現役医師、循環器内科医(Dr. I)が医療について、詳しくわかりやすく解説するブログ。 引用、転載は自由ですが、その際は必ず引用元を明記して下さいね!
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柏原病院の小児科を守る会
4/12,「医療議連総会記念シンポジウム」で、
県立柏原病院の小児科を守る会」の代表、
丹生裕子さんが発言された内容が、公開されたので。
ここでも引用させていただきますね。

『4/12、医療議連に参加しました』
の記事にも書きましたけど。
今回の医療議連で拍手が最も大きかったのは、
全国医師連盟の黒川先生、産婦人科医の桑江先生
そして「県立柏原病院の小児科を守る会」の代表の
丹生裕子さんの発言でした。

産婦人科医の桑江千鶴子先生の話も、
医療現場で働く産婦人科医の激務が、
非常に良くわかる素晴らしい内容だったと思います。

これに関しては、僻地の産科医先生
産科医療のこれから」、
『「産科医療崩壊の危機打開と
男女共同参画社会の実現へ」 
by 桑江千鶴子先生』

の記事に書かれていますから。
こちらも是非読んで見てくださいね。


私の方は、「県立柏原病院の小児科を守る会」の話。

日本の医療は、崩壊に近づいていますけど。
このブログは、日本の医療を崩壊させないために
どういう事ができるか。
っていう事を、現役の医師であるDr. Iが、
いろいろ調べたり考えたりして、
持論を展開しているブログなのですけど。

自分が医療現場で働いている感覚と、
海外との医師数、医療とかの比較とか。
そういったデーターとかを総合して、
あくまでも個人的な感覚なのですけど。

「時間外の軽症患者を抑制する。」

これができれば、なんとか日本の医療崩壊を
避ける事ができる
かな。
というような感覚を持っています。

もちろん、このブログでも何回も書いているように、
医療崩壊(医療破壊)の原因で一番大きなものは、
医療費不足と医師不足だと思うので。
それを増やす事が一番大事だとは思いますが。
それには時間がかかるので。
医師の数が増える、医療が増えるまでの
時間を稼ぐために最も重要な事が、
患者の数を減らす事。」
「特に、時間外の患者の数を減らすこと。」


これが、非常に重要だと思っています。

医師不足、医師不足って言っていますが、
海外と比べて人口当たりの医師も少ない。
という事もありますけど。
それ以上に1人の患者に対する医師の数が、
圧倒的に少ない。

という事の方が問題なので。
病院に来る患者の数を減らす
という事が重要になると思います。


国は患者の数を減らせば医療費が削減できるから。
高齢者は病院にかかるな、っていう政策を強引に作って、
後期高齢者医療制度という、「うば捨て山制度
とも言える制度を導入しました。
長寿医療制度」とかって名前をごまかしても、
内容は「うば捨て山制度」そのものです。

これは、年齢で患者を差別する以外の何物でもないので、
私は反対です。

病院にかかる患者の数を減らすなら、
「軽症の患者を減らすべき」っていうのが、私の持論です。

その為のやり方の1つが、
『時間外重症患者割引制度』
という方法で、実際にこれと同じ様なやり方を使って、
時間外の軽症患者を減らす事に成功した病院もあります。

これは簡単に言うと、
「高いお金を取って、患者を抑制する」
というやり方です。

本来であれば、こういう事はやりたくないんだけど。
特に都会では、道徳に訴えてもなかなか難しいので、
やむを得ないかな。
という事で提案している苦肉の策なのですが。

これとは違う方法で、実際に時間外の軽症患者
数を大幅に減らす事に成功した人達がいます。

それが、「県立柏原病院の小児科を守る会」です。

私がいろいろ言うより、本人の話を
そのまま読んでもらった方が早いので、
早速紹介してみましょう。



議連総会に参加しました

【発表内容全文】

県立柏原病院の小児科を守る会です。
私たち守る会は昨年4月に発足しました。

活動を始めたきっかけは昨年4月、
市内で唯一子どもの入院を受け付けている
県立柏原病院の小児科がなくなる事態を迎えたからです。

これ以上の負担に耐えられないと、
小児科のお医者さんが辞意をもらされました。

小児科の存続が危うくなったことで
産婦人科の分娩予約の受付も休止されました。

このままでは小児科も産科も失ってしまう。
そのような危機感に駆られ私たちは活動を始めました。


安心して子どもを産み、そして育てることのできる
地域であってほしい。
これは親なら誰もが持つ願いです。
その願いを叶えるにはお医者さんの力が不可欠です。
子どもを守るためにはお医者さんを大切にすること、
医者さんを守ることが必要だということに気付きました。


