「夜間・休日に救急外来を受診する
軽症の患者さんから加算金を払ってもらう」
という制度が、徐々に広がっていますね。
これ、「初診料」や「特別の病室」の値段なんかと同じように、
病院が自分達で値段を決めてよいっていうもんなんですよ。
こういうのを「選定療養」って言います。
病院の規模とかにもよるんですけどね。
時間外に病院が救急の患者を受け入れるのは、
病院がやっている時間以外にも、
病気になる人がいるからです。
命に関わるかもしれないのに、
時間外ですから、って事で患者さんが命を落とす、
という事にならない為に。
そういう時は、病院も時間外でも診ますよ。
というのが、本来の時間外救急外来です。
ただ、「コンビニ受診」、「コンビニ救急」
って言葉があるように。
本来の目的とは違って、軽症の患者が
気軽に時間外にも病院に来る人が、
最近増えています。
その結果、重症患者に全力を注ぐべき医者が、
大量に押し寄せる軽症患者の為に
力を使ってしまい疲弊する。
重症患者も、場合によっては手遅れになる。
という事が、実際に起きています。
そうなったら困りますよね。
重症の患者さんはもちろん。
医師が疲弊して、病院から立ち去ったら、
他の患者さんも困りますからね。
そうさせない為の有効な手段が、
「軽症患者からは、お金を多く取る」
という方法です。
『時間外重症患者割引制度』
の記事をはじめ、
このブログでも何回か書いていますけど。
医療崩壊の原因は、医師不足と医療費不足です。
医師不足というのは、他の先進国等と比べて、
人口当たりの医師数が少ない。
という、医師の絶対数の不足。
それと、患者の数が多くなりすぎて。
1人の医師が診る患者の数が多くなってしまった。
という、相対的な医師の不足。
この両方なんですよ。
本当は、それに加えて、事務仕事等の仕事も含め、
医師の仕事が多すぎて、医師の数が足りない。
という問題もあるんですけどね。
私が提案しているアイディアと全く同じ形で、
時間外加算金を取っている病院はないんですけど。
軽症患者からは、多めに料金を取る、
っていう病院が増えてきているようなので。
ちょっと注目してはいたのですが。
ちょうど、読売新聞が、まとめてくれましたね。
救急外来「軽症者に加算金」拡大、
夜間・休日医師の負担軽減
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081227-00000062-yom-soci
緊急性がないのに夜間・休日に救急外来を受診する
軽症患者から、全額自費の
時間外加算金を徴収することを
地方厚生局に届け出ている病院が、
123施設に上ることが読売新聞の調査で分かった。
制度は1992年に始まったが、
最近5年間で76施設も増加。
このうち最も多かった理由は軽症患者の抑制で、
44施設と6割近くに上る。
医師不足などで患者の「たらい回し」が相次いでいるほか、
軽症患者が安易に病院に行く
「コンビニ受診」が問題になっているが、
勤務医の負担を軽減するための
“自衛策”が広まりつつある。
時間外加算金は、例外として
保険適用外が認められた制度。
医療機関は、管轄の地方厚生局に届け出れば、
緊急性がないと判断した患者から徴収できる。
本社が12月1日時点で調べた。
過去5年間に届け出た病院の設定額は
8400円~300円。
7施設は徴収を始めていない。
夜間・休日の軽症患者の受け皿としては、
地域の夜間診療所や当番医がある。
時間外加算金を徴収している複数の病院によると、
軽症患者が
「病院の方が安心でき、夜だと待ち時間が短い」
「当番医は毎日変わるので、分かりにくい」
などとして、病院に来るという。
最高額8400円を徴収しているのは、
山形大医学部付属病院(山形市)。
今年5月には840人いた時間外の患者は、
徴収を始めた6月以降、毎月600人台に減少。
一方で、このうち入院した重症患者は、
5月の119人から128~156人と増加した。
同大は「金額は、大学病院としての役割、
医師の人件費などを勘案した。」
「入院患者が増えたのは、
医師に余力が生まれたからではないか」
(医事課)としている。
静岡県の志太榛原(しだはいばら)地域では、
焼津市立総合病院など4自治体病院が、
足並みをそろえて今年4~6月にかけて導入。
いずれの病院も時間外の受診者数が
前年比で1~3割減った。
[解説]
「コンビニ受診」に歯止め
患者にすれば時間外加算金など、ない方がいい。
それでも徴収する救急病院が急増している背景には、
軽症にもかかわらず、夜間・休日に気軽に来院する
“コンビニ受診”が、勤務医を疲弊させている事情がある。
軽症患者が増えると、重症患者への診療に
支障をきたしかねない。
保険証一枚で自由に診療先を選べる
「フリーアクセス」が認められているとはいえ、
病院での専門的な治療を求めようとする軽症患者に、
病院側が待ったをかけた格好だ。
徴収を始めた病院では、時間外の患者が減る一方、
重症患者が増加するなど、効果が出ている。
目立ったトラブルもないが、緊急性や症状の軽重など
徴収の条件を巡って、一部の患者から、
戸惑いや不満の声も出ているという。
過剰な受診抑制につながりかねない懸念もある。
埼玉医大総合医療センター(埼玉県川越市)は
今年6月からの徴収を昨秋に公表したところ、
制度が始まったと勘違いし、受診を控えていた
軽症者の症状が悪化したケースもあり、
現在も徴収を保留している。
兵庫県立柏原病院(兵庫県丹波市)では、
周辺の住民グループが地域で
コンビニ受診を控えるよう呼びかけ、
時間外の軽症患者が減った。
医療崩壊に歯止めをかけるには、患者側も
「医療は公共財」と認識し、
モラルある行動をとることが求められる。
(地方部 菅野薫)
時間外加算金
医療機関が金額を設定し、表示した診療時間以外
(深夜、休日など)に受診した患者から徴収できる。
掲示や窓口で事前に患者に知らせ、
同意を得る必要がある。
救急搬送のような緊急性が高いケースや、
地方厚生局に申請のない医療機関では、
通常の保険適用の時間外料金
(初診時850~4800円)がかかり、患者は3割負担。
『2008年12月28日 読売新聞』
この制度に対して書くと必ず、
「お金を高いからって病院にいきずらくなって、
軽症患者が悪くなったらどうするんだ。」
っていう話なんですけど。
じゃあ、
「今、軽症患者が大量に押し寄せて、
そのせいで重症患者にしわ寄せが行っているのは良いのか。」
「軽症患者が大量に時間外に来て、
医師が疲弊して病院を辞めていくのは、放っておいて良いのか。」
って事になるんですよ。
現時点で困っているのを放置するのか。
それとも、これから困る一部の人をどうするのか。
結局は、どっちを重く見るのか、って事だと思いますけど。
私は、軽症患者から料金を多く取って、
患者の数を抑制した方が良いと思いますよ。
ちなみに、「軽症患者の数を抑制したい」
って思って、この制度を導入するのであれば。
ポイントとなるのは「値段」です。
>過去5年間に届け出た病院の設定額は8400円~300円。
って書いてありますけど。
はっきり言って、300円だったら、
全く効果ないと思いますよ。
というか、むしろ逆効果の可能性があります。
金払ってんだから、診てもらって当たり前。
という患者が増える場合がありますからね。
地域や病院によると思いますけど。
せいぜい、5000円とか、1万円位が良いとこだと思います。
それと、これやったら、
「病院経営にも効果がありますよ。」
もちろん、値段によるんですけど。
時間外に病院に来る軽症患者の単価って、
せいぜい5000円か、その位だと思います。
それで、時間外加算金が5000円だった場合。
簡単に言って、患者の数が半分になっても、
