医療崩壊という言葉が、昨年くらいから、
一般のマスコミでも大きく取り上げられ。
その原因として、最も大きいのは医師不足と医療費不足。
それらは、政策で決められたことだから、
医療崩壊というよりは政策による「医療破壊」。
と言った方がふさわしいのではないのか。
って話は、このブログでも良く書いていますけど。
正直言うと、今のままでは根本的な解決策が
取られる事はないような気がします。
本来であれば、医師数を増やす、医療費を増やす。
という事を、政策で決定する。
でも、医学部の定員を大幅に増やしても、
彼らが医者になるまでには後10年くらいかかる。
医療費も、急には増えない。
だから、それまでの間、
今ある資源、人材をいかに効率よく使うか。
って事が、医療崩壊(医療破壊)から日本を守る
唯一の手段だと思うのですが。
残念ながら、小手先の対症療法ばかりで、
一向に改善される気配がありません。
ただ、
政策が変わらなきゃなにも出来ない。
法律が変わらなきゃ何も出来ない。
マスコミの医療報道はけしからん。
軽症患者が時間外に来たり、
文句ばっか言うのはけしからん。
って愚痴ばっかり言っていても、
何の解決にもならないので。
単にマスコミ批判、政策批判をするのではなく、
その替わりになる方法や、抜本的な解決策など、
建設的な意見を中心に書いていこう。
っていうのが、このブログの基本的なスタンスです。
医師数削減政策、医療費抑制政策は
変更して欲しいのですが、
とりあえず今できる事として、
限りある人材、資材を有効に使うために。
一つ、提案をしていきます。
医療崩壊(医療破壊)の原因の一つに、
「医師の疲弊」という事がよく言われますね。
日本の人口当たりの医師数は先進国中最下位。
そして、外来患者の数は他の先進国の数倍ですから。
当たり前です。
単純に考えると、この解決策は2つ。
1.医師の数を増やす。
2,患者の数を減らす。
これしかありません。
医師の数を増やす為には、医学部の定員を増やすか、
外国から医師を連れてくるか。
どっちかしかないのですけど。
今の日本では、どちらも政治的な力が必要ですから。
ここでは、今はスルーするとして。
現実にできる可能性がある、
2の患者を減らす、って事について書いていきます。
患者っていうのは、病気の人の事ですから。
病気、病人自体をなくす事ができれば良いのですが。
現実問題として、それは不可能です。
予防医学っていうのもありますけど。
まあ、予防医学が重要だって事は、私のメールマガジン
「やぶ医師のひとりごと」
でもよく書いている事ですから。
非常に大事な事ではありますけど。
残念ながら、病気をなくす事はできません。
病気になる確率を下げる事はできますから。
もちろん、非常に重要な事だと思いますね。
しかし、医療崩壊(医療破壊)で問題になっているのは、
「病院に来る」患者が多い、って事です。
重症の患者が病院に来るのは、しょうがないですけど。
来る必要のない患者まで、病院に来る。
特に、時間外に軽症で病院に来る患者が多い事が、
医師を疲弊させている大きな要因になっています。
病院っていうのは、他のお店と同じように、
朝9時から夕方の5時まで。
っていう、時間が決まっていますからね、本来は。
ただ、病人や病気は夜や明け方など、
時間外にもなる事もあるので。
そういう「緊急の場合は特別に」、
時間外でも患者を診る、っていうのが「救急外来」です。
だから、
「軽症患者は時間外に病院に来ないで下さい。」
っていう事を、患者の側に啓蒙する事も大事です。
ただ、これだけでは限界があります。
薬局に行って風邪薬を買うよりも、病院に行って
医者に診て貰って、風邪薬を貰った方が安い。
もしくは、値段がほとんど変わらない。
という事であれば、時間外でも病院に行きたい。
って思う人が多いのは当然です。
だったら、これを変えれば良いんですよ。
簡単に言えば、時間外の患者は
値段を高く設定すれば良いんです。
例えば、時間外の患者は、診察や処置料以外に、
時間外加算料として、5000円とか。
薬局に行って風邪薬やポカリスエットとか、
暖かいお茶とかを買っても、1000円位。
病院に来ても、同じくらいの値段だったら病院に来ても。
薬局なら1000円、病院なら6000円。
だったら、病院に行くのは控えようか、
って思う人は多いと思いますからね。
単純に、時間外に受診した患者の料金を上げれば、
時間外に来る外来患者は確実に減ります。
実際に時間外に来た患者の料金を上げた。
っていう病院は、まだほとんどないのですけど。
未収金対策として、時間外に来た患者から、
五千円とか一万円とかを、先に預かる。
その後、後日病院に来て貰って、精算して、
余った分があれば、その分のお金は返す。
足りない分は貰う。
というシステムにした病院っていうのは、
結構たくさんあります。
何人かの医師に聞いたところ、多くの病院で
時間外に来た患者から一時金を徴収した病院では、
時間外に来る患者は減ったようです。
ただ、同じ5千円でも、都会だったらあんまり高いと
感じないためか、あまり患者は減らないけど、
田舎だったら大幅に患者が減った。
