2004年度から、医師免許を取得した
新人医師に2年間の研修を義務付ける
「新医師臨床研修制度」が、
導入されました。
その前までも、ほとんどの医師は
義務ではないけれども、
自主的に研修を積んで
きちんとした医師になっていたんですけど。
「新医師臨床研修制度」では、
研修を義務化した、っていう事。
それと、すぐに専門に入っちゃう
医師が多いので、
2年間の間はいろんな科の事も勉強して、
総合的に患者を診る事が
できるようになってね。
って事で、2年間は専門以外の科、
内科、外科、小児科、産婦人科、精神科、
それに地域医療とかそんなのも全部。
短い場合は一ヶ月とかなんだけど、
一応全部廻ってね、っていう制度です。
2003年までは、研修医の給料って、
大学病院とかだと、月給10万円とか、
せいぜい20万円いくかどうか、とか。
その位だったんです。
都会だとそれだけでは暮らせないから、
研修医の間も、アルバイトで
他の病院に行ったり、健康診断とかに行ったりとか。
そういうのを、やっていました。
そんな風に、身分が不安定で
収入も少なくて、
他にアルバイトに行ったら、
きちんとした研修もできない。
っていう状態だったんですけど。
「新医師臨床研修制度」では、
最低限の収入を保証する替わりに、
アルバイトは禁止、って事になりました。
これは、非常に良かった点だと思います。
それと、今、一番問題に
なっているのは、
大学病院以外の病院にでも、研修医が
自由に研修に行けるようになった。
って事ですね。
これって、はっきり言って当たり前の事なんですが。
「医者は非常識」らしいですから。
今までは、そうではなかったんですけど、
あまり文句を言う人がいなかったんですよ。
医者っていうのは、大学の医学部で
6年勉強して、
その後になりますから。
だいたい、25歳とか、その位から始めて。
退職するのが60歳とか、
今なら65歳くらいかな。
開業したら定年はないから、
80歳とか90歳とか。
寿命が続くまでやる人もいるけど。
基本的には、だいたい40年とかそのくらい、
医師という職業を続けるわけですよ。
その40年間の中でもっとも大事なのが、
最初の2年とか5年位です。
最初にきちんと勉強して、
基礎体力というか
基礎的な患者の見かたとか、
勉強の仕方とか。
そういうのを学ぶことができれば、
その後に実力がつけば
それを応用すれば良いですから。
最初の数年、っていうのが
一番大事なんですよ。
これって、別に医学に限った事
ではないですけどね。
研修医としての2年間って言うのは、
最初の2年ですから。
その2年間で、その後の医師としての
自分の人生が決まってしまう、と言っても
過言ではありませんから。
当然、研修医は必死になって、
良い研修先を探します。
これ、当たり前ですね。
医学部以外でも、大学3,4年生が
必死になって
就職活動をするのと同じです。
んで、2010年度から
新人医師の研修制度が
見直されんですけど。
研修医の事なんか何も考えずに、
大学病院とか厚労省の都合で
改変されるってんで。
当事者の学生さん達が反対しています。
研修医“学徒出陣”に反対署名
医師養成の在り方を大学の枠を越えて考えようと
集まった全国の医学生でつくる
「医師のキャリアパスを
考える医学生の会」
(代表=川井未知子・東京女子医科大学医学部4年)は、
2010年度から見直される
新人医師の研修制度について、
「教育体制の整わない病院にも
未熟な医師を
強制的に配置し、国民が将来享受す
る医療の質の低下を招くもの」
などと反対した上で、
「都道府県別募集定員の上限設定」と
「病院別募集定員の設定」の
撤回を求める署名活動を開始した。
(新井裕充)
医師免許を取得した新人医師に
2年間の研修を義務付ける
「新医師臨床研修制度」は
2004年度から導入された。
しかし、研修先を
自由に選べるようになった結果、
研修医が大学に残らなくなり、
地方の病院に
医師を派遣していた
大学病院が関連病院から
医師を引き揚げ、
地方の病院が医師不足に
陥ったという問題点が指摘されていた。
このため、文部科学省と厚生労働省は
昨年9月から見直しに向けた
議論を進め、今年2月18日に
まとめた最終報告に、
研修医を医師不足の
地域に誘導できるような仕組み
(募集定員の調整)を盛り込んだ。
このような「医師不足を解消する」
という観点に軸足を置いた見直しに対し、
「良い医師を育てるという
視点が欠けている」
との批判もある。
そうした中、200人を超える
全国の医学生でつくる
「医師のキャリアパスを
考える医学生の会」は
2月27日、「臨床研修制度改定
における計画配置について」
と題する声明文を発表。
「医師不足問題と医師の教育は
切り離して扱うもの」
と指摘し、医師不足の地域に