経営的には同じ、って事になりますからね。
医師の疲弊は軽減されて、病院経営的にも効果的。
という方法ですから。
赤字だ赤字だ、っていろんな病院で言われているんですから。
早く導入すれば良いんですよ。
文句ばっか言っていないで。
そしたら、病院の勤務医の疲弊も軽減されて、
場合によっては、医師の数が増える場合もあるんですから。
逆に、時間外に軽症患者ばっかり大量に来る病院って、
医者からは、あまり人気ないですから。
そのまま放置して、どんどん医者もいなくなって、
新しい医者も来ない、って事も多いと思いますよ。
今後、日本中で、この制度が進むのか、どうなるのか。
注目していきたいと思います。
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軽症の患者さんから加算金を払ってもらう」
という制度が、徐々に広がっていますね。
これ、「初診料」や「特別の病室」の値段なんかと同じように、
病院が自分達で値段を決めてよいっていうもんなんですよ。
こういうのを「選定療養」って言います。
病院の規模とかにもよるんですけどね。
時間外に病院が救急の患者を受け入れるのは、
病院がやっている時間以外にも、
病気になる人がいるからです。
命に関わるかもしれないのに、
時間外ですから、って事で患者さんが命を落とす、
という事にならない為に。
そういう時は、病院も時間外でも診ますよ。
というのが、本来の時間外救急外来です。
ただ、「コンビニ受診」、「コンビニ救急」
って言葉があるように。
本来の目的とは違って、軽症の患者が
気軽に時間外にも病院に来る人が、
最近増えています。
その結果、重症患者に全力を注ぐべき医者が、
大量に押し寄せる軽症患者の為に
力を使ってしまい疲弊する。
重症患者も、場合によっては手遅れになる。
という事が、実際に起きています。
そうなったら困りますよね。
重症の患者さんはもちろん。
医師が疲弊して、病院から立ち去ったら、
他の患者さんも困りますからね。
そうさせない為の有効な手段が、
「軽症患者からは、お金を多く取る」
という方法です。
『時間外重症患者割引制度』
の記事をはじめ、
このブログでも何回か書いていますけど。
医療崩壊の原因は、医師不足と医療費不足です。
医師不足というのは、他の先進国等と比べて、
人口当たりの医師数が少ない。
という、医師の絶対数の不足。
それと、患者の数が多くなりすぎて。
1人の医師が診る患者の数が多くなってしまった。
という、相対的な医師の不足。
この両方なんですよ。
本当は、それに加えて、事務仕事等の仕事も含め、
医師の仕事が多すぎて、医師の数が足りない。
という問題もあるんですけどね。
私が提案しているアイディアと全く同じ形で、
時間外加算金を取っている病院はないんですけど。
軽症患者からは、多めに料金を取る、
っていう病院が増えてきているようなので。
ちょっと注目してはいたのですが。
ちょうど、読売新聞が、まとめてくれましたね。
救急外来「軽症者に加算金」拡大、
夜間・休日医師の負担軽減
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081227-00000062-yom-soci
緊急性がないのに夜間・休日に救急外来を受診する
軽症患者から、全額自費の
時間外加算金を徴収することを
地方厚生局に届け出ている病院が、
123施設に上ることが読売新聞の調査で分かった。
制度は1992年に始まったが、
最近5年間で76施設も増加。
このうち最も多かった理由は軽症患者の抑制で、
44施設と6割近くに上る。
医師不足などで患者の「たらい回し」が相次いでいるほか、
軽症患者が安易に病院に行く
「コンビニ受診」が問題になっているが、
勤務医の負担を軽減するための
“自衛策”が広まりつつある。
時間外加算金は、例外として
保険適用外が認められた制度。
医療機関は、管轄の地方厚生局に届け出れば、
緊急性がないと判断した患者から徴収できる。
本社が12月1日時点で調べた。
過去5年間に届け出た病院の設定額は
8400円~300円。
7施設は徴収を始めていない。
夜間・休日の軽症患者の受け皿としては、
地域の夜間診療所や当番医がある。
時間外加算金を徴収している複数の病院によると、
軽症患者が
「病院の方が安心でき、夜だと待ち時間が短い」
「当番医は毎日変わるので、分かりにくい」
などとして、病院に来るという。
最高額8400円を徴収しているのは、
山形大医学部付属病院(山形市)。
今年5月には840人いた時間外の患者は、
徴収を始めた6月以降、毎月600人台に減少。
一方で、このうち入院した重症患者は、
5月の119人から128~156人と増加した。
同大は「金額は、大学病院としての役割、
医師の人件費などを勘案した。」
「入院患者が増えたのは、
医師に余力が生まれたからではないか」
(医事課)としている。
静岡県の志太榛原(しだはいばら)地域では、
焼津市立総合病院など4自治体病院が、
足並みをそろえて今年4~6月にかけて導入。
いずれの病院も時間外の受診者数が
前年比で1~3割減った。
[解説]
「コンビニ受診」に歯止め
患者にすれば時間外加算金など、ない方がいい。
それでも徴収する救急病院が急増している背景には、
軽症にもかかわらず、夜間・休日に気軽に来院する
“コンビニ受診”が、勤務医を疲弊させている事情がある。
軽症患者が増えると、重症患者への診療に
支障をきたしかねない。
保険証一枚で自由に診療先を選べる
「フリーアクセス」が認められているとはいえ、
病院での専門的な治療を求めようとする軽症患者に、
病院側が待ったをかけた格好だ。
徴収を始めた病院では、時間外の患者が減る一方、
重症患者が増加するなど、効果が出ている。
目立ったトラブルもないが、緊急性や症状の軽重など
徴収の条件を巡って、一部の患者から、
戸惑いや不満の声も出ているという。
過剰な受診抑制につながりかねない懸念もある。
埼玉医大総合医療センター(埼玉県川越市)は
今年6月からの徴収を昨秋に公表したところ、
制度が始まったと勘違いし、受診を控えていた
軽症者の症状が悪化したケースもあり、
現在も徴収を保留している。
兵庫県立柏原病院(兵庫県丹波市)では、
周辺の住民グループが地域で
コンビニ受診を控えるよう呼びかけ、
時間外の軽症患者が減った。
医療崩壊に歯止めをかけるには、患者側も
「医療は公共財」と認識し、
モラルある行動をとることが求められる。
(地方部 菅野薫)
時間外加算金
医療機関が金額を設定し、表示した診療時間以外
(深夜、休日など)に受診した患者から徴収できる。
掲示や窓口で事前に患者に知らせ、
同意を得る必要がある。
救急搬送のような緊急性が高いケースや、
地方厚生局に申請のない医療機関では、
通常の保険適用の時間外料金
(初診時850~4800円)がかかり、患者は3割負担。
『2008年12月28日 読売新聞』
この制度に対して書くと必ず、
「お金を高いからって病院にいきずらくなって、
軽症患者が悪くなったらどうするんだ。」
っていう話なんですけど。
じゃあ、
「今、軽症患者が大量に押し寄せて、
そのせいで重症患者にしわ寄せが行っているのは良いのか。」
「軽症患者が大量に時間外に来て、
医師が疲弊して病院を辞めていくのは、放っておいて良いのか。」
って事になるんですよ。
現時点で困っているのを放置するのか。
それとも、これから困る一部の人をどうするのか。
結局は、どっちを重く見るのか、って事だと思いますけど。
私は、軽症患者から料金を多く取って、
患者の数を抑制した方が良いと思いますよ。
ちなみに、「軽症患者の数を抑制したい」
って思って、この制度を導入するのであれば。
ポイントとなるのは「値段」です。
