現役医師、循環器内科医(Dr. I)が医療について、詳しくわかりやすく解説するブログ。 引用、転載は自由ですが、その際は必ず引用元を明記して下さいね!
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医療崩壊の真犯人は医療費抑制政策
医療崩壊の真犯人」っていう本を、
元財務官僚村上正泰氏が書かれましたね。

元財務官僚も、『医療崩壊の真犯人』で、
医療崩壊の一番の原因は「医療費抑制策
と思っているようですね。

医療費を上げろ、って言ったって、
「医者の給料をもっと上げろ」
って言っているわけではないんですよ。
我々医者も含め、医療費を上げろって
主張している人間は。

病院にたくさん患者が押し寄せてきて、
患者を診る医師や看護師の数が足りない。
それに、医師や看護師以外の人も足りないから、
医師達の仕事が増えて、医師が疲弊して
どんどん病院からいなくなる。
でも、患者は増えつづけている。

という負の循環で医療崩壊は起こっています。

医療というのは、「人材集約型産業」ですから、
人を雇わないとできない仕事なんですよ。

でも、人を雇うだけの金がないから、
医師や看護師の仕事がどんどん増えている。
年々医療は高度化して、人手がもっと必要なのに
病院の人は増えない。

それは、人を雇うだけのお金が病院にないからです。
んで、人を雇うお金っていうのは、
基本的には「診療報酬」になりますから。
診療報酬を上げろ、っていう主張になります。

日本の診療報酬、とくに「技術料」
と言われる手術とか手技の値段は
他の先進国の数分の一とか、
下手したら、十分の一くらいですからね。
それらを適正な値段にしなさい。
というのが、私の主張です。

もちろん、診療報酬だけでは難しい面もあるから、
地域医療に貢献している病院とか、
診療所なんかには、それに応じた補助金を出す。
という政策も必要だと思います。

もちろん、金だけで全て解決するとも思っていません。
患者の数が多くて医師が少ない、
というのが原因ですから。
患者の数を減らす、アクセス制限予防医療
といったものも、もちろん必要だと思うし。
医師の数を増やす事も必要だと思います。

民主党は医師数を1.5倍に増やす。
医療費もOECD平均まで増やす。
とマニュフェストには書いてありましたが。
いつまでに、って事は書いていないんですよ。
残念ながら。

それでも、民主党が政権を握るまでは、
期待はしていたんですけど。

なんか、官から民へ、とか言っておきながら
財務省の言いなりで、医療費は抑制する
っていう方向にしか見えないんですけどねー。
今のところ。

元財務官僚で「医療崩壊の真犯人」って本を
最近書かれた村上正泰さんも、
私と同じように考えられているみたいですね。
m3.comにインタビューが出ていたので、
ちょっと引用させていただきますね。
いつもお世話になっております。



医療費亡国論」からの脱却が不可欠
-元財務官僚・村上正泰氏に聞く◆Vol.1

「国民負担率の抑制が、あらゆる政策の出発点だった」
2009年11月25日 聞き手・橋本佳子(m3.com編集長)


「わが国の医療制度の危機的状況の最大の原因は、
これまでの低医療費政策」。

今年10月に上梓した『医療崩壊の真犯人』(PHP新書)で、
こう指摘した村上正泰氏。村上氏は財務省に入省、
2004年から2年間は厚生労働省に出向し、
2006年の医療制度改革に携わった。

現在は退職し、財団法人日本国際フォーラム所長
として活動すると同時に、財務・厚労の
両省での経験を踏まえ、医療分野での評論活動を展開する。

医療の現状認識や、事業仕分けをはじめ
民主党政権下の政策決定プロセスなどについて、
村上氏に聞いた。
(2009年11月21日にインタビュー。計5回の連載)



村上正泰氏 1974年生まれ。
東京大学経済学部卒業後、大蔵省(現財務省)入省。
在ニューヨーク総領事館副領事などを経て、
2004年7月から2年間、
厚労省保険局総務課課長補佐。
2006年7月退職。

 
――『医療崩壊の真犯人』では、様々な要因があるとしながらも、
医療費抑制策が一番の医療崩壊の原因であるとしています。



社会保障費の適正な水準は、各国の状況によって
違ってくるため、一概には言えません。

ただ、日本は既に世界で最も人口の高齢化が進んでおり、
対GDP比の医療費がOECD加盟国の中で
長年下位である状況は、明らかに異常でしょう。

高齢化が進めば、医療費は当然増えざるを得ない。
医療費の中でも効率化すべき部分は確かにあると思いますが、
過度に抑制されすぎていた。

その結果、現場にひずみが生じ、医師不足、
救急搬送、医療事故など様々な問題に
つながっているのだと捉えています。



 ――なぜ政府、あるいは財政当局は医療費
抑制してきたのか、どんな政策決定プロセスのために、
それが継続してきたのでしょうか。



1980年代から、『医療費亡国論』に代表されるように、
医療費の抑制が政策の前提条件になるような
雰囲気が非常に強かった。

税や保険料負担を抑えないと、経済の活力が失われ、
国民の生活が苦しくなるという認識が、政府だけでなく、
国民の間にあったと思います。

さらに、1990年代に入り、バルブ経済が崩壊し、
経済成長率は低下した。
税収も、保険料収入も落ち込む。
医療費を取り巻く財政状況が厳しくなってくる。

こうした中で、ますます「医療費を抑制しないと、ダメだ」
という雰囲気が強まった。

自民党政権時代の経済財政諮問会議でも、
「中長期的に医療費を抑制していく」という
大きな文脈の中で、医療費の伸び率管理
という議論が出てきました。

こうした点を踏まえると、20数年来、
医療費抑制という基本は変わらず、
そこに大きな問題があると考えています。



 ――2004年7月、財務省から厚労省に出向され、
経済財政諮問会議にもかかわっています。
医療費抑制」という目的の是非自体は、
議論にならなかったということですか。



当時も、厚労省はそれに対する反論を
細々とはやっていました。
国際比較でも、日本の医療費をはじめとする
社会保障費の水準は低い。

一方、ヨーロッパ諸国を見るとGDP比の
国民負担率が50%を超えていても、
経済成長率が低いわけではありません。

英国のオックスフォード大学の公共経済学の大家である、
アンソニー・アトキンソン教授は、詳細な国際比較を行い、
「国民負担率と経済成長率との間に、
統計的に有意な関係はない」という結論を出しています。

厚労省がこうした視点で反論しても、
経済財政諮問会議では、全く聞き入れられませんでした。

もっとも、厚労省が財務省に財源確保を要請しても、
他方で厚労省は他の役所とは異なり、
財政当局の役割を果たしている点にも着目すべきでしょう。



 ――それはどのような意味でしょうか。


国土交通省が「公共事業費亡国論」、
文部科学省が「教育費亡国論」などと言い出すでしょうか。

彼らは予算を上げろと言い、財務省との
つばぜり合いを展開するわけです。

これに対し、厚労省も医療費の引き上げを主張しますが、
医療費が増えれば保険料に跳ね返ってくる。
保険財政を預かっている立場からすると、
「保険料の上昇を抑えるためには医療費
抑えなければいけない」と厚労省は考える。

実は財務省の中にも、「厚労省、特に保険局は、
自分たちと近い考え方をする」との見方があります。

私は厚労省出向時、財務省の先輩から、
「保険局はなぜ医療費の伸び率管理に抵抗しているのか。
保険局は我々の味方、近い存在だと思っていたのに」
といった内容のメールを受け取ったことがあります。



 ――厚労省でも、保険局と、医政局をはじめ
他局との間では考え方が違うと思われますか。



医療制度改革の議論は保険局中心のところがあり、
医政局の主張、意見はプラスアルファで付いてくる程度。

私は2006年の医療制度改革に関わったのですが、
その前の2002年の小泉内閣最初の制度改革時も、
保険局マターが中心で、医政局関連の事項が
大きく取り上げられることはなかった。

私は保険局総務課で、「医療費適正化計画」の
枠組み作りに携わったのですが、平均在院日数の短縮、
療養病床削減の議論において、医政局の存在は薄かった。

これらは医療提供体制の話ですから、
医政局の観点からの議論が本来的には重要。

しかし、保険局で決めて、医政局に「こうしたい」と言っても、
医政局から積極的に意見が返ってくることはありませんでした。



 ――療養病床を削減するのであれば、
急性期から慢性期、在宅への流れを踏まえ、
医療提供体制の枠組みを考える議論があるべきです。



保険局から数値目標を提示しても、
医政局は無反応に近い状況でしたね。
その時に限らず、医療制度改革の時には、
保険局の声が強い。
「最後は、カネに行き着く」という面があります。


 ――その辺りを変えないと、「財政当局としての厚労省」
という側面が強く出てしまう。
「国民負担率を50%以内に抑える」という
前提条件を変える議論にもならない。



そうですね。
最終な部分は、政策の価値判断の話になると思います。

「国民負担率を50%以内に抑えなければいけない」
と考えるのか、ヨーロッパ諸国のように、
国民の合意形成を経ながら、社会保障費を徐々に増やし、
充実していくのがいいのか。

少なくてもこの10年間くらいは、
小さな政府志向が非常に強かったので、
「国民負担率は抑制しなければならない」
という考えが、あらゆる政策を考える上での
出発点になっていた。
この辺りはもっときちんと議論されるべきだと思います。




社会保障国民会議で抑制論から転換の兆し
- 元財務官僚・村上正泰氏に聞く◆Vol.2

医療者だけでなく、患者・国民にも医療への危機感



――麻生政権時代の社会保障国民会議は、
2008年11月に報告書をまとめています。

医療・介護費用についてシミュレーションし、
複数の改革シナリオを提示して、
負担増にも言及しています。
この会議では、原点に立ち戻った議論が
行われたとお考えですか。



今までの議論と方向性は変わってきたと思います。
従来の医療制度改革は、「2025年の医療費
これくらいですが、改革を実施すれば、
この程度に削減できます」という議論ばかりやっていた。

これに対し、社会保障国民会議では、
「こういう改革を実施したら、このくらい
医療費が増える」という議論だった。

ただ、その際の議論の中身は、
「急性期医療の部分はマンパワーを充実して、
在宅医療も整備し、平均在院日数は短縮する」
といった内容にとどまっています。

ではこうした改革を実施した時にどんな医療が実現するか、
もう少しビジョンがほしかった。
また、幾つかの改革シナリオを提示していますが、
結局、医師数や平均在院日数を変数としている程度で、
シナリオの中で、「どれを選びますか」と聞かれても、
大差がなければ選びにくい。

