現役医師、循環器内科医(Dr. I)が医療について、詳しくわかりやすく解説するブログ。 引用、転載は自由ですが、その際は必ず引用元を明記して下さいね!
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胎盤早期剥離で母子死亡
静岡の病院で、胎盤早期剥離で母子ともに死亡した。
という事で、新聞にも載りましたが。
これも、かなりの医師ブログで取り上げられているようですね。
ちょっと、出遅れてしまいました。

産科領域の話なので、これに関しては、
僻地の産科医先生
「産科医療のこれから」
が一番詳しいようですかね、今のところ。
どんどん新しい情報もあがってきているようなので。
チェックしてみてね!

産科の専門的な話は、産科の先生のブログにお任せして。
私の方は、専門的な話以外の問題点について。
ちょっと書いてきますかね。

まずは、読売新聞の記事から。



病院 「急変予測できず」
妊婦・胎児死亡 遺族は提訴検討

静岡厚生病院(静岡市葵区北番町、265床)は2日、
病院で4月27日に手術を受けた
静岡市駿河区の妊婦(24)と10か月の胎児が
死亡する医療事故があったと発表した。

玉内登志雄院長は
「典型症状ではなく、急激な悪化を予測できなかった」
と述べ、想定外の事態だったことを強調したが、
遺族は病院の対応に不信感を募らせている。

病院によると、妊婦は初めての妊娠で、
昨年9月から同病院に通院。
妊婦は、死亡する約14時間前の27日未明、
陣痛が出たため同病院に電話したが、
応対した看護師や助産師が「痛みは強くない」と判断、
いったん自宅待機となった。

同日早朝、再び陣痛が強くなり入院。
胎児の心音が確認できず、呼び出された産婦人科医が、
分娩前に胎盤が子宮内ではがれる
胎盤早期剥離(はくり)」と診断、帝王切開したが、
胎児は死亡していた。
手術後、妊婦も血圧が急激に低下し、
大量出血を起こして死亡した。

胎盤早期剥離妊婦の1%程度にみられ、
胎児に酸素が供給されないため、
胎児死亡率は30~50%と極めて高い。

妊婦も出血を起こすことが多いが、
死亡率は一般に10%未満で、
妊婦、胎児とも死亡するのは
「妊娠5000~1万例中に1例」
(玉内院長)とまれだという。

玉内院長は「胎盤早期剥離は予防できず、
早期発見するしかない」と言うが、
死亡2日前の診察では異常は見られなかった」
ともしている。

妊婦の父親(55)は読売新聞の取材に、
「事故当日、病院
『出血はさほどなく、(死亡の)理由はわからない』
と言っていたのに。
今の時代に、母子ともに死亡するなんて信じられない。
提訴も検討したい」と話した。


参照:『2008.5.3:読売新聞』
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080502-00000023-yom-soci


常位胎盤早期剥離」って。
私も医学部の学生時代は聞いたことあるけど。
詳しい内容は、医者でも産科の先生以外は知らないから。
おおざっぱにまとめると。


1.通常出産後に剥がれる胎盤
 妊娠継続中に剥がれてしまう病気
2.胎盤が剥がれたところに胎盤後血腫が形成されDICを起す
3.胎盤が剥がれると胎児への酸素の供給が断たれ死亡する
4.時期はいつでも起こりえる
5.発生時期の予測は不可能
6.発生頻度は全妊娠の0.44~1.33%
7.母体死亡率は4~10%、児死亡率は30~50%


参照:『常位胎盤早期剥離について』
ある産婦人科医のひとりごと」より

こういう病気です。

症状の進行は比較的ユックリ進むものから
急激に進行するものまで様々である、ともされています。
静岡新聞の経過で、死亡2日前には
異常なかったなんて事、はごく普通の事です。
常位胎盤早期剥離は、予測不能で、突然起こり、
母子ともに死亡率が高い病気なんですよ。


参照:『常位胎盤早期剥離』
新小児科医のつぶやき



今回の件について、もっと詳しく書いてある新聞が、
静岡新聞なんですけど。
僻地の産科医先生がまとめてくれた経過によると。

静岡新聞の記事での事実経過は、

・4月25日(40w1d)の診察では母児ともに異常なし
・4月27日(40w3d)午前0時ごろ、
 陣痛開始と同病院に電話連絡
・対応した看護師、助産師は問題がないと判断し、
 自宅待機を伝え
妊婦は約6時間後に再度電話、来院
・同日午前8時すぎに医師が診察したところ、
 既に胎児心拍(-)
胎盤早期剥離が確認された(おそらくエコーにて)
・緊急帝王切開
・子宮内から死亡した胎児を娩出
・母体は3リットルを超える大量の出血
・輸血を含む5リットル以上の輸液で対処
・けいれんや意識レベルの低下
妊婦は同日午後1時40分ごろ死亡
  