研修医を派遣する
仕組みに対して、「地域医療の
支えとして望まれているのは
研修医ではなく、臨床経験豊富な
熟練の医師であるのだから、
研修医がよい教育を
受けることこそ、日本の将来の
医療を担う優秀な医師を育てるために
必要である」と主張している。
「教育環境の整っていると考える
病院を選んだ結果、
都会・地方にかかわらず
教育に力を入れている病院に
研修医が集まったのであり、
それに国が介入することは、
研修医からよい教育を
受ける機会を奪うものである」
と主張している。
その上で、「都道府県別募集定員の
上限設定と病院別募集定員
の設定の撤回」を求めている。
■“徒弟制度”から“お客さん扱い”へ
「新医師臨床研修制度」の導入は、
劣悪な労働環境にあった
研修医を解放させる
1960年代の“インターン闘争”の
延長線上にあるともいわれる。
基本的な診療能力
(プライマリ・ケア)の獲得を
目的とするものの、最大の狙いは、
医学部教授の権威を背景にした
「医局講座制」の解体だったとされる。
医師の人事権を
大学医局から奪い取り、
研修医の獲得を「自由競争」に委ねた
新制度により、教育制度や待遇面での
充実が図られ、研修医の質が向上したと
評価する声も多い。
もはや、従来のような
“徒弟制度”を望む声は少ない。
「2009/03/13:キャリアブレイン」
今の研修制度っていうのは、
自由競争です。
簡単に言うと。
病院が、研修医が
何人欲しいっていう事を、
勝手に言っているから。
実際に募集いている数っていうのは、
卒業生の1.3倍くらいあります。
これって、企業が勝手に
新入社員を募集するのと
同じなんですよね、簡単に言うと。
有効求人倍率 何倍、
とかってありますよね。
それに関しては、基本的には
誰も文句は言えません。
ただ、研修医を募集する病院
っていうのは、研修医を
指導できる病院じゃないとダメだから。
ある程度の規模があるとか、
患者や症例が多い、
指導医がきちんとそろっていて
指導体制がしっかり出来る。
とか、そういう事が出来ていないとダメです。
はっきり言ってしまうと、
今の基準はちょっと甘い。
だから、残念ながら研修医をきちんと
指導できないのに、
医者としての戦力として雇っている。
っていう病院もあります。
そういう病院の定員を減らしなさい。
っていう事はあっても良いと思うので。
研修医の定員削減に関しては、
私は反対しません。
というか、きちんと評価できる
のであれば、むしろ賛成です。
定員が少なくなって、
優秀な人から順に
良い研修病院を選べる、
って事になれば、
学生時代にもっと勉強しますからね。
そしたら、医学部の
学生のレベルが上がるんで。
悪いとは思いません。
ただ、今度の厚生労働省が
やろうとしている定員削減というか、
「都道府県別募集定員の上限設定」
には、私は反対です。
なぜか。
都道府県っていっても、
東京や大阪みたいに
とても大きいところもあるけど。
人口も少ないし、病院も少ない、
患者も少ない。
っていう所もあるんですよ。
例えば、この間このブログでも書いた
鳥取県。
もちろん、悪口を言うわけはありませんよ。
私は、詳しい話は知りませんけどね。
地元の方によると、
>鳥取県には大きい病院(500床以上)
ってのは大学のみだそうですよ。
他の病院はないんです。
「大学病院から救急撤退、鳥取」
という事ですけど。
鳥取で唯一の大病院から、
救急の人間が全員辞めた。
という事は、鳥取県では
救急の研修はできない訳ですよ。
今度の研修制度では
救急は必修じゃなくなる、
って事らしいですけどね。
鳥取県にも研修医の枠はありますよね。
でも、誰も鳥取県では研修をしたくない。
って言ったとしても、
誰かが行かなければならない。
って事になるんですよ。
それ、まずいでしょ。
本人も希望しないし、
救急の研修もできない所に、
国が強制的に行かせるって事ですよ。
やっぱ、それはいけないと思いますよ。
あくまでも鳥取県の一例ですけど、
これと似たような事は、
小さな都道府県なら
たくさんありますよ。
それと、もう一つ。
都道府県ごとに
研修医の上限を決める、
っていうのと同時に、
研修医を受け入れる事のできる
病院を規制する、
って事も同時にしています。
これが、大問題です。
具体的には、まだ決定ではないんだけど。
>救急医療を提供していること、
年間入院患者が3000人以上、
研修医5人に対して
指導医を1人以上、
臨床病理検討会(CPC)を
開催していること
ここらへんですね。
小さな病院でも、優秀な指導医がいて、
研修プログラムを工夫して
研修医に人気の病院。
っていうのも、いくつもあるんですよ。
でも、単純に
数とか規模で規制しちゃうと、
ユニークな実践で
地道に研修生を集めていた