>過去5年間に届け出た病院の設定額は8400円~300円。
って書いてありますけど。
はっきり言って、300円だったら、
全く効果ないと思いますよ。
というか、むしろ逆効果の可能性があります。
金払ってんだから、診てもらって当たり前。
という患者が増える場合がありますからね。
地域や病院によると思いますけど。
せいぜい、5000円とか、1万円位が良いとこだと思います。
それと、これやったら、
「病院経営にも効果がありますよ。」
もちろん、値段によるんですけど。
時間外に病院に来る軽症患者の単価って、
せいぜい5000円か、その位だと思います。
それで、時間外加算金が5000円だった場合。
簡単に言って、患者の数が半分になっても、
経営的には同じ、って事になりますからね。
医師の疲弊は軽減されて、病院経営的にも効果的。
という方法ですから。
赤字だ赤字だ、っていろんな病院で言われているんですから。
早く導入すれば良いんですよ。
文句ばっか言っていないで。
そしたら、病院の勤務医の疲弊も軽減されて、
場合によっては、医師の数が増える場合もあるんですから。
逆に、時間外に軽症患者ばっかり大量に来る病院って、
医者からは、あまり人気ないですから。
そのまま放置して、どんどん医者もいなくなって、
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相変わらず、「たらい回し」とか、
「受け入れ拒否」って言葉がマスコミで使われていますねー。
一時、その言葉が減ったかと、思っていたんですが。
単に、私の勘違いだったようですね。
残念です。
思いっきり周回遅れになって、すでに医師ブログでも
マスコミでも話題になっていない話なんですが。
福島で、残念ながら事故で即死された方の件です。
この方の、ご冥福をお祈りいたします。
元ネタは、ssd先生のブログです。
『現実の受け入れを拒否』
いつもお世話になっております。
いわゆる「事故で即死」してしまった方の報道ですが。
これが、毎日新聞です。
受け入れ拒否:6病院、
事故の79歳女性死亡 福島・矢祭
17日午後6時20分ごろ、福島県矢祭町の国道118号で、
歩いていた同町関岡、無職、高沢ソメさん(79)が、
男性会社員(60)の軽乗用車に はねられた。
高沢さんは救急車で搬送されたが、
2次救急医療機関を含む周辺6病院に
計7回受け入れを断られた。
事故から約1時間20分後、58キロ離れた
同県須賀川市の救急病院に収容され、
その1時間半後に全身打撲などで死亡した。
地元の白河地方広域市町村圏消防本部によると、
救急車は119番通報から約4分後に現場に到着。
高沢さんは全身を強く打っており、心肺停止状態 だった。
救急隊員は隣接する塙町や白河市などの
6病院に計7回受け入れを要請。
しかし、「急患に対応中」「当直医が内科で対応できない」
などを理由に断ら れたという。
午後7時38分、高沢さんは須賀川市の
公立岩瀬病院に収容され、午後9時10分に死亡が確認された。
最初に受け入れ要請を受けた塙町の民間病院は
「当直医は泌尿器科で外科医は手術中だった。
頭を打っていると聞き、外科医でないと対応できないと思った。
地方では医師確保が難しい。
受け入れられるなら受け入れたかった」と話した。
また、同居する高沢さんの長男(47)は
「どうしてこんなに遠い病院に運ばれたのかと驚いた。
近くの病院に運ばれていたらとも思うが、
心肺停止状態だったので仕方なかったのか。
母は足腰も丈夫で元気だったのに」と無念そうだった。
【今井美津子】
「2008.12.18:毎日新聞」
これ、いわゆる「即死」ってやつですよ。
本文にも書いてありますよね。
>救急車は119番通報から約4分後に現場に到着。
高沢さんは全身を強く打っており、心肺停止状態 だった。
事故から4分しか経っていないのに。
もうすでに「心肺停止」なんですよ。
いわゆる「突然死」の原因となる、心室細動とか。
そういう不整脈のような「病気」だったら、
すぐに心配蘇生法をしたら、助かる場合。
っていう事も、結構ありますけどね。
大きな事故で、すぐに心肺停止になってしまった場合。
これは、どんな名医だろうと、すぐに治療をしようと。
誰がやっても、助からない場合が多いんですよ。
医者だって、神様じゃないんですから。
死んだ人間を生き返らせることはできないんですよ。
それは、「神の手をもつ医師」とかって、
マスコミが宣伝している医者でも同じです。
それがどうして、
>受け入れ拒否:6病院、
なんてタイトルになるんでしょうか。
地元、福島のメディアは、よくわかっていますよ。
事故で亡くなりました。
という事実を伝えるのみです。
矢祭の国道で女性、軽自動車にはねられ死亡
17日午後6時20分ごろ、矢祭町小田川字榎平の国道118号で、
歩行中の同町関岡字江戸塚、無職高沢ソメさん(79)は、
同町内川字久曽渡、会社員菊池一郎さん(60)の
軽自動車にはねられた。
高沢さんは全身を強く打って約2時間50分後に死亡した。
棚倉署が事故原因を調べている。
「2008年12月18日 :福島民友ニュース」
昔は情報源として、テレビとか新聞、ラジオ、雑誌、本。
そういうものしかありませんでしたけど。
今の時代、インターネットというものがありますから。
誰でも、いろんな情報を入手する事ができます。
インターネットの弱点というのは、
いろんな情報があるけど、玉石混交というか、
どの情報が正しいかわからない。
という事でしょうね。
いろんな人が好き勝手に書いているから。
それが、事実に基づくのか、勝手な思い込みなのか。
そういう判断基準が少ない。
というのが、ネットの最大の弱点だと思います。
昔のように、新聞に書いてある事は全て正しい。
と思っている人は、今では少ないと思いますけど。
一応、新聞の良い点としては、
情報収集と報道を専門とするプロが、
それなりの情報網から仕入れた情報で。
しかも、複数の目で確認して、事実と思われる、
と確認された事を、新聞記事として報道する。
という点だと思うんですよ。
一言で言うと、
インターネットよりも新聞の方が、
情報の信憑性という点では勝る。
という事だと思います。
でも、残念ですけど。
医療に関しては、それは全く当てはまりませんね。
医療崩壊もの、って言われるものが最近の流行になって。
いろいろメディアで報道されて。
少しはましになったかな、と思った時期もあったのですが。
最近、また悪い方向に戻ってしまっているような気がします。
もちろん、各新聞社やテレビ局、雑誌記者なんかで、
医療に関して非常に良く勉強している人たちも、
そこそこ増えてきたかな、とは思いますけどね。
全体としては、あまり良い方向に行っていないような気がします。
今回の件だって。
数年前だったら、
事故で即死した方がいます。
地元の病院で死亡確認お願いします。
って事で済んだもんですよ、単に。
それが、「たらい回し」だとかなんだかで、
助けられなかったら、病院や医者のせいだ。
みたいな報道があるから。
ちいさな病院で患者を受けたがらなくなったんですよ。
もちろん、ベッドが空いていないとか、
急患がいる、外科医でないと対処できない。
っていうのは、嘘ついているわけではないんですけどね。
あえていうなら、今回の事故の件。
救急隊が「即死です」っていう事を、
病院側に伝えなかったのが問題だった。
って事ではないでしょうか。
事故で相当の重症です。
で、まだ助かる可能性はありますけど。
その為には、かなり高度な治療が必要です。
という事になれば、そういう治療ができない病院は、
患者を受け入れる事はできませんから。
もっと高度な治療ができる病院で治療すれば、
助かるかもしれない、って事ですからね。
病院側の判断としては、正しいですよ、これ。
