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現役医師、循環器内科医(Dr. I)が医療について、詳しくわかりやすく解説するブログ。 引用、転載は自由ですが、その際は必ず引用元を明記して下さいね!
新厚生労働大臣に長妻昭氏
新しい厚生労働大臣が決まりましたねー。
「ミスター年金」、長妻昭さんですか。

正直、仙谷由人さんがなるかな、
と思っていたんですが。
彼は、行政刷新会議担当相
っていう良くわからない大臣に
なっちゃったようですね。

仙谷由人さんは、医療系の会とかで
何回か話されているのは聞いた事があって。
非常に医療に関しては理解があるので、
適任かな、とか思っていたのですが。

大どんでん返しがあったんでしょうかね。



厚労相人事に「落胆」の製薬業界 
仙谷氏有力から一転

 
民主党政権での初の厚生労働相ポストは、
曲折を経たうえで「ミスター年金」こと
長妻昭衆院議員に最終的に決まった。

直前まで有力視されていた
仙谷由人元政調会長は、新設の
行政刷新会議担当相に収まった。

仙谷氏は、大手新薬メーカーとの
勉強会を定期的に行うなど、
医薬品産業の振興に理解が深い。

それだけにメーカー関係者からは
「仙谷氏だと思っていただけに、
追及型の長妻氏だとギャップが大きい」
との声も漏れる。

長妻氏は当初、新たに設ける
年金担当相の就任が取り沙汰された。

しかし、長妻氏周辺によると、
年金問題にとどまらず厚生労働省
「そのものの改革」に強い意欲を示したという。

医療に関しても「34兆円という
とてつもない額の医療費の使い道を
ろくに検証していない厚労省は理解できない」
と、組織の抜本的見直しの
必要性を唱えていたようだ。

鳩山由紀夫首相は厚生行政だけでなく、
公共事業や農政などにも明るい
オールラウンダーの仙谷氏を、
行政全体の無駄に切り込む
行政刷新会議担当相に回し、
熱意を買って長妻氏の厚労相起用を
決断したと見られる。

民主党関係者は、「仙谷氏は政策通で
官僚とのパイプも太いことが
逆に仇になって改革ができない、
との懸念も鳩山代表にはあったようだ」
と解説する。


長妻氏の大臣就任で推し進められる
改革について、ある薬業団体幹部は
年金の保険料と給付をはじめ、
医療や介護分野も社会保障カード・番号を
導入すれば一元管理できる。
そういう方向に加速するのではないか」
と分析した。

Risfax【2009年9月17日】




この記事にもある通り、
たしかに仙谷由人さんは、
オールラウンダーっていうか、
政策通っていうか。
まあ、いろいろ知っているようですから。

行政全体の無駄に切り込む
行政刷新会議担当相


っていうのも、悪くないのかな、
とは思います。

>「仙谷氏は政策通で
官僚とのパイプも太いことが
逆に仇になって改革ができない、
との懸念も鳩山代表にはあったようだ」


というのもあったんでしょうけど。
この選択が吉と出るか凶と出るか、
ちょっと見物ですね。


長妻氏周辺によると、
年金問題にとどまらず厚生労働省
「そのものの改革」に強い意欲を示したという。


本人がどうしても厚生労働大臣をやりたい
って言ったという事なんでしょうかね。

個人的には、長妻さんに関しては、
年金に関しては
いろいろ知っているんだろうけど。
医療に関しては素人。

という認識だったのですけど。

医療問題についても国会質疑で
政府に鋭く迫ってきた。


という事らしいので、
多少はわかっているんでしょうか。



☆中医協18日開催、
厚生労働大臣の対応に注目 
中医協改革をどうするのか、医療費は?

・高齢者の救急医療
消防庁に手書き資料要求


鳩山内閣が9月16日発足、
厚生労働大臣には「消えた年金」を
追及しミスター年金と呼ばれた
長妻昭衆議院議員(東京7区、
当選4回、49歳)が就任した。

国会での質疑では年金だけでなく、
救急医療問題や後期高齢者医療制度、
療養病床再編問題など医療政策に
ついても政府に厳しく迫ってきた。

自らの政治理念としては、
「社会保障を削る前に税金浪費システムを削れ」
などと掲げ、そのためにも官僚主導政治を変え
「官僚をコントロールするシステム」
を作る必要があるとしている。
厚生労働省をどうコントロールしていくか、
注目される。


長妻氏は消えた年金を追及した一方で、
医療問題についても国会質疑で
政府に鋭く迫ってきた。

昨年11月の臨時国会では救急医療現場で
特に高齢患者の受け入れ病院選定までに
救急隊員が20回から30回も照会を行い
その間2時間から3時間を要している
事例が多数あることを消防庁から聞き出した。

