やりましたよー。
ついに。
ついに、福島大野病院事件で、
福島地検が控訴を断念しましたよー。
一応、加藤先生の無罪が確定するのは、
控訴期限の9月3日以降なんですけど。
福島地検が断念する、って言っていますから。
もう、確定でしょう。
本当は、「加藤先生の無罪確定」
ってタイトルにしたかったんですけどね。
昨日の段階では、まだ、
「控訴断念の方向で検討」って事でしたけど。
今日のは、確実なものだと思います。
産科医の無罪確定へ
=帝王切開死、検察が控訴断念
-「今後は慎重に捜査」・福島
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080829-00000112-jij-soci
福島県立大野病院で2004年、帝王切開手術を受けた女性
=当時(29)=が大量出血して死亡した事故で、
業務上過失致死と医師法違反の罪に問われた
執刀医加藤克彦被告(40)を無罪とした
福島地裁判決について、福島地検は29日、
控訴の断念を決めた。
控訴期限の9月3日が過ぎれば、無罪が確定する。
同地検の村上満男次席検事は
「裁判所が要求したほとんどのものが従っているという
一般性のある医学的準則も一つの考え方。
過失と(医師の)注意義務をどうとらえるかで、
検察と異なっていた」と説明。
控訴しても、裁判所の判断を覆すことは困難とした。
加藤被告の逮捕、起訴について
「法律と証拠に基づいてやった。判断としては間違っていない」
としたが、
「今後はより慎重、適切な捜査をしたい」
と述べた。
「2008年8月29日:時事通信」
まあ、裁判官があれだけ検察側に気を遣って。
そいで、検察側の主張も最大限に
取り入れてあげても、無罪。
っていう判決でしたからね。
いくら福島地検でも、勝ち目はない、
って事がわかったんでしょう。
まあ、実際は仙台高検と相談して、って事ですから。
仙台高検の意向の方が強かったかもしれませんけどね。
良くわかんないけど。
それにしても、福島地検はこの後に及んで、
>加藤被告の逮捕、起訴について
「法律と証拠に基づいてやった。
判断としては間違っていない」
って言って、何の反省もしていないのは、
ちょっと問題があるとは思いますがね。
とりあえず、検察が控訴しなければ、
加藤先生の無罪は確定しますので。
良かったですわ。。
控訴断念の署名運動には乗り遅れちゃって、
どうしようかと思ったのですがw
やっと一段落ついて、加藤先生。
ホントにお疲れ様でした。
医者のホンネが知りたい人は、こちらから!
→ 『医者のホンネが丸わかり!(改)』
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ついに。
ついに、福島大野病院事件で、
福島地検が控訴を断念しましたよー。
一応、加藤先生の無罪が確定するのは、
控訴期限の9月3日以降なんですけど。
福島地検が断念する、って言っていますから。
もう、確定でしょう。
本当は、「加藤先生の無罪確定」
ってタイトルにしたかったんですけどね。
昨日の段階では、まだ、
「控訴断念の方向で検討」って事でしたけど。
今日のは、確実なものだと思います。
産科医の無罪確定へ
=帝王切開死、検察が控訴断念
-「今後は慎重に捜査」・福島
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080829-00000112-jij-soci
福島県立大野病院で2004年、帝王切開手術を受けた女性
=当時(29)=が大量出血して死亡した事故で、
業務上過失致死と医師法違反の罪に問われた
執刀医加藤克彦被告(40)を無罪とした
福島地裁判決について、福島地検は29日、
控訴の断念を決めた。
控訴期限の9月3日が過ぎれば、無罪が確定する。
同地検の村上満男次席検事は
「裁判所が要求したほとんどのものが従っているという
一般性のある医学的準則も一つの考え方。
過失と(医師の)注意義務をどうとらえるかで、
検察と異なっていた」と説明。
控訴しても、裁判所の判断を覆すことは困難とした。
加藤被告の逮捕、起訴について
「法律と証拠に基づいてやった。判断としては間違っていない」
としたが、
「今後はより慎重、適切な捜査をしたい」
と述べた。
「2008年8月29日:時事通信」
まあ、裁判官があれだけ検察側に気を遣って。
そいで、検察側の主張も最大限に
取り入れてあげても、無罪。
っていう判決でしたからね。
いくら福島地検でも、勝ち目はない、
って事がわかったんでしょう。
まあ、実際は仙台高検と相談して、って事ですから。
仙台高検の意向の方が強かったかもしれませんけどね。
良くわかんないけど。
それにしても、福島地検はこの後に及んで、
>加藤被告の逮捕、起訴について
「法律と証拠に基づいてやった。
判断としては間違っていない」
って言って、何の反省もしていないのは、
ちょっと問題があるとは思いますがね。
とりあえず、検察が控訴しなければ、
加藤先生の無罪は確定しますので。
良かったですわ。。
控訴断念の署名運動には乗り遅れちゃって、
どうしようかと思ったのですがw
やっと一段落ついて、加藤先生。
ホントにお疲れ様でした。
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8/20,福島大野病院事件の判決に合わせて、
福島で行われたシンポジウム。
「福島大野事件が地域産科医療にもたらした影響を考える」
の傍聴記です。
『8.20、福島のシンポジウム0』
『8/20,福島のシンポ1』
『8/20,福島のシンポジウム2』
の続きっす。
今回も、順番が違って申し訳ないんですが。
昨日は当直で、夜中のコンビニ受診のおかげで、
ほとんど寝ていなくって。
その前の日も、夜中に呼び出されて、
寝不足で頭が働かないんで。
つよぽん先生に書いて頂いた、
福島のシンポジウムの傍聴記をアップしますね。
-困っている女性たちの声-
宮崎弘美(ママブルーネットワーク代表)
私はママブルーネットワークという団体で、
産後のうつ病の女性と家族を2
004年から支援しています。
今日この場に、なぜ私が呼ばれたのかと考えました。
私たちのところには心の病を持った
お母さんたちの相談がたくさん持ち込まれます。
その中には医療者とのトラブルもたくさんあります。
そういった事で呼ばれたのかなと感じています。
まずママブルーネットワークの紹介です。
インターネットの情報交換を中心に活動しています。
会員は4000名ほど、毎日悩みなどの
情報交換をしています。
インターネット以外では、私が福島市在住で、
福島市を活動拠点にしています。
0歳児のお母さんたちの中にも
孤立してしまう産後うつ予備軍がいるんじゃないか、
そういうお母さんたちのリフレッシュ、
リラクゼーションと情報交換のための
「ママサロン」を月に1回、
第1木曜日に開催しています。
医療者とママの間に大きな溝があると感じます。
そもそも両者がものを見る視点が違う、
言語が違う、同じ日本語を話しているのに
なんでこんなに通じないんだろう
と思うことが多いです。
その溝を少しでも埋める活動を、
と両者の間に入って中間管理職的な位置で
奮闘しています。
両者のコミュニケーションを取ろうという目的で、
産後うつから回復したママたちの体験談を
8月に本にして出版しました。
健康なママ、産後うつのママ、
両方に共通する悩みが2点あります。
ひとつめは、ママ自身が体調を崩したときに
赤ちゃんをあずけて医療機関に
行くことが出来ないという問題。
実家や一時保育に預ける?
急な体調変化のときに実家の母も
用事があるかもしれない、一時保育も
事前に予約をしなければならない。
急に頼んでオーケーというわけではない。
産後のうつなどでは治療が長期にわたったりして
家族全部が倒れるような状況になりえます。
ママたちが望んでいること。
受診時の数十分をその医療機関で
赤ちゃんを見ていてもらえる
スペースがあればいいのに、と思います。
これはママたちのニーズ。
そのニーズに耳を傾けないでいるのは、
お客様を逃していると言うことだと思います。
福島ではないけれど「お子様広場」
というのを作ってニーズに応えている医療機関もあり、
そういうところは人気があり繁盛しています。
ママが受診しやすい医療環境を作ってもらいたい。
二つめはコミュニケーションの不足の問題。
診察の段階で「傷ついた」
と感じるママがたくさんいます。
あるママの例。
ある病院で離乳食や赤ちゃんの
服薬の仕方を指導してもらっていた。
転居にともなって次にかかった病院で、
同じ感覚で小児科の先生に相談したら
「そんなことをボクに聞かれても困るよ。
そういうことは保健師さんや
市の相談窓口で聞いたらどう?」
と言われたそうです。
先生にしてみれば、本当にわからないからそう言った、
当然の正しい対応なのかもしれないのですが、
言われたママはビックリしました。
先生は専門家だ、と思いこんでいたから
とてもがっかりしたそうです。
別な例では、病気のお子さんを持つママが
いろいろな医療機関で医師ごとに
違うことを言われて混乱し、
わけがわからなくなってしまったケース。
また、心に病気を持つお母さん。
「服薬するなら母乳をやめなさい。」と指導される。
その場で医師に向かってはにっこり笑って
「はい、わかりました。そうします。」
と言いながらも、その後実は私たちのところに来て
「こういうことを言われた。
あそこの病院にはもう行かない。
先生は何もわかってない。」と言う。
産婦人科では「母乳をあげなきゃだめ。」
みたいな指導を受け、今度は「やめろ」と言われる。
そういう診療科間の連携のなさ、
先生ごとの意見の違いで
信頼は失われていきます。
そういったとき、私たち自助グループはどうするか。
最初は体験をお話します。
そして「先生と何度も何度も話をして
納得して結局は服薬をしたほうがいいんだよ。」
とお話します。
何回もお話をすれば最終的に
ママたちはわかってくれるんです。
彼女たちも治りたいんですから。
コミュニケーションがないままに
“正しいこと”を言われたり“指導”をされても
お母さんたちの心には響かない。
指導にも従わず、信頼は失われていく、
ということを是非是非知っていただきたいと思います。
発起人の野村先生が、講演者が医療従事者
だけにならないように、って事で。
相当苦労して、この方に講演をしていただいた様ですね。
おっしゃっている事は、すごくわかります。
医者の方も、患者さんと信頼関係を築きたいんですよ。
でもね、一回の診察で30分お話しできれば、
お互いに納得して信頼関係を築くことができるかもしれないけど。
一回、3分では無理、っていう事もあるんですよ。
それは、医師の数が不足しているからなんですよ。
そういう事もある、っていう事を
患者さんの側にも理解していただきたいなー、
って思います。
まあ、この後の質疑応答のところでも、
そういう話が出てくるんですけどね。
ちなみに、ちょうど良いタイミングで、
今日のyahooヘッドラインに「産後うつ」
についての記事が出ていたので。
紹介してみますね。
妊産婦の「心」ケア
宿泊型施設を設立 厚労省、来年度から
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080828-00000092-san-soci
出産前のマタニティーブルーや
産後の鬱(うつ)に陥っている妊産婦を
サポートするため、厚生労働省は
精神科の医師や助産師を配置した宿泊型の
「ケアセンター」(仮称)を来年度から
全国数カ所に設立することを決めた。
少子化対策の一環で、心身が不安定になりがちな
産前産後の母親に地域の受け皿を提供し、
安心して産み育ててもらうのが狙い。
産後うつを原因とする育児放棄や
虐待の防止にもつなげる考えだ。
厚労省の構想によると、入院の必要がない程度に
心身の不調を訴える母親や、出産前後に
近親者の協力がなく、孤立する可能性が
高い妊婦らが対象。
乳児が問題を抱える場合も、
母親の不調や虐待を引き起こすケースがあるため
対象に含める。
入所期間は約1週間。
低料金で医師らのカウンセリングのほか、
母親が悩むことの多い授乳や
入浴指導などが受けられる。
本人の希望以外に、乳児健診などで
自治体が必要と判断した場合も入所できる。
センターの数や利用料など詳細は今後詰めるが、
当面は既存の病院への併設となる見通し。
設置や運営に必要な費用の2分の1を国が補助、
残りを都道府県が負担する。
全国に先駆け、4月から同様の事業を
実施している東京都世田谷区の場合、
利用料金は食事とケア付き1泊2日が
5600円、日帰りは1600円という。
◇
【用語解説】産後うつ
無事に出産したのに、涙ぐむ、
気分が沈むなどの抑鬱(よくうつ)感や
疲労感があり、育児や家事に支障をきたすようになる。
多くの場合、出産後2週間から数カ月以内に発症し、
数年の経過をたどる。
衝動的に自殺したり、攻撃的になって
子供を虐待したりするケースもある。
『2008年8月28日:産経新聞』
話は変わるけど。
福島大野病院事件。
検察が控訴しない方向に行きそうですかねー。
そのままいってくれれば良いのですが。
誰が日本の医療を殺すのか―「医療崩壊」の知られざる真実
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福島で行われたシンポジウム。
「福島大野事件が地域産科医療にもたらした影響を考える」
の傍聴記です。
『8.20、福島のシンポジウム0』
『8/20,福島のシンポ1』
『8/20,福島のシンポジウム2』
の続きっす。
今回も、順番が違って申し訳ないんですが。
昨日は当直で、夜中のコンビニ受診のおかげで、
ほとんど寝ていなくって。
その前の日も、夜中に呼び出されて、
寝不足で頭が働かないんで。
つよぽん先生に書いて頂いた、
福島のシンポジウムの傍聴記をアップしますね。
-困っている女性たちの声-
宮崎弘美(ママブルーネットワーク代表)
私はママブルーネットワークという団体で、
産後のうつ病の女性と家族を2
004年から支援しています。
今日この場に、なぜ私が呼ばれたのかと考えました。
私たちのところには心の病を持った
お母さんたちの相談がたくさん持ち込まれます。
その中には医療者とのトラブルもたくさんあります。
そういった事で呼ばれたのかなと感じています。
まずママブルーネットワークの紹介です。
インターネットの情報交換を中心に活動しています。
会員は4000名ほど、毎日悩みなどの
情報交換をしています。
インターネット以外では、私が福島市在住で、
福島市を活動拠点にしています。
0歳児のお母さんたちの中にも
孤立してしまう産後うつ予備軍がいるんじゃないか、
そういうお母さんたちのリフレッシュ、
リラクゼーションと情報交換のための
「ママサロン」を月に1回、
第1木曜日に開催しています。
医療者とママの間に大きな溝があると感じます。
そもそも両者がものを見る視点が違う、
言語が違う、同じ日本語を話しているのに
なんでこんなに通じないんだろう
と思うことが多いです。
その溝を少しでも埋める活動を、
と両者の間に入って中間管理職的な位置で
奮闘しています。
両者のコミュニケーションを取ろうという目的で、
産後うつから回復したママたちの体験談を
8月に本にして出版しました。
健康なママ、産後うつのママ、
両方に共通する悩みが2点あります。
ひとつめは、ママ自身が体調を崩したときに
赤ちゃんをあずけて医療機関に
行くことが出来ないという問題。
実家や一時保育に預ける?
急な体調変化のときに実家の母も
用事があるかもしれない、一時保育も
事前に予約をしなければならない。
急に頼んでオーケーというわけではない。
産後のうつなどでは治療が長期にわたったりして
家族全部が倒れるような状況になりえます。
ママたちが望んでいること。
受診時の数十分をその医療機関で
赤ちゃんを見ていてもらえる
スペースがあればいいのに、と思います。
これはママたちのニーズ。
そのニーズに耳を傾けないでいるのは、
お客様を逃していると言うことだと思います。
福島ではないけれど「お子様広場」
というのを作ってニーズに応えている医療機関もあり、
そういうところは人気があり繁盛しています。
ママが受診しやすい医療環境を作ってもらいたい。
二つめはコミュニケーションの不足の問題。
診察の段階で「傷ついた」
と感じるママがたくさんいます。
あるママの例。
ある病院で離乳食や赤ちゃんの
服薬の仕方を指導してもらっていた。
転居にともなって次にかかった病院で、
同じ感覚で小児科の先生に相談したら
「そんなことをボクに聞かれても困るよ。
そういうことは保健師さんや
市の相談窓口で聞いたらどう?」
と言われたそうです。
先生にしてみれば、本当にわからないからそう言った、
当然の正しい対応なのかもしれないのですが、
言われたママはビックリしました。
先生は専門家だ、と思いこんでいたから
とてもがっかりしたそうです。
別な例では、病気のお子さんを持つママが
いろいろな医療機関で医師ごとに
違うことを言われて混乱し、
わけがわからなくなってしまったケース。
また、心に病気を持つお母さん。
「服薬するなら母乳をやめなさい。」と指導される。
その場で医師に向かってはにっこり笑って
「はい、わかりました。そうします。」
と言いながらも、その後実は私たちのところに来て
「こういうことを言われた。
あそこの病院にはもう行かない。
先生は何もわかってない。」と言う。
産婦人科では「母乳をあげなきゃだめ。」
みたいな指導を受け、今度は「やめろ」と言われる。
そういう診療科間の連携のなさ、
先生ごとの意見の違いで
信頼は失われていきます。
そういったとき、私たち自助グループはどうするか。
最初は体験をお話します。
そして「先生と何度も何度も話をして
納得して結局は服薬をしたほうがいいんだよ。」
とお話します。
何回もお話をすれば最終的に
ママたちはわかってくれるんです。
彼女たちも治りたいんですから。
コミュニケーションがないままに
“正しいこと”を言われたり“指導”をされても
お母さんたちの心には響かない。
指導にも従わず、信頼は失われていく、
ということを是非是非知っていただきたいと思います。
発起人の野村先生が、講演者が医療従事者
だけにならないように、って事で。
相当苦労して、この方に講演をしていただいた様ですね。
おっしゃっている事は、すごくわかります。
医者の方も、患者さんと信頼関係を築きたいんですよ。
でもね、一回の診察で30分お話しできれば、
お互いに納得して信頼関係を築くことができるかもしれないけど。
一回、3分では無理、っていう事もあるんですよ。
それは、医師の数が不足しているからなんですよ。
そういう事もある、っていう事を
患者さんの側にも理解していただきたいなー、
って思います。
まあ、この後の質疑応答のところでも、
そういう話が出てくるんですけどね。
ちなみに、ちょうど良いタイミングで、
今日のyahooヘッドラインに「産後うつ」
についての記事が出ていたので。
紹介してみますね。
妊産婦の「心」ケア
宿泊型施設を設立 厚労省、来年度から
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080828-00000092-san-soci
出産前のマタニティーブルーや
産後の鬱(うつ)に陥っている妊産婦を
サポートするため、厚生労働省は
精神科の医師や助産師を配置した宿泊型の
「ケアセンター」(仮称)を来年度から
全国数カ所に設立することを決めた。
少子化対策の一環で、心身が不安定になりがちな
産前産後の母親に地域の受け皿を提供し、
安心して産み育ててもらうのが狙い。
産後うつを原因とする育児放棄や
虐待の防止にもつなげる考えだ。
厚労省の構想によると、入院の必要がない程度に
心身の不調を訴える母親や、出産前後に
近親者の協力がなく、孤立する可能性が
高い妊婦らが対象。
乳児が問題を抱える場合も、
母親の不調や虐待を引き起こすケースがあるため
対象に含める。
入所期間は約1週間。
低料金で医師らのカウンセリングのほか、
母親が悩むことの多い授乳や
入浴指導などが受けられる。
本人の希望以外に、乳児健診などで
自治体が必要と判断した場合も入所できる。
センターの数や利用料など詳細は今後詰めるが、
当面は既存の病院への併設となる見通し。
設置や運営に必要な費用の2分の1を国が補助、
残りを都道府県が負担する。
全国に先駆け、4月から同様の事業を
実施している東京都世田谷区の場合、
利用料金は食事とケア付き1泊2日が
5600円、日帰りは1600円という。
◇
【用語解説】産後うつ
無事に出産したのに、涙ぐむ、
気分が沈むなどの抑鬱(よくうつ)感や
疲労感があり、育児や家事に支障をきたすようになる。
多くの場合、出産後2週間から数カ月以内に発症し、
数年の経過をたどる。
衝動的に自殺したり、攻撃的になって
子供を虐待したりするケースもある。
『2008年8月28日:産経新聞』
話は変わるけど。
福島大野病院事件。
検察が控訴しない方向に行きそうですかねー。
そのままいってくれれば良いのですが。
誰が日本の医療を殺すのか―「医療崩壊」の知られざる真実
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8/20,福島大野病院事件の判決に合わせて、
福島で行われたシンポジウム。
「福島大野事件が地域産科医療にもたらした影響を考える」
の傍聴記です。
『8.20、福島のシンポジウム0』
『8/20,福島のシンポ1』
の続きになるんですけど。
本当の順番なら、ロハスメディア代表の川口恭さん、
の番になるんですけど。
昨日、何故か録音ファイルが聞けなくなっちゃって(汗)
ちょっと順番がずれちゃって、すいませんけど。
パネリストの最後の先生。
東京女子医大事件で、不当逮捕された、
綾瀬循環器病院、心臓血管外科医の
佐藤一樹先生の話です。
ブログ「紫色の顔の友達を助けたい」の
『大野病院事件 無罪判決 前夜、当日、シンポジウム』
に当日のスライドのコピーを置いて頂いたので。
それを参照にさせて頂きます。
青字がスライドのコピーです。
司会、上先生:
最後に佐藤一樹先生,
『正当な治療行為を行った医師を逮捕勾留するな』、
ということでお話をいただきます。
よろしくお願い致します.
【佐藤一樹先生】 (綾瀬循環器病院 心臓血管外科)
『正当な治療行為を行った医師を逮捕勾留するな』
①福島大野病院事件が産科医療にもたらした影響を考える
正当な治療行為を行った医師を逮捕勾留するな
綾瀬循環器病院 心臓血管外科
東京女子医大心臓手術事件 被告人
(大野病院事件 初公判 傍聴報告者)
佐藤一樹
こういう立場で私,お話させていただくことに
なったんですけれども。
今現在はですね,東京の足立区という
下町にある病院で循環器の救急をやっています。
この足立区の隣の葛飾区に
東部地域病院という病院があります。
ここでおそらく腸閉塞なのに医者が
それを放置して亡くなってしまった,
先ほど豊田さんのご紹介が上先生から
ありましたけれども,豊田理生ちゃん。
この子の亡くなったときの報道の新聞,
この新聞を私はラミネート加工して
自分の机の隣に置いてあります。
そういうつもりで臨床医をやっています.
②大野病院事件:直接的即時的影響
・「一人医長」逮捕・勾留
・大野病院産科 ⇒実質的廃止
・福島県双葉郡大熊町近隣地区⇒地域産科医療崩壊
⇒医療、医師人権が軽んじらた証拠
逮捕請求:捜査機関 ⇒ 裁判官の令状
(警察・検察) (許可状)
勾留請求:検察官 ⇒ 裁判官の処分
(命令状)
実際には、勾留の方が問題。(逮捕前置主義)
この大野病院事件のまず直接的,
即時的影響ということで逮捕された直後から
始まった医療崩壊ですね。
一人医長を逮捕・勾留してしまった。
このために大野病院事件の産科というものは
実質的に廃止になってしまいました。
福島県のこの地区の産科医療は
その時点から崩壊しているということです。
私はこれは医療,それと医師の人権が
非常に軽んじられた証拠だと,
こういう風に思っております。
ほんの二日くらい前のネット上でですね,
医師が「逮捕状を出した警察や検察が悪いんだ」,
なんていう話があったんですけれども,
実はこれ,逮捕状というのは
裁判官の令状なんですね。
警察が逮捕すると言って裁判官が
それに許可を与えて逮捕する。
勾留っていう話はあんまりないんで,
専門家に聞きますとどちらかというと
勾留の方が問題なんだ,と話をするんですが。
勾留の方はこれはですね,裁判官の命令です。
裁判官の命令で加藤先生や私は勾留されました.
といった意味では裁判官は「最後の砦」の部分が
あるのではないかと思っております.
③大野病院事件:間接的波及的影響
産婦人科医の『正当な治療行為』⇒逮捕・起訴
・日本全国産科医療崩壊⇒決定的増幅
・“立ち去り型サボタージュ”の拡大
⇒小児救急、小児科、救命救急科、外科・・・
⇔医療だけをやってきた医師達
⇒社会構成員としての覚醒
⇒医師達からの医療政策への意見発信開始
それで,いわゆる一般的な医療崩壊ですね,
間接的に波及していった影響が
日本全国の産科の医療崩壊,
これを増幅させました.
