現役医師、循環器内科医(Dr. I)が医療について、詳しくわかりやすく解説するブログ。 引用、転載は自由ですが、その際は必ず引用元を明記して下さいね!
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リハビリ切り捨て、行政訴訟
リハビリ日数制限
後期高齢者医療制度など。
弱者高齢者切り捨てが、
国や厚労省によって行われておりますが。

この国の暴挙に対して勇気ある医師が、
国を相手に行政訴訟を起こしましたよ!

その医師の名は、澤田石順先生です。

澤田石先生は、鶴巻温泉病院の
回復期リハビリテーション病棟専従医師ですから。
毎日患者さんのリハビリテーションを行って、
実際に診ていますからね。

長期間経ってから良くなる人もいるし。
長い間、リハビリをやっているから、機能が落ちない。
維持できているんだ、って人もたくさんいるでしょう。

そういう人達を、
「効果がないから切り捨てる」
って言っているのが、国とか厚労省です。


80歳越えて、100メートル走のベストタイム
更新できる人なんていないでしょ。

でも、効果がない、良くならない。
って言っているのは、100メートル走で、
自己記録を更新できない。
だったら練習しても意味がない。
って言っているのと同じじゃないですかね。

自己最高記録を出せなくても、速く走る事ができるのは
練習してるからでしょ。
100メートル走の場合。

練習しなくなったら、すぐにタイムが落ちるでしょ。
でも、国や厚労省は、
効果がないからリハビリ(練習)はやめろ
って言っているんですよ。

なんか、それ違いませんかねー。


なんか違うな、っていうのは医者も患者も、
将来患者になるかもしれない国民も。
みんな思っていたと思うけど。

リハビリが必要な患者さん達の為に、
澤田石先生が実際に行政訴訟を起こされましたよ。

m3で記事になっていたので、
ちょっと引用させて貰いますね!



医師が国を訴える、「改定に異議あり」
今改定のリハビリ算定要件を問題視、
通知の差し止めを求める
橋本佳子(m3.com編集長)


鶴巻温泉病院(神奈川県秦野市)に勤務する医師
澤田石順氏が3月18日、国を相手取り、
行政訴訟を起した。
この4月の診療報酬改定で、
リハビリテーションの点数に算定制限が設けられたため、
それを定めた通知の差し止めを求める内容だ。

提訴の理由を澤田石氏は、
「今改定前も一定日数を経た後は
点数が下がるなどの問題があったものの、
医学的な必要性が認められれば、
リハビリの実施は可能だった。

しかし、今改定により医学的必要性があっても
リハビリの点数が算定できなくなった。
これはリハビリを必要とする重症患者の切り捨てだ」
と説明する。

その上で、「前回の2006年改定でも
リハビリを問題視する方が署名活動を行ったが、
それでもあまり効果はなかった。
改定実施の4月1日までには時間がないこと、
また厚生労働省に一市民が
問題提起しても影響はないことから、
提訴するのが一番有効な方法だと判断した」
と澤田氏はつけ加える。


リハビリの算定日数の制限は、
重症のリハビリ患者を受け入れる病院への影響が大きいが、
こうした患者を多く抱える病院は少ない。

提訴に踏み切ったのは、
病院団体を通じた活動が期待できないことも一因だ。


代理人を務める弁護士の井上清成氏は、
「療養担当規則には、
リハビリテーションは、
必要があると認められる場合に行う』
と記載してある。

療担規則は省令であり、通知よりも上位の法令に当たる。
通知でリハビリの日数制限を行うのは、
違法であり無効。
憲法25条で定める生存権にも違反している」
と法的な問題を指摘する。


  患者から自費徴収で可能だが、非現実的

今改定では、リハビリテーションの点数が再編され、
4種類の疾患別(心大血管、脳血管疾患等、運動器、呼吸器)、
かつ重症度別(I~IIの2ランク、
脳血管疾患等はI~IIIの3ランク)に設定された。