参照:『 早剥での母児死亡 刑事介入!!』

という事だそうです。


医療関係者からは、これは「胎盤早期剥離」という
死亡率も高い病気で亡くなったのだから。
医療事故ではない。
ましてや、医療ミスなんかではない

という事で、ほぼ全員が一致した意見なのですが。

遺族が納得していなくって、提訴を考えている、
っていうのには、いくつか問題
あるからだと思います。


問題点1

緊急帝王切開の前に、「胎盤早期剥離」というのは、
死亡率も非常に高い、という事の説明が
十分ではなかったかもしれない。



上にも書いたけど。
常位胎盤早期剥離」っていうのは

>母体死亡率は4~10%、児死亡率は30~50%

ですから。
ものすごい死亡率が高いんですよ。

子供に関しては
死亡率は30~50%ですから。
半分から1/3は亡くなるって事です。

母体死亡率が4~10%っていうのは、
良くても25人に1人。
重症の場合は10人に1人は死ぬって事ですからね。
お母さんの方も、10人~25人に1人は死んでしまう
大変な病気なんですよ。
常位胎盤早期剥離」ってのは。

だから、「常位胎盤早期剥離」になってしまったら、
残念ながら、母子共に亡くなるって事も、
十分あり得る
、という事なんです。

胎盤早期剥離が確認された(おそらくエコーにて)
・緊急帝王切開


新聞記事の経過からはこう書いてあって。
家族にどういう説明がいったのかは、
私にはわかりませんけど。

胎盤早期剥離」という診断がついたら、
母親や子供が亡くなる可能性がある
というか、その可能性が結構高い
という事を、帝王切開する前に、
もっと十分に家族に説明しても良かったのかなー、
とは思います。

ただ、緊急に手術が必要なわけですから。
長い時間をかけて説明すれば、それだけ命が
危険にさらされるわけですよ。
手術するのは早ければ早い方が、命が助かる
可能性も高いのですから。

だから、緊急の手術をする前に、
家族への説明が十分ではなかったかもしれない。
っていう事を、私には責める事はできません


私は循環器内科医ですから。
お産とか帝王切開の手術は、もちろんしないんですけど。

心筋梗塞で、緊急の血管内手術(カテーテル治療)
をする、っていう事はあります。

心筋梗塞っていうのは、心臓の表面の血管(冠動脈)
が詰まって、心臓の筋肉が死んでしまう病気なのですが。
血管が詰まってすぐであれば、心臓の筋肉(心筋)
が完全には死なないので、すぐに血管の詰まりを解消する。
要は、血管を広げる治療(心臓カテーテル治療)をすれば、
少しでも、死んでしまう心筋を助けてあげられるので。

一刻も早く、それこそ一分でも一秒でも早く、
検査、治療をしたいんですよ


待機的な心臓カテーテル検査、手術の説明なら、
20分、30分かけてする説明でも。
緊急の場合は、5分くらいでおおざっぱに行って、
少しでも早く血管内手術(心臓カテーテル治療)をする。
っていう事を、いつも行っていますから。

緊急帝王切開前の家族への説明が十分ではなかった、
としてもやむを得ない面はあると思います。



問題点2

死亡する約14時間前に、一回病院に電話したが、
看護師や助産師の判断で、自宅待機となった事。


新聞記事によると

妊婦は、死亡する約14時間前の27日未明、
陣痛が出たため同病院に電話したが、
応対した看護師や助産師が「痛みは強くない」と判断、
いったん自宅待機となった。


という事ですから。
半日前からお腹が痛かったから病院に電話したのに。
その時は「なんともない」って言っていたのに。
なんでこうなったんだ。

って、納得いかないのじゃないかな、って思います。

でも、これは残念ですけど。
やむを得ない事かな、って思います。

妊婦さんが、出産前に陣痛が出てお腹が痛くなるのは、
当たり前の事
なんですよ。

一時、「たらい回し」って言葉が、
新聞記事をにぎわしましたよね。
最近はまともな新聞は、この言葉を使わなくなったけど。
たらい回し」、「受け入れ拒否」っていうのは、
本当は「受け入れ不能」、「受け入れ不可能」
って事なんだけど。
これで一番問題になったのは、「妊婦」です。