立ち去り型サボタージュですね.
小児救急,小児科,救命科,外科,
こういったところから医師達が
どんどん離れて行きました.
ここでですね,私,ロハスメディカルの
川口さんに指摘されて,あっと思ったんですけれども,
医者はそれまで,医療だけをやっていることを
誇りに思っていたんですね。
医者は一生懸命医療をやっていればいい。
ところがそうではないということに気がついたんです.
やっと気がついた.医者も社会の構成員として覚醒して,
それなりの社会の構成員として意見を
発していかなければいけない.
そういったことで医師達からやっと医療政策への
意見の発信が始まったと思います.
④医師側の主張:医療刑事訴訟への不満
・過失の構成要件の類型化が不明慮:
「何すると罪か」が事前に定まっていない
・結果⇒遡及的結果回避義務の指摘:
後出しジャンケン
・恣意的証拠の取捨選択:客観的証拠文献の不同意
訴訟戦略上の「卑怯な証拠隠し」
・刑事処分の再発防止は機能不全:
萎縮医療の誘発
・真の原因究明の阻害
医学発展の停滞 etc. ⇒「免責」の主張
まあいろいろあるんですけれども,
大体医師側からの刑事訴訟への不満,
簡単な言葉で言っていきますと,
「何をすると罪か」というのが
事前に決まっていないのに逮捕されちゃう.
後だしジャンケン,後になってから
こうなんだって言われたって,
っていうのがあります.
あと訴訟戦略上の検察官の証拠隠し.
文献などを証拠として認めない,
そういったようなことがある.
刑事処分をしても萎縮医療が誘発されるだけだ,
真の原因究明がならなくて,
医学の発展が停滞していく,
そういったことで医師側からいわゆる「免責」の
主張がでてくるようになりました.
⑤安易な免責主張の問題点:免責と犯罪
・免責:法律上、責任を免れること
・犯罪:構成要件に該当する、違法かつ有責な行為
構成要件該当:犯罪類型に当てはまること
刑法条文⇒メニューの各料理の名称「きつねうどん」
構成要件⇒メニューから観念される各料理のイメージ
私はもちろん法律に関しては
全く大学生のレベルにもいってないんですけれども,
ちょっと勉強してみました.
免責というのは「法律上の責任を逃れる」,
ということですね.
犯罪,これはですね,
ちょっと難しいんですけれども,
「構成要件に該当する違法かつ有責な行為」,
責任のある行為,のことです.
⑥免責主張の問題点:免責の対象
・医師免責? 犯罪は「行為」
・刑事免責? 意味不明
・医療免責? 意味不明
・医療行為免責? 適応外手術(不要子宮摘出術)
⇒法曹界、メディアに使い回されて批判される
・業務上過失致死罪 第3項新設案:
第2項交通事故=「刑の免除」*
*免除は免責でない
・救急救命行為に限定?
免責.皆さんの医者のネット上での
主張を聞いてますと,『医師免責』
なんていう言葉があります.
犯罪というのはもともと「行為」ですから
『医師免責』ということはあり得ない.
『刑事免責』とか『医療免責』,
これは意味不明だと思います.
あと,医療行為の免責というのはありますけれども、
先ほどの怠慢によってお子さんが
亡くなったこととかですね,
昔の富士見産婦人科ですか,
というような子宮を摘出したりするような,
適応外の手術,こういったようなものも
免責するのかどうか.
こういったですね,非常に安直な言葉を使って
主張しますと,悪意のある法曹界とか
メディアの方にですね,使いまわされて,
批判されて,医者はやっぱりだめなんだ,
ということになると思います.
少し建設的な意見として業務上過失致死の
第3項を新設しよう,というのがあります.
第2項には交通事故,これは刑の免除というのが
なっているんですけれども,
この「免除」は「免責」ではありません.
後で説明します.
えーあと,救命救急行為に限定する,
という意見もあります.
これに関しても考える必要があると思います.
⑦免責主張の問題点:免除と免責の相違点
免除:「罪」はある、「刑」はない
構成要件に該当し、違法かつ有責であって、
犯罪は成立するが、刑は科さない
犯罪:構成要件に該当する、違法かつ有責な行為
免責:法律上、責任を免れること
えーと先ほど「免除」ということが出ましたけれども,
第2項の「免除」ですが,
これは「罪はあるけど刑はない」というものです.
構成要件に該当して違法かつ有責であって
犯罪は成立するけれども,刑は科さない.
つまり「罪はあるけれども刑は科さないよ」
というものです.
これは医者が納得するようなものでしょうか.
⑧免責主張の問題点:医療行為と治療行為
・治療行為⇒医学的正当性
医学的適応性:手術が行われるべきか否か
医術的正当性:どのように行われるべきか
・治療行為傷害説-刑法学者の見解
⇒日本では、治療行為が傷害として争われた
刑事訴訟判例なし
いろいろ少し勉強してみました.
それでやはり「医療行為」という言葉よりも
「治療行為」,これはドイツの刑法の考え方,
医学的な正当性のあるもの.
つまり,医学的な適応とか医術的な正当性.
手術が行われるべきか否か,
どのように行われるべきか.
そういった正当性がバックボーンにあるものを
「治療行為」といいます.
日本ではまだ,実は刑事訴訟法上,
刑事訴訟で争われたことがないんですけれども,
治療行為は傷害である,というふうなことが
ドイツの憲法学者なんかでは言われていて,
日本ではまだこの論議が進んでおりません.
⑨免責主張の問題点:過失論
旧過失論:結果無価値論型-主観的要件
・予見可能性中心←注意義務違反
・刑法学で再び優勢(若い学者)
新過失論:行為無価値論型-客観的要件
・客観的に要請される注意を尽くした場合
⇒構成要件該当性否定される⇒犯罪不成立
・(医師に)遵守が要求させる行動基準想定
ちょっとこの話をするのも,
私が話すのもなんなんですけれども,
いわゆる「過失」という考え方は
刑法学者の中では大きく分ければ
「旧過失論」というのと「新過失論」
というのがあるんですけれども,
これの話をしたら非常に長くなってしまうんですけれども,
旧過失論の考え方としてはですね,
客観的に要請される注意を尽くした場合,
構成要件の該当性が否定されて犯罪は不成立,
というような考え方が一応あります.
ところが,交通事故も実は業務上過失致死なので,
それにちょっと引き摺られている面もありまして,
どちらかといえば今,学者の中の若い学者には
特にこの旧過失論の方が
優勢になっているという状況です.
新過失論の方は一番下に書いてありますけれども,
医者の方に遵守が要求される行動基準を
自分達で想定してくれ,といったようなことが
新過失論の学者が言っております
⑩免責主張の問題点:ガイドラインは?
・客観的注意義務の類型化:
過失の不法構成要件の内容の具体化
・学会等の作成したガイドライン:
遵守規定?
実際の臨床の多様性に対応不可能?
医者側としてはガイドラインというものを
学会で作ってそれを遵守するようなことが
行われているんですけれども。
ただしこのガイドラインというものも
ちょっと問題がありましてですね,
実際の臨床というものは
非常に多様な面がありますので,
ガイドラインに沿ってないからと言って
それが医者側に責任があるかどうか,
これは一つ一つの症例をみないと
わからないことだと思います.
参照:『大野病院事件 無罪判決 前夜、当日、シンポジウム』
佐藤先生の話に加えて、スライドのコピーも
一緒に出すと、とても長くなってしまったので。
前半部分だけで、一回切りますね。
筆記されたのは、sui先生です。
佐藤先生、sui先生。
ありがとうございました。
後半部分は、次回書きまーす。
医者のホンネが知りたい人は、こちらから!
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福島で行われたシンポジウム。
「福島大野事件が地域産科医療にもたらした影響を考える」
の傍聴記です。
『8.20、福島のシンポジウム0』
『8/20,福島のシンポ1』
の続きになるんですけど。
本当の順番なら、ロハスメディア代表の川口恭さん、
の番になるんですけど。
昨日、何故か録音ファイルが聞けなくなっちゃって(汗)
ちょっと順番がずれちゃって、すいませんけど。
パネリストの最後の先生。
東京女子医大事件で、不当逮捕された、
綾瀬循環器病院、心臓血管外科医の
佐藤一樹先生の話です。
ブログ「紫色の顔の友達を助けたい」の
『大野病院事件 無罪判決 前夜、当日、シンポジウム』
に当日のスライドのコピーを置いて頂いたので。
それを参照にさせて頂きます。
青字がスライドのコピーです。
司会、上先生:
最後に佐藤一樹先生,
『正当な治療行為を行った医師を逮捕勾留するな』、
ということでお話をいただきます。
よろしくお願い致します.
【佐藤一樹先生】 (綾瀬循環器病院 心臓血管外科)
『正当な治療行為を行った医師を逮捕勾留するな』
①福島大野病院事件が産科医療にもたらした影響を考える
正当な治療行為を行った医師を逮捕勾留するな
綾瀬循環器病院 心臓血管外科
東京女子医大心臓手術事件 被告人
(大野病院事件 初公判 傍聴報告者)
佐藤一樹
こういう立場で私,お話させていただくことに
なったんですけれども。
今現在はですね,東京の足立区という
下町にある病院で循環器の救急をやっています。
この足立区の隣の葛飾区に
東部地域病院という病院があります。
ここでおそらく腸閉塞なのに医者が
それを放置して亡くなってしまった,
先ほど豊田さんのご紹介が上先生から
ありましたけれども,豊田理生ちゃん。
この子の亡くなったときの報道の新聞,
この新聞を私はラミネート加工して
自分の机の隣に置いてあります。
そういうつもりで臨床医をやっています.
②大野病院事件:直接的即時的影響
・「一人医長」逮捕・勾留
・大野病院産科 ⇒実質的廃止
・福島県双葉郡大熊町近隣地区⇒地域産科医療崩壊
⇒医療、医師人権が軽んじらた証拠
逮捕請求:捜査機関 ⇒ 裁判官の令状
(警察・検察) (許可状)
勾留請求:検察官 ⇒ 裁判官の処分
(命令状)
実際には、勾留の方が問題。(逮捕前置主義)
この大野病院事件のまず直接的,
即時的影響ということで逮捕された直後から
始まった医療崩壊ですね。
一人医長を逮捕・勾留してしまった。
このために大野病院事件の産科というものは
実質的に廃止になってしまいました。
福島県のこの地区の産科医療は
その時点から崩壊しているということです。
私はこれは医療,それと医師の人権が
非常に軽んじられた証拠だと,
こういう風に思っております。
ほんの二日くらい前のネット上でですね,
医師が「逮捕状を出した警察や検察が悪いんだ」,
なんていう話があったんですけれども,
実はこれ,逮捕状というのは
裁判官の令状なんですね。
警察が逮捕すると言って裁判官が
それに許可を与えて逮捕する。
勾留っていう話はあんまりないんで,
専門家に聞きますとどちらかというと
勾留の方が問題なんだ,と話をするんですが。
勾留の方はこれはですね,裁判官の命令です。
裁判官の命令で加藤先生や私は勾留されました.
といった意味では裁判官は「最後の砦」の部分が
あるのではないかと思っております.
③大野病院事件:間接的波及的影響
産婦人科医の『正当な治療行為』⇒逮捕・起訴
・日本全国産科医療崩壊⇒決定的増幅
・“立ち去り型サボタージュ”の拡大
⇒小児救急、小児科、救命救急科、外科・・・
⇔医療だけをやってきた医師達
⇒社会構成員としての覚醒
⇒医師達からの医療政策への意見発信開始
それで,いわゆる一般的な医療崩壊ですね,
間接的に波及していった影響が
日本全国の産科の医療崩壊,
これを増幅させました.
立ち去り型サボタージュですね.
小児救急,小児科,救命科,外科,
こういったところから医師達が
どんどん離れて行きました.
ここでですね,私,ロハスメディカルの
川口さんに指摘されて,あっと思ったんですけれども,
医者はそれまで,医療だけをやっていることを
誇りに思っていたんですね。
医者は一生懸命医療をやっていればいい。
ところがそうではないということに気がついたんです.
やっと気がついた.医者も社会の構成員として覚醒して,
それなりの社会の構成員として意見を
発していかなければいけない.
そういったことで医師達からやっと医療政策への
意見の発信が始まったと思います.
④医師側の主張:医療刑事訴訟への不満
・過失の構成要件の類型化が不明慮:
「何すると罪か」が事前に定まっていない
・結果⇒遡及的結果回避義務の指摘:
後出しジャンケン
・恣意的証拠の取捨選択:客観的証拠文献の不同意
訴訟戦略上の「卑怯な証拠隠し」
・刑事処分の再発防止は機能不全:
萎縮医療の誘発
・真の原因究明の阻害
医学発展の停滞 etc. ⇒「免責」の主張
まあいろいろあるんですけれども,
大体医師側からの刑事訴訟への不満,
簡単な言葉で言っていきますと,
「何をすると罪か」というのが
事前に決まっていないのに逮捕されちゃう.
後だしジャンケン,後になってから
こうなんだって言われたって,
っていうのがあります.
あと訴訟戦略上の検察官の証拠隠し.
文献などを証拠として認めない,
そういったようなことがある.
刑事処分をしても萎縮医療が誘発されるだけだ,
真の原因究明がならなくて,
医学の発展が停滞していく,
そういったことで医師側からいわゆる「免責」の
主張がでてくるようになりました.
⑤安易な免責主張の問題点:免責と犯罪
・免責:法律上、責任を免れること
・犯罪:構成要件に該当する、違法かつ有責な行為
構成要件該当:犯罪類型に当てはまること
刑法条文⇒メニューの各料理の名称「きつねうどん」
構成要件⇒メニューから観念される各料理のイメージ
私はもちろん法律に関しては
全く大学生のレベルにもいってないんですけれども,
ちょっと勉強してみました.
免責というのは「法律上の責任を逃れる」,
ということですね.
犯罪,これはですね,
ちょっと難しいんですけれども,
「構成要件に該当する違法かつ有責な行為」,
責任のある行為,のことです.
⑥免責主張の問題点:免責の対象
・医師免責? 犯罪は「行為」
・刑事免責? 意味不明
・医療免責? 意味不明
・医療行為免責? 適応外手術(不要子宮摘出術)
⇒法曹界、メディアに使い回されて批判される
・業務上過失致死罪 第3項新設案:
第2項交通事故=「刑の免除」*
*免除は免責でない
・救急救命行為に限定?
免責.皆さんの医者のネット上での
主張を聞いてますと,『医師免責』
なんていう言葉があります.
犯罪というのはもともと「行為」ですから
『医師免責』ということはあり得ない.
『刑事免責』とか『医療免責』,
これは意味不明だと思います.
あと,医療行為の免責というのはありますけれども、
先ほどの怠慢によってお子さんが
亡くなったこととかですね,
昔の富士見産婦人科ですか,
というような子宮を摘出したりするような,
適応外の手術,こういったようなものも
免責するのかどうか.
こういったですね,非常に安直な言葉を使って
主張しますと,悪意のある法曹界とか
メディアの方にですね,使いまわされて,
批判されて,医者はやっぱりだめなんだ,
ということになると思います.
少し建設的な意見として業務上過失致死の
第3項を新設しよう,というのがあります.
第2項には交通事故,これは刑の免除というのが
なっているんですけれども,
この「免除」は「免責」ではありません.
後で説明します.
えーあと,救命救急行為に限定する,
という意見もあります.
これに関しても考える必要があると思います.
⑦免責主張の問題点:免除と免責の相違点
免除:「罪」はある、「刑」はない
構成要件に該当し、違法かつ有責であって、
犯罪は成立するが、刑は科さない
犯罪:構成要件に該当する、違法かつ有責な行為
免責:法律上、責任を免れること
えーと先ほど「免除」ということが出ましたけれども,
第2項の「免除」ですが,
これは「罪はあるけど刑はない」というものです.
構成要件に該当して違法かつ有責であって
犯罪は成立するけれども,刑は科さない.
つまり「罪はあるけれども刑は科さないよ」
というものです.
これは医者が納得するようなものでしょうか.
⑧免責主張の問題点:医療行為と治療行為
・治療行為⇒医学的正当性
医学的適応性:手術が行われるべきか否か
医術的正当性:どのように行われるべきか
・治療行為傷害説-刑法学者の見解
⇒日本では、治療行為が傷害として争われた
刑事訴訟判例なし
いろいろ少し勉強してみました.
それでやはり「医療行為」という言葉よりも
「治療行為」,これはドイツの刑法の考え方,
医学的な正当性のあるもの.
つまり,医学的な適応とか医術的な正当性.
手術が行われるべきか否か,
どのように行われるべきか.
そういった正当性がバックボーンにあるものを
「治療行為」といいます.
日本ではまだ,実は刑事訴訟法上,
刑事訴訟で争われたことがないんですけれども,
治療行為は傷害である,というふうなことが
ドイツの憲法学者なんかでは言われていて,
日本ではまだこの論議が進んでおりません.
⑨免責主張の問題点:過失論
旧過失論:結果無価値論型-主観的要件
・予見可能性中心←注意義務違反
・刑法学で再び優勢(若い学者)
新過失論:行為無価値論型-客観的要件
・客観的に要請される注意を尽くした場合
⇒構成要件該当性否定される⇒犯罪不成立
・(医師に)遵守が要求させる行動基準想定
ちょっとこの話をするのも,
私が話すのもなんなんですけれども,
いわゆる「過失」という考え方は
刑法学者の中では大きく分ければ
「旧過失論」というのと「新過失論」
というのがあるんですけれども,
これの話をしたら非常に長くなってしまうんですけれども,
旧過失論の考え方としてはですね,
客観的に要請される注意を尽くした場合,
構成要件の該当性が否定されて犯罪は不成立,
というような考え方が一応あります.
ところが,交通事故も実は業務上過失致死なので,
それにちょっと引き摺られている面もありまして,
どちらかといえば今,学者の中の若い学者には
特にこの旧過失論の方が
優勢になっているという状況です.
新過失論の方は一番下に書いてありますけれども,
医者の方に遵守が要求される行動基準を
自分達で想定してくれ,といったようなことが
新過失論の学者が言っております
⑩免責主張の問題点:ガイドラインは?
・客観的注意義務の類型化:
過失の不法構成要件の内容の具体化
・学会等の作成したガイドライン:
遵守規定?
実際の臨床の多様性に対応不可能?
医者側としてはガイドラインというものを
学会で作ってそれを遵守するようなことが
行われているんですけれども。
ただしこのガイドラインというものも
ちょっと問題がありましてですね,
実際の臨床というものは
非常に多様な面がありますので,
ガイドラインに沿ってないからと言って
それが医者側に責任があるかどうか,
これは一つ一つの症例をみないと
わからないことだと思います.
参照:『大野病院事件 無罪判決 前夜、当日、シンポジウム』
佐藤先生の話に加えて、スライドのコピーも
一緒に出すと、とても長くなってしまったので。
前半部分だけで、一回切りますね。
筆記されたのは、sui先生です。
佐藤先生、sui先生。
ありがとうございました。
後半部分は、次回書きまーす。
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『8.20、福島のシンポジウム0』
で、ちらっと予告した、8/20に
福島大野病院事件の判決の後に行われた、シンポジウム
「福島大野事件が地域産科医療にもたらした影響を考える」
の様子です。
午後1時から、福島グリーンパレスっていうホテルで
このシンポジウムが行われたんですけど。
ロハスメディカルの川口さんが、
裁判を傍聴していたようなので。
間に合うのかなー、って心配していたんですけど。
ぎりぎりになって、裁判の傍聴を切り上げて、
シンポジウムに向かってくれたようですね。
聴衆者は150人くらいで、
医療関係者と一般人の割合は半々くらいでしたね。
前にも書いたので、ご存じの方も多いとは思いますが。
今回のシンポジウムの呼びかけ人は、国立病院機構、
名古屋医療センター、産婦人科医師の野村麻実先生。
そして司会は、東京大学医科学研究所、
特任准教授の上昌広先生でした。
パネリストは。
○野村麻実 (国立病院機構
名古屋医療センター 産婦人科医師)
○川口恭 (ロハスメディア代表)
○岸和史 (和歌山県立医科大学放射線医学講座准教授)
○山崎輝行 (飯田市立病院 産婦人科部長)
○宮崎弘美 (産後うつとマタニティブルーの自助グループ:
ママブルーネットワーク 代表)
○佐藤一樹 (綾瀬循環器病院 心臓血管外科 医師)
○加治一毅 (弁護士、医師)
席の並び順は、左からこんな感じだったかな。
そいで、基本的には左の方から順に
話をしていっていました。
司会、上先生
本日午前、加藤医師に対する無罪判決が、
福島地裁でありました。
今日この日が、おそらく日本の医療の一つの転換点になる日、
だと考えております。
加藤医師及び、ご遺族ご家族にとっては、
非常につらい、この2年半だったと考えております。
本日のシンポジウムでは、医療者はもちろん、
地域の皆様、及びご家族、ご遺族の皆様にとって、
この国の医療を少しでも良くしたい。
どうすれば良くできるのか、
という事を考えてみたいと思っています。
本日のシンポジウムは、前半の部分は
シンポジストの先生に、短く問題点のご説明、
ご意見を承ります。
その後一時間弱、会場の皆さんと
議論をさせていただきたいと思います。
そして、シンポジストの紹介をして、
最初に野村先生のお話しが始まります。
野村麻実先生
呼びかけ人として、このような会を開かせていただくにあたって、
この会の趣旨を説明させていただきます。
この会が、何故今日でなければいけなかったか、
っていう理由がありまして。
有罪か無罪かわからない状態で、どれだけの
社会的影響を及ぼしたのか、っていう事を
一度検証してみないといけない大きな事件
だったと思っています。
民事訴訟っていうのは、全国で母体死亡は
年に50件~100件位、起こっています。
その中で、福島で逮捕というセンセーショナルな事件になって。
それから、産科の崩壊が、私たちのような
都会の産科医にとっても、身近に。
真綿で首を絞められるように感じられるようになったのは、
やっぱり、この事件が契機になっていると思います。
それは何でかって言うと、
それは民事ではなくて刑事だったから。
無罪か有罪かは関係なく、私たちにとっては。
刑事で有罪ということは、前科者になっちゃうんですね。
普通にやってて、前科者になっちゃう。
やっぱり、亡くなってしまう患者さんは中にはいます。
私は幸いにして、まだ亡くなった事はないんですけど。
産科10年やっていれば、1人か2人は死ぬ、
って言われていて、運が良い人は当たらないでいく。
っていうような状況なんです。
それを刑事で問われているようではやっていられない。
10年やっていれば1人は当たるんだよ。
っていうような世界なのに、
っていうのがどうしてもありまして。
どうしてこの事件を民事ではなく、刑事で扱ったのか。
結果的に福島県の産科医療がどうなったのか、
っていう事を考えていきたい。
それから、報道を通して、どうしても患者さんと
医療が対立するもののようにみられてしまうんですけど。
そうではなく、病気と戦う時っていうのは、
医療者と患者が手を結んで一緒にやっていくものですよね。
地域医療を守るっていうのも、やっぱり住民と医者が
手を結んで一緒にやっていかないといけないんです。
そういう事を、みんなだんだん忘れていってしまったからこそ、
こういう事件を契機にみんな辞めてしまおう。
って思って辞めてしまっているのかな、
っていうのを少し感じました。
そして、ここから本題です。
【大野事件による福島県の産科地方医療崩壊】
厚生省が10年位前から調べている医師数ですけど。
福島県の産婦人科医の減り方は、
全国に比べて酷い(多い)です。
全国的に医師っていうのは、増え続けているんですけど、
福島県の伸び率は、めちゃくちゃ悪いです。
それから、福島県の施設数(病院、診療所)と
産婦人科の標榜科の変化です。
事件前と事件後では、産婦人科標榜数は
15.3%、減っています。
(病院数は、6.9%減、診療所数は、4.4%増)
圧倒的に減っているのが見て頂ければわかると思います。
「大野事件後、分娩休止した病院一覧」
○公立岩瀬病院
○呉羽総合病院
○福島労災病院
○わたり病院
○県立会津総合病院
○福島県立三春病院
○松村総合病院
○福島県立大野病院
○公立藤田総合病院
○県立南会津病院
○坂下厚生病院
○公立相馬総合病院(10月撤退予定)
2年半で、31→20(10月で19)病院に
今度閉鎖する、公立相馬総合病院も入っていますけど。
これだけの病院がやめて。
医師会も事件前には、分娩施設が減るなんて
考えてもみなかった、って言うんですね。
だから、調べてなかったって言って、
分娩施設の数がわかっていた医師会が、
4つしかなかったんですね。
それで現在の分娩施設を調べてみると、
こんなような状況になっていました。
グラフにしてみると、一目瞭然ですね。
大野事件後は、ぼこんと減っています。
いわき市の共立病院は、
今ハイリスク分娩しか扱っていません。
福島県における分娩可能施設の地図なんですけど。
見て頂ければわかるように、南部はほとんど真っ白けっけです。
これは、豪雪の時になると、4時間くらいかけて、
会津市まで行かないといけないんです。
今、緊急医師派遣があって、福島県が
医師を防衛医大から受けていますけど。
それで、妊婦検診だけを受けられるようにはなりましたけど。
それまでは、ガン検診も会津若松まで行かなければいけない、
というような状況になっています。
それから、いわき市も南部はほとんど
お産施設がなくなった、というような状況です。
茨城県の北の方のお産を支えています日立総合病院は、
年間1200の分娩をとっていますけれども。
この病院は、来年4月をもって閉鎖される事が
決定しています。
栃木県は南側にどうしても多い、というような状況です。
福島県の産婦人科自体が倒れかけなんじゃないかな、
って私は思っています。
ここからどうしていくのか、っていうこと。
今日、無罪で良かった、って。
それは良かったんですけど。
失ってしまったものを戻していくのは、
なかなか難しいと思います。
住民の皆さんが残った産科のスタッフを
どうやって守っていくのか。
そういった事を考えていただきたいな、と思います。
よろしくお願いします。
司会、上先生
本日配布致しました資料は、野村先生ご自身が、
各地区の地方自治体や電話等で取りまとめられた物です。
私が知る限り、福島県内の影響について
調べられたものは、これだけだと思います。
今回配布された資料によりまして、
こういう事がこの地域で起こっている。
という具体的なデーターでございます。
という事で、今日は司会の上先生の話と、
福島シンポジウム呼びかけ人の野村先生の話まででした。
スライドがないのに、文字だけで書いたから、
ちょっとわかりにくくなっちゃったかな。
言葉だけだとわかりにくいので、一部
私の言葉で変更している部分もありますので、あしからず。
8/20,福島でのシンポジウムの様子は、
『2008年8月20日:医療介護CBニュース』
にも書いてありますから。
興味ある人は、こちらも見てね!
