現役医師、循環器内科医(Dr. I)が医療について、詳しくわかりやすく解説するブログ。 引用、転載は自由ですが、その際は必ず引用元を明記して下さいね!
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夕張、地域医療を守る地方議連
7/27、夕張に行って、
第二回地域医療を守る地方議員連盟」の
地域医療を考えるシンポジウム!」に、
参加してきましたー!


民間企業で言えば、「倒産」した町「夕張」。
その夕張市に、村上智彦先生が行って。
一億円以上の個人保証をして、
医療法人財団夕張希望の杜」という法人を作りました。

そこで地域医療を再生しようって、頑張って。
それに賛同した医師達もたくさんいて。
公募した10人位の中から、
特にやる気のある医師2人来て。
そこで医師だけでなく医療従事者みんなで、
予防医療を中心とした医療
をやっているようですね。

今回、検査技師さんも発表をしていたし。
看護師の方も発言されていましたけど。
みんな、ホントに良くやっているなー、
って感心しました。

夕張市民の意識も変わってきているようですね。
村上先生がこの会で発言されていたのは。
以前は救急車の利用は、年間900件と、
住民の人口12000人にしたら、
べらぼうに多かったけど。
それが、100件以上減った
と、おっしゃっていましたが。
その後の懇親会では、
最近はもっともっと減っている。
という話をされていまいた。

200人くらい入れる規模の場所だったようですが。
結局、集まったのは議員医師を含めて100人弱かな?
それでも、来ている人達はみんな一生懸命、
話を聞いてくれているようでしたね。


地方議員医師の方達、何人かが発言されましたが。
個別の発言は書きませんが、
だいたいみんな言っている事は基本的には同じで、
医療というのは、限りある資源なんだ。
だから、使いすぎると医療という資源が枯渇して、
医療崩壊が起こってしまうよ。」

というような感じだったと思います。

そうならない為に大事なのは、
病気を予防して、病気にならないようにする事。
それが、結果的には医療費も減らして、
地方の為にも良いんだよ。

というような流れだったと思います。


奈良県の議員の方から、
「お腹(胃)が痛いって病院に行ったけど。
実は心筋梗塞で、助からなかった人がいる。
最初から大学病院に行けば、助かったかもしれないのに。
もっと教育が必要だ。」


というような話があって。
それをやったら、胸が痛い人は当然だけど、
お腹が痛いとも全員、時間外でも大学病院に
行かなければならない事になるし。
心筋梗塞っていうのは、歯が痛いとか、
肩が痛いとか、首が痛いとか。
いろんな症状がある場合もあるし。
糖尿病なんかの場合だったら、
症状がない人もいますからね。
ただ、だるいとか、そういうのも結構いるし。

そういう患者が全員、大学病院に行ったら、
それこそ医療が崩壊しちゃうよ、
っていう話なんですけどね。

誰か医者が発言しないかなー、と思っていたら、
村上先生が発言されて、
「それ全員やったら無理だから。
それより、タバコとか生活習慣を直さないと。」

とか、そんな話をされて。
村上先生、やっぱり話うまいなー、
と思って人ごとだと思って聞いていたんですけど。
その後に、循環器内科の私の方に話が来ました。

「循環器の有名な先生も来ていますから、是非」
って、突然の指名。
いや、全然有名じゃないし。
村上先生に、有名な先生って言われても(汗)

最初の方で、医師2人が司会の金子議員に指名されて。
その後、別の話になっていたようなので。
もう来ないかな、と思って心の準備をしておらず。
全然話す内容を考えてなかったので、
思っていた事の半分くらいしか
伝える事ができなかったのですが。

私の発言はおおざっぱに言うと、こんな感じ。


タバコを吸うと、心筋梗塞になる確率が、
吸っていない人の2倍くらいになります。
糖尿病高血圧、高脂血症(脂質異常症)も、
それぞれ2倍位になります。
だから、タバコを吸っていて、糖尿病があって、
血圧もあってコレステロールが高い人
は、
2倍x2倍x2倍x2倍=16倍位
心筋梗塞になる確率が高くなります。

実際に、世界的に有名な研究で、
タバコを吸っていて、糖尿病があって、
血圧もあってコレステロールが高い人は、
心筋梗塞には20倍位なりやすい
というデーターが出ています。

