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現役医師、循環器内科医(Dr. I)が医療について、詳しくわかりやすく解説するブログ。 引用、転載は自由ですが、その際は必ず引用元を明記して下さいね!
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加古川、心筋梗塞事件
4/10、心筋梗塞に関する、ある判決が出たんですが。
全く納得のいかない判決でしたね。
他の方のブログやm3でもいろいろ話されていましたが。
心筋梗塞」っていうのは、循環器の専門分野なので、
それに関して、ちょっと記事にしてみますね。


加古川市に3900万円賠償命令 心筋梗塞の男性死亡

兵庫県加古川市の市立加古川市民病院で03年、
急性心筋梗塞(しんきんこうそく)で運ばれた
男性が死亡したことを巡り、医師が効果的治療が
可能な病院への転送を怠ったのが原因だとして、
妻ら遺族4人が同市を相手取り、慰謝料など
計約3900万円を求めた訴訟の判決が10日、
神戸地裁であった。

橋詰均裁判長は「効果的な治療を受けていれば
90%程度の確率で助かった」として、
請求通り約3900万円を支払うよう同市に命じた。

判決によると、男性(当時64)は03年3月30日、
自宅で心筋梗塞の症状が出たため、
午後0時15分ごろ、妻が同病院に連れて行った。
担当医師は同0時40分ごろ、急性心筋梗塞と診断して
点滴を始めたが、症状が変わらないため、
同1時50分ごろ、効果があるとされる
経皮的冠動脈再建術PCI)が可能な
同県高砂市の病院への転送を要請した。

しかし男性の容体は悪化し、同3時35分ごろに
加古川市民病院で死亡した。
判決は「約70分も転送措置が遅れており、
医師に過失があると言わざるを得ない」とした。

樽本庄一市長は「非常に厳しい判決と受け止めている。
今後の対応は判決を検討して判断したい」とコメントした。


asahi.com:2007年04月10日


まずは、病気の解説


心臓っていうのは、心筋っていう筋肉でできています。
で、心臓の中には血液が入っていて、
心臓が拍動する事によって体に血液を送り出す。
ポンプ」の役割をしています。

心筋梗塞っていうのは、心臓の表面にある、
心臓血液酸素)を送ってあげる動脈(冠動脈)
が詰まる病気です。

心臓に行く血管が詰まると、そこに血液が流れなくなるから。
酸素が送られなくなるんですよ。
そしたら、心臓の筋肉(心筋)の一部が死んじゃうんです。
酸素が行かなくなるから。

心臓の一部が死んじゃうから。
やっぱり、痛みって出るんですよね。
ま、当たり前と言えば当たり前ですけど。
で、心臓っていうのは、にあるので。
胸が痛くなりますね、普通。

普通は心筋梗塞になると、胸の痛みがかなり強いので。
「胸が痛い。」って病院に来るんですよ。
救急車で運ばれる人もいるし。
場合によっては、歩いて来る人もいますけどね。
我慢強い人は、そのまま我慢する人もいますけど。
ほとんどの人は、すぐに病院に来ます。


心臓に行く血管(冠動脈)が詰まると、
心臓血液が行かなくなるから。
そのまま放っておくと、どんどん心筋が死んでいくんですが。
いっぺんに全部、死んじゃうわけではないんです。
徐々に心筋が死んでいって、
6時間
で、かなりの部分が死んで。
だいたい24時間位で、
ほぼ全ての心筋細胞が死んでしまうんです。
その血管の先にある、心臓の筋肉が。

で、治療は、って言うと。
完全に心臓の筋肉が死ぬ前に、心臓の血管(冠動脈)を
広げる治療
をしてあげれば、
心筋細胞の一部を助ける事ができるので。
心筋梗塞になって、24時間以内であれば、
心臓の血管(冠動脈)を広げる治療をします。
できれば、6時間以内が良いんですけどね、ホントは。

これが、カテーテル治療経皮的冠動脈再建術:PCI)
っていう治療です。
血管内手術って言葉を使う事もあります。


この治療ができてから、20~30年位経つんですかね。
その前までは、心筋梗塞の治療は、
安静とか、薬を点滴するしかなかったんで。
心筋梗塞死亡率は30~50%位あったんですが。

