町田市民病院のトップ、
「病院事業管理者」
に、医療のど素人が
就任するかもしれませんよ。
しかも、「元毎日新聞の記者」
プッ。
日本の医療崩壊を進めた一因に、
「マスコミ」というのがありますが。
毎日新聞と言えば、その最先端。
医者が嫌いな新聞ランキングで
産経新聞と並んで、
常に1,2を争う新聞。
それが、毎日新聞です。
あ、勘違いしないでくださいよ。
私は、誹謗も中傷もする気はないし、
けなすつもりもありませんからね。
ただ、医療の事をきちんと勉強せずに、
医師たたきの報道をたくさんしたり。
患者側からの一方的な情報だけで、
医療ミスと決め付けたような
記事をたくさん書いたので。
毎日新聞は、多くの医者から
信頼されていない。
というのは「事実」ですから。
まあ、毎日新聞の元記者でも、
医療に関して理解のある人も、
中にはいるかもしれないので。
本人の事を知らないのに、
これ以上言うつもりはないですけど。
「医療に関しては素人」
っていうのは、事実ですからね。
でも、本当に就任したら、
舞鶴・夕張・銚子並みの
超弩級の聖地ネタですよね、
これ。
市長が現場の意向を無視して、
元毎日新聞の記者を
病院事業管理者に
しようとしているみたいっすね。
市長推すトップ、
波紋呼ぶ 町田市民病院
経営改善を目指して
4月から新たな管理体制になる
町田市の市立町田市民病院が、
トップ人事を巡って揺れている。
石阪丈一市長が病院トップの
事業管理者に医療や
病院経営の経験がほとんどない
人物の登用を進めているのに対し、
病院内外から反発や
疑問の声が上がっているからだ。
この問題を契機に
地域医療の中核を担う
市民病院のあり方を
問い直す動きも広がっており、
三つの市民団体などは
「混乱を招く恐れが強い」として、
相次いで緊急集会を呼びかけている。
(永沼仁)
町田市民病院は、市内唯一の
公立病院で、ベッド数は458床。
赤字体質の改革に向け
4月から地方公営企業法を
全部適用(全適)し、
病院トップの責任や
権限を強化した「管理者」を
新たに置くことが決まっている。
焦点は管理者の人事だ。
現在の病院トップの
山口洋・総院長(74)は、
任期が3月末で切れる。
石阪市長は総院長の
ポストをなくし、管理者に
元毎日新聞記者の
四方洋氏(73)を起用する
考えで、昨年10月には
四方氏を非常勤特別職の
「病院事業管理準備担当者」
に就任させた。
しかし、「全適」の移行時期や
管理者の外部登用が
病院幹部に示されたのは、
議案が提出された
9月市議会の始まる
1カ月ほど前。
一般職員への説明は
議会開会の直前だった。
現場からは市長の説明不足、
病院経営の経験がない
人物登用に疑問の声が上がった。
さらに12月議会では、
山口総院長が議会を
侮辱する内容の文書を
配ったとして、石阪市長が
山口総院長に謝罪を求めるなど、
市長と病院トップの
「不和」が表面化。
山口総院長が辞めた場合、
他の医師が同調して
引き揚げる事態につながる
懸念などが問題視された。
山口総院長は
「市長が問題にした文書は、
私の意見ではなく
院内の声をまとめたもの」と反論。
「市長から辞職を迫られたが、
詳しい理由の説明はなかった」
と語る。
石阪市長はこれまで、
人選について
「病院を客観的に見て、
経営の中身をきちんと
説明できる人、組織間の
調整ができる人」と説明する。
医師の退職の懸念については
「組織がしっかりしていれば
混乱はしない」と言い切る。
しかし、病院の医師や
職員の間には困惑や
動揺が続いている。
医師不足から昨年9月に
休止した小児科救急の
対応などの課題もあり、
「改革は時期尚早。
今後の医師確保ができるのか」
と疑問を口にする人もいる。
自治体病院に詳しい
伊関友伸・城西大准教授は
「病院管理者は現場の医師や
看護師の気持ちを理解できる人、
医療経営に詳しい人で
ないと務まらない。
専門家でない人で
うまくいった例はあまりない。
いきなり落下傘のような
人が来たら、医師の大量退職に
つながるリスクがある」
と指摘する。
こうした現状について考えようと、
市民団体などが相次ぎ
集会を企画する動きが出てきた。
『2009年01月27日:朝日新聞』
公立病院で、そのままやっていたら
赤字になっちゃうから。
地方公営企業法を
全部適用(全適)しさえすれば
なんとかなるだろう。
病院トップの責任や
権限を強化した「管理者」を置けば
赤字は解消されるだろう。
っていう考え自体が甘すぎますね。
PFIを使ったら
病院が黒字になるだろ。
って思って、安易に
オリックスなんかに任せたから。
病院は何十億円の大赤字で、
オリックスはその分、大もうけ。
って事もあったでしょ。
某高知医療センターとか、
その他でも。
参照:
「PFI(Private Finance Initiative:
プライベート・ファイナンス・イニシアティブ)」:
公共施設等の建設、維持管理、
運営等を民間の資金、
経営能力及び技術的能力を
活用して行う新しい手法。
素人がやって黒字になるほど、
病院経営は甘くないと思いますよ。
極論かもしれませんけど。
病院で収益を生むのは、
医者しかいないんですよ。
医者が診察するのは当然として。
検査とか治療とかそういうのも、
リハビリや栄養指導でも。
最終的に行うのは技師さんとか、
栄養士、リハビリ士であったり。
そうだとしても、医師が指示しないと
一切できませんから。
7:1看護とか10:1看護とか。
看護師の数で、診療報酬の
値段は変わってしまうので。
看護師の場合はちょっと違う、
とも言えますけど。
医師が入院させて、治療や検査を
行わないと無理ですからね。
それも。
医師不足で、公立病院が赤字だ。
っていうのは、そういう事です。
医師の給料が高いって言ったって。
勤務医で年収1000万円とか。
田舎に行ってベテランで、
せいぜい2000万円位かな。
今の時代。
でも、医者1人の売り上げって、
1億円とか2億円とか。
外科とか循環器内科とかで、
手術系をばりばりやる医師なら、
1人で3億円とか超えますからね。
そういう医師が数人辞めたら、
何億円も収入が減ります。
そしたら、その分の医師の人件費も
ちょっとは減るけど。
その10倍くらいの収入が減る。
そういう事で、医師が減って
病院が赤字になる病院が多いです。
元毎日新聞記者の四方洋氏が、
どんな方かは知りませんが。
伊関友伸先生の言うとおり、
「病院管理者は現場の医師や
看護師の気持ちを理解できる人、
医療経営に詳しい人
でないと務まらない。
専門家でない人でうまくいった
例はあまりない。
いきなり落下傘のような人が来たら、
医師の大量退職に
つながるリスクがある」
と、私も思いますよ。
医師でもなくて、医療経営の
経験もない四方洋氏が。
>病院を客観的に見て、
経営の中身をきちんと
説明できる人、組織間の
調整ができる人
なのかどうかは知りませんけど。
>医師の退職の懸念については
「組織がしっかりしていれば
混乱はしない」と言い切る。
の根拠は、全くないでしょうね。
もちろん、これだけの事言うんだから。
医師が大量に退職して、
病院の赤字が増えたら。
強引に、医療のど素人を、
病院管理者にした市長が、
責任を取るんですよねー。
さあて、どうなりますかね。
また病院が一つ潰れた。
っていうだけの話になるのかな。
伊関友伸先生の本はこれでーす。
とても為になるので、是非読んでね!
→ まちの病院がなくなる!?―地域医療の崩壊と再生
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「病院事業管理者」
に、医療のど素人が
就任するかもしれませんよ。
しかも、「元毎日新聞の記者」
プッ。
日本の医療崩壊を進めた一因に、
「マスコミ」というのがありますが。
毎日新聞と言えば、その最先端。
医者が嫌いな新聞ランキングで
産経新聞と並んで、
常に1,2を争う新聞。
それが、毎日新聞です。
あ、勘違いしないでくださいよ。
私は、誹謗も中傷もする気はないし、
けなすつもりもありませんからね。
ただ、医療の事をきちんと勉強せずに、
医師たたきの報道をたくさんしたり。
患者側からの一方的な情報だけで、
医療ミスと決め付けたような
記事をたくさん書いたので。
毎日新聞は、多くの医者から
信頼されていない。
というのは「事実」ですから。
まあ、毎日新聞の元記者でも、
医療に関して理解のある人も、
中にはいるかもしれないので。
本人の事を知らないのに、
これ以上言うつもりはないですけど。
「医療に関しては素人」
っていうのは、事実ですからね。
でも、本当に就任したら、
舞鶴・夕張・銚子並みの
超弩級の聖地ネタですよね、
これ。
市長が現場の意向を無視して、
元毎日新聞の記者を
病院事業管理者に
しようとしているみたいっすね。
市長推すトップ、
波紋呼ぶ 町田市民病院
経営改善を目指して
4月から新たな管理体制になる
町田市の市立町田市民病院が、
トップ人事を巡って揺れている。
石阪丈一市長が病院トップの
事業管理者に医療や
病院経営の経験がほとんどない
人物の登用を進めているのに対し、
病院内外から反発や
疑問の声が上がっているからだ。
この問題を契機に
地域医療の中核を担う
市民病院のあり方を
問い直す動きも広がっており、
三つの市民団体などは
「混乱を招く恐れが強い」として、
相次いで緊急集会を呼びかけている。
(永沼仁)
町田市民病院は、市内唯一の
公立病院で、ベッド数は458床。
赤字体質の改革に向け
4月から地方公営企業法を
全部適用(全適)し、
病院トップの責任や
権限を強化した「管理者」を
新たに置くことが決まっている。
焦点は管理者の人事だ。
現在の病院トップの
山口洋・総院長(74)は、
任期が3月末で切れる。
石阪市長は総院長の
ポストをなくし、管理者に
元毎日新聞記者の
四方洋氏(73)を起用する
考えで、昨年10月には
四方氏を非常勤特別職の
「病院事業管理準備担当者」
に就任させた。
しかし、「全適」の移行時期や
管理者の外部登用が
病院幹部に示されたのは、
議案が提出された
9月市議会の始まる
1カ月ほど前。
一般職員への説明は
議会開会の直前だった。
現場からは市長の説明不足、
病院経営の経験がない
人物登用に疑問の声が上がった。
さらに12月議会では、
山口総院長が議会を
侮辱する内容の文書を
配ったとして、石阪市長が
山口総院長に謝罪を求めるなど、
市長と病院トップの
「不和」が表面化。
山口総院長が辞めた場合、
他の医師が同調して
引き揚げる事態につながる
懸念などが問題視された。
山口総院長は
「市長が問題にした文書は、
私の意見ではなく
院内の声をまとめたもの」と反論。
「市長から辞職を迫られたが、
詳しい理由の説明はなかった」
と語る。
石阪市長はこれまで、
人選について
「病院を客観的に見て、
経営の中身をきちんと
説明できる人、組織間の
調整ができる人」と説明する。
医師の退職の懸念については
「組織がしっかりしていれば
混乱はしない」と言い切る。
しかし、病院の医師や
職員の間には困惑や
動揺が続いている。
医師不足から昨年9月に
休止した小児科救急の
対応などの課題もあり、
「改革は時期尚早。
今後の医師確保ができるのか」
と疑問を口にする人もいる。
自治体病院に詳しい
伊関友伸・城西大准教授は
「病院管理者は現場の医師や
看護師の気持ちを理解できる人、
医療経営に詳しい人で
ないと務まらない。
専門家でない人で
うまくいった例はあまりない。
いきなり落下傘のような
人が来たら、医師の大量退職に
つながるリスクがある」
と指摘する。
こうした現状について考えようと、
市民団体などが相次ぎ
集会を企画する動きが出てきた。
『2009年01月27日:朝日新聞』
公立病院で、そのままやっていたら
赤字になっちゃうから。
地方公営企業法を
全部適用(全適)しさえすれば
なんとかなるだろう。
病院トップの責任や
権限を強化した「管理者」を置けば
赤字は解消されるだろう。
っていう考え自体が甘すぎますね。
PFIを使ったら
病院が黒字になるだろ。
って思って、安易に
オリックスなんかに任せたから。
病院は何十億円の大赤字で、
オリックスはその分、大もうけ。
って事もあったでしょ。
某高知医療センターとか、
その他でも。
参照:
「PFI(Private Finance Initiative:
プライベート・ファイナンス・イニシアティブ)」:
公共施設等の建設、維持管理、
運営等を民間の資金、
経営能力及び技術的能力を
活用して行う新しい手法。
素人がやって黒字になるほど、
病院経営は甘くないと思いますよ。
極論かもしれませんけど。
病院で収益を生むのは、
医者しかいないんですよ。
医者が診察するのは当然として。
検査とか治療とかそういうのも、
リハビリや栄養指導でも。
最終的に行うのは技師さんとか、
栄養士、リハビリ士であったり。
そうだとしても、医師が指示しないと
一切できませんから。
7:1看護とか10:1看護とか。
看護師の数で、診療報酬の
値段は変わってしまうので。
看護師の場合はちょっと違う、
とも言えますけど。
医師が入院させて、治療や検査を
行わないと無理ですからね。
それも。
医師不足で、公立病院が赤字だ。
っていうのは、そういう事です。
医師の給料が高いって言ったって。
勤務医で年収1000万円とか。
田舎に行ってベテランで、
せいぜい2000万円位かな。
今の時代。
でも、医者1人の売り上げって、
1億円とか2億円とか。
外科とか循環器内科とかで、
手術系をばりばりやる医師なら、
1人で3億円とか超えますからね。
そういう医師が数人辞めたら、
何億円も収入が減ります。
そしたら、その分の医師の人件費も
ちょっとは減るけど。
その10倍くらいの収入が減る。
そういう事で、医師が減って
病院が赤字になる病院が多いです。
元毎日新聞記者の四方洋氏が、
どんな方かは知りませんが。
伊関友伸先生の言うとおり、
「病院管理者は現場の医師や
看護師の気持ちを理解できる人、
医療経営に詳しい人
でないと務まらない。
専門家でない人でうまくいった
例はあまりない。
いきなり落下傘のような人が来たら、
医師の大量退職に
つながるリスクがある」
と、私も思いますよ。
医師でもなくて、医療経営の
経験もない四方洋氏が。
>病院を客観的に見て、
経営の中身をきちんと
説明できる人、組織間の
調整ができる人
なのかどうかは知りませんけど。
>医師の退職の懸念については
「組織がしっかりしていれば
混乱はしない」と言い切る。
の根拠は、全くないでしょうね。
もちろん、これだけの事言うんだから。
医師が大量に退職して、
病院の赤字が増えたら。
強引に、医療のど素人を、
病院管理者にした市長が、
責任を取るんですよねー。
さあて、どうなりますかね。
また病院が一つ潰れた。
っていうだけの話になるのかな。
伊関友伸先生の本はこれでーす。
とても為になるので、是非読んでね!
