いつもお世話になっている、川口恭さんの
『ロハス・メディカルブログ』に、
舛添要一厚生労働大臣のインタビューが
書いてありましたよ!
舛添厚労大臣に関しては、医師の中からは
賛否両論あると思いますけど。
私は、良くやっている方だと思います。
100%全部認める、って事はもちろんないけど。
日本の医療崩壊の原因で、最も大きいのは
医師不足と医療費不足だから。
医療費も医師の数も増やしなさい。
っていう主張は、私と同じだし。
患者当たりの医師数が少ないんだから、患者の側も、
無駄に病院にかかるのを我慢しなさい、とか。
官僚は現場を知らないから駄目なんだ、とか。
なんとなく、私が言ってきた事と似ていると思います。
舛添厚労大臣は、パフォーマンスが先行する。
っていう事は事実なので。
それがあんまり気にくわない、とう人も
結構いるのかもしれませんが。
前と言っている事が全然違うとか、
言い訳ばっかして、人のせいにしたりとか。
そういうのは比較的少ないし。
個人的には買っています。
年金の問題の時は、ちょっとなー。
って思った時もありましたけどね。
ちょっと長いので、一部省略しますから。
全部読みたい人は、『ロハス・メディカル』を読んでね!
~ ウソをつく官僚は、クビを切るしかない ~
川口恭 2008年06月28日
昨日、舛添要一厚生労働大臣のインタビューを行いました。
――『安心と希望の医療確保ビジョン』の
セールスポイントを教えてください。
一番、国民が心配しているお医者さんの不足、
奈良で妊婦さんがたらい回しされて
大阪へ連れて行かれて死産したとか、
そういう話がいっぱいありますでしょ。
小児科が足りないとかね。
そういう問題に対して、基本的に
厚生労働省担当相としてどう対応するか
考えましたということです。
国民みんなが足りない足りないと思っているのに、
平成9年の閣議決定以来、歴代の厚生労働大臣は
役人にそそのかされたのか、医師は十分にいると
答弁し続けてきた、偏在しているだけだ、と。
そんなの普通の人から見たら違うんじゃないの
ということで、国会答弁から変えた。
まず一つはお医者さん増やすよ、
医学部定員削減の閣議決定を見直すよ、
それが第一。
それからもう一つは地域、現場中心主義だということ。
霞が関に座っていて医療の現場が分かるわけないんで。
現場中心で現場の地域のネットワークを
いかに構築するかっていうことで。
周産期医療センターなんてのやっているけれど、
それがない宮崎の方がむしろうまくいっている
というのは、ハコモノなんか作ったって
人がいなければダメなのね。
ハコモノなんかなくったって
ちゃんとやっている所はある。
たとえば江戸川区の医師会とか、
見に行ったけれどそうだった。
で、26日に行った日野市立病院のように
立派なNICUのハコモノなんか作ったって、
お医者さんがいなかったら
閉鎖されて生きてない、と。
だからやっぱり、現場を見て地域のイニシアチブを
大事にしてやりますよ、ということ。
それから3番目の柱は、
やっぱり国民も協力してくださいということ。
兵庫の県立柏原病院に来週行きますけれど、
あそこのお母さんたちの
『小児科を守る会』があるでしょ、
ああいう実質的な活動で1円もかからないで
小児科の負担を減らすことができている。
だから日野市に行った時に、
市長と地元の国会議員に
日野市で同じことしなさいよと言いました。
何度も言っているんだけれど、現場が第一であって、
霞が関で紙と鉛筆でやってる財務官僚も
厚生労働官僚もダメだってことなんですね。
それからもう一つは、ただ予算を増やして
人を増やせばいいのかといえばそうじゃない、と。
改革はやっぱりやらなきゃいけないんで、
ムダを排し効率的な医療体制を築く、と。
じゃあどうやってムダを省くんですかっていう時に、
自分たちの権限は縮小しない形で、
天下り先は確保したまま、
規制権限を強化したまま、
そうじゃないだろう、と。
私が言っているムダを省けというのは、
官僚たちがやっている規制のせいで
金がかかってるんじゃないのということ。
だったら規制外せばいいじゃない。
たとえば医療機器だって規制で
がんじがらめにしているから
アメリカの何倍の価格にもなる。
それから、何枚も何枚もお医者さんが
紙を出さなきゃいけないから、
それだけでお医者さんの時間がなくなっちゃう。
その書類作成の時間がなくなるだけでも、
コスト的に相当のはず。
要するに規制緩和をちゃんとやる。
国民の安全にかかわるところを何だ、
みたいな議論にすぐするけれど、
そういうすり替えはダメですよ、
とそういうことですね。
だから改革はちゃんとやるんですよ。
――医師数をどこまで増やすか、
具体的な数を挙げることは可能ですか。
『骨太の方針08』では過去最大限のところまで行く
というのが注釈で書いてあります。
それを上限とするニュアンスが
ないようにしましたから、
とりあえずそこまで増やすと8360ですね。
今から500ぐらい増えるのかな。
色々なシミュレーションをやって、
やっぱり年間400ぐらいずつ増やしていく
ってのは解消策として妥当なところだと思うけれど、
それはまた多すぎるのか
少なすぎるのか色々議論して。
その議論の前提は、週に80時間、
90時間働いているという人は
本来1人じゃなくて2人いれば
40時間から50時間で済むはずなんで。
人として当たり前の働きをする前提です。
生身の体で自分が病気になっちゃったら
仕方ないんで。
今、医者が足りているからいいじゃないか
と言うんじゃなくて、違うんですよ、
この人は80時間働いているんですよ、
もし40時間にするんだったら倍いるでしょう。
そういう論理できちんと計算していく
ということです。
もう一つは、介護士、看護師、助産師といった
コメディカル、メディカルクラークも含めてですけれど、
それをもっと活用する、スキルミックスをやっていくと、
これをもっとやっていく。
その時にも、お金がなくてスキルミックスが
できるわけがなくて、だから看護師の数をガっと増やす、
質を上げる、こういうことを
やらないといけないと思います。
それも一つの大きな改革の目玉だと思います。
――患者・国民がビジョンに対して
協力できることは何でしょう。
たとえば柏原病院の例のように、
コンビニ診療をやめてください、ということですね。
『柏原病院の小児科を守る会』のパンフレットを見て、
ウチにも小さな子がいるから、
いいなと思って家に置いているんです。
この子の顔色がこうだったらすぐ救急車呼びなさい、
こうだったら熱冷ましてから呼びなさい、
こうだったらこの薬を飲ませなさいと
フローチャートで書いてある。
あれは、小児科を守る会が自らトリアージの仕方を
住民に教えたんですね。
それからもう一つは赤ちゃんが調子悪かったら
昼間診せなさいと。
昼間子供を放ったらかしておいて、
夜中にパニくって救急車呼んで、
そうするとそんなのが1人で当直している
お医者さんのところへどんどん来る。
診ても大したことないのに、その間に
本当に緊急の子供が来た時にもう診られない。
だからトリアージを国民にもやってもらう。
乱診乱療じゃないけど、コンビニ診療をやめる、
こういうこと。
つまり、あなた命守りたいんでしょ、
お医者さんいなかったら困るでしょ、
看護師さんいなかったら困るでしょ、
なのに逃げて行ってますよ。
くだらない負担をかけるからですよ。
無駄な負担をかけないようにしましょう、
ということですね。
厚生労働大臣が頑張るとか、お医者が頑張るとか、
看護師が頑張るだけで救われる問題ではなくて、
あなたが頑張ってくれないとダメ、
オールジャパンでやる話なんですよと。
やはり患者側の協力がなければ。
病気を治すんでもそうですよね。
お医者さんの言うこと聴かないで
勝手やってたらダメで、
やっぱり養生しなさいと言った時に
ちゃんとやってくれるかどうか、
非常に大きいと思いますね。
――総理の「5つの安心プラン」の中で
「厚生労働行政改革」だけ妙に異質と思うのですが。
それはまさに医療確保ビジョンも同じ発想で、
今から介護ビジョンもやろうと思っているのだけれど、
こういうことすらできなかったのが、
医者が足りないのに足りてますと
言い続けたってのが、厚生労働省の体質。
自分で言うのもおかしいけれど
普通の大臣なら、医者が足りませんって
言うところまで持ってこれないですよ。
私だからできている面があって、
みんな批判するんだけれど、
言ってしまうんですね国会で。
はい足りませんよ、と。
世論に対してもテレビなんかでも足りませんと言う。
ウソをつくな、と。
その闘い、それは肝炎なんかでもみな同じですよ。
ウソをついて大臣が言おうが
何をしようが勝手気まま。
それはもう許さないよ、と。
だからこれはもう改革ですよ。
言うことをきかないヤツは首を切ると。
だから例えば、医学部を出て
免許を持っているか知らないけど、
インターンぐらいやったかもしらんけど、
臨床も何もやらないでずっとやってて、
それで、あんた日本のお医者のトップに
立つのかね、と。
おかしいだろう、と。
だから臨床やるかどうかは別にして、
とにかく現場2年ぐらい、腕に自信がないなら
病院の事務長としても入ってもいいから、
とにかく病院の実態を見てくださいよ、と。
そして帰ってくれば、いい政策ができる。
だから、まあ徹底的にやろうとしているのは技官ね。
医系、薬系含め技官人事、
誰も手をつけないで聖域になっている。
私は東大法学部だから、事
務官の局長かなんかは全部分かる。
ところが局長でも医政とか健康局長なんかは
GHQの指令で医師免許がないと
いけないことになっている、と。
そんなバカなことはないんで。
医師免許なんかなくたって、
事務能力のある局長がいて、
下の課長の何人かに優秀な医者がいればいい。
その医者も臨床やったことない外に出たことない
なんてのじゃなくて、ちゃんとやって
患者の面倒を見たことある人。
看護師でもいい。
外の血も入れて交流していかないとダメなんで、
まさに厚生労働省改革というのは、
これまでの失敗とウソで塗り固めた
状況を変えるということ。
組織を変えてこういう組織にしますよ
というやり方もあるけれど、『医療ビジョン』も
まさに改革そのもので、
出ないですよ普通はこんなもの。
まさに闘いなんで、医者の数が不足してますと
書かないでくださいから始まるだろ、
不足してますと書くまでに
どれだけの闘いをやっているかね。
国会も与野党を動員して、国権の最高機関である
国会で大臣が足りないと言っているのに、
役人が足りていると言うのなら、
それはもう役人の首を切るしかないですよ。
そういう現実に動かしていきながら改革します。
組織変えして何局を何局に移す、何局を廃止する、
そしたら改革かってそうじゃないんですよ。
結局、改廃したところで人が
変わらなければ変わらないんで。
ボンと医療確保ビジョン。
で、何とか審議会とか色んなものが
いっぱいあったって、結局御用学者連れて来て
役人の隠れ蓑。
そんなもの役に立つわけないだろう。
だからそれはもうやめるということであってね、
審議会も中医協も含めてあらゆる関連のところを
見直すと、そういうことなんです。
国民のための仕事がどうしたらできるのかと、
その観点だけに尽きると思いますよ。
そりゃ面白いよ。
今回の医療ビジョンを俺がやるって言ったことが
まずショックなんだけど、それがこうした形で実を結び、
今日骨太の方針で確定するけれど
医師不足がうたわれ、閣議決定が引っくり返され、
社会保障や医師不足には財源を確保するということが
書かれたこと自体が奇跡的なんですよね。
顛末を小説にでも書いたら面白いものができるんで。
だから、その方針をやるしかない、と。
幸いそういうことができるのは国民が
基本的に支持してくれているからですよ。
役人が何と言おうと。
国民の支持がなくなったらダメだから。
だから国民がちゃんと支持してくれて、
問責決議だって85%が俺に対してやるのは
反対だから出せないんですね。
85%の国民が支持しているヤツに問責出したら、
出した方が怒られちゃう。
それはちゃんと国民が仕事をしていることを
評価してくれていると思うので、
この姿勢を失わずにやるということですね。
(このインタビューを抄録したものが、
『ロハス・メディカル』08年8月号に掲載されます)
参照:『ウソをつく官僚は、クビを切るしかない』
舛添厚労大臣は日本の医療事情の事も
結構わかっているし。
言っている事はまっとうだし。
筋が通っていて、良い話だと思いますよ、私は。
弱冠、舛添厚労大臣の自慢が入っているので(笑)
ちょっと、かちんと来る人もいるのかもしれませんがね。
医者のホンネが知りたい人は、こちらから!
→ 『医者のホンネが丸わかり!(改)』
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『ロハス・メディカルブログ』に、
舛添要一厚生労働大臣のインタビューが
書いてありましたよ!
舛添厚労大臣に関しては、医師の中からは
賛否両論あると思いますけど。
私は、良くやっている方だと思います。
100%全部認める、って事はもちろんないけど。
日本の医療崩壊の原因で、最も大きいのは
医師不足と医療費不足だから。
医療費も医師の数も増やしなさい。
っていう主張は、私と同じだし。
患者当たりの医師数が少ないんだから、患者の側も、
無駄に病院にかかるのを我慢しなさい、とか。
官僚は現場を知らないから駄目なんだ、とか。
なんとなく、私が言ってきた事と似ていると思います。
舛添厚労大臣は、パフォーマンスが先行する。
っていう事は事実なので。
それがあんまり気にくわない、とう人も
結構いるのかもしれませんが。
前と言っている事が全然違うとか、
言い訳ばっかして、人のせいにしたりとか。
そういうのは比較的少ないし。
個人的には買っています。
年金の問題の時は、ちょっとなー。
って思った時もありましたけどね。
ちょっと長いので、一部省略しますから。
全部読みたい人は、『ロハス・メディカル』を読んでね!
~ ウソをつく官僚は、クビを切るしかない ~
川口恭 2008年06月28日
昨日、舛添要一厚生労働大臣のインタビューを行いました。
――『安心と希望の医療確保ビジョン』の
セールスポイントを教えてください。
一番、国民が心配しているお医者さんの不足、
奈良で妊婦さんがたらい回しされて
大阪へ連れて行かれて死産したとか、
そういう話がいっぱいありますでしょ。
小児科が足りないとかね。
そういう問題に対して、基本的に
厚生労働省担当相としてどう対応するか
考えましたということです。
国民みんなが足りない足りないと思っているのに、
平成9年の閣議決定以来、歴代の厚生労働大臣は
役人にそそのかされたのか、医師は十分にいると
答弁し続けてきた、偏在しているだけだ、と。
そんなの普通の人から見たら違うんじゃないの
ということで、国会答弁から変えた。
まず一つはお医者さん増やすよ、
医学部定員削減の閣議決定を見直すよ、
それが第一。
それからもう一つは地域、現場中心主義だということ。
霞が関に座っていて医療の現場が分かるわけないんで。
現場中心で現場の地域のネットワークを
いかに構築するかっていうことで。
周産期医療センターなんてのやっているけれど、
それがない宮崎の方がむしろうまくいっている
というのは、ハコモノなんか作ったって
人がいなければダメなのね。
ハコモノなんかなくったって
ちゃんとやっている所はある。
たとえば江戸川区の医師会とか、
見に行ったけれどそうだった。
で、26日に行った日野市立病院のように
立派なNICUのハコモノなんか作ったって、
お医者さんがいなかったら
閉鎖されて生きてない、と。
だからやっぱり、現場を見て地域のイニシアチブを
大事にしてやりますよ、ということ。
それから3番目の柱は、
やっぱり国民も協力してくださいということ。
兵庫の県立柏原病院に来週行きますけれど、
あそこのお母さんたちの
『小児科を守る会』があるでしょ、
ああいう実質的な活動で1円もかからないで
小児科の負担を減らすことができている。
だから日野市に行った時に、
市長と地元の国会議員に
日野市で同じことしなさいよと言いました。
何度も言っているんだけれど、現場が第一であって、
霞が関で紙と鉛筆でやってる財務官僚も
厚生労働官僚もダメだってことなんですね。
それからもう一つは、ただ予算を増やして
人を増やせばいいのかといえばそうじゃない、と。
改革はやっぱりやらなきゃいけないんで、
ムダを排し効率的な医療体制を築く、と。
じゃあどうやってムダを省くんですかっていう時に、
自分たちの権限は縮小しない形で、
天下り先は確保したまま、
規制権限を強化したまま、
そうじゃないだろう、と。
私が言っているムダを省けというのは、
官僚たちがやっている規制のせいで
金がかかってるんじゃないのということ。
だったら規制外せばいいじゃない。
たとえば医療機器だって規制で
がんじがらめにしているから
アメリカの何倍の価格にもなる。
それから、何枚も何枚もお医者さんが
紙を出さなきゃいけないから、
それだけでお医者さんの時間がなくなっちゃう。
その書類作成の時間がなくなるだけでも、
コスト的に相当のはず。
要するに規制緩和をちゃんとやる。
国民の安全にかかわるところを何だ、
みたいな議論にすぐするけれど、
そういうすり替えはダメですよ、
とそういうことですね。
だから改革はちゃんとやるんですよ。
――医師数をどこまで増やすか、
具体的な数を挙げることは可能ですか。
『骨太の方針08』では過去最大限のところまで行く
というのが注釈で書いてあります。
それを上限とするニュアンスが
ないようにしましたから、
とりあえずそこまで増やすと8360ですね。
今から500ぐらい増えるのかな。
色々なシミュレーションをやって、
やっぱり年間400ぐらいずつ増やしていく
ってのは解消策として妥当なところだと思うけれど、
それはまた多すぎるのか
少なすぎるのか色々議論して。
その議論の前提は、週に80時間、
90時間働いているという人は
本来1人じゃなくて2人いれば
40時間から50時間で済むはずなんで。
人として当たり前の働きをする前提です。
生身の体で自分が病気になっちゃったら
仕方ないんで。
今、医者が足りているからいいじゃないか
と言うんじゃなくて、違うんですよ、
この人は80時間働いているんですよ、
もし40時間にするんだったら倍いるでしょう。
そういう論理できちんと計算していく
ということです。
もう一つは、介護士、看護師、助産師といった
コメディカル、メディカルクラークも含めてですけれど、
それをもっと活用する、スキルミックスをやっていくと、
これをもっとやっていく。
その時にも、お金がなくてスキルミックスが
できるわけがなくて、だから看護師の数をガっと増やす、
質を上げる、こういうことを
やらないといけないと思います。
それも一つの大きな改革の目玉だと思います。
――患者・国民がビジョンに対して
協力できることは何でしょう。
たとえば柏原病院の例のように、
コンビニ診療をやめてください、ということですね。
『柏原病院の小児科を守る会』のパンフレットを見て、
ウチにも小さな子がいるから、
いいなと思って家に置いているんです。
この子の顔色がこうだったらすぐ救急車呼びなさい、
こうだったら熱冷ましてから呼びなさい、
こうだったらこの薬を飲ませなさいと
フローチャートで書いてある。
あれは、小児科を守る会が自らトリアージの仕方を
住民に教えたんですね。
それからもう一つは赤ちゃんが調子悪かったら
昼間診せなさいと。
昼間子供を放ったらかしておいて、
夜中にパニくって救急車呼んで、
そうするとそんなのが1人で当直している
お医者さんのところへどんどん来る。
診ても大したことないのに、その間に
本当に緊急の子供が来た時にもう診られない。
だからトリアージを国民にもやってもらう。
乱診乱療じゃないけど、コンビニ診療をやめる、
こういうこと。
つまり、あなた命守りたいんでしょ、
お医者さんいなかったら困るでしょ、
看護師さんいなかったら困るでしょ、
なのに逃げて行ってますよ。
くだらない負担をかけるからですよ。
無駄な負担をかけないようにしましょう、
ということですね。
厚生労働大臣が頑張るとか、お医者が頑張るとか、
看護師が頑張るだけで救われる問題ではなくて、
あなたが頑張ってくれないとダメ、
オールジャパンでやる話なんですよと。
やはり患者側の協力がなければ。
病気を治すんでもそうですよね。
お医者さんの言うこと聴かないで
勝手やってたらダメで、
やっぱり養生しなさいと言った時に
ちゃんとやってくれるかどうか、
非常に大きいと思いますね。
――総理の「5つの安心プラン」の中で
「厚生労働行政改革」だけ妙に異質と思うのですが。
それはまさに医療確保ビジョンも同じ発想で、
今から介護ビジョンもやろうと思っているのだけれど、
こういうことすらできなかったのが、
医者が足りないのに足りてますと
言い続けたってのが、厚生労働省の体質。
自分で言うのもおかしいけれど
普通の大臣なら、医者が足りませんって
言うところまで持ってこれないですよ。
私だからできている面があって、
みんな批判するんだけれど、
言ってしまうんですね国会で。
はい足りませんよ、と。
世論に対してもテレビなんかでも足りませんと言う。
ウソをつくな、と。
その闘い、それは肝炎なんかでもみな同じですよ。
ウソをついて大臣が言おうが
何をしようが勝手気まま。
それはもう許さないよ、と。
だからこれはもう改革ですよ。
言うことをきかないヤツは首を切ると。
だから例えば、医学部を出て
免許を持っているか知らないけど、
インターンぐらいやったかもしらんけど、
臨床も何もやらないでずっとやってて、
それで、あんた日本のお医者のトップに
立つのかね、と。
おかしいだろう、と。
だから臨床やるかどうかは別にして、
とにかく現場2年ぐらい、腕に自信がないなら
病院の事務長としても入ってもいいから、
とにかく病院の実態を見てくださいよ、と。
そして帰ってくれば、いい政策ができる。
だから、まあ徹底的にやろうとしているのは技官ね。
医系、薬系含め技官人事、
誰も手をつけないで聖域になっている。
私は東大法学部だから、事
務官の局長かなんかは全部分かる。
ところが局長でも医政とか健康局長なんかは
GHQの指令で医師免許がないと
いけないことになっている、と。
そんなバカなことはないんで。
医師免許なんかなくたって、
事務能力のある局長がいて、
下の課長の何人かに優秀な医者がいればいい。
その医者も臨床やったことない外に出たことない
なんてのじゃなくて、ちゃんとやって
患者の面倒を見たことある人。
看護師でもいい。
外の血も入れて交流していかないとダメなんで、
まさに厚生労働省改革というのは、
これまでの失敗とウソで塗り固めた
状況を変えるということ。
組織を変えてこういう組織にしますよ
というやり方もあるけれど、『医療ビジョン』も
まさに改革そのもので、
出ないですよ普通はこんなもの。
まさに闘いなんで、医者の数が不足してますと
書かないでくださいから始まるだろ、
不足してますと書くまでに
どれだけの闘いをやっているかね。
国会も与野党を動員して、国権の最高機関である
国会で大臣が足りないと言っているのに、
役人が足りていると言うのなら、
それはもう役人の首を切るしかないですよ。
そういう現実に動かしていきながら改革します。
組織変えして何局を何局に移す、何局を廃止する、
そしたら改革かってそうじゃないんですよ。
結局、改廃したところで人が
変わらなければ変わらないんで。
ボンと医療確保ビジョン。
で、何とか審議会とか色んなものが
いっぱいあったって、結局御用学者連れて来て
役人の隠れ蓑。
そんなもの役に立つわけないだろう。
だからそれはもうやめるということであってね、
審議会も中医協も含めてあらゆる関連のところを
見直すと、そういうことなんです。
国民のための仕事がどうしたらできるのかと、
その観点だけに尽きると思いますよ。
そりゃ面白いよ。
今回の医療ビジョンを俺がやるって言ったことが
まずショックなんだけど、それがこうした形で実を結び、
今日骨太の方針で確定するけれど
医師不足がうたわれ、閣議決定が引っくり返され、
社会保障や医師不足には財源を確保するということが
書かれたこと自体が奇跡的なんですよね。
顛末を小説にでも書いたら面白いものができるんで。
だから、その方針をやるしかない、と。
幸いそういうことができるのは国民が
基本的に支持してくれているからですよ。
役人が何と言おうと。
国民の支持がなくなったらダメだから。
だから国民がちゃんと支持してくれて、
問責決議だって85%が俺に対してやるのは
反対だから出せないんですね。
85%の国民が支持しているヤツに問責出したら、
出した方が怒られちゃう。
それはちゃんと国民が仕事をしていることを
評価してくれていると思うので、
この姿勢を失わずにやるということですね。
(このインタビューを抄録したものが、
『ロハス・メディカル』08年8月号に掲載されます)
参照:『ウソをつく官僚は、クビを切るしかない』
舛添厚労大臣は日本の医療事情の事も
結構わかっているし。
言っている事はまっとうだし。
筋が通っていて、良い話だと思いますよ、私は。
弱冠、舛添厚労大臣の自慢が入っているので(笑)
ちょっと、かちんと来る人もいるのかもしれませんがね。
医者のホンネが知りたい人は、こちらから!
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このブログでも何回か取り上げている、
過労死した小児科医師、中原利郎先生。
その小児科医師中原利郎先生の過労死認定を支援する会が
主催して、6/28に東京でシンポジウムが行われますよ。
その名も。
「あなたを診る医師がいなくなる!」
興味のある人は、見に行ってね!
6月28日(土)
東京医科歯科大学にてシンポジウム開催
あなたを診る医師がいなくなる!
~過重労働の医師を病院は守れるのか~
http://sky.geocities.jp/shyuju2008/sym062808.html
勤務医の労働環境を考える
シンポジウム実行委員会
(実行委員長:
松崎道男/松崎内科クリニック院長、
元虎の門病院輸血部長、医療安全対策室長)
日時: 2008年6月28日(土)
13時半~16時20分(開場12時40分)
会場: 東京医科歯科大学講堂(5号館4階)
交通: JR中央線 総武線「御茶ノ水」駅(御茶ノ水橋口)、
東京メトロ丸ノ内線「御茶ノ水」駅(医科歯科口)すぐ
司会:田辺 功 氏/医療記者歴40年、
近著に『ドキュメント 医療危機』
進行役:塚田 真紀子 氏/著書に『研修医はなぜ死んだ?』、
共著に『壊れゆく医師たち』
シンポジスト(五十音順)
●伊関 友伸 氏「地域の財産としての病院のあり方」
/城西大経営学部准教授 医療経営アドバイザー、
近著『まちの病院がなくなる』
●岩田 喜美枝 氏
「過重労働の是正―女性医師が働き続けるために―」
/資生堂副社長 元厚労省雇用均等・児童家庭局長
●前村 大成 氏「過重労働、管理者としてその後すべき対応」
/元都立府中病院院長
医師の労働環境問題に取り組んだ経緯あり
●松村 理司 氏「“救急”を断らない病院を支えるもの」
/洛和会音羽病院院長
勤務医の過重労働軽減と病院の質向上に奮闘中
2人の医療ジャーナリストが司会・進行役を務めながら、
患者・患者家族、医療関係者、医療系学生、
子育て中の母親たち、一般希望者と熱い議論を交わして
いく予定です。是非ともいらしてください。
そして、多くの方々に伝えてください。
このままでは、あなたを診る医師がいなくなってしまうことを。
そうならないように、どうしたらいいのかを。
対象: 患者・患者家族 医療関係者
医療系学生 一般希望者(定員300名)
会費: 100円(資料代として)
主催: 小児科医師中原利郎先生の過労死認定を支援する会
共催: NPO法人医療制度研究会
全国医師連盟
『知ろう!小児医療 守ろう!子ども達』の会、
県立柏原病院の小児科を守る会
I-Cube
後援: 構想日本
問い合わせ先:
「小児科医師中原利郎先生の過労死認定を支援する会」
事務局〒104-0033
東京都中央区新川1-11-6中原ビル
TEL:090-6133-0090 FAX:03-3552-2888
過労死事件の概要
平成11年8月16日
中原利郎、勤務先佼成病院の屋上から投身自殺(44歳)
平成13年9月17日 新宿労基署に遺族補償給付を申請
平成16年12月7日 東京地裁(行政部)労災不認定取消訴訟を提起
平成19年3月14日 原告勝訴判決!
平成19年3月28日 被告控訴せず→労災認定
1999年8月16日の朝、小児科医だった夫の中原利郎は
真新しい白衣に着替えて、
勤めていた病院の屋上から身を投げました。
享年44歳でした。
亡くなる6ヶ月前には、6人いた医師が3人に減ったこともあって、
月に8回当直し完全な休日は2日といったような
働き方をしていました。
管理職になって採算のことも考えねばならず、
精神的にも肉体的にも疲れきった様子でした。
夫は、「命を削りながら当直をしている」とか
「部長会議は、地獄のように辛い」とこぼしていました。
亡くなる2~3ヶ月前には「病院に殺される」
と言うようにもなっていました。
そんな夫の働き方を、東京地裁は昨年3月、
過重労働であると認め、国に不支給決定を
取り消すよう命じる判決を言い渡しました。
国は控訴せず、勝訴が確定しました。
8年かけて国は、夫が小児科医師として激務であった
と認定したにもかかわらず、勤務先だった病院は、
夫の働きは過重労働ではなかったと未だに主張し続けています。
「月の当直が6回から8回になっても、
さほど生活全般に影響が出るほどの変化とはいえない勤務先」
などという論点で、「過労死」であったことさえ否定するのです。
この病院の認識は、現実からかけ離れているように思います。
“病院は、過重労働の勤務医を守ってくれないのか”
夫が亡くなってからの9年間ずっと考えていたキーワードです。
小児科に限らず勤務医の働き方は、医師の犠牲的精神で
乗り越えられる限界を超えています。
深刻化する医師不足に、厚生労働省は、ようやく医師増員などの
「医療確保ビジョン」を打ち出しましたが、
それだけで医療現場の危機を救うことはできるのでしょうか。
労災認定された労働実態を、病院が認識し改善する。
医師が人間らしく働ける労働環境をつくってほしい。
そんなメッセージを伝えるのが、
遺された私の役目だと思っています。
今回のシンポジウムで、疲れ切った医師に
いのちを委ねたくない市民と、疲れ切ったまま
医療に従事したくない医師と、
疲れ切った医師を働かせ続けたくない
病院長と一緒に、あなたも考えてみませんか。
勤務医の職場環境改善のために病院にできること。
医療者の健康を守ることが医療安全につながること。
参加者全員で、「あなたを診る医師がいなくなる!」、
こんなタイトルのシンポジウムが
必要でなくなる社会を目指したいと思います。
『シンポジウム6.28』
実は、ここ1年で、私の同級生の医師が2人突然死しています。
2人とも、30代でした。
どっちも自殺ではないのですが。
1人は、当直中に冷たくなっていたようです。
詳細はわからないので、彼らが過労死かどうかは
私にはわかんないんですけど。
過労であれば、こういう突然死のリスクは
当然上がると思います。
人間の死亡率は100%ですから。
死や突然死それ自体を防ぐ事はできないんですが。
過労であれば、突然死のリスクは高くなるでしょうから。
そうであれば、それを改善すべきだと思いますよ。
医師の数が減ったら、最終的には
医者に診てもらう患者さんも困りますからね。
医師が過労でくたくたになった状態であれば、
患者さんに行う医療の質も落ちますから。
医者だって人間ですから、当たり前ですね。
そうならないように、みなさんは
コンビニ受診は控えてね!