大学病院に興味のある人は、これも読んでね!
→ 「大学病院のうそ」 ~現役医師(Dr. I)が暴露する、大学病院の秘密
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で、ちらっと予告した、8/20に
福島大野病院事件の判決の後に行われた、シンポジウム
「福島大野事件が地域産科医療にもたらした影響を考える」
の様子です。
午後1時から、福島グリーンパレスっていうホテルで
このシンポジウムが行われたんですけど。
ロハスメディカルの川口さんが、
裁判を傍聴していたようなので。
間に合うのかなー、って心配していたんですけど。
ぎりぎりになって、裁判の傍聴を切り上げて、
シンポジウムに向かってくれたようですね。
聴衆者は150人くらいで、
医療関係者と一般人の割合は半々くらいでしたね。
前にも書いたので、ご存じの方も多いとは思いますが。
今回のシンポジウムの呼びかけ人は、国立病院機構、
名古屋医療センター、産婦人科医師の野村麻実先生。
そして司会は、東京大学医科学研究所、
特任准教授の上昌広先生でした。
パネリストは。
○野村麻実 (国立病院機構
名古屋医療センター 産婦人科医師)
○川口恭 (ロハスメディア代表)
○岸和史 (和歌山県立医科大学放射線医学講座准教授)
○山崎輝行 (飯田市立病院 産婦人科部長)
○宮崎弘美 (産後うつとマタニティブルーの自助グループ:
ママブルーネットワーク 代表)
○佐藤一樹 (綾瀬循環器病院 心臓血管外科 医師)
○加治一毅 (弁護士、医師)
席の並び順は、左からこんな感じだったかな。
そいで、基本的には左の方から順に
話をしていっていました。
司会、上先生
本日午前、加藤医師に対する無罪判決が、
福島地裁でありました。
今日この日が、おそらく日本の医療の一つの転換点になる日、
だと考えております。
加藤医師及び、ご遺族ご家族にとっては、
非常につらい、この2年半だったと考えております。
本日のシンポジウムでは、医療者はもちろん、
地域の皆様、及びご家族、ご遺族の皆様にとって、
この国の医療を少しでも良くしたい。
どうすれば良くできるのか、
という事を考えてみたいと思っています。
本日のシンポジウムは、前半の部分は
シンポジストの先生に、短く問題点のご説明、
ご意見を承ります。
その後一時間弱、会場の皆さんと
議論をさせていただきたいと思います。
そして、シンポジストの紹介をして、
最初に野村先生のお話しが始まります。
野村麻実先生
呼びかけ人として、このような会を開かせていただくにあたって、
この会の趣旨を説明させていただきます。
この会が、何故今日でなければいけなかったか、
っていう理由がありまして。
有罪か無罪かわからない状態で、どれだけの
社会的影響を及ぼしたのか、っていう事を
一度検証してみないといけない大きな事件
だったと思っています。
民事訴訟っていうのは、全国で母体死亡は
年に50件~100件位、起こっています。
その中で、福島で逮捕というセンセーショナルな事件になって。
それから、産科の崩壊が、私たちのような
都会の産科医にとっても、身近に。
真綿で首を絞められるように感じられるようになったのは、
やっぱり、この事件が契機になっていると思います。
それは何でかって言うと、
それは民事ではなくて刑事だったから。
無罪か有罪かは関係なく、私たちにとっては。
刑事で有罪ということは、前科者になっちゃうんですね。
普通にやってて、前科者になっちゃう。
やっぱり、亡くなってしまう患者さんは中にはいます。
私は幸いにして、まだ亡くなった事はないんですけど。
産科10年やっていれば、1人か2人は死ぬ、
って言われていて、運が良い人は当たらないでいく。
っていうような状況なんです。
それを刑事で問われているようではやっていられない。
10年やっていれば1人は当たるんだよ。
っていうような世界なのに、
っていうのがどうしてもありまして。
どうしてこの事件を民事ではなく、刑事で扱ったのか。
結果的に福島県の産科医療がどうなったのか、
っていう事を考えていきたい。
それから、報道を通して、どうしても患者さんと
医療が対立するもののようにみられてしまうんですけど。
そうではなく、病気と戦う時っていうのは、
医療者と患者が手を結んで一緒にやっていくものですよね。
地域医療を守るっていうのも、やっぱり住民と医者が
手を結んで一緒にやっていかないといけないんです。
そういう事を、みんなだんだん忘れていってしまったからこそ、
こういう事件を契機にみんな辞めてしまおう。
って思って辞めてしまっているのかな、
っていうのを少し感じました。
そして、ここから本題です。
【大野事件による福島県の産科地方医療崩壊】
厚生省が10年位前から調べている医師数ですけど。
福島県の産婦人科医の減り方は、
全国に比べて酷い(多い)です。
全国的に医師っていうのは、増え続けているんですけど、
福島県の伸び率は、めちゃくちゃ悪いです。
それから、福島県の施設数(病院、診療所)と
産婦人科の標榜科の変化です。
事件前と事件後では、産婦人科標榜数は
15.3%、減っています。
(病院数は、6.9%減、診療所数は、4.4%増)
圧倒的に減っているのが見て頂ければわかると思います。
「大野事件後、分娩休止した病院一覧」
○公立岩瀬病院
○呉羽総合病院
○福島労災病院
○わたり病院
○県立会津総合病院
○福島県立三春病院
○松村総合病院
○福島県立大野病院
○公立藤田総合病院
○県立南会津病院
○坂下厚生病院
○公立相馬総合病院(10月撤退予定)
2年半で、31→20(10月で19)病院に
今度閉鎖する、公立相馬総合病院も入っていますけど。
これだけの病院がやめて。
医師会も事件前には、分娩施設が減るなんて
考えてもみなかった、って言うんですね。
だから、調べてなかったって言って、
分娩施設の数がわかっていた医師会が、
4つしかなかったんですね。
それで現在の分娩施設を調べてみると、
こんなような状況になっていました。
グラフにしてみると、一目瞭然ですね。
大野事件後は、ぼこんと減っています。
いわき市の共立病院は、
今ハイリスク分娩しか扱っていません。
福島県における分娩可能施設の地図なんですけど。
見て頂ければわかるように、南部はほとんど真っ白けっけです。
これは、豪雪の時になると、4時間くらいかけて、
会津市まで行かないといけないんです。
今、緊急医師派遣があって、福島県が
医師を防衛医大から受けていますけど。
それで、妊婦検診だけを受けられるようにはなりましたけど。
それまでは、ガン検診も会津若松まで行かなければいけない、
というような状況になっています。
それから、いわき市も南部はほとんど
お産施設がなくなった、というような状況です。
茨城県の北の方のお産を支えています日立総合病院は、
年間1200の分娩をとっていますけれども。
この病院は、来年4月をもって閉鎖される事が
決定しています。
栃木県は南側にどうしても多い、というような状況です。
福島県の産婦人科自体が倒れかけなんじゃないかな、
って私は思っています。
ここからどうしていくのか、っていうこと。
今日、無罪で良かった、って。
それは良かったんですけど。
失ってしまったものを戻していくのは、
なかなか難しいと思います。
住民の皆さんが残った産科のスタッフを
どうやって守っていくのか。
そういった事を考えていただきたいな、と思います。
よろしくお願いします。
司会、上先生
本日配布致しました資料は、野村先生ご自身が、
各地区の地方自治体や電話等で取りまとめられた物です。
私が知る限り、福島県内の影響について
調べられたものは、これだけだと思います。
今回配布された資料によりまして、
こういう事がこの地域で起こっている。
という具体的なデーターでございます。
という事で、今日は司会の上先生の話と、
福島シンポジウム呼びかけ人の野村先生の話まででした。
スライドがないのに、文字だけで書いたから、
ちょっとわかりにくくなっちゃったかな。
言葉だけだとわかりにくいので、一部
私の言葉で変更している部分もありますので、あしからず。
8/20,福島でのシンポジウムの様子は、
『2008年8月20日:医療介護CBニュース』
にも書いてありますから。
興味ある人は、こちらも見てね!
大学病院に興味のある人は、これも読んでね!
→ 「大学病院のうそ」 ~現役医師(Dr. I)が暴露する、大学病院の秘密
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8/20,福島大野病院事件の判決に合わせて。
夏休みを取ったんですよね、私。
そいで、福島まで行っていたんですよー。
裁判は、もちろん傍聴できなかったんですけど。
その後に福島で行われたシンポジウム
「福島大野事件が地域産科医療にもたらした影響を考える」
には行ったので。
その時の様子をおいおい書いていきますね!
8/20。
福島の朝は、日差しも強く、湿度はさほどではないけど、
気温は30度近くあったと思います。
8:50までに裁判所に行って、
整理券をもらって、それから抽選。
という事だったので。
8:30頃、福島地裁に着きました。
裁判所の正面には、5台の中継車が止まっており、
マスコミ関係者と思われる人も、数十人はいましたね。
正面にいただけで。
裏の方で、傍聴したい人は並ぶんだけど。
その時点で、既に100人くらい来ていました。
そっちに並んでいた人とか、裏にいた人も入れたら、
マスコミ関係者は多分100人位いたんじゃないかなー。
それだけ、世間というかマスコミも注目していた
判決だ、って事ですね。
日差しも強く熱い中、北海道とか九州からも含め
知り合いの医者も10人位いました。
皆さん、私と同じように夏休みを取ってきてるのかな。
その中で1人、野村まみ先生が福島で午後一時から行われる、
シンポジウムの団扇を、並んでいる皆さんに配っていました。
すごく暑かったので、みんな感謝していましたよ。
その団扇を見て、シンポジウムに参加してくれた
一般の人達もいるようでしたし。
大成功だったと思います。
ホントに、暑い中お疲れ様でした。
8:50に抽選券というか整理券が配られると
思っていたんですけど。
実際は、9:15で。
私がもらった番号は
「111番」
でした。
なんか、縁起良いなー。
ラッキー。
そいで、全員に配り終わって、
15分後くらいに、抽選発表。
「110番」
おしい。
一番違いではずれてしまいました。
で、どんどん番号が読み上げられていって。
最後の人は、750番位だったかな。
そいで、25人ですから。
倍率、約30倍って事になりますね。
後で知った事なんですけど。
傍聴しようと並んだ人は、788人。
これ、福島地裁の過去20年間では最多だそうです。
知り合いの医者10人ちょっとは、全員はずれ。
まあ、どうせ私が当たっても、ロハスメの川口さんとか、
キャリアブレインの記者の方とか。
もっと私よりも聞いて貰いたい人にあげようと思っていたから。
キャリアブレインとロハスメディカルの川口さんは
当たって中で聞けた様なので。
そういう意味では、我々に当たるよりは良かったのかなー、
って思いましたわ。
後からブログ読んだら、川口さんも、本人ははずれたけど。
どっかから廻って来たんだね、傍聴席の券。
「福島県立大野病院事件 判決公判」
全国紙大手のA新聞は100人くらい、
動員したようっすけどね。
露骨に、地元の人と思われる人から、
抽選の券をもらっている関係者がいました。
そいで、加藤先生が裁判所に入るのを見守って。
時代の流れか、一部の人がワンセグで視聴。
ちなみに、私はそんなもん持ってなくて。
私の近くの医師軍団も、みんな持ってなくって。
全然知らない一般の人が見ているのを、
隣で見せて貰っていました(笑)
無罪の場合でも、
「無罪」
という垂れ幕、みたいなやつを裁判所の前で見せる、
って事は弁護側はやらない、という事は知っていたので。
マスコミが報道するのを待つしかないんですよねー。
裁判所の目の前でも。
結局、10時に開廷して、10分ちょっとで、
無罪判決が出たのを確認して。
午後からシンポジウムが行われるホテルに、
医者数人で帰って、お茶してました。
その後、ホテルの部屋に戻ってテレビを見て。
号外が出た、って事だったので、
福島駅まで取りに行ったりして。
シンポジウムの手伝いなんかをしていたら、
予定通り午後一時になって、シンポジウムが始まりました。
福島のシンポジウムの書記を頼まれていたんで。
それはブログに書きまーす。
って言っちゃったんだけど。
前振りだけで長くなっちゃったんで。
詳細は、次回以降に書きますか。
要旨は、「産科医療のこれから」の
「こんなにも多彩な人々が加藤克彦氏の無罪を信じていた
―判決直後にシンポジウム」
に、もう書かれているみたいなんで。
その時の雰囲気を知りたい人は、
とりあえずこっちを読んでね!
平日の昼なのに、150人くらい集まって。
しかも、半分くらいは一般の人で、
シンポジウムは大成功だったと思いますよ。
特に、最後に発起人の野村まみ先生が語った言葉は、
涙なしには聞けませんでした。
加藤先生が無罪になってとりあえずは良かったけど。
大事なのは、これからどうするか、って事なんですよね。
誰が日本の医療を殺すのか―「医療崩壊」の知られざる真実
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夏休みを取ったんですよね、私。
そいで、福島まで行っていたんですよー。
裁判は、もちろん傍聴できなかったんですけど。
その後に福島で行われたシンポジウム
「福島大野事件が地域産科医療にもたらした影響を考える」
には行ったので。
その時の様子をおいおい書いていきますね!
8/20。
福島の朝は、日差しも強く、湿度はさほどではないけど、
気温は30度近くあったと思います。
8:50までに裁判所に行って、
整理券をもらって、それから抽選。
という事だったので。
8:30頃、福島地裁に着きました。
裁判所の正面には、5台の中継車が止まっており、
マスコミ関係者と思われる人も、数十人はいましたね。
正面にいただけで。
裏の方で、傍聴したい人は並ぶんだけど。
その時点で、既に100人くらい来ていました。
そっちに並んでいた人とか、裏にいた人も入れたら、
マスコミ関係者は多分100人位いたんじゃないかなー。
それだけ、世間というかマスコミも注目していた
判決だ、って事ですね。
日差しも強く熱い中、北海道とか九州からも含め
知り合いの医者も10人位いました。
皆さん、私と同じように夏休みを取ってきてるのかな。
その中で1人、野村まみ先生が福島で午後一時から行われる、
シンポジウムの団扇を、並んでいる皆さんに配っていました。
すごく暑かったので、みんな感謝していましたよ。
その団扇を見て、シンポジウムに参加してくれた
一般の人達もいるようでしたし。
大成功だったと思います。
ホントに、暑い中お疲れ様でした。
8:50に抽選券というか整理券が配られると
思っていたんですけど。
実際は、9:15で。
私がもらった番号は
「111番」
でした。
なんか、縁起良いなー。
ラッキー。
そいで、全員に配り終わって、
15分後くらいに、抽選発表。
「110番」
おしい。
一番違いではずれてしまいました。
で、どんどん番号が読み上げられていって。
最後の人は、750番位だったかな。
そいで、25人ですから。
倍率、約30倍って事になりますね。
後で知った事なんですけど。
傍聴しようと並んだ人は、788人。
これ、福島地裁の過去20年間では最多だそうです。
知り合いの医者10人ちょっとは、全員はずれ。
まあ、どうせ私が当たっても、ロハスメの川口さんとか、
キャリアブレインの記者の方とか。
もっと私よりも聞いて貰いたい人にあげようと思っていたから。
キャリアブレインとロハスメディカルの川口さんは
当たって中で聞けた様なので。
そういう意味では、我々に当たるよりは良かったのかなー、
って思いましたわ。
後からブログ読んだら、川口さんも、本人ははずれたけど。
どっかから廻って来たんだね、傍聴席の券。
「福島県立大野病院事件 判決公判」
全国紙大手のA新聞は100人くらい、
動員したようっすけどね。
露骨に、地元の人と思われる人から、
抽選の券をもらっている関係者がいました。
そいで、加藤先生が裁判所に入るのを見守って。
時代の流れか、一部の人がワンセグで視聴。
ちなみに、私はそんなもん持ってなくて。
私の近くの医師軍団も、みんな持ってなくって。
全然知らない一般の人が見ているのを、
隣で見せて貰っていました(笑)
無罪の場合でも、
「無罪」
という垂れ幕、みたいなやつを裁判所の前で見せる、
って事は弁護側はやらない、という事は知っていたので。
マスコミが報道するのを待つしかないんですよねー。
裁判所の目の前でも。
結局、10時に開廷して、10分ちょっとで、
無罪判決が出たのを確認して。
午後からシンポジウムが行われるホテルに、
医者数人で帰って、お茶してました。
その後、ホテルの部屋に戻ってテレビを見て。
号外が出た、って事だったので、
福島駅まで取りに行ったりして。
シンポジウムの手伝いなんかをしていたら、
予定通り午後一時になって、シンポジウムが始まりました。
福島のシンポジウムの書記を頼まれていたんで。
それはブログに書きまーす。
って言っちゃったんだけど。
前振りだけで長くなっちゃったんで。
詳細は、次回以降に書きますか。
要旨は、「産科医療のこれから」の
「こんなにも多彩な人々が加藤克彦氏の無罪を信じていた
―判決直後にシンポジウム」
に、もう書かれているみたいなんで。
その時の雰囲気を知りたい人は、
とりあえずこっちを読んでね!
平日の昼なのに、150人くらい集まって。
しかも、半分くらいは一般の人で、
シンポジウムは大成功だったと思いますよ。
特に、最後に発起人の野村まみ先生が語った言葉は、
涙なしには聞けませんでした。
加藤先生が無罪になってとりあえずは良かったけど。
大事なのは、これからどうするか、って事なんですよね。
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本日、8/20。
やっと、福島大野病院事件の判決が出ましたね。
「無罪」でしたー。
いやー、ホント良かった、良かった。
私は、何も協力できなかったんですが、
なんか、ほっとしましたねー。
加藤医師「きちんと判断、ほっとした」
=現場復帰に意欲も-帝王切開死、無罪判決
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080820-00000128-jij-soci
福島県立大野病院(同県大熊町)の帝王切開死事故で、
福島地裁の無罪判決を受けた加藤克彦医師(40)は
20日午後、福島市内で記者会見し、
「ほっとした。裁判所は真剣に審議し、
きちんとした判断をしてもらった」
と述べた。
今後は産婦人科の現場に復帰する意思を明らかにした。
加藤医師は会見冒頭、手術で死亡した女性について、
「信頼して受診してもらったのに、
家族にもつらい思いをさせてしまい申し訳ない」と謝罪。
励ましの手紙や電報、支援者に対する
感謝の言葉を読み上げ、深く頭を下げた。
『2008年8月20日:時事通信』
その後に、福島でシンポジウムがあったのですが。
みんな言っていた事は「ほっとした」って事ですね。
皆さん、大野病院事件が有罪になったら、
ホントに日本の医療が崩壊する。
って事で、危機意識をもっていた方達ばっかだったので。
その言葉は、本当でしょうね。
その中でも言われていた事なのですが。
福島大野病院事件が起こったきっかけは、
医療事故でもミスがないと、保険会社はお金を出さない。
って事で、福島県の調査委員会が、医療ミスがないのに
医療ミスがあった、って事にしたからなんですね。
それが、どこでどう間違ったか、賠償金が出るって話でなく、
警察がかぎつけて、逮捕されてしまった、という。
医療ミスがなくても、人間の死亡率は100%なんですから。
死ぬ事はあるんですよ、当たり前ですけど。
そうなった時に、医療ミスの有無にかかわらず、
遺族に国が保証する、無過失保証制度を作るとか。
素人の警察、検察じゃなくて、きちんとした
専門家が判断する組織を作るとか。
そういうシステムを作るって事が大事だと思いますね。
今回の判決は、検察側鑑定医。
分娩が専門ではなくて、婦人科腫瘍が専門の
某教授の意見は、自分では見たことないのに、
文献に書いてある話だけで、机上の空論に近い。
それに対して、弁護側の鑑定医、複数は
本当の分娩の専門家で、症例も豊富で。
その人達の言っている事の方が
説得力もあるし、信用ができるようだ。
っていう事と。
実際の医療現場で、しょっちゅう行われている医療行為は、
それを持って、罰を与える事はできない。
っていう、ホントに全うな判決だったと思いますよ。
遺族の方は、「これで医療不信が深まった。」
という様な事をおっしゃっていたらしいですけど。
そもそも、裁判やって得する人なんか、誰もいないんですよ。
加藤先生は、裁判には勝ったけど。
それに費やした2年半という時間と、
その時にかかった膨大なストレスもありますから。
それが、勝訴したからって、元に戻る訳ではないんです。
遺族の方達も、負けたら当然納得がいかないんでしょうけど。
そもそも、遺族側が完全に納得がいくっていうのは、
患者さんが生き返る以外はないでしょ。
だから、それ自体はしょうがないことだと思いますよ。
そういう意味では、遺族の方もかわいそうだと思います。
最初から、刑事事件にする気なんかなかったんだから。
それにしても、加藤先生。
本当に、お疲れ様でしたー。
福島のシンポジウムに関しては、
ノート10枚分くらい筆記したので。
おいおいアップしていきますね!