他の病院で治療すれば、助かった可能性がある患者を、
たいした治療もできない病院で受け入れてしまって。
結局、患者を助けられなかった。
っていうのが、最悪のケースですからね。
マスコミが言っているように、
患者を受け入れた病院=善
患者を受け入れる事ができなかった(受け入れ拒否?)病院=悪
というような、単純な構図ではないんですよ。
そういう、根本的な話もせずに単純に、
「患者受け入れ拒否」という報道を垂れ流すのは、
もうやめてもらいたいですね。
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一時、その言葉が減ったかと、思っていたんですが。
単に、私の勘違いだったようですね。
残念です。
思いっきり周回遅れになって、すでに医師ブログでも
マスコミでも話題になっていない話なんですが。
福島で、残念ながら事故で即死された方の件です。
この方の、ご冥福をお祈りいたします。
元ネタは、ssd先生のブログです。
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いつもお世話になっております。
いわゆる「事故で即死」してしまった方の報道ですが。
これが、毎日新聞です。
受け入れ拒否:6病院、
事故の79歳女性死亡 福島・矢祭
17日午後6時20分ごろ、福島県矢祭町の国道118号で、
歩いていた同町関岡、無職、高沢ソメさん(79)が、
男性会社員(60)の軽乗用車に はねられた。
高沢さんは救急車で搬送されたが、
2次救急医療機関を含む周辺6病院に
計7回受け入れを断られた。
事故から約1時間20分後、58キロ離れた
同県須賀川市の救急病院に収容され、
その1時間半後に全身打撲などで死亡した。
地元の白河地方広域市町村圏消防本部によると、
救急車は119番通報から約4分後に現場に到着。
高沢さんは全身を強く打っており、心肺停止状態 だった。
救急隊員は隣接する塙町や白河市などの
6病院に計7回受け入れを要請。
しかし、「急患に対応中」「当直医が内科で対応できない」
などを理由に断ら れたという。
午後7時38分、高沢さんは須賀川市の
公立岩瀬病院に収容され、午後9時10分に死亡が確認された。
最初に受け入れ要請を受けた塙町の民間病院は
「当直医は泌尿器科で外科医は手術中だった。
頭を打っていると聞き、外科医でないと対応できないと思った。
地方では医師確保が難しい。
受け入れられるなら受け入れたかった」と話した。
また、同居する高沢さんの長男(47)は
「どうしてこんなに遠い病院に運ばれたのかと驚いた。
近くの病院に運ばれていたらとも思うが、
心肺停止状態だったので仕方なかったのか。
母は足腰も丈夫で元気だったのに」と無念そうだった。
【今井美津子】
「2008.12.18:毎日新聞」
これ、いわゆる「即死」ってやつですよ。
本文にも書いてありますよね。
>救急車は119番通報から約4分後に現場に到着。
高沢さんは全身を強く打っており、心肺停止状態 だった。
事故から4分しか経っていないのに。
もうすでに「心肺停止」なんですよ。
いわゆる「突然死」の原因となる、心室細動とか。
そういう不整脈のような「病気」だったら、
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っていう事も、結構ありますけどね。
大きな事故で、すぐに心肺停止になってしまった場合。
これは、どんな名医だろうと、すぐに治療をしようと。
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死んだ人間を生き返らせることはできないんですよ。
それは、「神の手をもつ医師」とかって、
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それがどうして、
>受け入れ拒否:6病院、
なんてタイトルになるんでしょうか。
地元、福島のメディアは、よくわかっていますよ。
事故で亡くなりました。
という事実を伝えるのみです。
矢祭の国道で女性、軽自動車にはねられ死亡
17日午後6時20分ごろ、矢祭町小田川字榎平の国道118号で、
歩行中の同町関岡字江戸塚、無職高沢ソメさん(79)は、
同町内川字久曽渡、会社員菊池一郎さん(60)の
軽自動車にはねられた。
高沢さんは全身を強く打って約2時間50分後に死亡した。
棚倉署が事故原因を調べている。
「2008年12月18日 :福島民友ニュース」
昔は情報源として、テレビとか新聞、ラジオ、雑誌、本。
そういうものしかありませんでしたけど。
今の時代、インターネットというものがありますから。
誰でも、いろんな情報を入手する事ができます。
インターネットの弱点というのは、
いろんな情報があるけど、玉石混交というか、
どの情報が正しいかわからない。
という事でしょうね。
いろんな人が好き勝手に書いているから。
それが、事実に基づくのか、勝手な思い込みなのか。
そういう判断基準が少ない。
というのが、ネットの最大の弱点だと思います。
昔のように、新聞に書いてある事は全て正しい。
と思っている人は、今では少ないと思いますけど。
一応、新聞の良い点としては、
情報収集と報道を専門とするプロが、
それなりの情報網から仕入れた情報で。
しかも、複数の目で確認して、事実と思われる、
と確認された事を、新聞記事として報道する。
という点だと思うんですよ。
一言で言うと、
インターネットよりも新聞の方が、
情報の信憑性という点では勝る。
という事だと思います。
でも、残念ですけど。
医療に関しては、それは全く当てはまりませんね。
医療崩壊もの、って言われるものが最近の流行になって。
いろいろメディアで報道されて。
少しはましになったかな、と思った時期もあったのですが。
最近、また悪い方向に戻ってしまっているような気がします。
もちろん、各新聞社やテレビ局、雑誌記者なんかで、
医療に関して非常に良く勉強している人たちも、
そこそこ増えてきたかな、とは思いますけどね。
全体としては、あまり良い方向に行っていないような気がします。
今回の件だって。
数年前だったら、
事故で即死した方がいます。
地元の病院で死亡確認お願いします。
って事で済んだもんですよ、単に。
それが、「たらい回し」だとかなんだかで、
助けられなかったら、病院や医者のせいだ。
みたいな報道があるから。
ちいさな病院で患者を受けたがらなくなったんですよ。
もちろん、ベッドが空いていないとか、
急患がいる、外科医でないと対処できない。
っていうのは、嘘ついているわけではないんですけどね。
あえていうなら、今回の事故の件。
救急隊が「即死です」っていう事を、
病院側に伝えなかったのが問題だった。
って事ではないでしょうか。
事故で相当の重症です。
で、まだ助かる可能性はありますけど。
その為には、かなり高度な治療が必要です。
という事になれば、そういう治療ができない病院は、
患者を受け入れる事はできませんから。
もっと高度な治療ができる病院で治療すれば、
助かるかもしれない、って事ですからね。
病院側の判断としては、正しいですよ、これ。
他の病院で治療すれば、助かった可能性がある患者を、
たいした治療もできない病院で受け入れてしまって。
結局、患者を助けられなかった。
っていうのが、最悪のケースですからね。
マスコミが言っているように、
患者を受け入れた病院=善
患者を受け入れる事ができなかった(受け入れ拒否?)病院=悪
というような、単純な構図ではないんですよ。
そういう、根本的な話もせずに単純に、
「患者受け入れ拒否」という報道を垂れ流すのは、
もうやめてもらいたいですね。
医療や医療訴訟について知りたい人はこれを読んでね!
