現役医師、循環器内科医(Dr. I)が医療について、詳しくわかりやすく解説するブログ。 引用、転載は自由ですが、その際は必ず引用元を明記して下さいね!
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今度は18病院「たらい回し」だってさ
たらい回し」「受け入れ拒否」という言葉の使い方は、
間違っているという事は何回も書いてるけど。
相変わらず、マスコミはこの言葉を
好んで使っているようですね。

まあ、こんなちんけなブログで何回書いても、
全く効果なんてないのでしょうけど。

今度は、18病院たらい回し」だそうですよ。



18病院たらい回し…男性死亡 姫路

兵庫県姫路市の男性(66)が6日未明、
吐血するなどして救急搬送された際、
近隣の18病院医師の不在などを理由に
受け入れを拒んでいたことが分かった。

男性は最終的に約30キロ離れた市外の病院
2時間近くかけて搬送されたが、途中で病状が悪化。
搬送先の病院で死亡が確認された。
市消防局は「最善を尽くしたが、いろいろな条件が重なり
受け入れ先を見つけるのに時間がかかってしまった」
としている。

市消防局などによると、6日午前0時7分、
男性の家族から「(男性の)意識がぼんやりしている。
目がうつろで吐血した」と119番通報があり、
救急隊が出動。受け入れ先の病院を探したが、
姫路赤十字病院や国立病院機構姫路医療センターなど
18の病院に「専門の医師がいない」「ベッドがない」
などの理由で断られたという。

男性は当初意識があったが、受け入れ先の
赤穂市民病院に搬送される途中で心肺が停止。
午前1時56分に同病院へ到着したが、
同2時17分、死亡が確認された。

救急搬送をめぐっては、昨年8月、
奈良県大淀町の町立大淀病院
Tさん=当時(32)=が分娩(ぶんべん)中に
意識不明となり、19病院に受け入れを断られた末、
大阪府吹田市の搬送先の病院で後日、死亡。

今年8月にも、同県橿原市内で体調不良となった妊婦(38)が
11病院から受け入れを断られ、大阪府高槻市内の
病院で死産が確認された。

Tさんの義父、憲治さん(53)は
「救急医療をめぐる問題があると(関係者は)
『二度とこういうことが繰り返されないように』
と謝るが、何度も繰り返し起こってしまうことが
残念でならない」と話している。


「2007年12月6日:産経新聞」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071206-00000939-san-soci


もちろん詳細な事実がわからないので、
なんとも言えない事は多いのですが。
いつものようにわかる範囲で、記事を分析してみると。

>午前0時7分
意識がぼんやりしている。目がうつろで吐血した


って事だそうですけど。

時間からいって、もしかしたら、
お酒を飲んでいたのかもしれませんね。

そしたら、ぱっと思いつくのは、

アルコール性肝硬変+食道静脈瘤
=吐血+意識混濁


という所でしょうか。


食道」っていうのは、「のど」と「胃」の間にある
管状の器官なんですけど。
食道静脈瘤っていうのは、この食道の静脈が、
太くなって「こぶ」のように膨れる病気です。

写真で見ると、こんな感じ ↓
参照:「胃腸病、大辞典:食道静脈瘤」

肝臓の病気、特に肝硬変の人がなりやすい病気です。

症状は、吐血・下血で、そして死亡の危険性も高い
おそろしい病気
なんですよ。


静脈って血管が太くなって、それが破裂して
血が出るわけですから。
大出血するんですよ。
場合によっては、死ぬ事もあるおそろしい病気です。

まあ、この例が食道静脈瘤かどうかはわかりませんけどね。

吐血(血を吐く事)の人がいたら、まず「胃カメラ」をやって。
どこから血が出ているかって事を調べるんですよ。

食道静脈瘤だったら、静脈瘤の破れている部位が見つかったら、
そこを輪ゴムのような物で縛ったり、硬化剤と呼ばれる
血管を固める物質を投与して止血をします。


胃カメラ」っていうのは、消化器内科医とか、
専門の医者しかできない技術なんです。

百歩譲って、胃カメラを入れて見るだけであれば、
地方で幅広く活躍している医者だったら、
専門外でもできる人はいますけどね。

胃とか食道とかから出血していた場合、
出血を止める治療
輪ゴムで縛ったり、硬化剤と呼ばれる
血管を固める物質を投与したりするような事は、
消化器専門の医者以外はできませんよ


