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現役医師、循環器内科医(Dr. I)が医療について、詳しくわかりやすく解説するブログ。 引用、転載は自由ですが、その際は必ず引用元を明記して下さいね!
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愛知の病院、割り増し賃金未払いで医師提訴
ここ1、2年、医師に時間外賃金を払ってない、
という事で労働基準監督署から勧告が入った、とか。
そういう話が数十件ありました。

でも、たいてい「公立病院」なんですよ。
民間病院は、ほとんどありませんでした。

公立よりも民間の方が「証拠が手に入りにくい」
という側面があったんでしょうし。
公立病院なら、「どうせ払うのは国や地方自治体
だから自分には関係ないや」、
と関係者が思ったかどうかは知りませんが。

なぜか、公立病院大学病院ばかりでした。

しかし、今回は世界的にも有名な
企業系の病院が提訴されましたね。


この病院、私の知る限りでは医者をこき使うけど
あまり医師の待遇は良くない
ので、地元の医師からは
評判は良くない、という話を聞いています。
まあ、あくまで噂ですから、実際にどうなのか
私はわかりませんけどね。

この病院に限らず、一般的に「企業系の病院
というのは、医師にとっては働きにくい病院
という事が多いようですね。

なぜかというと、自分達が病院を造るくらいだから。
本業で相当儲かっていないと無理なんで。
基本的には、企業系の病院を造れる企業というのは、
大企業」で儲かっていなければなりません。

良い物を作って顧客も満足して、
その結果利益も出て、病院も造った。
という事であれば、全く問題ないんですが。

利益を出すために、下請けいじめをしたり、
労働者をこき使って、サービス残業をさせたり、

といった企業も少なくありません。

そういう企業が病院を造ると、当然そこで働く
人間もこき使われる、という事になりますよね。

しかも、そういう企業だとたいてい「労働組合
というのもあって、かなり力が強いです。

医師労働組合に入ってはいけない、
という事は全くないんですけど。
たいてい、どこの病院に行っても、
医師病院には入っていません。

経営者は力のある労働組合に遠慮して、
労働組合に入っていない人間(医師)に
仕事を押し付ける、という事が行われるので。
結果的に、医師の仕事が多くなる、
という事は現実に起きています。

私が個人的に、労働組合が嫌いとか、
文句があるという訳ではないんですが。
そういう事もある、という話です。

もちろん、それ以外の理由もありますけどね。

同じような理由で、公立病院大学病院だと、
自治労などの労働組合に所属している、
看護師や技師などの力が強くて、
医師の負担が大きい、という問題もあります。


ちょっと話はそれてしまいましたが。

公立だろうが民間だろうが、
法律には従う」というのは当たり前の事です。

労働基準法」という法律があるんですから、
それを守るのは、「日本国民としての義務」です。


内規でどうなっていようが、それが
「法律よりも優先される」という事は
絶対にありません。

世界的な大企業だから、法律違反をしても良い、
なんて事はありませんからね。
是非、この医師には頑張ってもらいたいです。

これから、民間の悪徳病院がどんどん提訴される
という事が起きるかもしれませんよー。


ブログ「東京日和@元勤務医の日々」の
『非道なブラック病院を訴えよう☆「ハイリスク分娩管理加算」病院が産科医を搾取』

から引用です。
いつもお世話になっております。



非道なブラック病院を訴えよう☆「ハイリスク分娩管理加算」病院が産科医を搾取


まぁ、さすがト○タ系ですな。
ブラックな労務管理がお得意です。
この病院、地域の中核病院としても
がんばっていることで有名ですが、落第ですね。

職員にきちんと時間外労働賃金を支払わないトラブル、
そういう病院はどんどん労働基準監督署に訴えましょう。


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当直の割増賃金求め提訴 
刈谷の女性医師「規定外の分娩、手術」


通常の労働をする必要がない当直中に
分娩(ぶんべん)や帝王切開手術などをさせられたとして、
刈谷豊田総合病院(愛知県刈谷市)の産婦人科に
勤務していた30代の女性医師が21日、
病院に割増賃金280万円の支払いを求め
名古屋地裁に提訴した。