カテーテル治療経皮的冠動脈再建術:PCI)
って治療ができて、
最近のデーターでは、心筋梗塞死亡率
10~20%位だと思います。


この裁判官が言っているデーターってのは、
心筋梗塞の患者でカテーテル治療
経皮的冠動脈再建術:PCI)

行った人の死亡率は約10%
ってデーターを使ったのだと思いますが。

心筋梗塞死ぬ人って、半分くらいは、
カテーテル治療を行う前

病院に着く前とか、着いた直後とかに、
亡くなっているんですよ。

病院に着く前に亡くなった人の場合。
日本では、解剖が行われていないので。
実際には、死因はわからないんです。

だから、日本で心筋梗塞の死亡率は「恐らく
10~20%位、って事になります。


では、わかりやすくする為に、全然違うんですけど、
受験生の例えをあげてみましょうか。

佐々木ゼミナール」って予備校があって。
そこの予備校の講義を受講すると、
京東大学に合格する確率
90%だとします。

そこに通っていない他の学生の合格率は、
70%だとします。

ある受験生A君が、受験の前の日に佐々木ゼミナール
講義を受講しようとしたんだけど。
予備校の講義が休講していた。

それで、受験当日。
A君東大を受験して落ちた

そして、こう訴えました。
「佐々木ゼミナールで講義を受ければ、
90%の確率で受かったはずだ。
でも受けられなかった。
私が東大に落ちたのは、佐々木ゼミナールのせいだ。
慰謝料と逸失利益を返せ。」


こんな裁判があったとします。
A君が勝つ可能性、あると思いますか?

ないですよね、どう考えても。

A君が東大に落ちたのは、自分の実力がなかったからですから。

佐々木ゼミナール」の講義を受ければ、
確かに東大の合格率が上がるけど。

でも、合格ライン100点満点70点だとして。
元々90点取れる力のあるやつは、
佐々木ゼミナールを受講しなくても受かるし
元々30点くらいのやつは、佐々木ゼミナールで
講義を受けても、受からないんですよ
、残念ながら。

元々65点とか68点位の人達が、
佐々木ゼミナールを受講して、受験テクニックを学んだら
それで、合格率が上がる、って事ですから。

自分の実力が足りなかったからって、
予備校のせいにするのは、明らかにおかしいですよね。



心筋梗塞でも、同じなんですよ。

すごい重症心筋梗塞の患者の場合。
どんな治療をしても、助からない事が多いんです。
昔ながらの、点滴と安静だけの保存療法をしても。
最新のカテーテル治療経皮的冠動脈再建術:PCI)
を行ってもです。

元々軽症心筋梗塞であれば、逆に
点滴と安静だけの保存療法でも、
最新のカテーテル治療経皮的冠動脈再建術:PCI)
でも、生き残るんですよ。

すごく軽症でも、重症でもない
どっちとも言えないような症例で、
最新のカテーテル治療経皮的冠動脈再建術:PCI)
をすれば助かったって症例が多いんですよ、実際は。

もちろん、ものすごーく重症のの心筋梗塞で、
最新のカテーテル治療経皮的冠動脈再建術:PCI)
をしたから助かった、って人も大勢いますけどね。


でも、ものすごく重症心筋梗塞
専門用語で言うとKillip IVって言う、
重症度でいくと1~4まであって、一番重症心筋梗塞

こういう人の場合、現在の治療でも
生存率は、50%か、良い施設でもせいぜい60%位
だいたい、半分は死ぬんですよ。

亡くなった方が、Killip分類で、どの位の重症度だったかは
わかりませんけどね、この記事からは。

でも、簡単に言うと、
元々重症のの心筋梗塞だったのであれば、
カテーテル治療経皮的冠動脈再建術:PCI)
を行っても、助からなかった可能性は高いですよ。

ましてや、たった70分早かっただけで、
90%は助かった
なんて事は、言えませんよ。


そんなの、東大に落ちた受験生が
難癖つけてるのと、同じレベル
です、はっきり言って。

医学的には、絶対に納得できない判決です、これ。


ちょっと長くなったので、今回はここまでとして。
今度、より専門的な、循環器内科医としての視点から、
この記事を分析
してみますね。

より詳しい、次の記事はこちら!
→ 「加古川、心筋梗塞事件2」

衝撃の真実はこちら!
→ 「加古川、心筋梗塞事件。衝撃の事実」


心筋梗塞に関しては、ここらへんも
参考にしてみてね!