そんな事、医者だったら百も承知ですから。
吐血ってわかっていたら、消化器専門の医者のいない
病院だったら、その患者を受け入れるはずありません。

だって、消化器内科専門の医者のいる病院
搬送されたら助かったけど、いない病院にわざわざ
連れてきたら、助からない可能性が高いんですよ


だったら、消化器内科専門の医者がいる病院
行って貰うに決まってるでしょ。

患者の命を救う為には、そっちの方が
良いに決まってますから

専門医がいないのであれば、他の病院に行って貰う。
というのが、ベストの選択
だと思いますよ。

患者の受け入れを拒んだ」のではなく、
消化器専門の医者がいる病院に直接搬送した方が、
患者が助かる可能性が高いので。
消化器専門の医者がいる病院に直接行って貰う事にした
という適切な判断をしただけです。


ベッドがない」ってのもそうです。
吐血して大出血しているんですから。
入院するに決まっているんですよ

だったら、入院ベッドの空いていない病院じゃなくて、
入院ベッドが空いている病院に行って貰った方が良いでしょ。
患者にとって。

だから、入院する事が確実な患者の場合。
ベッドが空いていない病院であれば、
他の病院に行って貰った方が良いんですよ。

新聞記事には、

>「専門の医師がいない」「ベッドがない」
 などの理由で断られたという。


って、なんか病院が悪者のように書かれていますけど。
「専門の医師がいない」「ベッドがない」というのであれば、
この患者を受け入れる事は「不可能」なんですよ。

逆に無理して受け入れて、別の病院に行けば
助かった可能性がある患者を助けられない、
って事も十分にあり得ますからね



こういう事が繰り返し起こって残念なのは、
私も同じですけどね。

そもそも、受け入れる専門医がいない
というのは、医師の数が少ないからですよ
マンパワー不足なんですよ。

ちょっと前まで、妊婦の話ばっかり記事になってましたけど。
こういうのは、もう妊婦だけの問題じゃないんですよ。

妊婦の問題だけだったら、産科医を増やせばよい。
っていう意見もありますけど。
今回問題になっている消化器内科だけに限らず、
他の科も、どこでも専門医が足りないんですから

医者の数を増やすしか、解決策はないんですよ。

それに関して、何故マスコミは記事内で指摘しないんですか。
これでは、まるで受け入れなかった病院が悪い。
って言う病院叩きがメインの記事
でしょ、これ。


ベッドがない」って。
政府は診療報酬削減を繰り返して、
97%の公立病院を赤字にしているんですよ

そして、赤字の病院は潰す、って言っているんですよ。
ベッド数削減政策」を行っているんですよ。

だから「ベッドが足りない」んですよ。

それって、政府の責任でしょ。
診療報酬を下げ続けて、ベッド利用率を、
ほぼ100%にしないと、赤字になるような
政策をとり続けているから、ベッドが足りない、
満床だ
、って事になるんですよ。

それって、政府の政策のせいでしょ。

何故、その事を、この記事の中に書かないんですか?

>何度も繰り返し起こってしまうことが残念でならない

と記事には書かれていますけど。

こういう記事が何度も繰り返し書かれてしまうことが
残念でならないですよ、私は。


本当に、こういう悲劇を繰り返したくないと思うのであれば、
問題なのは今の日本の医療政策だ
という事を、きちんと記事に書くべきだと思いますよ。

医師数削減、医療費削減政策が続く限り、
こういう悲劇はまた繰り返されると思います。




マスコミの言葉の使い方が違うって事に関しては、
「奈良、たらい回し!の問題点」
「患者受け入れ不可能」
の記事なんかも確認して下さいね!