中小病院は研修生を
募集できなくなります。
都道府県で研修医の上限を決めて、
中小の病院には研修医を行かせない。
っていう事になると、
結局は大学病院しか、
研修ができる病院が
なくなっちゃうんですよ。
特に小さな都道府県では。
これが問題なんです。
「新医師臨床研修制度」になって、
研修医の数が一番減ったのは、
大学病院です。
大学病院には、患者の数も多いし、
救急とか病理とかもあるけれども。
だからって、良い研修ができる
って訳では必ずしもないんですよ。
大学病院では良い研修が出来ない、
って研修医が判断したから。
大学病院は人気がなくて、
研修医の数が減ってるんですよ。
簡単に言うと、大学病院は
特殊な患者が多くて、
しかも雑用などの業務も多い。
だから、一般的な患者をたくさん診て勉強したい。
って研修医からは、人気がありません。
自由競争にしたんだから、
人気がない病院には
研修医は行かなくなる。
という当たり前の事が起こった。
でも、その原因を解決する事は
一切行わず、
大学病院に研修医を増やすために、
半強制的に規制を行う。
というのが、今度の
研修医制度のやり方ですわ。
こんなの、反対するに決まってるでしょ。
当事者の学生は。
この学生達の言う事が全部正しい、
とは思いませんけど。
やっぱり、おかしいですよね。
厚労省のやり方は。
研修医を指導できるかっていう「質」で、
研修医の枠、定員を決める。
っていう事であれば、
私は研修医の定員を
決める事自体には反対ではないですから。
研修を終えた研修医から話を聞いて。
この病院は研修病院としては不適切だ。
今の研修医の人数では多すぎる。
って事になって、
研修体制が十分かどうか
厚労省もきちんと監査をして。
それで、やっぱり不十分だって事になれば、
大学病院といえども
研修医の定員を削減する。
という形にすれば良いと思うんですがねー。
私が随分前からこのブログで
書いていますけど。
医師不足っていうのは、
研修医が不足してる、って訳じゃないですから。
学生さん達も言っていますけどね(笑)
地方に医師が不足していたって、
研修医がいたってどうしようもないんですからね。
地方に研修医を行かせたがっている、
医師会の偉い先生とか、
大学病院のベテランの医師を
派遣する方が100倍ましですよ。
「新医師臨床研修制度」を
作った目的は、
何でも診る事が出来る総合医を作る。
って事です。
その後に、医療訴訟が問題になって、
研修医に危険な手技を行わせるのが
難しくなった。
っていう状況とかもあるんですけどね。
数ヶ月おきに、いろんな科を廻って、
ただ見学するだけで、
総合医は養成出来たのか。
2年で期間は十分だったのか。
「新医師臨床研修制度」ってのは、
2年間だけだから。
2年経ったら大学病院にも人が戻って、
医師不足も解消する。って言う説もあったけど、
5年経ってそれはどうなったか、とか。
そういった、今の制度の
反省をするのが第一。
それもせずに、医師不足だから、
研修は2年から1年に減らします。
医師不足は大学病院に行く
医者が減ったのが原因だろう。
じゃあ、大学病院に行く人を
強制的に増やすために
都道府県別の定員を作ります。
って事じゃ、どう考えてもダメでしょ。
ちなみに、今の日本の
「新医師臨床研修制度」って、
実は1971年に
アメリカが廃止したものだそうですよ。
ある先生に聞いた事を、
ほぼそのまま引用させていただきます。
アメリカではそれまでは、内科半年、
外科数か月、他の診療科目を
数か月の研修(レジデンシー)制度だったが、
あまり効果がなく(要するに中途半端)、
1971年をもって打ち切りしにしたとの事です。
その代り、内科なら内科系だけ3年間トレーニングして
(内科専門医試験の関門あり)、
その後に数年間の
サブスペシャルティーのコースに進む
(たとえば、循環器専門医のような
専門医試験の関門あり)。
さらに人によっては
スーパーサブスペシャルティーの
コースを数年とる(例えば
循環器専門医取得後の
インターヴェンションの専門医)。
こうしてアメリカの専門医は
養成されていくそうです。
1971年に廃止された
トレーニング内容は医学生時代に
受けるようになったとのとこ。
欧州連合でも、医師の卒後教育の
プログラムは整備されています。
内科だけを見ても、日本の
新研修医制度のような
卒後教育はとっていなかった
と記憶しています。
家庭医になるような医師は、
昔のアメリカのような
プログラムで学ぶようですが。
別にアメリカを、欧州を絶賛している
わけではありませんが、
かの国では医学生が学ぶもの
とされていることを、
わざわざ卒後2年間の医師の
トレーニングに組み入れて、
家庭医を目指す医師以外にも
全員必修というのは、
どうなんでしょうか?