救急車を呼ぶ時は、これを読んでから呼んでね!
→ 『3分でわかる救急車の上手な使い方』
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過労死した小児科医師、中原利郎先生。
その小児科医師中原利郎先生の過労死認定を支援する会が
主催して、6/28に東京でシンポジウムが行われますよ。
その名も。
「あなたを診る医師がいなくなる!」
興味のある人は、見に行ってね!
6月28日(土)
東京医科歯科大学にてシンポジウム開催
あなたを診る医師がいなくなる!
~過重労働の医師を病院は守れるのか~
http://sky.geocities.jp/shyuju2008/sym062808.html
勤務医の労働環境を考える
シンポジウム実行委員会
(実行委員長:
松崎道男/松崎内科クリニック院長、
元虎の門病院輸血部長、医療安全対策室長)
日時: 2008年6月28日(土)
13時半~16時20分(開場12時40分)
会場: 東京医科歯科大学講堂(5号館4階)
交通: JR中央線 総武線「御茶ノ水」駅(御茶ノ水橋口)、
東京メトロ丸ノ内線「御茶ノ水」駅(医科歯科口)すぐ
司会:田辺 功 氏/医療記者歴40年、
近著に『ドキュメント 医療危機』
進行役:塚田 真紀子 氏/著書に『研修医はなぜ死んだ?』、
共著に『壊れゆく医師たち』
シンポジスト(五十音順)
●伊関 友伸 氏「地域の財産としての病院のあり方」
/城西大経営学部准教授 医療経営アドバイザー、
近著『まちの病院がなくなる』
●岩田 喜美枝 氏
「過重労働の是正―女性医師が働き続けるために―」
/資生堂副社長 元厚労省雇用均等・児童家庭局長
●前村 大成 氏「過重労働、管理者としてその後すべき対応」
/元都立府中病院院長
医師の労働環境問題に取り組んだ経緯あり
●松村 理司 氏「“救急”を断らない病院を支えるもの」
/洛和会音羽病院院長
勤務医の過重労働軽減と病院の質向上に奮闘中
2人の医療ジャーナリストが司会・進行役を務めながら、
患者・患者家族、医療関係者、医療系学生、
子育て中の母親たち、一般希望者と熱い議論を交わして
いく予定です。是非ともいらしてください。
そして、多くの方々に伝えてください。
このままでは、あなたを診る医師がいなくなってしまうことを。
そうならないように、どうしたらいいのかを。
対象: 患者・患者家族 医療関係者
医療系学生 一般希望者(定員300名)
会費: 100円(資料代として)
主催: 小児科医師中原利郎先生の過労死認定を支援する会
共催: NPO法人医療制度研究会
全国医師連盟
『知ろう!小児医療 守ろう!子ども達』の会、
県立柏原病院の小児科を守る会
I-Cube
後援: 構想日本
問い合わせ先:
「小児科医師中原利郎先生の過労死認定を支援する会」
事務局〒104-0033
東京都中央区新川1-11-6中原ビル
TEL:090-6133-0090 FAX:03-3552-2888
過労死事件の概要
平成11年8月16日
中原利郎、勤務先佼成病院の屋上から投身自殺(44歳)
平成13年9月17日 新宿労基署に遺族補償給付を申請
平成16年12月7日 東京地裁(行政部)労災不認定取消訴訟を提起
平成19年3月14日 原告勝訴判決!
平成19年3月28日 被告控訴せず→労災認定
1999年8月16日の朝、小児科医だった夫の中原利郎は
真新しい白衣に着替えて、
勤めていた病院の屋上から身を投げました。
享年44歳でした。
亡くなる6ヶ月前には、6人いた医師が3人に減ったこともあって、
月に8回当直し完全な休日は2日といったような
働き方をしていました。
管理職になって採算のことも考えねばならず、
精神的にも肉体的にも疲れきった様子でした。
夫は、「命を削りながら当直をしている」とか
「部長会議は、地獄のように辛い」とこぼしていました。
亡くなる2~3ヶ月前には「病院に殺される」
と言うようにもなっていました。
そんな夫の働き方を、東京地裁は昨年3月、
過重労働であると認め、国に不支給決定を
取り消すよう命じる判決を言い渡しました。
国は控訴せず、勝訴が確定しました。
8年かけて国は、夫が小児科医師として激務であった
と認定したにもかかわらず、勤務先だった病院は、
夫の働きは過重労働ではなかったと未だに主張し続けています。
「月の当直が6回から8回になっても、
さほど生活全般に影響が出るほどの変化とはいえない勤務先」
などという論点で、「過労死」であったことさえ否定するのです。
この病院の認識は、現実からかけ離れているように思います。
“病院は、過重労働の勤務医を守ってくれないのか”
夫が亡くなってからの9年間ずっと考えていたキーワードです。
小児科に限らず勤務医の働き方は、医師の犠牲的精神で
乗り越えられる限界を超えています。
深刻化する医師不足に、厚生労働省は、ようやく医師増員などの
「医療確保ビジョン」を打ち出しましたが、
それだけで医療現場の危機を救うことはできるのでしょうか。
労災認定された労働実態を、病院が認識し改善する。
医師が人間らしく働ける労働環境をつくってほしい。
そんなメッセージを伝えるのが、
遺された私の役目だと思っています。
今回のシンポジウムで、疲れ切った医師に
いのちを委ねたくない市民と、疲れ切ったまま
医療に従事したくない医師と、
疲れ切った医師を働かせ続けたくない
病院長と一緒に、あなたも考えてみませんか。
勤務医の職場環境改善のために病院にできること。
医療者の健康を守ることが医療安全につながること。
参加者全員で、「あなたを診る医師がいなくなる!」、
こんなタイトルのシンポジウムが
必要でなくなる社会を目指したいと思います。
『シンポジウム6.28』
実は、ここ1年で、私の同級生の医師が2人突然死しています。
2人とも、30代でした。
どっちも自殺ではないのですが。
1人は、当直中に冷たくなっていたようです。
詳細はわからないので、彼らが過労死かどうかは
私にはわかんないんですけど。
過労であれば、こういう突然死のリスクは
当然上がると思います。
人間の死亡率は100%ですから。
死や突然死それ自体を防ぐ事はできないんですが。
過労であれば、突然死のリスクは高くなるでしょうから。
そうであれば、それを改善すべきだと思いますよ。
医師の数が減ったら、最終的には
医者に診てもらう患者さんも困りますからね。
医師が過労でくたくたになった状態であれば、
患者さんに行う医療の質も落ちますから。
医者だって人間ですから、当たり前ですね。
そうならないように、みなさんは
コンビニ受診は控えてね!
救急車を呼ぶ時は、これを読んでから呼んでね!
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日本の医療崩壊の原因に、コンビニ救急や、
モンスターペイシェントなどの、患者側の問題もある。
っていう事は、医師ブログだけでなく、
最近は既存のマスコミでも書かれるようになりましたが。
救急車の要請でも、やっぱり問題のある患者が
多かったようですねー。
この話は、yahooのトップページも出ていましたね。
足代わり119番、救急車「予約」
…非常識な要請広がる
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080622-00000027-yom-soci
救急車を病院までのタクシー代わりに利用しようとする
119番が、全国各地で相次いでいることが、
主要51都市の消防本部を対象にした
読売新聞の調査で明らかになった。
急病でないにもかかわらず、
「病院での診察の順番を早めたい」という理由で、
救急車を呼ぶケースも目立つ。
昨年1年間の救急出動件数の5割は軽症者の搬送で、
110番に続き119番でも、非常識な要請が広がっている
傾向が裏付けられた形だ。
都道府県庁所在地と政令市にある計51の消防本部
(東京は東京消防庁)を対象に、最近の119番の
内容を尋ねたところ、37消防本部が
タクシー代わりの利用など、
明らかに緊急性のない要請があると回答。
大都市、地方都市とも同じ傾向がみられた。
例えば、「119番でかけつけると、
入院用の荷物を持った女性が自ら乗り込んできた」
(甲信越地方)ケースや、
「119番で『○月○日の○時に来てほしい』
と救急車を予約しようとする」(関西地方)事例が多い。
症状を偽る人もおり、甲信越地方の60歳代の男性は
「具合が悪くて動けない」と救急車を呼びながら、
実際は緊急の症状はなく、
あらかじめ病院に診察の予約を入れていた。
風邪程度なのに、「救急車で行けば、早く診てもらえる」
と思って119番する事例も、28消防本部で確認された。
病院では救急外来の患者の重症度を
まず看護師が判断する場合が多い。
しかし、山陽地方では、切り傷で搬送された
患者と家族が、診察の順番を待つよう告げられ、
「救急車で来たのだから、優先的に診察するのが当然だろう」
と詰め寄った。
診察待ちをしている人が、病院を抜け出して
119番するケースも7消防本部であった。
関東地方では、50歳の男性を病院に搬送すると、
先ほどまで待合室にいたことが判明。
男性は「順番が来ずにイライラし、
救急車で運ばれれば早まると思った」と語った。
51消防本部で昨年1年間に救急車が出動した
約232万件のうち、安易な要請も含めた
軽症者の搬送は約117万件。
厳しい財政事情から救急隊の増員が進まず、
重症者への対応が遅れるなど支障も出ている。
『2008年6月23日:読売新聞』
実は、6/23の読売新聞の33面にも関連記事があって。
そっちの方にも非常に大事な事が書いてあったんで。
本当は、それを紹介しようと思っていたのですが。
どうやら、ネット上にはアップされていなかったようなので。
他のブログなんかでも引用されている、
同じ文章を引用しちゃいましたわ。
救急車の利用で問題になっているのは、
軽症患者が救急車を使ってしまうと、重症患者が使えなくなる。
っていう事なんですよ。
当たり前すぎて、この記事では最後にわずかに
触れている程度なんですけど。
33面には、具体例が出ていました。
町に2台しか救急車がない町で。
どっちの救急車も軽症患者の為に出払っていて。
その為、心肺停止だったかな、
重症患者の命を助けられなかった。
という例です。
金も無限にあって、人も無限で、救急車の数も無限。
時間に制限もない。
こういう状況であれば、軽症患者が
救急車を使ったって良いんですよ。
はっきり言って。
でも、実際には違うでしょ。
救急車の数には限りがある。
救急隊の数も限られている。
だから、軽症患者のところにばかり
救急車が行く事になると、
重症患者のところに救急車が行くのが遅れる。
そしたら、重症患者の命が救えないかもしれない。
そこが、一番の問題なんですよ。
もちろん、医療費の問題もありますけどね。
今のやり方では、
一部のわがままな人間が貴重な救急車、
救急隊という資源を無料で独占して。
その結果、本当に助けなければいけない、
重症患者の所に救急車が行くのが遅れて、
助けられない命がある。
というのが事実です。
だったら、今のやり方、システムを変えるしか、
方法はないんじゃないかなー。
簡単に言うと、今のシステムっていうのは、
「いつでもどこでも誰でも、救急車は無料」。
こういうシステムです。
いつでもどこでも誰でも無料、だから。
重症患者でも、軽症患者でも無料だし。
どんなに遠くまで乗っても、何回乗っても無料。
っていう事ですよ。
『「こどもの医療費無料」の問題点』
の記事には、子供の医療費の事を書いたんだけど。
「無料なら、病院に来よう」
っていう人が多くなるからです。
薬屋で、薬とポカリスエットを買ったら2000円。
でも、病院に行って専門家である医者に診てもらって。
それで薬までもらっても、0円。
だったら、時間外でも、病院に来よう。
って思う親が多いのは、当たり前です。
時間外に軽症なのに病院の救急外来に来るのって、
「コンビニ救急」とかって呼ばれているのですけど。
これって、患者(こども)とか、その親が
いわゆる「モンスターペイシェント」だから起こる、
っていうよりは、「こどもの医療費無料」
っていう制度がおかしいから起こっているのですよ。
これは、救急車が無料っていう場合にも、
全く同じ事が当てはまります。
「タクシーを使うより、救急車の方が安い。
だったら、救急車で病院に来よう。」
という人がいるのは、
「救急車が無料」という制度のせいです。
だったら、これを手っ取り早く解決するには、
救急車を有料にすれば良いんですよ。
日本では、全国どこでも、いつでも誰でも、
軽症でも重症でも救急車は無料ですけど。
世界の中では、救急車が無料という国は、
むしろ少ないんですよ。
諸外国の救急運営状況
国別 都市名 金 額(円)
アメリカ
ニューヨーク 有料 \47,000~\72,000
ロサンゼルス 有料 \47,000~\72,000
サンフランシスコ 有料 \47,000~\72,000
ホノルル 有料 \47,000~\72,000
サイパン 有料 \17,000
カナダ バンクーバー 無料
ブラジル サンパウロ 無料
グアム グアム 無料
オーストラリア シドニー 有料 \13,000~\25,000
ニュージーランド クライストチャーチ
有料 \3,000~\5,000
イギリス ロンドン 有料 \25,000
フランス パリ 有料 \34,000~
ドイツ フランクフルト 有料 \54,000
イタリア ローマ 無料
スイス ジュネーブ 有料 \61,000
スペイン マドリッド 有料 \4,000
オーストリア ウィーン 有料 \20,000
オランダ アムステルダム 有料 \9,400、
ベルギー ブリュッセル 有料 \6,700
中国
北京 有料 1km毎 \48~\68
上海 有料 \1,000~\3,000
香港 無料
台湾 台北 無料
韓国 ソウル 無料、官営は無料だが、最短の病院への緊急搬送のみ
シンガポール シンガポール 有料 \4,000~\7,000
マレーシア クアラルンプール 無料
ベトナム ホーチミン 有料
走行距離1kmにつき \70、民営は \5,300~\15,800
タイ バンコク 有料 \1,600~\3,400
インドネシア バリ島 有料 \17,000
フィリピン マニラ 有料 \4,900
24ヶ国30都市 有料22都市、無料8都市
平成18年1月発行 「海外医療事情ハンドブック 2006」
(AIU保険会社)より抜粋
という訳で、24ヶ国30都市のうちで、
有料22都市、無料8都市ですから。
世界的には、救急車は有料の方が多いんですよ。
無料っていう国でも、ここには書いていませんけど。
緊急時にしか使えませんからね、救急車は。
軽症患者でも誰でも使えて、しかも無料。
という国は、日本しかないんですよ。
軽症の患者でも、どんなにわがまま言っても無料。
というシステムのせいで、実際に重症患者の所に
救急車が行くのが遅れて、命を落とす人がいる。
というのが、今の現実ですから。
これを無くす為には、軽症患者のアクセスを制限する。
という方法しかないと思いますよ。
救急車の出動回数を単純に減らすには、
最も効果があるのは、有料化です。
でも、これをやると、
本当に重症の患者まで
お金を取るっていう事になるので。
お金を取るなら、救急車呼ぶのをやめよう。
っていう人ができて、その結果、
助けられない人が出る、
っていうのが問題ですから。
救急車を呼んでも、重症の患者からは
料金を取らない、もしくは割り引く。
っていう方法が良いかな。
という風に、個人的には思います。
単純にいくなら、
入院した患者さんからは、救急車の料金を取らない。
という方法があるし。
その他には、私が以前に提唱した、
『時間外重症患者割引制度』
の記事にも書いたような制度。
重症の患者(医療費がたくさんかかった患者)
からは、いくらか料金を割り引きしますよ。
という制度です。
具体的には、こんな感じ。
モトケンブログで、欄外さんがまとめてくれたので、
そのまま引用しますと。
『救急車の非常識な搬送要請』
「時間外診療および救急車利用について(割引制度あり)」
(手数料・利用料は仮です)
時間外診療手数料(A):5,000円
救急車利用料(B):5,000円
を、頂戴いたします。
ただし、
医療費自己負担額(C)が10,000円を超えた場合、
その超えた金額の半額(D)を、上記(A)(B)を限度に割引します。
ex.1
自己負担額2,000円の場合
時間内外来:\2,000(C)のみ = \2,000
時間外外来:\2,000(C)+ \5,000(A)= \7,000
時間外救急:\2,000(C)+ \5,000(A)+ \5,000(B)= \12,000
ex.2
自己負担額15,000円の場合
時間内外来:\15,000(C)のみ = \15,000
時間外外来:\15,000(C)+ \5,000(A)- \2,500(D)= \17,500
時間外救急:\15,000(C)+ \5,000(A)
+ \5,000(B)- \2,500(D)= \22,500
ex.3
自己負担額25,000円の場合
時間内外来:\25,000(C)のみ = \25,000
時間外外来:\25,000(C)+ \5,000(A)
- \5,000(D)= \25,000((A)の限度額)
時間外救急:\25,000(C)+ \5,000(A)
+ \5,000(B)- \7,500(D)= \27,500
ex.4
自己負担額30,000円の場合
時間内外来:\30,000(C)のみ = \25,000
時間外外来:\30,000(C)+ \5,000(A)
- \5,000(D)= \30,000((A)の限度額)
時間外救急:\30,000(C)+ \5,000(A)
+ \5,000(B)- \10,000(D)= \30,000
※時間内救急は、時間外外来と同じ
これ、以前に私がまとめた例よりもわかりやすいですね(笑)
時間外の患者だけでなく、救急車の患者にも
この制度を応用すれば、
軽症の患者が安易に救急車を呼ぶ、
っていう事が少なくなるんじゃないかなー、
と思います。
ちなみに
>110番に続き119番でも、
非常識な要請が広がっている傾向が裏付けられた形だ。
っていうのは、
『110番も、モラル低下』
の記事に書いた、読売新聞の調査の事っすよ。
医者のホンネが知りたい人は、こちらから!
→ 『医者のホンネが丸わかり!(改)』
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モンスターペイシェントなどの、患者側の問題もある。
っていう事は、医師ブログだけでなく、
最近は既存のマスコミでも書かれるようになりましたが。
救急車の要請でも、やっぱり問題のある患者が
多かったようですねー。
この話は、yahooのトップページも出ていましたね。
足代わり119番、救急車「予約」
…非常識な要請広がる
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080622-00000027-yom-soci
救急車を病院までのタクシー代わりに利用しようとする
119番が、全国各地で相次いでいることが、
主要51都市の消防本部を対象にした
読売新聞の調査で明らかになった。
急病でないにもかかわらず、
「病院での診察の順番を早めたい」という理由で、
救急車を呼ぶケースも目立つ。
昨年1年間の救急出動件数の5割は軽症者の搬送で、
110番に続き119番でも、非常識な要請が広がっている
傾向が裏付けられた形だ。
都道府県庁所在地と政令市にある計51の消防本部
(東京は東京消防庁)を対象に、最近の119番の
内容を尋ねたところ、37消防本部が
タクシー代わりの利用など、
明らかに緊急性のない要請があると回答。
大都市、地方都市とも同じ傾向がみられた。
例えば、「119番でかけつけると、
入院用の荷物を持った女性が自ら乗り込んできた」
(甲信越地方)ケースや、
「119番で『○月○日の○時に来てほしい』
と救急車を予約しようとする」(関西地方)事例が多い。
症状を偽る人もおり、甲信越地方の60歳代の男性は
「具合が悪くて動けない」と救急車を呼びながら、
実際は緊急の症状はなく、
あらかじめ病院に診察の予約を入れていた。
風邪程度なのに、「救急車で行けば、早く診てもらえる」
と思って119番する事例も、28消防本部で確認された。
病院では救急外来の患者の重症度を
まず看護師が判断する場合が多い。
しかし、山陽地方では、切り傷で搬送された
患者と家族が、診察の順番を待つよう告げられ、
「救急車で来たのだから、優先的に診察するのが当然だろう」
と詰め寄った。
診察待ちをしている人が、病院を抜け出して
119番するケースも7消防本部であった。
関東地方では、50歳の男性を病院に搬送すると、
先ほどまで待合室にいたことが判明。
男性は「順番が来ずにイライラし、
救急車で運ばれれば早まると思った」と語った。
51消防本部で昨年1年間に救急車が出動した
約232万件のうち、安易な要請も含めた
軽症者の搬送は約117万件。
厳しい財政事情から救急隊の増員が進まず、
重症者への対応が遅れるなど支障も出ている。
『2008年6月23日:読売新聞』
実は、6/23の読売新聞の33面にも関連記事があって。
そっちの方にも非常に大事な事が書いてあったんで。
本当は、それを紹介しようと思っていたのですが。
どうやら、ネット上にはアップされていなかったようなので。
他のブログなんかでも引用されている、
同じ文章を引用しちゃいましたわ。
救急車の利用で問題になっているのは、
軽症患者が救急車を使ってしまうと、重症患者が使えなくなる。
っていう事なんですよ。
当たり前すぎて、この記事では最後にわずかに
触れている程度なんですけど。
33面には、具体例が出ていました。
町に2台しか救急車がない町で。
どっちの救急車も軽症患者の為に出払っていて。
その為、心肺停止だったかな、
重症患者の命を助けられなかった。
という例です。
金も無限にあって、人も無限で、救急車の数も無限。
時間に制限もない。
こういう状況であれば、軽症患者が
救急車を使ったって良いんですよ。
はっきり言って。
でも、実際には違うでしょ。
救急車の数には限りがある。
救急隊の数も限られている。
だから、軽症患者のところにばかり
救急車が行く事になると、
重症患者のところに救急車が行くのが遅れる。
そしたら、重症患者の命が救えないかもしれない。
そこが、一番の問題なんですよ。
もちろん、医療費の問題もありますけどね。
今のやり方では、
一部のわがままな人間が貴重な救急車、
救急隊という資源を無料で独占して。
その結果、本当に助けなければいけない、
重症患者の所に救急車が行くのが遅れて、
助けられない命がある。
というのが事実です。
だったら、今のやり方、システムを変えるしか、
方法はないんじゃないかなー。
簡単に言うと、今のシステムっていうのは、
「いつでもどこでも誰でも、救急車は無料」。
こういうシステムです。
いつでもどこでも誰でも無料、だから。
重症患者でも、軽症患者でも無料だし。
どんなに遠くまで乗っても、何回乗っても無料。
っていう事ですよ。
『「こどもの医療費無料」の問題点』
の記事には、子供の医療費の事を書いたんだけど。
「無料なら、病院に来よう」
っていう人が多くなるからです。
薬屋で、薬とポカリスエットを買ったら2000円。
でも、病院に行って専門家である医者に診てもらって。
それで薬までもらっても、0円。
だったら、時間外でも、病院に来よう。
って思う親が多いのは、当たり前です。
時間外に軽症なのに病院の救急外来に来るのって、
「コンビニ救急」とかって呼ばれているのですけど。
これって、患者(こども)とか、その親が
いわゆる「モンスターペイシェント」だから起こる、
っていうよりは、「こどもの医療費無料」
っていう制度がおかしいから起こっているのですよ。
これは、救急車が無料っていう場合にも、
全く同じ事が当てはまります。
「タクシーを使うより、救急車の方が安い。
だったら、救急車で病院に来よう。」
という人がいるのは、
「救急車が無料」という制度のせいです。
だったら、これを手っ取り早く解決するには、
救急車を有料にすれば良いんですよ。
日本では、全国どこでも、いつでも誰でも、
軽症でも重症でも救急車は無料ですけど。
世界の中では、救急車が無料という国は、
むしろ少ないんですよ。
諸外国の救急運営状況
国別 都市名 金 額(円)
アメリカ
ニューヨーク 有料 \47,000~\72,000
ロサンゼルス 有料 \47,000~\72,000
サンフランシスコ 有料 \47,000~\72,000
ホノルル 有料 \47,000~\72,000
サイパン 有料 \17,000
カナダ バンクーバー 無料
ブラジル サンパウロ 無料
グアム グアム 無料
オーストラリア シドニー 有料 \13,000~\25,000
ニュージーランド クライストチャーチ
有料 \3,000~\5,000
イギリス ロンドン 有料 \25,000
フランス パリ 有料 \34,000~
ドイツ フランクフルト 有料 \54,000
イタリア ローマ 無料
スイス ジュネーブ 有料 \61,000
スペイン マドリッド 有料 \4,000
オーストリア ウィーン 有料 \20,000
オランダ アムステルダム 有料 \9,400、
ベルギー ブリュッセル 有料 \6,700
中国
北京 有料 1km毎 \48~\68
上海 有料 \1,000~\3,000
香港 無料
台湾 台北 無料
韓国 ソウル 無料、官営は無料だが、最短の病院への緊急搬送のみ
シンガポール シンガポール 有料 \4,000~\7,000
マレーシア クアラルンプール 無料
ベトナム ホーチミン 有料
走行距離1kmにつき \70、民営は \5,300~\15,800
タイ バンコク 有料 \1,600~\3,400
インドネシア バリ島 有料 \17,000
フィリピン マニラ 有料 \4,900
24ヶ国30都市 有料22都市、無料8都市
平成18年1月発行 「海外医療事情ハンドブック 2006」
(AIU保険会社)より抜粋
という訳で、24ヶ国30都市のうちで、
有料22都市、無料8都市ですから。
世界的には、救急車は有料の方が多いんですよ。
無料っていう国でも、ここには書いていませんけど。
緊急時にしか使えませんからね、救急車は。
軽症患者でも誰でも使えて、しかも無料。
という国は、日本しかないんですよ。
軽症の患者でも、どんなにわがまま言っても無料。
というシステムのせいで、実際に重症患者の所に
救急車が行くのが遅れて、命を落とす人がいる。
というのが、今の現実ですから。
これを無くす為には、軽症患者のアクセスを制限する。
という方法しかないと思いますよ。
救急車の出動回数を単純に減らすには、
最も効果があるのは、有料化です。
でも、これをやると、
本当に重症の患者まで
お金を取るっていう事になるので。
お金を取るなら、救急車呼ぶのをやめよう。
っていう人ができて、その結果、
助けられない人が出る、
っていうのが問題ですから。
救急車を呼んでも、重症の患者からは
料金を取らない、もしくは割り引く。
っていう方法が良いかな。
という風に、個人的には思います。
単純にいくなら、
入院した患者さんからは、救急車の料金を取らない。
という方法があるし。
その他には、私が以前に提唱した、
『時間外重症患者割引制度』
の記事にも書いたような制度。
重症の患者(医療費がたくさんかかった患者)
からは、いくらか料金を割り引きしますよ。
という制度です。
具体的には、こんな感じ。
モトケンブログで、欄外さんがまとめてくれたので、
そのまま引用しますと。
『救急車の非常識な搬送要請』
「時間外診療および救急車利用について(割引制度あり)」
(手数料・利用料は仮です)
時間外診療手数料(A):5,000円
救急車利用料(B):5,000円
を、頂戴いたします。
ただし、
医療費自己負担額(C)が10,000円を超えた場合、
その超えた金額の半額(D)を、上記(A)(B)を限度に割引します。
ex.1
自己負担額2,000円の場合
時間内外来:\2,000(C)のみ = \2,000
時間外外来:\2,000(C)+ \5,000(A)= \7,000
時間外救急:\2,000(C)+ \5,000(A)+ \5,000(B)= \12,000
ex.2
自己負担額15,000円の場合
時間内外来:\15,000(C)のみ = \15,000
時間外外来:\15,000(C)+ \5,000(A)- \2,500(D)= \17,500
時間外救急:\15,000(C)+ \5,000(A)
+ \5,000(B)- \2,500(D)= \22,500
ex.3
自己負担額25,000円の場合
時間内外来:\25,000(C)のみ = \25,000
時間外外来:\25,000(C)+ \5,000(A)
- \5,000(D)= \25,000((A)の限度額)
時間外救急:\25,000(C)+ \5,000(A)
+ \5,000(B)- \7,500(D)= \27,500
ex.4
自己負担額30,000円の場合
時間内外来:\30,000(C)のみ = \25,000
時間外外来:\30,000(C)+ \5,000(A)
- \5,000(D)= \30,000((A)の限度額)
時間外救急:\30,000(C)+ \5,000(A)
+ \5,000(B)- \10,000(D)= \30,000