消防庁ではそうしたデータを揃えていな
かったため、担当者は
手書き資料を提出したという。

この問題に関連して、舛添厚生労働大臣(当時)
に対しては入院基本料について
90日を超える場合に点数が大幅に
減額されるような仕組みになっているなど、
病院に対して長期入院になりがちな
高齢者を受け入れにくくしている
面があると指摘。

さらに、療養病床再編による
介護療養病床廃止方針に対しても、
廃止後の入所者の受け入れ先を
用意しておくべきと追及した。

自身の政治理念の中では、
日本の医療費のGDP(国内総生産)比が
先進7ヵ国中最低である一方、
公共事業費はトップだとし、
そこに官僚主導政治のゆがみがあると指摘。

これを正すためには、官僚をコントロールする
仕組みが必要だとしている。

後期高齢者医療制度の廃止と
医療保険制度の一元化、
来年の診療報酬改定、中医協の構成と
運営の改革などで、厚生労働省を
どう導いてゆくのか、注目される。

Online Medニュース(2009.9.16)




厚生労働省っていうのは、
年金だけじゃなくて、医療、介護、福祉
そして労働なんかの問題もあるから。
相当幅広いんで。

ただ官僚とけんかするだけでは、
全く仕事になりませんから。

まずは、お手並み拝見ってとこでしょうか。





医療戦略の本質―価値を向上させる競争

ハーバード大学の
マイケル・ポーター博士が
医療について書かれた本です。

アメリカの医療について産業構造や
競争の仕組み、様々な分析を行っていて、
このような本はおそらく、日本では
まったくない本ではないかと思います。

今後、日本の医療については
医療費削減」というくびきが
完全になくなるとは思えません。

それでもしばらく医療のあり方について
国民的なレベル で議論されると思います。

その時「質の高い医療」を提供することが
できる病院、しかも経済的にも持続可能で
あることが求められるように思います。



<イベントのお知らせ>

10月11日に下記のような
イベントが開催されます。
上記の「医療戦略の本質」の翻訳された
山本雄士先生の特別講演もありますよ。

よろしければぜひご参加を。


---------------------------------

医療の未来を考える会 ~
医師・看護師・患者さんが集まる医療とは~』

開催日時:2009年10月11日 (日) 
   午後1時30分~午後5時30分

会場:国際医療福祉大学大学院 
   東京青山キャンパス 5F大ホール

東京メトロ銀座線・半蔵門線・都営大江戸線
 「青山一丁目」駅の3番出口より徒歩2分。
東京メトロ千代田線「乃木坂」駅の
3番出口より徒歩8分。
キャンパスの入口はタワー正面玄関ではなく、
タワーに向かい右側

参加費:2000円(資料代込み)
------------------------------
お申込>>>下記のサイト右側の
フォームに記入をお願いします。
『地域医療の未来を考える懇話会』


【概要】

患者さんが求める質の高い医療
提供するためには、医療機関は医師や
看護師が継続して働ける環境を
提供する必要があり、またそうしなければ、
もはや存続していけません。

医療マネジメントにおける
ベストプラクティスのシェアを行い、
経営危機に直面している公立病院や
診療所の未来を考えるのが
今回の勉強会の目的です。

今回は特別講演として
マイケル・E.ポーター博士の
医療戦略の本質―価値を向上させる競争」
を翻訳された山本雄士先生
(東京大学医学部卒、ハーバード大MBA)
を予定しております。


<スピーカー>

1.「脳外科専門病院のマネージメント」
 社会医療法人 祥和会大田記念病院 
  大田泰正先生

2.「公立病院のマネジメントを考える
 ーチーム医療と地域医療連携からー」

 鶴岡市立荘内病院院長 松原要一先生

3.「患者さんに選ばれる診療マネジメント」(仮タイトル)
 ニューハンプシャー医局 柴田雄一氏

4. 資金調達の側面から医療経営を考える
 株式会社格付投資情報センター
  下山直人氏


<特別講演>

山本雄士先生 
(東大医学部卒・ハーバード大MBA)

☆講演会のあと演者の先生がたを
 交えて交流会を開催予定


【申込み】
お申し込みはこちらまで ↓

『地域医療の未来を考える懇話会』

こちらに氏名、所属を記入の上、
フォームにてご連絡を。

■事務局:地域医療の未来を考える会
連絡先:mjl.lm.net@gmail.com
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インフルエンザでも、コンビニ受診を控えよう
『新型インフルエンザ対策』の勘違い
に続いて、二回連続でインフルエンザ関係
なっちゃいますけど。

