現役医師、循環器内科医(Dr. I)が医療について、詳しくわかりやすく解説するブログ。 引用、転載は自由ですが、その際は必ず引用元を明記して下さいね!
  • 05«
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 13
  • 14
  • 15
  • 16
  • 17
  • 18
  • 19
  • 20
  • 21
  • 22
  • 23
  • 24
  • 25
  • 26
  • 27
  • 28
  • 29
  • 30
  • »07
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
医師過労の原因は医療界自身
医療崩壊の原因は、医療現場を知らない役人が、
医療政策を作っているからだ

そいで、医療費を削減し、医師数を減らしたからだ。
っていう話は、何回も書いていますけど。
そういう政策に、日本医師会も賛成していたんですよ。

さすがに最近はやりすぎたんで、
医師も反対していますけどね。
医療費削減には。
でも、ずーっと自民党を応援してきた、
っていう事は事実です。

日本医師会には当然医師しか入れませんけど。
上の方にいる人は、もうほとんど
医療現場の事なんかわからないですから。
厚労省とかの役人なんかと、大差ないんですよ。
特に既得権益を握っている人なんか、そっくりです。


そんな事を、このブログを始めた3年半位前から
私は言い続けているんですけど。
私は、日本医師会員でもなんでもない、
単なるぺーぺーの医者
ですからね。
何を言ってもたいした事ないんでしょうけど。

日本臨床外科学会会長の偉い先生が、
私と似たような事を言っていたので。
ちょっと紹介させてもらいますね。

元ネタは、『ロハスメディカルブログ』
です。
いつもお世話になっております。



苛酷な勤務 最大の原因は医療界自身に

第64回日本消化器外科学会学術総会の特別企画
『消化器外科医の勤務環境改善のために何をなすべきか』
(18日開催)で日本臨床外科学会会長の
出月康夫・東大名誉教授が大変に踏み込んだ
特別発言を行ったので、ご紹介する。(川口恭)


私が、医療の社会的な問題や経済的な問題に
関わり始めたのは20年ほど前から。

外科系学会社会保険委員会連合(外保連)という、
元々は外科系の手術の診療報酬をいかに上げるか、
どれ位が適切かということを学術的に研究しよう
という会の委員を数年やって、いろいろな矛盾がある
と気づいたのでいろいろと言い始めた。


4年前に『日本の医療を崩壊させないために』
という本を出したのだけれど、それ以来、
日本の医療崩壊が止まるどころか
益々悪くなってきているのが現状と思う。
最近になって、ようやく政治家も動き始めたし、
マスコミもキャンペーンを張ってくれるようになったので、
国民も状況をやっと理解し始めている。


今日の話の中心である勤務環境の改善は、
医療崩壊を防ぐ一番大切なことだが、
どうしてこんなことになったかは今日の話からも明らか。

ひとつの元凶は医療費の抑制。
現在の診療報酬では病院の収支がマイナスになる
というのは、皆が言い始めていることで、
補助金とか助成金をもらっている病院
何とかやっていけるかもしれないが、
それがないと確実に赤字になる。

病院は何をやろうと思っても結局は
そこがネックになって何もできない。
何が足りないかというと、
診療報酬に対する原価計算がない。

外保連で、それを20年やってきて、
やっと少し理解してもらえるようになったけれど、
行政の人に言っても『私たちもそれは
分かるんですけれど財源がないから上げられない』
というのが決まり文句。


もうひとつは、これも今日話の出ていた
医療訴訟・医事紛争の増加がある。

患者さんと医者の信頼関係が
随分と変わってきてしまったことが原因だが、
これにはやはり行政・法律家・
マスコミのポピュリズム・大衆迎合主義のために
人々が喜ぶことを行う、それが本当に
本質を分かって喜んでもらっているのならよいのだが、
そうでなくて感情論で動いてしまう、
そういうものをどんどん後押ししてしまう傾向が
今までは少なくともあったという風に考えている。