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心臓カテーテル検査(心カテ)
っていう検査。
この検査は、心臓の表面で
心臓を養っている
血管(冠動脈)や、心臓の中に
「カテーテル」っていうチューブみたいのを入れて。
そこから造影剤を流したりする検査です。
心臓の表面や心臓の中っていうのは、
当然「体の中」ですから。
異物を体の中に入れる検査なので、
「絶対に安全」というものではありません。
どんなにベテランで、
どんなに検査や手術が
上手な医者がやっても、
患者さんの体に良くない事が起こる。
そういうのを「合併症」って呼びます。
薬なんかでも、アレルギーとか、
肝臓や腎臓の
機能が悪くなったり。
吐き気がしたり、下痢したり。
そういう事がありますよね。
人によっては。
そういうのが「合併症」です。
心臓カテーテル検査の場合は、
体の中、心臓の中に
カテーテルを入れますから。
ただ薬を飲んだり、点滴の管を入れるよりは、
高い確率で合併症が起きます。
具体的には、出血や感染、不整脈とか。
それと、今回問題になっている、
「脳梗塞」。
めったにないですけど、
「死亡」というのもあります。
相変わらず、マスコミの記事でしか
わからないので、情報が不足していて、
はっきりとした事は言えないのですけど。
私がわかる範囲では、
これは心臓カテーテル検査(心カテ)の
合併症じゃないかなー。
という事で、8000万円の訴えが
起こされたようですね。
損賠訴訟:「検査で後遺症」
木曽の男性、県などを /長野
県立木曽病院(木曽町)で06年2月、
木曽郡内の男性(53)が
心臓カテーテル検査を受け、
後遺症が残ったとして19日までに、
同病院を運営する県と
担当男性医師を相手取り、
慰謝料など約8000万円の
損害賠償を求める
訴訟を地裁松本支部に起こした。
訴状によると、男性は05年5月に
被告医師から心臓カテーテル検査を
勧められ、06年2月に同検査を受けた。
その後、めまいなどの症状が表れ
脳幹部梗塞(こうそく)と診断された。
歩行障害などの後遺症が残るという。
原告側は、脳幹部梗塞は
心臓カテーテル検査が招いたもので、
不必要な検査だったと主張。
県病院事務局は「見解に相違がある」
と争う姿勢を示した。
【渡辺諒】
『2009年1月20日:毎日新聞 地方版(長野)』
心臓カテーテル(心カテ)の検査に
合併症の可能性がある。
という事は、医者であれば
みんなわかっている事ですし。
その検査を行うのは、専門家である
循環器内科医でしょうから。
当然、百も承知でしょう。
今の時代、それをわかっていて、
患者や患者の家族に説明をしない。
という可能性は少ないとは思うのですが。
民事訴訟を起こされたっていう事は、
患者さん側には、理解されて
いなかったのでしょうかねー。
私は循環器内科医で、
心臓カテーテル検査(心カテ)は
専門なので。
この記事を取り上げたのですが。
いくらなんでも、これでは情報不足ですね。
おおざっぱに言うと、
心カテの合併症で、
脳梗塞の確率は1000人に1人位。
まあ、非常に少ない確率ですよね。
普通に考えたら。
でも、ベテランの循環器内科医なら、
心カテを数百人、
数千人ってやってますから。
1/1000っていう確率は、
そんなに低くはないんですよ。
もうブログをやめちゃいましたけど。
数学が非常に得意な、
なんちゃって救急医先生が、
以前にブログで記事にされた事があるので。
ちょっと引用させてもらいますね。
参照:
『合併症を算数する』
『合併症を算数する(続編)』
当院の循環器科では、
冠動脈造影検査
(心臓カテーテル検査)を
施行するにあたり、脳血管障害など
重篤な合併症が生じる確率は、
1/1000(=0.1%)と説明して
患者の同意を得ている。
さて、当循環器科で、1000例の検査を
施行したとき、重篤な合併症が
少なくとも一件は生じる確率は
何%であろうか?
また、いったいこの施設で何例くらいを
施行した場合に、少なくとも一件は
合併症が生じる確率が
99%にまで到達するであろうか?
という問題です。
結構めんどくさい計算式が
出てくるので、
数学マニア以外は
途中の計算は省略してw
f(N) = 1-{(1-p)^(-1/p)}^(-pN)
≒ 1- e^(-pN) ・・・・・・・・・・・・①
試行回数を確率の逆数(=1/p)だけ、
おこなうと、 ①式より、その確率は
常に一定で、その値は、
1-1/e=0.632 となります。
数式が理解できない人は、
上のは無視してもらって。
合併症を発症する確率が
pである検査を、1/p回行った場合、
63%の確率で、少なくとも
一回は合併症に遭遇する。
合併症を発症する確率が
pである検査を、5/p回行った場合、
99%の確率で、少なくとも
一回は合併症に遭遇する。
これも無視してもらっても
かまわないんだけど。
答えは、これ
解答
1000例の検査で、63% 、
4600回(≒5000回)の検査で99%
という事になります。
恐ろしい話ですよ、これ。
中堅病院で勤める循環器内科医なら、
一年間で100例位ですか。
心臓カテーテル検査(心カテ)の検査数。
もちろん、もっと多い施設もいっぱいあるし。
小さめの施設とか、周りにもっと大きくて
有名な循環器の病院があるとこなら。
もっと少ないでしょうし。
病院にいる循環器内科医の数にも
よるでしょうからね。
全国的に有名な先生なら、
一年で1000例くらいやってますしね。
でも、おおざっぱに循環器内科医
1人が一年間で100例とすると。
10年で、1000例になりますから。
脳梗塞等の
重篤な合併症が起こる確率は、
10年で63%にもなるんですよ。
これで、毎回訴えられていたら、
誰も心カテの検査やらなくなりますよ。
循環器内科医が10人いたら、
10年で6人は8000万円払えって
訴えられちゃうんですから。
46年一線で心カテの検査やってたら、
99%ですよ。
まあ、民事訴訟を起こす権利は、
誰にでも認められていますから。
それを禁止する事自体は
出来ないんですけどね。
こんな訴訟が頻発するようなら、
循環器内科医は
いなくなっちゃいますよ。
ホント。
医療訴訟が医療崩壊を
進めている面もあるんですよ。
誰が日本の医療を殺すのか―「医療崩壊」の知られざる真実
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っていう検査。
この検査は、心臓の表面で
心臓を養っている
血管(冠動脈)や、心臓の中に
「カテーテル」っていうチューブみたいのを入れて。
そこから造影剤を流したりする検査です。
心臓の表面や心臓の中っていうのは、
当然「体の中」ですから。
異物を体の中に入れる検査なので、
「絶対に安全」というものではありません。
どんなにベテランで、
どんなに検査や手術が
上手な医者がやっても、
患者さんの体に良くない事が起こる。
そういうのを「合併症」って呼びます。
薬なんかでも、アレルギーとか、
肝臓や腎臓の
機能が悪くなったり。
吐き気がしたり、下痢したり。
そういう事がありますよね。
人によっては。
そういうのが「合併症」です。
心臓カテーテル検査の場合は、
体の中、心臓の中に
カテーテルを入れますから。
ただ薬を飲んだり、点滴の管を入れるよりは、
高い確率で合併症が起きます。
具体的には、出血や感染、不整脈とか。
それと、今回問題になっている、
「脳梗塞」。
めったにないですけど、
「死亡」というのもあります。
相変わらず、マスコミの記事でしか
わからないので、情報が不足していて、
はっきりとした事は言えないのですけど。
私がわかる範囲では、
これは心臓カテーテル検査(心カテ)の
合併症じゃないかなー。
という事で、8000万円の訴えが
起こされたようですね。
損賠訴訟:「検査で後遺症」
木曽の男性、県などを /長野
県立木曽病院(木曽町)で06年2月、
木曽郡内の男性(53)が
心臓カテーテル検査を受け、
後遺症が残ったとして19日までに、
同病院を運営する県と
担当男性医師を相手取り、
慰謝料など約8000万円の
損害賠償を求める
訴訟を地裁松本支部に起こした。
訴状によると、男性は05年5月に
被告医師から心臓カテーテル検査を
勧められ、06年2月に同検査を受けた。
その後、めまいなどの症状が表れ
脳幹部梗塞(こうそく)と診断された。
歩行障害などの後遺症が残るという。
原告側は、脳幹部梗塞は
心臓カテーテル検査が招いたもので、
不必要な検査だったと主張。
県病院事務局は「見解に相違がある」
と争う姿勢を示した。
【渡辺諒】
『2009年1月20日:毎日新聞 地方版(長野)』
心臓カテーテル(心カテ)の検査に
合併症の可能性がある。
という事は、医者であれば
みんなわかっている事ですし。
その検査を行うのは、専門家である
循環器内科医でしょうから。
当然、百も承知でしょう。
今の時代、それをわかっていて、
患者や患者の家族に説明をしない。
という可能性は少ないとは思うのですが。
民事訴訟を起こされたっていう事は、
患者さん側には、理解されて
いなかったのでしょうかねー。
私は循環器内科医で、
心臓カテーテル検査(心カテ)は
専門なので。
この記事を取り上げたのですが。
いくらなんでも、これでは情報不足ですね。
おおざっぱに言うと、
心カテの合併症で、
脳梗塞の確率は1000人に1人位。
まあ、非常に少ない確率ですよね。
普通に考えたら。
でも、ベテランの循環器内科医なら、
心カテを数百人、
数千人ってやってますから。
1/1000っていう確率は、
そんなに低くはないんですよ。
もうブログをやめちゃいましたけど。
数学が非常に得意な、
なんちゃって救急医先生が、
以前にブログで記事にされた事があるので。
ちょっと引用させてもらいますね。
参照:
『合併症を算数する』
『合併症を算数する(続編)』
当院の循環器科では、
冠動脈造影検査
(心臓カテーテル検査)を
施行するにあたり、脳血管障害など
重篤な合併症が生じる確率は、
1/1000(=0.1%)と説明して
患者の同意を得ている。
さて、当循環器科で、1000例の検査を
施行したとき、重篤な合併症が
少なくとも一件は生じる確率は
何%であろうか?
また、いったいこの施設で何例くらいを
施行した場合に、少なくとも一件は
合併症が生じる確率が
99%にまで到達するであろうか?
