現役医師、循環器内科医(Dr. I)が医療について、詳しくわかりやすく解説するブログ。 引用、転載は自由ですが、その際は必ず引用元を明記して下さいね!
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どうなる!後期高齢者医療制度
後期高齢者医療制度の話題が、
また新聞やテレビなどのマスコミを賑わしていますねー。

個人的には、天引きそのものには反対しませんけど。
最初に天引きする、って事にして、後からやめます。
って言っちゃったもんだから、保険料を払った人からも
天引きで二重に取るとか。
もう、めちゃくちゃですね。

選挙対策のために、後期高齢者医療制度を抜本的に見直す。
とか。
ちょっとだけ見直すとか。
舛添厚生労働大臣の独断専行とかもあって、
ひどい事になってますね。


『後期高齢者医療制度見直しか?』
の記事でも書いた通り、
私は以前から「後期高齢者医療制度」には反対です。

理由としては、大きく2つ。

1)、年齢によって、人の命を差別する制度だから。

2)、リスクの高い人達ばかりを集めているので、
  制度そのものがもたないと思うから。


私の考え自体は、現在も変わっていません。
それと同じような意見が、10/12の毎日新聞、
「発言席」
に載っていましたね。

日本福祉大学教授の仁木立先生の話です。



国民皆保険の理念に反する

後期高齢者医療制度は4月の開始から混乱続きで、
通常国会では野党4党の廃止法案が参院で可決された。
法案は継続審議となったが、
衆院が解散されれば廃案となる。

私は、後期高齢者医療制度を廃止し、
老人保険制度を復活する事に賛成である。


その理由は2つある。

第一の理由は、高齢者のみを一般の国民から切り離す制度は、
国民連帯という国民皆保険の根本理念にも、
リスクの高い加入者と低い加入者をプールして、
リスクを社会的にプールするという
社会保険の原則にも反しているからである。

これに比べると高齢者を従来の医療保険制度に
加入させたまま制度間の財政調整を行う
老人保健制度の方が、理念上も、
社会保険の設計技術上も、はるかに優れている。

国際的にみても、全国民対照の公的医療保険制度を
有する国で、高齢者を別建てにした制度を
有するのは日本だけである。


第二の理由は、後期高齢者医療制度の根拠法となっている
高齢者医療の確保に関する法律」に、
老人保健制度にはなかった厳しい
医療費抑制策が組み込まれているからである。

そもそも、同法は第一条の目的に
医療費の適正化を推進する」ことを掲げた、
初めての法律である。


医療費適正化という名の医療費抑制策」は四つある。

一つは、保険者がメタボリック症候群対策の目標を
達成できなかった場合、ペナルティーを科せられること。
および医療費適正化計画を達成できなかった都道府県は、
診療報酬点数の特例的引き下げの実施を求められること。
である。

短期的対策は2つある。
従来1割負担だった70~74歳の自己負担割合を
2割に引き上げること。
もう一つは、従来高齢者には禁止されていた
保険料未納者に対する保険証の取り上げが
導入されたことである。

ただし、中長期的対策は二つとも
医療費抑制効果がなく、「無駄の制度化」と言える。

後期高齢者医療制度の廃止を主張すると、
「対案を示さなければ無責任」との批判を受ける。
しかし、欠陥だらけの同制度に代えて、
相対的に優れている老人保健制度を復活することは
立派な対案である。

後期高齢者医療制度に固執する人々の弁明は
三つあるが、いずれも根拠に乏しい。

第一は、同制度が「10年も議論した後に、成立した」
との弁明だが、事実は逆である。
10年議論しても成案がまとまらなかったにもかかわらず、
05年9月の郵政選挙の圧勝により、
自民党内で独裁的権力を確立した小泉純一郎首相の
鶴の一声で強引に成立したのである。
この点は、本紙(毎日)6月7日朝刊の
「一からわかる後期高齢者医療制度」でも紹介されている。


第二は「後期高齢者には独自な医療が必要だ」という弁明だが、
社会保障審議会「後期高齢者医療の診療報酬体系の骨子」は、
医療の基本的な内容は、74歳以下の者に対する
医療と連動しているもので、75歳以上であることを
持って大きく変わるものではない」と明言している。

舛添要一厚生労働相も、6月に
後期高齢者終末期相談支援料を凍結した際、
終末期を「年齢で区切ることはやめた方がよい」
と述べている。

第三は、「後期高齢者医療制度を作らないと
国民健康保険(国保)が破たんする」という弁明だが、
国保の財政が悪化したのは1984年の
健康保険法改正時に、国保への国庫負担を
大幅に切り下げたためであり、
それを復活するのが先決である。