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→ 医療の限界
小松 秀樹 (著)
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「小児救命」っていう医療ドラマが、
毎週木曜 21:00 - 21:54に、テレビ朝日で
放送されているんですよ。
参照:『小児救命公式HP』
(音が出ますから、注意して下さい。)
ある医師の方から、日本の医療ドラマにしては良い。
って教えてもらって、何回か前から見ているんですけど。
12/11の番組は、特に良かったですね。
小西真奈美(コニタン)先生が、
24時間断らない小児科の診療所、
っていうのを作って、
スタッフ達が奴隷のように働いて。
でも、診療所は大赤字。
っていう、日本の医療崩壊具合を
正しく報道している所が良いです。
コニタン先生が、全然経営の事がわからずに、
理想論ばっか言って。
「社会常識がない医者」っぷりも、
なんとなくそれっぽくて良いし。
コンビニ受診する患者とか、
そういうとこも、今の日本医療の現実を
現しているようだしね。
本当の救命処置に関しては、
医学的に若干の疑問がある点もありますけど。
全体的には、かなり良いと思いますよ。
来週、12/18で最終回なのが、ちょっと残念です。
「フリー百科事典『ウィキペディア』:小児救命
を見ると、視聴率は良くないみたいですが。
まあ、しょうがないんじゃないですかね。
12/11分の放送内容が、非常に良かったので。
ブログのコメンテーターであるKei☆さんの
ブログから引用させていただきます。
今夜の「小児救命」のセリフよかった!
なんだか、ホロリときちゃいました。
前半は、コニタン先生(小西真奈美)の、
ぐだぐだ経営者ぶりで、ハラハラしたけれど。
今夜は、元上司(啓翠会総合病院小児科部長)の息子が、
心肺停止で、父親の病院には搬送不能で、
コニタン先生の青空クリニックへ搬送され、息を吹き返す。
その後、父親の病院のベッドが空き再度搬送された後、
報道陣が、青空クリニックへ押しかけて、
「たらい回し」の報道を繰り広げる中、
コニタン先生が報道陣に囲まれてのセリフ。
記者
「今回のたらい回しについてどう思われますか!」
コニタン先生
「みなさんは、どうしてそういう質問しかできないんですか!
何を根拠にたらい回しとおっしゃるんですか。
私の知ってる病院は、医者や医療スタッフは、
みんなギリギリまで頑張って、
一人でも多くの命を救いたいと頑張って、
それでも、どうしようもなくて、
苦渋の決断で受け入れを断るんです。
それなのに、みなさんは、どこかの病院を責めて、
医者を責めて、それで、何が解決するって言うんですか?」
記者
「あなたは医者だから、そうやって医者の立場で言うけれど、
我々は一番立場の弱い患者のために、
たらい回しって言葉を使ってるんですよ。
受け入れを拒否したのは事実じゃないですか。」
コニタン先生
「じゃぁ、お願いします。もっと、医療現場の実情も知ってください。
医者個人の力ではどうすることもできない、現状を伝えてください。
たらい回しという言葉を産む、
医療の悪循環を断ち切る方法を、
一緒に考えてください。
病院にいながら、自分の息子の受け入れを
断らないといけなかった医者の苦しみ。
30分間の心臓マッサージに支払われる診療報酬は2500円。
命の値段に釈然としないものを感じながら、
命の重さを知っているから、必死に立ち向かう医者達。
かけがえのない命と、それを守ろうとする命。
すべての人の、すべての命のために、
お願いですから、一緒に考えてください!」
「今夜の小児救命のセリフ「一緒に考えてください!」
マスコミが夜中に近所迷惑も考えずに、
クリニックの前に押しかけて。
そいで、自転車とか倒してるのに無視して、
コニタン先生を取り囲んで詰問する。
っていう状況も、なんとなく今の日本の
マスコミ現場を象徴するようで。
個人的には、結構うけました(笑)
>今夜は、元上司(啓翠会総合病院小児科部長)の息子が、
心肺停止で、父親の病院には搬送不能で、
コニタン先生の青空クリニックへ搬送され、息を吹き返す。
この場面。
元上司の(陣内孝則 )先生が、
別の子供の心臓マッサージをしていて、
手が離せない状況なんです。
極端な話、
自分の子供を救うためには、今心臓マッサージをしている
他人の子供の心臓マッサージを止めなければならないから、
他人の子供は救う事ができない。
という、究極の選択ですよ。
結局、元上司の(陣内孝則 )先生は、
目の前の心臓マッサージを続けて、
自分の子供はコニタン先生のところに運んでもらった。
という設定になって。
それが「たらい回し」という事で、
マスコミに責められる、という図式です。
小児科医の数が足りなくて、
自分の息子すら救う事が出来ない事もあるという事実。
これが、日本の医療崩壊の現実です。
マスコミというのは、「第4の権力」と言われる位、
大きな力を持つんですから。
目先の視聴率とかにとらわれず、
一生懸命に考えてもらいたいものですね。
目先の視聴率にとらわれず(?)、「小児救命」
というドラマの放映を続け、日本の医療の現状を
放送してくれている、テレビ朝日さん。
今回に限っては、私は拍手を送りたいです。
左側にある、「医療ワード解説」もそこそこ良いですよ。
『医療ワード解説』
一例
満床
病院のベッドがすべて患者で埋まっているという
状態だけを指す言葉だと思われがちだけど、
実はそれだけじゃない。
たとえベッドが空いていても、病院のスタッフが
手一杯で新しい患者を受け入れられない
状態ならば「満床」と言うんだよ。
ところで、今回の場面で元上司の(陣内孝則 )先生が、
自分の子供を救うために、他人の子供の心臓マッサージを
中止したら、マスコミはどういう報道するんだろうかねー。
親としては当たり前の事でも、
「医者として失格」とでも放送するんでしょうかね。
大学病院の話が知りたい人は、これを読んでね!
→ 『「大学病院のうそ」 ~
現役医師(Dr. I)が暴露する、大学病院の秘密』
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毎週木曜 21:00 - 21:54に、テレビ朝日で
放送されているんですよ。
参照:『小児救命公式HP』
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ある医師の方から、日本の医療ドラマにしては良い。
って教えてもらって、何回か前から見ているんですけど。
12/11の番組は、特に良かったですね。
小西真奈美(コニタン)先生が、
24時間断らない小児科の診療所、
っていうのを作って、
スタッフ達が奴隷のように働いて。
でも、診療所は大赤字。
っていう、日本の医療崩壊具合を
正しく報道している所が良いです。
コニタン先生が、全然経営の事がわからずに、
理想論ばっか言って。
「社会常識がない医者」っぷりも、
なんとなくそれっぽくて良いし。
コンビニ受診する患者とか、
そういうとこも、今の日本医療の現実を
現しているようだしね。
本当の救命処置に関しては、
医学的に若干の疑問がある点もありますけど。
全体的には、かなり良いと思いますよ。
来週、12/18で最終回なのが、ちょっと残念です。
「フリー百科事典『ウィキペディア』:小児救命
を見ると、視聴率は良くないみたいですが。
まあ、しょうがないんじゃないですかね。
12/11分の放送内容が、非常に良かったので。
ブログのコメンテーターであるKei☆さんの
ブログから引用させていただきます。
今夜の「小児救命」のセリフよかった!
なんだか、ホロリときちゃいました。
前半は、コニタン先生(小西真奈美)の、
ぐだぐだ経営者ぶりで、ハラハラしたけれど。
今夜は、元上司(啓翠会総合病院小児科部長)の息子が、
心肺停止で、父親の病院には搬送不能で、
コニタン先生の青空クリニックへ搬送され、息を吹き返す。
その後、父親の病院のベッドが空き再度搬送された後、
報道陣が、青空クリニックへ押しかけて、
「たらい回し」の報道を繰り広げる中、
コニタン先生が報道陣に囲まれてのセリフ。
記者
「今回のたらい回しについてどう思われますか!」
コニタン先生
「みなさんは、どうしてそういう質問しかできないんですか!