そして、もうひとつ最大の原因は、
医療界自体にあったと思う。
特に日本医師会に大変大きな責任がある。

病院の崩壊に対して、日本医師会が今まで
何も手を打ってこなかった。
加えて勤務医や私たち学会も何も言ってこなかった。
私たち自身に責任のあることだと思う。


ようやく診療報酬を何とかしよう、
医事紛争を何とかしようという機運が出てきたが、
でも学会の中だけでやっている限り
マスターベーションに過ぎない。

やはり外に向かってこういうことを分かってもらう、
国民に現在の医療の状況を理解していただく、
それを医師1人1人が、あるいは学会が
もっと積極的にやらなければならない。


今のような状況で、私たちが卒業したての頃だったら、
医師のストライキが確実に起こっていたと思う。
そういうこともある程度考えないといけない
時期に来ているのだろう。

診療を拒否しろと言っているのではなく、
やはり私たちの状況を社会に対してアピールする時には、
その前提として医師が何らかの行動を起こしている
必要があるということだ。


そうでなければマスコミにも分かってもらえない。
『先生方そういうことを言うけれど何もしてないじゃない』
と言われてしまうのがオチ。
昔、学生の時代にストを打って宮城前を駆け回ったのと
同じように何らかの行動を
医師はきちんと示さなければいけない。
それが国民に現状を理解していただく
最大の手段だろうと思う。

それから過重な労働を避けるためにどうしたらよいか、
の一番手っ取り早いのはワークシェアリングというか、
コメディカルの方や医療事務の方に
仕事を分担していただいて、医師医師でないと
できない仕事に専念するように。

そのためには法律の改正も必要かもしれないし、
それに医師が反対するようでは困る。

他の職員の方の権限を拡大しようとすると
日本医師会は非常に警戒する。
しかし、それは間違い。

今やアメリカを見ても世界を見ても、
医師に雑用、雑用といったら申し訳ないけれど、
医師以外がやってもよい仕事をさせているのは日本だけ。
そういう職種を医師としても育てていくということを
皆でしなければいけない。
それにもし医師会が反対するようなら
医師会を蹴飛ばせばよい。


それ位のことをしないと日本医師会
非常に強固な組織だから。
医師会の執行部には病院の人は1人もいない。
開業の先生、地方の医師会の会長がなる。
もし日本医師会をこのまま認めていくならば、
我々の意見を代表してくれる方に入ってもらうよう
組織のありかたを変える必要がある。


それから医療紛争の対処にあたるために
3年ぐらい前から医療安全委員会
というのが議論されているが、
厚生労働省から出てきた案は非常におかしい。
そういうものを厚労省の中に置こうというのだけれど、
自分の決めた医療制度を批判することはできないはずだ。

それから、その検討会の座長は刑法学者だ。
刑法とは、誰に責任があって、それをどう追及するか
という話で、そういう人が座長をやれば、
責任追及が原因究明や再発防止より
優先されてしまうのが当然と思う。


あの組織は、もう一回全部解体してやり直す
ということにしないと我々の意見は通らない。

あの検討会の中には3人医者がいるけれど、
厚労省には何も言えないかあるいは
日本医師会を代表する方々だから、
やはり勤務医を代表する、
しかもお上の息のかかってないような
実質的な方を委員に選んで、もう1回医療安全委員会
というものをどういう風にしたらよいのか
考え直してもらいたいというのが私の希望。


最後にどうしたら消化器外科に若い人が
どうしたら来てくれるのかということ。
勤務環境も大事かもしれないが、一番大きな原因は
消化器外科に魅力が少なくなってきているのが
最大の原因だと思う。

労働時間が長いとかキツいとかあっても、
若い人の中には目標のしっかりした人
たちも大勢いる。それがきちんとできるような
環境であれば、労働時間が長かろうが何だろうが
ちゃんとやる、そういう医者はまだ残っていると思う。
そういう人を惹きつけるような
魅力がないのかなという気がする。