子どもを守りたい。
そしてお医者さんを守りたい。

これが私たちの活動の原点です。
この思いを3つのスローガンに込め活動をしています。

3つのスローガンとは

「コンビニ受診を控えよう」
「かかりつけ医を持とう」
「お医者さんに感謝の気持ちを伝えよう」

です。

このスローガンを地域の住民に呼びかけるために
マグネットステッカーを作成しました。

ステッカーには
「子どもを守ろう!お医者さんを守ろう!」
という言葉を載せました。

また住民に地域医療の現状を知らせ、
住民として何が出来るのかを考えるきっかけに
してもらおうと啓発ビラを作成し配布しています。


「コンビニ受診を控えよう」と、
ただ呼びかけるのではなく、
子どもの状態をしっかり見極め、
受診すべきかどうかを判断できる賢い親が
増えることを願い、この「病院に行くその前に」
という冊子を作成しました。

これは柏原病院小児科の先生や
丹波市の保健師さんの監修のもと作りました。


私たちの活動がどの程度浸透しているのか
私たちは把握できていませんでしたが、
守る会が活動を始めてから柏原病院小児科の
時間外の受診者数が前の年に比べて
4分の1ほどに減ったと聞きました。

またこの4月から新しく2人の小児科のお医者さんが
柏原病院に赴任されました。
とても嬉しく思います。

新しく来られたお医者さんが疲れてしまわないように
「適切な受診」を住民に呼びかけなければと考えています。

柏原病院はお医者さんが増えたことで、
夜間2次救急の当番日を増やすことを検討されています。


医者さんへ感謝の気持ちを伝えようと
住民に呼びかけた結果、お医者さんの立場を
思いやる人が増えたように思います。

私たちが活動を進める中で気付いたことは、
医者さんと私たち住民は医療を施すものと
受けるものという相対するものではなく、
共に力を合わせて地域の医療を作り上げていく
パートナーのようなものだということです。

医療崩壊は小児科だけでなくいろいろな科で
深刻な問題になっています。

柏原病院は4年前に43人おられた医師
今年の春には20人にまで減りました。
増えたのは小児科だけで他の科は
神戸大学医局人事による医師のひきあげが止まりません。

柏原病院そのものが存続できるのかどう
かという危機を迎えています。

私たち住民にできることは、今いるお医者さんを大切にし、
働きやすい環境を作ることです。

「丹波で働くのも悪くないな」と言って頂けるような、
医療に理解のある地域づくりを進めることだと思います。

これは、子育て世代だけでなく
幅広い年代の人に関わる問題です。

私たち守る会は1人でも多くの人に
地域の現状を伝え、住民として何ができるのか、
何をすべきかを、一緒に考えるよう
これからも活動を進めていきたいと思っています。

ご清聴ありがとうございました。

県立柏原病院の小児科を守る会
代表 丹生裕子


参照:『県立柏原病院の小児科を守る会』


私の「県立柏原病院の小児科を守る会」に
対する評価は非常に高いです。

多分、私だけでなく、ほとんどの医師の評価は
高いと思いますね。
特に、現場で救急とか当直をやっている医師にとっては。

医者って、昼間も結構働いているけど。
昼に患者がたくさん来る分には、なんとかなるんですよ。
それと、夜でも重症患者が来る分には、頑張れるんです。


でも、時間外に軽症で患者が来られると。
「なんでこんな軽症で、時間外に来るんだ。」
って思うし。
どんなに軽症でも、夜中の2時3時とか、
朝の5時とかに患者が来たら、
医者は行かなきゃならないから。
睡眠が取れなくなるんですよ。

だから、
「時間外の救急外来の患者の数を1/4にした」
というこの結果について、
まず第一に評価します。

それと、軽症患者が少なくなったから。
重症患者、というか本来時間外で診るべき
患者の診察、治療に専念できる

という状態に戻った、という事も嬉しいですね。
医者としたら。

夜中でも、重症患者が3人来たら、
それは大変で当直もほとんど眠れませんけど。
でも、それなりに治療したら、医者には満足感が残るし。
それは、しょうがないな、って思えるけど。

軽症患者がとぎれとぎれ、時間外に3人来て、
結局眠れなかった。
って事になれば、満足感も何も残らず、
ただ怒りというか、無駄な時間を潰して、
睡眠時間を削られた、っていう不満が残ります


そういう意味で、軽症患者を減らした。
という点でも、評価できます。

そして、感謝の気持ち。

医者患者を直したり、
患者さんに感謝の言葉を言って貰うと、
すごく嬉しくなります。

これをネット上に書くと、
「きれいごと」とか言われる事もあるんですが。
そもそも、こういう気持ちは、
医者だけでなく、誰でも同じだと思います。

例えば、コックさんや食堂の店主が、
おいしいものを作って、お客さんに「おいしい
と言われるのが一番嬉しい。
新聞記者であれば、自分の書いた記事が
良い記事だ、素晴らしいと褒められたら、
すごく嬉しいでしょ。

