現役医師、循環器内科医(Dr. I)が医療について、詳しくわかりやすく解説するブログ。 引用、転載は自由ですが、その際は必ず引用元を明記して下さいね!
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主治医が見つかる診療所1
2008年1月7日、午後七時からテレビ東京で放送された、
主治医が見つかる診療所」って番組を見てみました。

基本的に、私は家でほとんどテレビを見ないのですが。
病院で新聞を見たら、ちょっとおもしろそうだったので。
家に帰って、この番組を見てみましたよ!

結論から言うと、このブログで1,2年前から言ってきた事を、
国会議員テレビで有名な医師が話し合う、
って感じの内容なんでしたね。

テレビのゴールデンタイムで、医師不足医療費不足
日本の勤務医の過酷な現状とか、
乳母捨て山制度とも言える、後期高齢者制度について
きちんとした形で放送されたことは、評価できると思います。

昨年までは、医師叩きのくだらない番組が多かったけど、
去年の後半位から、メジャー系のマスコミは、
少しは勉強したのか、医師不足医療費不足
勤務医の現状等について、
本当の事を放送するようになったような気がします。


2008年1月7日,「主治医が見つかる診療所
番組内容のダイジェスト

いつもは一時間の番組らしいですけど。
今回は特番だったらしく、3時間くらい放送していました。

夜の7時からの放送って事で、最初の方は
見逃しちゃったのですけど。
HPを見ながら、わかる範囲で解説していきますね。
主治医が見つかる診療所』のHPはこれっすね。
『主治医が見つかる診療所』


議題1 外国人は見た!日本医療の不思議とは?

■スタジオに日本に住む外国人をゲストに招き、
 自国の医療事情と比べて日本の医療に対する
 疑問点を述べてもらいました。

◆日本の医療に対する外国人の意見◆

 ・多い患者
 ・長い待ち時間
 ・短い診察


日本では、病院に行っても3時間くらい待たされる。
それなのに、診察は3分くらいしかしてくれない。
っていう不満を、外国人が言っていました。

その原因として、日本ではフリーアクセスだから。
患者がどんな病気かに関わらず、
好きな病院に自分の意志で行けるから
より専門的な安心を求めて、患者が診療所ではなく、
大きな病院に集中するから

そして、1人当たりが病院にかかる回数が、
日本人は、他の先進国に比べて2倍
くらいだ。
だから、患者が多くて、病院患者が集中するから、
待ち時間が長いんだ
、って話が出ていました。


○ある病院のアンケート調査

医師が1人で1日に診る患者は平均で45人。
診察時間を5.5時間とすると、
1人当たり7分
って計算だ、って話も出ていました。

医師カルテに書く時間も入れて7分だから短い、
っていう事を番組ではやっていましたけど。
はっきり言って、甘いですね、その勘定


どんだけ甘い見込みか、具体的に医師の外来の仕事
っていうのを、ざっとあげてみましょうか。


 医師の外来の仕事

まず、患者を診察するのに患者の名前を呼びます。
患者の名前を呼んで、いなかったらまた時間かかるし。
患者が名前を呼ばれたら、診察室に入ったら、
その後椅子に座って、まずは名前をフルネームで確認

老人が多いから、診察室に入るのもゆっくりの人が多いし、
車いすの人も多いですからね。
移動の時間だけで、相当かかります。

で、患者の話を聞く前に、医師はカルテを見て、
この患者がどんな病気か、どんな治療をしているか確認します。
だって、何百人もいる患者とか、全部頭の中で
把握できるわけないでしょ。
患者の病気や治療内容、薬に関してはカルテに書いてあるので、
患者を診察する前に、それを確認するのが基本です。

