがブログを通じて実現したいことを教えて下さい。
僕はブログを通じて自分の考えを紹介したいのです。
ブログは一般人の自己実現手段として最適です。
なぜなら不特定多数の目に触れる可能性があるからです。
多数の目に暴露されれば、コメントという名の
フィードバックが得られます。
僕がブログで産婦人科医の面白おかしい話や、
切なく泣ける話を書くのも賛否たくさんの
コメントを得るためです。
それらを通じて、自分を見つめなおし、
あらたに考えた思いを伝えていきたいのです。
『JBA2008,受賞者一覧』
その時の様子がこれの様ですねー。
Yahooニュースのヘッドラインに
Japan Blog Award 2008の記事が
写真入りでアップされてました。
『yahooニュース:2008.3.6』
『アルファブロガー・アワード 2007』に
Yosyan先生や、medtools先生や、
天漢日乗さんも選ばれてるし。
ちょっとずつ、医師ブログの知名度も上がってきてますかねー。
私も非常に嬉しいです。
JBA2008 趣味暮らし部門ウィナー、ばみゅ先生。
そしてブログ「産婦人科残酷物語 II」。
本当におめでとうございまーす!!!
私のブログと違って、とってもおもしろくて、
一般の人達もたくさん来ていますから。
皆さんも、是非読んでみて下さいね!
→ 『産婦人科残酷物語 Ⅱ』
その時の様子の記事は、こちらでーす!
『産婦人科残酷物語 Ⅱ:緊張』
他の医師ブログが読みたい人は、こちらから!
→ 『医者のホンネが丸わかり!(改)』
ブログランキングの応援もよろしくね!
↓ ↓ ↓

日本一有名な医師ブロガー、
Bermuda先生のブログ、『産婦人科残酷物語 Ⅱ』が、
ジャパンブログアワード(JBA)2008の
「趣味・暮らし部門」のグランプリを受賞しましたよー!
これ、すごい事ですよー。
医師ブログって、まだ世間ではマイナーですけど。
日本で1000万近くあるブログの中で、
グランプリですからねー。
Bermuda先生のコメントも、謙虚で素敵です。
趣味・暮らし部門
ニックネーム Bermuda さん
ブログタイトル 産婦人科残酷物語 II
あなたがブログを通じて実現したいことを教えて下さい。
僕はブログを通じて自分の考えを紹介したいのです。
ブログは一般人の自己実現手段として最適です。
なぜなら不特定多数の目に触れる可能性があるからです。
多数の目に暴露されれば、コメントという名の
フィードバックが得られます。
僕がブログで産婦人科医の面白おかしい話や、
切なく泣ける話を書くのも賛否たくさんの
コメントを得るためです。
それらを通じて、自分を見つめなおし、
あらたに考えた思いを伝えていきたいのです。
『JBA2008,受賞者一覧』
その時の様子がこれの様ですねー。
Yahooニュースのヘッドラインに
Japan Blog Award 2008の記事が
写真入りでアップされてました。
『yahooニュース:2008.3.6』
『アルファブロガー・アワード 2007』に
Yosyan先生や、medtools先生や、
天漢日乗さんも選ばれてるし。
ちょっとずつ、医師ブログの知名度も上がってきてますかねー。
私も非常に嬉しいです。
JBA2008 趣味暮らし部門ウィナー、ばみゅ先生。
そしてブログ「産婦人科残酷物語 II」。
本当におめでとうございまーす!!!
私のブログと違って、とってもおもしろくて、
一般の人達もたくさん来ていますから。
皆さんも、是非読んでみて下さいね!
→ 『産婦人科残酷物語 Ⅱ』
その時の様子の記事は、こちらでーす!
『産婦人科残酷物語 Ⅱ:緊張』
他の医師ブログが読みたい人は、こちらから!
→ 『医者のホンネが丸わかり!(改)』
ブログランキングの応援もよろしくね!
↓ ↓ ↓

最近、医師の自殺の話、多くないですかねー。
前に、一年分のデーターを見て、
日本の医師の自殺率って、他の人達より多いな。
って思った事があったんですよ。
そいで、いろいろデーターを探してみたら。
やっぱり、医師の自殺率は高いって事がわかりました。
しかも、他の人達の約30%も高いんですよ!
