現役医師、循環器内科医(Dr. I)が医療について、詳しくわかりやすく解説するブログ。 引用、転載は自由ですが、その際は必ず引用元を明記して下さいね!
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地域医療の崩壊と再生、出版
このブログでも何回か紹介してる伊関友伸先生が、
本を出版されましたよ!

本のタイトルは、ズバリ。
「まちの病院がなくなる!? 地域医療の崩壊と再生」
(クリックすると、アマゾンに飛びます)


たらい回し、「受け入れ拒否だ。
って、いまだにマスコミは騒いでますけど。
もっと前に、医師でもないのにそれはおかしい。
って言っていたんですよ、伊関先生は。
私も尊敬する、その伊関友伸先生の本が、ついに発売です。

ずーっと待っていたのですが(笑)
やっと12月5日に販売されました。

ぜひ、一度、読んでみて下さいね!

まちの病院がなくなる!? 地域医療の崩壊と再生
伊関友伸 著
定価:1,995円

四六判/302ページ
ISBN978-4-7887-0769-6

一部、本の中から引用しますね。

  はじめに
  第1章 自治体病院地域医療に何が起きてるのか
  第2章 医師はなぜ病院から立ち去るのか
  第3章 自治体病院の経営はなぜ限界を迎えているのか
  第4章 自治体病院の経営をどのようにして変革するのか
  第5章 地域医療再生への処方箋
  第6章 病院PFIを考える
  おわりに


「残念ながら、わが国の地域医療の崩壊は、
一過性のものではなく、今後、
さらに深刻なものになると思われる。

日本の地域医療の崩壊を食い止めるためには、
国民すべてが、医療現場で起きていることを、
人ごとではなく、自らのものとしてとらえること、
何が問題なのかを「言葉」にして他人に伝えていくこと、
自ら積極的に行動していくことが必要と考える。
(「おわりに」から抜粋)



肩書は行政学者さんですが、日本では珍しい
病院経営や地域医療の専門家で、
現場経験もある方です。県庁職員の経験もある事から、
行政と現場職員のそれぞれの立場からの視点で
解決方法を提案していますよ。


それと、こちらの文章は、より真実に近づけるため、
我々医師も協力して書いたものですよ。
伊関さんのブログでも書かれたものです。



奈良県橿原市の妊婦の搬送中の死産問題について考える

2007年8月29日の深夜、奈良県橿原市の
38歳の妊婦が、自宅近くの深夜営業を行っている
スーパーで下腹部の痛みを訴え、119番通報を行った。

通報により、救急隊が駆けつけた。
妊婦は、産科の受診を行っていなかったが、
生理が止まっており、出血もみられた。

このため、救急隊員は妊娠を疑い、
産科の搬送先を探した。
救急隊が12の病院に延べ16回の要請を行ったが、
病院は、分娩中やベッドが埋まっているなどの理由により、
受け入れを行うことができなかった。

結局、大阪府高槻市内の病院に搬送が決まったが、
搬送中に死産となった。
病院への到着は通報から約3時間後で、
妊婦は妊娠6~7カ月だったという。
事件は、テレビや新聞などマスコミに大きく報道された。

さらに、札幌や仙台、千葉、川崎、大阪など、
妊婦(その多くがかかりつけ医がいない妊婦)の出産が
受け入れられない事例が相次いでいるという報道がなされ、
社会の不安を招いている。

今回の事件では、奈良県の周産期医療情報システムが、
かかりつけ医のいない妊婦については対象外だった
などの問題が指摘されている。
問題点については、新たに設置された
調査委員会によって明らかになるものと考える。

筆者が、今回の事件で気になったのは、
テレビや新聞の報道で「たらい回し」と
受け入れ拒否」という言葉が多用されていることである。

これらの言葉の語感には、
「医療現場(産婦人科医師)が怠けている」
「もっとすばやく対応ができたはずだ」
というニュアンスが存在するように思われる。

実際、救急の受入要請に、他の妊婦の入院・出産で
手一杯で受入ができなかった奈良県立医大病院は、
マスコミの報道により、約50件の苦情が寄せられたという
(産経新聞07年9月1日付より)。

実際には、奈良県立医大の当直医師2人は、
当直外の1名の医師の応援を得て、
28日の深夜から29日にかけて妊娠高血圧患者が
胎盤早期剥離となり緊急帝王切開手術を行った後、
妊娠39週と40週の妊婦が立て続けに入院、
うち1人は朝の5時には出産している。