とかっていう事もあるようなので。
一時徴収する金額をいくらに設定するか、
っていう問題はあるようです。
一時金の場合は、料金を先に一時的に預かるだけ、
ですから問題はないのですけど。
「時間外の患者は一律に料金を値上げする。」
っていう事になると、
「重症なのにお金がなくて
病院に来られない人がいたらどうするんだ。」
って話になるんですよ、必ず。
それに対して、埼玉医大では、
時間外に来た患者では、軽症患者からのみ
一律8400円を追加で頂く。
っていう事にしましたね。
軽症患者からだけだから、
重症患者を切り捨てるって事にはならないので。
案としては良いと思います。
ちなみに、これは、一年近く前に、
私がブログで書いた案と、だいたい同じ内容です。
この案を考えた時は、これは素晴らしい案だ、
って自画自賛(笑)していたんですが。
実は、このシステムにも問題があります。
どういう事かっていうと、
軽症患者だけ値段が高い、って事になると、
「何で俺が軽症なんだ。
俺は重症だから安くしろ。」
って言って、ごねる患者が出るって事です。
これを時間外にやられると、時間外に対応した
医師の医療以外の負担が増えちゃいますからね。
こういう輩に対応しなきゃならなくなって、
医師の負担がますます増えちゃいますので。
単純に、この案だけでは駄目だと思います。
埼玉医大は、まだこのシステムを導入していなくって。
結局、マスコミを通して
「時間外に軽症患者が来たら高いよ」
って事を、患者の側に広める事によって、
アナウンス効果だけで、軽症患者が救急外来に来るのを
抑制する効果があったようですから。
それはそれで、良い使い方だったのかな、
とは思いますけどね。
でも、実際に運用するとなると、欠点が出る可能性があります。
今でも、かなりのクレームが来ているようです。
そこで、その案に更に追加したのが、これです。
「時間外重症患者割引制度」
時間外に来た患者には、まずは全員
5000円の時間外加算料金をいただきます。
ま、5000円っていう値段は、あくまで一例ですけどね。
ただし、重症者は割り引くっていう制度です。
軽症患者から割増料金を取るシステムと、
どこが違うんだ、って思う人もいると思いますが。
軽症、重症の判断は、病状とか
現場の医師の判断で決まるのではなく、
単純に、医療費(自己負担の分)だけで決まる。
っていうシステムです。
機械的に医療費だけで決まるので、これをやると、
現場の医師とか事務員の労力も減るし、
これにより現場でクレームをつけられる事も
減ると思われます。
具体的にはこんな感じです。
患者時間外に救急外来を受診したら、
時間外加算料として5000円を上乗せする。
本当は、単純に医療費の自己負担が1万円以上なら、
5000円の時間外加算料はなし。
って事にすると楽なんですけどね。
それだと、元々の医療費の自己負担分が9500円なら、
9500+5000=14500円
10500円だと
10500+0=10500円
とか、って逆に安くなる事があるので。
「だったら、あと一種類、余計に薬を処方してくれ。」
とか、って言われると面倒くさいので。
医療費自己負担が1万円以上は、
1万円を超える分の半分だけ、
時間外加算料を割り引くって制度が良いかなと思います。
元々の医療費の自己負担分が2000円なら、
2000+5000=7000円
自己負担1万5千円なら
1万5千+5000−(15000―10000)/2=17500円
2万円なら
2万+5000ー(20000-10000)/2=2万円
こんな感じ。
医療費の自己負担額が2万円以上なら、
時間外加算料は実質「無料」になります。
時間外加算料に関しては。
一泊でも入院したら、医療費の自己負担額は
2万円以上になる場合が多いですから。
「時間外患者は、緊急性のある患者のみ」
っていう本来の主旨と大きくは変わらないような気がします。
救急車は更に5000円としても、
医療費の自己負担額が3万円以上なら、
時間外加算料も救急車の料金もただになる計算です。
「時間外重症患者割引制度」であれば、重症患者に関しては、
時間外加算料(救急車の料金)は無料になりますから。
重症なのに、お金がなくて病院を受診できない。
という事はなくなると思います。
5000円というのは、あくまでも一例ですので。
未収金対策の5000円で効果がない地域もあるし、
そこら辺の料金に関しては
地域差があっても良いと思います。
実はこの「時間外重症患者割引制度」
これに関しては、今の日本の医療制度でも、
やる気になればできるんですよ。
「選定療養」っていう制度がありますからね。
「選定療養」っていうのは、どういう事かっていうのを
厚労省のHPから見てみると
○厚生労働大臣の定める「評価療養」及び「選定療養」とは
健康保険法の一部を改正する法律
(平成18年法律第83号)において、平成18年10月1日より、
従前の特定療養費制度が見直しされ、
保険給付の対象とすべきものであるか
否かについて適正な医療の効率的な
提供を図る観点から評価を行うことが必要な
「評価療養」と、特別の病室の提供など
