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現役医師、循環器内科医(Dr. I)が医療について、詳しくわかりやすく解説するブログ。 引用、転載は自由ですが、その際は必ず引用元を明記して下さいね!
医師の当直勤務は時間外労働
医師当直勤務っていうのは、
本当はただ寝ているだけとか。
そういう事になっているので。
実際に患者を診察したり、
たくさん働いている場合は、
時間外労働として、
時間外手当を貰える。
っていう事に、法律上はなってるけど。
実際に、そういう事で訴訟を起こして
医師が勝った、っていう裁判は、
今までにはなかったんです。

でもついに、
画期的な判決が出ましたよ。

奈良県立奈良病院で、奈良県を相手に
裁判を起こした医師が、当直中の
時間外割増賃金
を勝ち取りました。

一番詳しいのは、産経ニュースですね。



当直医に残業代支払え 
「断続的勤務」に該当せず 
奈良地裁

奈良県立奈良病院(奈良市)の
男性産婦人科医2人が、夜間宿直
休日などの勤務に対し、正当な
労働対価が支払われていないとして、
県に平成16~17年の
割増賃金未払い分計約9230万円
の支払いを求めた訴訟の判決が
4月22日、奈良地裁であり、
坂倉充信裁判長は県に
計約1500万円の支払いを命じた。

原告側弁護士や県によると、
公立病院では、医師宿直
休日勤務に一定額の手当の支払いで
済ませているケースが大半。

こうした勤務にも割増賃金を支払うべき
と認定した判決は、産婦人科などで
目立つ医師不足や
偏在の要因となってきた
労働環境をめぐる議論に
影響を与えそうだ。

弁論では、医師らの宿直
休日(宿日直)勤務が、労働基準法や
人事院規則にのっとって県が定め
た条例で割増賃金を支払う必要が
ないと定められた「断続的勤務」
かどうかが大きな争点となった。

坂倉裁判長は判決理由で、
断続的勤務に該当する
宿日直勤務について、
「構内巡視や文書・電話の収受など
常態としてほとんど労働する
必要のない勤務」と判示。

同病院の産婦人科医師らの
勤務実態は「宿日直の24%の時間、
救急患者の措置や緊急手術などの
通常業務に従事していた」と認定し、
断続的勤務には該当しないと判断した。

その上で、宿日直中は
「奈良病院の指揮命令下にあり、
割増賃金を支払うべき対象の
労働時間にあたる」と指摘。
訴えのうち、時効が未成立の
平成16年10月末以降の
割増賃金の支払いを命じた。


「2009.4.22:産経ニュース」


産経には書いていない事が、
読売には書いてあったので。
大事なことなんで、
こっちも引用しますね。



医師当直勤務は「時間外労働」、
割増賃金支払い命じる判決


奈良県立奈良病院(奈良市)の
産婦人科医2人が、県を相手取り、
夜間や休日の当直などは
時間外労働に当たり、手当支給だけで
賃金を払わないのは労働基準法に
違反するとして、2004、
05年分の時間外割増賃金
計約9200万円の支払いを
求めた訴訟の判決が22日、
奈良地裁であった。

坂倉充信裁判長
(一谷好文裁判長代読)は
「当直時間に分娩(ぶんべん)や
新生児の治療など
通常業務を行っており、
割増賃金が不要な
勤務とは到底いえない」
として、県に対し、労働基準法上の
請求期限の時効分を除く、
当直分の割増賃金として、
それぞれ736万円と
802万円の支払いを命じた。

通常勤務並みという医師
当直勤務を時間外労働
認めた初の判断。
産科医の過重労働が
問題となる中、全国の
病院運営に影響を与えそうだ。

また、坂倉裁判長は、緊急時に
備えて医師が自宅で待機する
宅直」については「医師間の
自主的な取り決めで病院の
内規にもなかった」として、
割増賃金を認めなかった。



『2009年4月22日:読売新聞』



医師当直勤務が通常勤務並み
って病院はたくさんあるけど。
ほとんどの場合は、
どんなに働いても、「当直代
以外のお金は出ません。

当直代」ってのは、
ただ寝てるだけの分だから。
実働時間に関しては、
その分の時間外手当を出す。
っていう病院すら、ほとんどありません。

それが、当直中は、
実働時間だけでなく、
待機時間も全部含めて、
時間外労働
だって
認定されていますから。
非常に画期的な判断です。

そういう意味では、評価しても
良いと思いますが。

ちょっと問題なのは、

>緊急時に備えて医師
 自宅で待機する
 「宅直」については「医師間の
 自主的な取り決めで病院の
 内規にもなかった」として、
 割増賃金を認めなかった。


この「自主的」っていうとこですね。

産婦人科の場合、緊急帝王切開
という事になれば、手術ですから。
1人では出来ないんですよ。
だから、当直は1人でも、
帝王切開とか手術が必要な
患者が来た時に備えて、
必ずもう1人、自宅待機
いわゆる「宅直」の医師がいるんです。

宅直」の場合は、病院にずーっと
泊り込む必要はないけど。
いつ緊急の患者
来るかわからないから、
いつ呼び出されても良いように、
病院の近くで待機しているし。
もちろん、お酒も飲めません。

欧米では、待機している
時間も労働時間
、という事は、
常識になっているのですけど、
日本ではそこまでいってないんです。


ちなみに、以前に私が
ブログに書いた記事はこちら。

『医師の超勤手当』



更に詳しい記事が
m3.comに載っていたので、
こちらも引用しますね。

橋本佳子編集長の記事です。



宿直問題で画期的判決!
時間外手当の支払い命じる

奈良県立奈良病院の
産婦人科医2人が、未払いだった
時間外手当の支給を求めていた
裁判の判決が4月22日
午後1時10分から、
奈良地裁であり、A医師
736万8598円、B医師
802万8137円の支払うよう、
奈良県に命じました。
判決後の記者会見で、代理人の
藤本卓司弁護士は、
こうコメントしました。 