という問題です。
結構めんどくさい計算式が
出てくるので、
数学マニア以外は
途中の計算は省略してw
f(N) = 1-{(1-p)^(-1/p)}^(-pN)
≒ 1- e^(-pN) ・・・・・・・・・・・・①
試行回数を確率の逆数(=1/p)だけ、
おこなうと、 ①式より、その確率は
常に一定で、その値は、
1-1/e=0.632 となります。
数式が理解できない人は、
上のは無視してもらって。
合併症を発症する確率が
pである検査を、1/p回行った場合、
63%の確率で、少なくとも
一回は合併症に遭遇する。
合併症を発症する確率が
pである検査を、5/p回行った場合、
99%の確率で、少なくとも
一回は合併症に遭遇する。
これも無視してもらっても
かまわないんだけど。
答えは、これ
解答
1000例の検査で、63% 、
4600回(≒5000回)の検査で99%
という事になります。
恐ろしい話ですよ、これ。
中堅病院で勤める循環器内科医なら、
一年間で100例位ですか。
心臓カテーテル検査(心カテ)の検査数。
もちろん、もっと多い施設もいっぱいあるし。
小さめの施設とか、周りにもっと大きくて
有名な循環器の病院があるとこなら。
もっと少ないでしょうし。
病院にいる循環器内科医の数にも
よるでしょうからね。
全国的に有名な先生なら、
一年で1000例くらいやってますしね。
でも、おおざっぱに循環器内科医
1人が一年間で100例とすると。
10年で、1000例になりますから。
脳梗塞等の
重篤な合併症が起こる確率は、
10年で63%にもなるんですよ。
これで、毎回訴えられていたら、
誰も心カテの検査やらなくなりますよ。
循環器内科医が10人いたら、
10年で6人は8000万円払えって
訴えられちゃうんですから。
46年一線で心カテの検査やってたら、
99%ですよ。
まあ、民事訴訟を起こす権利は、
誰にでも認められていますから。
それを禁止する事自体は
出来ないんですけどね。
こんな訴訟が頻発するようなら、
循環器内科医は
いなくなっちゃいますよ。
ホント。
医療訴訟が医療崩壊を
進めている面もあるんですよ。
誰が日本の医療を殺すのか―「医療崩壊」の知られざる真実
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医師の応召義務について。
現場の事を何もわからずに発言をした
どこかの偉い先生
(一応医師免許は持ってるみたい)。
ネットで随分、叩かれていたんですが。
なんと、yahooのトップページにも
載っちゃいましたね。
「医師は応召義務を果たしていない」、
ネットで物議
「医師は応召義務を果たしていない」
「医師は被害者意識を捨てよ」―。
昨年12月、NPO法人
(特定非営利活動法人)
「日本医療政策機構」
のホームページに掲載された
信友浩一氏(九大教授)の
緊急提言がインターネット上の掲示板や
医師ブログなどで物議を醸している。
信友氏の「医師は、
医療業していながら、
応召義務を果たしていない。
これが医療のもっとも本質的な問題だ」
との主張に対し、ネットの掲示板には、
「医療政策を提言する立場の人間が
精神論を語ることに絶望する」
などの書き込みが殺到している。
(新井裕充)
2004年に設立された
「日本医療政策機構」の代表理事は、
政策研究大学院大教授で
内閣特別顧問を務める黒川清氏。
副代表理事は近藤正晃ジェームス氏
(東大先端科学技術
研究センター特任准教授)で、
両者は厚生労働省の
会議に参加するなど、
国とのかかわりが深い。
同機構の設立趣旨は、
「諸外国において質の高い
医療政策を生み出している
医療シンクタンクの理念を
日本にも導入」すること。
ホームページを通じて医療に関する
情報を発信しており、昨年10月から
緊急提言」の掲載を開始した。
連載8回目を迎えた今回の提言は、
「医師は被害者意識を捨てよ」
というタイトルのインタビュー記事。
発言者の信友氏は
大学院医学研究院で
「医療システム学分野」の
教授を務めている。
「医療政策課題にまつわる
5つのキーワード」
て信友氏は
医師は応召義務を果たしていない
▽「いまあるもの」で何とか
するのが医療だ
▽医師は被害者意識を捨てよ
▽数値と事実で議論を
▽医師も弁護士型の
専門家集団にすべき
▽「医療理念法」(の制定)を
―の5つを挙げている。
このうち、
「医師は
応召義務を果たしていない」
の中で信友氏は、
次のように述べている。
「医療問題にまつわる
ひとつ目のキーワードは、
医師の応召義務。
医師は、医療業務を独占している。
独占しているのだから、
必ず義務も出てくる。
それが、応召義務。
たとえば電力会社は、
すべての国民に電力を
供給しなければならない。
その代わりに、地域の電力供給を
独占できる権限が付与されている。
つまり権利と義務を、
同時に持っているのだ。
へき地だから電気を供給しない、
儲からないから送らない
というとはできないのである。
医師は、医療業務を独占していながら、
応召義務を果たしていない。
これが医療のもっとも本質的な問題だ。
東京や奈良のたらい回し事件もそう。
自分の施設が満床だったら
断るということが、
習慣化されてしまっているから起きる。
『施設完結型医療』を
前提にしているなら、
応召義務も果たして
もらわなければ理にかなわない」
その上で、「『いまあるもの』で
何とかするのが医療だ。
医師が不足していようが多かろうが、
今いる人員でどうにかする。
それが医療の大原則である」と主張。
「満床だから」との理由で
受け入れを断ることに対しては、
「なぜ、許されるのか。
そんな習慣をつけたのは誰か。
医師たる者が、業務を独占しながら、
応召義務を果たさない。
いつ、医師の神経は
麻痺したのだろうか」
と苦言を呈している。
「少なくても、私たちの世代、
団塊の世代までは、
そんなことはなかったと記憶している」
とした上で、
「たぶん我々の
10歳年下からの世代から、
そういう習慣ができ上がっていった。
そんな気がしている」
と述べている。
この発言に対して、ネット上の掲示板や
ブログなどで、
医師と思われる人が激しく反論。
「なぜ医療が崩壊したのかが
全く分かっていない。
日本医療政策機構も、
こんな提言を採用したら
機構の信用が失墜する」
「医療政策を提言する立場の人間が
精神論を語ることに絶望する」
などの書き込みが殺到している。
ネット上の掲示板などでは、
年末から年始にかけ、医師と思われる
書き込みや、患者サイドからの
書き込みで議論が白熱した。
■「ネットで暴走する医師たち」が拍車?
加熱する医療側と患者側との議論に
拍車をかけているのは、
今回の緊急提言だけではない。
昨年12月に出版された
「ネットで暴走する医師たち」
(鳥集徹著、WAVE出版)では、
医療事故が法廷で争われた
奈良県立大淀病院事件、
杏林大学割り箸事件、
福島県立大野病院事件などについて、
医師と思われる人が
ネット上の掲示板などで遺族らを
「誹謗中傷している」と
激しく批判している。
さらに同書では、
「ネット公論の危険性」を指摘し、
医師らが匿名で
書き込むことを非難している。
書籍のオンライン
通販サイト「Amazon」では、
同書に対するコメントが
1月16日現在で209件寄せられており、
その多くが同書に
批判的な内容になっている。
最も高い評価を受けているコメントは、
次の通り。
「筆者はわざわざ本を出版して、
ネットを見ていない人たちにまで
悪評を広めてしまうのだろう。
医師側と患者側の争いを
煽っているようにしか思えない。
それに、これらのことを
批判するのであれば、
マスコミ・患者側の医療者側に対する
誹謗中傷、さらには
多少飛躍かもしれないが、
医師たちの不満の原因である
医療現場の疲弊・医師の過労死、
大学病院の薄給などについても、
同列に述べていくべきではないのか。
このような記述では一部の医師たちも
反発するだけではないのか」
同書の「あとがき」によると、
中央社会保険医療協議会で
委員を務めている勝村久司氏
(連合「患者本位の医療を確立する
連絡会」委員)が、著者に
「誹謗中傷の本書かへん?」
と電話で依頼したという。
勝村氏は、陣痛促進剤の事故で
長女を亡くした京都府の高校教師で、
患者や遺族の立場から
幅広く活動している。
公的な立場にあるだけに、
「遺族への誹謗中傷」に対して
反論するよりもむしろ、
医師と患者との信頼関係を
回復する方向に
目を向けることはできないものか。
「2009年1月16日:yahooニュース、CBニュース」
ちなみに、この記事で
「物議をかもした」
って言われているのは、
これっすね。
「 【緊急提言】第8回「医師は被害者意識を捨てよ」 -
日本医療政策機構(2008年12月18日)」
国や厚生労働省と関わりが深い。
っていう事は、日本の
医療制度を作る側の人。
っていう事ですよね。
一応、医師免許は
持っているようですけど。
全く現場の事は、
わかっておられないようですね。
そういう、
現場の事を知らない人間が、
医療政策を作るから、
日本の医療は崩壊した。
っていう現実があるのですが。
悲しいことです。
>「医師は被害者意識を捨てよ」。
とか言っていないで。
「加害者意識」持って欲しいですね。
この方には。
>たとえば電力会社は、
すべての国民に電力を
供給しなければならない。
その代わりに、地域の電力供給を
独占できる権限が付与されている。
つまり権利と義務を、
同時に持っているのだ。
へき地だから電気を供給しない、
儲からないから送らない
というとはできないのである。
どうやら、電力についても
勘違いされているようです。
電力会社は 電気代を
自分たちで決める事ができます。
まあ、国に認可してもらうんですけどね。
でも、基本的には
電気代は電力会社が決めます。
でも、医療費っていうのは、
国が決めるから。
病院が勝手に決める事は、
できないんですよ。
それに、
電気代払わない人に、
電気を止める事もできるでしょ。
でも、医療費払わないからって、
患者を診ない
っていう訳にはいかないんですよ。
それが、「医師の応召義務」
ってもんです。
更に、電力供給を独占しているのは
電力会社であって、
電力会社の社員ではないですから。
電力会社と医師個人を比べても、
意味ないでしょ。
>医師は、
医療業務を独占していながら、
応召義務を果たしていない。
これが医療の
もっとも本質的な問題だ。
医師の応召義務の事を
理解していないで、
そういう事を言うのが問題なんですよ。
そういう人が、
医療政策を作る立場にいて、
精神論で物を言う。
そういうのも問題なんですよ。
一番の問題は、
医師の数が少なくて、
患者の数が多すぎて。
それで、患者を受け入れる事が
出来ない場合がある。
っていう事ですよ。
それが「本質的な問題」。
いわゆる「医師不足」。
医師は応召義務を果たしていますが、
残念ながら、神様ではないし。
分身の術も使えないですから。
人間ですから、限界もあるんです。
だから、「受け入れ不能」、
「手一杯で対処できない」
という事もあるんです。
臨床現場を知っている人間であれば、
医師免許がなくても
わかる事なのですが。
>『施設完結型医療』を
前提にしているなら、
これ、何十年も前なら
出来るのかもしれませんが。
これだけ医療が専門化しちゃうと、
そもそも無理なんですよ。
今の医療の事を知らないから。
前提が違って話しているから、
こういう訳のわかんない話が
出てくるんですよ。
>「少なくても、私たちの世代、
団塊の世代までは、
そんなことはなかったと記憶している」
とした上で、
「たぶん我々の
10歳年下からの世代から、
そういう習慣ができ上がっていった。
そんな気がしている」
きっと、何十年も前の話なんでしょうね。
その頃の医療っていうのは。
私が専門の心筋梗塞を例えに出すと。
心筋梗塞の患者が来ました。
はい、安静にしていて下さい。
入院は2、3ヶ月です。
という治療ですね。
その頃の治療だと、
10人に3人くらいは亡くなります。
今の医療っていうのは。
心筋梗塞の患者が来たー。
夜中だろうが、徹夜明けだろうが、
循環器内科医、集合ー。
緊急の心臓カテーテル検査をやって。
そいで、緊急の血管内手術ですね。
心臓カテーテル治療っていうやつです。
そいで、その後にいろんな薬を出して。
心臓のエコーとか、いろんな検査して。
心臓リハビリテーションも
どんどん進めて。
2,3週間で退院です。
軽症なら、もっと早いです。
そういう患者さんが、どんどん来ます。
重症だったらICUっていう
集中治療室とかに入って。
人工呼吸器をつけたり、心臓の動きを
補助する機械なんかつけたり。
いっぱい点滴もして。
何十年前だったら、亡くなっているような
重症の患者さんも
助けられるようになって。
10人のうち、1人かそのくらいですね。
亡くなる患者さんは。
それで、いろんな検査もするから、
それに対する説明もたくさんあるし。
書類もたくさんある。
入院患者の在院日数が短くなったから。
その分、何倍もの患者の数を診ている。
はっきり言って、何十年前とは、
医療の質も全然違うし。
患者の数も違います。
私の頃はそうではなかった、
っておっしゃられていますけど。
そもそも、仕事の量が
全然違うんだから。
比較になりませんよ。
その時に、数倍の仕事量があったら、
本当に全部こなせたんですかね。
手一杯のところで受け入れたら
助からない患者がいる。
手が空いている病院なら
助かるかもしれない、
という患者がいる。
そういう患者がいたら、
より助かる可能性が高い、
手の空いている病院に行って貰う。
というのが、医学的にも正しいです。
医師であれば、
わかる事だと思いますが。
自分が手一杯でも、隣の病院なら、
手が空いているかもしれない。
それなら、隣の病院に行ってもらおう。
というのが、いわゆる「たらい回し」
という事ですよ。
単に医師免許を
持っているだけの人には、
どうやらわからない事のようですけど。
じゃあ、何故医師が
手一杯になったのか。
病院が満床になったのか。
というと、
今までの医療政策の間違いとか。
患者の数が増えたとか。
むしろ、そういう問題の方が大きくて。
それが「本質的な問題」ですよ。
>同機構の設立趣旨は、
「諸外国において質の高い
医療政策を生み出している
医療シンクタンクの
理念を日本にも導入」
すること。
>数値と事実で議論を
という事のようですから。
諸外国で、「医師の応召義務」
がある国を教えてもらいたいですね。
諸外国と比べて、
日本の医師数はどうなのか。
1人の医師が診る
患者の数はどうなのか。
医師の勤務時間はどうなのか。
そういう事を、きちんと数値を出して
論じてもらいたいものですね。
単なる「精神論」ではなくて。
医療や医師には限界があるんですよ!
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→ 医療の限界
小松 秀樹 (著)
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現場の事を何もわからずに発言をした
どこかの偉い先生
(一応医師免許は持ってるみたい)。
ネットで随分、叩かれていたんですが。
なんと、yahooのトップページにも
載っちゃいましたね。
「医師は応召義務を果たしていない」、
ネットで物議
「医師は応召義務を果たしていない」
「医師は被害者意識を捨てよ」―。
昨年12月、NPO法人
(特定非営利活動法人)
「日本医療政策機構」
のホームページに掲載された
信友浩一氏(九大教授)の
緊急提言がインターネット上の掲示板や
医師ブログなどで物議を醸している。
信友氏の「医師は、
医療業していながら、
応召義務を果たしていない。
これが医療のもっとも本質的な問題だ」
との主張に対し、ネットの掲示板には、
「医療政策を提言する立場の人間が
精神論を語ることに絶望する」
などの書き込みが殺到している。
(新井裕充)
2004年に設立された
「日本医療政策機構」の代表理事は、
政策研究大学院大教授で
内閣特別顧問を務める黒川清氏。
副代表理事は近藤正晃ジェームス氏
(東大先端科学技術
研究センター特任准教授)で、
両者は厚生労働省の
会議に参加するなど、
国とのかかわりが深い。
同機構の設立趣旨は、
「諸外国において質の高い
医療政策を生み出している
医療シンクタンクの理念を
日本にも導入」すること。
ホームページを通じて医療に関する
情報を発信しており、昨年10月から
緊急提言」の掲載を開始した。
連載8回目を迎えた今回の提言は、
「医師は被害者意識を捨てよ」
というタイトルのインタビュー記事。
発言者の信友氏は
大学院医学研究院で
「医療システム学分野」の
教授を務めている。
「医療政策課題にまつわる
5つのキーワード」
て信友氏は
医師は応召義務を果たしていない
▽「いまあるもの」で何とか
するのが医療だ
▽医師は被害者意識を捨てよ
▽数値と事実で議論を
▽医師も弁護士型の
専門家集団にすべき
▽「医療理念法」(の制定)を
―の5つを挙げている。
このうち、
「医師は
応召義務を果たしていない」
の中で信友氏は、
次のように述べている。
「医療問題にまつわる
ひとつ目のキーワードは、
医師の応召義務。
医師は、医療業務を独占している。
独占しているのだから、
必ず義務も出てくる。
それが、応召義務。
たとえば電力会社は、
すべての国民に電力を
供給しなければならない。
その代わりに、地域の電力供給を
独占できる権限が付与されている。
つまり権利と義務を、
同時に持っているのだ。
へき地だから電気を供給しない、
儲からないから送らない
というとはできないのである。
医師は、医療業務を独占していながら、
応召義務を果たしていない。
これが医療のもっとも本質的な問題だ。
東京や奈良のたらい回し事件もそう。
自分の施設が満床だったら
断るということが、
習慣化されてしまっているから起きる。
『施設完結型医療』を
前提にしているなら、
応召義務も果たして
もらわなければ理にかなわない」
その上で、「『いまあるもの』で
何とかするのが医療だ。
医師が不足していようが多かろうが、
今いる人員でどうにかする。
それが医療の大原則である」と主張。
「満床だから」との理由で
受け入れを断ることに対しては、
「なぜ、許されるのか。
そんな習慣をつけたのは誰か。
医師たる者が、業務を独占しながら、
応召義務を果たさない。
いつ、医師の神経は
麻痺したのだろうか」
と苦言を呈している。
「少なくても、私たちの世代、
団塊の世代までは、
そんなことはなかったと記憶している」
とした上で、
「たぶん我々の
10歳年下からの世代から、
そういう習慣ができ上がっていった。
そんな気がしている」
と述べている。
この発言に対して、ネット上の掲示板や
ブログなどで、
医師と思われる人が激しく反論。
「なぜ医療が崩壊したのかが
全く分かっていない。
日本医療政策機構も、
こんな提言を採用したら
機構の信用が失墜する」
「医療政策を提言する立場の人間が
精神論を語ることに絶望する」
などの書き込みが殺到している。
ネット上の掲示板などでは、
年末から年始にかけ、医師と思われる
書き込みや、患者サイドからの
書き込みで議論が白熱した。
■「ネットで暴走する医師たち」が拍車?