医師の卒前・卒後教育は欧米なみに
したほうが良いのでは?
と思うのですが。
日本との共通点は、研修医が
出身医大や地域に関係なく、
マッチングで全国募集の形態を
とっているということだけでしょうか。
医師臨床研修制度は厚生労働省、
医学部の大学の教育は文部科学省。
だから。
縦割り行政の日本じゃ、無理かなー。
大学病院について知りたい人は、これを読んでね!
→ 「大学病院のうそ」 ~現役医師(Dr. I)が暴露する、大学病院の秘密
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新人医師に2年間の研修を義務付ける
「新医師臨床研修制度」が、
導入されました。
その前までも、ほとんどの医師は
義務ではないけれども、
自主的に研修を積んで
きちんとした医師になっていたんですけど。
「新医師臨床研修制度」では、
研修を義務化した、っていう事。
それと、すぐに専門に入っちゃう
医師が多いので、
2年間の間はいろんな科の事も勉強して、
総合的に患者を診る事が
できるようになってね。
って事で、2年間は専門以外の科、
内科、外科、小児科、産婦人科、精神科、
それに地域医療とかそんなのも全部。
短い場合は一ヶ月とかなんだけど、
一応全部廻ってね、っていう制度です。
2003年までは、研修医の給料って、
大学病院とかだと、月給10万円とか、
せいぜい20万円いくかどうか、とか。
その位だったんです。
都会だとそれだけでは暮らせないから、
研修医の間も、アルバイトで
他の病院に行ったり、健康診断とかに行ったりとか。
そういうのを、やっていました。
そんな風に、身分が不安定で
収入も少なくて、
他にアルバイトに行ったら、
きちんとした研修もできない。
っていう状態だったんですけど。
「新医師臨床研修制度」では、
最低限の収入を保証する替わりに、
アルバイトは禁止、って事になりました。
これは、非常に良かった点だと思います。
それと、今、一番問題に
なっているのは、
大学病院以外の病院にでも、研修医が
自由に研修に行けるようになった。
って事ですね。
これって、はっきり言って当たり前の事なんですが。
「医者は非常識」らしいですから。
今までは、そうではなかったんですけど、
あまり文句を言う人がいなかったんですよ。
医者っていうのは、大学の医学部で
6年勉強して、
その後になりますから。
だいたい、25歳とか、その位から始めて。
退職するのが60歳とか、
今なら65歳くらいかな。
開業したら定年はないから、
80歳とか90歳とか。
寿命が続くまでやる人もいるけど。
基本的には、だいたい40年とかそのくらい、
医師という職業を続けるわけですよ。
その40年間の中でもっとも大事なのが、
最初の2年とか5年位です。
最初にきちんと勉強して、
基礎体力というか
基礎的な患者の見かたとか、
勉強の仕方とか。
そういうのを学ぶことができれば、
その後に実力がつけば
それを応用すれば良いですから。
最初の数年、っていうのが
一番大事なんですよ。
これって、別に医学に限った事
ではないですけどね。
研修医としての2年間って言うのは、
最初の2年ですから。
その2年間で、その後の医師としての
自分の人生が決まってしまう、と言っても
過言ではありませんから。
当然、研修医は必死になって、
良い研修先を探します。
これ、当たり前ですね。
医学部以外でも、大学3,4年生が
必死になって
就職活動をするのと同じです。
んで、2010年度から
新人医師の研修制度が
見直されんですけど。
研修医の事なんか何も考えずに、
大学病院とか厚労省の都合で
改変されるってんで。
当事者の学生さん達が反対しています。
研修医“学徒出陣”に反対署名
医師養成の在り方を大学の枠を越えて考えようと
集まった全国の医学生でつくる
「医師のキャリアパスを
考える医学生の会」
(代表=川井未知子・東京女子医科大学医学部4年)は、
2010年度から見直される
新人医師の研修制度について、
「教育体制の整わない病院にも
未熟な医師を
強制的に配置し、国民が将来享受す
る医療の質の低下を招くもの」
などと反対した上で、
「都道府県別募集定員の上限設定」と
「病院別募集定員の設定」の
撤回を求める署名活動を開始した。