宿直勤務は、待機時間を含めて
すべて勤務時間とした画期的判決。
宅直勤務分の支払いは
認められなかったのは不満だが、
最も主張していたのは宿直
勤務時間として認めるべき
という点だったので、
6-7割は勝訴したと言っていい」


提訴したのは、2006年12月4日
(提訴の経緯は、『時間外手当支払いを
求めて提訴したわけ』

にまとめています)。

賃金の支払いを求めたのは、
2004年と2005年の2年分。
当時、奈良病院では、宿日直に対し、
1回2万円の手当が
支払われていたのみで、
宅直(オンコール)については
手当が付きませんでした
(その後、手当の体系は一部、見直し)。

しかし、実際には、宿日直と言っても、
入院患者の急変や救急患者への
対応など、通常勤務と
変わらなかったため、
「時間外・休日労働に対する割増賃金」
(時間外手当)の支払いを
求めたわけです。

A医師は2年間で、
宿日直155日のほか、
オンコールが120日、B医師
宿日直158日、
オンコール126日でした。
これらがすべて時間外勤務に該当し、
未払いの賃金として請求したのは
A医師4427万9189円、
B医師4804万9566円でした。

今回の判決では、宿日直分に
ついては支払いが認められました。
額がやや少ないのは、提訴したのが
2006年12月4日で、時効が
成立した分があるためです。
「時効が成立していない分については、
すべて時間外割増賃金の
支払いが認められた」(藤本氏)。

一方、オンコール分が
認められなかったのは、
県の命令ではなく、
医師たちが自主的に
行っていたためです。

しかし、当時、奈良病院の
産婦人科は5人体制で、
宿直は1人体制でした。
「帝王切開手術のほか、
夜間の救急外来への対応などがあり、
1人体制では無理。
本来なら2人体制で宿直を
すべきところなのに、それを
補うために医師たちが
自主的にオンコールをやっていた。
したがって、このオンコール分が
認められないのはおかしい」(藤本氏)。


なお、2006年と2007年分の
未払い分については
別途提訴しています。
この裁判は進行中のため、
ここでオンコール分の
支払いも求めていくそうです。
また、現時点で原告側が
控訴するかどうかは未定だそうです。


この判決の影響について藤本氏は、
医師不足の中で、医師は過酷な
労働を強いられている。
しかし、今は予算がないなどの理由で、
1回当たりいくら、という
宿日直手当てを支払い、
『これで我慢してくれ』
と言われている状況。

しかし、今回の判決では、
こういう扱いは許されず、
勤務させるなら割増賃金を
支払うよう求めている」と分析。

裁判はあくまで個別ケースで
反対されるので、「どこまでが
宿直扱いで、どこからが通常勤務か」
の線引きは難しいのですが、
宿日直勤務は
「常態としてほとんど労働する
必要がない勤務」ですから、
他の病院勤務医でも宿日直ではなく、
「通常勤務」として認められる
可能性は高いのです。
その意味で、この判決の影響は
大きいと言えるでしょう。


詳細は別途、医療維新の
コーナーでお届けします。

『2009年04月22日:So-net M3』



当直も、実際に働いている分は、
労働時間として、
時間外手当を払いなさい。

っていう事ではなくて、
当直で病院に泊まっている時間は、
ずーっと待機しているんだから。
その分も時間外手当として払いなさい。

っていう判決なんですよ、これ。

それが、
>「宿直勤務は、待機時間を含めて
 すべて勤務時間とした画期的判決。


の意味です。

確かに、画期的です。
でも家で待機している時間は、
自主的だったから、
払わなくても良い。
っていう理屈のようですから。

逆に言うと、「業務命令」で、
家で待機「宅直」をしていたら、
時間外手当を貰える。
っていう事なんでしょうかね。
この裁判官の理屈は。


医師の皆さんは、「自主的
宅直、当番の表を作らないで、
業務命令」でやるようにして下さいね。


ちなみに、動画はこれっす。

『2009.4.22:読売テレビ』


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医師の勤務状況は改善されず
病院勤務医の負担軽減を目指す」、
って事で2008年度診療報酬
改定
されたんですけど。

その効果について、
中央社会保険医療協議会(中医協)が
実施した検証調査を行いました。

そのアンケートでは、
「改定前より勤務状況が改善された」
と回答した医師
17%だけなんですね。

まあ、予想通りと言えば
予想通りではありますけど。
ちょっと情けないですね。


そもそも、診療報酬
病院の収入なんだから。
医師個人の懐には入らないんですよ。

診療報酬を決めているのは、
素人じゃないんだから。
そんな事は、わかってる
はずなんですけどねー。

やっぱ、
病院勤務医の負担軽減を目指す」、
っていうのは、単なるポーズ
なんでしょうか。


本気で現場の医師の事を思うなら、
いわゆる「ドクターフィー
を作って、医師来個人に報酬を
与えるようなシステム
を作るべきです。

今の時代、病院の多くは赤字だし。
黒字の病院だったら、ほんの一部は
医者に報酬を与えている病院
あるんでしょうけど。
たいした額じゃないですからね。

スタッフが増えたり、
業務の負担が減ったりしてる
わけじゃないんだから。
改善したと感じる医者が
少ないのは当たり前ですよ。



病院医師「勤務改善」17%
検証調査、報酬改定でも


病院勤務医の負担軽減を目指した
2008年度診療報酬改定の
効果について、
中央社会保険医療協議会
(中医協)が実施した検証調査で
「改定前より勤務状況が改善された」
と回答した医師は17%に
とどまったことが
4月15日、分かった。


「悪化した」(41%)、「変わらない」(同)
との回答が改善を上回った。
患者増や医師不足が続き、
診療報酬による対応だけでは
勤務医の負担解消が
難しい実態が浮き彫りになった。


