現役医師、循環器内科医(Dr. I)が医療について、詳しくわかりやすく解説するブログ。 引用、転載は自由ですが、その際は必ず引用元を明記して下さいね!
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加古川心筋梗塞事件、余波
医療裁判が、日本の医療崩壊の一因である。
という事は、以前からこのブログでも指摘していますが。
最近の医療裁判の中で、最も破壊力のあったのは、
皆さんご存じの「福島大野病院事件」でしょう。

福島大野病院事件は、ついこの間、
刑事事件での無罪は確定しましたが。
この事件で、加藤医師の逮捕により、
全国で産科医療の崩壊が加速しました。

医療崩壊を加速した医療裁判東の横綱
福島大野病院事件」とすると、
西の横綱は、「加古川心筋梗塞事件
ではないでしょうか。

奈良大淀病院事件」っていうのも、
最近の医療崩壊を加速度的に進めたもんだけど。
あれは、医療裁判のせい、っていうよりは、
医療報道」のせいですから。
個人的には、医療裁判の西の横綱は、
加古川心筋梗塞事件」だと思っています。


私は、循環器内科医なので。
心臓心筋梗塞は、専門なんですよ。
だから、「加古川心筋梗塞事件」に関しては、
このブログでも特に力を入れて書いてきました。

多分、Yosyan先生「新小児科医のつぶやき」
と並んで、日本で一、二を争うくらい、
詳しく書いてきたと思います。
Yosyan先生は、今日も記事を書いていますね。
「日曜怒話」

偶然、内部関係者からコメントをいただいて、
判決文が出る前に、その時の詳細を知ることが出来て。
その時に書いた記事、
「加古川、心筋梗塞事件。衝撃の事実」
は、かなり反響が大きく。
その後の判決文と比較しても、この内部情報が
正しかった、という事は言えたと思います。

「加古川心筋梗塞事件、判決文」
「加古川心筋梗塞事件、判決文2」


加古川心筋梗塞事件っていうのは、簡単に言うと。

病院にも人手が少ない日曜日に、
胸が痛いって人が来て。
いろいろ検査したら、心筋梗塞らしい
という事がわかったので。
循環器内科医もいない、心臓カテーテル検査、治療
もできない加古川市民病院では、対応できない


それならば、他の病院に転送しよう。
という事で、近隣の5病院に電話をかけたけど、
なかなか転送先が決まらなくて。
転送先が決まるまでに、一時間ちょっとかかった


その間に行った保存治療には、全く問題がなかった。
心筋梗塞と診断して、転送するまでに約一時間かかった。
心筋梗塞の診断後、転送まで一時間という時間は、
一般的な医療水準から考えると平均的な時間なので。
それに関しても、全く問題がない。

にも関わらず、いろんな病院に転送を依頼して、
結果的に転送が少し遅れて、その間に患者が亡くなった。
そしたら、全部病院の責任です。

という判決が出てしまったのですよ。


医師が100人いれば99人は問題のない医療」、
と思われる医療行為をしたのに。
なかなか転送先が決まらなくて、
転送先が決まるまでに、一時間ちょっとかかった。
なのに、裁判では、ほぼ全て患者側の訴えが認められて、
病院側は完全敗訴して、賠償金を払った。

しかも、加古川市民病院(加古川市)は控訴をしなかったので、
この判決が確定してしまった。
というのが「加古川心筋梗塞事件」の概要です。


そんな判決が出てしまった後。
神戸新聞によると、やはり現場では救急医療
支障が出ているようですね。



加古川市民病院、急患死亡で敗訴 
現場に波紋今も 


昨年四月に言い渡された一つの判決が
医療現場に波紋を広げている。

加古川市の加古川市民病院が、
心筋梗塞(しんきんこうそく)の急患に
適切な対応をせず死亡させたとして、
約三千九百万円の損害賠償を命じられた神戸地裁判決。

医師の手薄な休日の急患だったことから、
病院関係者は「医師不足の中で
患者を受け入れている現状を考慮していない」と反発。

救急患者の受け入れに慎重になる動きも出ている。
一方、医療訴訟に詳しい弁護士は
「過剰反応」と指摘する。
(東播支社・田中伸明)