※時間内救急は、時間外外来と同じ
これ、以前に私がまとめた例よりもわかりやすいですね(笑)
時間外の患者だけでなく、救急車の患者にも
この制度を応用すれば、
軽症の患者が安易に救急車を呼ぶ、
っていう事が少なくなるんじゃないかなー、
と思います。
ちなみに
>110番に続き119番でも、
非常識な要請が広がっている傾向が裏付けられた形だ。
っていうのは、
『110番も、モラル低下』
の記事に書いた、読売新聞の調査の事っすよ。
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「谷本整形」の点滴作り置きの問題に関しては。
最初に書いた記事、
『点滴作り置きの問題、1』
の時から、単純に「点滴の作り置き」はいけない。
という視点だけでは駄目だ。
それだけでなく、診療報酬の問題や、
衛生、安全管理にお金をかけても、目先のメリットがない。
とか、そういう「システム」の事についても考えなければいけない。
という事は、何度もこのブログに書いている通りです。
ただ、
『「点滴作り置き」、6/17までのまとめ』
の記事にも書いたとおり。
1,安全、衛生管理を怠った。
2,医師、看護師の能力以上の患者を受け入れてしまった。
という事に関しては、今まであった情報からも、
谷本整形には非があるようなので。
これに関しては、医師の側からも、
いけないものはいけない。
という事を言っていくべきだ、とは思います。
「点滴の作り置き」そのものは、さほど悪くない。
というのは、最初からこのブログでも書いていますけど。
それに関して、専門家でもなんでもない、
私一人が言っていても、何の説得力もないので。
新聞等に出ている、「専門家」の意見なども紹介して
「点滴の作り置き」全てがいけないという訳ではない。
という事について、書いていきましょうか。
まずは、安全や衛生を管理する親玉。
「厚生労働省」。
その中でも、最もそういう事に詳しいと思われる、
厚生労働省医療安全推進室の意見が、
6月11日の産経新聞に載っていたので、紹介しましょう。
伊賀・患者死亡 点滴液を作り置き
県警、医師や看護師ら聴取
厚生労働省医療安全推進室は
「点滴の作り置きを禁じる規則はないが、
衛生的な環境で、少なくとも
1日以内に使用するのが医学的な常識。
県から詳しい状況の報告を待ちたい」
と話している。
『2008年6月11日:産経新聞』
という事ですから。
厚生労働省医療安全推進室の意見としては、
「点滴の作り置き」自体が悪いんじゃなくて、
不衛生な状態で、1日以上経った点滴を
使ってはいけませんよ。
っていう事ですね。
次に、名古屋市立大学薬学部(臨床薬学)の
木村和哲教授の意見。
変調5人から細菌 伊賀の医院
ずさん管理 常態化 点滴1日100人超
医療現場での薬剤の取り扱いに詳しい
名古屋市立大学薬学部の木村和哲教授(臨床薬学)は、
「点滴は調剤後にすぐに使用するのが原則で、
品質が保持できる清潔な環境でも24時間以内が限度。
調剤の時点で雑菌混入の可能性があるうえ、
時間がたつにつれて菌は増殖する」と指摘。
一方、厚生労働省によると、
薬剤の安全管理は医師法に定められているものの、
点滴の作り置きを禁じる法律はない。
『2008年6月12日 読売新聞』
この先生の意見も、
不衛生な状態で24時間以上経ったら駄目だよ。
っていう意見ですね。
厚生労働省と、薬学部の大学教授という、
2人の専門家の意見をまとめると。
不衛生な状態で24時間以上経った
点滴を使ってはいけない。
っていう事ですかね。
「谷本整形」の場合は、丸1日以上、
常温で事務の机の上とか、不衛生な状態で放置していた。
っていう事ですから。
これは、問題がある、って言ってもよいでしょう。
でも、逆に言うと、専門家2人とも、
「清潔な状態で24時間以内ならOK。」
っ言っているともとれませんかねー。
私は循環器内科医ですけど。
循環器っていうのは、心臓を主に扱っている科なので。
入院患者には、心不全の患者さんとかが多いんですよ。
心不全っていうのは、心臓の機能が悪くて、
十分に血液を送り出せない状態が続いて。
肺や体に水が貯まって、苦しくなる等の症状が出る
病気というか、病態です。
そういう患者さんの場合は、点滴をするんですけど。
たくさんの点滴ができないんですよー。
だから「輸液ポンプ」とか「シリンジポンプ」
っていう機械を使って。
一時間に20ccとか、一時間に2ccとか。
そういう、少ない量を機械で測定しながら、
点滴していくんですよ。
そういう場合っていうのは、一回に500ccとか、
50ccとかっていう点滴を作って。
「輸液ポンプ」とか「シリンジポンプ」っていう
機械を使って、持続点滴をするんだけど。
一回の点滴が終わるまでに、丸1日くらいかかるんです。
こういうの、24時間持続点滴って言います。
点滴を作ってから24時間以内に使う。
っていうのと、
点滴を作ってすぐに使って、
持続で24時間使い続ける。
っていうのは、時間的には同じですよね。
でも、この24時間の持続点滴でも、
普通なら問題は起こらないんですよ。
清潔な操作で点滴を作ったり使ったりしていればね。
前のブログでも書いたし、他の医者からの
コメントとかを見てもそうなんだけど。
「谷本整形」の場合は、「点滴の作り置き」が悪い、
っていうよりは、
清潔操作ができていなかったのが
悪かったんじゃないか。
って、私は思います。
そいで、今日入った情報ですけど。
やっぱり、「清潔操作が不十分」だったようですね。
それに、谷本整形から回収した未使用の点滴薬剤と、
使用済みの点滴パックの残液。
それと、体調不良になった患者が入院した
伊賀市内の別の2病院から出して貰った菌。
その全部から、同じ菌。
セラチア菌の一種「セラチア・リクファシエンス」
っていうのが見つかったようですね。
<点滴死亡>三重県、
「谷本整形」の院内感染と断定
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080619-00000032-mai-soci
三重県伊賀市の診療所「谷本整形」で点滴治療を
受けた患者が体調不良を訴え1人が死亡した問題で、
三重県は19日、菌検査の結果、
入院患者の血液から検出された菌と、
9日に使用した点滴薬剤の残液から検出された菌が、
いずれも同じ種類のセラチア菌だったと発表した。
点滴液で使用していた綿からも同じ菌を検出。
また、綿の消毒に消毒用アルコールを
使用していなかったことが分かり、県は不十分な
衛生管理の中での点滴治療による院内感染と断定した。
県は谷本整形から回収した未使用の点滴薬剤と、
使用済みの点滴パックの残液の菌検査とともに、
体調不良になった患者が入院した伊賀市内の
別の2病院から提供を受けた菌株の同定検査を進めていた。
その結果、いずれの菌もセラチア菌の一種
「セラチア・リクファシエンス」
であることが分かったという。
また看護師らからの聴き取りで、
点滴の注入個所を消毒する綿に消毒用アルコールより
消毒する力が弱い薬剤を使っていたことが判明。
使用の際の希釈基準は10~50倍なのに対し、
谷本整形では1000倍の希釈液を使用しており、
県は「ほとんど消毒能力はなかったとみられる」という。
これらのことから点滴治療の過程でセラチア菌が混入し、
長時間作り置きする間に菌が増殖したとみている。
計29人の被害者のうち、9日は死亡した1人を含め、
入院12人、通院2人と被害が集中。
入院患者のうち6人の血液からセラチア菌が検出された。
『2008年:6月19日:毎日新聞』
これだけの証拠が揃えば、
「谷本整形」の院内感染と断定して良いと思われます。
それと、血液の中からセラチア菌が見つかったのは、
5人じゃなくて、6人だったんですね。
すいません。
昨日までの情報では、清潔操作に難がありそうだ。
というのは、
>作り置きした薬剤を事務机に置いたり、
看護師がタオルを使い回しするなど
っていう情報くらいしかなかったんですけど。
どうやら、綿の消毒に消毒用アルコールを使わずに、
消毒用アルコールより消毒する力が弱い
消毒液を使っていたようですね。
これに関しては、時事通信の記事の方が詳しいです。
薄い消毒液使う=脱脂綿取り扱いは素手
-点滴患者死亡・三重
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080619-00000098-jij-soci
三重県伊賀市の診療所「谷本整形」で
点滴を受けた患者らが腹痛などを訴え、
女性1人が死亡した事件で、同診療所が
点滴室の脱脂綿を消毒する際、
メーカーの基準より20倍以上も薄い消毒液を
使っていたことが19日、県の調べで分かった。
看護師らが脱脂綿を素手で取り扱っていたことも判明。
県はずさんな衛生管理が感染の原因になったとみて、
さらに詳しく調べている。
県健康福祉部によると、谷本整形では点滴室と
中待合室の2カ所で点滴液を調合。
注射針の消毒に使う脱脂綿を消毒する際、
中待合室では消毒用アルコールを、
点滴室では殺菌薬を使っていた。
セラチア菌が検出されたのは点滴室の綿だけだった。
点滴室の殺菌薬は「グルコン酸クロルヘキシジン」5%液。
メーカーの使用基準は「10~50倍希釈」
とされていたが、看護師らは1000倍に薄めて使っていた。
同部は「この濃度ではほとんど消毒効果がない」
としている。
県の調査に対し、看護師は
「中待合室では、患者の出入りが多く、アルコールを使っていた」
「アルコールだと皮膚が荒れることもあるため、
点滴室では(殺菌薬に)変えた」と証言。
県は、看護師らがアルコールの方が
消毒効果が高いことを認識しながら、
殺菌薬を使ったとみている。
脱脂綿は消毒液容器に入れ、
滅菌した水5リットルと殺菌薬5ccを混ぜて作り置きし、
綿が少なくなるたびに綿と殺菌薬を補充していた。
この際、看護師らは手袋やピンセットを使わずに
素手で扱っていたという。
これまでの調査で、県は脱脂綿のセラチア菌が
注射針を通して点滴液に混入し、
作り置きにより増殖したとみている。
『2008年6月19日:時事通信』
はっきり言って、これはお粗末ですねー。
今の時代、感染とかそういうのには、
いくら気を遣っても遣いすぎることはない。
という位、きちんとやらなければならないと思いますが。
使い回しのタオルも酷いけど。
>脱脂綿は消毒液容器に入れ、
滅菌した水5リットルと殺菌薬5ccを混ぜて作り置きし、
綿が少なくなるたびに綿と殺菌薬を補充していた。
これ自体も、ちょっと時代遅れかと思うけどねー。
脱脂綿とか「酒精綿」っていうのは、
アルコールがしみた布なのですけどね。
これって、今の時代。
全部、完全に別々の物が多いんですよ。
具体的には、こんな感じ。
→ 『オキサメディカル:酒精綿』
このサイトの一番左の酒精綿を拡大したのがこれっす。

一個一個、それぞれの酒精綿が
バラバラのパックに入っていますよね。
酒精綿が1枚ずつ包装されていますから。
感染のリスクもほとんどないし。
アルコールの濃度低下っていうのも、
心配する必要がありません。
一番右のやつは、1つの箱に、
酒精綿が10枚入っているんだけど。
外来で、患者が何十人もいる、とか。
そういう時だったら、10枚でも、
あっという間に使っちゃうかねら。
これでも、ほとんど感染のリスクとかはなさそうです。
一枚一枚包装されていると、開封するのに
結構時間がかかちゃいますよね。
たくさんの患者さんがいるとこだったら、
こういうのでも、悪くないかな。
とは思います。
でもね。
消毒液の中でも繁殖する菌っていうのもあるから。
消毒液の容器の中に消毒液を入れて、
足りなくなったら補充する。
っていうやり方は、仮に消毒液が正しい濃度だとしても、
今の時代としては不十分だと思いますよ、私は。
病院の場合であれば、よっぽど古い病院以外は、
こういう事はやっていないと思います。
しかも、その継ぎ足した消毒液っていうのが、
何日前のか管理もされていない。
っていう状態だったら、
そりゃあ、細菌が繁殖してもしょうがないでしょ。
もちろん、
メーカーの基準より20倍以上も薄い消毒液
っていうのは、お話しにもならないですけどね。
100歩譲って、正しい濃度で
毎日交換しなきゃだめでしょー。
そんな訳で、まとめると。
脱脂綿を消毒液容器に入れて、
綿が少なくなるたびに、綿と消毒薬を継ぎ足していた。
この消毒液の濃度が、ほとんど消毒効果が
ないくらい薄い濃度で。
しかも、継ぎ足し、継ぎ足しだから、
何日前の消毒液かわかんないような状態。
だから、消毒液の容器の中で、セラチア菌が繁殖して。
その容器の中にある、脱脂綿にセラチア菌が付着。
そのセラチア菌がくっついた脱脂綿で、
点滴の容器を拭いたので、
点滴の容器の表面にセラチア菌が付着。
その上から注射針を刺したから、
点滴液の中にセラチア菌が入った。
そして、それを使うまでに、
常温で丸1日以上の時間が経っていたから、
セラチア菌が大量に増殖して、
それが血液の中に入った。
結果として、「敗血症、菌血症」という状態になって、
29人の患者が具合悪くなって、1人が亡くなった。
こういう流れになると思います。
この中で最も問題になる点は、
消毒をする為の消毒液の容器の中で
セラチア菌を繁殖させてしまった。
という事だと思いますけどね、私は。
最も悪いのは、きちんと消毒しなかった。
という、清潔操作が不十分だった点。
『「点滴作り置き」、6/17までのまとめ』
で書いた表現を使うと、
「安全、衛生管理を怠った」
という事だと思います。
そして、24時間以上、不衛生な状態で放置、
いわゆる「点滴の作り置き」が加わって、
こういう結果になってしまった。
という事が言えるかと思います。
「点滴の作り置き」=悪という構図ではなくって。
清潔操作というのが最も重要。
それに、
点滴も、24時間以内ならさほど問題ない。
という点に、もっと注目すべきだと思いますよ。
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最初に書いた記事、
『点滴作り置きの問題、1』
の時から、単純に「点滴の作り置き」はいけない。
という視点だけでは駄目だ。
それだけでなく、診療報酬の問題や、
衛生、安全管理にお金をかけても、目先のメリットがない。
とか、そういう「システム」の事についても考えなければいけない。
という事は、何度もこのブログに書いている通りです。
ただ、
『「点滴作り置き」、6/17までのまとめ』
の記事にも書いたとおり。
1,安全、衛生管理を怠った。
2,医師、看護師の能力以上の患者を受け入れてしまった。
という事に関しては、今まであった情報からも、
谷本整形には非があるようなので。
これに関しては、医師の側からも、
いけないものはいけない。
という事を言っていくべきだ、とは思います。
「点滴の作り置き」そのものは、さほど悪くない。
というのは、最初からこのブログでも書いていますけど。
それに関して、専門家でもなんでもない、
私一人が言っていても、何の説得力もないので。
新聞等に出ている、「専門家」の意見なども紹介して
「点滴の作り置き」全てがいけないという訳ではない。
という事について、書いていきましょうか。
まずは、安全や衛生を管理する親玉。
「厚生労働省」。
その中でも、最もそういう事に詳しいと思われる、
厚生労働省医療安全推進室の意見が、
6月11日の産経新聞に載っていたので、紹介しましょう。
伊賀・患者死亡 点滴液を作り置き
県警、医師や看護師ら聴取
厚生労働省医療安全推進室は
「点滴の作り置きを禁じる規則はないが、
衛生的な環境で、少なくとも
1日以内に使用するのが医学的な常識。
県から詳しい状況の報告を待ちたい」
と話している。
『2008年6月11日:産経新聞』
という事ですから。
厚生労働省医療安全推進室の意見としては、
「点滴の作り置き」自体が悪いんじゃなくて、
不衛生な状態で、1日以上経った点滴を
使ってはいけませんよ。
っていう事ですね。
次に、名古屋市立大学薬学部(臨床薬学)の
木村和哲教授の意見。
変調5人から細菌 伊賀の医院
ずさん管理 常態化 点滴1日100人超
医療現場での薬剤の取り扱いに詳しい
名古屋市立大学薬学部の木村和哲教授(臨床薬学)は、
「点滴は調剤後にすぐに使用するのが原則で、
品質が保持できる清潔な環境でも24時間以内が限度。
調剤の時点で雑菌混入の可能性があるうえ、
時間がたつにつれて菌は増殖する」と指摘。
一方、厚生労働省によると、
薬剤の安全管理は医師法に定められているものの、
点滴の作り置きを禁じる法律はない。
『2008年6月12日 読売新聞』
この先生の意見も、
不衛生な状態で24時間以上経ったら駄目だよ。
っていう意見ですね。
厚生労働省と、薬学部の大学教授という、
2人の専門家の意見をまとめると。
不衛生な状態で24時間以上経った
点滴を使ってはいけない。
っていう事ですかね。
「谷本整形」の場合は、丸1日以上、
常温で事務の机の上とか、不衛生な状態で放置していた。
っていう事ですから。
これは、問題がある、って言ってもよいでしょう。
でも、逆に言うと、専門家2人とも、
「清潔な状態で24時間以内ならOK。」
っ言っているともとれませんかねー。
私は循環器内科医ですけど。
循環器っていうのは、心臓を主に扱っている科なので。
入院患者には、心不全の患者さんとかが多いんですよ。
心不全っていうのは、心臓の機能が悪くて、
十分に血液を送り出せない状態が続いて。
肺や体に水が貯まって、苦しくなる等の症状が出る
病気というか、病態です。
そういう患者さんの場合は、点滴をするんですけど。
たくさんの点滴ができないんですよー。
だから「輸液ポンプ」とか「シリンジポンプ」
っていう機械を使って。
一時間に20ccとか、一時間に2ccとか。
そういう、少ない量を機械で測定しながら、
点滴していくんですよ。
そういう場合っていうのは、一回に500ccとか、
50ccとかっていう点滴を作って。
「輸液ポンプ」とか「シリンジポンプ」っていう
機械を使って、持続点滴をするんだけど。
一回の点滴が終わるまでに、丸1日くらいかかるんです。
こういうの、24時間持続点滴って言います。
点滴を作ってから24時間以内に使う。
っていうのと、
点滴を作ってすぐに使って、
持続で24時間使い続ける。
っていうのは、時間的には同じですよね。
でも、この24時間の持続点滴でも、
普通なら問題は起こらないんですよ。
清潔な操作で点滴を作ったり使ったりしていればね。
前のブログでも書いたし、他の医者からの
コメントとかを見てもそうなんだけど。
「谷本整形」の場合は、「点滴の作り置き」が悪い、
っていうよりは、
清潔操作ができていなかったのが
悪かったんじゃないか。
って、私は思います。
そいで、今日入った情報ですけど。
やっぱり、「清潔操作が不十分」だったようですね。
それに、谷本整形から回収した未使用の点滴薬剤と、
使用済みの点滴パックの残液。
それと、体調不良になった患者が入院した
伊賀市内の別の2病院から出して貰った菌。
その全部から、同じ菌。
セラチア菌の一種「セラチア・リクファシエンス」
っていうのが見つかったようですね。
<点滴死亡>三重県、
「谷本整形」の院内感染と断定
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080619-00000032-mai-soci
三重県伊賀市の診療所「谷本整形」で点滴治療を
受けた患者が体調不良を訴え1人が死亡した問題で、
三重県は19日、菌検査の結果、
入院患者の血液から検出された菌と、
9日に使用した点滴薬剤の残液から検出された菌が、
いずれも同じ種類のセラチア菌だったと発表した。
点滴液で使用していた綿からも同じ菌を検出。
また、綿の消毒に消毒用アルコールを
使用していなかったことが分かり、県は不十分な
衛生管理の中での点滴治療による院内感染と断定した。
県は谷本整形から回収した未使用の点滴薬剤と、
使用済みの点滴パックの残液の菌検査とともに、
体調不良になった患者が入院した伊賀市内の
別の2病院から提供を受けた菌株の同定検査を進めていた。
その結果、いずれの菌もセラチア菌の一種
「セラチア・リクファシエンス」
であることが分かったという。
また看護師らからの聴き取りで、
点滴の注入個所を消毒する綿に消毒用アルコールより
消毒する力が弱い薬剤を使っていたことが判明。
使用の際の希釈基準は10~50倍なのに対し、
谷本整形では1000倍の希釈液を使用しており、
県は「ほとんど消毒能力はなかったとみられる」という。
これらのことから点滴治療の過程でセラチア菌が混入し、
長時間作り置きする間に菌が増殖したとみている。
計29人の被害者のうち、9日は死亡した1人を含め、
入院12人、通院2人と被害が集中。
入院患者のうち6人の血液からセラチア菌が検出された。
『2008年:6月19日:毎日新聞』
これだけの証拠が揃えば、
「谷本整形」の院内感染と断定して良いと思われます。
それと、血液の中からセラチア菌が見つかったのは、
5人じゃなくて、6人だったんですね。
すいません。
昨日までの情報では、清潔操作に難がありそうだ。
というのは、
>作り置きした薬剤を事務机に置いたり、
看護師がタオルを使い回しするなど
っていう情報くらいしかなかったんですけど。
どうやら、綿の消毒に消毒用アルコールを使わずに、
消毒用アルコールより消毒する力が弱い
消毒液を使っていたようですね。
これに関しては、時事通信の記事の方が詳しいです。
薄い消毒液使う=脱脂綿取り扱いは素手
-点滴患者死亡・三重
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080619-00000098-jij-soci
三重県伊賀市の診療所「谷本整形」で
点滴を受けた患者らが腹痛などを訴え、
女性1人が死亡した事件で、同診療所が
点滴室の脱脂綿を消毒する際、
メーカーの基準より20倍以上も薄い消毒液を
使っていたことが19日、県の調べで分かった。
看護師らが脱脂綿を素手で取り扱っていたことも判明。
県はずさんな衛生管理が感染の原因になったとみて、
さらに詳しく調べている。
県健康福祉部によると、谷本整形では点滴室と
中待合室の2カ所で点滴液を調合。
注射針の消毒に使う脱脂綿を消毒する際、
中待合室では消毒用アルコールを、
点滴室では殺菌薬を使っていた。
セラチア菌が検出されたのは点滴室の綿だけだった。
点滴室の殺菌薬は「グルコン酸クロルヘキシジン」5%液。
メーカーの使用基準は「10~50倍希釈」
とされていたが、看護師らは1000倍に薄めて使っていた。
同部は「この濃度ではほとんど消毒効果がない」
としている。
県の調査に対し、看護師は
「中待合室では、患者の出入りが多く、アルコールを使っていた」
「アルコールだと皮膚が荒れることもあるため、
点滴室では(殺菌薬に)変えた」と証言。
県は、看護師らがアルコールの方が
消毒効果が高いことを認識しながら、
殺菌薬を使ったとみている。
脱脂綿は消毒液容器に入れ、
滅菌した水5リットルと殺菌薬5ccを混ぜて作り置きし、
綿が少なくなるたびに綿と殺菌薬を補充していた。
この際、看護師らは手袋やピンセットを使わずに
素手で扱っていたという。
これまでの調査で、県は脱脂綿のセラチア菌が
注射針を通して点滴液に混入し、
作り置きにより増殖したとみている。
『2008年6月19日:時事通信』
はっきり言って、これはお粗末ですねー。
今の時代、感染とかそういうのには、
いくら気を遣っても遣いすぎることはない。
という位、きちんとやらなければならないと思いますが。
使い回しのタオルも酷いけど。
>脱脂綿は消毒液容器に入れ、
滅菌した水5リットルと殺菌薬5ccを混ぜて作り置きし、
綿が少なくなるたびに綿と殺菌薬を補充していた。
これ自体も、ちょっと時代遅れかと思うけどねー。
脱脂綿とか「酒精綿」っていうのは、
アルコールがしみた布なのですけどね。
これって、今の時代。
全部、完全に別々の物が多いんですよ。
具体的には、こんな感じ。
→ 『オキサメディカル:酒精綿』
このサイトの一番左の酒精綿を拡大したのがこれっす。

一個一個、それぞれの酒精綿が
バラバラのパックに入っていますよね。
酒精綿が1枚ずつ包装されていますから。
感染のリスクもほとんどないし。
アルコールの濃度低下っていうのも、
心配する必要がありません。
一番右のやつは、1つの箱に、
酒精綿が10枚入っているんだけど。
外来で、患者が何十人もいる、とか。
そういう時だったら、10枚でも、
あっという間に使っちゃうかねら。
これでも、ほとんど感染のリスクとかはなさそうです。
一枚一枚包装されていると、開封するのに
結構時間がかかちゃいますよね。
たくさんの患者さんがいるとこだったら、
こういうのでも、悪くないかな。
とは思います。
でもね。
消毒液の中でも繁殖する菌っていうのもあるから。
消毒液の容器の中に消毒液を入れて、
足りなくなったら補充する。
っていうやり方は、仮に消毒液が正しい濃度だとしても、
今の時代としては不十分だと思いますよ、私は。
病院の場合であれば、よっぽど古い病院以外は、
こういう事はやっていないと思います。
しかも、その継ぎ足した消毒液っていうのが、
何日前のか管理もされていない。
っていう状態だったら、
そりゃあ、細菌が繁殖してもしょうがないでしょ。
もちろん、
メーカーの基準より20倍以上も薄い消毒液
っていうのは、お話しにもならないですけどね。
100歩譲って、正しい濃度で
毎日交換しなきゃだめでしょー。
そんな訳で、まとめると。
脱脂綿を消毒液容器に入れて、
綿が少なくなるたびに、綿と消毒薬を継ぎ足していた。
この消毒液の濃度が、ほとんど消毒効果が
ないくらい薄い濃度で。
しかも、継ぎ足し、継ぎ足しだから、
何日前の消毒液かわかんないような状態。
だから、消毒液の容器の中で、セラチア菌が繁殖して。
その容器の中にある、脱脂綿にセラチア菌が付着。
そのセラチア菌がくっついた脱脂綿で、
点滴の容器を拭いたので、
点滴の容器の表面にセラチア菌が付着。
その上から注射針を刺したから、
点滴液の中にセラチア菌が入った。
そして、それを使うまでに、
常温で丸1日以上の時間が経っていたから、
セラチア菌が大量に増殖して、
それが血液の中に入った。
結果として、「敗血症、菌血症」という状態になって、
29人の患者が具合悪くなって、1人が亡くなった。
こういう流れになると思います。
この中で最も問題になる点は、
消毒をする為の消毒液の容器の中で
セラチア菌を繁殖させてしまった。
という事だと思いますけどね、私は。
最も悪いのは、きちんと消毒しなかった。
という、清潔操作が不十分だった点。
『「点滴作り置き」、6/17までのまとめ』
で書いた表現を使うと、
「安全、衛生管理を怠った」
という事だと思います。
そして、24時間以上、不衛生な状態で放置、
いわゆる「点滴の作り置き」が加わって、
こういう結果になってしまった。
という事が言えるかと思います。
「点滴の作り置き」=悪という構図ではなくって。
清潔操作というのが最も重要。
それに、
点滴も、24時間以内ならさほど問題ない。
という点に、もっと注目すべきだと思いますよ。
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『点滴作り置きの問題、1』
『点滴作り置きの問題、2』
の続きです。
ちょっと本文が長くなりすぎて。
論点がわかりずらくなってしまったので。
「谷本整形」の「点滴作り置き事件」に関して、
ちょっと整理してみましょうか。
ブログでの反響は、思ったほどでもなかったのですが。
某閉鎖空間でのコメントは、合計で100位まで
議論が進んでいるんですが。
なんか、別の方向に進みつつあるし(汗)
推測の部分が多かった、というのも反省点ですので。
どの部分がわかっている情報で、
どの部分が推測なのか、っていうこともはっきりさせて。
できるだけ、わかっている範囲で
物事を整理していきましょう。
まずは、これまでの経過を時系列でまとめると。
◆谷本整形での点滴患者発症状況◆
5月23日 岡波総合病院(伊賀市)に3人入院
6月 2日 上野総合市民病院(同)に2人入院
6日 岡波総合病院に1人入院
9日 上野総合市民病院に6人、岡波総合病院に1人入院
▽Iさん(73)が谷本整形で点滴治療受ける
▽上野総合市民病院内科医師が「医療事故の可能性」
と伊賀保健所に通報。
10日 伊賀保健所から県健康福祉部に連絡。
▽Iさんが自宅で死亡しているのを家族発見。
▽県が谷本整形に診療自粛を要請。
▽県警が谷本整形で事情聴取などを開始
▽県が事態を公表。
11日 谷本広道院長が会見。
点滴薬剤の作り置きがあったことなどを公表。
県が谷本整形に立ち入り調査。
12日 県警が谷本整形を家宅捜索。
▽谷本院長、2度目の会見。
薬剤作り置きについて
「以前はたくさんやっていた」と認める。
上野総合市民病院の入院患者4人の血液から
検出された菌はセラチア菌と判明。
13日 患者が入院している伊賀市の岡波総合病院で、
入院患者1人の血液からセラチア菌が検出。
参照: 『2008年6月14日:毎日新聞〔伊賀版〕』
『2008年6月12日:時事通信』
『2008年6月14日:産経新聞』
まあ、こんな感じですかね。
ちなみに、6月17日までに、患者の数は、
>17日までに、伊賀市の診療所「谷本整形」で
点滴を受けた患者29人が体調を崩し、
死亡1人、入院18人(うち4人は既に退院)、通院10人。
参照:『2008年6月17日:産経新聞』
という事です。
実は、最初は点滴の「直後」に、腹痛、嘔吐、発熱なんかの