前回も書いた通り、インフルエンザ対策
最も重要なのは、インフルエンザにかからない事
その為に大事な事は、
インフルエンザにかかった人に近寄らない。
インフルエンザの人が多いと思われる、
人が多いところや、病院診療所に行かない。」


という事なんですよ。

軽症の場合には、病院診療所に行かない
いわゆる、コンビニ受診を控える
という事で、自分がインフルエンザにかかる
リスクを減らす事も出来る
し。

それと同時に、軽症患者がたくさん来て、
医師の業務が増えすぎて、
本当に重症の患者を救う事が出来ない、

という事もなくなりますからね。

インフルエンザになった場合にも、
いわゆるコンビニ受診を控える」
という事は非常に大事です。


厚生労働省大臣政策室の政策官、
っていう、偉い立場の医者も、
そんなような事を言っていたようなので。
ここで紹介させていただきますね。

今回もレンチャンになっちゃいますが、
MRICメルマガからの紹介です。




▽パンデミック時も「コンビニ受診をやめよう!」▽

厚生労働省大臣政策室 政策官
村重直子

※厚生労働省の公式見解ではなく、
 一人の医師としての見解です。

2009年9月12日 
MRIC by 医療ガバナンス学会 発行
http://medg.jp



▽パンデミック時も「コンビニ受診をやめよう!」▽

【学校閉鎖は何のため?】

新学期を迎えたはずの9月初め、
新型インフルエンザのために学級閉鎖や
学校閉鎖が相次ぎました。

新型インフルエンザにより予定の行事が
とりやめになるなど、生徒やご家族、
関係者の方々は
胸を痛めておられることと存じます。

ところが学級閉鎖や学校閉鎖をしても、
新型インフルエンザの感染拡大を
完全に「防ぐ」ことは不可能です。

それは、インフルエンザは熱などの
症状が出る前に感染性があり、
他の病気とも症状が似ているために
新型インフルエンザを
区別することはできないだからです。

それではこの学級閉鎖や学校閉鎖は
何のために行うのでしょうか。

それは、通常の医療を受ければ助かったはずの、
重症患者が命を落とすことを防ぐためなのです。

流行のピーク時には多数の患者が発生しますが、
ほとんどの患者は軽症で自然治癒します。

もし、その軽症患者医療機関へ押し寄せたら、
医療機能は麻痺し、重症患者
病院へ行っても医療を受けられず、
命を落とすことになります。

そういう事態を避けるために、ピーク時の
感染者数を少しでも減らし、
ピークを遅らせることが、
学校閉鎖を行う目的なのです。


コンビニ受診をやめよう!】

前稿にも書きましたが、
新型インフルエンザ対策の中で大切なことは、
患者が爆発的に増えて医療機関がパンクし、
重症患者が通常の医療を受けられずに
死亡するケースをできるだけ
減らそうということです(1)。

新型インフルエンザ対策として、
学校閉鎖だけでなく、
国民一人ひとりができることがあります。

兵庫県の「県立柏原病院の小児科を守る会」(2)
では、子育て中のお母さんたちが、
「県立柏原病院の小児科医が辞めてしまう。
子供を育てられない、出産も出来なくなってしまう」
ことに気づき、次の3つのスローガンを
掲げて活動しています。

 1.コンビニ受診を控えよう
 2.かかりつけ医を持とう
 3.お医者さんに感謝の気持ちを伝えよう

新型インフルエンザのパンデミック時でなくとも、
コンビニ受診医療機関を軽症患者でパンクさせ、
重症患者への医療に支障を来してしまう
可能性が高いことは、医療崩壊している日本では、
日常的におこっていることなのです。

「守る会」は、どんなときに救急車をよべばいいのか
お母さん達が判断できるよう、
症状別フローチャートを作成しました。

正しい知識を持ち、受診すべきかどうかを
判断できるようになることが大切との考えからです。

その結果、以前は1ヶ月の小児科時間外外来数が
150名~最大350名だったのに対し、
1ヶ月で平均40~50名まで
時間外コンビニ受診が減ったそうです。

日常から積み重ねているこういった努力が、
パンデミック時にはさらに貴重になります。

新型インフルエンザについて一人ひとりが
注意すべきことは、毎年冬に経験する
季節性インフルエンザの注意点とほぼ同じですから、
この症状別フローチャートは(3)、
きっとパンデミック時にも
大活躍することになるでしょう。