どこの病院も、妊婦を受け入れる能力が少ないんですよ
だから、妊婦でお腹が痛い、というだけで、
全員を入院させるわけにはいかないのですよ。

今回の場合も、14時間前の段階では、
看護師や助産師が、正常の範囲だろう。
という事で、いったん自宅での待機をお願いしたけど。

やっぱり、次の日の朝、すごく痛みが強くなったから
入院という事になったんですけど。

常位胎盤早期剥離」っていうのは、

>時期はいつでも起こりえる
 発生時期の予測は不可能
 発生頻度は全妊娠の0.44~1.33%

っていう事ですし。

正常の妊娠、お産でもお腹は痛くなるものですから。
その前の段階で、診断する事は無理だと思います。


ただ、電話で聞いた時は「大丈夫」って言ったのに、
なんでこんな結果になったんだ。
って思う、遺族の気持ちもわかります。



問題点3

死因、出血量、輸血に関して、
病院側の説明と、主治医の説明が違う。



私の知り合いの、ある医師のブログに、
関係者からのコメントが載って。
それは、10分くらいでブログ主が削除したんですが。
関係者がオープンなところに書いたということで、
そのコメントのコピーが「産科医療のこれから」の
『静岡「早剥」事件 関係者さまのコメントを検証!』
に載っていました。

私は「大淀病院」関係で、「遺族の情報がネット上に流出」。
って事で、読○新聞とか、某スポーツ新聞に、
名指しで叩かれて。
m3.comから、直接職場に電話がかかってきて
えらい迷惑だった。
っていう、痛い思いをしていますので。
参照:『医師の秘密漏示』
『大淀病院事件、ネットで詳細に2』

あえて、遺族のコメントのコピーはここには載せません。

これによると、遺族の話では、
「主治医からの説明では、大量の出血、輸血はなかった」
と言われているようですね。

新聞記事にも書いてある通り。

>母体は3リットルを超える大量の出血
 輸血を含む5リットル以上の輸液で対処


という事ですから。
お母さんの方は、3リットル出血したようですが。
妊婦さんですからね。
この3リットルというのは、羊水込みです。


『早剥での母児死亡 刑事介入!!』
のコメント欄で、産婦人科医の「子持ちししゃも」先生
コメントしていますから。
これを見て下さい。


妊婦さんは出血に強く、分娩後や帝王切開後の
出血3000ml(羊水込み)による重度の貧血だけでは
死亡にいたりません。

正常の女性のヘモグロビン濃度12g/dlの
半分の5-6g/dl程度まで重症の貧血も珍しくなく
死亡しない例もたくさん経験しています。

私自身もつい最近帝王切開後ヘモグロビン4.3g/dl
の方を経験しましたが、輸血が届くまで
冷や冷やしましたが救命できました。

この状態(ヘモグロビンが正常の1/2)の解剖所見では、
当然重症の貧血という診断となるでしょう。
組織内の血液成分の量が少ないのは
間違いないですから。

さらに、救命のために輸液という水分もたくさん
投与されていますからさらに薄まっているでしょう。

しかしそれだからといって死因が出血多量とは
ならないと思いますし、現役の産婦人科医師としても
この経過で出血多量のための死亡
と説明されても納得がいきません。
(5/2の病院の記者会見の方が、
不誠実であったと思います。
ご不快に感じられたのは当然でしょう。)

>なぜまだ病気の可能性が否定されていないのに
 病院側が出血多量死と発表したのでしょうか

私もこの時点での病院の発表は軽率だと感じました。
(まだ死因が判明していない時点であるため)
産婦人科医としては、この出血量のみで
死亡の原因といわれても納得いきません。

投稿: 子持ちししゃも | 2008年5月 4日 (日) 02:08



妊婦さんが、3リットルの出血だけで、
出血多量で亡くなる、という事は考えられないんですよ。
きちんと輸液、輸血もしていますし。
これは、産科の先生だけでなくって、
私のような内科医でもわかる、基本的な医学知識です。