とはいえ、不満もありますが、
議論が変化してきたことは確かです。



 ――なぜ長年続いてきた医療費抑制という
議論の方向性が変わってきたのでしょうか。



やはり小泉改革で、ここ数年、相当荒っぽく
改革をやりすぎて、医療崩壊を招いた。
「このままでは安心して医療が受けられない」という声が、
医療者だけでなく、患者、国民からも
強くなってきたことが大きいと思います。



 ――しかし、社会保障国民会議では、
平均在院日数など以外の新しい指標が打ち出せなかった。



「在宅医療、介護なども含めて、
退院後も安心して生活できる体制作り」は、
長年指摘されてきた話。

これは正しい方向性ですが、社会保障国民会議の
ビジョンはこれだけなのか。
またこのビジョンを掲げるとしても、これまで遅々として
実現できなかったのはなぜか、
本当にこれを進めていくには何が必要なのか、
という議論が少なかった。

在宅医療は、診療報酬上で重点評価する
程度ではなかなか進みません。
在宅医療を推進するのであれば、
様々な側面から条件整備を行う必要があります。
 


 ――ビジョンに新しさや具体性がないとのことですが、
例えばどんなビジョンをお考えですか。



結局、同じような方向になるとは思うのですが、
在宅シフトを進めるという政策の根底にも、
医療費抑制の発想があります。

この考え方で組み立てていくと、絶対にうまくいかない。
そうではなく、「在宅医療がいい」のであれば、
在宅へのシフトが進んだ結果、医療費
増えても構わないという発想でスタートしないと、
急性期から慢性期、さらには在宅への流れは
永遠に「絵に描いた餅」でしょう。

医療費抑制を出発点にすると、政策自体も
非常に荒っぽいものになる。
療養病床の再編がその典型。

本来であれば、療養病床を削減するのであれば、
慢性期の医療の在り方、医療と介護の関係、
さらには受け皿の整備の議論から進めるべき。

しかし、実際には「医療費抑制」から議論がスタートした。
だから「病床を減らす」という数値目標をまず掲げる。
その後のことはそれから考えるという、
厚労省の政策の荒っぽさにつながる。

後期高齢者医療制度にしても、荒っぽく映っている部分は
この辺りが原因ではないでしょうか。

こうした思考であれば、厚労省の役人が
じっくりと物事を考えて決めるという雰囲気も失われる。
また実際に時間的な余裕もないのが事実でしょう。



 ――厚労省は、他省庁と比べて多忙なのでしょうか。


省内で余裕がある部署があれば、
そこから多忙な部署に職員を配置できます。

しかし、今はどの部署も忙しい。
また各部署にはそれなりに職員はいますが、
各部署が抱えている業務の多さ、責任の重さ、
重要性は相当なものだと思います。

日々の業務をこなしながら、次の政策を
考えていくだけの物理的な余裕があまりない。



 ――財務省との比較ではどうなのでしょうか。


例えば、財務省主計局は、各省庁との間で
予算の交渉はしますが、主計局が矢面に立って
国民と接することはほとんどありません。

国民、あるいは利害関係者と直接接して、
時には対峙するのは各省庁です。

特に厚労省の仕事は国民生活に
密接につながっているだけに、政策的な問題、
失敗があった時にそれだけ批判もダイレクトに受ける。

それに向き合うのは、大変だと思います。
もっとも、政策の失敗は自分が招いている
という自己責任はありますが。




次期診療報酬改定は民主党の医療政策の試金石
- 元財務官僚・村上正泰氏に聞く◆Vol.3

「今の議論を見ると、政権交代した意味があるのかと思う」



 ――社会保障国民会議で「医療費抑制政策」の
方向性が変わってきた。
そうした中で、民主党政権が誕生しました。
まず民主党のマニフェストに対する評価をお聞かせください。



最初にマニフェストを見た時は、
医療費をOECD平均並みに増やす」ことを
打ち出していたので、方向性としては期待していました。

ただ、いつまでに増やすのかなどの具体性に欠ける上、
医療についての理念が見えてこない。

医療以外でも「子ども手当て」の創設を打ち出すなど、
社会政策を重視する方向性は伺えますが、
一方で、“ムダを排除する”など、構造改革的、
小泉改革的な路線も見える。
両方の要素が混在しており、両者の整理が理念上、
あまりなされていない印象を持ちました。



 ――「期待していた」とは、過去形なのでしょうか。


医療の今後の方向性を占う上でも、
今回の診療報酬改定が重要だと思うのです。

医療政策をどうするか、民主党の姿勢が一番、
はっきり現れる。

現時点は、まだ議論の過程であり、
結論が出ているわけではないのですが、
野田財務副大臣などが、財務省主計局と
ほとんど同じことを言っているわけです。

政治家としての発言なのか、主計局に
言われたことを言っているだけなのか。
診療報酬の配分を見直し、開業医から勤務医に回し、
全体としては上げない」という発言は、
主計局に踊らされているとしか思えない。

長妻厚労大臣も、発言が揺れており、以前は
診療報酬を増やさなければいけない」と言っていた。

しかし、最近、「上げ幅をなるべく抑えて」
と発言しており、厚労大臣の発言としては
きわめて不適切だと思います。

このように今は「診療報酬全体は押さえ、
配分の見直しで改定」という議論が非常に強い。
それはおかしいのではないでしょうか。

従来から「開業医は儲けすぎ」という議論があります。
財務省が昔から言っていたことで、
今回の行政刷新会議の
「事業仕分け」でも議論になりました。

しかし、それが果たして本当なのか、
実態を反映しているのか、という点は実は
明確になっていません。

多くの方が指摘していますが、個人開業医の収入には、
将来の設備投資のための積立や、
退職金引当金に相当する部分などが含まれており、
勤務医との単純な収入比較はできません。

さらに「事業仕分け」では、診療報酬への
「公務員人件費・デフレの反映」なども言われていますが、
これも一方的な議論です。

こうした議論を続けているのだったら、
政権交代の意味がない。
政権交代はいったい何だったのかと。
主計局が「医療費抑制」を主張していた
時代と変わりません。



 ――そもそも主計局はなぜ、「医療費抑制」
を掲げ続けるのでしょうか。
仕事だから抑制政策を訴えるのか、財務官僚の
個人的な見解としてはどうお考えなのか。



それは個人にもよるでしょう。
ただ財務省は最初は厳しい玉を投げるものです。

診療報酬本体でプラスマイナスゼロ」は、
最終的には無理だと分かっていても、
財務省からは最初から緩やかなことは言えない。

しかし、今のやり方を見ていると、財務省の
厳しい玉を受けて、落とし所を探っていく
という従来の手法と変わらない。

「政治主導」と言うのであれば、
まず医療政策のビジョンがどうあるべきか、
その議論から入っていく必要があるのでは。



 ――今回の診療報酬改定は、今後の民主党の
医療政策を占う上で重要とのことですが、
長年の政策決定プロセスや方針を変えるのは
容易ではありません。
今、この時点で何をすべきでしょうか。



財務省も、勤務医対策の必要性は認めており、
急性期、救急、産科、小児医療なども
評価しなければならないと言っています。

その財源を開業医の側から持ってこようとしている。
しかし、診療報酬はマイナス改定が続き、
様々な部分が痛んでいる。

全体的な底上げをやらなければいけない時に、
配分の議論で全体としてプラスマイナスゼロにしたら、
解決にならない。

例えば、診療所は外来で重要な機能を
担っているわけです。
そこを削り、診療所が窮地に陥り、診療所の患者が
病院に押しかけたら、ますます勤務医は疲弊します。

道路や橋などの公共事業は、
「これは不要」と思えば、その部分だけを
中止することが可能です。
道路に当てる予定の予算は浮きます。

しかし、医療費に効率化の余地があるとは思うのですが、
医療の場合、「ここにムダがある」と言って、
すぐにその部分を削減・廃止することはできません。
効率化するにしても、徐々に時間をかけながら、
進めていくことになると思うのです。

例えば、ジェネリックを普及させ、
医療費を削減するという議論があります。
しかし、一気に普及して、医療費が一気に
下がるようなことにはなりません。

ジェネリックの有効性や安全性について
関係者が共有するなどの条件整備が必要で、
普及には時間がかかります。



 ――医療費を効率化できる余地があると思うのは、
どんな部分でしょうか。



明確に「ここにムダがあり、これだけ減らせる」とは、
なかなか言えないのではないでしょうか。

例えば、複数の医療機関を受診して、
多くの薬をもらう。結局、ほとんど服用せず、
患者の自宅に残っているケースがあります。
しかし、一気にこの問題を解決することは難しい。

あるいは軽症の患者でも、大病院を受診する。
その分の医療費は効率化できるとは思いますが、
一気には難しい。

厚労省も今まで診療報酬で、
例えば診療所の外来機能、病院の入院機能を
重点的に評価するなどしてきましたが、
なかなかうまくいかない。

そこで、かかりつけ医的な機能を制度化する
という話になります。
方向性はいいでしょうが、それを進めるためには、
信頼できるかかりつけ医を養成し、
患者が適切なかかりつけ医を選べる仕組みを
作っていかなければいけない。

その上で、病診連携を進めていく。
医療の効率化は、相当長い目で
考えていく必要があります。
それを道路や橋のように、不要だからスパッと
廃止して効率化できる、医療費を浮かす
と考えるのは「幻想」で、危険な議論です。



 ――療養病床の削減も同様です。
先ほども話がありましたが、まず「削減目標ありき」で、
医療提供体制の話は二の次になった。



結局、最初に削減目標を立て、その受け皿は
各都道府県が計画して整えますとしているだけです。

医療提供体制は、急性期の入院医療
慢性期医療、診療所の外来医療、在宅医療
それぞれ別個に存在するわけではなく、
密接につながっている中で医療が成り立っているわけです。

「ここにムダがある」「ここを手厚くするために、
こちらには痛みを」という構図は、どこかに
過度の負担がかかり、ひずみが生じる。
システム全体を壊しかねません。

財務省が昔ながらの主張をするのは、
「またか」という感じ。
しかし、事業仕分けの議論の影響を受けて、
長妻大臣まで「上げ幅なるべく抑えて、
配分を見直してやる」という話をするのは、おかしい。

長妻大臣の場合、社会保障、特に医療には
あまりかかわってこなかった。
どちらかと言えば、「ムダの排除」が
得意なのではないでしょうか。

だから、「ここにムダがある。
ムダは減らさなければいけない」といった
財務省的な議論に、親和性を
覚えているのかもしれません。



『元財務官僚・村上正泰氏に聞く◆Vol.1』
『元財務官僚・村上正泰氏に聞く◆Vol.2』
『元財務官僚・村上正泰氏に聞く◆Vol.3』



長妻厚生労働大臣。
野田財務副大臣とは違って、
官僚にコントロールされていないのは良いんですが。
予想通り、医療に関しては素人だから。
最初は診療報酬上げる、って言っていたのに、
なんかだんだん弱気になってますもんねー。