このように、一人ひとりが社会全体を思いやることが、
本当に医療を必要とする
重症患者の命を救うために有効な
新型インフルエンザ対策となるでしょう。


【参考文献】

(1)死者数を増やすのは医系技官かウイルスか?
厚生労働省大臣政策室 
政策官 村重直子 JMM

(2)県立柏原病院の小児科を守る会ホームページ
 http://mamorusyounika.com/index.html

(3)県立柏原病院の小児科を守る会ホームページ 
啓発グッズ紹介
http://mamorusyounika.com/joho.html


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村重直子(むらしげなおこ)
厚生労働省大臣政策室 政策官 
1998年東京大学医学部卒業。横須賀米海軍病院
1999-2002年米国・
  ベス・イスラエル・メディカルセンター、
2002年国立がんセンターなどを経て
2005年厚労省に医系技官として入省。
2008年3月から改革準備室、
  7月改革推進室、2009年7月から大臣政策室。
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私も、2回連続で記事にしているから、
人の事は言えないのかもしれませんけどね。

はっきり言って、「騒ぎすぎ」ですよ。
新型インフルエンザ」に関して。

季節性インフルエンザ患者って、
毎年1000万人位いるんですよ。
そいで、死亡率0.1%くらいだから、
死者だって1万人位いるんです。

今回の新型インフルエンザ
今のとこ、患者数は正確にはわからないけど。
せいぜい10万人かその位で、
死者だって10人ちょっとですよね。

もちろん、把握していないけれど
新型インフルエンザにかかったり、
それで亡くなった人もいるんでしょうけど。

でも、普通の季節性インフルエンザ
比べたって、まだまだ少ない
んですよ。
患者の数も、死亡者数も。

しかも、「今回の新型インフルエンザ」に関しては、
「季節性インフルエンザ」と同じように扱う。

っていう事になったんですよ。
今は。

今年の春に、世界で始めて
「豚(新型)インフルエンザ」が出た時
は、
死者の数もかなり多いみたいだし。
まだ良くわからないから、過剰反応した。
という事に関しては、やむを得ないと思いますよ。

わからないうちは、リスクを最大限にした
対策を取る、
という事自体は
間違いじゃないですから。
初期の対応自体が間違っていた、
とは言いませんけど。

でも、もうたくさん情報も出てきて、
死亡率等もわかってきた。
という事なんですから。

そんなに騒がなくても良いでしょ。
そろそろ。

医療関係者に優先的に
新型インフルエンザのワクチンを行う。
というのも「強毒性の新型インフルエンザ
が出た時に備えて事前にルールを決めておく。

という事だったら良いんですけどね。

今のインフルエンザだったら、
言い方悪いけど「どーでも良い
んじゃないっすかね、正直。

むしろ、マスコミとかが、
変に騒ぎすぎるから、ワクチンとか
タミフルが不足する。

っていう自体が起きているんだから。

政府もマスコミも、これ以上騒がない。
いつものインフルエンザと同じ扱いをする。
って、宣言するだけ
で良いと思うんですが。

こんな小さなブログで、いくら言っても
たいした影響力はないとは思いますけど。

そろそろ、これ以上騒ぐの
止めた方が良いんじゃないですかね。


実際、インフルエンザ患者
沖縄で病院に押し寄せたら、
受診するのに6時間待ちの状況

起きたようですから。

こんな風にならないように、皆さんは
軽症だったら、病院には行かないでね!



新型インフル大流行時の沖縄、
受診6時間待ちも

新型インフル
 
この夏、沖縄県では全国でも突出して
早く新型インフルエンザの流行が進んだ。

最も多い週には県内58の定点医療機関だけで
2686人(定点あたり46・31)と、
例年の季節性のピークに近い患者数に達した。
医療現場は、どんな状況になったのか。
現地で取材した。


 ◆患者が倍々に
 
「あっという間に患者が倍々に増えた。
(受診数の)天井が全く見えず、毎日のように
新しい対策が必要になった」。

那覇の新都心・おもろまちの
近くに立つ那覇市立病院
宮城とも・副看護部長はそう振り返る。

沖縄では7月下旬から患者が増え、
8月15日に全国で最初の死者が出た。
受診が急増したのは、その翌日の日曜からだ。

夜間休日診療を受け持つ市立病院
は206人が訪れ、一般の急患を合わせると
計300人以上であふれ、
最高6時間待たされた人もいた。

県立南部医療センター・こども医療センター
(南風原町)にも98人が受診し、一般を含めると
計220人が来て3時間待ちの状態。

次の日曜の23日にはさらに増え、
病院だけで計353人が
インフルエンザ症状を訴えて受診した。
市立病院は、感染防御のため
専用の臨時待合室も設けた。


 ◆自由選択が影響

問題は、余裕のある病院診療所がほかにあるのに、
病院を中心に一部施設への集中が続いたことだ。

5月の兵庫・大阪での流行のあと、
政府は特定施設に受診を限る方式をやめ、
広く一般の医療機関での診療を認めた。

それでも事前に電話してから
受診するのが原則だが、受診先を自由に選べることが、
特定の病院への集中につながった。


 ◆難しい見極め

医療機関が機能不全に陥るのを防ぐには
軽症者が外来受診を控えたほうがいい。
しかし県内の重症者9人(死亡1人)のうち、
6人は慢性疾患などのリスク要因がなく、
ふだん健康な人だった。