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この記事へのコメント
もはや……
Dr.I様>

 もはや、マスコミは、この件を「医師のせい」にしたいだけなんですね。
 この問題に関して、マスコミは、せめて「沈黙を守る」ことで対処して欲しいですが……「弱きをくじき、強きを助く」人たちに言ってもむだですか(嘆息)
Lich[URL] 2007/12/07(金) 00:07 [EDIT]
set a new tone in government
悲しいことがまた起こってしまいましたね。
さっき0時のNHKBS1のニュース見てて「受け入れを断られ、死亡しました」と、報じられていました。
高齢化社会で病院にかかる人は増えてるのにベッドは削減、医師数も先進国最少な政策を続けられている中で、責めは現場にかけられ…。
医師もいないベッドもないでどうやって受け入れろというのかわかりません。
何故こういうことが起こるのか、blogででもコツコツ訴えていけば目に掛けて声にしてくれる人がいると思います。
ご冥福をお祈りします。
エビ[URL] 2007/12/07(金) 00:39 [EDIT]
なるほど、医師免許はあっても専門外のことには関わりたくても関われないというのが現実なんですね。でも、そのことが正確に救急隊に伝わっていないから、たらい回し問題が起きるのかなという印象を受けました。
その上で思うことがあります。患者は医学的な知識は持ち合わせていないのが普通ですから、自分の症状に相応しい医者を瞬時にして探せるかというと、それは無理な話だと思います。専門医でなくても医者であれば、これこれの症状から消化器内科が専門だということが容易に想像がつくとすれば、このような基礎的な医学知識は、当然、救急隊の人たちや電話を受ける病院のスタッフも心得ていなければならないことですよね。
たらい回しという表現が使われてしまうのは、医者ならなんとかしてくれるだろうという期待がそこにあるからなんだと思います。何とかして欲しいというのは、何も専門外のできないことをしてくれと要求しているわけではなくて、一刻も早く治療のできそうな専門医につなげてほしいということなんだと思います。
患者が救急車を呼ぶときは、困っているからなのです。どこに行ったらよいかわからないから救急車に助けを求めるのです。どこに行ったらよいか、最初からわかっていれば救急車は呼びません。
不安を抱えるひとりの患者より[URL] 2007/12/07(金) 01:09 [EDIT]
不安を抱えるひとりの患者よりへ

恐らく救急隊の人や病院のスタッフも心得ていたと思いますよ。それでもこのようなことが起きてしまうということじゃないでしょうか。もし食道静脈瘤破裂であれが、消化器内科専門でも、相当な技術が必要です。つまり、それが出来る専門医が近くにいなかったと考えるのが、妥当だと思います。そもそも18の病院にそれができる医者がいなかった、或いはベットがなかったんでしょ?このような異常な自体が生じるのは、普通に考えれば、医師が不足しているからだと思いませんが?医者がやりたくないから、受けたくないから断ったわけではないと思いますよ。勿論、救急隊、病院の連鎖がうまくいっていないというご指摘の点は、あったかもしれませんが、そのような体制を整備するのは、医者だけ力ではどうしようもありません。行政ももっと真摯に事の重大性を認識し、取り組む必要があると思います。
通りすがり2[URL] 2007/12/07(金) 03:59 [EDIT]
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[] 2007/12/07(金) 09:00 [EDIT]
通りすがり2さまへ
医者不足という問題、ベッド数が足りないという問題も、ある程度は行政施策によって改善するかもしれません。現場で働いている人たちへの負担も軽減されれば、もっとスムーズな医療が受けれるようになるのかもしれません。何より気持ちよく仕事ができる環境が整えられるということですから医療関係者に心の余裕というものも生まれることでしょう。
ですが、どんなに環境をよくしたところで、人の命を扱う職業についている人たちのモラルの問題は、行政が解決できるとは思えません。
もし前述のような緊迫した状況の患者が自分の身内であったとしても、ベッド数が足りないから、あるいは専門医がいないからといって、ほおっておくでしょうか?知っている限りの専門医を必死にあたってみるのではないでしょうか?たらい回しといわれる要因には、自分の担当する患者でもないし、知り合いでもない、つまりは顔を見ていないからこそ、電話ですんなりと断れてしまうのではないかと思います。仮に自分の身内がたらい回しの末に亡くなれるようなことがあっても“しかたなかったんだ”と諦められますか?
私もかつて緊急の手術が必要になったことがあります。以前から通院していた病院でしたが、その日はやはり病院に空きベッドがありませんでした。ですが、主治医は点滴室などのベッドを用いて手術前後を休ませてくれる配慮をしてくださいました。ある程度の回復後は近隣のホテルに宿泊して病院に通いました。意識がないとか、絶対安静が必要な人には無理だったとは思いますが、何とかしようとしてくださった、主治医には本当に感謝しております。空きベッドがないという理由でなくなれた方がお気の毒でなりません。
不安を抱えるひとりの患者より[URL] 2007/12/07(金) 13:53 [EDIT]
現場ではそのような余裕はありません。
不安を抱えるひとりの患者より さん:

>知っている限りの専門医を必死にあたってみるのではないでしょうか?
時間的余裕があれば全力で探します。
でも救急病院はお断りを入れている最中も、その後も他の患者さんの命と全力で戦ってます。