この記事に、遺族の方達を中傷する意図はありません。
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やっと、福島大野病院事件の判決が出ましたね。
「無罪」でしたー。
いやー、ホント良かった、良かった。
私は、何も協力できなかったんですが、
なんか、ほっとしましたねー。
加藤医師「きちんと判断、ほっとした」
=現場復帰に意欲も-帝王切開死、無罪判決
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080820-00000128-jij-soci
福島県立大野病院(同県大熊町)の帝王切開死事故で、
福島地裁の無罪判決を受けた加藤克彦医師(40)は
20日午後、福島市内で記者会見し、
「ほっとした。裁判所は真剣に審議し、
きちんとした判断をしてもらった」
と述べた。
今後は産婦人科の現場に復帰する意思を明らかにした。
加藤医師は会見冒頭、手術で死亡した女性について、
「信頼して受診してもらったのに、
家族にもつらい思いをさせてしまい申し訳ない」と謝罪。
励ましの手紙や電報、支援者に対する
感謝の言葉を読み上げ、深く頭を下げた。
『2008年8月20日:時事通信』
その後に、福島でシンポジウムがあったのですが。
みんな言っていた事は「ほっとした」って事ですね。
皆さん、大野病院事件が有罪になったら、
ホントに日本の医療が崩壊する。
って事で、危機意識をもっていた方達ばっかだったので。
その言葉は、本当でしょうね。
その中でも言われていた事なのですが。
福島大野病院事件が起こったきっかけは、
医療事故でもミスがないと、保険会社はお金を出さない。
って事で、福島県の調査委員会が、医療ミスがないのに
医療ミスがあった、って事にしたからなんですね。
それが、どこでどう間違ったか、賠償金が出るって話でなく、
警察がかぎつけて、逮捕されてしまった、という。
医療ミスがなくても、人間の死亡率は100%なんですから。
死ぬ事はあるんですよ、当たり前ですけど。
そうなった時に、医療ミスの有無にかかわらず、
遺族に国が保証する、無過失保証制度を作るとか。
素人の警察、検察じゃなくて、きちんとした
専門家が判断する組織を作るとか。
そういうシステムを作るって事が大事だと思いますね。
今回の判決は、検察側鑑定医。
分娩が専門ではなくて、婦人科腫瘍が専門の
某教授の意見は、自分では見たことないのに、
文献に書いてある話だけで、机上の空論に近い。
それに対して、弁護側の鑑定医、複数は
本当の分娩の専門家で、症例も豊富で。
その人達の言っている事の方が
説得力もあるし、信用ができるようだ。
っていう事と。
実際の医療現場で、しょっちゅう行われている医療行為は、
それを持って、罰を与える事はできない。
っていう、ホントに全うな判決だったと思いますよ。
遺族の方は、「これで医療不信が深まった。」
という様な事をおっしゃっていたらしいですけど。
そもそも、裁判やって得する人なんか、誰もいないんですよ。
加藤先生は、裁判には勝ったけど。
それに費やした2年半という時間と、
その時にかかった膨大なストレスもありますから。
それが、勝訴したからって、元に戻る訳ではないんです。
遺族の方達も、負けたら当然納得がいかないんでしょうけど。
そもそも、遺族側が完全に納得がいくっていうのは、
患者さんが生き返る以外はないでしょ。
だから、それ自体はしょうがないことだと思いますよ。
そういう意味では、遺族の方もかわいそうだと思います。
最初から、刑事事件にする気なんかなかったんだから。
それにしても、加藤先生。
本当に、お疲れ様でしたー。
福島のシンポジウムに関しては、
ノート10枚分くらい筆記したので。
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いよいよ明日、8/20。
福島大野病院事件の判決が下されますね。
医学っていうのは、不確実なものですから。
絶対に大丈夫って事はないんですよ。
日本は、周産期死亡率が世界一低いんですけど。
それでも、お産をすれば、死ぬ人もいるんですよ。
ある一定の確率で、必ずね。
100点満点のテストで60点以上が合格として。
99点だったら、喜びますよね、普通。
楽勝で合格点だし、
ほとんど満点に近いような点数だから。
多分、クラスで一番か二番でしょう。
でも、言い方を変えれば、
1点はミスしているんですよね。
100点満点で99点っていう事は。
その1点の事だけを取り上げて、「医療ミスだ」
って言っているのが、一部の医療訴訟です。
しかも、点数の基準が○×とか。
マークシートとか、そういう完全に白黒
はっきりつけるものならともかく。
採点者によっては、人によっては正しいけど、
人によっては、正しくない。
って言ってるような、そんな基準で。
一部の医療訴訟は行われています。
福島大野病院事件の場合は、
極めてまれで予測不能な難治疾患と遭遇して、
救命を目的に必死の思いで
正当な医療行為を実施しても、
結果的にその患者さんを救命できなかった。
そういう場合に、今回のように極悪非道の殺人犯と
全く同じ扱いで逮捕・起訴されるようでは、
危なくて誰もリスクを伴う医療には
従事できなくなってしまうんですよ。
8/20,福島大野病院事件で、
被告のK医師が有罪になるような事があれば。
日本の医療崩壊は、ますます加速してしまいます。
2年前であれば、
福島大野病院事件が有罪になったら、
日本の医療は崩壊する。
って言われていたんだけど。
残念ながら、この2年で日本の医療は、
どんどん崩壊してしまって。
もう誰にも止められないところまで来ています。
これ以上、日本の医療を崩壊させない為に。
8/20、福島大野病院事件の判決は、
K先生が無罪である事を信じます。
「我々は福島大野病院事件で逮捕された
産婦人科医の無罪を信じ支援します。」
医学的な事に関しては、
ブログ「ある産婦人科医のひとりごと」の
『大野病院事件 8月20日に判決』
に詳しく書いています。
とても良い事が書いてあるので、
引用させて頂きますね!
大野病院事件 8月20日に判決
コメント(私見):
今回の症例は子宮後壁の癒着胎盤
とのことですから、帝王切開の既往とも
関係ありませんし、癒着胎盤と手術前に
診断することも予測することも
不可能だったと考えられます。
極めてまれで予測不能な難治疾患と遭遇して、
救命を目的に必死の思いで正当な医療行為を
実施しても、結果的にその患者さんを
救命できなかった場合に、
今回のように極悪非道の殺人犯と全く同じ扱いで
逮捕・起訴されるようでは、
危なくて誰もリスクを伴う医療には
従事できなくなってしまいます。
また、県の医療事故調査委員会の報告書は
県の意向に沿って作成されたもので、
佐藤教授が県に訂正を求めたが、
「こう書かないと賠償金は出ない」
との理由で却下されたとのことです。
そもそも、正当な医療行為に対して、
「医療過誤があったということにして賠償金を出させよう」
という考え方が根本的におかしいし、
そのために一人の医師の人生が
めちゃくちゃにされ、日本の産科医療全体を
崩壊の方向に加速させたこの事件の
意味するところは非常に重大です。
【 参照:『福島県立大野病院の医師逮捕は不当』】
以前より、我が国では「産婦人科医一人体制」
の施設が多いことが問題視されてきました。
その解決策の一つとされていたのが
分娩施設の集約化です。
本事件以降は、全国的に「産婦人科医一人体制」
などのマンパワーの不十分な施設は
次々に閉鎖に追い込まれています。
結果的に、本事件は我が国の周産期医療体制の
再編が始まる契機になったことも確かだと思います。
【 参照:『産科崩壊に対する緊急支援策』】
周産期医療に従事している限り、癒着胎盤に
いつ遭遇するかは全くわかりません。
そして、いざ癒着胎盤に遭遇した時には、
本事件の担当医師と全く同じ対応を
しなければならない立場にいるわけですから、
多くの産婦人科医が
「とてもじゃないがやってられない」
という気持ちになって辞職しました。
今度の判決次第では、現在まだ現場に
何とか踏みとどまっている産婦人科医の中からも
大量の離職者が出るかもしれません。
【 参照:『大野病院事件の影響』】
明日、8/20には、福島大野病院事件の
判決が行われます。
そして、その後に福島でシンポジウムも行われます。
シンポジウム
「福島大野事件が地域産科医療にもたらした影響を考える」
K先生の無罪と福島のシンポジウムの成功を祈ります。
この記事は、Yosyan先生の、「新小児科医のつぶやき」
『2008-08-17 8.20まで後3日』
『明日は8.20』
の「ネット企画」に賛同した記事です。
http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20080819#c
福島大野病院事件で逮捕された産婦人科医
K先生の無罪を信じ支援する人は、
コメント、お願いしまーす!
8/20の野村先生の意気込みは、これを見てね!
『大野病院事件判決まで、あと3日』
医者のホンネが知りたい人は、こちらから!
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福島大野病院事件の判決が下されますね。
医学っていうのは、不確実なものですから。
絶対に大丈夫って事はないんですよ。
日本は、周産期死亡率が世界一低いんですけど。
それでも、お産をすれば、死ぬ人もいるんですよ。
ある一定の確率で、必ずね。
100点満点のテストで60点以上が合格として。
99点だったら、喜びますよね、普通。
楽勝で合格点だし、
ほとんど満点に近いような点数だから。
多分、クラスで一番か二番でしょう。
でも、言い方を変えれば、
1点はミスしているんですよね。
100点満点で99点っていう事は。
その1点の事だけを取り上げて、「医療ミスだ」
って言っているのが、一部の医療訴訟です。
しかも、点数の基準が○×とか。
マークシートとか、そういう完全に白黒
はっきりつけるものならともかく。
採点者によっては、人によっては正しいけど、
人によっては、正しくない。
って言ってるような、そんな基準で。
一部の医療訴訟は行われています。
福島大野病院事件の場合は、
極めてまれで予測不能な難治疾患と遭遇して、
救命を目的に必死の思いで
正当な医療行為を実施しても、
結果的にその患者さんを救命できなかった。
そういう場合に、今回のように極悪非道の殺人犯と
全く同じ扱いで逮捕・起訴されるようでは、
危なくて誰もリスクを伴う医療には
従事できなくなってしまうんですよ。
8/20,福島大野病院事件で、
被告のK医師が有罪になるような事があれば。
日本の医療崩壊は、ますます加速してしまいます。
2年前であれば、
福島大野病院事件が有罪になったら、
日本の医療は崩壊する。
って言われていたんだけど。
残念ながら、この2年で日本の医療は、
どんどん崩壊してしまって。
もう誰にも止められないところまで来ています。
これ以上、日本の医療を崩壊させない為に。
8/20、福島大野病院事件の判決は、
K先生が無罪である事を信じます。
「我々は福島大野病院事件で逮捕された
産婦人科医の無罪を信じ支援します。」
医学的な事に関しては、
ブログ「ある産婦人科医のひとりごと」の
『大野病院事件 8月20日に判決』
に詳しく書いています。
とても良い事が書いてあるので、
引用させて頂きますね!
大野病院事件 8月20日に判決
コメント(私見):
今回の症例は子宮後壁の癒着胎盤
とのことですから、帝王切開の既往とも
関係ありませんし、癒着胎盤と手術前に
診断することも予測することも
不可能だったと考えられます。
極めてまれで予測不能な難治疾患と遭遇して、
救命を目的に必死の思いで正当な医療行為を
実施しても、結果的にその患者さんを
救命できなかった場合に、
今回のように極悪非道の殺人犯と全く同じ扱いで
逮捕・起訴されるようでは、
危なくて誰もリスクを伴う医療には
従事できなくなってしまいます。
また、県の医療事故調査委員会の報告書は
県の意向に沿って作成されたもので、
佐藤教授が県に訂正を求めたが、
「こう書かないと賠償金は出ない」
との理由で却下されたとのことです。
そもそも、正当な医療行為に対して、
「医療過誤があったということにして賠償金を出させよう」
という考え方が根本的におかしいし、
そのために一人の医師の人生が
めちゃくちゃにされ、日本の産科医療全体を
崩壊の方向に加速させたこの事件の
意味するところは非常に重大です。
【 参照:『福島県立大野病院の医師逮捕は不当』】
以前より、我が国では「産婦人科医一人体制」
の施設が多いことが問題視されてきました。
その解決策の一つとされていたのが
分娩施設の集約化です。
本事件以降は、全国的に「産婦人科医一人体制」
などのマンパワーの不十分な施設は
次々に閉鎖に追い込まれています。
結果的に、本事件は我が国の周産期医療体制の
再編が始まる契機になったことも確かだと思います。
【 参照:『産科崩壊に対する緊急支援策』】
周産期医療に従事している限り、癒着胎盤に
いつ遭遇するかは全くわかりません。
そして、いざ癒着胎盤に遭遇した時には、
本事件の担当医師と全く同じ対応を
しなければならない立場にいるわけですから、
多くの産婦人科医が
「とてもじゃないがやってられない」
という気持ちになって辞職しました。
今度の判決次第では、現在まだ現場に
何とか踏みとどまっている産婦人科医の中からも
大量の離職者が出るかもしれません。
【 参照:『大野病院事件の影響』】
明日、8/20には、福島大野病院事件の
判決が行われます。
そして、その後に福島でシンポジウムも行われます。
シンポジウム
「福島大野事件が地域産科医療にもたらした影響を考える」
K先生の無罪と福島のシンポジウムの成功を祈ります。
この記事は、Yosyan先生の、「新小児科医のつぶやき」
『2008-08-17 8.20まで後3日』
『明日は8.20』
の「ネット企画」に賛同した記事です。
http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20080819#c
福島大野病院事件で逮捕された産婦人科医
K先生の無罪を信じ支援する人は、
コメント、お願いしまーす!
8/20の野村先生の意気込みは、これを見てね!
『大野病院事件判決まで、あと3日』
医者のホンネが知りたい人は、こちらから!
→ 『医者のホンネが丸わかり!(改)』
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このブログでもかなり力を入れて取り上げてきた、
福島の大野病院事件。
2006.2.18に、ある産科医が逮捕されました。
一生懸命に頑張って、1人の妊婦を救おうとして、
命を救えなかった、というだけで。
しかも、その病気は数千人に一人という、
非常に珍しい病気で。
しかも、事前に予測する事は難しい病気で、
命を救うのが難しい症例であったにも関わらず。
更に、逮捕されたのが、1年以上経った後。
それまでずっと病院で診療しており、
証拠も全て警察に押収されており。
逃亡の恐れも証拠隠滅の恐れもなかったのに。
この福島大野病院事件の逮捕劇は、
日本中の医師にとって、
長崎、広島の原爆級の衝撃が走りました。
特に影響が大きかったのは産科です。
まあ、当たり前ですね。
帝王切開の時に妊婦が死亡した。
というのが、逮捕のきっかけですから。
福島大野病院事件の後、全国で
産科医が1人でお産をする病院が激減しました。
そして、その次に影響が大きかったのは、
手術を行う外科です。
手術にはリスクがつきものですからね。
手術っていうのは、やらなきゃ死ぬかもしれない。
っていう人に行う事が多いのですが。
基本的には、手術をした方が
手術をやらないよりも、助かる可能性が高い。
という事ですので。
手術をやったから、絶対に助かる。
というものではないんですね、当然。
それなのに、手術をして患者が死んだら逮捕。
という事になれば、手術をやらない。
という選択肢が出るのは当然です。
実際、若い医師で外科医になろうという人は、激減して。
このままいったら、10年後には新しく外科医になる
医師がいなくなるかもしれない。
っていうとこまでいっています。
救急の現場でも、リスクの高い患者は受け入れられない。
という「萎縮医療」も起こっています。
その衝撃的な福島大野病院事件の判決が、
3日後の8/20に出ます。
『大野病院事件判決まで一ヶ月』
の記事にも書いたけど。
8/20の福島大野病院事件の判決に合わせて、
福島でシンポジウムが行われますよ。
詳細がわかったので、もう一回紹介しますね。
大野事件の意味を考えるシンポ開催
シンポジウム
「福島大野事件が地域産科医療にもたらした影響を考える」
が8月20日の午後1時から、
福島市の福島グリーンパレスで開かれる。
「福島大野事件が地域産科医療にもたらした
影響を考える会実行委員会」の主催。
産婦人科医が帝王切開手術中の女性を
大量出血で失血死させたとして、
業務上過失致死などの罪に問われ、
2006年に逮捕・起訴された「福島県立大野病院事件」の
判決が同日に言い渡されることを受けたもの。
シンポジウム呼び掛け人の野村麻実医師は、
「このシンポジウムを通し、医療者も患者も
困っているということを皆で共有したい。
この裁判をきっかけに、福島の地域医療が崩壊し、
委縮医療を招いた。
医療崩壊は産科から外科などにも広がっている。
われわれ医療側もこうした事件が起こらなければ、
世間に対してなかなか動かないという反省がある。
ただ、地域医療を守るには、医療者だけでなく
住民の参加が必須。
シンポジウムには、地域の人や
妊婦さんたちの会などにも来てもらい、
一緒にこの問題や、今後の地域医療について
考えていきたい」と話している。
パネリストは以下の通り。
▽山崎輝行・(長野県)飯田市立病院産婦人科部長
▽野村麻実・国立病院機構名古屋医療センター産婦人科医師
▽岸和史・和歌山県立医科大放射線医学講座准教授
▽佐藤一樹・綾瀬循環器病院心臓血管外科医師
▽川口恭・ロハスメディア代表取締役
▽加治一毅弁護士
▽上昌広・東大東大医科学研究所探索医療
ヒューマンネットワークシステム部門特任准教授
参加費は1000円で、当日参加も可能。
名前と所属を記入の上、Eメールで
oono.obs@gmail.comまで申し込む。
詳細はホームページ http://oono-obs.umin.jp/
『キャリアブレイン 2008年8月5日』
福島大野病院事件に関しては、
産科医の先生が一番力を入れていますよね、やっぱり。
特に、医師ブログが世間に広がったきっかけになった、
『ある産婦人科医のひとりごと』
そして、ものすごい情報量と更新頻度で、
今一番パフルな医師ブログ。
僻地の産科医先生の
『産科医療のこれから』
この2つの医師ブログは、すごいですわ、ホント。
『産科医療のこれから』によせられた、
福島のシンポジウムを企画した、
産科医の野村麻実先生からのメッセージです。
大野事件の判決日、福島に集まりましょう!!!
8月20日、大野事件の判決が出ます。
はじめは加藤先生の応援のために、
福島に集まって応援したらどうだろう?
と考えていました。
産婦人科関係の方と会ってはならないという
保釈条件は判決が出るまでの話ですし、
どんな判決が出るにしろよく頑張ったねって
声をかけてあげたい人がたくさん全国に
いるはずだと思ったからです。
でも、いろいろと当時からのことを振り返って
勉強していくうちに、考え方が変わってきました。
福島大野事件は多くの教訓を残しているからです。
例えば、この事件があるまで、産婦人科は
あまり周産期死亡や母体死亡の話をしてこなかった。
どれくらいの数の妊婦さんを医療が救っているのか、
それでも亡くなる難しい病気があるって事、
あんまりきちんと公表してきませんでした。
学会や医会はそういったことを反省して、
さまざまな調査を行い、そして
73人の重症患者さんのうち頑張って力を尽くして、
72人までの妊婦さんを助けている
という調査結果も出しました。
それでも亡くなる方が出る。
頑張ってもやっぱりゼロには出来ないんです!
っていえるようになってきました。
それから、医師の労働条件が必ずしも
患者さんにとってよくないことも認めるようになりました。
一人しか産婦人科医のいない病院で
外科の先生にお手伝いしてもらって手術をしている状態では、
やっぱり危ない時に危険かもしれません。
そこで反省を含めて集約化を始めるようになりました。
(ただこの加藤先生のケースでは、術中エコーもし、
胎盤のない部分の子宮体部をU字型に切りこむという
かなり注意深い術式を用いており、
一人医長であったにもかかわらず、
よく勉強されて最新の手法を用いていらっしゃいます。)
厚労省も慌てました。
反省し、このようなことが二度と起こらないようにと、
一生懸命システムを構築しようとしています。
(方向性が間違っているので、私は反対ですが。)
国民の方も「分娩は安全ではない」ことを知り、
妊娠中の生活態度の見直し
なども始まっています。
そして報道も段々と変わってきました。
しかし、警察と検察はどうなのでしょうか?
県立病院は補償のためミスを認めようとしていたのです。
というのは、自動車事故で保険にお世話になった方なら
分かる話ですが、保険会社はお金を出し渋るのです。
たしかに誰が見ても“責任ある”事故であれば、
文句なくお金をトトンと出してくれますが、
灰色の、あるいはミスのなさそうな、
“そもそも死んでもおかしくない病気じゃないの?”
という病気となるとしつこくミスを認めない限り
出してくれません。
ですから亡くなった方の御遺族のために報告書まで作って、
(賠償金を落とすために)ミスを認め、すでに謝罪し、
主治医の加藤先生は減給処分にまでなった。
でも納得してもらえるならいいと思っていたのでしょう。
それが。
突然の(ご遺族も頼んでいない)
警察の介入によって保険金支払いは
裁判の最終結果が出るまで延期になってしまいました。
それから1年経って突然の逮捕!!!!
もう証拠は全部押さえられてるのだし、
事故調査報告書を作られた時点で
口裏あわせなんてしようがないし、
そもそもそこまで調査して書かないと
保険会社だって素直に賠償金を
出してくれないような病気。
毎日、きちんと病院に出勤していた産科医を
逮捕する理由なんて何一つないのです。
逮捕→裁判となれば誰だって闘います。
そうしないと犯罪者にされてしまうから。
医師免許もなくなっちゃう!
ご遺族の方も豹変振りにびっくりされたでしょう。
そして傷つかれたはずです。
その2年半の間に、産科の崩壊が加速度的に進み、
地方は荒れ、救急医療は萎縮し、
影響は全国に及びました。
ヘリコプター搬送なんて映画の話だったのに、
いまや現実のものとなっています。
福島県の南会津地方には分娩可能な施設は
ひとつもなくなりました。
今回の裁判は注目されていたので
さまざまな情報を入手することが出来ました。
有志で毎回傍聴券の難関を潜り抜け、
傍聴録をアップしてくださっている方々もいました。
ですからどんな判決でも、私たち産婦人科医は
自分たちの判断で無実だと思うだけの話なんです。
(それでもショックで辞める方は続出するでしょうが。)
ただ警察はこの介入によって、
何を得ようとしたのでしょう?
いたづらに患者さんを傷つけ、
求刑はよりにもよって
「禁固1年と10万円」。
「警察・検察は一体、何を反省したのだろうか?」
「不勉強なまま医療を立件することが、
どれだけ患者さん御遺族の心を傷つけただろうか?」
「全国に広がってしまった産科砂漠について、
どう考えているのだろうか?」
このまま控訴、あるいは控訴されて、
証拠や書類を集めて高裁に送るだけ
と考えているならそれはあまりにも
無責任すぎやしないでしょうか?
ある患者側のご高名な弁護士さんがおっしゃられていました。
「あれだけ、高名なその道の専門医が揃っちゃうとねぇ。。。。」
騒がれない民事訴訟であったならば患者さん側にも
勝訴の見込みはあったかもしれません。
でもこの裁判の後で患者さん側の鑑定医を
つとめる人間がいるとも思えません。
医療不信を植え付けたまま、
患者さんの希望をもぺしゃんこに、踏みにじっています。
ある意味、この事件は冤罪に近いものがあります。
しかも被害は甚大で、
産科崩壊も福島の医療崩壊も
風評被害を蒙っています。
まずこの刑事立件によってどんな弊害が
医療界で起きたのか、そして直接市民のみなさま
にどのように影響しているのか。
この逮捕が正しかったのかどうか。
警察と検察が考えないのであれば、
評価するのは国民のみなさまです。
各地でどのようなことが起こりつつあるのか、
刑事立件は事故再発の役に立つのか?
この事件によって何が起こり何を得たのか。
みなさんで考えていきましょう。
8月20日、福島でお会いできることを願って。
『大野事件の判決日、福島に集まりましょう!!!』
なお、参加できない方のために
新小児科医のつぶやきのYosyan先生が、
企画を考えてくださっていますから。
こっちも見てみてね!