現場の医師らは「電話相談で軽症と判断しても、
責任を持って『受診を控えて』とは言えない」
と口をそろえる。

県医務課は、県内の子どもの心臓手術を
一手に担う南部センターがマヒしないよう、
小児用の人工呼吸器を持つ10病院の使用状況を
毎日調べ、小児患者を割り振るシステムを構築。

もし集中治療室が満床になれば、琉球大病院
バックアップする体制も整えた。

県医師会の宮里善次・感染症担当理事は
「だれがいつ重症化するのか、特徴がわからず、
多くの人を受け入れざるを得ないが、
軽症者への対応に振り回されてはいけない。

診察は少々待ってもらってもいい。
大切なのは死者の最少化。
重症者が手遅れにならないよう、
医療機関の役割分担、受け入れ態勢を
整えておくことが肝心だ」と強調した。

(大阪科学部萩原隆史)


『読売新聞:2009/09/13』
 『新型インフルエンザ対策』の勘違い
新型インフルエンザで死者も増えているんで、
夏になってもまだ、いろいろ報道されていますね。
新型インフルエンザの話題。

もちろん、正しい知識を報道するのは良いんですが。
間違った知識、勘違いもあるんですよ。

季節性インフルエンザでも、新型インフルエンザでも。
一番大事なのは、「インフルエンザにかからない事
です。

インフルエンザは、季節性でも新型でも、
人から人に感染しますからね、基本的には。
まあ、豚とか鳥から人に感染する事もあるんですが。
基本的には、人から人への感染です。

だから、一番基本的で効果があるインフルエンザ対策は、
インフルエンザにかかっている人の近くに行かない」
という事です。

これが、単純ですけど、最も効果があります。
ウイルスが手についても、手を洗えば
落とすことができる場合もありますけど。
でも、手を介さないでウイルスに
感染する事もありますから。
手洗いはもちろん、万能ではありません。

まだ、手洗いに関しては、世界中で行われていて、
効果もある、と言われているから、ましですけど。

うがい」と「マスク」に関しては、
効果があるかどうかもはっきりしません。
うがい」とか「マスク」している国って、
日本くらいのもんです。

口の中にウイルスが入ってから、
10分くらいで体の中
に入っちゃいますからね。
インフルエンザのウイルスって。

だから、駅とか街中とか、人ごみの中に行った時。
駅から5分の場所に、自分の会社とか学校とか
家があるんだったら、着いたらすぐにうがいをすれば、
もしかしたら効果あるかもしれませんけどね。

街中に行って、一時間かかって帰ってきてから
うがいをしたって、もう遅いんですよ。

マスクに関しても、ウイルスなんて、
ほとんどのマスクを素通りしますからね。
多くの場合は、意味ないんですよ。

ただ、口の中を加湿する効果はあるし。
もしインフルエンザになった場合に、
他人に移すのを減らすかもしれない。
という事はありえるので。

うがいマスクも、しないよりはまし
だと思います。


繰り返しますけど、インフルエンザ対策として
最も効果があるのは、
インフルエンザにかかっている人の近くに行かない
です。

インフルエンザにかかっている人が、
多い場所ってどこでしょうかね。

街中とか、どっかの会場とか。
人がたくさん集まる場所では、
インフルエンザにかかっている人がいる
確率も高くなりますから。

人がたくさん集まる場所にはなるべく行かない
というのは、インフルエンザ対策として正しいです。

んで、もう一つ。
あまり報道されていませんけど。

インフルエンザの人がたくさん集まる場所
っていうのがありますよ。
インフルエンザの患者さんが。

わかりますよね。
そうです、「病院」や「診療所」です。

病院」や「診療所」って、インフルエンザとか
熱がある人が集まる所ですから。
当然、そういう所に行くと、
インフルエンザにかかる可能性が高くなります。

基本的にインフルエンザにかかったら、
高熱」が出ますから。
そして、多くの場合は、とかとか。
そういう症状が出ます。
あと、関節が痛いとか、そういった症状もあるけどね。