訴状によると、医師は昨年4月から同9月まで
非常勤の医師として、水曜日以外の平日と
第1、第3土曜日に勤務。夕方から翌朝まで勤務する
宿直を月3~4回、休日朝から翌朝まで
24時間勤務の日直兼宿直を月1~2回担当した。

厚生労働省は宿直や日直勤務を、巡視や電話の対応、
非常事態への備えなど、
「ほとんど労働する必要がない勤務」と規定している。
同科には約50人の入院患者がいるが、
宿直と日直は医師が1人で担当。
この医師は1回の宿直で平均1~2回の分娩を手掛け、
緊急の帝王切開手術をしたり、28時間連続で
勤務したり したこともあった。

刈谷豊田総合病院は就業規則で、
時間外労働となる深夜勤務は通常の8割増、
休日勤務は4割増の賃金を払うと規定。

だが宿直、日直にはこれを適用せず、
半年の勤務期間中、計84万円の当直手当を
払っただけだった。
医師は昨年9月末に退職。
割増賃金を計364万円と算定し、差額を求めている。

医師は「日本の病院では、こうした勤務状況が
当たり前のようにある。
問題提起して、勤務医の労働環境改善につなげたい」
と話している。

刈谷豊田総合病院の担当者は
「訴状を見ておらずコメントできない」と話した。
病院は刈谷、高浜市とトヨタグループ8社が運営している。

中日新聞 2010年9月22日


訴えた先生によると、
[この病院、産婦人科医8人いたんです。
交代制にできなかったとは思えません。
更に残業代一切払わないので有名]
だったそうですし、代休とか交代勤務の
体制も取れたはずですが、
そういうことをしていないままお金だけは
しっかりとって、残業代を支払わないまま
だったことがよくわかります。



こういう病院は、全国各地でたくさんあります。
「他の病院が払っていないから良いんだ」
という言い訳をしている病院もあるようですが。
きっとこういう病院は、労働基準監督署から
大目玉をくらって、痛い目に会うでしょうね。

まあ、自業自得だからしょうがないか。



経営者にこき使われて、過労の末自殺された、
小児科医師中原利郎先生の最後の総会
10月16日にありますよ。

まだ、席は残っているみたいですから、
皆さんも是非参加してみてくださいね。


■「中原支援の会」最後の総会・シンポジウムの御案内
(医療制度研究会Webサイトの新着情報欄にも掲載しました。)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
最高裁で本年7月異例の和解をもって
終結した中原過労死訴訟。

7年に渡った裁判と支援運動を振り返り、
その意義を考えます。
「小児科医師中原利郎先生の過労死認定を支援する会」
最後の総会・シンポジウムの御案内です。
ぜひご出席ください。(転送歓迎)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

◆日時:10月16日土曜日
 午後4時~6時半:総会・シンポジウム
 午後7時~9時:懇親会

◆シンポジウム内容
 「医師と患者のいのち守るために:
中原裁判の意義と日本の医療(仮題)」

★シンポジスト(順不同、敬称略)
・植山 直人:全国医師ユニオン代表
・阿真 京子:『知ろう!小児医療 
守ろう!子ども達』の会代表
・川人 博:訴訟担当弁護士
・中原 のり子:訴訟原告、薬剤師
・千葉 智子:訴訟原告、小児科医師
・川井 猛=司会兼務:ジャーナリスト

◆会場:ホテル銀座ラフィナート(http://www.raffinato.jp/ )

 7階「月光]=総会・シンポ/「日光」=懇親会
 中央区銀座1-26-1 電話03-3564-0888
 都営浅草線宝町駅A1番出口から徒歩1分。
 有楽町線銀座一丁目駅7番出口、
新富町駅2番出口から徒歩3分。
 銀座線京橋駅2番出口から徒歩5分。
 JR有楽町駅から徒歩10分。

◆参加費
 総会・シンポジウム:無料
 懇親会:5,000円

◆申し込み:9月30日(木)締め切り

 参加希望者は、下記サイトからお願いします。
https://sites.google.com/site/nakahara20101016/1016sympo
なお、電話、ファックスでの申し込みも受けつけます。
 電話:090-6133-0090
 ファックス:03-3552-2888

なお、参加希望者が定員を超過してしまった場合に、
締め切り前に参加申し込みを
終了する場合があることをご了承下さい。

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