『2008-08-17 8.20まで後3日』
■メイン企画
シンポジウム
「福島大野事件が地域産科医療にもたらした影響を考える」
メイン企画は国立病院機構 名古屋医療センターの
野村麻実先生が音頭を取って行なわれる立派な企画です。
サブ企画のほうはネットを中心に
8.20を想う人々勝手連的に動くものです。
■サブ企画
1,『ボールペン企画』
「我々は福島事件で逮捕された
産婦人科医の無実を信じ支援します」
という文字が入ったボールペンを周りの人達に配って、
福島大野病院事件の事をみんなに知って貰う企画です。
2,メイル企画
福島メイン企画に直接参加できない方の
声を集めようという企画です。
送って頂いたメイルは「(メイン企画会場にて)
当日読ませていただくか、配布させていただきます。」
予定です。
また現在、被告産科医師は医療関係者との
接触を強く制限されている状態ですが、
判決後には接触可能になる見通しで、
なんとかこの集まったメイルを
被告産科医師に届ける見通しも立ちつつあります。
何か「一言でも」と思われる方はよろしくお願いします。
メールアドレスは、こちらですよ!
oono.obs@gmail.com
3,ネット企画
前日の8/19に
「我々は福島大野病院事件で逮捕された
産婦人科医の無罪を信じ支援します。」
のテーマでコメント募集をやります。
他のブロガーの方で協賛して頂ける方が
おられれば協力お願いします。
要領は『2.18』
と同じです。
なお8.20当日はどうするかは、
当日の判決で決めたいと考えています。
と言うか、どうしようかまだ決めていないので
白紙状態ですが、判決がどう出るにせよ、
何か必ず書きます。
4,募金企画
これはメイン企画の支援企画です。
メイン企画は国立病院機構 名古屋医療センターの
野村麻実先生が頑張って出来たと言っても良いのですが、
ある意味学会並みの準備と費用が必要です。
メイン企画実現までには本当に紆余曲折があり、
それこそ幾多の試練を乗り越えて
ようやく実現みたいな感じになっています。
そこでせめて費用の分だけでも
カンパしようと言うのがこの企画です。
某SNS(全医連ではないです)と
某MLだけで行なわれていたのですが、
一般にも募金を広げたいと思います。
募金はメイン企画の運用に使われた後、
精算され残額が出れば被告産科医師支援に回されます。
口座管理及び資金管理は第三者が望ましいという事で、
moto先生にお願いしました。
moto先生はご存知の方も多いと思いますが、
「新小児科医のつぶやき」の
レギュラーコメンテーターであり、
ボールペン企画の主催者でもあります。
募金方法は振込みだけです。
ーー募金は終了しましたので、削除させて頂きました。ーー
メイン企画には参加でないにしろ、
せめて資金援助だけでもしようという方は、
よろしくお願い致します。
医療や医療訴訟について知りたい人はこれを読んでね!
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福島の大野病院事件。
2006.2.18に、ある産科医が逮捕されました。
一生懸命に頑張って、1人の妊婦を救おうとして、
命を救えなかった、というだけで。
しかも、その病気は数千人に一人という、
非常に珍しい病気で。
しかも、事前に予測する事は難しい病気で、
命を救うのが難しい症例であったにも関わらず。
更に、逮捕されたのが、1年以上経った後。
それまでずっと病院で診療しており、
証拠も全て警察に押収されており。
逃亡の恐れも証拠隠滅の恐れもなかったのに。
この福島大野病院事件の逮捕劇は、
日本中の医師にとって、
長崎、広島の原爆級の衝撃が走りました。
特に影響が大きかったのは産科です。
まあ、当たり前ですね。
帝王切開の時に妊婦が死亡した。
というのが、逮捕のきっかけですから。
福島大野病院事件の後、全国で
産科医が1人でお産をする病院が激減しました。
そして、その次に影響が大きかったのは、
手術を行う外科です。
手術にはリスクがつきものですからね。
手術っていうのは、やらなきゃ死ぬかもしれない。
っていう人に行う事が多いのですが。
基本的には、手術をした方が
手術をやらないよりも、助かる可能性が高い。
という事ですので。
手術をやったから、絶対に助かる。
というものではないんですね、当然。
それなのに、手術をして患者が死んだら逮捕。
という事になれば、手術をやらない。
という選択肢が出るのは当然です。
実際、若い医師で外科医になろうという人は、激減して。
このままいったら、10年後には新しく外科医になる
医師がいなくなるかもしれない。
っていうとこまでいっています。
救急の現場でも、リスクの高い患者は受け入れられない。
という「萎縮医療」も起こっています。
その衝撃的な福島大野病院事件の判決が、
3日後の8/20に出ます。
『大野病院事件判決まで一ヶ月』
の記事にも書いたけど。
8/20の福島大野病院事件の判決に合わせて、
福島でシンポジウムが行われますよ。
詳細がわかったので、もう一回紹介しますね。
大野事件の意味を考えるシンポ開催
シンポジウム
「福島大野事件が地域産科医療にもたらした影響を考える」
が8月20日の午後1時から、
福島市の福島グリーンパレスで開かれる。
「福島大野事件が地域産科医療にもたらした
影響を考える会実行委員会」の主催。
産婦人科医が帝王切開手術中の女性を
大量出血で失血死させたとして、
業務上過失致死などの罪に問われ、
2006年に逮捕・起訴された「福島県立大野病院事件」の
判決が同日に言い渡されることを受けたもの。
シンポジウム呼び掛け人の野村麻実医師は、
「このシンポジウムを通し、医療者も患者も
困っているということを皆で共有したい。
この裁判をきっかけに、福島の地域医療が崩壊し、
委縮医療を招いた。
医療崩壊は産科から外科などにも広がっている。
われわれ医療側もこうした事件が起こらなければ、
世間に対してなかなか動かないという反省がある。
ただ、地域医療を守るには、医療者だけでなく
住民の参加が必須。
シンポジウムには、地域の人や
妊婦さんたちの会などにも来てもらい、
一緒にこの問題や、今後の地域医療について
考えていきたい」と話している。
パネリストは以下の通り。
▽山崎輝行・(長野県)飯田市立病院産婦人科部長
▽野村麻実・国立病院機構名古屋医療センター産婦人科医師
▽岸和史・和歌山県立医科大放射線医学講座准教授
▽佐藤一樹・綾瀬循環器病院心臓血管外科医師
▽川口恭・ロハスメディア代表取締役
▽加治一毅弁護士
▽上昌広・東大東大医科学研究所探索医療
ヒューマンネットワークシステム部門特任准教授
参加費は1000円で、当日参加も可能。
名前と所属を記入の上、Eメールで
oono.obs@gmail.comまで申し込む。
詳細はホームページ http://oono-obs.umin.jp/
『キャリアブレイン 2008年8月5日』
福島大野病院事件に関しては、
産科医の先生が一番力を入れていますよね、やっぱり。
特に、医師ブログが世間に広がったきっかけになった、
『ある産婦人科医のひとりごと』
そして、ものすごい情報量と更新頻度で、
今一番パフルな医師ブログ。
僻地の産科医先生の
『産科医療のこれから』
この2つの医師ブログは、すごいですわ、ホント。
『産科医療のこれから』によせられた、
福島のシンポジウムを企画した、
産科医の野村麻実先生からのメッセージです。
大野事件の判決日、福島に集まりましょう!!!
8月20日、大野事件の判決が出ます。
はじめは加藤先生の応援のために、
福島に集まって応援したらどうだろう?
と考えていました。
産婦人科関係の方と会ってはならないという
保釈条件は判決が出るまでの話ですし、
どんな判決が出るにしろよく頑張ったねって
声をかけてあげたい人がたくさん全国に
いるはずだと思ったからです。
でも、いろいろと当時からのことを振り返って
勉強していくうちに、考え方が変わってきました。
福島大野事件は多くの教訓を残しているからです。
例えば、この事件があるまで、産婦人科は
あまり周産期死亡や母体死亡の話をしてこなかった。
どれくらいの数の妊婦さんを医療が救っているのか、
それでも亡くなる難しい病気があるって事、
あんまりきちんと公表してきませんでした。
学会や医会はそういったことを反省して、
さまざまな調査を行い、そして
73人の重症患者さんのうち頑張って力を尽くして、
72人までの妊婦さんを助けている
という調査結果も出しました。
それでも亡くなる方が出る。
頑張ってもやっぱりゼロには出来ないんです!
っていえるようになってきました。
それから、医師の労働条件が必ずしも
患者さんにとってよくないことも認めるようになりました。
一人しか産婦人科医のいない病院で
外科の先生にお手伝いしてもらって手術をしている状態では、
やっぱり危ない時に危険かもしれません。
そこで反省を含めて集約化を始めるようになりました。
(ただこの加藤先生のケースでは、術中エコーもし、
胎盤のない部分の子宮体部をU字型に切りこむという
かなり注意深い術式を用いており、
一人医長であったにもかかわらず、
よく勉強されて最新の手法を用いていらっしゃいます。)
厚労省も慌てました。
反省し、このようなことが二度と起こらないようにと、
一生懸命システムを構築しようとしています。
(方向性が間違っているので、私は反対ですが。)
国民の方も「分娩は安全ではない」ことを知り、
妊娠中の生活態度の見直し
なども始まっています。
そして報道も段々と変わってきました。
しかし、警察と検察はどうなのでしょうか?
県立病院は補償のためミスを認めようとしていたのです。
というのは、自動車事故で保険にお世話になった方なら
分かる話ですが、保険会社はお金を出し渋るのです。
たしかに誰が見ても“責任ある”事故であれば、
文句なくお金をトトンと出してくれますが、
灰色の、あるいはミスのなさそうな、
“そもそも死んでもおかしくない病気じゃないの?”
という病気となるとしつこくミスを認めない限り
出してくれません。
ですから亡くなった方の御遺族のために報告書まで作って、
(賠償金を落とすために)ミスを認め、すでに謝罪し、
主治医の加藤先生は減給処分にまでなった。
でも納得してもらえるならいいと思っていたのでしょう。
それが。
突然の(ご遺族も頼んでいない)
警察の介入によって保険金支払いは
裁判の最終結果が出るまで延期になってしまいました。
それから1年経って突然の逮捕!!!!
もう証拠は全部押さえられてるのだし、
事故調査報告書を作られた時点で
口裏あわせなんてしようがないし、
そもそもそこまで調査して書かないと
保険会社だって素直に賠償金を
出してくれないような病気。
毎日、きちんと病院に出勤していた産科医を
逮捕する理由なんて何一つないのです。
逮捕→裁判となれば誰だって闘います。
そうしないと犯罪者にされてしまうから。
医師免許もなくなっちゃう!
ご遺族の方も豹変振りにびっくりされたでしょう。
そして傷つかれたはずです。
その2年半の間に、産科の崩壊が加速度的に進み、
地方は荒れ、救急医療は萎縮し、
影響は全国に及びました。
ヘリコプター搬送なんて映画の話だったのに、
いまや現実のものとなっています。
福島県の南会津地方には分娩可能な施設は
ひとつもなくなりました。
今回の裁判は注目されていたので
さまざまな情報を入手することが出来ました。
有志で毎回傍聴券の難関を潜り抜け、
傍聴録をアップしてくださっている方々もいました。
ですからどんな判決でも、私たち産婦人科医は
自分たちの判断で無実だと思うだけの話なんです。
(それでもショックで辞める方は続出するでしょうが。)
ただ警察はこの介入によって、
何を得ようとしたのでしょう?
いたづらに患者さんを傷つけ、
求刑はよりにもよって
「禁固1年と10万円」。
「警察・検察は一体、何を反省したのだろうか?」
「不勉強なまま医療を立件することが、
どれだけ患者さん御遺族の心を傷つけただろうか?」
「全国に広がってしまった産科砂漠について、
どう考えているのだろうか?」
このまま控訴、あるいは控訴されて、
証拠や書類を集めて高裁に送るだけ
と考えているならそれはあまりにも
無責任すぎやしないでしょうか?
ある患者側のご高名な弁護士さんがおっしゃられていました。
「あれだけ、高名なその道の専門医が揃っちゃうとねぇ。。。。」
騒がれない民事訴訟であったならば患者さん側にも
勝訴の見込みはあったかもしれません。
でもこの裁判の後で患者さん側の鑑定医を
つとめる人間がいるとも思えません。
医療不信を植え付けたまま、
患者さんの希望をもぺしゃんこに、踏みにじっています。
ある意味、この事件は冤罪に近いものがあります。
しかも被害は甚大で、
産科崩壊も福島の医療崩壊も
風評被害を蒙っています。
まずこの刑事立件によってどんな弊害が
医療界で起きたのか、そして直接市民のみなさま
にどのように影響しているのか。
この逮捕が正しかったのかどうか。
警察と検察が考えないのであれば、
評価するのは国民のみなさまです。
各地でどのようなことが起こりつつあるのか、
刑事立件は事故再発の役に立つのか?
この事件によって何が起こり何を得たのか。
みなさんで考えていきましょう。
8月20日、福島でお会いできることを願って。
『大野事件の判決日、福島に集まりましょう!!!』
なお、参加できない方のために
新小児科医のつぶやきのYosyan先生が、
企画を考えてくださっていますから。
こっちも見てみてね!
『2008-08-17 8.20まで後3日』
■メイン企画
シンポジウム
「福島大野事件が地域産科医療にもたらした影響を考える」
メイン企画は国立病院機構 名古屋医療センターの
野村麻実先生が音頭を取って行なわれる立派な企画です。
サブ企画のほうはネットを中心に
8.20を想う人々勝手連的に動くものです。
■サブ企画
1,『ボールペン企画』
「我々は福島事件で逮捕された
産婦人科医の無実を信じ支援します」
という文字が入ったボールペンを周りの人達に配って、
福島大野病院事件の事をみんなに知って貰う企画です。
2,メイル企画
福島メイン企画に直接参加できない方の
声を集めようという企画です。
送って頂いたメイルは「(メイン企画会場にて)
当日読ませていただくか、配布させていただきます。」
予定です。
また現在、被告産科医師は医療関係者との
接触を強く制限されている状態ですが、
判決後には接触可能になる見通しで、
なんとかこの集まったメイルを
被告産科医師に届ける見通しも立ちつつあります。
何か「一言でも」と思われる方はよろしくお願いします。
メールアドレスは、こちらですよ!
oono.obs@gmail.com
3,ネット企画
前日の8/19に
「我々は福島大野病院事件で逮捕された
産婦人科医の無罪を信じ支援します。」
のテーマでコメント募集をやります。
他のブロガーの方で協賛して頂ける方が
おられれば協力お願いします。
要領は『2.18』
と同じです。
なお8.20当日はどうするかは、
当日の判決で決めたいと考えています。
と言うか、どうしようかまだ決めていないので
白紙状態ですが、判決がどう出るにせよ、
何か必ず書きます。
4,募金企画
これはメイン企画の支援企画です。
メイン企画は国立病院機構 名古屋医療センターの
野村麻実先生が頑張って出来たと言っても良いのですが、
ある意味学会並みの準備と費用が必要です。
メイン企画実現までには本当に紆余曲折があり、
それこそ幾多の試練を乗り越えて
ようやく実現みたいな感じになっています。
そこでせめて費用の分だけでも
カンパしようと言うのがこの企画です。
某SNS(全医連ではないです)と
某MLだけで行なわれていたのですが、
一般にも募金を広げたいと思います。
募金はメイン企画の運用に使われた後、
精算され残額が出れば被告産科医師支援に回されます。
口座管理及び資金管理は第三者が望ましいという事で、
moto先生にお願いしました。
moto先生はご存知の方も多いと思いますが、
「新小児科医のつぶやき」の
レギュラーコメンテーターであり、
ボールペン企画の主催者でもあります。
募金方法は振込みだけです。
ーー募金は終了しましたので、削除させて頂きました。ーー
メイン企画には参加でないにしろ、
せめて資金援助だけでもしようという方は、
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医療や医療訴訟について知りたい人はこれを読んでね!
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→ 医療の限界
小松 秀樹 (著)
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「ヒヤリ・ハット」っていうのは、
医療従事者なら誰でも知っている言葉なんだけど。
一言で言うと、医療事故の一歩手前の事です。
ウィキペディア(Wikipedia)の言葉を借りると、
ヒヤリ・ハット:
ヒヤリ・ハットとは、重大な災害や事故には至らないものの、
直結してもおかしくない一歩手前の事例。
文字通り、突発的な事象やミスにヒヤリとしたり、
ハッとしたりするもの。
出典:『フリー百科事典「ウィキペディア(Wikipedia)」』
です。
この、「ヒヤリ・ハット」に関しての記事が、
8/13にyahooのトップページに出ていましたね。
「ヒヤリ・ハット」事例が20万件超 07年
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080813-00000064-mai-soci
厚生労働省の関連団体の日本医療機能評価機構(東京都)は
8月13日、07年の医療事故報告の収集結果をまとめ、
事故の一歩手前の「ヒヤリ・ハット」事例が
初めて年間20万件を超えたと発表した。
うち4分の1以上が調剤など薬に関する事例で、
ミスに気付かなければ患者の命にかかわる
危険があったケースも1000件以上あった。
同機構は「注意喚起の医療安全情報を出した後に
同様の事故が繰り返されるケースも目立っており、
医療機関は事故情報をもっと活用してほしい」
と話している。
事故情報収集は同機構が04年10月から取り組んでいる。
07年に規模や地域別に抽出した全国240病院から
報告があったヒヤリ・ハットは、
前年より1万3607件多い20万9216件。
内訳では
(1)薬の処方、準備、調剤(27%)
(2)医療器具(チューブ類など)の使用・管理(17%)
(3)療養上の世話(9%)
--の順に多く、当事者は看護師が73%を占めた。
全体の65%はミスがあったが
患者に影響はなかったケース。
逆に3689件は事前にミスに気付いたが、
見過ごされていれば患者の生命に影響した可能性があり、
うち1059件が薬の関係だった。
薬のヒヤリ・ハットは準備段階での薬剤名や量の間違い、
投与中の点滴速度間違いなどが多く、
同機構は「薬剤師、看護師、医師らの
役割分担が複雑なため、ミスが起こりやすい」
と分析している。
一方、07年に実際に起きた医療事故は、
報告義務のある273病院から前年より30件少ない
1266件の報告があり、うち死亡は142件だった。
『2008年8月13日:毎日新聞』
20万件のヒヤリ・ハットが、多いのか少ないのか。
私にはわからないですけどね。
ヒヤリ・ハットでも、医療事故でも、
少ない方が良いに決まっています。
ただ、「ヒヤリ・ハット」の「報告」が少ない。
という事は、必ずしも良い事ではないと思います。
ヒヤリ・ハットっていうのは、
医療事故の一歩手前の事だから。
ヒヤリ・ハットの数は、医療事故の何十倍も、
何百倍も多くあるんですよ。
「ハインリッヒの法則」っていうのがあって。
これは、重大事故の陰に30倍の軽度事故と
300倍のニアミスが存在する。
っていう法則です。
もしかしたら医療事故になったかもしれない、
っていうヒヤリ・ハットの事例。
そういう事例をたくさん集めて、
本当の医療事故を起こす前に、予防しよう。
っていう事は、大きな病院だったら、
たいていどこの病院でも行われているし。
国としても、日本医療機能評価機構という、
厚生労働省の天下り団体を通して行っています。
医療事故が10件しかなかったら、
その医療事故っていうのは何が原因なのか。
数が少なすぎて、分析するのが難しいですけど。
その何十倍も何百倍もある、ヒヤリ・ハットの事例
を分析する事ができれば。
医療事故の原因を追求して、
似たような事を今後起こらないようにする、
「予防」ができますからね。
ヒヤリ・ハットの事例を正直に報告してもらう。
という事は、非常に大事です。
ここで非常に大事な事は、予防を第一にする為、
「罰則を与えない」っていう事です。
ヒヤリ・ハットがあっても、それを
正直に報告したら、罰則が与えられて。
正直に報告しなかったやつは、無罪放免。
っていう事になったら、ほとんど誰も報告しないでしょ。
そしたら、分析する事例が少なくなるから。
正確な分析ができなくなって。
結局、同じ様な医療事故がまた起きますからね。
医療事故を予防する為には、
医療事故の事例も、ヒヤリ・ハットの事例も含めて、
全部正直に報告してもらう。
そして、たくさんの情報を集めて、正しい分析をする。
っていう事が、一番大事な事なんですよ。
だから、ヒヤリ・ハットの報告が多い。
という事自体は、悪い事ではありません。
たくさんのヒヤリ・ハット事例があるにも関わらず、
その報告が少ない。
というのが、一番悪い事だと思います。
当たり前の事ですけど、理想的なのは、
医療事故の数も、ヒヤリ・ハットの数も少なくて、
医療事故、ヒヤリ・ハットの報告も少ない。
という事だと思いますけど。
最悪なのは、
医療事故の数、ヒヤリ・ハットの数は多いんだけど、
医療事故、ヒヤリ・ハットの報告は少ない。
という事ですね。
これだと、正しい原因の分析ができないから、
また同じ様な医療事故が起きちゃいますから。
そういう意味では、ヒヤリ・ハットの報告が多い。
という事自体は、悪い事ではないと思います。
むしろ、システムが正しく機能している、という事ですから。
むしろ好ましい事のような気がします。
yahooのトップページに載った。
って書いてありますけど。
これ、元ネタは「毎日新聞」なんですよね、実は。
「ヒヤリ・ハット」事例が20万件超
っていう見出しにすると、何もわからない人は、
「なんかすごく多いなー」、
っていう印象を持つんでしょうけど。
それをわかっていて、敢えて書いているんでしょうかねー。
悪意があるかどうかはわかんないけど。
きちんと、意味わかって書いているんだろうか。
ちなみに、「医療事故(Medical accident)」っていうのは、
医療に関わる場所で、医療の全過程において発生する
すべての事故、っていう意味なので。
医者とか医療従事者に過失があってもなくても、
全部を含めて「医療事故」って呼びます。
一方、「医療過誤(医療ミス)」っていうのは、
医療従事者に過失がある場合のみを指す言葉です。
「ヒヤリ・ハット」は、ミスに関わらない、
医療事故の一歩手前の事です。
病院、大学病院について知りたい人は、こちらから!