(新井裕充)
医師免許を取得した新人医師に
2年間の研修を義務付ける
「新医師臨床研修制度」は
2004年度から導入された。
しかし、研修先を
自由に選べるようになった結果、
研修医が大学に残らなくなり、
地方の病院に
医師を派遣していた
大学病院が関連病院から
医師を引き揚げ、
地方の病院が医師不足に
陥ったという問題点が指摘されていた。
このため、文部科学省と厚生労働省は
昨年9月から見直しに向けた
議論を進め、今年2月18日に
まとめた最終報告に、
研修医を医師不足の
地域に誘導できるような仕組み
(募集定員の調整)を盛り込んだ。
このような「医師不足を解消する」
という観点に軸足を置いた見直しに対し、
「良い医師を育てるという
視点が欠けている」
との批判もある。
そうした中、200人を超える
全国の医学生でつくる
「医師のキャリアパスを
考える医学生の会」は
2月27日、「臨床研修制度改定
における計画配置について」
と題する声明文を発表。
「医師不足問題と医師の教育は
切り離して扱うもの」
と指摘し、医師不足の地域に
研修医を派遣する
仕組みに対して、「地域医療の
支えとして望まれているのは
研修医ではなく、臨床経験豊富な
熟練の医師であるのだから、
研修医がよい教育を
受けることこそ、日本の将来の
医療を担う優秀な医師を育てるために
必要である」と主張している。
「教育環境の整っていると考える
病院を選んだ結果、
都会・地方にかかわらず
教育に力を入れている病院に
研修医が集まったのであり、
それに国が介入することは、
研修医からよい教育を
受ける機会を奪うものである」
と主張している。
その上で、「都道府県別募集定員の
上限設定と病院別募集定員
の設定の撤回」を求めている。
■“徒弟制度”から“お客さん扱い”へ
「新医師臨床研修制度」の導入は、
劣悪な労働環境にあった
研修医を解放させる
1960年代の“インターン闘争”の
延長線上にあるともいわれる。
基本的な診療能力
(プライマリ・ケア)の獲得を
目的とするものの、最大の狙いは、
医学部教授の権威を背景にした
「医局講座制」の解体だったとされる。
医師の人事権を
大学医局から奪い取り、
研修医の獲得を「自由競争」に委ねた
新制度により、教育制度や待遇面での
充実が図られ、研修医の質が向上したと
評価する声も多い。
もはや、従来のような
“徒弟制度”を望む声は少ない。
「2009/03/13:キャリアブレイン」
今の研修制度っていうのは、
自由競争です。
簡単に言うと。
病院が、研修医が
何人欲しいっていう事を、
勝手に言っているから。
実際に募集いている数っていうのは、
卒業生の1.3倍くらいあります。
これって、企業が勝手に
新入社員を募集するのと
同じなんですよね、簡単に言うと。
有効求人倍率 何倍、
とかってありますよね。
それに関しては、基本的には
誰も文句は言えません。
ただ、研修医を募集する病院
っていうのは、研修医を
指導できる病院じゃないとダメだから。
ある程度の規模があるとか、
患者や症例が多い、
指導医がきちんとそろっていて
指導体制がしっかり出来る。
とか、そういう事が出来ていないとダメです。
はっきり言ってしまうと、
今の基準はちょっと甘い。
だから、残念ながら研修医をきちんと
指導できないのに、
医者としての戦力として雇っている。
っていう病院もあります。
そういう病院の定員を減らしなさい。
っていう事はあっても良いと思うので。
研修医の定員削減に関しては、
私は反対しません。
というか、きちんと評価できる
のであれば、むしろ賛成です。
定員が少なくなって、
優秀な人から順に
良い研修病院を選べる、
って事になれば、
学生時代にもっと勉強しますからね。
そしたら、医学部の
学生のレベルが上がるんで。
悪いとは思いません。
ただ、今度の厚生労働省が
やろうとしている定員削減というか、
「都道府県別募集定員の上限設定」
には、私は反対です。
なぜか。
都道府県っていっても、
東京や大阪みたいに
とても大きいところもあるけど。
人口も少ないし、病院も少ない、
患者も少ない。
っていう所もあるんですよ。
例えば、この間このブログでも書いた
鳥取県。
もちろん、悪口を言うわけはありませんよ。
