現役医師、循環器内科医(Dr. I)が医療について、詳しくわかりやすく解説するブログ。 引用、転載は自由ですが、その際は必ず引用元を明記して下さいね!
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医師会は厚労省に騙された!
どうやら、日本医師会厚労省に騙されたようですかねー。

Yosyan先生の「新小児科医のつぶやき」の
『「合意」と「覚え書」続報 』

僻地の産科医先生の「産科医療のこれから
『日医は厚労省にだまされている! 
覚書は存在しない ―第三次試案をめぐって―』

『医療事故安全調査委員会』

なんかでも話題になっていますが。
医療事故安全調査委員会(医療事故調の、
第三次試案に関してです。


『医療事故調、第二次試案について』の記事で、
私がブログに書いた事なのですがね。

医療というのは、病人とかけが人が対象ですし。
治療っていうのは、薬を使ったり、手術をしたりする事ですから。
医療というのは、不確実なものなんですよ。
100%って事はあり得ないんですよ、残念ながら。

で、不幸にも残念な結果が起こったときに。
どうしてそういう事が起こったのか、客観的に判断してくれる、
第三者機関
があれば、遺族も納得できるし。
医療の側も、医療に関しては素人の裁判官とか、
警察、検事なんかよりは、専門家に判断して貰った方が、
安心して医療ができるから。

医療者側でもなく、患者側でもない、第三者機関が、
医療事故が起こった場合は判断するようなシステム。
というものがあったほうが、患者側にとっても、
医療者側にとっても都合が良いのではないか。
と、個人的には思います。

そういうのがあった方が、患者さんも、
安心して医療が受けられるし。
医師医療者)も安心して医療を行えますから。


方向としては、患者の為にも医師医療者)の為にも
安心して医療ができる為に、ってことで作られたものが。
何故か、厚労省権限を大きくしようとか、
厚労省天下り先を作ろうとか。
そういう別の思惑が入って、
全く別の物になろうとしていました。

それが、医療事故調の第二次試案でした。

医療事故調の第二次試案」を詳細に分析した、
主に医師医療従事者)達から、問題点の指摘を受けて。
ちょっとはましになったのが、
医療事故調第三次試案」です。

これに関しても、やっぱり問題はあるんですが。
非常にわかりやすく問題点を解説した記事があったので、
ここで引用させてもらいますね。


『ロハスメディカルブログ』を書いている、
川口恭さんのメルマガ、「MRIC」からっす。



Medical Research Information Center (MRIC)
メルマガ 臨時 vol 53

■□ 刑事捜査抑制の保障無し
―法務省・警察庁は文書を明確に否定 □■

国立病院機構名古屋医療センター 
産婦人科 野村麻実

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●バックナンバーはこちら==>> http://mric.tanaka.md
●MRICの配信をご希望される方は touroku@mricj.com へ!!
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医療安全調査委員会の第三次試案を、
医師の皆さんは調査委員会の結論が出るまでは
警察の捜査がストップされると、
期待してはおられないでしょうか。

そうお考えになるのも当然だと思います。
第三次試案を読めば、そのように受け取れる記述があり、
また日本医師会もそのような説明を
会員にしているからです。

ところが、そのような期待は医師側の勝手な
解釈であることが、先日の国会質疑で明らかになりました。

警察はたとえ調査機関の通知がなくても捜査することを、
刑事局長が明言したのです。
この答弁で、第三次試案には警察の捜査を
ストップさせるような法的根拠がまったくない事実を、
私たちは突き付けられました。


国会質疑の模様をご紹介しながら、今浮かび上がっている
問題点を述べてみたいと思います。

4月22日、決算行政監視委員会第四分科会において、
衆議院議員で「医療現場の危機打開と
再建をめざす国会議員連盟」に参加している
橋本岳議員が、第三次試案について
国会質疑を行いました。