「判決を理由に、救急患者の受け入れを
断る医療機関は多い」-。
姫路市消防局の担当者は打ち明ける。

以前は、専門的な治療ができなくても
重症患者を受け入れ、転送先が決まるまで
応急処置をしていた医療機関が、
受け入れに慎重になる例が目立つという。

姫路市では昨年十二月、十七病院から
受け入れを断られた救急患者が死亡した。
担当者は「判決が、救急事情悪化の
背景になったことは否めない」とする。

裁判は、心筋梗塞への専門的な治療体制を持たない
加古川市民病院の転送義務が争点になった。

二〇〇三年三月三十日、男性患者=当時(64)=が
息苦しさを訴え、以前かかっていた同病院を受診。
対応した医師心筋梗塞を強く疑い、
血管を拡張するための点滴をしたが回復せず、
来院の約一時間半後に他病院へ転送依頼。
しかし、その後容体が悪化、死亡した。

遺族側は、重症の心筋梗塞には管状の
「カテーテル」を挿入する治療法が欠かせないと指摘。
この治療ができない同病院は、ほかの医療機関へ
男性を速やかに転送すべきだったのに、
その義務を怠った-と主張した。

一方、病院側は、当日は日曜で他病院の
受け入れ態勢も十分ではなく、病院間の
協力態勢も確立されていなかったなどとし、
早急な転送は困難だった-とした。

判決は、患者側の主張を全面的に認め、
訴額全額の支払いを命じた。
病院側は控訴しなかった。

     ◆

判決は、病院の勤務医らの反発を呼んだ。

交通事故の重症患者を受け入れている
姫路市内の病院の救急担当医は
「自分たちで対応できる状態かどうか、
受け入れてみないと分からない。
能力を超えた場合、近隣で転送先を探すのは難しい」
と強調する。

山間部の小規模病院の医師
「専門的な治療体制がより求められるようになれば、
可能な限り患者を受け入れる
へき地の診療が成り立たなくなる」と話す。

近年の公立病院などでの医師不足は、
訴訟や刑事訴追の増加が一因とされる。

加古川市民病院の判決は、福島県立大野病院の
産婦人科医逮捕などと同様、医師向けのブログなどで
「不当」との批判が相次いでいる。

こうした動きに対し、患者の立場で
医療訴訟を多く手がけてきた泉公一弁護士は
「判決は、証拠に基づいた極めて妥当な内容。
医療側の過剰反応ではないか」と指摘する。

医療現場の事情についても判決は
十分考慮した上で、病院側の過失を認定している。
内容を精査せず、患者との対立をあおるのは
医療不信を招く」と冷静な対応を求めている。


患者死亡までの経過

2003年3月30日正午ごろ
 男性が息苦しさや嘔吐などを訴える
 午後0時15分ごろ 加古川市民病院に自家用車で来院。
 その後、心電図で心筋梗塞の疑い
同1時3分 血管拡張薬の点滴開始
同1時50分 高砂市民病院に転送受け入れ要請
同2時15分 同病院から受け入れ了承の連絡
同2時25分 救急車が到着
同2時30分 男性の容体が悪化し、心停止状態に
同3時36分 死亡確認


「神戸新聞 2008/09/20」



非常に残念な事なんですけど。
やむを得ないでしょうね、これは。

だって、
医師が100人いれば99人は問題のない医療」、
と思われる医療行為をして。
一生懸命に患者を受け入れてくれる病院を探したのに、
見つかるまでに時間がかかったら、
裁判では、完全敗訴しちゃうんですよ。