症状がある、って事だったので。
細菌によるものではなくて、もしかしたら毒物かもしれないなー。
なんて思っていたんですよね、私。
マスコミ報道では「点滴の作り置き」の話ばっかりで、
他の視点が抜けていたんだけど。
「違ったらどうするんだろー。」
って思って、眺めていました。
状況が変わったのは、6月12日ですね。
患者4人の血液からセラチア菌が検出されましたから。
三重県と県警などによると、
これまでの診療所への聞き取りなどで
▽点滴に使った鎮痛薬「ノイロトロピン」などのアンプル
は調合済みのものが使われ、濃度や量を間違えた可能性は低い
▽人為的に毒物などを入れた形跡は
現時点では見つかっていない
▽50人以上の患者が点滴を受けているのに、
発症者は60~80歳代の体力の落ちた
高齢者に集中--などが判明。
点滴で細菌感染が起きたとの見方を強めた。
参照:『2008年6月11日:毎日新聞』
複数の看護師が点滴を作り置きしたことを認めている。
さらに、市立上野総合市民病院や
岡波総合病院などに入院した患者の血液中から、
院内感染の原因菌として知られるセラチア菌が検出された。
発症した患者は、休診日翌日の月曜日や
前日午後が休診となる金曜日に集中しており、
調合した点滴液の中で、休日期間中に
菌が増殖したという見方が有力となっている。
参照:『2008年6月17日:産経新聞』
というのが、今日までの報道ですね。
人間の血液の中には、本来は細菌なんていないんです。
それが、同じ病院で同じ点滴をして、
同じ細菌(セラチア菌)が複数の患者から検出される。
(最終的には5人の患者の血液からセラチア菌が検出。)
発症した患者は、休診日翌日の月曜日や
前日午後が休診となる金曜日に集中していているので、
調合した点滴液の中で、休日期間中に菌が増殖した。
と考えると、全てつじつまが合いますから。
状況証拠からいったら、
谷本整形で行った点滴が原因の確率は非常に高い。
と、私は思います。
そういう方向で、警察も動いているみたいですね。
もう一週間経っていますから。
血液培養をして、一週間以上経っても、
それ以上の結果が出る事は、基本的にはありませんから。
これ以上、セラチア菌が検出される患者が増える、
っていう可能性は少ないと思います。
体調を崩した、っていう人の数は
もうちょっと増える可能性はありますが。
一週間経ってなんともなかったら、体調不良の原因が
谷本整形の点滴のせいか、っていう事は言えないかと思います。
そいで、話は戻って。
確実にわかっている事実として。
問題となった点滴の内容は、
『点滴作り置きの問題、2』
にも書いたけど。
>患者が共通して受けた治療は
「生理食塩水」100ミリリットルに
鎮痛薬「ノイロトロピン」3ミリリットルと
ビタミン剤「メチコバール」1ミリリットルを
混合した薬剤の点滴とみられる。
参照:『2008年6月11日:毎日新聞』
生理食塩水と、ノイロトロピンとメチコバールです。
「生理食塩水」というのは、0.9%食塩水。
「ノイロトロピン」は、NSAIDsではない鎮痛薬の一種。
「メチコバール」っていうのは、ビタミン剤で「しびれの薬」。
「ノイロトロピン」も「メチコバール」も、
点滴の薬も飲み薬(内服薬)もあります。
そして、谷本整形で点滴をした患者の数は。
>同医院で点滴治療を受ける患者は、1日100人以上。
点滴室では患者同士が向かい合って
数十センチ間隔で座り、多い時は
10人が同時に点滴を打っていた。
参照:『2008年6月12日:読売新聞』
というような記載があったので。
「メチコバール+ノイロトロピン+生理食塩水」
の点滴を打っている人が1日に100人いるのか、
別の点滴も含めて100人なのか。
あまりよくわからないまま、
前回は記事を書いていたんですけど。
他の報道を良く見てみると。
>作り置きをしていたのは、今回症状が出ている鎮痛薬
「ノイロトロピン」と、ビタミン剤の「メチコバール」
を生理食塩水に混合して使うセットの
点滴だけだったことがわかった。
谷本整形では1日約100人分の点滴を使用しており、
今回症状が出た組み合わせの割合は、
全体の半分以下とみられる。
参照:『2008年6月12日:朝日新聞』
>谷本整形が点滴薬剤の調合内容を変更した
5月9日から6月9日までに同じ点滴を受けたのは
延べ667人と判明。
実数は300~400人とみられ、県は同様の症状が
出ていないか確認を急いでいる。
参照:『2008年6月12日:毎日新聞』
と、きちんと書いてありましたね。
すいません。
「メチコバール+ノイロトロピン+生理食塩水」
の点滴をした患者の数は。
一ヶ月で667人ですから。
平日22日として667人を22日で割ると、
1日平均で30人くらいでしょうか。
まあ、休日明けの月曜日とか、そういう日は
もっと人数も増えるのでしょうけどね。
点滴する患者が100人位いて。
そのうちの30人かそこらは、問題の点滴だった。
という事でした。
そこらへんは、もうちょっときちんと調べて、
ちゃんと把握してから記事を書くべきだったかな、
とは思います。
外来患者の数に関しては、谷本院長の会見と、
元看護師からの証言しかないのですが。
>捜索後に谷本広道院長が報道陣の質問に応じ、
「1日約350人の患者が訪れ、
(診療所の様子は)野戦病院状態。
院内感染が発症する率は高かった」
参照:『2008年6月13日:日経新聞』
>当時(8年前)も1日平均約300人の患者が来院しており、
参照:『2008年6月13日:読売新聞』
>当時(1994年)も1日約300人の患者が来ており、
参照:『2008年6月17日:毎日新聞』
という事ですから。
外来の患者数は1日に300~350人程度。
という事は言えるかと思います。
谷本整形で働いている医師と看護師の数は。
>同診療所では、谷本広道院長(57)と
8人の看護師などが勤務。
参照:『2008年6月17日:産経新聞』
という事なので。
医師1人、看護師8人ですね。
「点滴の作り置き」と、清潔操作に問題があった。
っていう事に関しては、三重県が立ち入り調査をして、
その結果を発表しています。
>三重県は6月12日、診療所で点滴治療を受けた
患者たちが腹痛などの症状を訴え、
1人が死亡した問題で「谷本整形」(谷本広道院長)への
立ち入り調査の結果を発表した。
▽看護師が点滴薬剤の調合を複数の場所で行っていた
▽調合後の薬剤を事務机の上で保管していた
▽手指の消毒も不十分だった、
などと指摘。
清潔保持に問題があり、院内感染の疑いが
濃厚になったと説明した。
参照:『2008年6月12日:毎日新聞』
>県によると、複数の看護師が調合を担当していたが、
手の清潔が保てない設備上の問題があった。
手洗いに、使い捨ての紙タオルでなく
布タオルを使っていた。
日々の調合数やその日に使わずに残した数など、
点滴の使用状況については作業記録が作られていなかった。
6月11日に谷本整形に帳簿の提出を求めたが、
備えるべき帳簿が作られていなかったり、
手順書に基づかない業務実態があったりしたという。
参照:『2008年6月12日:朝日新聞』
>医療法で義務付けられた
「院内感染対策の指針」が作成されない。
>県によると、複数の看護師が、患者らの出入りする
「中待合室」や点滴室の事務机で点滴液を調合。
その後、点滴液のボトル容器をふたのない紙箱に入れ、
そのまま事務机の上に放置していた。
手洗い用の布製のタオルも看護師らが使い回すなど
雑菌が繁殖しやすい状態だったという。
参照:『2008年6月13日:日経新聞』
という事ですね。
三重県の立ち入り調査の報告を元に報道されていますから。
これも、事実と言って良いと思われます。
前の記事に、
>以前に同様の事があったにもかかわらず、
反省もせずに繰り返したんですから。
と、私は書いてしまったのですが。
>同医院の谷本広道院長が12日、記者会見し、
約2年前まで、看護師による点滴液の作り置きを
院長自身が知りながら、
常態的に行われていたことを認めた。
「以前はそういうこと(作り置き)をたくさんやっていたが、
今回のような大きな事件にはならなかった」と述べた。
2年前、点滴治療を受けた2人の患者が
気分が悪くなったのを機に、
「『そういうことをするな』と(看護師に)
言ったつもりだったが、徹底されていなかった」
と語った。
また、昨年10月、同医院での点滴後に死亡した男性(85)
について、谷本院長は「事実関係がはっきりしておらず
答えようがないが、点滴によって死亡したということはない」
と点滴との因果関係を否定した。
参照:『2008年6月13日:読売新聞』
>さらに2年前にも、点滴で不調を訴えたケースが2例あったが、
保健所には届け出なかったことも明らかにした。
参照:『2008年6月11日:産経新聞』
という事ですから。
昨年10月の死亡例に関しては、
点滴との因果関係は不明。
2年前にも、点滴で不調を訴えたケースが2例あったけど、
これに関しても、セラチア菌が検出された、
って訳ではないですから。
厳密に言うと、「点滴の作り置き」が原因。
とまでは言えないかな、とは思います。
それと、補足情報ですが。
谷本整形周辺の情報です。
『点滴作り置きの問題、2』
のコメント欄に、りん先生から情報をいただきました。
>谷本整形の周辺は、医療機関が少なく、
院長がTVで言っていたように
野戦病院のようだったんだろうと思います。
擁護する気はありませんが、1日300人の患者のうち、
半数150人がリハ、さらに半数の75人が
点滴・注射、残りが再診と考えると、
一人医師ではかなり大変な状況だっただろうと推測できます。
という事だそうです。
ここまでをまとめると。
手洗いに、使い捨ての紙タオルでなく布タオルを使っていた。
▽手指の消毒も不十分だった、
▽看護師が点滴薬剤の調合を複数の場所で行っていた
▽調合後の薬剤を事務机の上(常温)で保管していた
日々の調合数やその日に使わずに残した数など、
点滴の使用状況については作業記録が作られていなかった。
医療法で義務付けられた、
「院内感染対策の指針」が作成されていない。
と、清潔操作と点滴の管理に関して、かなりずさんな状況です。
これに関しては、経営者、管理者である谷本院長が
使い捨てのペーパータオルを購入するとか。
「院内感染対策の指針」を作るとか。
管理者の責任があると思います。
そして、点滴をする患者の数と、医療従事者の数。
点滴する患者が1日に100人位いて。
そのうちの30人かそこらは、
「メチコバール+ノイロトロピン+生理食塩水」の点滴。
そして、医師は1人で、看護師は8人です。
周辺に医療機関が少ないそうですから。
患者の数が多くなるのはしょうがないのかもしれません。
それに、1日100人位、点滴をする患者がいても、
全員点滴が必要な患者なのかもしれません。
それに関しては、個別の患者の検証ができないので。
今は触れないでおいておくとして。
点滴の患者が1日に100人。
外来の患者数が1日に300~350人。
これを、医師1人、看護師8人ですから。
明らかに、医療従事者の数が足りないんじゃないですかね。
地域の事情があるから、外来に来る患者の数とか、
点滴をする患者の数が多くなる事は仕方ないかもしれないけど。
「医師+看護師」の診療所の能力を超えて、
患者を受け入れてしまった。
という事は問題があると思います。
患者の数が多くて、点滴する看護師の数が少なくて
手が回らない、という事であれば、
看護師の数を増やす。
これは、経営者の責任になると思います。
もしくは、週に3回点滴をしに来ている人に、
週1回にしてもらうとか。
点滴ではなくて、飲み薬にするとか。
点滴をする患者の数を自分たちの能力の範囲内まで減らす。
っていう事は必要だったと思います。
これをやらなかった責任は、やはり谷本院長にある。
と言っても良いかと思います。
点滴をする看護師の数が少なかったから、
手が回らなくて、「点滴の作り置き」をした。
その背景として、看護師の数が足りなかった。
という事があるので。
それに対応しなかった、管理者、谷本院長には
責任があると思います。
点滴をする患者の数が100人でも、
点滴ばっかりする看護師を、あと5人雇って。
清潔操作できちんとやっていたのであれば、
全く問題はなかったと思います。
今の時代、医師だけでなくて、看護師も不足していますから。
看護師をあと5人雇う、っていうのは
現実問題としては、厳しい面もあるのでしょうけどね。
地域の事情もあるようですし。
1,安全、衛生管理を怠った。
2,医師、看護師の能力以上の患者を受け入れてしまった。
この2点のせいで、不潔な状態で点滴が作られ、
「点滴の作り置き」をせざるを得なかったので、
このような結果になってしまったんです。
少なくともこの2点に関しては、
今ある情報から間違いない事ですから。
「医師の立場からこそ」、この点に関しては、
谷本院長は駄目だ。
という声はあげていくべきだと思います。
ただ、単にこの医師個人を非難するだけでは、
何の解決にもなりませんから。
この点滴の内容が本当に必要だったのか。
とか、そういう医学的な話は、
もちろん医師の中ではどんどん議論すべき事だし。
それに加えて、患者を多く受け入れた原因となった
診療報酬の話とか、安全にお金をかけても、
目先のメリットはない、とか。
そういう、もっと根本的話も、
どんどん議論していくべきだと思います。
でも、いっぺんに書いてしまうと、
また訳がわからなくなるので。
今回は、触れないでおいておきましょうかね。
それと、谷本整形が特殊なだけで、
他の開業医や医者が全部そうだ。
って事にはなりませんからね。
そこら辺は、勘違いしないでくださいね!
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『点滴作り置きの問題、2』
の続きです。
ちょっと本文が長くなりすぎて。
論点がわかりずらくなってしまったので。
「谷本整形」の「点滴作り置き事件」に関して、
ちょっと整理してみましょうか。
ブログでの反響は、思ったほどでもなかったのですが。
某閉鎖空間でのコメントは、合計で100位まで
議論が進んでいるんですが。
なんか、別の方向に進みつつあるし(汗)
推測の部分が多かった、というのも反省点ですので。
どの部分がわかっている情報で、
どの部分が推測なのか、っていうこともはっきりさせて。
できるだけ、わかっている範囲で
物事を整理していきましょう。
まずは、これまでの経過を時系列でまとめると。
◆谷本整形での点滴患者発症状況◆
5月23日 岡波総合病院(伊賀市)に3人入院
6月 2日 上野総合市民病院(同)に2人入院
6日 岡波総合病院に1人入院
9日 上野総合市民病院に6人、岡波総合病院に1人入院
▽Iさん(73)が谷本整形で点滴治療受ける
▽上野総合市民病院内科医師が「医療事故の可能性」
と伊賀保健所に通報。
10日 伊賀保健所から県健康福祉部に連絡。
▽Iさんが自宅で死亡しているのを家族発見。
▽県が谷本整形に診療自粛を要請。
▽県警が谷本整形で事情聴取などを開始
▽県が事態を公表。
11日 谷本広道院長が会見。
点滴薬剤の作り置きがあったことなどを公表。
県が谷本整形に立ち入り調査。
12日 県警が谷本整形を家宅捜索。
▽谷本院長、2度目の会見。
薬剤作り置きについて
「以前はたくさんやっていた」と認める。
上野総合市民病院の入院患者4人の血液から
検出された菌はセラチア菌と判明。
13日 患者が入院している伊賀市の岡波総合病院で、
入院患者1人の血液からセラチア菌が検出。
参照: 『2008年6月14日:毎日新聞〔伊賀版〕』
『2008年6月12日:時事通信』
『2008年6月14日:産経新聞』
まあ、こんな感じですかね。
ちなみに、6月17日までに、患者の数は、
>17日までに、伊賀市の診療所「谷本整形」で
点滴を受けた患者29人が体調を崩し、
死亡1人、入院18人(うち4人は既に退院)、通院10人。
参照:『2008年6月17日:産経新聞』
という事です。
実は、最初は点滴の「直後」に、腹痛、嘔吐、発熱なんかの
症状がある、って事だったので。
細菌によるものではなくて、もしかしたら毒物かもしれないなー。
なんて思っていたんですよね、私。
マスコミ報道では「点滴の作り置き」の話ばっかりで、
他の視点が抜けていたんだけど。
「違ったらどうするんだろー。」
って思って、眺めていました。
状況が変わったのは、6月12日ですね。
患者4人の血液からセラチア菌が検出されましたから。
三重県と県警などによると、
これまでの診療所への聞き取りなどで
▽点滴に使った鎮痛薬「ノイロトロピン」などのアンプル
は調合済みのものが使われ、濃度や量を間違えた可能性は低い
▽人為的に毒物などを入れた形跡は
現時点では見つかっていない
▽50人以上の患者が点滴を受けているのに、
発症者は60~80歳代の体力の落ちた
高齢者に集中--などが判明。
点滴で細菌感染が起きたとの見方を強めた。
参照:『2008年6月11日:毎日新聞』
複数の看護師が点滴を作り置きしたことを認めている。
さらに、市立上野総合市民病院や
岡波総合病院などに入院した患者の血液中から、
院内感染の原因菌として知られるセラチア菌が検出された。
発症した患者は、休診日翌日の月曜日や
前日午後が休診となる金曜日に集中しており、
調合した点滴液の中で、休日期間中に
菌が増殖したという見方が有力となっている。
参照:『2008年6月17日:産経新聞』
というのが、今日までの報道ですね。
人間の血液の中には、本来は細菌なんていないんです。
それが、同じ病院で同じ点滴をして、
同じ細菌(セラチア菌)が複数の患者から検出される。
(最終的には5人の患者の血液からセラチア菌が検出。)
発症した患者は、休診日翌日の月曜日や
前日午後が休診となる金曜日に集中していているので、
調合した点滴液の中で、休日期間中に菌が増殖した。
と考えると、全てつじつまが合いますから。
状況証拠からいったら、
谷本整形で行った点滴が原因の確率は非常に高い。
と、私は思います。
そういう方向で、警察も動いているみたいですね。
もう一週間経っていますから。
血液培養をして、一週間以上経っても、
それ以上の結果が出る事は、基本的にはありませんから。
これ以上、セラチア菌が検出される患者が増える、
っていう可能性は少ないと思います。
体調を崩した、っていう人の数は
もうちょっと増える可能性はありますが。
一週間経ってなんともなかったら、体調不良の原因が
谷本整形の点滴のせいか、っていう事は言えないかと思います。
そいで、話は戻って。
確実にわかっている事実として。
問題となった点滴の内容は、
『点滴作り置きの問題、2』
にも書いたけど。
>患者が共通して受けた治療は
「生理食塩水」100ミリリットルに
鎮痛薬「ノイロトロピン」3ミリリットルと
ビタミン剤「メチコバール」1ミリリットルを
混合した薬剤の点滴とみられる。
参照:『2008年6月11日:毎日新聞』
生理食塩水と、ノイロトロピンとメチコバールです。
「生理食塩水」というのは、0.9%食塩水。
「ノイロトロピン」は、NSAIDsではない鎮痛薬の一種。
「メチコバール」っていうのは、ビタミン剤で「しびれの薬」。
「ノイロトロピン」も「メチコバール」も、
点滴の薬も飲み薬(内服薬)もあります。
そして、谷本整形で点滴をした患者の数は。
>同医院で点滴治療を受ける患者は、1日100人以上。
点滴室では患者同士が向かい合って
数十センチ間隔で座り、多い時は
10人が同時に点滴を打っていた。
参照:『2008年6月12日:読売新聞』
というような記載があったので。
「メチコバール+ノイロトロピン+生理食塩水」
の点滴を打っている人が1日に100人いるのか、
別の点滴も含めて100人なのか。
あまりよくわからないまま、
前回は記事を書いていたんですけど。
他の報道を良く見てみると。
>作り置きをしていたのは、今回症状が出ている鎮痛薬
「ノイロトロピン」と、ビタミン剤の「メチコバール」
を生理食塩水に混合して使うセットの
点滴だけだったことがわかった。
谷本整形では1日約100人分の点滴を使用しており、
今回症状が出た組み合わせの割合は、
全体の半分以下とみられる。
参照:『2008年6月12日:朝日新聞』
>谷本整形が点滴薬剤の調合内容を変更した
5月9日から6月9日までに同じ点滴を受けたのは
延べ667人と判明。
実数は300~400人とみられ、県は同様の症状が
出ていないか確認を急いでいる。
参照:『2008年6月12日:毎日新聞』
と、きちんと書いてありましたね。
すいません。
「メチコバール+ノイロトロピン+生理食塩水」
の点滴をした患者の数は。
一ヶ月で667人ですから。
平日22日として667人を22日で割ると、
1日平均で30人くらいでしょうか。
まあ、休日明けの月曜日とか、そういう日は
もっと人数も増えるのでしょうけどね。
点滴する患者が100人位いて。
そのうちの30人かそこらは、問題の点滴だった。
という事でした。
そこらへんは、もうちょっときちんと調べて、
ちゃんと把握してから記事を書くべきだったかな、
とは思います。
外来患者の数に関しては、谷本院長の会見と、
元看護師からの証言しかないのですが。
>捜索後に谷本広道院長が報道陣の質問に応じ、
「1日約350人の患者が訪れ、
(診療所の様子は)野戦病院状態。
院内感染が発症する率は高かった」
参照:『2008年6月13日:日経新聞』
>当時(8年前)も1日平均約300人の患者が来院しており、
参照:『2008年6月13日:読売新聞』
>当時(1994年)も1日約300人の患者が来ており、
参照:『2008年6月17日:毎日新聞』
という事ですから。
外来の患者数は1日に300~350人程度。
という事は言えるかと思います。
谷本整形で働いている医師と看護師の数は。
>同診療所では、谷本広道院長(57)と
8人の看護師などが勤務。
参照:『2008年6月17日:産経新聞』
という事なので。
医師1人、看護師8人ですね。
「点滴の作り置き」と、清潔操作に問題があった。
っていう事に関しては、三重県が立ち入り調査をして、
その結果を発表しています。
>三重県は6月12日、診療所で点滴治療を受けた
患者たちが腹痛などの症状を訴え、
1人が死亡した問題で「谷本整形」(谷本広道院長)への
立ち入り調査の結果を発表した。
▽看護師が点滴薬剤の調合を複数の場所で行っていた
▽調合後の薬剤を事務机の上で保管していた
▽手指の消毒も不十分だった、
などと指摘。
清潔保持に問題があり、院内感染の疑いが
濃厚になったと説明した。
参照:『2008年6月12日:毎日新聞』
>県によると、複数の看護師が調合を担当していたが、
手の清潔が保てない設備上の問題があった。
手洗いに、使い捨ての紙タオルでなく
布タオルを使っていた。
日々の調合数やその日に使わずに残した数など、
点滴の使用状況については作業記録が作られていなかった。
6月11日に谷本整形に帳簿の提出を求めたが、
備えるべき帳簿が作られていなかったり、
手順書に基づかない業務実態があったりしたという。
参照:『2008年6月12日:朝日新聞』
>医療法で義務付けられた
「院内感染対策の指針」が作成されない。
>県によると、複数の看護師が、患者らの出入りする
「中待合室」や点滴室の事務机で点滴液を調合。
その後、点滴液のボトル容器をふたのない紙箱に入れ、
そのまま事務机の上に放置していた。
手洗い用の布製のタオルも看護師らが使い回すなど
雑菌が繁殖しやすい状態だったという。
参照:『2008年6月13日:日経新聞』
という事ですね。
三重県の立ち入り調査の報告を元に報道されていますから。
これも、事実と言って良いと思われます。
前の記事に、
>以前に同様の事があったにもかかわらず、
反省もせずに繰り返したんですから。
と、私は書いてしまったのですが。
>同医院の谷本広道院長が12日、記者会見し、
約2年前まで、看護師による点滴液の作り置きを
院長自身が知りながら、
常態的に行われていたことを認めた。
「以前はそういうこと(作り置き)をたくさんやっていたが、
今回のような大きな事件にはならなかった」と述べた。
2年前、点滴治療を受けた2人の患者が
気分が悪くなったのを機に、
「『そういうことをするな』と(看護師に)
言ったつもりだったが、徹底されていなかった」
と語った。
また、昨年10月、同医院での点滴後に死亡した男性(85)
について、谷本院長は「事実関係がはっきりしておらず
答えようがないが、点滴によって死亡したということはない」
と点滴との因果関係を否定した。
参照:『2008年6月13日:読売新聞』
>さらに2年前にも、点滴で不調を訴えたケースが2例あったが、
保健所には届け出なかったことも明らかにした。
参照:『2008年6月11日:産経新聞』
という事ですから。
昨年10月の死亡例に関しては、
点滴との因果関係は不明。
2年前にも、点滴で不調を訴えたケースが2例あったけど、
これに関しても、セラチア菌が検出された、
って訳ではないですから。
厳密に言うと、「点滴の作り置き」が原因。
とまでは言えないかな、とは思います。
それと、補足情報ですが。
谷本整形周辺の情報です。
『点滴作り置きの問題、2』
のコメント欄に、りん先生から情報をいただきました。
>谷本整形の周辺は、医療機関が少なく、
院長がTVで言っていたように
野戦病院のようだったんだろうと思います。
擁護する気はありませんが、1日300人の患者のうち、
半数150人がリハ、さらに半数の75人が
点滴・注射、残りが再診と考えると、
一人医師ではかなり大変な状況だっただろうと推測できます。
という事だそうです。
ここまでをまとめると。
手洗いに、使い捨ての紙タオルでなく布タオルを使っていた。
▽手指の消毒も不十分だった、
▽看護師が点滴薬剤の調合を複数の場所で行っていた
▽調合後の薬剤を事務机の上(常温)で保管していた
日々の調合数やその日に使わずに残した数など、
点滴の使用状況については作業記録が作られていなかった。
医療法で義務付けられた、
「院内感染対策の指針」が作成されていない。
と、清潔操作と点滴の管理に関して、かなりずさんな状況です。
これに関しては、経営者、管理者である谷本院長が
使い捨てのペーパータオルを購入するとか。
「院内感染対策の指針」を作るとか。
管理者の責任があると思います。
そして、点滴をする患者の数と、医療従事者の数。
点滴する患者が1日に100人位いて。
そのうちの30人かそこらは、
「メチコバール+ノイロトロピン+生理食塩水」の点滴。
そして、医師は1人で、看護師は8人です。
周辺に医療機関が少ないそうですから。
患者の数が多くなるのはしょうがないのかもしれません。
それに、1日100人位、点滴をする患者がいても、
全員点滴が必要な患者なのかもしれません。
それに関しては、個別の患者の検証ができないので。
今は触れないでおいておくとして。
点滴の患者が1日に100人。
外来の患者数が1日に300~350人。
これを、医師1人、看護師8人ですから。
明らかに、医療従事者の数が足りないんじゃないですかね。
地域の事情があるから、外来に来る患者の数とか、
点滴をする患者の数が多くなる事は仕方ないかもしれないけど。
「医師+看護師」の診療所の能力を超えて、
患者を受け入れてしまった。
という事は問題があると思います。
患者の数が多くて、点滴する看護師の数が少なくて
手が回らない、という事であれば、
看護師の数を増やす。
これは、経営者の責任になると思います。
もしくは、週に3回点滴をしに来ている人に、
週1回にしてもらうとか。
点滴ではなくて、飲み薬にするとか。
点滴をする患者の数を自分たちの能力の範囲内まで減らす。
っていう事は必要だったと思います。
これをやらなかった責任は、やはり谷本院長にある。
と言っても良いかと思います。
点滴をする看護師の数が少なかったから、
手が回らなくて、「点滴の作り置き」をした。
その背景として、看護師の数が足りなかった。
という事があるので。
それに対応しなかった、管理者、谷本院長には
責任があると思います。
点滴をする患者の数が100人でも、
点滴ばっかりする看護師を、あと5人雇って。
清潔操作できちんとやっていたのであれば、
全く問題はなかったと思います。
今の時代、医師だけでなくて、看護師も不足していますから。
看護師をあと5人雇う、っていうのは
現実問題としては、厳しい面もあるのでしょうけどね。
地域の事情もあるようですし。
1,安全、衛生管理を怠った。
2,医師、看護師の能力以上の患者を受け入れてしまった。
この2点のせいで、不潔な状態で点滴が作られ、
「点滴の作り置き」をせざるを得なかったので、
このような結果になってしまったんです。
少なくともこの2点に関しては、
今ある情報から間違いない事ですから。
「医師の立場からこそ」、この点に関しては、
谷本院長は駄目だ。
という声はあげていくべきだと思います。
ただ、単にこの医師個人を非難するだけでは、
何の解決にもなりませんから。
この点滴の内容が本当に必要だったのか。
とか、そういう医学的な話は、
もちろん医師の中ではどんどん議論すべき事だし。
それに加えて、患者を多く受け入れた原因となった
診療報酬の話とか、安全にお金をかけても、
目先のメリットはない、とか。
そういう、もっと根本的話も、
どんどん議論していくべきだと思います。
でも、いっぺんに書いてしまうと、
また訳がわからなくなるので。
今回は、触れないでおいておきましょうかね。
それと、谷本整形が特殊なだけで、
他の開業医や医者が全部そうだ。
って事にはなりませんからね。
そこら辺は、勘違いしないでくださいね!