調査は昨年12月から
今年2月に実施、
改定で新設された報酬加算を
取り入れた病院のうち
約500病院が回答。
部長ら責任者の医師約2400人に
現場の勤務状況などを尋ねた。


診療科別では「改善」と答えた
割合が救急(28%)、産科(26%)、
小児科(22%)の順に多かった。
いずれも改定で報酬を
重点配分した分野で、
中医協は一定の効果があったとみて
次回の来年度改定にも
勤務医対策を盛り込む方向だ。


併せて、現場の医師約4200人に
「最も負担が重い日常業務」
を尋ねたところ、
当直勤務が31%と最多だった。


『47news :2009年4月15日』



もう少し詳しい調査の記事が、
m3.comに載っていたので、
そっちも引用しますね。
m3の会員以外の人は、
読めないかもしれないんで。

こっちの記事は、
一年前よりも、業務の負担が増えた。
って事がメインになっていますね。



央社会保険医療協議会

診療への業務負担感
「1年前より増加」が4割

勤務医調査:今後の意向
「今の職場で働きたい」6割、
「診療をやめたい」5%


4月15日、厚生労働省・
中央社会保険医療協議会・
診療報酬結果検証部会において、
病院勤務医の負担軽減の実態調査」
結果概要(速報)が発表された。

勤務医の負担軽減策の取り組み状況、
処遇改善等の把握を目的とするもので、
(1)施設、(2)医師、(3)医師責任者の
3種について実施された。
調査内容は以下の通り
(有効回答数:(1)516施設、
(2) 4227人、(3) 2389人/
実施時期:
2008年12月-2009年2月)。


【施設調査】
施設属性、
勤務医の負担軽減作の実施状況、
勤務医の勤務状況、
入院時医学管理加算、
医師事務作業補助体制、
ハイリスク分娩管理加算に
関する調査項目

医師医師責任者調査】
基本属性、勤務状況、
業務の負担感、
業務分担の実施状況と効果、
処遇改善の有無等、
管理する診療科における
業務負担の状況・勤務実績等


施設調査

◆負担軽減策の取組み状況

「取り組んでいる」との
回答が多かったものは
医師事務作業補助体制」、
「連続当直を行わない勤務シフト」で、
いずれも7割以上。

医師・看護師等の業務分担」
は半数強、
「当直後の通常勤務に係る配慮」
は半数弱。
なお、「当直後の通常勤務に
係る配慮」については、
「計画にあるが、取り組んでいない」
とする回答も23.4%と
比較的高い割合となっている。

一方で、「短時間正規雇用の
医師の活用」は
「取り組んでいる」は25.4%にとどまり、
約半数の施設は「計画にない」
と回答している。


医師への経済面での処遇改善

45%の施設が「改善した」
と回答している。
改善内容は、「基本給増」が36.2%、
「手当増」75.4%、「その他」6.0%
(複数回答)。

基本給増の対象となった医師は、
「全員」が44.0%、
「特定の診療科」19.0%、
「特定の医師」52.4%。
特定の診療科
としては整形外科、
内科、産科・産婦人科
などが多かった。
また、手当増の対象は、
「特定の診療科」の場合は
「産科・産婦人科」が78.7%と
突出して多く、次いで
「小児科」が19.7%、その他は
いずれも10%以下となっている。


医師医師責任者調査

◆1カ月当たり平均当直回数

全体では1カ月当たり平均2.78回。
診療科別に見ると、救急科が
5.48回で最も多く、
次いで産科・産婦人科4.51回、
小児科3.48回、脳神経外科3.03回
などが全体平均を上回った。

2008年と比較すると、
平均当直回数は精神科を除く
すべての診療科で減少している。

「1カ月当たり連
続当直回数の平均」は、
全体では0.13回。
いずれの診療科も0.1回前後で
あるのに対し、産科・産婦人科、
救急科は、それぞれ0.40回、
0.38回と他科を大きく上回った。

なお、施設調査において、
連続当直実施施設は病院全体の
30.6%であり、診療科別では
各診療科とも10-20%だったが、
産科・産婦人科のみ
30.1%と目立って高かった。


◆1年前と比較した勤務状況

医師責任者に、自らが
管理する診療科の状況を訊ねた
調査項目では、1年前と比較して
医師の勤務状況が「改善した」
「どちらかというと改善した」
は16.8%、「悪化した」
どちらかというと悪化した」40.8%、
「変わらない」41.3%。
「改善・どちらかというと改善」の
割合の高い診療科は
救急科、産科・産婦人科、小児科。
「悪化・どちらかというと悪化」の
割合の高い診療科は精神科、
脳神経外科、内科、外科だった。


◆入院診療に係る業務負担

入院診療に係る業務負担が
1年前と比較して「軽減した」
としたのは全体の7.3%。

一方で、「増加した」は43.3%、
「変わらない」は47.4%だった。
業務負担が増加した理由としては、
患者数の増加」、
医師数(非常勤・研修医含む)の
減少、能力不足」、
「手術・分娩回数の増加」、
「事務作業の増加」、
「時間外診療、救急診療の増加」、
「電子化による煩雑化」、
「スタッフ不足」
などが上げられている。


◆外来診療に係る業務負担

「軽減した」は全体で6.0%、
「増加した」は38.3%。
「増加した」とする診療科別は、
精神科が62.1%と高い。
次いで内科、産科・産婦人科、
外科、救急科など。
負担増の理由としては、
入院医療について
上げられたものの他に、
「近隣の病院・診療所の閉鎖・縮小等」、
「外来診療内容の広範化・煩雑化」、
また「患者への説明に
要する時間の増加」
「時間外診療、救急診療の増加」
患者からの要求の増加・煩雑化」
といった患者対応に
関するものも上げられた。


◆日常業務において
負担が最も重いと感じる業務

医師責任者では
病院内の診療外業務」
が最多で24.0%、
続いて「外来診療」23.4%、
「当直」14.7%、「管理業務」11.1%。
一方、医師における最多は
「当直」30.6%。次いで
「外来診療」20.9%、
「入院診療」17.8%との結果となった。