それだったら、裁判で訴えられて負けないためには、
「救急医療を行わない」
「救急患者を受け入れない」

という事しか、出来ないでしょ。


医療訴訟を多く手がけてきた泉公一弁護士は
「判決は、証拠に基づいた極めて妥当な内容。
医療側の過剰反応ではないか」と指摘する。

医療現場の事情についても判決は
十分考慮した上で、病院側の過失を認定している。
内容を精査せず、患者との対立をあおるのは
医療不信を招く」と冷静な対応を求めている。



「じゃあ、どこまでの医療だったら大丈夫なんですか?」
って、この弁護士の先生に聞いてみたいですね、是非。

加古川心筋梗塞事件で、患者を受け入れた医師は、
外の病院から当直に来た、5年目の消化器内科医です。

この医師が行った治療は、
循環器内科医の立場で、後からみたら、
100点満点の治療ではないですよ、もちろん。

5年目の消化器内科医で、循環器専門の医師
後からみても100点満点の治療が出来るなら、
そもそも、専門医の意味なんてないですからね。

循環器内科医が後からみても、合格点の治療
という意味です。

そういう治療をして、医師が100人いたら、
99人は問題ないであろう、という治療をした

そして患者を受け入れてくれる病院を見つけるまでに、
時間がかかった。

それで、裁判で訴えられて負けた訳ですから。

泉公一弁護士は、どういう治療なら
裁判で負けない、って言ってくれるのでしょうねー。
非常に興味があります。

病院を探すのに時間がかかったら、
それは病院とか医者の責任。
とでも言うんでしょうかねー。

>内容を精査せず、患者との対立をあおるのは
医療不信を招く


少なくとも、私は循環器内科が専門で、
判決文も何度も読み込んで。
専門家の目で精査したつもりですが。
読めば読むほど、納得がいかない判決ですよ、これ。

しかも、患者との対立をあおっている訳ではないですよ。
私を含め、多くの医師医師ブロガーは。

むしろ、こんな判決の後に、
>医療側の過剰反応

という発言をしたら、医療側が医療裁判に
不信感を持つ
ような気がしますけどねー。


あ、ちなみにこのブログは、医師循環器内科医
が書いている、いわゆる医師ブログですけど。
医師向けのブログではなく、一般人向けです。
大勢の医師にも読んでいただいていますけどね。


加古川心筋梗塞事件は、神戸新聞にも書いてある通り、
不当判決」、「トンデモ判決」だと思いますが。

この裁判には医療側にも問題があります。

具体的には、こんなとんでもない判決が出ているのに、
控訴しなかった加古川市民病院(加古川市)

そのおかげで、こんなトンデモ判決が「確定
しちゃいましたからね。
控訴して、高裁で覆ったのであれば、
こんな萎縮医療が起きなかった可能性もありますから。
加古川市民病院(加古川市)は、
神戸近辺の医療崩壊を招いた一因
と言えるでしょう。

それと、福島大野病院事件でもそうだったんだけど。
加古川心筋梗塞事件でも、医師に過失はない
って保険会社は言っているんですよ。
だって、医師100人いたら99人は過失無し。
っていう医療なんですからね。

だから、裁判になって賠償金を払え、
っていう判決が出ないと、保険金が出ない

という事になっちゃっているんですね。

そういう、医療側の問題、というのも
この裁判でも問題になっているという面もあります。


こんな判決が出るようであれば、
今後も、医療裁判が原因の、
萎縮医療、防衛医療は進みますし。
それによって、日本の医療崩壊は進みます。


これは、対立をあおっている訳でも何でもなく、
事実」です。



この裁判官がいかに医療の事をわかっていなくて、
むちゃくちゃな論理展開をしているのか。
っていうのは、
循環器専門医が内容を精査して書いた記事
「加古川心筋梗塞事件、判決文3」
「加古川心筋梗塞事件、判決文4」
これを読めばわかりますから。
是非読んでみて下さいね!

医学用語の解説については、
「加古川、心筋梗塞事件」
「加古川、心筋梗塞事件2」
なんかも読んで、参考にしてね!