そもそも、診療報酬を上げるか、
医療費を上げるかっていうのは、
政治が決める事ですからね。
そういうのに口出して来る事も
おかしいような気はしますが。

財務省も、支出を減らすのが仕事だから
言ってくるのはしょうがないんでしょうけど。
それを、そのまま受け取るようじゃ、
とても「政治主導」とは言えないでしょー。


たしかに、医療にもたくさん無駄ありますよ。
病院評価機構」って、厚労省の役人の
天下り先の機関
ですけど。
これのせいで、大きな病院は「病院機能評価
に受かるため、それこそ何千項目もある
評価をクリアしようと、数年っていう年月と
膨大な手間をかけているんですよ。

まあ、100%無駄とは言わないけど。
メリット1としたら、デメリット10位ですね。

このせいで、無駄な書類が増えたり、
決まりが増えたりして、医師や看護師、
その他の医療従事者の仕事が大幅に増えて、
医療崩壊が進んでいる
、っていう側面もあります。

こういうのこそ、「行政刷新会議」で取り上げられて
「必要ない」って結論になれば良かったんですけどねー。

まあ、それは置いておいて。
財務省の官僚も、厚労省に来れば、
きちんとわかるんですから。

現場を知りもしないくせに、ただ「削減しろ」
って言うだけじゃなくて、いろんな所で
現場を見て欲しいですねー。




元財務官僚村上正泰さんが書いた
医療崩壊の真犯人」を読みたい人はこちら↓


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療養病棟、救急受け入れ必要?
時間外に大量の患者総合病院
特に「救命救急センター」と呼ばれる病院
殺到して、医師が疲弊している。
それが医療崩壊の原因の一つである。
というのは、厚生労働省の役人も
さすがにわかっているようですね。

急性期病院の勤務医の負担を減らす為に、
療養病棟でも救急を受け入れろ。
っていう話が、中央社会保険医療協議会
(中医協)でも話し合われているみたいです。


日本の病院っていうのは、重症の患者とか
緊急の患者を受け入れる「急性期病院」。
それと、慢性期でリハビリ中心の患者などを
中心に受け入れる「療養型病院」っていうのに
分ける事ができるんです。

まあ、厳密に言えば同じ病院の中で、
急性期(一般)病棟と療養病棟
2種類の病棟(ベッド)を持っている病院もあるし。
亜急性期病棟、っていうちょうど中間の病棟
っていうのもあるんですけどね。

でも、基本的には「機能によって病院が分かれる
という事になっているんですよ。

療養型の病院、病棟っていうのは、
医学的には安定して、あまり人手もかからない
患者を診るっていう前提になっていますから。
病院には医師の数も看護師の数も少ないんですよ。

だから、緊急の患者とか重症の患者
24時間365日診る、っていうのは
物理的に無理なんです。

全ての病院24時間365日患者を診る
って事になったら医師も看護師も分散して、
結局はみんな人手不足になっちゃいます。

だから、急性期の病院には人手を多くして、
そこに重症患者や緊急の患者を集めて。
慢性期の患者は、人手の少ない病院で見てもらう。
という事で、メリハリつけて病院
全部は潰れないようにしている、
っていう面もあるんですが。

その療養型病院に、救急もやらせる、
という事になったら、下手したら全滅。
って事になりかねないと思うんですけどねー。
私は。

「ロハスメディカルブログ」に、
そこら辺の話が詳しく出ていましたので。
一部省略しながら、紹介させていただきますね。
いつもお世話になっております。



療養病棟救急受け入れ、反対続出
─ 11月20日の中医協

新井裕充 (2009年11月22日 )


重症患者を受け入れる「救命救急センター」に
軽症・中等症の患者が流れ込む
"三次救急の疲弊"を改善するため、
厚生労働省は療養病棟救急受け入れを
診療報酬で評価する方針を打ち出したが、
病院団体などから反対意見が続出している。
(新井裕充)

2010年度の診療報酬改定に向け、
厚労省は11月20日の中央社会保険医療協議会
(中医協)で、療養病棟の評価として、
「後方病床機能」「救急支援機能」を提示した。

このうち療養病棟の後方病床機能については、
「在宅医療や介護施設においては、
患者や入居者の病状の急変の際、
速やかに医療を提供できる後方病床の
確保が重要である」と指摘。

救急支援機能については、
「円滑な救急医療体制の構築が喫緊の課題」
とした上で次のように問題提起した。

「高齢者の軽症・中等症患者
救急搬送件数の増加が顕著であり、
救急医療機関において重症救急患者
受入れられなくなるケースが生じている。

実際に、療養病床において救急搬送患者
受け入れている実態がある。
また、こうした地域のニーズを踏まえて、
救急医療機関と連携して療養病床
救急患者を受け入れる取組みが始まっている」

その上で、療養病棟の診療報酬上の「論点」として、
▽急性期医療、在宅医療及び介護施設の
 後方病床としての機能 
▽軽症・中等症の救急患者を受け入れている
 療養病棟に対する評価
─などを示し、意見を求めた。

療養病棟救急受け入れ機能について、
診療側の鈴木邦彦委員(茨城県医師会理事、
日本医療法人協会副会長)は
「地域の一般病床で受け入れるのが良い」と否定。

西澤寛俊委員(全日本病院協会会長)も、
療養病床は役割が違う」と退けた。

さらに、支払側の勝村久司委員
(連合「患者本位の医療を確立する連絡会」委員)も、
「機能が違う。積極的に評価することに違和感を感じる」
などと反対した。

これに対して、日本看護協会副会長の坂本委員が
専門委員は次のように述べ、療養病棟
救急機能を評価する方向性を支持した。

「軽症・中等症の救急患者を受け入れるのは、
本当にこういう所(療養病棟)でいいのか、
機能的には大変難しいと思うが、
あまり病院がない所を見ると、今回の
新型インフルもそうだが、若干、
療養型でもやってくださっている所があって、
大変ありがたかった。

だから、開業医の先生たちがいらっしゃらないときは
そういう所でやってくれているのは
大変住民にとって良かったと思っている。
機能的にはちょっと違うかもしれないが、
何らかの形でやっていらっしゃることについては
少し考えてもいい」

三次救急をめぐっては、"最後の砦"
であるはずの救命救急センターが
"最初の防波堤"になっているとの指摘もある。

勤務医の負担軽減という観点から、
三次救急を疲弊させている原因を
取り除こうとする今回の厚労省案は
妥当な方向と考えられるが、全日本病院協会会長の
西澤委員は次のように否定した。

療養病棟で論じるのではなくて、救急体制で、
どうして三次救急にミスマッチがいるかということ。
要するに二次救急、あるいは一次救急
そういう所がどんどんやめていっているので、
そこ(三次)に行ってしまう。

そこのシステムを直すほうが大事であって、
そこが直ればこういうミスマッチがなくなるから、
『直接、療養病棟へ』はあり得ないんじゃないか」

高度急性期への拠点化・集約化を進め、
その後方病床として「地域一般病棟」を
位置付けるべきとの主張にも聞こえるが、
果たして地方病院の実情を
踏まえたものといえるだろうか。


~~~~~~~~~


▼ 1997年から2007までの10年間で、
軽症、中等症、重症の伸びを比較。
軽症、中等症の増加が目立つのは高齢者。

○療養病床における救急患者の受入状況
 → 「救急受入れ患者ではない」のが86.9%。
救急車による救急受入れ患者」は3.4%と少ない。

▼佐藤課長は、「救急車で来た救急患者
(療養病床で)受け入れている割合はそう多くはないが、
これだけ救急車の出動回数が増えていて
後方病床が足りない中で、(療養病床が)
一定の役割を果たせるのではないかというのが
関係者の意見のようです」とコメントした。


~~~


○論点

1 急性期医療、在宅医療及び介護施設の
 後方病床としての療養病棟の機能に対する
 評価について、どう考えるか。

2 軽症・中等症の救急患者を受け入れている
 療養病棟に対する評価について、どう考えるか。

3 医療サービスの質的向上に取り組む
 療養病棟に対する評価について、どう考えるか。


多くの病院療養病床を持っています。
私も会員になっていますが、日本慢性期医療協会
(武久洋三会長)の話を聴きますと、
療養病床の役割として、
(論点)1にあるような、急性期医療、在宅医療
そのほか緩和ケア、認知症、維持期リハ、
難病などを挙げています。

論点2、「軽症・中等症の救急患者を受け入れている
療養病棟に対する評価について、
どう考えるか」とあります。
私も会員なのでいろいろな情報が入ってきますが、
療養病床でどうしてそういうことが可能なのか、
私は非常に疑問に思いまして、実際にやっている
病院に研修で行って聴いてまいりました。

資料25番にあるように、(救急医療機関と
療養病床のモデル連携を)東京と大阪でやられた
とのことですが、東京では(三次救急病院が)
1施設でわずかですが、大阪では
(三次救急病院)10施設、
慢性期病院33施設ということです。
大阪の2病院の研修で話を聴いてきました。
(中略)

2病院のうち1病院は、確かに療養病床
受け入れているのですが、院長の考え方は
急性期病床の考え方と同じで、私が見るところでは、
「ちょっと無理をしてやっているのかな」
という感じがいたしました。

療養病床が多い所では、療養病床の中で
機能分化が起こってくるのかなという気がしました。

もう1つの病院は、療養病床もありますが、
病院の中の一般病床でいったん受け入れて、
それから療養病床に行くということでした。
私も現実的には、日本中にそういうものを
適用することを考えますと、地域の「一般病床」で
受け入れるのが良いのではないか。
療養病床にはそれ以外の部分の役割のほうが
より多くあるのではないかという気がいたします。

ただ、療養病床の機能として、例えば、
高度急性期の病院に24時間体制で
どんどんどんどん患者が送られてきて、
その中に民間中小病院の一般病棟で診られるような
患者さんもかなりいますので、そういった患者さんを
早期に地域の中小病院に、あるいは
療養病床でも受けられる所も
一部あるかもしれませんが、
そういった所でトリアージ的な感じで
いったん受け入れていただいて、
早期に転出していくような
システムができますと、確かに高度急性期を
担う病院の負担軽減になると思います。

▼ここをもっと強調すべき。

それからもう1つは、「在宅療養支援病院」のような役割は、
療養病床を持っている病院
非常に向いていると思いますので、
そういう方向で話が進む分には良いと思いますが、
救急の評価というのは......。