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『点滴作り置きの問題、1』
の記事の続きです。
マスコミの報道では、「点滴の作り置き」が、
諸悪の根元で、こいつが問題なんだー。
という書き方をしていましたが。
実際にどこが、どう悪いんだ。
っていう事は、具体的には説明していなかったので。
「点滴の作り置き」の前に、
不潔な状態で点滴を作ると、
たくさんの細菌が入ってしまう。
そして、常温で丸一日も放っておくと、
細菌がものすごい勢いで増殖してしまう。
という話でした。
ただ、清潔な状態で点滴を作って、
数時間とか、冷蔵庫で保存すれば、
さほど細菌の数は増えない、
っていう事もあるんでしたね。
それじゃあ今回は、「何故」点滴の作り置きを
するような状況になったのか。
っていう、もっと根本的な原因について、
書いていきましょうか。
既存のマスコミでは、一切触れていないし。
何故か、医師ブログでも
書いていないようなんですよねー。
残念ながら。
なんでなんでしょうか。
まずは谷本整形が、「儲け主義だ」とかって、
マスコミやネットでも言われているようですが。
本当にそうなのか、具体的に検証していきましょうか。
これやると、日本中の開業している整形外科医、
ほとんど全員を敵にまわす様な気もしますけど(汗)。
まあ、元になっているのは、一般の人でも
手に入れる事ができる本を見て書いていますから。
大丈夫かな。
そいじゃあ、問題になった点滴の内容に関しての検証。
>患者が共通して受けた治療は
「生理食塩水」100ミリリットルに
鎮痛薬「ノイロトロピン」3ミリリットルと
ビタミン剤「メチコバール」1ミリリットルを
混合した薬剤の点滴とみられる。
参照:『2008年6月11日:毎日新聞』
という事ですから。
それぞれについて、書いていきましょうか。
○生理食塩水
「生理食塩水」というのは、
単なる「塩水(しおみず)」なんですが。
体液と浸透圧がほぼ同じ食塩水のことを
「生理食塩水」って言います。
日本薬局方・処方せん医薬品では
塩化ナトリウムを0.9%含有する食塩水を
「生理食塩液」と定義しています。
出典:『ウィキペディア(Wikipedia):生理食塩水』
主に、「注射の薬を溶かす」為に使いますね。
生理食塩水、っていうのは。
値段は、「今日の治療薬2008」には、
書いていなかったのですが。
私が働いている病院の会計で調べたところ、
生理食塩水 100mlで、97円でした。
○ノイロトロピン
「ノイロトロピン」は、鎮痛薬の一種です。
一番良く使われている鎮痛薬っていうのは、
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)
って言われている薬なんですよ。
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は、
非常に良く効く鎮痛薬なんですけどね。
腎臓とか胃に悪いんで。
腎臓の機能が悪い人とかには使いにくいし。
胃潰瘍とかがある人にも使いにくいんですよ。
そういう人の為に、NSAIDsの替わりに
ノイロトロピンを使う。
っていう処方自体は、悪くないのかもしれません。
まあ、私は点滴も飲み薬も、
一回も使った事がありませんがね。
ノイロトロピンの適応
(内服、飲み薬)
腰痛症、頸肩腕症候群、変形性関節症、
肩関節周囲炎、帯状疱疹後神経痛
(注射)
1,腰痛症、頸肩腕症候群、症候性神経痛、
皮膚疾患に伴う掻痒、アレルギー性鼻炎
2,スモン後遺症状の冷感、痛み、知覚異常
単なる整形外科の診療所で、
2,スモン後遺症
っていうのは、まずいないと思うので。
普通は、腰痛とか膝、肩が痛い
っていう患者さんに使うんでしょう。
薬の値段をそれで計算すると
飲み薬の場合
錠剤の値段は、1錠 37.4円
1日4錠飲む薬なので。
1日当たり 149.6円になります。
点滴の場合は、一回 3ml 185円です。
○メチコバール
メチコバールっていうのは、ビタミンB12です。
要は、ビタミン剤っていう事っすわ。
適応は
(内服、飲み薬)
末梢性神経障害
(注射)
末梢性神経障害、
ビタミンB12欠乏による巨赤芽球性貧血
という事ですから。
整形外科で、
ビタミンB12欠乏による巨赤芽球性貧血
っていうのを診る事は、基本的にはないでしょうから。
末梢性神経障害として使っているんでしょう。
簡単に言うと、「しびれの薬」です。
私は循環器内科医なので、糖尿病性神経症で
手足がしびれる、っていう人が結構いるんですよ。
その時に、このメチコバールを処方します。
まあ、飲み薬だけですけどね。
効かない人は、全然効かないんですけど。
何人かに1人は、すごく効いて、
全然しびれがなくなった。
っていう人もいますので。
使い方によっては、悪くない薬だと思います。
飲み薬の場合は、
一錠 (500ug) 23.8円
一日3錠飲む薬なので、1日では71.4円です。
注射の場合は、
1ml(500mg)で131円です。
参照:「今日の治療薬2008」
生理食塩水100mlっていうのは、
薬を溶かすためだけのものです。
単純にコップ半分くらいの塩水だから。
これは、なくても良いものです。
ノイロトロピンとメチコバールっていうのは、
点滴も飲み薬も両方ある薬です。
どちらの薬も、点滴でやっても、
飲み薬を処方しても良い薬なんだけど。
点滴と飲み薬の処方。
どっちでやったら、どのくらい診療所に
売り上げが入るのか、っていうのを
計算してみましょうか。
参照:「診療点数早見表、2008年4月版」
「今日の治療薬2008」
開業医だから、2週間に一回通院するとして。
便宜上、他の薬も飲んでいないし、
注射もしていないとして。
2週間分の医療費。
○内服(飲み薬)の場合。
再診料 710円
院外処方箋料 680円
外来加算 520円
薬代 (149.6+71.4)x14=3096.8円
合計
4486.8円
薬代というのは、診療所に入るのではなく、
薬局に入るお金だから。
実際に診療所に入る売り上げは、
710+680+520=1910円
になります。
○点滴の場合
2週間に一回診察をして、その後、平日は毎日、
点滴だけ受けに来たとすると。
2週間では、10日診療所に来る事になりますね。
再診料
710x10=7100円
外来加算、
これは2週間に一回、診察をした時だけだから
520円
注射の手技料
500ml以下の時は、一回につき470円だから
470x10=4700円
薬代
(185+71.4+97)x10=3534円
合計
7100+520+4700+3534=15854円
これは、全部診療所の売り上げになりますね。
平日は毎日診療所に来て、点滴をしてもらったとすると。
同じ薬でも、点滴をした時と、飲み薬を処方した時の、
診療所に入る報酬の差は、
15854-1910=13944円
になりますね、2週間で。
毎日じゃなくて、週3回点滴をしたとすると。
再診料 710x6=4260円
外来加算 520円
注射の手技料
470x6=2820円
合計 7600円
飲み薬の時との差は、
7600-1910=4780円
になります。
点滴を作ったり、点滴のルートを取るのにも、
手間がかかりますから。
当然、ある程度の値段は必要だと思いますし。
点滴するのに、470円っていうのは、
他の先進国と比べると、格安です。
『日米医療報酬比較』
を見ると。
この記事には点滴の手技料
っていうのはないんだけど。
アメリカの場合、
抗生物質筋肉注射は、5500円(薬剤費込み)
血液採取と準備費は、3000円
ですからね。
点滴の手技料っていうのも、数千円でしょう。
私は日本の点滴の手技料に関しては、
文句を言うつもりは全くないです。
一番の問題は、
これが、全員に必要な点滴なのか。
って事ですよ。
同じ薬が内服薬にあるんだから。
それを2週間分処方すれば、
2週間に一回診療所に来るだけで。
毎日点滴をする必要はないんですよ。
それに、平日は毎日。
って事は、土日はやってないんですよ、
痛み止めの点滴。
土日は痛くなっても良いんですか。
ずーっと痛くて、痛み止めが必要、っていう事なら。
毎日飲める痛み止めの飲み薬を使う方が、
医学的にも有用です。
毎日じゃなくて、週3回、点滴をしに来る。
っていう人なら、値段はおよそ半額で、
2週間で7600円になるかもしれませんが。
痛いのは、毎日じゃないんですかね。
それだったら、痛み止めを痛いときに飲む
「頓服」っていう処方で出せば、
薬剤費はもっともっと安くすみますけどねー。
私は、点滴をする事自体が悪い、とか。
この薬を使うのが悪い、っていうつもりはありません。
ノイロトロピンというのは、特殊な痛み止めですけど。
毎日、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を飲んでいて、
それでも、今日は痛みが酷いから、
痛み止めの点滴をしてくれ。
っていう患者がいたら。
その日だけは、痛み止めの点滴をしてあげる。
っていう事なら、問題はないと思いますよ。
ただ、「痛み」だけなら「しびれの薬」、
メチコバールはいりませんけどね。
ちょっと痴呆が進んでいる患者さんがいて。
飲み薬の管理は自分では出来ない。
そういう人がいて、家族やヘルパーさんが、
診療所に連れてきた時に、痛みやしびれが酷い。
っていう症状がある時だけ、点滴をしてあげる。
そういう使い方であれば、全く問題ないと思いますよ。
ただ、本当に全員、点滴が必要なんでしょうかね。
毎日、100人ですよ。
点滴をする患者の数が。
300人の患者が診療所に来ている、
っていうのもすごいですけど。
この点滴する人の数は、ちょっと尋常じゃないですよ。
具体的に、どんな患者さんがいて、
どの人は必要で、どの人は必要ない。
っていう判断は、この情報からだけではできませんけどね。
でも、「患者の診察もせずに、全く同じ内容の点滴」
を、毎日毎日行う。
っていうのは、異常だと思いますよ。
痛みがどうしても酷い人は、「痛み止めの薬」だけ。
飲み薬が効かなくて、しびれが酷い人は、
「しびれの薬」だけ。
しびれも痛みも両方あって、腎臓も胃も悪い。
っていう人は、「痛み止めとしびれの薬」。
とか。
普通は、患者さんをきちんと診察して、
それに対応して、点滴の処方を出して。
その後に、看護師が点滴を作ってから、
患者さんに点滴をしますから。
前の日とか2日前に、処方される前から、
点滴を作り置きする、っていう事はありえないんですよ。
だから、やっぱりこの谷本整形のやり方は、
問題があると思いますね、私は。
谷本整形が儲け主義かどうかは、
この数字を見て、皆さんが判断すれば良い事なので。
私は、何も言いません。
ただ、これは谷本整形という診療所や医師、看護師
だけの問題ではない、っていう点もあるんですよ。
これに関しては、診療報酬の問題や、厚労省、
患者の側にも問題があります。
以前から書いているように、
日本の診療報酬は格安です。
アメリカの値段と比較したこの記事、
『日米医療報酬比較』
を読めば、よりわかると思いますけどね。
ただでさえ安いのに、医療費抑制政策のおかげで、
そこから更に診療報酬が削減されています。
それでも、開業医というのは、利益を出さなければ、
自分達が食べていけないですからね。
「薄利多売」、で稼ぐしかないんですよ。
患者を集め、対症療法をおこなう
診療スタイルが利益を生む
現在の診療報酬が引き起こした事件。
という言い方もできるでしょう。
それと、厚労省の問題ですね。
医療費抑制政策がとられている、
という事は、厚労省だけの問題ではないんですが。
「安全には、お金がかかる」んですよ。
JRでの列車の事故でも。
渋谷のガス爆発の事故でも。
新宿や「すすきの」での、火事でも。
谷本整形の事件でも。
安全に、もっとお金をかけていれば、
こういった事故、事件は
起こらなかった可能性が高いです。
ただ、今のシステムでは、安全にお金をかけても、
目に見えるメリットがないんですよ。
今回の谷本整形の場合。
>医療機関では手洗い後は紙タオルや
使い捨ての滅菌布を使うのが普通だが、
>看護師がタオルを使い回しするなど、
ずさんな衛生管理が明らかになった。
こういう事ですから。
簡単に言うと、使い捨ての紙タオルとか、
使い捨ての滅菌布なんかを買うと、金がかかるから。
それをけちって、汚いタオルを使い回していた。
って事ですわ。
今のシステムでは、安全に金をかけても、
それが目に見える利益になるわけではないんです。
例えば、使い捨ての紙タオルや滅菌布を使ったら、
診療報酬が加算されるとか。
具体的に目に見えるメリットがないんですよ。
だから、手っ取り早く利益を得ようとして、
安全にお金をかけない人間が出てくるんですよ。
そんな事は最低限の事だから。
っていうなら、それをやっていないのであれば、
診療所の営業許可を出してはいけませんよ。
一度許可してしまったら、未来永劫、
何の監査もなくて、ずーっと続く。
っていうシステムにも問題があります。
安全、衛生に関わる、人の命に関わる事なんだから。
こういう事は、厚労省が規制するとか、
管理する責任があると思いますよ。
医療費「全体」を削減しようとすると、
こういう目先の利益に関係ない、
「安全」とか、そういうのが真っ先に削減されるんですよ。
どこの世界でも。
耐震偽装とか、そういうのでもそうでしょ。
そうなるのは、わかっているんだから。
きちんと、安全を管理するシステムを作らなかった。
というのは、厚労省の問題だと思います。
看護師にも問題があります。
看護師が8人で、点滴の患者100人。
しかも、全体では患者の数は300人もいますから。
はっきり言って、事前に点滴を作り置き
しなければ間に合わなかった。
という事は言えるかもしれませんけどね。
でも、そんな事、やっちゃ駄目に決まっているんですよ。
医療従事者なら、そんな事は当たり前です。
「どうせ、あの先生。
診察もしないで、いつもの点滴なんだから。
その場で作ったら間に合わないんだから、
前の日から準備して、作っちゃえ。」
とか、思っていたんでしょうけどね。
看護師の数が足りないなら、看護師を増やす様に言う。
もしくは、点滴の患者の数が多すぎるのであれば、
点滴の患者の数を少なくして貰う。
とか。
もしくは、どんなに患者が待ったとしても、
その場で点滴を作る。
そして、今時、汚いタオルを使い回して。
それを実際に使っているのは、看護師なんだから。
やっぱり、使い捨てのタオルか滅菌布にしてもらう。
っていう事を言わないと駄目だと思いますよ。
まあ、診察もしないで、いつもの点滴を処方する。
って医者も、もちろん悪いんですけどね。
そして、患者側の問題。
当然、既存のマスコミは、これに関しては
一切触れていないのですけど。
「あの先生は、点滴してくれって言ったら、
なんでも点滴してくれる、良い先生だ。」
みたいな感じで、患者さんの評判は
良かったのかもしれませんが。
はっきり言って、医学的には間違っているのに、
患者の希望をなんでも聞いてくれる。
っていうのは、良い医者とは言えませんよ。
患者さんがなんと言おうと、「駄目なものは駄目。」
「意味のない治療はしない。」
って言ってくれる先生が、良い先生だと思いますよ。
まあ、患者さんは医学に関しては素人だから。
なかなか難しいかもしれませんが。
今回、点滴をしている患者のうちの何割かは、
「患者の方から点滴を希望した。」
って事だと思いますよ。
風邪でもなんでも。
飲み薬よりも、点滴の方が効く。
って思っている患者さんって、結構多いですけど。
はっきり言って、それは間違いですから。
場合によっては、点滴の方が良い時もあるから。
全部が全部、点滴が悪い。
っていうつもりはないのですけどね。
患者の方から、点滴を希望する。
とか。
あの病院は点滴してくれる、良い診療所だ。
っていう口コミで、いっぱい患者がきて。
それで点滴をする人が増えて。
あまりにも数が増えすぎて、その場で点滴を
作っていたら間に合わなくなって。
やむを得ず、点滴の作り置きをした。
っていう側面もあるでしょうからね。
点滴好きな患者側の問題。
っていうのも、あるんですよ、この事件には。
これが、自由診療で、全額自己負担。
っていう事であれば、問題はないのかもしれませんけどね。
ほとんどは、高齢者で、多分自己負担は1割ですから。
ただでさえ、格安の日本の診療報酬の、
更に1割しか自己負担がないわけですから。
格安の値段で、満足を得て帰る。
こういうのを、「無駄な医療費」
って言うんですよ。
内服でも可能なのに、高い点滴を毎日やって。
でも、それで保険が切られる事もない。
これは、やっぱりおかしいですよ。
「無駄な医療費がまだあるから、
医療費はもっと削減できる。」
って言っている、経済界の偉い人もいますけど。
彼らは、何が無駄な医療費かわかっていないんですよ。
まあ、素人だから当たり前なんですけどね。
具体的にはわからないから、医療費の「総額」を減らす。
っていうのが、今の日本の方針です。
その結果、「安全」とか、目に見えない、
直接的な利益に関わらない所のお金が減らされて、
今回の谷本整形の様な事件が起こった。
そういう事だと思いますよ。
今回の谷本整形事件の本質は。
単に「点滴の作り置きが悪い」
っていう事だけ、ヒステリックに報道して。
厚労省も、アリバイ作りの為だけに、
「点滴の作り置きはいけませんよ」
っていう通達を出すだけ。
それだけで、その根本にある原因について
何も探ることをしないのであれば。
間違いなく、第二、第三の谷本整形事件は起こる
と、私は思います。
おそらく、厚労省から行政処分が降りて、
谷本整形は廃院になると思います。
日本医師会も、こういう医者は除名する。
って言えば、私の評価も変わるんですけどねー。
まあ、無理かな。
ただ、いくらシステムに問題があるとはいえ、
不必要な点滴を繰り返し、
安全に必要なお金をかけないで、
結果的に死人まで出している。
しかも、以前に同様の事があったにもかかわらず、
反省もせずに繰り返したんですから。
この谷本整形には問題があったんだと思います。
私は医師ですけど。
医者だから、っていうだけで、擁護する気はありません。
医師にも自浄作用は必要ですから。
営利主義に走って、必要な事にお金をかけない
儲け主義の人は、医師の内部で退場してもらう。
とか、そういう制度も必要ではないかな、
って思います。
まあ、でもこれを、刑事罰にするか、
っていう事は、また別の問題になりますけどねー。
医療安全だけじゃなく、予防できる病気。
糖尿病、高血圧に関しては、これを読んで予防してね!
→ 「日本一わかりやすい!「糖尿病」
→ 日本一わかりやすい!「高血圧」
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の記事の続きです。
マスコミの報道では、「点滴の作り置き」が、
諸悪の根元で、こいつが問題なんだー。
という書き方をしていましたが。
実際にどこが、どう悪いんだ。
っていう事は、具体的には説明していなかったので。
「点滴の作り置き」の前に、
不潔な状態で点滴を作ると、
たくさんの細菌が入ってしまう。
そして、常温で丸一日も放っておくと、
細菌がものすごい勢いで増殖してしまう。
という話でした。
ただ、清潔な状態で点滴を作って、
数時間とか、冷蔵庫で保存すれば、
さほど細菌の数は増えない、
っていう事もあるんでしたね。
それじゃあ今回は、「何故」点滴の作り置きを
するような状況になったのか。
っていう、もっと根本的な原因について、
書いていきましょうか。
既存のマスコミでは、一切触れていないし。
何故か、医師ブログでも
書いていないようなんですよねー。
残念ながら。
なんでなんでしょうか。
まずは谷本整形が、「儲け主義だ」とかって、
マスコミやネットでも言われているようですが。
本当にそうなのか、具体的に検証していきましょうか。
これやると、日本中の開業している整形外科医、
ほとんど全員を敵にまわす様な気もしますけど(汗)。
まあ、元になっているのは、一般の人でも
手に入れる事ができる本を見て書いていますから。
大丈夫かな。
そいじゃあ、問題になった点滴の内容に関しての検証。
>患者が共通して受けた治療は
「生理食塩水」100ミリリットルに
鎮痛薬「ノイロトロピン」3ミリリットルと
ビタミン剤「メチコバール」1ミリリットルを
混合した薬剤の点滴とみられる。
参照:『2008年6月11日:毎日新聞』
という事ですから。
それぞれについて、書いていきましょうか。
○生理食塩水
「生理食塩水」というのは、
単なる「塩水(しおみず)」なんですが。
体液と浸透圧がほぼ同じ食塩水のことを
「生理食塩水」って言います。
日本薬局方・処方せん医薬品では
塩化ナトリウムを0.9%含有する食塩水を
「生理食塩液」と定義しています。
出典:『ウィキペディア(Wikipedia):生理食塩水』
主に、「注射の薬を溶かす」為に使いますね。
生理食塩水、っていうのは。
値段は、「今日の治療薬2008」には、
書いていなかったのですが。
私が働いている病院の会計で調べたところ、
生理食塩水 100mlで、97円でした。
○ノイロトロピン
「ノイロトロピン」は、鎮痛薬の一種です。
一番良く使われている鎮痛薬っていうのは、
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)
って言われている薬なんですよ。
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は、
非常に良く効く鎮痛薬なんですけどね。
腎臓とか胃に悪いんで。
腎臓の機能が悪い人とかには使いにくいし。
胃潰瘍とかがある人にも使いにくいんですよ。
そういう人の為に、NSAIDsの替わりに
ノイロトロピンを使う。
っていう処方自体は、悪くないのかもしれません。
まあ、私は点滴も飲み薬も、
一回も使った事がありませんがね。
ノイロトロピンの適応
(内服、飲み薬)
腰痛症、頸肩腕症候群、変形性関節症、
肩関節周囲炎、帯状疱疹後神経痛
(注射)
1,腰痛症、頸肩腕症候群、症候性神経痛、
皮膚疾患に伴う掻痒、アレルギー性鼻炎
2,スモン後遺症状の冷感、痛み、知覚異常
単なる整形外科の診療所で、
2,スモン後遺症
っていうのは、まずいないと思うので。
普通は、腰痛とか膝、肩が痛い
っていう患者さんに使うんでしょう。
薬の値段をそれで計算すると
飲み薬の場合
錠剤の値段は、1錠 37.4円
1日4錠飲む薬なので。
1日当たり 149.6円になります。
点滴の場合は、一回 3ml 185円です。
○メチコバール
メチコバールっていうのは、ビタミンB12です。
要は、ビタミン剤っていう事っすわ。
適応は
(内服、飲み薬)
末梢性神経障害
(注射)
末梢性神経障害、
ビタミンB12欠乏による巨赤芽球性貧血
という事ですから。
整形外科で、
ビタミンB12欠乏による巨赤芽球性貧血
っていうのを診る事は、基本的にはないでしょうから。
末梢性神経障害として使っているんでしょう。
簡単に言うと、「しびれの薬」です。
私は循環器内科医なので、糖尿病性神経症で
手足がしびれる、っていう人が結構いるんですよ。
その時に、このメチコバールを処方します。
まあ、飲み薬だけですけどね。
効かない人は、全然効かないんですけど。
何人かに1人は、すごく効いて、
全然しびれがなくなった。
っていう人もいますので。
使い方によっては、悪くない薬だと思います。
飲み薬の場合は、
一錠 (500ug) 23.8円
一日3錠飲む薬なので、1日では71.4円です。
注射の場合は、
1ml(500mg)で131円です。
参照:「今日の治療薬2008」
生理食塩水100mlっていうのは、
薬を溶かすためだけのものです。
単純にコップ半分くらいの塩水だから。
これは、なくても良いものです。
ノイロトロピンとメチコバールっていうのは、
点滴も飲み薬も両方ある薬です。
どちらの薬も、点滴でやっても、
飲み薬を処方しても良い薬なんだけど。
点滴と飲み薬の処方。
どっちでやったら、どのくらい診療所に
売り上げが入るのか、っていうのを
計算してみましょうか。
参照:「診療点数早見表、2008年4月版」
「今日の治療薬2008」
開業医だから、2週間に一回通院するとして。
便宜上、他の薬も飲んでいないし、
注射もしていないとして。
2週間分の医療費。
○内服(飲み薬)の場合。
再診料 710円
院外処方箋料 680円
外来加算 520円
薬代 (149.6+71.4)x14=3096.8円
合計
4486.8円
薬代というのは、診療所に入るのではなく、
薬局に入るお金だから。
実際に診療所に入る売り上げは、
710+680+520=1910円
になります。
○点滴の場合
2週間に一回診察をして、その後、平日は毎日、
点滴だけ受けに来たとすると。
2週間では、10日診療所に来る事になりますね。
再診料
710x10=7100円
外来加算、
これは2週間に一回、診察をした時だけだから
520円
注射の手技料
500ml以下の時は、一回につき470円だから
470x10=4700円
薬代
(185+71.4+97)x10=3534円
合計
7100+520+4700+3534=15854円
これは、全部診療所の売り上げになりますね。
平日は毎日診療所に来て、点滴をしてもらったとすると。
同じ薬でも、点滴をした時と、飲み薬を処方した時の、
診療所に入る報酬の差は、
15854-1910=13944円
になりますね、2週間で。
毎日じゃなくて、週3回点滴をしたとすると。
再診料 710x6=4260円
外来加算 520円
注射の手技料
470x6=2820円
合計 7600円
飲み薬の時との差は、
7600-1910=4780円
になります。
点滴を作ったり、点滴のルートを取るのにも、
手間がかかりますから。
当然、ある程度の値段は必要だと思いますし。
点滴するのに、470円っていうのは、
他の先進国と比べると、格安です。
『日米医療報酬比較』
を見ると。
この記事には点滴の手技料
っていうのはないんだけど。
アメリカの場合、
抗生物質筋肉注射は、5500円(薬剤費込み)
血液採取と準備費は、3000円
ですからね。
点滴の手技料っていうのも、数千円でしょう。
私は日本の点滴の手技料に関しては、
文句を言うつもりは全くないです。
一番の問題は、
これが、全員に必要な点滴なのか。
って事ですよ。
同じ薬が内服薬にあるんだから。
それを2週間分処方すれば、
2週間に一回診療所に来るだけで。
毎日点滴をする必要はないんですよ。
それに、平日は毎日。
って事は、土日はやってないんですよ、
痛み止めの点滴。
土日は痛くなっても良いんですか。
ずーっと痛くて、痛み止めが必要、っていう事なら。
毎日飲める痛み止めの飲み薬を使う方が、
医学的にも有用です。
毎日じゃなくて、週3回、点滴をしに来る。
っていう人なら、値段はおよそ半額で、
2週間で7600円になるかもしれませんが。
痛いのは、毎日じゃないんですかね。
それだったら、痛み止めを痛いときに飲む
「頓服」っていう処方で出せば、
薬剤費はもっともっと安くすみますけどねー。
私は、点滴をする事自体が悪い、とか。
この薬を使うのが悪い、っていうつもりはありません。
ノイロトロピンというのは、特殊な痛み止めですけど。
毎日、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を飲んでいて、
それでも、今日は痛みが酷いから、
痛み止めの点滴をしてくれ。
っていう患者がいたら。
その日だけは、痛み止めの点滴をしてあげる。
っていう事なら、問題はないと思いますよ。
ただ、「痛み」だけなら「しびれの薬」、
メチコバールはいりませんけどね。
ちょっと痴呆が進んでいる患者さんがいて。
飲み薬の管理は自分では出来ない。
そういう人がいて、家族やヘルパーさんが、
診療所に連れてきた時に、痛みやしびれが酷い。
っていう症状がある時だけ、点滴をしてあげる。
そういう使い方であれば、全く問題ないと思いますよ。
ただ、本当に全員、点滴が必要なんでしょうかね。
毎日、100人ですよ。
点滴をする患者の数が。
300人の患者が診療所に来ている、
っていうのもすごいですけど。
この点滴する人の数は、ちょっと尋常じゃないですよ。
具体的に、どんな患者さんがいて、
どの人は必要で、どの人は必要ない。
っていう判断は、この情報からだけではできませんけどね。
でも、「患者の診察もせずに、全く同じ内容の点滴」
を、毎日毎日行う。
っていうのは、異常だと思いますよ。
痛みがどうしても酷い人は、「痛み止めの薬」だけ。
飲み薬が効かなくて、しびれが酷い人は、
「しびれの薬」だけ。
しびれも痛みも両方あって、腎臓も胃も悪い。
っていう人は、「痛み止めとしびれの薬」。
とか。
普通は、患者さんをきちんと診察して、
それに対応して、点滴の処方を出して。
その後に、看護師が点滴を作ってから、
患者さんに点滴をしますから。
前の日とか2日前に、処方される前から、
点滴を作り置きする、っていう事はありえないんですよ。
だから、やっぱりこの谷本整形のやり方は、
問題があると思いますね、私は。
谷本整形が儲け主義かどうかは、
この数字を見て、皆さんが判断すれば良い事なので。
私は、何も言いません。
ただ、これは谷本整形という診療所や医師、看護師
だけの問題ではない、っていう点もあるんですよ。
これに関しては、診療報酬の問題や、厚労省、
患者の側にも問題があります。
以前から書いているように、
日本の診療報酬は格安です。
アメリカの値段と比較したこの記事、
『日米医療報酬比較』
を読めば、よりわかると思いますけどね。
ただでさえ安いのに、医療費抑制政策のおかげで、
そこから更に診療報酬が削減されています。
それでも、開業医というのは、利益を出さなければ、
自分達が食べていけないですからね。
「薄利多売」、で稼ぐしかないんですよ。
患者を集め、対症療法をおこなう
診療スタイルが利益を生む
現在の診療報酬が引き起こした事件。
という言い方もできるでしょう。
それと、厚労省の問題ですね。
医療費抑制政策がとられている、
という事は、厚労省だけの問題ではないんですが。
「安全には、お金がかかる」んですよ。
JRでの列車の事故でも。
渋谷のガス爆発の事故でも。
新宿や「すすきの」での、火事でも。
谷本整形の事件でも。
安全に、もっとお金をかけていれば、
こういった事故、事件は
起こらなかった可能性が高いです。
ただ、今のシステムでは、安全にお金をかけても、
目に見えるメリットがないんですよ。
今回の谷本整形の場合。
>医療機関では手洗い後は紙タオルや
使い捨ての滅菌布を使うのが普通だが、
>看護師がタオルを使い回しするなど、
ずさんな衛生管理が明らかになった。
こういう事ですから。
簡単に言うと、使い捨ての紙タオルとか、
使い捨ての滅菌布なんかを買うと、金がかかるから。
それをけちって、汚いタオルを使い回していた。
って事ですわ。
今のシステムでは、安全に金をかけても、
それが目に見える利益になるわけではないんです。
例えば、使い捨ての紙タオルや滅菌布を使ったら、
診療報酬が加算されるとか。
具体的に目に見えるメリットがないんですよ。
だから、手っ取り早く利益を得ようとして、
安全にお金をかけない人間が出てくるんですよ。
そんな事は最低限の事だから。
っていうなら、それをやっていないのであれば、
診療所の営業許可を出してはいけませんよ。
一度許可してしまったら、未来永劫、
何の監査もなくて、ずーっと続く。
っていうシステムにも問題があります。
安全、衛生に関わる、人の命に関わる事なんだから。
こういう事は、厚労省が規制するとか、
管理する責任があると思いますよ。
医療費「全体」を削減しようとすると、
こういう目先の利益に関係ない、
「安全」とか、そういうのが真っ先に削減されるんですよ。
どこの世界でも。
耐震偽装とか、そういうのでもそうでしょ。
そうなるのは、わかっているんだから。
きちんと、安全を管理するシステムを作らなかった。
というのは、厚労省の問題だと思います。
看護師にも問題があります。
看護師が8人で、点滴の患者100人。
しかも、全体では患者の数は300人もいますから。
はっきり言って、事前に点滴を作り置き
しなければ間に合わなかった。
という事は言えるかもしれませんけどね。
でも、そんな事、やっちゃ駄目に決まっているんですよ。
医療従事者なら、そんな事は当たり前です。
「どうせ、あの先生。
診察もしないで、いつもの点滴なんだから。
その場で作ったら間に合わないんだから、
前の日から準備して、作っちゃえ。」
とか、思っていたんでしょうけどね。
看護師の数が足りないなら、看護師を増やす様に言う。
もしくは、点滴の患者の数が多すぎるのであれば、
点滴の患者の数を少なくして貰う。
とか。
もしくは、どんなに患者が待ったとしても、
その場で点滴を作る。
そして、今時、汚いタオルを使い回して。
それを実際に使っているのは、看護師なんだから。
やっぱり、使い捨てのタオルか滅菌布にしてもらう。
っていう事を言わないと駄目だと思いますよ。
まあ、診察もしないで、いつもの点滴を処方する。
って医者も、もちろん悪いんですけどね。
そして、患者側の問題。
当然、既存のマスコミは、これに関しては
一切触れていないのですけど。
「あの先生は、点滴してくれって言ったら、
なんでも点滴してくれる、良い先生だ。」
みたいな感じで、患者さんの評判は
良かったのかもしれませんが。
はっきり言って、医学的には間違っているのに、
患者の希望をなんでも聞いてくれる。
っていうのは、良い医者とは言えませんよ。
患者さんがなんと言おうと、「駄目なものは駄目。」
「意味のない治療はしない。」
って言ってくれる先生が、良い先生だと思いますよ。
まあ、患者さんは医学に関しては素人だから。
なかなか難しいかもしれませんが。
今回、点滴をしている患者のうちの何割かは、
「患者の方から点滴を希望した。」
って事だと思いますよ。
風邪でもなんでも。
飲み薬よりも、点滴の方が効く。
って思っている患者さんって、結構多いですけど。
はっきり言って、それは間違いですから。
場合によっては、点滴の方が良い時もあるから。
全部が全部、点滴が悪い。
っていうつもりはないのですけどね。
患者の方から、点滴を希望する。
とか。
あの病院は点滴してくれる、良い診療所だ。
っていう口コミで、いっぱい患者がきて。
それで点滴をする人が増えて。
あまりにも数が増えすぎて、その場で点滴を
作っていたら間に合わなくなって。
やむを得ず、点滴の作り置きをした。
っていう側面もあるでしょうからね。
点滴好きな患者側の問題。
っていうのも、あるんですよ、この事件には。
これが、自由診療で、全額自己負担。
っていう事であれば、問題はないのかもしれませんけどね。
ほとんどは、高齢者で、多分自己負担は1割ですから。
ただでさえ、格安の日本の診療報酬の、
更に1割しか自己負担がないわけですから。
格安の値段で、満足を得て帰る。
こういうのを、「無駄な医療費」
って言うんですよ。
内服でも可能なのに、高い点滴を毎日やって。
でも、それで保険が切られる事もない。
これは、やっぱりおかしいですよ。
「無駄な医療費がまだあるから、
医療費はもっと削減できる。」
って言っている、経済界の偉い人もいますけど。
彼らは、何が無駄な医療費かわかっていないんですよ。
まあ、素人だから当たり前なんですけどね。
具体的にはわからないから、医療費の「総額」を減らす。
っていうのが、今の日本の方針です。
その結果、「安全」とか、目に見えない、
直接的な利益に関わらない所のお金が減らされて、
今回の谷本整形の様な事件が起こった。
そういう事だと思いますよ。
今回の谷本整形事件の本質は。
単に「点滴の作り置きが悪い」
っていう事だけ、ヒステリックに報道して。
厚労省も、アリバイ作りの為だけに、
「点滴の作り置きはいけませんよ」
っていう通達を出すだけ。
それだけで、その根本にある原因について
何も探ることをしないのであれば。
間違いなく、第二、第三の谷本整形事件は起こる
と、私は思います。
おそらく、厚労省から行政処分が降りて、
谷本整形は廃院になると思います。
日本医師会も、こういう医者は除名する。
って言えば、私の評価も変わるんですけどねー。
まあ、無理かな。
ただ、いくらシステムに問題があるとはいえ、
不必要な点滴を繰り返し、
安全に必要なお金をかけないで、
結果的に死人まで出している。
しかも、以前に同様の事があったにもかかわらず、
反省もせずに繰り返したんですから。
この谷本整形には問題があったんだと思います。
私は医師ですけど。
医者だから、っていうだけで、擁護する気はありません。
医師にも自浄作用は必要ですから。
営利主義に走って、必要な事にお金をかけない
儲け主義の人は、医師の内部で退場してもらう。
とか、そういう制度も必要ではないかな、
って思います。
まあ、でもこれを、刑事罰にするか、
っていう事は、また別の問題になりますけどねー。
医療安全だけじゃなく、予防できる病気。
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「谷本整形」で、点滴をした後に具合が悪くなって、
熱が出たり、吐き気がしたりして、死人まで出ている。
っていう話題が、いろんなマスコミで
報道されていますよね。
なんとなく、「点滴の作り置き」が諸悪の根元だ。
みたいな報道がされていますけど。
そもそも、「点滴の作り置き」っていうのがなんなのか。
どこが悪いのか、っていうことが、
一般の人にわかりやすく解説しているような
報道がないように感じたので。
ちょっと、ここで解説していきますね。
今回は、点滴を作り置きしたら、何が悪いのか。
っていう事を中心に書いてきますけど。
実は、本当の問題点というか、
「何故、点滴を作り置きしなければならなかったのか。」
っていう根本的な問題点に関しては、
どのマスコミでも報道されていないんですよ。
それに関しては、この後の記事にでも書いていくとして。
今回は、その前に、問題点の整理として、
「点滴の作り置き」についての解説をしていきます。
昨日、今日の報道では「セラチア菌」という細菌が、
血液の中から検出されたようなので。
おそらく、「セラチア菌」という細菌が
体の中に入って「敗血症、菌血症」となって、
こういった症状が出たり、
死人が出たのだと思われます。
本題と離れちゃうので、今回は解説しませんけど。
「セラチア菌」っていうのは、2002年だったかな。
院内感染で問題になった細菌ですね。
詳しくは、このサイトなんかも見てね!