「やぶ医師のぼやき:心筋梗塞」

「医学の基礎知識:心筋梗塞」

心筋梗塞になりたくなかったら、
これを読んで生活習慣病を予防してね!

「日本一わかりやすい!「糖尿病」

日本一わかりやすい!「高血圧」

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この記事へのコメント
根本的には……
Dr.I様

 こうした判決が出てしまう原因の一つに、「情報格差」なのだと思います。
 我々一般人は医学について余りにも無知なわけで、医師の方々のような「なんだかわからない方法で自分たちを助けてくれる」人々に対しては、「神頼み」と同じレベルの感情を抱いてしまうわけです。本来、医師の方々は「神様」でもなんでもないわけで、「医師の方々にもどうにもならない」ことはある……わけなのですが、患者や家族の側から見ると、「何故助けてくれなかったのか?」という理不尽な要求をしてしまうことになりますし、それに答えてくれない(誰にも答えられないケースも多々あるにも関わらず)医師の方々に対して恨みが高じて訴訟にまで発展してしまうわけですね。
 本来は理不尽な訴訟が起こっても、裁判官がきちんと専門知識に基づいて判決を下せばいいわけですが、裁判官も無知な訳で(裁判官は「法の専門家」ではあっても「医療の専門家」であるわけもありません)、「なんだかわからないけど判決を下さなければならない」立場にある裁判官にしてみると、どうしても「自分の無知に付け込んでごまかそうとする」という心証をもってします(不二家や電力会社で起こる「隠蔽」などを考慮に入れてるとあながちありえない話でもありませんが)「弁護側が提出した資料を重んじて」判決を出してしまうのだと思います。これに対しては「都合の良いもののも悪いものも」情報開示してしまうしかないと思うのですが、医師の方々の中には「思わず隠して」しまう方も多いと思います(「裁判で訴えられる」と思えば無理ない話しですが)。
 今度「医療事故を調査する第三者機関」が出来るそうですが、そうした機関が「医師と患者の情報格差」を埋めてくれるといいのですが……現状の厚生労働省や裁判所のあり方では、望みうすでしょうか(嘆息)。
Lich[URL] 2007/04/21(土) 04:47 [EDIT]
シャレにならないトンでも判決
この件に関しては内情が流れてきております。

まず、日曜日患者さんは歩いて来院された。
しかし、医師は直ちに心筋梗塞を疑い
ミリスロールという心臓の血管を拡げる薬を開始し、
リドカインという不整脈を防ぐ薬も点滴した。

パーフェクトです。
それからが核心です。
その後速やかに心臓カテーテルをしてくれる受け入れ施設
を探しにかかります。
しかし、どこも受け入れ不能!!
一杯で無理だったのです。
高砂市民病院ダメ、神鋼加古川ダメ、姫路循環器病センターでさえダメ・・!!
その間、沢山の時間外に来られた患者さんを待たせつつ
必死に医師と担当看護師は努力しています。

結局ねじ込んだ形で転送先を決定し
救急隊が患者さんを担架に乗せようとした瞬間、
恐らくは心臓内の血栓が頭に飛んだのでしょうか
一瞬で頓死されたそうです。

そして家族は医療側の努力を見ておられますし
「どうも有難うございました」と言って帰られた。

その後に誰かがけしかけたのでしょうか?
訴訟が起されたわけです。

この、来院されてから受け入れ先を決めるまでの時間、
受け入れ先がなかった為手間取っていますが
そんな事情があったとしても決して遅いとは言えません。
心電図をとり、点滴ルートをとり、点滴を準備するのに
少なからず時間がかかります。
そして救急車の呼び出し。

パーフェクトじゃないですか!!!
これ以上どうしたら良かったのか。

しかし結果は負け。
わっけが分かりません。
まさにシャレにならないトンでも判決。

若手バリバリの医師ですが
彼の未来は絶たれました。

それからこの病院では循環器っぽい疾患の場合
最初の受け入れから断らざるを得なくなりました。
不可能だからです!!