加熱する医療側と患者側との議論に
拍車をかけているのは、
今回の緊急提言だけではない。
昨年12月に出版された
「ネットで暴走する医師たち」
(鳥集徹著、WAVE出版)では、
医療事故が法廷で争われた
奈良県立大淀病院事件、
杏林大学割り箸事件、
福島県立大野病院事件などについて、
医師と思われる人が
ネット上の掲示板などで遺族らを
「誹謗中傷している」と
激しく批判している。
さらに同書では、
「ネット公論の危険性」を指摘し、
医師らが匿名で
書き込むことを非難している。
書籍のオンライン
通販サイト「Amazon」では、
同書に対するコメントが
1月16日現在で209件寄せられており、
その多くが同書に
批判的な内容になっている。
最も高い評価を受けているコメントは、
次の通り。
「筆者はわざわざ本を出版して、
ネットを見ていない人たちにまで
悪評を広めてしまうのだろう。
医師側と患者側の争いを
煽っているようにしか思えない。
それに、これらのことを
批判するのであれば、
マスコミ・患者側の医療者側に対する
誹謗中傷、さらには
多少飛躍かもしれないが、
医師たちの不満の原因である
医療現場の疲弊・医師の過労死、
大学病院の薄給などについても、
同列に述べていくべきではないのか。
このような記述では一部の医師たちも
反発するだけではないのか」
同書の「あとがき」によると、
中央社会保険医療協議会で
委員を務めている勝村久司氏
(連合「患者本位の医療を確立する
連絡会」委員)が、著者に
「誹謗中傷の本書かへん?」
と電話で依頼したという。
勝村氏は、陣痛促進剤の事故で
長女を亡くした京都府の高校教師で、
患者や遺族の立場から
幅広く活動している。
公的な立場にあるだけに、
「遺族への誹謗中傷」に対して
反論するよりもむしろ、
医師と患者との信頼関係を
回復する方向に
目を向けることはできないものか。
「2009年1月16日:yahooニュース、CBニュース」
ちなみに、この記事で
「物議をかもした」
って言われているのは、
これっすね。
「 【緊急提言】第8回「医師は被害者意識を捨てよ」 -
日本医療政策機構(2008年12月18日)」
国や厚生労働省と関わりが深い。
っていう事は、日本の
医療制度を作る側の人。
っていう事ですよね。
一応、医師免許は
持っているようですけど。
全く現場の事は、
わかっておられないようですね。
そういう、
現場の事を知らない人間が、
医療政策を作るから、
日本の医療は崩壊した。
っていう現実があるのですが。
悲しいことです。
>「医師は被害者意識を捨てよ」。
とか言っていないで。
「加害者意識」持って欲しいですね。
この方には。
>たとえば電力会社は、
すべての国民に電力を
供給しなければならない。
その代わりに、地域の電力供給を
独占できる権限が付与されている。
つまり権利と義務を、
同時に持っているのだ。
へき地だから電気を供給しない、
儲からないから送らない
というとはできないのである。
どうやら、電力についても
勘違いされているようです。
電力会社は 電気代を
自分たちで決める事ができます。
まあ、国に認可してもらうんですけどね。
でも、基本的には
電気代は電力会社が決めます。
でも、医療費っていうのは、
国が決めるから。
病院が勝手に決める事は、
できないんですよ。
それに、
電気代払わない人に、
電気を止める事もできるでしょ。
でも、医療費払わないからって、
患者を診ない
っていう訳にはいかないんですよ。
それが、「医師の応召義務」
ってもんです。
更に、電力供給を独占しているのは
電力会社であって、
電力会社の社員ではないですから。
電力会社と医師個人を比べても、
意味ないでしょ。
>医師は、
医療業務を独占していながら、
応召義務を果たしていない。
これが医療の
もっとも本質的な問題だ。
医師の応召義務の事を
理解していないで、
そういう事を言うのが問題なんですよ。
そういう人が、
医療政策を作る立場にいて、
精神論で物を言う。
そういうのも問題なんですよ。
一番の問題は、
医師の数が少なくて、
患者の数が多すぎて。
それで、患者を受け入れる事が
出来ない場合がある。
っていう事ですよ。
それが「本質的な問題」。
いわゆる「医師不足」。
医師は応召義務を果たしていますが、
残念ながら、神様ではないし。
分身の術も使えないですから。
人間ですから、限界もあるんです。
だから、「受け入れ不能」、
「手一杯で対処できない」
という事もあるんです。
臨床現場を知っている人間であれば、
医師免許がなくても
わかる事なのですが。
>『施設完結型医療』を
前提にしているなら、
これ、何十年も前なら
出来るのかもしれませんが。
これだけ医療が専門化しちゃうと、
そもそも無理なんですよ。
今の医療の事を知らないから。
前提が違って話しているから、
こういう訳のわかんない話が
出てくるんですよ。
>「少なくても、私たちの世代、
団塊の世代までは、
そんなことはなかったと記憶している」
とした上で、
「たぶん我々の
10歳年下からの世代から、
そういう習慣ができ上がっていった。
そんな気がしている」
きっと、何十年も前の話なんでしょうね。
その頃の医療っていうのは。
私が専門の心筋梗塞を例えに出すと。
心筋梗塞の患者が来ました。
はい、安静にしていて下さい。
入院は2、3ヶ月です。
という治療ですね。
その頃の治療だと、
10人に3人くらいは亡くなります。
今の医療っていうのは。
心筋梗塞の患者が来たー。
夜中だろうが、徹夜明けだろうが、
循環器内科医、集合ー。
緊急の心臓カテーテル検査をやって。
そいで、緊急の血管内手術ですね。
心臓カテーテル治療っていうやつです。
そいで、その後にいろんな薬を出して。
心臓のエコーとか、いろんな検査して。
心臓リハビリテーションも
どんどん進めて。
2,3週間で退院です。
軽症なら、もっと早いです。
そういう患者さんが、どんどん来ます。
重症だったらICUっていう
集中治療室とかに入って。
人工呼吸器をつけたり、心臓の動きを
補助する機械なんかつけたり。
いっぱい点滴もして。
何十年前だったら、亡くなっているような
重症の患者さんも
助けられるようになって。
10人のうち、1人かそのくらいですね。
亡くなる患者さんは。
それで、いろんな検査もするから、
それに対する説明もたくさんあるし。
書類もたくさんある。
入院患者の在院日数が短くなったから。
その分、何倍もの患者の数を診ている。
はっきり言って、何十年前とは、
医療の質も全然違うし。
患者の数も違います。
私の頃はそうではなかった、
っておっしゃられていますけど。
そもそも、仕事の量が
全然違うんだから。
比較になりませんよ。
その時に、数倍の仕事量があったら、
本当に全部こなせたんですかね。
手一杯のところで受け入れたら
助からない患者がいる。
手が空いている病院なら
助かるかもしれない、
という患者がいる。
そういう患者がいたら、
より助かる可能性が高い、
手の空いている病院に行って貰う。
というのが、医学的にも正しいです。
医師であれば、
わかる事だと思いますが。
自分が手一杯でも、隣の病院なら、
手が空いているかもしれない。
それなら、隣の病院に行ってもらおう。
というのが、いわゆる「たらい回し」
という事ですよ。
単に医師免許を
持っているだけの人には、
どうやらわからない事のようですけど。
じゃあ、何故医師が
手一杯になったのか。
病院が満床になったのか。
というと、
今までの医療政策の間違いとか。
患者の数が増えたとか。
むしろ、そういう問題の方が大きくて。
それが「本質的な問題」ですよ。
>同機構の設立趣旨は、
「諸外国において質の高い
医療政策を生み出している
医療シンクタンクの
理念を日本にも導入」
すること。
>数値と事実で議論を
という事のようですから。
諸外国で、「医師の応召義務」
がある国を教えてもらいたいですね。
諸外国と比べて、
日本の医師数はどうなのか。
1人の医師が診る
患者の数はどうなのか。
医師の勤務時間はどうなのか。
そういう事を、きちんと数値を出して
論じてもらいたいものですね。
単なる「精神論」ではなくて。
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小松 秀樹 (著)
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尼崎医療生協病院で肝硬変の患者さんが、腹水(腹腔)穿刺をした12日後に、残念ながら亡くなったようですね。
腹水(腹腔)穿刺後に出血の可能性があるというのは、医者であれば誰でも知っている事で。
こういうのを「合併症」というんですが。
これに関して、新聞社が各社報道されているようですが。
随分、新聞社によって報道内容が違いますねー。
「医療ミス」「医療過誤」という決め付けの報道をしている新聞社もありますけど。
これって、何の根拠があって言っているのでしょうかね。
Yosyan先生のブログ、
「新小児科医のつぶやき」の
「産経の編集」
に4社の新聞社の
比較が書いてありましたので。
一部、引用させていただきます。
いつもお世話になっております。
まずはタイトルにはっきり「医療過誤」と書いて、病院側がミスを認めたと報道している産経新聞。
尼崎医療生協病院、
医療過誤で女性死亡
兵庫県尼崎市の尼崎医療生協病院で昨年12月、肝硬変で入院していた同市内の女性患者=当時(35)=が、腹水を抜く際に誤って針で血管を傷つけられたことが原因で亡くなっていたことが7日、分かった。
病院側は「血管を刺したことで出血が止まらず亡くなった」とミスを認め、遺族に謝罪した。
同病院によると、女性は昨年11月27日に入院。12月4日午前10時ごろ、主治医が立ち会い、男性研修医が腹部にたまった水を抜き出すため、針(直径約1・2ミリ)を左下腹部に刺した。1度目では水が出ず、2度針を刺したという。
女性は同日夜から針を刺された下腹部が皮下出血で赤くなり、出血が止まらなくなるなど容体が急変。
6日から病院側は輸血を開始したが、16日に女性は亡くなった。死因は出血性ショック死だった。
病院側は「1度目に針を刺したときは出血は確認できなかった」としているが、この際に血管を傷つけた可能性が考えられるという。
島田真院長は「主治医も立ち会っており、態勢に問題はなかったが、肝臓が悪いため出血しやすい状態だったなど危険性をしっかりと説明するべきだった。
このようなことが2度とないよう取り組みたい」としている。
女性の母親(62)は病院側の謝罪にも「家に戻ってきた娘の背中は赤紫色だった。
どんなに苦しかったのだろう。もっと生きたかったはず。
あの病院にさえ行かなければ」と怒りを抑えきれない様子で話している。
「2009.1.8:産経新聞」
何も知らないでこの記事だけを読むと、医療ミスが原因で患者さんが死亡したんだな。
病院はけしからん。
って話になりますよね、普通。
でも、この内容は本当に正しいんでしょうか。
Yosyan先生のブログで4つの新聞社の比較がわかりやすく書いてあったので。
このブログでは、引用されている、産経新聞、朝日新聞、神戸新聞、毎日新聞のURLを載せておきます。
「2009.1.8:産経新聞」
「2009.1.8:朝日新聞」
「2009.1.8:毎日新聞」
「2009.1.8:神戸新聞」
実際にどういう行為が行われたのか。
どのような説明が行われたのか、っていうことはマスコミ報道からわかる事しか情報がないので。
一般論と、推測を交えてブログを書いていくしかないのですが。
このブログは、医師ブログとしては珍しい「一般人を対象にしたブログ」なので。
まずは、医学的な説明からしていきたいと思います。
「腹水を抜いた際」とか、「腹水を抜く手術」と記事に書いてありますけど。
こういうのを「腹水(腹腔)穿刺」って言います。
「腹水」っていうのは、その名の通り「お腹の中に貯まった水」の事です。
腹水自体は、正常な人でも作られていて、病気がなくてもほんのわずか、数十ミリリットルくらいの腹水はあります。
でも、ある病気があって、作られる腹水の量よりも吸収される腹水の量が少ないと、腹水が貯まってしまいます。
そうなると、どんどん腹水の量が増えて、お腹が張ってきたり、息が苦しいとか、そういう症状が出てきます。
具体的に腹水が貯まる病気っていうのは、どんな病気かっていうと。
肝臓が悪かったり、腎臓や心臓が悪かったり、栄養状態が悪かったり。
細菌による炎症があったり、リンパ管に異常があったり。
そういう場合です。
この患者さんの場合は、「重度の肝硬変」という事ですから。
肝臓が非常に悪い、という事です。
肝臓がとても悪いので、肝硬変だけでも腹水は貯まります。
そいで、問題の「腹水(腹腔)穿刺」について。
これも、その名の通り、「腹水を刺す」事です。
手術っていうほどのものではないような気もしますが。
検査というか、治療というか。
まあ、お腹に針を刺して腹水を抜くんですわ。
で、普通の腹水(腹腔)穿刺のやり方は。
まずは、お腹にエコーを当てます。
腹部エコーを見て、
どの部分にどのくらいの腹水が貯まっているか。
肝臓や腎臓、脾臓、腸等の臓器がどこにあるのか。
腹水(腹腔)穿刺をする時に邪魔にならない位置か。
そういう事を判断します。
それで、お腹のすぐ下に、腹水がたくさん貯まっていて、かつ重要な臓器や血管がない位置と角度を調べて。
針を刺す場所を決めます。
そして、細い針で麻酔をします。
お腹の表面の部分をまずは麻酔して。
