現役医師、循環器内科医(Dr. I)が医療について、詳しくわかりやすく解説するブログ。 引用、転載は自由ですが、その際は必ず引用元を明記して下さいね!
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医師でも『名ばかり管理職』
病気っていうのは、平日の昼にだけなるわけではないし。
入院している患者さんが急変するのも昼だけ、
ってはずはないので。

医者っていうのは、夜中でも休日でも、
呼ばれる事はあります。

病院の院長とか、ほとんど診療をしていない医師
別なんですけどね。
それ以外の医師は、部長であろうと、科長であろうと、
名前の上では管理職であっても、時間外に呼ばれて
診察や診療をする事はたくさんあります。

『4/12、医療議連に参加しました』の記事にも書いたけど、
4/12の医療議連で
全国医師連盟の黒川先生が言っていた通り。

医師の時間外労働の賃金はその
 大半が支払われていません。



今までは、医師が善意でそうやってきて、
それで日本の医療が崩壊せずにいたのですが。
もう、それは限界に近づいてきています。

奈良県等で、医師正当な時間外手当を求めて
訴訟
を起こしていますけど。
滋賀県の病院では、労働基準監督署から
是正勧告を受けたようですね。



県立成人病センター、労基署が是正勧告 
医師管理職は名ばかり 滋賀・守山
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080423-00000124-san-soci

 
権限がないのに残業代が支払われない
名ばかり管理職」の勤務実態があるとして、
滋賀県守山市の県立成人病センター(河野幸裕病院長)が、
管理職医師に時間外賃金を支払うよう、
大津労働基準監督署から是正勧告を受けていたことが
4月23日、分かった。

名ばかり管理職をめぐっては、未払い残業代の
支払いを求める訴訟や労働審判が全国で相次いでおり、
同センターでは医師不足が要因とみられる。

医師の内部告発で、大津労基署が今月11日、
同センターの立ち入り調査を実施。
部長級以上の管理職医師に対して、
通常の勤務時間外となる休日と深夜の割増賃金などを
支払っていなかったことが判明した。

夜間診療や急患対応に追われ、
当直明けでも深夜まで勤務が続くケースもあり、
1日8時間の法定労働を超える残業をさせる場合、
労基署に届け出なければならないとする
労働基準法の規定も守られていなかった。

是正勧告を受けて、センターを運営する
県病院事業庁は、センターを含む県立の3病院を調査。
管理職とされていた該当者全員に
残業代を支払う予定という。

同事業庁の谷口日出夫庁長は
「勧告を受けたことは遺憾に思っている。
一定の管理職手当を支払ってきたので、
時間外に残業代を支払わないことは、
許容範囲と思っていた」と話している。

センターは、がんなどの3大生活習慣病の
拠点病院として、昭和45年に創立された。
病床数は442、常勤の医師77人。

                   ◇

【用語解説】名ばかり管理職

権限や裁量がないのに、残業代は支給されない管理職。
「管理監督者(一般的な管理職)」について
労働基準法は、時間外労働や休日勤務による
割増賃金の支払い義務が雇用者側にないと規定。

ただ厚生労働省によると管理職と認められるためには

(1)経営や労務管理で経営者と一体的な立場
(2)勤務時間の自由裁量
(3)職務権限に見合った待遇の保証

-などが必要。

日本マクドナルドの店長をめぐる今年1月の
東京地裁判決は「職務内容、権限や責任、
待遇の観点から管理監督者に当たらない」
と判断した。


参照:『2008.4.23:yahooニュース』


労働基準法上の「管理監督者」っていうのは、
実際はかなり限定されたものになるんですよ。

今までもいろんな裁判があったけど。
管理監督者であるかどうかが争われた判例では、
会社側の管理監督者であるという主張が認められた
ケースはほとんどありません。

最近で有名なのは、マクドナルドの裁判ですかね。


以前からこのブログには書いていますけど。
勤務医の給料っていうのは、普通のサラリーマンと
比べると、総額は高いです。
まあ、一流企業と比べたら、それよりは安いですけどね。

ただ、それは6年生の医学部を卒業して、
専門的な知識や技術が必要な職業だから
医師の給料が高いのであって。
管理職かどうかって事とは全く別です。

それに、給料の総額は普通のサラリーマンよりは多いけど。
時給にしたら、同じくらいか、もしくは
もっと安い
と思いますよ、多分。

簡単に言えば、人よりたくさん働いているから、
給料もたくさん貰っている。
ってところじゃないですかね。


『労働者酷使法(ホワイトカラー・イグゼンプション)』
の記事にも書いてある事だけど。

医者の業務には、「裁量労働」の余地は少ないです。

夜中に来る患者や、急変した患者がいたら、
医者は駆けつけなければならないし。
昼間の仕事でも、外来の患者がたくさん来たら、
仕事が終わるのは長くなってしまいますし。
書類もたくさんあったら、早く終わるわけがありません。

検査なんかも、基本的には昼に行われていますから。
病院に何時に来て、何時に帰っても良い。
なんて医者は、ほとんどいません。

まあ、院長クラスの偉―い先生になると、
ほとんど病院にいないって人もいますけどね。

でも、ほとんどの勤務医には、裁量労働は
認められませんから、管理職ではありません

yahooニュース(産経新聞)の記事にも書いてあった、

 (2)勤務時間の自由裁量

が当てはまりませんから。
科長とか部長とか、名ばかり管理職でも、
勤務時間が自由に決められるような状態にないのであれば、
病院は時間外手当を払わなければなりません。