実際は、時間がないので、患者が診察室に入ってくる時の移動時間
または、患者話を聞きながら、平行してカルテを読む、
っていう事をしなきゃならないのですけどね。

勉強熱心な医師は、前の日に「予習」って事で、
予約された外来患者のカルテを見る人もいます。


そいで、患者が椅子に座ったら、話を聞いて。
内科なら血圧を測って、胸の音とか背中の音とか聞いて、
その他の診察もします。

耳の遠い老人も多いですからねー。
話を聞いて貰うのも、聞くのも一苦労です。

冬の場合は、たくさん着込んでくる患者も多いから。
服を脱ぐだけでも大変です。


循環器内科の場合、高血圧患者も多いから。
そういう人は、できるだけ家庭での血圧を測ってもらって、
血圧手帳」に家庭血圧を書いて貰います。
そいで、血圧手帳に書いてある血圧の値を
カルテにまとめて、場合によっては薬を調節します。

私の場合だと、1日の外来患者は平均で50人位
その内、高血圧患者20人くらいですかねー。
半分くらいは、血圧測ってないとか、血圧手帳忘れたとか。
そういう患者が多いので。
1日に10人くらいでしょうかね。
実際に血圧手帳を見るのは。


話はそれてしまいましたけど。
そして、患者の診察の他に、検査があったら、
検査データーを確認して、その所見をカルテに記載。

検査データーは、ただ見るってだけではなく、
それが正常なのか異常なのか。
以前のデーターと比べて、上がっているのか下がっているのか
それとも変わりないのか
変化があっても、それは経過観察のままでよいのか。
それとも、更なる検査や治療が必要なのか。
他の科の専門医の受診が必要なのか否か。
それらを、その場で判断するわけですから。
一定の時間はかかりますよ、当然。

そして患者に、その検査結果の説明をします。

ちなみに私の場合、循環器内科なので。
糖尿病患者もたくさんいます。
だいたい2割くらいの印象ですね。
50人の2割だから、1日に10人くらいでしょうか。

糖尿病患者は、毎回採血、尿検査をして、血糖値
HbA1cといって、約一ヶ月の血糖の平均値を見る検査をしますから。
最低でも、10人くらいは検査の患者がいます。

また、外来に通院している患者っていうのは、
全員病人ですからね、当たり前ですけど。
定期的に、採血やレントゲン、心電図などの検査をします。

病人じゃない人でも、一年に一回くらい健康診断で、
そういう検査をするでしょ。
だから、特に変わりがない人でも、最低でも年一回は
定期的な検査
は必要だと思います。

もちろん、年一回じゃ足りないから年に何回も、とか、
糖尿病以外でも毎回採血などの検査が必要な患者もいます。
もちろん、それ以外に心エコーとか、CTとか。
別の検査が必要な人もいます。


そして、次回の外来をいつにするか、予約を入れて、
今度の外来でどんな検査が必要なのかを判断して。
必要なら、次回外来で検査を入れます。

もちろん、緊急性があると判断した場合は、
その日のうちに検査をします。

次回は一ヶ月後とか二ヶ月後とかって、適当に入れていると、
前の週の次の月が祝日とかだったりすると、
下手したら1日に60人とか70人とか。
ものすごい数の患者の予約が入って大変な事に
なる場合もあるので。
そこら辺も計算して、予約を入れなければなりません。

病院によっては、事務がやってくれるので。
そういう病院は助かるのですけどねー。
残念ながら、私の今の病院は全部自分で予約を入れています。


医師外来の仕事の流れっていうのは、そんな感じなんですけど。
それ全部含めて、診察の時間に加えて、患者の移動、
検査データーを見て判断する時間、患者への説明、
カルテへの記載、次回外来、検査の予約


全部合わせて、平均で7分ですからね。

正味、5分はないのじゃないですかね。
残念ながら。


そいで、話は元に戻って。

患者の待ち時間が長い。
その問題を『GP制度』というシステムを
取り入れて解消している国もあるって話が出ます。


■『GP制度』とは? 
…『ジェネラル ・プラクティショナー制度』
= GP制度(主治医制度)

国民一人一人にGP、つまり主治医がいる、という制度です。
患者はどんな病気でも、
まずは決められたGP(主治医)にかかります。

診察・治療の結果、さらに専門的な治療が必要な場合は、
GP(主治医)が適切な専門病院
患者に紹介する制度です。


イギリス、フランス、ドイツ、アメリカ、
イギリス、カナダで取り入れられているけど、
日本では取り入れられていませんね、この制度。

そいで、国会議員に聞いたら民主党2人だけ賛成。
自民党2人、共産党、社民党は反対でした。

医療崩壊の先進国イギリスでは、
GP(主治医)を受診するのに時間かかるし。
そのGP(主治医)から専門医を紹介されるのに、
また時間かかりますからね。
結局は、もっと時間がかかりますよ。(自民党平沢議員)