被保険者の選定に係る「選定療養」とに再編成されました。
この「評価療養」及び「選定療養」を受けたときには、
療養全体にかかる費用のうち基礎的部分については
保険給付をし、特別料金部分については
全額自己負担とすることによって
患者の選択の幅を広げようとするものです。
<選定療養>
・ 特別の療養環境の提供
・ 予約診療
・ 時間外診療
・ 200床以上の病院の未紹介患者の初診
・ 200床以上の病院の再診
・ 制限回数を超える医療行為
・ 180日を超える入院
・ 前歯部の材料差額
・ 金属床総義歯
・ 小児う蝕の治療後の継続管理
参照:「厚生労働省:先進医療の概要について」
以前、私は勘違いしていたのですが。
選定療養では、紹介状なしの初診料以外にも、
時間外診療、200床以上の病院の再診料等も、
病院の判断で決める事ができますから。
特に法改正をしなくても、病院が独自に
時間外診療の加算料金を取る事は可能です。
救急車の有料化に関しては、法律や地方自治体、
消防とのからみもあるので。
また、別問題になりますけどね。
本当は、根本的な医療崩壊(医療破壊)の原因である、
医師不足、医療費削減政策を変更する。
でも、それまでに時間がかかるから、それまでの
「つなぎ」として、今ある資源、人材を有効利用する。
っていうのが、日本を医療崩壊(医療破壊)から救う
唯一の方法だとは思いますが。
とりあえず、現場で出来る事して、今の医療制度でも
「選定療養」を使って、「時間外重症患者割引制度」
等を取り入れて、時間外に来る患者の数を減らして、
現場の医師の負担を軽減する病院が
あっても良いのではないでしょうか。
どこか一つの病院だけでもやってくれて、効果があれば
他の病院も続く可能性があると思いますよ。
そしたら、医師の過労や医師の疲弊も
軽くなるかもしれないのになー。
21病院で受け入れ拒否=70歳男性、10日後に死亡-救急車内で心肺停止・大阪
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?b=20080112-00000064-jij-soci
『2008.1.12時事通信』
こういうのも、軽症で救急車呼んだり、する人が多くて、
結局受け入れられる病院が少ないから起こるんですわ。
ま、早く病院に着いても、助からない人は助からないので。
この患者の場合は、なんとも言えませんけどね。
皆さんは、軽症なのに救急車を呼んじゃ駄目ですよ。
救急車を呼ぶ基準は、これを参考にしてみてね!
→ 『3分でわかる救急車の上手な使い方』
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一般のマスコミでも大きく取り上げられ。
その原因として、最も大きいのは医師不足と医療費不足。
それらは、政策で決められたことだから、
医療崩壊というよりは政策による「医療破壊」。
と言った方がふさわしいのではないのか。
って話は、このブログでも良く書いていますけど。
正直言うと、今のままでは根本的な解決策が
取られる事はないような気がします。
本来であれば、医師数を増やす、医療費を増やす。
という事を、政策で決定する。
でも、医学部の定員を大幅に増やしても、
彼らが医者になるまでには後10年くらいかかる。
医療費も、急には増えない。
だから、それまでの間、
今ある資源、人材をいかに効率よく使うか。
って事が、医療崩壊(医療破壊)から日本を守る
唯一の手段だと思うのですが。
残念ながら、小手先の対症療法ばかりで、
一向に改善される気配がありません。
ただ、
政策が変わらなきゃなにも出来ない。
法律が変わらなきゃ何も出来ない。
マスコミの医療報道はけしからん。
軽症患者が時間外に来たり、
文句ばっか言うのはけしからん。
って愚痴ばっかり言っていても、
何の解決にもならないので。
単にマスコミ批判、政策批判をするのではなく、
その替わりになる方法や、抜本的な解決策など、
建設的な意見を中心に書いていこう。
っていうのが、このブログの基本的なスタンスです。
医師数削減政策、医療費抑制政策は
変更して欲しいのですが、
とりあえず今できる事として、
限りある人材、資材を有効に使うために。
一つ、提案をしていきます。
医療崩壊(医療破壊)の原因の一つに、
「医師の疲弊」という事がよく言われますね。
日本の人口当たりの医師数は先進国中最下位。
そして、外来患者の数は他の先進国の数倍ですから。
当たり前です。
単純に考えると、この解決策は2つ。
1.医師の数を増やす。
2,患者の数を減らす。
これしかありません。
医師の数を増やす為には、医学部の定員を増やすか、
外国から医師を連れてくるか。
どっちかしかないのですけど。
今の日本では、どちらも政治的な力が必要ですから。
ここでは、今はスルーするとして。
現実にできる可能性がある、
2の患者を減らす、って事について書いていきます。
患者っていうのは、病気の人の事ですから。
病気、病人自体をなくす事ができれば良いのですが。
現実問題として、それは不可能です。
予防医学っていうのもありますけど。
まあ、予防医学が重要だって事は、私のメールマガジン
