現役医師、循環器内科医(Dr. I)が医療について、詳しくわかりやすく解説するブログ。 引用、転載は自由ですが、その際は必ず引用元を明記して下さいね!
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エビデンスに基づいた医療改革
選挙が近くなって、医療改革とか、
医師不足対策とか。
なんか、いろいろ目先の事ばかりの
政策が出ていますが。
厚労省の課長も、なんかエビデンスに基づく」
とか、言っていますねー。


全日本病院協会定期総会・定期代議員会 
エビデンスに基づいた改定要望を 厚労省佐藤指導課長

記事:Japan Medicine
提供:じほう

【2007年6月6日】

全日本病院協会の定期総会・定期代議員会が6月2日、
東京都内で開かれた。
厚生労働省医政局の佐藤敏信指導課長は
医療構造改革と今後の医療」をテーマに講演し、
現在、医療費の総枠が限られた中で、
無駄を減らしつつ、必要な分野に診療報酬を
厚く配分する流れにあると紹介。
その上で、「医療従事者皆が困っている中で、
診療報酬の引き上げを求めるのであれば、
例えば赤字がどのくらいといった
エビデンスを示さねばならない」と聴衆に訴えた。

無駄を減らして再分配

日本では、世界に類をみない少子高齢化が進んでおり、
十分な医療費を確保することに頭を悩ませている状況にある。
佐藤課長は、政府などが考える医療費確保方策として、
<1>経済成長の促進や、国民負担の増加などによる
「総枠の確保」
<2>無駄の排除や、病院・診療所間、
診療科間での医療費分配を変えることなどの「効率化」
-を挙げた。

特に、医療関係者に直接的な影響を与える効率化については、
無駄を減らし、必要な分野に分配する流れにあると紹介。
「部門別・患者別コスト評価をしなければならないし、
これがなければ、診療報酬の改善要求も無理な話」
と切り捨てた。
また、プロセス、アウトカム評価の必要性も指摘。
がんなどを皮切りに、ICDコードに基づく
退院時サマリーを策定し、平均在院日数や転帰、
かかった医療費などのデータを明確に
提示すべきとした。

プラス改定となるよう全力を挙げたい-西澤会長

全日本病院協会の西澤寛俊会長は定期総会・定期代議員会の
あいさつで、医師不足問題など、いわゆる医療崩壊が
叫ばれている現状を踏まえ、
「質の高い医療を提供し続けるためには、
次期診療報酬改定では、プラス改定となるよう
全力を挙げたい」と強調した。

さらに次期診療報酬改定に関連して、
「(急性期病棟からの高齢患者の受け入れや
在宅医療を支援する)地域一般病棟を具現化することを
考えていきたい」と強調。
中小病院が国民皆保険制度の中で果たしている役割を、
適切に評価するよう求めていく構えをみせた。



エビデンスに基づく医療」(EBM:
Evidence Based Medicine)
っていうのは、
日本でも10年くらい前から言われている事なんですが。
医師個人の経験」だけに基づいた治療だけでなく、
きちんとこの治療をしたら、このくらい効きますよ。
っていうデーター、証拠に基づいた治療を行いなさい。
っていう医療なんですよ。
最近はやりの、「ガイドライン」ってやつも、
このEBMの一種ですね。

まあ、医療そのものと、医療経済
別なので、それはちょっと置いておいて。
厚労省の課長が、「エビデンスに基づく改定要望を
って言っていますねー。
意味わかってるのかどうか、怪しいですけど。

>例えば赤字がどのくらいといった
エビデンスを示さねばならない


いや、これいっぱいニュースでも流れてるでしょ。
医療機関が潰れている、って。
公立病院がどのくらい赤字かなんて、
厚労省は絶対に把握しているでしょ。

夕張とか、規模の小さい病院で、
累積赤字何十億円もあるんだから。
日本全国では、何兆円かあるでしょ、累積赤字。
ここ1,2年だけで、数千億円いくでしょ。

エビデンスに基づいて、なんで赤字か、
って分析したら。
公立病院には無駄な事務員が多いのが一番の原因でした。」
ってなったら、事務員の報酬カットしたり、
人員削減したりしてくれるんですよね。
厚労省の権限で。