そして、最初に狙った位置と角度から、お腹の中の方に向かって、麻酔をしながらその細い針で刺します。
これを、試験穿刺って言います。
細い針であれば、仮に思っていた通りの位置や角度から少しだけずれていたとして、うまく腹水が抜けなかったとしても、またやり直せばよいだけですからね。
そいで、細い針で試験穿刺をして大丈夫だ、っていう事を確認してから、本番用の太めの針で刺します。
腹水がたくさんあった場合は、腹水を抜くのには時間がかかりますから。
そのまま先の尖った針をお腹の中に入れておいたら、ちょっとでも動いたら危ないですよね。
そういう事もあるので、穿刺用の針っていうのは、2重になっているんですよ。
内側の針(内筒)が、刺す為の金属で出来た針で。
外側(外筒)は、透明のチューブみたいになっています。
針を刺して、金属製の部分(内筒)を抜いて。
そいで、チューブみたいのを通して、腹水を抜きます。
まあ、おおざっぱに言うと、こういう手順ですかね。
私は循環器内科医なので、肝臓とか腹部の臓器は専門ではないので。
もっと詳しい話は専門の先生にしていただくとして。
一般の方に説明するには、こんな感じで良いのかな、と思います。
腹水(腹腔)穿刺の方法をざっとまとめると。
1、腹部エコーで腹水の量と臓器や
血管を確認して、
どの位置からどの角度で
針を刺したらよいか決める。
2、細い針で麻酔をしながら
試験穿刺をする
3、太い針でお腹を刺して、腹水を抜く
という感じでしょうか。
今回の尼崎医療生協病院のケースで、どういうやり方をしたのか、っていう事は、具体的にはもちろん私は知らないのですけどね。
マスコミ報道によると、
>手術は主治医が指導し、二十代の男性研修医が実施。
と書いてあります。
研修医に教えながら一緒にやるんですから。
基本的な手順通りやったのだと思いますよ。
そうでなかったら、その部分を取り上げて「医療ミスだ」って騒いでいるでしょうからね。
例えば、
お腹にエコーも当てずに、お腹に適当に太い針を刺して、間違って血管や肝臓などの重要な臓器に針を刺してしまって。
それで、大出血が起きて、出血多量で患者が死亡しました。
とか、。
ものすごく腹水の量が少なくて、腹水(腹腔)穿刺の必要がないのに無理して腹水(腹腔)穿刺をした結果、大出血を起こした、とか。
そういう事であれば、これは「医療ミス」と言っても良いと思いますよ。
でも尼崎医療生協病院のケースでは、
指導医が研修医に教えながら一緒にやっていますし、基本的な手技のやり方を間違った、とか。
腹水(腹腔)穿刺の必要がなかったのに、無理して行った。
という報道もされていませんから。
それであれば、「腹水(腹腔)穿刺の後に出血した」というのは、「合併症」と言っても良いと思いますよ。
血液の中には出血を止めるための「凝固因子」っていうものがあるんですけど。
肝臓が悪くなると、それを作る能力が落ちるんですよ。
重度の肝硬変っていう事は、肝臓の機能がすごく落ちているっていう事ですから。
記事にも書いてある通り、とても出血しやすくなって、血が止まりにくくなります。
腹水(腹腔)穿刺っていうのは、お腹を刺す訳ですから。
当然、出血はします。
手を紙で切った時でも、擦り傷でも血は出ますよね。
だったら、お腹を太い針で刺したら血が出るのは当たり前ですよね。
肝硬変の末期の場合は、腹部の表面を走る皮下静脈も拡張していますから。
当然、普通の人よりも血管に当たる可能性も高くなるし。
血が出た場合には、なかなか止まりにくくなります。
神戸新聞が一番詳しくて、客観的に書いてあるようなので、ここで引用します。
腹水抜く手術後、患者死亡
尼崎医療生協病院
尼崎市の尼崎医療生協病院で昨年十二月、肝硬変で入院していた同市内の女性(35)が、腹腔(ふくこう)内にたまった水を抜く手術による出血が原因で死亡していたことが八日、分かった。
「家族への説明が不足していた」として女性の家族に謝罪したという。
同病院によると、女性は重度のアルコール性肝硬変で昨年十一月二十七日に入院。
その後発熱し、腹腔内に水がたまっていることが確認され、細菌感染の疑いがあるとして十二月四日、水を検査するため腹腔内に針を刺す手術を実施した。
手術は主治医が指導し、二十代の男性研修医が実施。直径一・七ミリの針を左下腹部に刺したが水が抜けず、もう一度刺したという。同日夜に皮下出血していることが分かり、容体が急変。
肝硬変のため外科的処置が行えないと判断し、輸血したが、十六日夜、女性は死亡。死因は出血性ショック死だった。
島田真院長は「この手術に出血はあり得るが、肝硬変で出血が止まりにくく、結果的に病状が悪化し、死期を早めてしまった。現時点で医療過誤とは判断していない」と説明。今後、外部の医療機関などに検証を依頼する。
「2009.1.8:神戸新聞」
神戸新聞をはじめ、各社の報道からわかる事は。
2008.12.4。
尼崎医療生協病院で、重度のアルコール性肝硬変の患者が発熱。
検査のため、腹水(腹腔)穿刺を行った。
腹水(腹腔)穿刺は主治医が指導し、二十代の男性研修医が行った。
12.4 の夜に皮下出血があった。
患者さんの容体が急変した。
肝硬変のため外科的処置が行えないと判断
12.6輸血を開始。
12.16に女性は亡くなった。
死因は出血性ショック死だった。
病院は遺族に謝罪した。
箇条書きにすると、こんなとこでしょうか。
そもそも、皮下出血で人間が死ぬ、
っていう事は基本的にはないし。
皮下出血に対しては、手術できませんから。
>針を刺された下腹部が皮下出血で赤くなり、出血が止まらなくなるなど容体が急変。
って書いてある産経新聞は、全然医療の事をわかっていないでそのまま記事にしているんだな。
という事がよくわかります。
「外科的処置」っていうのは、言葉を変えると「手術」の事です。
手術をしようかな、って考えたっていう事は、「お腹の中」で出血している可能性が高いから。
お腹を開けて、手術して出血を止める手段としての「手術」という事なのでしょう。
手術っていうのは、体にものすごい負担がかかりますから。
重症患者の場合は、手術自体ができない。
という場合があります。
それに、お腹の手術をする、っていう事はお腹を切るんですよ。
針でちょっと穴を開けるだけでなく、お腹を切るんですからね。
当然、大量に血は出ます。
ものすごく出血しやすい人に、更にお腹を切って手術するわけですから。
相当の出血が予測されます。
>肝硬変のため外科的処置が行えないと判断
っていうのは、全身状態が悪すぎるっていう事と、手術した場合の出血量を考えて、手術を断念した。
という事なのでしょう。
今わかる範囲で事実をまとめると。
とても出血しやすい、重症の肝硬変の患者さん(35歳)に腹水が貯まりました。
それで、12.4に腹水(腹腔)穿刺をしました。
出血しやすい患者さんなので、出血しました。
たぶん、お腹の中なのでしょう。
でも、全身状態が悪すぎて、手術はできないので、入院して輸血しました。
結果的には、残念ながら患者さんは12.6に出血性ショックでなくなりました。
というだけの話です。
35歳と若い方が亡くなったのは残念ですけど。
「病気で亡くなった」んですよ、この方は。
病院が謝罪したっていうのは、説明が不足していたとか、結果的には残念だった、っていう事で。
病院側が「ミスを認めた」って報道しているのは、産経新聞だけです。
他の3紙は病院側がミスを認めていないことを伝えていますから。
公式の記者会見で病院側はミスがなかったと言っている。
尼崎医療生協病院のホームページでも
>現時点では今回の処置に明らかな過ちがあったとの認識はしておりません
「尼崎医療生協病院HP」
と書いてある。
それにも関わらず、産経新聞は「医療過誤で女性死亡」というタイトルをつけて、「病院がミスを認めた」と報道しているわけですから。
これは、「誤報」なんじゃないですかね。
「医療ミス」「医療ミス」って言っておいて、自分達は「報道ミス」をしているのではないでしょうか。
MBSニュース の報道を見ると、患者さんの遺族が病院がミスを認めた、って言っているようですけど。
患者さんや遺族の方っていうのは、医療に関しては素人ですから。
病院側が、説明不足とか結果的に残念だった、って言った。
もしくは、合併症の話をした。
そういうのを「医療ミスだ」と思ったとしても不思議はありません。
専門用語を一般の人が正しく理解できない、という事は良くあることですからね。
一般人で、医療ミスと合併症の違いを正確にわかっている人なんて、むしろ少数派でしょ。
これは、遺族の方達が悪いんじゃなくて、産経新聞側の問題ですよ。
真実を報道する事が職業のマスコミが、一般人からの証言だけを元に、他の情報ソースがないのに「医療ミス」だと報道する、という姿勢は、プロとして失格だと思いますよ、わたしは。
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小松 秀樹 (著)
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腹水(腹腔)穿刺後に出血の可能性があるというのは、医者であれば誰でも知っている事で。
こういうのを「合併症」というんですが。
これに関して、新聞社が各社報道されているようですが。
随分、新聞社によって報道内容が違いますねー。
「医療ミス」「医療過誤」という決め付けの報道をしている新聞社もありますけど。
これって、何の根拠があって言っているのでしょうかね。
Yosyan先生のブログ、
「新小児科医のつぶやき」の
「産経の編集」
に4社の新聞社の
比較が書いてありましたので。
一部、引用させていただきます。
いつもお世話になっております。
まずはタイトルにはっきり「医療過誤」と書いて、病院側がミスを認めたと報道している産経新聞。
尼崎医療生協病院、
医療過誤で女性死亡
兵庫県尼崎市の尼崎医療生協病院で昨年12月、肝硬変で入院していた同市内の女性患者=当時(35)=が、腹水を抜く際に誤って針で血管を傷つけられたことが原因で亡くなっていたことが7日、分かった。
病院側は「血管を刺したことで出血が止まらず亡くなった」とミスを認め、遺族に謝罪した。
同病院によると、女性は昨年11月27日に入院。12月4日午前10時ごろ、主治医が立ち会い、男性研修医が腹部にたまった水を抜き出すため、針(直径約1・2ミリ)を左下腹部に刺した。1度目では水が出ず、2度針を刺したという。
女性は同日夜から針を刺された下腹部が皮下出血で赤くなり、出血が止まらなくなるなど容体が急変。
6日から病院側は輸血を開始したが、16日に女性は亡くなった。死因は出血性ショック死だった。
病院側は「1度目に針を刺したときは出血は確認できなかった」としているが、この際に血管を傷つけた可能性が考えられるという。
島田真院長は「主治医も立ち会っており、態勢に問題はなかったが、肝臓が悪いため出血しやすい状態だったなど危険性をしっかりと説明するべきだった。
このようなことが2度とないよう取り組みたい」としている。
女性の母親(62)は病院側の謝罪にも「家に戻ってきた娘の背中は赤紫色だった。
どんなに苦しかったのだろう。もっと生きたかったはず。
あの病院にさえ行かなければ」と怒りを抑えきれない様子で話している。
「2009.1.8:産経新聞」
何も知らないでこの記事だけを読むと、医療ミスが原因で患者さんが死亡したんだな。
病院はけしからん。
って話になりますよね、普通。
でも、この内容は本当に正しいんでしょうか。
Yosyan先生のブログで4つの新聞社の比較がわかりやすく書いてあったので。
このブログでは、引用されている、産経新聞、朝日新聞、神戸新聞、毎日新聞のURLを載せておきます。
「2009.1.8:産経新聞」
「2009.1.8:朝日新聞」
「2009.1.8:毎日新聞」
「2009.1.8:神戸新聞」
実際にどういう行為が行われたのか。
どのような説明が行われたのか、っていうことはマスコミ報道からわかる事しか情報がないので。
一般論と、推測を交えてブログを書いていくしかないのですが。
このブログは、医師ブログとしては珍しい「一般人を対象にしたブログ」なので。
まずは、医学的な説明からしていきたいと思います。
「腹水を抜いた際」とか、「腹水を抜く手術」と記事に書いてありますけど。
こういうのを「腹水(腹腔)穿刺」って言います。
「腹水」っていうのは、その名の通り「お腹の中に貯まった水」の事です。
腹水自体は、正常な人でも作られていて、病気がなくてもほんのわずか、数十ミリリットルくらいの腹水はあります。
でも、ある病気があって、作られる腹水の量よりも吸収される腹水の量が少ないと、腹水が貯まってしまいます。
そうなると、どんどん腹水の量が増えて、お腹が張ってきたり、息が苦しいとか、そういう症状が出てきます。
具体的に腹水が貯まる病気っていうのは、どんな病気かっていうと。
肝臓が悪かったり、腎臓や心臓が悪かったり、栄養状態が悪かったり。
細菌による炎症があったり、リンパ管に異常があったり。
そういう場合です。
この患者さんの場合は、「重度の肝硬変」という事ですから。
肝臓が非常に悪い、という事です。
肝臓がとても悪いので、肝硬変だけでも腹水は貯まります。
そいで、問題の「腹水(腹腔)穿刺」について。
これも、その名の通り、「腹水を刺す」事です。
手術っていうほどのものではないような気もしますが。
検査というか、治療というか。
まあ、お腹に針を刺して腹水を抜くんですわ。
で、普通の腹水(腹腔)穿刺のやり方は。
まずは、お腹にエコーを当てます。