医師にとって負担が
重いと感じる業務」
を個別に問う質問では、
「診断書、診療録・
処方せんの記載」50.8%、
「主治医意見書の記載」44.2%、
「検査の手順や入院の説明、
慢性疾患患者への
療養生活等の説明」29.0%、
「診察や検査等の予約オーダリング
システム入力や電子カルテの入力」
27.6%などを上げる回答が多かった。


医師の残業時間、当直後の配慮

残業時間が「減少した」
とする医師は8.5%、
「増加した」27.0%、
「変わらない」62.6%。
当直後の配慮として、「早く帰宅で
きるか」については「はい」が19.4%、
「いいえ」が72.6%。
「翌日仮眠をとれる体制か」
は「はい」10.9%、「いいえ」81.0%。
なお、診療科別では、小児科、
救急科で「はい」の割合が
他科の約2倍となっている。


◆今後の意向

「できれば今の職場で働きたい」
とする医師は58.4%。「できれば
別の病院に異動したい」は18.1%、
「できれば開業したい」5.7%に続き、
「できれば診療を辞めたい」
とする医師も5.0%いた。

診療科別に見ると、
「できれば今の職場で働きたい」
とする割合が高かったのは
外科62.9%、
産科・産婦人科58.1%。
「できれば診療を辞めたい」の
割合が高かったのは、
産科・産婦人科6.4%、
精神科6.3%、内科6.1%。


*WIC REPORT
(厚生政策情報センター)
提供記事より、調査結果の
詳細資料をご覧いただけます

「厚生政策情報センター」



参照:『2009年4月15日:m3.com
、医療維新、村山みのり』






あくまで個人的な感覚ですけど。
年々、業務量は
増えているように思えます。

同じ患者1人を診るのでも、
入院した時、退院した時。
そして、検査の度に同意書や
書類
が必要になったし。

入院患者の在院日数が減って、
患者の回転数も早くなったし。

それに、救急の患者
増えている
印象がありますね。


救急車の件数も、ここ10年で
1.5倍位になっていますけど。
時間外の患者数もその位増えたか、
それ以上
増えていますよね。
印象としては。


単純に患者数が増えた。
書類等の業務も増えた。
医療が高度になって、
診療の内容も難しくなった。


という事ですから。
当然、医師の負担は増えますよ。

医師の数も年々、少しづつは
増えているんですけどね。
それ以上に患者の数や
業務は増えていますし。
医学も進歩しています。

医師の数は増えているんだから、
医師不足ではない
というような論調は、
もう止めて欲しいですね。

さすがに、今だに「医師不足
ではなく「医師偏在だ
なんて論調の人は、
少数派になってるんでしょうけど。



>診療への業務負担感
 「1年前より増加」が4割


っていうと、6割は悪くなってない。
かのようにも読めますけど。

>入院診療に係る業務負担が
 1年前と比較して「軽減した」
 としたのは全体の7.3%。
 一方で、「増加した」は43.3%、


ですから。
業務負担が増えた、って医師
減ったって人の6倍もいるんですよ。

私の個人的な
感覚だけじゃないんですね。
良かった、良かった。


ドクターフィーの導入も
産科とかだけでなく、
もっと多くの科で、どんどん
取り入れるべきです。

それに、今の診療報酬では、
医療秘書を雇って
医師の業務を減らしても、
儲けにならないんですよ、実は。

まあ、何もないよりはまし、
っていう言い方も出来ますけど。

そうでなくて、医療秘書を雇ったり、
事務員を増やして、医師業務を
減らした方が病院は儲かる

っていう位大胆な診療報酬改正を
しないとダメだと思いますよ。


誰が日本の医療を殺すのか―「医療崩壊」の知られざる真実


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時間外勤務、月120時間
過労死には認定基準があって、

発症前1か月間に100時間、又は
発症前2―6か月間にわたって、
1か月当たりおおむね80時間を
超える時間外労働が認められる場合、
業務との関連性が強い


という具体的な基準(労働時間基準)
があります。

そいで、この基準を上回るような
労使協定が結ばれた、って事で。
滋賀県立成人病センターが、
また話題になっていますねー。

時間外勤務、月120時間
だそうです。

滋賀県立成人病センターは、
2008年4月、管理職と
されながら権限がなく、
残業代が支払われない医師
いわゆる「名ばかり管理職」で、
全国的に有名になった病院です。

ちょうどこの時期、マック(マクド)
の店長が「名ばかり管理職」で
経営側が負けたのと同時期だったんで。
インパクトありましたよね。
NHKの全国ニュースでも流れたし。


ネタ元は、Yosyan先生
『先例は作られた』
です。
いつもお世話になっております。
コメントでも、賛否両論。
活発な議論が行われているようですね。



勤務医の労働改善に高い壁 
時間外勤務の上限
過労死ライン”超

 
滋賀県立成人病センター(守山市)など
県立3病院医師らの時間外勤務
労働基準法違反があった問題で、
病院事業庁などは先月末までに
労使間の協定を結び、
大津労働基準監督署に届け出た。

協定内容は現場の実態を考慮して、
厚生労働省が示す過労死
認定基準を超える時間外勤務
労使ともに認めるしかなかった。

人員不足の解消など、
勤務医の労働環境の改善が
急務となっている。 
(林勝)