○医師の自殺者数
合計 男 女
H13 70 64 6
H14 86 76 10
H15 79 71 8
H16 79 69 10
H17 90 79 11
H18 90 85 5
参照:『産科医療のこれから:壊れる日本の医療』から
警察庁生活安全局「自殺の概要資料」より
なんとなく、H16年までよりもH17,H18年
の方が、医師の自殺者数は多いな、
って事はわかりますけど。
でも、これだけ見ても、多いんだか少ないんだか、
よくわかんないですよね。
これを医師以外というか、医師も含めた
日本人全員の自殺率と比較してみましょうか。
○日本人の自殺率(10万人当たり)
全体 医師 医師/全体
H13 24.4 27.1 1.11
H14 25.2 32.8 1.30
H15 27.0 29.8 1.10
H16 25.3 29.3 1.15
H17 25.5 32.8 1.29
H18 25.2 32.4 1.29
な、なんとー。
医師の自殺率って、最近2年間では、
他の職業の約1.3倍も高いんですよ。
日本の医師数って、約26万人だし。
自殺した医師の方って、年間数十人だから。
数が少ない、っていう影響もあるのでしょうけど。
でも、医師の自殺率は6年連続で
一般の人達よりも高いですからね。
やっぱり、日本医師の自殺率は他の職業よりも高い。
って言って良いと思います。
ちなみに、ご存じの方が多いと思いますが。
日本の自殺率は、世界的に見てもトップクラスです。
アメリカの自殺率は10万人当たり約10人。
イギリス、イタリアでは、約7人ですから。
日本の自殺率はアメリカの2倍以上、
イタリアやイギリスの3倍位なんですよ。
その日本の一般人よりも、
30%も医師の方が自殺率が高いんですよ。
やっぱり、この状況っておかしいと思いませんか。
日本人の自殺の原因で一番多いのは、健康問題(40%)。
その次が、経済・生活問題(30%)。
それに、家庭問題(10%)、勤務問題(6%)、
男女問題(3%)が続きます。
参照:『自殺対策支援センター』
医師の場合は、お金で苦労するって事は、
ほとんどないですから。
多くの人は、体を壊して自殺しているのだと思います。
最近では、こんなニュースもありましたよね。
脱線事故で救急活動医師の自殺
過重労働が原因、父提訴
05年4月に起きたJR宝塚線(福知山線)
の脱線事故で、現場で救助活動に携わった
済生会滋賀県病院(同県栗東市)の医師、
Hさん(当時51)が自殺したのは、
病院側が求めた救急活動や災害医療についての
講演や研究会への参加などで
過重な労働を強いられたためだとして、
父親が25日、同病院を運営する
社会福祉法人恩賜財団済生会(東京都)に
1億円の損害賠償を求める訴訟を大津地裁に起こした。
訴状などによると、H医師は05年2月、
「2人の部下を配置する」という条件で
滋賀医科大から同病院救命救急センターに着任。
2カ月後に発生した宝塚線事故では
現場責任者として救護活動にあたった。
事故後、H医師に取材や講演の依頼が殺到。
病院側が積極的に応じるように指示したため、
通常業務に加えて1カ月の3分の1以上は
救急医療や災害医療などの研修や講演に奔走した。
勤務後の深夜や休日も資料作りに追われ、
部下の配置もなく、疲弊した。
さらに、病院にいることが少なくなったため、
ほかの医師らから公然と中傷、
罵倒(ばとう)されるなどした。
このため「うつ状態」に陥り、翌年5月に自殺した。
原告側は「病院の指示で対外業務が増加したのに、
支援態勢をとらなかったうえ、H医師への
嫌がらせに適切な対応を取らなかったなど、
安全配慮義務違反は明らかだ」と主張している。
同病院の中野信次・管理部副部長は
「取材や研修依頼については、
本人の裁量でやるようにと指示していた。
ほかの医師に比べ勤務が過酷だったことはない。
法廷で明らかにしたい」と話した。
『2008年02月25日:asahi.com』
現時点では、H医師が自殺した原因が
過労かどうかはわからないですけどね。
でも、この記事を見る限り、
H医師の勤務は非常に大変で。
それ以外の事も大変だったのに、周りに認められず。
それで自殺した、って可能性が高い様な気はします。
このブログでも、医師の自殺に関しては
『当直中に医師が死亡』
『またも若い医師が死亡』
なんかでも取り上げましたし。
周りの医師に聞いても、身近な医師を
自殺で亡くしたって人は非常に多いです。
労災が認められた、小児科医中原利郎先生の裁判は、
民事ではなかなか厳しそうですし。
なんとかならないものでしょうかねー。
ちなみに、過労死で亡くなった小児科医、
中原利郎先生に関連する記事はこちらです。
『小児科医の遺言状』
『小児科医、中原医師の過労死を認め勝訴』
『小児科医自殺 労災認定2』
『小児科医過労自殺訴訟、厚労省が控訴断念』
『小児科医自殺、病院の賠償認めず 』
医者のホンネが知りたい人は、こちらから!
→ 『医者のホンネが丸わかり!(改)』
ブログランキングの応援もよろしくね!
↓ ↓ ↓

前に、一年分のデーターを見て、
日本の医師の自殺率って、他の人達より多いな。
って思った事があったんですよ。
そいで、いろいろデーターを探してみたら。
やっぱり、医師の自殺率は高いって事がわかりました。
しかも、他の人達の約30%も高いんですよ!