心筋梗塞になりたくない人は、
これを読んで予防してね!
→ 「日本一わかりやすい!「糖尿病」
→ 日本一わかりやすい!「高血圧」


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この記事へのコメント
当然の……
Dr.I様>
 ある意味、当然の帰結ですよね。
 法が規定する水準を満たすことが不可能だから、サービスが提供されなくなった、というだけですからね。これはもう、立法がサービス基準について新法を制定しない限り、医療は崩壊するのは確定ですね、悲しいことですが……。
Lich[URL] 2008/09/21(日) 22:33 [EDIT]
奈良心タンポナーデも…。
ウチが作っている「救急受け入れ問題FAQ」の中にもあるんですが、「奈良心タンポナーデ」の判決もアレでしたね…。
http://punigo.jugem.jp/?eid=447

「十分な設備が無い状態で患者を受け入れてはならない」「専門外の患者は受け入れてはいけない」と司法が決めしまっているのに、「受け入れ不能」で死者が出た際には「ベッドが無い、医者が専門外なんて、言い訳にならない」とか言ってる人間が大勢いるし…。

じゃあどないせーっちゅーねん、みたいな。
都筑てんが[URL] 2008/09/22(月) 04:24 [EDIT]
m3ブログでは、ときどきコメントさせていただいています。
総合病院勤務の現役の循環器内科医です(いちおう、部長)。
仕事から立去る気も、毛頭ありません。
循環器内科医として、病院勤務医を続ける価値はあると思うので。

TPAを(全身)投与していたら、どうだったか、っていう疑問があります。投与できない状況や既往歴があったのかもしれません。欧米では、PCIの前のTPA投与は認められていますよね。
仮に死亡したとしても、PCIのできない病院から、できる病院へ転送前にできることはした、という証明になります。
それなら、勝てたかも、やっぱり負けたかも、あとの祭りですね。

カルテに転送のやり取りや治療の記載がなかったことが、敗訴の一番の原因だったのかもしれません。

わたしの病院は、PCIのできない病院からのACSの患者の転送を受け入れていますし、現実問題として、胸痛の患者をすべて最初からPCIのできる病院で受け入れることは、物理的に不可能です。
2次救急の病院で、診断をつけてから、送ってもらうことに何の依存もありませんし、欧米各国もそういう体制のはずです。
鶴亀松五郎[URL] 2008/09/22(月) 19:09 [EDIT]
>Lichさん
まあ、しょうがないですかね。
過剰反応、って言われたって、それ以外に方法がないんだから。
Dr.I[URL] 2008/09/22(月) 20:40 [EDIT]
>都筑てんがさん
奈良心タンポナーデ事件も、救急医療崩壊を加速させましたね。
あれも、西の横綱でしょうかねー。

マスコミでなんと批判されようが、それで賠償金を払わされる事はないので。
やはり、患者を受け入れないという選択肢しかないんだと思います。
Dr.I[URL] 2008/09/22(月) 20:42 [EDIT]
>鶴亀松五郎先生
あ、こちらには初めてかもしれませんね。

TPAを(全身)投与という選択肢も、もちろんあるんだとは思いますが。
受け入れる病院によっては、嫌がるところもありますからねー。
出血の合併症、多いし。
今回の件も、すんなり受け入れ先が決まったのであれば、TPAを使う必要のない症例なんだと思います。

でも、受け入れ先が決まるまで、どのくらい時間がかかるかは、わからないですから。

Dr.I[URL] 2008/09/22(月) 20:45 [EDIT]
加古川心筋梗塞事件についての気持ちは同意してあげるから、去年の10月2日の記事「医師が侮辱罪2」をはやく消しなよ。東京新聞や去年の論座12月号でこの記事が患者を中傷してるって取り上げられて叩かれたんだから。後でDrI先生がこれに関して訴えられたとしても消しておけば言い訳ができるかもしれないから。
ウロ医[URL] 2008/09/23(火) 06:02 [EDIT]
>ウロ医先生
ご指摘、ありがとうございます。