私は、詳しい話は知りませんけどね。
地元の方によると、
>鳥取県には大きい病院(500床以上)
ってのは大学のみだそうですよ。
他の病院はないんです。
「大学病院から救急撤退、鳥取」
という事ですけど。
鳥取で唯一の大病院から、
救急の人間が全員辞めた。
という事は、鳥取県では
救急の研修はできない訳ですよ。
今度の研修制度では
救急は必修じゃなくなる、
って事らしいですけどね。
鳥取県にも研修医の枠はありますよね。
でも、誰も鳥取県では研修をしたくない。
って言ったとしても、
誰かが行かなければならない。
って事になるんですよ。
それ、まずいでしょ。
本人も希望しないし、
救急の研修もできない所に、
国が強制的に行かせるって事ですよ。
やっぱ、それはいけないと思いますよ。
あくまでも鳥取県の一例ですけど、
これと似たような事は、
小さな都道府県なら
たくさんありますよ。
それと、もう一つ。
都道府県ごとに
研修医の上限を決める、
っていうのと同時に、
研修医を受け入れる事のできる
病院を規制する、
って事も同時にしています。
これが、大問題です。
具体的には、まだ決定ではないんだけど。
>救急医療を提供していること、
年間入院患者が3000人以上、
研修医5人に対して
指導医を1人以上、
臨床病理検討会(CPC)を
開催していること
ここらへんですね。
小さな病院でも、優秀な指導医がいて、
研修プログラムを工夫して
研修医に人気の病院。
っていうのも、いくつもあるんですよ。
でも、単純に
数とか規模で規制しちゃうと、
ユニークな実践で
地道に研修生を集めていた
中小病院は研修生を
募集できなくなります。
都道府県で研修医の上限を決めて、
中小の病院には研修医を行かせない。
っていう事になると、
結局は大学病院しか、
研修ができる病院が
なくなっちゃうんですよ。
特に小さな都道府県では。
これが問題なんです。
「新医師臨床研修制度」になって、
研修医の数が一番減ったのは、
大学病院です。
大学病院には、患者の数も多いし、
救急とか病理とかもあるけれども。
だからって、良い研修ができる
って訳では必ずしもないんですよ。
大学病院では良い研修が出来ない、
って研修医が判断したから。
大学病院は人気がなくて、
研修医の数が減ってるんですよ。
簡単に言うと、大学病院は
特殊な患者が多くて、
しかも雑用などの業務も多い。
だから、一般的な患者をたくさん診て勉強したい。
って研修医からは、人気がありません。
自由競争にしたんだから、
人気がない病院には
研修医は行かなくなる。
という当たり前の事が起こった。
でも、その原因を解決する事は
一切行わず、
大学病院に研修医を増やすために、
半強制的に規制を行う。
というのが、今度の
研修医制度のやり方ですわ。
こんなの、反対するに決まってるでしょ。
当事者の学生は。
この学生達の言う事が全部正しい、
とは思いませんけど。
やっぱり、おかしいですよね。
厚労省のやり方は。
研修医を指導できるかっていう「質」で、
研修医の枠、定員を決める。
っていう事であれば、
私は研修医の定員を
決める事自体には反対ではないですから。
研修を終えた研修医から話を聞いて。
この病院は研修病院としては不適切だ。
今の研修医の人数では多すぎる。
って事になって、
研修体制が十分かどうか
厚労省もきちんと監査をして。
それで、やっぱり不十分だって事になれば、
大学病院といえども
研修医の定員を削減する。
という形にすれば良いと思うんですがねー。
私が随分前からこのブログで
書いていますけど。
医師不足っていうのは、
研修医が不足してる、って訳じゃないですから。
学生さん達も言っていますけどね(笑)
地方に医師が不足していたって、
研修医がいたってどうしようもないんですからね。
地方に研修医を行かせたがっている、
医師会の偉い先生とか、
大学病院のベテランの医師を
派遣する方が100倍ましですよ。
「新医師臨床研修制度」を
作った目的は、
何でも診る事が出来る総合医を作る。
って事です。
その後に、医療訴訟が問題になって、
研修医に危険な手技を行わせるのが
難しくなった。
っていう状況とかもあるんですけどね。
数ヶ月おきに、いろんな科を廻って、
ただ見学するだけで、
総合医は養成出来たのか。