何を根拠にたらい回しとおっしゃるんですか。
私の知ってる病院は、医者や医療スタッフは、
みんなギリギリまで頑張って、
一人でも多くの命を救いたいと頑張って、
それでも、どうしようもなくて、
苦渋の決断で受け入れを断るんです。
それなのに、みなさんは、どこかの病院を責めて、
医者を責めて、それで、何が解決するって言うんですか?」
記者
「あなたは医者だから、そうやって医者の立場で言うけれど、
我々は一番立場の弱い患者のために、
たらい回しって言葉を使ってるんですよ。
受け入れを拒否したのは事実じゃないですか。」
コニタン先生
「じゃぁ、お願いします。もっと、医療現場の実情も知ってください。
医者個人の力ではどうすることもできない、現状を伝えてください。
たらい回しという言葉を産む、
医療の悪循環を断ち切る方法を、
一緒に考えてください。
病院にいながら、自分の息子の受け入れを
断らないといけなかった医者の苦しみ。
30分間の心臓マッサージに支払われる診療報酬は2500円。
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かけがえのない命と、それを守ろうとする命。
すべての人の、すべての命のために、
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極端な話、
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『医療ワード解説』
一例
満床
病院のベッドがすべて患者で埋まっているという
状態だけを指す言葉だと思われがちだけど、
実はそれだけじゃない。
たとえベッドが空いていても、病院のスタッフが
手一杯で新しい患者を受け入れられない
状態ならば「満床」と言うんだよ。
ところで、今回の場面で元上司の(陣内孝則 )先生が、
自分の子供を救うために、他人の子供の心臓マッサージを
中止したら、マスコミはどういう報道するんだろうかねー。
親としては当たり前の事でも、
「医者として失格」とでも放送するんでしょうかね。
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『名誉毀損で医師が勝訴!』
など、このブログでも何回か紹介した事のある、
「紫色の顔の友達を助けたい」先生が、
また名誉毀損訴訟で勝訴されましたよ。
「紫色の顔の友達を助けたい」先生は、
2001年に心臓手術を受けた12歳の女児が
死亡した「東京女子医大事件」 で不当逮捕された、
綾瀬循環器病院、心臓血管外科医の先生です。
東京女子医大事件の被告なんで、これだけでも大変なのに
東京女子医大事件関連報道の訴訟まで行なわれています。
本人訴訟っていって、弁護士をつけずに、
1人でやっていますから。
ホント、大変ですよ。
2連敗の後の2連勝ですね。
とりあえずは、おめでとうございます。
詳しい話は、「紫色の顔の友達を助けたい」先生のブログ
『勝訴!対集英社および毎日新聞記者ら
本人訴訟-名誉毀損賠償80万円ー第1報』
に載っていますから、興味ある人は是非読んでね!
これに関しての毎日新聞の記事はこちらです。
賠償訴訟:集英社と本紙記者に賠償命令 医療問題単行本で
01年に東京女子医大病院で心臓手術を受けた
女児が死亡した事故で業務上過失致死罪に問われ、
1審で無罪(検察側控訴)になった元同病院助手(45)が、
毎日新聞医療問題取材班の著書で
名誉を傷付けられたとして、発行元の集英社と
取材班の記者に1000万円の賠償を求めた訴訟で、
東京地裁(石井忠雄裁判長)は8日、80万円の支払いを命じた。
問題となったのは、毎日新聞の連載記事をまとめた
「医療事故がとまらない」(集英社新書)。
取材班は入手した内部報告書の内容などから、
人工心肺装置を操作した元助手がポンプの回転数を
上げ過ぎたことを事故原因に挙げたが、
判決は「真実とは認められない」と判断。
「新聞連載(02年1~8月)の時点では
真実と信じるのに相当な理由があったが、
03年12月の書籍発行までには報告書の内容に
疑問を呈する学会報告が出されており、
記事を見直す必要性があった」と指摘した。
集英社広報室の話 主張が認められなかった判決であり、
ただちに控訴した。
『2008.1.29:毎日新聞』
ぐはっ。
ただちに控訴ですか。
まだまだ、紫色先生の苦難は続きそうですねー。
ホント、お疲れ様です。
Yosyan先生のブログ「新小児科医のつぶやき」の
『紫色先生、御苦労様です』
に、わかりやすくて詳しい解説が載っていたので、
こちらも読んでみてね!
「医療事故がとまらない」の本は、まだ私は読んでなくって。
これから、Amazonの古本で注文しようかな、と思ってるんで。
本文に関しては、ブログからの引用になるんですが。
毎日新聞、集英社側の言い訳は、「E医師」
という書き方をしているから、匿名だから名誉毀損に当たらない。
って事を言っているようですけど。
「医療事故がとまらない」(以下、「本件書籍」と呼ぶ)の記述では、
手術が行われたのが東京女子医科大学病院であること、
手術の時期及び内容が2001年3月2日で
心房中隔欠損症の心臓手術であったこと、
手術を受けた患者の氏名や年齢が平柳明香氏で
12歳であったこと等も明記している(乙第1号証、18頁および20頁)。
したがって、本件記述では、東京女子医科大学病院の
医師の氏名のみが匿名にされているに過ぎず、
読者に対して、事案を特定するための手がかりを
与えないようにするといった配慮は何らなされていない。
と、完璧に否定されてますね。
こりゃ、当然ですわ。
最高裁判決の判例で、名前をぼかしても、
本人を特定できるのであれば、名誉毀損は成立する。
っていうのがありますから。
これ、すごく有名な判例なんでで、
私のような素人でも知ってるんですけどねー。
天下のM新聞が知らないはずがないのですがw
それと、これも言い訳できませんね。
3学会報告書が、本件書籍にある内容の事実に関して
疑問を呈する報告を発表し、その内容の一部は
NHKのテレビニュースで2回も報道され、
専門誌にも紹介された。
被告は、女子医大の内部報告書は、
3学会報告書によって完全否定されたわけではないので、
これを検討しても内部報告書の内容に
疑問を抱く契機にはならなかったと主張が、
「両者の意味内容は全く異なるものである上、
内部報告書が3学会報告書と比べて
信用性が劣るものであることは前記で説示したとおりであること。
加えて、装置自体の欠陥を指摘する声を被告は報道しており、
人工心肺装置自体の問題の存在にも
十分な関心を持っていたのであるから、
3学会報告書の内容を真摯に検討すれば、
原告の操作ミスの存在を摘示した記載の記載内容を
真実の記載として維持することが困難であることを
容易に認識し得たものといわざるを得ない。
マスコミっていうのは、正しい情報を収集して、
それを国民に伝えるのが、仕事なんでしょ。
読者数や視聴率を稼ぐために、根拠のない医師叩きをして、
間違っていたら、「専門家じゃないからしょうがない」
とかって、言い訳はできませんよ。
1年も経って、間違っている可能性が非常に高い、
ってわかってるんですからね。
この内部報告書っていうのは、心臓の手術にも関わらず、
心臓血管外科医が入らないで、
人工心肺の事がわかる人が1人もいない。
そういう、専門家が1人もいないチームが書いた
内部報告書ですからね、所詮。
内容は、いい加減この上ない物なんですから。
そういう事が、1年経ったらはっきりしたんですから。
百歩譲っても、1年後の段階でこういう、
いい加減な本を出してはいけませんよ。
最後に、「紫色の顔の友達を助けたい」先生のブログから引用。
これが、医療現場で働く全ての医師の言葉を代弁していますかね。
被告が控訴するしないは、自由である。
しかし、本件判決は、新聞記事に記載した内容を
安易にそのまま書籍にして新たなる利益を
得ようとした態度に対する警句である。
逮捕、起訴の段階で不十分であったかもしれない情報に、
学会という専門家の意見、担当省庁(厚生労働省)の勧告、
被告人の無罪の主張を無視して、自らが勝手に決定した
スケジュールで出版した姿勢を反省して欲しい。
といってもこの毎日新聞医療問題取材班は消滅してしまった。
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また名誉毀損訴訟で勝訴されましたよ。
「紫色の顔の友達を助けたい」先生は、
2001年に心臓手術を受けた12歳の女児が
死亡した「東京女子医大事件」 で不当逮捕された、