この地域、それから医療崩壊が進んでいます。
医師が辞めても、その後だれも来ようとしません。
誰が理不尽に医師生命が絶たれる地域に行きますか!!

この判決は狂っています。
そして、この判決自体が医療崩壊を著しく助長させる
犯罪性さえあると思います。

この裁判官はこの地域のこれから患者さんになる人々に
多大なる損害を与えたと言わざるを得ない。

「裁判官も医療には無知な訳で」と承諾は到底できない。
すっごいすっごいトンでも判決です。

どれ程の影響があると思っているのか。
この地域は最近更に医療崩壊が進みました。
大きな3つほどある基幹病院が今まさに沈没しつつあります。

医療が消えていきます・・。
この判決はこれからも大きくそれに寄与するでしょう。
市民こそこの判決の多大なる被害者です。

これを読む人々にはどうかそれを解って頂きたいです。
誰に対して怒りを向けるべきなのかを。


ようた[URL] 2007/04/21(土) 06:42 [EDIT]
今更かもしれませんが、何かを裁くってのはとても重いことですよね。

最近の判決を見ると、
もっともっと…
もっともっと調査して、勉強して、検討して判決を下してほしいと思いました。
ナースマン[URL] 2007/04/21(土) 06:51 [EDIT]
その時被告側は・・・
非常に分かりやすい説明で納得なのですが、そういうふうに被告側が主張立証というか説明していても(不明)、この判決なら確かに疑問を感じます。
psq[URL] 2007/04/21(土) 11:14 [EDIT]
やっちゃった…
「医師不足」って言ってるのに、
また一人将来有望な医師が消されましたね。

小さなミスも許されない。
ミスしてなくても許されない。

他人事…ではなさそうです。心配
ba-m-bi[URL] 2007/04/21(土) 11:36 [EDIT]
納得できません。
もし僕が当直していてその患者さんが「胸が痛い」ってやってきたら、心筋梗塞と診断できたかどうか。(専門外ですから)
この先生のされた処置はとても迅速だったようですね。すばらしいッ!

この判決のために、治療に対して消極的になる医師が増えると思います。医療がどんどん後退していくような気がして恐いです。
ss[URL] 2007/04/21(土) 11:41 [EDIT]
毎回悲しい判決です。本当に悔しい。何も出来ないけれど、何ができるのかしら?こういった裁判が、有効なものになるような、何か・・。一般市民の自分達に、何ができるでしょうか・・・。
K[URL] 2007/04/21(土) 20:08 [EDIT]
裁判官にも
裁判官に対しても、判決に誤りがあれば刑事罰を与えられればいいのに、とおもいます。

今後この地区で受け入れてくれる病院がなく、心筋梗塞で亡くなってしまった方の御家族はこの裁判官をこそ恨むべきでしょう
りり[URL] 2007/04/21(土) 20:23 [EDIT]
今回の事例なんかは……
ようた様、ba-m-bi様、ss様、りり様

 今回の事例、裁判所が「医療サービスの提供者が不誠実な行動を取った」と「誤った情報」を提供したせいで「医療サービスの提供が行われなくなる」という、典型的な「市場の失敗」がもたらされたケースですよね。
 こうしたケースを解決するには、「正しい情報」の提供が不可欠なのですが、裁判所は「正しい知識がないのに判決を下す」ことによって「誤った情報」をもたらし、マスコミは「病院が情報を隠している」という「先入観」で「誤った情報」をもたらす……「正しい情報」を伝える手段、何かいい方法はないものでしょうか……。

ようた様>

>「裁判官も医療には無知な訳で」と承諾は到底できない。

いい加減なことを書きまして申し訳ありませんm(_ _)m。

ss様>

>この判決のために、治療に対して消極的になる医師が
>増えると思います。

 間違いなくそうなると思います。
 そういった「羹に懲りて膾を吹く」ような行動が増えない方法はないでしょうか……。

りり様>

>裁判官に対しても、判決に誤りがあれば刑事罰を与え
>られればいいのに、とおもいます。

 それこそ、今回の事例で「医療サービスが提供されなくなる」のと同じように、裁判官が「責任回避的な判決を下す」事例が増える(「過去の判例どおり」判決を下していれば無難なわけですから、「論争が起こる」ような裁判は「門前払い」的判決が増えるでしょう)のではないでしょうか。