それなのに、病院側の説明では、死因が今の所
わかってもいないし、産科の先生から考えたら
ありえないような、「死因は出血多量
という説明をした。

主治医の先生は、妊婦にとって3リットルの出血
というだけでは、致死的にはならないから。
出血量としては少なくはないけど、
死因としては考えられない

という事で、そういう説明をしたのだと思います。

しかし、病院側は、死因がはっきりしてもいないのに、
死因は出血多量だった
、と言っている。

そこで、話が食い違って、
遺族の不信感が生じているのだと思います。


輸血したかどうかっていうのも。
急変した後、循環器内科医の先生とかも来ていますから。

もしかしたら、循環器の先生が、先頭になって、
どんどん輸血とか輸液をして、主治医の産科医の先生が、
輸血について把握していなかっただけ
かもしれないし。

言葉の問題とかもあるかな。

輸血」っていっても、いろいろあるんですよ。

一般的に輸血っていったら「濃厚赤血球」という、
いわゆる「赤血球」の製剤の事を言います。
我々、医師や医療関係者は、輸血といえば、
濃厚赤血球」の事だと思います。

ただ、厳密に言えば、肝炎問題で話題になった、
血液製剤」というのも、血液から造られるものですから。
これを入れたら、「輸血」という言葉を使っても、
間違いではないかな、と思います。


血圧が下がったら、血圧を上げるために
アルブミン」っていう製剤を使いますからね、普通。
もしかしたら、こういう「血液製剤を使った」、
っていうのを「輸血」と表現しているのかもしれませんし。

そこらへんは、何とも言えません。

主治医の産科の先生は、わざと輸血に関しては隠した
って事ではないような気がします。
そんな事しても、なんにも意味ないですからね。



まとめると。
問題になっているのは、

問題点1
緊急帝王切開の前に、「胎盤早期剥離」というのは、
死亡率も非常に高い、という事の説明が
十分ではなかったかもしれない。


問題点2
死亡する約14時間前に、一回病院に電話したが、
看護師や助産師の判断で、自宅待機となった事。


問題点3
死因、出血量、輸血に関して。
病院側の説明と、主治医の説明が違う。



問題点1に関しては、「緊急の帝王切開」ですから。
一刻を争う手術ですから。
その前に、説明が十分ではなかったとしても、
やむを得ない面はあると思います。

問題点2に関しても、妊婦でお腹が痛い、
っていう人を、全員入院させることは不可能なので。
その段階での電話対応自体には、
問題はなかったんじゃないかなー、って思います。


一番問題になるのは、問題点3でしょうかね。

これって、「福島大野病院」とか、「大淀病院」とか。
医療訴訟では結構問題になる事も多いんですけど。
院長、病院側の対応」です。

静岡厚生病院玉内登志雄院長っていうのは。
これを見ると、外科医のようですね。
→ 『第2回日本乳癌学会中部地方会 一般演題』


主治医の産科医の先生が、現段階では、
死因はわからない。
出血量も、妊婦で3リットルだけでは、
出血多量で死ぬほどの出血ではない。
って判断しているにもかかわらず。

産科に関しては素人の外科医である院長が、
後日の発表では大量の出血により死亡
という事を言ったのが問題なんだと思います。


確かに地位とか、役職とか、そういう事に関しては、

院長 > ただの産科

という事なんですけどね。
こと、医学の専門分野の「産科」って事に関しては、

ただの産科医 >>>> 外科の院長

ですから。
産科の話でどっちが正しいか、って言ったら、
平の産科医の先生の話の方が正しい。
という事も、多いと思いますよ。


輸血に関しては、主治医の先生が知らなかったとか、
血液製剤は使ったけど、濃厚赤血球は使っていないとか。
そういう事だと思います。


新聞やブログに書いてある事からしかわかりませんけど。
私がわかる範囲では、この件に関しては、
医療ミスはなく、「常位胎盤早期剥離」という
重症の病気の為に母子が亡くなった。

という事だと思います。

ただ、産科の事をわかっていない外科の
院長(病院側)の説明と
主治医の産科医の先生の説明に食い違いがあった。

という事ですから。

主治医の産科医の先生に、もっと詳しく説明を聞く
できれば院長も一緒に入って貰って。

もしくは、この病院には主治医の先生以外にも
産科の先生はいるようですから。
主治医以外の産科医の先生に、
客観的にお話しをしてもらう

っていうのが良いんじゃないかなー、
って、個人的には思います。



遺族の方は、

>「今の時代に、母子ともに死亡するなんて
 信じられない。
 提訴も検討したい」


と、言っておられますけど。
常位胎盤早期剥離」というのは、今の時代でも、
子供は2~3人に1人は亡くなる。
母親の方も、10~25人に1人は亡くなる、
重症の病気ですから。
医療ミスがなくても、亡くなる場合もある。

