ロハス・メディカルの熊田梨恵記者が
本を出されましたよ。
本のタイトルは
「救児の人々~医療にどこまで求めますか」
熊田梨恵さんが、新生児科に勤務する医療職員や、
極小未熟児の親になってしまった普通の人々など、
新生児医療に関わる医療関係者に
インタビューしたものを元に書かれた本です。
普通、インタビューを元にした本って、
有名人にインタビューしたものがほとんどなので。
言い方悪いんですけど、「一般人」に
インタビューしたのが本になった、
っていう形は珍しいかもしれませんね。
最初のプロローグの文章から
結構衝撃的なことが書いてあったので、
私ものめりこんで読んでしまいました。
6/19まで限定で、こちらのサイトに
PDFが全文無料公開されていますので、
皆さんも是非読んで見てくださいね。
「ロハス・メディカル:救児の人々」
熊田梨恵さんがどんな方かってのは、
もちんろん皆さん知らないでしょうから。
あとがきで書かれている熊田さんのエピソードを
ちょっと引用してみますね。
本が書けないスランプに陥った熊田さんが、
インタビューとサポートを続けていた女性に
本が書けなくて苦しいという話をした。
すると彼女が
「私はこうやってずうっと話を聞いてもらえてなかったら、
子どもと心中していたかもしれないよ。
そういう人間同士の関わりとかって本にできないの。
熊田さんが伝えたいのって、
そういう人の心に訴えるものでしょ。
その関わりのなかでしか、
訴えられるものって出てこないんじゃないの。
ただのICUやお産の説明本ならいらないし、
そんな情報ならネットで十分だわ」
と話してくれ、そのことで
「ご家族や医療者の声をただそのまま載せていく
踏ん切りがついた」と。
なんとなく、熊田梨恵さんがどんな人か
イメージできましたでしょうか。
熊田さん自身から、この本がどんな本なのかっ
て事を、本人の口から語っていただきました。
それが、こちらです。
「救児の人々~医療にどこまで求めますか」
最先端の新生児医療とその後に続く福祉の
貧困とのギャップに関するルポルタージュです。
医療者側からは、NICUの新生児科医や
重心施設の医師、小児科医と看護師が出てこられます。
お子さんのご家族は、4組です。
進む医療崩壊と高度医療の発達。
そのはざまから聞こえてくる
彼らの涙と喜びの声を綴りました。
そこから見える、死生観や倫理観、
共同体としての意識の欠如など、
今の現代社会の病巣を描いたものになっております。
1年半前に起こった墨東病院の
受け入れ不能問題がきっかけで取材を始めましたが、
当初はもっと単純な、NICUに関する
一般の方への説明本のようなものにするつもりでした。
それが取材を進めるにつれ、自分の中で湧き起る
葛藤との戦いになってきました。
自分自身、こんなことになるとは思いもせず、
ただ、「本当に根深い問題がある」
と思っているだけでした。
次第に、自分が感じている問題意識は
世の中に問いかけるべきものではないか
と思うようになりました。
しかし、あまりに幅広く、
根深い問題だったので、私などがどう書けばいいのか、
こんなこと書いてもいいのかと、
思い悩んでばかりの日々でした。
結局行きついたのは
「自分をその問題意識に導いた人たちの声、
そのものを届ける」ということでした。
彼らの言葉だけで、いえ、
その言葉そのものが宝でした。
もちろん、出す前には医療者にも
ご家族にもチェックしていただいていますし、
読みやすいように整理はしました。
でも、ほとんどがそのまま聞き取った内容です。
万華鏡のような書籍になったな、と思っています。
いつ、どんなタイミングで読んでも、
どこかに引っかかるところがあるような気がします。
私自身、ご家族や医療者の
お声を読み直すたびに、毎回響くポイントが違っています。
読む方が100人いれば100通りの
受け止め方になる書籍になるだろうと思います。
なかなか良さそうな本でしょ。
「救児の人々~医療にどこまで求めますか」
今すぐ読みたいって人は、こちらから。
6/19までしか読めませんよ。
「ロハス・メディカル:救児の人々」
PCで読むのはやっぱ読みにくいや。
本が良いな、って人は
アマゾンでこちらから買って下さいね!