腹部エコーを見て、
どの部分にどのくらいの腹水が貯まっているか。
肝臓や腎臓、脾臓、腸等の臓器がどこにあるのか。
腹水(腹腔)穿刺をする時に邪魔にならない位置か。
そういう事を判断します。
それで、お腹のすぐ下に、腹水がたくさん貯まっていて、かつ重要な臓器や血管がない位置と角度を調べて。
針を刺す場所を決めます。
そして、細い針で麻酔をします。
お腹の表面の部分をまずは麻酔して。
そして、最初に狙った位置と角度から、お腹の中の方に向かって、麻酔をしながらその細い針で刺します。
これを、試験穿刺って言います。
細い針であれば、仮に思っていた通りの位置や角度から少しだけずれていたとして、うまく腹水が抜けなかったとしても、またやり直せばよいだけですからね。
そいで、細い針で試験穿刺をして大丈夫だ、っていう事を確認してから、本番用の太めの針で刺します。
腹水がたくさんあった場合は、腹水を抜くのには時間がかかりますから。
そのまま先の尖った針をお腹の中に入れておいたら、ちょっとでも動いたら危ないですよね。
そういう事もあるので、穿刺用の針っていうのは、2重になっているんですよ。
内側の針(内筒)が、刺す為の金属で出来た針で。
外側(外筒)は、透明のチューブみたいになっています。
針を刺して、金属製の部分(内筒)を抜いて。
そいで、チューブみたいのを通して、腹水を抜きます。
まあ、おおざっぱに言うと、こういう手順ですかね。
私は循環器内科医なので、肝臓とか腹部の臓器は専門ではないので。
もっと詳しい話は専門の先生にしていただくとして。
一般の方に説明するには、こんな感じで良いのかな、と思います。
腹水(腹腔)穿刺の方法をざっとまとめると。
1、腹部エコーで腹水の量と臓器や
血管を確認して、
どの位置からどの角度で
針を刺したらよいか決める。
2、細い針で麻酔をしながら
試験穿刺をする
3、太い針でお腹を刺して、腹水を抜く
という感じでしょうか。
今回の尼崎医療生協病院のケースで、どういうやり方をしたのか、っていう事は、具体的にはもちろん私は知らないのですけどね。
マスコミ報道によると、
>手術は主治医が指導し、二十代の男性研修医が実施。
と書いてあります。
研修医に教えながら一緒にやるんですから。
基本的な手順通りやったのだと思いますよ。
そうでなかったら、その部分を取り上げて「医療ミスだ」って騒いでいるでしょうからね。
例えば、
お腹にエコーも当てずに、お腹に適当に太い針を刺して、間違って血管や肝臓などの重要な臓器に針を刺してしまって。
それで、大出血が起きて、出血多量で患者が死亡しました。
とか、。
ものすごく腹水の量が少なくて、腹水(腹腔)穿刺の必要がないのに無理して腹水(腹腔)穿刺をした結果、大出血を起こした、とか。
そういう事であれば、これは「医療ミス」と言っても良いと思いますよ。
でも尼崎医療生協病院のケースでは、
指導医が研修医に教えながら一緒にやっていますし、基本的な手技のやり方を間違った、とか。
腹水(腹腔)穿刺の必要がなかったのに、無理して行った。
という報道もされていませんから。
それであれば、「腹水(腹腔)穿刺の後に出血した」というのは、「合併症」と言っても良いと思いますよ。
血液の中には出血を止めるための「凝固因子」っていうものがあるんですけど。
肝臓が悪くなると、それを作る能力が落ちるんですよ。
重度の肝硬変っていう事は、肝臓の機能がすごく落ちているっていう事ですから。
記事にも書いてある通り、とても出血しやすくなって、血が止まりにくくなります。
腹水(腹腔)穿刺っていうのは、お腹を刺す訳ですから。
当然、出血はします。
手を紙で切った時でも、擦り傷でも血は出ますよね。
だったら、お腹を太い針で刺したら血が出るのは当たり前ですよね。
肝硬変の末期の場合は、腹部の表面を走る皮下静脈も拡張していますから。
当然、普通の人よりも血管に当たる可能性も高くなるし。
血が出た場合には、なかなか止まりにくくなります。
神戸新聞が一番詳しくて、客観的に書いてあるようなので、ここで引用します。
腹水抜く手術後、患者死亡
尼崎医療生協病院
尼崎市の尼崎医療生協病院で昨年十二月、肝硬変で入院していた同市内の女性(35)が、腹腔(ふくこう)内にたまった水を抜く手術による出血が原因で死亡していたことが八日、分かった。
「家族への説明が不足していた」として女性の家族に謝罪したという。
同病院によると、女性は重度のアルコール性肝硬変で昨年十一月二十七日に入院。
その後発熱し、腹腔内に水がたまっていることが確認され、細菌感染の疑いがあるとして十二月四日、水を検査するため腹腔内に針を刺す手術を実施した。
手術は主治医が指導し、二十代の男性研修医が実施。直径一・七ミリの針を左下腹部に刺したが水が抜けず、もう一度刺したという。同日夜に皮下出血していることが分かり、容体が急変。
肝硬変のため外科的処置が行えないと判断し、輸血したが、十六日夜、女性は死亡。死因は出血性ショック死だった。
島田真院長は「この手術に出血はあり得るが、肝硬変で出血が止まりにくく、結果的に病状が悪化し、死期を早めてしまった。現時点で医療過誤とは判断していない」と説明。今後、外部の医療機関などに検証を依頼する。
「2009.1.8:神戸新聞」
神戸新聞をはじめ、各社の報道からわかる事は。
2008.12.4。
尼崎医療生協病院で、重度のアルコール性肝硬変の患者が発熱。
検査のため、腹水(腹腔)穿刺を行った。
腹水(腹腔)穿刺は主治医が指導し、二十代の男性研修医が行った。
12.4 の夜に皮下出血があった。
患者さんの容体が急変した。
肝硬変のため外科的処置が行えないと判断
12.6輸血を開始。
12.16に女性は亡くなった。
死因は出血性ショック死だった。
病院は遺族に謝罪した。
箇条書きにすると、こんなとこでしょうか。
そもそも、皮下出血で人間が死ぬ、
っていう事は基本的にはないし。
皮下出血に対しては、手術できませんから。
>針を刺された下腹部が皮下出血で赤くなり、出血が止まらなくなるなど容体が急変。
って書いてある産経新聞は、全然医療の事をわかっていないでそのまま記事にしているんだな。
という事がよくわかります。
「外科的処置」っていうのは、言葉を変えると「手術」の事です。
手術をしようかな、って考えたっていう事は、「お腹の中」で出血している可能性が高いから。
お腹を開けて、手術して出血を止める手段としての「手術」という事なのでしょう。
手術っていうのは、体にものすごい負担がかかりますから。
重症患者の場合は、手術自体ができない。
という場合があります。
それに、お腹の手術をする、っていう事はお腹を切るんですよ。
針でちょっと穴を開けるだけでなく、お腹を切るんですからね。
当然、大量に血は出ます。
ものすごく出血しやすい人に、更にお腹を切って手術するわけですから。
相当の出血が予測されます。
>肝硬変のため外科的処置が行えないと判断
っていうのは、全身状態が悪すぎるっていう事と、手術した場合の出血量を考えて、手術を断念した。
という事なのでしょう。
今わかる範囲で事実をまとめると。
とても出血しやすい、重症の肝硬変の患者さん(35歳)に腹水が貯まりました。
それで、12.4に腹水(腹腔)穿刺をしました。
出血しやすい患者さんなので、出血しました。
たぶん、お腹の中なのでしょう。
でも、全身状態が悪すぎて、手術はできないので、入院して輸血しました。
結果的には、残念ながら患者さんは12.6に出血性ショックでなくなりました。
というだけの話です。
35歳と若い方が亡くなったのは残念ですけど。
「病気で亡くなった」んですよ、この方は。
病院が謝罪したっていうのは、説明が不足していたとか、結果的には残念だった、っていう事で。
病院側が「ミスを認めた」って報道しているのは、産経新聞だけです。
他の3紙は病院側がミスを認めていないことを伝えていますから。
公式の記者会見で病院側はミスがなかったと言っている。
尼崎医療生協病院のホームページでも
>現時点では今回の処置に明らかな過ちがあったとの認識はしておりません
「尼崎医療生協病院HP」
と書いてある。
それにも関わらず、産経新聞は「医療過誤で女性死亡」というタイトルをつけて、「病院がミスを認めた」と報道しているわけですから。
これは、「誤報」なんじゃないですかね。
「医療ミス」「医療ミス」って言っておいて、自分達は「報道ミス」をしているのではないでしょうか。
MBSニュース の報道を見ると、患者さんの遺族が病院がミスを認めた、って言っているようですけど。
患者さんや遺族の方っていうのは、医療に関しては素人ですから。
病院側が、説明不足とか結果的に残念だった、って言った。
もしくは、合併症の話をした。
そういうのを「医療ミスだ」と思ったとしても不思議はありません。
専門用語を一般の人が正しく理解できない、という事は良くあることですからね。
一般人で、医療ミスと合併症の違いを正確にわかっている人なんて、むしろ少数派でしょ。
これは、遺族の方達が悪いんじゃなくて、産経新聞側の問題ですよ。
真実を報道する事が職業のマスコミが、一般人からの証言だけを元に、他の情報ソースがないのに「医療ミス」だと報道する、という姿勢は、プロとして失格だと思いますよ、わたしは。
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あけましておもでとうございまーす。
今年もよろしくおねがいします!
2009年最初のブログで、
いきなり重い話題なのですが。
医療崩壊の原因と課題について、
結構良いこと書いてあった
記事があったので、
ここで紹介しますね。
医療崩壊の原因で大きいのは、
医師不足と医療費不足だ。
っていう事は、すーっとこのブログで
私が主張していることです。
ブログ始めて、約3年になりますけど。
2年位前か、それ以上前から、
ずっとその話をしているつもりです。
もちろん、それ以外にも、
医療者側の問題とか、
マスコミの問題、医療訴訟の問題。
それと、マスコミの医療報道や、
マスコミでも良く話題になっている、
新医師臨床研修制度。
それと、最近やっと少しずつ
話題になっている、
コンビニ救急や
モンスターペイシェント等の、
患者側の問題とか。
そういう、いろんな問題が合わさって、
「医療崩壊」が起こって、
現在も進んでいます。
んで、政治の世界では有名な、
「松下政経塾」っていうのに、
「医療研究会」
っていうのがあったんです。
そこに書いてあった記事です。
まあ、日経BPに
書いてあったんですけどね。
医療崩壊 ~医師不足を切り口に~
2009年1月1日
松下政経塾 医療研究会
(熊谷 大、北川 晋一、
高橋 宏和、津曲 俊明)
昨今声高に叫ばれるようになった
「医療崩壊」を
医師不足という観点から照射し、
崩壊の原因と課題、
そして解決策を3回に分けて探る。
○問題はどこにあるのか
~医師不足の議論~
医師は不足しているのか、
それとも足りているのか。
今まで様々な議論がなされてきた。
各県一医大
(各県に必ず医科大学を1つ創設する)
構想や私立新設医学部の急増により、
一時は医学部入学定員が
大幅に増やされたが、
その後、医師過剰が危惧されたため
1984年以降、医学部の定員が
最大時に比べて
7パーセント減らされた。
昨今、以下に示す
新臨床研修医制度の影響などで
医療の場においては、医師の不足が
大きく叫ばれるようになってきている。
医師不足の議論は、絶対数の不足、
医療機関での必要医師数の不足、
都市・地方の地域偏在による不足、
診療科毎の医師数の
不均衡などに分類できる。
これらの議論に
大きく関わってくるのが、
医師の教育体制である。
医師の養成から就職にまで
強い影響力を持つ
この教育体制は、
医局講座制と呼ばれている。
医局講座制とは何なのか?
まず、そこから見ていこう。
○医局講座制とは?
医師不足を考える際に、
避けて通れないのが
医局講座制である。
従来、医師は大学で6年間の教育を
受けた後に、自分の専門領域を選択し、
「医局」と呼ばれる組織に入る。
医局とは、大学教授を頂点として、
准教授、講師、助手などの序列を
持った組織であり、大学院で
博士号を取得する際にも、また、
病院に就職する際にも、
大きな影響力を持つ。
すなわち、医師は、医学部での教育を
受けるときから、その後、
専門性を高めるために
研究するときにも。
またさらに、
就職先を考える際にも、
医局の影響力下で
決めなければならない。
いわば、医師は自分の医師人生を
医局に委ねるような形となる。
このように、医局は医師の人事権を
掌握しているため、「医局の病院支配」
と呼ばれる状態が今まで
大学側の医局と
関連病院の間で続いていた。
昔から、病院は経営の中心を担う
医師の獲得に苦労してきた。
そのため、安定的に
医師の供給を得るために、
医局に対して、いわば
「永代賃貸契約」を結んできた。
大学の医局側は、
必ず医師を供給するかわりに
契約金ともいうべき「上納金」を
集めていた時期もあった。
医局講座制の利点としては、
次の3点が挙げられる。
1. 研究の中心として機能し、
知識の集積ができる
2. 経験豊富な医師から若手へ
連綿とした技術の継承と蓄積ができる
3. 関連病院への
医師の安定供給ができる
他方、欠点としては、
次の3点が主なものとして挙げられる。
1. 研究重視、臨床軽視の
風潮になりやすい
2. ヒト・モノ・カネの流れが不明瞭である
3. 医師から、就職先選択・
居住地域選定・自由を奪う
○医師不足の原因は?