○医師の自殺者数
合計 男 女
H13 70 64 6
H14 86 76 10
H15 79 71 8
H16 79 69 10
H17 90 79 11
H18 90 85 5
参照:『産科医療のこれから:壊れる日本の医療』から
警察庁生活安全局「自殺の概要資料」より
なんとなく、H16年までよりもH17,H18年
の方が、医師の自殺者数は多いな、
って事はわかりますけど。
でも、これだけ見ても、多いんだか少ないんだか、
よくわかんないですよね。
これを医師以外というか、医師も含めた
日本人全員の自殺率と比較してみましょうか。
○日本人の自殺率(10万人当たり)
全体 医師 医師/全体
H13 24.4 27.1 1.11
H14 25.2 32.8 1.30
H15 27.0 29.8 1.10
H16 25.3 29.3 1.15
H17 25.5 32.8 1.29
H18 25.2 32.4 1.29
な、なんとー。
医師の自殺率って、最近2年間では、
他の職業の約1.3倍も高いんですよ。
日本の医師数って、約26万人だし。
自殺した医師の方って、年間数十人だから。
数が少ない、っていう影響もあるのでしょうけど。
でも、医師の自殺率は6年連続で
一般の人達よりも高いですからね。
やっぱり、日本医師の自殺率は他の職業よりも高い。
って言って良いと思います。
ちなみに、ご存じの方が多いと思いますが。
日本の自殺率は、世界的に見てもトップクラスです。
アメリカの自殺率は10万人当たり約10人。
イギリス、イタリアでは、約7人ですから。
日本の自殺率はアメリカの2倍以上、
イタリアやイギリスの3倍位なんですよ。
その日本の一般人よりも、
30%も医師の方が自殺率が高いんですよ。
やっぱり、この状況っておかしいと思いませんか。
日本人の自殺の原因で一番多いのは、健康問題(40%)。
その次が、経済・生活問題(30%)。
それに、家庭問題(10%)、勤務問題(6%)、
男女問題(3%)が続きます。
参照:『自殺対策支援センター』
医師の場合は、お金で苦労するって事は、
ほとんどないですから。
多くの人は、体を壊して自殺しているのだと思います。
最近では、こんなニュースもありましたよね。
脱線事故で救急活動医師の自殺
過重労働が原因、父提訴
05年4月に起きたJR宝塚線(福知山線)
の脱線事故で、現場で救助活動に携わった
済生会滋賀県病院(同県栗東市)の医師、
Hさん(当時51)が自殺したのは、
病院側が求めた救急活動や災害医療についての
講演や研究会への参加などで
過重な労働を強いられたためだとして、
父親が25日、同病院を運営する
社会福祉法人恩賜財団済生会(東京都)に
1億円の損害賠償を求める訴訟を大津地裁に起こした。
訴状などによると、H医師は05年2月、
「2人の部下を配置する」という条件で
滋賀医科大から同病院救命救急センターに着任。
2カ月後に発生した宝塚線事故では
現場責任者として救護活動にあたった。
事故後、H医師に取材や講演の依頼が殺到。
病院側が積極的に応じるように指示したため、
通常業務に加えて1カ月の3分の1以上は
救急医療や災害医療などの研修や講演に奔走した。
勤務後の深夜や休日も資料作りに追われ、
部下の配置もなく、疲弊した。
さらに、病院にいることが少なくなったため、
ほかの医師らから公然と中傷、
罵倒(ばとう)されるなどした。
このため「うつ状態」に陥り、翌年5月に自殺した。
原告側は「病院の指示で対外業務が増加したのに、
支援態勢をとらなかったうえ、H医師への
嫌がらせに適切な対応を取らなかったなど、
安全配慮義務違反は明らかだ」と主張している。
同病院の中野信次・管理部副部長は
「取材や研修依頼については、
本人の裁量でやるようにと指示していた。
ほかの医師に比べ勤務が過酷だったことはない。
法廷で明らかにしたい」と話した。
『2008年02月25日:asahi.com』
現時点では、H医師が自殺した原因が
過労かどうかはわからないですけどね。
でも、この記事を見る限り、
H医師の勤務は非常に大変で。
それ以外の事も大変だったのに、周りに認められず。
それで自殺した、って可能性が高い様な気はします。
このブログでも、医師の自殺に関しては
『当直中に医師が死亡』
『またも若い医師が死亡』
なんかでも取り上げましたし。
周りの医師に聞いても、身近な医師を
自殺で亡くしたって人は非常に多いです。
労災が認められた、小児科医中原利郎先生の裁判は、
民事ではなかなか厳しそうですし。
なんとかならないものでしょうかねー。
ちなみに、過労死で亡くなった小児科医、
中原利郎先生に関連する記事はこちらです。
『小児科医の遺言状』
『小児科医、中原医師の過労死を認め勝訴』
『小児科医自殺 労災認定2』
『小児科医過労自殺訴訟、厚労省が控訴断念』
『小児科医自殺、病院の賠償認めず 』
医者のホンネが知りたい人は、こちらから!