→ 『ドクトルアウンの気になる健康情報:セラチア菌』
まずは、基礎知識。
細菌っていうのは、はっきり言って、
どこにでもいるもんなんですよ。
特に、「手の平」っていうのは、
いろんな所を触ったりするもんだから。
とってもたくさんの細菌がいます。
そいで、細菌が体の中(血液中)に入ったら、
「敗血症、菌血症」っていう病気になって、
高熱が出たりして大変な事になります。
体の中に点滴を入れる時は、特にそうなんだけど。
そうでなくても、病院のように、体が弱っていて、
病気になりやすいような患者さんが
たくさんいるような所では、
きちんと「手洗い」をしなさい。
っていう事は、医療関係者というか、
一般の人達の中でも常識です。
「手洗い」って言っても、水で簡単に洗っただけでは、
爪やしわの中にいる細菌が、水分を吸収して
手の表面に出てくるだけで、
かえって細菌が多くなる、って事もあるので。
石けん等を使って、時間をかけて正しい方法で
手洗いをしないといけないんですけどね。
正しい方法で、手洗いをすれば、
手にいる細菌の数は、かなり減ります。
ただし、細菌の数を「ゼロ」にする。
っていう事は非常に難しいです。
人間の体とか、生き物の場合はね。
何百度っていう高温にする、とか。
毒ガスみたいなガスを、
人間にかけるわけにいかんでしょ。
全ての細菌を殺して、ゼロにするとしたら、
それをやらなきゃいけないんで。
生き物に関しては、基本的には無理なんですわ。
仮に、一時的に細菌の数がゼロになったとしても、
皮膚の汗腺から時間が経てば、細菌が出てくるし。
どこかを触った瞬間に、そこにいる細菌が、
手にくっついてしまいますからね。
大事なのは、「細菌の数を減らす」
っていう事です。
あくまでも既存の報道からの情報ですが、
「谷本整形」の話を見る限り。
「清潔操作」っていうのが、
非常に雑だったようですね。
これは、点滴の作り置き、以前の問題です。
2008年6月13日、毎日新聞の報道によると、
>院内感染対策の指針がなく、作り置きした薬剤を
事務机に置いたり、看護師がタオルを使い回しするなど、
ずさんな衛生管理が明らかになった。
>医療機関では手洗い後は紙タオルや
使い捨ての滅菌布を使うのが普通だが、
布製タオルを掛けて看護師が共有使用していた。
という事だそうですから。
手洗いをして、仮に手がきれいになっても、
タオルを共有していますからね。
このタオルには、細菌がたくさんいるんで。
せっかく、手洗いをして手がきれいになったのに、
また手に、たくさんの細菌が付いちゃうんですよ。
これが、まず1つ目の問題点ですね。
そして、やっと本題。
「点滴の作り置き」についてです。
元々ある、薬とか点滴のセットに関しては。
これは、「滅菌」といって細菌を殺していますから。
細菌の数は「ゼロ」です。
そいで、手で注射器を使って、薬を入れて。
点滴のセットでつないで。
患者さんに針を刺して、点滴をつないで、
体の中に薬を入れていきます。
問題になっているのは、「点滴の作り置き」
ですから、これをどうやってやるのか。
っていう事を、もっと具体的に書くと。
まずは、薬が入っている小さい瓶から、
注射器を使って、薬を吸います。
そして、「谷本整形」の場合だったら、
「生理食塩水」の中に、注射器を使って薬を入れます。
「生理食塩水」も「点滴の薬」も、
この場合は、ノイロトロピンって薬と
メチコバールっていう薬のようですけど。
中は清潔(無菌)です。
でも、薬を注射器で外に出して、
それを生理食塩水の中に入れる時に、
細菌が一緒に入る可能性があるんですよ。
「手」を使っていますからね。
直接、手で針や薬を触る、
っていう事はないんですけどね。
でも、やっぱり細菌がゼロのまま、
っていうのは難しいです。
「手」の細菌をゼロにする事は、
基本的にはできませんから。
大事なのは、
手の細菌をなるべく減らす。
そして、仮に細菌が薬の中に入ったとしても、
細菌が繁殖して増える前に、薬を使う。
っていう事が大事になります。
細菌っていうのは、放って置いたら
どんどん数が増えちゃいます。
特に温度が高いと、ものすごい勢いで増えてしまいます。
例えば、常温(25℃)では一時間で2倍になるとすると。
細菌が最初は1個しかなかったけど、
1時間経てば、2倍になって2個に。
2時間なら4個。
3時間なら8個。
4時間で16個。
5時間で32個。
10時間なら1、024個。
20時間なら1、048、576個(約100万個)
24時間なら約1600万個
っていう具合に、とんでもないくらいの
勢いで増えていっちゃいます。
冷蔵庫に入れて、5℃にしておくと、
3時間で2倍に増えるとすると。
細菌の数が最初は1個だとすると。
3時間で2個。
6時間で4個。
9時間で8個。
18時間で64個。
24時間で256個。
って感じになるんで。
細菌が増える速度は、相当遅くなります。
手洗いをきちんとしても、
細菌の数はゼロにはなりませんけど。
仮に1/10になるとすると。
手洗いをしていたら、最初の細菌の数は1個だけど。
手洗いして、汚いタオルで手を拭いて、
手洗いしていないのと同じ様な状態なら、
細菌の数は10倍の10個って事になります。
点滴の作り置きっていうのは、
事前に薬を点滴の中に入れて、患者に使うまで置いておく。
っていう事で、基本的にはいけないことなんですけど。
点滴を作ったら、何分とか何時間以内に、
その点滴を使わなければいけません。
という、具体的な決まりはありません。
私は、点滴の作り置きを推奨するつもりは
全くありませんけど。
わかりやすく、例え話をあげてみると。
例)
朝の9時に、手をきれいに洗って、点滴を作った。
そして、それをすぐに使った。
本来であれば、細菌の数がゼロ、
っていうのが理想だとは思うんですけど。
最初に、細菌が1個入ってしまった。
とすると、体の中に入る細菌の数は、
1個ですね、当然。
朝の9時に、手をきれいに洗って、点滴を作った。
それを12時に使った。
とすると。
上に書いたとおり、一時間で細菌が
2倍の量に増えるとすると。
9時に作って3時間ですから。
常温(25℃)であれば、
細菌の数は、1個から8個に増えます。
冷蔵庫に入れておけば、3時間で2倍だから。
細菌の数は2個です。
点滴の作り置きといっても、3時間であれば、
細菌の数は1個から2個や8個に増えるだけです。
ところが、この谷本整形の例。
2008年6月13日の読売新聞の報道によると
>体調不良を訴えた患者23人のうち16人は、
今月9日に点滴を受けて発症していたことが
県の調査でわかった。
9日は月曜だったことから、県は週末の土曜に
作り置きされた点滴液が休診日の日曜を挟んで
丸1日放置されて細菌が増殖、
被害が集中したとみている。
県によると、作り置きして余った点滴液は、
夜間、空調の切れた点滴室に置いたままにされ、
次の診療日に使うことがあったという。
って事だそうだから。
手を洗ったけど、不潔なタオルで拭いて。
点滴を作ってからは、常温(25℃)で
丸1日経った、っていう事にして。
そいで細菌の数を計算してみると。
最初は、手洗いをしていない状態と同じだから、
最初から細菌の数は10倍の10個。
そして、それが常温で丸1日って事だから、
便宜的に24時間として計算すると。
24時間で1600万倍だから、
10x1600万=1億6000万個
細菌の数、1億6000万個ですか(汗)。
しかも、土曜日に作って、月曜日に使ったなら、
本当は24時間じゃなくて、それ以上だから。
数億とか、数十億になる計算っすかね。
まあ、この細菌(セラチア菌)の数の増え方が、
こんなに早いのか、っていう問題とか。
そういう事はあると思うけど。
点滴を作り置きして、丸1日常温で置いておく。
っていうのが、どれだけ細菌の数が増えて悪いのか。
っていう「イメージ」はわかったかな、と思います。
ちなみに。
何度も言うようですが、私は点滴の作り置きを
奨励するつもりは全くないんですよ。
はっきり言って、この谷本整形は問題外ですが。
きちんと手洗いをして、点滴を作って、
冷蔵庫で保存すれば、
3時間経っても、細菌の数は2個です。
からね。
そこら辺は、理解していただきたいですかね。
この事件の後に、おそらく厚生労働省から、
「点滴の作り置きはいけない」っていう
行政指導か通達か、
そこらへんが出るとは思いますが。
看護師の内診問題でもそうですけど。
どの位の病院がやっているかは知りませんが、
一律に全部駄目。
っていうのは、問題があるように思えます。
30分なら良いけど、2時間なら駄目。
とかっていう、きちんとしたルールを作るのは、
実際問題としては難しいし。
10分でも駄目だ。
っていうなら、相応の看護師の数がいないと
絶対に無理ですからね。
それをやらないで、厚労省が責任逃れの為だけに、
現場の事を考えない通達だけ出す。
っていう事は、避けて貰いたいものですねー。
参照1:『2008年6月13日:毎日新聞』
三重・伊賀の点滴死亡:タオル使い回し
谷本整形、ずさんな衛生管理
三重県伊賀市の「谷本整形」で点滴を受けた患者が
異常を訴え、73歳女性が死亡した問題で、
谷本広道院長が12日、診療所で報道陣の取材に応じ、
点滴薬剤の作り置きについて
「以前はたくさんやっていた」と述べた。
一方、県の立ち入り調査などで、院内感染対策の指針がなく、
作り置きした薬剤を事務机に置いたり、
看護師がタオルを使い回しするなど、
ずさんな衛生管理が明らかになった。
院長は「野戦病院のような診療所で、
多い時は(1日)350人の患者を診ている。
院内感染の発生率も高いと思う」と語った。
「昨年と一昨年に(今回と同じような被害が出た事案が)
2件あった」と明かした。
一方、立ち入り調査などによると、
診療所では毎朝、10~30人分の点滴薬剤を作製。
鎮痛剤の点滴の調合作業は待合ロビーの奥の
「中待合」の作業台と隣接する点滴室の2カ所で行い、
調合後は点滴室の事務机の上で
薬剤納品用の紙箱に入れて保管。
医療機関では手洗い後は紙タオルや
使い捨ての滅菌布を使うのが普通だが、
布製タオルを掛けて看護師が共有使用していた。
参照2:『2008年6月13日:読売新聞』
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?b=20080612-00000064-yom-soci
点滴治療後の体調不良、
被害は休診日後に集中…三重県調査
三重県伊賀市の整形外科医院「谷本整形」の
点滴治療による業務上過失傷害事件で、
体調不良を訴えた患者23人のうち16人は、
今月9日に点滴を受けて発症していたことが
県の調査でわかった。
9日は月曜だったことから、県は週末の土曜に
作り置きされた点滴液が休診日の日曜を挟んで
丸1日放置されて細菌が増殖、被害が集中したとみている。
県によると、作り置きして余った点滴液は、
夜間、空調の切れた点滴室に置いたままにされ、
次の診療日に使うことがあったという。
死亡した同市内の女性(73)も9日に点滴を受けていた。
一方、同医院の谷本広道院長が12日、
記者会見し、約2年前まで、看護師による
点滴液の作り置きを院長自身が知りながら、
常態的に行われていたことを認めた。
谷本院長は「今回の事件はすべて院長、
管理者の私の責任。裁きの来る日を待っています」
と患者らに謝罪。
そのうえで、「以前はそういうこと(作り置き)を
たくさんやっていたが、今回のような
大きな事件にはならなかった」と述べた。
2年前、点滴治療を受けた2人の患者が
気分が悪くなったのを機に、
「『そういうことをするな』と(看護師に)
言ったつもりだったが、徹底されていなかった」
と語った。
また、昨年10月、同医院での点滴後に
死亡した男性(85)について、谷本院長は
「事実関係がはっきりしておらず答えようがないが、
点滴によって死亡したということはない」
と点滴との因果関係を否定した。
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熱が出たり、吐き気がしたりして、死人まで出ている。
っていう話題が、いろんなマスコミで
報道されていますよね。
なんとなく、「点滴の作り置き」が諸悪の根元だ。
みたいな報道がされていますけど。
そもそも、「点滴の作り置き」っていうのがなんなのか。
どこが悪いのか、っていうことが、
一般の人にわかりやすく解説しているような
報道がないように感じたので。
ちょっと、ここで解説していきますね。
今回は、点滴を作り置きしたら、何が悪いのか。
っていう事を中心に書いてきますけど。
実は、本当の問題点というか、
「何故、点滴を作り置きしなければならなかったのか。」
っていう根本的な問題点に関しては、
どのマスコミでも報道されていないんですよ。
それに関しては、この後の記事にでも書いていくとして。
今回は、その前に、問題点の整理として、
「点滴の作り置き」についての解説をしていきます。
昨日、今日の報道では「セラチア菌」という細菌が、
血液の中から検出されたようなので。
おそらく、「セラチア菌」という細菌が
体の中に入って「敗血症、菌血症」となって、
こういった症状が出たり、
死人が出たのだと思われます。
本題と離れちゃうので、今回は解説しませんけど。
「セラチア菌」っていうのは、2002年だったかな。
院内感染で問題になった細菌ですね。
詳しくは、このサイトなんかも見てね!
→ 『ドクトルアウンの気になる健康情報:セラチア菌』
まずは、基礎知識。
細菌っていうのは、はっきり言って、
どこにでもいるもんなんですよ。
特に、「手の平」っていうのは、
いろんな所を触ったりするもんだから。
とってもたくさんの細菌がいます。
そいで、細菌が体の中(血液中)に入ったら、
「敗血症、菌血症」っていう病気になって、
高熱が出たりして大変な事になります。
体の中に点滴を入れる時は、特にそうなんだけど。
そうでなくても、病院のように、体が弱っていて、
病気になりやすいような患者さんが
たくさんいるような所では、
きちんと「手洗い」をしなさい。
っていう事は、医療関係者というか、
一般の人達の中でも常識です。
「手洗い」って言っても、水で簡単に洗っただけでは、
爪やしわの中にいる細菌が、水分を吸収して
手の表面に出てくるだけで、
かえって細菌が多くなる、って事もあるので。
石けん等を使って、時間をかけて正しい方法で
手洗いをしないといけないんですけどね。
正しい方法で、手洗いをすれば、
手にいる細菌の数は、かなり減ります。
ただし、細菌の数を「ゼロ」にする。
っていう事は非常に難しいです。
人間の体とか、生き物の場合はね。
何百度っていう高温にする、とか。
毒ガスみたいなガスを、
人間にかけるわけにいかんでしょ。
全ての細菌を殺して、ゼロにするとしたら、
それをやらなきゃいけないんで。
生き物に関しては、基本的には無理なんですわ。
仮に、一時的に細菌の数がゼロになったとしても、
皮膚の汗腺から時間が経てば、細菌が出てくるし。
どこかを触った瞬間に、そこにいる細菌が、
手にくっついてしまいますからね。
大事なのは、「細菌の数を減らす」
っていう事です。
あくまでも既存の報道からの情報ですが、
「谷本整形」の話を見る限り。
「清潔操作」っていうのが、
非常に雑だったようですね。
これは、点滴の作り置き、以前の問題です。
2008年6月13日、毎日新聞の報道によると、
>院内感染対策の指針がなく、作り置きした薬剤を
事務机に置いたり、看護師がタオルを使い回しするなど、
ずさんな衛生管理が明らかになった。
>医療機関では手洗い後は紙タオルや
使い捨ての滅菌布を使うのが普通だが、
布製タオルを掛けて看護師が共有使用していた。
という事だそうですから。
手洗いをして、仮に手がきれいになっても、
タオルを共有していますからね。
このタオルには、細菌がたくさんいるんで。
せっかく、手洗いをして手がきれいになったのに、
また手に、たくさんの細菌が付いちゃうんですよ。
これが、まず1つ目の問題点ですね。
そして、やっと本題。
「点滴の作り置き」についてです。
元々ある、薬とか点滴のセットに関しては。
これは、「滅菌」といって細菌を殺していますから。
細菌の数は「ゼロ」です。
そいで、手で注射器を使って、薬を入れて。
点滴のセットでつないで。
患者さんに針を刺して、点滴をつないで、
体の中に薬を入れていきます。
問題になっているのは、「点滴の作り置き」
ですから、これをどうやってやるのか。
っていう事を、もっと具体的に書くと。
まずは、薬が入っている小さい瓶から、
注射器を使って、薬を吸います。
そして、「谷本整形」の場合だったら、
「生理食塩水」の中に、注射器を使って薬を入れます。
「生理食塩水」も「点滴の薬」も、
この場合は、ノイロトロピンって薬と
メチコバールっていう薬のようですけど。
中は清潔(無菌)です。
でも、薬を注射器で外に出して、
それを生理食塩水の中に入れる時に、
細菌が一緒に入る可能性があるんですよ。
「手」を使っていますからね。
直接、手で針や薬を触る、
っていう事はないんですけどね。
でも、やっぱり細菌がゼロのまま、
っていうのは難しいです。
「手」の細菌をゼロにする事は、
基本的にはできませんから。
大事なのは、
手の細菌をなるべく減らす。
そして、仮に細菌が薬の中に入ったとしても、
細菌が繁殖して増える前に、薬を使う。
っていう事が大事になります。
細菌っていうのは、放って置いたら
どんどん数が増えちゃいます。
特に温度が高いと、ものすごい勢いで増えてしまいます。
例えば、常温(25℃)では一時間で2倍になるとすると。
細菌が最初は1個しかなかったけど、
1時間経てば、2倍になって2個に。
2時間なら4個。
3時間なら8個。
4時間で16個。
5時間で32個。
10時間なら1、024個。
20時間なら1、048、576個(約100万個)
24時間なら約1600万個
っていう具合に、とんでもないくらいの
勢いで増えていっちゃいます。
冷蔵庫に入れて、5℃にしておくと、
3時間で2倍に増えるとすると。
細菌の数が最初は1個だとすると。
3時間で2個。
6時間で4個。
9時間で8個。
18時間で64個。
24時間で256個。
って感じになるんで。
細菌が増える速度は、相当遅くなります。
手洗いをきちんとしても、
細菌の数はゼロにはなりませんけど。
仮に1/10になるとすると。
手洗いをしていたら、最初の細菌の数は1個だけど。
手洗いして、汚いタオルで手を拭いて、
手洗いしていないのと同じ様な状態なら、
細菌の数は10倍の10個って事になります。
点滴の作り置きっていうのは、
事前に薬を点滴の中に入れて、患者に使うまで置いておく。
っていう事で、基本的にはいけないことなんですけど。
点滴を作ったら、何分とか何時間以内に、
その点滴を使わなければいけません。
という、具体的な決まりはありません。
私は、点滴の作り置きを推奨するつもりは
全くありませんけど。
わかりやすく、例え話をあげてみると。
例)
朝の9時に、手をきれいに洗って、点滴を作った。
そして、それをすぐに使った。
本来であれば、細菌の数がゼロ、
っていうのが理想だとは思うんですけど。
最初に、細菌が1個入ってしまった。
とすると、体の中に入る細菌の数は、
1個ですね、当然。
朝の9時に、手をきれいに洗って、点滴を作った。
それを12時に使った。
とすると。
上に書いたとおり、一時間で細菌が
2倍の量に増えるとすると。
9時に作って3時間ですから。
常温(25℃)であれば、
細菌の数は、1個から8個に増えます。
冷蔵庫に入れておけば、3時間で2倍だから。
細菌の数は2個です。
点滴の作り置きといっても、3時間であれば、
細菌の数は1個から2個や8個に増えるだけです。
ところが、この谷本整形の例。
2008年6月13日の読売新聞の報道によると
>体調不良を訴えた患者23人のうち16人は、
今月9日に点滴を受けて発症していたことが
県の調査でわかった。
9日は月曜だったことから、県は週末の土曜に
作り置きされた点滴液が休診日の日曜を挟んで
丸1日放置されて細菌が増殖、
被害が集中したとみている。
県によると、作り置きして余った点滴液は、
夜間、空調の切れた点滴室に置いたままにされ、
次の診療日に使うことがあったという。
って事だそうだから。
手を洗ったけど、不潔なタオルで拭いて。
点滴を作ってからは、常温(25℃)で
丸1日経った、っていう事にして。
そいで細菌の数を計算してみると。
最初は、手洗いをしていない状態と同じだから、
最初から細菌の数は10倍の10個。
そして、それが常温で丸1日って事だから、
便宜的に24時間として計算すると。
24時間で1600万倍だから、
10x1600万=1億6000万個
細菌の数、1億6000万個ですか(汗)。
しかも、土曜日に作って、月曜日に使ったなら、
本当は24時間じゃなくて、それ以上だから。
数億とか、数十億になる計算っすかね。
まあ、この細菌(セラチア菌)の数の増え方が、
こんなに早いのか、っていう問題とか。
そういう事はあると思うけど。
点滴を作り置きして、丸1日常温で置いておく。
っていうのが、どれだけ細菌の数が増えて悪いのか。
っていう「イメージ」はわかったかな、と思います。
ちなみに。
何度も言うようですが、私は点滴の作り置きを
奨励するつもりは全くないんですよ。
はっきり言って、この谷本整形は問題外ですが。
きちんと手洗いをして、点滴を作って、
冷蔵庫で保存すれば、
3時間経っても、細菌の数は2個です。
からね。
そこら辺は、理解していただきたいですかね。
この事件の後に、おそらく厚生労働省から、
「点滴の作り置きはいけない」っていう
行政指導か通達か、
そこらへんが出るとは思いますが。
看護師の内診問題でもそうですけど。
どの位の病院がやっているかは知りませんが、
一律に全部駄目。
っていうのは、問題があるように思えます。
30分なら良いけど、2時間なら駄目。
とかっていう、きちんとしたルールを作るのは、
実際問題としては難しいし。
10分でも駄目だ。
っていうなら、相応の看護師の数がいないと
絶対に無理ですからね。
それをやらないで、厚労省が責任逃れの為だけに、
現場の事を考えない通達だけ出す。
っていう事は、避けて貰いたいものですねー。
参照1:『2008年6月13日:毎日新聞』
三重・伊賀の点滴死亡:タオル使い回し
谷本整形、ずさんな衛生管理
三重県伊賀市の「谷本整形」で点滴を受けた患者が
異常を訴え、73歳女性が死亡した問題で、
谷本広道院長が12日、診療所で報道陣の取材に応じ、
点滴薬剤の作り置きについて
「以前はたくさんやっていた」と述べた。
一方、県の立ち入り調査などで、院内感染対策の指針がなく、
作り置きした薬剤を事務机に置いたり、
看護師がタオルを使い回しするなど、
ずさんな衛生管理が明らかになった。
院長は「野戦病院のような診療所で、
多い時は(1日)350人の患者を診ている。
院内感染の発生率も高いと思う」と語った。
「昨年と一昨年に(今回と同じような被害が出た事案が)
2件あった」と明かした。
一方、立ち入り調査などによると、
診療所では毎朝、10~30人分の点滴薬剤を作製。
鎮痛剤の点滴の調合作業は待合ロビーの奥の
「中待合」の作業台と隣接する点滴室の2カ所で行い、
調合後は点滴室の事務机の上で
薬剤納品用の紙箱に入れて保管。
医療機関では手洗い後は紙タオルや
使い捨ての滅菌布を使うのが普通だが、
布製タオルを掛けて看護師が共有使用していた。
参照2:『2008年6月13日:読売新聞』
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?b=20080612-00000064-yom-soci
点滴治療後の体調不良、
被害は休診日後に集中…三重県調査
三重県伊賀市の整形外科医院「谷本整形」の
点滴治療による業務上過失傷害事件で、
体調不良を訴えた患者23人のうち16人は、
今月9日に点滴を受けて発症していたことが
県の調査でわかった。
9日は月曜だったことから、県は週末の土曜に
作り置きされた点滴液が休診日の日曜を挟んで
丸1日放置されて細菌が増殖、被害が集中したとみている。
県によると、作り置きして余った点滴液は、
夜間、空調の切れた点滴室に置いたままにされ、
次の診療日に使うことがあったという。
死亡した同市内の女性(73)も9日に点滴を受けていた。
一方、同医院の谷本広道院長が12日、
記者会見し、約2年前まで、看護師による
点滴液の作り置きを院長自身が知りながら、
常態的に行われていたことを認めた。
谷本院長は「今回の事件はすべて院長、
管理者の私の責任。裁きの来る日を待っています」
と患者らに謝罪。
そのうえで、「以前はそういうこと(作り置き)を
たくさんやっていたが、今回のような
大きな事件にはならなかった」と述べた。
2年前、点滴治療を受けた2人の患者が
気分が悪くなったのを機に、
「『そういうことをするな』と(看護師に)
言ったつもりだったが、徹底されていなかった」
と語った。
また、昨年10月、同医院での点滴後に
死亡した男性(85)について、谷本院長は
「事実関係がはっきりしておらず答えようがないが、
点滴によって死亡したということはない」
と点滴との因果関係を否定した。
医者のホンネが知りたい人は、こちらから!