生活習慣病は、生活習慣を改善すれば、
一部は予防する事もできるし、
場合によっては治す事もできます。
だから、生活習慣を改善する、
という事は非常に大事です。

ただ、生活習慣をどんなに改善しても、
絶対にリスクはゼロにはならないんですよ。
心筋梗塞になる確率が、半分の半分
とかになったとしても。
どんなに頑張っても、確率はゼロにはなりません

予防医療というのは、病気になる確率を
できるだけ低くする医療
ですけど。
絶対に病気にならない、
というものではないんですよ。


医療は不確実なものですから、
どんなに頑張っても、
絶対にゼロにはならないんです


という話で、半分(笑)。
結構、長く話ましたね、私。

データーとかは、メルマガやブログでもそうだけど。
正確性よりもあくまでわかりやすさを重視して、
おおざっぱなデーターですけど。

生活習慣の話と、医療の不確実性の話
一緒にしてしまったので。
なんか、わかりにくくなってしまったかなー。


ちなみに、この奈良県の議員の方ですけど。
後で懇親会の時にお話しをしたのですが。
非常に意識の高い、知識もかなり持っている
方なんですよ。
その方でさえ、こういう事を言っているのですから。
やはり、教育というのは必要なんだな、
と思います。

それ以外にも、今回参加されていた議員の方達は、
非常に意識の高い人達ばかりで。
ホント、びっくりしました。

ただ、やはり医療というか医療現場の知識自体は、
非常に乏しいようなので。
そこは、こういう会を何回も開いて、
どんどん勉強していってもらいたいな、
とは思います。


んで、最初の方に、
医療崩壊を食い止める為に、コンビニ救急をなくそう」
という話は出ていたのですけどね。

どなたか(議員?)が発言された、
コンビニ救急抑制の話で。
「それをやると、受診抑制が起こるんじゃないか。
(本当に受診が必要な患者の)
受診抑制をなくすためには、どうしたら良いの?」


という様な発言があったのですが。
誰も答えておられなかったようなので。
私が答えて良いのかわかんないですけど。
何となく、流れで答えてしまいました。


時間外に来る患者の半分以上。
多分、8割くらいが軽症の患者
です。
そういう患者は安心を求めて、
病院(診療所)に来るんです。


病院(診療所)に来て、お医者さんに、
大丈夫って言って貰いたいから来てるんですよ。
でも、全員がそれをやったら医療は崩壊します。

安心を得るのが目的ならば、
他の方法でも、安心を得られれば良いんですよ。


先ほど、柏原の話が出ましたが。
「県立柏民病院の小児科医を守る会」
というのは、ただ小児科の医者を守る為に、
病院にかかるな、と言っている訳ではありません。

子供がいる母親というのは、時間外でも
子供が心配だから病院にかかりたいんです。
だから、お母さん達を安心させるために、
熱がどのくらいでも、元気だったら、
家で1日ゆっくり休みなさい、とか。
熱が出ていて、ぐったりしているようだったら、
すぐに病院に来て下さいとか。
そういう、一般人でもわかるような、
「フローチャート」っていうのがあるんですよ。
子供用だけですけどね。

参照:「県立柏原病院の小児科を守る会」

そういうのを住民みんなに配って。
すぐに病院に来る前に、まずはそれを見て。
それでもわからない、心配だったら、
病院(診療所)に来れば良いんです。

安心するだけなら、必ずしも病院(診療所)
に来る必要はないんです。

8割の人には、それをやってもらうべきなんです。
それが、教育です。

というような感じの話をしたと思います。
録音したわけじゃないんで、
結構違うかもしれませんが(笑)
まあ、そんな感じでしょう。


その後の懇親会では話した事なんですけど。

更に言うと、
夜中とか休日とか。
いわゆる時間外に熱が出たとか。
急に症状が出た場合。


○第一段階
まずは柏原のような「フローチャート」を見る。

○第二段階
当番病院(診療所)に電話して、
担当の看護師に相談する。


○第三段階
それでもわからないとか、
病院(診療所)に来た方が良い、
と判断した場合に、病院(診療所)に来て貰う。
救急車の方が良いと判断したら、
救急車で来て貰う。