→ 『医者のホンネが丸わかり!(改)』
ブログランキングの応援もよろしくね!
↓ ↓ ↓

「こどもの医療費無料」っていっている自治体って、
非常に多いですよね。
というか、ほとんど全部かな。
小学生未満とか、中学生までとか。
年齢は、地方自治体によって違うようですけど。
でも、この制度のせいで、
勤務医、特に小児科医は、
ものすごーく疲弊しているんですよー。
「こどもの医療費無料」っていうと、
少子化対策にもなるし。
子供のいる親にも受けが良いし。
反対する人はあんまりいないし、
手っ取り早く選挙対策にもなるから。
安易にやる都市って多いんですよ。
こどもの医療費無料化の運動ってのは、
1968年以降全国各地で起きて。
1972年に栃木県が初めて、
ゼロ歳児医療費を無料にしそうです。
その後、こどもの医療費無料化の
年齢を引き上げる自治体とかも増えて。
1999年2月に行った政府が行った調査では、
入院患者は全ての市区町村が実施していて、
通院でも2自治体を除くすべてで、
乳幼児医療費への助成が実施されていたようです。
参照:「岡村恵子のHP」
「弱者」って言葉、いろんな意味があるから。
あんまり安易に使いたくないんだけど。
「こども」って、いろんな意味で弱者だから。
こどもの医療費無料なんかは、典型的な
「弱者を守る」為の政策ですよね。
だから反対意見も少ないし、
選挙対策として住民受けも良いから。
結局、いろんな都市で実施されているんですよ。
私は、「いつでも、こどもの医療費は無料」
っていう制度には反対です。
何故なら、「無料なら、病院に来よう」
っていう人が多くなるからです。
薬屋で、薬とポカリスエットを買ったら2000円。
でも、病院に行って専門家である医者に診てもらって。
それで薬までもらっても、0円。
だったら、時間外でも、病院に来よう。
って思う親が多いのは、当たり前です。
時間外に軽症なのに病院の救急外来に来るのって、
「コンビニ救急」とかって呼ばれているのですけど。
これって、患者(こども)とか、その親が
いわゆる「モンスターペイシェント」だから起こる、
っていうよりは、「こどもの医療費無料」
っていう制度がおかしいから起こっているのですよ。
もちろん、大人の場合と一緒で「不安だから」、
っていう原因も大きいですけどね。
こどもの場合でも。
無料じゃなくても、日本の医療費っていうのは、
世界の国々と比べるとめちゃくちゃ安いですから。
不安だ、ってだけで時間外に病院に来る
患者が多いのは、子供も大人も一緒です。
その結果、小児科医は疲弊して、
小児科が崩壊しかけていますから。
だったら、「こどもの医療費無料」っていう、
制度を変えれば良いと思います。
こう言うと必ず
「弱者切り捨てだ」
って言う人が出るんですよね。
でも、私が言っているのは
「こどもの医療費は、いつでもどこでも無料」
っていう制度がおかしい。
って言っているだけですからね。
そこは勘違いしないで下さいよ。
こどもの医療費無料って、
全部まとめて言っていますけど。
もう少し細かく分けると。
1,入院しているこどもの医療費。
2,持病があって、定期的に通院しているこどもの医療費。
3,持病はなく、風邪をひいたとかで、
病院の受付時間内に来るこどもの医療費。
4,持病はなく、風邪などで、
時間外に病院に来るこどもの医療費。
おおざっぱに、この4つに分けられると思います。
それぞれに関して、見ていきましょうか。
1,入院しているこどもの医療費。
これに関しては、無料で良いと思いますよ、私は。
それは、あんまり異論がないのではないでしょうか。
2,持病があって、定期的に通院しているこどもの医療費。
これも無料で良いと思いますね、個人的には。
じゃあ、今までと同じじゃないか、
って思うかもしれませんが。
ここからが違います。
3,持病はなく、風邪をひいたとかで、
病院の受付時間内に来るこどもの医療費。
これ、普通にお金取って良いんじゃないですかね。
まあ、少し割り引きしても良いと思いますけど。
いろいろあると、話がややこしくなるので。
持病なしで、時間内に来るこどもは通常料金、
って事にします。
4,持病はなく、風邪などで、
時間外に病院に来るこどもの医療費。
医療崩壊が最も進んでいる科は、
産科、小児科、救急ですけど。
時間外に病院に来るこどもが多い、っていうのが
小児科医が減って、小児科が崩壊している
一番の原因です。
これは、「こどもの医療費無料」っていう制度が
大きく関係していますから。
変えた方が良いと、私は思っています。
時間外に来る患者の半分くらいは、「こども」です。
小児科医が1人の病院とか、病院にもよるのですけどね。
夜に子供が来たら、当直医がまずは診て。
それで、当直医では対処できない、
って判断した時に、はじめて小児科医の先生を呼ぶ。
っていう病院もあるんですけど。