確かこれ、点数を要望していると思います。
1日200点など。「今のままでやる」
と言っているわけではないと思います。

実際には看護基準などが充実している病棟、病床で
救急患者を)受けたほうがいいと思います。
やっぱりメーンは一般病床、あるいは急性期、
そういった所かなと思います。

また、論点3については、これはもう、質的向上に
取り組むということは非常に重要でございますので、
ぜひ療養病床でも評価していただければと考えています。


~~~~~


■「システムを直せば三次救急のミスマッチはなくなる」
─ 西澤委員
 
[西澤寛俊委員(全日本病院協会会長)]

論点の1(後方病床としての機能)ですが、
鈴木先生とほとんど同じです。(論点)3のQI(質の評価)は
当然のことなので、これは進めていただきたいと思っています。

まず、その前に資料の24(療養病床救急受入)と
25(救急医療機関と療養病棟の連携)ですが、例えば、
療養病床の救急受入状況」(の資料)で、
「医療区分1」で救急受け入れというのは
どうしてもイメージが分からないので、
もうちょっと詳しいデータを出していただきたいと思います。

本当の意味での救急患者を受け入れているのか、
救急車で来たから「救急患者」とは限りませんので、
そこら辺の資料を出していただきたい。


▼厚労省は11月18日のDPC評価分科会で、
「新たな機能評価係数の具体案(たたき台)」を示した。

この中で、救急受け入れを評価する指標として
2つの案を提示。
案1は「救急患者割合をもとに連続的評価」、
案2は「一定の基準(患者数や人員配置等)を
満たす場合に一律の評価」としている。

案1の「救急患者割合」は、「救急車あり又は
入院初日の初診料において時間外・休日・
深夜加算ありのDPC対象患者
/DPC対象患者数」という複雑な計算式で、
小児や産科の救急患者の場合には数倍してカウントする。
同分科会では、まだ意見集約できていない。

それから、(資料25「救急医療機関と療養病棟の連携」で、
「3次救急にミスマッチな患者が搬送(されたときに、
速やかに治療可能な慢性期病床を持つ病床が受託する)」
とあるが、すなわちこれはどういう問題かと言うと、
療養病棟で論じるのではなくて、救急体制で、
どうして三次救急にミスマッチがいるかということです。

要するに二次救急、あるいは一次救急、
そういう所がどんどんやめていっているので、
そこ(三次)に行ってしまう。

そこの「システム」を直すことのほうが大事であって、
そこが直ればこういうミスマッチがなくなるんですから、
「直接、療養病棟へ」はあり得ないんじゃないかな
と思っています。


ミスマッチの患者、本来であれば
三次救急に行かなくていい患者、
療養病棟でいい患者が(三次救急に)行くのであるから、
それは療養病棟で受け入れるのは
当たり前だと思っております。

ということで、それともう1つ。
療養病床ではなく、「慢性期病床を持つ病床が受託」
という辺りはちょっと(表現が)いい加減なので、
先ほど鈴木先生の言い方では、(療養病床を)
持っている病院の一般病床で受け入れている例も
あるんじゃないか。
その辺りのデータも出していただかないと
私たちは議論できないと思います。

▼資料25「救急医療機関と療養病棟の連携」で、
大阪府緊急連携ネットワークの目的として、
「3次救急にミスマッチな患者が搬送されたときに、
速やかに治療可能な慢性期病床を持つ病床が
受託することにより、3次救急の病床回転数を改善」とある。
ところで、「(療養病床を)持っている病院
一般病床で受け入れている例もある」と言うが、
むしろこれがメーンではないか。


~~~~~~


[保険局医療課・佐藤敏信課長]
 
療養病棟入院基本料2」を算定している、
要するに慢性に経過するような病棟、病床に
入院している方については、「退院支援計画作成加算」
として100点、ただし入院中1回に限る
ということにしております。
(小声で)退院加算で100点ということになります。

[坂本すが専門委員(日本看護協会副会長)]
 
私は恐らくここにもう少し力を、
ポイントを置くべきだと思います。
恐らくケアマネージャーさんとか、
いろいろな方たちが入り込んでやっている
というのを身内で経験しましたが、それがうまく効果を、
やっているかということと、それからケアに対して
ポイントを置いていくべきだと思います。

それからもう1点、軽症・中等症の救急患者
受け入れるのは、本当にこういう所(療養病棟)でいいのか、
機能的には大変難しいと思いますが、
実はあまり病院がない所を見ますと、
今回の新型インフルもそうでしたが、若干、
療養型でもやってくださっている所があって、
大変ありがたかったと思っております。

だから、「大きな病院に行きたくないな」
と思っていても、開業医の先生たちがいらっしゃらないときは
そういう所でやってくれているのは
大変住民にとって良かったと思っています。

機能的にはちょっと違うかもしれませんが、
何らかの形でやっていらっしゃることについては
少し考えてもいいのかなと思います。

▼実態に即した意見。「機能分化」という
医療費抑制策を重視する病院団体と異なる。


[遠藤久夫委員長(学習院大経済学部教授、
中医協会長)]