さらに、開業医から分娩後の大量出血した患者の
受入依頼を受け、満床の病床のやりくりを
しながら入院を受け入れている。

その上、当直明け後に医師1名は外来など
通常業務につき、もう1名は代務先の病院
24時間勤務についていた(奈良県立医大HPより)。

その他の産科のある病院も同様で、
産婦人科医不足でどの病院も病床は一杯である。
受け入れたくても受けられない病院も多い。

その中で、今回の妊婦は妊娠6~7カ月にもかかわらず、
かかりつけ医のいない(出産予定の病院のない、
医師の診察を受けていない)妊婦であった。

かかりつけ医のいない妊婦の場合、医療現場は、
妊婦、胎児の経過、感染症の有無など
基本的な情報を把握することができない。

このため、このような妊婦の出産の場合、
最悪の事態を想定すれば、産科医2人以上+
麻酔科医(リスクの高い手術をしなければならない場合がある)
+小児科医+NICU(新生児特定集中治療室、
胎児が未熟児の場合に必要)が必要という。

夜中の2時、3時にこれらのスタッフや病床を
確保できる病院は少ない。
そしてそういう病院は、既に数多くの妊婦や
新生児を受け入れており手一杯ということも多いのが、
現在の産科医療の実情なのである。

さらに、今回の場合、妊婦が救急隊に的確に
体の状況を話していなかったという報道もある。
母子保健法第4条は、「母性は、みずからすすんで、
妊娠、出産又は育児についての正しい理解を深め、
その健康の保持及び増進に努めなければならない。」
と定め、同第15条は、「妊娠した者は、
厚生労働省令で定める事項につき、速やかに、
保健所を設置する市又は特別区においては
保健所長を経て市長又は区長に、その他の市町村においては
市町村長に妊娠の届出をするようにしなければならない。」
としている。

法律の規定はともかく、おなかの中の
胎児のいのちのために、医師の診察を受け
自分の体を大切にすることは、
成人としてあるべき姿であると考える。

そして、このような、医師の診察を受けない妊婦が
非常に増えているのが、現在の産科の医療の現場でもある。

わが国の周産期医療を崩壊させないためには、
妊婦の側としても、産婦人科医という少ない医療資源を
十分生かせるように、医療機関にお任せにするのではなく、
自らも妊娠や出産について学び、医療機関と共同して
節度ある行動を取る必要がある。

このような周産期医療の状況をきちんと理解することなく、
たらい回し」「受け入れ拒否」という言葉で、
国民の医療機関への批判を掻き立てるような
報道のあり方は疑問を生じる。

一生懸命現場で働いている産婦人科医のやる気を削ぎ、
結局、お産の現場から医師を立ち去らせることに
つながる可能性が強いように思われる。

このような場合、出産を受け入れる産科医や
それをサポートする小児科医などがいない、
他の妊婦のお産などに立ち会っていて手が空いていない、
産科やNICUなどの病床が一杯などの視点に立って
「受け入れ不能」という表現をすべきと思われる。

そして、このような状況を解決していくためには、
何よりも産科医や小児科医を増やすこと
(処遇を改善し、働きがいのある職場にしていくこと)
が重要であり、その上で、周産期医療システムの
機能向上などを図り、可能な限り
「現場が人手不足で手一杯のため、受け入れが不能」
の状態をなくしていくべきである。

このことは、医療現場のスタッフの努力だけで
解決するものではない。
行政や医療機関だけでなく、妊婦を含めた関係者の
協力があって実現可能というべきものである。

報道機関は、「たらい回し」「受け入れ拒否」という言葉で、
短絡的に医療現場を批判するのではなく、
現場で実際起きていること、検診や出産に
お金がかかるためかかりつけ医をつくることができない
妊婦の存在や、そもそも行政の支援制度があるものの、
それを知らない、興味のない妊婦がいることを、
単なる妊婦批判ではない形できちんと報道すべきである。

その上で、社会として、かかりつけ医のいない妊婦を
いかに少なくしていくのか。妊婦やその関係者に、
かかりつけ医を持つことの重要性を
理解してもらうためにはどうすべきかについて、
もっと深く分析をして報道をしてほしい。