綾瀬循環器病院、心臓血管外科医の先生です。
東京女子医大事件の被告なんで、これだけでも大変なのに
東京女子医大事件関連報道の訴訟まで行なわれています。
本人訴訟っていって、弁護士をつけずに、
1人でやっていますから。
ホント、大変ですよ。
2連敗の後の2連勝ですね。
とりあえずは、おめでとうございます。
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本人訴訟-名誉毀損賠償80万円ー第1報』
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01年に東京女子医大病院で心臓手術を受けた
女児が死亡した事故で業務上過失致死罪に問われ、
1審で無罪(検察側控訴)になった元同病院助手(45)が、
毎日新聞医療問題取材班の著書で
名誉を傷付けられたとして、発行元の集英社と
取材班の記者に1000万円の賠償を求めた訴訟で、
東京地裁(石井忠雄裁判長)は8日、80万円の支払いを命じた。
問題となったのは、毎日新聞の連載記事をまとめた
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取材班は入手した内部報告書の内容などから、
人工心肺装置を操作した元助手がポンプの回転数を
上げ過ぎたことを事故原因に挙げたが、
判決は「真実とは認められない」と判断。
「新聞連載(02年1~8月)の時点では
真実と信じるのに相当な理由があったが、
03年12月の書籍発行までには報告書の内容に
疑問を呈する学会報告が出されており、
記事を見直す必要性があった」と指摘した。
集英社広報室の話 主張が認められなかった判決であり、
ただちに控訴した。
『2008.1.29:毎日新聞』
ぐはっ。
ただちに控訴ですか。
まだまだ、紫色先生の苦難は続きそうですねー。
ホント、お疲れ様です。
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これから、Amazonの古本で注文しようかな、と思ってるんで。
本文に関しては、ブログからの引用になるんですが。
毎日新聞、集英社側の言い訳は、「E医師」
という書き方をしているから、匿名だから名誉毀損に当たらない。
って事を言っているようですけど。
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手術が行われたのが東京女子医科大学病院であること、
手術の時期及び内容が2001年3月2日で
心房中隔欠損症の心臓手術であったこと、
手術を受けた患者の氏名や年齢が平柳明香氏で
12歳であったこと等も明記している(乙第1号証、18頁および20頁)。
したがって、本件記述では、東京女子医科大学病院の
医師の氏名のみが匿名にされているに過ぎず、
読者に対して、事案を特定するための手がかりを
与えないようにするといった配慮は何らなされていない。
と、完璧に否定されてますね。
こりゃ、当然ですわ。
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本人を特定できるのであれば、名誉毀損は成立する。
っていうのがありますから。
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私のような素人でも知ってるんですけどねー。
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それと、これも言い訳できませんね。
3学会報告書が、本件書籍にある内容の事実に関して
疑問を呈する報告を発表し、その内容の一部は
NHKのテレビニュースで2回も報道され、
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これを検討しても内部報告書の内容に
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内部報告書が3学会報告書と比べて
信用性が劣るものであることは前記で説示したとおりであること。
加えて、装置自体の欠陥を指摘する声を被告は報道しており、
人工心肺装置自体の問題の存在にも
十分な関心を持っていたのであるから、
3学会報告書の内容を真摯に検討すれば、
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真実の記載として維持することが困難であることを
容易に認識し得たものといわざるを得ない。
マスコミっていうのは、正しい情報を収集して、
それを国民に伝えるのが、仕事なんでしょ。
読者数や視聴率を稼ぐために、根拠のない医師叩きをして、
間違っていたら、「専門家じゃないからしょうがない」
とかって、言い訳はできませんよ。
1年も経って、間違っている可能性が非常に高い、
ってわかってるんですからね。
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心臓血管外科医が入らないで、
人工心肺の事がわかる人が1人もいない。
そういう、専門家が1人もいないチームが書いた
内部報告書ですからね、所詮。
内容は、いい加減この上ない物なんですから。
そういう事が、1年経ったらはっきりしたんですから。
百歩譲っても、1年後の段階でこういう、
いい加減な本を出してはいけませんよ。
最後に、「紫色の顔の友達を助けたい」先生のブログから引用。
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被告が控訴するしないは、自由である。
しかし、本件判決は、新聞記事に記載した内容を
安易にそのまま書籍にして新たなる利益を
得ようとした態度に対する警句である。
逮捕、起訴の段階で不十分であったかもしれない情報に、
学会という専門家の意見、担当省庁(厚生労働省)の勧告、
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なんか、75歳以上の医療費を無料にする
って言ってる町があるようですねー。
75歳以上の医療費無料化
=来年4月から-東京都日の出町
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081201-00000074-jij-pol
東京都日の出町議会は1日の本会議で、
75歳以上の高齢者の医療費を無料化するための
「お年寄りにやさしい福祉基本条例案」
などを賛成多数で可決した。
2009年4月から施行する。
自治体による無料化は、全国的にも珍しいとみられる。
所得制限は設けないものの、
3年以上同町に居住していることが条件。
実施時点での対象住民は1870人で、
町は初年度の支出額を8500万円程度と見込んでいる。
『2008.12.1:yahooニュース』
これには、私は反対です。
一見、「お年寄り、弱者に優しい町」
という風には見えますけど。
逆に、「医師には厳しい町」ですよ、この町は。
だって、医療費が無料になったら、
時間外でも軽症でも、病院にかかる患者の数が増えるでしょ。
医療崩壊の一番大きな原因は、
医療費抑制政策と、医師数抑制政策という政策のせいだ。
という事は、このブログでも、数え切れないくらい書いています。
医療費抑制政策と医師数抑制政策があって、
結果的に医師、特に勤務医が疲弊した。
それが、日本で医療崩壊が進んだ大きな理由だと思います。
医師の数が少なかったら、当然医師は疲弊しますよね。
医療費が安くて、薄利多売じゃないと
病院の収益が出ない、という事であれば、
当然、患者の数は多くなります。
医師の数が少なくて、患者の数が増えれば、
医師(勤務医)は過労になって、逃散します。
その結果、日本の医療が崩壊した。
時間外に病院にたくさんの患者が来れば、
医師は眠れませんよね。
夜中とか明け方に患者が来て、診察するんだから。
その結果、医師は疲弊した。
こういった原因があって、日本の医療は崩壊しつつつあるんです。
医師不足、医師不足って言いますけど。
OECD平均とか、他の先進国と比べて、
日本の人口当たりの医師数は少ない、
という医師の絶対数の不足。
それと、患者の数が多くて、一人の医師あたりの
患者数が多すぎて、医師が足りない。
という、2つの側面があるんですよ。
医師不足には。
『「こどもの医療費無料」の問題点』
の記事にも書いた事なんですけど。
>薬屋で、薬とポカリスエットを買ったら2000円。
でも、病院に行って専門家である医者に診てもらって。
それで薬までもらっても、0円。