その上で、「標準的リハビリテーション実施日数」が設けられ、
「実施日数」よりも前までは1日6単位
(一部の患者は9単位)まで算定が可能だが、
この基準を超えれば1カ月13単位までしか、
算定できなくなる。


 【標準的リハビリテーション実施日数】
 心大血管疾患リハビリテーション:150日超
 脳血管疾患等リハビリテーション:180日超
 運動器リハビリテーション:150日超
 呼吸器リハビリテーション:150日超


従来も、一定期間を超えれば、点数が下がる仕組みがあった。
しかし、医療上の必要性をレセプトに記載すれば、
低い点数ながらも算定が認められた。

「土日曜日を除くと、1カ月に
約132単位から207単位は実施している。
しかし、今改定以降は、1カ月当たり、
わずか13単位しか算定できない」と澤田石氏。

それを超える部分は、保険外併用療法
(選定療養)の扱いになり、
診療報酬の代わりに患者から自費を求める形であれば、
リハビリを実施できる。


今回、特に問題になるのは、
リハビリニーズが高い入院の患者だ。

鶴巻温泉病院の回復期リハビリ病棟の約75%は
脳卒中の患者が占める。
そのうち180日超までリハビリが必要な
患者が数%存在するという。
「当院の患者の平均年齢は76歳と高い上、
重症患者が6~7割にも上る。
とても患者から自費を徴収できる状況ではない。

一方で、当院としても、改定前もわずかに
黒字を計上していた程度であり、
今改定でリハビリの点数そのものも下がったので、
病院の持ち出しで実施することもできない」
と澤田石氏。


 「勝ち負けは関係ない、火を付けるのが狙い」

もっとも、この訴訟自体、却下される可能性が高い。
井上氏によると、「処分性」が一番問題になるという。
今回における処分性とは、簡単に言えば、
「厚労省の通知によって、不利益を被ったか」ということ。

リハビリが必要であるにもかかわらず、受けられなかった」
という患者は、今改定が実施される4月以降でないと生じない。
つまり、現時点では不利益を被った患者がいないため、
通知の差し止め請求は認められにくいというわけだ。


「今回の提訴は、改定前のあくまで予防的な措置。
ただし、一審で差し止め請求が認められなくても、
最高裁まで争う予定」(井上氏)。

その間に、必要なリハビリが受けられず、
実際に「不利益」を被った患者が出れば、
損害賠償請求も可能になる。
こうした訴訟が起きれば、今回の訴訟の役割は終わる。


3月18日の未明に、澤田石氏は、提訴に先立ち、
訴状を自身のホームページに掲載した。
既に、支援する声などが多数寄せられているという。

リハビリに限らず、医療問題への関心が低い医師もいる。
こうした医師に関心を高め、行動してもらうために提訴した。
まず火を付けることが重要。
勝ち負けは関係ない」と澤田石氏は語っている。


参照:『m3.com医療維新:2008.3.18』


澤田石先生は、後期高齢者医療制度にも非常に詳しい方で。
私も、ちょっと前から注目していたんですよ。

ちなみに、澤田石先生のHPは、こちら!
→ 『厚労省が推進する棄民政策』

後期高齢者医療制度に関して、こっから引用しようかな。
とか考えていたのですが。

3/18行政訴訟を起こされる。
って事を聞いていたので。
当日まで待っていたら、ちょうどm3に記事が載ったので、
そのまま引用してみましたよ。


きっと厚労省は
「患者から実費で請求すれば良いのだから、
患者切り捨てではない。」

とかって、くだらないいい訳をするんでしょうけど。

リハビリしてる人っていうのは、
高齢者が多いですから。

ただでさえ収入のない患者から、実費で徴収しろ。
って、そりゃあ、無理でしょ。

弱者から、更に搾り取れってんですか。
金がないやつは死ね
って言っているんですよねー、国は。

それだったら、「金のないやつは死ね
高齢者に使う医療費なんてないんだ
って、はっきり言えば良いのに。
リハビリやんないのは、病院のせいだ。
とか、地方自治体のせいにしたりとか。

いつもいい訳ばっかですよね。
国や厚労省は。


正直言うと、かなり勝ち目は薄いですよ。
万が一、くらいでしょうかね、多分。

それでも、「本人が勝ち負けは関係ない」
って言うのはどうかとは思いますが。

これをきっかけに、議論に火がついて、
弱者切り捨てが改善されると良いですね!