→ 「大学病院のうそ」 ~現役医師(Dr. I)が暴露する、大学病院の秘密
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医療従事者なら誰でも知っている言葉なんだけど。
一言で言うと、医療事故の一歩手前の事です。
ウィキペディア(Wikipedia)の言葉を借りると、
ヒヤリ・ハット:
ヒヤリ・ハットとは、重大な災害や事故には至らないものの、
直結してもおかしくない一歩手前の事例。
文字通り、突発的な事象やミスにヒヤリとしたり、
ハッとしたりするもの。
出典:『フリー百科事典「ウィキペディア(Wikipedia)」』
です。
この、「ヒヤリ・ハット」に関しての記事が、
8/13にyahooのトップページに出ていましたね。
「ヒヤリ・ハット」事例が20万件超 07年
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080813-00000064-mai-soci
厚生労働省の関連団体の日本医療機能評価機構(東京都)は
8月13日、07年の医療事故報告の収集結果をまとめ、
事故の一歩手前の「ヒヤリ・ハット」事例が
初めて年間20万件を超えたと発表した。
うち4分の1以上が調剤など薬に関する事例で、
ミスに気付かなければ患者の命にかかわる
危険があったケースも1000件以上あった。
同機構は「注意喚起の医療安全情報を出した後に
同様の事故が繰り返されるケースも目立っており、
医療機関は事故情報をもっと活用してほしい」
と話している。
事故情報収集は同機構が04年10月から取り組んでいる。
07年に規模や地域別に抽出した全国240病院から
報告があったヒヤリ・ハットは、
前年より1万3607件多い20万9216件。
内訳では
(1)薬の処方、準備、調剤(27%)
(2)医療器具(チューブ類など)の使用・管理(17%)
(3)療養上の世話(9%)
--の順に多く、当事者は看護師が73%を占めた。
全体の65%はミスがあったが
患者に影響はなかったケース。
逆に3689件は事前にミスに気付いたが、
見過ごされていれば患者の生命に影響した可能性があり、
うち1059件が薬の関係だった。
薬のヒヤリ・ハットは準備段階での薬剤名や量の間違い、
投与中の点滴速度間違いなどが多く、
同機構は「薬剤師、看護師、医師らの
役割分担が複雑なため、ミスが起こりやすい」
と分析している。
一方、07年に実際に起きた医療事故は、
報告義務のある273病院から前年より30件少ない
1266件の報告があり、うち死亡は142件だった。
『2008年8月13日:毎日新聞』
20万件のヒヤリ・ハットが、多いのか少ないのか。
私にはわからないですけどね。
ヒヤリ・ハットでも、医療事故でも、
少ない方が良いに決まっています。
ただ、「ヒヤリ・ハット」の「報告」が少ない。
という事は、必ずしも良い事ではないと思います。
ヒヤリ・ハットっていうのは、
医療事故の一歩手前の事だから。
ヒヤリ・ハットの数は、医療事故の何十倍も、
何百倍も多くあるんですよ。
「ハインリッヒの法則」っていうのがあって。
これは、重大事故の陰に30倍の軽度事故と
300倍のニアミスが存在する。
っていう法則です。
もしかしたら医療事故になったかもしれない、
っていうヒヤリ・ハットの事例。
そういう事例をたくさん集めて、
本当の医療事故を起こす前に、予防しよう。
っていう事は、大きな病院だったら、
たいていどこの病院でも行われているし。
国としても、日本医療機能評価機構という、
厚生労働省の天下り団体を通して行っています。
医療事故が10件しかなかったら、
その医療事故っていうのは何が原因なのか。
数が少なすぎて、分析するのが難しいですけど。
その何十倍も何百倍もある、ヒヤリ・ハットの事例
を分析する事ができれば。
医療事故の原因を追求して、
似たような事を今後起こらないようにする、
「予防」ができますからね。
ヒヤリ・ハットの事例を正直に報告してもらう。
という事は、非常に大事です。
ここで非常に大事な事は、予防を第一にする為、
「罰則を与えない」っていう事です。
ヒヤリ・ハットがあっても、それを
正直に報告したら、罰則が与えられて。
正直に報告しなかったやつは、無罪放免。
っていう事になったら、ほとんど誰も報告しないでしょ。
そしたら、分析する事例が少なくなるから。
正確な分析ができなくなって。
結局、同じ様な医療事故がまた起きますからね。
医療事故を予防する為には、
医療事故の事例も、ヒヤリ・ハットの事例も含めて、
全部正直に報告してもらう。
そして、たくさんの情報を集めて、正しい分析をする。
っていう事が、一番大事な事なんですよ。
だから、ヒヤリ・ハットの報告が多い。
という事自体は、悪い事ではありません。
たくさんのヒヤリ・ハット事例があるにも関わらず、
その報告が少ない。
というのが、一番悪い事だと思います。
当たり前の事ですけど、理想的なのは、
医療事故の数も、ヒヤリ・ハットの数も少なくて、
医療事故、ヒヤリ・ハットの報告も少ない。
という事だと思いますけど。
最悪なのは、
医療事故の数、ヒヤリ・ハットの数は多いんだけど、
医療事故、ヒヤリ・ハットの報告は少ない。
という事ですね。
これだと、正しい原因の分析ができないから、
また同じ様な医療事故が起きちゃいますから。
そういう意味では、ヒヤリ・ハットの報告が多い。
という事自体は、悪い事ではないと思います。
むしろ、システムが正しく機能している、という事ですから。
むしろ好ましい事のような気がします。
yahooのトップページに載った。
って書いてありますけど。
これ、元ネタは「毎日新聞」なんですよね、実は。
「ヒヤリ・ハット」事例が20万件超
っていう見出しにすると、何もわからない人は、
「なんかすごく多いなー」、
っていう印象を持つんでしょうけど。
それをわかっていて、敢えて書いているんでしょうかねー。
悪意があるかどうかはわかんないけど。
きちんと、意味わかって書いているんだろうか。
ちなみに、「医療事故(Medical accident)」っていうのは、
医療に関わる場所で、医療の全過程において発生する
すべての事故、っていう意味なので。
医者とか医療従事者に過失があってもなくても、
全部を含めて「医療事故」って呼びます。
一方、「医療過誤(医療ミス)」っていうのは、
医療従事者に過失がある場合のみを指す言葉です。
「ヒヤリ・ハット」は、ミスに関わらない、
医療事故の一歩手前の事です。
病院、大学病院について知りたい人は、こちらから!
→ 「大学病院のうそ」 ~現役医師(Dr. I)が暴露する、大学病院の秘密
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8/7に、全国医師連盟が国会議員に行った、
医療に関するアンケートの結果が出たようですね。
キャリアブレインに載っていました。
国会議員の88%が「2200億円撤回を」
―全医連アンケート
全国医師連盟(黒川衛代表)はこのほど、
国会議員アンケート結果(速報)を発表した。
社会保障費の毎年2200億円の削減を堅持すべきか
との問いに対しては、88%が「撤回すべき」と答えた。
アンケートは、7月14日に衆院480人、
参院242人の合わせて722人の議員を対象に、
郵便と電子メールでアンケートを送付。
25日を期限に回収した。
速報は、30日午前の時点での
有効回答86人分について、集計を行った。
政党別の回答者数は、自民党18人、
民主党40人、共産党16人、社民党6人、
国民新党3人、無所属が3人だった。
設問1は、望ましいと思われる人口当たりの
医師数について聞いている。
現状の人口千人当たり1.75‐2人よりも
少なくすべきという回答はゼロで、
同2.5‐3.5人との意見が最も多かった。

設問2では、当面目標とする
年間当たりの医師養成数を聞いた。
やはり現状の7500-8000人より減らすべき
という意見は皆無で、「医療現場の危機打開と
再建をめざす国会議員連盟」の示した
1万2000人との数字に近い、年間9000-1万3000人
との意見が最も多かった。
ただ、政党間に多少のばらつきが見られ、
共産党や民主党の議員が高めの目標を
設定していることが読み取れる。

設問3では、社会保障費の2200億円を
機械的に削減することの是非を問うた。
削減は撤回すべきとの意見が圧倒的に多かったが、
自民党議員の22%、民主党議員の2%で
削減を堅持すべきとの主張が見られた。

道路特定財源の一般財源化に伴い、
どの程度を医療・福祉に回すべきか
を聞いたのが設問4。
回答には大きなばらつきがあったが、
最も多かったのは「1兆円程度」との回答。
回答項目を選択せず、コメントを記した議員も目立った。

設問5は、医療費の対GDP(国内総生産)比の
当面の目標を尋ねた。
最も多かったのは、ドイツ、フランス、スイスなどと
並ぶ10.0-15.0%との回答。
わずかではあるが、現状より低い数字を挙げた議員もいた。

参照:『2008/08/08:キャリアブレイン』
全国医師連盟が722人の議員にアンケートを送って。
有効回答数が86人ですから。
有効回答率は12%ですか。
数だけ聞いたら、少ないように思うかもしれませんが。
これ、非常に多いと思いますよ。
7月14日―25日までだから、11日しかないんですけど。
この時期って、サミットが終わった直後。
もしかしたら、その頃に、衆議院の解散があるかも。
って言われていた時期だし。
夏休みですからね。
国会議員の多くの方は、地元に帰っていたでしょうね。
しかも、アンケートをしたのは、
「全国医師連盟」っていう、つい最近できたばかりの、
今のところはマイナーな団体ですよ。
そいでもって「実名記入」ですから。
いい加減な事書けないですよ。
馬鹿な回答したら、それがそのまま、
インターネットを通じて全国に発信されますからね。
まして、自民党の議員であれば、自民党の方針に
反対するような内容もありますからね。
よっぽどの覚悟があって、きちんと勉強した人でないと、
難しいでしょうね、回答を送るのは。
そういう中で、88人もの国会議員から回答をしてもらった。
というのは、すごい事だと思いますよ。
やはり、国会議員も医療に対しては
非常に感心が高いんでしょうねー。
回答の詳細に関しては、記事に書いてある通り。
おおざっぱに言えば、ほとんど全員が
今よりも、もっと医師の数を増やして、
医療費も増やした方が良いですよ。
と、そういう事ですね。
皆さん、実名でそう言っています。
特記すべき事は、
設問3
社会保障費の2200億円を機械的に削減することの是非。
野党の人は、ほとんど全員反対。
っていうのは、当たり前だとは思うんですが。
与党、自民党の議員でも67%は反対。
という事ですね。
最も、各党別の有効回答数を見ると、
参照:『第1回 全国医師連盟 国会議員アンケート結果 (速報)』
自民党の議員で回答したのは18名。
自民党の議員390名のうちの4.6%しかいませんから。
ちょっと、人数が少なすぎて
なんとも言えませんけどね。
でも、回答した人の多くが実名で反対した。
っていう事は事実だと思います。
ロハスメディカルブログの川口さんも言ってるけど。
参照:『CBも木から落ちる』
>国会議員の88%が「2200億円撤回を」
という表現は、良くないのかもしれませんね。
実際は全国会議員722人のうちの76人ですから。
「回答した」国会議員の88%
という表現を使わないと駄目なんでしょうね。
厳密に言うと。
実際に回答した議員は
76/722=10.5%
ですもんね。
でも、回答してない人でもこう思っている人は
たくさんいるはずなので。
国会議員の10.5%が反対。
という表現も違うような気がします。
上にも書いた通り。
実名回答で、しかもそれを公開する。
と、いう前提で送られたアンケートですから。
回答した人っていうのは、
「回答した答えが、ネット上で全国にさらされても
恥ずかしくないような答えを書ける、
医療に関してきちんと勉強している人。」
っていう事になるので。
この回答が、全ての国会議員の代表。
という事にはならないとは思います。
普通のアンケート調査っていうのは、
性別とか年齢とか。
そういうのが偏らないように「無作為抽出」
っていうのでやるんだけど。
そういうアンケートだと、サンプル数を多くする
(たくさんの人に回答してもらう)と、
その結果がだいたい母集団
(今回の場合だと国会議員全体)
の結果と同じ様になる確率が高い。
っていう事がわかっているんですけど。
今回の国会議員へのアンケートに関しては、
「無作為抽出」ではなくって、「バイアス(偏り)」
がありますから。
この調査結果が、多くの国会議員の考え方だ。
っていう事にはならないんですけどね。
でも、多くの議員が医療費や医師の数を
もっと増やした方が良い。
と言っている事は事実だと思います。
キャリアブレインの記事のタイトルは良いとして。
国会議員の回答で、優秀なものがありますね。
【設問5】 当面目標とする理想的な医療費総額
(対GDP比)についてお考えをお聞かせください。
a. - 6.0%(北朝鮮、韓国、中国、スイス)
◆篠原 孝(民主党)
医療費は少しでも少ないほうがまし。
増えた方がいいなどと答える者はいるのか。
『第1回全国医師連盟国会議員アンケート コメント集5』
医療費が減ったら、医療の質も落ちる。
っていう、基本的な事もわかってないのかしら。
この方は。
しかも、みんなもそう考えていると
思ってるみたいですよ。
って、この人じゃなくて、これ!
【設問3】 社会保障費の自然増のうち、
2200億円/年の削減を堅持すべきか否かお聞かせください。
【設問5】 当面目標とする理想的な医療費総額
(対GDP比)についてお考えをお聞かせください
■三日月 大造 ( 民主党 )
わが国の社会保障制度は、「先進国」として不自然、
相応しくない状態に抑制され続けてきました。
その抑制された少ない枠内で、保健・医療・福祉(介護)が
汲々とコストシフティングを繰り返してきたのが
この間の「制度改革」の実情です。
先進国水準への社会保障費の適正化こそが
「社会保障制度改革」であり、
国民にとっては無意味な「骨太の方針2006」
閣議決定の廃止はまずその第一歩といえるでしょう。
小泉長期政権のツケを負うかのような
安倍・福田両政権ですが、最大のツケを
払い続けさせられているのは
国民であることを忘れてはなりません。
■三日月 大造 ( 民主党 )
現在の医療費増加は、過去のインフレや
医療機器・薬剤費増大と異なり、
高齢化による自然増が主要因。
その状態で医療費抑制のみを追求すれば、
低コスト医療の純化もしくは、保険から自己負担、
医療から介護といった単純なコストシフティング
(付け替え)に向かうしかありません。
医療費抑制・患者負担拡大が重ねられた結果、
日本の医療費の対GDP比は2004年に
主要先進国(G7)で最下位に転落、
逆に患者負担割合は最高という状態。
その帰結として2006年改正を前後し、
地域医療と医療保険の崩壊として医療需給の
両面から眼に見える形となって噴出してきたのでしょう。
このような状況での当面の「医療費適正化」は
イギリス・ブレア政権に習いヨーロッパ諸国平均値の
対 GDP 比 9%までの引き上げが
ひとつのポイントになるのではないかと思っています。
医療サービスでは「コストとアクセスと医療の質」
のうち2つについては両立できるが
3つの両立はありえないとされます。
日本では前2者の維持に「医療の質」、
特にモノ(高額医療機器・薬剤・建物等)
はまだしもヒト(配置基準・育成等)が
犠牲にされてきました。
医療改革ではニーズにかなった「質」と
リーズナブルな「価格」の困難な両立以外に
国民合意は得られない。
イギリス同様、医療の質から
「あるべき21世紀の日本の医療」
の追求に着手すべきです。
奇しくも 2007 年は主要産業別の就業者人口で
「医療福祉産業 591 万人」が「建設業 577 万人」
を初めて逆転した年でした。
この未来型産業分野を健全に育成していくことは
きわめて重要です。
国民常識と乖離した道路計画などに象徴される
発展途上国型の「土建国家」から、
国民合意で先進国型の「保健・医療・福祉国家」への
転換を是が非でも急がなくてはなりません。
うーん、すごいね、この人。
恥ずかしながら、私は今回初めてこの方を知りました。
すごく勉強していますよね、この人。
アンケートの後に、いくら勉強しても
こんな話を書けるはずないですからね。
滋賀県第3区で、当選2回の若手ですね。
参照: 「フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』」
ホームページもあるみたいですよ。
『三日月大造 - 元気サイト -』
私は、民主党を応援している訳ではありませんが。
この方が言ってる事は、正論だと思います。
こういう議員がたくさん増えれば、
日本の医療も良くなると思うんですけどねー。
まだまだ、遠いかな。
医者のホンネが知りたい人は、こちらから!
→ 『医者のホンネが丸わかり!(改)』
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医療に関するアンケートの結果が出たようですね。
キャリアブレインに載っていました。
国会議員の88%が「2200億円撤回を」
―全医連アンケート
全国医師連盟(黒川衛代表)はこのほど、
国会議員アンケート結果(速報)を発表した。
社会保障費の毎年2200億円の削減を堅持すべきか
との問いに対しては、88%が「撤回すべき」と答えた。
アンケートは、7月14日に衆院480人、
参院242人の合わせて722人の議員を対象に、
郵便と電子メールでアンケートを送付。
25日を期限に回収した。
速報は、30日午前の時点での
有効回答86人分について、集計を行った。
政党別の回答者数は、自民党18人、
民主党40人、共産党16人、社民党6人、
国民新党3人、無所属が3人だった。
設問1は、望ましいと思われる人口当たりの
医師数について聞いている。
現状の人口千人当たり1.75‐2人よりも
少なくすべきという回答はゼロで、
同2.5‐3.5人との意見が最も多かった。

設問2では、当面目標とする
年間当たりの医師養成数を聞いた。
やはり現状の7500-8000人より減らすべき
という意見は皆無で、「医療現場の危機打開と
再建をめざす国会議員連盟」の示した
1万2000人との数字に近い、年間9000-1万3000人
との意見が最も多かった。
ただ、政党間に多少のばらつきが見られ、
共産党や民主党の議員が高めの目標を
設定していることが読み取れる。

設問3では、社会保障費の2200億円を
機械的に削減することの是非を問うた。
削減は撤回すべきとの意見が圧倒的に多かったが、
自民党議員の22%、民主党議員の2%で
削減を堅持すべきとの主張が見られた。

道路特定財源の一般財源化に伴い、
どの程度を医療・福祉に回すべきか
を聞いたのが設問4。
回答には大きなばらつきがあったが、
最も多かったのは「1兆円程度」との回答。
回答項目を選択せず、コメントを記した議員も目立った。

設問5は、医療費の対GDP(国内総生産)比の
当面の目標を尋ねた。
最も多かったのは、ドイツ、フランス、スイスなどと
並ぶ10.0-15.0%との回答。
わずかではあるが、現状より低い数字を挙げた議員もいた。

参照:『2008/08/08:キャリアブレイン』
全国医師連盟が722人の議員にアンケートを送って。
有効回答数が86人ですから。
有効回答率は12%ですか。
数だけ聞いたら、少ないように思うかもしれませんが。
これ、非常に多いと思いますよ。
7月14日―25日までだから、11日しかないんですけど。
この時期って、サミットが終わった直後。
もしかしたら、その頃に、衆議院の解散があるかも。
って言われていた時期だし。
夏休みですからね。
国会議員の多くの方は、地元に帰っていたでしょうね。
しかも、アンケートをしたのは、
「全国医師連盟」っていう、つい最近できたばかりの、
今のところはマイナーな団体ですよ。
そいでもって「実名記入」ですから。
いい加減な事書けないですよ。
馬鹿な回答したら、それがそのまま、
インターネットを通じて全国に発信されますからね。
まして、自民党の議員であれば、自民党の方針に
反対するような内容もありますからね。
よっぽどの覚悟があって、きちんと勉強した人でないと、
難しいでしょうね、回答を送るのは。
そういう中で、88人もの国会議員から回答をしてもらった。
というのは、すごい事だと思いますよ。
やはり、国会議員も医療に対しては
非常に感心が高いんでしょうねー。
回答の詳細に関しては、記事に書いてある通り。
おおざっぱに言えば、ほとんど全員が
今よりも、もっと医師の数を増やして、
医療費も増やした方が良いですよ。
と、そういう事ですね。
皆さん、実名でそう言っています。
特記すべき事は、
設問3
社会保障費の2200億円を機械的に削減することの是非。
野党の人は、ほとんど全員反対。
っていうのは、当たり前だとは思うんですが。
与党、自民党の議員でも67%は反対。
という事ですね。
最も、各党別の有効回答数を見ると、
参照:『第1回 全国医師連盟 国会議員アンケート結果 (速報)』
自民党の議員で回答したのは18名。
自民党の議員390名のうちの4.6%しかいませんから。
ちょっと、人数が少なすぎて
なんとも言えませんけどね。
でも、回答した人の多くが実名で反対した。
っていう事は事実だと思います。
ロハスメディカルブログの川口さんも言ってるけど。
参照:『CBも木から落ちる』
>国会議員の88%が「2200億円撤回を」
という表現は、良くないのかもしれませんね。
実際は全国会議員722人のうちの76人ですから。
「回答した」国会議員の88%
という表現を使わないと駄目なんでしょうね。
厳密に言うと。
実際に回答した議員は
76/722=10.5%
ですもんね。
でも、回答してない人でもこう思っている人は
たくさんいるはずなので。
国会議員の10.5%が反対。
という表現も違うような気がします。
上にも書いた通り。
実名回答で、しかもそれを公開する。
と、いう前提で送られたアンケートですから。
回答した人っていうのは、
「回答した答えが、ネット上で全国にさらされても
恥ずかしくないような答えを書ける、
医療に関してきちんと勉強している人。」
っていう事になるので。
この回答が、全ての国会議員の代表。
という事にはならないとは思います。
普通のアンケート調査っていうのは、
性別とか年齢とか。
そういうのが偏らないように「無作為抽出」
っていうのでやるんだけど。
そういうアンケートだと、サンプル数を多くする
(たくさんの人に回答してもらう)と、
その結果がだいたい母集団
(今回の場合だと国会議員全体)
の結果と同じ様になる確率が高い。
っていう事がわかっているんですけど。
今回の国会議員へのアンケートに関しては、
「無作為抽出」ではなくって、「バイアス(偏り)」
がありますから。
この調査結果が、多くの国会議員の考え方だ。
っていう事にはならないんですけどね。
でも、多くの議員が医療費や医師の数を
もっと増やした方が良い。
と言っている事は事実だと思います。
キャリアブレインの記事のタイトルは良いとして。
国会議員の回答で、優秀なものがありますね。
【設問5】 当面目標とする理想的な医療費総額
(対GDP比)についてお考えをお聞かせください。
a. - 6.0%(北朝鮮、韓国、中国、スイス)
◆篠原 孝(民主党)
医療費は少しでも少ないほうがまし。
増えた方がいいなどと答える者はいるのか。
『第1回全国医師連盟国会議員アンケート コメント集5』
医療費が減ったら、医療の質も落ちる。
っていう、基本的な事もわかってないのかしら。
この方は。
しかも、みんなもそう考えていると
思ってるみたいですよ。
って、この人じゃなくて、これ!
【設問3】 社会保障費の自然増のうち、
2200億円/年の削減を堅持すべきか否かお聞かせください。
【設問5】 当面目標とする理想的な医療費総額
(対GDP比)についてお考えをお聞かせください
■三日月 大造 ( 民主党 )
わが国の社会保障制度は、「先進国」として不自然、
相応しくない状態に抑制され続けてきました。
その抑制された少ない枠内で、保健・医療・福祉(介護)が
汲々とコストシフティングを繰り返してきたのが
この間の「制度改革」の実情です。
先進国水準への社会保障費の適正化こそが
「社会保障制度改革」であり、
国民にとっては無意味な「骨太の方針2006」
閣議決定の廃止はまずその第一歩といえるでしょう。
小泉長期政権のツケを負うかのような
安倍・福田両政権ですが、最大のツケを
払い続けさせられているのは
国民であることを忘れてはなりません。
■三日月 大造 ( 民主党 )
現在の医療費増加は、過去のインフレや
医療機器・薬剤費増大と異なり、
高齢化による自然増が主要因。
その状態で医療費抑制のみを追求すれば、
低コスト医療の純化もしくは、保険から自己負担、
医療から介護といった単純なコストシフティング
(付け替え)に向かうしかありません。
医療費抑制・患者負担拡大が重ねられた結果、
日本の医療費の対GDP比は2004年に
主要先進国(G7)で最下位に転落、
逆に患者負担割合は最高という状態。
その帰結として2006年改正を前後し、
地域医療と医療保険の崩壊として医療需給の
両面から眼に見える形となって噴出してきたのでしょう。
このような状況での当面の「医療費適正化」は
イギリス・ブレア政権に習いヨーロッパ諸国平均値の
対 GDP 比 9%までの引き上げが
ひとつのポイントになるのではないかと思っています。
医療サービスでは「コストとアクセスと医療の質」
のうち2つについては両立できるが
3つの両立はありえないとされます。
日本では前2者の維持に「医療の質」、
特にモノ(高額医療機器・薬剤・建物等)
はまだしもヒト(配置基準・育成等)が
犠牲にされてきました。
医療改革ではニーズにかなった「質」と
リーズナブルな「価格」の困難な両立以外に
国民合意は得られない。
イギリス同様、医療の質から
「あるべき21世紀の日本の医療」
の追求に着手すべきです。
奇しくも 2007 年は主要産業別の就業者人口で
「医療福祉産業 591 万人」が「建設業 577 万人」
を初めて逆転した年でした。
この未来型産業分野を健全に育成していくことは
きわめて重要です。
国民常識と乖離した道路計画などに象徴される
発展途上国型の「土建国家」から、
国民合意で先進国型の「保健・医療・福祉国家」への
転換を是が非でも急がなくてはなりません。
うーん、すごいね、この人。
恥ずかしながら、私は今回初めてこの方を知りました。
すごく勉強していますよね、この人。
アンケートの後に、いくら勉強しても
こんな話を書けるはずないですからね。
滋賀県第3区で、当選2回の若手ですね。
参照: 「フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』」
ホームページもあるみたいですよ。
『三日月大造 - 元気サイト -』
私は、民主党を応援している訳ではありませんが。
この方が言ってる事は、正論だと思います。
こういう議員がたくさん増えれば、
日本の医療も良くなると思うんですけどねー。
まだまだ、遠いかな。
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『医師の自殺率は30%も高い』
の記事に書いた通り。
医者の自殺率っていうのは、他の職種よりも
約30%も高いっていう事は事実です。
自殺以外にも、医師っていう職業は36時間連続勤務を始め、
夜中でも平気で呼び出されますから。
過労死の確率も高いんですよね、当然。
『またも若い医師が死亡』
『当直中に医師が死亡』
の記事にも書いていますけど。
私の周りでも、過労死した医者や、
うつ病で休職した医師もいます。
これって、私の周りだけでなくって、
全国的にも同じだよ、っていう事が
Yahooのトップページでも出ましたね。
医師の7割超が仲間の過労死など経験
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080807-00000008-cbn-soci
医師の7割超が、過重労働による仲間の医師の
辞職や休職、死亡を経験していることが、
「勤務医の労働環境を考えるシンポジウム実行委員会」
などが実施したアンケート調査で明らかになった。
医師の過重労働を原因とする医療ミスなどについては、
回答者全員が「あると思う」と答えており、
同実行委などは「医師をはじめとする医療従事者の
労働環境を直ちに改善すべきだ」と訴えている。
同実行委は6月、東京都内で
「あなたを診る医師がいなくなる!