参照:2008.10.12:毎日新聞「発言席」
『2008.10.12:ふじふじのフィルター』
「国民皆保険の理念に反する「後期高齢者医療制度」の
もう一つの目的は健保組合つぶし。そして「医療崩壊」へ。」



後期高齢者医療制度」という制度は、
このままいったら、国民健康保険(国保)が破綻するから。
後期高齢者医療費を減らしますよ。


という事で出来た制度です。

本文にも書いてある通り。

後期高齢者医療制度の根拠法となっている
高齢者医療の確保に関する法律」の第一条の目的に
医療費の適正化を推進する」ことを掲げた、


 医療費の適正化=医療費削減
って事ですよ、当然の事ながら。

医療には医療費がかかりますので。
 医療費を減らす=医療を減らす

という事とほとんど同じ意味です。

自民党の政治家や役人は、
後期高齢者医療制度に関しては、説明不足だった」
って言っていますけど。

 医療費削減=医療を受けさせない

ということですから。

極端な話、
「75歳以上の後期高齢者なんか、生きてる価値ないよ。
おまえらなんかより、土建屋や公務員の方が大切だから。
75歳以上の後期高齢者には、医療を受けさせないよ。」


という事ですわ。

「今までと同じ医療を受けられて、医療費を削減する」
なんて事は嘘八百です。

そんな話を何百回説明しても、誰も納得しませんよ。

「75歳以上の後期高齢者には、必要な医療も受けさせない。」

という事をきちんと説明して。
それでも国民が、
「それで良いよ。」
という判断をしたのであれば、
私は後期高齢者医療制度を続けても良いんじゃないかな。
と、思います。

でも、一切そんな説明していないでしょ。
自民党の政治家も役人も。

「今までと同じ医療は受けられるんだけど、
75歳以上は別の制度で、って事でなんとかうやむやに」

という感じですよね、いつも。

日本国民は、そんなのに騙されるほど馬鹿じゃないんですよ。

日本では1973年老人医療費が無料になって。
その後から、老人は病院にかかりすぎだ。
という事実はありますから。

必要もないのに、たくさん病院にかかっている人や、
高齢者でも、たくさんお金を持っている人からは、
もっと医療費を取る

という必要はあるかもしれません。
でも、それと、75歳という年齢で区切る
後期高齢者医療制度」。
というのは、全く別物ですからね。

二木先生がおっしゃられている通り、
老人保険制度を復活する。
という方が良いのかなー、と個人的には思います。


最後に、二木先生は

後期高齢者医療制度を作らないと
国民健康保険(国保)が破たんするという弁明だが、
国保の財政が悪化したのは1984年の
健康保険法改正時に、国保への国庫負担を
大幅に切り下げたためであり、
それを復活するのが先決である。


と、は書いておられますけど。

 国保への国庫負担=国民の税金

ですからね。
これをどうするのか、っていう問題は残ります。

もちろん、無駄な公共事業や公務員の数を減らす。
という事は必要だと思いますけど。
それだけで、本当に財源が確保できますかね。

そういうことは、当然やりながら。
それでも不十分であれば、「増税
という国民に痛みの伴う事をやらないと駄目なんですが。

選挙が近くなったら、またそれを言う人が減るんですよねー。

消費税でもなんでも、景気の良いときにしか
増税っていうのはできないもんなんだけど。
景気が良くなったら、法人税も増えるから、
このままでも赤字はなんとかなる。

っていう論調が出てきて、結局いつまで経っても
増税ができなくて、借金が増えていく。
という構図ですよね、ここ10数年の日本は。

そろそろ、その流れから脱却しなければならない時期に
来ていると思います。


高齢者の負担が増えて、けしからん」
「天引きはけしからん」

という論調でばかり、マスコミでは話題になっていますけど。

世界一と言われている、日本の医療を守るために。
世界に誇る国民皆保険を守るために。


国民が痛みを伴うことも受け入れなければいけない時期に、
そろそろなったと思うんですけどねー。


日本福祉大学教授、仁木立先生が書いた本は、こちら!
→ 医療改革―危機から希望へ

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この記事へのコメント
結局は……
Dr.I様>
 結局、政治家に「医療をどうするべきか」という青写真が全くなくて、財源の数字合わせしか念頭にないのが根本的問題でしょうね。もちろん、数字合わせもしないと結局は破綻する訳ですが、きちんと説明せずにそれだけを優先する姿勢、なんとかしてほしいものですが……
Lich[URL] 2008/10/14(火) 01:25 [EDIT]

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1300???å?
??å?????å????Ĥ  [つづきを読む]
???å? | 2008/10/20(月) 21:58
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