子供が来たら、夜中だろうが明け方だろうが、
最初から小児科医を呼ぶ。
っていう病院も、結構多いんですよ。
時間外に来る患者の半分くらいが子供ですから。
こういう病院だと、子供が来るたびに、
小児科医が毎回病院に呼ばれちゃいますので。
小児科の先生は非常に大変です。
病院っていうのは、基本的には
土日、祝日は休み(土曜は半日の所もある)で。
平日も9時~5時までしかやってないんですけど。
でも、患者っていうのは、
病院がやっていないときにも病気になることもあるので。
そういう時の為に、その科毎に「当番、待機」
の医師っていうのを決めておきます。
で、時間外に患者が来て、専門的な判断が必要だ、
って当直医とか、他の先生が判断したら。
その科に関する事だったら、ますはその科の当番、待機
の医師が呼ばれるようなシステムになっています。
そうじゃないと、やってられないですよね。
だいたい、どこの病院でも下っ端と偉い先生がいるけど。
当番が決まっていなかったら、いっつも呼びやすい
若い先生とかが呼ばれちゃいますからね、たいてい。
毎日のように病院から呼ばれまくってたら、
その先生、体が持ちませんよね。
医者だって、人間なんだから。
例えば、
小児科医3人の病院の場合。
小児科はA先生、B先生、C先生という
3人の先生がいる時。
3月の当番表の例)
3/1 2 3 4 5 6 7 8 9
土 日 月 火 水 木 金 土 日
A A B B C C B B B
こんな感じでしょうかね。
3/1の週末はA先生が当番。
で、3/8の週末はB先生、みたいな。
平日は、交互とかでも良いんだけど。
週末、金、土、日とかは、
同じ先生がやる場合が多いでしょうかね。
当番とか、待機っていうのは。
「今週は俺、待機じゃないから、
少し遠くに行ってくるから、週末よろしく。」
みたいな感じで、月に一回か二回とか、
休みをもらえる事が多いのですけど。
重症患者がいたら、どっかに旅行に行くとか、
そういうのは難しいですから。
実際には、なかなか休みは取れません。
もちろん、自分が当番、待機の時には
いつ病院に呼ばれるかわからないので。
病院の近くで待機していなければいけません。
そいで、本題に戻って。
時間外に病院にかかる、こどもの医療費について。
ですけど。
私は普通に料金を払うべきだと思います。
というか、「時間外重症患者割引制度」のように、
重症患者以外は、加算した料金を払えば良いと思います。
時間外に大量に、軽症のこどもが押し寄せてきて。
もう小児科医は疲弊して、小児科は崩壊寸前ですから。
小児科を崩壊させないためには、
軽症の患者(こども)が時間外に来るのを、
制限する必要があると思います。
ただ、普通の料金を取るだけでは、
時間外の患者の数を減らす事は難しいと思いますので。
だったらむしろ、今は医療費無料の子供からも、大人と同じ。
正規の料金+できれば時間外加算料金
も取って、時間外に病院に来る患者(こども)を
減らすべきだと思います。
仮にこの制度を
「入院、通院しているこどもの医療費無料制度」
としますか。
この制度に関しては、重症患者は料金が割り引かれるし。
入院したら、こどもは医療費無料になるんですから。
「弱者切り捨て」、って事にはならないと思います。
そもそも、軽症なら次の日に来れば、
時間外加算料金は取られないわけですからね。
「入院、通院しているこどもの医療費無料制度」
が導入されると。
現在は、全てのこどもの医療費無料だけど、
入院しているこども
+持病があって通院しているこどもの医療費は
無料のままだけど。
時間内に風邪とかで受診するこどもの医療費と、
時間外に風邪とかで受診するこどもの医療費。
が、余るって事になりますよね。
そしたら、余った分は、こどものいる家庭に、均等に分配
すれば良いと思いますよ。
例えば、
こども1万人の都市。
こどもの医療費を無料にしている為に、
予算を10億円使っているとします。
その内訳は、
入院したこどもの医療費 6億円
持病で通院しているこどもの医療費 2億円
時間内に風邪等で、病院に来るこどもの医療費 1億円
時間外に風邪等で、病院に来るこどもの医療費 1億円
だとします。
「入院、通院しているこどもの医療費無料制度」の場合。
その都市の予算を見ると、
入院したこどもの医療費 6億円
持病で通院しているこどもの医療費 2億円
これは、そのままです。
で、
時間内に風邪等で、病院に来るこどもの医療費 1億円
時間外に風邪等で、病院に来るこどもの医療費 1億円
これはゼロになるわけですから。
2億円の財源が余る訳ですよ。
この2億円は、借金の返済に使うとか。
どっかの無駄な道路を造るとか。
そういうのではなく。
こどものいる家庭で分けます。
その都市には子供が1万人いるんですから。
2億円を1万人で分けると、
1人当たり2万円になります。
