現役医師、循環器内科医(Dr. I)が医療について、詳しくわかりやすく解説するブログ。 引用、転載は自由ですが、その際は必ず引用元を明記して下さいね!
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救急の輪番、8割が厳しい
日本の医療崩壊の最先端は、産科、小児科、救急だ。
って話は、このブログでも何回も書いていますが。
公明党が全国の病院に対して行った調査でも、
救急の現場が相当厳しい事が明らかになりましたね。

Yahooのトップページに出ていましたよ。


救急の輪番、8割が「厳しい」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080130-00000002-cbn-soci

救急スタッフの勤務ローテーションの状況
救急医療体制の整備が求められている中、
救急スタッフの勤務ローテーションの状況について
8割以上の病院が「厳しい」と感じていることが
1月30日までに、公明党の調査で明らかになった。

また、救急医療病院経営にとって
「重荷である」と回答した病院
約7割に上ことなども分かり、
救急医療の厳しい実態が浮き彫りになった。

調査は、公明党の「救急医療対策推進本部」
(総合本部長=木庭健太郎参議院)が
救急医療の実態を把握するため、
入院が必要な患者を受け入れる全国の二次救急病院
1、140を対象に昨年11月から12月にかけて実施。

結果によると、救急当番に毎日就いている勤務医は
54.2%、週に数日就いているのは38.1%だった。

また、不足しているスタッフを尋ねたところ、
病院の75.9%で医師が足りず、
看護師についても62.5%が不足と回答。
医師については10人~15人不足しているとした病院
14.1%にも上った。

これに伴い、救急スタッフの勤務ローテーションに
関する質問では、57.0%が「厳しい」、
27.4%が「極めて厳しい」と答えたほか、
66.0%の病院病院経営の視点からも救急医療
「重荷である」と感じているなど、
現場の厳しい実態が明らかになった。

このような状況の中、救急医療向上のために
必要なこととして、「診療報酬の引き上げ」81.3%、
医療スタッフ不足の解消」75.5%、
「公的支援の強化」66.3%などが挙がった。

その一方で、病院の33.6%が空きベッド情報を
消防に提供するシステムがないことも露呈。

調査と同時期に医師会や消防本部などの
関係団体を対象に行ったヒアリングでは、
「空きベッド数をリアルタイムに
チェックできるようなシステムが必要」
「消防署として医療機関の受け入れは把握が不十分」
などの基盤整備を求める声があった。

公明党は昨年11月、診察の可否や手術準備の
有無に関する表示システムを持つ
救急中央情報センター(仮称)」の創設などを
盛り込んだ要望書を舛添要一厚生労働大臣と
増田寛也総務大臣宛てに提出。

さらに、今通常国会中には、自民党と協議した上、
救急医療対策推進法(仮称)」の法案提出を目指している。


『2007年1月30日:yahooニュース』


私も、今までずーっと救急のある病院で働いていますけど。
やっぱり、かなり厳しいと思いますよ。

老人病院とかで働いている人以外は、ほとんどの医師が、
そう思っているんじゃないですかねー。


救急外来っていうのは、
「入院が必要な重症患者は、時間外でも特別に診る」
っていうのが本来の主旨です。

コンビニみたいに、店員が交代制で
働いているわけではないのですから。

夜でも明け方でも、病気は起こりうる。
そういう時間に、命に関わる事があったら大変だから、
特別に重症の患者は診ても良いですよ。
っていうのが、時間外の救急ですよ。

でも、一部か多くかわかんないけど。
患者が勘違いして、病院は夜も開いているもんだと思って、
時間外にも軽症患者が押し寄せて来て、
病院や勤務医は大変なんですよ。

もちろん、看護師なんかのスタッフもです。

だから、軽症患者に対する一定のアクセス制限は必要だ、
って個人的には思います。

そこら辺の詳しい話は、この記事
『時間外重症患者割引制度』に書いたので、見て頂くとして。


これは、あくまで「病院」に送ったアンケートだから。
多分、答えたのは事務長とか、事務員なんですよ。
医師ではありません。

実際に働いていない事務員ですら、

救急の輪番、8割が「厳しい」

っていうのが現状です。

現場で実際に働いている医師だったら、
もっと高い割合でしょう。

それと、病院に送ったアンケートだから。
経営的に厳しいか、って事も入っています。

>66.0%の病院病院経営の視点からも救急医療
 「重荷である」と感じている


当たり前ですね。

救急外来をやるって事は、
患者10人来ても、1人も来なくても
医師や看護師、技師などのスタッフを
一日中朝まで病院に拘束
するんですから。

当然、それだけの人件費がかかります。
それ以外に、光熱費とかもかかります。

お金は間違いなくかかるけど、
収入はいくら入るかわからない。

診療報酬でも、時間外に来た外来患者の料金が
すごく高いってわけではないですから。
やればやるほど赤字、っていう病院も多いんですよ。


その事に関しては、非常に良い記事だと思います。

しかし、この結論はなんなんでしょうか。

>調査と同時期に医師会や消防本部などの
関係団体を対象に行ったヒアリングでは、
「空きベッド数をリアルタイムに
チェックできるようなシステムが必要」
「消防署として医療機関の受け入れは把握が不十分」
などの基盤整備を求める声があった。