 
「(3病院で6割にあたる)過半数の
勤務医が労組に加入すること自体が
全国的にも画期的なこと。

労働の適正化を求める意識が
医療現場で高まっている」。
病院側との労使間協議に臨んだ
県自治労幹部はこう話す。

 
1日8時間の法定労働時間を
超えて勤務させる場合、勤務時間の
上限を定める労使協定を結び
労基署に届け出なければならない。

県立3病院は従来、この労基法の
規定を守らず、勤務医らの
裁量に頼った運営をしてきた。


この結果、脳神経外科や
産婦人科などの診療科目によって
違法な長時間勤務が常態化。
昨春、内部告発を機に労基署が
センターを立ち入り調査して
是正勧告を行った。

同庁は自治労など
職員団体と協議を開始。
病院医師の労組加入も相次いで、
熱心な議論が続けられた。


しかし、医療現場と労基法の
両立は現実的に不可能
とする勤務医は多い。

ある医師
「我々は労基法を守る前に、
医師法または医師の倫理に
従って仕事をせざるを得ない」
と強調。
医療従事者の長時間労働の上に
日本の医療が
成り立っている現実を指摘する。
こうした状況に慢性的な人員不足が
拍車を掛け、勤務医の負担は
増える一方になっている。

今回の労使間協議では現実を踏まえ、
時間外勤務の上限を決め、
当直を見直した。
病院側は厚労省が定める
過労死認定ラインを下回るように、
勤務医時間外勤務
月80時間以内とする案を提示した。

しかし
「最初から破られることが分かっている
協定を結ぶべきでない」とする
現場の意見があり、
滋賀県立成人病センターでは
月120時間を上限とすることで決着。
これに沿って労働改善に
取り組んでいくとした。


滋賀県立成人病センター医師
「労基法と診療に対する責任を
両立させるため、互いが
譲り合った現実的な協定だと思う」
と評価する。

ただ、協定を継続して守るためには
勤務医の負担軽減策が急務だ。
病院事業庁は
「欠員となっている診療科の
医師確保に努め、事務作業などで
医師の業務をサポートする
方法も考えていく」
と話している。


『2009年4月9日:中日新聞』


Yosyan先生も言ってるけど、

これのポイントは、

>滋賀県立成人病センターでは
 月120時間を上限とすることで決着


これっすね。
確かに、労働基準法で言う、
過労死の基準よりも長い時間働く

という事で決着。
とうのは、ちょっとどうかな、
というのが率直な感想です。

ただ、「月120時間」という
言葉にだけとらわれるのも
問題あるのかな、と思ったので。
もうちょっと冷静に分析すると。


良かった点、悪かった点、
両方あると思うんですがね。

ちょっと問題だった、悪かったかな、
っていう点は、多くの方がおっしゃる通り。

過労死の認定基準を超える時間で、
決着してしまった。


そういう、悪しき前例を作ってしまった
という事でしょうか。


理想論としては、もちろん
月80時間以内という、病院
厚労省が定めるライン。
これを基準とすべきなんでしょうけど。

>脳神経外科や
産婦人科などの診療科目によって
違法な長時間勤務が常態化。

>「最初から破られることが
分かっている協定を結ぶべきでない」
とする現場の意見があり、


って事ですから。
脳神経外科や産婦人科などの科は、
月に80時間の時間外労働では、
患者さんを守る事が出来ない。
と、現場が判断したのでしょう。

本来であれば、脳外科医とか
産婦人科医の医師の数を増やす

そして、1人当たりの仕事時間を
減らして、月80時間以内の
時間外勤務にする。


という事がベストなんでしょうけど。
医者はすぐには集まらないですよ。
現実問題としては。

だから、とりあえず半年、一年の
猶予として120時間までならオーケー

ただし、それをちょっとでも超えたら、
完全に違法ですから。
次はないですよ。

という協定だったんじゃないかな、
と思います。

医者を増やすのは難しいから、
医師の事務仕事を減らすために、
医療秘書をもっと雇うとか、
事務員や看護師に、もっと医師
仕事を手伝ってもらう。
というような、医師の労働時間を
減らすためのもっと別の案。
なんかも、あると良いと思いますね、
個人的には。

まあ、県立病院だから、
定員の問題もあるんで。
実際は難しいんでしょうけどね。


それと、特別協定なので、
120時間っていうのは、
一年のうちの半年間しか、
適用されないという事
です。

これ、私も含め勘違いされていた
人も多いかと思いますが。


コメントの中に埋もれちゃったので、
そこから引用させてもらうと。
具体的には、

>特別協定 120時間x6か月
 36協定 45時間x6か月

 の年間、720時間+270時間
 =990時間の年間協定です。


という事のようですね。

平均すると、月82.5時間ですから。
これでも、過労死の認定基準を
超えてしまいます
ので。
ちょっとどうかなー、とは思いますが。

脳外科や産婦人科の先生は、
月に80時間の時間外勤務では、
きちんと患者を診る事ができない。

っていう事なんでしょ。
内部の人間が、これじゃないとダメだ。
っていう人がいるんなら、
しょうがないのかなー。


でも、月120時間ばっかりに
焦点が当たっているけど。
実際問題としては、良かった点
っていうのもあるんですよ。
ホントは。

というか、実は画期的な
事なんですけどね。
労働協定結んだだけでも
進歩
ですよ、正直。


だって、今までは極端な話、
ほとんどサービス残業だった。
って話ですよ。

80時間までの時間外勤務
って協約になって、
120時間働いても、80時間以上は
時間外手当は出ません。
という事になるよりも、ましでしょ。

そういうもんでもないのかなー。

それに、自治労が過半数を取って、
36協定を結んだんですよ。

これが意味する事は、
時間外賃金等、時間外労働に
ついての協議で決裂すれば、
残業行為が全て違法になりますから。
だから、組合の協力なくして、
病院経営なんて絶対にできない