子供が3人いる家族なら、6万円入る。
って事になりますよね、この制度。
しかも、新たな財源はゼロ。
少子化対策としても、良いんじゃないですか。
この政策。
軽症なのに、無料だと思って時間外なのに、
何回も平気で病院に来て、小児科医を疲弊させる
親にばっかり、お金をあげて。
そいで、まじめに小児科医や病院の事まで考えて、
次の日まで待って病院に来るとか。
病院にかからないで、売薬で済ませている親には、
お金を補助しない。
そっちの今の制度の方が、むしろおかしい
と思いますよ、私は。
こども1人につき2万円をあげて。
そのお金で、美味しい物を食べて病気を予防するとか。
そのお金を習い事に使うでも、ゲームを買ってあげるでも、
何に使っても良いと思いますよ。
心配だったら、時間外に時間外加算料金を払って、
病院にかかる、っていう選択肢を取る人も
いるかもしれませんね。
お勧めはしませんけど。
「全てのこどもの医療費無料制度」だと、
無駄にたくさん病院にかかっている人にばっかり、
お金を補助する形になって、逆に不公平なんだけど。
「入院、通院しているこどもの医療費無料制度」では、
重症患者は無料のまま。
軽症患者に関しては、自己負担をしてもらって、
その分は、みんなで分けましょう。
っていう政策ですからね。
むしろ、公平のような気がするんですが。
そしたら、時間外に軽症で病院に来る子供も減って、
小児科医の疲弊も軽減するし。
その結果、小児科を崩壊から救えるかもしれないし。
子供を病気にさせない親は、お金も入るし。
政治家は、少子化対策としても票になるし。
良いことばっかりの様な気がするんですけどねー。
どうして、誰もこういう制度を作らないのでしょうか。
もっとも、これは各地方自治体ではなく、
国がやるべき制度だと思いますけどね、ホントは。
あ、一応、元々持病があって、
それが悪くなって時間外に病院にかかった子供の場合。
とりあえずは、いったん時間外加算も含め、
お金を払って貰って。
定期的に通院しているのですから。
前回は、時間外に持病が悪化したって事であれば、
その時にお金を返す。
っていう形で良いのではないか、って思っています。
それなら、実質無料だし。
時間外に来た時に、持病の悪化かどうかによって、
自己負担額が変わるとかっていう、
余計な手間なんかもかからないしね。
医者のホンネが知りたい人は、こちらから!
→ 『医者のホンネが丸わかり!(改)』
ブログランキングの応援もよろしくね!
↓ ↓ ↓

非常に多いですよね。
というか、ほとんど全部かな。
小学生未満とか、中学生までとか。
年齢は、地方自治体によって違うようですけど。
でも、この制度のせいで、
勤務医、特に小児科医は、
ものすごーく疲弊しているんですよー。
「こどもの医療費無料」っていうと、
少子化対策にもなるし。
子供のいる親にも受けが良いし。
反対する人はあんまりいないし、
手っ取り早く選挙対策にもなるから。
安易にやる都市って多いんですよ。
こどもの医療費無料化の運動ってのは、
1968年以降全国各地で起きて。
1972年に栃木県が初めて、
ゼロ歳児医療費を無料にしそうです。
その後、こどもの医療費無料化の
年齢を引き上げる自治体とかも増えて。
1999年2月に行った政府が行った調査では、
入院患者は全ての市区町村が実施していて、
通院でも2自治体を除くすべてで、
乳幼児医療費への助成が実施されていたようです。
参照:「岡村恵子のHP」
「弱者」って言葉、いろんな意味があるから。
あんまり安易に使いたくないんだけど。
「こども」って、いろんな意味で弱者だから。
こどもの医療費無料なんかは、典型的な
「弱者を守る」為の政策ですよね。
だから反対意見も少ないし、
選挙対策として住民受けも良いから。
結局、いろんな都市で実施されているんですよ。
私は、「いつでも、こどもの医療費は無料」
っていう制度には反対です。
何故なら、「無料なら、病院に来よう」
っていう人が多くなるからです。
薬屋で、薬とポカリスエットを買ったら2000円。
でも、病院に行って専門家である医者に診てもらって。
それで薬までもらっても、0円。
だったら、時間外でも、病院に来よう。
って思う親が多いのは、当たり前です。
時間外に軽症なのに病院の救急外来に来るのって、
「コンビニ救急」とかって呼ばれているのですけど。
これって、患者(こども)とか、その親が
いわゆる「モンスターペイシェント」だから起こる、
っていうよりは、「こどもの医療費無料」
っていう制度がおかしいから起こっているのですよ。
もちろん、大人の場合と一緒で「不安だから」、
っていう原因も大きいですけどね。
こどもの場合でも。
無料じゃなくても、日本の医療費っていうのは、
世界の国々と比べるとめちゃくちゃ安いですから。
不安だ、ってだけで時間外に病院に来る