Dr.I様

 横レスして申し訳ありませんm(_ _)m
Lich[URL] 2007/04/21(土) 21:50 [EDIT]
>Lichさん
アメリカのように、マスコミがいい加減な事を書いたら、名誉毀損で訴えてやれば良いんですよね。
それで、負けて莫大な賠償金を払うようになったら、変わるかも、って思っているんですが。

訴えている医師もいることはいるんですが。
なかなか、勝てないんですよね、残念ながら。

ねつ造なんだから、行政処分をしても良いと思いますし。
Dr. I[URL] 2007/04/22(日) 15:59 [EDIT]
>ようたさん
非常に貴重な情報、ありがとうございました。
これに関しては、もう少し整理して、ブログの記事にも書かせていただきますね。

既に、私の知らない所で、某掲示板等で、引用されているようですが。
Dr. I[URL] 2007/04/22(日) 16:01 [EDIT]
>ナースマンさん
その判決で、1人の人生が決まるんですから。
もっと慎重になってもらいたいですよね。
医者には、それ以上の慎重さを要求しているんですから。
Dr. I[URL] 2007/04/22(日) 16:02 [EDIT]
>psqさん
疑問だらけですよ。
何故負けたのか、全く意味不明です。
より詳細に、そこら辺を検討していくつもりです。

Dr. I[URL] 2007/04/22(日) 16:05 [EDIT]
>ba-m-biさん
ホントに、やってしまいましたね。
おまさか、高裁でも負ける、って事はないとは思いますが。
でも、この有望な医者の将来と、この地域の医療を崩壊させた事は事実ですね。
Dr. I[URL] 2007/04/22(日) 16:07 [EDIT]
>ss先生
今度の記事で書くつもりですが。
この先生、専門でもないのに、かなり頑張った方だと思いますよ。
これで負けるなら、もう患者は診ない、って事しか解決策がないですから。
また、医療崩壊が進んでしまいましたね。
Dr. I[URL] 2007/04/22(日) 16:08 [EDIT]
>Kさん
何ができるか。
具体的にはわかりませんが。
でも、周りの人達に、マスコミの言ってる事は正しいわけではない、って事を教えてあげたら良いんじゃないですかね。
Dr. I[URL] 2007/04/22(日) 16:10 [EDIT]
>りりさん
医療ミスは裁いて、裁判官はとんでも判決を出し放題、っていうのはやっぱおかしいですよね。

なんとかならないものでしょうかねー。
Dr. I[URL] 2007/04/22(日) 16:12 [EDIT]
この医師がどの程度親身になったかもありますけど記事だけ・裁判だけじゃそれはわからないですよね、それ以前にこれは重要な過失なんですか;;?
すぐすぐ最善の治療法が見つかってとりくめればいいですけど、自分の身体の予防は自分しか出来ないんだし。
医師に最善を求めるなら患者も最善を尽くしてきたかは問いてもいいですよね。

また俺ごとで悪いんですが、俺は脳梗塞で全身ぶっ壊れる前に頭の痛みで検査してもらったんですよ、でもその日はMRIなんか撮れなくて「普通にレントゲンだけだけどいいですか?」って問われたんです。
血圧とか他の症状がないからって他の選択をせずに痛み止めだけもらって軽い気持ちでオーケーして倒れたのは自分の責任ですよね、若干違うだろうけどすべてを医師に求めるのは間違いだと思う!

医師の味方じゃないけども少しいきすぎですよね。
小太郎[URL] 2007/04/22(日) 16:39 [EDIT]
そうですね
小太郎様

>それ以前にこれは重要な過失なんですか;;?