厚労省天下り先と随意契約をして、
無駄に高いお金で仕入れていたから赤字
って事になったら。
厚労省天下り先関連からの契約は、
全部止めてくれるんですよね。
自分で言っているんだから。


診療報酬とは直接関係ないけど。
介護の分野で、「コムスン」が撤退しましたよね。
コムスンは、ずるい事やって水増し請求して
結局撤退に追い込まれたから。
コムスンを擁護する気は全くありませんが。

あのグッドウイルグループのコムスンでさえ、
介護の分野ではまともにやって利益が
出なかったのですよ。
だから、ずるい事やったんですけど。
根本的には、厚労省が介護分野の
金額を全部決めて。
それが、適切ではなかった、って証拠ですよ。

他の分野では大もうけしたあのグッドウイルグループ
でさえ、利益が出ないんですよ。
どこぞの役人とか、まともな企業だったら、
絶対に利益が出ない「システム」になってるんですよ。
それを決めたのは厚労省ですけど。

医療に関わる、診療報酬も同じです。
まともにやったら、利益がでないんですよ。
普通の病院
だからって、水増し請求をしている病院は、
普通はないでしょうけど。

でも、なんちゃら管理料とかって、
くだらない文書を医者がたくさん書かされて。
その書類をたくさん書かないと
病院は赤字になる、って「システム」を
作っているのは厚労省です。

医者の数も、医者が働く時間も
限られているわけですから。

医者が書類を書く時間が長くなったら、
当然患者を診療する時間は減ります

もしくは、医者の寝る時間を削って、
働くわけですから。
当然、疲れも貯まって、医療ミス、
医療事故の確率も増えます

原因は、政府や厚労省にありますよね、当然。

エビデンスに基づいたデーターを出せ、って。
あんたたち役人が縦割り行政だから。
全然そういうデーター残ってないんですよ。
日本には。
それ、わかっていて
わざと言ってるんでしょうかね。

この本を読めば、非常によくわかりますけど。

「改革」のための医療経済学

今だに厚労省が言っている、「医療費亡国論」。
これ、医者が増えたら、医療費も増えて、
そいで結局国を滅ぼす。
って20年以上前に、厚労省の役人か誰かが
発表した説なんですけど。
この本に書いてある通り、これは「間違い」です。
世界的にも、それは違うって認められています。

そういうのを、エビデンスに基づくって言うんですよ。

前に私が記事にした、三重医師会のフラッシュ。
「日本の医療が崩壊する」

こういうのとかでも良いですよ。

日本の医療費は、世界最低レベル。
人口当たりの医師数も先進国最低。
公共事業費はダントツで世界一。
医療費の中でも、医療機器と薬の値段が高い。
医者の技術料は低い。


こういうのを、エビデンスに基づくって言うんですよ。
最初に医療費削減ありき、で後からなんくせつけて、
こじつけているのは、エビデンスには基づいていません。

はい。
エビデンスに基づいたデーターを提示しましたから、
この通りにやってくれるんですよね。
厚生労働省。


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この記事へのコメント
A piece of evidence
政府などが考える医療費確保方策として、<1>経済成長の促進…って、気ィ長すぎるわー!前にエビと友達で二時間くらい内需について考えたけどexpandしなかったよ。
そして<2>医療費分配を変える…って全然新たには確保してないじゃないでちゅか!要するにますますカツカツでやれってことでしょう?
伯父もキューバはあまりお金持ちじゃないと思うかもしれないけれどお医者さんはいっぱいいるからねぇと言ってまちゅ。
器材の値段の高いのはスゴイですよね。カテーテルはアメリカの6倍の値段☆
て言うか、厚労省が出せばいいのでは「証拠」。今の医療現場のどこにムダとか余裕があるのか。アプー。
I先生もこないだ学会行ってたけど、そういうのだって相方の先生とかにお願いして行くのでしょう。必要なお勉強も皆が気軽には出来なかったり、あと日々の疲労もいつもMAXだと思います。
どこに医師が偏在してるって?エビデンスは?
エビ[URL] 2007/06/23(土) 21:13 [EDIT]
>エビさん
医者が足りないとか、日本の医療費が少ないってエビデンスはあるんですが。
医療費を削減しなきゃいけない、ってエビデンスは全くないんですけどねー。
Dr. I[URL] 2007/06/23(土) 21:25 [EDIT]
食いつきどころ
>でも、なんちゃら管理料とかって、
くだらない文書を医者がたくさん書かされて。