その内容はインターネット上の録画で
見ることができます。

→ 『国会中継、橋本岳議員の質問』


質疑の相手は、法務省・警察庁の局長であり、
主な論点は、厚労省と警察庁あるいは法務省の間で
交わされた「文書」の有無です。

なぜ文書の有無が論点になったか。
それは、第三次試案の記載だけでは、
医師が法的に守られるのかどうかが分かりにくく、
調査委員会の結論が出るまで警察の捜査が
ストップされるということが文書で示されているか
どうかを、省庁間の明らかな合意を
明らかにするのが目的でした。


橋本議員はまず、4月3日の日経メディカルオンラインの記事

→ 『2008年4月3日:日経メディカルオンライン』

に、「法務局や検察庁などからは、
この案の公表について了解する旨の覚え書きを得ている」
との記載があったことを基に、省庁間で交わされた
文書の有無を確認しました。

すると法務省・警察庁は、この第三次試案について
一切の文書を取り交わしたことがないと回答しました。

この記事内容そのものは記者会見場での出来事で、
私たち現場医師に事の詳細を知ることはできませんし、
大した問題ではありませんが、
この答弁自体は非常に重要だと考えられます。

実はこれまで「文書」の存在を匂わせ、警察の捜査が
ストップされるような両省の合意があると
受け止められる記事が、日本医師会より
何度か出されていたからです。


たとえば、日医ニュース第1117号
(平成20年3月20日号)の中で
木下勝之・日本医師会常任理事の名前で出された
「刑事訴追からの不安を取り除くための取り組み
その4、―新しい死因究明制度に反対する意見に対して―」
と題する記事の中に、文書の存在を示唆する
「明文化」「明記」という言葉が2度出てきます。


1カ所目は、質問2の回答部分です。
原文では

「一方、委員会の判断に基づき警察に通知が
行なわれない事例に関しては、訓告結果が
調査報告書として遺族に渡って、遺族が警察へ行き
刑事罰を主張しても、捜査機関は、
調査委員会の医学的な判断を尊重して、
原則として捜査を開始しないことが明文化されています」
となっています。


2カ所目は、質問3、4に対する回答部分で

「繰り返すまでも無く、医療関係者を中心とする
調査委員会から捜査機関へ通知される事例は、
極めて限定的な「重大な過失」事例だけであり、
通知されない事案には、原則として捜査機関は関与
しないことが明記されている」
と記載された部分です。


このニュースを読んだ医師らは、
厚労省は法務省・警察庁との間で、調査委員会の
通知なしには刑事捜査を開始しないという
内容の合意の文書なり覚書を作成した」と受け取ります。

しかし、このたび法務省と警察庁は合意文書の存在を
きっぱり否定したのですから、上記は医師の勝手な
希望的観測に過ぎなかったことになってしまいました。


また木下理事は日本医事新報
No.4381(2008年4月12日)p11の記事で

「故意に準じる重大な過失、隠蔽、改竄、
リピーター以外は捜査機関に提出されず、
それ以外の報告書も刑事処分には利用しないことを
警察庁、法務省も了解済みであることを説明」
と明記し、日本医事新報No.4381(2008年4月12日)p12-15
においては

「報告書は遺族に返すので民事訴訟への使用を
制限するのは難しいが、刑事処分には持っていかないことを
警視庁、法務省も了解している」
と説明しています。

これらは、前述した警察庁の答弁とはまったく合致しません。


木下理事の説明は客観的には誤りであると
言わざるを得ませんが、これは医師会の責任なのでしょうか。

まさか、医師会が意図的に会員医師らを欺くとは思えず、
医師会厚労省から虚偽の説明を受けて、
誤解してしまったとしか考えられません。

つまり医師会は騙されたのではないでしょうか。
医師会は特に法的な問題点に関して説明を受ける
立場にありますが、法務省・警察庁から説明を
日医は受けてきたのでしょうか?
受けていなければ、関係省庁との調整を行う厚労省の怠慢、
いや欺罔だと言ってもいいでしょう。


そもそも、仮に第三次試案の別紙3
「捜査機関との関係について」が法務省・警察庁との
合意に基づいて発表されたものであるとしても、
その内容は実のところ
「遺族から告訴があった場合には、警察は捜査に
着手することとなる」(別紙3問2の答え)わけで、
現状と何も変わらないことを明記してあるだけです。

