「医師の過労死」とか、「医師の労働は
労働基準法違反だ」、とか。
そういう話は、このブログでも何年か前から
結構書いているつもりです。
2007年に、読売新聞が大手マスコミでは初めて
医師の当直のほとんどは、労働基準法違反だ。
という事を取り上げましたけど。
「医師の当直は労働基準法違反」
これは、この記事を書いた
読売新聞の小林篤子記者が、
私のブログを読んで、私にコンタクトを
取ったのがきっかけ、と言っても良いでしょう。
ついこの間、書いた記事なんかを
見てもわかるように。
「医師過労の原因は医療界自身」
私は医者ですけど。
医者にとっても厳しい事を言う。
患者にとっても厳しい事を言う。
というのを、このブログのスタンスにしています。
もちろん、医療崩壊の大きな原因は、
医療政策だ、っていう面はありますから。
医療制度、政策の批判をしたり。
マスコミ報道によって医療崩壊が進んだ、
っていう面もかなり大きいので。
マスコミ批判もしますけどね。
でも、単純に批判するだけでなく、
どうすればもっと良くなるのか、
っていう対案を出来るだけ出す。
という事をやっているつもりです。
シュールな文章とオチで有名な、
ssd先生のブログ
「ssd’s Diary」
で、労働基準監督署とか現場で労働する
医師の方にも問題がある。
という話があって、私の考えとも重なったので、
ちょっと紹介させてもらいますね。
労鬼
中国人実習生過労死:労災申請 悲劇、
二度と起こさぬ 福岡の留学生、遺族を支援
「同じ悲劇を二度と起こしたくない」。
茨城県潮来市で外国人実習生として
働いていた中国人男性、
蒋暁東さん(当時31歳)の遺族が7日、
過労死を訴えて労災申請した問題。
福岡市に住む親類の馬可さん(29)が、
遺族と日本の弁護士の橋渡し役を担い、
死亡から約1年後の申請にこぎ着けた。
【河津啓介】
◇タイムカードに「350時間」
「若くて元気だったのにおかしい」。
昨年6月上旬、九州大大学院(福岡市)の留学生、
馬さんに突然中国の親類から電話があった。
蒋さんの急死に驚いた遺族が
親類を通じて助けを求めたのだ。
馬さんは蒋さんの母方の遠縁。
面識さえなく、数日前に亡くなったことも知らなかった。
蒋さんの家族は、中国に残した妻(32)と一人娘(7)、
50代後半の両親。父親は病気で仕事ができず、
母親が細々と農業を営み、一家の収入は
蒋さんにかかっていた。
生前、家族に電話で「残業がきつい」
などともらしていたという。
「何とかしたい」と思った馬さんの
頭に浮かんだ言葉は「過労死」。
すぐに実習先の会社に電話したが
「こちらに責任はない」。
遺族の訴えと会社の説明に差があり、
疑問が膨らんだ。納得できず、
この問題に詳しい
指宿昭一弁護士(東京都)に相談した。
だが、日中の文化の壁を
乗り越えるのは容易ではなかった。
「解剖は絶対必要です」と馬さんは
両親に訴えたが、抵抗は強かった。
幸い、蒋さんの妹が説得してくれた。
馬さんは「中国の農村では遺体を
傷つけるのは受け入れがたい。
法知識が乏しいならなおさらです」と推察する。
「遺品からタイムカードの写しが出てきた」。
亡くなって約3カ月後、遺族が馬さんに電話してきた。
家族からの手紙や娘らと写った写真の束に、
07年11月分のカードの写しが紛れ込んでいた。
1カ月の総労働時間は約350時間、
19日間連続の勤務も。
「決定的な証拠」(馬さん)となり、
申請に弾みをつけたという。
蒋さんの妻は7日、弁護団を通じ
「家族もいない場所で
死んでいった夫がかわいそう。
過酷な仕事のために
亡くなったことをはっきりさせたい」
とコメントを寄せた。
馬さんは「外国人は不当な待遇でも
我慢するしかない。
留学では気づかなかった
日本の側面が見えました」と語った。
■解説
◇研修制度の暗部解明を
今回の過労死申請は、
外国人研修・実習生制度の
暗部に光を当てるものになった。
同制度を巡っては労組や市民グループが、
パスポートを取り上げたり
強制貯金をさせるなどの