そういう「明らかにインフルエンザの症状」で、
家にいたら苦しくてしょうがない
という場合は、病院診療所に行っても
良いと思いますけどね。

でも、37度とか、たいした事のない微熱とか。
ちょっと咳、痰が出た

とか、その位の症状で「病院」や「診療所」に行ったら、
逆にインフルエンザを移される可能性があるんですよ。

だから、「軽症の場合は病院診療所に行かない
というのも非常に大事なインフルエンザ対策なんですが。

残念ですけど「早く病院診療所に行きなさい
という「むしろ反対のインフルエンザ対策
の方が一般的に行われているようですね。


具体的に、こんな事が現場で起こっている、
という話がMRICメルマガで載っていたので。
ちょっと紹介させていただきますね。



▽ 『新型インフルエンザ対策』が爆発的流行を引き起こす ▽

有限会社T&Jメディカル・ソリューションズ代表取締役
               木村  知

2009年9月8日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行
               http://medg.jp


夏休みが終わった。
厚労省は夏休みが終わる一週間ほど前に
再び改正省令を出し、「新型インフルエンザ」の
感染症法に基づく医師の届け出を不要とした。

これでようやく「新型インフルエンザ」は
われわれ現場の臨床医にとって
「いつものインフルエンザ」になった。

正直そう思いたかったが、夏休みを終え、
むしろ現場の状況はますます深刻に
なってきているということを、
先日痛感させられる事態に遭遇してしまった。

そして、このような現状では
「新型インフルエンザ」のいっそうの感染拡大は、
もはや避けられないと考え、今回緊急記事として
現場の実情を報告させていただくことにした。


夏休みも明けて2~3日経ったある日、
いつもの診療所に行くと、そこは真冬の
ピーク時とはいかないまでも、
いつものこのシーズンとは
明らかに違う混雑となっていた。

特に午前中は、1時間あたり約40人の
受診者がおり、その約半数は「カゼ症状」や
「発熱」といった「急性の患者さん」であった。

もちろんいわゆる「インフルエンザ様症状」を
呈する患者さんも若干名おられ、1時間に
1~2人ペースで「A型陽性」患者さんが
発生したのであるが、
これはこの診療所の真冬の状況からすれば、
まだほんの少数であり、これら
「急性の患者さん」のほとんどは、
むしろ軽微なカゼ症状での受診者であった。

小児など、もともとコンビニ受診をする
患者さんは多いのだが、あまりに例年の
雰囲気と違うため、「37度の発熱のみ」で
小学生を連れてきたある母親に、
今回の受診理由を問うてみた。

すると、まさに耳を疑う意外な教育現場の
現状を知ることになったのである。

「毎朝登校前に検温をして、
体温37度以上なら学校を休んですぐ病院に行き、
新型インフルエンザでないことを
確認してもらってから登校するように」

その子の通う小学校では、
このように指導されているのだという。

また昼過ぎにやって来た、いかにも
元気そうな別の中学生は、
「授業中咳をしていたら、保健室に
行くようにいわれてしまい、そこで検温をしたところ
37度と出たのですぐ早退させられ、
その足でここに来ました。
でも1時間以上も待って疲れちゃいましたよ」
と当の本人も、なぜ元気なのに
ここにいるのか腑に落ちない様子であった。

そのほか、授業中の急な発熱の小中学生や、
仕事中の咳を指摘されてあわてて
退社してきた一流企業のサラリーマンなど、
受診者の多くは典型的なインフルエンザ様症状を
呈していないか、もしくは
症状発現ごく早期の状態であった。


そこで、近隣3市の教育委員会に
問い合わせをしてみた。
教育現場にこのような対応を指示しているのは、
国なのか自治体なのか保健所なのか?

聞くと、そんな通達など一切していないと、
どの教育委員会も口を揃えた。
毎朝の検温の実施は指導しているが、
体温の数値で強制受診させることなど、
一切していないとのことだった。

おそらく教育現場の末端で、
自主的に行われている対策でしょう、
との見解であった。
このような教育現場での
「新型インフルエンザ対策」を妥当と判断する人は
いったいどのくらいいるのであろうか?