『ロハスメディカル:2009年7月26日,1』
『ロハスメディカル:2009年7月26日,2』



一言で医者っていっても、いろいろいて。
日本医師会の偉い先生もいれば、大学教授もいるし。
勤務医開業医もいます。

元々医者って、技術職で、手に職を持っていて、
プライドも高い人達が多いですし。
それぞれ全然違う立場なんで、
考え方もばらばらなんですよ。

その中でも、一般病院でバリバリ働いているような
いわゆる「勤務医」。
それと、医師会とか学会での役職は立派なんだけど、
実際の医療現場ではほとんど働いていない医者

これは、「医師免許を持っている」っていう事では
同じなんですけど。
実際のとこ、考え方が全く反対。
という場合も多いです。

特に「既得権益」を持っているような偉―い医者
っていうのは、現場の勤務医にしたら、
むしろ「」と言っても良いくらいの時もあります。


そうでなくても、同じ勤務医の中でも、
働き者の医者もいれば、全然働かない医者もいるし。
同じ病院の中でもいます。

現場を知らないくせに、現場に文句を言う医者とか、
働かないで他の医者の仕事を増やす医者
彼らが、現場でまじめに働く医者にとって迷惑だ。
医師の過労の原因になっている。
っていう事は、異論がないと思いますけど。

実は、非常に有能で働き者で、人格者の医者
こういう人が、医師の過労の原因になっている
場合もあるんですよ。


例えば、非常に優秀で人よりも仕事が早い医者が、
良かれと思って看護師とか他の職種の仕事を
いつも手伝っていたとします。

それは、もちろん素晴らしいことなのですが。
善意」で自分の手が空いている時に、
人の仕事を手伝っているだけなのに。
手伝うのが当たり前」とか「それは医者の仕事
って思われちゃったら、他の医者にとっては、
それは迷惑な事なんですよね、はっきり言って。

もちろん、そう思う看護師とかコメディカルがいたら、
そっちの方がおかしい事なんですけど。
人が良いから、それをそのままにしておいたら、
次に来る医者とか、周りの医者の仕事が増えるんだから。
その結果、医師がますます過労になる
っていう事であれば、有能で人の良い医者も、
医師の過労の原因になっている
事になります。


私が自分の手が空いている時に、
他の人の仕事を手伝う、っていう事自体を
否定している訳ではないんですけどね。

手の空いている時に手伝ってあげるのは良いんだけど、
医者がやるのが当然」、
という雰囲気に周りがなった場合に、
「それは医師の本来の仕事じゃないんだ。」
っていう事を、はっきり言わないとダメだと思います。

それを言わない医者なのであれば、
そういう医者が、医師の過労の原因になっている、
と言われても文句は言えないと思います。


医師の過労だけの話じゃないんですけど。
1人当たりの仕事の量が多いっていう場合
それは、人が足りないか仕事の量が多いか
そのどっちかしかありません。

医師の数が足りないなら、医師数を増やすしかないし。
仕事の量が多すぎるなら、仕事を減らすしかありません。


まあ、両方やるべきだと思うんですけどね。

今でも、実際の医療現場で、比較的簡単にできるのが、
医師の仕事量を減らす、って事だと思います。

医者にしか出来ない仕事、例えば
実際に患者を診察したり、特殊な検査をしたり。
検査データーを見て判断したり、とか。
細かい病状を書いた書類を書くとか。
そういうのは、医者にしか出来ません。

でも、患者さんの採血をしたりとか、
前とほとんど同じ書類を書くとか。
事務員にも出来る仕事や、看護師にも出来る仕事
というのも、実際には「それは医者の仕事です
って言われて、医者がやっている病院も多いんですよ。