人権侵害があると問題点を告発。
残業代が300円など最低賃金以下の賃金で
仕事をさせている例があるなどと、
過酷な労働状況を指摘してきた。
異常な長時間労働の強制は、
過労死・過労自殺が
起きていてもおかしくない状況にあった。
ところが、過労死や過労自殺した場合、
被害を訴える当事者が亡くなっていることや
家族がそばにいないため実態が分かりづらい。
一緒に研修を受けた仲間がいても、
強制帰国など不利に扱われることを恐れ、
証言を控える状況にある。
過労死の疑いがあっても、
証拠を得て証明するのは容易ではない。
今回はタイムカードの写しがあったことを
きっかけに申請にこぎ着けた。
労災と認められるかは今後の
労基署の判断を待たねばならないが、
国際研修協力機構の調べでさえ、
08年度に過労死の可能性がある
脳・心疾患が16件もあった。
労基署による調査が入る意味は大きい。
研修制度で来日した外国人が過労死する
という悲劇があるとしたら、
国際的にも大きな問題だ。
徹底した調査で実態を明らかにすべきだ。
【東海林智】
まあ、外国人労働者を搾取するのは
先進国の嗜みですが、世界標準でないのは、
その搾取した分本国人労働者が甘い汁を
啜るのではなくて更に本国人労働者の労働条件を
絞り上げるのに使うところが日本とか
韓国の資本主義のアレなところですね。
ところで、昨今、各地域の目立った
ブラック病院を擁する自治体に宿直許可証や
36協定文書の開示請求したり、労働基準監督署に
告発する運動を熱心にされている方がいます。
当ブログ的にはいいぞどんどんやれー、
というところですが、本来、これは当事者の
労働者自身がやらねばならないことなのですよ。
権利の上に胡座をかくものは保護されない
というのは近代法思想の原則です。
この煮詰まった医療崩壊を打開するには、
scrap&buildするしかありません。
そのキーパーソンは、労働基準監督署であろう
という狙いは、なかなか鋭いと唸らざるを得ません。
まずもって、医療問題に関して、
しがらみのない第三者であること。
権限の源泉たる法律が整備されており、
厳格な運用をすれば相当の強権を持っていること。
ただ、こうしたお役所の常として、持っている
権限に対して、人手が猛烈に足りない
という宿痾があるそうで、
「小さい政府」を目指した橋本政権以降の
流れのなか形骸化が著しいようです。
だったら労基署が動きやすいように、
資料を揃えてあげた上で、タレ込むというのは
善良な市民としてすばらしい志
というほかはありません。
ところで、まあ、この運動、どこまでやるの?
というところ。
こんだけふつうの日本人の労働者の権利が
小コンボ・大コンボで縮小しまくっている現代に、
医療労働者だけが労基法全部守れという訴えは
妬み嫉みを生むことでしょう。
いやま別に気にせんでもいいかもしれないですけどね。
しかし、とりあえず、人手の多い監督署のある
管轄のところででも、ブラック病院の二つや三つを
スケープゴートとして、徹底的にやっつける
というのはいいことだと思います。
つ愛育病院・日赤。
日赤は交替制勤務の導入という戦果を
上げたようですが、愛育の方は
どーだったんでしょうねえ。
根っからの奴隷根性はいかんとも
し難かった感じが拭えません。
やっぱり私立の病院というのはだめですね。
公立病院が生け贄になる必要があるでしょう。
大都市の日赤病院なら
交替制勤務にすることは可能でしょう。
しかし、大多数の公立病院で、
できるかというと相当疑問。
せいぜいが、宿直で救急患者を診る
違法状態でも翌朝からの
勤務日は公休にするから
勘弁してつかーさいと土下座して靴を舐めて
お願いするくらいが関の山でないですかねえ。
さもなければ、救急を診る病院は、
本当に交替制勤務を実現できる
大病院に限る、というのも一つの手です。
もちろん、宿直医は書類上置いて、
実際に救急を診る医者は36時間勤務させるなんて
悪質な病院は血祭りに上げてやるべきです。
「労鬼」
ssd先生も言っている通り、
医療崩壊を打開するためのキーパーソンは、