他の外国では、すぐになんか診てもらえませんからね。

かかりつけ医のような信頼できる主治医がいて、
何でも診ることができる医者がいる。
って事は賛成だけど。
GP(主治医)制度っていう制度ができて、
そのGP(主治医)を通さないと、専門医を受診できない。
というGP(主治医)制度そのものには反対。
っていう、共産党の小池議員のまともな意見も出ていました。

自分が納得できる医療が受けられるっていうのが、
一番患者に取っては大事だ。
合わないときにどうするか、っていうのがないので
今の段階ではGP(主治医)制度は反対。
っていうのが、社民党の福島議員の意見。

GP(主治医)制度でも、海外では
一度GP(主治医)を決めてしまったら、一生その先生
とか、GP(主治医)1人が患者1000人とか、ってを決めたら、
人気がある医者は他の患者が死ぬか他の所に行くまで、
その先生には診てもらえない、っていう制度もあります。

でも、こういうのではなくって、GP(主治医)グループ
のようなものを作って、GP(主治医)グループに一度
診てもらって、専門医の受診が必要だ、って判断してもらったら、
病院を紹介する、っていう制度が良いんじゃないか。
っていう意見は、内科の秋津先生から出ていました。

そしたら、大学病院風邪で来る、
とかって人がいなくなりますからね。


ここで問題になるのはGP(主治医)っていうものと、
GP(主治医)制度、っていう制度は全く別物なんですよね。
でも、そこら辺がごっちゃになっているんですよねー。
一部の国会議員やテレビで有名な医師は。
だから、話がややこしくなるというか。

自民党とか厚労省とか、やたら総合医とか、
家庭医、主治医っていうのを最近出していますけど。
そういう医者がいるのは、良い事だと思いますよ。

残念ながら、日本ではそういう「システム」「教育」が、
整っていない事は事実です。

でも、今回の番組でも民主党の山田議員が言っていたけど。
医者になってすぐ、3年間くらい研修を受ければ。
とか、って。
厚労省でも、そんな感じの事を言っていますよね。

だけど、医者歴が全くなくって、研修のみ3年の医師と、
医者歴30年でいろんな患者を診た医師
どっちが患者の事を総合的に判断できる医師ですか?

絶対医者歴30年の医師にはかないませんよ。
30年医者やって、それなりに地方の小さい病院とか、
いろんな病院でいろんな患者を診ているんだから。
自分の専門以外の患者だって、かなり診る事ができますよ。
医者歴30年のベテラン医師なら。

GP(主治医)のような医者を作るなら、逆に
医者になってすぐじゃなくって、医者歴5年とか10年とか。
それ以上くらいやって、それなりに専門ができるようになって。
最前線の病院でばりばり、専門ばっかやるより、
いろんな患者を診たいな

っていう医者を、3年くらいかけて育てて行った方が、
良いGP(主治医)になると思いますけどねー。
個人的には。


まとめると。

■GP制度の利点

本当に治療が必要な患者だけが専門病院に行くことになり、
日本のように待合室が混み合うということはなく、
一人の患者にかける診察時間も長くなるといいます。


討論テーマ1 日本でもGP制度を導入すべき?   
 
<日本にGP制度を導入する場合の問題点>
1.主治医となるべき医師の不足
2.患者が自由に病院を選べなくなるという弊害
3.医学教育の見直しが必要
  →例えばGP制度を取り入れているイギリスでは、
   GPになる為に専門的な資格が必要。



国会議員もテレビに出ている有名な医師も。
党とかによらず、だいたい考えている事は変わらないんですよ。
基本的には。

病院に軽症患者がたくさん押し寄せて、
患者の待ち時間が長くなるのは反対。

っていうのは、みんな同じです。

ただ、GP(主治医)制度っていう制度を導入しちゃうと、
アクセスに制限がかかるんです。

だから、制度としては反対と賛成に分かれるんですよ。

だったら、制度は変えないで病院に来る
軽症患者を減らす事が出来ればよいんです



このテレビでGP(主治医)制度を導入できれば、
それがなくなるかも、って事でメインの話題にしていましたけどね。

でも、今の制度でも、ある程度は可能ですよ。
軽症患者大学病院とか、病院から減らすのは。


答えは、これ!