 
厚労省は、各医療機関に
「新型インフルエンザ対策」として
引き続き院内感染の防止に努めるように、
との通達を出している。

医師会も待合室を分離したり、
発熱者の受診時間を別枠に設けたりなど、
時間的空間的隔離をなるべく行うように、
各医療機関に呼びかけている。

しかし、ほとんど発熱者が来院しないような
診療科ならまだしも、小児科や内科などを
標榜している多くの診療所では、
今後本格的なシーズンが到来すれば
外来患者さんの半数以上の主訴は
「発熱」や「カゼ症状」になるであろう。

空間的隔離として、これらの多数の人たちを
別室に隔離することは物理的に不可能であるし、
待合室でのついたて(仕切り)や
全員のマスク着用などは、少し考えれば
院内感染予防策というより気休めに近いもの
であることがわかるであろう。

また、診察時間が来るまで自宅待機させ、
携帯メールで呼び出すなどというシステムを
導入している施設もあるかと思うが、
すべての患者さんが扱えるシステムとは
とても言えない。

時間的隔離として「発熱外来時間枠」を
設けたとしても、来院する発熱者がすべて
インフルエンザ感染者であるわけがないし、
そもそも患者さんは素人である。

インフルエンザの症状とはまったく異なるのに
「発熱外来時間枠」に来院したり、逆に典型的な
インフルエンザ症状であるのに、無予告で
「時間枠外」に来院することも十分あり得ることだ。

さらに発症前の潜伏期の患者さんなども考慮すると、
同一診療所内で「感染者」と「非感染者」を
事前に分別して、100%接触させないなど、
どう考えても不可能なのである。

これは、空港検疫が無益であったこととよく似ている。
機内でも空港でも待合室でも、空中を漂う
ウイルスやそれを何食わぬ顔で保持している人たちを
それらと一切無関係な人から確実に
隔離することなど不可能なのである。

つまり一般的な医療機関の待合室での
院内感染を防ぐことは、不可能と考えるべきである。


しかし、現場の医師でこのようなことを
言う人はあまりいない。

「新型」を報告した、神戸の先生が、
その後とんでもない風評被害を受けられた
という事実にもあるように、世間は「院内感染」
という言葉にかなり神経質になっている。

「新型インフルエンザの院内感染」となれば、
なおさらだ。
下手をすると新聞や週刊誌に
自分の診療所名が載ってしまうかもしれない。

「うちの待合室にはインフルエンザの患者さんが
たくさんいるので、危険です」
などと言う医師などいるはずがない。

何も対策を講じないというのは論外、実際無理
と思っていても、精一杯院内感染防止策を講じている
という態度を示しておかねばならないと
考えている医師がほとんどであろう。

しかし一方で、「院内感染」は100%防止できない
ということを、患者さんに十分示すということも
医師の責任として行わなければならないと、
私は考えている。

一方、世間もこのような現場の状況を
十分に知っておかなければならない。

インフルエンザに感染するには、
感染者との接触が必要だ。

逆に感染したくなければ(インフルエンザに罹るのが
心配であれば)できるだけ感染者のいるところには
近づかないことが重要だ。

これは敢えて言うまでもなく当たり前のことだ。
しかし、このような当たり前のことが、
「新型インフルエンザ対策」が各所で過剰に行われるにつれ、
世間ではわからなくなってきているようなのだ。

テレビCMで「カゼには早めの~~」
などと宣伝するためか、早めに薬を飲めば
カゼが早く治ると考える人がものすごく多い。
また、医療機関にかかれば診察付きで薬も処方され、
負担も3割だから、市販薬を購入するより、
かえって安くて安心という考えから、
「カゼをひいたかな」と思ったら、まずすぐ医療機関にかかる
と決めている人も多い。

そして今は「新型インフルエンザ騒動」の真っ最中だ。
インフルエンザ感染の有無も医療機関ですぐ
チェックできるとあらば、これらの患者さんの
受診動機はさらに増えることとなる。

さらに、学校、職場では、「新型インフルエンザ対策」
の名の下に、早めに感染者を把握しようと、
少しでも異変のある人を徹底的にピックアップし
早期の医療機関受診を促している。

しかし、このような「新型インフルエンザ対策」を
すればするほど、電車の中や、コンサート会場以上に
インフルエンザ感染者が多く集っている場所
ーつまり診療所の待合室に多くの「非感染者」が
誘導されていく事態となる。

インフルエンザ感染が一番心配なはずなのに、
一番危険な場所にマスク一枚で乗り込むことの
恐ろしさを、もはや気付かなくなっている人が
あまりにも多すぎる。

9月1日付けで文部科学大臣より、子供たち、
保護者、学校関係者に宛てて、メッセージが発信された。

それには、「せき や熱(ねつ)が出(で)るなど、
かぜやインフルエンザにかかったかなと思(おも)ったら、
すぐにお医者(いしゃ)さんに行(い)ってください」
とある。

一見もっともなメッセージだが、このような安易な
医療機関の受診勧奨は、「カゼ」の子供たちに
インフルエンザ感染の機会を増やすだけだ。

「すぐに」医療機関に行っても、検査キットも
無尽蔵にあるわけではない。
1~2時間ほど、本物のインフルエンザ患者さんの
隣で待たされた挙げ句に、
「症状がもう少し典型的になってから検査しましょうね」
と何もされずに帰されることも十分あり得ることだ。