「やぶ医師のひとりごと」
でもよく書いている事ですから。
非常に大事な事ではありますけど。
残念ながら、病気をなくす事はできません。
病気になる確率を下げる事はできますから。
もちろん、非常に重要な事だと思いますね。
しかし、医療崩壊(医療破壊)で問題になっているのは、
「病院に来る」患者が多い、って事です。
重症の患者が病院に来るのは、しょうがないですけど。
来る必要のない患者まで、病院に来る。
特に、時間外に軽症で病院に来る患者が多い事が、
医師を疲弊させている大きな要因になっています。
病院っていうのは、他のお店と同じように、
朝9時から夕方の5時まで。
っていう、時間が決まっていますからね、本来は。
ただ、病人や病気は夜や明け方など、
時間外にもなる事もあるので。
そういう「緊急の場合は特別に」、
時間外でも患者を診る、っていうのが「救急外来」です。
だから、
「軽症患者は時間外に病院に来ないで下さい。」
っていう事を、患者の側に啓蒙する事も大事です。
ただ、これだけでは限界があります。
薬局に行って風邪薬を買うよりも、病院に行って
医者に診て貰って、風邪薬を貰った方が安い。
もしくは、値段がほとんど変わらない。
という事であれば、時間外でも病院に行きたい。
って思う人が多いのは当然です。
だったら、これを変えれば良いんですよ。
簡単に言えば、時間外の患者は
値段を高く設定すれば良いんです。
例えば、時間外の患者は、診察や処置料以外に、
時間外加算料として、5000円とか。
薬局に行って風邪薬やポカリスエットとか、
暖かいお茶とかを買っても、1000円位。
病院に来ても、同じくらいの値段だったら病院に来ても。
薬局なら1000円、病院なら6000円。
だったら、病院に行くのは控えようか、
って思う人は多いと思いますからね。
単純に、時間外に受診した患者の料金を上げれば、
時間外に来る外来患者は確実に減ります。
実際に時間外に来た患者の料金を上げた。
っていう病院は、まだほとんどないのですけど。
未収金対策として、時間外に来た患者から、
五千円とか一万円とかを、先に預かる。
その後、後日病院に来て貰って、精算して、
余った分があれば、その分のお金は返す。
足りない分は貰う。
というシステムにした病院っていうのは、
結構たくさんあります。
何人かの医師に聞いたところ、多くの病院で
時間外に来た患者から一時金を徴収した病院では、
時間外に来る患者は減ったようです。
ただ、同じ5千円でも、都会だったらあんまり高いと
感じないためか、あまり患者は減らないけど、
田舎だったら大幅に患者が減った。
とかっていう事もあるようなので。
一時徴収する金額をいくらに設定するか、
っていう問題はあるようです。
一時金の場合は、料金を先に一時的に預かるだけ、
ですから問題はないのですけど。
「時間外の患者は一律に料金を値上げする。」
っていう事になると、
「重症なのにお金がなくて
病院に来られない人がいたらどうするんだ。」
って話になるんですよ、必ず。
それに対して、埼玉医大では、
時間外に来た患者では、軽症患者からのみ
一律8400円を追加で頂く。
っていう事にしましたね。
軽症患者からだけだから、
重症患者を切り捨てるって事にはならないので。
案としては良いと思います。
ちなみに、これは、一年近く前に、
私がブログで書いた案と、だいたい同じ内容です。
この案を考えた時は、これは素晴らしい案だ、
って自画自賛(笑)していたんですが。
実は、このシステムにも問題があります。
どういう事かっていうと、
軽症患者だけ値段が高い、って事になると、
「何で俺が軽症なんだ。
俺は重症だから安くしろ。」
って言って、ごねる患者が出るって事です。
これを時間外にやられると、時間外に対応した
医師の医療以外の負担が増えちゃいますからね。
こういう輩に対応しなきゃならなくなって、
医師の負担がますます増えちゃいますので。
単純に、この案だけでは駄目だと思います。
埼玉医大は、まだこのシステムを導入していなくって。
結局、マスコミを通して
「時間外に軽症患者が来たら高いよ」
って事を、患者の側に広める事によって、
アナウンス効果だけで、軽症患者が救急外来に来るのを
抑制する効果があったようですから。
それはそれで、良い使い方だったのかな、
とは思いますけどね。
でも、実際に運用するとなると、欠点が出る可能性があります。
今でも、かなりのクレームが来ているようです。
そこで、その案に更に追加したのが、これです。
「時間外重症患者割引制度」
時間外に来た患者には、まずは全員
5000円の時間外加算料金をいただきます。
ま、5000円っていう値段は、あくまで一例ですけどね。
ただし、重症者は割り引くっていう制度です。
軽症患者から割増料金を取るシステムと、
どこが違うんだ、って思う人もいると思いますが。
軽症、重症の判断は、病状とか
現場の医師の判断で決まるのではなく、
単純に、医療費(自己負担の分)だけで決まる。
っていうシステムです。
機械的に医療費だけで決まるので、これをやると、
現場の医師とか事務員の労力も減るし、