 ここにこられる方々のご意見を拝見するかぎり「過失とは言えない」と判断せざるを得ないと思うっす。

>医師に最善を求めるなら患者も最善を尽くしてきたかは
>問いてもいいですよね。

 そうですよねぇ。
 日本では「医師が我慢してきた」おかげで「体を壊しても医師が直してくれる」という思い込みが「モラルハザード」を起こしている、という現実を見つめる必要がありますよね。

>医師の味方じゃないけども少しいきすぎですよね。

 そうですよねぇ。
 医療の世界に限らず「誰にもどうしようもない」ということはあるのですから、それらを「悪者を作ってごまかす」のはやめないといけませんよね。
Lich[URL] 2007/04/22(日) 21:02 [EDIT]
産婦人科もやられてます・・・
大和市立病院の
「帝王切開まで1時間16分かかったのは遅すぎる」
という判決と同様の流れですね。

できるかぎりのことをしても治療が遅れることはあります。
それも考慮されずに過失と認定されるとは恐れ入ったことです。

さすがに高裁ではひっくり返るでしょうけど。
がみ[URL] 2007/04/22(日) 21:48 [EDIT]
>小太郎さん
次の記事で書いていますけど。
私は、今回の事件では、当直医には、全く過失がないと思っています。
現に、治療に関しては、一切触れていませんから。
もし過失があったのであれば、それに関して触れていると思います。
時間に関しても、次の記事に書いたとおり、普通だと思います。

小太郎さんのMRIに関してですけど。
患者の自己責任とは言いませんけど。
たいていの病院では、緊急性がない場合は、その日にMRいって撮りませんからねー。
結果的に残念だったとしか、言えないですね。

この患者が最初から自分の意志で、カテーテル検査、治療のできる病院を受診しなかった、って事は問題にならないんでしょうかね。
Dr. I[URL] 2007/04/22(日) 23:22 [EDIT]
>がみ先生
困りましたねー。
他にもありましたよね、帝王切開までの時間が長かったって判決。

医療に関して素人が、こういう事を決めるのは、やはり問題がありますよね。
Dr. I[URL] 2007/04/22(日) 23:25 [EDIT]
それは……
Dr.I様

>この患者が最初から自分の意志で、カテーテル検査、
>治療のできる病院を受診しなかった、って事は問題にな
>らないんでしょうかね。

 ここを読んでいる方ならともかく、普通の人には無理だと思います。それこそ、そこまでを患者に求めるのは「リスクの患者に対する押し付け」に繋がらないでしょうか?まあ、現状の「医師に対する責任の押し付け」を考えると、それくらいを患者に求めてもバチはあたらないのかもしれませんが。
Lich[URL] 2007/04/23(月) 05:41 [EDIT]
そうですね……
Dr.I様

>アメリカのように、マスコミがいい加減な事を書いたら、名
>誉毀損で訴えてやれば良いんですよね。

 現行法でも「真実でない」ことを証明すれば裁判に勝てる……のですが、裁判所の「医師に厳しい」姿勢を見ると勝つのは難しいかもしれないですね。

>それで、負けて莫大な賠償金を払うようになったら、変わ
>るかも、って思っているんですが。

 週刊誌の報道でもわかるように、「名誉毀損の罪身に対する損害賠償」をことさら低く見積もる日本の裁判では、そうした「抑止効果」は期待薄だと思います。もっともアメリカのように「懲罰的」賠償が大きくなりすぎてマスコミが萎縮するのも考え物ですが。

>訴えている医師もいることはいるんですが。
>なかなか、勝てないんですよね、残念ながら。

 日本では、マスコミに対する「名誉毀損」の証明のハードルが高いですから、なかなか勝てないでしょうね。なんとか、「正当な裁判」が行われるようにしたいものですが……、

>ねつ造なんだから、行政処分をしても良いと思いますし。

 捏造に関しても、「医師叩き」は売れますから、なかなか行政処分は難しいでしょうねぇ。困ったものです。
Lich[URL] 2007/04/23(月) 09:03 [EDIT]
謹んでTBさせて頂きました
Dr.I様のエントリーとコメントを思いっきり引用させていただいて書かせていただきました。もう少し真相の情報が欲しいところですが、現時点ではもっとも信用できそうなソースと考えております。

もし判決文が出ても表に出ないでしょうが、原告勝訴の原動力になった鑑定書を読んでみたいものです。
Yosyan[URL] 2007/04/23(月) 15:45 [EDIT]
>Yosyan先生
ブログ紹介、ありがとうございます。
この情報は、私も信頼できると考えています。
更に詳細がわかれば、ブログで書いていきたいと思っています。