過重労働の医師を病院は守れるのか」
と題したシンポジウムを開催。
参加した約300人を対象に、医療現場の過重労働に
関するアンケートを行った。
その結果、「周囲に過重労働が原因で辞職、
休職、死亡した医療従事者がいるか」との問いでは、
医療関係職の62%が「いる」と回答。
医師に限定すると、73%が「いる」と答えた。
「(36時間連続勤務など)過重労働が原因で起きている
医療ミスや医療事故があると思うか」については、
回答者全員が「あると思う」とした。
また、「当直をした医師が、そのまま翌日も
連続して外来診療や手術などの業務に従事している」
ことについては、医療関係職の84.5%、
一般市民の94.7%がそれぞれ「よくない」と回答。
「医師の過重労働の責任がどこにあると思うか」
(複数回答)では、医療関係職と一般市民を合わせ、
「行政」の83%を最高に、「病院」66%、
「患者」61%などが上位を占めたほか、
「国民全員」という回答もあった。
「過重労働を防ぐため、病院に何ができるか」
(自由記述)では、「当直を勤務と位置付け、必要な人員、
予算を組むことが重要。
まず病院がその視点に立つことが第一」
(60歳代女性、元看護師)や、
「病院が過重労働を避けようと考えても、
医師が不足している現状がある。
そもそも医師を十分に雇用できる診療報酬に
なっているのかとか、一つの病院だけの問題ではない」
(30歳代女性、公務員)などの意見があった。
一般市民にできることとしては、
「医師と市民の壁をなくすため、互いがどう思っているかを
知る機会をつくる」(20歳代女性、医学生)や、
「まずは過重労働の現実を知り、周囲に伝える。
そして、行政や政府に声を上げていく。
選挙も大切」(30歳代女性、飲食業)などの意見が寄せられた。
医療関係職の労働環境に関しては、
「パイロットのように、連続勤務の時間を
法で制限するのがよい」(30歳代女性、看護師)や、
「医療費抑制政策を改めること」
(50歳代男性、病院長)などが挙げられた。
『2008年8月7日医療介護CBニュース』
この記事に出ている、
>6月、東京都内で
「あなたを診る医師がいなくなる!
過重労働の医師を病院は守れるのか」
と題したシンポジウムを開催。
っていうのは、これの事っすね。
『あなたを診る医師がいなくなる!』
このブログでは何回も書いている、
過労死した小児科医、中原利郎先生の奥さん。
中原のり子さんが主催したやつっす。
私が何回も主張している通り。
日本の医療崩壊は、政策によるものだから。
医療崩壊というよりは、「医療破壊」
という言葉の方がふさわしい、と個人的には思います。
>「医師の過重労働の責任がどこにあると思うか」
(複数回答)では、医療関係職と一般市民を合わせ、
「行政」の83%を最高に、
って事なんで。
一般の人にもそういう事がわかってもらえるようになったのかな。
って、ちょっと嬉しいですね。
実は、
『またも若い医師が死亡』
『当直中に医師が死亡』
この記事を書いた後。
私の同期の医師が、30代で亡くなりました。
当直をしている病院で、朝になっても来ない。
って事で、看護師が連絡したら、
当直室で冷たくなっていたそうです。
こういう事を繰り返さない為に。
最も大事な事は、行政の転換ですよね。
選挙前の小手先の治療ではなく、
もっと長い目で見て、日本の医療崩壊を
食い止めるような政策を練って欲しいですね。
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の記事に書いた通り。
医者の自殺率っていうのは、他の職種よりも
約30%も高いっていう事は事実です。
自殺以外にも、医師っていう職業は36時間連続勤務を始め、
夜中でも平気で呼び出されますから。
過労死の確率も高いんですよね、当然。
『またも若い医師が死亡』
『当直中に医師が死亡』
の記事にも書いていますけど。
私の周りでも、過労死した医者や、
うつ病で休職した医師もいます。
これって、私の周りだけでなくって、
全国的にも同じだよ、っていう事が
Yahooのトップページでも出ましたね。
医師の7割超が仲間の過労死など経験
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080807-00000008-cbn-soci
医師の7割超が、過重労働による仲間の医師の
辞職や休職、死亡を経験していることが、
「勤務医の労働環境を考えるシンポジウム実行委員会」
などが実施したアンケート調査で明らかになった。
医師の過重労働を原因とする医療ミスなどについては、
回答者全員が「あると思う」と答えており、
同実行委などは「医師をはじめとする医療従事者の
労働環境を直ちに改善すべきだ」と訴えている。
同実行委は6月、東京都内で
「あなたを診る医師がいなくなる!
過重労働の医師を病院は守れるのか」
と題したシンポジウムを開催。
参加した約300人を対象に、医療現場の過重労働に
関するアンケートを行った。
その結果、「周囲に過重労働が原因で辞職、
休職、死亡した医療従事者がいるか」との問いでは、
医療関係職の62%が「いる」と回答。
医師に限定すると、73%が「いる」と答えた。
「(36時間連続勤務など)過重労働が原因で起きている
医療ミスや医療事故があると思うか」については、
回答者全員が「あると思う」とした。
また、「当直をした医師が、そのまま翌日も
連続して外来診療や手術などの業務に従事している」
ことについては、医療関係職の84.5%、
一般市民の94.7%がそれぞれ「よくない」と回答。
「医師の過重労働の責任がどこにあると思うか」
(複数回答)では、医療関係職と一般市民を合わせ、
「行政」の83%を最高に、「病院」66%、
「患者」61%などが上位を占めたほか、
「国民全員」という回答もあった。
「過重労働を防ぐため、病院に何ができるか」
(自由記述)では、「当直を勤務と位置付け、必要な人員、
予算を組むことが重要。
まず病院がその視点に立つことが第一」
(60歳代女性、元看護師)や、
「病院が過重労働を避けようと考えても、
医師が不足している現状がある。
そもそも医師を十分に雇用できる診療報酬に
なっているのかとか、一つの病院だけの問題ではない」
(30歳代女性、公務員)などの意見があった。
一般市民にできることとしては、
「医師と市民の壁をなくすため、互いがどう思っているかを
知る機会をつくる」(20歳代女性、医学生)や、
「まずは過重労働の現実を知り、周囲に伝える。
そして、行政や政府に声を上げていく。
選挙も大切」(30歳代女性、飲食業)などの意見が寄せられた。
医療関係職の労働環境に関しては、
「パイロットのように、連続勤務の時間を
法で制限するのがよい」(30歳代女性、看護師)や、
「医療費抑制政策を改めること」
(50歳代男性、病院長)などが挙げられた。
『2008年8月7日医療介護CBニュース』
この記事に出ている、
>6月、東京都内で
「あなたを診る医師がいなくなる!
過重労働の医師を病院は守れるのか」
と題したシンポジウムを開催。
っていうのは、これの事っすね。
『あなたを診る医師がいなくなる!』
このブログでは何回も書いている、
過労死した小児科医、中原利郎先生の奥さん。
中原のり子さんが主催したやつっす。
私が何回も主張している通り。
日本の医療崩壊は、政策によるものだから。
医療崩壊というよりは、「医療破壊」
という言葉の方がふさわしい、と個人的には思います。
>「医師の過重労働の責任がどこにあると思うか」
(複数回答)では、医療関係職と一般市民を合わせ、
「行政」の83%を最高に、
って事なんで。
一般の人にもそういう事がわかってもらえるようになったのかな。
って、ちょっと嬉しいですね。
実は、
『またも若い医師が死亡』
『当直中に医師が死亡』
この記事を書いた後。
私の同期の医師が、30代で亡くなりました。
当直をしている病院で、朝になっても来ない。
って事で、看護師が連絡したら、
当直室で冷たくなっていたそうです。
こういう事を繰り返さない為に。
最も大事な事は、行政の転換ですよね。
選挙前の小手先の治療ではなく、
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「医者(医療者)はテロリスト以下」
っていう過激な発言をされた弁護士がいるので。
ちょっと、紹介させて貰いますね。
いろんな医師ブログで話題になっている、
医療事故調(医療安全調査委員会)の話です。
Medical Research Information Center (MRIC)メルマガ
2008年8月4日発行 臨時 vl 105
「診療関連死の死因究明制度創設に係る
公開討論会」に参加して
弁護士 木ノ元 直樹
平成20年7月28日(月)14時から17時まで、
日本医師会館大講堂において
「診療関連死の死因究明制度創設に係る
公開討論会」が行われた。
討論会を傍聴した感想を述べたい。
私自身は、あらかじめ質問書を提出して、
質問をしようと準備していたのでだが、
なかなかその機会に恵まれそうもない状況で、
会場から患者側のS弁護士が
いきなり発言を始めたのに反応し、
S弁護士と少しやりあって終わってしまった。
残念ながら不完全燃焼であったが、
それはひとまず置くとして、総括した結論を述べれば、
厚労省が公開した「法案大綱」反対論の
説得力が明らかに優勢であった
ということに尽きる。
医療側の推進論の基礎がどこにあるのかも
よく理解できたが、残念ながら、
推進論の根拠は客観性に乏しいとともに、
積極的に重大な問題を発生させる
ということがより鮮明となった。
何がより鮮明になったのか。
それは、医師法21条を改正すれば事足りる
という誤った考えが、多大な副作用、
悪反応をもたらすということである。
「医師のみが刑事司法の対象で弱い立場」
という発想を転換し、検察・警察に対しても
堂々と対峙しないと所詮何をやっても駄目である。
「法案大綱」推進論の路線では
これが全く見えていないのである。
大野病院事件における警察の逮捕は、
逮捕した警察官、勾留を続けた検察官らに
「特別公務員職権濫用罪」(刑法194条)
が成立するという前提で、積極的に医療側が
刑事告発をしていくべきなのである。
これで捜査機関がまともに動かなければ、
捜査機関の不公正な怠慢を
糾弾していくことが必要である。
勿論、民事的には国賠法の問題も出てくる余地がある。
何が業務上過失の「過失」なのかという議論とセットで、
何が特別公務員の「職権濫用」となるのか
という議論を突き付けるべきなのだが、
日本救急医学会の堤先生の発言を除いては、
この本質論にまで意識された発言はなかった。
ところが、大野病院事件ショックと言うべきか、
医師のみが捜査のターゲットだという過剰反応が、
藁をもつかむ意識を蔓延させ
(これは医師会をはじめ、各医学会共通の
コンセンサスであったのではなかろうか。)、
医師法21条をいじれば大野病院事件のような
悪夢はなくなるなどという迷信を
生んでしまったのである。
我々法律家は、警察・検察の現実の姿を
医療界にある人たちよりも理解している
と思うのだが、一言でいえば、
「そんな甘いものではない」に尽きる。
医療界の上層部の一部の人と法務省、
警察庁の一部の人の談議では、
何も保証されていないと理解しなければ、
あっという間に梯子を外されてしまう可能性がある。
厚労省が第三次試案に添付した、
警察庁・法務省幹部との確認内容を見ても、
「警察・検察に法律上与えられた
捜査権・逮捕権が医療事故について制限される」
などという記述は全くなく、このままでは従来通り、
捜査機関側が目の前の医療事件について、
「担当医師らに逮捕の要件があると判断すれば、
警察は逮捕に至る」という基本的構図には
何も変わっていないのである。
警察・検察が、患者家族からの刑事告訴を
最優先することを否定できる根拠も、
厚労省のペーパーには一切記載されていない。
ガイドラインを医療界が示せば逮捕や刑事訴追は
ないかのようなことを述べる一部の法律家もいるが、
これはとんでもない謬論である。
このような誤魔化し発言が一部法律家サイドから
語られることから、それが正しい法律解釈のように
医療側に誤解され、今回のような制度設計によって
刑事免責が事実上保証されるのではないか
との妄想が生まれるのである。
大野病院事件について私が一番問題であると思うのは、
大野病院事件における検察・警察の捜査手法が
違法・不当であること、犯罪(特別公務員職権濫用罪)に
等しい手法であることを、法律家の立場としては
声を大にして言うべきであったのに、
そのような声が殆ど弁護士会全体から
出てこなかったという点である。
それをせずに、一部の弁護団体が、
「このままだと、またいつ逮捕されるか分かりませんよ」
「調査委員会を立ち上げて医療界の基準を示すべきですよ」
などと盛んに医療側に吹聴し、厚労省がこれに
安易に乗ってしまったことから、
ボタンの掛け違いが生じたのではないか。
一部の弁護団体では、「調査委員会の報告書
をどのようにして民事裁判の証拠として使うか」
という内容での議論が始まっているやに聞くが、
違法捜査に対するチェック機能を懈怠し、
しかも基本的人権を侵害する可能性の大きい
制度設計に加担して、自己の業務対策に
精を出すようでは、自由と正義を実現する
弁護士の姿からは程遠い。
7月28日の討論会では、ある産婦人科の開業医の方が
切実な立場を訴え、多少なりとも制度を
前進させて欲しいという話をされていた。
勿論、切実であるとの心情は理解できる。
しかしながら、誤った制度の見切り発車による
弊害の大きさを考えると、そのまま同情論によって
法案大綱に対する賛成論を展開することはとてもできない。
このような感情論は大変危険である。
今回の制度設計の一連の流れにおいて、
このような切実な医師の気持をうまく利用して、
漁夫の利を得ようとしている者がいるのではないか
ということを、もっと真剣に疑ったほうがよい。
ここで、法案大綱の内容について、一点のみ、
極めて重大な問題があるので指摘したい。
それは、大綱では新たな刑事処罰規定が
登場しているという点である。
第30の(1)~(5)である(他にも刑罰規定はあるが、
この規定に絞って述べる)。
これらは、虚偽報告罪、検査拒否罪、虚偽陳述罪、
関係物件提出拒否罪などと呼称してもよい
新たな刑罰規定であるが、明らかに憲法上
の基本権を侵害する憲法違反の規定なのである。
現行憲法上、供述を強制されないことは
基本的人権として保障され(38条、黙秘権保障)、
また、所有物をむやみに捜索押収されないことも
基本的人権として保障されている(35条、令状主義)。
「何人(なんびと)」に対しても保障された権利である。
大綱のこれら新たな処罰規定は、
このような憲法上の基本権を
正面から否定するものと言ってよい。
憲法上のこれら基本権は、何人にも
保障されているのであるから、極端なことを言えば、
組織的暴力集団やテロリストにも
保障された権利である。
なのに、何故、医療者だけがこれら憲法上の権利を
制限されるのであろうか。
黙秘権保障、令状主義が、医師・医療関係者については
格別保障されなくてもよいと考える理由を
昨日のシンポで、是非とも法案大綱に
賛成される立場の方に尋ねたかったのである。
大野病院事件の悪夢が亡くなるという
根拠のない安易な妄想によって、組織的暴力集団や
テロリスト以下の立場に医療者を
置こうとしていることに気づいているのであろうか。
まさに本末転倒、「角を矯めて牛を殺す」の類である。
なお、討論会では、医療者側から、
「医療不信、医療不信」という言葉が
連呼されていたが、これも根拠ない誇大妄想に
医療界全体が陥っていると言えないか。
我が国において、圧倒的に多数の患者(=国民)は、
医師から受けた医療に満足し、感謝して帰っている。
このような日常の「声なき声」を聞き取れない人たちには
新たな制度設計など任せられない。
極端な病理的現象上の議論をもって、
通常の生理的現象に当てはめようとすることは、
容易に生理を病理に変質させるという、
大いなる誤ちを招来することになる。
医療崩壊という現象を助長することは明らかである。
医療を受ける一市民の立場に自らを置いたときに、
討論会における法案大綱賛成論を聞いていて
寒々とした思いになった。
どうにかしないと、このままでは日本の医療は
崩壊どころか完全に沈没してしまいかねない。
MRICの配信を希望される方は touroku@mricj.com へ!!
この記事を書いた木ノ元弁護士がどんな人かっていうと。
『死因究明で議論錯綜―日本医学会(中)』
の記事で、
会場の医師が「業務上過失致死傷罪」について、
間違った解釈をした時に。
後方の席から「今の意見は誤っているー!」
と身を乗り出して手を上げ、
前方のマイクに向かって走ってきた人が、
鈴木弁護士。
木ノ元先生っていうのは、
その鈴木利廣弁護士(S弁護士)に
噛み付いた弁護士さんです。
その時の様子も非常におもしろいので。
まだ読んでいない人は、是非読んで下さいね!
『死因究明で議論錯綜―日本医学会(上)』
『死因究明で議論錯綜―日本医学会(中)』
『死因究明で議論錯綜―日本医学会(下)』
『日本医師会の大罪』
の記事で、私は、
裁判では、自分に不利と思われる証言はしなくて良い。
って事になっていますよね。
ドラマなんかでも、「あなたには黙秘権がある」
とか、って出てきますよね。
これ(黙秘権)は憲法で保障された
基本的人権なのですから。
それが、悪い事だというわけではありません。
「届け出をしなかったら罰する」っていう事は、
その憲法で保障された権利すら、
医師には与えない、って事です。
という事を書きましたが。
法律の専門家である弁護士から、
全く同じ意見、というか。
「医者(医療者)はテロリスト以下だ」
という過激な意見まで頂いて、ちょっと嬉しいです。
このブログは、一般の人向けなので。
医療事故調に関しては、
敢えてあまり取り上げていません。
今までに、たしか2回位だったかな。
だって、医者には関係ある話だけど。
あんまり、一般の人には関係ないから。
興味ないでしょ、医者以外。
だから、敢えてあまり取り上げていません。
でも、医者にはテロリストや暴力団にも与えている、
黙秘権を与えない。
っていうのは、あまりにも酷いよね、この案は。
『医師会は厚労省に騙された!』
の記事にも書いたけど。
医療というのは、病人とかけが人が対象ですし。
治療っていうのは、薬を使ったり、
手術をしたりする事ですから。
医療というのは、不確実なものなんですよ。
100%って事はあり得ないんですよ、残念ながら。
で、不幸にも残念な結果が起こったときに。
どうしてそういう事が起こったのか、
客観的に判断してくれる、
第三者機関があれば、遺族も納得できるし。
医療者の側も、医療に関しては素人の裁判官とか、
警察、検事なんかよりは、専門家に判断して貰った方が、
安心して医療ができるから。
医療者側でもなく、患者側でもない、第三者機関が、
医療事故が起こった場合は判断するようなシステム。
というものがあったほうが、患者側にとっても、
医療者側にとっても都合が良いのではないか。
と、個人的には思います。
そういうのがあった方が、患者さんも、
安心して医療が受けられるし。
医師(医療者)も安心して医療を行えますから。
その為に作ろうとしているのが、いわゆる
「医療事故(安全)委員会」
別名「医療事故調」なんですよ。
でも、なんか全然別の方向に行きつつありますよね。
今の感じでは。
この弁護士さんの発言を聞いていても、
医者にとっても患者にとっても良いシステム。
ではなくて、
「医者の扱いはテロリスト以下」
ですからね、このままいったら。
「耐震偽装」が一時はやって。
これが施行されたらどうなるか、って事も考えずに、
厳しい法律ができちゃって。
その後に、新築のマンションが大幅に減って、
日本の景気減速の一因になっちゃった。
って事もありましたけど。
これって、そもそもは、地震が起きた時に
建物が崩れないようにしよう。
という事で、良かれと思って作った法律なんですよ。
でも、実際は、このおかげで新しいマンションが
できるのが大幅に遅れて、現場は大変。
って事になっていますよね。
これと同じ事が、医療でも起こる可能性があります。
医療訴訟が医療崩壊の一因である。
という事は、間違いのないところだと思いますけど。
福島の大野病院以降は、
医者は刑事事件では逮捕されていません。
奈良の大淀病院の時も、刑事事件として捜査する。
っていうマスコミの報道がありましたけど。
結局、刑事事件では逮捕されていませんよね。
現時点では、検察は医療事故に関しては、
かなり謙抑的に動いていると思います。
だから、医療事故調なんてなくても、
現時点で普通に医療が行われている限りは、
医者が刑事事件で逮捕される可能性は、
かなり少ないんですよ。
それを、この案があれば、大野病院のように
医者が逮捕される事はなくなる、とか。
ほとんど根拠なく言ってる人の事を信じて、
焦って作る必要はないと思いますよ。
こんな、医療事故調だったら。
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っていう過激な発言をされた弁護士がいるので。
ちょっと、紹介させて貰いますね。
いろんな医師ブログで話題になっている、
医療事故調(医療安全調査委員会)の話です。
Medical Research Information Center (MRIC)メルマガ
2008年8月4日発行 臨時 vl 105
「診療関連死の死因究明制度創設に係る
公開討論会」に参加して
弁護士 木ノ元 直樹
平成20年7月28日(月)14時から17時まで、
日本医師会館大講堂において
「診療関連死の死因究明制度創設に係る
公開討論会」が行われた。
討論会を傍聴した感想を述べたい。
私自身は、あらかじめ質問書を提出して、
質問をしようと準備していたのでだが、
なかなかその機会に恵まれそうもない状況で、
会場から患者側のS弁護士が
いきなり発言を始めたのに反応し、
S弁護士と少しやりあって終わってしまった。
残念ながら不完全燃焼であったが、
それはひとまず置くとして、総括した結論を述べれば、
厚労省が公開した「法案大綱」反対論の
説得力が明らかに優勢であった
ということに尽きる。
医療側の推進論の基礎がどこにあるのかも
よく理解できたが、残念ながら、
推進論の根拠は客観性に乏しいとともに、
積極的に重大な問題を発生させる
ということがより鮮明となった。
何がより鮮明になったのか。
それは、医師法21条を改正すれば事足りる
という誤った考えが、多大な副作用、
悪反応をもたらすということである。
「医師のみが刑事司法の対象で弱い立場」
という発想を転換し、検察・警察に対しても
堂々と対峙しないと所詮何をやっても駄目である。
「法案大綱」推進論の路線では
これが全く見えていないのである。
大野病院事件における警察の逮捕は、
逮捕した警察官、勾留を続けた検察官らに
「特別公務員職権濫用罪」(刑法194条)
が成立するという前提で、積極的に医療側が
刑事告発をしていくべきなのである。
これで捜査機関がまともに動かなければ、
捜査機関の不公正な怠慢を
糾弾していくことが必要である。
勿論、民事的には国賠法の問題も出てくる余地がある。
何が業務上過失の「過失」なのかという議論とセットで、
何が特別公務員の「職権濫用」となるのか
という議論を突き付けるべきなのだが、
日本救急医学会の堤先生の発言を除いては、
この本質論にまで意識された発言はなかった。
ところが、大野病院事件ショックと言うべきか、
医師のみが捜査のターゲットだという過剰反応が、
藁をもつかむ意識を蔓延させ
(これは医師会をはじめ、各医学会共通の
コンセンサスであったのではなかろうか。)、
医師法21条をいじれば大野病院事件のような
悪夢はなくなるなどという迷信を
生んでしまったのである。
我々法律家は、警察・検察の現実の姿を
医療界にある人たちよりも理解している
と思うのだが、一言でいえば、
「そんな甘いものではない」に尽きる。
医療界の上層部の一部の人と法務省、
警察庁の一部の人の談議では、
何も保証されていないと理解しなければ、
あっという間に梯子を外されてしまう可能性がある。
厚労省が第三次試案に添付した、
警察庁・法務省幹部との確認内容を見ても、
「警察・検察に法律上与えられた
捜査権・逮捕権が医療事故について制限される」
などという記述は全くなく、このままでは従来通り、
捜査機関側が目の前の医療事件について、
「担当医師らに逮捕の要件があると判断すれば、
警察は逮捕に至る」という基本的構図には
何も変わっていないのである。
警察・検察が、患者家族からの刑事告訴を
最優先することを否定できる根拠も、
厚労省のペーパーには一切記載されていない。
ガイドラインを医療界が示せば逮捕や刑事訴追は
ないかのようなことを述べる一部の法律家もいるが、
これはとんでもない謬論である。
このような誤魔化し発言が一部法律家サイドから
語られることから、それが正しい法律解釈のように
医療側に誤解され、今回のような制度設計によって
刑事免責が事実上保証されるのではないか
との妄想が生まれるのである。
大野病院事件について私が一番問題であると思うのは、
大野病院事件における検察・警察の捜査手法が
違法・不当であること、犯罪(特別公務員職権濫用罪)に
等しい手法であることを、法律家の立場としては
声を大にして言うべきであったのに、
そのような声が殆ど弁護士会全体から
出てこなかったという点である。
それをせずに、一部の弁護団体が、
「このままだと、またいつ逮捕されるか分かりませんよ」
「調査委員会を立ち上げて医療界の基準を示すべきですよ」
などと盛んに医療側に吹聴し、厚労省がこれに
安易に乗ってしまったことから、
ボタンの掛け違いが生じたのではないか。
一部の弁護団体では、「調査委員会の報告書
をどのようにして民事裁判の証拠として使うか」
という内容での議論が始まっているやに聞くが、
違法捜査に対するチェック機能を懈怠し、
しかも基本的人権を侵害する可能性の大きい
制度設計に加担して、自己の業務対策に
精を出すようでは、自由と正義を実現する
弁護士の姿からは程遠い。
7月28日の討論会では、ある産婦人科の開業医の方が
切実な立場を訴え、多少なりとも制度を
前進させて欲しいという話をされていた。
勿論、切実であるとの心情は理解できる。
しかしながら、誤った制度の見切り発車による
弊害の大きさを考えると、そのまま同情論によって
法案大綱に対する賛成論を展開することはとてもできない。
このような感情論は大変危険である。
今回の制度設計の一連の流れにおいて、
このような切実な医師の気持をうまく利用して、
漁夫の利を得ようとしている者がいるのではないか
ということを、もっと真剣に疑ったほうがよい。
ここで、法案大綱の内容について、一点のみ、
極めて重大な問題があるので指摘したい。
それは、大綱では新たな刑事処罰規定が
登場しているという点である。
第30の(1)~(5)である(他にも刑罰規定はあるが、
この規定に絞って述べる)。
これらは、虚偽報告罪、検査拒否罪、虚偽陳述罪、
関係物件提出拒否罪などと呼称してもよい
新たな刑罰規定であるが、明らかに憲法上
の基本権を侵害する憲法違反の規定なのである。
現行憲法上、供述を強制されないことは
基本的人権として保障され(38条、黙秘権保障)、
また、所有物をむやみに捜索押収されないことも
基本的人権として保障されている(35条、令状主義)。
「何人(なんびと)」に対しても保障された権利である。
大綱のこれら新たな処罰規定は、
このような憲法上の基本権を
正面から否定するものと言ってよい。
憲法上のこれら基本権は、何人にも
保障されているのであるから、極端なことを言えば、
組織的暴力集団やテロリストにも
保障された権利である。
なのに、何故、医療者だけがこれら憲法上の権利を
制限されるのであろうか。
黙秘権保障、令状主義が、医師・医療関係者については
格別保障されなくてもよいと考える理由を
昨日のシンポで、是非とも法案大綱に
賛成される立場の方に尋ねたかったのである。
大野病院事件の悪夢が亡くなるという
根拠のない安易な妄想によって、組織的暴力集団や
テロリスト以下の立場に医療者を
置こうとしていることに気づいているのであろうか。
まさに本末転倒、「角を矯めて牛を殺す」の類である。
なお、討論会では、医療者側から、
「医療不信、医療不信」という言葉が
連呼されていたが、これも根拠ない誇大妄想に
医療界全体が陥っていると言えないか。
我が国において、圧倒的に多数の患者(=国民)は、
医師から受けた医療に満足し、感謝して帰っている。
このような日常の「声なき声」を聞き取れない人たちには
新たな制度設計など任せられない。
極端な病理的現象上の議論をもって、
通常の生理的現象に当てはめようとすることは、
容易に生理を病理に変質させるという、
大いなる誤ちを招来することになる。
医療崩壊という現象を助長することは明らかである。
医療を受ける一市民の立場に自らを置いたときに、
討論会における法案大綱賛成論を聞いていて
寒々とした思いになった。
どうにかしないと、このままでは日本の医療は
崩壊どころか完全に沈没してしまいかねない。
MRICの配信を希望される方は touroku@mricj.com へ!!