これにより現場でクレームをつけられる事も
減ると思われます。
具体的にはこんな感じです。
患者時間外に救急外来を受診したら、
時間外加算料として5000円を上乗せする。
本当は、単純に医療費の自己負担が1万円以上なら、
5000円の時間外加算料はなし。
って事にすると楽なんですけどね。
それだと、元々の医療費の自己負担分が9500円なら、
9500+5000=14500円
10500円だと
10500+0=10500円
とか、って逆に安くなる事があるので。
「だったら、あと一種類、余計に薬を処方してくれ。」
とか、って言われると面倒くさいので。
医療費自己負担が1万円以上は、
1万円を超える分の半分だけ、
時間外加算料を割り引くって制度が良いかなと思います。
元々の医療費の自己負担分が2000円なら、
2000+5000=7000円
自己負担1万5千円なら
1万5千+5000−(15000―10000)/2=17500円
2万円なら
2万+5000ー(20000-10000)/2=2万円
こんな感じ。
医療費の自己負担額が2万円以上なら、
時間外加算料は実質「無料」になります。
時間外加算料に関しては。
一泊でも入院したら、医療費の自己負担額は
2万円以上になる場合が多いですから。
「時間外患者は、緊急性のある患者のみ」
っていう本来の主旨と大きくは変わらないような気がします。
救急車は更に5000円としても、
医療費の自己負担額が3万円以上なら、
時間外加算料も救急車の料金もただになる計算です。
「時間外重症患者割引制度」であれば、重症患者に関しては、
時間外加算料(救急車の料金)は無料になりますから。
重症なのに、お金がなくて病院を受診できない。
という事はなくなると思います。
5000円というのは、あくまでも一例ですので。
未収金対策の5000円で効果がない地域もあるし、
そこら辺の料金に関しては
地域差があっても良いと思います。
実はこの「時間外重症患者割引制度」
これに関しては、今の日本の医療制度でも、
やる気になればできるんですよ。
「選定療養」っていう制度がありますからね。
「選定療養」っていうのは、どういう事かっていうのを
厚労省のHPから見てみると
○厚生労働大臣の定める「評価療養」及び「選定療養」とは
健康保険法の一部を改正する法律
(平成18年法律第83号)において、平成18年10月1日より、
従前の特定療養費制度が見直しされ、
保険給付の対象とすべきものであるか
否かについて適正な医療の効率的な
提供を図る観点から評価を行うことが必要な
「評価療養」と、特別の病室の提供など
被保険者の選定に係る「選定療養」とに再編成されました。
この「評価療養」及び「選定療養」を受けたときには、
療養全体にかかる費用のうち基礎的部分については
保険給付をし、特別料金部分については
全額自己負担とすることによって
患者の選択の幅を広げようとするものです。
<選定療養>
・ 特別の療養環境の提供
・ 予約診療
・ 時間外診療
・ 200床以上の病院の未紹介患者の初診
・ 200床以上の病院の再診
・ 制限回数を超える医療行為
・ 180日を超える入院
・ 前歯部の材料差額
・ 金属床総義歯
・ 小児う蝕の治療後の継続管理
参照:「厚生労働省:先進医療の概要について」
以前、私は勘違いしていたのですが。
選定療養では、紹介状なしの初診料以外にも、
時間外診療、200床以上の病院の再診料等も、
病院の判断で決める事ができますから。
特に法改正をしなくても、病院が独自に
時間外診療の加算料金を取る事は可能です。
救急車の有料化に関しては、法律や地方自治体、
消防とのからみもあるので。
また、別問題になりますけどね。
本当は、根本的な医療崩壊(医療破壊)の原因である、
医師不足、医療費削減政策を変更する。
でも、それまでに時間がかかるから、それまでの
「つなぎ」として、今ある資源、人材を有効利用する。
っていうのが、日本を医療崩壊(医療破壊)から救う
唯一の方法だとは思いますが。
とりあえず、現場で出来る事して、今の医療制度でも
「選定療養」を使って、「時間外重症患者割引制度」
等を取り入れて、時間外に来る患者の数を減らして、
現場の医師の負担を軽減する病院が
あっても良いのではないでしょうか。
どこか一つの病院だけでもやってくれて、効果があれば
他の病院も続く可能性があると思いますよ。
そしたら、医師の過労や医師の疲弊も
軽くなるかもしれないのになー。
21病院で受け入れ拒否=70歳男性、10日後に死亡-救急車内で心肺停止・大阪
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?b=20080112-00000064-jij-soci
『2008.1.12時事通信』
こういうのも、軽症で救急車呼んだり、する人が多くて、
結局受け入れられる病院が少ないから起こるんですわ。
ま、早く病院に着いても、助からない人は助からないので。
この患者の場合は、なんとも言えませんけどね。
皆さんは、軽症なのに救急車を呼んじゃ駄目ですよ。
救急車を呼ぶ基準は、これを参考にしてみてね!