特に大学病院とか、公立病院なんかでは。

法律を改正しなくても、医者以外の職種に出来る仕事
っていうのは今でもたくさんあるんで。

医師の過労を減らす為に、今すぐやるべき事は、
医師の仕事を医師以外の職種にやってもらう事
だと思いますよ、私は。

それで、医師以外の仕事が増えるのであれば、
コメディカルをもっと雇うべきだし。
その為に、診療報酬を増やしたり、
補助金を出す、って事でも良いですけど。
そういう政策を出す、っていう事が大事だと思います。

なんかよくわらないけど、ひも付きの補助金。
では、医療は良くならないと思いますよ。


スポンサーサイト
この記事へのコメント
医者は医者にしかできないことをする。全くその通りと私も思います。研修医たちにも、日中は雑用なんかよりまずベッドサイドに行くように、空いた時間も、雑用などに使わず、教科書や論文をもっと読むようにと指導しています。若い医者はとにかく勉強、そして勉強に明け暮れる毎日であってほしいと思います。伝票整理や患者搬送、検体運びなどは医者の仕事ではない、と私たち現場の医者がもっと強く主張しなくてはダメです。公立病院では医者はNsやコメディカルから便利屋のようにしか思われていません。情けなさすぎます。今のままでは、国が医者を増員しても、Nsたちを「便利屋が増えた」と喜ばせるだけにならないかと少し心配しています。
小児科医@最果ての地[URL] 2009/07/27(月) 04:02 [EDIT]
同感です……
Dr.I様>
 「医者の敵は医者」、という現状と言うところでしょうか、重いですね。ただ、現状、医療関係のみならず日本全体で起こっている「労働者切捨て」は、究極のところ労働者自身が企業や政府を甘やかせた付けがまわってきてるわけで、今こそ医師の方々のみならず労働者も権利主張をするべきなのでしょうね。選挙も近いですし、本当の意味で国民のことを考える政治家を選びたいものですが、肝心の候補が……(嘆息)。
Lich[URL] 2009/07/27(月) 19:01 [EDIT]
研修指定病院返上を
えー今時 患者搬送や検体運びを研修医にさせている研修病院があるんですかw

まともに研修させていないところですね
元外科医[URL] 2009/07/27(月) 21:51 [EDIT]
>小児科医@最果ての地先生
医師を増員しても、ただ働きする人が増えた、って思う人が多いようじゃ、ダメなんですよね。
医師が医療に専念できる体制をつくるのが、第一だと思います。
Dr. I[URL] 2009/07/27(月) 22:35 [EDIT]
>Lichさん
医師だけじゃなく、労働者全体にも言える事ですよね、確かに。
でも、医師の場合は、それ以上に極端なように思えます。
Dr. I[URL] 2009/07/27(月) 22:36 [EDIT]
>元外科医さん
そんな病院には、研修医が来なくなるのが普通なんでしょうけど。
来年から、また改正されて、大学病院に研修医が集まるようなシステムになりそうですから。
返上、っていう事にはならなさそうですね。

でも、そんなところに、研修医は行かなきゃ良いのに。
行く人たちが多いから、まだそういうのが続くんですね。
Dr. I[URL] 2009/07/27(月) 22:38 [EDIT]
仰るとおりです。

「こんなに頑張ってるのに、わかってもらえない」と言ってるわりに、実のところ、激務に酔いしれるマスターベーションをしているだけの医師が多い。

さらに医療のネガティブキャンペーンを展開するメディアに嬉々として取材に応じる医師がいる。

医師の自業自得の部分もあると思います。
苦労婆[URL] 2009/08/03(月) 14:49 [EDIT]
>苦労婆さん
そうなんですよ。
悪気はないんでしょうけど、早く気づいてもらいたいですね、本当に。
Dr. I[URL] 2009/08/04(火) 22:34 [EDIT]

管理者にだけ表示を許可する
 
この記事のトラックバック
TB*URL

Copyright © 2005 健康、病気なし、医者いらず. all rights reserved.
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。
Add to Google My Yahoo!に追加 健康、病気なし、医者いらず