患者が多いのは、子供も大人も一緒です。
その結果、小児科医は疲弊して、
小児科が崩壊しかけていますから。
だったら、「こどもの医療費無料」っていう、
制度を変えれば良いと思います。
こう言うと必ず
「弱者切り捨てだ」
って言う人が出るんですよね。
でも、私が言っているのは
「こどもの医療費は、いつでもどこでも無料」
っていう制度がおかしい。
って言っているだけですからね。
そこは勘違いしないで下さいよ。
こどもの医療費無料って、
全部まとめて言っていますけど。
もう少し細かく分けると。
1,入院しているこどもの医療費。
2,持病があって、定期的に通院しているこどもの医療費。
3,持病はなく、風邪をひいたとかで、
病院の受付時間内に来るこどもの医療費。
4,持病はなく、風邪などで、
時間外に病院に来るこどもの医療費。
おおざっぱに、この4つに分けられると思います。
それぞれに関して、見ていきましょうか。
1,入院しているこどもの医療費。
これに関しては、無料で良いと思いますよ、私は。
それは、あんまり異論がないのではないでしょうか。
2,持病があって、定期的に通院しているこどもの医療費。
これも無料で良いと思いますね、個人的には。
じゃあ、今までと同じじゃないか、
って思うかもしれませんが。
ここからが違います。
3,持病はなく、風邪をひいたとかで、
病院の受付時間内に来るこどもの医療費。
これ、普通にお金取って良いんじゃないですかね。
まあ、少し割り引きしても良いと思いますけど。
いろいろあると、話がややこしくなるので。
持病なしで、時間内に来るこどもは通常料金、
って事にします。
4,持病はなく、風邪などで、
時間外に病院に来るこどもの医療費。
医療崩壊が最も進んでいる科は、
産科、小児科、救急ですけど。
時間外に病院に来るこどもが多い、っていうのが
小児科医が減って、小児科が崩壊している
一番の原因です。
これは、「こどもの医療費無料」っていう制度が
大きく関係していますから。
変えた方が良いと、私は思っています。
時間外に来る患者の半分くらいは、「こども」です。
小児科医が1人の病院とか、病院にもよるのですけどね。
夜に子供が来たら、当直医がまずは診て。
それで、当直医では対処できない、
って判断した時に、はじめて小児科医の先生を呼ぶ。
っていう病院もあるんですけど。
子供が来たら、夜中だろうが明け方だろうが、
最初から小児科医を呼ぶ。
っていう病院も、結構多いんですよ。
時間外に来る患者の半分くらいが子供ですから。
こういう病院だと、子供が来るたびに、
小児科医が毎回病院に呼ばれちゃいますので。
小児科の先生は非常に大変です。
病院っていうのは、基本的には
土日、祝日は休み(土曜は半日の所もある)で。
平日も9時~5時までしかやってないんですけど。
でも、患者っていうのは、
病院がやっていないときにも病気になることもあるので。
そういう時の為に、その科毎に「当番、待機」
の医師っていうのを決めておきます。
で、時間外に患者が来て、専門的な判断が必要だ、
って当直医とか、他の先生が判断したら。
その科に関する事だったら、ますはその科の当番、待機
の医師が呼ばれるようなシステムになっています。
そうじゃないと、やってられないですよね。
だいたい、どこの病院でも下っ端と偉い先生がいるけど。
当番が決まっていなかったら、いっつも呼びやすい
若い先生とかが呼ばれちゃいますからね、たいてい。
毎日のように病院から呼ばれまくってたら、
その先生、体が持ちませんよね。
医者だって、人間なんだから。
例えば、
小児科医3人の病院の場合。
小児科はA先生、B先生、C先生という
3人の先生がいる時。
3月の当番表の例)
3/1 2 3 4 5 6 7 8 9
土 日 月 火 水 木 金 土 日
A A B B C C B B B
こんな感じでしょうかね。
3/1の週末はA先生が当番。
で、3/8の週末はB先生、みたいな。
平日は、交互とかでも良いんだけど。
週末、金、土、日とかは、
同じ先生がやる場合が多いでしょうかね。
当番とか、待機っていうのは。
「今週は俺、待機じゃないから、
少し遠くに行ってくるから、週末よろしく。」
みたいな感じで、月に一回か二回とか、
休みをもらえる事が多いのですけど。
重症患者がいたら、どっかに旅行に行くとか、
そういうのは難しいですから。
実際には、なかなか休みは取れません。
もちろん、自分が当番、待機の時には
いつ病院に呼ばれるかわからないので。
病院の近くで待機していなければいけません。
そいで、本題に戻って。
時間外に病院にかかる、こどもの医療費について。
ですけど。
私は普通に料金を払うべきだと思います。
というか、「時間外重症患者割引制度」のように、
重症患者以外は、加算した料金を払えば良いと思います。
時間外に大量に、軽症のこどもが押し寄せてきて。