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9日道新朝刊の第1社会面の”あすの医療は”(いつも善い内容)に『救急搬送10年で4割増』と載ってまちたん。
「日焼けサロンで焼きすぎた」「入院するので来て欲しい」「夜間にどの病院に行けばいいか分からない」というタクシーを利用するような感覚の人や、通報を受けて駆けつけると、入院するための荷物を抱えた患者が家でまっているケースもあるそう。
横浜みたくトリアージするシステムは道内消防では導入には慎重姿勢がほとんどで、適正利用をモラル頼みにしているそうでちゅ。。
お医者たんの方がきゅっきゅっしゃよんでえぇーになりそう。
確かに、湿布なんかは病院のモーラス貰った方が安いし効くと思ったけど、夜も変わらないのでは気軽な使い方をする人もいるのかな…。
本当に意識がなかったりVFとか大変な患者さんが優先される為にも、適正な利用が成されるようになりまちゅように。
「日焼けサロンで焼きすぎた」「入院するので来て欲しい」「夜間にどの病院に行けばいいか分からない」というタクシーを利用するような感覚の人や、通報を受けて駆けつけると、入院するための荷物を抱えた患者が家でまっているケースもあるそう。
横浜みたくトリアージするシステムは道内消防では導入には慎重姿勢がほとんどで、適正利用をモラル頼みにしているそうでちゅ。。
お医者たんの方がきゅっきゅっしゃよんでえぇーになりそう。
確かに、湿布なんかは病院のモーラス貰った方が安いし効くと思ったけど、夜も変わらないのでは気軽な使い方をする人もいるのかな…。
本当に意識がなかったりVFとか大変な患者さんが優先される為にも、適正な利用が成されるようになりまちゅように。

Dr,I様>
なかなか興味深い方法ですね、「時間外重症患者割引制度」。
ただまあ、根本原因が「経済原則に反して安く価格を抑えると、モラルハザードが起こってシステムがおかしくなる」という点にあるので、結局は根本的にシステムを変えないといけないのですが……今のマスコミ報道や政府の姿勢を見ていると、この方法で耐えれるうちに状況を改善できる政策が実行されるとは思えないのは、困りものですね(嘆息)。
なかなか興味深い方法ですね、「時間外重症患者割引制度」。
ただまあ、根本原因が「経済原則に反して安く価格を抑えると、モラルハザードが起こってシステムがおかしくなる」という点にあるので、結局は根本的にシステムを変えないといけないのですが……今のマスコミ報道や政府の姿勢を見ていると、この方法で耐えれるうちに状況を改善できる政策が実行されるとは思えないのは、困りものですね(嘆息)。

l"÷梳・・A揚h醇.縲艢・・楳÷摩・・・A
1万5蝉!{5000−(15000―5000)/2=17500円
s
1万5蝉!{5000−(15000―5000)/2=17500円
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ありませんでしたが、私が以前勤めていた病院は、時間外加算を3000円徴収していたと思います。
紹介状がなくて、一部の対象疾患を除く受診患者から徴収していました。
クレームがあったかどうかは小児科の私にはわかりません、15歳以下は徴収対象外でしたのでw
受診抑制効果は・・・、あまり顕著ではなかったように思います・・・。
額の問題なのかもしれませんけど、どうなんでしょうかね~
紹介状がなくて、一部の対象疾患を除く受診患者から徴収していました。
クレームがあったかどうかは小児科の私にはわかりません、15歳以下は徴収対象外でしたのでw
受診抑制効果は・・・、あまり顕著ではなかったように思います・・・。
額の問題なのかもしれませんけど、どうなんでしょうかね~

私は重症でも軽症でも一律徴収でかまわないと思います。
もともと時間外救急を利用する人は自分が軽症だと判断したなら時間外救急を受診すべきでなく、重症だと自分で判断したからこそ受診したのであろうから、自分で判断した急を要する重症に対して一律1万円徴収されても文句は無いはず。本当に重症だったら1万円くらいは惜しくないでしょう。
「重症なのにお金がなくて病院に来られない人がいたらどうするんだ。」
という意見もありますが、重症と自分で判断したら病院行くでしょう。