(ちょっと困惑した様子で)はい、あの......、
「積極的に進める」ということではなくて、
事実上やっている所に対しては、
「コストに見合うような評価をしてもいいのではないか」、
こういうご意見ですね。
はい、ありがとうございます。


~~~~~~~



『療養病棟の救急受け入れ、反対続出』
『P2 → 療養病棟の現状 ─ 資料のポイント』
『P3 → 療養病棟の課題 ─ 資料のポイント』
『P4 → 救急のメーンは一般病床あるいは急性期』
『P5 → システムを直せば三次救急のミスマッチはなくなる』
『P6 → 軽症・中等症の救急受け入れは『亜急性期』で』
『P7 → 赤字の区分は診療報酬体系として大変おかしな形』
『P8 → 新型インフルで療養型が大変ありがたかった』
『P9 → 区分1を上げないと機能しない』



最後の砦とも言われる「救命救急センター」に
軽症・中等症の患者が流れ込む
"三次救急の疲弊"を改善する。

という方向性は正しいと思います。
でも、開業医に時間外に診てもらうとか、
療養型の病院にも時間外や救急をやってもらう。
というのは、現実問題としては
難しい
んじゃないですかねー。

だって、開業医ってほとんどの場合は、
医者1人だし。
療養型の病院でも医者が数人とかが多いし。
そういう病院は、高齢の医師が多い
んですよ。
実際のとこは。

1人しかいない医師に、夜中や朝まで働かせる。
とか、60代、70代の医師に夜中まで働かせる、
っていうのは、やっぱり無理でしょ。
普通は。


でも、だからって何もしなかったら、
勤務医は疲弊して、医療崩壊は進む、

っていう悪循環は続きますから。
何かやった方が良いんですが。

出来る範囲でやりましょうよ。


例えば、今でもちゃんとした医師会が
ある地域なんかではやっている事ですけど。
輪番制」を、もっときちんとする。
とかね。

「輪番制」っていうのは、地域の医師会や開業医が
中心になって、時間外の軽症患者を「輪番」で
受け持つっていう制度
です。

その地域に診療所が15あれば、月2回は、
17時から23時までは軽症の患者
病院に行かないで、「輪番の診療所」で診る

という形ですね。

今でも、雀の涙ほどの補助金は出ているのですが、
基本的には「ボランティア」に近いもんですよ。
地域の医療を崩壊から守るために、
ちゃんとした医師会があるとこではやってる、
って感じです。

こういうのは、もっと補助金を出してやる
という事が大事だと思います。
建前だけの補助金、ではなくて、
救急をやれば黒字になります。
これは、商売としてメリットがある、
という位
に出さないと。
民間病院、公立病院関係なく。

大変だけど赤字になります。
メリットは「救急やっている診療所」
っていう「看板」だけ
です。
では、やらないとこが多いのは当然ですよ。


それと、一応、月二回輪番制でやっているんだけど、
名前は出してるけど、実際は患者を診ていない、
というようなとこも、残念ながらあるので。
実際に診た患者の数に比例して補助金を出す。
という事にすれば、もっと本気で
診療所も救急やると思いますよ。

その輪番制に「療養型病院」なんかも入れて、
患者の数そのものに比例して補助金を出す。
という事にすれば良いと思うんですけどねー。

療養型病院」っていっても、比較的医師や
看護師、スタッフの数に余力のある病院は、
月2回と言わず、4回でも8回でもやれば良いし。
その分、患者をたくさん診たら、売り上げも上がって
収益も増える、っていうシステム
にすれば良いんですよ。


それが、本文の中で出てきた、


▼厚労省は11月18日のDPC評価分科会で、
「新たな機能評価係数の具体案(たたき台)」を示した。

この中で、救急受け入れを評価する指標として
2つの案を提示。
案1は「救急患者割合をもとに連続的評価」、



というのに相当するのかもしれませんが。
本当に、単純に患者の数に比例して補助金の額を増やす
というのが良いと思いますけどねー。


個人的には療養型病院には、
救急患者の受け入れを期待していません


それよりは、いわゆる「たらい回し
とも言われる、「患者受け入れ不能」問題。
この原因の1/3くらいは、「ベッドが満床」ですから。
これを解決する方が手っ取り早いかな、
と思います。

本文では「後方病院」という言い方をされていますけど。
急性期病院が満床近くなった時に、
療養型の病院で安定している患者
受け入れてくれれば、ベッドが空くんですから。

急性期病院から転院してきた患者数が
多い病院には加算をつける。

というようなやり方をすれば
良いんじゃないでしょうかね。

出来れば、転院の依頼があって、
その日か次の日位までに転院できれば、
より加算点数をつける。

という事にすれば、出来るだけ早く
転院の患者を受け入れようと努力しますから。

療養型の病院も利益が増えるし。
急性期病院も、すぐに患者を転院
させてくれるんだったら、ベッドが満床近く
なったら療養型病院にお願いして
少し安定している患者をすぐに受け入れてもらって。
その空いたベッドに救急患者を入院させる
という事ができますからね。

そうなれば、「ベッドが満床で受け入れ不能
という事も少なくなりますから。
患者も得をする、って事になると思うので。
良い案だとおもいますけどねー。

ちなみに、点数っていうのは簡単に言うと、
「料金」の事ですから。
加算点数っていうのは、料金が加算される、
っていう事ですよ。


あと、勤務医の負担を減らす、っていう意味では。
平日の時間内の病院の受診料の値段を上げる
っていうのが簡単な方法です。

外来患者で、初診料、とか再診料。
っていう料金、今も取っていますよね。
再診料っていうのは、同じ医療をしても
病院よりも開業医の方が高いのはけしからん。
って事で、前回の改定でも、今回も
問題になっています。

方向としては、病院の再診料を上げるか、
診療所の再診料を下げて同じ値段にする

っていう事になりそうですけど。

思い切って、病院の初診料、再診料を
開業医の2倍くらいにしたら良い
と思います。

そうすれば、病院の方が値段が高いから
開業医に行きます、っていう患者
特に、軽症の患者は増えますから。

勤務医の仕事って、時間内に外来も診て、
入院も診て、検査もやって。
それ以外に当直とか救急とか、
もちろん事務仕事とか勉強とか。
そういうのも全部やらなきゃいけないんですよ。

時間内の外来患者の数を減らすだけでも、
勤務医の負担は減らす事ができますから


開業医や療養型の病院に、無理に
時間外や救急患者を手伝ってもらって、
開業医も療養型病院も潰れる。
っていうよりは、診療報酬の配分などで、
出来る範囲で患者を分散させる、

って事の方が良いと思うんですけどねー。


民主党は何が何でも、公立病院や公的病院
(日赤や厚生病院)は潰さない

という方向のようなんですけど。

半径30キロの中で、病院が一つしかなくて、
しかも療養型の病院
って地域は、赤字だろうが何だろうが、
それは潰しちゃダメだと思いますよ。
そういうとこは、どうせ救急とかもやって、
時間外の患者も受け入れているんですから。
患者の数に比例して、補助金の額も上げて、
潰さないようにする、というのは大事だと思います。

でも、半径30キロ以内に、病院が10もある。
そんな地域で、公的な病院、いりますか?
なくなっても、他の病院がカバーしますよ。

その病院を維持するために、すごい額の
税金を使っているんですから。
そういうとこの病院は、公的病院といえども、
無理して守る必要はないんじゃないですかね。

歩いて5分で行けたのに、車で5分になって
不便になった、っていう人もいるんでしょうけど。
そのくらい、しょうがないじゃないですか。

少しでも不便になったら許さない。
でも、医療や税金が上がるのはイヤだ。
っていうのは、たんなる「わがまま」ですよ。


いろんなやり方があるとは思いますが。
とりあえず、「何でもやってもらう」
っていうのはかなり効率が悪い事なんで。
そういう方向に行かないで欲しいですね。
民主党は、「えせ小泉改革」?
構想日本の「事業仕分け」を真似して、
国による事業仕分け」っていうのを
民主党がやっているんですけど。
これって、どうなんでしょう?

議論を公開する、っていう事自体は
良いとは思うんですけど。

明らかに「財務省主導」で、
削減っていう結論ありきでやってますよね。

民主党は、「官僚主導から政治主導へ
って言っていますけど。
完全に「政治主導ではなく、財務省主導
になちゃってますよ、これ。

私は医者で、現場でばりばり働いていますから。
医療に関しては専門ですから。
医療以外の事に関しては、
さほど詳しくはないんですけど。

はっきり言って、素人が診療報酬とか
無駄がどうだとか言ってるだけでしょ。

他の分野でもそうなんでしょうね、きっと。
民主党のマニュフェストでは、

『民主党:Manifesto2009』

「マニフェストの工程」ってとこの、

医療・介護の再生」
医師不足の解消、
新型インフルエンザ対策等、
介護労働者の待遇改


ここでは

平成25年度までに、1.6兆円

って書いてありますけど。
これが全部医療っていう訳ではないんでしょうけど。
医療費を増やす、って事じゃないんですか、要は。

もっと細かく見ていくと、

22.医療崩壊を食い止め、
 国民に質の高い医療サービスを提供する

【政策目的】
医療従事者等を増員し、質を高めることで、
 国民に質の高い医療サービスを安定的に提供する。

○特に救急、産科、小児、外科等の
 医療提供体制を再建し、国民の不安を軽減する。

【具体策】
○自公政権が続けてきた社会保障費
 2200億円の削減方針は撤回する。
 医師・看護師・その他の医療従事者の増員に努める
 医療機関の診療報酬(入院)を増額する。

○OECD平均の人口当たり医師数を目指し、
 医師養成数を1.5倍にする。


とも書いてありますよ。
補助金は減らす方向って事なんですから。
誰がどう見ても、診療報酬は増やす
という事だと思いますが。


医療崩壊の原因は医療費抑制政策のせいだ。
って事は、民主党の議員の皆さんも
選挙前にたくさん言っていたと思いますけど。

どうやら、診療報酬には無駄が多いから、
診療報酬は削減しろ。

っていう結論になったようですけどねー。

「財務省」主導の事業仕分けでは。

「官僚主導から政治主導へ」というのであれば、
事業仕分けで出た結論と
実際にはどうなるのか。
政治の力っていうのを、見てみたいですね。

経済財政諮問会議」が諸悪の根源だ。
って言っていた民主党の議員も多いですけど。
これだけ見ると、「行政刷新会議の事業仕分け
よりはまし、って感じでしょうか。

伊関先生は「ネオ小泉政権(改革)」
と呼んでいるみたいですけど。

『民主党政権=ネオ小泉政権か?』

「えせ小泉改革」とか「劣化小泉改革」
っていう方が適切かもしれませんね。

政権担当能力に関しては、正直言って、
民主党よりは自民党の方がはるかに上。
という事は百も承知なんですが。

自民党独裁が続いたから、非自民政権になれば、
癒着とかが離れて良くなる可能性がある。
政権交代があれば、前の政権でやっていた時の
腐敗が明るみにでるから、変な事は出来ないぞ。
と考える人たちが出たりすれば、
それで日本が良い方向に行くかもしれないなー。

という意味で、少しは民主党政権というか、
政権交代に期待はしていたのですが。
やっぱ、政権担当能力がない民主党には
無理だったんでしょうかねー。

政党支持率も、最初は70%だったのが、
2ヶ月で60%に落ちていますね。
多分、このペースであと4ヶ月くらいで、
40%くらいまで落ちると思いますよ。

鳩山首相の言動もぶれまくりだけど。
麻生前首相の時はぼろくそ言われていたけど、
まだ全然マスコミで叩かれていないけど。
支持率落ちたら、マスコミなんか
手のひら返しますからね、すぐに。

そうなった時、どうなるか見ものですね。

と、話は少しそれてしまいましたが。
今回は、久しぶりに伊関友伸先生
民主党政権の「事業仕分けに関して
気合の入った記事を書かれていて、
私も同感だったので、紹介させていただきますね。

『伊関友伸のブログ』

からです。
いつもお世話になっております。



民主党政権の「事業仕分け」への疑問

11月13日(金)の自治体病院学会の
臨床医学分科会での講演で懸念を示したが、
民主党政権の地域医療に関する姿勢に、
危機感を覚えている。

現在、行政刷新会議行われている事業仕分けは、
マスコミの一部で懸念が示されているが、
財務省主導の、先に予算削減の結論ありきの