っていう事を理解してもらいたいです。


あくまで病院側、院長の主張というのは、
マスコミと言うフィルターを通して見ているので。
本当にそう言ったのか確かではないので、
厳密にはなんとも言えませんがね。
院長、病院側の対応に問題があったという事なら、
不信感を持つ事自体は仕方がないかもしれません。



ちょっと話は変わるけど。

この院長のせいなのか。
読売新聞の記者のせいなのかわかんないけど。
この記事の書き方は、ちょっとおかしいですよね。

胎盤早期剥離妊婦の1%程度にみられ、
胎児に酸素が供給されないため、
胎児死亡率は30~50%と極めて高い。
妊婦も出血を起こすことが多いが、
死亡率は一般に10%未満で、
妊婦、胎児とも死亡するのは
「妊娠5000~1万例中に1例」



書いている事は間違ってはいないけど。
よーく見てみると。

胎盤早期剥離妊婦の1%程度
胎児死亡率は30~50%
妊婦死亡率は一般に10%未満


って、分母は全部「胎盤早期剥離」なのに、

妊婦、胎児とも死亡するのは
「妊娠5000~1万例中に1例」


っていきなり分母が「全妊婦」になっていますからね。
正常の妊婦さんを分母にしたら、
死亡率だって減るに決まってる
でしょ。


妊婦の死亡率は一般に10%未満
っていう事は、上にも書きましたけど。
10人ちょっといれば、1人は亡くなる。
って事ですから、すごく重症の病気
なんですよ。

でも、
妊婦、胎児とも死亡するのは
「妊娠5000~1万例中に1例」


って書き方になったら、ものすごーく珍しい
っていうようにしか見えないですからねー。

なんで、こういう書き方をするのか、
ちょっとわからないですわ。
せっかく良い記事も増えてきたのですけどね。
読売新聞。

やっぱ、医療情報部は、駄目かなー。


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この記事へのコメント
わからないところが多すぎて・・・
問題の記者会見ですけど、現時点で遺族側関係者とされる人の発言を信じれば、

『入院時ないし死亡時の説明と記者会見内容が違う』

こう受け取れそうな発言を各所に行なっています。これは遺族側関係者の情報とマスコミ記事がどちらも正しければの前提になります。

ここで遺族側関係者の情報は正しいと仮定できても、病院側発言は正しいかどうかはわかりません。病院側発言は、すべてマスコミと言うフィルターを通してのもです。どこまでマスコミが病院側発言の真意を伝えているかは考慮しなければならないと考えます。

マスコミ記事は医療記事において玉石混交である事は今さらですし、こういう「医療事故」関連の記事は最初から決め打ちされる事も多々検証されています。

可能性としてマスコミの決め打ち記事が遺族の感情をこじらせたのであれば、大変不幸な事です。もちろん病院側説明の不手際もあったかもしれません。

遺族もマスコミ記事を鵜呑みせずに、それこそ真実を病院側と話し合われることを希望します。マスコミに限らず、情報は介在者が多いほど変質します。変質した情報で誤った判断を下されないように切に願います。
Yosyan[URL] 2008/05/04(日) 15:02 [EDIT]
>Yosyan先生
たしかに。
マスコミが書いている事は、病院側の情報そのままとはかぎらないですよね。
ちょっと、詳細は不明なのですが。
今のところ医療ミスはないようなのに、これが刑事事件になる、って事があれば問題だと思うので。
病院、院長、主治医の先生によーく話してもらって、遺族の方には納得して貰って欲しいですね。
Dr.I[URL] 2008/05/04(日) 15:16 [EDIT]
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[] 2008/05/04(日) 15:51 [EDIT]
難しいですね……
Dr.I様>
 現時点の情報だけでは、なんとも言いがたいですね。
 ただ、やはり「医者が悪いと言う結論ありき」の報道にはならないよう、マスコミにはお願いしたいところですね。
Lich[URL] 2008/05/05(月) 01:26 [EDIT]
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[] 2008/05/05(月) 11:20 [EDIT]
問題点が3点…
Dr. I 先生、初めまして。某所で先生のコメントの直前にコメントしていた「元臨床医」です。
このブログにまとめられているように、報道や関係者からの情報で知る限りでも、この件には問題点が複数あります。二人も家族が急に亡くなられた遺族の方が疑念を抱くのは当然なのかもしれません。
また、私がこの件に関して懸念している点は、常位胎盤早期剥離と一言でまとめられても、その程度は色々で、剥離の範囲やそれが出来てからの時間経過など重要な情報も病理検査をしないと不明だということです。致命的な広範囲病変であるなら救命はほとんど不可能だろうと私も想像しますが、そう断言していいのかどうか、不明と言わざるを得ません。
そうした重要な情報がわからないにもかかわらず、一方的に、常位胎盤早期剥離に伴うDICや羊水塞栓なんだから死んでも仕方がないという、多くの医療系ブログでの主張はいかがなものでしょうか。客観的な死因の究明という観点からはほど遠いと言えます。患者の立場から見れば、中立的に医療の結果を評価できない医師が多いと映るかもしれません。
それはそれとして、既に医療崩壊が始まっていることが現れた結果かもしれないですし、今後の警察の対応が日本の医療を大きく変えるかもしれません。
同県でのことなので、所属する病院の院長に今後の対策ついて相談するとともに、これからしっかりと注視していくつもりです。
元臨床医[URL] 2008/05/05(月) 15:55 [EDIT]
訂正
先のコメントで書いた「先生のコメントの直前にコメント」というのは誤りでした。勘違いでしたので、訂正させて頂きます。
お手数ですが、私の自己紹介は下記URLのページ(産科医療のこれから)のコメント欄をご覧ください。
元臨床医[URL] 2008/05/05(月) 19:05 [EDIT]
冷静にお願いいたします
元臨床医様