この記事を書いた木ノ元弁護士がどんな人かっていうと。
『死因究明で議論錯綜―日本医学会(中)』
の記事で、
会場の医師が「業務上過失致死傷罪」について、
間違った解釈をした時に。
後方の席から「今の意見は誤っているー!」
と身を乗り出して手を上げ、
前方のマイクに向かって走ってきた人が、
鈴木弁護士。
木ノ元先生っていうのは、
その鈴木利廣弁護士(S弁護士)に
噛み付いた弁護士さんです。
その時の様子も非常におもしろいので。
まだ読んでいない人は、是非読んで下さいね!
『死因究明で議論錯綜―日本医学会(上)』
『死因究明で議論錯綜―日本医学会(中)』
『死因究明で議論錯綜―日本医学会(下)』
『日本医師会の大罪』
の記事で、私は、
裁判では、自分に不利と思われる証言はしなくて良い。
って事になっていますよね。
ドラマなんかでも、「あなたには黙秘権がある」
とか、って出てきますよね。
これ(黙秘権)は憲法で保障された
基本的人権なのですから。
それが、悪い事だというわけではありません。
「届け出をしなかったら罰する」っていう事は、
その憲法で保障された権利すら、
医師には与えない、って事です。
という事を書きましたが。
法律の専門家である弁護士から、
全く同じ意見、というか。
「医者(医療者)はテロリスト以下だ」
という過激な意見まで頂いて、ちょっと嬉しいです。
このブログは、一般の人向けなので。
医療事故調に関しては、
敢えてあまり取り上げていません。
今までに、たしか2回位だったかな。
だって、医者には関係ある話だけど。
あんまり、一般の人には関係ないから。
興味ないでしょ、医者以外。
だから、敢えてあまり取り上げていません。
でも、医者にはテロリストや暴力団にも与えている、
黙秘権を与えない。
っていうのは、あまりにも酷いよね、この案は。
『医師会は厚労省に騙された!』
の記事にも書いたけど。
医療というのは、病人とかけが人が対象ですし。
治療っていうのは、薬を使ったり、
手術をしたりする事ですから。
医療というのは、不確実なものなんですよ。
100%って事はあり得ないんですよ、残念ながら。
で、不幸にも残念な結果が起こったときに。
どうしてそういう事が起こったのか、
客観的に判断してくれる、
第三者機関があれば、遺族も納得できるし。
医療者の側も、医療に関しては素人の裁判官とか、
警察、検事なんかよりは、専門家に判断して貰った方が、
安心して医療ができるから。
医療者側でもなく、患者側でもない、第三者機関が、
医療事故が起こった場合は判断するようなシステム。
というものがあったほうが、患者側にとっても、
医療者側にとっても都合が良いのではないか。
と、個人的には思います。
そういうのがあった方が、患者さんも、
安心して医療が受けられるし。
医師(医療者)も安心して医療を行えますから。
その為に作ろうとしているのが、いわゆる
「医療事故(安全)委員会」
別名「医療事故調」なんですよ。
でも、なんか全然別の方向に行きつつありますよね。
今の感じでは。
この弁護士さんの発言を聞いていても、
医者にとっても患者にとっても良いシステム。
ではなくて、
「医者の扱いはテロリスト以下」
ですからね、このままいったら。
「耐震偽装」が一時はやって。
これが施行されたらどうなるか、って事も考えずに、
厳しい法律ができちゃって。
その後に、新築のマンションが大幅に減って、
日本の景気減速の一因になっちゃった。
って事もありましたけど。
これって、そもそもは、地震が起きた時に
建物が崩れないようにしよう。
という事で、良かれと思って作った法律なんですよ。
でも、実際は、このおかげで新しいマンションが
できるのが大幅に遅れて、現場は大変。
って事になっていますよね。
これと同じ事が、医療でも起こる可能性があります。
医療訴訟が医療崩壊の一因である。
という事は、間違いのないところだと思いますけど。
福島の大野病院以降は、
医者は刑事事件では逮捕されていません。
奈良の大淀病院の時も、刑事事件として捜査する。
っていうマスコミの報道がありましたけど。
結局、刑事事件では逮捕されていませんよね。
現時点では、検察は医療事故に関しては、
かなり謙抑的に動いていると思います。
だから、医療事故調なんてなくても、
現時点で普通に医療が行われている限りは、
医者が刑事事件で逮捕される可能性は、
かなり少ないんですよ。
それを、この案があれば、大野病院のように
医者が逮捕される事はなくなる、とか。
ほとんど根拠なく言ってる人の事を信じて、
焦って作る必要はないと思いますよ。
こんな、医療事故調だったら。
医者のホンネが知りたい人は、こちらから!
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日本の医療崩壊の原因として一番大きいのは、
医師不足と医療費不足だと、個人的には思いますが。
それに加えて「医師の過労」というのも、
非常に大きいと思います。
このブログでも「医師の過労」や「医師の当直」、
「医師の時間外労働」の問題には、
結構力を入れてきたつもりです。
今回、「医療制度研究会」がまとめた「医師の勤務状況調査」
でわかった医師の過労の状況が、
yahooのトップページに出てましたね。
医師4人に1人が36時間以上連続勤務
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080801-00000006-cbn-soci
地域の中核病院に勤務する医師の4人に1人が
36時間以上の連続勤務を行い、
今の仕事について半数近くが「忙し過ぎる」
と感じていることが、現役医師らでつくる
NPO法人(特定非営利活動法人)「医療制度研究会」
(理事長・中澤堅次済生会宇都宮病院院長)がまとめた
「医師の勤務状況調査」で分かった。
調査には、関東、東北地方の救急指定、
研修指定などの17病院に勤務する489人の医師が協力した。
過去1週間で最も長かった連続勤務時間については、
「36時間以上」が25%、
「30時間以上36時間未満」が26%と、
過半数の医師が30時間以上の
連続勤務をこなしていた。
しかし、連続勤務の代休を
「取れる」はわずか4%にとどまった。
一週間の労働時間でも、「70時間以上」が26%、
「60時間以上70時間未満」が28%などと、
過半数の医師が長時間勤務を
していることが明らかになった。
週休については、「取れない」が29%に上った。
こうした勤務実態の中、仕事が「忙し過ぎる」が46%と
半数近くに達し、「限界に近い」も14%あった。
自由意見では、
▽「忙しい仕事の中で、手術件数は増やせ、
医療事故は起こすなには無理がある」
▽「年々、仕事がきつくなっており、
せめて当直明けはゆっくり休みたい。
現在の当直は、夜間勤務に近い」
▽「仕事には誇りを持っているが、
今の生活が続くと、自分の体が
壊れてしまうのではないかと心配」
▽「心臓外科を2人でやっており、
定例の手術に緊急手術が加わると、
週の平均勤務時間が80時間を超えることもある。
2人で行う仕事量としては限界」
-など、労働実態の改善を求める声が相次いだ。
国に対しては、「医療費抑制のみにとらわれず、
本当に必要な医療の需要と供給の均等化、
適切な人材、診療報酬の確保に努め、
そのために予算配分をしてほしい」
という要望が寄せられた。
同研究会では、「医療現場の過剰な忙しさは、
サービスの低下につながり、患者への
“危害”になる可能性があることを考えなければならない。
現場の考えが、なぜ政策に反映されないのか。
患者に対する医師の責任として真剣に考えよう」
と呼び掛けている。
参照:『2008年8月1日:医療介護CBニュース』
警察や消防、タクシーの運転手とかは当然。
コンビニのバイトでさえ、夜中に働いたら
必ず次の日には休みになるのに。
人間の命を扱う医師の場合は、当直で夜通し働いたとしても、
ほとんどの病院では、次の日が休みにならない。
というおかしな制度があって。
そのせいで、医師が過労になっています。
どの程度の医師が、丸1日以上働いているのか、
っていう具体的なデーターは今まで少なかったのですけど。
医療制度研究会がまとめてくれましたね。
>過去1週間で最も長かった連続勤務時間については、
「36時間以上」が25%、
「30時間以上36時間未満」が26%と、
過半数の医師が30時間以上の
連続勤務をこなしていた。
半分以上の医師が、30時間以上の連続勤務ですよ。
これ、院長とか、60歳を過ぎたベテラン医師とか。
そういう医者も入れて、の話ですけど。
それでも、半分以上の医師が、30時間以上の
連続勤務をしています。
でも、これ。
ホントは、もっと多いんですよ。
ちょっと調査の仕方が甘いというか。
どうせやるなら、もうちょっと工夫して
設問を作らないともったいなかったかな、
と個人的には思いました。
どこがか、っていうと。
>調査には、関東、東北地方の救急指定、
研修指定などの17病院に勤務する489人の医師が協力した。
(地域の中核病院に勤務する医師)
過去1週間で最も長かった連続勤務時間について
という事ですから。
地域の中核病院で救急指定、研修指定病院ですからね。
そういう病院であれば、医師が5人とか10人。
っていう事は、まずあり得なくって。
医師の数は、20人とか50人とか。
その位の人数になるんじゃないですかね。
この調査での具体的な病院の医師数はわかんないけど。
30時間とか、36時間連続勤務っていうのは。
丸1日(24時間)+6時間、または12時間。
って事ですから。
30時間連続勤務っていうのは、
当直の次の日が休み、もしくは半日で終了。
という病院でなければ、全て当てはまります。
36時間連続勤務も、当直の次の日、12時間。
朝9時から夜9時まで働く。
っていう、ちょっと忙しい位の病院であれば、
当てはまってしまいますから。
30時間以上連続勤務の医師が半分。
36時間以上連続勤務の医師が4人に1人。
っていうのは、むしろ少ないかな、と思います。
じゃあ、なんでこういう結果になったかっていうと。
>過去1週間で最も長かった連続勤務時間について
っていう設問の仕方をしているからですね。
当直をする医師っていうのは、病院によって違うけど。
院長とか60歳以上、50歳以上の医師を除いて全員。
とか、そんな感じで、みんなで協力してやっています。
ある程度大きな病院であれば、外の病院から
当直の為の医師を雇っているとこもありますけどね。
中堅病院で、医師が20人の病院の場合。
2人が、年齢制限等で当直免除だとすると。
残りの18人の医師で、一ヶ月の当直。
30日とか31日を回す事になります。
そうすると、一ヶ月に1人2回弱。
若い医師は月に2回の当直。
ベテランの医師は当直は月に1回。
とか、そんな感じになると思います。
この調査では、
「過去1週間で最も長かった連続勤務時間」
ですから。
前に行った当直が10日前とか、2週間前とか。
そういう人は、重症の患者さんがいて、
当直じゃないので病院に泊まった。
っていう人以外は、当てはまらなくなっちゃうんですよ。
だから、過去一週間ではなくて、
「過去一ヶ月で最も長かった連続勤務時間」
というような質問の仕方をすれば、
>連続勤務の代休を「取れる」はわずか4%にとどまった。
って結果なわけですから。
当直の後は、完全な休みではないけど、半日で終了。
というような病院。
それと、当直をしていない医師。
これを除いて、
ほぼ全員が30時間以上連続勤務してますから。
おそらく。
30時間以上連続勤務の医師は5人に4人。
36時間以上連続勤務の医師は半分。
くらいになるんじゃないかな、って思いますね。
それと、いわゆる中堅病院じゃなくて、
もっと医師が少ない病院。
田舎の病院で、医師の数が5人しかない病院、とか。
医師の数が5人だと、5日に一回は当直ですから。
「過去一ヶ月ではなく、一週間で最も長かった連続勤務時間」
という質問でも、もっと多くの医師が30時間とか、
36時間連続勤務をした、っていう回答になると思いますね。
アンケートする前に、私に一言相談してくれれば良かったのにー。
って、そんな訳ないか(笑)
あ、そうだ。
一応、話をわかりやすくするために、今回の記事では、
1つの病院に、1日に1人の医師が当直する。
っていう事で、計算しましたけど。
実際には、規模の大きい病院とか、
当直がすごく忙しい病院の場合だと、1日に2人の医師で当直。
とか、土、日、祝日は日直と当直(昼番と夜番)に分ける、とか。
そういう事をやっている病院も多いし。
産科の場合は、医師の数が100人いる病院でも、
産科医が3人しかいなければ、産科当直は3日に1度。
っていう所も多いですからね。
実際は、今回の記事で書いた医師の当直回数っていうのは、
「最低の回数」って事ですからね。
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小松 秀樹 (著)
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医師不足と医療費不足だと、個人的には思いますが。
それに加えて「医師の過労」というのも、
非常に大きいと思います。
このブログでも「医師の過労」や「医師の当直」、
「医師の時間外労働」の問題には、
結構力を入れてきたつもりです。
今回、「医療制度研究会」がまとめた「医師の勤務状況調査」
でわかった医師の過労の状況が、
yahooのトップページに出てましたね。
医師4人に1人が36時間以上連続勤務
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080801-00000006-cbn-soci
地域の中核病院に勤務する医師の4人に1人が
36時間以上の連続勤務を行い、
今の仕事について半数近くが「忙し過ぎる」
と感じていることが、現役医師らでつくる
NPO法人(特定非営利活動法人)「医療制度研究会」
(理事長・中澤堅次済生会宇都宮病院院長)がまとめた
「医師の勤務状況調査」で分かった。
調査には、関東、東北地方の救急指定、
研修指定などの17病院に勤務する489人の医師が協力した。
過去1週間で最も長かった連続勤務時間については、
「36時間以上」が25%、
「30時間以上36時間未満」が26%と、
過半数の医師が30時間以上の
連続勤務をこなしていた。
しかし、連続勤務の代休を
「取れる」はわずか4%にとどまった。
一週間の労働時間でも、「70時間以上」が26%、
「60時間以上70時間未満」が28%などと、
過半数の医師が長時間勤務を
していることが明らかになった。
週休については、「取れない」が29%に上った。
こうした勤務実態の中、仕事が「忙し過ぎる」が46%と
半数近くに達し、「限界に近い」も14%あった。
自由意見では、
▽「忙しい仕事の中で、手術件数は増やせ、
医療事故は起こすなには無理がある」
▽「年々、仕事がきつくなっており、
せめて当直明けはゆっくり休みたい。
現在の当直は、夜間勤務に近い」
▽「仕事には誇りを持っているが、
今の生活が続くと、自分の体が
壊れてしまうのではないかと心配」
▽「心臓外科を2人でやっており、
定例の手術に緊急手術が加わると、
週の平均勤務時間が80時間を超えることもある。
2人で行う仕事量としては限界」
-など、労働実態の改善を求める声が相次いだ。
国に対しては、「医療費抑制のみにとらわれず、
本当に必要な医療の需要と供給の均等化、
適切な人材、診療報酬の確保に努め、
そのために予算配分をしてほしい」
という要望が寄せられた。
同研究会では、「医療現場の過剰な忙しさは、
サービスの低下につながり、患者への
“危害”になる可能性があることを考えなければならない。
現場の考えが、なぜ政策に反映されないのか。
患者に対する医師の責任として真剣に考えよう」
と呼び掛けている。
参照:『2008年8月1日:医療介護CBニュース』
警察や消防、タクシーの運転手とかは当然。
コンビニのバイトでさえ、夜中に働いたら
必ず次の日には休みになるのに。
人間の命を扱う医師の場合は、当直で夜通し働いたとしても、
ほとんどの病院では、次の日が休みにならない。
というおかしな制度があって。
そのせいで、医師が過労になっています。
どの程度の医師が、丸1日以上働いているのか、
っていう具体的なデーターは今まで少なかったのですけど。
医療制度研究会がまとめてくれましたね。
>過去1週間で最も長かった連続勤務時間については、
「36時間以上」が25%、
「30時間以上36時間未満」が26%と、
過半数の医師が30時間以上の
連続勤務をこなしていた。
半分以上の医師が、30時間以上の連続勤務ですよ。
これ、院長とか、60歳を過ぎたベテラン医師とか。
そういう医者も入れて、の話ですけど。
それでも、半分以上の医師が、30時間以上の
連続勤務をしています。
でも、これ。
ホントは、もっと多いんですよ。
ちょっと調査の仕方が甘いというか。
どうせやるなら、もうちょっと工夫して
設問を作らないともったいなかったかな、
と個人的には思いました。
どこがか、っていうと。
>調査には、関東、東北地方の救急指定、
研修指定などの17病院に勤務する489人の医師が協力した。
(地域の中核病院に勤務する医師)
過去1週間で最も長かった連続勤務時間について
という事ですから。
地域の中核病院で救急指定、研修指定病院ですからね。
そういう病院であれば、医師が5人とか10人。
っていう事は、まずあり得なくって。
医師の数は、20人とか50人とか。
その位の人数になるんじゃないですかね。
この調査での具体的な病院の医師数はわかんないけど。
30時間とか、36時間連続勤務っていうのは。
丸1日(24時間)+6時間、または12時間。
って事ですから。
30時間連続勤務っていうのは、
当直の次の日が休み、もしくは半日で終了。
という病院でなければ、全て当てはまります。
36時間連続勤務も、当直の次の日、12時間。
朝9時から夜9時まで働く。
っていう、ちょっと忙しい位の病院であれば、
当てはまってしまいますから。
30時間以上連続勤務の医師が半分。
36時間以上連続勤務の医師が4人に1人。
っていうのは、むしろ少ないかな、と思います。
じゃあ、なんでこういう結果になったかっていうと。
>過去1週間で最も長かった連続勤務時間について
っていう設問の仕方をしているからですね。
当直をする医師っていうのは、病院によって違うけど。
院長とか60歳以上、50歳以上の医師を除いて全員。
とか、そんな感じで、みんなで協力してやっています。
ある程度大きな病院であれば、外の病院から
当直の為の医師を雇っているとこもありますけどね。
中堅病院で、医師が20人の病院の場合。
2人が、年齢制限等で当直免除だとすると。
残りの18人の医師で、一ヶ月の当直。
30日とか31日を回す事になります。
そうすると、一ヶ月に1人2回弱。
若い医師は月に2回の当直。
ベテランの医師は当直は月に1回。
とか、そんな感じになると思います。
この調査では、
「過去1週間で最も長かった連続勤務時間」
ですから。
前に行った当直が10日前とか、2週間前とか。
そういう人は、重症の患者さんがいて、
当直じゃないので病院に泊まった。
っていう人以外は、当てはまらなくなっちゃうんですよ。
だから、過去一週間ではなくて、
「過去一ヶ月で最も長かった連続勤務時間」
というような質問の仕方をすれば、
>連続勤務の代休を「取れる」はわずか4%にとどまった。
って結果なわけですから。
当直の後は、完全な休みではないけど、半日で終了。
というような病院。
それと、当直をしていない医師。
これを除いて、
ほぼ全員が30時間以上連続勤務してますから。
おそらく。
30時間以上連続勤務の医師は5人に4人。
36時間以上連続勤務の医師は半分。
くらいになるんじゃないかな、って思いますね。
それと、いわゆる中堅病院じゃなくて、
もっと医師が少ない病院。
田舎の病院で、医師の数が5人しかない病院、とか。
医師の数が5人だと、5日に一回は当直ですから。
「過去一ヶ月ではなく、一週間で最も長かった連続勤務時間」
という質問でも、もっと多くの医師が30時間とか、
36時間連続勤務をした、っていう回答になると思いますね。
アンケートする前に、私に一言相談してくれれば良かったのにー。
って、そんな訳ないか(笑)
あ、そうだ。
一応、話をわかりやすくするために、今回の記事では、
1つの病院に、1日に1人の医師が当直する。
っていう事で、計算しましたけど。
実際には、規模の大きい病院とか、
当直がすごく忙しい病院の場合だと、1日に2人の医師で当直。
とか、土、日、祝日は日直と当直(昼番と夜番)に分ける、とか。
そういう事をやっている病院も多いし。
産科の場合は、医師の数が100人いる病院でも、
産科医が3人しかいなければ、産科当直は3日に1度。
っていう所も多いですからね。
実際は、今回の記事で書いた医師の当直回数っていうのは、
「最低の回数」って事ですからね。
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小松 秀樹 (著)
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