労働基準監督署であろうというとは、
私もその通りだと思います。
ただ、労働基準監督署に行ったからといって、
全てが解決するわけでもない、
というのも事実だと思います。
これだけインターネットが発達した時代。
自分の労働環境が、労働基準法違反だ、とか。
このまま行ったら、自分や仲間が
過労死するかもしれない。
という状況であれば、労働者である医師が、
自分で声を上げる必要があると思います。
それを今までやってきて来なかった、
医師自身にも問題があると思います。
ただ、いきなり労働基準監督署に行ったり、
自分だけ休みを取ったりしても、
患者や、同じ病院の他の医師に迷惑をかける。
と思って、なかなか踏ん切りがつかない
医師も多いんだとは思いますがね。
でも、そんなに労働環境が悪いのであれば、
全く手を打たない、というのは問題だと思います。
労働基準法という「法律」があって、
それを守っていないのは「違法」ですから。
しかも、場合によっては刑事罰までありますから。
医師を劣悪な労働環境で
こき使っている病院があれば、
そこで働いている医師は、病院側に対して、
「労働環境を是正しなければ、
労働基準監督署に訴えるぞ」
という「姿勢」で、交渉すべきではないでしょうか。
そうでないと、結局言い訳ばかりして、
病院側の利益を守る、という所も多いと思うので。
そんな病院と、下っ端の医師が個人で交渉しても、
問題が解決する訳ないんですよね。
医師というのは他のサラリーマンと違って、
「医師免許」というものを持った「技術職」ですから。
普通の会社であれば、よっぽど優秀で、
他の会社から引き抜きがかかる人以外は、
会社の方針に逆らったら、クビになる。
と思ったら、言いたい事も言えなくなる。
というのはわかりますけど。
医者の場合は、その病院で働けなくなったとしても、
医師免許があって、技術があれば、
別の病院で働けますからね。
全然、びくびくする必要なんてないんですよ。
普通の会社であれば、経営者と労働者であれば、
圧倒的に労働者の方が力が弱い立場なので。
だから、「労働組合」とかがあるんですよ。
医師でも、労働組合があるとこもありますけど。
医者って、そういうとこに入るの嫌いな人が
多いですからねー。
まあ、別に労働組合自体に
入る必要はないと思いますが。
医者の場合は、労働組合に入らなくても、
医師免許があって手に職もっているんですから。
経営者(病院)側と対等に
話が出来る立場なんですから。
クビになる、なんて心配しないで、堂々と
「医師の労働環境を改善しないなら、
労働基準監督署に訴えますよ」
という姿勢で、病院側と交渉すべきだと思います。
医者以外の他の職種の人達も、
このままだったら過労死する、っていうような
過酷な労働環境であれば、
もちろん声を上げるべきだと思います。
大きな会社には、労働組合があるので、
そこを通してでも良いですし。
派遣とか、非常勤の人で労働組合に入っていない、
という人であれば、個人単位で入る事が出来る
労働組合もあるわけですから。
立場が弱い人は、そういう方法を使ってでも、
「経営者に対してきちんと声を上げる」
という事が重要だと思います。
単に飲み屋で、仲間内でグチを言っているだけでは、
問題は何も解決しませんからね。
ちなみに、
>各地域の目立った
ブラック病院を擁する自治体に宿直許可証や
36協定文書の開示請求したり、労働基準監督署に
告発する運動を熱心にされている方
これは、小児科医の
江原 朗(えはら あきら)先生ですね。
まあ、厳密に言うと開示請求はしてるけど、
告発はしていないんですけどね。
1987年北海道大学医学部卒。
91年北海道大学大学院医学研究科
生理系専攻博士課程(生化学)修了、
同年北大小児科入局。
現在、北海道大学大学院医学研究科予防医学講座
公衆衛生学分野客員研究員。
ホームページはこれです。
「小児科医と労働基準
小児科勤務医の労働基準と医療安全に科学的な討論を」
HPもすごい勉強になるし。
とても良い仕事をしている先生だと思います。