公明党は昨年11月、診察の可否や手術準備の
有無に関する表示システムを持つ
救急中央情報センター(仮称)」の創設などを
盛り込んだ要望書を舛添要一厚生労働大臣と
増田寛也総務大臣宛てに提出。

さらに、今通常国会中には、自民党と協議した上、
救急医療対策推進法(仮称)」の法案提出を目指している。



アンケートとは直接関係ない人の意見を書いて。
そして、だから公明党がこういう法案を出しました。
って。
全く、アンケートの意味がないんですが。

そもそも、救急患者を受け入れられない原因は、
病院側のシステムだけではない
んですよ。

医師の数が足りない。
診療報酬が不当に安いから
、ベッドを満床に
近くしないと病院が赤字になるから。
だから、満床で患者を受け入れる事ができない。

っていう原因の方が大きいんですが。


Yosyan先生が例えていた例がわかりやすいんで、
引用させて貰いますけど。

部屋が狭くて、物を収納できない。
だから、収納名人を連れてくる。
っていうのが、コーディネーターを置いたり、
空きベッドがリアルタイムにわかるシステムを作る。
って事です。

それ自体は悪い事ではないんですけど。
そもそも、部屋が狭いんだから。
どんなに収納を工夫したって、限界があるんですよ。

限界を超えたら、部屋を広くするしか
方法がない
んですよ。

以前にも言っていた、原因に対する治療ではなく、
対症療法を行っても、病気は治らない。

って事と似ていますね。

公明党がアンケートを吟味した素晴らしい法案を出しました、
っていう記事が書きたいのかもしれませんけど。

そもそも、このアンケートと今回の公明党の案は、
全然関係ありませんねー。

>救急スタッフの勤務ローテーションの状況について
 8割以上の病院が「厳しい」と感じている


これって、医師看護師の数が足りないから
ローテーションが厳しいって事なんじゃないですか。


>不足しているスタッフを尋ねたところ、
 病院の75.9%で医師が足りず、
 看護師についても62.5%が不足と回答。


って言っているんでしょ。

だったら、医師の数を増やす。
看護師の数を増やす。
っていう法案
を出して下さいよ、公明党は。


救急医療の現場が大変だ、って事を書いてくれた
のはありがたいんですけどねー。


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この記事へのコメント
情報センターの創設なんか要りません。ハコモノ療法です。
所詮医療費を増やさず、関連企業がうま味を得るよう、誘導されるに決まってます。

根本的解決案を出さないと、この閉塞感は解決しません。
風はば[URL] 2008/01/30(水) 22:05 [EDIT]
ドミノ倒し
知る限りは産科は、新研修医制度以前は、卒後1~3年目の研修医が救急当直を担っていた。
今は、卒後2年は一人当直ができない。
それまでは、卒後半年でも一人当直にデビューし、分娩や救急搬送を受け、手に負えない症例は上級医をコールする体制であった。

常勤が6人いる場合、当直は均等に振り分けられるのでなく、下の学年の当直回数が多い。
部長や副部長は当直回数は少ない。
下端は、月の半分が当直だったりした。
あるいは、研修医の方から「先輩、今度結婚するんでお金が要ります。だから当直下さい」というのもよくあった。
中堅医師になれば、当直はしたくない。
一方、研修医は症例を積みたい。
救急が入れば担当医になれ、手術をさせてもらえるというスキルアップのチャンスでもあった。
だから、年末年始だと連直代100万円になる点とスキルアップの点から、若い医師が当直の大半を担い、うまく回っていたと思う。
しかし、今は、卒後2年間という一番おいしい学年を一人当直に出せない。
これは大変痛い。
365日を、中級~上級医で割り振らねばならない。
「お金ないから先輩当直下さい」というのも、減った。

また、産科の場合は、看護協会が内診問題で産科開業医から分娩を取上げたので、分娩が基幹病院に集中するようになった。
基幹病院の分娩数増加は、夜間ほとんど寝れない事を意味する。
産科当直が非常に負担の大きいものになってしまった。
体を壊す上級医もでて、退職されたり。
6人体制が5人になり、4人になり、大学からの応援も断られ。
我慢の限界を超えて、産科撤退閉鎖である。
残された基幹病院がますます多忙を極めとドミノ倒し。

そんな崩壊した科に、新人が入るとも思えない。


混合診療医[URL] 2008/01/30(水) 22:47 [EDIT]
本質から目を逸らすと……
Dr.I様>

 医療に限らず、現状の日本では、「労働者が不当に安い賃金で働く」ことによって無理矢理経済を回していますが、そうすることによってますます国や企業経営者の「必要な労働コストへの意識」を摩滅させ、「労働コストを下げるための投資」を怠ることにより結果としてますます効率を落としてしまう、ということがあるのではないでしょうか(日本のホワイトカラーの生産性の低さは有名ですね)。
 医師を含めた「労働者」の立場にある人々は、そろそろ「不当に安い賃金では働けない」「無理な条件では働けない」ことをはっきり主張するべきではないでしょうか。
Lich[URL] 2008/01/31(木) 01:37 [EDIT]
情報センターなんて絵に描いたもち。
うちの病院もリアルタイムで空ベッド見れるシステムあるけど結構システム上あいていると思っても埋まっていること多い。