22日の国会質疑においても警察庁米田刑事局長は
「遺族の方々には訴える権利があり、警察としては
捜査する責務があり、捜査せざるを得ない」
「(委員会が通知に及ばないという結論を出した場合にでも)
個別の事件の判断で遺族の方々の意思というものが
もちろんあるから、捜査するしないについては
言及できない」旨の答弁を行っています。

つまり別紙3は医師に過剰な期待を抱かせるべく、
形式上「文書」にしてあるに過ぎません。


厚労省は「文書がある」と日医には嘘をついてきたはずだ
と思うのです。
だから冒頭の日経メディカル記事の記者会見で
わからないなりに「文書」「覚書」なりとにかく
それ風のことを嘘ではないけれどいわねばならなかった
のだと思います。
さすがに嘘は言わなかったでしょう。
しかし勘違いさせることのできる言葉を並べたはずです。
言いもしないことが、メモされるはずがないのです。
報じられたことそのものよりも重大であったのは
現場医師にとって
厚労省は誠意がない」と心から確信できる
事実そのものだったと私は考えています。

医療安全委員会に関わる関係省庁は
厚労省だけではありません。
次回試案からは、法務省・検察庁に加えて、
日医も入った形での試案作りを
すべきではないでしょうか。

でなければ、今後も同様のこと、
つまり日医や医師が騙されるような事態が起きる
可能性が否定できず、あまりにも危険すぎて
論議の対象にさえできません。

医療安全委員会をその理念どおり運用するためには、
刑法を改正または特別法を制定して、
医療過誤に関する業務上過失致死傷罪
[刑法211条1項]を親告罪にするとともに、
刑事訴訟法を改正または特別法を制定し、
医療過誤案件に関しては、医療安全調査委員会の
「刑事手続き相当」の意見がない限り、
捜査機関は捜査に着手できず、
また検察官は起訴できないようにすることが必要です。

法務省・検察庁の協力をオブザーバー程度で
終わらせないようにするためにも、また厚労省
「自らの権限拡大を狙っている」と勘繰られないためにも、
三者の間で協議をより密におこなうことが
課題であると考えられます。

同様に、民事訴訟の乱発抑制のためには、
民事訴訟法を改正または特別法を制定して、
医療過誤案件に関しては、訴訟提起前に
裁判所の民事調停ないし認定ADRの手続きを
経ることを義務化し、そこでは医療安全調査委員会の
報告書をもとに紛争解決を図るものとすることなど、
法的な対策を講じていただきたいと考えております。


著者ご略歴
平成4年4月 名古屋大学医学部入学、平成10年3月同卒業
平成10年 岡崎市民病院勤務
平成13年 名古屋大学附属病院勤務
平成14年 名古屋大学大学院医学研究科産婦人科学入学
平成17年 名古屋大学大学院医学研究科産婦人科学卒業
平成17年 津島市民病院勤務
平成19年 国立名古屋医療センター勤務
産婦人科認定医 医学博士




非常に良くまとまっていると思いますね、これ。

医療崩壊の一因に、「医療訴訟」というのがあるんですが。
問題になるのは、医療に関しては素人警察、検事、裁判官
専門的な知識が必要な医療に関して裁判、捜査を行う。
って事だと思うので。

医療事故が起こったら、それは全て、
まずは医療事故調査委員会が全部調べて、
結論が出るまでは警察の捜査がストップする。


そして、医療に関して専門家である、
医療事故調査委員会が、これは問題がある
と判断したら、警察が捜査を行う。
って事になれば、医療者側も安心して医療を行えますから。

第三次試案が、そういう事になれば良いなー。
って我々医師は思っているんですよ。

日本医師会は、そうだから安心して。
っていう説明をしているようなんですけど。
この記事を見ると、なんか日本医師会は、
厚労省にうまく騙されているんじゃないですかねー。