非常に乱暴な政治ショー
と感じた。

伊関は、地域医療を研究する以前は、
行政評価を研究していた。

外部の人間が入って、行政の活動を評価して、
行政の質を高めることは必要だ。

しかし、外部の人間は、
行政の活動についての情報は少ない。

そのような中で、コストによる判断は、
事業を廃止し、「予算削減」すべきという
結論を下すだけでよく、比較的しやすい。

しかし、単に「予算削減」をするだけでは、
問題の本質的な解決につながらないことも多い。


担当者と第3者の議論の中で、
問題が起きている本質を深く掘り下げることが必要だ。


今回の事業仕分けの場合、資料が財務省から出され、
少ない時間で、悪者=官僚
正義の味方=仕分け人という、舞台設定の中で、
一方的に仕分け人が、官僚を叩く
という構図になっている。

これでは、官僚から、根本的な問題解決の
情報が出ることはなく、議論が深まることはない。


実際、「診療報酬の配分」では、勤務医と開業医、
あるいは診療科間の給与格差を平準化すべきで、
見直しをすべきとされた。

この結果を踏まえ、財務省は、
今回の診療報酬改定でマイナス改定を求めるようだ。



(以下引用)

診療報酬改定、攻防が本格化 
財務省、2~3%下げ要求へ
日本経済新聞 2009年11月15日


 財務省は2010年度予算編成で、
公的保険や患者が医療機関に支払う
診療報酬を2~3%引き下げるよう求める方針だ。

 行政刷新会議の事業仕分けで、眼科など
収入が高い診療科への配分や薬価の引き下げを
求める判断が出たことを重視。

 同報酬を下げても、医師不足などの
課題に対応できると判断した。
ただ、引き上げを求めている厚生労働省が
反発するのは必至。
年内決着に向けた攻防は難航が避けられない。

『日本経済新聞 2009年11月15日』

(引用終わり)



事業仕分けでは、「医師確保、救急・
周産期医療対策の補助金等
」についても
予算要求の縮減が多数を占め、2010年度
予算要求額が半額に縮減された。

医療崩壊が進む中で、本当に、
このようなやり方で政策が決定されて良いのか疑問に思う。


公開は必要であろう。

しかし、その場合、十分な資料の提供と、
対立を全面に出さない、落ち着いた
議論が必要であると考える


問題解決には、議論する関係者の
信頼関係と問題の本質を探る
深い議論が必要と考える。

今回の国の事業仕分けは、
そのようなものから一番遠いところにある。


筆者は、かつて神奈川県の綾瀬市の
外部評価委員の委員長をつとめたことがある。

「広域救急医療確保対策事業」について、
予算削減を求める事務局に対し、
担当課との議論の中で、問題の本質が別な点にある
(休日夜間診療所の周知不足による利用低迷)
ことが判明した例である。

休日夜間診療所の利用者増対策については、
拙著「まちの病院がなくなる!?」
77頁以下で議論をしているので、ご覧いただきたい。

綾瀬市の外部評価についてのブログ
(行政経営フォーラム時代のブログで、
現在は削除している)を再掲する。



旧伊関友伸のブログ

綾瀬市外部評価(2006年4月3日~5日)

伊関が委員長をしている綾瀬市の
外部評価の結果が公開された。

「綾瀬市外部評価(2006年4月3日~5日)」


最近、評価を行う場合、外部の委員を入れた
評価を行う自治体が増えている。
市民が委員に入るケースも多い。

綾瀬市における行政評価は、平成16年度から
事務事業レベルで実施されてきた。

今回の外部評価は、笠間城治郎市長の
選挙公約に基づき、
平成17年度から導入がなされた。

評価は公募の市民2名を含めた5名の
外部委員により、延べ3日に渡って行われた。

既に外部評価を行っている自治体の例を見ると、
外部評価者と事務の担当課との間に、
考え方に大きな隔たりがあり、「見解の相違」を
埋めることができないという例も多い。

綾瀬市の外部評価の実施に当たっては、
担当課と外部評価者が対立するのではなく、
ともに綾瀬市の行政の
仕事の質を向上していくためには
何が必要なのかを議論することに重点を置いた。


外部委員も全く事業の情報を知らずに
ヒアリングを行うのではなく、事前に時間を取って
議論をし、担当課とのヒアリングに臨んだ。


担当課や評価委員の間でも、
単に担当者を批判するのではなく、
「そもそもその仕事は何のために行うのか?」
「現在の担当課の仕事の課題は何か?」
について、担当課と委員が共通の土台で
意見を交わすことを目指している。


外部評価の具体例を一つ紹介したい。

小児救急医療に関しての行政の担当の
考え方がよく分かる実例だ。

『広域救急医療確保対策事業』
の6頁にある


図は、外部評価を行って委員会でまとめた報告書
(広域救急医療確保対策事業)の一部である。

外部評価に当たって、綾瀬市役所内の
庁内評価委員会が問題としたのは、
「休日急患センターの内科の利用状況が、
負担金の支出状況に比べて低い。
共同運営をする他市に対して、
負担金の金額を減らせ」
というものであった。


しかし、担当課と議論をしているうちに、
問題はもっと別の点にあることが分かってきた。
すなわち、この事業の最大の問題は、
小児救急の利用が少ない(2次輪番病院の
負担が減っていない)ということであった。

このブログでも再三議論しているように、現在、
全国の病院で、医師不足により、
小児科や産科などの診療の中止が相次いでいる。

綾瀬市周辺の県央地区は、私立の
海老名総合病院と相模台病院が
2次輪番病院として小児救急医療を担っている。

しかし、2次輪番の中核的な病院である
海老名総合病院でも、小児科常勤医が7人から
6人に減員された上に、患者は急増し、
パンク寸前にあるという。
相模台病院でも厳しい事情は同じだ。

周辺市では、2次輪番病院の負担を軽減するために
共同し、座間市内に
小児救急患者センターを設置している。

しかし、親の大病院指向は強く、利用者である
委員の方の話しでは、海老名総合病院の
混雑は変わっていないそうだ。

その一方、小児救急患者センターは、
未だ比較的すいていて、
余裕があるということであった。

(後で海老名総合病院の小児科のHPを見ると、
パンク状態なので、小児救急患者センターへの
受診を訴えていた)

委員の議論の中で、「親は座間市
小児救急患者センターを知らないのではないか」
「綾瀬からの案内看板なども分かりにくい」
「親への働きかけも少ない」
「そもそも親の意識調査をしていない
親へのマーケッティングが必要だ」
という意見が出された。

2次輪番病院の努力だけに甘えていると、
地域の小児救急が崩壊する危険性が高い。
評価担当課は、全くそのような
危機感は少ないように感じた。
事業担当課もどのようにして
良いか分からないのであろう。

外部評価委員会では、
「2次救急医療機関の医療資源に
余裕を持たすためにも、
更なる1次医療機関への患者の
誘導は重要な課題であり、
本事業の小児救急患者センターへの
患者の誘導が必要」
という意見を示すこととした。


綾瀬市役所だけの事業評価では、
本質的な問題の発見ができない
典型的な例であった。


事務職員は、小手先のコストにしか目が向かない。
そのこと自体が問題である。


外部評価者は、評価を公表することによって、
市民や議会の方々、
そして実際に仕事を行う担当課の
方々から評価を受けることになる。
自分を絶対正義の高みに置いて、
批判するのでは、
相手も納得できないであろう。

外部評価において、ヒアリングを
一方的なものとしないために、
各担当者から意見をいただいた。
ただ、記名アンケートのため、担当者の
「本音」かというと限界がある。


担当者の意見の一部

○市とサービス利用者との話合いは、
ややもするとサービス利用者の感情に左右される
意見により、議論が平行線と
なってしまう傾向があります。

しかし、今回は、福祉サービスのあるべき姿
について、客観的に幅広く論議でき、
また、評価委員についても、
大変豊かな人間性が感じられ、
忌憚のない意見の交換ができたと思います。

○一方的に外部評価委員の意見
(講評)を聞くのではなく、
担当課の意見(事業を進めていく上での
メリット、デメリット)も十分聞きながら、
ヒアリングを行っていただいたので、
有意義であった。

○外部評価委員会の設置の趣旨は
十分承知しているつもりです。
しかし、私が障害担当であるから
言うのかもしれませんが、
市の事業は全て健康な人で
行われているものではありません。

また、障害者の方でも、全てに係ることが
基本的にあると思われます。
そうした中で、ハンディの分、どうしても制約を
受けてしまうものについて補う事業が、
障害者制度であると思います。

今回の委員については、健康な人であり、
障害者制度の評価をするのに、
少し不公平な部分を感じました。
委員の構成としては、障害者の方を
委員として取り入れた中で
評価を受ける形であれば理解できる。


『民主党政権の「事業仕分け」への疑問』


医療崩壊の原因は、
医療費と医師数を減らしたこと。
そして、医療の現場を知らない人が
医療政策を作ったこと。


これだと思うんですが。
民主党も、全く同じ事をやろうとしていますね。

マニュフェストに書いてある、
医療崩壊を食い止め、
国民に質の高い医療サービスを提供する」

ってのは、完全に綺麗ごとになりそうですね。

国民が民主党に期待した
「天下り根絶」に関しても、
最初からぶれまくりだし。

医療年金に関しても、
期待できませんかねー、残念ながら。
外交に関しては、最初から
誰も期待していないとして。

10月の段階から、民主党政権は
財務省の言いなりだ
っていう内部の話は聞いていたのですが。
完全に表に出てきちゃいましたね。

さーて、どうなりますかね。
今後の民主党政権。

参議院選は一年後だから、その位までは
民主党の勢いは続くかなー。
とか思っていたのですが。
今のペースだと、民主党の勢い
それまでに完全に落ちちゃいますよね。

来年も、選挙おもしろくなるかもね。
断る救急
「たらい回し」っていう言葉は、
さすがに最近はあまり聞かなくなりましたが。
去年くらいまでは、マスコミでも
連発されていましたよね。

病院救急車を断るなんて、けしからん
という意見もたくさん出ましたけど。
「24時間365日、患者を絶対に断らない」
というのは、実際には無理ですよ。

百歩譲って、それを出来る病院があるとしたら、
たくさん医師も看護師もスタッフもいて。
空きベッドもたくさんないと無理ですから。
ほんの、一握りの病院しか出来ません。

現在の日本の医療では、医療費抑制政策で、
診療報酬が低く抑えられていますから。
ほとんど、満床にしないと、病院赤字
なってしまうんですよ。
だから、多くの病院では、空きベッドは少なく
ほとんど満床の状態です。

空きベッドが多い病院っていうのは、
医師が少なくて、患者が少ない。
そして、赤字の病院くらいしかないですから。

そんな人手も足りない、金もない病院で、
「絶対に断らない救急なんて出来るはずありません。

たくさん医師も看護師も医療スタッフもいる病院
というのは、救急や近隣の病院
周辺の患者さんからも信頼されている事が多いので。
毎日たくさんの患者さんが来ますから。
受け入れられる患者の数も多いのですが、
受け入れられる数以上の患者が来てしまえば、
断らざるをえない、という場合もあります。


まあ、「断らない救急」というのを前提としているから、
ますます医療崩壊が進む、っていう事もあるので。
むしろ、「断る救急」というか。
こういう患者は断る、こういう患者は受ける。
という基準を、最初からきちんと決めてしまう、
という事にしてしまった方が良いと思いますよ。


医師のための専門検索メディア
MT proに、「断る救急」に関しての記事が
出ていたので、ここで紹介させていただきますね。



救急医療立て直しの好手「断る救急


○洛和会音羽病院は「断らない救急
  を展開しています

皆様こんにちはorこんばんは。
洛和会音羽病院の谷口です。

相変わらずこのコラムも脈絡なく,
しかし確実に進んできております。

ご覧の先生方の休息の一服に貢献しているでしょう。
と言いつつも,今回もがんばっていってみましょう。


ご存じの方もおられるとは存じますが,
私の勤務している洛和会音羽病院は,
「断らない救急」を展開しています。

救急車の応需率は99.8%以上,
実際年間に断ったのは2例です。
そして,この2例は,本当に断らないと
ERが破綻してしまいそうだから断ったものです