もう小児科医は疲弊して、小児科は崩壊寸前ですから。
小児科を崩壊させないためには、
軽症の患者(こども)が時間外に来るのを、
制限する必要があると思います。
ただ、普通の料金を取るだけでは、
時間外の患者の数を減らす事は難しいと思いますので。
だったらむしろ、今は医療費無料の子供からも、大人と同じ。
正規の料金+できれば時間外加算料金
も取って、時間外に病院に来る患者(こども)を
減らすべきだと思います。
仮にこの制度を
「入院、通院しているこどもの医療費無料制度」
としますか。
この制度に関しては、重症患者は料金が割り引かれるし。
入院したら、こどもは医療費無料になるんですから。
「弱者切り捨て」、って事にはならないと思います。
そもそも、軽症なら次の日に来れば、
時間外加算料金は取られないわけですからね。
「入院、通院しているこどもの医療費無料制度」
が導入されると。
現在は、全てのこどもの医療費無料だけど、
入院しているこども
+持病があって通院しているこどもの医療費は
無料のままだけど。
時間内に風邪とかで受診するこどもの医療費と、
時間外に風邪とかで受診するこどもの医療費。
が、余るって事になりますよね。
そしたら、余った分は、こどものいる家庭に、均等に分配
すれば良いと思いますよ。
例えば、
こども1万人の都市。
こどもの医療費を無料にしている為に、
予算を10億円使っているとします。
その内訳は、
入院したこどもの医療費 6億円
持病で通院しているこどもの医療費 2億円
時間内に風邪等で、病院に来るこどもの医療費 1億円
時間外に風邪等で、病院に来るこどもの医療費 1億円
だとします。
「入院、通院しているこどもの医療費無料制度」の場合。
その都市の予算を見ると、
入院したこどもの医療費 6億円
持病で通院しているこどもの医療費 2億円
これは、そのままです。
で、
時間内に風邪等で、病院に来るこどもの医療費 1億円
時間外に風邪等で、病院に来るこどもの医療費 1億円
これはゼロになるわけですから。
2億円の財源が余る訳ですよ。
この2億円は、借金の返済に使うとか。
どっかの無駄な道路を造るとか。
そういうのではなく。
こどものいる家庭で分けます。
その都市には子供が1万人いるんですから。
2億円を1万人で分けると、
1人当たり2万円になります。
子供が3人いる家族なら、6万円入る。
って事になりますよね、この制度。
しかも、新たな財源はゼロ。
少子化対策としても、良いんじゃないですか。
この政策。
軽症なのに、無料だと思って時間外なのに、
何回も平気で病院に来て、小児科医を疲弊させる
親にばっかり、お金をあげて。
そいで、まじめに小児科医や病院の事まで考えて、
次の日まで待って病院に来るとか。
病院にかからないで、売薬で済ませている親には、
お金を補助しない。
そっちの今の制度の方が、むしろおかしい
と思いますよ、私は。
こども1人につき2万円をあげて。
そのお金で、美味しい物を食べて病気を予防するとか。
そのお金を習い事に使うでも、ゲームを買ってあげるでも、
何に使っても良いと思いますよ。
心配だったら、時間外に時間外加算料金を払って、
病院にかかる、っていう選択肢を取る人も
いるかもしれませんね。
お勧めはしませんけど。
「全てのこどもの医療費無料制度」だと、
無駄にたくさん病院にかかっている人にばっかり、
お金を補助する形になって、逆に不公平なんだけど。
「入院、通院しているこどもの医療費無料制度」では、
重症患者は無料のまま。
軽症患者に関しては、自己負担をしてもらって、
その分は、みんなで分けましょう。
っていう政策ですからね。
むしろ、公平のような気がするんですが。
そしたら、時間外に軽症で病院に来る子供も減って、
小児科医の疲弊も軽減するし。
その結果、小児科を崩壊から救えるかもしれないし。
子供を病気にさせない親は、お金も入るし。
政治家は、少子化対策としても票になるし。
良いことばっかりの様な気がするんですけどねー。
どうして、誰もこういう制度を作らないのでしょうか。
もっとも、これは各地方自治体ではなく、
国がやるべき制度だと思いますけどね、ホントは。
あ、一応、元々持病があって、
それが悪くなって時間外に病院にかかった子供の場合。
とりあえずは、いったん時間外加算も含め、
お金を払って貰って。
定期的に通院しているのですから。
前回は、時間外に持病が悪化したって事であれば、
その時にお金を返す。
っていう形で良いのではないか、って思っています。
それなら、実質無料だし。
時間外に来た時に、持病の悪化かどうかによって、
自己負担額が変わるとかっていう、
余計な手間なんかもかからないしね。
医者のホンネが知りたい人は、こちらから!
→ 『医者のホンネが丸わかり!(改)』
ブログランキングの応援もよろしくね!
↓ ↓ ↓