救児の人々 ~ 医療にどこまで求めますか
本を出されましたよ。
本のタイトルは
「救児の人々~医療にどこまで求めますか」
熊田梨恵さんが、新生児科に勤務する医療職員や、
極小未熟児の親になってしまった普通の人々など、
新生児医療に関わる医療関係者に
インタビューしたものを元に書かれた本です。
普通、インタビューを元にした本って、
有名人にインタビューしたものがほとんどなので。
言い方悪いんですけど、「一般人」に
インタビューしたのが本になった、
っていう形は珍しいかもしれませんね。
最初のプロローグの文章から
結構衝撃的なことが書いてあったので、
私ものめりこんで読んでしまいました。
6/19まで限定で、こちらのサイトに
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皆さんも是非読んで見てくださいね。
「ロハス・メディカル:救児の人々」
熊田梨恵さんがどんな方かってのは、
もちんろん皆さん知らないでしょうから。
あとがきで書かれている熊田さんのエピソードを
ちょっと引用してみますね。
本が書けないスランプに陥った熊田さんが、
インタビューとサポートを続けていた女性に
本が書けなくて苦しいという話をした。
すると彼女が
「私はこうやってずうっと話を聞いてもらえてなかったら、
子どもと心中していたかもしれないよ。
そういう人間同士の関わりとかって本にできないの。
熊田さんが伝えたいのって、
そういう人の心に訴えるものでしょ。
その関わりのなかでしか、
訴えられるものって出てこないんじゃないの。
ただのICUやお産の説明本ならいらないし、
そんな情報ならネットで十分だわ」
と話してくれ、そのことで
「ご家族や医療者の声をただそのまま載せていく
踏ん切りがついた」と。
なんとなく、熊田梨恵さんがどんな人か
イメージできましたでしょうか。
熊田さん自身から、この本がどんな本なのかっ
て事を、本人の口から語っていただきました。
それが、こちらです。
「救児の人々~医療にどこまで求めますか」
最先端の新生児医療とその後に続く福祉の
貧困とのギャップに関するルポルタージュです。
医療者側からは、NICUの新生児科医や
重心施設の医師、小児科医と看護師が出てこられます。
お子さんのご家族は、4組です。
進む医療崩壊と高度医療の発達。
そのはざまから聞こえてくる
彼らの涙と喜びの声を綴りました。
そこから見える、死生観や倫理観、
共同体としての意識の欠如など、
今の現代社会の病巣を描いたものになっております。
1年半前に起こった墨東病院の
受け入れ不能問題がきっかけで取材を始めましたが、
当初はもっと単純な、NICUに関する
一般の方への説明本のようなものにするつもりでした。
それが取材を進めるにつれ、自分の中で湧き起る
葛藤との戦いになってきました。
自分自身、こんなことになるとは思いもせず、
ただ、「本当に根深い問題がある」
と思っているだけでした。
次第に、自分が感じている問題意識は
世の中に問いかけるべきものではないか
と思うようになりました。
しかし、あまりに幅広く、
根深い問題だったので、私などがどう書けばいいのか、
こんなこと書いてもいいのかと、
思い悩んでばかりの日々でした。
結局行きついたのは
「自分をその問題意識に導いた人たちの声、
そのものを届ける」ということでした。
彼らの言葉だけで、いえ、
その言葉そのものが宝でした。
もちろん、出す前には医療者にも
ご家族にもチェックしていただいていますし、
読みやすいように整理はしました。
でも、ほとんどがそのまま聞き取った内容です。
万華鏡のような書籍になったな、と思っています。
いつ、どんなタイミングで読んでも、
どこかに引っかかるところがあるような気がします。
私自身、ご家族や医療者の
お声を読み直すたびに、毎回響くポイントが違っています。
読む方が100人いれば100通りの
受け止め方になる書籍になるだろうと思います。
なかなか良さそうな本でしょ。
「救児の人々~医療にどこまで求めますか」
今すぐ読みたいって人は、こちらから。
6/19までしか読めませんよ。
「ロハス・メディカル:救児の人々」
PCで読むのはやっぱ読みにくいや。
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救児の人々 ~ 医療にどこまで求めますか
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ご無沙汰しております。
一ヶ月以上、ブログ更新できず、すいません。
いわゆる「燃え尽き症候群」というか、
「慢性疲労症候群」というか。
精神的にも肉体的にもまいってしまって。
他の医師ブログを読んだりとか、
SNSに入る頻度も極端に落ちてしまいました。
医師で慢性疲労症候群の人は、
私を含め、かなり大勢いると思いますが。
看護師でも多いようですね。
新聞に出ていたので、ちょっと引用します。
看護職員:過酷な労働環境