ということなんですよ。


良かった点としては。

1、時間外手当が
  きちんと付くようになった
2、使用者側の義務が厳しくなった
3、労働者側は協定破棄という
  カードを手に入れた


この3つですかね、おおざっぱに言うと。



これだけ「名ばかり管理職
とか医師の過労とかが、
一般の方達でも話題になってるのに。
今だに
医師は管理職だから、
時間外手当はつかない。」

とか、
医師は年棒制だから、
時間外手当はつかない。」

とか言ってる人もいるんですよ。

まあ、こっちが何も知らないと思って
言っているのかもしれませんけどね。

そんな人の言う事を信じて
奴隷のように働かされて。
サービス残業ばっかで、
時間外手当は貰えない。
っていうよりは、数倍まし

だと思いますけどね、正直。

そんな病院なら、立ち去れば良い。
って簡単に言う人もいるけど。
いざとなったら辞めてやる、
とは正直思っていますけどね、私も。

でも、実際に目の前に患者がいるのに、
病院を辞めたら、
患者にも迷惑かかるし、
同僚にも迷惑かける。
とか思ったら、行動を起こすのは、
結構大変ですよ。

まあ、経営者と交渉するのは、
もっと大変かもしれませんけどね。

でも、そこで働いている医師にとって、
少しでも以前と比べて良くなった。

って事なのであれば、
外部の人間が非難する筋合いの
ものではないような気がします。


医師の意見が比較的感情的で、
専門家の意見が
非常に冷静だったので。
ちょっと、Yosyan先生のブログの
コメントから引用させてもらいますね。

法務業の末席 さんは、
労働問題のプロだそうです。



法務業の末席

三六協定そのものは時間外労働に
対する法律上の絶対的な
許可要件ではなく、労基法32条での
週40時間&1日8時間の
法定労働時間を超えて労働させた場合に、
労基法119条の罰則(6箇月以下の
懲役又は30万円以下の罰金)が
免除される「免罰規定」に過ぎません。

ですので労働大臣告示の時間外労働の
上限基準時間は、直ちに労基法13条の
『この法律で定める基準に達しない
労働条件を定める労働契約は、
その部分については無効とする』
の対象となる「強行規定」ではない、
とするのが労基法の一般的解釈になります。

ただし、この「三六協定=免罰規定」
の法律論は、平成10年の改正で
労基法36条に現行の2項以下が
付加される以前の解釈論であり、
改正により大臣告示が法的な
裏付けを得たからには
「大臣告示の上限時間=強行規定」
とする意見も含め、
三六協定=免罰規定は誤りだ
とする解釈論も従前よりあります。

しかし現時点の労働基準行政当局
(厚労省労基局~都道府県労働局~労基署)
では「三六協定=免罰規定」であり、
大臣告示を超える時間数の
協定内容も直ちに無効とは言えない、
とする立場です。

なお、法律学者でも労働基準行政当局でも
共通していることは、三六協定だけでは
個々の労働者に時間外労働を
義務付けることは出来ず、
個々の労働者に時間外労働義務を
発生させるには、個別の労働契約
または就業規則或いは労働協約によって、
三六協定の内容に従って
使用者が時間外労働を命じうる旨が
明確に定めれている必要があります。

これは平成3年の最高裁判例
(日立製作所事件)で示された
司法判断で、個別の労時契約という
私法上の権利義務と、免罰規定としての
協定との整合性を説く部分と言われます。

ただ今回の滋賀県立病院の労働組合
(自治労の分会)の場合では、
上限時間の枠内の三六協定を
結ぶことにより病院の診療体制を
縮小せざるを得なくなることを避けて、
上限基準を超える時間外労働
(100時間程度?)の三六協定締結を
組合が自発的に決断したのは
事実であるようです。

労働契約の私法としての
任意合意の原則から見れば、
これはこれで滋賀県立病院
勤務医(労働者)の
任意自発的な判断であり、
軽々しく論評することは
差し控えるべきと思います。

ただ滋賀県の勤務医
どうしても組合の協定締結に
納得できない人が居るならば、
それは司法の場(裁判所)での
判断を仰ぐしかありません。



法務業の末席

>特別条項の「臨時的なもの」に
医師のいわゆる当直業務が含まれる
と解釈できそうです。
>いや解釈したから
労基署が許可した事になります。


これは、そのように解釈して
労基署が三六協定届出を受理しないと、
滋賀県の医療体制が
崩壊してしまうから、やむを得ず
受理したと善意に解釈してあげて下さい。


労働基準行政の現場では
「厳格な労基法適用を強制した結果、
事業の倒産や閉鎖あるいは
人員削減などで、労働者の働く
機会が失われては元も子も無い」
というジレンマに常にさらされています。

労基法は労働条件の改善を図って
労働者の福祉向上を目的とする
法律であって、労働者福祉の
最大の敵は「失業」なんです。

常に労働者福祉と労働条件との
バランスに苦慮するのが、
労基署なり我々労務士などの
職務の特性です。

今回の滋賀県の事件では、
労働者福祉と労働条件との
バランス取りと同じように、
医療崩壊と労働環境の
バランス取りに悩んだ結果の
苦渋の三六協定であることを、
使用者(滋賀県当局)も、
労働者(病院職員や勤務医)も、
また指導監督の責に任ずる
大津労基署も、三者が均しく
肝に銘じるべきでしょう。

今回の協定締結で未来永劫に
滋賀県立病院は年間990時間でも
OKなんだと思って欲しくない。

来年は10時間でも良いから
協定の時間を短くできるよう、
労使は努力する義務があると思います。
毎年少しずつでも時間短縮を
積み重ねる継続的努力に期待して、
見守っていきたいものです。



労働基準法を師の世界で
厳密に当てはめたら、
日本中で医療は崩壊してしまいます


だからと言って、
医者は奴隷の様に働け。
っていう主張には大反対です。

そういう地道な主張をする為に、
私はブログを書いています。

でも、急に労働基準法を守れ、
と言われても、無理なものは無理ですよ。

その分の医師の数が増えるか、
医療秘書とか医療従事者が増えて、
医師の替わりに仕事をしない限りは。

そのためには、時間がかかるし、
法律が変わって、看護師とか事務員、
救急隊の出来る範囲が、
もっと広がらなければなりませんから。

医師の労働基準法は守ったけど、
地域の医療は崩壊した。
という事になっては困るでしょうから。
そうならないために、
ある点で妥協しなければいけない。
っていう事も、実際問題としては、
必要なんじゃないでしょうかね。