ちなみに、澤田石先生の訴状は、これっすよ。
→ 『重症リハビリ医療日数等制限差止請求事件、訴状』


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この記事へのコメント
支援します!
この一件をマスコミが報道して、医療が良い方向に向かっていけばと思います。

澤田石先生は、我々がなかなか踏み出せない、はじめの一歩を踏み出して下さいました。
背中を一緒に押すことができれば・・・。

微力ながら、支援させて頂きます。
風はば[URL] 2008/03/19(水) 00:40 [EDIT]
賛同します
リハビリとは縁もゆかりもない産婦人科医ですが、澤田石先生の勇気ある行動に賛同したいと思い、コメントして回っています。支援するのにそれくらいしか思いつかないので。
山口(産婦人科)[URL] 2008/03/19(水) 13:16 [EDIT]
私も賛同します
Dr.I様>
 今回の裁判、私も賛同します。
 確かに、「今回の裁判」での勝ち目は非常に薄いので、今回の裁判「だけ」を取れば「負け戦」ですが、この訴訟がきっかけになって医療行政の後退が少しでも止められるならば「戦略的に」大きな意味を持つ戦いになると思います。
 国会も、日銀総裁人事を政略的にもてあそんでいるヒマがあったら、こうした「国民の命」を守ることを難しくするような省令が乱発されている現実をなんとかしてほしいものですが(嘆息)。
Lich[URL] 2008/03/19(水) 15:01 [EDIT]
全面的に支援します!
とにかく全面的に支援します。
たとえ、門前払いを食らわされようとも、敗訴になろうとも、一人で国の大罪に対して立ち上がった澤田石先生を応援しないでどうする!
この画期的な訴訟に対して、私は澤田石先生を全面的に支援いたします
GO AHEAD(林 克英)[URL] 2008/03/20(木) 16:53 [EDIT]
>風はば先生
かなり大きな一歩だと思いますよね、これ。
これに関しても、マスコミとか世間を上手に見方につけたいところです。
Dr.I[URL] 2008/03/20(木) 17:22 [EDIT]
>山口(産婦人科)先生
我々にできることは、そう多くないのかもしれませんが。
私も、できる限り応援していきたいと思います。
Dr.I[URL] 2008/03/20(木) 17:23 [EDIT]
>Lichさん
たしかに、勝ち目は相当薄いですけどね。
政治家も、くだらない事やってないで、早く医療とか生活に関する事を議論してもらいたいです。