また、保険診療でも自己負担分があるのですから、「重症なのに病院に来られない人がいたらどうするんだ。、なんで自己負担を徴収するんだ」というように同じことが言えます。お金は同じですから、保険の自己負担は受診を抑制しないけど別料金は抑制するということはありません。「自己負担+別料金だから抑制に拍車がかかる」というのであれば、健康保険に自己負担を制度化して受診抑制を狙っている国こそ、「非人道的だ!」と糾弾されるべきでしょう。国が設定した自己負担を受け入れておきながら「重症なのにお金がなくて病院に来られない人がいたらどうするんだ。」という意見は弱い病院には大きな態度で出られるが、国という強い者には逆らえないといういじめっ子の論理と思います。
もともと時間外救急を利用する人は自分が軽症だと判断したなら時間外救急を受診すべきでなく、重症だと自分で判断したからこそ受診したのであろうから、自分で判断した急を要する重症に対して一律1万円徴収されても文句は無いはず。本当に重症だったら1万円くらいは惜しくないでしょう。
「重症なのにお金がなくて病院に来られない人がいたらどうするんだ。」
という意見もありますが、重症と自分で判断したら病院行くでしょう。
また、保険診療でも自己負担分があるのですから、「重症なのに病院に来られない人がいたらどうするんだ。、なんで自己負担を徴収するんだ」というように同じことが言えます。お金は同じですから、保険の自己負担は受診を抑制しないけど別料金は抑制するということはありません。「自己負担+別料金だから抑制に拍車がかかる」というのであれば、健康保険に自己負担を制度化して受診抑制を狙っている国こそ、「非人道的だ!」と糾弾されるべきでしょう。国が設定した自己負担を受け入れておきながら「重症なのにお金がなくて病院に来られない人がいたらどうするんだ。」という意見は弱い病院には大きな態度で出られるが、国という強い者には逆らえないといういじめっ子の論理と思います。

トリアージも重要だと思いますが。
今の日本でそれやると、重症患者を見逃したときの責任問題になるので。
なかなか難しい問題もありますね。
でも、本来はやるべきだと思います。
今の日本でそれやると、重症患者を見逃したときの責任問題になるので。
なかなか難しい問題もありますね。
でも、本来はやるべきだと思います。
やはり、本来は原因を解決する、ってことが大事だと思いますよ。
でも、なかなか政府もマスコミも動かないので。
とりあえず、現場でできることはやる、って姿勢も大事だと思います。
でも、なかなか政府もマスコミも動かないので。
とりあえず、現場でできることはやる、って姿勢も大事だと思います。
文字化けしちゃってますが(汗)
いいたい事はわかりましたので。
数字に関しては、本文を訂正させていただきました。
ご指摘、ありがとうございました。
いいたい事はわかりましたので。
数字に関しては、本文を訂正させていただきました。
ご指摘、ありがとうございました。
3000円だと、微妙ですかね。
5000円でも、安いって声もあったし。
ポイントは、全員からまず徴収するってことです。
生活保護とか子供は免除ってことだと、意味が薄れてしまうので。
そいで、医療費が高い人だけ、割り引くっていうのが味噌ですわ。
5000円でも、安いって声もあったし。
ポイントは、全員からまず徴収するってことです。
生活保護とか子供は免除ってことだと、意味が薄れてしまうので。
そいで、医療費が高い人だけ、割り引くっていうのが味噌ですわ。
何人かの医師には、この案を以前に話したのですが。
どっちかというと、時間外の患者は一律徴収って人の方が多かったですね。
医者は。
重症患者に対しても、お金を取る。
って事自体は、私も反対はしないのですが。
医療や安全に、もっとお金を払っても当然。
っていう感覚が、日本にはまだあまりないので。
とりあえず、反対のできるだけすくない方法で導入というか、弱者救済の意味も含めて、この案を考えました。
今の法律でもできる範囲で、世論の反対も少なく、現実にできそうな案っていう意味があります。
どっちかというと、時間外の患者は一律徴収って人の方が多かったですね。
医者は。
重症患者に対しても、お金を取る。
って事自体は、私も反対はしないのですが。
医療や安全に、もっとお金を払っても当然。
っていう感覚が、日本にはまだあまりないので。
とりあえず、反対のできるだけすくない方法で導入というか、弱者救済の意味も含めて、この案を考えました。
今の法律でもできる範囲で、世論の反対も少なく、現実にできそうな案っていう意味があります。
おひさしぶりです、いつも読ませていただいています。
一律徴収という意見には自分も同意です。時間外診療だけではなく救急搬送に関しても徴収していいと思います。そちらは3000~5000円くらいでいいのかなと。
軽ければ足踏みするし、ほんとにつらければそれくらい払うでしょうし。それも払えなかったら医療費の支払い自体無理そうですね。