薬の常用6割、切迫流産3割
--医労連調査
病院や診療所などで働く看護職員の
約7割が慢性疲労を訴え、鎮痛剤や睡眠剤など
何らかの薬を常用している割合は約6割に上り、
妊娠者のうち3人に1人は流産の前兆である
切迫流産を経験していたことが
日本医療労働組合連合会(医労連)
の調査で分かった。
医労連は「慢性的な人手不足による
過重労働が原因とみられる。
不当なサービス残業も横行しており、
法令順守を関係機関に徹底させたい」
としている。
09年11月~10年1月に看護師、
准看護師、保健師、助産師の4職種を対象に
アンケートを実施、約2万7000人から回答を得た。
「疲れが翌日に残る」など慢性疲労の症状を
訴える人は73・5%に達し、
20年前の調査から7ポイント増加した。
疲れやストレスなどから薬を常用する割合は、
多い順に鎮痛剤(29%)、ビタミン剤(19%)、
胃腸薬(17・6%)など。
睡眠剤(6・9%)や安定剤(4・3%)の常用者もいた。
「常用してない」は40・5%にとどまった。
また、06年4月以降に妊娠した
約3500人のうち34・3%が切迫流産を
経験しており、20年前より10ポイント増。
07年に全国労働組合総連合が一般事務職員を
対象に行った調査時の17・1%を大きく上回った。
逆に「順調」との回答は8ポイント減って
22・4%だった。
【佐々木洋】
『毎日新聞 2010/4/27』
読売新聞は、こちら。
【新潟】看護職員7割「慢性疲労」、
「業務負担が増えた」6割 医労連調査
新潟県医療労働組合連合会(県医労連)は4月26日、
県内の看護職員の労働実態調査について発表した。
県医労連に加盟する30病院の看護職員805人から
回答があり、6割が「業務負担が増えた」、
7割が「慢性疲労」と感じるなど、
過酷な勤務の実態が改めて浮き彫りとなった。
調査は、日本医労連が2009年末~10年1月に実施した。
それによると、「最近、看護業務量が増えた」
との回答が62・4%。
1時間以上の残業をしている職員は4割近くで、
年次有給休暇の取得は「年間5日未満」が過半数を占めた。
「十分な看護が提供できている」と答えた職員は8・1%。
「この3年間でミスをしたり、しそうになったことがある」
が90・6%に上り、8割近くが「人員不足」
「業務過密」だとしている。
健康問題も深刻で、65・9%が「健康不安」、
72・3%が「慢性疲労」を感じている。
妊娠時に「切迫流産」の症状があった女性職員は
30・4%に上った。
県医労連は「看護職員の繁忙感は増しており、
命を削りながら医療が支えられている状況」とし、
近く県に働きやすい環境作りなどを訴えるという。
『読売新聞 2010/4/27』
>医労連は「慢性的な人手不足による
過重労働が原因とみられる。
不当なサービス残業も横行しており、
法令順守を関係機関に徹底させたい」
これ、医師でもそうですよね。
医師を残業させておいて、時間外手当を払わない、
っていうのは明らかに違法なんですけど。
他の病院でもやっている、とか。
そういうのは、何の言い訳にもならないんですが。
是非、他の病院にもしっかり監査に入って、
きちんとした対処をしていただきたいです。
医労連、頑張って欲しいものですね。
ところで、慢性疲労症候群の治療なんですが。
結局は休むしかないようですね。
在宅リハビリ・カウンセリングでは、
慢性疲労症候群の症状を改善しない、
っていう論文もあったので。
一応、ここでも載せときますね。
在宅リハビリ・カウンセリング、
慢性疲労症候群の症状を改善せず
2010年04月30日 ソース:BMJ
カテゴリ: 神経内科疾患(関連論文)
文献:Wearden AJ et al. Nurse led, home based
self help treatment for patients in primary care
with chronic fatigue syndrome:
randomised controlled trial. BMJ. 2010;340:c1777
慢性疲労症候群・筋痛性脳脊髄炎患者296名を対象に、
在宅でのリハビリと非指示的カウンセリングの
有効性を単盲検無作為化比較試験で検討。
治療開始から20週目にリハビリ群で疲労の
有意な改善が得られたものの、1年後には
疲労・身体機能の改善は見られず、
またカウンセリング群では試験を通して効果が見られなかった。
「m3.com:医療ニュース&ジャーナル 2004.4.30」
『原文、BMJ 2010;340:c1777』
まあ、20週までは改善する、って事なので。
やらないよりはまし、って事なのでしょうかねー。
やっぱ、仕事のせいで慢性疲労症候群になってるなら、
仕事を休むか変えるしかないんでしょうかね。
一ヶ月以上、ブログ更新できず、すいません。
いわゆる「燃え尽き症候群」というか、
「慢性疲労症候群」というか。
精神的にも肉体的にもまいってしまって。
他の医師ブログを読んだりとか、