大学病院や大病院の診察料を上げれば良いんですよ。

今の日本の診察代っていうのは、診療報酬で、
国で決まっています。

具体的には、これに書きましたね、つい最近。
『日米医療報酬比較』の記事に書いた通り。

日本の診察料

 ○初診料

研修医でも専門医でも 2700円

 ○再診料

200床未満の病院 570円
200床以上の病院 700円
診療所        710円


前にも書いた事なのですけどね。
よーく診て欲しいのですけど。

診療所病院だったら、
診療所の方が、再診料が高いんですよ

日本医師会っていう、
開業医中心の団体が、昔は力が強かったから
それで、診療所の再診料が病院よりも高くなっているのかな
と、思ったら。
ちょっと事情が違ったようですね。
すいません。

以下、元ライダー先生のコメントからの引用です。

10年位前(もっと前かも?)、病院は入院、
診療所は外来と役割分担することで、
待ち時間の緩和、医療費抑制
(外来は病院の診療単価が高かった)に
貢献するものとして厚生省(当時)が政策を考えた。

病院の外来診療料をペイしないところまで下げれば
病院は逆紹介の促進などで外来診療リストラをするだろう。
さらに病院が診察料に上乗せ料金を徴収することまで認めよう。
そうすれば患者の自己負担は病院>診療所となり、
患者を診療所に誘導することもできる。」官僚はこう考えた。

つまり
上乗せ料金徴収せず→病院外来赤字だろう
これを避けるために
上乗せ料金徴収→病院外来縮小
を狙った。

ところがほとんどの病院
「上乗せ料金徴収せず→外来赤字だろう」を選んだ。
結果、病院と診療所の診察料格差だけが残った。
そして、今に至る。
本来は患者行動を直接コントロールする
制度変更にすべきであったのに、
供給側をコントロールすることによって
間接的に患者行動をコントロールしようとした。
しかし思ったように供給側が動かなかった。
ズバリ官僚の読み違えです。


って事だそうですよ。


専門医がいて、最新の設備があって、
他の科もたくさんあって、安心できる病院
それと、普通の診療所

しかも値段は大病院の方が安い

だったら、病院患者が行くのは当たり前でしょ。
診療所の再診料を下げる、って話が
今度の診療報酬改定で出ましたけど。

大幅に、大病院の再診料を上げれば良いんですよ
そしたら、病院に行く患者は減るから。

まあでも、数百円上げたくらいでは、
自己負担3割とか1割だから。
実際の患者負担は数十円とか、100円とか。
ほとんど患者の受診抑制効果はないと思うので。

再診料っていうのを、病院毎に
自由に設定できるようにすれば良いんですよ。


実際、今でも紹介状なしの初診料っていうのは、
病院の裁量でいくらにでも設定できますから。
今の制度の根本をいじらなくても、
そのくらいはできるんです。

もちろん、その分は自己負担になりますからね。
患者にとっては、負担が大きくなりますけど。
だからこそ、軽症患者で安心の為だけに、
大学病院とか病院にかかる、って患者は減ると思います。

こっちの話も。
もう制度的にはできるそうです。
完全に私の勉強不足でした。
これも、元ライダー先生からのコメントです。

今でもできるようになっている(選定療養)のに、
病院管理者がそうしないんですよ。
勤務医の激務緩和に役立つのになあ。


うわっ。
今回、勉強不足ばっかで恥ずかしー。
すいませんでした。

病院はそれぞれでも、まとまってでも良いけど、
病院受診時の再診料を、上げちゃえば良いんですけどねー。
そしたら、勤務医の疲弊を軽減するだけでなく、
病院経営的にも良くなる可能性があります。