それでは、改めて医師不足の原因は
何にあるのかを考えてみよう。
大きく分けると以下の3点が考えられる。
(1)従来より絶対的な
医師数が少なかった。
わが国の人口1000人当たりの
臨床医数は、OECD加盟国の
平均3.0人(2005年)
より低い2.0人(2005年)しかおらず、
医師の絶対数は不足していると言える。
このような、ベースラインとしての
医師数不足に対して、以前から、
大学卒業直後の若手医師の劣悪な
研修環境や労働環境で
吸収してきた歴史があった。
1946年(昭和21年)に創設された
実地修練制度
(いわゆるインターン制度)では、
大学医学部卒業後、
医師国家試験受験資格を
得るための義務として、
「卒業後1年以上の診療及び
公衆に関する実地修練」
を行うこととされた。
これは、大学医学部を卒業後1年の間、
医師としての身分のないまま
診療行為に参加し、
無給で何の保障もなく、
違法と知りながら
医療行為を行わねばならない
ことであった。
それが「インターン闘争」などの
社会問題となり、
1968年(昭和43年)に、
実地修練制度が廃止され、
臨床研修制度が創設された。
これは、大学医学部卒業直後に
医師国家試験を受験し、
医師免許取得後も
2年以上の臨床研修を行うように
努めるものとする
(努力規定)ものであり、
これにより、大学卒業後すぐに
医師国家試験を受けて医師免許を
得ることが可能になった。
こうして研修医は医師としての
身分の保障はなされたが、依然として
労働面や給与面での処遇には
問題が多かった。
すなわち、もともと正規スタッフとしての
医師数の絶対的な不足を、大学の
医学部教授を頂点とした医局が、
過酷で無休・薄給の労働環境を
研修医中心とした若手医師に強いて、
今まで対応してきたのだといえる。
前述の通り、医局は、
今まで医学教育のみならず、
医学研究、医師のキャリアのすべてに
強大な影響力をもたらしていた。
(2)新医師臨床研修制度を
きっかけとする医局制度の崩壊
2004年(平成16年)
4月1日にスタートした
新医師臨床研修制度は、
プライマリ・ケア(初期診療)を
中心とした幅広い
診療能力の習得を目的として、
2年間の臨床研修を
義務化するとともに、
今まで薄給であった
研修医に適正な給与の支給と
研修中のアルバイトの禁止
などを定めた。
この制度では、若手医師が研修先を
自由に選べるようになったため、
従来の医局の影響力が低下した。
この教育制度の変化は
従来の医局制度を
破壊するインパクトとなり、
様々な影響を及ぼしつつある。
マッチング制度の導入によって、
研修先を自由に
選べるようになった結果、
研修医は都市部へ集中し、
地方の医師数は
(病院数および患者数に対して)
決定的に不足する事態を生んでいる。
さらに、今までは
研修医の収入源として、
行われていた研修医の当直や
外来診療行為の
アルバイトが禁じられたことで、
夜間および休日の当直業務を行う
医師の確保が非常に困難となっている。
都市部に研修医が集中したことにより、
今までのように、
研修医を多く抱えることの
できなくなった
大学病院(主に地方)が
人手確保のため関連病院へ
派遣した医師を
引き揚げ始めており、
人口過疎地では
医療そのものが成り立たなくなる
などの問題も出始めている。
また、新医師臨床研修制度により、
新任医師は志望科にかかわらず
多くの科を
ローテーションするようになった。
しかし、志望科にかかわらず、
半強制的に各科を研修するため、
教える側と教わる側の
意識・意欲のギャップが
生ずることもある。
加えて、新制度に対応した研修方法が
施設によっては確立されていないため、
本来の目的である幅広い
診療能力の習得とはかけ離れた
研修が行われているのが現状である。
また、専攻科を選択する前に
医療現場の現実を
目の当たりにするため、
過重な労働を
強いられる専門科や
訴訟リスクの高い専門科を
医師は選択しなくなってきた。
(3)医療訴訟の増加
近年では、医療行為上の過失につき
刑事責任を問う
刑事訴訟が注目されている。
帝王切開手術を受けた
産婦が死亡したことについて、
手術を執刀した産婦人科の医師1人が
業務上過失致死と
医師法違反の容疑で
逮捕された福島県大野病院産科での
医療事故
(2006年2月18日逮捕)などが
その最たる例だ。
統計的には医療行為上の過失が
刑事事件として立件されるケースは
近年大幅に増加しており、
大きな議論を巻き起こしている。
医療訴訟の事件数は、
全国の新受件数で見ると、
1996年度(平成8年度)には
575件(全民事事件数:14万2959件)
であったのが、平成16年度には
1110件(13万9017件)
に増加した。
しかし、2005年度(平成17年度)には
前年度比で1割程度減少し999件、
2006年度(平成18年度)も912件と
2年連続で減少傾向である
(厚生労働省審議会資料による)。
医療訴訟の平均審理期間
(第一審裁判所で、
訴えが提起されてから、
判決や和解などで事件が
終了するまでの期間)は、
全国データで1996年度には
37.0か月(3年1カ月)であったのが、
2005年度には26.9か月(約2年3カ月)
となっており、
事件数の増加にもかかわらず、
審理期間は
短縮されていることが分かる。
ただ、一般の民事訴訟の
平均審理期間が
2005年度8.4カ月であることと比べると
長い時間を要する訴訟である。
医師にとって訴訟される
ということは、精神的にも肉体的にも
非常にダメージをもたらす。
医師人生を左右するような訴訟を
回避するために、
訴訟リスクの低い専門科を
若手の医師が選択することは、
人情として理解できる。
○医師不足の悪循環
もともと絶対的な
マンパワー不足であった
医師の現場は、
医局制度の求心力の低下とともに、
問題が表面化してきた。
そして、現場では少ない医師数を
補うために、現場の医師が、
当直回数を増やしたり、
出勤日数を増やしたりして、
自身の労働環境を
更に悪化させて対応しているが、
これは抜本的対策とはいえず、
精神論的に対応し、
力尽きた医師のフォローに
残りの医師が対応する
悪循環が続いている。
(つづく)
※この記事は、松下政経塾の
医療研究会が執筆した論文を元に、
編集部が構成しなおしたものです。
『nikkei BPnet: 2009年1月1日、1』
『nikkei BPnet: 2009年1月1日、2』
『nikkei BPnet: 2009年1月1日、3』
『nikkei BPnet: 2009年1月1日、4』
『nikkei BPnet: 2009年1月1日、5』
医療崩壊の主因として、
「医師不足」がある。
というのは、基本的には
私の考えと一緒です。
この記事にも書いてある通り、
>医師不足の議論は、絶対数の不足、
医療機関での必要医師数の不足、
都市・地方の地域偏在による不足、
診療科毎の医師数の不均衡
などに分類できる。
というのもあるんですけど。
これに加えて、
患者の数に対する医師の不足、
という「相対的な医師不足」
というのもあると思います。
日本では、1人の患者が一年間で
病院(診療所)に受診する回数って、
2000年のデーターで、14.4回。
これって、他の先進国の、
3-5倍位なんですよ。
ベッドの数も、人口当たりだと、
2-4倍くらいですから。
単純に言うと、日本の医者って、
外来の患者も入院の患者も、
他の先進国の2-5倍位、
診察している。
っていう計算になります。
(参照 OECD「Health Data 2003」)
『医療制度の国際比較(5) 医療資源 』
それに加えて、日本では事務職員や
医療秘書、医療助手、看護師、薬剤師、
技師等でも出来る仕事を、
医師にやらす病院も非常に多いので。
医師の仕事が、非常に多いです。
絶対的な医師不足に加えて、
そういう、相対的な医師不足や
医師の業務が非常に多い、
という事にも言及していただければ、
より良かったかな、とは思いますが。
おおかた、私の主張と
一緒だと思います。
医局制度に関しては、
まあそんなもんかな、と思うので。
特に付け加える事はないんですけど。
新医師臨床研修制度に関しては、
もう少し補足したいですね。
2004年(平成16年)4月1日に
スタートした
新医師臨床研修制度のせいで、
日本の医療崩壊は加速しました。
たしかに、それはそうなんで。
最近になって、新医師臨床研修制度を
2年から1年にする、とか。
小手先の改善策を
取ろうとしていますけど。
たぶん、これでは
ほとんど意味ないですね。
この記事にも書いてある通り、
2004年の新医師臨床研修制度の後、
研修医は都市部や
症例数の多い病院に
たくさん行きました。
その結果、地方で研修をする医師が
少なくなったんですけど。
これって、研修期間2年を1年にしたら、
解消される事なんですか?
違うでしょ、それ。
なんで、こういう事になったか、
っていうと。
一番大きな原因は、
定員の問題だと思いますよ。
厚生労働省のHPを見ると、
H16年(2004年)-H20年(2008年)
まで、研修医の数は
7300-7700人台です。
国家試験を受ける人数は、
これよりもう少し多い
8000人ちょっとなのですが。
合格率は90%前後だし。
受かっても、ストレートで
研修を受けないとか。
医師以外の職業になる、
っていう人も中にはいますので。
実際に研修を受ける研修医の人数は、
7300-7700人台に
なっているようですね。
参照:『「厚生労働省HP」:臨床研修医の在籍状況(平成20年度)』
一方、研修医を受け入れる
病院の定員は。
医道審議会医師分科会医師臨床研修部会の資料によると。
自治体病院における新臨床研修制度
平成19年2月22日
H17年4月
定員 マッチ数 空席数 マッチ率
11,122 8,000 3,122 71.9%
H18年4月
11,228 8,100 3,128 72.1%
H19年4月
11,306 8,094 3,212 71.6%
『医道審議会医師分科会医師臨床研修部会:H19.2.22』
国家試験を受ける人数が
8000人位で、
定員が11000人なんだから。
実際の研修医の数よりも、
3割くらい多いんですよ。
定員の方が。
と、いう事は、研修医が行かない病院。
少ない病院っていうのが出てくるのは
むしろ当たり前の事ですね。
研修医に職業選択の自由を与えた、
というか、研修する
病院の自由を与えた。
という事なので、いわゆる
「勝ち組病院」と
「負け組み病院」が出る。
というのは当然なんですけど。
これが問題だ、っていうのであれば、
単純に「定員を減らせば良い」んですよ。
地域によって、北海道は300人とか。
沖縄なら、100人とか。
都道府県単位、もしくはブロック単位で
おおざっぱに定員を決めて。
全国の定員を、
国家試験を受ける人数の
8000人位にすれば良いんですよ。
そうなると、優秀な学生が
人気のある病院で
研修を受ける事ができて。
そうでない人間は、
あまり人気のない病院で
研修をする、って事になりますから。
学生時代に、もっと頑張って勉強する。
という事になると思いますけどねー。
残念ながら、今の研修制度の中で
研修医が欲しい、
って言っている病院で、
研修医の指導が十分ではない病院。
っていうのが、結構あるんですよ。
地方自治体病院とか、
そういうとこで多いかな。
研修医を指導できる
体制がないんだから、
本来であれば、
研修医を受け入れちゃ
駄目なんですよ。
でも、医師不足だから、
戦力として研修医が欲しいとか。
面子の為に、研修医に
働いてもらいたい、とか。
そんな理由で、研修医を募集している
病院もたくさんあります。
そういう、「なんちゃって研修病院」
は淘汰して、
最初から定員の中には入れないで。
大病院や地方の中堅病院で、
きちんと研修医の
指導ができる体制の病院。
これだけに絞って、
定員を地方毎に決めて、
だいたい8000人位にする。
これは、すぐにでも行うべき事だと
思いますけどねー、私は。
それと、研修医の指導には
当然ながら労力とコストが
かかりますから。
研修病院は、
きちんとした病院に絞って、
それらの病院には
それなりの報酬を出す。
という事も必要だと思います。
新医師臨床研修制度で
問題になっているのは、
実は「指導医」が足りない、
って事も大きいんですよ。
医師歴、10-20年とか。
知識も経験もあって、まだ体力もあって、
現場でばりばり働いている人間。
そういう医師の負担ばっかり増えて、
全く報酬もない。
そして、大学病院に人が足りなくなって、
そういう一線で働いている人間が、
大学に戻されて。
そいで、地方の病院から、
中堅の医師が不足する。
という悪循環がありますから。
そこを抑える、
っていう政策を立てないと。
小手先の、研修期間を1年にする、
とかじゃ、全く意味ないと思いますよ。
こういう本も参考にしてね!
誰が日本の医療を殺すのか―「医療崩壊」の知られざる真実
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今年もよろしくおねがいします!
2009年最初のブログで、
いきなり重い話題なのですが。
医療崩壊の原因と課題について、
結構良いこと書いてあった
記事があったので、
ここで紹介しますね。
医療崩壊の原因で大きいのは、
医師不足と医療費不足だ。
っていう事は、すーっとこのブログで
私が主張していることです。
ブログ始めて、約3年になりますけど。
2年位前か、それ以上前から、
ずっとその話をしているつもりです。
もちろん、それ以外にも、
医療者側の問題とか、
マスコミの問題、医療訴訟の問題。
それと、マスコミの医療報道や、
マスコミでも良く話題になっている、
新医師臨床研修制度。
それと、最近やっと少しずつ
話題になっている、
コンビニ救急や
モンスターペイシェント等の、
患者側の問題とか。
そういう、いろんな問題が合わさって、
「医療崩壊」が起こって、
現在も進んでいます。
んで、政治の世界では有名な、
「松下政経塾」っていうのに、
「医療研究会」
っていうのがあったんです。
そこに書いてあった記事です。
まあ、日経BPに
書いてあったんですけどね。
医療崩壊 ~医師不足を切り口に~
2009年1月1日
松下政経塾 医療研究会
(熊谷 大、北川 晋一、
高橋 宏和、津曲 俊明)
昨今声高に叫ばれるようになった
「医療崩壊」を
医師不足という観点から照射し、
崩壊の原因と課題、
そして解決策を3回に分けて探る。
○問題はどこにあるのか
~医師不足の議論~
医師は不足しているのか、
それとも足りているのか。
今まで様々な議論がなされてきた。
各県一医大
(各県に必ず医科大学を1つ創設する)
構想や私立新設医学部の急増により、
一時は医学部入学定員が
大幅に増やされたが、
その後、医師過剰が危惧されたため
1984年以降、医学部の定員が
最大時に比べて
7パーセント減らされた。
昨今、以下に示す
新臨床研修医制度の影響などで
医療の場においては、医師の不足が
大きく叫ばれるようになってきている。
医師不足の議論は、絶対数の不足、
医療機関での必要医師数の不足、
都市・地方の地域偏在による不足、
診療科毎の医師数の
不均衡などに分類できる。
これらの議論に
大きく関わってくるのが、
医師の教育体制である。
医師の養成から就職にまで
強い影響力を持つ
この教育体制は、
医局講座制と呼ばれている。
医局講座制とは何なのか?
まず、そこから見ていこう。
○医局講座制とは?