(当院では断ると,後でその断ったことが
正当であるのか,院長先生の前で
検証会議が開かれます)。


しかし,これは別に当院に限ったものでなく,
日本全国でいくつもの救急病院で見られる姿勢です。
ですから,当院ばかりを取り上げて「断らない救急
としてテレビで紹介されるのは,かなり問題があると,
谷口は本気で思っています。

さらに,もっと苦労されていたり,
いいことをされている施設があるでしょうから,
当院の未熟さを振り返ると,
ある種の申し訳なさも感じています。

また機会がありましたら,このマスコミ報道などに
ついても,このコラムで述べてみたいと思っています。

 
いつのまにか脱線、うーむ。
閑話休題。


○管理職は患者を診療せず,
  現場のマネージメントに徹する

「断らない救急」は基本だー!!と,いつの間にか
谷口も本気で,唱えるようになっていました。
また,そう思わないと,とても次から次へと
訪れる救急患者に献身的に(?)
対応できないからという理由もあります。


今から数年前,総合診療科副部長と
救急部副部長を兼任することになり,
主として救急
従事するようになった当初,この音羽病院
「断らない救急」が
「常に危険と隣り合わせだー!」
と背筋が寒くなったことを覚えています。

前任地での救命救急センターでは,
救急外来の状態などで断ることができましたので,
何が何でも断らないという形態には
初めて出くわしたのです。

 
しかし,これは,組織や診療の仕方で
かなり改善できました。
つまり,われわれ管理職が基本的には
自ら患者を診療せず,ERの現場の
マネージメントに徹することでした。

 
もちろん,研修医のスーパーバイズは
同時にできましたし,言い方は悪いですが,
軽症疾患のwalk-inは,さっさと診ることも
できましたので,そこで患者さんが滞らないように
していた部分もありました。

研修医教育も工夫すれば,
いかようにも行えました。
しかし,基本的にはマネージメントに徹します。

救急車で重症患者が来て,さらにもう一台
というときに,どこに患者さんを入れてもらうか,
誰が診るのか,などを限られた短時間で
マネージします。
このことは以前,Medical Tribune
でも書かせていただきました(関連記事)。


おそらく,上記したことは,
どの施設でもされているでしょう,
特に目新しいことではないと思います
(じゃあ,そんなにスペースとって力説するな,
なんて言わないで)。

しかし。


○増える救急医療の需要,
  でも即効的な救急医補充は期待できません

最近,思いもよらない救急診療形態が登場しました。
それは「断る救急」です。

こう書くと,ちょっと語弊あります。
いや,かなり語弊があります。
詳しく解説してみましょう。

 
この数年,救急医療の崩壊が叫ばれ,
限界に達してきていることは言うまでもありませんし,
このコラムでも何度となく書かせていただいています。

昭和大学救急医学講座教授の有賀徹氏は
救急医療の需要は増える一方なのに,
供給側は逆に減る傾向にある」
とおっしゃっているようです。

落ちこぼれの崖っぷちERドクターの
谷口もそう思います。

さらに,別の医大の高度救命センターの教授先生は
「医療は公的サービスなのだから,
利用できるサービスはしっかり活用しないと損,
という患者の権利意識の高まりがあると考えられる」
とおっしゃっていたようです。

このコラムは基本的には
医療従事者しか見えませんので,
多くの方がアグリーするところと思います。


これまでもこのコラムで述べてきたように,
おいそれと救急に従事する医師は増えません。
研修医の救急志向が高まっているようにも
現場では感じますが,仮に彼らが救急専従医を
目指したとしても,一人前になるには
5~10年はかかるでしょう。

すると即効的な救急医補充は期待できません。
でも患者は増えていく悪循環にさらに陥っていきます。

ととと。
これでは,救急医がいかにスーパーマンみたいな
医師の集まりでも,いつか疲弊が見えてくるのは
言うまでもありません。

そこで,上述した,ある意味新しい
救急診療形態「断る救急」が登場してきたのです。

 
これでも,まだまだ誤解を生じますから,
さらに解説を続けます。


救急医療崩壊を回避した事例
  walk-in患者を0時まで受け入れないなど

北海道函館市は,1976年に早くも
夜間救急体制を整えていた素晴らしい都市です。
しかし,この函館市もご多分にもれず
患者が急増し,2次・3次救急を担う
市立病院は火の車となっていました。

さらに市内の2次救急の輪番病院
当番日を減らしてほしいといい,
救急医療崩壊」は目の前であったそうです。

2007年,医師会や市が中心となって
救急体制を見直し,2008年から9つの
2次救急病院はwalk-inの患者に限り
0時まで「基本的に受け入れない」
方針となりました。

病院の玄関に受入制限の趣旨を記した
ポスターを貼り市民に周知させ,
さらに玄関付近の電気を消したのでした。

では,0時までのwalk-in患者はどうしたのか?
それは,夜間急病センターや開業医さんが
カバーしたのでした。

このおかげで2次救急病院の当直医の
負担が減り,激務に耐えられずやめる医師
減ったとのことでした。

この「断る救急」はどうなのか。
救急による収支などの面は,
前線の将校である谷口にはよくわかりません。

しかし,最前線の将校・兵士の負担や
疲弊を見ていると,こちらのほうが,
救急現場では現実味を
帯びているかもしれません。

ほかにも,各地で涙ぐましい,いや,
一時的でない将来にも続けられる継続性があり,
問題の生じない救急体制の構築は
いくつかあるようです。

ER看護師が電話相談する体制を整えた病院
(焼津市立病院),住民がどのような状態な
救急受診すべきか参考になるようなテキストをつくって
配布した病院(大垣市民病院),救急医の
疲弊を心配しながらも受診してしまう問題に
地域住民とともにどう立て直していくか
ともに考えたり(いくつかの自治体)。

いつも解決の糸口の見えない終わり方で恐縮ですが,
救急当直医が疲弊せず,それでいて救急の
質や体制を落とさないためには,結局は
行政主導の救急体制の再構築がいる
ということなのでしょうね。

音羽病院は,元気な研修医が多く,
内心は嫌かも知れないけど協力してくださっている
専門科の先生方が多いので,「断らない救急
ができているのですね。

これは,全ての救急
モデルケースにはしにくいですね。

「断る救急」をうまく構築して
医者も患者もうまく共存できる救急体制を
つくることが崩壊目前,否,
一部崩壊した救急を立て直す好手の
1つであることは確かなようです。

洛和会音羽病 京都ER救急センター
谷口 洋貴


「2009年10月14日:MT pro」

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walk-in患者」っていうのは、
時間外に歩いて救急外来に来る患者の事です。
時間外じゃなくても良いのかな。

救急車で来る患者以外の患者
って言った方がわかりやすいかな。


函館の話は、一年くらい前に
どっかのメディアで見た事があります。
たしか、函館では、時間外の患者の数が
10年で2倍
になったんじゃかったかな。
でも、救急車の数は横ばい

という事は、時間外の軽症患者の数が、
2倍以上
になった、っていう事です。

そいで、救急をやっている医師が疲弊して
どうしようもなくなって。
行政が重い腰を上げた、っていう
経緯だったと思います。

0時までは、救急以外の患者は
全員近くの救急センターに行ってもらう。
っていう事にしたら、それ以外の時間も
歩いてくる患者の数が減った

という話も、ちらっと聞きました。

もちろん、行政だけでなく、
地方の医師会の協力も必要なんですけど。
こういう事が、全国で行われれば、
多少は救急医療も良くなるんですがねー。


あと、「輪番体制」っていうのは、
絶対にやった方が良いですよ。

民間病院が多いとこだと、
輪番日以外の患者の数が減るから、
売り上げが減って困るんで、輪番制には反対。

なんて、馬鹿な事を言って
現場の医師を疲弊させる病院
なんてのもありますけど。

輪番、当番制にして、当番日の病院は、
救急患者のために空きベッドを作ったら、
その分は一部補助しますよ。

という事にすれば良いんですよ。

そうすれば、100%患者を断らない
っていうのは無理としても。
当番の病院は、「ベッドが空いていない
という理由で患者を断る事は少なくなるし。
当番日以外の病院患者の数が少なくて、
当直の医師もそんなに疲弊しない。

当番の病院は、患者がたくさん来るのが
最初からわかっているわけですから。
その分、当直の医師数、看護師やスタッフの
数を増やして、対応できますし。
当番日の数に応じて、空けたベッドの数に
応じて補助金の額も増えれば、
たくさん地域の救急に貢献している病院
たくさんの補助金を出す。
っていう事になりますから。

良い制度だと思うんですけどねー。

今は、当番病院が「勝手に
当番日の日かその前の日までに、
患者を退院させてベッドを空けているから。
もし、救急患者が思っていたよりも
少なかったとしたら、
完全に赤字
になってしまう。
というのが現実です。

赤字になったら、医師やスタッフも雇えないし、
新しい医療器材なんかも買えないですから。
より良い医療が出来なくなってしまうんですよ。
だから、赤字にならない程度、
でしかできないんですよ。

当番日、輪番日に関しては、
空きベッドを作ったら、その分を
一部でも補助しますよ。
という事になれば、今以上に
ベッドを開けておく事も可能ですから。
「空きベッドがない」という理由で、
患者を断る事は少なくなるし。
経営的にも、病院は助かるんですよ。

地域医療っていうのは、公立病院だけで
守っているのではなく。
むしろ、民間の病院でも赤字覚悟で
救急患者を受け入れている

という所も、実際には多いのですけど。
民間だから、補助金はほとんどない。

っていうのは、やっぱりおかしいですよ。

民間病院で、自分の利益しか考えないで、
当番制なんかやらない。
という病院には、補助金なんか
あげる必要はないと思うけど。

民間病院、公立病院にかかわらず、
地域が行政ぐるみで、地域医療
崩壊から逃れるような取り組みを
しているところには、補助金を出す。


という事をすべきだと思うんですよね。

もちろん、病院だけでなく、
開業医が軽症患者は診る。
っていうところも含めてね。

厚労省も、いろんな補助金を
考えているみたいだけど。
効果のあるやり方でやってほしいですね。
歯科医は手抜きで食っている
民主党政権になって、マニュフェストに
医師数1.5倍とかって書いてあったので。
それで、医療崩壊が少しでも良くなるかな、
と思っている人もいるんですけど。
医療もそれに見合っただけ上げないと、
医師がワーキングプアーになる事も
ありえるんですよ。

実際、歯科医の世界では、
>歯科医師の5人に1人が年収300万円以下
とも言われています。

これ、前に私も記事にしました。
『医師もワーキングプアになるかも』


その時に歯科医の方からもらった
コメントも非常に参考になったのですが。
今回、MRICマガジンに載っていた記事も、
現在の歯科医の現状を知るのに、
非常に参考になりましたので。
ちょっと紹介させていただきますね。

歯科診療報酬が低いから、
手抜きして薄利多売じゃないとやっていけない。
っていう歯科医の現状です。



▽ 歯科の本当の姿、問題点 ▽

 津曲(つまがり)雅美

2009年10月30日 MRIC by
医療ガバナンス学会 発行
 http://medg.jp


まず、歯科診療報酬が物理的に
診療行為として実行不能な低点数だ
ということを、皆さまになんとか
わかっていただきたいと思います。

例えば、虫歯のムシがくった、
罹患した部分をエンジンや、
手でスプーンを使って取り除く行為は
根気のいる仕事で30分から
1時間もかかることもありますが、
これが16点(1点10円ですから
160円、以下同様)です。

また根の治療が140円でこれも
時間がかかる根気のいる仕事です。

入れ歯の型取り、これは場合よっては
2日2回に分けて、2時間くらい
かかることもありますが、
これが2250円です。

総入れ歯を入れた時は22800円
ですが、技工代、材料代などを
払えば私の場合は1万円ほどしか
手元に残りません。
あれだけやったのにです。

また、話をわかりやすくするために、
内容を簡略化しますが、同じ前歯の