先生のおっしゃる通りだと思います。今はご遺族も天国から地獄へ突き落とされ、受け入れられないのでしょう。たとえそれが、避けられない運命であったとしても。どうか医療関係者の皆様、今はご遺族の心中もお察しください。


また、静岡県の医療崩壊は、この数年でかなり進んでしまいました。財政的に安定していた浜松市でさえ、スズキの撤退などで苦しくなっております。生活に困窮した市民の心中事件もあったばかりです。(サツキさんの今後も危ういそうですね)仕事の無くなった某国の方の生活はどうするつもりなのでしょう。


某医療センターには、デマで心ない患者がおしかけ、未収金問題でゆれております。聖隷ですら、産科の縮小・制限をせざるおえなくなりましたね。悲しいことです。市民はあの病院がこころのささえです。東京在住の私が熱く語るのですから、浜松の医療は素晴らしいのです。静岡県の先生方は、今までよくやっていらっしゃいましたね。


先生のおっしゃる通り、警察が逮捕・起訴にいたれば、静岡県ばかりでなく、日本中の医師の善意と熱意は完全に消滅してしまうことでしょう。


I先生へ
昨日ブログに書き込みしました。メールで、感想を聞かせくださいませんか?一言でいいです。結構凹んでいます。 なんで私のメールは捨てられてしまうのかな。

あっ先生も返事が出来ない程、ひきました?でも、とうとうここまできてしまいましたね。
ななこ[URL] 2008/05/06(火) 09:34 [EDIT]
>Lichさん
たしかに、この情報だけでは何とも言えないんですが。
やっぱ、医者を悪者にする言い方はしてほしくないですね。
Dr.I[URL] 2008/05/06(火) 22:12 [EDIT]
>元臨床医先生
仰るとおり。
あくまでも、現時点で、っていう事しか言えないので。
絶対に医者の方が悪くない、って言うつもりはありません。
ただ、ミスがなくても、10-25人に1人は亡くなる病気だ、っていう事を言いたかったでけです。
私は。

私は産科医ではありませんし、情報も限られていますから。
断言するつもりはありません。
Dr.I[URL] 2008/05/06(火) 22:15 [EDIT]
>ななこさん
私も、今ある限りの情報で、って事で。
医者の方は、絶対に悪くない、というつもりはありません。
どっちかというと、説明が不足してるんじゃないかなー、という印象です。
ただ、医療ミスが亡くても若い人が亡くなる事もある、っていう事を言いたいんです。

Dr.I[URL] 2008/05/06(火) 22:17 [EDIT]
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
[] 2008/05/06(火) 22:41 [EDIT]

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医療報道を斬る | 2008/05/05(月) 10:03
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?κ? | 2008/05/06(火) 02:08
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Ťκ? | 2008/05/06(火) 18:32
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?κ? | 2008/05/06(火) 20:19
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Ťκ? | 2008/05/08(木) 18:45
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?κ? | 2008/05/09(金) 01:51
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Ťκ? | 2008/05/09(金) 21:43
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?κ? | 2008/05/10(土) 00:09
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