2年で期間は十分だったのか。
「新医師臨床研修制度」ってのは、
2年間だけだから。
2年経ったら大学病院にも人が戻って、
医師不足も解消する。って言う説もあったけど、
5年経ってそれはどうなったか、とか。
そういった、今の制度の
反省をするのが第一。
それもせずに、医師不足だから、
研修は2年から1年に減らします。
医師不足は大学病院に行く
医者が減ったのが原因だろう。
じゃあ、大学病院に行く人を
強制的に増やすために
都道府県別の定員を作ります。
って事じゃ、どう考えてもダメでしょ。
ちなみに、今の日本の
「新医師臨床研修制度」って、
実は1971年に
アメリカが廃止したものだそうですよ。
ある先生に聞いた事を、
ほぼそのまま引用させていただきます。
アメリカではそれまでは、内科半年、
外科数か月、他の診療科目を
数か月の研修(レジデンシー)制度だったが、
あまり効果がなく(要するに中途半端)、
1971年をもって打ち切りしにしたとの事です。
その代り、内科なら内科系だけ3年間トレーニングして
(内科専門医試験の関門あり)、
その後に数年間の
サブスペシャルティーのコースに進む
(たとえば、循環器専門医のような
専門医試験の関門あり)。
さらに人によっては
スーパーサブスペシャルティーの
コースを数年とる(例えば
循環器専門医取得後の
インターヴェンションの専門医)。
こうしてアメリカの専門医は
養成されていくそうです。
1971年に廃止された
トレーニング内容は医学生時代に
受けるようになったとのとこ。
欧州連合でも、医師の卒後教育の
プログラムは整備されています。
内科だけを見ても、日本の
新研修医制度のような
卒後教育はとっていなかった
と記憶しています。
家庭医になるような医師は、
昔のアメリカのような
プログラムで学ぶようですが。
別にアメリカを、欧州を絶賛している
わけではありませんが、
かの国では医学生が学ぶもの
とされていることを、
わざわざ卒後2年間の医師の
トレーニングに組み入れて、
家庭医を目指す医師以外にも
全員必修というのは、
どうなんでしょうか?
医師の卒前・卒後教育は欧米なみに
したほうが良いのでは?
と思うのですが。
日本との共通点は、研修医が
出身医大や地域に関係なく、
マッチングで全国募集の形態を
とっているということだけでしょうか。
医師臨床研修制度は厚生労働省、
医学部の大学の教育は文部科学省。
だから。
縦割り行政の日本じゃ、無理かなー。
大学病院について知りたい人は、これを読んでね!
→ 「大学病院のうそ」 ~現役医師(Dr. I)が暴露する、大学病院の秘密
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規制緩和、自由競争っていっておいて、都合が悪くなったらまた改変。
っていうのは、いつものやり方ですよね。
もう、信用できないっすわ。
っていうのは、いつものやり方ですよね。
もう、信用できないっすわ。
初めてコメントさせていただきます。
いつもDr. I先生のブログで勉強させていただいてます。
私はこの夏にマッチングを控えている医学生です。
一つだけ気になった点がありますので僭越ながら指摘させてください。
>今度の研修制度では
>救急は必修じゃなくなる、
>って事らしいですけどね。
たしか新しい案では内科6ヶ月、救急3ヶ月、外科・小児・産婦・精神・麻酔から2科を3ヶ月、地域医療1ヶ月が必修だったと思います。決定されたのかどうかはわからないですが・・・。半年後には病院を決めないといけないのに、まだ正式なアナウンスがないことに怒りを覚えています。
いつもDr. I先生のブログで勉強させていただいてます。
私はこの夏にマッチングを控えている医学生です。
一つだけ気になった点がありますので僭越ながら指摘させてください。
>今度の研修制度では
>救急は必修じゃなくなる、
>って事らしいですけどね。
たしか新しい案では内科6ヶ月、救急3ヶ月、外科・小児・産婦・精神・麻酔から2科を3ヶ月、地域医療1ヶ月が必修だったと思います。決定されたのかどうかはわからないですが・・・。半年後には病院を決めないといけないのに、まだ正式なアナウンスがないことに怒りを覚えています。

おじゃまします.