SNSに入る頻度も極端に落ちてしまいました。
医師で慢性疲労症候群の人は、
私を含め、かなり大勢いると思いますが。
看護師でも多いようですね。
新聞に出ていたので、ちょっと引用します。
看護職員:過酷な労働環境
薬の常用6割、切迫流産3割
--医労連調査
病院や診療所などで働く看護職員の
約7割が慢性疲労を訴え、鎮痛剤や睡眠剤など
何らかの薬を常用している割合は約6割に上り、
妊娠者のうち3人に1人は流産の前兆である
切迫流産を経験していたことが
日本医療労働組合連合会(医労連)
の調査で分かった。
医労連は「慢性的な人手不足による
過重労働が原因とみられる。
不当なサービス残業も横行しており、
法令順守を関係機関に徹底させたい」
としている。
09年11月~10年1月に看護師、
准看護師、保健師、助産師の4職種を対象に
アンケートを実施、約2万7000人から回答を得た。
「疲れが翌日に残る」など慢性疲労の症状を
訴える人は73・5%に達し、
20年前の調査から7ポイント増加した。
疲れやストレスなどから薬を常用する割合は、
多い順に鎮痛剤(29%)、ビタミン剤(19%)、
胃腸薬(17・6%)など。
睡眠剤(6・9%)や安定剤(4・3%)の常用者もいた。
「常用してない」は40・5%にとどまった。
また、06年4月以降に妊娠した
約3500人のうち34・3%が切迫流産を
経験しており、20年前より10ポイント増。
07年に全国労働組合総連合が一般事務職員を
対象に行った調査時の17・1%を大きく上回った。
逆に「順調」との回答は8ポイント減って
22・4%だった。
【佐々木洋】
『毎日新聞 2010/4/27』
読売新聞は、こちら。
【新潟】看護職員7割「慢性疲労」、
「業務負担が増えた」6割 医労連調査
新潟県医療労働組合連合会(県医労連)は4月26日、
県内の看護職員の労働実態調査について発表した。
県医労連に加盟する30病院の看護職員805人から
回答があり、6割が「業務負担が増えた」、
7割が「慢性疲労」と感じるなど、
過酷な勤務の実態が改めて浮き彫りとなった。
調査は、日本医労連が2009年末~10年1月に実施した。
それによると、「最近、看護業務量が増えた」
との回答が62・4%。
1時間以上の残業をしている職員は4割近くで、
年次有給休暇の取得は「年間5日未満」が過半数を占めた。
「十分な看護が提供できている」と答えた職員は8・1%。
「この3年間でミスをしたり、しそうになったことがある」
が90・6%に上り、8割近くが「人員不足」
「業務過密」だとしている。
健康問題も深刻で、65・9%が「健康不安」、
72・3%が「慢性疲労」を感じている。
妊娠時に「切迫流産」の症状があった女性職員は
30・4%に上った。
県医労連は「看護職員の繁忙感は増しており、
命を削りながら医療が支えられている状況」とし、
近く県に働きやすい環境作りなどを訴えるという。
『読売新聞 2010/4/27』
>医労連は「慢性的な人手不足による
過重労働が原因とみられる。
不当なサービス残業も横行しており、
法令順守を関係機関に徹底させたい」
これ、医師でもそうですよね。
医師を残業させておいて、時間外手当を払わない、
っていうのは明らかに違法なんですけど。
他の病院でもやっている、とか。
そういうのは、何の言い訳にもならないんですが。
是非、他の病院にもしっかり監査に入って、
きちんとした対処をしていただきたいです。
医労連、頑張って欲しいものですね。
ところで、慢性疲労症候群の治療なんですが。
結局は休むしかないようですね。
在宅リハビリ・カウンセリングでは、
慢性疲労症候群の症状を改善しない、
っていう論文もあったので。
一応、ここでも載せときますね。
在宅リハビリ・カウンセリング、
慢性疲労症候群の症状を改善せず
2010年04月30日 ソース:BMJ
カテゴリ: 神経内科疾患(関連論文)
文献:Wearden AJ et al. Nurse led, home based
self help treatment for patients in primary care
with chronic fatigue syndrome:
randomised controlled trial. BMJ. 2010;340:c1777
慢性疲労症候群・筋痛性脳脊髄炎患者296名を対象に、
在宅でのリハビリと非指示的カウンセリングの
有効性を単盲検無作為化比較試験で検討。
治療開始から20週目にリハビリ群で疲労の
有意な改善が得られたものの、1年後には
疲労・身体機能の改善は見られず、
またカウンセリング群では試験を通して効果が見られなかった。
「m3.com:医療ニュース&ジャーナル 2004.4.30」
『原文、BMJ 2010;340:c1777』
まあ、20週までは改善する、って事なので。
やらないよりはまし、って事なのでしょうかねー。
やっぱ、仕事のせいで慢性疲労症候群になってるなら、
仕事を休むか変えるしかないんでしょうかね。