そんなお子さんが、4~5日後にインフルエンザ様症状で
来院したなら、それは明らかに診療所から
持ち帰ったウイルスだと言えるだろう。


「新型インフルエンザ対策」として今も多くのメディアが
「手洗い、うがい、咳エチケット、そして
『おかしいな』と思ったらすぐ受診」と喧伝しているが、
インフルエンザ感染拡大の防止策は、
「『おかしいな』と思ったらまず自宅安静」、
そして不要不急の安易な受診をしない
ということに尽きる。

そして受診をする際には、各人が本当に
「今」受診しなければならないかを、
一旦冷静に、あわてずゆっくり考えることが必要だ。

先日、本格的なシーズンを迎えるにあたり、
よく雑誌に載っている性格判断に用いられるような
インフルエンザ簡易診断フローチャート」を作り、
事前にできるだけ多くの患者さんに配布することにした。

典型的なインフルエンザ症状をわかってもらうとともに、
どのような症状でどのようなタイミングで
受診するのがよいかをわかりやすく案内したものである。

そして、定期的通院が必要な患者さん用の
時間枠をある程度設定し、その時間帯は、
インフルエンザ様症状の来院者に少しご遠慮いただく
などのアナウンスを始めている。

そして、そのパンフレットには、このような対策をとっても、
院内でのインフルエンザ感染を100%防止できない
旨を明示している。

 
今回、「新型インフルエンザ対策」が
過剰に講じられることによって、かえって不要な感染者を
増加させてしまうという危機的状況を実感した。

5月から、この「新型インフルエンザ」がスティグマとして
継続的に全国民に浸透してきたことにより、
個人の事情や企業、教育現場の諸事情をも巻き込み、
あらゆる思惑や行動が複雑に入り乱れることになってしまった。

「新型インフルエンザ」が心配で過剰検査を
希望する人がいる一方で、「新型インフルエンザ」とわかると
仕事に影響するため検査を拒否する人さえ出てきている。

今行われている対策が、「インフルエンザ対策」でな
く「新型インフルエンザ対策」であるがゆえに
感染爆発を引き起こしつつあるというこの皮肉に、
多くの人が一刻も早く気づく必要がある。

このままいくと未曾有の流行になってしまうかもしれない。
もしそうなってしまったら、それは
「新型インフルエンザ」の「感染力」によるものではなく
「新型インフルエンザ対策」という「人災」によるものだ。

  
木村 知(きむら とも)
有限会社T&Jメディカル・ソリューションズ代表取締役
AFP(日本FP協会認定)、医学博士
1968年カナダ国オタワ生まれ。

大学病院で一般消化器外科医として診療しつつ
クリニカルパスなど医療現場での
クオリティマネージメントにつき研究中、
2004年大学側の意向を受け退職。

以後、「総合臨床医」として「年中無休クリニック」を
中心に地域医療に携わるかたわら、
看護師向け書籍の監修など執筆活動を行う。

AFP認定者として医療現場でのミクロな
視点から医療経済についても研究中。
著書に「医者とラーメン屋-
『本当に満足できる病院』の新常識」
(文芸社)。


「『新型インフルエンザ対策』が爆発的流行を引き起こす」




インフルエンザっていうのは「ウイルス」ですから。
抗生物質も効かないので。
ちょっと前までは、インフルエンザにかかったら、
家で安静にして水分摂って静かに寝ている

しか方法がなかったんですよ。

というか、日本以外の国では、
今でもその方法が行われています。

タミフル」って薬が出たばかりの頃、
インフルエンザの特効薬」って事で、
マスコミでも大々的に報道されて。

そいで、「タミフルの異常行動」の話で、
ぼろくそに叩かれて。
また、「タミフルが新型インフルエンザの特効薬
みたいな話で、マスコミで話題になっていますよね。

でも、インフルエンザ対策で一番大事な事は、
タミフル」でも「病院に行く」でもなくて、
インフルエンザにかからない」って事なんですよ。

元気な人が、インフルエンザの患者がたくさんいる、
病院診療所に行ったら、そこで
インフルエンザを移される事もあるんだ。
だから、軽症の場合は病院に行くな。


っていう事を、もっと報道してもらいたいものですねー。


「新型インフルエンザ対策」
インフルエンザ感染拡大の防止策は、
「『おかしいな』と思ったらまず自宅安静」、
そして不要不急の安易な受診をしない。


ですよ。


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