医者だって、同じなんですよ。

患者さんに感謝してもらえたら、医者は嬉しいんですよ。
医者だから、患者を治すのが当たり前、
って思って要求がエスカレートしたら、
それはこっちだって、やりたくなくなりますよ。

そういう意味でも、医者に感謝してくれる
患者さんの数を増やしてくれた、

っていう意味でも評価します。


それと、患者にとって、どんな症状だったら、
どういう事を家でやって、それでこいう状態なら
救急車を呼んだり病院に来ても良いんだよ。
っていうのを、表にして、具体的に書いて、
お母さん達に配っているのも良いですね。

こういう、患者というかお母さん達の事を
考えたやり方、っていうのは我々医療には、
なかなかできないので。
患者さんの側からやっていただいた、という事で、
実際に患者が減ったのだと思います。

ただ、心配だから病院に来る、っていうのはやめて、
って言っても難しいですからね。


以前にもこのブログで書いた事だけど。
病院に来る患者さんって、時間外でもなんでも、
悪意があって来ているのではなく。
心配だから病院に来る」んですよ、ほとんどは。

でも、医者からみたら、こんな軽症で
時間外に病院に来て、って思うので。
そこにはギャップがあるんですよ。

患者さん(患者の親)心配を取る事ができれば、
それは病院に来て医者に診てもらえなくても良いので。
こういった冊子を作って、地元の人に広めて、
それを見てから病院に来て貰う。
っていう事は、非常に重要だと思います。

患者さんや患者の家族とかでも、
心配ないっていう事がわかれば、
わざわざ手間も時間もかけて病院に来るよりも
そっちの方が良いですよね。


そんなわけで、大きく4点。
全てについて、私の評価は高いし、
減点する点は今の所見つかりませんので、
当然の事ながら総合評価は非常に高いです。



足立信也参院議員もこう言っていました。

「丹生さん素敵なお話をありがとうございます。
4月12日というのは実は私がメスを置いた日。
現場にいた人間として反省すべきは反省し、
でもこれから新しい医療の形を
作っていかなければならないと思っている。

医療提供者というのは一方的に提供側ではなく、
自分が患者になったり家族が患者
なったりもしているので、実は両方の気持ちが
分かるのは提供者側。
逡巡している時間はない。
この一刻も壊れていこうとしている。
作り上げていかないといけない」



こういう活動が丹波だけでなく、
全国に広がっていけば、
日本の医療も崩壊しなくて済むかもしれませんね。


ちなみに、4/20は、
県立柏原病院の小児科を守る会」発足記念日。
ちょうど一周年だそうですよ。


この間、丹生さんに会って、その時にステッカーをもらったので。
早速、救急外来に貼ってみました!

これで、軽症の患者が少なくなれば良いのですが。



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この記事へのコメント
素晴らしい……
Dr.I様>
 柏原病院の小児科を守る会の活動、すばらしいですね。こういう「自ら医療を守る」活動、もっと広まるといいのですが、多くの患者は「医師に全ての責任を押し付け、治療を丸投げする」傾向にあるのは、私を含めて反省しないといけませんね。
Lich[URL] 2008/04/21(月) 02:08 [EDIT]
>Lichさん
他の患者団体とは大きく異なる団体ですね、はっきり言って。
すばらしいの一言です。

Dr.I[URL] 2008/04/21(月) 19:51 [EDIT]
素晴らしいですよね
どうして今までこのような団体が皆無だったのか不思議です。
医者クレクレ署名団体さんたちもこれに倣ってくれたらいいのですが、さて流れはどうなるでしょうか。

ともあれ、今週の小児科学会に県立柏原病院の小児科を守る会が来てくださるそうなので楽しみです。
RDM[URL] 2008/04/23(水) 13:07 [EDIT]
>RDM先生
ちょっと、他の患者団体とは違いますよね。
私は、神戸新聞の記者からの取材に「仲間のようだ」って答えましたが。
同じ様な感想を持つ医師も多いようですね。
Dr.I[URL] 2008/04/23(水) 20:25 [EDIT]
Dr.I先生、お疲れ様です。

先ほど、北海道の地域医療を守るMLで啓蒙の必要性を少し書いた際に、この記事のURLをのせさせていただきました。

事後承諾になり申し訳ありませんが、どうぞご容赦ください。

あと、今日どうしても何とかしたい記事がありましたので、この記事とは関係のない話ですが、TBさせてください

では、失礼いたします
アンフェタミン[URL] 2008/04/23(水) 21:46 [EDIT]
>アンフェタミン先生
どうぞどうぞ。
引用でもなんでも、ご自由にw
Dr.I[URL] 2008/04/23(水) 22:22 [EDIT]

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