やっぱ、どこも保守的だから、最初にやるって人はいないのかなー。


そこら辺の話が一切出ないで、GP(主治医)制度の話だけで
終わったのは、ちょっとがっかりでした。


そんなわけで、今回は「主治医が見つかる診療所」の
前半部分の内容と、私の私見でした。


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→ 「大学病院のうそ」 ~現役医師(Dr. I)が暴露する、
 大学病院の秘密



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この記事へのコメント
結局は……
Dr.I様>

 結局は、「いかにまともな経済原理を適用しつつ皆が安心できる医療を提供するか」というのが課題だと思うのですが最初から「経済原則を無視して医師に負担を押し付け、結果的に医療費を抑える」ことが目的となっているからややこしいのだと思います。GP制度でもその他の制度でも「いかにモラルハザード(「安いから不要なサービスでも受けちゃえ」的な行動ですね)を抑えるか」が論点なのであって「必要なサービスにもアクセス制限をかける」ための制度にしてはいけないと思います。
Lich[URL] 2008/01/08(火) 08:07 [EDIT]
私は主治医制度そのものには賛成です。

本当に主治医となる医師がベテランで、総合的に
診察してもらえるのであれば・・・ですが。

そこが確立していない段階でアクセス制限がかかると
それは恐怖以外の何者でもないです・・・

診察料を診療所と病院で差をつけることも賛成です。

総合病院(専門医がたくさんいる。いわば、診療所が
1箇所にたくさんある)と、診療所であれば、診療所を
低く、総合病院を高く(専門医いくつ以上の病院とか)
していれば自然と診療所に行くと思います。

でも・・・医師会が反対するでしょうね~

sam[URL] 2008/01/08(火) 11:53 [EDIT]
家庭医
開業して、整形外科だけ診てればいいってわけにはいかなくなりました。収益を上げようというそういう下心ではなく、患者さんのほうが医者だからナンデモわかると思って見えるところがあります。なので、私も、間質性肺炎も診れば、狭心症も診るし、膵炎も・・(入院も入所系施設も持っているので)となるわけですが、呼吸器内科が専門の先生が、ほかの内科系疾患を診て専門医へ送ろうと思うレベルと、整形外科医の私が内科系疾患を見て専門医へ送ろうというレベルはまったく異なると思います。研修医同然です。私など。それに、開業医だとどうしても保身が入ります。個人で多額の負債をかかえているわけですから、訴訟云々になるのが真に恐ろしいのですね。総合病院勤務医の先生からみれば、こんなんで送ってくんなよって思うようなレベルでも、患者を送ってしまいます。すいません。
りん[URL] 2008/01/08(火) 16:15 [EDIT]
ちょっと違いますよ
>はっきり言うと、日本医師会っていう、開業医中心の団体が、昔は力が強かったから。それで、診療所の再診料が病院よりも高くなっています。

これはちょっと違いますよ。本当は以下。

10年位前(もっと前かも?)、病院は入院、診療所は外来と役割分担することで、待ち時間の緩和、医療費抑制(外来は病院の診療単価が高かった)に貢献するものとして厚生省(当時)が政策を考えた。

「病院の外来診療料をペイしないところまで下げれば病院は逆紹介の促進などで外来診療リストラをするだろう。さらに病院が診察料に上乗せ料金を徴収することまで認めよう。そうすれば患者の自己負担は病院>診療所となり、患者を診療所に誘導することもできる。」官僚はこう考えた。

つまり
上乗せ料金徴収せず→病院外来赤字だろう
これを避けるために
上乗せ料金徴収→病院外来縮小
を狙った。

ところがほとんどの病院は「上乗せ料金徴収せず→外来赤字だろう」を選んだ。
結果、病院と診療所の診察料格差だけが残った。
そして、今に至る。
本来は患者行動を直接コントロールする制度変更にすべきであったのに、供給側をコントロールすることによって間接的に患者行動をコントロールしようとした。しかし思ったように供給側が動かなかった。ズバリ官僚の読み違えです。