医師不足を考える際に、
避けて通れないのが
医局講座制である。
従来、医師は大学で6年間の教育を
受けた後に、自分の専門領域を選択し、
「医局」と呼ばれる組織に入る。
医局とは、大学教授を頂点として、
准教授、講師、助手などの序列を
持った組織であり、大学院で
博士号を取得する際にも、また、
病院に就職する際にも、
大きな影響力を持つ。
すなわち、医師は、医学部での教育を
受けるときから、その後、
専門性を高めるために
研究するときにも。
またさらに、
就職先を考える際にも、
医局の影響力下で
決めなければならない。
いわば、医師は自分の医師人生を
医局に委ねるような形となる。
このように、医局は医師の人事権を
掌握しているため、「医局の病院支配」
と呼ばれる状態が今まで
大学側の医局と
関連病院の間で続いていた。
昔から、病院は経営の中心を担う
医師の獲得に苦労してきた。
そのため、安定的に
医師の供給を得るために、
医局に対して、いわば
「永代賃貸契約」を結んできた。
大学の医局側は、
必ず医師を供給するかわりに
契約金ともいうべき「上納金」を
集めていた時期もあった。
医局講座制の利点としては、
次の3点が挙げられる。
1. 研究の中心として機能し、
知識の集積ができる
2. 経験豊富な医師から若手へ
連綿とした技術の継承と蓄積ができる
3. 関連病院への
医師の安定供給ができる
他方、欠点としては、
次の3点が主なものとして挙げられる。
1. 研究重視、臨床軽視の
風潮になりやすい
2. ヒト・モノ・カネの流れが不明瞭である
3. 医師から、就職先選択・
居住地域選定・自由を奪う
○医師不足の原因は?
それでは、改めて医師不足の原因は
何にあるのかを考えてみよう。
大きく分けると以下の3点が考えられる。
(1)従来より絶対的な
医師数が少なかった。
わが国の人口1000人当たりの
臨床医数は、OECD加盟国の
平均3.0人(2005年)
より低い2.0人(2005年)しかおらず、
医師の絶対数は不足していると言える。
このような、ベースラインとしての
医師数不足に対して、以前から、
大学卒業直後の若手医師の劣悪な
研修環境や労働環境で
吸収してきた歴史があった。
1946年(昭和21年)に創設された
実地修練制度
(いわゆるインターン制度)では、
大学医学部卒業後、
医師国家試験受験資格を
得るための義務として、
「卒業後1年以上の診療及び
公衆に関する実地修練」
を行うこととされた。
これは、大学医学部を卒業後1年の間、
医師としての身分のないまま
診療行為に参加し、
無給で何の保障もなく、
違法と知りながら
医療行為を行わねばならない
ことであった。
それが「インターン闘争」などの
社会問題となり、
1968年(昭和43年)に、
実地修練制度が廃止され、
臨床研修制度が創設された。
これは、大学医学部卒業直後に
医師国家試験を受験し、
医師免許取得後も
2年以上の臨床研修を行うように
努めるものとする
(努力規定)ものであり、
これにより、大学卒業後すぐに
医師国家試験を受けて医師免許を
得ることが可能になった。
こうして研修医は医師としての
身分の保障はなされたが、依然として
労働面や給与面での処遇には
問題が多かった。
すなわち、もともと正規スタッフとしての
医師数の絶対的な不足を、大学の
医学部教授を頂点とした医局が、
過酷で無休・薄給の労働環境を
研修医中心とした若手医師に強いて、
今まで対応してきたのだといえる。
前述の通り、医局は、
今まで医学教育のみならず、
医学研究、医師のキャリアのすべてに
強大な影響力をもたらしていた。
(2)新医師臨床研修制度を
きっかけとする医局制度の崩壊
2004年(平成16年)
4月1日にスタートした
新医師臨床研修制度は、
プライマリ・ケア(初期診療)を
中心とした幅広い
診療能力の習得を目的として、
2年間の臨床研修を
義務化するとともに、
今まで薄給であった
研修医に適正な給与の支給と
研修中のアルバイトの禁止
などを定めた。
この制度では、若手医師が研修先を
自由に選べるようになったため、
従来の医局の影響力が低下した。
この教育制度の変化は
従来の医局制度を
破壊するインパクトとなり、
様々な影響を及ぼしつつある。
マッチング制度の導入によって、
研修先を自由に
選べるようになった結果、
研修医は都市部へ集中し、
地方の医師数は
(病院数および患者数に対して)
決定的に不足する事態を生んでいる。
さらに、今までは
研修医の収入源として、
行われていた研修医の当直や
外来診療行為の
アルバイトが禁じられたことで、
夜間および休日の当直業務を行う
医師の確保が非常に困難となっている。
都市部に研修医が集中したことにより、
今までのように、
研修医を多く抱えることの
できなくなった
大学病院(主に地方)が
人手確保のため関連病院へ
派遣した医師を
引き揚げ始めており、
人口過疎地では
医療そのものが成り立たなくなる
などの問題も出始めている。
また、新医師臨床研修制度により、
新任医師は志望科にかかわらず
多くの科を
ローテーションするようになった。
しかし、志望科にかかわらず、
半強制的に各科を研修するため、
教える側と教わる側の
意識・意欲のギャップが
生ずることもある。
加えて、新制度に対応した研修方法が
施設によっては確立されていないため、
本来の目的である幅広い
診療能力の習得とはかけ離れた
研修が行われているのが現状である。
また、専攻科を選択する前に
医療現場の現実を
目の当たりにするため、
過重な労働を
強いられる専門科や
訴訟リスクの高い専門科を
医師は選択しなくなってきた。
(3)医療訴訟の増加
近年では、医療行為上の過失につき
刑事責任を問う
刑事訴訟が注目されている。
帝王切開手術を受けた
産婦が死亡したことについて、
手術を執刀した産婦人科の医師1人が
業務上過失致死と
医師法違反の容疑で
逮捕された福島県大野病院産科での
医療事故
(2006年2月18日逮捕)などが
その最たる例だ。
統計的には医療行為上の過失が
刑事事件として立件されるケースは
近年大幅に増加しており、
大きな議論を巻き起こしている。
医療訴訟の事件数は、
全国の新受件数で見ると、
1996年度(平成8年度)には
575件(全民事事件数:14万2959件)
であったのが、平成16年度には
1110件(13万9017件)
に増加した。
しかし、2005年度(平成17年度)には
前年度比で1割程度減少し999件、
2006年度(平成18年度)も912件と
2年連続で減少傾向である
(厚生労働省審議会資料による)。
医療訴訟の平均審理期間
(第一審裁判所で、
訴えが提起されてから、
判決や和解などで事件が
終了するまでの期間)は、
全国データで1996年度には
37.0か月(3年1カ月)であったのが、
2005年度には26.9か月(約2年3カ月)
となっており、
事件数の増加にもかかわらず、
審理期間は
短縮されていることが分かる。
ただ、一般の民事訴訟の
平均審理期間が
2005年度8.4カ月であることと比べると
長い時間を要する訴訟である。
医師にとって訴訟される
ということは、精神的にも肉体的にも
非常にダメージをもたらす。
医師人生を左右するような訴訟を
回避するために、
訴訟リスクの低い専門科を
若手の医師が選択することは、
人情として理解できる。
○医師不足の悪循環
もともと絶対的な
マンパワー不足であった
医師の現場は、
医局制度の求心力の低下とともに、
問題が表面化してきた。
そして、現場では少ない医師数を
補うために、現場の医師が、
当直回数を増やしたり、
出勤日数を増やしたりして、
自身の労働環境を
更に悪化させて対応しているが、
これは抜本的対策とはいえず、
精神論的に対応し、
力尽きた医師のフォローに
残りの医師が対応する
悪循環が続いている。
(つづく)
※この記事は、松下政経塾の
医療研究会が執筆した論文を元に、
編集部が構成しなおしたものです。
『nikkei BPnet: 2009年1月1日、1』
『nikkei BPnet: 2009年1月1日、2』
『nikkei BPnet: 2009年1月1日、3』
『nikkei BPnet: 2009年1月1日、4』
『nikkei BPnet: 2009年1月1日、5』
医療崩壊の主因として、
「医師不足」がある。
というのは、基本的には
私の考えと一緒です。
この記事にも書いてある通り、
>医師不足の議論は、絶対数の不足、
医療機関での必要医師数の不足、
都市・地方の地域偏在による不足、
診療科毎の医師数の不均衡
などに分類できる。
というのもあるんですけど。
これに加えて、
患者の数に対する医師の不足、
という「相対的な医師不足」
というのもあると思います。
日本では、1人の患者が一年間で
病院(診療所)に受診する回数って、
2000年のデーターで、14.4回。
これって、他の先進国の、
3-5倍位なんですよ。
ベッドの数も、人口当たりだと、
2-4倍くらいですから。
単純に言うと、日本の医者って、
外来の患者も入院の患者も、
他の先進国の2-5倍位、
診察している。
っていう計算になります。
(参照 OECD「Health Data 2003」)
『医療制度の国際比較(5) 医療資源 』
それに加えて、日本では事務職員や
医療秘書、医療助手、看護師、薬剤師、
技師等でも出来る仕事を、
医師にやらす病院も非常に多いので。
医師の仕事が、非常に多いです。
絶対的な医師不足に加えて、
そういう、相対的な医師不足や
医師の業務が非常に多い、
という事にも言及していただければ、
より良かったかな、とは思いますが。
おおかた、私の主張と
一緒だと思います。
医局制度に関しては、
まあそんなもんかな、と思うので。
特に付け加える事はないんですけど。
新医師臨床研修制度に関しては、
もう少し補足したいですね。
2004年(平成16年)4月1日に
スタートした
新医師臨床研修制度のせいで、
日本の医療崩壊は加速しました。
たしかに、それはそうなんで。
最近になって、新医師臨床研修制度を
2年から1年にする、とか。
小手先の改善策を
取ろうとしていますけど。
たぶん、これでは
ほとんど意味ないですね。
この記事にも書いてある通り、
2004年の新医師臨床研修制度の後、
研修医は都市部や
症例数の多い病院に
たくさん行きました。
その結果、地方で研修をする医師が
少なくなったんですけど。
これって、研修期間2年を1年にしたら、
解消される事なんですか?
違うでしょ、それ。
なんで、こういう事になったか、
っていうと。
一番大きな原因は、
定員の問題だと思いますよ。
厚生労働省のHPを見ると、
H16年(2004年)-H20年(2008年)
まで、研修医の数は
7300-7700人台です。
国家試験を受ける人数は、
これよりもう少し多い
8000人ちょっとなのですが。
合格率は90%前後だし。
受かっても、ストレートで
研修を受けないとか。
医師以外の職業になる、
っていう人も中にはいますので。
実際に研修を受ける研修医の人数は、
7300-7700人台に
なっているようですね。
参照:『「厚生労働省HP」:臨床研修医の在籍状況(平成20年度)』
一方、研修医を受け入れる
病院の定員は。
医道審議会医師分科会医師臨床研修部会の資料によると。
自治体病院における新臨床研修制度
平成19年2月22日
H17年4月
定員 マッチ数 空席数 マッチ率
11,122 8,000 3,122 71.9%
H18年4月
11,228 8,100 3,128 72.1%
H19年4月
11,306 8,094 3,212 71.6%
『医道審議会医師分科会医師臨床研修部会:H19.2.22』
国家試験を受ける人数が
8000人位で、
定員が11000人なんだから。
実際の研修医の数よりも、
3割くらい多いんですよ。
定員の方が。
と、いう事は、研修医が行かない病院。
少ない病院っていうのが出てくるのは
むしろ当たり前の事ですね。
研修医に職業選択の自由を与えた、
というか、研修する
病院の自由を与えた。
という事なので、いわゆる
「勝ち組病院」と
「負け組み病院」が出る。
というのは当然なんですけど。
これが問題だ、っていうのであれば、
単純に「定員を減らせば良い」んですよ。
地域によって、北海道は300人とか。
沖縄なら、100人とか。
都道府県単位、もしくはブロック単位で
おおざっぱに定員を決めて。
全国の定員を、
国家試験を受ける人数の
8000人位にすれば良いんですよ。
そうなると、優秀な学生が
人気のある病院で
研修を受ける事ができて。
そうでない人間は、
あまり人気のない病院で
研修をする、って事になりますから。
学生時代に、もっと頑張って勉強する。
という事になると思いますけどねー。
残念ながら、今の研修制度の中で
研修医が欲しい、
って言っている病院で、
研修医の指導が十分ではない病院。
っていうのが、結構あるんですよ。
地方自治体病院とか、
そういうとこで多いかな。
研修医を指導できる
体制がないんだから、
本来であれば、
研修医を受け入れちゃ
駄目なんですよ。
でも、医師不足だから、
戦力として研修医が欲しいとか。
面子の為に、研修医に
働いてもらいたい、とか。
そんな理由で、研修医を募集している
病院もたくさんあります。
そういう、「なんちゃって研修病院」
は淘汰して、
最初から定員の中には入れないで。
大病院や地方の中堅病院で、
きちんと研修医の
指導ができる体制の病院。
これだけに絞って、
定員を地方毎に決めて、
だいたい8000人位にする。
これは、すぐにでも行うべき事だと
思いますけどねー、私は。
それと、研修医の指導には
当然ながら労力とコストが
かかりますから。
研修病院は、
きちんとした病院に絞って、
それらの病院には
それなりの報酬を出す。
という事も必要だと思います。
新医師臨床研修制度で
問題になっているのは、
実は「指導医」が足りない、
って事も大きいんですよ。
医師歴、10-20年とか。
知識も経験もあって、まだ体力もあって、
現場でばりばり働いている人間。
そういう医師の負担ばっかり増えて、
全く報酬もない。
そして、大学病院に人が足りなくなって、
そういう一線で働いている人間が、
大学に戻されて。
そいで、地方の病院から、
中堅の医師が不足する。
という悪循環がありますから。
そこを抑える、
っていう政策を立てないと。
小手先の、研修期間を1年にする、
とかじゃ、全く意味ないと思いますよ。
こういう本も参考にしてね!
誰が日本の医療を殺すのか―「医療崩壊」の知られざる真実
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