たしかに、医師不足、って事はあるとは思いますが。
医師の数が足りないからって、正当な時間外手当を
払わなくても良いって事にはなりませんからね。


最近も私の知り合いの医師が、労働基準監督署に
行っているようですし。
これからも、こういう記事がどんどん出るでしょうね。

医師は、こういった事に疎いし。
変にプライドが高いから、こういう訴訟とか、
労働基準監督署に行くとか、そういう事をする人が
今までは少なかったのですが。

これは、労働者としての正当な権利ですからね。
今までの医師は、サービス残業ばっかりで、
奴隷のようにこき使われてきて。
そいで、医療訴訟のリスクは高い
っていう状態だったのですが。

医師といえども、勤務医の場合は、
単なる労働者
ですからね。

労働者としての正当な権利は、
行使していくべきだと思いますよ。

そうでないと、病院や行政にこき使われて。
結局は医師が潰れて、病院も閉鎖。
って事になって、最終的に損をするのは患者さん。
という事になってしまいますから。

奴隷のように働かされて、潰される前に、
医師も声を上げるべきだと思います。


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この記事へのコメント
日本のホワイトカラーを蝕む……
Dr.I様>
 本当、医師の方々の勤務条件は劣悪ですよね。しかも、「もらうものもらってない」もですから、ひどすぎます。
 「日本のホワイトカラーは生産性が低い」とよく言われますが、その原因は、「残業手当ももらわずに労働者残業するから、経営者がそれに甘えて生産性向上を図ろうとしない」のが原因だと思われますが、医師の方々も厚生労働省を甘やかさず「無理なものは無理」と主張すべきだと思います。
Lich[URL] 2008/04/24(木) 00:44 [EDIT]
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
[] 2008/04/24(木) 08:38 [EDIT]
>Lichさん
なにも、特別な事を要求してるわけではなく。
労働者としては、当たり前の、働いた分の賃金は払ってくれ。
って言ってるだけっすからね。
堂々と、主張すべきだと思います。
Dr.I[URL] 2008/04/24(木) 21:12 [EDIT]
>名無しさん
まあ、わかる人だけわかるって事でw
Dr.I[URL] 2008/04/24(木) 21:13 [EDIT]
病院と医師が『協力』の体制で。。
はじめまして。

この件は、病院と医師が『対立』の構造になっています(国の思う壺でしょう?)が、そうではなく病院と医師が『協力』の体制で、国や県へ医療費の援助を求める方がよいと思います。

それが今後、社会的に大きな影響を与え、大きな波となって、国の医療費削減策をストップする試金石になる可能性だってあるかもしれません。

(病院が医療費削減策のため赤字で、医師に給与が充分に払えないのでしょう?)
yoco_cancer[URL] 2008/04/24(木) 21:30 [EDIT]
>yoco_cancerさん
対立するのが、良いってわけではないんですけどね。
でも、赤字だから医師にだけ払えないっていうのは、おかしいですよ。
例えば、事務員の残業代は払ってる訳だし。
薬剤費とか機材のお金は払っている訳ですから。

もちろん、協力してできればベストだとは思います。

Dr.I[URL] 2008/04/24(木) 23:15 [EDIT]
赤字の原因自体の、存在感が無くなるかも心配。
こんばんわ。
お返事をありがとうございます。

つまり。。病院経営側にとって。。
・事務員の残業代 → 医師より安く済むので支払い可能。
・薬剤費とか機材 → 病院外への支払いは期日までに額面どおりにしないと直ちに訴えられる(でしょうね。多分。)
★医師の残業代 → もともと給与が高い(イメージですけど。。違ってたらすみません。)ので残業代はらわなくても、生活はできるだろう。また、病院内部のことなので直ぐには表面化しにくい。

という感じなのではないでしょうか。。

 病院と医師という関係だけで見ると、給料の一部の支払いが無いことは本当に是正されるべきですが、病院が赤字なら払って倒産・廃院もあるかもしれません。
 もし全国のあちこちで同じ判決が出て、医師が病院だけに責任を求めるようになれば、病院の赤字・倒産の原因自体の存在感が無くなるのではないかと心配です。
国の医療費削減対策が原因ではないという、政府の逃げ口実になるのではないかと心配です。
yoco_cancer[URL] 2008/04/25(金) 23:00 [EDIT]
>yoco_cancerさん
病院側が医師に時間外手当を払えないっていうのは、診療報酬が不当に安いからですね、本当の原因は。
だから、病院側を悪者にするつもりはないのですが。

ただ、今まで我慢してきたんだから、これからも我慢しろ。
とか、それで潰れたら医者のせいだ、っていうのはやはり違うと思います。

yoco_cancerさんが、そう言ってるってわけではないのですけどね。
でも、世の中にはそういう論調も多いですので。
Dr.I[URL] 2008/04/26(土) 16:17 [EDIT]

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滋賀県立成人病センター「名ばかり管理職」労基署が是正勧告。
この件は、テレビのニュースでも放送されました。 『名ばかり管理職』に勤務実態と見なされて、よかったと思ってよいのでしょうか?? このご時世、病院は赤字の傾向があるし、それは政府の医療費削減対策の影響が大きいので。。 突き詰めれば罪のない(金もない)...  [つづきを読む]
easygoing village(気楽村) | 2008/04/24(木) 21:28
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?κ? | 2008/05/01(木) 00:52
労働基準法・労働基準監督署ガイド
労働基準法の基礎知識や事例集など、労働基準法や労働基準監督署に関する各種情報提供と、相談できる専門家の紹介を行っています。  [つづきを読む]
労働基準法・労働基準監督署ガイド | 2008/08/15(金) 02:02
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