労働基準法違反だ」、とか。
そういう話は、このブログでも何年か前から
結構書いているつもりです。
2007年に、読売新聞が大手マスコミでは初めて
医師の当直のほとんどは、労働基準法違反だ。
という事を取り上げましたけど。
「医師の当直は労働基準法違反」
これは、この記事を書いた
読売新聞の小林篤子記者が、
私のブログを読んで、私にコンタクトを
取ったのがきっかけ、と言っても良いでしょう。
ついこの間、書いた記事なんかを
見てもわかるように。
「医師過労の原因は医療界自身」
私は医者ですけど。
医者にとっても厳しい事を言う。
患者にとっても厳しい事を言う。
というのを、このブログのスタンスにしています。
もちろん、医療崩壊の大きな原因は、
医療政策だ、っていう面はありますから。
医療制度、政策の批判をしたり。
マスコミ報道によって医療崩壊が進んだ、
っていう面もかなり大きいので。
マスコミ批判もしますけどね。
でも、単純に批判するだけでなく、
どうすればもっと良くなるのか、
っていう対案を出来るだけ出す。
という事をやっているつもりです。
シュールな文章とオチで有名な、
ssd先生のブログ
「ssd’s Diary」
で、労働基準監督署とか現場で労働する
医師の方にも問題がある。
という話があって、私の考えとも重なったので、
ちょっと紹介させてもらいますね。
労鬼
中国人実習生過労死:労災申請 悲劇、
二度と起こさぬ 福岡の留学生、遺族を支援
「同じ悲劇を二度と起こしたくない」。
茨城県潮来市で外国人実習生として
働いていた中国人男性、
蒋暁東さん(当時31歳)の遺族が7日、
過労死を訴えて労災申請した問題。
福岡市に住む親類の馬可さん(29)が、
遺族と日本の弁護士の橋渡し役を担い、
死亡から約1年後の申請にこぎ着けた。
【河津啓介】
◇タイムカードに「350時間」
「若くて元気だったのにおかしい」。
昨年6月上旬、九州大大学院(福岡市)の留学生、
馬さんに突然中国の親類から電話があった。
蒋さんの急死に驚いた遺族が
親類を通じて助けを求めたのだ。
馬さんは蒋さんの母方の遠縁。
面識さえなく、数日前に亡くなったことも知らなかった。
蒋さんの家族は、中国に残した妻(32)と一人娘(7)、
50代後半の両親。父親は病気で仕事ができず、
母親が細々と農業を営み、一家の収入は
蒋さんにかかっていた。
生前、家族に電話で「残業がきつい」
などともらしていたという。
「何とかしたい」と思った馬さんの
頭に浮かんだ言葉は「過労死」。
すぐに実習先の会社に電話したが
「こちらに責任はない」。
遺族の訴えと会社の説明に差があり、
疑問が膨らんだ。納得できず、
この問題に詳しい
指宿昭一弁護士(東京都)に相談した。
だが、日中の文化の壁を
乗り越えるのは容易ではなかった。
「解剖は絶対必要です」と馬さんは
両親に訴えたが、抵抗は強かった。
幸い、蒋さんの妹が説得してくれた。
馬さんは「中国の農村では遺体を
傷つけるのは受け入れがたい。
法知識が乏しいならなおさらです」と推察する。
「遺品からタイムカードの写しが出てきた」。
亡くなって約3カ月後、遺族が馬さんに電話してきた。
家族からの手紙や娘らと写った写真の束に、
07年11月分のカードの写しが紛れ込んでいた。
1カ月の総労働時間は約350時間、
19日間連続の勤務も。
「決定的な証拠」(馬さん)となり、
申請に弾みをつけたという。
蒋さんの妻は7日、弁護団を通じ
「家族もいない場所で
死んでいった夫がかわいそう。
過酷な仕事のために
亡くなったことをはっきりさせたい」
とコメントを寄せた。
馬さんは「外国人は不当な待遇でも
我慢するしかない。
留学では気づかなかった
日本の側面が見えました」と語った。
■解説
◇研修制度の暗部解明を
今回の過労死申請は、
外国人研修・実習生制度の
暗部に光を当てるものになった。
同制度を巡っては労組や市民グループが、
パスポートを取り上げたり
強制貯金をさせるなどの
人権侵害があると問題点を告発。