Dr.I[URL] 2008/03/20(木) 17:25 [EDIT]
>GO AHEAD(林 克英)先生
勿論私も、全面的に応援していきますよー。
Dr.I[URL] 2008/03/20(木) 17:26 [EDIT]
昨年、リハビリの上限について、患者の署名運動があり、上限撤廃ということがあったんですよね。その代わり、逓減性を設けられてしまったのです。
ウチは運動器リハですが、150日まで1単位180点算定だったのが、120日までは180点、121~150日は150点、151日超ではリハビリテーション医学管理料での算定となりました。管理料は350点です。月2度まで算定できますが、リハ日数が月2度までなら350点、3度以上は700点しか算定できないわけです。
患者にはこのへんの事情がよく分かりませんので、リハを提供する側としては、マンパワーの垂れ流しにならないようにリハ通院日数によって、管理料で算定するか、病名転がしをしてリハを算定するしかないわけです。また、150日できっちり病名ころがしをすることで、レセで切られることさえありました。こうやって、リハを継続できないのは病院側の責任としたも同然です。1単位本来なら180点で算定できたものが、週2日リハ通院する患者で考えると、740点の減収になるわけですから、やむを得ず、制限するしかありません。
 これを、今度の4月の改正では、「患者にとって診療報酬が分かりづらい」という理由で、逓減性・リハ管理料の算定も撤廃、150日という日数制限がまた設けられることになりました。
 国は、脳血管疾患などは急性期過ぎた後は介護保険でのリハへ移行しようとしています。介護保険でのリハというと、いわゆる通所リハビリテーション(デイケア)です。介護保険サービスという特性上、要支援1から要介護5まで集まるなかで、リハビリを提供していくのですが、このデイケアでのリハビリテーションは、病院退院後1ヶ月までは1単位の報酬は180単位、1~3ヶ月までは120単位だったかな?そして3ヶ月過ぎた後は80単位での算定です。運動麻痺が残った脳梗塞で頭はしっかりしている人が、要介護5まで様々な人が集まる中で、集団生活することはやはり高いハードルです。それに、病院でやっているリハの質を求められても、80単位しか算定できないのであれば、きちんとPTやOTを配置してのリハも困難になってきます。また、介護認定によって、デイケアの費用が変わりますので、どこの事業所も、要支援はあまり受けないように、人数の制限を設けてやっているのが現状です。
 私も維持期のリハビリという概念は大賛成です。儲け主義で言っているわけでは決してありません。脳血管障害などは、一生涯、痙性麻痺やそれに基づく関節拘縮との向き合わねばなりません。体調不良などでリハを1~2ヶ月休めばあっという間に拘縮が進みます。
 脳血管障害に限ったことじゃありません。慢性疼痛となる、五十肩、頸肩腕症候群、腰痛群、リハを行うことで、社会復帰・社会での活躍を維持している方もたくさんいるわけです。
 ぜひ、こういう報酬改正に関わる方たちにはですね、何らか疾患を患っていただいて、150日でリハ切ってですね、在宅での介護困難であっても、金にモノを言わせず、居宅サービスをフルに使い、在宅療養をしていただきたいと思います。やれるもんならやってみな!って感じです。
りん[URL] 2008/03/21(金) 08:48 [EDIT]
最近ではPTの市場価値も徐々に低下していきています。以前は、PTは時給で5000円とか当たり前でした。今は徐々に下がり、地域性もあると思いますが、2500円、2000円というのも普通になってきています。
しかし、1単位80点だとすると、240点/時間、2400円の増収にしかならない。みんなPTの給料として消えていく。さらに補填しなければならない状況。だから、デイケアにリハを提供する者として必ずしもPT・OTを置いて全員にリハを提供できない事態が生まれる。
りん[URL] 2008/03/21(金) 08:53 [EDIT]
>りん先生
整形は一番大変ですよねー。
リハビリ変わると。
まともな治療をやっていたら赤字になる。
っていうのは、報酬のシステムが悪いって事ですから。
そこを改善しないと。
最初に医療費を下げる、っていうのがあるから悪いんですよ、やっぱり。
Dr.I[URL] 2008/03/21(金) 19:27 [EDIT]
自分も応援します。この件、勝ち負けは訴訟ではなく、社会全体を巻き込んだ運動に出来るかどうかにかかっています。後に続く者がたくさん出てくれば、流れを変えることも可能かもしれません。

今は、いい意味での「悪あがき」が必要なときです。
鴛泊愁[URL] 2008/03/23(日) 22:40 [EDIT]
>鴛泊愁さん
そうですね。
社会全体を動かして、世論を形成できれば、政治も変わるかもしれないので。
それを期待しましょう。
Dr.I[URL] 2008/03/23(日) 22:56 [EDIT]

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