手元にないというときのために後払いにする必要はあるかもしれませんがね。意識不明とか重症の人以外は身分証提示が必要かも。
一律徴収という意見には自分も同意です。時間外診療だけではなく救急搬送に関しても徴収していいと思います。そちらは3000~5000円くらいでいいのかなと。
軽ければ足踏みするし、ほんとにつらければそれくらい払うでしょうし。それも払えなかったら医療費の支払い自体無理そうですね。
手元にないというときのために後払いにする必要はあるかもしれませんがね。意識不明とか重症の人以外は身分証提示が必要かも。

お久しぶりです。
>意識不明とか重症の人以外は身分証提示が必要かも。
そこまで厳格でなくても。
とりあえず、アナウンス効果とかだけでもあるので。
明らかに重症の場合は、今までどおりでよいかと思いますよ。
個人的には。
>意識不明とか重症の人以外は身分証提示が必要かも。
そこまで厳格でなくても。
とりあえず、アナウンス効果とかだけでもあるので。
明らかに重症の場合は、今までどおりでよいかと思いますよ。
個人的には。
私も一律徴収でよいと思います。
考え方が違うのかもしれないけど、個室料ってどこの
病院でもありますよね?
でも一部の患者では減免ってつかってるじゃないですか。
経済状況だったり・・・
時間外や救急搬入においても原則一律1万程度の
加算を設けておいて、本当に重症であったと医師が
判断した場合で、経済状況等(生活保護等)で
支払いが困難な場合は減免扱いにしてもいいと
思います。
今の病院の時間外なんて・・・
たいした状態でもないのに、薬代を安くするために来たり、
仕事の都合だったり・・・
それで本当に重症の患者さんが待ってて・・・
救急車を使うと待ち時間がなくていいんだよね。
なんてのも聞いたことあります。
モラルにかけてるというか・・・
もう、「常識」「モラル」というものが欠けてしまっているの
だったら、いくら個人(世間一般)に訴えても変わりようは
ないとおもうので、制度や料金を変えていく以外ないと
思います。
考え方が違うのかもしれないけど、個室料ってどこの
病院でもありますよね?
でも一部の患者では減免ってつかってるじゃないですか。
経済状況だったり・・・
時間外や救急搬入においても原則一律1万程度の
加算を設けておいて、本当に重症であったと医師が
判断した場合で、経済状況等(生活保護等)で
支払いが困難な場合は減免扱いにしてもいいと
思います。
今の病院の時間外なんて・・・
たいした状態でもないのに、薬代を安くするために来たり、
仕事の都合だったり・・・
それで本当に重症の患者さんが待ってて・・・
救急車を使うと待ち時間がなくていいんだよね。
なんてのも聞いたことあります。
モラルにかけてるというか・・・
もう、「常識」「モラル」というものが欠けてしまっているの
だったら、いくら個人(世間一般)に訴えても変わりようは
ないとおもうので、制度や料金を変えていく以外ないと
思います。

値段や、どの程度なら、無料にするか。
とかいう問題点はあると思いますけど。
やっぱり、時間外の料金は、ある程度取るべきだっていう意見の方が多いでしょうかねー。
まあ、このブログ見ている時点で、医療に関してはかなり理解のある人間なので。
そういう立場の人間は、っていう事だとは思いますがね。
道徳、倫理に訴えるだけでは限界があるので。
ある程度、お金や制度を変えるしか方法はないと、私も思います。
とかいう問題点はあると思いますけど。
やっぱり、時間外の料金は、ある程度取るべきだっていう意見の方が多いでしょうかねー。
まあ、このブログ見ている時点で、医療に関してはかなり理解のある人間なので。
そういう立場の人間は、っていう事だとは思いますがね。
道徳、倫理に訴えるだけでは限界があるので。
ある程度、お金や制度を変えるしか方法はないと、私も思います。
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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080622-00000027-yom-soci
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足代わり119番、救急車「予約」…非常識な要請広がる
6月23日3時2分配信 読売新聞
救急車を病院までのタクシー代わりに利用しようとする119番が、
全国各地で相次いでいることが [つづきを読む]


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