一応、記事の最後に、誹謗中傷の意図はない。
っていう事は付け加えました。
正式に削除依頼があれば、検討の余地はあるとは思いますが。
今のところ、どこが中傷なのか、はっきりわからないので。
具体的な指摘があれば、その時に考えます。
Dr.I[URL] 2008/09/23(火) 17:15 [EDIT]
特殊な世界に居るのでは?
貴ブログの主張は少しおかしいと思います。
「『医師が100人いれば99人は問題のない医療だ』、と思われる医療行為をして・・・裁判で訴えられて負けないためには、『救急医療を行わない』『救急患者を受け入れない』という事しか、出来ないでしょ。」と書かれていますが、一般社会では、このような場合、雇用、勤務体制、連絡体制と連絡網などを見直し、その改善や整備を行います。
ブログを読むと他病院に順番に電話をしているようですが、この病院に電話は一台しかなく、電話する人は担当医に限られ、救急車は搬送先が決るまで来ないのですか。そうであるならば、その体制を早急に立て直すことが当面の解決すべき問題ではないでしょうか。
医療過誤、医療事故、医療保障、医療裁判も夫々問題を抱えていますが、個別に解決すべき問題だと思います。
chengguang[URL] 2008/09/23(火) 17:42 [EDIT]
あの……
chengguang様>
 おっしゃることはごもっともですが、このブログのほかの記事にも書かれている通り、現状の体制では、医療機関に「人・モノ・金」がない以上、そういった体制の整備は出来ない状況です。そうした現状を無視して「体制を整備するべき」というのは少々酷ではないでしょうか。
Lich[URL] 2008/09/23(火) 18:41 [EDIT]
>ブログを読むと他病院に順番に電話をしているようですが、この病院に電話は一台しかなく、電話する人は担当医に限られ、救急車は搬送先が決るまで来ないのですか。そうであるならば、その体制を早急に立て直すことが当面の解決すべき問題ではないでしょうか。


その主張はきわめて正しいです。

正しいのですが、Lich様の言うとおり、それは「机上の空論」です。

医療現場は、もう、gdgdなんですけん。

akaagama[URL] 2008/09/23(火) 19:45 [EDIT]
>電話する人は担当医に限られ、救急車は搬送先が決るまで来ないのですか。

私は、急性心筋梗塞の患者を2次救急の病院から受け入れる立場の総合病院の循環器内科医です。
医師歴20年以上で、ずっと急性期病院に勤務しています。

患者を他の病院に転送する場合、患者の病状を転送(希望)先の担当医に説明するのは患者を診療した医師の役割です。
電話が何台あろうと、説明するのは診療した医師は一人。
患者の容態を間近で観察しながら、電話をします。
救急外来なら、そこにある電話で、入院中の患者なら病棟の電話で、担当医が連絡します。

転送先が決まってから、救急車を呼ぶのも当たり前のことで、先に救急車を呼んで、救急隊に捜させることもありません。転送先(受け入れ先)が決まらなければ、救急隊は動きようがないのです。
これは、全国共通、いや、世界共通の救急車の患者搬送システムです。

場合によっては、その場に居合わせた別の医師が、手伝って転送先を探しますが、その場合も患者から離れずに、電話で依頼するのも同じです。

特に休日だったので、医師の数も少なく、対応に苦労したのが手に取るようにわかります。

欧米の臨床研究でも、祝祭日に発症した急性心筋梗塞の予後が不良(死亡率が高い)であることが、知られています。

病院のシステムの問題ではなく、入院前に死亡率の高い急性心筋梗塞の患者がいて、転送依頼した病院が、どこも急性心筋梗塞の患者を受け入れられるキャパシティーがなかっただけのこと。たまたま、受け入れてくれた病院で、死亡した・・・急性心筋梗塞とはそういう病気です。