学生さんからの突き上げもかなりあるようですね,厚労省案
いまの素案の内容でしたら いっそ医学部教育内ににおろして
学習させた方が教育効率でははるかにいいのではないですか?
とおもいますけど
学生さんからの突き上げもかなりあるようですね,厚労省案
いまの素案の内容でしたら いっそ医学部教育内ににおろして
学習させた方が教育効率でははるかにいいのではないですか?
とおもいますけど

ああ、新しい制度は、2010年度からですから。
先生の時はまだ救急は必修でしたね。
先生も大変ですねー。
先生の時はまだ救急は必修でしたね。
先生も大変ですねー。
全くおっしゃるとおりで、アメリカでも学生のときにやる、って事にしたんで。
日本も真似するなら、そこまでまねした方が良いと思いますね。
日本も真似するなら、そこまでまねした方が良いと思いますね。
2010年度からであれば私も影響を受けてしまうんですよ。
(国試に受かれば)2010年4月からの研修医になるので・・・。
私の知る限りでは新制度でも救急が必修であったように思います。
勘違いがあれば申し訳ありません。
(国試に受かれば)2010年4月からの研修医になるので・・・。
私の知る限りでは新制度でも救急が必修であったように思います。
勘違いがあれば申し訳ありません。

あ、2011年度からですね、私の方が勘違いしていました。
すいません。
すいません。
必修科は
・1年目に内科6ヶ月+救急3ヶ月+選択必修2ヶ月
(外・小・産・精・麻から2科)
・2年目に地域医療1ヶ月
であったかと記憶しています。
つまり、初期研修2年間は内科・救急以外を選択必修とし、自由選択期間を12ヶ月に延長するという意味ですね。
が、ここで曲者なのが救急と地域医療。
救急の方は、従来3次救急病院の麻酔・ICUなども救急研修期間に算入できていたのですが、来年以降は1次・2次の救急のみでの3ヶ月間研修を義務化されるようです。「外科麻酔しかしない病院の麻酔科を救急に算入するのはけしからん」とのお達しですが、上記のような前提条件を突きつけられた時に、どの病院が対応可能かというと・・・なわけで。
また、地域医療も基本的に保健所不可となり、文字通り離島などでの地域医療研修を義務づけられるようです。
どうせなら、地域医療を1年目に移行し、初期研修を1年間で完了させてもらえた方がありがたいですが。
・1年目に内科6ヶ月+救急3ヶ月+選択必修2ヶ月
(外・小・産・精・麻から2科)
・2年目に地域医療1ヶ月
であったかと記憶しています。
つまり、初期研修2年間は内科・救急以外を選択必修とし、自由選択期間を12ヶ月に延長するという意味ですね。
が、ここで曲者なのが救急と地域医療。
救急の方は、従来3次救急病院の麻酔・ICUなども救急研修期間に算入できていたのですが、来年以降は1次・2次の救急のみでの3ヶ月間研修を義務化されるようです。「外科麻酔しかしない病院の麻酔科を救急に算入するのはけしからん」とのお達しですが、上記のような前提条件を突きつけられた時に、どの病院が対応可能かというと・・・なわけで。
また、地域医療も基本的に保健所不可となり、文字通り離島などでの地域医療研修を義務づけられるようです。
どうせなら、地域医療を1年目に移行し、初期研修を1年間で完了させてもらえた方がありがたいですが。

なるほど。
3次救急をやっているような大きな病院で研修している研修医は、逆に大変になる可能性もありますよね。
保健所を地域医療に入れる、っていうのは個人的にはあまり意味のない事だと思うので。
構わないかな、とは思いますが。
本当の僻地に生かされたら、結構大変ですね。
3次救急をやっているような大きな病院で研修している研修医は、逆に大変になる可能性もありますよね。
保健所を地域医療に入れる、っていうのは個人的にはあまり意味のない事だと思うので。
構わないかな、とは思いますが。
本当の僻地に生かされたら、結構大変ですね。
救急医療も大事ですがいまは地域医療が重視されているような気がします。
おっしゃるとおりですね。
地域医療っていうのは、医療だけでなく、地域の問題の方が大きいんですけど、ホントは。
でも、わかってない人多いんですよ。
地域医療っていうのは、医療だけでなく、地域の問題の方が大きいんですけど、ホントは。
でも、わかってない人多いんですよ。
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