例えば一人の医師に対して同時に10人の重症患者さんが来られたらどうしますか?
当然全員の治療を均等にできません。
優先順位を付けるしか無いんですよ。
上記の例は極端ですが、実際にはそれに近い事が起こってます。

それだけ医療(特に救急医療)は瀕死の状態なんです。
救命救急専門の資格を持った医師は、僕の聞いた範囲では「全国でたったの500人程度」だそうです。

どれだけ現場がせっぱ詰まった状態であるかをご理解下さい。
その事を理解してくださる方が増える事こそ、この記事のような患者さんを無くす第一歩になると僕は考えてます。
高度救命救急センター病院勤務の耳鼻科医[URL] 2007/12/07(金) 15:07 [EDIT]
モラルを持って精一杯頑張っている人々でも手におえなくて、その上さらに「お前達のモラルはどうよ」と言われたとき、言われた人々はどうなるか。

無力感の末に「立ち去る」しかないでしょうね。
元ライダー(立ち去り済み)[URL] 2007/12/07(金) 15:37 [EDIT]
この救急受け入れ不能事件は今後は益々増えていくことでしょう。

一般人でも理性的に見識をもって考えられるひとなら、問題の本質は行政にあることは明白に理解できると思われます。

行政といっても地方ではなく、医療費抑制政策、医師数削減政策をとってきた国の問題ですよね。
にもかかわらず、医療費抑制政策を改めようともしない中央官僚や政治家たち。このひとたちがこの事件をひき起こしているのです。まあ、真実を伝えないマスコミとトンデモ判決を繰り返す法曹、医療に不当に介入する警察、検察たちもこの事件を起こしている首謀者の一員でしょう。そうそう、まだ事態が理解できていない国民の責任も大きいですね。
ダブルムーン[URL] 2007/12/07(金) 17:56 [EDIT]
>Lichさん
完全に、医師叩き、病院叩きの記事ですね、これ。
もう、何も言いたくありません。
産経新聞には。
Dr. I[URL] 2007/12/07(金) 20:20 [EDIT]
>エビさん
専門医もいなくて、ベッドもなくて。
でも、受け入れたらどうなるか。
って事を考えた事は、全くないんでしょうね。

どこでも良いから、とりあえず病院に来たら不死身になるとでも思ってるんでしょうか。
Dr. I[URL] 2007/12/07(金) 20:22 [EDIT]
>不安を抱えるひとりの患者よりさん
>医者ならなんとかしてくれるだろうという期待がそこにあるからなんだと思います。

おっしゃる通りなんですけど。
なんともならない事も、たくさんあるんですよ。
この記事を書いた人も、とりあえず病院に着けば助かったはず。
っていう間違った先入観があるんでしょうけど。
残念ですけど、そんな事はないんですよ。

それと、患者が亡くなったら悲しい、残念だ。
って思うのは医者も同じですから。
他人でも、身内でもです。

本文でも書いた通り、専門家がいない病院で患者を受けたら助からないけど、専門医がいる病院なら助かる可能性も高い。
って思って、別の病院に行った方がベストだ、って判断したわけですから。
結果として18件、行き先が見つからなかったとか、患者が亡くなった、って事はありますけど。

それは、最初から予想できない事だと思いますよ。
Dr. I[URL] 2007/12/07(金) 20:27 [EDIT]
>通りすがり2さん
全くおっしゃる通りだと思います。

病院と救急隊の連携とか。
伝え方の問題とか。
そういう個別の問題も、もちろんあるとは思いますけど。
根本的な原因には手をつけず、それだけをいじったとしても、所詮小手先の事ですから。

ほとんど解決にはならないと思います。
Dr. I[URL] 2007/12/07(金) 20:29 [EDIT]
>名無しさん
本当にやるせないです。
やはり、一般の方には、理解されないのでしょうかねー。
Dr. I[URL] 2007/12/07(金) 20:30 [EDIT]
>高度救命救急センター病院勤務の耳鼻科医先生
現場の個別の努力だけでは、もう限界の所に来ているんですよね。
でも、結局それをわかっていない人は、現場でなんとかしろ。
って言っているのが問題なんだと思います。