急性心筋梗塞の患者が、原疾患の重篤度からくる、ごく当たり前の経過で死亡したことが、裁判になって、敗訴するのは、驚くべきことです。



鶴亀松五郎[URL] 2008/09/23(火) 20:54 [EDIT]
>chengguangさん
おっしゃる通り。
そういう体制の見直しも、もちろん必要だと思いますし。
そうすべきだと思います。
それには、医師の数も足りないし、医療費も足りないんですよ。
医療従事者の数もです。

だから、医師の数や医療従事者の数を増やしましょう。
医療費も増やしましょう、というのが私の主張です。

それも出来ない状態であれば、萎縮医療をするしかない、と言っているんですよ。
医者っていうのは、患者の命を助けたくて医者になってるんですよ、みんな。
だから、やりたくて萎縮医療をしたり、患者を断る人なんかいないんですよ。

Dr.I[URL] 2008/09/23(火) 22:03 [EDIT]
>Lichさん
まったくおっしゃる通りですわ。
Dr.I[URL] 2008/09/23(火) 22:04 [EDIT]
>akaagama先生
そういう体制を作って欲しい、という事は、医療関係者はずっと言っている事なんですが。
それができていなから、結果的にこうなってしまった。
というのが事実なんだと思います。
Dr.I[URL] 2008/09/23(火) 22:07 [EDIT]
>鶴亀松五郎先生
詳細な説明、ありがとうございました。
私が付け加える事は、なさそうですね。
Dr.I[URL] 2008/09/23(火) 22:08 [EDIT]
Re:特殊な世界に居るのでは?
ご返答有難うございます。私のコメントに対しての皆様の説明を纏めると、(1)現状の病院では、人、金、物が不足している、(2)患者を他の病院に転送する場合、担当医が患者の病状を転送(希望)先の専門医に説明する、(3)転送先が決まってから救急車を呼ぶのが常識、(4)死亡率の高い急性心筋梗塞の患者だった、ということになるかと思います。
私見を申し上げれば、(1)は病院経営の問題です。それが業務運営に支障を与えているなら、改善策を求めるなり、提案されるなりすべきです。急患の手配とは別問題なのは申し上げるまでもありません。(2)は、これが急患の受け入れの判断基準なら問題だと思います。急患を受容れてもらえるか否かを確認するのに、先ず担当医が相手の専門医に直接電話しないと相手が相手にしてくれない。その上、担当医が患者の病名、実施処置、現在の細かい容態を一通り説明し終わらないと、専門医は受容れるか否かの判断が出来ない。そして全てを聴いた上で、今はキャパシティが無いので受け入れられないと返答する。本当ですか。これが本当なら医者の世界はこの世の外にあります。(3)患者第一と言われるなら、一刻を争う場合に『行き先を決めてから呼ぶのが常識』では済まないのではありませんか。忙しい救急車に配慮されているのでしょうが、手分けして搬送先を探した方が効率的なのは言うまでもありません。(4)は死亡原因としての病名ではないでしょうか。診察結果判明していたのなら、鶴亀松五郎さんの説明を読む限りでは、治療前に搬送手配すべきです。
chengguang[URL] 2008/09/24(水) 01:14 [EDIT]
う~ん……
chengguang様>
 お言葉を返すようですが……
 (1)に関しては、現状認識が不足しているように思います。なぜなら、医療は通常のサービス業と違いサービスの価格の決定権が病院側にありません。病院側がサービスを改善しようにもサービスの価格が上がらない(どころか年々低下している)現状で、どのような改善が行えるのか、逆にお聞きしたいぐらいですね。それとも、巷に横行しているような「食品偽装」のような「偽装医療」が蔓延してもいいということでしょうか?(2)については、それこそ、貴方の判断には問題がありませんか?「なんだかわからないが、とりあえず緊急だから適当に情報を聞いて受け入れろ」とでもおっしゃるのですか?普通、レスキュー活動でも110番通報でもそうそうですが「現場から詳細な情報を受けなければ動けない」のはむしろ常識だと思いますが。貴方の方こそ「不確実性のない気楽な世界」に生きておられるように感じますが。(3)ですが、貴方はよほど暇なお仕事をされているようですね。現在の救急車の搬送件数は「行き先は決まっていないが、とりあえず待機する」ことができるほど甘いものではありません。詳細情報を相手に伝えない段階で「とりあえず手分けして効率的に」とはいかないのは、むしろ当然ではないでしょうか。(4)前述と話が矛盾していませんか?一方で「とりあえずは手分けして電話をするほうが効率的だ」と言いつつ、一方では「そこまで危ないのなら、患者が苦しんでいようがどうしようが治療せずさっさと配送手続きするべきだ」というのでしょうか?あまりにも都合のいい論理ではありませんか?
Lich[URL] 2008/09/24(水) 01:40 [EDIT]
Dr.I先生のメルマガの読者です・・・
医療の知識が殆ど無い、
まだまだ勉強中の一般人ですが、
脇から少しだけ失礼します。