本当に病院がなくなったら、困るよね!
まちの病院がなくなる!?―地域医療の崩壊と再生


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労働基準法違反病院、大ブーム
いやー、最近は、愛育病院
日赤医療センター等、都内の病院でも
労働基準法違反病院
大ブームですね。

医師労働基準法違反ってのは、
最近始まったもんではないんですが。
これだけ医療崩壊が騒がれると、
労働基準局
放置する訳にはいかない。
ってとこなんでしょうね。

最近、医者当直
労働基準法違反だ、
っていう事は、マスコミでも報道されて、
結構広まってきましたけど。
これは、ここ1年の話なんですよ。


医師ブログなんかでは、2,3年前から
そういう話はしていたんですけどね。

医師当直労働基準法違反だ。
って事を大手マスコミで、
最初に書いたのは、
私の知る限り、「読売新聞」です。

2007年12月13日に読売新聞

医師 増える過労死 「当直」違法状態

というタイトルで取り上げています。

その時に書いた記事が、これっす。
『医師の当直は労働基準法違反』


医師当直労働基準法違反
って事以外にも、
医者時間外手当を払わない病院
というのも、報道されていますよね。

県立奈良病院は、もう一昔前だけど。
ここ1年位で、
マスコミに報道されたもの。
ざっと思いつくだけで、
東北大学病院、札幌医大病院
佐賀県立病院好生館、県立広島病院
山梨県立中央病院

あたりでしょうかね。

公立病院大学病院
多いんですけど。
これって、公立病院大学病院
労働基準法違反で時間外手当を
医者に払ってない。
でも、民間病院は払ってるよ
って事ではないんです。

民間病院だと、証拠が少ないから
なかなか難しいよ、って話です。

はっきり言って、民間病院の方が
黒字を確保しなきゃいけないですから。
厳しいとこは厳しいんっすよ、実は。


具体的に労働基準局から
是正勧告書が出ている病院
っていうのは、
ちゃんとリストになっていて。

小児科医で時間外労働に関して、
非常に詳しい江原朗先生が、
まとめてくれています。

『小児科医と労働基準』
このHPの左側の
『是正勧告書など』
を見ると、


「是正勧告書など」

1.滋賀県立成人病センター

2.佐賀県立病院好生館

3.筑波大学

4.広島大学

5.県立多治見病院

6.山梨県立中央病院

7.県立広島病院

8.大崎市民病院(宮城)

9.三田市民病院(兵庫)

10.市民病院(横浜市)

11.長崎大学

12.広島市安佐市民病院

13.福井県立病院

14.鹿児島大学病院

15.群馬大学

16.三重大学

17.信州大学

18.九州大学

19.香川大学

20.都立府中病院

21.島根大学

22.長崎大学医学部・歯学部附属病院

24.都立墨東病院

29.東北大学病院

30.都立駒込病院

31.北九州市立医療センター

32.国立帯広病院



こんなにあるんですねー。
やっぱ、公立の病院が多いんですか。
これを見ても。

労働基準法違反病院はマスコミや
労働基準局でも
大ブームになってるけど。
医師ブログでも、ブームみたいなんで。
私も、これに便乗してみまーす。

ざっとあげてみると。

「うろうろドクター」
『時間外診療体制の問題は最優先課題だ。』

「新小児科医のつぶやき」
『日赤医療センター 労基署への挑戦』

「産科医療のこれから」
『年俸制だから、時間外手当は要らない。』

ここらへんでしょうか。
この中でも、うろうろドクター先生の
ブログ
が一般の人たちにも
わかりやすい内容だったので、
引用させてもらいますね。



医師を増やせば
医療崩壊は止まる? 」
政策ビジョン研究センター
准教授  中島 勧


昨今、医療政策上の問題として、
医療崩壊という現象が
取り上げられることが多くなっています。

医療崩壊とは、主に病院に勤務する
医師が退職したことをきっかけとして
ある地域の医療体制が維持できなくなる
現象を指しています。

原因としては、若い医師
きつい医療現場を避けるように
なったためとか、医療訴訟が増
えているからとか、
医療事故を原因として
逮捕された医師がいたため
などと言われています。

しかし崩壊していると言われる
医療機関や診療科を見ると、
上記の原因以上に、
時間外診療体制の運営が
不適切であること、
具体的には当直制度により
維持されていることの方が
大きな原因になっている
ようにも思えます。
そこで今回は医師の当直制度に
ついて問題提起させていただきます。


当直とは労働基準法では
宿日直と呼ばれています。
一般的に宿直という言葉で
想起されるのは、
「非常事態に備えて、職場に泊まって
手持ち無沙汰に時間を過ごす役回り」
であり、日直は休日日中の
当直に相当します。

これが労働基準法の
宿日直に相当する業務です。

正確に言えば、
労働者が通常の勤務終了後、
引続き翌日の所定始業時刻まで、
事業場内の定時的巡視、
文書および電話等の収受、
非常事態の発生に備えて
勤務するものであり、
勤務時間中に相当の
睡眠時間が設定され、
常態としてほとんど労働する
必要のない勤務を指しています。

回数も宿直が週に1回まで、
日直が月に1回までと制限があるため、
宿日直合わせて 1ヶ月に
5~6回以下でなくてはなりません。


それでは医療の世界では
どうなっているかと言えば、
「宿日直」すなわち「当直」は、
通常の勤務時間終了後から
朝の始業時までに生じる
すべての業務を担当しています。

もちろん通常の勤務が
免除されることはありませんから、
当直を担当する日には、
朝の勤務開始から
翌日の勤務時間終了までの
1日半が勤務時間と言うことになります。

さらに日中の通常業務に加えて、
救急外来の診療も含まれています。
時間外に受診される患者さんは、
状態が不安定な場合が多い上に、
診療体制が限定されていることから、
診療を担当する医師にとっては
大変な負担となります。
また回数制限が有名無実化している
医療機関も少なくありません。