余談ですが、上記のような経緯があるので診察料格差解消のために診療所の初再診料を下げるのは詐欺のような話です。

>再診料っていうのを、病院毎に自由に設定できるようにすれば良いんですよ。

今でもできるようになっている(選定療養)のに、病院管理者がそうしないんですよ。勤務医の激務緩和に役立つのになあ。
元ライダー[URL] 2008/01/08(火) 17:13 [EDIT]
>Lichさん
きちんと、目的は何か。
その為の方法は、って考える事だ大事なんですよね。
基本に帰って。
でも、結局、一部の人にメリットがあるとか、デメリットがって事で、ぐちゃぐちゃになって。
何がやりたいんだか、わかんなくなっちゃうんですよね、こういうの。
Dr. I[URL] 2008/01/08(火) 21:00 [EDIT]
>samさん
それはありますね。
今度の厚労省の予定だと、四日間の講習で主治医を認定するって事らしいっすけど。
そんなんで、できるわけないんですけどねー。
何がやりたいんでしょうかね。
Dr. I[URL] 2008/01/08(火) 21:01 [EDIT]
>りん先生
まあ、開業医はしょうがないですよ。
お互い様っすよ。
勤務医はそういうの、診れませんから、あんまり。
Dr. I[URL] 2008/01/08(火) 21:05 [EDIT]
>元ライダー先生
うわっ。
診療所の再診料が高い経緯は、全く知りませんでした。
ホント、勉強不足ですいません。

選定療養の制度は知っていましたが、再診料にも適応できるとは。

だったら、早くやってくれよー。
Dr. I[URL] 2008/01/08(火) 21:19 [EDIT]
指摘ばかりでは失礼ですね
>実際、今でも紹介状なしの初診料っていうのは、病院の裁量でいくらにでも設定できますから。
今の制度の根本をいじらなくても、そのくらいはできるんです。

まったくおっしゃる通りです。
しかし、大病院に軽症患者が集まって疲弊するのは勤務医であって、病院管理者から見れば、軽症患者であっても大事な収入源ですし、入院患者の供給源です。ですから外来患者減となるような行為は取りづらい。それでなくても赤字なので、総合的に減収となるのが分かりきっている上乗せ料金を徴収できない。今まではそれでも良かったけれど、目の前の赤字回避ばかりに対応して勤務医を疲弊させれば、今では勤務医の逃散を招き、もっと大赤字になる時代です。病院管理者も決断の時ですが、GP制度が導入されれば、時すでに遅し、外来患者減を恐れるあまりに上乗せ料金を徴収しなかったことで皮肉にもメリット(上乗せ料金)無く外来患者減(減収)となる制度を招き寄せてしまうことになります。

>ホント、勉強不足ですいません。

いえいえ、単に私のほうがこの業界に長く居るだけです。
40代後半にして早くも生き字引のように昔を語るとは、とほほ。。。。
30代の頃の私に比べたらDr.I先生は遥かにactiveですよ。
このブログは楽しみにしてますので、これからも話題提供をお願いします。
元ライダー[URL] 2008/01/08(火) 21:59 [EDIT]
Dr.I様、皆様、ご苦労様です。
15年一般外科医、その後10年間ER医を勤め、昨年から地元で親の開業を引き継いでいる者です。
小生はGPを目指しています(ただ、日本では市井の開業医も科を標榜しなければいけない制度があり、仕方なく内科+外科と標榜しています)。
幸いERでおよそあらゆる疾患の初療をやらされたおかげで現在の診療に非常に役立っています(一生懸命やっていたACLSやJATECはあまり関係ありませんが)。
ER勤務時に感じていた事は、やはり全身を一応のレベルで診療できる医師が病院はもちろん開業医にも非常に少ないことでした。
厚労省や日医、マスコミがいくらGPの問題や必要性の議論をしても、実際にそれをこなせる医師数がその需要に対して少なすぎると思いますし、十分な数のGPを養成するのには10年以上かかるでしょう。
Bundo[URL] 2008/01/09(水) 08:27 [EDIT]
>元ライダー先生
全然失礼じゃないですよ。
むしろ、間違っているって指摘していただける人がいるって事は、ありがたいことですから。
感謝しております。