Dr. I[URL] 2007/12/07(金) 20:33 [EDIT]
>元ライダー(立ち去り済み)先生
それが原因で立ち去る医師も、今の時代多いのでしょうねー。
Dr. I[URL] 2007/12/07(金) 20:34 [EDIT]
>ダブルムーンさん
根本的な問題は行政なんですけど。
それを理解している人が少なければ、行政は動かないですからね。

全くそういう事を理解せずに、医師叩き、病院叩きの記事を書くマスコミの責任は大きいと思うし、それを信じる国民の責任も、もちろんあると思います。
Dr. I[URL] 2007/12/07(金) 20:35 [EDIT]
不安を抱えるひとりの患者さんへ
皆さんが言っているのでしつこいですが、あえて言わせていただきます。あなたのおっしゃるようなモラルのない医者はそんなにいないと思います。何回もいいますが、18もの病院で断られたのは、専門医がいなかった、空きベットがなかったなど、正当な理由です。その中にあなたの言うようなモラルがないお医者さんがいたわけではないと思います。ちょっと極端な話ですけど。患者さんに、当事者である医者側に"医者は悪くない"と言っても納得されないのは分かります。しかし、"僕たちが悪いところもあるな"と思っていたなら、わざわざDr.Iさんを始め多くの医者がブログで反論しませんよ。医者を悪者にしても、何も解決しません。現にこのような事件を、最近国民の皆様も目にすることが多くなっていると思いますが、状況は良くなってますか?多くのマスコミが医者タタキをしてますが、全然よくなってないですよね?国民の皆様も、マスコミの情報操作に流されず、事の重大性に少しでも気付いてくれなければ、今後の日本の医療は良くなりません。医者、病院が悪いどうのこうのいう問題ではないのです。
通りすがり2[URL] 2007/12/07(金) 22:46 [EDIT]
不安を抱えるひとりの患者さんへ
おっしゃることは良くわかります。
病院へ行けば専門医でなくとも診察しないよりはずっとましではないか?ということですね。
残念ながら今回の症例は肝硬変による食道静脈瘤の破裂でしょうから、内視鏡の熟練者でないとまったく手に負えません。できもしない医師が診察するよりもできる病院を探した方がベターだとほとんどの病院が判断するでしょう。
結果として不幸な事態になったのは誠に残念です。
10年前にはこんな事態は少なかったと思いますが、厚労省の低医療費政策、研修医制度と医療パッシングで勤務医は激減し、救急外来は急速に閉鎖されています。
少なくなった救急医療機関が必死になって働いても、もはや量的に受け入れ困難になっているのです。救急体制をいくら議論しても焼け石に水の状態です。
厚労省が次々と繰り出す医療破壊政策とマスコミ、警察などの医療パッシングを止めない限りますます事態は深刻化していきます。これを正すことができるのは多数の国民の声しかありません。「不安を抱えるひとりの患者 」さんのように真剣に医療を考えてくださる方の多数の力が必要です。
最近のブログをみていると多くの医療関係者が啓蒙的な発言をされています。国民の医療を守るのは国民の声しかありません。このままでは、救急はおろか普通の入院でさえも3ヶ月待ちで高齢者は自宅で放置に近い状態になってしまいます。
今の日本の医療は極めて危機的な状態になっていることをご理解ください。
heisei19[URL] 2007/12/08(土) 00:20 [EDIT]
かかりつけは?
asahi.com 2007.12.7より
> 同病院は死因を明らかにしていないが、男性は肝臓が悪く、3年前までほかの病院に通院していたという。