ま、敢えて騙されたふりをしてるのかもしれませんが。


これだったら、意味ないっていうか。
逆に、もっと悪くなる、って事もありえますよ、ホント。

だって、第三次試案のままだったら、
医療事故調査委員会が、医療事故に関して調査して。
それが、民事訴訟にも刑事訴訟にも証拠として使える
って事なんだから。
はっきり言って、証拠は豊富なんですよ。

今までは、言い方悪いけど、医療に関しては素人の
遺族側が証拠を集めるのは大変だったから。
民事訴訟は、なかなか起こしにくかった。
っていう側面もあるんだけど。

このシステムが今のままでスタートしたら、
証拠は豊富にあるんだから。
それこそ、なんぼでも民事訴訟を起こせますよ。

しかも、刑事訴訟に関しても、今まで通り。

だったら、こんなのない方がましじゃないっすかね。


耐震偽装」が一時はやって。
これが施行されたらどうなるか、って事も考えずに、
厳しい法律ができちゃって。
その後に、新築のマンションが大幅に減って
日本の景気減速の一因になっちゃった。
って事もありましたけど。

これって、そもそもは、地震が起きた時に
建物が崩れないようにしよう。
という事で、良かれと思って作った法律なんですよ。
でも、実際は、このおかげで新しいマンションが
できるのが大幅に遅れて、現場は大変。
って事になっていますよね。

実際に、地震で倒れたマンションは一軒もないのに。


それと同じ事が、医療でも起こる可能性があります。

元々は、医療者(医師)側も患者側も、
安心して医療が行える、医療が受けられるように。
って事で作られる法律が、結局医療崩壊を加速する
という事になる可能性がありますので。

とりあえず、形だけ作って、っていうのは止めてもらって、
時間をかけても良いから、きちんとした案を
じっくり練って欲しいものですね。


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この記事へのコメント
やはり……
Dr.I様>
 やはり、第3次試案、「医師を陥れる罠」でしたか。黙秘権等の「基本的人権」すら奪おうとするやり方、ひどいものですね。医師の方々も「だめなものはだめ」と言わないと本当にひどいことになりそうですね(嘆息)。
Lich[URL] 2008/04/29(火) 00:53 [EDIT]
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
[] 2008/04/29(火) 10:25 [EDIT]
>Lichさん
結局、大事な所は全然変わっていないんですよ。
なんで、この案に賛成する医師が多いのか、よくわかりません。
まあ、賛成してる人のほとんどは、中身をよく知らないんでしょうけど。
Dr.I[URL] 2008/04/29(火) 16:22 [EDIT]
>名無しさん
予想通りって言えば、予想通りなんですけどね。
それに医師側が気づかないとでも思ったのでしょうかねー。

Dr.I[URL] 2008/04/29(火) 16:23 [EDIT]
いっつも過去ログを使わせてもらっちゃって申し訳ないですが、問題点をコンパクトにまとめて下さるんで、患者としてはありがた山のからすとんび。
コメント、TB共にお目に留まるかわかりませんが、ヒサビサに復活したんでこれからもよろしく。
最凶[URL] 2008/05/28(水) 21:11 [EDIT]
>最凶さん
お久しぶりでーす。
どーぞ、どーぞ。
ご自由にお使い下さいな。
Dr.I[URL] 2008/05/28(水) 21:44 [EDIT]

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第三次試案に反対の学会たち
今のところ、下記の3学会くらいです。 頑張ってくれているのは。 日本産科婦人科学会 http://www.jsog.or.jp/news/pdf/daisanjishian_20080501.pdf 日本麻酔科学会 http://www.anesth.or.jp/dbps_data/_material_/localhost/iken.pdf 日本消化器外科学会 http://obgy....  [つづきを読む]
まーしーの独り言 | 2008/05/02(金) 22:33
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 やれやれ、なかなかブロガーとしての調子が戻って来ないでグダグダしてたら、あっという間に1週間たっちゃったよ。以前のように毎日バリバリ書きまくっていた最凶さんは細胞的に別人だな。きっと。  とりあえずこないだちょろーっと触れた割ばし家族が朝日新聞の報道  [つづきを読む]
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女医^^遊佐奈子の政治と医療・裁判員制度と冤罪 | 2008/06/04(水) 22:47
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