>総合的に減収となるのが分かりきっている上乗せ料金を徴収できない。

必ずしもそうとは言えないと思いますよ。
大幅に値上げしたら、患者数も激減して減収になる可能性がありますけど。
小幅な値上げで、患者の数がそんなに減らなければむしろ増収になると思います。
まあ、それだと勤務医の負担軽減にはなりませんけどね。

今は薄利多売になっていますけど。
適正な利益を乗せて、製品を売る。
っていうのは、商売であれば基本的な事なので。
そういう事をやっている病院があっても良いはずなのですけどねー。
私は今のところ、知りません。
Dr. I[URL] 2008/01/09(水) 21:13 [EDIT]
>Bundo先生
今の日本には、GPは必要だと思います。
ただ、本文にも書いたように、制度にしてしまうと、アクセス制限がかかるので。
また、問題はあるような気がしますが。

全身を診る事ができる医師は必要なのですが。
育成できる環境にないんですよね、残念ながら。
今の研修医制度は、目標としたら、全身を診られる医者を。
って事なのですが。
やってる事は半端なんで。
結局、専門医になるのが前と比べて2年遅れた、ってだけになっていますね。

そうではなく、専門医になる課程とGPになる課程で分ける。
もしくは、ある程度専門ができるようになった後、GPにもなれるような、教育システムができると良いのですが。
Dr. I[URL] 2008/01/09(水) 21:16 [EDIT]
Dr.I様、
先生が「(GPを)制度にしてしまうと、アクセス制限がかかるので問題はあるような気がします。」
と仰るのは、英国の現状や、厚労省がかかりつけ医を利用してアクセス制限を企んでいることを踏まえて危惧なさっているのですね。確かにその危険性は高いと思います。
でも、GPが「総合科」とかいう標榜で開業していて、現在のフリーアクセス(すなわち患者さんが医師を選ぶ)システムを継続すればそれでいいと思うのですが。
色々な科から救急部に出向された医師を見てきた小生の感触では、ある程度消化器や循環器の修練を積まれた内科の先生が2,3年間1,2次救急を経験するとかなりのレベルのGPになると思います。
米国のような専門医と総合医のカリキュラムを分けるシステムは、我が国の各大学の「なんちゃって総合診療部」をみる限りでは困難ではないでしょうか。
Bundo[URL] 2008/01/09(水) 22:49 [EDIT]
>Bundo先生
やっぱ、先生のところでもそうですかー。
総合診療部って、私の大学でも、なんかぱっとしないんですよねー。
きちんとしたシステムがないと、単にアクセス制限、医療費抑制の元になるだけで、全く意味ないですね、GP制度。
Dr. I[URL] 2008/01/10(木) 21:07 [EDIT]
大病院受診時には、施設使用料をとるといい。
空港を利用すると空港施設使用料をとられるように、
病院を受診するすべての人から一律に病院施設使用料をとるといいのではないかと思います。
外来1回200円とか、入院1日500円とか。
都会だともっと高くなるかもしれませんが。
収入がある人からも、生活保護の人からも一律で。
多少のアクセス制限になるのですが。
どうしても、そこの病院でなければならないときには、そこを受診するだろうし、そうでなければ他を受診するだろうし。
診療所では、今の日本だとそういう加算をとると患者さんが減るからできないだろうけど、病院ならできるだろうし。
病院施設使用料で病院の施設の充実をはかれば、国の支出する医療費を抑制して、医療に支出していただけるお金を増やせるから。
小幅な値上げは、値上げ分がすべて利益になるから、薄利多売の医療の場合かなり大きな収入になりそうなんだけど。
じゅん[URL] 2008/01/15(火) 12:52 [EDIT]
>じゅんさん
病院毎に、自由に上乗せ料金を決められるのですから。
やはり、そうすべきでしょうね。
その結果、どうしても料金が上がっても、この病院にかかりたい、って人が多いのであれば、病院の収益にもなるしね。

収益を上げたいって病院は、ちょっとだけ上乗せ。
もうパンクしそうで、医師も疲れ果ててどうしようもない、っていう病院なら、大幅に上乗せとか。
実際には、そういう運用の仕方でも良いと思います。

Dr. I[URL] 2008/01/15(火) 20:23 [EDIT]

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