食いつくところを間違っていますが、この部分に異常に共感してしまいました。ホント、しょうもない文書を毎日毎日書いています。腹が立ちます。
論点ずれててスミマセン。
ss[URL] 2007/06/23(土) 23:33 [EDIT]
Evidenceにこだわる怖さ
個人的にはそもそも政策決定にEvidence basedもクソもないような気が・・・。なんせ社会システムを制御するということは、非常に多くのファクターが関わってきますからね。中にはEvidenceとして現れてこない要素もあるわけで。しかも、Evidenceは出てきても多種多様なEvidenceをどう利用するかはその権限を持った人間の考え方、要素の取り入れ方次第です。特に一つを動かすと、予想外の領域まで動いてしまうような政策決定の場に、論理主義的なエビデンス思想を持ち出すのはどうかと思いますけれどもね。

多くのファクターが相互連関を持ち、時にchaoticな動きを示す「システム」の目で見ると、私は同じく最近の医学界、特に内科領域でのEBM礼賛主義的な風潮には大きな危険性を感じている医学生なのですが、I先生はどうお考えでしょうか?
vvvf[URL] 2007/06/24(日) 00:54 [EDIT]
エビデンスを持ち出すのは……
Dr.I様

 結局、エビデンス云々は「理屈付け」で、言いたいことは「医療費を削りましょう」なだけですから笑止千万ですね。
 大体、GNPが増えているのに医療と言う「重要なサービス分野」に投入される資源を減少させようと言うこと自体に無理があるわけで(不要なサービスなら資源投入を減らすのは当然ですが、今後ますます必要性が増す医療サービスを減少させるの論理的に矛盾しますね)、それを言葉遊びでごまかす厚生労働省のあり方には怒りを覚えます。
Lich[URL] 2007/06/24(日) 14:07 [EDIT]
>ss先生
いやー、そうなんですよねー。
IT化とか、オンライン化とかいうなら、これ全部やってくれれば良いんですけど。
結局書類は手書きとかなんですよね。
Dr. I[URL] 2007/06/24(日) 18:30 [EDIT]
>vvvfさん
エビデンスのみにこだわるのは、確かに危険ですね。
でも、若い先生なら、まずはエビデンスに基づく治療とかを覚えて。
その後、一人前になってから、自分の経験に基づいて、プラスαを求めたら良いと思いますよ。
それなしに、自分の経験にのみ頼るのは非常に危険ですから。
Dr. I[URL] 2007/06/24(日) 18:32 [EDIT]
>Lichさん
結局都合の良いところだけなんですよねー。
いっつもそうですけど。
無理がありすぎです。
Dr. I[URL] 2007/06/24(日) 18:33 [EDIT]
患者に「エビデンスに基づく・・・」って言っても理解できる人はほとんどいません。

うちの病院の医師プロフィールには、その言葉は使わせないことにしています 笑
のりくろ。[URL] 2007/06/25(月) 12:03 [EDIT]
>のりくろ。さん
まあ、そりゃあそうでしょうけどね。
私も、患者に説明するときは、わかりやすくを心がけているので。
使いません。
そう言う意味では、ブログ書いてるのって、すごく本業にも生きてきているような気がします。
Dr. I[URL] 2007/06/25(月) 23:26 [EDIT]

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