3年間どこにも通院していなかったのでしょうか?
末期肝硬変の患者さんなら、それなりの消化器科Drのいる病院に普段からかかっててしかるべきと思うのですが……定期的に内視鏡をやって、red color sign(+)のあぶない静脈瘤があればつぶしておくでしょうし、肝性脳症が出かけてたら内服の調整も難しいでしょうし。
飛び込み出産の野良妊婦と同じニオイを感じるのは私だけでしょうか。
nananaika[URL] 2007/12/08(土) 14:29 [EDIT]
一般論としても、
今回のような問題に関して現場の医師のモラルに原因を求めてしまうのは、やはり向かう矛先が違うと思います。例えば、路上生活者がたくさんいる地区の福祉行政の担当者に対して、
「あなたは、もしも路上生活を余儀なくされている人が自分の身内であったとしても、お金がないから、とか自分にはそんな義務はないからと放っておくのですか?親戚知人を回って何とか身柄の引き受けやお金の工面をあたってみるのではないですか?これでは路上生活者が気の毒でならない。」と責めてみても、何の解決にもなりません。
行政上の手続きに基いて可能な解決方法を模索することはできるでしょう。しかしそうではなく個人に対しその力の及ぶ範囲でもって他の誰かを救済するよう求めること自体に限度があるし、そもそも職務として現場の行政担当者がするべきことはそんなことではありません。また、本当に身内の人が路上生活のような状況になったとして、救済のために職務権限上の何らかの便宜を図るというのであれば、それこそモラルに反する行為でしょう。
この場合に問題なのは、そのように困窮する人が多数出てきているという事実に対してどのように社会的な対策を取るかであって、行政職員のモラルの向上を叫ぶことでその問題の解決を図ることは事の本質から意識を遠ざけ、むしろ害になりかねません。むろん、職員の職務怠慢のために既存の制度のもとでも救済可能な対象者が放置されているというような事実があるなら、問題ですが。
この姫路の問題に関して、住民の方々が不安を感じるのはよく分かります。私も、居住地は姫路ではありませんが、全国各地で救急医療が機能不全に陥りつつあることに恐怖を感じもします。この先、自分が交通事故にあったとき、数年前までなら助かるようなケースでも、命を落としてしまうというようなことは十分起こりえる気がします。
本当に病気で困ったとき頼るのは医師だから、医師なら何とかできるでしょう?とすがりたい気持ちも分かります。身内に対してなら取るであろうと考える最大限の対応を求めたくなるのも人情でしょう。ですが、現場の医師に、職務に支障をきたさず、どの人に対しても不公平なく取れる最大限のものをはるかに超えたところの対応を求めなくては対処しえないケースが頻発してしまっている現状こそが問題でしょう。数年前までなら、こんな状況に陥ることなく搬送先が見つかっていたはずなのに、です。
当事者として恐怖感を持つ住民の方なら、医師がこの事態を他人事のように分析したり、マスコミや行政批判の材料に利用しているとどこかで感じて反発するということがあっても不思議ではないかもしれません。しかし、危機感を持っているのは医師の方々も同じであり、救急医療の現状を知っている医師ならその気持ちはより強いと考えるのが妥当だと思います。
医師だから自分が交通事故に合っても、特別の配慮により受け入れ先がコネで見つかるという期待を持てるわけでもなく、仮にそのようなことがあったとしても現状の救急体制はもはやそれで安心できるような状況ではありません。身内が救急患者となっても、コネを駆使して搬送先を探して押し込めるから救急医療が崩壊したって自分たちには関係ない、とはだれも考えていないでしょう。
むしろ危機感や当事者意識が希薄なのはこのような報道に終始する一部(?)マスコミ関係者の面々ではないでしょうか。かの人々は、今回亡くなられた方がもし自分の身内だったらなんて考えて「許せない」と正義感に燃えて報道しているのでしょうかね。それとも逆に、自分も救急患者になりうるという当事者が希薄だからこそ懲りずにこんな報道を続けることができるのか…。
Korsakoff[URL] 2007/12/08(土) 23:19 [EDIT]
>heisei19さん
医者ならなんとかしてくれるだろう。
って気持ちはわかるんですけどね。
専門家でないと、どうしようもない事もあるんですよ。

たくさんの患者が来て、手が回らない状態になっているので。
それなのに、現場の個人の問題にしても、結局話は進まないんですよね。

Dr. I[URL] 2007/12/09(日) 00:13 [EDIT]
>nananaikaさん
こういう時、なぜか自己責任って話がマスコミから出ないのが不思議ですよね。
野良妊婦の時も、数日後にやっとでてきたから。
これも、もしかしたら数日後には出るのかもしれませんけどね。
Dr. I[URL] 2007/12/09(日) 00:15 [EDIT]
>Korsakoffさん
もう個人ではどうしようもない段階に来ていますから。
システムを構築する、って事が重要だと思いますね。

全部、現場の個人責任にして、根本的な原因に対して、何も手を打ってこなかった結果、こういう事が多発しているって事だと思います。
Dr. I[URL] 2007/12/09(日) 00:17 [EDIT]
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[] 2007/12/11(火) 17:07 [EDIT]
>名無しさん
はじめまして。

ホントに、医者は神様でも魔法使いでもないんですよ。
だから、無理なものは無理なんですよね。
それを、なぜマスコミは伝えないで「たらい回し」というのか。

残念ですね。
Dr. I[URL] 2007/12/11(火) 21:54 [EDIT]

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