確かに、この鑑定書に興味はありますね、私も。
Dr. I[URL] 2007/04/23(月) 20:54 [EDIT]
話の途中すみませんが
「内情が流れてきた」というのは
「病院関係者が特定患者の受診状況をネットに流している」と解釈してよろしいのですね?
正義の奈良県民[URL] 2007/05/01(火) 13:36 [EDIT]
敗訴、でも、証人尋問の調書が読みたい。
いったん公開の裁判に登ったということは
内部の事情も密室に閉じ込めてはならないということです。
魔女裁判は別ですが。
裁判の傍聴は認められています。アメリカではビデオも可です。

わたしが言いたいこと。下に書きます。
「担当医師は70分間電話の対応に追われ、患者は放置されていた」ということであれば
患者の診療放棄となり、敗訴します。
電話は診察室のクラークが行うようにしてください。

証人尋問で何をしていたのか?と当事者の医師が問われたはずです。70分間電話に時間をとられていました。ということになったのでしょうね。証人尋問の調書のコピーが手に入れば助かります。
被告らも保有しているはずです。
これらは当事者の名前を伏せて、インターネットに流失しても問題ありません。一応先進国では、裁判は公開が原則ですから。
ハイソ[URL] 2007/05/03(木) 15:29 [EDIT]
>正義の奈良県民さん
加古川の件に関しても、法律の専門家の方達と相談したのですが。

コメント欄で、ハイソさんもおっしゃられている通り、既に訴訟になっているので、問題ない、との事でした。
基本的に、裁判は公開されるべきものなので。

私が裁判そのものを傍聴したわけではないですから。
この部分は、法廷(準備書面、証言、和解期日の話などなど)のどこにもない部分だ。
とか、そういう判断は私にはできませんので。
そいうところがあれば、それに関しては削除も含め、個別に検討させて頂きますが。
Dr. I[URL] 2007/05/03(木) 18:27 [EDIT]
>ハイソさん
>担当医師は70分間電話の対応に追われ、患者は放置されていた

これは、違います。
すでに、心筋梗塞の治療に必要な点滴等の治療はされていて。
ベッドサイドで経過を観察しながら、同時に電話をかけているわけですから。
こういう重症患者の転送依頼の場合。
どういう患者でどういう状態か、そういった事を細かく報告する必要がありますので。
看護師やクラークに電話をかけさせる事は、無理です。
医師が自分で相手(特に医師)に伝える必要があります。

それと、日曜日なので、クラークはいません。
Dr. I[URL] 2007/05/03(木) 18:29 [EDIT]
初めての投稿失礼します。
この事件の記事を読んで、もしかしたら関係ないかもしれないですけど質問させて頂きたいことがあります。

もし病院側が臨床工学技士を雇ってない状態で、PCIなど行えない施設だとしてMIかもしれない患者を受け入れた場合どうなんでしょう?

ちなみに私の記憶だと臨床工学技士を雇ってないとOPEなりPCIなりできなかったと思いますので(施設基準違反)
医療者[URL] 2008/08/18(月) 16:51 [EDIT]
>医療者さん
私も詳しい事はわからないのですけど。
できるだけ早く、PCIのできる病院に送る、って事しかないですね。

でも、70分では不十分だ、っていうのが今回の判決の様ですが。
完全に、現場を知らない人間ですよね、これ。

Dr.I[URL] 2008/08/19(火) 18:45 [EDIT]

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日々是よろずER診療 | 2007/04/21(土) 09:21
生活習慣病予防口コミ情報
このサイトでは生活習慣病に関する生の声を集めております。多くの口コミ情報を参考に生活習慣病予防や対策等にお役立てください。  [つづきを読む]
生活習慣病予防口コミ情報 | 2007/04/21(土) 16:18
加古川心筋梗塞賠償訴訟
気にはなっていたのですが、詳細がわからず書いていなかった、加古川の事件の続報的なものが手に入ったので考えてみます。まずは2007/4/11付神戸新聞記事より 加古川市に賠償命令 市民病院で転送遅れ死亡 神戸地裁  加古川市民病院で心筋梗塞(こうそく)の男性=当時(  [つづきを読む]
新小児科医のつぶやき | 2007/04/23(月) 10:54
医学部予備校.com
このサイトを訪れた貴方は、何らかの形で「医師」という職業に興味を持っているはずです。貴方は医者という職業について、どの程度知っていますか?  [つづきを読む]
医学部予備校.com | 2007/05/20(日) 09:42
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