表面的に現場の医師を批判しても、
産科医療の危機は解決しないと考える。

(今回の議論を行う上で、まず死産となった赤ちゃんが
安らかに眠られることを願う。
また、不幸にして死産となった妊婦の方については、
1日も早い心と体の回復をお祈りしたい。

事件については、テレビ・新聞等の報道情報だけで
情報が限られており、妊婦の方が何らかの事情で、
かかりつけ医を作ることができなかった
事情があるのかもしれない。
そのような理由のある場合、
ご本人の心を傷つける議論を行った可能性がある。

その場合は、心よりお詫びをする。
日本の産科医療を崩壊させないために、
あえて、一歩踏み込んだ議論を行った。)


「奈良県橿原市の妊婦の搬送中の死産問題について考える」


この時点から、「たらい回し」「受け入れ拒否ではない。
という事を、はっきりと指摘されております。
伊関友伸先生は、医師ではありませんけど、
医師以外で最も医療現場の事をわかっている人間ではないかと、
個人的には思っています。

他のマスコミも、見習って欲しいですね。


これを読んで伊関友伸先生の本が欲しくなったら、
アマゾンで買ってね!
→ 「まちの病院がなくなる!? 地域医療の崩壊と再生」



それと、もう一つお知らせ。
このブログで以前紹介した医師、医療関係のブログ3つ
『新小児科医のつぶやき』Yosyan先生と、
『天漢日乗』天漢日乗さん
『レジデント初期研修用資料』medtools先生

この3人のブログを、
『アルファブロガー・アワード、ノミネート』
の記事で紹介したんですけど。

3人とも、アルファブロガー・アワードに選ばれましたよ!
おめでとうございまーす。
→ 『アルファブロガー・アワード 2007』


一番とか二番、っていう順位はつけてないけど。
新小児科医のつぶやき」のYosyan先生は、
一番上に来ていますから。
多分、一番だったんじゃないですかね。
推薦コメントも、半端じゃなく多いですし。

医師、医療ブログがこれでちょっとでもメジャーになれば、
同じ医師ブロガーとして、私も嬉しいです。



医師メルマガ」の応援もよろしくね!

「まぐまぐ大賞2007」のページ 
「まぐまぐ大賞2007」

ここの、「生活情報部門」っていうところから、

やぶ医師のひとりごと」 (ID:0000180417)
これを、選んで。

そして、その後の「総合大賞(必須)」っていうところでも、


 1、メールマガジンのタイトルってところで

やぶ医師のひとりごと

 2,マガジンIDでは、

0000180417


これを、コピーペーストして、
その後にそのメルマガを選んだ理由を書いて、
最後に、ご自身のメールアドレスを入れて、完成ですよ。


1人1回って書いていますけど。
厳密に言うと、
一つのパソコンにつき、一つのメールアドレスからしか
投票できないようになっています。

12/10が締め切りですから、最後の追い込みでーす。
皆さん、応援、よろしくお願いしまーす!

「まぐまぐ大賞2007」のページ 
「まぐまぐ大賞2007」


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この記事へのコメント
こういう……
Dr.I様>

 こういう「まともな本」が広く読まれて、少しでも日本の医療がよくなるといいのですが……マスコミは碌に取り上げないんでしょうねぇ(嘆息)。
Lich[URL] 2007/12/09(日) 15:31 [EDIT]
Just come out!
オォ…時事通信社さんからでちゅね。
アマゾンも早くてもちろんいいけど、出版社さんにインパクトなのは地方書店から客注の電注があると心象がよいのでエビは親友の書店で頼もーっと。(ISBNコードと出版社と著者さえ解れば書店は喜びまちゅ)
でもエビはホントはDr.I著のご本が読みたいよアプー。ノーベル文学(?)賞でちゅ。
エビ[URL] 2007/12/09(日) 20:08 [EDIT]
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
[] 2007/12/10(月) 17:10 [EDIT]
>Lichさん
そうなんですよ。
良い見本があるので、それを参考にして欲しいですね。
既存のマスコミには。
Dr. I[URL] 2007/12/10(月) 19:50 [EDIT]
>エビさん
そろそろ書店にも売っているはずですよ。
私の本は、今の所予定はないです。
Dr. I[URL] 2007/12/10(月) 19:52 [EDIT]
>名無しさん
なかなか難しいところだと思いますが。
本来必要な人のためだけに、救急車が使われるようになって欲しいですね。
Dr. I[URL] 2007/12/10(月) 19:53 [EDIT]

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