実際、このコラムを読んで
いる方の中にも、「当直医」の業務は
夜間診療だと思っていた方も
多いかもしれませんし、
医師の間でもそういう認識が
一般的だと思います。

その証拠として、非常勤医師
求人情報では
当直医募集、救急外来5~10名、
救急車2~3台、病棟管理」
というようなものが多く見られます。

常勤医の募集でも、民間病院なら
まだしも公立病院常勤医でさえ、
当直回数が月に10回以上あることが
明示されている場合があります。
少し前まではテレビや新聞の報道でも、
当直医が夜遅くまで通常業務を
続けながら救急外来の患者を
診察して朝を迎えたとか、
家に帰った途端に呼び出されて
朝日を見ながら家に帰った
などというものを見ることが
できましたが、特に
問題視されていませんでした。


そうは言っても、勤務時間外に
医療が必要な緊急事態があれば、
医師が対応することは
当然のことであるため、
止むを得ない場合に限り法律上も
時間外手当の支給を要件として
実施可能とされています。

しかし実際には、時間外診療が
行われた場合でも、時間外手当が
支払われないことが多く、
さらに深夜に呼び出された時の
交通費さえ払ってもらえないことが
多かったのです。

最近では、そのような医療機関は
報道されなくなりましたが、
それは問題点が解消されたためではなく、
その状態自体が違法であることを
自覚しているため、報道されることで
労働基準監督署から睨まれることを
恐れて、医療機関が取材を
受けなくなったため
と言われているのです。

時間外診療が当直医により
維持される状態を放置して来た
厚生労働省が、労働基準法に基づいて
当直医による時間外診療の提供を
禁じているというのであれば、
一体誰がこの状態を改善するのでしょうか。


近年、医療崩壊と呼ばれる現象の
報告が多数あり、その原因として
前記のように訴訟の増加や
医療事故に対する逮捕などが
挙げられていますが、
これは急激に進行する医療崩壊の
説明としては不十分です。

実際には医師達は、これまで
時間外の奉仕的労働、
特に当直制度の名を借りた
夜勤体制に何とか耐えてきたものの、
その上、民事訴訟ばかりか
逮捕までありうるという現状に
耐えられなくなってきた可能性が
高いと思われます。

実際に医療崩壊が起こっているのは、
診療科としては小児科や産婦人科が多く、
それ以外の診療科でも都市部以外の
基幹病院を中心に多数報告されています。

いずれにおいても時間外診療の
需要が高いために当直医の負担が
過大になりがちであり、時間外診療の
負担が過大な医療機関
(多くは地元の基幹病院)の医師
次々と退職しているのです。


そうは言っても、当直制度を適切に
運用することは、現在の診療体制や
医師数では全く不可能です。

最近になって医師養成数を増加させる
という方針が政府により立てられる
ようになっていますが、その目的は、
漠然と医師が足りないから
というだけで、時間外診療体制の
整備とか当直制度の適切な運用
とはされていません。

慢性疾患を中心とした日常診療と、
緊急対応を要することの多い
時間外診療を一緒にして
医師数の過不足を語る
べきではありません。

医師数が足りないか
どうかという問題はスケジュールの
立て方や評価方法によって
変わる可能性がありますが、
当直医による現状の
時間外診療体制は明らかに
労働基準法違反であり、
患者さんにとっても、疲れて
判断力の低下した医師に診療を
受けることになってしまうのです。

時間外診療体制の問題は、
医師・患者の双方のために
早急に解消されなくてはならない
問題であり、医療政策の
現場においては最優先で
取り上げていただくことを
期待しています。


(参考文献)
都市部民間二次救急病院
現状と課題、
「医学のあゆみ」
Vol.226 No.9 pp.708-713、2008年

『東京大学 政策ビジョン研究センターのコラム』



当直医による現状の
時間外診療体制は明らかに
労働基準法違反であり、
患者さんにとっても、
疲れて判断力の低下した医師
診療を受けることになってしまうのです。

まったくその通りです。
今すぐに完璧に労働基準法を
遵守する体制作りは無理ですが、
このまま労働基準法違反を放置して
その場しのぎを続けていては、
医療崩壊は取り返しがつかない
状況になることでしょう。


『時間外診療体制の問題は最優先課題だ。』



どんなに優秀な医者だって、
36時間連続勤務をしていたら、
集中力がなくなるんですよ。
医者だって人間なんだから。

そんな状態で、
命に関わる手術や治療を
行ってもらいたいですか。
それが、患者さんの
ためになるんですか?


個人的には、医者
給料
をもっと上げろ、
という主張をするつもりはありません。

でも、医師に時間外手当を払わない、
っていう事が当然になると、病院は、
医者に仕事をやらせた方が安いから、
なんでも医者にやらせろ」

って事になる。

医療秘書や事務員、
看護師にできる事も、
全部医者に押し付けて。
結局、医者が過労になる

そしたら、やはり患者さんに最高の
治療を提供できない、

っていう事になりますよ。

だから医者にだけは、
時間外手当を払わない、
っていう事は許される事では
ないと思います



はっきり言って、これだけ問題に
なっているにも関わらず、
医者の身分「医長」、「課長」という名前をつけて、
管理職」という名の下、
時間外手当を払わない病院
というのは、とてもたくさんあります。

ちょっと前に問題になった、
名ばかり管理職」ですよ、こんなの。


でも、こんな事が続いたら、
医療崩壊はますます進む
って事がやっとみんなわかってきた。

それで、労働基準局も
やっと動くようになった、
という事なんでしょうね。


この動きが、全国的にもっと広がれば、
最終的には患者のためになるので。
是非そうなって欲しいですね。



『「大学病院のうそ」 ~現役医師(Dr. I)が暴露する、大学病院の秘密』


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