いろんな人が書いているけどシステムあっても入力しなければ反映しないし。

ベッドが空いててもこのベッドは明日絶対に入院しなければならない人に空けておかなくてはとか。
二人部屋のひとつ空いていますがMRSAなんで普通の人は入れませんとか。
ここまで詳しく把握できるシステム無理です。
結局打ちの病院も看護部長が朝と夕に各病棟の婦長に電話して空いているベッド確認してるもん。
また、天下り先作るだけです。
優駿[URL] 2008/01/31(木) 16:07 [EDIT]
電子化
電子カルテが普及しないのと同じ理由で無理。

上記の問題点くらいは、コストをかけて対応すればできるけどコストかける気無いんだもん。

なんたら電子化加算なんてぜんぜん原資にならない。
ssd[URL] 2008/01/31(木) 19:07 [EDIT]
and life is often compared to a voyage.
こないだの『医療崩壊対症療法じゃ駄目だ』の対症療法(エビはそれまで対処療法だと思ってたよ!恥ずかちー!とりあえず対処する感じ?)に喩えたのも解りやすかったけどYosyan先生の収納名人の比喩もさすがものすごく解りやすいね…♪エビは散らかし名人(v_v)

>医師の数を増やす。看護師の数を増やす。っていう法案を出して下さい…←ホント、一語に尽きまchu。
先日、会社で50代の普通のお母さんしてる同僚方が「最近救急車簡単に呼ぶんだと」「救急車なんてそんなにやすやす呼んじゃダメさねェ!お医者さんいないのに。」と話してて、Hugでちた♪
エビ[URL] 2008/01/31(木) 21:58 [EDIT]
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[] 2008/02/01(金) 12:14 [EDIT]
>風はばさん
まさに、箱物行政の典型ですね。
そんな金があったら、直接医者を雇う事に使えば良いのに。
Dr. I[URL] 2008/02/01(金) 20:19 [EDIT]
>混合診療医先生
研修医制度は痛いですよね。
医療崩壊の原因ではないけど、かなり大きな増悪因子だと思います。

研修医も、自分の将来かかってますから。
崩壊寸前の科に入るのは、相当な覚悟がいると思いますね。
Dr. I[URL] 2008/02/01(金) 20:51 [EDIT]
>Lichさん
そろそろ、医師の側も、奴隷の様にただ働くのではなく、自己主張しなきゃいけない時期に来ていると思いますね。
Dr. I[URL] 2008/02/01(金) 20:58 [EDIT]
>優駿先生
入力するのも医者だったら、余計な仕事が増えるだけですしね。

そんな金あったら、直接医師を雇って、医師の数を増やすべきです。
Dr. I[URL] 2008/02/01(金) 20:59 [EDIT]
>ssd先生
電子カルテのある病院だったら、どの病棟で何床空いてるとか。
そんなのすぐにわかるから。
それを外でもわかる様なシステムを作れば、やればできるんですけどね。
金はかかるけど。

でも、まあ、金がないから無理。
の一点張りでしょう。
Dr. I[URL] 2008/02/01(金) 21:02 [EDIT]
>エビさん
なんの為にアンケートとったんだか、全然わかりませんわ。
まずは結論ありき、って事なんだとは思いますが。
Dr. I[URL] 2008/02/01(金) 21:04 [EDIT]
>名無しさん
見てしまいました、その番組。
太田氏が、まったく理解していない、っていう事は良くわかったのですが。

途中のVTRはそんなに悪くなかっただけに、一方的に病院のせいにする彼は、ちょっと許せなかったです。
Dr. I[URL] 2008/02/01(金) 21:07 [EDIT]
お金の問題
結局、お金かけないから、医療情報業界には三流どころの人材しか来ない。
仕事柄、SEとかと話すけど、レベル低いんだもん。
こんな人たちが作ってるんじゃ、まともなものができるわけないって思います。

電子ハコモノという批判は当たっていないと思います。
ハコモノと評するに値するような投資が行われた試しがありません。

部門システムでは、それなりにお金をかければいい物ができています。
しかし、それは限定された業務に優秀な人材・資金を山のように突っ込んで初めて成功した。
ssd[URL] 2008/02/01(金) 22:29 [EDIT]
>ssd先生
お金かけなかったら、優秀な人材は来ないですから。
当たり前ですよね。

電子箱物ってのは、今は違うけど。
今後は、そうなったら良いな、って思っている人はいると思いますよ。
どうなりますかねー。
Dr. I[URL] 2008/02/02(土) 23:16 [EDIT]

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