>chengguangさま

一点、恥を忍びまして、お伺いしたいことがございます。
もしも、お返事を頂けましたら、幸甚です。

クオリティ、アクセス、コストの3個のうち
『アクセスの制限は絶対駄目』〔←特に(2)(3)より〕
と、仰っているようにお見受けしました。
(↑違ってたらごめんなさい、捨て措いて下さい)

とすれば、クオリティの低下orコストの増加が起こりますけれど、
前者と後者のどちらを、より抑制すべきでしょうか。
家族に訊いてみたら、意見が結構割れたものでして・・・。

p.s.
『Dr.I先生』って変な呼び方になっちゃってるかな・・・。
単に『I先生』とした方がよかったのかな・・・。
というか、変なとこで悩んでスイマセンorz。
absurd[URL] 2008/09/24(水) 10:31 [EDIT]
ご意見をまた頂戴しましたが、此処はDr.Iさんのブログですので、個々の方への返答は遠慮させて戴きます。私自身はブログを持っていませんので、お持ちのブログ住所を書いて戴ければそちらに参ります。ただ、読み直して戴ければお解かりの通り、一般論を述べているのではありません。
個人的には、9月23日付けのDr.Iさんのブログの紹介記事にある『具体的な提案』が、早期に実現することを望んでいます。
chengguang[URL] 2008/09/24(水) 19:40 [EDIT]
>Dr.I
http://sokonisonnzaisuru.blog23.fc2.com/blog-entry-1296.html
にあるように略式命令について「9000円ですか。『刑事事件』って言うと、なんかすごい事のような気がしますが。しょせん『スピード違反』の『青キップ』というか、『赤キップ』なんかと同じようなもんですよ。」 と書き込む感覚の問題なんじゃない?まぁ論座にも確かに書いてあったし、読めば?
中傷かはともかく[URL] 2008/09/24(水) 20:38 [EDIT]
>chengguangさん
(1)に関しては、病院経営の問題かもしれませんが。
診療報酬の問題です。
日本の医療費は、欧米諸国の1/5位に抑えられているんですよ。
しかも、その料金は全国一一律で決まっていますから。
病院自体がどうこうできる問題ではないんですよ。

(2)急患を受容れてもらえるか否かを確認するのに、先ず担当医が相手の専門医に直接電話しないと相手が相手にしてくれない。その上、担当医が患者の病名、実施処置、現在の細かい容態を一通り説明し終わらないと、専門医は受容れるか否かの判断が出来ない。そして全てを聴いた上で、今はキャパシティが無いので受け入れられないと返答する。

本当です。
だって、受け入れられない病院に患者を連れて行って、命を助けられなかったら、どうするんですか。
そうならない為にも、確認する事は必須です。

(3)コンビニ救急とかでも問題になっていますけど。
救急車の数も、全然足りないんですよ。
搬送先も決めずに救急車を呼んで、そこに一時間救急車を置いてあって、それによって助からない患者がいる場合もありますから。
しかも、先に呼んだって、搬送先が決まるまで出発できないんですから。
そういう事は出来ません。