残業代が300円など最低賃金以下の賃金で
仕事をさせている例があるなどと、
過酷な労働状況を指摘してきた。
異常な長時間労働の強制は、
過労死・過労自殺が
起きていてもおかしくない状況にあった。
ところが、過労死や過労自殺した場合、
被害を訴える当事者が亡くなっていることや
家族がそばにいないため実態が分かりづらい。
一緒に研修を受けた仲間がいても、
強制帰国など不利に扱われることを恐れ、
証言を控える状況にある。
過労死の疑いがあっても、
証拠を得て証明するのは容易ではない。
今回はタイムカードの写しがあったことを
きっかけに申請にこぎ着けた。
労災と認められるかは今後の
労基署の判断を待たねばならないが、
国際研修協力機構の調べでさえ、
08年度に過労死の可能性がある
脳・心疾患が16件もあった。
労基署による調査が入る意味は大きい。
研修制度で来日した外国人が過労死する
という悲劇があるとしたら、
国際的にも大きな問題だ。
徹底した調査で実態を明らかにすべきだ。
【東海林智】
まあ、外国人労働者を搾取するのは
先進国の嗜みですが、世界標準でないのは、
その搾取した分本国人労働者が甘い汁を
啜るのではなくて更に本国人労働者の労働条件を
絞り上げるのに使うところが日本とか
韓国の資本主義のアレなところですね。
ところで、昨今、各地域の目立った
ブラック病院を擁する自治体に宿直許可証や
36協定文書の開示請求したり、労働基準監督署に
告発する運動を熱心にされている方がいます。
当ブログ的にはいいぞどんどんやれー、
というところですが、本来、これは当事者の
労働者自身がやらねばならないことなのですよ。
権利の上に胡座をかくものは保護されない
というのは近代法思想の原則です。
この煮詰まった医療崩壊を打開するには、
scrap&buildするしかありません。
そのキーパーソンは、労働基準監督署であろう
という狙いは、なかなか鋭いと唸らざるを得ません。
まずもって、医療問題に関して、
しがらみのない第三者であること。
権限の源泉たる法律が整備されており、
厳格な運用をすれば相当の強権を持っていること。
ただ、こうしたお役所の常として、持っている
権限に対して、人手が猛烈に足りない
という宿痾があるそうで、
「小さい政府」を目指した橋本政権以降の
流れのなか形骸化が著しいようです。
だったら労基署が動きやすいように、
資料を揃えてあげた上で、タレ込むというのは
善良な市民としてすばらしい志
というほかはありません。
ところで、まあ、この運動、どこまでやるの?
というところ。
こんだけふつうの日本人の労働者の権利が
小コンボ・大コンボで縮小しまくっている現代に、
医療労働者だけが労基法全部守れという訴えは
妬み嫉みを生むことでしょう。
いやま別に気にせんでもいいかもしれないですけどね。
しかし、とりあえず、人手の多い監督署のある
管轄のところででも、ブラック病院の二つや三つを
スケープゴートとして、徹底的にやっつける
というのはいいことだと思います。
つ愛育病院・日赤。
日赤は交替制勤務の導入という戦果を
上げたようですが、愛育の方は
どーだったんでしょうねえ。
根っからの奴隷根性はいかんとも
し難かった感じが拭えません。
やっぱり私立の病院というのはだめですね。
公立病院が生け贄になる必要があるでしょう。
大都市の日赤病院なら
交替制勤務にすることは可能でしょう。
しかし、大多数の公立病院で、
できるかというと相当疑問。
せいぜいが、宿直で救急患者を診る
違法状態でも翌朝からの
勤務日は公休にするから
勘弁してつかーさいと土下座して靴を舐めて
お願いするくらいが関の山でないですかねえ。
さもなければ、救急を診る病院は、
本当に交替制勤務を実現できる
大病院に限る、というのも一つの手です。
もちろん、宿直医は書類上置いて、
実際に救急を診る医者は36時間勤務させるなんて
悪質な病院は血祭りに上げてやるべきです。
「労鬼」
ssd先生も言っている通り、
医療崩壊を打開するためのキーパーソンは、