抜歯でも医師がやれば4578円、
歯科医がやれば1500円です。

同じく親知らずの埋もれている
歯を抜歯すれば、同じく54830円と
11500円です。

抜歯と言えども外科手術です。
神経も使いますし、事故などの
危険性もある程度はあります。
こんな点数で勘弁して下さい
というのが正直な気持ちです。
  
また、歯周病(歯槽膿漏)の手術では、
先進医療(混合診療)の時は
58000円ほどだったのが、
保険に導入されたら9000円になり、
材料代が15000円~31500円かかり、
実際には施術できません。
  

九州大学の水田副学長によると、
歯科の1カ月の売り上げは外科の
1日分だそうです。
  

こういっても、にわかには
信じられないと思います。

今でこそ歯科医はワーキングプア
とも言われ、前ほどは儲かる仕事では
なくなったが、昔は、または
少し前までは儲かる仕事の代表の
一つではなかったのか、儲かっていた
ということは、保険点数は、
そこそこはもらっていたのだろう、
歯科医の困窮化は数が増えすぎた
ことだけが問題なのではないか、
と思われるでしょう。
当然です。
  
その理由を書かせていただきます。
日歯学会編纂の『歯科診療行為(外来)の
タイムスタデイ調査2004年版』で、
各診療行為に要する時間が
精査されています。

各診療行為にかかる時間を複数の
モニターを使って精査しています。
現在、歯科保険医療機関が
一か月当たりに上げる平均保険点数は
約30万点(300万円)ですが、
これを1時間あたりに換算すると、
一日9時間働くとしても1400点
(14000円)/時間です。

各診療行為の点数を1時間当たりに
換算して、この14000円と比較します。

抜歯、サシ歯、義歯など高い
診療行為で700点/時間で平均の半分、
義歯の調整、根の治療など低い
診療行為で70点/時間つまり
平均の5%、歯科の診療行為中
『平均の1400点/時間を上回るものがない』
のです。

これは明らかに矛盾しており、
日歯学会は日歯の内部組織ですから
『日歯自身が多くの歯科医
手抜きで食っている』といっているのです。

このタイムスタデイどおりに診療したら、
月に30万点どころか10万点ほどしか
上がらないと思います。
これは私個人が言っているのではなく、
日歯自身が言っているのですから、
我々は十分なる証拠だと考えます。

点数が低いぶん、パッパッと手早く、
手抜きでやっているのです。
日歯がそう言っているのです。

 
手抜きには、不正・不当に密接に
関連する部分があります。
療養担当規則というものがあり
歯科医学上妥当適切に行うこと」
と記載されているから、手抜き
同規則違反でもあります。

外科や口腔外科なら、例えば
抜歯したはずの歯が口の中にある、
手術してないのに手術をしたことにして
保険請求した・・・
そんなことでもない限り基本的
にはやった、やってないが全てで、
不正も何もないわけです。
だから我々一般歯科医のことは
理解しづらい面があると思います。


我々が多く手がける一般歯科とでも
いうべき治療、例えば虫歯の治療ですが、
軟化牙質(虫歯のムシ食いの部分)を残して、
パッパッと詰めモノを詰める、
これは手抜きであると同時に、
療担規則違反の不正請求になります。

上から詰めてしまうから、ムシ食いが
残っていることは、外からはわかりません。
患者さんにも わかりません。

前述の外科の不正に比べ、この入り組んだ、
わかりにくい構成が何とも言えない特徴です。
手抜きは不正・不当と密接に関連しますし、
手抜きでした、下手なんです、
スイマセンでは済まない面があります。

手抜きとは、十分なことをしないで、
十分なことをやったとして
保険請求することですから、
それは当然不 正請求になります』。
 
 
そのようなわけで不正しているから
技官が怖い、保険の個別指導が怖い。
歯科医の技官への恐怖心は
半端ではありません。
引退し閉院し、子供が跡を継がない、
保険指導が怖くいない歯科医しか
モノが言えないと言っても
決して言いすぎではありません。

怖いから国民や厚労省や技官にモノが言えない、
点数を上げてくれ と言えないのです。
だから営々と低点数でやってきたのです。
  

それと歯科の低点数を国民の皆さんに
理解してもらうのは、大変に困難だと思います。
歯科が低点数なのは事実なのです。

前述のとおり、点数が低いなら点数を
上げてくれと言えばいいではない
ということになります。

しかし、やましいから、
点数を上げてくれと言えない。
歯科医の困窮は、数が増えすぎた
ことだけではないのか。
昔はまたは少し前までは歯科医
金持ちの象徴だったのだから、
点数が低いというのはどういうことなのだ」
と言われれば、まさか
「実は点数は低かったのです。
だから手抜きで食ってました」
とは中々言えません。

「言うに言えない」状態で悶々と
出口の見えないトンネルの中を
彷徨っていると言っていいと思います 。

医科は大まかにいえば歯科に比べて、
「高点数で高収入」です。
歯科は今まで述べたとおり
「低点数で高収入」です。
  

低点数で、数で捌いて手抜き
稼いでいましたなど言ったら、
大騒ぎになるでしょう。
耐震偽造の事件では、誰しも建築業界では
これが常識になっているのではないか、
調べようがありませんが、業界の多くの業者が
こんなことをしているのではないか、
という疑念を持ったと思います。

有罪判決を受けたイーホームズ(廃業)の
藤田東吾社長が、今でも国民に訴えておられます。

しかし、この類の事件は、検察も新聞も
深追いしないし、検察もある程度で
捜査を打ち切るのは、周知のとおりです。

マスコミもここまでは載せてくれません。
だから国民に伝わりません。

事実が全て明らさまになれば、
国中が大混乱に陥るからでしょう。
政治家の不審な死に方や自殺も、
このような事件に関わっている
からではないのか、と思っている人は
多いと思います。
  

この歯科の低点数などの問題も、
これに属するほどの件だと思います。
国民は自分たちが手抜きの治療を受けていた
と知ったら、それは簡単にはすまないでしょう。

歯科界から社会、厚労省に保険点数の
大幅アップを訴えるのは、そういう理由で
中々に困難です。
しかし、私たちは歯科の低点数の問題を
正面から見据え主 張しないと、
歯科医療歯科界の再生はない、
歯科医療は救われないと思います。

物理的にできないものは、あくまでも
できませんとしか言いようがありません。

保団連は「保険でいい治療を」と言います。
逆にいえば「保険でいい治療はできない」
と言っているのに等いのです。
それなら、自費収入が保険の不採算を
カバーできるほど多い歯科医または、
自費収入が少なく、かつ、規則どおりに
キチンとマジメに診療し、
その結果当然なこととして極貧に喘ぐ
歯科医など、それら以外の多くのというより、
ほとんどの歯科医が、毎日手抜きしながら
歯科保険医療制度の改革を望むという
自家撞着に陥ります。
毎日手抜きしながら改革を
望むことになります。

 
近年、厚労省の暴力とも言える
指導監査が行われ、保険医、保険医療機関
取り消し事由に当たらないのではないか、
と思われえるケースでも、
処分が行われています。

さすがに、このままでは厚生行政に抹殺される
という思いが、医療界を
立ち上がらせていると思います。


拙文を読んでいただいた方、
ありがとうございました。

ご意見、ご質問等あれば下記にご連絡ください。

〒524-0021 滋賀県守山市吉身2-6-44
津曲(つまがり)雅美
TEL077-583-3101
FAX077-582-4115
メール 
thu-san@saturn.dti.ne.jp

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今回の記事は転送歓迎します。
その際にはMRICの記事である旨
ご紹介いただけましたら幸いです。
               
 MRIC by 医療ガバナンス学会
  
   
『MRIC by 医療ガバナンス学会
臨時 vol 312 「歯科の本当の姿、問題点」』

          



この記事は、歯科診療報酬が安い
っていう話でしたけど。
医科(病院、診療所)の報酬に関しても、
世界と比べると、めちゃくちゃ安いんですよ。
日本は。

以前の記事に、アメリカと日本の
診療報酬の比較
について書きましたけど。

『日米医療報酬比較』

診療点数早見表、2006年4月版のデーターでは。


日米診療報酬比較

 ○初診料

<アメリカの診療報酬
家庭医の場合: 1万2千円
専門医の場合: 3万円から5万円以上


(日本の診療報酬
研修医でも専門医でも 2700円



 ○血液採取と準備費

<アメリカの診療報酬
3000円


(日本の診療報酬
110円



 ○心電図

<アメリカの診療報酬
1万3000円


(日本の診療報酬
1500円



こんな感じで、アメリカと比べると
日本の診療報酬は1/5-1/10位
でしょう。


『医師もワーキングプアになるかも』

にも書いていますけど。


>20年の間には消費者物価が1.5~2倍になり、
国民生活も様変わりしている。
にもかかわらず、歯科医療の根幹となる
保険診療の基本的技術料が
変化していないことに関して、
小池氏は「20年間も(保険点数の)
引き上げが行われていないことは、
この間の物価・人件費の伸びなどと比べても、
明らかに均衡を欠く」



医療に関しては、20年とまではいかないですけど。
8年続けて、下がっています、診療報酬


医師の場合は、手抜きで食っている、
って事はないと思いますけど。
歯科医医師も、診療報酬が安いから、
薄利多売でやらないと、黒字にならない

という問題点があります。
解決策としては、診療報酬を上げる
という事しかないんですよ。

民主党になって、診療報酬を決める、
中医協から、日本医師会の代表が外れた、
っていうのが最近話題になったけど。
診療報酬自体を上げる、とも言っていますよね。
民主党、厚生労働省。

歯科の場合は、歯医者の数が少なくて、
歯科診療所の数が少なくて治療が受けられない
っていう意味での「歯科医療崩壊
というのはないんですけど。

歯科医の中でワーキングプアが出ている、
という歯科医の中での歯科医療崩壊
現実になりつつあるんですよ。



最後に、歯科医の先生からのコメント
ここでも引用させていただきますね。


歯科から~

混合診療が認められて久しい
歯科医療者から、少々一言。

前レスで「歯科は混合診療が
認められているのに、大丈夫だ。
医科だってそうだろう」のような
意見もございましたし、
日々の診療の中で、保険と自費、
そのメリットとデメリット、
金額などを日常的に
説明していたりするわけですが
(別に全く他の保険治療と異なる
リスクとかがなくとも。
つか、リスク高かったら金額負担の大きい
自費はかえって薦めないですね。
お金のことは度外視するほど
希望の強い方でない限り)。

私的に、混合診療の一番のデメリットは、
「何時までたっても保険適用にならないっ!」
ということだと感じます。

この20年以上、歯科で新しく
保険適用になった治療法、
多分ひとつもないですよ。
まあ、審美領域の話は、この際さておいて
(といっても今の世の中小臼歯までは
前装冠認めて欲しいですが・・・
保険だと銀歯になります
(しかしものすごく目立つ)、
自費だったら白くできるんですが~」
というのは辛い。

しかも、こっちの収入に違いが
できるわけでもない^^;)
インプラントとか、新しい(といっても自費では
10年以上使われてる)材料の認可すら
まったくないのが現状です。
これは機能的にも非常に異なってきます。

たとえば医科で混合診療が解禁になったら、
この先出てくる画期的な、
もしくは有用な治療法が
保険認可されることはあるのだろうか、
と憂慮してしまいます。

それどころか風邪なども保険からはずす
という話すら出てきてる有様だというのに…
「早期発見・早期治療」のスローガンは
どこにいったのでしょう。
歯科の検診すら、治療じゃないから
「自費」が原則な世の中です・・・。

混合診療がないからこそ、
実効性が証明された
治療法があるのに使えないのはおかしい、
という認可への圧力になると思いますし、
それがなければ何時までたっても
自費のまま、経済力のない方には
一生縁のない話で
終わってしまうとは思いませんか?
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