(4)治療とほぼ同時だと思いますよ。
点滴の指示とかを看護師に出して。
すぐに医者は電話をかけまくる、というのが心筋梗塞とか、緊急時のやり方ですから。



Dr.I[URL] 2008/09/24(水) 21:39 [EDIT]
>中傷かはともかくさん
先に、某新聞が、刑事事件で大変な事だ。
みたいな事を強調していたんで。
そこまで大変な事ではないよ、っていうつもりで。
売り言葉に買い言葉だったのかもしれませんね。
まあ、それ自体は中傷ではないので。
とりあえず、削除はせずにこのままにしときますわ。

削除、訂正依頼があれば、その時には考えますが。
Dr.I[URL] 2008/09/24(水) 21:43 [EDIT]
論点を拡散したくないので問題点に収束させようとしていたのですが、(1)に拘泥されており、それが諸悪の根源だとお考えのようです。また、コメントを読む限りどの解決策も見出していないようですので、手っ取り早い解決策として、民間経営会社の導入をお薦めします。
外国の病院例で申し上げますと、タイの民間大病院の多くが欧米資本の経営と伺っています。ISOも取得しており、最新技術を売りにしています。設備も新しく、内部も綺麗で、サービスも良く、金額はそれなりに高いですが、AIUなどの掛け捨て診療入院保険があり、使用できます。当然、報酬も多くなると思います。運動されてみては如何でしょうか。ただ、同業者間の競争と協力は今よりも更に熾烈に且つ効率的になりますので、皆様方にとって幸せかどうかは不明ですが。
chengguang[URL] 2008/09/25(木) 00:35 [EDIT]
あの……
chengguang様>
 論点を拡散させたくない、というか他の方の意見は聞きたくないとお見受けします。
 貴方は、どうしても「医療関係者はさぼっている」ということにしたいようですが、医療関係者は過酷な労働環境の中でできることはしています。その点で、医療関係者が「さぼっている」と主張したいのならば、その旨きちんと論証されてはいかがでしょうか?貴方のおっしゃる「一般社会」は私には「実際には存在しない貴方の頭の中にだけある社会」に見えますね。きちんと「実現可能な基準」を示してみて欲しいですね。
 あと、貴方の提案していらっしゃる「民間経営会社」ですが、当然アクセス制限がかかりますよね。アメリカ型の「救急車での搬送もお金がなければ受けられない」という形になる(タイなどはそうですね)と考えられますが、それでよい、ということでしょうか?そこのあたり、貴方が「医療に何を求めるか」というスタンスが見えないのですが……。
Lich[URL] 2008/09/25(木) 01:26 [EDIT]
Lich様
ブログをお持ちなら、そのURLを教えて戴けませんか。そこで議論したいと考えますので。
chengguang[URL] 2008/09/25(木) 14:39 [EDIT]
chengguang様
chengguang様>
 アドレスはURLの通りです。

Dr.I様>

 お騒がせして申し訳ありません。
Lich[URL] 2008/09/25(木) 17:09 [EDIT]
>chengguangさん
民間を入れるのは良いのですが。
それだと、完全に自由診療になりますね。
そうなれば、金持ちは得するんですが、必要な医療を受けられない人もたくさん出るので。
私も反対で。

Dr.I[URL] 2008/09/26(金) 20:27 [EDIT]
私もROMに戻りますです
Dr.I先生、お騒がせしました。

ただ、chengguangさまから、「ハイコストでok」とのレスをなんで頂けなかったのかしらん・・・。
一行書いていただければ、主張されたことの「理解」はできたはずなんですが。
日頃の行いが悪いからでしょうか。
absurd[URL] 2008/09/27(土) 04:03 [EDIT]

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?? | 2008/10/06(月) 12:52
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