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『6/8、全国医師連盟設立集会』
の記事でも書きましたけど。
ついに「全国医師連盟」が正式に発足しましたね。
「全国医師連盟」っていうのは、
開業医中心の「日本医師会」とは別の、
「患者の為の」、勤務医中心の医師の団体です。
私は、循環器内科という比較的忙しい科が専門で。
そいで、ブログやメルマガも書いるので。
自分の事で手一杯であまり余裕がないので、
あんまり内部に入っての協力というのはできないんですが。
「全国医師連盟」の前の段階、
「全国医師連盟、準備委員会」の、
かなり初期の段階から参加させて頂いております。
厳しい言い方ですけど。
今のところ、まだ出来たばっかりで、
何の実績もない団体なんですけど。
どうやら、私と向かっている方向性が
似ているようなので。
今の所、ブログで紹介、等の方法のみですが
協力させて頂いております。
個人的な都合がいろいろあって、
講演が最後まで聞けなかったのが残念でしたが。
おおかた良かったと思いますよ。
講演者6人+上先生の話があったから、
予想通り時間は足りなかったですけどね。
やはり、そこは反省点だと思います。
特に最初の2人は医療訴訟の具体的な話だから。
どうしても医学的な話とかが多くなっちゃうので。
一般の人達も来ているので、
もう少し時間をかけないと難しいかなー。
よく考えたら、同じ日に
秋葉原で殺人事件があったんですね。
秋葉にも時間があったら行こうかな、
って思っていたので。
間違わなくてよかったですわ、ホント。
事件がなければ、マスコミの方達も
結構たくさん来ていたようですから。
「全国医師連盟」の話もテレビや新聞等の
マスコミでも、もっと報道される予定だったようですが。
あまり放送はされていないようですね。
今のところ、日テレとTBSのニュースだけかな。
テレビで放送されたのは。
ちなみに、日テレの放送はここから見られますよ。
→ 『日テレニュース24』
私が一番楽しみにしていた講演は、
佐藤一樹先生の
【被告人の立場からみた
東京女子医大心臓手術事件の経緯】
これっす。
『「紫色の顔の友達を助けたい」』
のブログでだいぶ前から読んではいたけど。
やっぱり、本物の講演は違いますねー。
非常におもしろかったです。
キャリアブレインで「全国医師連盟設立」の話と
佐藤先生の講演内容を紹介しているので、
ちょっと引用させてもらいますね。
医師の労働環境改善など訴え―全医連設立集会
全国医師連盟(黒川衛代表)が
6月8日に開いた設立集会では、
医療事故裁判の被告の佐藤一樹元助手や、
過労自殺した小児科医の遺族の中川のり子氏、
リハビリテーションの日数制限を定めた
診療報酬改定の告示の撤回などを求めて
行政訴訟を起こした勤務医、澤田石順氏らが、
医療現場の抱える問題点を
それぞれの立場から指摘した。
(熊田梨恵、兼松昭夫)
■「組織守るため、医師に事故責任を転嫁」
2001年に心臓手術を受けた12歳の女児が
死亡した「東京女子医大事件」で、
業務上過失致死罪で起訴された被告で、
現在保釈中の佐藤一樹・元東京女子医科大学病院
循環器小児外科助手は、
「特定機能病院の資格を剥奪(はくだつ)されたくない
大学病院側の、組織的責任を逃れようとする
裏工作があった」と述べ、
内部調査報告書の虚偽作成や、
警察による作為的な実地検証などにより、
大学病院が責任逃れのために
佐藤元助手個人に事故責任を負わせようとした
と主張した。
佐藤元助手は「現場の医師と
大学病院には利益相反がある。
業務上過失致死は法人でなく個人が対象。
その意味で病院管理者と
警察の利害関係は一致した。
真実も正義もなく、裏の世界は
『白い巨塔』レベルではなかった」と述べた。
同院が特定機能病院の資格を
剥奪されたくないために警察の捜査に
協力したとの見方を示し、意図的に
虚偽の調査報告書を作成して
現場の医師らに見せないまま遺族に提出し、
外部評価委員会も利益保護のために
関係者で構成されており、
警察による実地検証も
作為的なものだったと主張した。
また、「医局の主任教授から
パワーハラスメントを受けていた」と述べ、
心臓血管外科専門医の認定を
取得するに当たって妨害されたり、
佐藤元助手を支援するための
カンパ活動をやめさせられたり、
電話を盗聴されたりしたと訴えた。
佐藤元助手は、個人ではなく
組織を守ろうとする大学病院の
システム的な問題が、原因究明や再発防止、
遺族とのコミュニケーションなどを
阻んでいると述べた上で、
「患者が亡くなったのは大変悲しいこと。
事故で亡くなった場合は、
原因を正しく調べて解明・分析して
遺族に伝え、今後はそのようなことが
起きないようにするのが医師の務め。
不誠実な態度で患者の死を
無駄にしてはいけない」と締めくくった。
『2008/06/09:キャリアブレイン』
この記事の中にはないけど。
「供述調書」の話も出ていましたね。
一番大事な事は、
100%納得しなければ署名しない。
唯一の武器はサインしないこと。
という事をおっしゃっておりました。
どっかの雑誌で見た事はあるんですが。
やっぱり、当事者が言うと説得力が違いますねー。
これも、彼のブログに詳しく書いてあったので、
一部だけ引用させてもらいますね。
勉強になりますよー。
供述調書の特徴
推測したことが、私が話をした形になっていて、
そのときどきどう思ったかが書かれる。
「アドバイス」が「指示」したになっていたりする。
警察は説明に納得しないと問答問答形式になって
書く傾向があるがこれが曲者。
問答は微妙に違っている。
供述調書は閲覧できるので
必ず手にとって読ませてもらう。
訂正をもとめることがある。
わざと小さい間違えをすることがある。
訂正しなかったらサインしない。
サインは義務ではない。
10でも20でも全部いう。
「こんなにいっぱいか。
俺達が一生懸命つくったのに。」
→「訂正してください。」
ニュアンスの差に気をつける。
「どう思った。」に注意。
修正に応じなかったら、サインしない。
「内容に誤りがあり、以下のような申し立てがあって、
修正した。」と書いて、1つのことが書いてあって、
それだけが修正項目だと思われ
この調書は正しいとさてしまう。
警察はマイナーなところだけを訂正する。
消して直すこともあるが、
調書の末尾に付けるだけの事もある。
これを使い分ける。
末尾に付加して書くときは一つだけ書いて、
何でもないそのことを強調しようとする。
ワープロで直してもらう。
一つの調書ごとに全部訂正をしてからサインする。
「サインをしないのはやましいことがあるからだろう。」
など脅しでくるが、へっちゃら。
それを貫くのは難しいことだが、大切。
19時過ぎて調書が終わらなかったらサインせずに帰る。
相手はどんどん勝手なことを作るので、
少しのニュアンスの違いがある。
なんとなく罪を認めているような書きぶりになっている。
閲覧時間はいくら時間があっても良い。
ここは難しいが頑張る。
一つ一つ根気よく直す。
多いと忘れるので、一つ一つ直す。
先に進もうとしたら止める。
閲覧が終わらなかったら、
「また次にやりますから。」といって帰る。
「この前そう言ったじゃないか。」
といっても、言ったとか言わないとかを
説得しても意味がないので
「ここは違うので訂正してください。」
先に間違ったことをいってから直すのは難しい。
たぶんこうであってんだろう、
こういうはずだ、ということが後で間違うことが多い。
はっきり確実な事実をいっていればよい。
事実は何か。
外に現れたことは何か。
言葉を発したのは何かが大切。
事実は微細なもの。
事実は複雑なもの。
「どうしてやらなかったんだ。」「はい。」
「どう思ったんだ。」「はい。」
「また、思い出します。」
評価は関係ない、倫理上と法律上は違う。
先走って思い出さない。
向こうのメモは思い違いや嘘もある。
わからないならわからない。
ちょっとでもいったことを調書にするから気をつける。
何と言われようと同じように答える。
どんどん話していると警察の思いどおりの
ストーリーになるそれ以上の話はしていない。
新たに呼ばれたからといって、
新しい説明をすることはない。
供述調書は全部納得がいくまで
訂正してからサインする。
事実は簡単ではない。
とりあえずは禁物こちらの武器は署名しないこと。
こちらのいうことを書くのが調書。
読んで違うなら署名しない。
言ったじゃないか。
この時言ったのはこうだからという説明はいらない。
理由はいらない。
こうだからという説明はいらない。
医者は向こうの話をよく聞いてそうかな
などと思って署名してしまう。
インテリはそうかなと思って署名することが多い。
調書は100%思ったことを書くようにする。
調書は一つずつ完結する。
言ってしまったことを否定しなくてもよい。
私の調書に私の思ったことを考えだけを
書いてもらう自分の調書を作る。
100%納得しなければ署名しない。
唯一の武器はサインしないこと。
今が正念場説明はいらない。
納得はいらない。
理由はいらない。
嘘でないからでなく納得してから署名する。
言いたくないことは言わない。
読むときに事情の知らないヒトが読むつもりで読む。
『冤罪にならないための-任意事情聴取注意点-喜田村先生から』
私は見ることができませんでしたけど。
設立総会の後の記者会見の様子は、
ロハスメディカルブログに書いてありましたよ。
→ 『全国医師連盟、ハスメディカルブログ、』
大学病院についてもっと知りたい人は、これも読んでね!
→ 「大学病院のうそ」 ~
現役医師(Dr. I)が暴露する、大学病院の秘密
ブログランキングの応援もよろしくね!
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の記事でも書きましたけど。
ついに「全国医師連盟」が正式に発足しましたね。
「全国医師連盟」っていうのは、
開業医中心の「日本医師会」とは別の、
「患者の為の」、勤務医中心の医師の団体です。
私は、循環器内科という比較的忙しい科が専門で。
そいで、ブログやメルマガも書いるので。
自分の事で手一杯であまり余裕がないので、
あんまり内部に入っての協力というのはできないんですが。
「全国医師連盟」の前の段階、
「全国医師連盟、準備委員会」の、
かなり初期の段階から参加させて頂いております。
厳しい言い方ですけど。
今のところ、まだ出来たばっかりで、
何の実績もない団体なんですけど。
どうやら、私と向かっている方向性が
似ているようなので。
今の所、ブログで紹介、等の方法のみですが
協力させて頂いております。
個人的な都合がいろいろあって、
講演が最後まで聞けなかったのが残念でしたが。
おおかた良かったと思いますよ。
講演者6人+上先生の話があったから、
予想通り時間は足りなかったですけどね。
やはり、そこは反省点だと思います。
特に最初の2人は医療訴訟の具体的な話だから。
どうしても医学的な話とかが多くなっちゃうので。
一般の人達も来ているので、
もう少し時間をかけないと難しいかなー。
よく考えたら、同じ日に
秋葉原で殺人事件があったんですね。
秋葉にも時間があったら行こうかな、
って思っていたので。
間違わなくてよかったですわ、ホント。
事件がなければ、マスコミの方達も
結構たくさん来ていたようですから。
「全国医師連盟」の話もテレビや新聞等の
マスコミでも、もっと報道される予定だったようですが。
あまり放送はされていないようですね。
今のところ、日テレとTBSのニュースだけかな。
テレビで放送されたのは。
ちなみに、日テレの放送はここから見られますよ。
→ 『日テレニュース24』
私が一番楽しみにしていた講演は、
佐藤一樹先生の
【被告人の立場からみた
東京女子医大心臓手術事件の経緯】
これっす。
『「紫色の顔の友達を助けたい」』
のブログでだいぶ前から読んではいたけど。
やっぱり、本物の講演は違いますねー。
非常におもしろかったです。
キャリアブレインで「全国医師連盟設立」の話と
佐藤先生の講演内容を紹介しているので、
ちょっと引用させてもらいますね。
医師の労働環境改善など訴え―全医連設立集会
全国医師連盟(黒川衛代表)が
6月8日に開いた設立集会では、
医療事故裁判の被告の佐藤一樹元助手や、
過労自殺した小児科医の遺族の中川のり子氏、
リハビリテーションの日数制限を定めた
診療報酬改定の告示の撤回などを求めて
行政訴訟を起こした勤務医、澤田石順氏らが、
医療現場の抱える問題点を
それぞれの立場から指摘した。
(熊田梨恵、兼松昭夫)
■「組織守るため、医師に事故責任を転嫁」
2001年に心臓手術を受けた12歳の女児が
死亡した「東京女子医大事件」で、
業務上過失致死罪で起訴された被告で、
現在保釈中の佐藤一樹・元東京女子医科大学病院
循環器小児外科助手は、
「特定機能病院の資格を剥奪(はくだつ)されたくない
大学病院側の、組織的責任を逃れようとする
裏工作があった」と述べ、
内部調査報告書の虚偽作成や、
警察による作為的な実地検証などにより、
大学病院が責任逃れのために
佐藤元助手個人に事故責任を負わせようとした
と主張した。
佐藤元助手は「現場の医師と
大学病院には利益相反がある。
業務上過失致死は法人でなく個人が対象。
その意味で病院管理者と
警察の利害関係は一致した。
真実も正義もなく、裏の世界は
『白い巨塔』レベルではなかった」と述べた。
同院が特定機能病院の資格を
剥奪されたくないために警察の捜査に
協力したとの見方を示し、意図的に
虚偽の調査報告書を作成して
現場の医師らに見せないまま遺族に提出し、
外部評価委員会も利益保護のために
関係者で構成されており、
警察による実地検証も
作為的なものだったと主張した。
また、「医局の主任教授から
パワーハラスメントを受けていた」と述べ、
心臓血管外科専門医の認定を
取得するに当たって妨害されたり、
佐藤元助手を支援するための
カンパ活動をやめさせられたり、
電話を盗聴されたりしたと訴えた。
佐藤元助手は、個人ではなく
組織を守ろうとする大学病院の
システム的な問題が、原因究明や再発防止、
遺族とのコミュニケーションなどを
阻んでいると述べた上で、
「患者が亡くなったのは大変悲しいこと。
事故で亡くなった場合は、
原因を正しく調べて解明・分析して
遺族に伝え、今後はそのようなことが
起きないようにするのが医師の務め。
不誠実な態度で患者の死を
無駄にしてはいけない」と締めくくった。
『2008/06/09:キャリアブレイン』
この記事の中にはないけど。
「供述調書」の話も出ていましたね。
一番大事な事は、
100%納得しなければ署名しない。
唯一の武器はサインしないこと。
という事をおっしゃっておりました。
どっかの雑誌で見た事はあるんですが。
やっぱり、当事者が言うと説得力が違いますねー。
これも、彼のブログに詳しく書いてあったので、
一部だけ引用させてもらいますね。
勉強になりますよー。
供述調書の特徴
推測したことが、私が話をした形になっていて、
そのときどきどう思ったかが書かれる。
「アドバイス」が「指示」したになっていたりする。
警察は説明に納得しないと問答問答形式になって
書く傾向があるがこれが曲者。
問答は微妙に違っている。
供述調書は閲覧できるので
必ず手にとって読ませてもらう。
訂正をもとめることがある。
わざと小さい間違えをすることがある。
訂正しなかったらサインしない。
サインは義務ではない。
10でも20でも全部いう。
「こんなにいっぱいか。
俺達が一生懸命つくったのに。」
→「訂正してください。」
ニュアンスの差に気をつける。
「どう思った。」に注意。
修正に応じなかったら、サインしない。
「内容に誤りがあり、以下のような申し立てがあって、
修正した。」と書いて、1つのことが書いてあって、
それだけが修正項目だと思われ
この調書は正しいとさてしまう。
警察はマイナーなところだけを訂正する。
消して直すこともあるが、
調書の末尾に付けるだけの事もある。
これを使い分ける。
末尾に付加して書くときは一つだけ書いて、
何でもないそのことを強調しようとする。
ワープロで直してもらう。
一つの調書ごとに全部訂正をしてからサインする。
「サインをしないのはやましいことがあるからだろう。」
など脅しでくるが、へっちゃら。
それを貫くのは難しいことだが、大切。
19時過ぎて調書が終わらなかったらサインせずに帰る。
相手はどんどん勝手なことを作るので、
少しのニュアンスの違いがある。
なんとなく罪を認めているような書きぶりになっている。
閲覧時間はいくら時間があっても良い。
ここは難しいが頑張る。
一つ一つ根気よく直す。
多いと忘れるので、一つ一つ直す。
先に進もうとしたら止める。
閲覧が終わらなかったら、
「また次にやりますから。」といって帰る。
「この前そう言ったじゃないか。」
といっても、言ったとか言わないとかを
説得しても意味がないので
「ここは違うので訂正してください。」
先に間違ったことをいってから直すのは難しい。
たぶんこうであってんだろう、
こういうはずだ、ということが後で間違うことが多い。
はっきり確実な事実をいっていればよい。
事実は何か。
外に現れたことは何か。
言葉を発したのは何かが大切。
事実は微細なもの。
事実は複雑なもの。
「どうしてやらなかったんだ。」「はい。」
「どう思ったんだ。」「はい。」
「また、思い出します。」
評価は関係ない、倫理上と法律上は違う。
先走って思い出さない。
向こうのメモは思い違いや嘘もある。
わからないならわからない。
ちょっとでもいったことを調書にするから気をつける。
何と言われようと同じように答える。
どんどん話していると警察の思いどおりの
ストーリーになるそれ以上の話はしていない。
新たに呼ばれたからといって、
新しい説明をすることはない。
供述調書は全部納得がいくまで
訂正してからサインする。
事実は簡単ではない。
とりあえずは禁物こちらの武器は署名しないこと。
こちらのいうことを書くのが調書。
読んで違うなら署名しない。
言ったじゃないか。
この時言ったのはこうだからという説明はいらない。
理由はいらない。
こうだからという説明はいらない。
医者は向こうの話をよく聞いてそうかな
などと思って署名してしまう。
インテリはそうかなと思って署名することが多い。
調書は100%思ったことを書くようにする。
調書は一つずつ完結する。
言ってしまったことを否定しなくてもよい。
私の調書に私の思ったことを考えだけを
書いてもらう自分の調書を作る。
100%納得しなければ署名しない。
唯一の武器はサインしないこと。
今が正念場説明はいらない。
納得はいらない。
理由はいらない。
嘘でないからでなく納得してから署名する。
言いたくないことは言わない。
読むときに事情の知らないヒトが読むつもりで読む。
『冤罪にならないための-任意事情聴取注意点-喜田村先生から』
私は見ることができませんでしたけど。
設立総会の後の記者会見の様子は、
ロハスメディカルブログに書いてありましたよ。
→ 『全国医師連盟、ハスメディカルブログ、』
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「全国医師連盟」の設立集会が、
6/8に東京で行われますよ!
「全国医師連盟」っていうのは、このブログでも
何回か取り上げていますけど。
開業医中心の「日本医師会」とは別の、
「患者の為の」、勤務医中心の団体です。
For the Patient
でしょうかね、かっこつけた言い方をすると。
もちろん、勤務医じゃなきゃ入れない、
っていう事はなくって。
日本の医師免許を持つ人で、
日本の医療を良くしたい。
っていう志のある人であれば、
勤務医でも開業医でも、入会資格はありますよ。
海外に住んでいるメンバーもいますよ、実際。
ちなみに、全国医師連盟のホームページはこれっすね。
→ 「全国医師連盟」
格好良いフラッシュも出来たようなので、
ここに貼っておきますね!
→ 「全国医師連盟の成り立ち」
◆全国医師連盟設立集会を
6/8(日)1300時~ 東京FMホールにて開催します。
参加の事前登録を開始しました。
〒102-0080 東京都千代田区麹町1丁目7番
FMセンター
参加費2000円
定員300名
参加資格は医師新組織の結成に賛同される方。
事前登録が必要です(先着順)。
医療関係者以外に一般の方、メディアにも公開します。
■主催者からの挨拶
■来賓挨拶、および挨拶紹介
■役員紹介
■設立集会プレゼンテーション
○佐藤一樹先生
【被告人の立場からみた
東京女子医大心臓手術事件の経緯】
○川嵜真先生
【被告人支援者医師の立場からみた
杏林大学割り箸事件の経緯】
○中原のり子様
【医師の過労と医療の改善~あなたの子どものいのち、
疲れ切った小児科医にまかせますか?~】
○江原朗先生
【医師の長時間勤務で医療安全は低下】
○澤田石順先生
【患者および医師の医療権を確立するための試み
-行政訴訟という手段-】
○木田博隆先生
【いまこそ医師の自律性が求められている
―実践的倫理事始め―】
事前登録はこちらからお願いします。
http://www.doctor2007.com/recommend4.html
今回講演を行ってくれる人、6人。
冷静に考えたら、全員会った事あるわ(笑)
佐藤一樹先生は、本名言われても
ピンと来ない人が多いかもしれないけど。
「東京女子医大の心臓手術事件」で、
トカゲのしっぽ切りにあって、
罪を被せられて訴えられた先生ですわ。
「紫色の顔の友達を助けたい」
ってブログを書いている人、
って言った方がわかりやすいかな。
→ 「紫色の顔の友達を助けたい」
留置所に入れられていたから。
ブログには、「獄中記」とかも書いてあるし。
マスコミに、どんなに酷い書かれ方をしたか、
って事も非常に詳しく書いてありますよ。
一部のマスコミに対しては、名誉毀損で勝訴しています。
これに関しては、以前にこのブログでも書いているので、
興味あったら読んでみて下さいね!
→ 「名誉毀損で医師が勝訴!」
講演を聞く前に、詳細な資料をブログで公開していますから。
もし良かったら、こちらを読んでから聞いて下さいね!
→ 「紫色の顔の友達を助けたい」
川嵜真先生は、ネット医師の中では有名人ですね。
「いのげ」っていうHNっす。
「杏林大学割り箸事件被告人支援の会」の会長で、
医療訴訟に関しても非常に詳しい方です。
「割り箸事件」は、この間、民事でも刑事でも、
勝訴していますよね。
中原のり子さんは、過労死した小児科医、
中原利郎先生の奥さんです。
医師の過労死をなくすために。
医療現場の過酷な状況を改善しようと、
精力的に頑張っている方です。
中原利郎先生の話は、私のブログでも何回か取り上げたけど。
まだ読んでないって人は、是非これだけでも読んでね!
「小児科医の遺言状」
小児科医師中原利郎先生の過労死認定を支援する会
のHPはこちらでーす!
→ 「小児科医師中原利郎先生の過労死認定を支援する会」
江原朗先生は、小児科医の先生です。
労働基準法の話とかは、超詳しいっすわ。
日本小児科学会のブレインとして活躍しておられて。
日本小児科学会が「労働時間は週58時間以内が基準」
っていう声明を出したんですけど。
この原案は、彼が考えたものですね。
医師が過労になると、効率が落ちるし、
医療ミスも増えるとか。
そういう論文を詳細なデーターを基に、
たくさん書いておられます。
詳しくは、江原朗先生のHPを見てね!
→ 「小児科医と労働基準」
そいで、澤田石順先生は、私のブログでも紹介した、
「リハビリ切り捨て、行政訴訟」
で、国を相手取って行政訴訟を起した先生です。
ちなみに、澤田石先生のHPは、こちら!
→ 『厚労省が推進する棄民政策』
最後に、木田博隆先生は、
福島県立大野病院産科医逮捕で、
かなり早い時期から疑問の声を上げた
グループのメンバーです。
医療管理学というアカデミックな立場から
「医師の自律と実践的倫理」について
お話しをされるようですね。
3時間で、6人。
その前にも、たくさんあるでしょうから。
時間が全然足りないんじゃないかな?
まあ、そこら辺はうまくやってくれるんでしょうけど。
楽しみなメンバーが揃っていますから。
興味のある人は、是非行ってみてね!
事前登録はこちらからお願いしまーす。
→ 『全国医師連盟 設立集会』
医者のホンネが知りたい人は、こちらから!
→ 『医者のホンネが丸わかり!(改)』
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6/8に東京で行われますよ!
「全国医師連盟」っていうのは、このブログでも
何回か取り上げていますけど。
開業医中心の「日本医師会」とは別の、
「患者の為の」、勤務医中心の団体です。
For the Patient
でしょうかね、かっこつけた言い方をすると。
もちろん、勤務医じゃなきゃ入れない、
っていう事はなくって。
日本の医師免許を持つ人で、
日本の医療を良くしたい。
っていう志のある人であれば、
勤務医でも開業医でも、入会資格はありますよ。
海外に住んでいるメンバーもいますよ、実際。
ちなみに、全国医師連盟のホームページはこれっすね。
→ 「全国医師連盟」
格好良いフラッシュも出来たようなので、
ここに貼っておきますね!
→ 「全国医師連盟の成り立ち」
◆全国医師連盟設立集会を
6/8(日)1300時~ 東京FMホールにて開催します。
参加の事前登録を開始しました。
〒102-0080 東京都千代田区麹町1丁目7番
FMセンター
参加費2000円
定員300名
参加資格は医師新組織の結成に賛同される方。
事前登録が必要です(先着順)。
医療関係者以外に一般の方、メディアにも公開します。
■主催者からの挨拶
■来賓挨拶、および挨拶紹介
■役員紹介
■設立集会プレゼンテーション
○佐藤一樹先生
【被告人の立場からみた
東京女子医大心臓手術事件の経緯】
○川嵜真先生
【被告人支援者医師の立場からみた
杏林大学割り箸事件の経緯】
○中原のり子様
【医師の過労と医療の改善~あなたの子どものいのち、
疲れ切った小児科医にまかせますか?~】
○江原朗先生
【医師の長時間勤務で医療安全は低下】
○澤田石順先生
【患者および医師の医療権を確立するための試み
-行政訴訟という手段-】
○木田博隆先生
【いまこそ医師の自律性が求められている
―実践的倫理事始め―】
事前登録はこちらからお願いします。
http://www.doctor2007.com/recommend4.html
今回講演を行ってくれる人、6人。
冷静に考えたら、全員会った事あるわ(笑)
佐藤一樹先生は、本名言われても
ピンと来ない人が多いかもしれないけど。
「東京女子医大の心臓手術事件」で、
トカゲのしっぽ切りにあって、
罪を被せられて訴えられた先生ですわ。
「紫色の顔の友達を助けたい」
ってブログを書いている人、
って言った方がわかりやすいかな。
→ 「紫色の顔の友達を助けたい」
留置所に入れられていたから。
ブログには、「獄中記」とかも書いてあるし。
マスコミに、どんなに酷い書かれ方をしたか、
って事も非常に詳しく書いてありますよ。
一部のマスコミに対しては、名誉毀損で勝訴しています。
これに関しては、以前にこのブログでも書いているので、
興味あったら読んでみて下さいね!
→ 「名誉毀損で医師が勝訴!」
講演を聞く前に、詳細な資料をブログで公開していますから。
もし良かったら、こちらを読んでから聞いて下さいね!
→ 「紫色の顔の友達を助けたい」
川嵜真先生は、ネット医師の中では有名人ですね。
「いのげ」っていうHNっす。
「杏林大学割り箸事件被告人支援の会」の会長で、
医療訴訟に関しても非常に詳しい方です。
「割り箸事件」は、この間、民事でも刑事でも、
勝訴していますよね。
中原のり子さんは、過労死した小児科医、
中原利郎先生の奥さんです。
医師の過労死をなくすために。
医療現場の過酷な状況を改善しようと、
精力的に頑張っている方です。
中原利郎先生の話は、私のブログでも何回か取り上げたけど。
まだ読んでないって人は、是非これだけでも読んでね!
「小児科医の遺言状」
小児科医師中原利郎先生の過労死認定を支援する会
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→ 「小児科医師中原利郎先生の過労死認定を支援する会」
江原朗先生は、小児科医の先生です。
労働基準法の話とかは、超詳しいっすわ。
日本小児科学会のブレインとして活躍しておられて。
日本小児科学会が「労働時間は週58時間以内が基準」
っていう声明を出したんですけど。
この原案は、彼が考えたものですね。
医師が過労になると、効率が落ちるし、
医療ミスも増えるとか。
そういう論文を詳細なデーターを基に、
たくさん書いておられます。
詳しくは、江原朗先生のHPを見てね!
→ 「小児科医と労働基準」
そいで、澤田石順先生は、私のブログでも紹介した、
「リハビリ切り捨て、行政訴訟」
で、国を相手取って行政訴訟を起した先生です。
ちなみに、澤田石先生のHPは、こちら!
→ 『厚労省が推進する棄民政策』
最後に、木田博隆先生は、
福島県立大野病院産科医逮捕で、
かなり早い時期から疑問の声を上げた
グループのメンバーです。
医療管理学というアカデミックな立場から
「医師の自律と実践的倫理」について
お話しをされるようですね。
3時間で、6人。
その前にも、たくさんあるでしょうから。
時間が全然足りないんじゃないかな?
まあ、そこら辺はうまくやってくれるんでしょうけど。
楽しみなメンバーが揃っていますから。
興味のある人は、是非行ってみてね!
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「夕張希望の杜」の村上智彦先生が、
ついに本を出版されましたよー!