だったら、時間外でも、病院に来よう。
って思う患者が多いのは、当たり前です。
これは、患者のモラルの問題ではなくて、
制度、政策が悪いからです。
こういう政策の結果、患者の数が増えて、医師は疲弊して。
医者がいなくなって、医療崩壊が起こる。
という事があるかもしれませんよ、この町では。
もちろん、弱者、高齢者に対するなんらかの
医療費の補助、というのは必要だと思います。
高齢になれば、体も弱くなって、病気になりやすくなるし。
不摂生をしていなくても、病気になる人はいますからね。
だから、75歳以上の高齢者に対する医療費の補助。
それ自体には、私は賛成です。
ただ、時間外でもなんでも、75歳以上の人は、
ぜーんぶ医療費は無料。
というのには反対です。
私だったら、
75歳以上の人の入院医療費と、
定期的に通院している人の医療費を半額補助します。
そして、持病が悪化して、時間外にかかった人の
医療費も半額を補助します。
ただし、時間外に軽症でかかったような人の
医療費に関しては、一切補助を行いません。
その代わり、年間の医療費がものすごく少ない人には、
ご褒美として、金一封を差し上げます。
というような方法をとりますけどね。
一律に、75歳以上の医療費は全部無料。
という形ではなくて。
これだったら、75歳以上の高齢者にもやさしいし。
医師にも厳しくないですよね。
>対象住民は1870人で、年度の支出額を8500万円程度
という事ですから。
およそ半額が補助されるとして、4000万円位かな。
入院、および定期通院と、持病が悪化した人対する
医療費の補助に必要な金額は。
75歳以上の方だと、年間の医療費っていうのは、
だいたい100万円位なんですよ。
日本人の平均では。
だから、1年間の医療費10万円以下の人に、
ご褒美として金一封を差し上げる。
って事にして、1人に2万円あげたとしても、
10人に1人くらいかな、せいぜい。
そしたら、200人としても、400万円位でしょうか。
8500万円のお金があるなら、
だいたい4000万円位、余りますよね。
そしたら、残った金額は、健康診断の補助とか。
そういう「予防医療」に役立てたら良いんじゃないですかね。
後期高齢者医療制度になって、
市町村からの補助がなくなった健診とか多いですよね。
たしかに、「75歳以上の医療費無料」
っていう政策の方が、インパクトは強いですよ。
でも、「地域医療」という視点で考えれば、
医療費無料になって、多くなった患者を診る
病院の医師や看護師、医療スタッフの事を考えたら。
結局は、損な政策だと、私は思いますよ。
でも、東京だからね、日の出町は。
結局、町から医者がいなくなっても、
近くの病院に行けば良いや、って事なのかなー。
地方の町でこんなことやったら、
ホントにその地域の医療は崩壊するかもしれませんよ。
医療や医療訴訟について知りたい人はこれを読んでね!
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小松 秀樹 (著)
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って言ってる町があるようですねー。
75歳以上の医療費無料化
=来年4月から-東京都日の出町
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081201-00000074-jij-pol
東京都日の出町議会は1日の本会議で、
75歳以上の高齢者の医療費を無料化するための
「お年寄りにやさしい福祉基本条例案」
などを賛成多数で可決した。
2009年4月から施行する。
自治体による無料化は、全国的にも珍しいとみられる。
所得制限は設けないものの、
3年以上同町に居住していることが条件。
実施時点での対象住民は1870人で、
町は初年度の支出額を8500万円程度と見込んでいる。
『2008.12.1:yahooニュース』
これには、私は反対です。
一見、「お年寄り、弱者に優しい町」
という風には見えますけど。
逆に、「医師には厳しい町」ですよ、この町は。
だって、医療費が無料になったら、
時間外でも軽症でも、病院にかかる患者の数が増えるでしょ。
医療崩壊の一番大きな原因は、
医療費抑制政策と、医師数抑制政策という政策のせいだ。
という事は、このブログでも、数え切れないくらい書いています。
医療費抑制政策と医師数抑制政策があって、
結果的に医師、特に勤務医が疲弊した。
それが、日本で医療崩壊が進んだ大きな理由だと思います。
医師の数が少なかったら、当然医師は疲弊しますよね。
医療費が安くて、薄利多売じゃないと
病院の収益が出ない、という事であれば、
当然、患者の数は多くなります。
医師の数が少なくて、患者の数が増えれば、
医師(勤務医)は過労になって、逃散します。
その結果、日本の医療が崩壊した。
時間外に病院にたくさんの患者が来れば、
医師は眠れませんよね。
夜中とか明け方に患者が来て、診察するんだから。
その結果、医師は疲弊した。
こういった原因があって、日本の医療は崩壊しつつつあるんです。
医師不足、医師不足って言いますけど。
OECD平均とか、他の先進国と比べて、
日本の人口当たりの医師数は少ない、
という医師の絶対数の不足。
それと、患者の数が多くて、一人の医師あたりの
患者数が多すぎて、医師が足りない。
という、2つの側面があるんですよ。
医師不足には。
『「こどもの医療費無料」の問題点』
の記事にも書いた事なんですけど。
>薬屋で、薬とポカリスエットを買ったら2000円。
でも、病院に行って専門家である医者に診てもらって。
それで薬までもらっても、0円。
だったら、時間外でも、病院に来よう。
って思う患者が多いのは、当たり前です。
これは、患者のモラルの問題ではなくて、
制度、政策が悪いからです。
こういう政策の結果、患者の数が増えて、医師は疲弊して。
医者がいなくなって、医療崩壊が起こる。
という事があるかもしれませんよ、この町では。
もちろん、弱者、高齢者に対するなんらかの
医療費の補助、というのは必要だと思います。
高齢になれば、体も弱くなって、病気になりやすくなるし。
不摂生をしていなくても、病気になる人はいますからね。
だから、75歳以上の高齢者に対する医療費の補助。
それ自体には、私は賛成です。
ただ、時間外でもなんでも、75歳以上の人は、
ぜーんぶ医療費は無料。
というのには反対です。
私だったら、
75歳以上の人の入院医療費と、
定期的に通院している人の医療費を半額補助します。
そして、持病が悪化して、時間外にかかった人の
医療費も半額を補助します。
ただし、時間外に軽症でかかったような人の
医療費に関しては、一切補助を行いません。
その代わり、年間の医療費がものすごく少ない人には、
ご褒美として、金一封を差し上げます。
というような方法をとりますけどね。
一律に、75歳以上の医療費は全部無料。
という形ではなくて。
これだったら、75歳以上の高齢者にもやさしいし。
医師にも厳しくないですよね。
>対象住民は1870人で、年度の支出額を8500万円程度
という事ですから。
およそ半額が補助されるとして、4000万円位かな。
入院、および定期通院と、持病が悪化した人対する
医療費の補助に必要な金額は。
75歳以上の方だと、年間の医療費っていうのは、
だいたい100万円位なんですよ。
日本人の平均では。
だから、1年間の医療費10万円以下の人に、
ご褒美として金一封を差し上げる。
って事にして、1人に2万円あげたとしても、
10人に1人くらいかな、せいぜい。
そしたら、200人としても、400万円位でしょうか。
8500万円のお金があるなら、
だいたい4000万円位、余りますよね。
そしたら、残った金額は、健康診断の補助とか。
そういう「予防医療」に役立てたら良いんじゃないですかね。
後期高齢者医療制度になって、
市町村からの補助がなくなった健診とか多いですよね。
たしかに、「75歳以上の医療費無料」
っていう政策の方が、インパクトは強いですよ。
でも、「地域医療」という視点で考えれば、
医療費無料になって、多くなった患者を診る
病院の医師や看護師、医療スタッフの事を考えたら。
結局は、損な政策だと、私は思いますよ。
でも、東京だからね、日の出町は。
結局、町から医者がいなくなっても、
近くの病院に行けば良いや、って事なのかなー。
地方の町でこんなことやったら、
ホントにその地域の医療は崩壊するかもしれませんよ。
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