という、3つの段階を踏むのが、
より良い方法かな、と個人的には思います。

県立柏原病院では、フローチャートを作って。
もちろん、お母さん達の教育をしてですけど。
結果的に、救急車の台数が1/3に減っています。

「フローチャート」というのは、
熱が出たらどうする、とか。
咳が出たら、下痢だったら。

とか、医学的な話ばかりなので。
もちろん、それを作るには地元の医師の協力
欠かせないのですが。
夕張医師は、喜んで協力してくれるでしょうし。
他の地域の医師も、地域の住民が
こういう事をやって欲しい、と言えば、
みんな協力してくれますよ。

医療という有限な資源を有効に使う為に
是非全国でやってもらいたい方法ですね。

あ、これ。
急に症状が出た場合って書いていますけど。
3日前から、腹が痛くて変わらない。
とか、そういうので時間外に病院(診療所)に来る。
っていうのは、問題外ですからね。
前から痛くて我慢していたけど、
どんどん強くなって我慢できなくて来た。
っていうのは、しょうがないですけど。


個人的には、ブログで以前から書いている、
時間外受診の割増料金(重症患者割引)とか。
救急車の有料化と平行して、
両方いっぺんにやっていくのが、
より効率が良い
かな、とは思います。

参照:『時間外重症患者割引制度』
『救急車でも非常識な要請』


こういう事を実際にできれば、
本当に医療が必要な患者の受診抑制は起きずに、
ただ安心を求める為の、時間外診療。

いわゆる「コンビニ救急」を、
抑制する事ができて。
最終的には、地域医療を崩壊から救えるんじゃないかなー。


ちょっと行くのが大変でしたが。
その後の懇親会にも参加させていただいて、
非常に有意義な時間を過ごせました。

やはり、こういう会に参加されている人は、
皆さん意識の高い人達ばかりで。
いろんな考えを聞けて、非常に勉強になりました。
それに、やっぱりみんな考えている事は、
似たようなもんなんだなー。
っていう事も、しみじみ思いましたね。

夕張の先生達や技師さんも
何故か私のブログやメルマガを読んで
勉強している、っていう話を聞いて。
ホント、すっごい嬉しかったですわ。

村上スキーム」に村上先生のサインも貰ったし(笑)


ああ、ちなみに。
私のブログだから、私の発言や考えを中心に
書いていますけどね。
実際に話をしたのは、ほんの5分かそこらだからね。
なんか、これ読んでいると私の独壇場に見えますが(笑)

私の他にも、もっともっと勉強になる
話をしてくれた人達が、たくさんいますからね。
わかってると思うけど。

そして、最後に「夕張アピール
というのを採択して終了しました。

夕張アピール」は、アンフェタミン先生のブログ
『第2回地域医療を守る地方議員連盟会合:夕張アピール採択』
を読んでね!

多分、私以外の発言内容とか、そういうのは、
後で彼が書くと思うので。
それも読んでみてね!
『地方議連:地域の特色を生かした議連を!』

そいと、その時の写真が、
谷一之、下川町議会議員のブログに、
アップされていますよ。
『ザ・北海道の時代』

あ、ここには私の写真は出ていないので。
あしからず。


村上先生の話がもっと聞きたい人は、これ読んでね!
→ 村上スキーム 地域医療再生の方程式


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この記事へのコメント
一人ひとりの努力が……
Dr.I様>
 人・モノ・金、全てが不足している以上、やはり、一人ひとりが努力して意識を高めていくしかないですね。
 ただし、厚生労働省と財務省が「金額ありき」で社会保障費の抑制を決めたのを見ると、先行きは暗いですが……。
Lich[URL] 2008/07/29(火) 08:43 [EDIT]
>Lichさん
個人の意識を高めていく、っていうのが医療崩壊のキーワードになっていくかな、と私も思っていますよ。
ただ、厚労省というか財務省が、ちょっとね。
Dr.I[URL] 2008/07/29(火) 23:06 [EDIT]
改めて感動です
I先生ありがとうございました。

非常に素晴らしい集まりになれました、何よりも今自分達が行っている事に間違いが無い事に確信がもてます。

どうぞこれからも皆様のご支援心よりお願いいたします、現場の事を知り、現場の問題を何とか解決できるように住民に伝え、理事者に提言する。

これこそが議員の使命です。

一緒に頑張りましょう!
青年部長[URL] 2008/07/30(水) 15:12 [EDIT]
>青年部長さん
いえいえ。
こちらこそ、非常に有意義な時間を過ごせて良かったです。
現場の事を知るっていうことは、非常に大事ですので。
これからも期待していますよ。
Dr.I[URL] 2008/07/30(水) 23:25 [EDIT]

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