その名も、「村上スキーム 地域医療再生の方程式」
夕張市って言うのは、民間企業で言う「倒産」
ともいえる、財政再建団体になった市なんですけど。
当然、そうなっちゃうと、病院も潰れて、
医療崩壊も起きてしまうんですよ。
夕張が潰れたのは、確かに国の政策や、
北海道のやり方にも問題があったのでしょう。
潰れるまで放っておいた、議員や市長にも
責任はあるでしょう。
でも、今までは病院も金もあって当然。
という考えだった、市民にも問題があると思います。
その夕張市に、村上智彦先生が赴任されました。
「医療法人財団夕張希望の杜」の理事長として。
今までは夕張市立病院っていう、
「総合病院」だったんですが。
「夕張医療センター」とは言っていますけど。
今のところ医師は3人だし。
言い方悪いけど、単なる「診療所」に
毛が生えたレベルですよ、これ。
まあ、老健施設もついていますけどね。
あ、悪い意味じゃないですからね。
村上先生、ごめんなさい。
今までは、市立病院で。
お金も出たんでしょうけど。
潰れた訳だから、当然お金もないんですよ。
しかも、単なる民間の診療所なんだから。
「透析ができないなんて、けしからん。」
「夜に救急が出来ないなんて、けしからん。」
って言ったって、しょうがないんですよ。
お金がないなら、ないなりの医療を
行うしかないんですよ。
ない物ねだりしても、無理なんですから。
村上先生は、私も尊敬する医師で。
たしかにスーパーマンかもしれませんが。
「神様」じゃないんですから。
打ち出の小槌を振ったら、お金が
無尽蔵に沸いて出るわけじゃないんですよ。
分身の術が使えるわけじゃないんですから、
いっぺんに1人でいろんな事が
できるわけがないんですよ。
もし、夕張の市民がいつまで経っても、
与えて貰って当然という態度を変えなければ。
村上先生は、あきれて夕張を去ってしまうでしょう。
1億円以上の個人補償をしているみたいですけど(汗)
でも、夕張市民も徐々に変わってきているみたいですね。
村上先生は、北海道の瀬棚町という小さな町で、
予防医療を実践した地域医療に取り組んで。
肺炎球菌ワクチンを導入したり、
町民に予防医療の事を啓蒙する事によって、
町の医療費を削減した、っていう実績があります。
そのやり方を生かして、夕張でも予防医療を中心とした
身の丈にあった医療をやっているようです。
その夕張での取り組みの元となる、
村上智彦先生の考え方が、
この「村上スキーム 地域医療再生の方程式」
という本に集約されていますよ。
夕張というのは、日本一高齢化の進んだ市ですから。
これからの日本の縮図とも言える市です。
予防医療を中心とした、夕張の取り組みのような医療で、
地域医療を崩壊から救えたらよいですね。
村上先生が赴任した後の夕張市民の変化は、
これを読んでみてね!
<尊敬できる患者さん>
1年前にはここで外来をやっていても
正直閉口したことが多々ありました。
時間外のコンビニ受診やまるで薬屋さんのように
「風邪をひいたら困るから
風邪薬をたくさん出して下さい」
という患者さんが沢山いました。
「病院は患者の欲しい薬を出すところだ!」
と大声で怒鳴る人や、
「血圧の薬はいらないから安定剤をください」
という自己判断をする人等
なるほど医師がいなくなった理由が良くわかりました。
しかし今は随分様変わりしました。
その様な患者さん達が他所へ
行っただけなのかもしれませんが、
驚くほど時間外の患者さんが減り、
救急車が減ったばかりではなく、血圧や血糖値等が
とても良い患者さんが多いので驚いています。
検査科の担当者もHbA1c(1ヶ月くらいの血糖値を
反映する数値で7以下が目標で
5.8以下なら優等生です)が良い人が
多くなったことに驚いています。
70歳過ぎの多くの人達がこの
HbA1c5.8-6.5位に納まっているのですから、
尊敬してしまいます。
生活習慣病は私達がどんなに頑張っても、
生活習慣である食事や運動が悪ければ
なかなか良くはなりません。
つい先日高血圧で通院中の
80代の男性患者さんが久しぶりに
外来へ来ていました。
投薬だけではなく、水分摂取、塩分、
食事療法、運動といったアドバイスを続けて
パンフレットを渡したりしていたのですが、
ある時から自宅で血圧を測定してもらうために
手帳を渡しました。
真面目に毎日血圧を測り外来に
持ってきてくださっていました。
徐々に血圧も安定し先日の外来での血圧は
134/65mmHg、自宅では120台となかなかの数値です。
最初は血圧手帳に数値を書き込んでいたのですが、
「見やすいのでグラフにしてみては?」
とお願いしてみたところ、次の外来から
手帳の血圧は折れ線グラフになってきていました。
そして先日の外来で驚いたのが
自宅での血圧のグラフが手書きの手帳から
A4に印刷された立派なグラフになっていたのです。
お聞きすると
「血圧をグラフにするソフトを見つけたので、
パソコンにインストールして作ってきた」
との事でした。
聞くと80の手習いでパソコンを始めて、
周囲に聞きながら
グラフを作ってきたのだそうです。
素晴らしいと思いませんか?
このような人が多くなれば、
きっとここで働く医師や看護師はやる気が出て、
患者数が多くてもそんなに疲れを感じないと思います。
実際随分患者さんが増えて
忙しい外来になってきましたが、
そんな患者さんが増えた事で
随分気分的に楽しく仕事ができています。
おそらく多くの医師は昼間の外来が忙しくても
熱心な患者さんが多ければやる気が出ますし、
夜間に重症の患者さんが来ても
あまりストレスは感じません。
しかし時間外に軽症の方がたくさん来て
眠れない日が続くと
とてもストレスを感じてしまうと思います。
多くの場合、健康や病気に関心がない方に限って
時間外に受診して権利を主張します。
夕張の患者さんのうち3000人位の人達が
外来通院して下さる様になりましたが、
他の2人の医師に聞いても「良い患者さんが多い」
という感想です。
「医師は患者に育てられる」
という言葉を聞いたことがありますが、
最近の外来をやっていてそんな言葉を思い出しています。
研修の方も増え、他の施設との連携や
町の中の行事への参加といった
機会も増えてきました。
まだ1年生のうちの法人ですが、
徐々に成長している様に思えます。
これから法人の将来を左右するような
大きな課題に取り組みますが、
権利ばかり主張して過去の栄光に
しがみ付いている人達よりも、自分自身で
健康作りをして医療費を削減しているような
「頑張っている人達が報われる地域」
にしていきたいと思っています。
医療法人財団 夕張希望の杜
理事長 村上智彦
参照:『夕張市立総合病院を引継いだ「夕張希望の杜」の毎日』
まあ、村上先生だからできた。
って事もあるんでしょうけど。
村上先生のようなスーパーマンがいなくても、
柏原や東金のように、住民達が自分たちの意志で
変化したところもありますからね。
村上先生は、マスコミで「赤ひげ」
とか言われてる事もありますけど。
本人は「赤ひげ」嫌いっすからね。
マスコミは「神の手を持つ医師」とか、
「赤ひげ」のような
医師を求めているのかもしれませんが。
本当に地域医療に必要なのは、
1人の特別な医師ではないと思いますよ、私は。
みなさんも「村上スキーム」を読んで、
人ごとだと思っていないで、
地域医療を崩壊から救って下さいね!
→ 村上スキーム 地域医療再生の方程式
村上先生は予防医療を中心に市民に広めたり、
マスコミを上手に利用したりとか。
私がやりたい事を既に実践されて、
しかも実績を上げている方ですから。
ホント、すごいっすわ。
私は、ブログやメルマガなど、
ネットを中心とした活動がメインなのですが。
方向性が一緒なので、注目しています。
一回だけお話しした事があるんですが。
ホント、テレビに出ているそのまんまの感じ。
すごーく腰が低くて、良い先生でしたよ。
一部、バッシング等もあるようですけど。
まあ、有名税って事で。
無視してりゃ良いんじゃないっすかね。
もっと村上先生の話が読みたい人は、このメルマガを読んでね!
→ 『夕張市立総合病院を引継いだ「夕張希望の杜」の毎日』
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ついに本を出版されましたよー!
その名も、「村上スキーム 地域医療再生の方程式」
夕張市って言うのは、民間企業で言う「倒産」
ともいえる、財政再建団体になった市なんですけど。
当然、そうなっちゃうと、病院も潰れて、
医療崩壊も起きてしまうんですよ。
夕張が潰れたのは、確かに国の政策や、
北海道のやり方にも問題があったのでしょう。
潰れるまで放っておいた、議員や市長にも
責任はあるでしょう。
でも、今までは病院も金もあって当然。
という考えだった、市民にも問題があると思います。
その夕張市に、村上智彦先生が赴任されました。
「医療法人財団夕張希望の杜」の理事長として。
今までは夕張市立病院っていう、
「総合病院」だったんですが。
「夕張医療センター」とは言っていますけど。
今のところ医師は3人だし。
言い方悪いけど、単なる「診療所」に
毛が生えたレベルですよ、これ。
まあ、老健施設もついていますけどね。
あ、悪い意味じゃないですからね。
村上先生、ごめんなさい。
今までは、市立病院で。
お金も出たんでしょうけど。
潰れた訳だから、当然お金もないんですよ。
しかも、単なる民間の診療所なんだから。
「透析ができないなんて、けしからん。」
「夜に救急が出来ないなんて、けしからん。」
って言ったって、しょうがないんですよ。
お金がないなら、ないなりの医療を
行うしかないんですよ。
ない物ねだりしても、無理なんですから。
村上先生は、私も尊敬する医師で。
たしかにスーパーマンかもしれませんが。
「神様」じゃないんですから。
打ち出の小槌を振ったら、お金が
無尽蔵に沸いて出るわけじゃないんですよ。
分身の術が使えるわけじゃないんですから、
いっぺんに1人でいろんな事が
できるわけがないんですよ。
もし、夕張の市民がいつまで経っても、
与えて貰って当然という態度を変えなければ。
村上先生は、あきれて夕張を去ってしまうでしょう。
1億円以上の個人補償をしているみたいですけど(汗)
でも、夕張市民も徐々に変わってきているみたいですね。
村上先生は、北海道の瀬棚町という小さな町で、
予防医療を実践した地域医療に取り組んで。
肺炎球菌ワクチンを導入したり、
町民に予防医療の事を啓蒙する事によって、
町の医療費を削減した、っていう実績があります。
そのやり方を生かして、夕張でも予防医療を中心とした
身の丈にあった医療をやっているようです。
その夕張での取り組みの元となる、
村上智彦先生の考え方が、
この「村上スキーム 地域医療再生の方程式」
という本に集約されていますよ。
夕張というのは、日本一高齢化の進んだ市ですから。
これからの日本の縮図とも言える市です。
予防医療を中心とした、夕張の取り組みのような医療で、
地域医療を崩壊から救えたらよいですね。
村上先生が赴任した後の夕張市民の変化は、
これを読んでみてね!
<尊敬できる患者さん>
1年前にはここで外来をやっていても
正直閉口したことが多々ありました。
時間外のコンビニ受診やまるで薬屋さんのように
「風邪をひいたら困るから
風邪薬をたくさん出して下さい」
という患者さんが沢山いました。
「病院は患者の欲しい薬を出すところだ!」
と大声で怒鳴る人や、
「血圧の薬はいらないから安定剤をください」
という自己判断をする人等
なるほど医師がいなくなった理由が良くわかりました。
しかし今は随分様変わりしました。
その様な患者さん達が他所へ
行っただけなのかもしれませんが、
驚くほど時間外の患者さんが減り、
救急車が減ったばかりではなく、血圧や血糖値等が
とても良い患者さんが多いので驚いています。
検査科の担当者もHbA1c(1ヶ月くらいの血糖値を
反映する数値で7以下が目標で
5.8以下なら優等生です)が良い人が
多くなったことに驚いています。
70歳過ぎの多くの人達がこの
HbA1c5.8-6.5位に納まっているのですから、
尊敬してしまいます。
生活習慣病は私達がどんなに頑張っても、
生活習慣である食事や運動が悪ければ
なかなか良くはなりません。
つい先日高血圧で通院中の
80代の男性患者さんが久しぶりに
外来へ来ていました。
投薬だけではなく、水分摂取、塩分、
食事療法、運動といったアドバイスを続けて
パンフレットを渡したりしていたのですが、
ある時から自宅で血圧を測定してもらうために
手帳を渡しました。
真面目に毎日血圧を測り外来に
持ってきてくださっていました。
徐々に血圧も安定し先日の外来での血圧は
134/65mmHg、自宅では120台となかなかの数値です。
最初は血圧手帳に数値を書き込んでいたのですが、
「見やすいのでグラフにしてみては?」
とお願いしてみたところ、次の外来から
手帳の血圧は折れ線グラフになってきていました。
そして先日の外来で驚いたのが
自宅での血圧のグラフが手書きの手帳から
A4に印刷された立派なグラフになっていたのです。
お聞きすると
「血圧をグラフにするソフトを見つけたので、
パソコンにインストールして作ってきた」
との事でした。
聞くと80の手習いでパソコンを始めて、
周囲に聞きながら
グラフを作ってきたのだそうです。
素晴らしいと思いませんか?
このような人が多くなれば、
きっとここで働く医師や看護師はやる気が出て、
患者数が多くてもそんなに疲れを感じないと思います。
実際随分患者さんが増えて
忙しい外来になってきましたが、
そんな患者さんが増えた事で
随分気分的に楽しく仕事ができています。
おそらく多くの医師は昼間の外来が忙しくても
熱心な患者さんが多ければやる気が出ますし、
夜間に重症の患者さんが来ても
あまりストレスは感じません。
しかし時間外に軽症の方がたくさん来て
眠れない日が続くと
とてもストレスを感じてしまうと思います。
多くの場合、健康や病気に関心がない方に限って
時間外に受診して権利を主張します。
夕張の患者さんのうち3000人位の人達が
外来通院して下さる様になりましたが、
他の2人の医師に聞いても「良い患者さんが多い」
という感想です。
「医師は患者に育てられる」
という言葉を聞いたことがありますが、
最近の外来をやっていてそんな言葉を思い出しています。
研修の方も増え、他の施設との連携や
町の中の行事への参加といった
機会も増えてきました。
まだ1年生のうちの法人ですが、
徐々に成長している様に思えます。
これから法人の将来を左右するような
大きな課題に取り組みますが、
権利ばかり主張して過去の栄光に
しがみ付いている人達よりも、自分自身で
健康作りをして医療費を削減しているような
「頑張っている人達が報われる地域」
にしていきたいと思っています。
医療法人財団 夕張希望の杜
理事長 村上智彦
参照:『夕張市立総合病院を引継いだ「夕張希望の杜」の毎日』
まあ、村上先生だからできた。
って事もあるんでしょうけど。
村上先生のようなスーパーマンがいなくても、
柏原や東金のように、住民達が自分たちの意志で
変化したところもありますからね。
村上先生は、マスコミで「赤ひげ」
とか言われてる事もありますけど。
本人は「赤ひげ」嫌いっすからね。
マスコミは「神の手を持つ医師」とか、
「赤ひげ」のような
医師を求めているのかもしれませんが。
本当に地域医療に必要なのは、
1人の特別な医師ではないと思いますよ、私は。
みなさんも「村上スキーム」を読んで、
人ごとだと思っていないで、
地域医療を崩壊から救って下さいね!
→ 村上スキーム 地域医療再生の方程式
村上先生は予防医療を中心に市民に広めたり、
マスコミを上手に利用したりとか。
私がやりたい事を既に実践されて、
しかも実績を上げている方ですから。
ホント、すごいっすわ。
私は、ブログやメルマガなど、
ネットを中心とした活動がメインなのですが。
方向性が一緒なので、注目しています。
一回だけお話しした事があるんですが。
ホント、テレビに出ているそのまんまの感じ。
すごーく腰が低くて、良い先生でしたよ。
一部、バッシング等もあるようですけど。
まあ、有名税って事で。
無視してりゃ良いんじゃないっすかね。
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モンスター患者(モンスターペイシェント)
に関しての調査結果が出ましたね。
愛知県医師会が行ったやつですわ。
「モンスターペイシェント」、「モンスター患者」っていうのは。
病院などで不当なクレームや要求をしたり、
暴力をふるったりする人達(患者)の事を言います。
直訳すると、Monster patient(怪物患者)
って事になりますかね。
前に私が「モンスターペイシェント」の記事を書いたのが、
2007/08/19なんですよ。
参照: 『モンスターペイシェント』
その時には、ネット上には「モンスターペイシェント」
っていう言葉はあったけど。
新聞などの公のメディアでは、まだ出ていませんでした。
そのちょっと後に、新聞やyahooニュースとかで、
「モンスターペイシェント」、「モンスター患者」
っていう言葉が出てきたようなので。
これらの言葉が広まったのは、ここ一年以内。
って事ですよね。
「モンスターペアレント」って言葉はそれ以前、
多分それもここ1,2年くらいだとは思いますけど。
その後ですよね。
「モンスターペイシェント」、「モンスター患者」
って言葉が出来たのは。
医療や病院に出てくる問題っていうのは、
教育や学校の問題と似ている。
というか、その後に続いているようですよねー。
学校崩壊 → 医療崩壊
モンスターペアレント → モンスターペイシェント
教師のうつ病等の問題 → 医師のうつ病等の問題
うーん、そっくり。
日本の教育費にかけるお金が、GDP比では、
他の先進国と比べて安いっていうのも、
医療費が安い、っていうのと共通するものがありますよね。
だったら、教育とか学校で以前にでてきて、
その解決策とかがある問題なら、真似すれば良いのに。
とか、個人的には思うんですけどねー。
きっと、学校や教育でも、解決策はないのでしょうねー。
どっちも、「社会」の問題ですからね、基本的には。
「モンスターペイシェント」、「モンスター患者」
の話は、最近マスコミでも良くでてきますけど。
実際に都道府県単位できちんとした調査を行った。
っていうのは珍しいみたいですから。
ここでも紹介しますね。
7割が「モンスター患者」被害
愛知県内の病院調査
愛知県内の7割の病院が、この2年間で
患者側から暴言・暴力を受けたことが
県医師会の調べで分かった。
教育現場で無理難題を持ち出す
「モンスターペアレント」と同じように、
医療現場で暴言・暴力を振るう患者は
「モンスター患者」とも呼ばれる。
医師会単位のこうした調査は全国的に珍しいという。
県内全340病院(20床以上)を対象に2月から調査。
4月23日までに147病院(43%)から
回答を得て、31日に中間結果を公表した。
「過去2年間で患者側から暴言・暴力を受けた」
のは106病院(72%)。
そのうち暴言の被害の頻度は
「1カ月に1、2回」が医師で10%、
看護師で31%あった。
暴力は「1カ月に1、2回」「半年に1、2回」
「1年に1、2回」を合わせ、
医師31%、看護師60%。
被害に遭った病院の6割が
「過去3年間で暴言・暴力が増加した」と感じている。
暴言・暴力を患者から受けた場所は、
受付窓口が最も多く、
救急・時間外窓口、一般外来が続く。
病院外という回答も1割弱あった。
対策として65病院が
「弁護士に相談する体制を取っている」と回答。
10病院が「警察OBを雇用」している。
◆暴言・暴力・無理な要求
愛知県医師会の今回の調べで、
「モンスター患者」が身近に存在することが、
あらためて浮き彫りになった。
具体例として挙げられたのは、
入院患者が点滴などの器具を指して
「こんなものは意味ないから外せ」
と看護師らを呼びつけて怒鳴り飛ばしたり、
外来で診療の順番待ちを我慢できず、
「受付をしたのになぜ診療しない」
と怒りだして詰め寄ったりしたケース。
救急車で搬送された患者が、
軽度で入院の必要はないとの診断を受けると、
「病院の公用車で自宅まで送れ」
と無理な要求をすることもあったという。
全国的にも「態度が気に入らない」という理由で
医師を殴ったりけったりする暴力は後を絶たない。
調査を担当した同医師会勤務医部会顧問の
宮治真(みやじまこと)さんは
「医療側が反省すべき点もあるが、
度を越す暴言・暴力が見られるのも確かで、
病院医療崩壊の一因」と話す。
参照: 『2008.6.1:中日新聞)』
暴言っていうのは、どういう発言の事を言うのか。
っていう定義があいまいですから。
なんとも言えない部分がありますけどね。
はっきり言って、単なるわがままを言った。
ってだけの事も含まれているかもしれないし。
明らかな、誹謗中傷のたぐいもあるでしょうからね。
でも、「暴力」に関しては、
問題ないでしょうからね。
それに関しては、非常に信頼性が高いと思いますが。
暴力を受けた事がある人も、
結構いるんですねー。
>暴力は「1カ月に1、2回」「半年に1、2回」
「1年に1、2回」を合わせ、医師31%、看護師60%。
実は、私もあります(涙)
以前(2007年8月)に読売新聞が行った調査でも、
だいたい同じ様な結果でしたね。
参照: 『モンスターペイシェント』
全国の大学病院で、昨年1年間に医師、看護師が
患者や家族から暴力を受けたケースは、
少なくとも約430件
調査は、先月から今月にかけ、47都道府県にある
79の大学病院を対象に行い、
59病院から回答があった。
このうち、何らかの暴力あるいは暴言があった
と回答した病院は54にのぼる。
暴力430件、暴言990件
この時は、79病院中59病院だったから。
75%って事ですか。
愛知県では72%ですから。
だいたい、同じ様なもんですかね。
過去1年ってのと、過去2年との違いとか。
件数とかの違いはあるんでしょうけどね。
調査の仕方の問題とかもあるんでしょうけど。
だいたい、70%位の病院が、
「モンスターペイシェント」、「モンスター患者」
の被害にあった事がある。
っていう事は言えそうですね。
「モンスターペイシェント」、「モンスター患者」
っていう言葉が出来たのは最近ですけど。
個人的には、あんまり好きな言葉ではありません。
でも、いろんなマスコミとかでも出てきて、
この言葉でだいたい意味が通じて。
それ以上にわかりやすい言葉もないようなので。
この言葉を使っていきますけど。
「モンスターペイシェント」、「モンスター患者」
のような患者は、昔からいるんですよ。
残念ながら。
ただ、社会の問題って言うかなんというか。
自己主張をする人、わがままを言う人が増えてきたかな、
っていうのは、なんとなく思いますね。
「自己主張」と「わがまま」とは、
全然違うものなんですけどね。
でも、きちんとした教育を受けていないのか、
甘やかされて育ったのか。
なんだか知りませんけどね。
権利ばっかり主張して、義務を果たしていない。
っていう人が増えたように思いますね。
まあ、こういうのは、病院に限らないのでしょうけど。
なにか問題があったら、
それは全部医者のせいだ、病院のせいだ。
っていう考え方は、間違っていると思いますよ。
だって、病院に来るっていう事は、
なにか病気とかがあって来るんだから。
予期しない出来事とか、
死につながる事もあるかもしれないし。
病気の人が病院に来た瞬間に、
不死身になる訳がないんですから。
もっと病院について知りたい人は、こちらからね!
→ 「大学病院のうそ」 ~現役医師(Dr. I)が暴露する、大学病院の秘密
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に関しての調査結果が出ましたね。
愛知県医師会が行ったやつですわ。
「モンスターペイシェント」、「モンスター患者」っていうのは。
病院などで不当なクレームや要求をしたり、
暴力をふるったりする人達(患者)の事を言います。
直訳すると、Monster patient(怪物患者)
って事になりますかね。
前に私が「モンスターペイシェント」の記事を書いたのが、
2007/08/19なんですよ。
参照: 『モンスターペイシェント』
その時には、ネット上には「モンスターペイシェント」
っていう言葉はあったけど。
新聞などの公のメディアでは、まだ出ていませんでした。
そのちょっと後に、新聞やyahooニュースとかで、
「モンスターペイシェント」、「モンスター患者」
っていう言葉が出てきたようなので。
これらの言葉が広まったのは、ここ一年以内。
って事ですよね。
「モンスターペアレント」って言葉はそれ以前、
多分それもここ1,2年くらいだとは思いますけど。
その後ですよね。
「モンスターペイシェント」、「モンスター患者」
って言葉が出来たのは。
医療や病院に出てくる問題っていうのは、
教育や学校の問題と似ている。
というか、その後に続いているようですよねー。
学校崩壊 → 医療崩壊
モンスターペアレント → モンスターペイシェント
教師のうつ病等の問題 → 医師のうつ病等の問題
うーん、そっくり。
日本の教育費にかけるお金が、GDP比では、
他の先進国と比べて安いっていうのも、
医療費が安い、っていうのと共通するものがありますよね。
だったら、教育とか学校で以前にでてきて、
その解決策とかがある問題なら、真似すれば良いのに。
とか、個人的には思うんですけどねー。
きっと、学校や教育でも、解決策はないのでしょうねー。
どっちも、「社会」の問題ですからね、基本的には。
「モンスターペイシェント」、「モンスター患者」
の話は、最近マスコミでも良くでてきますけど。
実際に都道府県単位できちんとした調査を行った。
っていうのは珍しいみたいですから。
ここでも紹介しますね。
7割が「モンスター患者」被害
愛知県内の病院調査
愛知県内の7割の病院が、この2年間で
患者側から暴言・暴力を受けたことが
県医師会の調べで分かった。
教育現場で無理難題を持ち出す
「モンスターペアレント」と同じように、
医療現場で暴言・暴力を振るう患者は
「モンスター患者」とも呼ばれる。
医師会単位のこうした調査は全国的に珍しいという。
県内全340病院(20床以上)を対象に2月から調査。
4月23日までに147病院(43%)から
回答を得て、31日に中間結果を公表した。
「過去2年間で患者側から暴言・暴力を受けた」
のは106病院(72%)。
そのうち暴言の被害の頻度は
「1カ月に1、2回」が医師で10%、
看護師で31%あった。
暴力は「1カ月に1、2回」「半年に1、2回」
「1年に1、2回」を合わせ、
医師31%、看護師60%。
被害に遭った病院の6割が
「過去3年間で暴言・暴力が増加した」と感じている。
暴言・暴力を患者から受けた場所は、
受付窓口が最も多く、
救急・時間外窓口、一般外来が続く。
病院外という回答も1割弱あった。
対策として65病院が
「弁護士に相談する体制を取っている」と回答。
10病院が「警察OBを雇用」している。
◆暴言・暴力・無理な要求
愛知県医師会の今回の調べで、
「モンスター患者」が身近に存在することが、
あらためて浮き彫りになった。
具体例として挙げられたのは、
入院患者が点滴などの器具を指して
「こんなものは意味ないから外せ」
と看護師らを呼びつけて怒鳴り飛ばしたり、
外来で診療の順番待ちを我慢できず、
「受付をしたのになぜ診療しない」
と怒りだして詰め寄ったりしたケース。
救急車で搬送された患者が、
軽度で入院の必要はないとの診断を受けると、
「病院の公用車で自宅まで送れ」
と無理な要求をすることもあったという。
全国的にも「態度が気に入らない」という理由で
医師を殴ったりけったりする暴力は後を絶たない。
調査を担当した同医師会勤務医部会顧問の
宮治真(みやじまこと)さんは
「医療側が反省すべき点もあるが、
度を越す暴言・暴力が見られるのも確かで、
病院医療崩壊の一因」と話す。
参照: 『2008.6.1:中日新聞)』
暴言っていうのは、どういう発言の事を言うのか。
っていう定義があいまいですから。
なんとも言えない部分がありますけどね。
はっきり言って、単なるわがままを言った。
ってだけの事も含まれているかもしれないし。
明らかな、誹謗中傷のたぐいもあるでしょうからね。
でも、「暴力」に関しては、
問題ないでしょうからね。
それに関しては、非常に信頼性が高いと思いますが。
暴力を受けた事がある人も、
結構いるんですねー。
>暴力は「1カ月に1、2回」「半年に1、2回」
「1年に1、2回」を合わせ、医師31%、看護師60%。
実は、私もあります(涙)
以前(2007年8月)に読売新聞が行った調査でも、
だいたい同じ様な結果でしたね。
参照: 『モンスターペイシェント』
全国の大学病院で、昨年1年間に医師、看護師が
患者や家族から暴力を受けたケースは、
少なくとも約430件
調査は、先月から今月にかけ、47都道府県にある
79の大学病院を対象に行い、
59病院から回答があった。
このうち、何らかの暴力あるいは暴言があった
と回答した病院は54にのぼる。
暴力430件、暴言990件
この時は、79病院中59病院だったから。
75%って事ですか。
愛知県では72%ですから。
だいたい、同じ様なもんですかね。
過去1年ってのと、過去2年との違いとか。
件数とかの違いはあるんでしょうけどね。
調査の仕方の問題とかもあるんでしょうけど。
だいたい、70%位の病院が、
「モンスターペイシェント」、「モンスター患者」
の被害にあった事がある。
っていう事は言えそうですね。
「モンスターペイシェント」、「モンスター患者」
っていう言葉が出来たのは最近ですけど。
個人的には、あんまり好きな言葉ではありません。
でも、いろんなマスコミとかでも出てきて、
この言葉でだいたい意味が通じて。
それ以上にわかりやすい言葉もないようなので。
この言葉を使っていきますけど。
「モンスターペイシェント」、「モンスター患者」
のような患者は、昔からいるんですよ。
残念ながら。
ただ、社会の問題って言うかなんというか。
自己主張をする人、わがままを言う人が増えてきたかな、
っていうのは、なんとなく思いますね。
「自己主張」と「わがまま」とは、
全然違うものなんですけどね。
でも、きちんとした教育を受けていないのか、
甘やかされて育ったのか。
なんだか知りませんけどね。
権利ばっかり主張して、義務を果たしていない。
っていう人が増えたように思いますね。
まあ、こういうのは、病院に限らないのでしょうけど。
なにか問題があったら、
それは全部医者のせいだ、病院のせいだ。
っていう考え方は、間違っていると思いますよ。
だって、病院に来るっていう事は、
なにか病気とかがあって来るんだから。
予期しない出来事とか、
死につながる事もあるかもしれないし。
病気の人が病院に来た瞬間に、
不死身になる訳がないんですから。
もっと病院について知りたい人は、こちらからね!
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