労働基準監督署であろうというとは、
私もその通りだと思います。
ただ、労働基準監督署に行ったからといって、
全てが解決するわけでもない、
というのも事実だと思います。
これだけインターネットが発達した時代。
自分の労働環境が、労働基準法違反だ、とか。
このまま行ったら、自分や仲間が
過労死するかもしれない。
という状況であれば、労働者である医師が、
自分で声を上げる必要があると思います。
それを今までやってきて来なかった、
医師自身にも問題があると思います。
ただ、いきなり労働基準監督署に行ったり、
自分だけ休みを取ったりしても、
患者や、同じ病院の他の医師に迷惑をかける。
と思って、なかなか踏ん切りがつかない
医師も多いんだとは思いますがね。
でも、そんなに労働環境が悪いのであれば、
全く手を打たない、というのは問題だと思います。
労働基準法という「法律」があって、
それを守っていないのは「違法」ですから。
しかも、場合によっては刑事罰までありますから。
医師を劣悪な労働環境で
こき使っている病院があれば、
そこで働いている医師は、病院側に対して、
「労働環境を是正しなければ、
労働基準監督署に訴えるぞ」
という「姿勢」で、交渉すべきではないでしょうか。
そうでないと、結局言い訳ばかりして、
病院側の利益を守る、という所も多いと思うので。
そんな病院と、下っ端の医師が個人で交渉しても、
問題が解決する訳ないんですよね。
医師というのは他のサラリーマンと違って、
「医師免許」というものを持った「技術職」ですから。
普通の会社であれば、よっぽど優秀で、
他の会社から引き抜きがかかる人以外は、
会社の方針に逆らったら、クビになる。
と思ったら、言いたい事も言えなくなる。
というのはわかりますけど。
医者の場合は、その病院で働けなくなったとしても、
医師免許があって、技術があれば、
別の病院で働けますからね。
全然、びくびくする必要なんてないんですよ。
普通の会社であれば、経営者と労働者であれば、
圧倒的に労働者の方が力が弱い立場なので。
だから、「労働組合」とかがあるんですよ。
医師でも、労働組合があるとこもありますけど。
医者って、そういうとこに入るの嫌いな人が
多いですからねー。
まあ、別に労働組合自体に
入る必要はないと思いますが。
医者の場合は、労働組合に入らなくても、
医師免許があって手に職もっているんですから。
経営者(病院)側と対等に
話が出来る立場なんですから。
クビになる、なんて心配しないで、堂々と
「医師の労働環境を改善しないなら、
労働基準監督署に訴えますよ」
という姿勢で、病院側と交渉すべきだと思います。
医者以外の他の職種の人達も、
このままだったら過労死する、っていうような
過酷な労働環境であれば、
もちろん声を上げるべきだと思います。
大きな会社には、労働組合があるので、
そこを通してでも良いですし。
派遣とか、非常勤の人で労働組合に入っていない、
という人であれば、個人単位で入る事が出来る
労働組合もあるわけですから。
立場が弱い人は、そういう方法を使ってでも、
「経営者に対してきちんと声を上げる」
という事が重要だと思います。
単に飲み屋で、仲間内でグチを言っているだけでは、
問題は何も解決しませんからね。
ちなみに、
>各地域の目立った
ブラック病院を擁する自治体に宿直許可証や
36協定文書の開示請求したり、労働基準監督署に
告発する運動を熱心にされている方
これは、小児科医の
江原 朗(えはら あきら)先生ですね。
まあ、厳密に言うと開示請求はしてるけど、
告発はしていないんですけどね。
1987年北海道大学医学部卒。
91年北海道大学大学院医学研究科
生理系専攻博士課程(生化学)修了、
同年北大小児科入局。
現在、北海道大学大学院医学研究科予防医学講座
公衆衛生学分野客員研究員。
ホームページはこれです。
「小児科医と労働基準
小児科勤務医の労働基準と医療安全に科学的な討論を」
HPもすごい勉強になるし。
とても良い仕事をしている先生だと思います。
スポンサーサイト